(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記情報取得部は、前記外部情報に所定の条件を満たす変化が発生した後に前記通信関連情報を取得する時間間隔を、前記外部情報に所定の条件を満たす変化が発生する前に前記通信関連情報を取得する時間間隔よりも短くする、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報提供装置。
前記情報提供部は、前記通信関連情報に関連する前記通信設備を識別するための設備識別情報、又は前記通信関連情報が示す前記通信品質を示す情報を前記情報端末に提供する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報提供装置。
前記情報提供部は、前記情報端末の位置から、前記通信設備のうち前記外部情報が示す事象の影響を受けている可能性がある通信設備の位置までのルートを示す情報を前記情報端末に提供する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の情報提供装置。
前記情報提供部は、前記通信設備に関連付けられた保守担当者が使用可能な前記情報端末に、地図に重畳して表示される前記通信関連情報の詳細情報のアクセス先を示す情報を提供する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の情報提供装置。
前記表示制御部は、前記情報受信部が、前記通信関連情報を前記表示部に表示している状態で、前記表示部に表示している前記通信関連情報と異なる他の通信関連情報を受信した場合、前記表示部に表示している前記通信関連情報と異なる態様で前記他の通信関連情報を前記表示部に表示させる、
請求項11に記載の情報提供システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術を用いることで、地域の監視者は、地域内で過去にインシデントが発生した重点監視エリア内の画像を確認しやすくなる。しかしながら、過去にインシデントが発生していないとしても、台風や地震等の事象により、台風や地震等の影響が及ぶ地域内の設備にインシデントが発生する場合がある。従来の技術を用いた場合、設備の管理者等が、台風や地震等の事象が発生したことに起因して通信設備や通信品質に問題が生じた場合に、生じた問題を迅速に把握することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、通信設備に問題が発生したことを把握しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報提供装置は、地図に重畳して複数の情報端末に表示させる複数の重畳情報を提供可能な情報提供装置であって、地域に関連付けられた外部情報、及び通信設備又は通信品質に関連する通信関連情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記外部情報に基づいて、前記情報端末に提供可能な前記複数の重畳情報のうち前記通信関連情報を提供する対象となる情報提供地域を選択する選択部と、前記複数の情報端末のうち、前記選択部が選択した前記情報提供地域内の前記情報端末に前記通信関連情報を提供する情報提供部と、を有する。
【0007】
前記外部情報は、例えば気象情報、災害情報及び事故情報の少なくともいずれかであり、前記選択部は、地域内の前記通信設備又は前記通信品質が、前記外部情報が示す事象による影響を受ける可能性がある場合に、前記事象による影響を受ける可能性がある前記通信設備又は前記通信品質に関連付けられた前記情報提供地域を選択してもよい。
【0008】
前記選択部は、前記外部情報に所定の条件を満たす変化があった場合に、前記通信関連情報を提供する対象とする地域を選択してもよい。
【0009】
前記情報提供部は、複数の前記通信関連情報のうち、前記外部情報が示す事象の影響を受ける可能性がある一以上の前記通信関連情報を前記情報端末に提供してもよい。
【0010】
前記情報取得部は、前記外部情報に所定の条件を満たす変化が発生した後に前記通信関連情報を取得する時間間隔を、前記外部情報に所定の条件を満たす変化が発生する前に前記通信関連情報を取得する時間間隔よりも短くしてもよい。
【0011】
前記情報取得部は、ネットワーク上で不特定多数の人により提供される投稿情報を前記外部情報として取得し、前記選択部は、前記外部情報に含まれるテキスト情報に基づいて前記情報提供地域を選択してもよい。この場合、前記選択部は、前記外部情報に含まれる地域名及び通信品質に関連するテキスト情報に基づいて前記情報提供地域を選択してもよい。
【0012】
前記情報提供部は、前記通信関連情報に関連する前記通信設備を識別するための設備識別情報、又は前記通信関連情報が示す前記通信品質を示す情報を前記情報端末に提供してもよい。
【0013】
前記情報提供部は、前記情報端末の位置から、前記通信設備のうち前記外部情報が示す事象の影響を受けている可能性がある通信設備の位置までのルートを示す情報を前記情報端末に提供してもよい。また、前記情報提供部は、前記通信設備に関連付けられた保守担当者が使用可能な前記情報端末に、地図に重畳して表示される前記通信関連情報の詳細情報のアクセス先を示す情報を提供してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様の情報提供システムは、地図に重畳して複数の情報端末に表示させる複数の重畳情報を提供可能な情報提供装置と、前記複数の情報端末と、を備える。前記情報提供装置は、地域に関連付けられた外部情報、及び通信設備又は通信品質に関連する通信関連情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記外部情報に基づいて、前記情報端末に提供可能な前記複数の重畳情報のうち前記通信関連情報を提供する対象となる情報提供地域を選択する選択部と、前記複数の情報端末のうち、前記選択部が選択した前記情報提供地域内の前記情報端末に前記通信関連情報を提供する情報提供部と、を有する。前記複数の情報端末のそれぞれは、地図情報及び前記通信関連情報を受信する情報受信部と、前記地図情報に基づく前記地図に重畳して前記通信関連情報を表示部に表示させる表示制御部と、を有する。
【0015】
前記表示制御部は、前記情報受信部が、前記通信関連情報を前記表示部に表示している状態で、前記表示部に表示している前記通信関連情報と異なる他の通信関連情報を受信した場合、前記表示部に表示している前記通信関連情報と異なる態様で前記他の通信関連情報を前記表示部に表示させてもよい。
【0016】
前記表示制御部は、前記他の通信関連情報に関連付けて、前記他の通信関連情報を受信した時刻を前記表示部に表示させてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、通信設備に問題が発生したことを把握しやすくすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[情報提供システムSの概要]
図1は、情報提供システムSの概要を説明するための図である。情報提供システムSは、予め登録されたコンピュータ等の情報端末に、地図に重畳して表示させる各種の情報を提供するためのシステムである。情報提供システムSは、情報提供装置1と複数の情報端末2とを備える。
【0020】
情報提供装置1は、地図に重畳して複数の情報端末2に表示させる複数の重畳情報を提供するサーバである。情報提供装置1は、ネットワークNを介して、基地局管理サーバ3、外部情報サーバ4、SNS(Social Network Service)サーバ5及び地図情報サーバ6等の外部のサーバから、気象情報、災害情報及び事故情報等の外部情報を取得する。そして、情報提供装置1は、取得した外部情報を、地図に重畳して表示させるための重畳情報として複数の情報端末2に提供する。
【0021】
外部情報サーバ4は、例えば気象情報を提供する機関のサーバ、官庁、役所及び警察が管理するサーバ、又は報道機関のサーバである。外部情報サーバ4は、複数の機関が管理する複数のサーバを含んでいてもよい。SNSサーバ5は、登録している人がテキスト情報や画像情報を投稿できる場を提供している会社のサーバである。地図情報サーバ6は、地図情報を提供している会社のサーバである。
【0022】
情報提供装置1は、例えば地図情報サーバ6から取得した地図情報とともに、通信設備の状態を示す情報、又は通信設備を介する通信の品質に関連する情報(以下、これらの情報を通信関連情報という場合がある)を情報端末2に提供する。通信品質は、例えば通信スループット、トラヒック量又はビット誤り率により表される。情報提供装置1は、例えば通信事業者が通信設備を管理するために用いられるが、情報提供装置1の用途は任意である。
【0023】
情報端末2は、コンピュータ又はタブレット等であり、情報提供装置1から送信された各種の情報を表示する。情報端末2は、例えば通信設備の保守作業を行う作業員(以下、ユーザという場合がある)が使用し、通信設備又は通信品質の状況を確認するために用いられる。
図1における情報端末2a−1及び情報端末2a−2は地域aの通信設備の保守作業を行う作業員が使用し、情報端末2b−1及び情報端末2b−2は、地域aと異なる地域bの通信設備の保守作業を行う作業員が使用することが想定されている。
【0024】
情報提供装置1は、基地局Aの状態を管理している基地局管理サーバ3から通信関連情報を取得する。そして、情報提供装置1は、外部情報サーバ4及びSNSサーバ5等の外部サーバから得られる、地域に関連付けられた外部情報に基づいて、基地局管理サーバ3から取得した通信関連情報を提供する対象とする情報提供地域を選択する。
【0025】
例えば、情報提供装置1は、外部情報サーバ4から提供された気象情報及び災害情報が、地域aにおいて強風が発生したことや地震が発生したこと等のように、地域a内の通信設備又は通信品質に影響を与える事象が発生したことを示している場合に、地域a内の情報端末2aに対して通信関連情報を提供する。情報提供装置1は、外部情報サーバ4から提供された気象情報及び災害情報が、地域b内の通信設備又は通信品質に影響を与える事象が発生したことを示していない場合に、地域b内の情報端末2bに対して通信関連情報を提供しない。
【0026】
情報端末2は、情報提供装置1から受信した各種の情報を重畳して表示する。
図2は、重畳して表示される情報の概要を説明するための図である。情報端末2は、例えば
図2(a)に示すように、車載基地局情報、アラーム情報、基地局情報、気象情報、カバーエリア情報等を情報提供装置1から取得し、取得した情報のうち少なくとも一部を地図情報に重畳して、
図2(b)に示すように表示する。
【0027】
図2(b)は、日本地図に各種の情報が重畳された状態を示しているが、上記のとおり、情報提供装置1が、地域a内の通信設備又は通信品質に影響を与える事象が発生したことに応じて通信関連情報を送信した場合、情報端末2aは、地域aの周辺を拡大した地図に通信関連情報を重畳して表示する。
【0028】
図3は、情報端末2が地域の周辺を拡大した地図に通信関連情報を重畳した状態を模式的に示す図である。
図3(a)は、地震が発生した直後に情報端末2に表示された画面の例であり、情報端末2の周辺地域における震度分布を示す画像が地図画像に重畳して表示されている。
図3(b)は、地震が発生した後の通信設備の状況を示す画像が重畳された状態の画面の例である。
図3(b)に示す例においては、震度が大きかった基地局A3に異常が発生していることを示す画像が重畳されている。
【0029】
このように、情報提供システムSにおいては、情報提供装置1が、外部情報に基づいて通信設備又は通信品質に影響を与える事象が発生した地域を特定し、特定した地域の情報端末2に通信関連情報を送信し、通信設備の保守作業を行う作業員の情報端末2は、地図に通信関連情報を重畳して表示する。したがって、情報提供システムSを用いることで、通信設備の保守作業を行う作業員が、迅速に通信設備の故障対応を行うことが可能になるとともに、故障が発生する前の予防的な対応も行うことが可能になる。
以下、情報提供装置1の構成について詳細に説明する。
【0030】
[情報提供装置1の構成]
図4は、情報提供装置1の構成を示す図である。情報提供装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。制御部13は、情報取得部131と、選択部132と、情報提供部133とを有する。
【0031】
通信部11は、ネットワークNを介して情報端末2、基地局管理サーバ3、外部情報サーバ4、SNSサーバ5及び地図情報サーバ6との間で通信するための通信コントローラを有する。通信部11は、ネットワークNを介して基地局管理サーバ3、外部情報サーバ4、SNSサーバ5及び地図情報サーバ6から受信した情報を情報取得部131に入力する。また、通信部11は、情報提供部133から入力された情報を、ネットワークNを介して情報端末2に送信する。
【0032】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部12は、基地局管理サーバ3、外部情報サーバ4、SNSサーバ5及び地図情報サーバ6から受信した各種の情報を一時的に記憶する。また、記憶部12は、複数の情報端末2のそれぞれに関連付けて、情報端末2が使用されている地域を特定するための情報(例えば緯度・経度情報)を記憶している。
【0033】
さらに、記憶部12は、外部情報が示す事象の種別に関連付けて、情報提供地域として選択する基準を記憶している。記憶部12は、例えば、外部情報が示す事象の種別が「風速」である場合、情報提供地域を選択する基準となる風速が「20m以上」であることを記憶している。
【0034】
記憶部12は、外部情報が示す事象の種別及び内容に関連付けて、情報提供地域として選択する対象とする範囲の大きさを記憶していてもよい。記憶部12は、例えば、外部情報が示す事象の種別が「地震」である場合、震度が大きければ大きいほど、情報提供地域として選択する対象となる地域と震源との間の距離として大きな値を記憶している。
【0035】
制御部13は例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、情報取得部131、選択部132及び情報提供部133として機能する。
【0036】
情報取得部131は、地域に関連付けられた外部情報、及び通信設備又は通信品質に関連する通信関連情報を取得する。外部情報は、上記のとおり、気象情報、災害情報及び事故情報の少なくともいずれかである。情報取得部131は、取得した外部情報を選択部132及び情報提供部133に入力し、通信関連情報を情報提供部133に入力する。
【0037】
情報取得部131は、外部情報に所定の条件を満たす変化が発生した後に通信関連情報を取得する時間間隔を、外部情報に所定の条件を満たす変化が発生する前に通信関連情報を取得する時間間隔よりも短くする。情報取得部131は、例えば、定常状態においては5分ごとに外部情報を取得し、台風が接近している場合において風速が30m以上になった時点で、1分ごとに外部情報を取得するようにする。このようにすることで、通信設備に影響を与える可能性がある事象が発生したことを迅速に情報端末2に通知することが可能になる。
【0038】
選択部132は、情報取得部131が取得した外部情報に基づいて、情報端末2に提供可能な複数の重畳情報のうち通信関連情報を提供する対象となる情報提供地域を選択する。選択部132は、例えば、地域内の通信設備又は通信品質が、外部情報が示す事象による影響を受ける可能性がある場合に、事象による影響を受ける可能性がある通信設備又は通信品質に関連付けられた情報提供地域を選択する。
【0039】
具体的には、選択部132は、記憶部12に記憶された外部情報が示す事象の種別に関連付けられた基準を参照し、外部情報が示す事象が影響を与える可能性がある基地局Aを特定する。そして、選択部132は、基地局Aから所定の範囲(例えば、基地局Aの保守作業員が滞在している範囲)を情報提供地域として選択する。
【0040】
例えば、選択部132は、地震が発生したことを示す外部情報を取得した場合、震度4以上の揺れが発生した地域に設置されている一以上の基地局Aから所定の範囲を情報提供地域として選択する。選択部132は、風速を示す外部情報を取得した場合、風速30m以上の風が発生している地域、又は風速30m以上の風が発生すると予想されている地域に設置されている一以上の基地局Aから所定の範囲を情報提供地域として選択する。選択部132は、選択した情報提供地域を情報提供部133に通知する。
【0041】
選択部132は、外部情報に所定の条件を満たす変化があった場合に、通信関連情報を提供する対象とする地域を選択してもよい。例えば、選択部132は、風速が基地局Aに影響を与える可能性がある強さに変化した時点で、基地局Aの状態を示す通信関連情報を提供する対象となる地域を選択する。このようにすることで、問題が発生している可能性が低い基地局Aに関連する情報が表示されないので、情報端末2のユーザが、問題が発生している基地局Aに関する情報を見逃す確率を下げることができる。
【0042】
情報提供部133は、複数の情報端末2のうち、選択部132が選択した情報提供地域内の情報端末2に通信関連情報を提供する。具体的には、情報提供部133は、選択部132から取得した情報提供地域に対応する緯度・経度の範囲を特定するとともに、特定した緯度・経度の範囲で使用されている情報端末2に関連付けられている端末識別情報(以下、端末IDという)を特定する。情報提供部133は、特定した端末IDに対応する情報端末2に対して、情報取得部131から取得した通信関連情報を送信する。
【0043】
情報提供部133は、通信関連情報に関連する通信設備を識別するための設備識別情報、又は通信関連情報が示す通信品質を示す情報を情報端末2に提供する。情報提供部133がこれらの情報を情報端末2に提供することにより、情報端末2のユーザが、どの通信設備にどのような問題が発生しているかを的確に把握することが可能になる。
【0044】
情報提供部133は、選択部132から取得した複数の通信関連情報のうち、外部情報が示す事象の影響を受ける可能性がある一以上の通信関連情報を情報端末2に提供してもよい。例えば、強風が発生していることを外部情報が示している場合、ケーブルが接続されている通信設備に関する通信関連情報を選択して情報端末2に提供する。このように、外部情報が示す事象の影響を受ける可能性の有無によって情報提供部133が通信関連情報を選択することにより、情報端末2に不要な通信関連情報が表示されないので、情報端末2のユーザが、重要な情報を見逃す確率を下げることができる。
【0045】
[情報端末2の構成]
図5は、情報端末2の構成を示す図である。情報端末2は、通信部21と、表示部22と、記憶部23と、制御部24とを有する。制御部24は、情報受信部241と、表示制御部242とを有する。
【0046】
通信部21は、ネットワークNを介して情報提供装置1から各種の情報を取得するための通信インターフェースであり、例えばLANコントローラを有する。
表示部22は、地図に重畳して各種の情報を表示するためのディスプレイである。
【0047】
記憶部23は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体を有する。記憶部23は、制御部24が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部23は、情報提供装置1から取得した各種の情報を記憶する。
【0048】
制御部24は、例えばCPUであり、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することにより、情報受信部241及び表示制御部242として機能する。情報受信部241は、通信部21を介して、地図情報及び通信関連情報を情報提供装置1から受信する。情報受信部241は、受信した情報を表示制御部242に入力する。
【0049】
表示制御部242は、地図情報に基づく地図に重畳して通信関連情報を表示部22に表示させる。表示制御部242は、例えば
図2に示したような態様で、地図に重畳して各種の情報を表示部22に表示させる。
【0050】
表示制御部242は、情報受信部241が、通信関連情報を表示部22に表示している状態で、表示部22に表示している通信関連情報と異なる他の通信関連情報を受信した場合、表示部22に表示している通信関連情報と異なる態様で他の通信関連情報を表示部に表示させてもよい。例えば、基地局管理サーバ3における通信状態が所定の量以上変化して、情報受信部241が新たな通信関連情報を受信した場合に、新たな通信関連情報に関連する基地局Aの部分の色を変えて表示する。このようにすることで、情報端末2のユーザが、基地局Aに異常が発生したことを認識しやすくなる。
【0051】
表示制御部242は、このように新たに受信した他の通信関連情報に関連付けて、他の通信関連情報を受信した時刻を表示部22に表示させてもよい。このようにすることで、情報端末2のユーザが、基地局Aに発生した通信状態の変化がいつ発生したかを把握できるので、情報端末2のユーザが正確な状況を把握しやすくなる。
【0052】
[情報提供システムSにおける処理シーケンス]
図6は、情報提供システムSにおける処理シーケンスを示す図である。
図6に示すシーケンス図は、外部情報サーバ4が情報提供装置1に対して外部情報を送信した時点から開始している。情報提供装置1は、外部情報を受信すると、外部情報が示す事象が、情報提供装置1が予め登録されている複数の通信設備の少なくともいずれかに影響を与える可能性があるかどうかを判定する(ステップS1)。
【0053】
情報提供部133は、ステップS1において、外部情報が示す事象が、複数の通信設備の少なくともいずれかに影響を与える可能性があると判定した場合(ステップS1においてYES)、基地局管理サーバ3に対して通信関連情報を要求する。情報提供部133は、複数の基地局管理サーバ3が存在する場合、外部情報が示す事象が影響を及ぼす可能性がある通信設備に関する情報を取得している基地局管理サーバ3に対して通信関連情報を要求してもよい。
【0054】
情報提供部133は、基地局管理サーバ3から各種の通信関連情報を受信すると、受信した通信関連情報のうち、外部情報が示す事象の影響を受ける可能性が高い通信関連情報を選択する(ステップS2)。情報提供部133は、例えば、外部情報が示す事象が強風である状況下で、スループット、ビット誤り率、電波強度を示す通信関連情報を受信した場合、強風の影響を受ける可能性が比較的高いスループット及びビット誤り率を選択する。なお、情報提供部133は、通信関連情報を要求する時点で、外部情報が示す事象の影響を受ける可能性が高い通信関連情報を指定して基地局管理サーバ3に要求してもよい。
【0055】
続いて、選択部132は、通信関連情報を提供する対象となる地域を選択する(ステップS3)。具体的には、選択部132は、外部情報が示す事象の影響を受ける可能性がある地域を情報提供地域として選択する。
【0056】
情報提供部133は、選択部132から情報提供地域の指定を受けると、指定された情報提供地域で使用されている情報端末2に対して、ステップS2で選択した通信関連情報を送信する。
図6に示す例においては、情報提供部133は、地域aで使用されている情報端末2aに通信関連情報を送信している。情報端末2aは、受信した通信関連情報を地図画像に重畳して表示する(ステップS4)。
【0057】
なお、
図6においては、情報提供部133が、外部情報が示す事象が影響を及ぼす可能性がある通信設備に関する情報を取得している基地局管理サーバ3に対して通信関連情報を要求する場合を例示したが、情報提供部133が通信関連情報を要求せず、定期的に情報取得部131が取得した通信関連情報から、情報端末2に提供する通信関連情報を選択してもよい。
【0058】
[変形例1]
以上の説明において、情報取得部131は、主に外部情報サーバ4から外部情報を取得する場合について説明したが、SNSサイトにおいて投稿されたテキスト情報及び画像情報をSNSサーバ5から取得してもよい。この場合、選択部132は、取得したテキスト情報又は画像情報に基づいて、地域内の通信設備又は通信品質に影響を与える事象が発生したことを特定する。
【0059】
選択部132は、外部情報に含まれる地域名及び通信品質に関連するテキスト情報に基づいて情報提供地域を選択する。情報取得部131は、例えば、投稿されたテキスト情報に、「通信」又は「キャリア」といった通信に関連する単語と、「つながらない」、「遅い」、「接続できない」といった通信品質の低下に関連する単語とが含まれている場合に、当該テキスト情報に含まれている地域名、又は当該テキスト情報が投稿された地域に関する情報を探索する。情報取得部131は、同じ投稿者から、当該テキスト情報が投稿された時刻から、同じ地域内で投稿されたと推定される所定の範囲内の時刻に投稿された画像情報に含まれているメタ情報(例えばExif(Exchangeable Image File Format))に基づいて地域を特定してもよい。
【0060】
情報取得部131は、特定した地域を示す情報とともに、通信関連の問題が生じている可能性があることを選択部132及び情報提供部133に通知する。選択部132は、情報取得部131から通知された地域を情報提供地域として選択し、情報提供部133は、選択された情報提供地域内の情報端末2に対して、基地局管理サーバ3から取得した通信関連情報を送信する。
【0061】
また、情報提供装置1は、SNSサイトで投稿されたテキスト情報の他に、通信事業者のコールセンターに入電・録音された、お客様とコールセンターのオペレーターとの通話内容を音声認識して生成されたテキスト情報を利用してもよい。このようにSNSサイトに投稿された情報及びコールセンターで収集された情報等を活用することで、情報提供装置1は、気象情報、災害情報及び事故情報を収集しているサーバから提供された情報に異常がないにもかかわらず通信設備に異常が生じている場合においても、情報端末2に対して迅速に通信関連情報を提供することができる。
【0062】
[変形例2]
情報提供部133は、情報端末2の位置から、通信設備のうち外部情報が示す事象の影響を受けている可能性がある通信設備の位置までのルートを示す情報を情報端末2に提供してもよい。
図7は、変形例に係る情報を表示している情報端末2の画面の模式図である。
【0063】
図7に示す画面は、基地局A3に異常が発生していることを示しているとともに、情報端末2の現在地から基地局A3までに存在する複数のルートのうち、推奨されるルートを黒点の列により示している。情報提供部133は、災害情報及び事故情報等によって通行止めになっている道路に関する情報を情報端末2に提供することで、情報端末2は、推奨ルートを表示することができる。災害が発生した場合には、使用可能なルートが限られることがあるので、情報端末2がこのように推奨ルートを表示することで、基地局A3を保守点検する作業員が迅速に基地局A3に到達することが可能になる。
【0064】
[変形例3]
情報提供部133は、通信設備に関連付けられた保守担当者が使用可能な情報端末2に、地図に重畳して表示される通信関連情報の詳細情報のアクセス先を示す情報を提供してもよい。例えば、情報提供部133は、
図7に示した例において、基地局A3に異常が発生している可能性があることを情報端末2に通知するとともに、基地局A3に関する各種の詳細情報を収集している基地局管理サーバ3のアクセス先(例えばURL)を情報端末2に提供してもよい。情報提供部133は、基地局管理サーバ3のアクセス先の代わりに、又は基地局管理サーバ3のアクセス先とともに、情報提供装置1から詳細情報を取得するためのアクセス先を情報端末2に提供してもよい。
【0065】
また、情報提供部133は、通信設備に関連付けられた保守担当者の情報端末2だけでなく、別の情報端末2(例えば保守担当者の管理者の情報端末2)にアクセス先を提供してもよい。情報提供部133が別の情報端末2に提供するアクセス先は、保守担当者向けとして情報提供装置1において選択された重畳情報を別の情報端末2に引き継いで表示するための引継情報(例えばURLパラメータ)を含んでもよい。このようにすることで、保守担当者から他者に情報を円滑に引き継ぐことが可能になる。
【0066】
情報端末2は、情報端末2のユーザが
図7に示した画面において基地局A3にタッチした場合に、提供されたアクセス先に詳細情報を要求するメッセージを送信する。そして、情報端末2は、詳細情報を受信すると、詳細情報を画面に表示する。このようにすることで、情報端末2のユーザは基地局A3の状態を詳細に把握してから基地局A3に向かうことができるので、迅速に対策を講じることが可能になる。
【0067】
[情報提供システムSによる効果]
以上説明したように、情報提供システムSにおいては、選択部132が、情報取得部131が取得した外部情報に基づいて、情報端末2に提供可能な複数の重畳情報のうち通信関連情報を提供する対象となる情報提供地域を選択する。そして、情報提供部133が、複数の情報端末2のうち、選択部132が選択した情報提供地域内の情報端末2に通信関連情報を提供する。このようにすることで、情報端末2には、情報端末2のユーザにとって重要な通信関連情報(例えば情報端末2を使用する作業員が保守を担当する通信設備に関する情報)が優先的に表示されるので、情報端末2のユーザが、保守を担当する通信設備に問題が発生したことを把握しやすくすることが可能になる。
【0068】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。