(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の玄米炊飯鍋は、当該特許文献1の
図4から分かるように、家庭用が想定されている。そのため、特許文献1に記載の玄米炊飯鍋を、多量の玄米を迅速に炊飯することが求められる工場等で用いるのは適さない。
【0005】
本発明の目的は、多量の玄米をおいしく迅速に炊飯することができる玄米炊飯装置、玄米パック製造ラインおよび玄米炊飯方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様は、生の玄米が最大で5kg以上20kg以下に充填された複数の容器を一括して収納する収納状態を取り得る収納部と、
前記収納部内に蒸気を供給する供給部を有し、前記収納状態で、前記蒸気の供給により、前記収納部内を前記各容器内の前記玄米ごと加熱しつつ、加圧する加熱加圧部と、
前記収納部内を減圧する減圧部とを備え、
前記加熱加圧部は、前記収納状態で前記収納部内の予熱を時間t1から時間t2までの間行って、前記各容器内の前記玄米の温度を60℃以上100℃以下とし、
前記予熱後、時間t2から時間t3までの間、前記収納部内への蒸気の供給により、経時的に、前記収納部内の温度を最大温度
130℃以上135℃以下まで上昇させつつ、前記収納部内の圧力を最大圧力180kPa以上185kPa以下まで上昇させ、
時間t3から時間t4までの間、前記収納部内が前記最大温度、かつ、前記最大圧力となった状態を維持し、
前記減圧部は、前記加熱加圧部によって前記収納部内が前記最大温度、かつ、前記最大圧力となった状態が維持された後、時間t4から時間t5までの間、前記収納部内の温度が
100℃以上120℃以下となるまで、前記収納部内を経時的に減圧することを特徴とする玄米炊飯装置である。
【0007】
また、本発明の態様は、上記の玄米炊飯装置を備え、
前記玄米炊飯装置によって炊飯された前記玄米を包装した玄米パックを製造することを特徴とする玄米パック製造ラインである。
【0008】
また、本発明の態様は、生の玄米が最大で5kg以上20kg以下に充填された複数の容器を一括して収納部に収納する収納工程と、
前記収納部内に蒸気を供給することにより、前記収納部に収納された前記各容器内の前記玄米を加熱しつつ、加圧する加熱加圧工程とを有し、
前記加熱加圧工程では、前記各容器が収納された前記収納部内の予熱を時間t1から時間t2までの間行って、前記各容器内の前記玄米の温度を60℃以上100℃以下とし、
前記予熱後、時間t2から時間t3までの間、前記収納部内への蒸気の供給により、経時的に、前記収納部内の温度を最大温度
130℃以上135℃以下まで上昇させつつ、前記収納部内の圧力を最大圧力180kPa以上185kPa以下まで上昇させ、
時間t3から時間t4までの間、前記収納部内が前記最大温度、かつ、前記最大圧力となった状態を維持し、
前記収納部内が前記最大温度、かつ、前記最大圧力となった状態の維持後、時間t4から時間t5までの間、前記収納部内の温度が
100℃以上120℃以下となるまで、前記収納部内を経時的に減圧することを特徴とする玄米炊飯方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、多量の玄米をおいしく迅速に炊飯することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、
図1〜
図11を参照して、本発明の玄米炊飯装置、玄米パック製造ラインおよび玄米炊飯方法の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、
図3〜
図5中では、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸を設定する。一例として、X軸とY軸を含むXY平面が水平となっており、Z軸が鉛直となっている。また、
図3〜
図5および
図10中の上側を「上(または上方)」と言い、下側を「下(または下方)」と言う。
【0012】
図1に示すように、玄米パック製造ライン100は、上流側から順に配置された、玄米炊飯装置1と、ほぐし装置2と、計量装置30と、包装装置40と、殺菌装置50と、除水装置60とを備える。この玄米パック製造ライン100は、炊飯された玄米BRを包装した玄米パックを製造することができる。
【0013】
また、
図2に示すように、玄米パック製造ライン100では、収納工程と、加熱加圧工程と、取り出し工程と、ほぐし工程と、計量工程と、包装工程と、殺菌工程と、除水工程とが順に行われる。そして、収納工程から取り出し工程までは、玄米炊飯装置1が用いられる。ほぐし工程では、ほぐし装置2が用いられる。計量工程では、計量装置30が用いられる。包装工程では、包装装置40が用いられる。殺菌工程では、殺菌装置50が用いられる。除水工程では、除水装置60が用いられる。
【0014】
[1] 収納工程
収納工程は、生の玄米BRが充填された複数の容器(食缶)9を玄米炊飯装置1に一括して収納する工程である。この収納工程は、自動的に行われてもよいし、人(作業者)の手を介して行われてもよい。
前述したように、収納工程から取り出し工程までは、玄米炊飯装置1が用いられる。玄米炊飯装置1は、生の玄米BRを炊飯することができる。そして、玄米炊飯装置1によって炊飯された玄米BRは、各工程を経て、包装されて玄米パックとなる。
【0015】
図3〜
図6に示すように、玄米炊飯装置1は、収納部3と、加熱加圧部4と、減圧部51と、操作部52と、表示部53と、制御部54とを備える。
収納部3は、箱状をなす収納部本体31と、収納部本体31に回動可能に支持された扉32と、収納部本体31内に配置された複数の棚33とを有する。
【0016】
収納部本体31は、収納部本体31の内側と収納部本体31の外側との間を断熱する断熱性を有する。収納部本体31は、Y軸方向負側が開口している。
そして、扉32は、収納部本体31の開口部311を開閉することができる。扉32が開状態では、収納部本体31に対する容器9の収納、取り出しを行うことができる。また、扉32が閉状態では、容器9内が密閉状態となり、容器9内の玄米BRに対する炊飯が可能となる。扉32も、収納部本体31と同様に、断熱性を有する。
【0017】
棚33は、Z軸方向、すなわち、上下方向に沿って複数配置されている。そして、各棚33には、容器9が水平方向に沿って複数行複数列配置される。また、収納部本体31の底部312上にも、容器9を水平方向に沿って複数行複数列配置することができる。
これにより、生の玄米BRが充填された複数の容器9を収納部本体31内に一括して収納することができる。以下、この状態を「収納状態」と言う。また、収納状態では、容器9は、規則的に、すなわち、上下方向に沿って複数段、水平方向に沿って複数行複数列で配置される。これにより、次工程、すなわち、加熱加圧工程で、各容器9内の玄米BRを均一に加熱加圧ことができ、よって、多量の玄米BRをおいしく迅速に炊飯することができる。
【0018】
なお、棚33の配置数は、本実施形態では3つであるが、これに限定されず、例えば、2つまたは4つ以上であってもよい。また、容器9の配置態様は、本実施形態では2行2列であるが、これに限定されない。
また、収納部3は、収納部本体31内に配置する棚33の配置数や、各棚33の高さを変更可能に構成されている。
【0019】
玄米炊飯装置1で使用される容器9は、特に限定されないが、例えば、生の玄米BRを最大で5kg以上20kg以下充填可能であるのが好ましく、10kg以上15kg以下充填可能であるのがより好ましい。また、容器9は、X軸方向に沿った長さ(幅)LX9が200mm以上400mm以下であるのが好ましく、300mm以上370mm以下であるのがより好ましい。また、Y軸方向に沿った長さ(奥行き)LY9は、300mm以上600mm以下であるのが好ましく、400mm以上550mm以下であるのがより好ましい。また、Z軸方向に沿った長さ(高さ)LZ9は、100mm以上250mm以下であるのが好ましく、150mm以上200mmであるのがより好ましい。
【0020】
収納部本体31には、制御部54が内蔵されている。制御部54は、加熱加圧部4、減圧部51、操作部52、表示部53と電気的に接続されており、これらの作動を制御することができる。
図6に示すように、制御部54は、CPU541と、記憶部542とを有する。CPU541は、記憶部542に予め記憶されている制御プログラムを実行することができる。制御プログラムには、例えば、玄米BRを炊飯するためのプログラム等が含まれる。
【0021】
操作部52および表示部53は、収納部本体31のY軸方向負側に臨んで配置されている。操作部52は、制御部54に各種の命令を行う部分であり、例えば、ボタン等で構成される。表示部53は、玄米炊飯装置1の作動状態等が表示され、例えば、液晶パネル等で構成される。
【0022】
[2] 加熱加圧工程
加熱加圧工程は、収納部3に収納された各容器9内の玄米BRを一括して加熱しつつ、加圧する工程である。これにより、各容器9内の玄米BRを一括して炊飯することができる。
【0023】
加熱加圧工程は、玄米炊飯装置1の加熱加圧部4および減圧部51によって行われる。
加熱加圧部4は、収納状態で、収納部3内を各容器9内の玄米BRごと加熱しつつ、加圧することができる。
図6に示すように、加熱加圧部4は、供給部41と、切換弁42と、温度検出部43と、圧力検出部44とを有する。また、加熱加圧部4は、収納部本体31に内蔵されている。
【0024】
供給部41は、収納部3内に高温高圧の蒸気(水蒸気)を供給する部分であり、例えば、ボイラ等で構成される。これにより、収納部3内の加熱と加圧とを迅速かつ容易に行うことができる。
切換弁42は、収納部3内への蒸気の供給と供給停止とを切り換える電磁弁である。
【0025】
温度検出部43は、収納部3内の温度を検出する部分であり、例えば、サーミスタ等で構成される。
圧力検出部44は、収納部3内の圧力を検出する部分であり、例えば、歪ゲージ等で構成される。
そして、温度検出部43および圧力検出部44での検出結果に基づいて、切換弁42の作動タイミングが制御される。これにより、供給部41から収納部3内への蒸気の供給量が調整され、よって、収納部3内を所望の温度、圧力に設定することができる。
【0026】
減圧部51は、加熱加圧部4の作動が停止した状態で、収納部3内を減圧する部分であり、例えば、収納部3内の蒸気の排出と排出停止を切り換える電磁弁で構成される。収納部3内の蒸気の排出することにより、収納部3内を減圧することができる。また、減圧部51は、収納部本体31に内蔵されている。
【0027】
図7に示すように、加熱加圧工程では、収納部3内で予熱(予備加熱)、炊飯(本加熱)、蒸らしがこの順に行われる。予熱は、時間t1から時間t2までの間行われる。炊飯は、時間t2から、時間t3を経て、時間t4までの間行われる。蒸らしは、時間t4から時間t5までの間行われる。なお、予熱、炊飯は、加熱加圧部4の作動により行われ、蒸らしは、減圧部51の作動により行われる。
【0028】
収納状態の収納部3内を予熱することにより、容器9内の玄米BRの温度を、好ましくは60℃以上100℃以下、より好ましくは80℃以上100℃以下とすることができる。これにより、玄米BRが迅速に炊飯可能な状態となる。
予熱後、炊飯を行う。この炊飯では、収納部3内に蒸気を供給することにより、
図8に示すように、収納部3内の温度を経時的に上昇させつつ、収納部3内の圧力も経時的に上昇させる。なお、炊飯時の最大温度Tmaxは、例えば、130℃以上135℃以下であ
る。また、炊飯時の最大圧力Pmaxは、例えば、180kPa以上185kPa以下であるのが好ましく、183kPa以上185kPa以下であるのがより好ましい。
【0029】
収納部3内では、時間t3で、収納部3内の温度が最大温度Tmaxとなり、収納部3内の圧力が最大圧力Pmaxとなる。この状態を「温度圧力最大状態MS」と言う。そして、加熱加圧部4は、温度圧力最大状態MSを時間t4まで維持する。
このような炊飯により、玄米BRは、胚乳(白米)がふっくらと炊き上がるとともに、果皮等を含むぬか層や胚芽が十分に軟らかく食べ易くなる。
【0030】
減圧部51は、温度圧力最大状態MSを維持後、収納部3内の温度が
、100℃以上120℃以下となるまで、収納部3内を徐々に減圧していく。これにより、玄米BRを蒸らすことができる。
以上のような加熱加圧工程により、各容器9内の玄米BRを均一に加熱加圧ことができ、よって、多量の玄米BRをおいしく迅速に炊飯することができる。
【0031】
[3] 取り出し工程
取り出し工程は、炊飯後の容器9を玄米炊飯装置1から取り出す工程である。この取り出し工程は、自動的に行われてもよいし、人(作業者)の手を介して行われてもよい。
【0032】
[4] ほぐし工程
ほぐし工程は、炊飯された玄米BRを包装する以前に、玄米BRをほぐす工程である。ほぐし工程では、ほぐし装置2が用いられる。
図10、
図11に示すように、ほぐし装置2は、第1ほぐし部21と、第2ほぐし部22と、充填部23と、搬送部24と、押出部25と、操作部26と、表示部27と、制御部28と、ホッパー291〜ホッパー294とを有する。
【0033】
ほぐし装置2では、玄米BRが移送される上流側から下流側に向かって、第1ほぐし部21と、第2ほぐし部22と、充填部23と、搬送部24と、押出部25が順に配置される。
本実施形態では、第2ほぐし部22は、2つ配置されている。以下、2つの第2ほぐし部22のうちの上流側の第2ほぐし部22を「第2ほぐし部22A」と言い、下流側の第2ほぐし部22を「第2ほぐし部22B」と言う。なお、第2ほぐし部22の配置数は、2つに限定されず、例えば、1つまたは3つ以上であってもよい。
【0034】
また、第1ほぐし部21の上側には、ホッパー291が配置されている。これにより、玄米BRをホッパー291に投入して、当該玄米BRを第1ほぐし部21に案内することができる。
第1ほぐし部21と第2ほぐし部22Aとの間には、ホッパー292が配置されている。これにより、第1ほぐし部21から落下してきた玄米BRを第2ほぐし部22Aに案内することができる。
【0035】
第2ほぐし部22Aと第2ほぐし部22Bとには、ホッパー293が配置されている。これにより、第2ほぐし部22Aから落下してきた玄米BRを第2ほぐし部22Bに案内することができる。
第2ほぐし部22Bと充填部23とには、ホッパー294が配置されている。これにより、第2ほぐし部22Bから落下してきた玄米BRを充填部23に案内することができる。
【0036】
第1ほぐし部21は、回転子211と、モータ212とを有する。
回転子211は、水平方向と平行な軸回りに回転可能に支持されたボス213と、ボス213の外周部に棒状に突出して形成された複数の羽根部214とを有する。
モータ212は、ボス213と連結されている。そして、モータ212が作動することにより、回転子211を回転させることができる。これにより、ホッパー291から投入された玄米BRは、回転子211の各羽根部214に巻き込まれて、ほぐされる。
【0037】
各第2ほぐし部22は、回転子221と、モータ222とを有する。
回転子221は、水平方向と平行な軸回りに回転可能に支持されたボス223と、ボス223の外周部に螺旋状に突出して形成された羽根部224とを有する。
モータ222は、ボス223と連結されている。そして、モータ222が作動することにより、回転子221を回転させることができる。これにより、玄米BRは、回転子221の羽根部224に巻き込まれて、第1ほぐし部21よりも細かくほぐされる。
【0038】
充填部23は、一対のローラ231と、モータ232とを有する。
各ローラ231は、水平方向と平行な軸回りに回転可能に支持されている。一対のローラ231のうちの一方のローラ231は、モータ232と連結された主動ローラであり、他方のローラ231は、主動ローラに追従して回転する従動ローラである。
【0039】
そして、モータ222が作動することにより、互いに回転する一対のローラ231の間を玄米BRが通過することができる。その際、搬送部24のターンテーブル241上への玄米BRの落下量が調整される。これにより、所定量の玄米BRを、ターンテーブル241の各凹部247に充填することができる。
【0040】
搬送部24は、ターンテーブル241と、押し子242と、モータ243と、シリンダ244と、切換弁245と、ポンプ246とを有する。
ターンテーブル241は、鉛直方向と平行な軸回りに回転可能に支持されている。また、ターンテーブル241には、複数の凹部247がターンテーブル241の中心回りに等間隔に設けられている。そして、上流側で、各凹部247には、充填部23により、玄米BRが所定量充填される。なお、各凹部247の平面視での形状は、円形が好ましいが、これに限定されない。
【0041】
押し子242は、各凹部247に配置され、当該凹部247に充填された玄米BRを下側から押し上げる部材である。これにより、下流側で、玄米BRを凹部247から離脱させることができる。なお、押し子242は、凹部247に玄米BRが充填される際には、凹部247に引っ込んだ状態となっている。また、凹部247から離脱した玄米BRは、円盤状に形成された状態となっている。
モータ243は、ターンテーブル241と連結されている。これにより、ターンテーブル241を回転させることができる。
【0042】
シリンダ244は、各押し子242と連結されている。また、シリンダ244は、ポンプ246と接続されている。そして、シリンダ244は、ポンプ246から作動流体(空気)が供給されることにより、押し子242を上昇させることができる。なお、ポンプ246からシリンダ244への作動流体の供給を停止することにより、押し子242が下降する。
切換弁245は、シリンダ244とポンプ246との間に配置されている。これにより、は、ポンプ246からシリンダ244への作動流体の供給と供給停止とを切り換えることができる。
【0043】
押出部25は、押し子251と、シリンダ252と、切換弁253と、ポンプ254とを有する。
押し子251は、凹部247から離脱した円盤状の玄米BRを水平方向に押し出す部材である。これにより、玄米BRを下流側、すなわち、計量工程へ移送することができる。なお、押し子251は、玄米BRを押し出すまでは、凹部247上から退避した待機位置で待機する。
【0044】
シリンダ252は、押し子251と連結されている。また、シリンダ252は、ポンプ254と接続されている。そして、シリンダ252は、ポンプ254から作動流体(空気)が供給されることにより、押し子251を待機位置から移動させて、玄米BRを押し出すことができる。なお、ポンプ254からシリンダ252への作動流体の供給を停止することにより、押し子251を待機位置に戻すことができる。
切換弁253は、シリンダ252とポンプ254との間に配置されている。これにより、は、ポンプ254からシリンダ252への作動流体の供給と供給停止とを切り換えることができる。
【0045】
制御部28は、第1ほぐし部21、第2ほぐし部22、充填部23、搬送部24、押出部25、操作部26、表示部27と電気的に接続されており、これらの作動を制御することができる。
図11に示すように、制御部28は、CPU281と、記憶部282とを有する。CPU281は、記憶部282に予め記憶されている制御プログラムを実行することができる。制御プログラムには、例えば、玄米BRをほぐすためのプログラム等が含まれる。
【0046】
操作部26は、制御部28に各種の命令を行う部分であり、例えば、ボタン等で構成される。
表示部27は、ほぐし装置2の作動状態等が表示され、例えば、液晶パネル等で構成される。
【0047】
[5] 計量工程
計量工程は、ほぐし工程で円盤状に形成された玄米BRの1つ当たりの重量を計測する工程である。計量工程では、計量装置30が用いられる。計量装置30としては、特に限定されず、例えば、電子天秤が内蔵された装置を用いることができる。
そして、計量装置30での計量結果が「良」の場合には、円盤状の玄米BRは、次工程、すなわち、包装工程に移送される。一方、計量装置30での計量結果が「不良」の場合には、円盤状の玄米BRは、ほぐし工程に戻されて、ほぐし装置2に投入される。
【0048】
[6] 包装工程
包装工程は、円盤状の玄米BRを、樹脂製の包材に密閉包装する工程である。包装工程では、包装装置40が用いられる。包装装置40としては、特に限定されず、例えば、包材が有底筒状をなす本体と、本体を覆うシート状をなす蓋材とを有する場合、本体と蓋材とを熱融着する装置を用いることができる。
【0049】
[7] 殺菌工程
殺菌工程は、包装工程で包装された玄米BRを、包材ごと殺菌する工程である。殺菌工程では、殺菌装置50が用いられる。殺菌装置50としては、特に限定されず、例えば、加熱により殺菌を行うレトルト殺菌装置を用いることができる。これにより、特に、包材内の玄米BRに対する殺菌を確実に行うことができる。
【0050】
また、殺菌工程中、玄米BRを寝かせることができる。これにより、殺菌工程が寝かせ工程を兼ねることとなり、よって、寝かせ工程を別途設けるのを省略して、工数削減を図ることができる。
そして、玄米BRを寝かせることにより、玄米BRは、茶色(褐色)に色づき、見栄えがよくなる。一般的に、玄米BRは、茶色に色づいた方がよいとされている。また、玄米BRは、食感や匂いもさらによくなる。また、玄米BRは、もちもち感が向上し、さらに食べ易くなる。
【0051】
[8] 除水工程
除水工程は、殺菌工程で殺菌された包材から水分を除去する工程である。除水工程では、除水装置60が用いられる。除水装置60としては、特に限定されず、例えば、空気を噴出する装置を用いることができる。これにより、包材に付着した水分を空気で吹き飛ばすことができる。
そして、除水工程後、玄米BRは、包材に包装されたまま、玄米パックとして、段ボール等に梱包されて出荷される。
【0052】
以上、本発明の玄米炊飯装置、玄米パック製造ラインおよび玄米炊飯方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、玄米炊飯装置、玄米パック製造ラインを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、取り出し工程とほぐし工程との間に、玄米BRをほぐし工程よりも粗くほぐす工程が設けられていてもよい。
【解決手段】玄米炊飯装置1は、生の玄米BRが充填された複数の容器9を一括して収納する収納状態を取り得る収納部3と、収納状態で、収納部3内を各容器9内の玄米BRごと加熱しつつ、加圧する加熱加圧部4とを備える。また、容器9は、生の玄米BRを最大で5kg以上20kg以下充填可能である。収納部3は、容器9が水平方向に沿って複数行複数列配置される棚33を有する。そして、棚33は、上下方向に沿って複数配置されている。