(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6821804
(24)【登録日】2021年1月8日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】渦流減衰部を備えるフロー制御弁
(51)【国際特許分類】
F16K 31/02 20060101AFI20210114BHJP
【FI】
F16K31/02 Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-524461(P2019-524461)
(86)(22)【出願日】2018年10月31日
(65)【公表番号】特表2020-528983(P2020-528983A)
(43)【公表日】2020年10月1日
(86)【国際出願番号】US2018058419
(87)【国際公開番号】WO2020032987
(87)【国際公開日】20200213
【審査請求日】2019年5月29日
(31)【優先権主張番号】16/055,136
(32)【優先日】2018年8月5日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519159743
【氏名又は名称】エレクトロニクス インク
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONICS INC
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 隆志
(72)【発明者】
【氏名】ジャック エム,シャンパイン
【審査官】
橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】
特表2006−512546(JP,A)
【文献】
特開2007−182992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00−31/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口からシャトルスリーブの終端部に向かって延在する入口室と、当該入口室に取り付けられた反発磁石とを備える入口部と、
前記シャトルスリーブの終端部から間隔を置いて配置され、取り付けられたシール表面と、
前記シャトルスリーブの周囲を囲み、開位置と閉位置との間でシャトルスリーブについて摺動可能であるシャトルであって、前記開位置は、前記シール表面から間隔を置いたシャトルのシール端部と、前記反発磁石により接近しているシャトル磁石とによって画定され、前記閉位置は、前記シール表面に接触するシャトルのシール端部と、前記反発磁石からより離れているシャトル磁石とによって画定され、前記入口部は反発磁石に隣接して配置された漏斗状シールドを備え、前記シャトルは、シャトル磁石に隣接するシャトル磁石シールドを備え、前記反発磁石は、シャトルを閉位置の方に動かすようにシャトルマグネットに反発するシャトルと、
前記シール表面から出口に向かって延在する出口室と、粒状体が出口部の中央領域から離れるように配向する前記シャトルスリーブに向かって取り付けられたフローディレクタとを備える出口部であって、当該出口部は、取り付けられた前記フローディレクタに面する表面を持つフローセンサ本体内に位置する容量型フローセンサを備え、前記表面は、取り付けられたフローディレクタと協同して環状流路を画定する、出口部と、
前記シャトル磁石を囲む管部であって、前記シャトルスリーブに取り付けられ、前記シャトルが前記開位置と前記閉位置との間で摺動するときに渦電流を生成する材料で作られた管部と、を備える粒状体用電動フロー弁。
【請求項2】
取付フローディレクタは円筒状である、請求項1に記載の粒状体用電動フロー弁。
【請求項3】
前記容量型フローセンサは、隣り合う第1のセンサリング及び第2のセンサリングを備える、請求項1に記載の粒状体用電動フロー弁。
【請求項4】
取付フローディレクタのシール表面は、環状溝である、請求項1に記載の粒状体電動フロー弁。
【請求項5】
取り付けられたフローディレクタは、中央室内に位置する円錐状部を備え、中央室は、前記入口室と前記出口室との間に位置する、請求項1に記載の粒状体用電動フロー弁。
【請求項6】
前記入口室は、頂部の近くでより大きな直径と、シャトルスリーブに向かってより小さな直径とを持つ漏斗状部を備える、請求項1記載の粒状体用電動フロー弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、メディアブラスト、ショットピーニング、あるいはユーザが、異なる種類の流動性粒状体の流れ(フロー)を制御し、弁を通過する粒状体の量の感知を求める他のシステムで使用されるような、粒状体の流れを制御するフロー制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野における既存の流動性粒状体の弁は、複雑さ、製造性、及び機能性の問題を抱えている。ほとんどの弁は固定オリフィスと、引き込むと媒体が流れるようになる可動ピントルを使用する。ピントルは、閉じた位置に向かって付勢するようにバネが搭載されていて、組み立て及び保守上の課題を作っている。バネは、摩耗、破損、又は損傷を受ける可能性があり、機能上の課題が生じる。作動の際、ピントルは跳ね返るので、制御上の課題が生じる。別の課題は、分配された媒体の量を正確に知ることによって弁を閉ループ制御することである。一部の設計は測定手段として偏向ビームを使用し、他の設計は光学的又は他の感知技術を使用している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
媒体検知ができる弁の改良が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、粒状媒体のフローを調整するように設計された弁を説明する。弁は、粒状媒体を弁の中心を通して流し入れる入口部を備える。入口部は、反発磁石とシールドを備える。シールドは、磁石からの、弁の中心を通過する磁界を減らす。入口部は、粒状媒体を内側に運ぶシャトルスリーブを備える。シャトルスリーブの外側を囲むのは、可動シャトルである。シャトルはシャトル磁石及び磁気シールドを備え、磁石の磁界が弁の中心を通過するのを減らすものである。シャトルは、フローディレクタに接触し、シャトルに取り付けられた可動オリフィスを備える。フローディレクタは出口部に配置され、分配されている粒状体の量を検出するフローセンサを通過した媒体を導くものである。弁の一部は、真鍮又は銅などの金属から作られていて、シャトルが動いているときに渦電流を発生させるシャトル磁石と相互作用する。渦電流は、シャトルの動きを減衰するように作用する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図3】閉位置にあるシャトルを示す、
図1の弁の3−3における断面図である。
【
図4】開位置にあるシャトルを示す、
図3の弁の断面図である。
【
図5A】は、閉位置にある弁及び分配されていない粒状媒体を示す、
図1の弁の2−2における断面図である。
【
図5B】は、開位置にある弁及び粒状媒体が分配されて流路が見られる状態を示す、
図1の弁の2−2における断面図である。
【
図8】センサ及び管アセンブリの分解等角図である。
【
図9】渦電流減衰の有無によるシャトル位置の経時的グラフを表示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1から
図8には、入口部12及び出口部14を備える電動弁10が示されている。弁10は、強磁性ではない粒状媒体のフロー(流れ)を調整するように設計されている。粒状媒体は、流動性であり、一般的にはガラス、プラスチック、酸化アルミニウム、又は他の粒状物のようなブラスト媒体である。換言すると、鋼鉄又は鉄の合金から作られた粒状媒体は、一般には、弁10と共に使用されない。粒状媒体は、一般には、ホッパー又は他の貯蔵容器(図示せず)から入口部12に装填される。弁10は、開状態と閉状態との間で動作可能である。開状態は粒状媒体が入口部12から出口部14へ流れることを可能にする一方、閉状態は粒状媒体が流れるのを阻止する。粒状媒体のフローを調整するために、弁10は、開位置と閉位置との間の位置で作動可能となっている。
【0007】
弁10は、一定の壁厚を有する中空円筒形管部として示されている管部20を有するが、正方形、長方形、又は流路を可能にする他の細長い中空構成要素などの他の構造も考えられる。入口部12は上端部22の近くに配置され、出口部14は下端部24の近くに配置されている。管部20はその端部にねじ切りが施されてあってもよく、あるいは他の容器、管部又は装置に取り付け可能にする特徴を備えてもよい。弁10は、管部20の中心に配置された中心軸16を有する。管部20は、他の構成要素が接触又はシールする内側表面26を有する。ここに記載の実施形態における管部20は、真鍮又は青銅などの、銅又は銅合金から形成される。管部20はまた、アルミニウムであってもよく、あるいは、導電性又は変化する磁界に応答する他の材料から作られてもよい。
【0008】
コイル32は、管部20を取り囲み、管部20に取り付けもされている。コイル32は、付勢されたときに磁界を発生する巻線34を有する。弁10は、管部20の一部を囲むハウジング(図示せず)であって、制御部、配線、及び回路基板を包含するハウジングを備えてもよい。
【0009】
漏斗状(ファネル)部40が上端部22に隣接して配置され、中心軸16を中心とするように示されている。シール42は、漏斗状部40を管部20の内側表面26に密封する。漏斗状部40は、円筒状表面46まで狭まる内部表面44を持つ広く開いた口(広口の開口部)を備える。内部表面44は、本質的に円錐形であるが、装置はその形状に限定されない。漏斗状部40の内部表面44は真っ直ぐであり、いかなる漏斗又は円錐形の特徴も弁10の上方外側に位置されると、考えられる。漏斗状部40を入口部分として考えてもよい。漏斗状部40は、段差面45によって管部20内に軸方向に配置されていて、管部20に当たり管部20に対する漏斗状部40の移動を防止する止めねじ41を備える。漏斗状部40は、円筒状表面46の周りに等間隔である、反発磁石48を備える。反発磁石48は、適所に押しこまれてあるか、そうでなければ磁石48の脱落や緩みを防ぐ接着剤又は留め具で、固定される。漏斗状部40は、非磁性材料から作られる。非磁性材料は、プラスチック、アルミニウム、セラミック、あるいは、反発磁石48からの磁界を短絡又は伝導しない他の材料のような材料である。内部表面44及び円筒状表面46は協働して粒状体をシャトルスリーブ50の内部に案内する。シャトルスリーブ50は、内部表面52及び外面54を有するプラスチック又はアルミニウムのような非磁性材料から作られた円筒形の管状部材である。シャトルスリーブ50は、圧入、ねじ切り、又は2つの構成要素を固定する他の取り付け方法により、漏斗状部40に固定されている。シャトルスリーブ50は中心軸16を中心とし、(漏斗状部40の)開口部と反対側の終端部56を備える。シャトルスリーブ50の中心軸16に対する同軸位置を維持するために、管部20の内側表面26に密接に適合するスカート面58が、(漏斗状部40の)開口部からシャトルスリーブ50の頂部まで下方に延在する。反発磁石48の近傍には、漏斗状部40の内側の流路から磁場を遠ざけるため、反発磁石48からの磁場を伝導する漏斗シールド60がある。磁気吸引力を持つ鉄や他の粒状体が流路を通過する可能性があるので、流路中の磁場がある程度強いと、それら磁性粒子の望ましくない蓄積を生じさせるおそれがある。漏斗シールド60は、鉄又は磁性粒子が蓄積しない点まで磁場をシャントする。
【0010】
シャトル70がシャトルスリーブ50の周りに配置され、シャトル70もまた中心軸16を中心する。シャトル70は中空であり、シャトルスリーブ50の外面54に沿って開位置(
図4に示す)と閉位置(
図3に示す)との間を摺動可能である。シャトル70は、シャトル本体74内に収容されたシャトル磁石72を有する。シャトル本体74は、プラスチック、アルミニウム、セラミック、あるいは、磁界を短絡しない又は伝導しない他の材料のような非強磁性材料から作られる。シャトル磁石シールド76は、シャトル磁石72に隣接し、中心軸16の近くに位置するシャトル磁石シールド76を含む。シャトル磁石シールド76は、シャトル磁石72によって生成され、鉄粒子を引き付ける可能性のある磁場を、シャントする。他の粒子は、磁場に引き寄せられてシャトルスリーブ50又はシャトル70上に蓄積するか、あるいはシャトル本体74とシャトルスリーブ50との間で動かなくなることがある。可動オリフィス78は、シャトル本体74の下部から延在されそこに固定される。可動オリフィス78は、
図4に示すように、終端シール端部80を有する管状部品である。ここに記載の実施形態では、可動オリフィス78は(アルミニウムなどの)金属から作られているが、他の材料も考えられる。可動オリフィス78は、内側表面84から延在する内側に位置するテーパ表面82を備える。媒体は、シャトルスリーブ50から可動オリフィス78の内側に流れる。テーパ表面82は、粒状媒体の流動特性を変更するように設計された他の特徴を備えてもよい。粒状媒体の流動特性を変更する特徴とは、例えば複数のチャネル、異なる角度、又は追加の表面である。可動オリフィス78の保守、清掃、又は交換のためにシャトル70を取り外すために、ユーザは、漏斗状部40及びシャトルスリーブ50を取り外し、シャトル70を管部20の頂部を通して持ち上げる。
【0011】
取付フローディレクタ90は、底縁部24の近くで管部20に固定され、取付フローディレクタ90もまた中心軸16を中心としている。フローディレクタ90は、シール面94を持つ交換可能なシール93を備えて取り外し可能な円錐状部92を備える。シャトルスリーブ50の終端部56は、シール面94の上方に空間を置き、両者は一定距離、離されている。ここに記載の実施形態では、交換可能なシール93は鋼から作られているが、他の材料も考えられる。シール表面94は、シャトル70上の終端シール端部80を受けて配置するように溝形状である。シール表面94は、円錐状部92とフロー案内部100との間に保持され、これは圧入又はねじ切りされてもよい。円錐状部92は、図示されるように、頂部96及び円錐状表面98を備えて、先細にされる。円錐状部92は、使用され得る粒状媒体の特性に応じて、放物線状、湾曲状、又は直線状としてもよい。フロー案内部100は、外径表面102を有する。取付基部104は、中心軸16と整列するように取付フローディレクタ90を位置決めし、弧状開口106を介して取付フローディレクタ90を通る流れを可能にする。円錐状部92とシール面94は設計されている。漏斗状部40とフロー案内部100との間の流路を開閉するために、円錐状部92及びシール表面94は、可動オリフィス78及び末端シール縁部80と嵌合するように設計されている。取付フローディレクタ90は、粒状媒体について所望される流動特性の違いに応じて異なる円錐状部92及びフロー案内部100を交換可能にするため、基部104から分離可能である。フローディレクタ90は、
図3に示すフローディレクタ90とは異なる形状を有してもよい。フローディレクタ90の目的は、管部20の中央領域から管部20の内側表面26に向かって媒体を外側に向けることである。例えば、フローディレクタ90が円錐状部92を有する必要はない。フローディレクタ90のフロー案内部100は、媒体が管部20の中央領域に位置するのを、防止する。当該中央領域は、管26の中心軸16に隣接する管26の複数領域に対応する。
【0012】
コイル32からの磁場が印加されず、重力が作用しないと、反発磁石48は、シャトル70内で、取付フローディレクタ90に接触する閉位置に静止することになる。加えて、シャトル70の速やかな閉止が望まれる場合は、コイル32がシャトル70を下方に駆動するように、コイル32の極性を逆にしてもよい。
図5Aに示す閉位置では、可動オリフィス78はシール面94に接触してシール作用をなし、粒状媒体は流れない。電流がコイル32に印加されると、シャトル70は、
図5Bに示されるように、取付フローディレクタ90から離れ始める。円錐状部92及びテーパ表面82の形状により、シャトル70が円錐状部92から離れる方向に移動する距離が、粒状媒体が通過するための可変の間隙を作り出す。コイル32に印加されるエネルギー量を増加させると、シャトル70が閉位置から離れる量(距離)が増加する。
【0013】
フローセンサ110は、外径表面102とフローセンサ110との間を通過する粒状媒体の量を検出する取付フローディレクタ90を取り囲む。フローセンサ110は、フローセンサ本体112に配置されて取り付けられているように、示されている。フローセンサ本体112は、取付基部104と管部20の段部107との間に配置されている。フローセンサ本体112は、シール108、109で管部20にシールされている。センサ110は容量性であり、センサリング114、116に隣接する粒子状媒体の動きを検知するセンサリング114、116を備える。センサリング114、116は、管部20の内側表面26の近くにある。ワイヤは、センサリング114、116を、チャネル118を介して外部回路に接続する。外部回路は一般にハウジング(図示せず)の内側に配置され、シャトル70の閉ループ制御のために弁10によって使用可能である。フローセンサ110及びセンサ本体112は、留め具、接着剤、又は他の方法を使用して管部20に固定される。取付基部104は、ファスナ122を介して固定される。ファスナ122を取り外すことにより、取付基部104、フロー案内部100、円錐状部92、及び交換可能なシール93を、保守、洗浄、又は異なる媒体への部品交換のために取り外せるようになっている。フローセンサ110は、粒状媒体用の流路の隣のセンサリング114、116を使用するように示されているが、他のセンサ設計の使用が考えられてもよい。媒体を検出するための信頼性のある信号を得るためには、フローセンサ110内で、媒体をセンサリング114、116の近くに来るようにすることが望ましい。このため、フローディレクタ90は、センサリングの比較的近くで、媒体を中央から遠ざけて、媒体はセンサリングから比較的遠くに位置することになる。リング114、116のような容量素子を使用しないセンサ構成が採用される場合、媒体が容量素子の近くに配置されることが望ましく、そして分流器90はその目的を果たす。センサの代替実施形態として、一方のセンサリングをフローセンサ本体112内に配置し、他方のリングをフロー案内部100内に配置するようにしてもよい。そのような場合には、静電容量素子間及びその近傍に媒体の流路が一貫して位置して、媒体が予測可能であるように、フローディレクタ90によって案内されることが依然として望ましい。さらに、フロー案内部100は、センサ110の一部を形成するために外部回路に伝導しかつそれに接続する材料から作られてもよいと考えられる。
【0014】
漏斗状部40内の反発磁石48は、中心軸16と平行に、磁石を出るときに磁界を出す南北方向を有する。磁界の一部は、漏斗状部シールド60を通って導かれる。磁石から出るときの磁場が中心軸16と平行になるのと同様に、シャトル磁石72は整列される。シャトル磁石72と反発磁石48は同一の対極を有し、それらが互いに近づくにつれて、増大する反発力を発生させる。例えば、シャトル磁石72が反発磁石48に面するN極を有する場合、反発磁石はシャトル磁石72に面するN極を有するように配向されるであろう。磁石48、72によって生成される反発力は、シャトル70が漏斗状部40から離れるように付勢するばねのように、作用する。磁石48、72からの付勢力により、ばねは不要である。電流が除去されたときにシャトルが確実に閉位置に戻るようにするために、弁は、通常、ばねを必要とするであろう。
【0015】
コイル32内の巻線34に電流が流れると、シャトル70を漏斗状部40に向かって引き寄せる磁界が発生し、これによって終端シール端部80がシール面94から分離される。コイル32を流れる電流が大きいほど、シャトル70に加えられる磁力が大きくなり、シャトル70が漏斗状部40に近づくように移動する。シャトル70が漏斗状部40に近づくにつれて、コイル32からの磁力に対する反発磁石48の反作用が始まる。コイル32から磁界が発生すると、シャトル70からの応答は、距離の減少に伴う磁界の指数関数的増加のために、非線形である。これは、シャトル70が所望の位置に近づくとき、シャトル70を位置決めするために必要とされる磁界の量は、シャトル70がその閉位置及び静止位置から動くために発生される量よりも少なくなり、シャトル70を越えて動くことを意味する。反発磁石48を追加することによって、シャトル70を反発させる磁力は、シャトルがコイル32に近づくにつれて自然な力の増加に対抗する。これにより、シャトル位置は、コイル32に供給される電流の量により比例することとなる。
【0016】
前述のように、管部20は銅、アルミニウム、又は銅合金からつくられてもよく、シャトル70はシャトル磁石72の配列を備える。シャトル磁石72は管部20の近くにあるので、シャトル70の移動は、管部20内に渦電流を発生させる。渦電流は、磁石が真鍮、銅、又はアルミニウムなどの導電性金属に対して移動するときに発生する。ここに記載される実施形態における管部20は黄銅として説明されているが、他の材料も考えられる。弁10は、渦電流を活用し、シャトル70に減衰力として作用するように、渦電流を使用する。渦電流がなければ、コイルが最初に付勢されると、シャトル70は減衰されていない状態73で応答し、そこで、最初にその所望の位置71を超えて到達(オーバーシュート)し、次に、所望の位置71に落ち着くまで振動する。換言すると、シャトル70は、
図9に示すその所望の位置71に到達する前に、行ったり来たりする。シャトル70の位置は、分配される粒状媒体の量を直接決定するので、シャトル70のオーバーシュート及び振動は、特に弁10が最初に作動されるとき又はシャトル70がそれ以外にコイル32によって動かされるときに、粒状媒体を不均一に分配させる。シャトル70の移動によって発生する渦電流のため、シャトル70のオーバーシュート及び振動は減少又は除去され、シャトル70は、減衰された状態75で応答する。
【0017】
図5A及び
図5Bに示すように、弁10は、粒子が存在するか又は通過する複数の一般的な室に分けられる。弁10は、軸16が重力と整列し、入口室130内に存在する媒体の供給を有するように垂直方向に取り付けられるように設計されている。入口室130は、管部20の上端部22から始まる。出口室132は、シール面94から始まる、センサ本体112の外径表面102と内径表面113との間に延在する内部容積によって、画定される。出口室132は、粒子が弁10を通って流れる間にのみ、粒子を包含し、一方、入口室130は、粒子の流れとは無関係に媒体を包含することになる。入口室130と出口室132との間に位置するのは、終端部56と終端シール端部80との間の内容積によって画定される、中央室134である。ここに記載の内容積とは、弁10の内側で保持及び媒体を分配する領域である。内容積は、弁10を通る流路を形成する。媒体は、シャトルスリーブ78の内部表面82、84と接触する。入口室130と同様に、中央室134は、媒体の流れに関係なく媒体を持つようにしてもよい。シャトル70が移動してシール端面80をシール面94から分離するときに解放される媒体は、実質的に妨げられることなく出口室132を通過する。媒体がフローセンサ110によって囲まれた出口室132の部分を通過すると、媒体はフローセンサ110によって検出される。出口室132はセンサリング114、116によって等距離で囲まれているので、媒体は確実に検出される。フロー分流器90をセンサリング114、116の非常に近くの流路内に、媒体を予測可能に配置させることによって、検出はさらに高められる。
【0018】
開示された主題の特定の態様が示され説明されてきたが、開示された主題は、それらに限定されず、様々な他の実施形態及び態様を包含することが理解されよう。開示された特定の実施形態に関する特定の限定は、意図されていないし、また推定されるべきではない。添付の特許請求の範囲に記載されているように、開示された主題に修正を加えてもよい。
【0019】
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み入れられる、2018年8月5日に出願された米国特許出願第16/055,136号の利益を主張する。
【符号の説明】
【0020】
10 弁
12 入口部
14 出口部
16 中心軸
20 管部
22 上端部
24 下端部
26 (管部20の)内部表面
32 コイル
34 巻線
40 漏斗状部
41 止めねじ
44 (漏斗状部40の)内部表面
45 段状表面
46 円筒状表面
48 反発磁石
50 シャトルスリーブ
56 終端部
58 スカート面
60 漏斗シールド
70 シャトル
71 所望の位置
72 シャトル磁石
73 減衰されていない状態
74 シャトル本体
75 減衰された状態
76 シャトル磁石シールド
78 可動オリフィス
80 終端シール端部
82 テーパ表面
90 取付フローディレクタ
92 円錐状部
93 交換可能なシール
94 シール表面
96 頂部
98 円錐状表面
100 フロー案内部
102 外径表面
104 取付基部
107 段部
108 シール
109 シール
110 フローセンサ
112 フローセンサ本体
113 内径表面
114 センサリング
116 センサリング
118 チャネル
130 入口室
132 出口室
134 中央室