(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に従った蓄電装置、及び対応する負荷装置又は充電装置の第1の構成例を示す図である。
図1に示すように、蓄電装置1は、二次電池11、制御部12、通信回路13、スイッチ14、第1の電源15、第2の電源16、電流センサ17、電力線コネクタ18、通信線コネクタ19、及び逆流防止ダイオードDを含む。また、蓄電装置1は、光半導体OS及び検知抵抗R
Dを更に含む。そして、負荷装置2(又は充電装置2)は、負荷21(又は電力変換装置21)、通信回路22、電力線コネクタ23、及び通信線コネクタ24を含む。負荷装置2は、例えば、電気自動車、ハイブリッド車、及び電動フォークリフトといった車両であり、負荷21は、例えば、インバータ回路及び電動モータである。また、充電装置2は、二次電池11に対応する充電装置であり、電力変換装置21は、例えば、インバータ回路である。
【0013】
二次電池11は、該二次電池11を含む蓄電装置1が電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19を含む二次電池であり、例えば、リチウムイオン電池である。
電力線コネクタ18は、蓄電装置1内の二次電池11が負荷装置2へ放電し、充電装置2が該二次電池11を充電するためのコネクタである。電力線コネクタ18は、二次電池11に電力線L
EPを通じて接続し、蓄電装置1側の電力線L
EPを負荷装置2(又は充電装置2)側の電力線L
EPに接続する。電力線L
EPは、所定電位の高電位電力線L
EPHと、低電位電力線L
EPLとを含む。
【0014】
通信線コネクタ19は、二次電池11の放電(又は充電)に関する情報を蓄電装置1が負荷装置2(又は充電装置2)と通信するためのコネクタである。通信線コネクタ19は、通信回路13に通信線L
Cを通じて接続し、蓄電装置1側の通信線L
Cを負荷装置2(又は充電装置2)側の通信線L
Cに接続する。また、
図1に示す構成例では、通信線コネクタ19は、第2の電源16に接続する第2の低電位電源線L
PSL2に接続する。通信線コネクタ19が負荷装置2(又は充電装置2)側の通信線コネクタ24に接続されると、蓄電装置1側の第2の低電位電源線L
PSL2は、負荷装置2(又は充電装置2)側の第2の低電位電源線L
PSL2に接続される。
【0015】
制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU、又はプログラマブルなディバイス(FPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)等)である。制御部12は、蓄電装置1全体の動作を制御する。例えば、制御部12は、電力線コネクタ18を介して出力された信号(第1の信号)が通信線コネクタ19を介して入力したことを検知した場合にスイッチ14をオンにする。また、制御部12は、電力線コネクタ18を介して出力された信号(第1の信号)が通信線コネクタ19を介して入力したことを検知しない場合にスイッチ14をオフにする。
【0016】
スイッチ14は、二次電池11と電力線コネクタ18との間の電力線L
EPに設けられる。スイッチ14は、例えば、機械式リレーであってもよく、半導体リレーであってもよい。
【0017】
通信回路13は、蓄電装置1が通信線コネクタ19を介して負荷装置2(又は充電装置2)に接続されると、制御部12と連携して、二次電池11の状態情報等を通信線L
Cを通じて負荷装置2(又は充電装置2)の通信回路22と通信する。
【0018】
第1の電源15は、制御部12の電源であり、二次電池11からの出力電力を基に所望の電力を生成する。第1の電源15の入力側の一端は、二次電池11の一端(
図1では、正極端子)に接続し、第1の電源15の出力側の一端は、第1の高電位電源線L
PSH1に接続する。第1の電源15の他端は、第1の低電位電源線L
PSL1に接続し、逆流防止ダイオードDを介して二次電池11の他端(
図1では、負極端子)に接続する。
【0019】
第2の電源16は、通信回路13の電源であり、二次電池11からの出力電力を基に所望の電力を生成する。また、
図1に示す一例では、第2の電源16は、発光素子LEDに電力を供給する電源でもある。第2の電源16の入力側の一端は、二次電池11の一端(
図1では、正極端子)に接続し、第2の電源16の入力側の他端は、第1の低電位電源線L
PSL1に接続し、逆流防止ダイオードDを介して二次電池11の他端(
図1では、負極端子)に接続する。第2の電源16の出力側の一端は、第2の高電位電源線L
PSH2に接続し、第2の電源16の出力側の他端は、第2の低電位電源線L
PSL2に接続する。
【0020】
なお、第2の電源16は絶縁電源であってもよい。第2の電源16が絶縁電源により構成されれば、スイッチ14がオフした時に、二次電池11からの出力電流が通信回路13を介して二次電池11に戻ることを防止できる。第2の電源16が絶縁電源である場合には、第2の電源16の入力側の他端に接続する第1の低電位電源線L
PSL1と、第2の電源16の出力側の他端に接続する第2の低電位電源線L
PSL2とは、
図1に示すように区別されてもよい。一方、第2の電源16が絶縁電源でない場合には、第1の低電位電源線L
PSL1及び第2の低電位電源線L
PSL2は、区別されずに共通化されてもよい。
【0021】
また、制御部12に電力を供給する電源部と通信回路13に電力を供給する電源部とをスイッチ等を用いて別々に制御できるならば、第1の電源15及び第2の電源16は、
図2に示すように電源PSとして一体化されてもよい。なお、
図2中の第1の制限抵抗R
L1は、電源PSから発光素子LEDに流れる電流を所定値以下に制限する抵抗である。
【0022】
第1の電源15及び第2の電源16が一体化された場合、第1の電源15の出力側に接続する第1の電源線L
PS1と、第2の電源16の出力側に接続する第2の電源線L
PS2とは、
図2に示すように、電源PSの出力側に接続する電源線L
PSと同視してもよい。すなわち、第1の電源線L
PS1を構成する第1の低電位電源線L
PSL1と、第2の電源線L
PS2を構成する第2の低電位電源線L
PSL2とは、電源線L
PSを構成する低電位電源線L
PSLと同視してもよい。また、第1の電源線L
PS1を構成する第1の高電位電源線L
PSH1と、第2の電源線L
PS2を構成する第2の高電位電源線L
PSH2とは、電源線L
PSを構成する高電位電源線L
PSHと同視してもよい。
【0023】
光半導体OS及び検知抵抗R
Dは、電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19の内の一方を介して出力された信号(第1の信号)が電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19の内の他方を介して入力したか否かを検知するための検知回路を構成する。
【0024】
光半導体OSは、例えば、フォトカプラやフォトリレーである。
図1に示した一例では、光半導体OSは、発光素子LED及び受光素子PDを含む。
発光素子LEDの一端(アノード)は、発光素子LEDに電力を供給する電源PSに接続する高電位電源線L
PSH(
図1では、第2の電源16に接続する第2の高電位電源線L
PSH2)に接続する。発光素子LEDの他端(カソード)は、低電位電力線L
EPLに接続する。また、受光素子PDの一端は、制御部12の第1の信号入力端T
IN1に接続し、受光素子PDの他端は、電源PSに接続する低電位電源線L
PSL(
図1では、第2の電源16に接続する第1の低電位電源線L
PSL1)に接続する。そして、検知抵抗R
Dの一端は、高電位電源線L
PSH(
図1では、第1の高電位電源線L
PSH1)に接続し、検知抵抗R
Dの他端は、制御部12の第1の信号入力端T
IN1と受光素子PDの一端とに接続する。
【0025】
前述したように、負荷装置2(又は充電装置2)は、電力線コネクタ23、通信線コネクタ24を含む。充電装置2は、二次電池11に対応の充電装置であり、例えば、リチウムイオン電池に対応の充電装置である。電力線コネクタ23は、蓄電装置1側の電力線コネクタ18に接続されるコネクタであり、通信線コネクタ24は、蓄電装置1側の通信線コネクタ19に接続されるコネクタである。そして、通信回路13と22は、通信線コネクタ19と24、および通信線L
Cを通じて接続される。また、負荷装置2(又は充電装置2)側の中継線L
Rの一方は低電位電源線L
PSL(
図1では、第2の低電位電源線L
PSL2)を介して通信線コネクタ24に接続され、中継線L
Rの他方は負荷装置2(又は充電装置2)側の低電位電力線L
EPLに接続される。
【0026】
なお、負荷装置2の負荷21(又は充電装置2の電力変換装置21)は電力線L
EP(高電位電力線L
EPHと、低電位電力線L
EPL)を通じて電力線コネクタ23に接続される。
【0027】
蓄電装置1側の電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19が同一の負荷装置2(又は充電装置2)側の電力線コネクタ23及び通信線コネクタ24に夫々接続された場合、電源PSからの出力電流(第1の信号)は次のような経路を通って流れる。すなわち、電流(第1の信号)は、蓄電装置1において、電源PS(
図1では、第2の電源16)→高電位電源線L
PSH(
図1では、第2の高電位電源線L
PSH2)→発光素子LED→低電位電力線L
EPL→電力線コネクタ18という経路で流れる。そして、電流(第1の信号)は、負荷装置2(又は充電装置2)において、電力線コネクタ23→低電位電力線L
EPL→中継線L
R→低電位電源線L
PSL(
図1では、第2の低電位電源線L
PSL2)→通信線コネクタ24という経路で流れる。なお、中継線L
Rは、負荷装置2(又は充電装置2)において、低電位電力線L
EPLと、低電位電源線L
PSL及び通信回路22とを接続する電線である。さらに、電流(第1の信号)は、蓄電装置1において、通信線コネクタ19→低電位電源線L
PSL(
図1では、第2の低電位電源線L
PSL2)→電源PS(
図1では、第2の電源16)という経路で流れる。
【0028】
電源PSからの出力電流(第1の信号)が上述したような経路を通って流れると、発光素子LEDは点灯する。発光素子LEDが点灯すると、受光素子PDは導通する。受光素子PDの導通により、高電位電源線L
PSH(
図1では、第1の高電位電源線L
PSH1)から第1の信号入力端T
IN1に入力する信号は、信号レベルが低いオン信号になる。この結果、制御部12は、電力線コネクタ18を介して出力された電流(第1の信号)が通信線コネクタ19を介して入力したことを検知し、スイッチ14をオンにする。スイッチ14がオンになると、蓄電装置1に負荷装置2が接続された場合には二次電池11から負荷21へ放電される。また、蓄電装置1に充電装置2が接続された場合には電力変換装置21により二次電池11は充電される。
【0029】
これに対して、電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19の少なくとも一方が未接続状態であると、電源PSからの出力電流(第1の信号)は上述のような経路で流れない。加えて、通信線コネクタ19が負荷装置2(又は充電装置2)側の通信線コネクタ24に接続された状態で、電力線コネクタ18が別の充電装置側の電力コネクタに接続された場合、電源PSからの出力電流(第1の信号)は上述のような経路で流れない。別の充電装置とは、例えば、二次電池11(例えば、リチウムイオン電池)に対応しない充電装置(例えば、鉛電池対応の充電装置)である。上述した経路で電流(第1の信号)が流れない場合、発光素子LEDは点灯せず、受光素子PDは導通しない。受光素子PDが導通せず、第1の信号入力端T
IN1に入力する信号が信号レベルが高いオフ信号である場合、制御部12は、電力線コネクタ18を介して出力された電流(第1の信号)が通信線コネクタ19を介して入力したことを検知しない。そこで、制御部12はスイッチ14をオフにする(又は、オフ状態を維持する)。スイッチ14がオフ状態であると、二次電池11は、電力線コネクタ18に接続された充電装置により充電されない。
【0030】
したがって、第1の実施形態に従った蓄電装置によれば、対応しない充電装置が蓄電装置に接続された場合に二次電池が充電されることを防止できる。
なお、第1の実施形態に従った蓄電装置、及び対応する負荷装置又は充電装置は、
図3に示すように構成されてもよい。
図3は、第1の実施形態に従った蓄電装置、及び対応する負荷装置又は充電装置の第2の構成例を示す図である。なお、
図3において、
図1及び
図2に示す構成要素と同じ構成要素には
図1及び
図2で付した参照符号と同じ参照符号が付されている。また、
図3に示す構成例においても、
図2を参照しながら上述したように、第1の電源15及び第2の電源16は電源PSに一体化されてもよい。
【0031】
蓄電装置3は、光半導体OS(
図1)の代わりに光半導体OS´を含む。光半導体OS´は、発光素子LED´及び受光素子PDを含む。発光素子LED´の一端(アノード)は、低電位電力線L
EPLに接続する。発光素子LEDの他端(カソード)は、発光素子LED´に電力を供給する電源PSに接続する低電位電源線L
PSL(
図3では、第2の電源16に接続する第2の低電位電源線L
PSL2)に接続する。
【0032】
また、蓄電装置3は、通信線コネクタ19(
図1)の代わりに通信線コネクタ39を含む。通信線コネクタ39は、通信線L
Cに加えて、電源PSに接続する高電位電源線L
PSH(
図3では、第2の電源16に接続する第2の高電位電源線L
PSH2)に接続する。
【0033】
以下で説明するように、
図3の構成例では、制御部12は、通信線コネクタ39を介して出力された信号(第1の信号)が電力線コネクタ18を介して入力したことを検知した場合にスイッチ14をオンにする。また、制御部12は、通信線コネクタ39を介して出力された信号(第1の信号)が電力線コネクタ18を介して入力したことを検知しない場合にスイッチ14をオフにする。
【0034】
蓄電装置3側の電力線コネクタ18及び通信線コネクタ39が同一の負荷装置4(又は充電装置4)側の電力線コネクタ23及び通信線コネクタ44に夫々接続された場合、電源PSからの出力電流(第1の信号)は次のような経路を通って流れる。すなわち、電流(第1の信号)は、蓄電装置3において、電源PS(
図3では、第2の電源16)→高電位電源線L
PSH(
図3では、第2の高電位電源線L
PSH2)→通信線コネクタ39という経路で流れる。そして、電流(第1の信号)は、負荷装置4(又は充電装置4)において、通信線コネクタ44→高電位電源線L
PSH(
図3では、第2の高電位電源線L
PSH2)→所定の抵抗R→中継線L
R´→低電位電力線L
EPL→電力線コネクタ23という経路で流れる。なお、中継線L
R´は、負荷装置2(又は充電装置2)において、低電位電力線L
EPLと、高電位電源線L
PSH及び通信回路22とを接続する電線である。さらに、電流(第1の信号)は、蓄電装置3において、電力線コネクタ18→低電位電力線L
EPL→発光素子LED´→低電位電源線L
PSL(
図3では、第2の低電位電源線L
PSL2)→電源PS(
図1では、第2の電源16)という経路で流れる。
【0035】
電源PSからの出力電流(第1の信号)が上述したような経路を通って流れると、発光素子LED´は点灯する。発光素子LED´が点灯すると、受光素子PDは導通する。受光素子PDの導通によって、高電位電源線L
PSH(
図3では、第1の高電位電源線L
PSH1)から第1の信号入力端T
IN1に入力する信号は、信号レベルが低いオン信号になる。この結果、制御部12は、通信線コネクタ39を介して出力された信号(第1の信号)が電力線コネクタ18を介して入力したことを検知し、スイッチ14をオンにする。スイッチ14がオンになると、蓄電装置3に負荷装置4が接続された場合には二次電池11から負荷21へ放電される。また、蓄電装置3に充電装置4が接続された場合には電力変換装置21により二次電池11は充電される。
【0036】
これに対して、電力線コネクタ18及び通信線コネクタ39の少なくとも一方が未接続状態であると、電源PSからの出力電流(第1の信号)は上述のような経路で流れない。加えて、通信線コネクタ39が負荷装置4(又は充電装置4)側の通信線コネクタ44に接続された状態で、電力線コネクタ18が別の充電装置側の電力コネクタに接続された場合、電源PSからの出力電流(第1の信号)は上述のような経路で流れない。上述した経路で電流(第1の信号)が流れない場合、発光素子LED´は点灯せず、受光素子PDは導通しない。受光素子PDは導通せず、第1の信号入力端T
IN1に入力する信号が信号レベルが高いオフ信号である場合、制御部12は、通信線コネクタ39を介して出力された電流(第1の信号)が電力線コネクタ18を介して入力したことを検知しない。そこで、制御部12はスイッチ14をオフにする(又は、オフ状態を維持する)。スイッチ14がオフ状態であると、二次電池11は、電力線コネクタ18に接続された充電装置により充電されない。
【0037】
したがって、第1の実施形態に従った蓄電装置を
図3に示すように構成した場合にも、対応しない充電装置が蓄電装置に接続された場合に二次電池が充電されることを防止できる。
【0038】
また、
図1〜
図3に示す構成例に次のような変更が更に加えられてもよい。すなわち、受光素子PDの導通により、高電位電源線L
PSH(
図1及び
図3では、第1の高電位電源線L
PSH1)から第1の信号入力端T
IN1に信号レベルが高いオン信号が入力した場合に、制御部12はスイッチ14をオンにする。また、受光素子PDが導通せずに、第1の信号入力端T
IN1に信号レベルが低いオフ信号が入力した場合に、制御部12はスイッチ14をオフにする。
図1〜
図3に示す構成例にこうした変更が加えられる場合、検知抵抗R
Dの接続関係は、
図1〜
図3とは異なり、次のように変更される。すなわち、検知抵抗R
Dの一端は、低電位電源線L
PSL(
図1及び
図3では、第1の低電位電源線L
PSL1)に接続し、検知抵抗R
Dの他端は、受光素子PDの他端に接続する。なお、受光素子PDの一端は、高電位電源線L
PSH(
図1及び
図3では、第1の高電位電源線L
PSH1)と第1の信号入力端T
IN1とに接続する。
図1〜
図3に示す構成例にこうした変更が加えられた場合でも、
図1〜
図3に示す構成例と同様の効果が得られる。
【0039】
さらに、制御部12は、条件(1)に加えて、条件(2)及び/又は(3)を満たした場合にスイッチ14をオフにするように構成されてもよい。
条件(1)は、上述したように、電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19、39の内の一方を介して出力された信号(第1の信号)が電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19、39の内の他方を介して入力したことを検知しないことである。しかしながら、例えば、検知回路の断線や瞬断によって、条件(1)が誤検知される可能性がある。条件(1)の誤検知によってスイッチ14がオフにされると、車両といった負荷装置2、4が急停止したり、二次電池11の充電が停止されてしまう。そこで、次の条件(2)及び条件(3)の少なくとも一方を満たすか否かが更に判定される。
【0040】
条件(2)は、通信線コネクタ19、39を介して蓄電装置1、3に接続された充電装置2、4(又は負荷装置2、4)の通信回路22と通信回路13が通信しないことである。通信回路13が通信していないのであれば、通信線コネクタ19、39が未接続である可能性があり、条件(1)が誤検知でない可能性が高い。制御部12は、通信回路13の通信状態を監視することで条件(2)を満たすか否かを判定できる。
【0041】
条件(3)は、二次電池11からの出力電流が所定時間の間所定値以下であることである。二次電池11からの出力電流が所定時間の間所定値以下であるならば、電力線コネクタ18が未接続である可能性があり、条件(1)が誤検知でない可能性が高い。制御部12は、電力線L
EPに設けられた電流センサ17の測定値を基に条件(3)を満たすか否かを判定してもよい。
【0042】
このように、条件(1)に加えて、条件(2)及び/又は条件(3)を用いることによって、条件(1)の誤検知に起因する負荷装置2、4の急停止や二次電池11の充電停止を防止できる。
【0043】
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態に従った蓄電装置、及び対応する負荷装置又は充電装置の第1の構成例を示す図である。なお、
図4において、
図1〜
図3に示す構成要素と同じ構成要素には
図1〜
図3で付した参照符号と同じ参照符号が付されている。また、
図4に示す構成例においても、
図2を参照しながら上述したように、第1の電源15及び第2の電源16は電源PSに一体化されてもよい。
【0044】
蓄電装置5は、高電位検知線L
DH及び低電位検知線L
DLを含む検知線L
Dと、プルアップ抵抗R
PUとを更に含む。また、蓄電装置5は、通信線コネクタ19、39(
図1〜
図3)に代えて通信線コネクタ59を含む。
【0045】
高電位検知線L
DHの一端は、制御部12の第2の信号入力端T
IN2に接続され、高電位検知線L
DHの他端は、通信線コネクタ59に接続される。低電位検知線L
DLの一端は、低電位電源線L
PSL(
図4では、第1の低電位電源線L
PSL1)に接続され、低電位検知線L
DLの他端は、通信線コネクタ59に接続される。
【0046】
通信線コネクタ59は、通信線コネクタ19(
図1、
図2)と同様に通信線L
C及び低電位電源線L
PSL(
図4では、第2の低電位電源線L
PSL2)に接続されると共に、検知線L
Dにも接続される。
【0047】
プルアップ抵抗R
PUの一端は、高電位電源線L
PSH(
図4では、第1の高電位電源線L
PSH1)に接続され、プルアップ抵抗R
PUの他端は、高電位検知線L
DHに接続される。
【0048】
通信線コネクタ59が充電装置6(又は負荷装置6)側の通信線コネクタ64に接続されると、高電位検知線L
DHは、充電装置6(又は負荷装置6)側のジャンパ線L
Jを介して低電位検知線L
DLに接続する。高電位検知線L
DHが低電位検知線L
DLに接続すると、高電位電源線L
PSH(
図4では、第1の高電位電源線L
PSH1)から第2の信号入力端T
IN2には、信号レベルが低い信号(第2の信号)が入力する。その結果、制御部12は、通信線コネクタ59を介して出力された信号(第2の信号)が通信線コネクタ59を介して入力したことを検知する。すなわち、制御部12は、通信線コネクタ59が通信線コネクタ64に接続されたことを検知する。通信線コネクタ59が通信線コネクタ64に接続されたことを検知すると、制御部12は、発光素子LEDに電力を供給する電源PS(
図4では、第2の電源16)を起動する。
【0049】
一方、通信線コネクタ59が未接続状態である場合、高電位検知線L
DHは低電位検知線L
DLに接続しない。高電位検知線L
DHが低電位検知線L
DLに接続しない場合、第2の信号入力端T
IN2には信号レベルが高い信号(第2の信号)が入力する。その結果、制御部12は、通信線コネクタ59を介して出力された信号(第2の信号)が通信線コネクタ59を介して入力したことを検知しない。すなわち、制御部12は、通信線コネクタ59が未接続状態であることを検知する。制御部12は、通信線コネクタ59を介して出力された信号(第2の信号)が通信線コネクタ59を介して入力したことを検知しない場合、制御部12は、発光素子LEDに電力を供給する電源PSの動作を停止させる。
【0050】
通信線コネクタ59が未接続状態であるならば、電力線コネクタ18及び通信線コネクタ59の内の一方を介して出力された信号(第1の信号)が電力線コネクタ18及び通信線コネクタ59の内の他方を介して入力したか否かは検知されなくてもよい。それ故、電源PSを起動させて、発光素子LEDに電力を供給しなくてもよい。そこで、通信線コネクタ59が未接続状態である場合には、制御部12は、発光素子LEDに電力を供給する電源PSの動作を停止させる。
【0051】
このように、第2の実施形態に従った蓄電装置によれば、第1の実施形態に従った蓄電装置と同様の効果が得られると共に、検知回路(例えば、発光素子)を動作させるための消費電力を低減することが更にできる。
【0052】
なお、
図4に示す構成例とは異なり、第2の実施形態に従った蓄電装置、及び対応する負荷装置又は充電装置は、
図5に示すように構成されてもよい。
図5は、第2の実施形態に従った蓄電装置、及び対応する負荷装置又は充電装置の第2の構成例を示す図である。なお、
図5において、
図4に示す構成要素と同じ構成要素には
図4で付した参照符号と同じ参照符号が付されている。また、
図5に示す構成例においても、
図2を参照しながら上述したように、第1の電源15及び第2の電源16は電源PSに一体化されてもよい。
【0053】
蓄電装置7において、高電位検知線L
DHの一端は、高電位電源線L
PSH(
図5では、第1の高電位電源線L
PSH1)に接続され、高電位検知線L
DHの他端は、通信線コネクタ79に接続される。低電位検知線L
DLの一端は、制御部12の第2の信号入力端T
IN2に接続され、低電位検知線L
DLの他端は、通信線コネクタ79に接続される。
【0054】
また、蓄電装置7はプルダウン抵抗R
PDを含む。プルダウン抵抗R
PDの一端は、低電位検知線L
DLに接続され、プルダウン抵抗R
PDの他端は、低電位電源線L
PSL(
図5では、第1の低電位電源線L
PSL1)に接続される。なお、蓄電装置7は第2の制限抵抗R
L2を更に含んでもよい。第2の制限抵抗R
L2は、負荷装置2(又は充電装置2)側において検知線L
Dと電力線L
EPとがショートした場合に大電流が流れないようにするために、高電位検知線L
DHに設置される。
【0055】
通信線コネクタ79が充電装置8(又は負荷装置8)側の通信線コネクタ84に接続されると、高電位検知線L
DHは、充電装置8(又は負荷装置8)側のジャンパ線L
Jを介して低電位検知線L
DLに接続する。高電位検知線L
DHが低電位検知線L
DLに接続すると、高電位電源線L
PSH(
図5では、第1の高電位電源線L
PSH1)から第2の信号入力端T
IN2には、信号レベルが高い信号(第2の信号)が入力する。その結果、制御部12は、通信線コネクタ79を介して出力された信号(第2の信号)が通信線コネクタ79を介して入力したことを検知する。すなわち、制御部12は、通信線コネクタ79が通信線コネクタ84に接続されたことを検知する。通信線コネクタ79が通信線コネクタ84に接続されたことを検知すると、制御部12は、発光素子LEDに電力を供給する電源PS(
図5では、第2の電源16)を起動する。
【0056】
一方、通信線コネクタ79が未接続状態である場合、高電位検知線L
DHは低電位検知線L
DLに接続しない。高電位検知線L
DHが低電位検知線L
DLに接続しない場合、第2の信号入力端T
IN2には、信号レベルが低い信号(第2の信号)が入力する。その結果、制御部12は、通信線コネクタ79を介して出力された信号(第2の信号)が通信線コネクタ79を介して入力したことを検知しない。すなわち、制御部12は、通信線コネクタ79が未接続状態であることを検知する。制御部12は、通信線コネクタ79を介して出力された信号(第2の信号)が通信線コネクタ79を介して入力したことを検知しない場合、制御部12は、発光素子LEDに電力を供給する電源PSの動作を停止させる。
【0057】
このように、第2の実施形態に従った蓄電装置によれば、第1の実施形態に従った蓄電装置と同様の効果が得られると共に、検知回路(例えば、発光素子)を動作させるための消費電力を低減することが更にできる。
【0058】
<第3の実施形態>
図6は、第3の実施形態に従った蓄電装置、及び対応する負荷装置又は充電装置の構成例を示す図である。なお、
図6において、
図1〜
図5に示す構成要素と同じ構成要素には
図1〜
図5で付した参照符号と同じ参照符号が付されている。また、
図6に示す構成例においても、
図2を参照しながら上述したように、第1の電源15及び第2の電源16は電源PSに一体化されてもよい。
【0059】
蓄電装置9は、光半導体OS(
図1)を含まない。代わりに、蓄電装置9は、第1の光半導体OS1及び第2の光半導体OS2を含む。第1の光半導体OS1、第2の光半導体OS2、及び検知抵抗R
Dは検知回路を構成する。第1の光半導体OS1は、第1の発光素子LED1及び第1の受光素子PD1を含む。また、第2の光半導体OS2は、第2の発光素子LED2及び第2の受光素子PD2を含む。
【0060】
第1の発光素子LED1の一端(アノード)は、制御部12の信号出力端T
OUTに接続する。第1の発光素子LED1の他端(カソード)は、第2の発光素子LED2に電力を供給する電源PSに接続する低電位電源線L
PSL(
図6では、第2の電源16に接続する第1の低電位電源線L
PSL1)に接続する。第1の発光素子LED1は、制御部12の信号出力端T
OUTから信号が流れると点灯する
第1の受光素子PD1は、第1の発光素子LED1が点灯すると導通する。第1の受光素子PD1の一端は、電源PSに接続する高電位電源線L
PSH(
図6では、第2の電源16に接続する第2の高電位電源線L
PSH2)に接続する。
【0061】
第2の発光素子LED2の一端(アノード)は、第1の受光素子PD1の他端に接続し、第2の発光素子LED2の他端(カソード)は、低電位電力線L
EPLに接続する。第2の発光素子LED2は、第1の受光素子PD1が導通し且つ第1の信号が流れると、点灯する。前述したように、第1の信号は、電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19の内の一方を介して出力されて、電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19の内の他方を介して入力する信号である。
【0062】
第2の受光素子PD2は、第2の発光素子LED2が点灯すると導通する。第2の受光素子PD2の一端は、制御部12の第1の信号入力端T
IN1に接続し、第2の受光素子PD2の他端は、低電位電源線L
PSL(
図6では、第1の低電位電源線L
PSL1)に接続する。
【0063】
検知抵抗R
Dの一端は、高電位電源線L
PSH(
図6では、第1の高電位電源線L
PSH1)に接続し、検知抵抗R
Dの他端は、制御部12の第1の信号入力端T
IN1と第2の受光素子PD2の一端とに接続する。
【0064】
制御部12は、パルス信号(例えば、矩形波)を信号出力端T
OUTから出力する。この結果、信号出力端T
OUTから第1の発光素子LED1にパルス信号が流れると、第1の発光素子LED1は点灯し、第1の受光素子PD1は導通する。一方、信号出力端T
OUTから第1の発光素子LED1にパルス信号が流れない場合、第1の発光素子LED1は消灯し、第1の受光素子PD1は導通しない。
【0065】
電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19が同一の負荷装置2(又は充電装置2)の電力線コネクタ23及び通信線コネクタ24に夫々接続されると、電源PSからの出力電流(第1の信号)は、第1の受光素子PD1が導通したタイミングで次の経路で流れる。すなわち、電流(第1の信号)は、蓄電装置9において、電源PS(
図6では、第2の電源16)→高電位電源線L
PSH(
図6では、第2の高電位電源線L
PSH2)→第1の受光素子PD1→第1の発光素子LED1→低電位電力線L
EPL→電力線コネクタ18という経路で流れる。そして、電流(第1の信号)は、負荷装置2(又は充電装置2)において、電力線コネクタ23→低電位電力線L
EPL→中継線L
R→低電位電源線L
PSL(
図6では、第2の低電位電源線L
PSL2)→通信線コネクタ24という経路で流れる。さらに、電流(第1の信号)は、蓄電装置9において、通信線コネクタ19→低電位電源線L
PSL(
図6では、第2の低電位電源線L
PSL2)→電源PS(
図6では、第2の電源16)という経路で流れる。
【0066】
電源PSからの出力電流(第1の信号)が上述したような経路を通って流れると、第2の発光素子LED2は点灯する。第2の発光素子LED2が点灯すると、第2の受光素子PD2は導通する。第2の受光素子PD2の導通により、高電位電源線L
PSH(
図6では、第1の高電位電源線L
PSH1)から第1の信号入力端T
IN1に入力する信号は、信号レベルが低いオン信号になる。この結果、制御部12は、電力線コネクタ18を介して出力された電流(第1の信号)が通信線コネクタ19を介して入力したことを検知し、スイッチ14をオンにする。スイッチ14がオンになると、蓄電装置9に負荷装置2が接続された場合には二次電池11から負荷21へ放電される。また、蓄電装置9に充電装置2が接続された場合には電力変換装置21により二次電池11は充電される。
【0067】
これに対して、電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19の少なくとも一方が未接続状態であると、電源PSからの出力電流(第1の信号)は、第1の受光素子PD1が導通したタイミングであっても上述のような経路で流れない。加えて、通信線コネクタ19が負荷装置2(又は充電装置2)側の通信線コネクタ24に接続された状態で、電力線コネクタ18が別の充電装置側の電力コネクタに接続された場合、電源PSからの出力電流(第1の信号)は第1の受光素子PD1が導通したタイミングであっても上述のような経路で流れない。上述した経路で電流(第1の信号)が流れない場合、第2の発光素子LED2は点灯せず、第2の受光素子PD2は導通しない。第2の受光素子PD2が導通せず、第1の信号入力端T
IN1に入力する信号が信号レベルが高いオフ信号である場合、制御部12は、電力線コネクタ18を介して出力された電流(第1の信号)が通信線コネクタ19を介して入力したことを検知しない。そこで、制御部12はスイッチ14をオフにする(又は、オフ状態を維持する)。スイッチ14がオフ状態であると、二次電池11は、電力線コネクタ18に接続された充電装置により充電されない。
【0068】
したがって、第3の実施形態に従った蓄電装置によれば、対応しない充電装置が蓄電装置に接続された場合に二次電池が充電されることを防止できる。また、第3の実施形態に従った蓄電装置によれば、検知回路に電流を常時流さなくてもよいため、検知回路(例えば、発光素子)を動作させるための消費電力を低減することができる。
【0069】
なお、制御部12は、パルス信号を出力した検知時間内にオン信号が入力したか否かを判定することで、電力線コネクタ18を介して出力された電流(第1の信号)が通信線コネクタ19を介して入力したか否かを検知するように構成されてもよい。こうした構成によれば、制御部12は、上述のような検知動作を検知時間内のみ実行すれば足り、検知時間以外の時間を別のタスクの実行時間に充てることができる。
【0070】
或いは、制御部12は、パルス信号を出力した検知時間内にオン信号が入力したか否かを複数のパルス信号に対して判定することで、電力線コネクタ18を介して出力された電流(第1の信号)が通信線コネクタ19を介して入力したか否かを検知してもよい。こうした構成によれば、電力線コネクタ18を介して出力された電流(第1の信号)が通信線コネクタ19を介して入力したか否かが誤検知される可能性を低減できる。
【0071】
また、
図6に示す構成例には、
図3に示す構成例と同様の変更が加えられてもよい。すなわち、通信線コネクタ39を介して出力された信号(第1の信号)が電力線コネクタ18を介して入力したことが検知された場合にスイッチ14がオンされるように変更されてもよい。また、通信線コネクタ39を介して出力された信号(第1の信号)が電力線コネクタ18を介して入力したことが検知されない場合にスイッチ14がオフされるように変更されてもよい。
図6に示す構成例にこうした変更が加えられた場合でも、
図6に示す構成例と同様の効果が得られる。
【0072】
さらに、
図6に示す構成例に次のような変更が更に加えられてもよい。すなわち、第2の受光素子PD2の導通により、高電位電源線L
PSH(
図6では、第1の高電位電源線L
PSH1)から第1の信号入力端T
IN1に信号レベルが高いオン信号が入力した場合に、制御部12はスイッチ14をオンにする。また、第2の受光素子PD2が導通せずに、第1の信号入力端T
IN1に信号レベルが低いオフ信号が入力した場合に、制御部12はスイッチ14をオフにする。
図6に示す構成例にこうした変更が加えられる場合、検知抵抗R
Dの接続関係は、
図6とは異なり、次のように変更される。すなわち、検知抵抗R
Dの一端は、低電位電源線L
PSL(
図6では、第1の低電位電源線L
PSL1)に接続し、検知抵抗R
Dの他端は、第2の受光素子PD2の他端に接続する。なお、第2の受光素子PD2の一端は、高電位電源線L
PSH(
図6では、第1の高電位電源線L
PSH1)と第1の信号入力端T
IN1とに接続する。
図6に示す構成例にこうした変更が加えられた場合でも、
図6に示す構成例と同様の効果が得られる。
【0073】
<第4の実施形態>
図7は、第4の実施形態に従った蓄電装置、及び対応する負荷装置又は充電装置の構成例を示す図である。なお、
図7において、
図1〜
図5に示す構成要素と同じ構成要素には
図1〜
図5で付した参照符号と同じ参照符号が付されている。また、
図7に示す構成例においても、
図2を参照しながら上述したように、第1の電源15及び第2の電源16は電源PSに一体化されてもよい。
【0074】
蓄電装置10は、発光素子LEDを含む光半導体OS(
図1)及び検知抵抗R
D(
図1)を含まない。代わりに、蓄電装置10は、第1のコンデンサC
1、第2のコンデンサC
2、及び検知抵抗R
D´を含む。第1のコンデンサC
1、第2のコンデンサC
2、及び検知抵抗R
D´は検知回路を構成する。
【0075】
第1のコンデンサC
1の一端は、制御部12の信号出力端T
OUTに接続し、第1のコンデンサC
1の他端は、低電位電力線L
EPLに接続する。第2のコンデンサC
2の一端は、通信回路13に電力を供給する電源PSに接続する低電位電源線L
PSL(
図6では、第2の電源16に接続する第2の低電位電源線L
PSL2)に接続する。第2のコンデンサC
2の他端は、制御部12の信号入力端T
INに接続する。検知抵抗R
D´の一端は、第2のコンデンサC
2の他端と信号入力端T
INとに接続する。検知抵抗R
D´の他端は、電源PSに接続する低電位電源線L
PSL(
図6では、第1の低電位電源線L
PSL1)に接続する。制御部12は、パルス信号(例えば、矩形波)である第1の信号を信号出力端T
OUTから周期的に出力する。
【0076】
蓄電装置10側の電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19が同一の負荷装置2(又は充電装置2)側の電力線コネクタ23及び通信線コネクタ24に夫々接続された場合、信号出力端T
OUTからのパルス信号(第1の信号)は次のような経路を通って流れる。すなわち、パルス信号(第1の信号)は、蓄電装置10において、信号出力端T
OUT→第1のコンデンサC
1→低電位電力線L
EPL→電力線コネクタ18という経路で流れる。そして、パルス信号(第1の信号)は、負荷装置2(又は充電装置2)において、電力線コネクタ23→低電位電力線L
EPL→中継線L
R→低電位電源線L
PSL(
図6では、第2の低電位電源線L
PSL2)→通信線コネクタ24という経路で流れる。さらに、パルス信号(第1の信号)は、蓄電装置10において、通信線コネクタ19→低電位電源線L
PSL(
図6では、第2の低電位電源線L
PSL2)→第2のコンデンサC
2→信号入力端T
INという経路で流れる。
【0077】
パルス信号(第1の信号)が上述したような経路を通って流れると、信号入力端T
INにパルス信号が入力し、信号入力端T
INにおける電圧レベルはパルス信号の入力により高くなる。信号入力端T
INにおける電圧レベルがパルス信号の入力により高くなると、制御部12は、電力線コネクタ18を介して出力された信号(第1の信号)が通信線コネクタ19を介して入力したことを検知する。そこで、制御部12はスイッチ14をオンにする。スイッチ14がオンになると、蓄電装置10に負荷装置2が接続された場合には二次電池11から負荷21へ放電される。また、蓄電装置10に充電装置2が接続された場合には電力変換装置21により二次電池11は充電される。
【0078】
これに対して、電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19の少なくとも一方が未接続状態であると、パルス信号(第1の信号)は上述のような経路で流れない。加えて、通信線コネクタ19が負荷装置2(又は充電装置2)側の通信線コネクタ24に接続された状態で、電力線コネクタ18が別の充電装置側の電力コネクタに接続された場合、パルス信号(第1の信号)は上述のような経路で流れない。パルス信号(第1の信号)が上述したような経路を通って流れない場合、信号入力端T
INにパルス信号が入力せず、信号入力端T
INにおける電圧レベルは常時低くなる。パルス信号が入力せずに信号入力端T
INにおける電圧レベルが常時低くなると、制御部12は、電力線コネクタ18を介して出力された信号(第1の信号)が通信線コネクタ19を介して入力したことを検知しない。そこで、制御部12はスイッチ14をオフにする(又は、オフ状態を維持する)。スイッチ14がオフ状態であると、二次電池11は、電力線コネクタ18に接続された充電装置により充電されない。
【0079】
したがって、第3の実施形態に従った蓄電装置によれば、対応しない充電装置が蓄電装置に接続された場合に二次電池が充電されることを防止できる。また、第3の実施形態に従った蓄電装置では、検知回路に常時電流を流さなくてもパルス信号を出力すれば足りるため、検知回路(例えば、発光素子)を動作させるための消費電力を低減することができる。
【0080】
なお、
図3に示した構成例のように、第4の実施形態に従った蓄電装置においても、通信線コネクタ19を介して出力された信号(第1の信号)が電力線コネクタ18を介して入力したことを制御部12が検知するように、蓄電装置を構成してもよい。こうした構成によっても、上述した効果を得ることができる。
【0081】
<第5の実施形態>
図8は、第5の実施形態に従った蓄電装置、及び対応する負荷装置又は充電装置の構成例を示す図である。なお、
図8において、
図1〜
図6に示す構成要素と同じ構成要素には
図1〜
図6で付した参照符号と同じ参照符号が付されている。また、
図8に示す構成例においても、
図2を参照しながら上述したように、第1の電源15及び第2の電源16は電源PSに一体化されてもよい。
【0082】
蓄電装置100は、保護回路PCを更に含む。保護回路PCは、例えば、ツェナーダイオード又はバリスタといったサージアブソーバである。保護回路PCの一端は、低電位電源線L
PSL(
図8では、第2の低電位電源線L
PSL2)に接続し、保護回路PCの他端は、低電位電力線L
EPLに接続する。
【0083】
図8に示す構成例においても、電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19が同一の負荷装置2(又は充電装置2)側の電力線コネクタ23及び通信線コネクタ24に夫々接続されると、制御部13は、スイッチ14をオンにする。一方、電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19の少なくとも一方が未接続状態であると、制御部13は、スイッチ14をオフにする。また、通信線コネクタ19が負荷装置2(又は充電装置2)側の通信線コネクタ24に接続された状態で、電力線コネクタ18が別の充電装置側の電力コネクタに接続された場合にも、制御部13は、スイッチ14をオフにする。
【0084】
例えば、電力線コネクタ18及び通信線コネクタ19が同一の負荷装置2側の電力線コネクタ23及び通信線コネクタ24に夫々接続され、スイッチ14がオンにされると、二次電池11から負荷21に電力が供給される。この場合、二次電池11からの出力電流は、次のような経路で流れる。すなわち、二次電池11からの出力電流は、蓄電装置100において、二次電池11→高電位電力線L
EPH→電力線コネクタ18という経路で流れる。そして、二次電池11からの出力電流は、負荷装置2において、電力線コネクタ23→高電位電力線L
EPH→負荷21→低電位電力線L
EPL→電力線コネクタ23という経路で流れる。さらに、二次電池11からの出力電流は、蓄電装置100において、電力線コネクタ23→低電位電力線L
EPL→スイッチ14→二次電池11という経路で流れる。
【0085】
二次電池11から負荷21に上述したように電力が供給されている状態で、何らかの原因で電力線コネクタ23が電力線コネクタ18から抜去されたと仮定する。何らかの原因としては、例えば、電力線コネクタ23を電力線コネクタ18から抜去するための操作スイッチ(不図示)がユーザにより押下されたこと等が挙げられる。この仮定において、電力線コネクタ18の正極端子が電力線コネクタ23の正極端子から抜去されるタイミングよりも僅かに早く、電力線コネクタ18の負極端子が電力線コネクタ23の負極端子から抜去されることがある。すなわち、電力線コネクタ18の正極端子が電力線コネクタ23の正極端子と接続されつつ、電力線コネクタ18の負極端子が電力線コネクタ23の負極端子から抜去された状態が僅かな時間生じ得る。この場合、保護回路PCがないと、二次電池11からの出力電流は、突発的な大電流となって、次のような経路で負荷21から二次電池11に戻る。すなわち、突発的な大電流は、負荷21→中継線L
R→低電位電源線L
PSL(
図8では、第2の低電位電源線L
PSL2)→通信線コネクタ24という経路で流れる。そして、突発的な大電流は、通信線コネクタ19→低電位電源線L
PSL(
図8では、第2の低電位電源線L
PSL2)→電源PS(
図8では、第2の電源16)という経路で流れる。さらに、突発的な大電流は、電源PS(
図8では、第2の電源16)→高電位電源線L
PSH(
図8では、第2の高電位電源線L
PSH2)→発光素子LED→低電位電力線L
EPL→スイッチ14→二次電池11という経路で流れる。この結果、突発的な大電流によって発光素子LED等の信号経路上の回路素子が損傷する虞がある。
【0086】
しかしながら、
図8に示す構成例では、上述したような突発的な大電流が低電位電源線L
PSL(
図8では、第2の低電位電源線L
PSL2)に流れ、低電位電力線L
EPLと低電位電源線L
PSLとの電位差が所定値を越えると、保護回路PCが導通する。この結果、通信線コネクタ19を介して負荷21から流入した突発的な大電流は、低電位電源線L
PSL(
図8では、第2の低電位電源線L
PSL2)→保護回路PC→低電位電力線L
EPL→スイッチ14→二次電池11という経路で二次電池11に戻る。このため、突発的な大電流は、発光素子LED等の回路素子には流れない。
【0087】
したがって、第5の実施形態に従った蓄電装置によれば、蓄電装置の電力線コネクタが負荷装置の電力線コネクタから抜去された場合に発生し得る突発的な大電流から、信号経路上の回路素子(例えば、検出回路の発光素子)を保護することができる。なお、第5の実施形態に従った蓄電装置によっても、対応しない充電装置が蓄電装置に接続された場合に二次電池が充電されることを防止できる。
【0088】
本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。例えば、上述した複数の実施形態は必要に応じて組み合わされてもよい。