(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、蓄電装置が外部から振動や衝撃等を受ける場合があり、この場合には、蓄電装置の内部での損傷を防ぐために、蓄電素子を外装体に対して強固に固定しておくことが重要である。上記従来の構成の蓄電装置においても、蓄電素子を外装体に対してさらに強固に固定しておくのが好ましい。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、蓄電素子を外装体に対して強固に固定することができる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、底壁と側壁とを有する外装体、蓄電素子、及び、前記底壁とで前記蓄電素子を挟む位置に配置される絶縁部材を備える蓄電装置であって、前記絶縁部材と前記蓄電素子とを接着する第一接着層と、前記絶縁部材と前記側壁とを接着する第二接着層とを備える。
【0007】
これによれば、蓄電装置は、外装体の底壁と絶縁部材とで挟まれる位置に蓄電素子が配置され、かつ、当該絶縁部材と蓄電素子とが第一接着層で接着され、当該絶縁部材と外装体の側壁とが第二接着層で接着されている。これにより、外装体と絶縁部材とで蓄電素子を挟み込んだ状態で、蓄電素子が絶縁部材を介して外装体に接着されているため、蓄電素子を外装体に対して強固に固定することができている。
【0008】
また、さらに、前記底壁と前記蓄電素子とを接着する第三接着層を備えることにしてもよい。
【0009】
これによれば、外装体の底壁と蓄電素子とを第三接着層で接着することで、蓄電素子、外装体及び絶縁部材をそれぞれ固定することができるため、蓄電素子を外装体に対して強固に固定することができる。
【0010】
また、さらに、基板及びバスバーの少なくとも一方を備え、前記基板及びバスバーの少なくとも一方は、前記絶縁部材に固定されていることにしてもよい。
【0011】
これによれば、基板及びバスバーの少なくとも一方が絶縁部材に固定されることで、当該少なくとも一方が外装体内で動くのを抑制することができるため、当該少なくとも一方に対する電気的な接続が断線するのを抑制することができる。
【0012】
また、前記第二接着層は、前記絶縁部材の外周と前記側壁の内周とを接着することにしてもよい。
【0013】
これによれば、絶縁部材の外周と外装体の側壁の内周とを接着することで、外装体と絶縁部材とを強固に固定することができるため、蓄電素子を外装体に対して強固に固定することができる。
【0014】
また、前記側壁は、前記絶縁部材と嵌合する凹部を有し、前記第二接着層は、前記凹部と前記絶縁部材とを接着することにしてもよい。
【0015】
これによれば、外装体の側壁の凹部と絶縁部材とを嵌合させて接着することで、外装体の側壁と絶縁部材とを強固に固定することができるため、蓄電素子を外装体に対して強固に固定することができる。
【0016】
また、前記凹部は、前記側壁の内面に形成されていることにしてもよい。
【0017】
これによれば、外装体の側壁の凹部が側壁の内面に形成されていることで、外装体の側壁と絶縁部材との接着部分である第二接着層が外部に晒されるのを抑制できるため、第二接着層での気密性の低下を抑制することができる。
【0018】
また、前記凹部は、前記第二接着層を収容する溝部を有することにしてもよい。
【0019】
これによれば、外装体の側壁の凹部が第二接着層を収容する溝部を有しているため、例えば第二接着層に粘性が低い接着剤を使用しても、当該接着剤が当該溝部に流れ落ちるため、当該接着剤が当該凹部から流れ出ることを抑制することができる。
【0020】
また、前記絶縁部材は、前記第一接着層の側方に、前記蓄電素子に向けて突出し、前記蓄電素子と当接する第一凸部を有することにしてもよい。
【0021】
これによれば、絶縁部材は、第一接着層の側方に、蓄電素子と当接する第一凸部を有しているため、第一凸部の突出量が第一接着層の厚みの最適値になるように第一凸部を形成することで、第一接着層を最適な厚みに維持することができる。
【0022】
また、前記蓄電装置は、複数の前記蓄電素子を備えるとともに、前記複数の蓄電素子の間に配置される仕切部をさらに備え、前記絶縁部材は、前記仕切部に向けて突出する第二凸部を有し、前記仕切部は、前記第二凸部と固定されていることにしてもよい。
【0023】
これによれば、蓄電素子間の仕切部と絶縁部材の第二凸部とが固定されることで、蓄電素子同士が接触するのを抑制することができる。このため、例えば、仕切部と第二凸部とが絶縁性を有していれば蓄電素子間の短絡を抑制することができ、仕切部と第二凸部とが断熱性を有していれば蓄電素子間の熱の伝達を抑制することができる。
【0024】
また、前記蓄電素子は、電極端子及びガス排出弁の少なくとも一方を有し、前記第一接着層は、前記電極端子及びガス排出弁の少なくとも一方とは異なる位置に配置されていることにしてもよい。
【0025】
これによれば、第一接着層は、蓄電素子が有する電極端子及びガス排出弁の少なくとも一方と異なる位置に配置されているため、第一接着層が、電極端子やガス排出弁の機能を損なうのを抑制することができる。
【0026】
また、前記第一接着層は、前記絶縁部材と前記蓄電素子とを第一方向で接着し、前記第二接着層は、前記絶縁部材と前記側壁とを第一方向とは異なる第二方向で接着することにしてもよい。
【0027】
ここで、同一の向きの接着しかなされていない構成では、当該同一の向きにおける振動や衝撃に対して、当該接着が外れやすい。このため、絶縁部材及び蓄電素子の接着の向きと、絶縁部材及び外装体の接着の向きとを異ならせることで、接着が外れ難い構成となっているため、蓄電素子を外装体に対して強固に固定することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明における蓄電装置によれば、蓄電素子を外装体に対して強固に固定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態及びその変形例は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態及びその変形例における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
【0031】
また、以下の説明及び図面中において、蓄電素子の並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、または、当該容器の厚さ方向をX軸方向と定義する。また、1つの蓄電素子における電極端子の並び方向、または、蓄電素子の容器の短側面の対向方向をY軸方向と定義する。また、蓄電装置の外装体本体と蓋との並び方向、蓄電素子の容器本体と蓋との並び方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。また、以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向やZ軸方向についても同様である。
【0032】
(実施の形態)
まず、
図1及び
図2を用いて、本実施の形態における蓄電装置1の全般的な説明を行う。
図1は、本実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0033】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュールである。具体的には、蓄電装置1は、例えば、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)またはプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)等の自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、スノーモービル、農業機械、建設機械などの移動体のエンジン始動用のバッテリ等として用いられる。
【0034】
ここで、
図1及び
図2に示すように、蓄電装置1は、第一外装体11及び第二外装体12からなる外装体10と、外装体10内方に収容される複数の蓄電素子20、複数のバスバー30、60、保持部材40及び基板50とを備えている。
【0035】
外装体10は、蓄電装置1の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体10は、複数の蓄電素子20、バスバー30、60、保持部材40及び基板50等の外方に配置され、これら蓄電素子20等を所定の位置に配置し、衝撃などから保護する。また、外装体10は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはABS樹脂等の絶縁材料により構成されている。外装体10は、これにより、蓄電素子20等が外部の金属部材などに接触することを回避する。
【0036】
ここで、外装体10は、外装体10の蓋体(外蓋)を構成する第一外装体11と、外装体10の本体を構成する第二外装体12とを有している。第一外装体11は、第二外装体12の開口を閉塞する扁平な矩形状のカバー部材であり、正極外部端子13と負極外部端子14とが設けられている。蓄電装置1は、この正極外部端子13と負極外部端子14とを介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。また、第二外装体12は、開口が形成された有底矩形筒状のハウジングであり、複数の蓄電素子20、バスバー30及び基板50等を収容する。なお、第一外装体11と第二外装体12とは、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。この第二外装体12の構成の詳細な説明については、後述する。
【0037】
蓄電素子20は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子20は、扁平な直方体形状(角型)の形状を有しており、本実施の形態では、12個の蓄電素子20がX軸方向に配列されている。なお、蓄電素子20の形状や、配列される蓄電素子20の個数は限定されない。また、蓄電素子20は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよく、さらに、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。この蓄電素子20の構成の詳細な説明については、後述する。
【0038】
バスバー30は、複数の蓄電素子20の上方に配置され、複数の蓄電素子20同士を電気的に接続する矩形状の板状部材である。バスバー30は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の導電部材で形成されている。具体的には、バスバー30は、隣接する蓄電素子20において、一の蓄電素子20の正極端子または負極端子と、他の蓄電素子20の正極端子または負極端子とを接続する。本実施の形態では、バスバー30は、蓄電素子20を3個ずつ並列に接続して4セットの蓄電素子群を構成し、当該4セットの蓄電素子群を直列に接続する。なお、バスバー30は、12個の蓄電素子20を全て直列に接続してもよいし、その他の構成であってもかまわない。
【0039】
バスバー60は、保持部材40上に載置されて、保持部材40に固定される導電性の部材である。バスバー60は、バスバー30と、第一外装体11に設けられた正極外部端子13及び負極外部端子14とを電気的に接続する。バスバー60は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等で形成されている。具体的には、バスバー60は、蓄電装置1に備えられた複数の蓄電素子20のうち正極外部端子13側(
図2ではX軸方向プラス側)に配置された3個の蓄電素子20の正極端子と、正極外部端子13とを接続する。また、バスバー60は、当該複数の蓄電素子20のうち負極外部端子14側(
図2ではX軸方向マイナス側)に配置された3個の蓄電素子20の負極端子と、負極外部端子14とを接続する。
【0040】
基板50は、保持部材40上に載置されて、保持部材40に固定される制御基板である。基板50は、配線等によって複数の蓄電素子20に接続され、当該複数の蓄電素子20の状態を取得し、監視し、制御する。具体的には、基板50は、制御回路(図示せず)が設けられ、複数の蓄電素子20の充電状態や放電状態、電圧値、電流値、温度などの各種情報を取得したり、リレーのオン、オフを制御したり、他の機器と通信を行ったりする。
【0041】
保持部材40は、基板50及びバスバー60や、その他リレーなどの電装部品、配線類等(図示せず)を保持し、当該基板50及びバスバー60等と他の部材との絶縁、及び、当該基板50及びバスバー60等の位置規制を行うことができる電装品トレーである。また、保持部材40は、外装体10の内方で第一外装体11(外蓋)の下方、かつ、蓄電素子20を上方から覆う位置に配置されているため、外装体10の内蓋の機能も有している。保持部材40は、例えば、PC、PP、PE、PPS、PBTまたはABS樹脂等の絶縁材料により形成されている。つまり、保持部材40は、特許請求の範囲における「絶縁部材」に包含される。
【0042】
具体的には、保持部材40は、蓄電素子20及びバスバー30の上方(Z軸方向プラス側)に載置され、蓄電素子20及びバスバー30に対して位置決めされる。つまり、保持部材40は、後述の第二外装体12の底壁15とで蓄電素子20を挟む位置に配置される。また、保持部材40上に、基板50及びバスバー60等が載置されて位置決めされる。また、保持部材40上に、第一外装体11が配置されて位置決めされる。これにより、基板50が配線等に対して位置決めされて接続され、バスバー60がバスバー30と正極外部端子13及び負極外部端子14とに対して位置決めされて接続される。なお、保持部材40の構成の詳細な説明については、後述する。
【0043】
次に、蓄電素子20の構成について、詳細に説明する。
図3は、本実施の形態に係る蓄電素子20の外観を示す斜視図である。具体的には、同図は、
図2に示した複数の蓄電素子20のうちの1つの蓄電素子20を斜め上方から見た場合の斜視図である。
【0044】
図3に示すように、蓄電素子20は、容器21と、正極端子23と、負極端子24とを備えている。なお、容器21の内方には、電極体(蓄電要素または発電要素ともいう)、正極集電体、負極集電体等が配置され、また、電解液(非水電解質)などの液体が封入されているが、これらは省略して図示し、詳細な説明も省略する。
【0045】
容器21は、同図におけるZ軸方向マイナス側に矩形状の底面部21a、X軸方向両側の側面に矩形状の長側面部21b、Y軸方向両側の側面に矩形状の短側面部21c、及び、Z軸方向プラス側に矩形状の容器蓋部22を有する直方体形状(角型)の容器である。つまり、容器21は、底面部21aと2つの長側面部21bと2つの短側面部21cとで、矩形筒状で底を備える容器本体を構成し、当該容器本体の開口を容器蓋部22が閉塞する構成となっている。具体的には、容器21は、電極体等を当該容器本体の内方に収容後、当該容器本体と容器蓋部22とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。
【0046】
また、容器蓋部22のY軸方向中央部分には、ガス排出弁25が設けられている。ガス排出弁25は、容器21内方にガスが発生して圧力が上昇したときに、当該ガスを排出して圧力を開放する安全弁である。なお、容器21(容器本体及び容器蓋部22)の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金など溶接可能な金属であるのが好ましい。
【0047】
正極端子23は、正極集電体を介して、電極体の正極に電気的に接続された金属製の電極端子であり、負極端子24は、負極集電体を介して、電極体の負極に電気的に接続された金属製の電極端子であり、いずれも容器蓋部22に取り付けられている。本実施の形態では、蓄電素子20は、容器蓋部22(正極端子23、負極端子24及びガス排出弁25)を上方に向けた状態で配置されている。
【0048】
次に、第二外装体12の構成について、詳細に説明する。
図4は、本実施の形態に係る第二外装体12の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、
図2に示した第二外装体12を斜め上方から見た場合の斜視図である。
【0049】
図4に示すように、第二外装体12は、Z軸方向マイナス側に配置される底壁15と、X軸方向両側及びY軸方向両側に配置される側壁16とを有している。底壁15は、第二外装体12の底壁を形成する矩形状かつ平板形状の部位である。また、側壁16は、底壁15の外縁の4辺から立設した、第二外装体12の側壁を形成する矩形状かつ平板形状の部位である。つまり、第二外装体12は、底壁15と底壁15の四方を囲う側壁16とで構成され上部に開口が形成された有底矩形筒状の部材である。
【0050】
ここで、底壁15には、内面15aから突出し、かつ、X軸方向に延びる長尺状のリブである底壁凸部15bが形成されている。具体的には、底壁15には、Y軸方向に略等間隔に並ぶ4本の底壁凸部15bが形成されている。底壁凸部15bは、後述の第三接着層73の側方に配置されて、蓄電素子20に向けて突出し、蓄電素子20と当接する部位である。この底壁凸部15bが蓄電素子20と当接する構成の詳細な説明については、後述する。
【0051】
また、側壁16は、保持部材40と嵌合する側壁凹部16aを有している。側壁凹部16aは、側壁16の内面に形成された凹部であり、具体的には、当該内面の全周に亘って側壁16のZ軸方向プラス側の端部に形成された環状の部位である。また、側壁凹部16aは、溝部16bを有している。溝部16bは、側壁凹部16aの全周に亘って、Z軸方向マイナス側に凹んで形成された断面が矩形状の溝であり、後述の第二接着層72を収容する。なお、側壁凹部16aは、側壁16の全周ではなく、当該全周のうちの一部に形成されていてもよいし、溝部16bは、側壁凹部16aの全周ではなく、当該全周のうちの一部に形成されていてもよい。また、溝部16bの断面形状は、矩形状には限定されず、矩形状以外の多角形状、半円形状、半長円形状、半楕円形状等、どのような形状でもかまわない。
【0052】
また、第二外装体12は、さらに、内方に仕切部17を有している。仕切部17は、複数の蓄電素子20の間に配置される部位である。具体的には、仕切部17は、底壁15の内面15a及び側壁16のY軸方向両側の内面に接続して配置され、第二外装体12内の空間を仕切る矩形状かつ平板形状の仕切板である。本実施の形態では、3枚の仕切部17が、4つの蓄電素子群(並列接続された3個の蓄電素子20からなる蓄電素子群)同士の間に配置されている。つまり、仕切部17は、直列接続された蓄電素子群同士の間に配置され、当該蓄電素子群同士が接触するのを防止し、当該蓄電素子群同士の絶縁及び断熱を図る機能を有している。
【0053】
なお、本実施の形態では、第二外装体12は、底壁15、側壁16及び仕切部17が一体に形成された一体成型品であるが、底壁15、側壁16及び仕切部17のいずれかの部位が別体で構成されていてもよい。また、底壁15、側壁16及び仕切部17は、全てが同じ材質で形成されていなくてもよく、いずれかの部位が異なる材質で形成されていてもよい。
【0054】
次に、保持部材40の構成について、詳細に説明する。
図5は、本実施の形態に係る保持部材40の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、
図2に示した保持部材40を斜め下方から見た場合の斜視図である。
【0055】
図5に示すように、保持部材40は、保持部材本体41と、保持部材本体41の外周に配置される保持部材外周部42とを有している。保持部材本体41は、保持部材40の本体を構成する矩形状かつ平板状の部位である。保持部材外周部42は、保持部材本体41の外縁の4辺から下方(Z軸方向マイナス側)に突出し、かつ、保持部材本体41の外周の全周に亘って延びる、平板状かつ環状の部位である。また、保持部材外周部42は、第二外装体12の側壁凹部16aと嵌合する。この保持部材外周部42が第二外装体12の側壁凹部16aと嵌合する構成の詳細な説明については、後述する。
【0056】
また、保持部材本体41には、内面41aから突出し、かつ、蓄電素子20の配列方向(X軸方向)に延びる長尺状のリブである第一凸部43が形成されている。具体的には、保持部材本体41には、Y軸方向に並ぶ4本の第一凸部43が形成されている。第一凸部43は、後述の第一接着層71の側方に配置されて、蓄電素子20に向けて突出し、蓄電素子20と当接する部位である。また、第一凸部43は、蓄電素子20の電極端子(正極端子23及び負極端子24)及びガス排出弁25には当接しない位置に配置されている。この第一凸部43が蓄電素子20と当接する構成の詳細な説明については、後述する。
【0057】
また、保持部材本体41には、さらに、内面41aから突出し、かつ、仕切部17に沿って(Y軸方向に)延びる長尺状のリブである第二凸部44が複数形成されている。第二凸部44は、第一凸部43よりも突出高さが高い板状の部位であり、第二外装体12の仕切部17に向けて突出し、仕切部17に固定される。この第二凸部44が仕切部17に固定される構成の詳細な説明については、後述する。
【0058】
次に、蓄電素子20と第二外装体12と保持部材40との接着の構成について、詳細に説明する。
図6及び
図7は、本実施の形態に係る蓄電素子20と第二外装体12と保持部材40との接着の構成を示す断面図である。具体的には、
図6は、
図1に示した蓄電装置1をYZ平面に平行な面で切断した場合の構成を示す断面図であり、第一接着層71(
図6の(a)及び(b))と、第二接着層72(
図6の(c)及び(d))と、第三接着層73(
図6の(e))とを示している。また、
図7は、
図1に示した蓄電装置1をXZ平面に平行な面で切断した場合の構成を示す断面図であり、第一接着層71及び第四接着層74(
図7の(a))と、第二接着層72(
図7の(b)及び(c))とを示している。
【0059】
まず、
図6の(a)及び(b)と
図7の(a)とに示すように、保持部材40と蓄電素子20との間には、第一接着層71が配置されている。第一接着層71は、保持部材40と蓄電素子20とを接着する接着剤からなる層である。なお、第一接着層71に用いられる接着剤としては、接着前は液体状であり、固形状になることで接着を行う樹脂製の材料を使用することができる。または、当該接着剤として、接着前にはゲル状のものや、ホットメルト接着剤などのように固形状のものなどを使用することもできる。
【0060】
具体的には、
図6の(a)及び(b)に示すように、第一接着層71は、保持部材40の保持部材本体41の内面41aと、第一凸部43と、蓄電素子20の容器蓋部22の上面との間に配置され、保持部材本体41と容器蓋部22とを接着して固定する。つまり、保持部材本体41と容器蓋部22との間に接着剤が配置されて、第一凸部43が容器蓋部22に当接した状態で接着剤が固まることで、第一接着層71が形成される。これにより、第一接着層71は、保持部材40と蓄電素子20とを第一方向(本実施の形態では、Z軸方向)で接着する。
【0061】
また、第一接着層71は、蓄電素子20の電極端子及びガス排出弁25の双方と異なる位置に配置されている。つまり、蓄電素子20の正極端子23とガス排出弁25との間、及び、負極端子24とガス排出弁25との間に、それぞれ2つの第一凸部43が配置されており、この2つの第一凸部43の間に第一接着層71が形成されることで、第一接着層71が正極端子23、負極端子24及びガス排出弁25を避けて配置される。
【0062】
なお、本実施の形態では、第一接着層71は、X軸方向の全体及び2つの第一凸部43の間の全体に亘って形成されているが、これには限定されず、第一接着層71が形成されていない箇所が一部あってもかまわない。また、
図6では、(a)及び(b)の2箇所の領域に第一接着層71が形成されているが、第一接着層71が形成される領域は何箇所あってもかまわない。
【0063】
また、
図6の(c)及び(d)と
図7の(b)及び(c)とに示すように、保持部材40と第二外装体12の側壁16との間には、第二接着層72が配置されている。第二接着層72は、保持部材40と第二外装体12の側壁16とを接着する接着剤からなる層である。なお、第二接着層72には、第一接着層71と同様の接着剤を用いることができる。
【0064】
具体的には、第二接着層72は、第二外装体12の側壁凹部16aと、保持部材40の保持部材外周部42との間に配置され、側壁凹部16aと保持部材外周部42とを接着する。さらに具体的には、第二接着層72は、側壁凹部16aの溝部16bの内面と保持部材外周部42の外面との間に配置されて、溝部16bの内面と保持部材外周部42の外面とを接着して固定する。つまり、保持部材外周部42の外面または溝部16bの内面に接着剤が配置され、保持部材外周部42が側壁凹部16aと嵌合して溝部16b内に挿入されて、接着剤が固まることで、第二接着層72が形成される。
【0065】
これにより、第二接着層72は、保持部材40と第二外装体12の側壁16とを、第一方向(Z軸方向)と異なる第二方向で接着する。ここで、本実施の形態では、第二方向は、第一方向(Z軸方向)と直交する方向であり、
図6の(c)及び(d)ではY軸方向、
図7の(b)及び(c)ではX軸方向である。つまり、第二接着層72は、保持部材40の外周と第二外装体12の側壁16の内周とを接着している。具体的には、第二接着層72は、保持部材外周部42の外周面と、側壁凹部16aの溝部16bの内周面とを、周方向に接着している。なお、本実施の形態では、第二接着層72は、当該周方向の全周に亘って形成されているが、これには限定されず、第二接着層72が形成されていない箇所が一部あってもかまわない。
【0066】
また、このように配置された第二接着層72は、溝部16bの内面と保持部材外周部42の外面との間から流れ落ちる場合があるが、第二接着層72は溝部16b内に配置されているため、当該流れ落ちた第二接着層72は、溝部16b内に収容される。なお、溝部16b内に接着剤が充填され、保持部材外周部42が溝部16b内に挿入されて接着されることで、溝部16b内に充填された第二接着層72が形成されることにしてもよい。また、本実施の形態では、第二接着層72が接着する第二方向は、第一方向と直交する方向であるが、第二方向は、第一方向と異なる方向であればよく、第一方向と直交する方向には限定されない。
【0067】
また、
図6の(e)に示すように、第二外装体12の底壁15と蓄電素子20との間には、第三接着層73が配置されている。第三接着層73は、第二外装体12の底壁15と蓄電素子20とを接着する接着剤からなる層である。なお、第三接着層73には、第一接着層71及び第二接着層72と同様の接着剤を用いることができる。
【0068】
具体的には、第三接着層73は、第二外装体12の底壁15の内面15aと、蓄電素子20の容器21の底面部21aの下面との間に配置され、底壁15と容器21の底面部21aとを接着して固定する。つまり、底壁15と底面部21aとの間に接着剤が配置されて、底壁凸部15bが底面部21aに当接した状態で接着剤が固まることで、第三接着層73が形成される。これにより、第三接着層73は、第二外装体12の底壁15と蓄電素子20とを第一方向(Z軸方向)で接着する。
【0069】
なお、本実施の形態では、第三接着層73は、第二外装体12の底壁15と蓄電素子20の容器21の底面部21aとの間の全体に亘って形成されているが、これには限定されず、第三接着層73が形成されていない箇所が一部あってもかまわない。
【0070】
また、
図7の(a)に示すように、第二外装体12の仕切部17と保持部材40の保持部材本体41の第二凸部44との間には、第四接着層74が配置されている。第四接着層74は、第二外装体12の仕切部17と保持部材40の第二凸部44とを接着する接着剤からなる層である。なお、第四接着層74には、第一接着層71、第二接着層72及び第三接着層73と同様の接着剤を用いることができる。
【0071】
具体的には、第四接着層74は、仕切部17と、当該仕切部17を挟む2つの蓄電素子20と、第二凸部44との間に配置され、仕切部17と第二凸部44とを接着して固定する。つまり、仕切部17の上方の当該2つの蓄電素子20の間に接着剤が配置され、当該2つの蓄電素子20の間に第二凸部44が挿入されて接着剤が固まることで、第四接着層74が形成される。これにより、第四接着層74は、保持部材40と第二外装体12とを第一方向(Z軸方向)で接着する。なお、本実施の形態では、第四接着層74は、Y軸方向の全体に亘って形成されているが、これには限定されず、第四接着層74が形成されていない箇所が一部あってもかまわない。
【0072】
また、第四接着層74は、第一接着層71と繋がっている。つまり、第四接着層74が配置される空間と、第一接着層71が配置される空間とが連通している。これにより、第四接着層74を構成する接着剤及び第一接着層71を構成する接着剤の一方が余剰であった場合でも、当該余剰分が他方の空間に流れ込むことができる。なお、第一接着層71と第二接着層72についても同様に、第一接着層71が配置される空間と、第二接着層72が配置される空間とが連通していてもよい。
【0073】
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1によれば、第二外装体12の底壁15と保持部材40(絶縁部材)とで挟まれる位置に蓄電素子20が配置され、かつ、保持部材40と蓄電素子20とが第一接着層71で接着され、保持部材40と第二外装体12の側壁16とが第二接着層72で接着されている。これにより、第二外装体12と保持部材40とで蓄電素子20を挟み込んだ状態で、蓄電素子20が保持部材40を介して第二外装体12に接着されているため、蓄電素子20を外装体10に対して強固に固定することができている。また、ネジなどで固定する場合よりも部品点数を少なくして、簡易に蓄電素子20を外装体10に対して強固に固定することができている。
【0074】
また、第二外装体12の底壁15と蓄電素子20とを第三接着層73で接着することで、蓄電素子20、第二外装体12及び保持部材40をそれぞれ固定することができるため、蓄電素子20を外装体10に対して強固に固定することができる。
【0075】
また、基板50及びバスバー60が保持部材40に固定されることで、基板50及びバスバー60が外装体10内で動くのを抑制することができるため、基板50及びバスバー60に対する電気的な接続が断線するのを抑制することができる。
【0076】
また、保持部材40の外周と第二外装体12の側壁16の内周とを接着することで、第二外装体12と保持部材40とを強固に固定することができるため、蓄電素子20を外装体10に対して強固に固定することができる。
【0077】
また、第二外装体12の側壁凹部16aと保持部材40とを嵌合させて接着することで、第二外装体12の側壁16と保持部材40とを強固に固定することができるため、蓄電素子20を外装体10に対して強固に固定することができる。
【0078】
また、第二外装体12の側壁凹部16aが側壁16の内面に形成されていることで、第二外装体12の側壁16と保持部材40との接着部分である第二接着層72が外部に晒されるのを抑制できるため、第二接着層72での気密性の低下を抑制することができる。
【0079】
また、第二外装体12の側壁凹部16aが第二接着層72を収容する溝部16bを有しているため、例えば第二接着層72に粘性が低い接着剤を使用しても、当該接着剤が溝部16bに流れ落ちるため、当該接着剤が側壁凹部16aから流れ出ることを抑制することができる。
【0080】
また、保持部材40は、第一接着層71の側方に、蓄電素子20と当接する第一凸部43を有しているため、第一凸部43の突出量が第一接着層71の厚みの最適値になるように第一凸部43を形成することで、第一接着層71を最適な厚みに維持することができる。
【0081】
また、蓄電素子20間の仕切部17と保持部材40の第二凸部44とが固定されることで、蓄電素子20同士が接触するのを抑制することができる。このため、仕切部17と第二凸部44とが絶縁性を有しているため、蓄電素子20間の短絡を抑制することができる。また、仕切部17と第二凸部44とがさらに断熱性を有する材料で形成されていれば、蓄電素子20間の熱の伝達を抑制することができる。
【0082】
また、第一接着層71は、蓄電素子20が有する電極端子及びガス排出弁25の双方と異なる位置に配置されているため、第一接着層71が、電極端子及びガス排出弁25の機能を損なうのを抑制することができる。
【0083】
また、第一接着層71における保持部材40及び蓄電素子20の接着の向きと、第二接着層72における保持部材40及び第二外装体12の接着の向きとを異ならせることで、接着が外れ難い構成となっている。つまり、同一の向きの接着しかなされていない構成では、当該同一の向きにおける振動や衝撃に対して、当該接着が外れやすい。このため、蓄電素子20を外装体10に対して強固に固定することができる。
【0084】
(変形例)
次に、上記実施の形態の変形例について、説明する。
図8A、
図8B及び
図8Cは、実施の形態の変形例1〜3に係る第二外装体12と保持部材40との接着の構成を示す断面図である。なお、これらの図は、
図6の(c)に対応する図である。
【0085】
まず、
図8Aに示すように、変形例1に係る第二外装体12は、上記実施の形態に係る第二外装体12の側壁凹部16aに代えて、側壁凹部16cを有している。また、変形例1に係る保持部材40は、上記実施の形態に係る保持部材40の保持部材外周部42に代えて、保持部材外周部42aを有している。変形例1のその他の構成は、上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0086】
側壁凹部16cは、上記実施の形態における側壁凹部16aが有しているような溝部を有することなく、側壁凹部16cに保持部材外周部42aが嵌合している。また、側壁凹部16cの内面と保持部材外周部42aの外面との間に第二接着層72aが配置され、側壁凹部16cと保持部材外周部42aとが接着されている。なお、第二接着層72aは、保持部材外周部42aの外周と側壁凹部16cの内周との間に、全周に亘って配置されていてもよいし、第二接着層72aが形成されていない箇所が一部あってもかまわない。
【0087】
以上のように、変形例1に係る蓄電装置においても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、側壁凹部16cには溝部が形成されていないため、第二外装体12を簡易な構成とすることができる。
【0088】
また、
図8Bに示すように、変形例2に係る第二外装体12は、上記実施の形態に係る第二外装体12の側壁凹部16aに代えて、側壁端部16dを有している。また、変形例2に係る保持部材40は、上記実施の形態に係る保持部材40の保持部材外周部42に代えて、保持部材外周部42bを有している。変形例2のその他の構成は、上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0089】
側壁端部16dは、側壁16の上側の端部であり、上記実施の形態のような凹部となっていない。また、保持部材外周部42bは、保持部材本体41の外縁から上方に突出した環状の部位であり、上面が側壁端部16dの上面と同じ高さとなるように突出している。このような構成において、側壁端部16dに保持部材外周部42bが嵌合している。また、側壁端部16dの内面と保持部材外周部42bの外面との間に第二接着層72bが配置され、側壁端部16dと保持部材外周部42bとが接着されている。なお、第二接着層72bは、保持部材外周部42bの外周と側壁端部16dの内周との間に、全周に亘って配置されていてもよいし、第二接着層72bが形成されていない箇所が一部あってもかまわない。
【0090】
以上のように、変形例2に係る蓄電装置においても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、側壁16には凹部が形成されていないため、第二外装体12をさらに簡易な構成とすることができる。
【0091】
また、
図8Cに示すように、変形例3に係る第二外装体12は、上記実施の形態に係る第二外装体12の側壁16の側壁凹部16aに代えて、側壁凹部16eを有している。また、変形例3に係る保持部材40は、上記実施の形態に係る保持部材40の保持部材外周部42に代えて、保持部材外周部42cを有している。変形例3のその他の構成は、上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0092】
側壁凹部16eは、上記変形例1と同様に、上記実施の形態における側壁凹部16aが有しているような溝部を有していない。また、保持部材外周部42cは、外面が凹んだ保持部材凹部42dを有する環状の部位である。このような構成において、第二外装体12の上方に保持部材40が配置され、かつ、側壁凹部16eの内方に保持部材凹部42dが配置されて、第二外装体12と保持部材40とが嵌合している。また、側壁凹部16eの内面と保持部材凹部42dの外面との間に第二接着層72cが配置され、側壁凹部16eと保持部材凹部42dとが接着されている。なお、第二接着層72cは、保持部材凹部42dの外周と側壁凹部16eの内周との間に、全周に亘って配置されていてもよいし、第二接着層72cが形成されていない箇所が一部あってもかまわない。
【0093】
以上のように、変形例3に係る蓄電装置においても、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、第二外装体12の上方に保持部材40が配置された構成とすることもできるため、様々な構成の外装体に対応できる。
【0094】
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0095】
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電装置は、第一外装体11及び第二外装体12を有する外装体10を備えていることとした。しかし、外装体10は、第一外装体11を有していない構成でもかまわない。この場合、第一外装体11に設けられていた正極外部端子13及び負極外部端子14は、バスバー60に直接取り付けられるようにしてもよいし、バスバー60が外部端子の役割を有することにしてもよい。
【0096】
また、上記実施の形態及びその変形例では、保持部材40は、絶縁材料により形成された絶縁部材であることとした。しかし、保持部材40は、少なくとも一部が絶縁材料により形成されていればよく、例えば、金属部材がインサート成形された絶縁部材であってもよい。
【0097】
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電装置は、第二外装体12の底壁15と蓄電素子20とを接着する第三接着層73を有していることとした。しかし、第二外装体12の底壁15と蓄電素子20とは接着されることなく、例えば保持部材40によって上方から押圧されて、蓄電素子20が第二外装体12に対して固定されていることにしてもよい。
【0098】
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電装置は、基板50及びバスバー60の双方を備えており、基板50及びバスバー60の双方が、保持部材40に固定されていることとした。しかし、蓄電装置は、基板50及びバスバー60のいずれか一方しか備えておらず、当該いずれか一方が、保持部材40に固定されていることにしてもよい。また、蓄電装置は、基板50及びバスバー60の双方を備えているが、保持部材40には、基板50及びバスバー60のいずれか一方しか固定されていない構成でもかまわない。または、蓄電装置が基板50及びバスバー60を備えているか否かにはかかわらず、基板50及びバスバー60ともに保持部材40に固定されていない構成でもかまわない
また、上記実施の形態及びその変形例では、第二接着層72は、保持部材40の外周と第二外装体12の側壁16の内周とを接着することとした。しかし、保持部材40の内側に第二外装体12が配置される構成とし、第二接着層72は、保持部材40の内周と第二外装体12の側壁16の外周とを接着することにしてもよい。
【0099】
また、上記実施の形態及びその変形例では、保持部材40は第一凸部43及び第二凸部44を有し、第二外装体12は底壁凸部15bを有していることとしたが、これらの凸部の一部または全部が設けられていない構成でもかまわない。
【0100】
また、上記実施の形態及びその変形例では、第二外装体12の仕切部17は、並列接続された複数の蓄電素子20からなる蓄電素子群同士の間に配置されていることとした。しかし、仕切部17は、蓄電素子群内の蓄電素子20同士の間に配置されていてもよく、仕切部17の配置位置は特に限定されない。
【0101】
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電素子20は、電極端子(正極端子23及び負極端子24)及びガス排出弁25を容器蓋部22に有していることとした。しかし、蓄電素子20は、電極端子及びガス排出弁25のいずれか一方を、容器21の容器蓋部22以外の面に有していてもよい。つまり、第一接着層71側の面に、電極端子及びガス排出弁25の少なくとも一方が配置されていればよく、この場合、第一接着層71は、当該少なくとも一方とは異なる位置に配置されていればよい。または、電極端子及びガス排出弁25の双方が、第一接着層71側の面に配置されていない構成でもかまわない。
【0102】
また、上記実施の形態及びその変形例では、第一接着層71、第三接着層73及び第四接着層74は同じ方向で接着し、第二接着層72は、第一接着層71、第三接着層73及び第四接着層74と異なる方向で接着していることとした。しかし、これらの接着層の接着の方向は、これには限定されず、いずれの接着層が他の接着層と異なる方向で接着していてもよいし、全ての接着層が同じ方向で接着していてもよい。
【0103】
また、上記実施の形態及びその変形例では、第一接着層71、第二接着層72、第三接着層73及び第四接着層74は、接着剤からなる接着層であることとした。しかし、これらの接着層は、接着剤には限定されず、いずれかまたは全部の接着層が、両面テープや、マジックテープ(登録商標)またはベルクロ(登録商標)テープ等と称される着脱自在に接着される面ファスナー構造などからなる接着層であることにしてもよい。または、これらの接着層のいずれかまたは全部が、部材同士が溶け合った熱溶着の層であってもよい。例えば、保持部材40と第二外装体12の側壁16とが熱溶着により溶かされて一体化することで、第二接着層72が形成されることが考えられる。蓄電素子20の容器21の外面が樹脂で形成されている場合には、第一接着層71及び第三接着層73も同様のことが言える。第四接着層74についても同様である。
【0104】
また、上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。