特許第6822379号(P6822379)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6822379
(24)【登録日】2021年1月12日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】画像形成装置、報知方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/46 20060101AFI20210114BHJP
   B65H 1/26 20060101ALI20210114BHJP
   B65H 7/04 20060101ALI20210114BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20210114BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
   B41J29/46 Z
   B65H1/26 Z
   B65H7/04
   B41J29/38 301
   B41J29/38 302
   G03G21/00 386
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-210123(P2017-210123)
(22)【出願日】2017年10月31日
(65)【公開番号】特開2019-81309(P2019-81309A)
(43)【公開日】2019年5月30日
【審査請求日】2019年10月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】前田 浩司
【審査官】 牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−137593(JP,A)
【文献】 特開2018−080021(JP,A)
【文献】 特開2015−125415(JP,A)
【文献】 特開2014−093036(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0200342(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/46
B41J 29/38
B65H 1/26
B65H 7/04
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが載置されるシート載置部と、
前記シート載置部に載置されている前記シートの残量が予め定められた閾値を下回る用紙切れを検出する検出処理部と、
前記検出処理部による前記用紙切れの検出後に撮影される予め定められた撮影範囲の撮影画像を取得可能な画像取得部と、
前記画像取得部によって取得される前記撮影画像に含まれるシート束の種別を判定する判定処理部と、
前記判定処理部によって判定された前記シート束の種別と前記用紙切れが検出された前記シート載置部に予め対応付けられた前記シートの種別とが一致しない場合にその旨を報知する報知処理部と、
を備え
前記撮影画像は、自装置の一部又は全部を含み、
前記報知処理部は、前記撮影画像に基づいて前記シート束を所持する人と自装置との間の距離が予め定められた第1距離未満になったと判断された場合に報知する画像形成装置。
【請求項2】
シートが載置されるシート載置部と、
前記シート載置部に載置されている前記シートの残量が予め定められた閾値を下回る用紙切れを検出する検出処理部と、
前記検出処理部による前記用紙切れの検出後に撮影される予め定められた撮影範囲の撮影画像を取得可能な画像取得部と、
前記画像取得部によって取得される前記撮影画像に含まれるシート束の種別を判定する判定処理部と、
前記判定処理部によって判定された前記シート束の種別と前記用紙切れが検出された前記シート載置部に予め対応付けられた前記シートの種別とが一致しない場合にその旨を報知する報知処理部と、
を備え、
前記画像取得部は、前記撮影範囲を撮影可能な外部の撮影部と通信可能に接続される通信部である画像形成装置。
【請求項3】
シートが載置されるシート載置部と、
前記シート載置部に載置されている前記シートの残量が予め定められた閾値を下回る用紙切れを検出する検出処理部と、
前記検出処理部による前記用紙切れの検出後に撮影される予め定められた撮影範囲の撮影画像を取得可能な画像取得部と、
前記画像取得部によって取得される前記撮影画像に含まれるシート束の種別を判定する判定処理部と、
前記判定処理部によって判定された前記シート束の種別と前記用紙切れが検出された前記シート載置部に予め対応付けられた前記シートの種別とが一致しない場合にその旨を報知する報知処理部と、
を備え、
前記判定処理部は、前記シート束を所持する人を含み、前記シート束の種別各々に対応付けられたサンプル画像と前記撮影画像との一致率に基づいて、前記シート束の種別を判定する画像形成装置。
【請求項4】
シートが載置されるシート載置部と、
前記シート載置部に載置されている前記シートの残量が予め定められた閾値を下回る用紙切れを検出する検出処理部と、
前記検出処理部による前記用紙切れの検出後に撮影される予め定められた撮影範囲の撮影画像を取得可能な画像取得部と、
前記画像取得部によって取得される前記撮影画像に含まれるシート束の種別を判定する判定処理部と、
前記判定処理部によって判定された前記シート束の種別と前記用紙切れが検出された前記シート載置部に予め対応付けられた前記シートの種別とが一致しない場合にその旨を報知する報知処理部と、
を備え、
前記撮影画像は、自装置の一部又は全部を含み、
前記判定処理部は、前記撮影画像に基づいて人と自装置との間の距離が予め定められた第2距離未満になったと判断された場合に、前記シート束の種別を判定する画像形成装置。
【請求項5】
前記シート載置部は、自装置の筐体から引出可能に設けられる給紙カセットであって、
前記報知処理部は、前記用紙切れが検出された前記給紙カセットが前記筐体から引き出された場合に報知する、
請求項2〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記判定処理部は、前記撮影画像に含まれる文字情報に基づいて、前記シート束の種別を判定する、
請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
シートが載置されるシート載置部を備える画像形成装置で実行される報知方法であって、
前記シート載置部に載置されている前記シートの残量が予め定められた閾値を下回る用紙切れを検出することと、
前記用紙切れの検出後に撮影される予め定められた撮影範囲の撮影画像を取得することと、
取得される前記撮影画像に含まれるシート束の種別を判定することと、
判定された前記シート束の種別と前記用紙切れが検出された前記シート載置部に予め対応付けられた前記シートの種別とが一致しない場合にその旨を報知することと、
を含み、
前記撮影画像は、自装置の一部又は全部を含み、
前記撮影画像に基づいて前記シート束を所持する人と自装置との間の距離が予め定められた第1距離未満になったと判断された場合に報知される報知方法。
【請求項8】
シートが載置されるシート載置部を備える画像形成装置で実行される報知方法であって、
前記シート載置部に載置されている前記シートの残量が予め定められた閾値を下回る用紙切れを検出することと、
前記用紙切れの検出後に撮影される予め定められた撮影範囲の撮影画像を取得することと、
取得される前記撮影画像に含まれるシート束の種別を判定することと、
判定された前記シート束の種別と前記用紙切れが検出された前記シート載置部に予め対応付けられた前記シートの種別とが一致しない場合にその旨を報知することと、
を含み、
前記撮影画像は、前記撮影範囲を撮影可能な外部の撮影部との通信によって取得される報知方法。
【請求項9】
シートが載置されるシート載置部を備える画像形成装置で実行される報知方法であって、
前記シート載置部に載置されている前記シートの残量が予め定められた閾値を下回る用紙切れを検出することと、
前記用紙切れの検出後に撮影される予め定められた撮影範囲の撮影画像を取得することと、
取得される前記撮影画像に含まれるシート束の種別を判定することと、
判定された前記シート束の種別と前記用紙切れが検出された前記シート載置部に予め対応付けられた前記シートの種別とが一致しない場合にその旨を報知することと、
を含み、
前記シート束を所持する人を含み、前記シート束の種別各々に対応付けられたサンプル画像と前記撮影画像との一致率に基づいて、前記シート束の種別が判定される報知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに画像を形成する画像形成装置、及び画像形成装置で実行される報知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンターのような画像形成装置は、画像の形成に用いられるシートが載置される給紙カセットのようなシート載置部を備える。例えば、シートのサイズを検出可能なシート載置部を備える画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、画像形成装置では、シート載置部に載置されているシートの残量が所定の閾値を下回る用紙切れが検出された場合に、その旨が報知される。この場合、ユーザーは、用紙切れが検出されたシート載置部に対応付けられたサイズのシート束を用意して、用意したシート束を当該シート載置部に補充する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−151268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、用紙切れが検出されたシート載置部に対応するシートのサイズと、ユーザーが用意したシート束のサイズとが一致しないことがある。これに対し、用紙切れが検出されたシート載置部に対応するシートのサイズと、当該シート載置部に補充されたシート束のサイズの検出結果とが一致しない場合に、その旨を報知することが考えられる。
【0006】
しかしながら、シート束がシート載置部に補充された後にサイズ不一致の報知が行われる場合には、例えばユーザーにおいてシート載置部に補充されたシート束を当該シート載置部から取り出す手間が生じる。
【0007】
本発明の目的は、誤った種別のシート束の補充を未然に抑止することが可能な画像形成装置、及び報知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、シート載置部と、検出処理部と、画像取得部と、判定処理部と、報知処理部とを備える。前記シート載置部には、シートが載置される。前記検出処理部は、前記シート載置部に載置されている前記シートの残量が予め定められた閾値を下回る用紙切れを検出する。前記画像取得部は、前記検出処理部による前記用紙切れの検出後に撮影される予め定められた撮影範囲の撮影画像を取得可能である。前記判定処理部は、前記画像取得部によって取得される前記撮影画像に含まれるシート束の種別を判定する。前記報知処理部は、前記判定処理部によって判定された前記シート束の種別と前記用紙切れが検出された前記シート載置部に予め対応付けられた前記シートの種別とが一致しない場合にその旨を報知する。
【0009】
本発明の他の局面に係る報知方法は、シートが載置されるシート載置部を備える画像形成装置で実行され、前記シート載置部に載置されている前記シートの残量が予め定められた閾値を下回る用紙切れを検出することと、前記用紙切れの検出後に撮影される予め定められた撮影範囲の撮影画像を取得することと、取得される前記撮影画像に含まれるシート束の種別を判定することと、判定された前記シート束の種別と前記用紙切れが検出された前記シート載置部に予め対応付けられた前記シートの種別とが一致しない場合にその旨を報知することと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、誤った種別のシート束の補充を未然に抑止することが可能な画像形成装置、及び報知方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置と通信可能に接続される撮影装置の撮影範囲を示す図である。
図4図4は、撮影装置によって撮影される撮影画像の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される報知処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
[画像形成装置10の概略構成]
まず、図1図3を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置10の概略構成について説明する。ここで、図1は画像形成装置10の構成を示す断面模式図である。また、図3は画像形成装置10と通信可能に接続される撮影装置20による撮影範囲Z1を示す平面図である。なお、図2では、画像形成装置10の外部に設けられる撮影装置20が破線によって示されている。
【0014】
なお、説明の便宜上、画像形成装置10が使用可能な設置状態(図1に示される状態)で鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、図1に示される画像形成装置10の紙面左側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置10の正面を基準として左右方向D3を定義する。
【0015】
画像形成装置10は、原稿から画像データを読み取るスキャン機能、及び画像データに基づいて画像を形成するプリント機能と共に、ファクシミリ機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、本発明は、プリンター装置、ファクシミリ装置、及びコピー機などの画像形成装置に適用可能である。
【0016】
具体的に、図1に示されるように、画像形成装置10は、ADF(自動原稿搬送装置)1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、操作表示部6、記憶部7、及び通信部8を備える。
【0017】
ADF1は、不図示の原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部などを備え、画像読取部2によって読み取られる原稿を搬送する。画像読取部2は、不図示の原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCDなどを備え、原稿から画像データを読み取ることが可能である。
【0018】
画像形成部3は、画像読取部2で読み取られた画像データ又は外部のパーソナルコンピューター等の情報処理装置から入力された画像データに基づいて、電子写真方式でカラー又はモノクロの画像を形成する画像形成処理(印刷処理)を実行可能である。具体的に、画像形成部3は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、及びK(ブラック)に対応する複数の画像形成ユニット、光走査装置(LSU)、中間転写ベルト、二次転写ローラー、定着装置、及び排紙トレイを備える。そして、画像形成部3では、給紙部4から供給されるシートにカラー又はモノクロの画像が形成されて、画像形成後のシートが前記排紙トレイに排出される。
【0019】
給紙部4は、図1及び図2に示されるように、複数の給紙カセット41、第1センサー42、第2センサー43、及び手差しトレイ44を備える。また、給紙部4は、シート搬送路、及び複数の搬送ローラーなどを備える。第1センサー42、及び第2センサー43は、給紙カセット41各々に設けられる。なお、給紙カセット41は一つであってもよい。
【0020】
給紙カセット41各々及び手差しトレイ44には、シートが載置される。例えば、給紙カセット41各々及び手差しトレイ44に載置されるシートは、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどのシート材料である。給紙部4は、いずれかの給紙カセット41又は手差しトレイ44に載置されるシートを画像形成部3へ供給する。
【0021】
図1に示されるように、給紙カセット41各々は、画像形成装置10の筐体10A(図1参照)の内部に設けられている。また、給紙カセット41各々は、筐体10Aから前方に引き出し可能に設けられている。具体的に、給紙カセット41各々は、筐体10Aの左右方向D3の内側面各々において、前後方向D2に摺動可能に支持されている。いずれかの給紙カセット41が筐体10Aから前方に引き出されると、当該給紙カセット41におけるシートの収容空間が外部に露出する。この状態において、ユーザーは、当該給紙カセット41に対してシートを補充することが可能である。ここに、給紙カセット41が、本発明におけるシート載置部の一例である。
【0022】
第1センサー42は、給紙カセット41に収容されているシートの重量を検出可能な重量センサーである。なお、第1センサー42は、給紙カセット41におけるシートの存否を検出可能な反射型の光センサーなどであってもよい。
【0023】
第2センサー43は、筐体10Aからの給紙カセット41の引き出しの有無を検出する。例えば、第2センサー43は、発光部及び前記発光部から射出された光を受光可能な受光部を有する透過型の光センサーである。例えば、給紙カセット41は、筐体10Aに装着された場合に前記発光部から射出される光の前記受光部へ至る光路を遮蔽可能な遮蔽部(不図示)を有する。第2センサー43は、前記受光部における光の受光の有無に基づいて、給紙カセット41の引き出しの有無を検出する。なお、第2センサー43は、筐体10Aにおける給紙カセット41の装着の有無に応じてオンオフが切り替わる機械式のスイッチを含む電気回路であってもよい。
【0024】
なお、給紙カセット41は、給紙カセット41に載置されたシートのサイズを検出可能なサイズ検出部を備えていてもよい。また、手差しトレイ44は、シートの存否を検出可能なセンサーを備えていてもよい。この場合、手差しトレイ44は、本発明におけるシート載置部であってもよい。
【0025】
制御部5は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶装置である。前記RAMは揮発性の記憶装置であり、前記EEPROMは不揮発性の記憶装置である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。制御部5では、前記CPUにより前記ROMに予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置10が制御部5により統括的に制御される。なお、制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、画像形成装置10を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0026】
操作表示部6は、制御部5からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部5に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0027】
記憶部7は、SSD(ソリッドステートドライブ)又はHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置である。例えば、記憶部7には、画像読取部2によって読み取られた画像データが記憶される。
【0028】
ところで、画像形成装置10では、給紙カセット41に載置されているシートの残量が予め定められた閾値を下回る用紙切れが検出された場合に、その旨が報知される。この場合、ユーザーは、前記用紙切れが検出された給紙カセット41に対応付けられたサイズのシート束を用意して、用意したシート束を給紙カセット41に補充する。例えば、画像形成装置10では、図1に示される上側の給紙カセット41に対応するシートのサイズがA4サイズに設定されている。なお、給紙カセット41に対応するシートのサイズは、操作表示部6におけるユーザー操作に応じて任意に設定されてよい。また、給紙カセット41に対応するシートのサイズは、前記サイズ検出部による検出結果に基づいて設定されてもよい。また、画像形成装置10において、給紙カセット41各々に対応するシートの紙種(普通紙、コート紙など)又は色が設定されていてもよい。
【0029】
ここで、前記用紙切れが検出された給紙カセット41に対応するシートのサイズと、ユーザーが用意したシート束のサイズとが一致しないことがある。これに対し、給紙カセット41に前記サイズ検出部を設けて、前記用紙切れが検出された給紙カセット41に対応するシートのサイズと、前記サイズ検出部による給紙カセット41に補充されたシート束のサイズの検出結果とが一致しない場合に、その旨を報知することが考えられる。
【0030】
しかしながら、シート束が給紙カセット41に補充された後にサイズ不一致の報知が行われる場合には、例えばユーザーにおいて給紙カセット41に補充されたシート束を給紙カセット41から取り出す手間が生じる。これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置10では、以下に説明するように、誤った種別のシート束の補充を未然に抑止することが可能である。
【0031】
通信部8は、外部の撮影装置20と通信可能に接続される。具体的に、通信部8は、撮影装置20を含む外部の通信機器との間で、有線又は無線によるデータ通信を実行可能な通信インターフェイスである。例えば、通信部8は、撮影装置20との間でインターネット又はLAN等の通信ネットワークを介して有線又は無線によるデータ通信を実行する。なお、通信部8は、撮影装置20との間でBluetooth(登録商標)によって規定された所定の通信プロトコルに従って無線によるデータ通信を実行してもよい。
【0032】
ここで、撮影装置20は、予め定められた撮影範囲Z1(図3参照)を撮影可能である。例えば、撮影範囲Z1は、図3に示されるように、画像形成装置10の一部及び画像形成装置10の前方側を含む範囲である。例えば、撮影装置20は、所謂インターネットカメラである。撮影装置20は、撮影された画像データを画像形成装置10に前記通信ネットワークを介して送信する。例えば、撮影装置20は、画像形成装置10からの要求に応じて、予め定められた間隔ごとに、撮影された画像データ(静止画像データ)を画像形成装置10にリアルタイムで送信する。
【0033】
例えば、撮影装置20は、画像形成装置10が設置される室内の天井に設けられる。例えば、撮影装置20は、筐体10Aより右側の上方において、撮影に用いられるレンズが筐体10Aの前方側を向く姿勢で配置される(図3参照)。なお、撮影装置20は、筐体10Aより後側、又は筐体10Aより左側の上方において、撮影に用いられるレンズが筐体10Aの前方側を向く姿勢で配置されてもよい。ここに、撮影装置20が、本発明における撮影部の一例である。また、通信部8が、本発明における画像取得部の一例である。
【0034】
なお、撮影範囲Z1は、画像形成装置10の全部を含む範囲であってもよい。また、撮影範囲Z1は、画像形成装置10の一部又は全部を含み、且つ画像形成装置10の左方側、右方側、又は後方側を含む範囲であってもよい。また、撮影範囲Z1は、画像形成装置10を含まない範囲であってもよい。また、撮影装置20は、画像形成装置10の設置場所から各種サイズのシート束を保管する備品置き場までのユーザーの移動経路上に設けられていてもよい。
【0035】
一方、制御部5の前記ROMには、前記CPUに後述の報知処理(図5のフローチャート参照)を実行させるための報知プログラムが予め記憶されている。なお、前記報知プログラムは、CD、DVD、フラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて制御部5の前記EEPROMなどの記憶装置にインストールされてもよい。
【0036】
そして、制御部5は、図2に示されるように、検出処理部51、取得処理部52、判定処理部53、及び報知処理部54を含む。具体的に、制御部5は、前記CPUを用いて前記ROMに記憶されている前記報知プログラムを実行する。これにより、制御部5は、検出処理部51、取得処理部52、判定処理部53、及び報知処理部54として機能する。
【0037】
検出処理部51は、給紙カセット41に載置されているシートの残量が前記閾値を下回る前記用紙切れを検出する。例えば、前記閾値は1である。なお、前記閾値は任意に設定される値であってよい。
【0038】
例えば、検出処理部51は、予め定められた検出タイミングが到来した場合に、前記用紙切れを検出可能な検出処理を実行する。例えば、前記検出タイミングは、給紙カセット41から一枚のシートが搬送された時である。また、前記検出タイミングは、画像形成装置10の電源投入時、又は画像形成装置10の動作モードが通常モードより消費電力が低減されるスリープモードから前記通常モードへ移行した時などであってもよい。
【0039】
例えば、前記検出処理では、第1センサー42が用いられて、前記用紙切れが検出される。具体的に、前記検出処理では、第1センサー42によって検出される給紙カセット41に載置されているシートの重量、及び予め設定されたシート1枚当たりの重量に基づいて、給紙カセット41に載置されているシートの枚数が算出される。そして、算出されたシートの枚数が前記閾値未満である場合に、前記用紙切れが検出される。
【0040】
取得処理部52は、撮影装置20によって検出処理部51による前記用紙切れの検出後に撮影される撮影画像を取得する。
【0041】
例えば、取得処理部52は、検出処理部51によって前記用紙切れが検出された場合に、通信部8を介して撮影装置20に前記撮影画像の送信要求を送信する。一方、撮影装置20は、画像形成装置10から送信される前記送信要求を受信すると、画像形成装置10への前記撮影画像の送信を開始する。
【0042】
判定処理部53は、取得処理部52によって取得される前記撮影画像に含まれるシート束の種別を判定する。例えば、シート束の種別は、シート束のサイズである。
【0043】
例えば、判定処理部53は、前記撮影画像に基づいて人と画像形成装置10との間の距離が予め定められた第2距離L2(図3参照)未満になったと判断された場合に、シート束の種別を判定する。例えば、第2距離L2は3メートルである。なお、第2距離L2は任意に定められる距離であってよい。
【0044】
例えば、判定処理部53は、撮影装置20から送信される前記撮影画像ごとに、前記撮影画像が予め記憶部7に記憶された背景画像とは異なる差分画像を含むか否かを判断する。ここで、前記背景画像は、撮影装置20によって撮影される画像であって、人を含まない画像である。
【0045】
また、判定処理部53は、前記撮影画像が前記差分画像を含むと判断した場合に、前記差分画像に含まれる人の顔を認識する顔認識処理を実行する。ここで、前記顔認識処理は、従来周知の手法が用いられてよい。
【0046】
そして、判定処理部53は、前記撮影画像における前記顔認識処理によって認識される顔画像の位置に基づいて、人と画像形成装置10との間の距離が第2距離L2未満であるか否かを判断する。具体的に、判定処理部53は、前記顔画像が前記撮影画像における第2距離L2に応じて予め定められた第1範囲Z2(図4参照)に含まれる場合に、人と画像形成装置10との間の距離が第2距離L2未満であると判断する。
【0047】
ここで、図4には、取得処理部52によって取得される前記撮影画像の一例である撮影画像G10が示されている。なお、図4における一点鎖線は、第1範囲Z2及び後述する第2範囲Z3の境界線を示すためのものである。撮影画像G10には、筐体10Aの画像、人H1の画像、及びシート束SH1の画像が含まれる。図4において、人H1の顔H11の画像は、撮影画像G10における第1範囲Z2に含まれている。また、図4において、人H1の顔H11の画像は、撮影画像G10における第2範囲Z3の外側に存在している。
【0048】
例えば、判定処理部53は、シート束を所持する人を含み、シート束の種別各々に対応付けられたサンプル画像と前記撮影画像との一致率、及び前記撮影画像に含まれる文字情報に基づいて、シート束の種別を判定する。
【0049】
例えば、画像形成装置10では、複数の前記サンプル画像が予め記憶部7に記憶されている。なお、前記サンプル画像は、画像形成装置10の出荷時に予め記憶部7に記憶されていてもよいし、撮影装置20によって撮影される画像データ及びユーザーによって入力されるサイズ情報などに基づいて生成されてもよい。また、前記サンプル画像は、シート束の包装紙又は当該包装紙に貼付されるラベルなどの画像であってもよい。
【0050】
例えば、判定処理部53は、記憶部7に記憶されている複数の前記サンプル画像のうち、前記撮影画像との一致率が最も高い前記サンプル画像を特定する。そして、判定処理部53は、特定された前記サンプル画像と前記撮影画像との一致率に基づいて、前記撮影画像に含まれる人がシート束を所持しているか否かを判断する。
【0051】
具体的に、判定処理部53は、特定された前記サンプル画像と前記撮影画像との一致率が予め定められた下限値以上である場合に、前記撮影画像に含まれる人がシート束を所持していると判断する。一方、判定処理部53は、特定された前記サンプル画像と前記撮影画像との一致率が前記下限値未満である場合には、前記撮影画像に含まれる人がシート束を所持していないと判断する。
【0052】
ここで、判定処理部53は、前記撮影画像に含まれる人がシート束を所持していると判断すると、前記撮影画像に含まれる文字を認識するOCR(光学文字認識)処理を実行する。
【0053】
そして、判定処理部53は、特定された前記サンプル画像に対応するシート束の種別と、前記OCR処理によって取得される前記文字情報によって示されるシート束の種別とが一致する場合に、一致した種別をシート束の種別であると判断する。一方、判定処理部53は、特定された前記サンプル画像に対応するシート束の種別と、前記文字情報によって示されるシート束の種別とが一致しない場合は、判定不能と判断する。
【0054】
また、判定処理部53は、前記撮影画像から前記文字情報が取得されない場合には、特定された前記サンプル画像に対応するシート束の種別を、シート束の種別であると判断する。
【0055】
なお、判定処理部53は、特定された前記サンプル画像に対応するシート束の種別と、前記文字情報によって示されるシート束の種別とが一致しない場合に、いずれか一方の種別をシート束の種別であると判断してもよい。また、判定処理部53は、前記撮影画像に含まれる文字情報、及び前記サンプル画像と前記撮影画像との一致率のいずれか一方のみに基づいて、シート束の種別を判定してもよい。また、判定処理部53は、前記撮影画像に基づく人と画像形成装置10との間の距離の判定処理を行うことなく、シート束の種別を判定してもよい。また、シート束の種別は、シート束のサイズ、紙種(普通紙、コート紙など)、及び色のいずれか一つ又は複数を含むものであってもよい。
【0056】
報知処理部54は、判定処理部53によって判定されたシート束の種別と前記用紙切れが検出された給紙カセット41に予め対応付けられたシートの種別とが一致しない場合に、その旨を報知する。
【0057】
例えば、報知処理部54は、前記用紙切れが検出された給紙カセット41が筐体10Aから引き出された場合に、判定処理部53によって判定されたシート束の種別と前記用紙切れが検出された給紙カセット41に対応するシートの種別とが一致しない旨を報知する。例えば、報知処理部54は、第2センサー43を用いて、前記用紙切れが検出された給紙カセット41が筐体10Aから引き出されたか否かを判断する。
【0058】
例えば、報知処理部54は、ユーザーの所持するシート束の種別と前記用紙切れが検出された給紙カセット41に対応するシートの種別とが一致しない旨を示すメッセージを操作表示部6に表示させると共に、警告音を鳴動させる。また、報知処理部54は、当該メッセージを含む音声データを不図示のスピーカーに出力してもよい。
【0059】
なお、報知処理部54は、前記撮影画像に基づいてシート束を所持する人と自装置との間の距離が予め定められた第1距離L1(図3参照)未満になったと判断された場合に、判定処理部53によって判定されたシート束の種別と前記用紙切れが検出された給紙カセット41に対応するシートの種別とが一致しない旨を報知してもよい。例えば、第1距離L1は1メートルである。なお、第1距離L1は任意に定められる距離であってよい。
【0060】
例えば、報知処理部54は、前記顔画像が前記撮影画像における第1距離L1に応じて予め定められた第2範囲Z3(図4参照)に含まれる場合に、シート束を所持する人と画像形成装置10との間の距離が第1距離L1未満であると判断する。
【0061】
また、報知処理部54は、判定処理部53によってシート束の種別が判定された場合に、直ちに、判定処理部53によって判定されたシート束の種別と前記用紙切れが検出された給紙カセット41に対応するシートの種別とが一致しない旨を報知してもよい。
【0062】
[報知処理]
以下、図5を参照しつつ、画像形成装置10において制御部5により実行される報知処理の手順の一例について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部5により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。
【0063】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部5は、前記検出タイミングが到来したか否かを判断する。
【0064】
ここで、制御部5は、前記検出タイミングが到来したと判断すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させる。また、前記検出タイミングが到来していなければ(S11のNo側)、制御部5は、ステップS11で前記検出タイミングの到来を待ち受ける。
【0065】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部5は、前記検出処理を実行する。ここで、ステップS11及びステップS12の処理は、制御部5の検出処理部51により実行される。
【0066】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部5は、ステップS12で実行された前記検出処理によって前記用紙切れが検出されたか否かを判断する。
【0067】
ここで、制御部5は、前記用紙切れが検出されたと判断すると(S13のYes側)、処理をステップS14に移行させる。また、前記用紙切れが検出されていなければ(S13のNo側)、制御部5は、処理をステップS11に移行させる。
【0068】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部5は、前記用紙切れが検出されたことを報知する。例えば、制御部5は、前記用紙切れが検出された旨を示すメッセージを操作表示部6に表示させる。
【0069】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部5は、撮影装置20によって撮影される前記撮影画像を取得する。ここで、ステップS15の処理は、制御部5の取得処理部52により実行される。
【0070】
例えば、制御部5は、通信部8を介して撮影装置20に前記送信要求を送信する。これにより、撮影装置20から画像形成装置10への前記撮影画像の送信が開始される。
【0071】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部5は、撮影装置20から取得される前記撮影画像に基づいて、人と画像形成装置10との間の距離が第2距離L2(図3参照)未満であるか否かを判断する。
【0072】
例えば、制御部5は、撮影装置20から取得される前記撮影画像ごとに、前記撮影画像が前記差分画像を含むか否かを判断する。また、制御部5は、前記撮影画像が前記差分画像を含むと判断した場合に、前記顔認識処理を実行する。そして、制御部5は、前記顔画像が前記撮影画像における第1範囲Z2(図4参照)に含まれる場合に、人と画像形成装置10との間の距離が第2距離L2未満であると判断する。
【0073】
ここで、制御部5は、人と画像形成装置10との間の距離が第2距離L2未満であると判断すると(S16のYes側)、処理をステップS17に移行させる。また、人と画像形成装置10との間の距離が第2距離L2未満でなければ(S16のNo側)、制御部5は、ステップS16で人と画像形成装置10との間の距離が第2距離L2未満になるのを待ち受ける。
【0074】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部5は、前記撮影画像に含まれる人がシート束を所持しているか否かを判断する。
【0075】
例えば、制御部5は、記憶部7に記憶されている複数の前記サンプル画像のうち、前記撮影画像との一致率が最も高い前記サンプル画像を特定する。そして、制御部5は、特定された前記サンプル画像と前記撮影画像との一致率が前記下限値以上である場合に、前記撮影画像に含まれる人がシート束を所持していると判断する。
【0076】
ここで、制御部5は、前記撮影画像に含まれる人がシート束を所持していると判断すると(S17のYes側)、処理をステップS18に移行させる。また、前記撮影画像に含まれる人がシート束を所持していなければ(S17のNo側)、制御部5は、処理をステップS16に移行させる。
【0077】
<ステップS18>
ステップS18において、制御部5は、前記撮影画像に含まれるシート束の種別を判定する。例えば、制御部5は、前記撮影画像に含まれるシート束のサイズを判定する。ここで、ステップS16〜ステップS18の処理は、制御部5の判定処理部53により実行される。
【0078】
例えば、制御部5は、ステップS17で特定された前記サンプル画像に対応するシート束のサイズと、前記撮影画像に対する前記OCR処理によって取得される前記文字情報によって示されるシート束のサイズとが一致する場合に、一致したサイズをシート束のサイズであると判断する。
【0079】
一方、制御部5は、ステップS17で特定された前記サンプル画像に対応するシート束のサイズと、前記撮影画像に対する前記OCR処理によって取得される前記文字情報によって示されるシート束のサイズとが一致しない場合に、判定不能と判断する。なお、制御部5は、判定不能と判断した場合は、処理をステップS11に移行させてもよい。
【0080】
また、制御部5は、前記撮影画像に対する前記OCR処理によって前記文字情報が取得されない場合には、ステップS17で特定された前記サンプル画像に対応するシート束のサイズを、シート束のサイズであると判断する。
【0081】
ここで、前記報知処理では、前記撮影画像に基づいて人と画像形成装置10との間の距離が第2距離L2未満であると判断された場合に、シート束の種別が判定される。これにより、前記撮影画像と前記サンプル画像とのマッチング精度を向上させることが可能である。
【0082】
<ステップS19>
ステップS19において、制御部5は、ステップS18で判定されたシート束の種別と前記用紙切れが検出された給紙カセット41に対応するシートの種別とが一致するか否かを判断する。
【0083】
ここで、制御部5は、ステップS18で判定されたシート束の種別と前記用紙切れが検出された給紙カセット41に対応するシートの種別とが一致すると判断すると(S19のYes側)、処理をステップS11に移行させる。また、ステップS18で判定されたシート束の種別と前記用紙切れが検出された給紙カセット41に対応するシートの種別とが一致しなければ(S19のNo側)、制御部5は、処理をステップS20に移行させる。
【0084】
<ステップS20>
ステップS20において、制御部5は、前記用紙切れが検出された給紙カセット41が筐体10Aから引き出されたか否かを判断する。例えば、制御部5は、第2センサー43を用いて、前記用紙切れが検出された給紙カセット41が筐体10Aから引き出されたか否かを判断する。
【0085】
ここで、制御部5は、前記用紙切れが検出された給紙カセット41が筐体10Aから引き出されたと判断すると(S20のYes側)、処理をステップS21に移行させる。また、前記用紙切れが検出された給紙カセット41が筐体10Aから引き出されていなければ(S20のNo側)、制御部5は、ステップS20で前記用紙切れが検出された給紙カセット41が筐体10Aから引き出されるのを待ち受ける。
【0086】
<ステップS21>
ステップS21において、制御部5は、ステップS18で判定されたシート束の種別と、前記用紙切れが検出された給紙カセット41に対応するシートの種別とが一致しない旨を報知する。ここで、ステップS21の処理は、制御部5の報知処理部54により実行される。
【0087】
例えば、制御部5は、ユーザーの所持するシート束のサイズと前記用紙切れが検出された給紙カセット41に対応するシートのサイズとが一致しない旨を示すメッセージを操作表示部6に表示させると共に、警告音を鳴動させる。
【0088】
ここで、前記報知処理では、前記用紙切れが検出された給紙カセット41が筐体10Aから引き出された場合に、シート束のサイズと給紙カセット41に対応するシートのサイズとが一致しない旨が報知される。これにより、ユーザーによって前記用紙切れが検出されていない給紙カセット41にシート束が補充される際に誤って報知が行われることを回避可能である。
【0089】
このように、画像形成装置10では、前記用紙切れが検出された場合に、撮影装置20から取得される前記撮影画像に基づいて、前記用紙切れが検出された給紙カセット41に対応するシートの種別と、ユーザーが補充のために用意したシート束の種別とが一致するか否かが判定される。そのため、画像形成装置10では、シート束が給紙カセット41に補充される前に、種別の不一致を報知することが可能である。従って、誤った種別のシート束の補充を未然に抑止することが可能である。
【0090】
また、画像形成装置10では、外部の撮影装置20によって撮影される前記撮影画像に基づいて、前記用紙切れが検出された給紙カセット41に対応するシートの種別と、ユーザーが補充のために用意したシート束の種別とが一致するか否かを判定可能である。そのため、画像形成装置10に撮影装置20を設ける必要がない。
【0091】
なお、図6に示されるように、画像形成装置10が、撮影装置20を備える構成が他の実施形態として考えられる。例えば、画像形成装置10の筐体10Aの上面に撮影装置20を設ける構成が考えられる。この場合には、撮影装置20から制御部5への前記撮影画像の伝送経路が短縮されるため、撮影装置20による前記撮影画像の撮影時から判定処理部53による判定処理時までのタイムラグを減少させることが可能である。ここで、画像形成装置10に設けられる撮影装置20が、本発明における画像取得部の他の一例である。
【符号の説明】
【0092】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 給紙部
5 制御部
6 操作表示部
7 記憶部
8 通信部
10 画像形成装置
20 撮影装置
41 給紙カセット
51 検出処理部
52 取得処理部
53 判定処理部
54 報知処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6