(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取得ファイルが前記特定メタデータを含まないとき、前記制御部は、前記取得ファイルに基づく印刷を前記印刷部に行わせることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1〜
図15を用いて本発明の実施形態を説明する。実施形態に係る画像形成システム100は画像形成装置1と情報処理装置2を含む。画像形成装置1は、例えば、複合機である。画像形成装置1は、プリンターのような複合機以外の画像形成装置1でもよい。また、情報処理装置2はコンピューターである。情報処理装置2は、例えば、PC(personal computer)である。情報処理装置2はスマートフォンやタブレットコンピューターのようなPC以外のコンピューターでもよい。以下の本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
【0014】
(画像形成装置1)
図1に基づき実施形態に係る画像形成装置1の一例を説明する。
図1は、実施形態に係る画像形成装置1の一例を示す図である。
【0015】
画像形成装置1は複数台でもよい。
図1では、便宜上、1台の画像形成装置1のみを図示している。画像形成装置1は制御部11、第1記憶部12、画像読取部13、操作パネル14、印刷部15、メモリー通信部16(取得部に相当)、通信部17(取得部に相当)を含む。
【0016】
制御部11は画像形成装置1の動作を制御する。制御部11はCPU11a、画像処理回路11bを含む基板である。CPU11aは画像形成装置1に関する制御、演算を行う。CPU11aは、第1記憶部12に記憶されるプログラム、データに基づき画像形成装置1の各部の制御、各種の演算処理を行う。画像処理回路11bは、通信部17が受信したファイル、データを解析する。受信したファイル、データに基づき、画像処理回路11bはジョブ(印刷)に用いる画像データを生成する。
【0017】
第1記憶部12は、ROM12a、RAM12b、ストレージ12cを含む。第1記憶部12は、画像形成装置1の制御用の設定データ、画像データ、制御用のプログラム、ファイルを記憶できる。ストレージ12cは大容量の不揮発性記憶装置である。例えば、ストレージ12cは、HDDやSSDである。
【0018】
原稿読み取りを伴うジョブのとき、制御部11は画像読取部13に原稿の読み取りを行わせる。画像読取部13は原稿の画像データを生成する。原稿読み取りのため、画像読取部13は、光源(ランプ)、レンズ、イメージセンサー(ラインセンサー)を含む。
【0019】
操作パネル14は、表示パネル14a、タッチパネル14b、ハードキー14cを含む。表示パネル14aは画面、画像を表示する。制御部11は表示パネル14aの表示を制御する。制御部11は、ジョブの設定に用いる操作画像を表示パネル14aに表示させる。操作画像は、例えば、ボタンやキーである。タッチパネル14bは、使用者の操作を受け付ける。タッチパネル14bは表示パネル14aの上面に設けられる。タッチパネル14bはタッチ位置を認識する。タッチパネル14bの出力に基づき、制御部11は、操作された操作画像を認識する。操作された操作画像に基づき、制御部11は、使用者の操作内容を認識する。ハードキー14cも使用者の操作を受け付ける。
【0020】
印刷部15は、給紙部15a、用紙搬送部15b、画像形成部15c、定着部15dを含む。制御部11はこれらの部分の動作を制御する。制御部11は、例えば、給紙、用紙搬送、トナー像の形成、転写、定着を制御する。印刷ジョブのとき、制御部11は用紙を1枚ずつ給紙部15aに供給させる。制御部11は、供給された用紙を用紙搬送部15bに搬送させる。制御部11は、画像データに基づくトナー像を画像形成部15cに形成させる。制御部11は、搬送される用紙へのトナー像の転写を画像形成部15cに行わせる。制御部11は用紙のトナー像を定着部15dに定着させる。制御部11は、定着後の用紙の機外への排出を用紙搬送部15bに行わせる。
【0021】
メモリー通信部16は携帯型メモリーを接続する部分である。携帯型メモリーは、例えば、USBメモリーである。携帯型メモリーはメモリーカードでもよい。メモリー通信部16は通信用のハードウェア(各種ソケット、通信用回路)を含む。また、通信部17は通信用ソフトウェアを備える。メモリー通信部16は、接続された携帯型メモリーのデータの読み書きを行う。
【0022】
通信部17は通信用のハードウェア(各種ソケット、通信用回路)と通信用ソフトウェアを備える。通信部17はネットワークと通信可能に接続される。通信部17は、ネットワークを介して、情報処理装置2と通信する。通信部17は、情報処理装置2からファイルを受信する。制御部11は受信したファイルに基づく印刷を印刷部15に行わせる。
【0023】
(情報処理装置2)
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置2の一例を説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置2の一例を示す図である。
【0024】
情報処理装置2は複数台でもよい。
図2では、便宜上、1台の情報処理装置2のみを図示している。情報処理装置2は画像形成装置1と通信可能に接続される。画像形成システム100は少なくとも1台の画像形成装置1と少なくとも1台の情報処理装置2を含む。そして、情報処理装置2は、処理部21、第2記憶部22、ディスプレイ23、入力デバイス24、ネットワーク通信部25を含む。
【0025】
処理部21は、情報処理装置2の動作を制御する。例えば、処理部21はCPU21aを含む基板である。第2記憶部22は、OS、データ、プログラム、ソフトウェア26を不揮発的に記憶する。OS、データ、プログラム、ソフトウェア26に基づき、処理部21は情報処理装置2の動作を制御する。第2記憶部22はROM、RAM、HDDを含む。処理部21は第2記憶部22の記憶内容に従って、情報処理装置2の各部を制御する。
【0026】
処理部21は、各種情報をディスプレイ23に表示させる。ディスプレイ23は、例えば、液晶パネル又は有機ELパネルを含む。入力デバイス24は、使用者の操作を受け付けるデバイスである。入力デバイス24は、例えば、キーボードやマウスである。入力デバイス24はタッチパネル14bでもよい。入力デバイス24の出力に基づき、処理部21は操作内容を認識する。ネットワーク通信部25は通信回路、通信用ソフトウェアを含む。ネットワーク通信部25は、処理部21の指示に応じて画像形成装置1の通信部17と通信する。
【0027】
情報処理装置2の第2記憶部22には、ソフトウェア26がインストールされる。例えば、ワープロソフト、表計算ソフト、画像データ編集ソフト、ブラウザソフトがインストールされる。例えば、ワードやエクセルのようなソフトウェア26がインストールされる。使用者は、ソフトウェア26を動作させ、入力デバイス24を用いてファイルの作成、編集、保存を行う。入力デバイス24は使用者のコマンド入力を受け付ける。
【0028】
また、情報処理装置2の第2記憶部22には、画像形成装置1のドライバーソフトウェア27がインストールされる。ドライバーソフトウェア27は、ファイルを文書ファイル(電子文書)に変換するプログラムを含む。文書ファイルは、例えば、PDFファイルである。ドライバーソフトウェア27を用いて、画像形成装置1に向けて、ソフトウェア26を用いて作成されたファイルを文書ファイルに変換することができる(詳細は後述)。
【0029】
(文書ファイルの生成)
次に、
図3〜
図6を用いて、実施形態に係る画像形成システム100での文書ファイルの生成の一例を説明する。
図3は、実施形態に係るプリンタードライバー画面3の一例を示す図である。
図4は、実施形態に係る要素内容42選択画面30の一例を示す図である。
図5は、実施形態に係る情報処理装置2による文書ファイルの生成の流れの一例を示す図である。
図6は、実施形態に係る特定メタデータ4の一例を示す図である。
【0030】
画像形成システム100の情報処理装置2では、ドライバーソフトウェア27を用いて、特定メタデータ4を埋め込んだ文書ファイルを生成することができる。なお、特定メタデータ4を埋め込まない文書ファイルを生成することもできる。
【0031】
特定メタデータ4は文書ファイルのためのデータである。特定メタデータ4は文書ファイルに付加されたデータである。特定メタデータ4は、文書ファイルを印刷できる画像形成装置1の限定(制限)に用いられるデータである。特定メタデータ4は文書ファイルに埋め込まれる。特定メタデータ4は、文書ファイルの読み出し、出力の邪魔にならない。
【0032】
図3は、プリンタードライバー画面3の一例を示す。入力デバイス24に印刷コマンドが入力されたとき、処理部21はプリンタードライバー画面3をディスプレイ23に表示させる。ドライバーソフトウェア27を用いた出力の一形態として、文書ファイルを生成することができる。言い換えると、文書ファイルの生成、出力は、ドライバーソフトウェア27の拡張機能の1つである。
【0033】
なお、プリンタードライバー画面3では、文書ファイルを生成せずに印刷を行うこともできる。入力デバイス24が文書ファイルを生成せずに印刷を行う設定を受け付けたとき、処理部21は、印刷コマンドがなされたファイルの内容をページ記述言語で記述したデータに変換する。処理部21は、画像形成装置1の通信部17に向けて、ページ記述言語で記述されたデータをネットワーク通信部25に送信させる。画像形成装置1の制御部11は、ページ記述言語で記述されたデータを解析して印刷用画像データを生成する。制御部11は、印刷用画像データに基づく印刷を印刷部15に行わせる。
【0034】
入力デバイス24がアドバンス領域31の操作を受け付けたとき、処理部21は、文書ファイルを生成するためのボタンをディスプレイ23に表示させる。
図3のうち、第1生成ボタンB1と第2生成ボタンB2が文書ファイルを生成するためのボタンである。第1生成ボタンB1は、特定メタデータ4を含まない文書ファイルを生成するためのボタンである。第2生成ボタンB2は、特定メタデータ4を埋め込んだ文書ファイルを生成するためのボタンである。なお、操作されたボタンは、ハイライト表示される。ハイライト表示するとき、処理部21はボタン内の文字を白とする。また、処理部21はボタン内の文字以外の部分を黒、グレー、又は、有彩色とする。
【0035】
入力デバイス24が第2生成ボタンB2の操作を受け付けたとき、処理部21は、要素内容42選択画面30をディスプレイ23に表示させる。
図4は、要素内容42選択画面30の拡大図である。要素内容42選択画面30は、要素内容42選択欄32を含む。ドロップダウンボタン33が要素内容42選択欄32の端部に設けられる。入力デバイス24がドロップダウンボタン33の操作を受け付けたとき、処理部21は、ドロップダウンリスト34をディスプレイ23に表示させる。処理部21は、ドロップダウンリスト34内に要素内容候補5を表示させる。
【0036】
情報処理装置2の第2記憶部22は要素内容候補5を記憶する(
図2参照)。要素内容候補5は、特定メタデータ4に含めることができる文字列(要素内容42)である。なお、要素内容候補5の登録(記憶)の詳細は後述する。処理部21は、第2記憶部22が記憶する要素内容候補5のリストを表示パネル14aに表示させる。
図4の例では、要素内容候補5は、Administration、Finance、HR、SQA、SDの5つである。
図4は、Administrationが選択されようとしている状態を示す。なお、要素内容42及び要素内容候補5としての文字列は、数字、記号を含んでもよい。言い換えると、要素内容42及び要素内容候補5は、文字、数字、記号の組み合わせでもよい。入力デバイス24は、要素内容候補5の中から、要素内容42を選択する操作を受け付ける。
【0037】
第1生成ボタンB1又は第2生成ボタンB2が選択されている状態でOKボタンB3が操作されたとき、処理部21は、文書ファイルの生成を開始する。
図5を用いて、文書ファイルの生成の流れの一例を説明する。
図5のスタートは、第1生成ボタンB1又は第2生成ボタンB2が選択されている状態でOKボタンB3が操作された時点である。まず、処理部21は、特定メタデータ4付きの文書ファイルを生成するか否かを確認する(ステップ♯11)。言い換えると、第1生成ボタンB1と第2生成ボタンB2の何れが選択されているかを確認する。
【0038】
特定メタデータ4付きの文書ファイルを生成しないとき(第1生成ボタンB1が操作されているとき、ステップ♯11のNo)、処理部21は、ファイルを変換して特定メタデータ4無しの文書ファイルを生成する(ステップ♯12)。
【0039】
一方、特定メタデータ4付きの文書ファイルを生成するとき(第2生成ボタンB2が操作されているとき、ステップ♯11のYes)、処理部21は、選択された要素内容42を含む特定メタデータ4を生成する(ステップ♯13)。そして、処理部21は、ファイルを変換して特定メタデータ4を埋め込んだ文書ファイルを生成する(ステップ♯14)。ステップ♯12又はステップ♯14で文書ファイルが生成されたとき、処理部21は、生成された文書ファイルを第2記憶部22に不揮発的に記憶させる(ステップ♯15)。文書ファイルを生成したとき、処理部21は、画像形成装置1(通信部17)に向けて、生成した文書ファイルをネットワーク通信部25に送信させてもよい。そして、本フローは終了する(エンド)。
【0040】
特定メタデータ4は、特定タグ41と要素内容42を含む。特定タグ41は、印刷可能か否かを判定するために用いられる。特定タグ41は選択された要素内容42を挟むタグである。特定タグ41の要素名(タグ名)は予め定められる。
図6は特定メタデータ4の一例を示す。例えば、処理部21は、Extensible Metadata Platformの規格に準拠した特定メタデータ4を生成する。選択された要素内容42を囲む開始タグと終了タグが特定タグ41である。
図6では、Administratorが選択された要素内容42である。<MFPcontrol>は、特定タグ41のうち、開始タグである。</MFPcontrol>は特定タグ41のうち、終了タグである。尚、特定タグ41のタグ名は、MFPcontrolに限られない。特定タグ41のタグ名は適宜定めることができる。
【0041】
(画像形成装置1での第1文字列7と第2文字列8の登録)
次に、
図7〜
図12を用いて、実施形態に係る画像形成装置1での文字列の登録の一例を説明する。
図7〜
図11は、実施形態に係る印刷制御設定画面6の一例を示す図である。
図12は、実施形態に係る画像形成装置1の同期処理の流れの一例を示す図である。
【0042】
画像形成装置1の第1記憶部12は、第1文字列7と第2文字列8を不揮発的に記憶する(
図1参照)。第1文字列7は、文書ファイルが印刷可能か否かを判定するための文字列である。第1文字列7は要素内容42と比較するための文字列である。第2文字列8は第1文字列7の候補としての文字列である。第1文字列7と第2文字列8は、数字、記号を含んでもよいし、文字、数字、記号の組み合わせでもよい。
【0043】
操作パネル14は、第1文字列7の選択、第1文字列7と第2文字列8の追加、削除に関する設定を受け付ける。印刷制御設定画面6で各文字列に関する設定を行うことができる。操作パネル14が印刷制御設定画面6を表示させるための操作を受け付けたとき、制御部11は、印刷制御設定画面6を表示パネル14aに表示させる。
【0044】
図7〜
図11に示すように、印刷制御設定画面6の左側に、5つのボタンが並べられる。5つのボタンは、リストボタンB4、主設定ボタンB5、追加ボタンB6、削除ボタンB7、同期設定ボタンB8である。タッチパネル14bは各ボタンへの操作を受け付ける。タッチパネル14bの出力に基づき、制御部11は操作されたボタンを認識する。操作されたボタンに応じて、制御部11は、印刷制御設定画面6の右側の表示内容を変える。
【0045】
印刷制御設定画面6の表示を開始するとき、制御部11は、リストボタンB4が選択(操作)された状態を表示パネル14aに表示させる。
図7は、リストボタンB4が選択(操作)された状態の印刷制御設定画面6の一例を示す。リストボタンB4が選択された状態のとき、制御部11は文字列リストL1を表示パネル14aに表示させる。文字列リストL1は、第1記憶部12に記憶されている第2文字列8のリストである。これにより、登録されている第2文字列8を知ることができる。
【0046】
図8は、主設定ボタンB5が選択(操作)された状態の印刷制御設定画面6の一例を示す。主設定ボタンB5が選択された状態のとき、制御部11は選択用画像61を表示パネル14aに表示させる。制御部11は、選択用ボタンB10を選択用画像61内に含める。制御部11は、選択用ボタンB10内に第2文字列8のうち何れか1つを含める。操作パネル14(タッチパネル14b)は選択用ボタンB10の操作を受け付ける。制御部11は、操作された非ハイライト状態の選択用ボタンB10をハイライト状態とする。制御部11は、操作されたハイライト状態の選択用ボタンB10を非ハイライト状態とする。
【0047】
ハイライト状態のとき、制御部11は、選択用ボタンB10のうち、文字列を白とし文字列以外の部分を黒、グレー又は有彩色とする。また、非ハイライト状態のとき、制御部11は、選択用ボタンB10のうち、文字列を黒とし文字列以外の部分を白とする。
【0048】
印刷制御設定画面6内のOKボタンB9が押されたとき、制御部11は、ハイライト状態の選択用ボタンB10を認識する。制御部11は、ハイライト状態の選択用ボタンB10に含まれる第2文字列8を第1文字列7として第1記憶部12に記憶させる。このように、操作パネル14は、第1記憶部12に記憶される第2文字列8から第1文字列7を選択する操作を受け付ける。制御部11は、選択用ボタンB10により選択された第2文字列8を第1文字列7として第1記憶部12に記憶させる。これにより、所望の第2文字列8を第1文字列7とすることができる。
【0049】
図9は、追加ボタンB6が選択(操作)された状態の印刷制御設定画面6の一例を示す。追加ボタンB6が選択された状態のとき、制御部11は追加用画像62を表示パネル14aに表示させる。制御部11は、文字列入力欄L2とエンドボタンB11を追加用画像62内に含める。文字列入力欄L2が操作されたとき、制御部11は、ソフトウェアキーボード画面(不図示)を表示パネル14aに表示させる。タッチパネル14bは、ソフトウェアキーボード画面を用いた文字、数字、記号の入力を受け付ける。制御部11は、ソフトウェアキーボード画面で入力された内容を文字列入力欄L2内に表示させる。エンドボタンB11が操作されたとき、制御部11は、文字列入力欄L2内の内容を第2文字列8として第1記憶部12に記憶させる。このように、操作パネル14は、第1文字列7の候補としての第2文字列8の入力を受け付ける。制御部11は、入力された第2文字列8を第1記憶部12に記憶させる。
【0050】
図10は、削除ボタンB7が選択(操作)された状態の印刷制御設定画面6の一例を示す。削除ボタンB7が選択された状態のとき、制御部11は削除用画像63を表示パネル14aに表示させる。制御部11は、文字列リストL1を削除用画像63内に含める。制御部11は、文字列リストL1のうち、第1文字列7に設定されていない第2文字列8を非ハイライト状態で表示させる。一方、制御部11は、文字列リストL1のうち、第1文字列7に設定されている第2文字列8をハイライト状態で表示させる。
【0051】
制御部11は消去ボタンB12を表示パネル14aに表示させる。消去ボタンB12は文字列リストL1の各第2文字列8の右側に配される。消去ボタンB12が操作されたとき、制御部11は、操作された消去ボタンB12に対応する第2文字列8を第1記憶部12に消去させる。操作された消去ボタンB12に対応する第2文字列8が第1文字列7でもあるとき、制御部11は、対応する第1文字列7も、第1記憶部12に消去させる。このように、操作パネル14は第1文字列7又は第2文字列8の消去操作を受け付ける。制御部11は、消去操作がなされた第1文字列7又は第2文字列8を第1記憶部12に消去させる。これにより、不要な第1文字列7や第2文字列8を消すことができる。
【0052】
図11は、同期設定ボタンB8が選択(操作)された状態の印刷制御設定画面6の一例を示す。同期設定ボタンB8が選択された状態のとき、制御部11は同期用画像64を表示パネル14aに表示させる。制御部11は、アドレス入力欄L3と受け入れボタンB13と、自動同期ボタンB14を同期用画像64内に含める。同期設定ボタンB8を操作することにより、他の画像形成装置1aと自機との第2文字列8の同期処理について設定することができる。他の画像形成装置1aと画像形成装置1と同様の構成である。他の画像形成装置1aは画像形成装置1と通信できる(
図1参照)。
【0053】
アドレス入力欄L3は他の画像形成装置1aのアドレスの入力欄である。第2文字列8を記憶する他の画像形成装置1aのアドレスがアドレス入力欄L3に入力される。例えば、ローカルエリアネットワーク内の他の画像形成装置1aのアドレスが設定される。
図11は、IPアドレスを設定する例を示す。アドレスは、IPアドレス以外のアドレスでもよい。アドレス入力欄L3が操作されたとき、制御部11は、ソフトウェアキーボード画面(不図示)を表示パネル14aに表示させる。使用者は、ソフトウェアキーボード画面を操作し、アドレスを設定する。
【0054】
自動同期ボタンB14は、予め定められた自動同期開始時点に、自動的に同期処理を行うか否かを設定するためのボタンである。自動同期開始時点は、電源投入後、画像形成装置1の起動が完了した時点でもよい。起動完了時点以外の時点が自動同期開始時点とされてもよい。自動同期ボタンB14も操作するごとに、ハイライト状態と非ハイライト状態が切り替われる。自動同期ボタンB14をハイライト状態にする操作が自動的な同期処理を許可する操作である。このように、操作パネル14は自動同期許可操作を受け付ける。自動同期許可操作がなされたとき、制御部11は、自動同期開始時点に、自動的に同期処理を行う。
【0055】
次に、
図12を用いて、同期処理の流れの一例を説明する。
図12のスタートは、同期処理を開始する時点である。まず、制御部11は、設定されたアドレスの装置と通信を確立する(ステップ♯21)。このとき、画像形成装置1と他の画像形成装置1aは、ネットワークを介して、パケットをやりとりする。
【0056】
次に、制御部11は、他の画像形成装置1a(設定されたアドレス)に向けて、第2文字列8の送信要求を通信部17に送信させる(ステップ♯22)。第2文字列8の送信要求は、他の画像形成装置1aが記憶する第2文字列8の全て(リスト)の送信を要求する信号である。他の画像形成装置1aは、第2文字列8の送信要求に基づき、全ての第2文字列8のデータを送信する。言い換えると、他の画像形成装置1aは、第2文字列8のリストデータを送信する。通信部17は、他の画像形成装置1aから送信された第2文字列8(リストデータ)を受信する(ステップ♯23)。リストデータに基づき、制御部11は、第1記憶部12の第2文字列8を更新する(ステップ♯24→エンド)。
【0057】
ステップ♯24では、制御部11は、受信した第2文字列8と記憶している第2文字列8の差分のみを新たに第1記憶部12に記憶させてもよい。この場合、制御部11は、受信した各第2文字列8のうち、記憶していない文字列を抽出する。そして、制御部11は、抽出した文字列のみを第2文字列8として第1記憶部12に記憶させる。
【0058】
また、ステップ♯24では、制御部11は、第1記憶部12の第2文字列8を、受信した第2文字列8に置き換えてもよい。この場合、制御部11は、第1記憶部12の第2文字列8をいったん全て消去する。そして、制御部11は、受信した第2文字列8(リストデータ)を新たな第2文字列8として第1記憶部12に記憶させる。
【0059】
(要素内容候補5の取得)
次に、
図13を用いて、実施形態に係る情報処理装置2の要素内容候補5の取得の一例を説明する。
図13は、実施形態に係る情報処理装置2の要素内容候補5の取得の一例を示す図である。
【0060】
情報処理装置2は、画像形成装置1が記憶する第2文字列8を要素内容候補5として取得する。情報処理装置2は、通信により第2文字列8を自動的に取得する。これにより、入力デバイス24を用いて、要素内容候補5を各情報処理装置2に手入力しなくてすむ。
【0061】
図13のスタートは、第2文字列8の取得開始時点である。第2文字列8の取得開始時点は、例えば、情報処理装置2で第2生成ボタンB2が操作された時点としてもよい。また、第2文字列8の取得開始時点は、主電源の投入後、情報処理装置2の起動が完了した時点でもよい。ローカルエリアネットワーク内に複数の画像形成装置1が設けられているとき、処理部21は、画像形成装置1ごとに
図13のフローチャートを実行してもよい。
【0062】
まず、処理部21は画像形成装置1との通信をネットワーク通信部25に確立させる(ステップ♯31)。このとき、情報処理装置2と画像形成装置1は、ネットワークを介して、パケットをやりとりする。
【0063】
通信の確立後、処理部21は、通信部17(画像形成装置1)に向けて、第2文字列8の送信要求をネットワーク通信部25に送信させる(ステップ♯32)。第2文字列8の送信要求は、画像形成装置1が記憶する第2文字列8の全て(リスト)の送信を要求する信号である。情報処理装置2からの送信要求に基づき、画像形成装置1の制御部11は、全ての第2文字列8のデータを通信部17に送信させる(ステップ♯33)。言い換えると、制御部11は、第2文字列8のリストデータを送信する。制御部11は、情報処理装置2(ネットワーク通信部25)に向けて、リストデータを送信させる。情報処理装置2(ネットワーク通信部25)は、画像形成装置1から送信された第2文字列8(リストデータ)を受信する(ステップ♯34)。第2文字列8を受信したとき、処理部21は、受信した第2文字列8を要素内容候補5として第2記憶部22に記憶させる(ステップ♯35)。そして、本フローは終了する(エンド)。
【0064】
ステップ♯35では、処理部21は、受信した第2文字列8と記憶している要素内容候補5の差分のみを新たに第2記憶部22に記憶させてもよい。この場合、処理部21は、受信した各第2文字列8のうち、要素内容候補5として記憶していない文字列を抽出する。そして、処理部21は、抽出した第2文字列8のみを要素内容候補5として第2記憶部22に記憶させる。
【0065】
また、ステップ♯35では、処理部21は、要素内容候補5を受信した第2文字列8に置き換えてもよい。この場合、処理部21は、第2記憶部22の要素内容候補5をいったん全て消去する。そして、処理部21は、受信した第2文字列8の全て(リストデータ)を要素内容候補5として第2記憶部22に記憶させる。
【0066】
(文書ファイル取得時の処理)
次に、
図14を用いて、実施形態に係る画像形成装置1の文書ファイルの取得時の処理の流れの一例を説明する。
図14は、実施形態に係る画像形成装置1の文書ファイルの取得時の処理の流れの一例を示す図である。
【0067】
画像形成装置1は文書ファイルを取得する取得部を含む。取得部のうち、1つは、通信部17である。通信により文書ファイルを画像形成装置1に入力する場合、使用者は、情報処理装置2から文書ファイルを画像形成装置1に向けて送信する。例えば、ドライバーソフトウェア27を用いて、文書ファイルを送信することができる。
【0068】
また、取得部のうち、もう1つは、メモリー通信部16である。この場合、使用者は、生成、保存された文書ファイルを携帯型メモリーに書き込む。そして、使用者は、その携帯型メモリーをメモリー通信部16に差し込む(取り付ける)。携帯型メモリーがとり付けられたとき、制御部11は文書ファイルをメモリー通信部16に読み出させる。
【0069】
制御部11は、受信した、又は、読み出した文書ファイルを第1記憶部12(RAM12b)に記憶させる。以下の説明では、便宜上、受信した文書ファイル、又は、読み出した文書ファイルを取得ファイルと称する。
図14のスタートは、第1記憶部12に取得ファイルを記憶させた時点である。
【0070】
まず、制御部11は、取得ファイルに特定メタデータ4が埋め込まれているか否かを確認する(ステップ♯41)。制御部11は、取得ファイルのメタデータが、特定タグ41を含むか否かを確認する。特定メタデータ4が埋め込まれているとき(ステップ♯41のYes)、制御部11は、特定メタデータ4に含まれる(特定タグ41に挟まれる)要素内容42が第1文字列7と一致するか否かを確認する(ステップ♯42)。
【0071】
要素内容42と第1文字列7が一致しないとき(ステップ♯42のNo)、制御部11は、取得ファイルに基づく印刷を行わない(ステップ♯43)。印刷部15は、取得ファイルに基づく印刷を行わない。各画像形成装置1に第1文字列7を登録しておくだけで、文書ファイルごとに印刷できる画像形成装置1を細かく限定することができる。
【0072】
そして、制御部11は、印刷不可メッセージを通知させる(ステップ♯44)。例えば、制御部11は、印刷不可メッセージを表示パネル14aに表示させる。印刷不可メッセージは、文書ファイルにかけられた印刷制限によって印刷できないことを知らせるメッセージである。言い換えると、印刷不可メッセージは、特定メタデータ4による制限によって印刷できないことを知らせるメッセージである。
【0073】
通信部17を介して文書ファイルを取得したとき、制御部11は、取得ファイルを送信した情報処理装置2(ネットワーク通信部25)に向けて、印刷不可メッセージを通信部17に送信させてもよい。
【0074】
取得ファイルに特定メタデータ4が埋め込まれていないとき(ステップ♯41のNo)、又は、要素内容42と第1文字列7が一致するとき(ステップ♯42のYes)、制御部11は、取得ファイルに基づき、印刷用画像データを生成する(ステップ♯45)。例えば、制御部11(画像処理回路11b)は、取得ファイル(電子文書)をひとまずページ記述言語(PDL)で記述されたデータに変換する。そして、画像処理回路11bは、ページ記述言語(PDL)で記述されたデータに基づき、ビットマップデータを生成する。画像処理回路11bは、ビットマップデータを画像処理して印刷用画像データを生成する。制御部11は、印刷用画像データに基づき、印刷部15に印刷させる(ステップ♯46)。そして、本フローは終了する。
【0075】
(実施例)
次に、
図15は実施形態に係る画像形成システム100による印刷制限例を説明する。
図15はオフィスの見取り図の一例を示す図である。
【0076】
図15に示すオフィスでは、3台の画像形成装置1が設置されている。そして、各画像形成装置1には、Administration、Finance、Sd(Software developmentの略)、HR(Human Resources=人事)の第2文字列8が登録されているとする。
【0077】
図15の図では、北西に画像形成装置1Aが、東に画像形成装置1Bが、南東の室内に画像形成装置1Cが設置されている。画像形成装置1Aの近くのデスクは、人事担当者や経理担当者のデスクである。画像形成装置1Bの近くのデスクは、開発担当者のデスクである。
図15のうち、画像形成装置1Cが設置される部屋は、社長室である。
【0078】
例えば、画像形成装置1AにFinanceやHRの第1文字列7を登録する。また、画像形成装置1BにSDの第1文字列7を登録する。人事、経理に関する文書ファイルを生成するとき、人事担当者や経理担当者は、FinanceやHRを要素内容42とする特定メタデータ4を埋め込むようにする。また、技術開発関連の文書ファイルを生成するとき、開発担当者はSDを要素内容42とする特定メタデータ4を埋め込むようにする。
【0079】
これにより、画像形成装置1Aでは、技術開発関連の文書を印刷できなくすることができる。また、画像形成装置1Bでは、人事、経理に関する文書を印刷できなくすることができる。文書ファイルごとに、印刷可能な画像形成装置1を限定することができる。
【0080】
また、画像形成装置1Cには、全ての第2文字列8を第1文字列7として登録してもよい。これにより、社長は全ての文書(情報)を容易に得ることができる。このように、特定の画像形成装置1を優遇することもできる。
【0081】
このようにして、実施形態に係る画像形成装置1は、取得部(通信部17、メモリー通信部16)、印刷部15、第1記憶部12、制御部11を含む。取得部は文書ファイルを取得する。印刷部15は印刷を行う。第1記憶部12は、印刷可能か否かを判定するための第1文字列7を記憶する。制御部11は印刷部15を制御する。制御部11は、予め定められた特定タグ41を含む特定メタデータ4が、取得部が取得した文書ファイルである取得ファイルに埋め込まれているか否かを判定する。取得ファイルに特定メタデータ4が埋め込まれているとき、制御部11は、特定タグ41を含む要素の要素内容42と第1文字列7と一致するか否かを確認する。要素内容42が第1文字列7と一致するとき、制御部11は、特定メタデータ4を含む取得ファイルに基づく印刷を印刷部15に行わせる。要素内容42が第1文字列7と一致しないとき、制御部11は、特定メタデータ4を含む取得ファイルに基づく印刷を印刷部15に行わせない。
【0082】
これにより、画像形成装置1の第1記憶部12には、印刷可能か否かを判定するための第1文字列7が登録される。これにより、特定メタデータ4の要素内容42が第1文字列7と同じ文書ファイルのみ、印刷するようにすることができる。また、特定メタデータ4の要素内容42が第1文字列7と異なる文書を印刷しないようにすることができる。つまり、印刷可否の条件として、第1文字列7と要素内容42が一致するか否かという条件を設けることができる。ファイル作成者は、文書ファイルに特定メタデータ4を付すだけで、印刷できる画像形成装置1を限定することができる。印刷できる画像形成装置1を制限することができる。
【0083】
取得ファイルが特定メタデータ4を含まないとき、制御部11は、取得ファイルに基づく印刷を印刷部15に行わせる。これにより、特定メタデータ4を含まない文書ファイルを取得したとき、通常どおり、画像形成装置1に取得ファイルに基づく印刷を行わせることができる。
【0084】
画像形成装置1は、第1文字列7の候補としての第2文字列8の入力を受け付ける操作パネル14を含む。制御部11は、入力された第2文字列8を第1記憶部12に記憶させる。操作パネル14は、第1記憶部12に記憶される第2文字列8から第1文字列7を選択する操作を受け付ける。制御部11は、選択された第1文字列7が要素内容42と一致するか否かを確認する。これにより、使用者は第2文字列8を登録できる。使用者は所望の文字列を第2文字列8として追加登録できる。また、使用者は、第2文字列8の中から所望の文字列を第1文字列7として選択することができる。
【0085】
操作パネル14は第1文字列7又は第2文字列8の消去操作を受け付ける。制御部11は、消去操作がなされた第1文字列7又は第2文字列8を第1記憶部12に消去させる。これにより、使用者は第1文字列7又は第2文字列8を削除できる。使用者は、第1記憶部12が記憶する文字列の中から、不要な文字列を削除できる。
【0086】
画像形成装置1は、通信を行う通信部17と、他の画像形成装置1aのアドレスの設定と、第2文字列8の同期操作を受け付ける操作パネル14を含む。同期操作がなされたとき、制御部11は同期処理を行う。同期処理のとき、制御部11は、設定されたアドレスの他の画像形成装置1aに向けて、第2文字列8の送信要求を通信部17に送信させる。制御部11は、他の画像形成装置1aが記憶する第2文字列8を通信部17に取得させる。制御部11は、通信部17が取得した第2文字列8を第1記憶部12に記憶させる。これにより、他の画像形成装置1aが記憶する第2文字列8を取得することができる。オフィス内のそれぞれの画像形成装置1が記憶する第2文字列8を容易に一致させることができる。各画像形成装置1に同じ第2文字列8を繰り返し入力しなくすむ。
【0087】
操作パネル14は自動同期許可操作を受け付ける。自動同期許可操作がなされたとき、制御部11は、予め定められた自動同期開始時点に、自動的に同期処理を行う。オフィス内の各画像形成装置1が記憶する第2文字列8を自動的に一致させることができる。
【0088】
画像形成システム100は、上述の画像形成装置1と、情報処理装置2を含む。情報処理装置2は要素内容候補5を記憶する。情報処理装置2は、要素内容候補5の中から、要素内容42を選択する操作を受け付ける。情報処理装置2は、選択された要素内容42を含む特定メタデータ4を生成する。情報処理装置2は、生成した特定メタデータ4を埋め込んだ文書ファイルを生成する。これにより、使用者が選択した要素内容42と特定タグ41とを含む文書ファイルを生成することができる。特定メタデータ4が埋め込まれた文書ファイルを容易に生成することができる。印刷できる画像形成装置1を限定した文書ファイルを生成することができる。
【0089】
情報処理装置2は、生成した文書ファイルを画像形成装置1に送信する。これにより、生成した文書ファイルを画像形成装置1に送信することができる。画像形成装置1は、第1文字列7と要素内容42が一致するときのみ印刷する。文書ファイル単位で、印刷できる画像形成装置1を限定することができる。
【0090】
情報処理装置2は、画像形成装置1に第2文字列8の送信を要求する。情報処理装置2は、画像形成装置1から第2文字列8を受信したとき、受信した第2文字列8を要素内容候補5として記憶する。これにより、画像形成装置1が記憶する第2文字列8を取得することができる。情報処理装置2が記憶する要素内容候補5と、画像形成装置1が記憶する第2文字列8を容易に一致させることができる。画像形成装置1が記憶する第2文字列8を情報処理装置2に手入力しなくすむ。
【0091】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。