(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記判定部により判定された1部目の各原稿画像にカラーとモノクロが混在する場合に、2部目以降については、カラーの原稿画像及びモノクロの原稿画像の両方をカラーモードで記録紙に形成する第1速度優先制御を、前記速度優先制御として実行する請求項1に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記判定部による判定の対象となった1部目の原稿画像の総枚数に対する前記判定部により判定された1部目のカラーの原稿画像の合計枚数の比率が予め設定された閾値を超える場合に、2部目以降については、カラーの原稿画像及びモノクロの原稿画像をカラーモードで記録紙に形成する第2速度優先制御を、前記速度優先制御として実行する請求項1に記載の画像形成装置。
前記第2速度優先制御において、前記制御部は、前記比率が前記閾値以下であって、前記判定部により判定された各原稿画像に規定枚数以上連続するモノクロの原稿画像が含まれる場合に、2部目以降については、前記判定部による1部目の原稿画像の判定結果に基づき、前記規定枚数以上連続するモノクロの原稿画像をモノクロモードで記録紙に形成し、他のモノクロの原稿画像及びカラーの原稿画像をカラーモードで記録紙に形成する請求項3に記載の画像形成装置。
前記第2速度優先制御において、前記制御部は、前記比率が前記閾値以下であって、前記規定枚数以上連続するモノクロの原稿画像が含まれない場合に、2部目以降については、カラーの原稿画像及びモノクロの原稿画像をカラーモードで記録紙に形成する請求項4に記載の画像形成装置。
前記規定枚数は、前記原稿画像の総枚数に対する前記判定部により判定された1部目のモノクロの原稿画像の合計枚数の比率に基づき設定される請求項4に記載の画像形成装置。
前記制御部は、前記判定部による判定された1部目の各原稿画像に交互に繰り返されるカラーの原稿画像とモノクロの原稿画像が含まれる場合に、2部目以降については、前記交互に繰り返されるカラーの原稿画像とモノクロの原稿画像をカラーモードで記録紙に形成し、他のモノクロの原稿画像をモノクロモードで記録紙に形成すると共に、他のカラーの原稿画像をカラーモードで記録紙に形成する第3速度優先制御を、前記速度優先制御として実行する請求項1に記載の画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明にかかる一実施形態の画像形成装置を示す断面図である。この画像形成装置10は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えたMFP(複合機)である。この画像形成装置10は、画像読取装置11と、画像形成部12とを備えている。
【0015】
画像読取装置11は、原稿上の画像を光学的に読み取る撮像素子を有しており、この撮像素子のアナログ出力がデジタル信号に変換されて、当該原稿読取で得られた原稿画像を示す画像データが生成される。
【0016】
画像形成部12は、上記画像データ又は外部から受信した画像データによって示される画像を記録紙に画像形成(以下、印刷ともいう)するものであり、マゼンタ用の画像形成ユニット3M、シアン用の画像形成ユニット3C、イエロー用の画像形成ユニット3Y、及びブラックの画像形成ユニット3Bkを備えている。各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkのいずれにおいても、感光体ドラム(像担持体)4の表面を均一帯電させ、感光体ドラム4の表面を露光して、感光体ドラム4の表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム4の表面の静電潜像をトナー像に現像し、1次転写ローラー6により感光体ドラム4を中間転写ベルト5に押し付けて、感光体ドラム4の表面のトナー像を中間転写ベルト5に一次転写する。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト5上に形成される。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト5と2次転写ローラー9の間のニップ域NPにおいて給紙部14から搬送路8を通じて搬送されてきた記録紙Pに2次転写される。
【0017】
この後、定着装置15で記録紙Pが加熱及び加圧されて、記録紙P上のトナー像が熱圧着により定着され、更に記録紙Pが排出ローラー16を通じて排出トレイ17に排出される。
【0018】
また、画像形成部12では、カラーの画像又はモノクロの画像を記録紙P上に形成するカラーモードと、モノクロの画像のみを記録紙P上に形成するモノクロモードとを切替えることができる。カラーモードでは、上記のように各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkを稼働させて、各感光体ドラム4の表面にそれぞれの色のトナー像を形成し、これらの色のトナー像を各感光体ドラム4から中間転写ベルト5に一次転写して、カラーのトナー像を中間転写ベルト5上に形成し、更にカラーのトナー像を中間転写ベルト5から記録紙Pに転写する。あるいは、カラーモードでは、各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkを稼働させた状態で、画像形成ユニット3Bkにおける感光体ドラム4の表面にブラックのトナー像のみを形成し、このブラックのトナー像を感光体ドラム4から中間転写ベルト5に一次転写し、更にブラックのトナー像(モノクロの画像)を中間転写ベルト5から記録紙Pに形成する。
【0019】
また、モノクロモードでは、ブラックの画像形成ユニット3Bkのみを稼働させて、この画像形成ユニット3Bkにおける感光体ドラム4の表面にブラックのトナー像を形成し、このブラックのトナー像を感光体ドラム4から中間転写ベルト5に一次転写し、更にブラックのトナー像(モノクロの画像)を中間転写ベルト5から記録紙Pに形成する。
【0020】
例えば、
図2(A)に示すようにカラーモードでは、各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkが稼働され、各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkのいずれにおいても、1次転写ローラー6が感光体ドラム4に接近する方向に変位されて、1次転写ローラー6により中間転写ベルト5が感光体ドラム4に押圧された状態で、中間転写ベルト5が周回移動されて、感光体ドラム4の表面のトナー像が中間転写ベルト5に転写される。
【0021】
また、
図2(B)に示すようにモノクロモードでは、ブラックの画像形成ユニット3Bkのみが稼働されて、他の各色の画像形成ユニット3M、3C、3Yが稼働されず、ブラックの画像形成ユニット3Bkのみにおいて、1次転写ローラー6が感光体ドラム4に接近する方向に変位されて、1次転写ローラー6により中間転写ベルト5が感光体ドラム4に押圧され、また他の各色の画像形成ユニット3M、3C、3Yにおいては、1次転写ローラー6が感光体ドラム4から離間する方向に変位されて、中間転写ベルト5が感光体ドラム4から離間され、この状態で、中間転写ベルト5が周回移動されて、ブラックの画像形成ユニット3Bkにおける感光体ドラム4の表面のトナー像が中間転写ベルト5に転写される。
【0022】
このようにカラーモードでは、カラーの画像又はモノクロの画像を記録紙P上に形成することができ、またモノクロモードでは、モノクロの画像のみを記録紙P上に形成することができる。
【0023】
ただし、カラーモードでモノクロの画像を形成する場合は、各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkの全てを稼働させるので、トナー像の濃度や位置などの調整のために、予め定められたタイミングでそれぞれの色のテストパターンを各感光体ドラム4に形成して中間転写ベルト5に転写し、各色のテストパターンの濃度、位置等を検出して調整する必要があり、ブラック以外の他の色のトナー像を形成しなくても、他の色のトナーが消費されたり劣化したりする。このため、モノクロの画像を形成するときには、カラーモードではなくモノクロモードを設定するのが好ましい。また、カラーモードでモノクロの画像を形成するよりも、モノクロモードでモノクロの画像を形成する方が、印刷時間が短くなるので、この点でもモノクロモードを設定するのが好ましい。
【0024】
また、各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkの1次転写ローラー6をそれぞれの感光体ドラム4に対して接離する方向に変位させるには、周知の機構を適用すればよい。例えば、1次転写ローラー6毎に、1次転写ローラー6をバネにより感光体ドラム4に接近する方向に付勢して変位させて、感光体ドラム4を中間転写ベルト5に押圧させ、また1次転写ローラー6をカム又はレバーなどにより感光体ドラム4から離間する方向に変位させて、感光体ドラム4を中間転写ベルト5から離間させる。これにより、モノクロモード及びカラーモードを切替え設定することができる。この場合は、画像形成装置10は、カム又はレバーなどを駆動する駆動部49(
図3)を備える。
【0025】
更に、1次転写ローラー6を変位させるための他の様々な機構が提案されているので、いずれの機構を適用してもよく、いずれの機構であっても、1次転写ローラー6を変位させるには駆動部が必要となる。
【0026】
次に、画像形成装置10の制御に係る構成について説明する。
図3は、画像形成装置10の主要内部構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように画像形成装置10は、制御ユニット41、表示部42、操作部44、タッチパネル45、ファクシミリ通信部46、記憶部47、画像メモリー48、画像読取装置11、及び画像形成部12などを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信を可能とされている。
【0027】
表示部42は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイなどから構成される。
【0028】
操作部44は、例えば、表示部42の画面に表示されるメニューを呼び出すメニューキー、メニューを構成するGUIにおけるフォーカスを移動させる矢印キー、メニューを構成するGUIに対して確定操作を行う決定キー、スタートキーなどを備えている。
【0029】
表示部42の画面には、タッチパネル45が重ねられている。タッチパネル45は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式などのタッチパネルであって、タッチパネル45に対するユーザーの指などの接触(タッチ)をその接触位置と共に検知し、表示部42の画面上のGUIなどに対するユーザーの指示を入力する。従って、タッチパネル45は、表示部42の画面に対するユーザー操作が入力される操作部としての役割を果たす。
【0030】
ファクシミリ通信部46は、画像データを、ネットワークNを通じて他の画像形成装置やファクシミリ装置(図示せず)などとの間で送受信する。
【0031】
記憶部47は、SSD(Solid State Drive)、大容量のHDD(Hard Disk Drive)などからなり、各種のデータやプログラムを記憶している。
【0032】
画像メモリー48は、画像読取装置11による原稿読取で得られた原稿画像を示す画像データ、外部から受信した画像データを一時的に記憶する。
【0033】
制御ユニット41は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、CPU(Central Processing Unit)、MPU、又はASIC等である。この制御ユニット41は、上記のROMまたは記憶部47に記憶されたプログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部51、表示制御部52、通信制御部53、画像処理部54、及び判定部55として機能する。なお、制御ユニット41の上記の各構成は、プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
【0034】
制御部51は、画像形成装置10の全体的な動作制御を司る。制御部51は、種々の処理を実行する処理部としての役割を果たす。表示制御部52は、表示部42を制御して、上記のGUI、あるいは各種の情報などを表示させる。通信制御部53は、ファクシミリ通信部46の通信動作を制御する。
【0035】
画像処理部54は、画像メモリー48内の画像データに対して各種の画像処理を施す。判定部55は、画像メモリー48内の画像データによって示される画像がカラー及びモノクロのいずれであるかを判定する。すなわち、判定部55は、ACS(Auto Color Select)機能により、原稿毎に、カラー原稿又はモノクロ原稿の判別を行う。
【0036】
また、画像形成部12には、上記のようにカラーモードとモノクロモードを切替えるために、1次転写ローラー6を変位させる駆動部49が設けられている。制御部51は、駆動部49を制御して、カラーモードとモノクロモードを切替える。なお、画像読取装置11は、特許請求の範囲における「画像読取部」に相当する。
【0037】
このような構成の画像形成装置10において、例えば、ユーザーが、原稿を画像読取装置11にセットした上で、操作部34又はタッチパネル35を操作して、印刷部数を指定し、コピーの実行を指示すると、制御部51は、画像読取装置11により原稿を読取らせて、原稿画像を示す画像データを画像メモリー39に一旦記憶させ、この画像データを画像メモリー39から画像形成部12に入力させて、画像形成部12より原稿画像を指定された印刷部数の記録紙に形成させる。
【0038】
また、制御部51は、上記コピーの実行に際し、カラーモード、モノクロモード、及びACS機能による判別結果に基づくモード(以下、単にACS機能という)のいずれが選択されたかに応じて、カラーモードとモノクロモードを切替え設定する。更に、制御部51は、ACS機能が選択されかつ指定された印刷部数が複数部数である場合には、1部目については、判定部55のACS機能によるカラー原稿又はモノクロ原稿の判別結果に従ってカラーモードとモノクロモードを切替え設定し、2部目以降については、予め設定された通常制御及び第1乃至第3速度優先制御のいずれが指定されているかに応じて、カラーモードとモノクロモードを切替え設定する。
【0039】
次に、上記のようなカラーモードとモノクロモードを切替え設定するための処理手順を、
図4A、
図4Bに示すフローチャートを参照して詳しく説明する。
【0040】
まず、ユーザーは、原稿を画像読取装置11にセットした上で、操作部34又はタッチパネル35を操作して、カラーモード、モノクロモード、及びACS機能のいずれかを選択し、更に印刷部数などを指定し、コピーの実行を指示する(S101)。
【0041】
制御部51は、コピーの実行が指示されると、画像読取装置11により原稿を読取らせて、原稿画像を画像メモリー48に記憶させる(S102)。このとき、制御部51は、上記S101でACS機能ではなく、カラーモード又はモノクロモードが選択されたならば(S103「No」)、カラーモード又はモノクロモードに基づき、画像形成部12により画像メモリー48内の原稿画像を記録紙に形成させる(S104)。
【0042】
例えば、カラーモードが選択された場合に、制御部51は、画像形成部12の各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkの全てを稼働させ、画像形成部12の駆動部49を制御して、
図2(A)に示すように各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkの1次転写ローラー6を、中間転写ベルト5を介してそれぞれの感光体ドラム4に押圧させ、カラーモードを設定する。そして、制御部51は、画像形成部12により画像メモリー48内の原稿画像を記録紙に形成させる。
【0043】
また、モノクロモードが選択された場合に、制御部51は、画像形成ユニット3Bkのみを稼働させ、駆動部49を制御して、
図2(B)に示すようにブラックの画像形成ユニット3Bkにおける1次転写ローラー6を、中間転写ベルト5を介して感光体ドラム4に押圧させ、モノクロモードを設定する。そして、制御部51は、判定部55により画像メモリー48内の原稿画像がモノクロであると判定されると、画像形成部12により画像メモリー48内の原稿画像をそのまま記録紙に形成させる。また、制御部51は、判定部55により画像メモリー48内の原稿画像がカラーであると判定されると、画像処理部54によりカラーの原稿画像をモノクロの原稿画像に変換させ、画像形成部12によりその変換されたモノクロの原稿画像を記録紙に形成させる。
【0044】
次に、制御部51は、ACS機能が選択されたと判定すると(S103「Yes」)、上記S101で指定された印刷部数が複数部数であるか否かを判定する(S105)。そして、制御部51は、その指定された印刷部数が1部数であると判定すると(S105「No」)、判定部55のACS機能によるカラー原稿又はモノクロ原稿の判別結果に従って、カラーモードとモノクロモードを原稿毎に切替えて画像形成部12に印刷を行わせる(S106)。すなわち、制御部51は、判定部55によりカラー原稿であると判定された原稿については、各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkの全てを稼働させ、駆動部49を制御して、
図2(A)に示すように各1次転写ローラー6を、中間転写ベルト5を介してそれぞれの感光体ドラム4に押圧させ、カラーモードで画像形成が可能な状態とし、この状態で、画像形成部12により画像メモリー48内のカラーの原稿画像を記録紙に形成させる。
【0045】
また、制御部51は、判定部55により画像メモリー48内の原稿画像がモノクロであると判定されると、画像形成ユニット3Bkのみを稼働させ、駆動部49を制御して、
図2(B)に示すように画像形成ユニット3Bkにおける1次転写ローラー6を、中間転写ベルト5を介して感光体ドラム4に押圧させ、モノクロモードで画像形成が可能な状態とし、この状態で、画像形成部12により画像メモリー48内のモノクロの原稿画像を記録紙に形成させる。
【0046】
また、制御部51は、上記S101で指定された印刷部数が複数部数であると判定すると(S105「Yes」)、1部目については、上記S106と同様に、判定部55のACS機能による判定結果に従ってカラーモードとモノクロモードを原稿毎に切替えて、画像形成部12により画像メモリー48内の原稿画像を記録紙に形成させる(S107)。そして、制御部51は、1部目の原稿画像の頁毎に、判定部55による原稿がカラー原稿又はモノクロ原稿のいずれであるかの判定結果を記憶部47に記憶させる(S108)。
【0047】
続いて、制御部51は、2部目以降に対して、通常制御及び第1乃至第3速度優先制御のいずれが予め指定されているかを判定する(S109)。例えば、画像形成装置10の管理者は、操作部34又はタッチパネル35を操作して、2部目以降に対して、通常制御及び第1乃至第3速度優先制御のいずれかを予め指定して、2部目以降に適用されるいずれかの制御を選択して設定しておく。
【0048】
ここで、制御部51は、2部目以降に対して通常制御が予め指定されていると判定すると(S109「通常」)、2部目以降について、判定部55による1部目の各原稿画像の判定結果に基づき、カラーモードとモノクロモードを切替え設定する通常制御を実行して、カラーの原稿画像にはカラーモードを適用し、またモノクロの原稿画像にはモノクロモードを適用する(S110)。
【0049】
従って、通常制御では、2部目以降についても、1部目と同様に、カラーモードとモノクロモードの切り替えが行われる。この場合は、原稿画像がカラーからモノクロへとあるいはモノクロからカラーへと切り替わる度に、駆動部49によるカラーモードとモノクロモードの切替え動作が行われるため、印刷時間がかかることになるが、モノクロの原稿画像がカラーモードで画像形成されることはないので、ブラック以外の他の色のトナーが無駄に消費されたり劣化したりすることはない。
【0050】
次に、制御部51は、2部目以降に対して第1速度優先制御が予め指定されていると判定すると(S109「第1速度優先制御」)、判定部55による1部目についての各原稿の判定結果に基づき、1部目の原稿群にカラー原稿及びモノクロ原稿が混在するか否かを判定し(S111)、カラー原稿及びモノクロ原稿が混在すると判定すると(S111「Yes」)、2部目以降について、画像形成部12をカラーモードで駆動可能な状態とし、当該混在するカラー原稿及びモノクロ原稿の全ての原稿画像をカラーモードで、画像形成部12によりそれぞれ記録紙に画像形成させる(S112)。
【0051】
また、制御部51は、カラー原稿及びモノクロ原稿が混在しないと判定すると(S111「No」)、1部目の原稿群の全ての原稿がカラー原稿又はモノクロ原稿であるため、1部目の全ての原稿がカラー原稿である場合には画像形成部12をカラーモードで駆動可能な状態とし、画像形成部12により各原稿画像の全てをカラーモードでそれぞれの記録紙に形成させ、また1部目の原稿群の全ての原稿がモノクロ原稿である場合には、画像形成部12をモノクロモードで駆動可能な状態とし、画像形成部12により各原稿画像の全てをモノクロモードでそれぞれの記録紙に形成させる(S113)。
【0052】
従って、第1速度優先制御では、1部目の各原稿画像にカラーとモノクロが混在する場合に、2部目以降の各原稿画像の全てがカラーモードで画像形成され、また1部目の各原稿画像がカラーのみからなる場合に、2部目以降の各原稿画像の全てがカラーモードで画像形成され、更に1部目の各原稿画像がモノクロのみからなる場合に、2部目以降の各原稿画像の全てがモノクロモードで画像形成される。このため、駆動部49によるカラーモードとモノクロモードの切替え動作が行われることがなく、2部目以降の印刷時間が最も短縮化される。
【0053】
次に、制御部51は、2部目以降に対して第2速度優先制御が予め指定されていると判定すると(S109「第2速度優先制御」)、判定部55による1部目についての各原稿の判定結果に基づき、1部目の原稿の総枚数(判定部55による判定の対象となった原稿画像の総枚数)SN、及び1部目のカラー原稿の合計枚数CNを求めて(S114)、原稿の総枚数SNに対するカラー原稿の合計枚数CNの比率CRを求め、この比率CRが予め設定された閾値SH(例えば、SH=0.5)を超えるか否かを判定する(S115)。
【0054】
例えば、制御部51は、比率CRが閾値SHを超えると判定すると(S115「Yes」)、カラーの原稿画像及びモノクロの原稿画像をカラーモードで記録紙に形成させる(S116)。すなわち、制御部51は、判定部55による1部目の各原稿の判定結果にかかわらず、すなわち各原稿画像がカラー及びモノクロのいずれであるかにかかわらず、2部目以降について、各原稿画像の全てをカラーモードで画像形成部12に形成させる。
【0055】
また、制御部51は、比率CRが閾値SH以下であると判定すると(S115「No」)、判定部55による1部目の各原稿の判定結果に基づき、規定枚数Q以上連続するモノクロの原稿画像があるか否かを判定して(S117)、あると判定すると(S117「Yes」)、2部目以降について、規定枚数Q以上連続するモノクロの原稿画像には画像形成にモノクロモードを適用し、他のカラーの原稿画像及び他のモノクロ画像には画像形成にカラーモードを適用する(S118)。規定枚数Qは、例えば原稿画像の総枚数SNに対する判定部55により判定されたモノクロ原稿の合計枚数MNの比率をMN/SNとすると、Q=(MN/SN)×10で算出したものである。例えば、より具体的には、原稿画像の総枚数SNが100枚であって、モノクロの原稿画像の合計枚数MNが60枚である場合は、Q=(60/100)×10=6(枚)が算出される。
【0056】
また、制御部51は、規定枚数Q以上連続するモノクロの原稿画像がないと判定すると(S117「No」)、2部目以降について、画像形成部12をカラーモードで駆動可能な状態とし、画像形成部12に各原稿画像の全てをカラーモードでそれぞれの記録紙に形成させる(S116)。
【0057】
従って、第2速度優先制御では、1部目の原稿画像の総枚数SNに対する1部目のカラーの原稿画像の合計枚数CNの比率CRが閾値SHを超える場合に、2部目以降の各原稿画像の全てがカラーモードで画像形成される。また、その比率CRが閾値SH以下であって、1部目の各原稿画像に規定枚数Q以上連続するモノクロの原稿画像が含まれる場合に、2部目以降の規定枚数Q以上連続するモノクロの原稿画像がモノクロモードで画像形成されると共に、他のカラーの原稿画像及び他のモノクロ画像がカラーモードで画像形成される。更に、比率CRが閾値SH以下であって、1部目の各原稿画像に規定枚数Q以上連続するモノクロの原稿画像が含まれない場合に、2部目以降の各原稿画像の全てがカラーモードで画像形成される。これにより、カラーモードとモノクロモードの切替え頻度を低減させて、印刷時間の短縮化を図ることができる。
【0058】
また、モノクロモードでの1枚当たりの印刷時間がカラーモードでの1枚当たりの印刷時間よりも短いので、規定枚数Q以上連続するモノクロの原稿画像をモノクロモードで印刷するのに要する印刷時間が、それらのモノクロの原稿画像をカラーモードで印刷するのに要する時間よりも更に短くなり、カラーモードとモノクロモードの切替えに費やされる時間がかかっても、全体の印刷時間の短縮化を図ることができる。
【0059】
次に、制御部51は、2部目以降に対して第3速度優先制御が予め指定されていると判定すると(S109「第3速度優先制御」)、判定部55による1部目の各原稿の判定結果に基づき、1枚ずつ交互に切り換わるカラー原稿とモノクロ原稿があるかを判定し(S119)、1枚ずつ交互に切り換わるカラー原稿とモノクロ原稿があると判定すると(S119「Yes」)、2部目以降について、1枚ずつ交互に切り替わる原稿に対応するカラーの原稿画像とモノクロの原稿画像にはカラーモードを適用し、他のカラーの原稿画像にはカラーモードを適用し、他のモノクロ画像にはモノクロモードを適用して、画像形成部12に画像形成を行わせる(S120)。また、制御部51は、1枚ずつ交互に切り替わるカラー原稿とモノクロ原稿がないと判定すると(S119「No」)、2部目以降について、カラーの原稿画像にはカラーモードを適用し、モノクロ画像にはモノクロモードを適用し、画像形成部12に画像形成を行わせる(S121)。
【0060】
従って、第3速度優先制御では、1部目の各原稿画像において1枚ずつ交互に切り替わるカラーの原稿画像とモノクロの原稿画像が有る場合に、2部目以降の1枚ずつ交互に切り替わるカラーの原稿画像とモノクロの原稿画像がカラーモードで画像形成され、また他のカラーの原稿画像がカラーモードで画像形成され、更に他のモノクロの原稿画像がモノクロモードで画像形成される。このため、カラーの原稿画像とモノクロの原稿画像が1枚ずつ交互に切り替わる場合には、カラーモードが継続的に設定されて、カラーモードとモノクロモードが逐一切り替えられることはなく、印刷時間の短縮化を図ることができる。
【0061】
このように本実施形態では、原稿画像を複数部数印刷する場合に、1部目については、判定部55により原稿がカラー原稿であると判定されると、カラーモードによりカラーの原稿画像を記録紙に形成させると共に、判定部55により原稿がモノクロ原稿であると判定されると、モノクロモードによりモノクロの原稿画像を記録紙に形成させ、判定部55による原稿がカラー原稿及びモノクロ原稿のいずれであるかの判定結果を記憶部47に記憶させる。そして、2部目以降については、通常制御及び第1乃至第3速度優先制御のいずれが予め指定されているかを判定して、この判定された制御を実行して、各原稿画像を記録紙に形成している。
【0062】
通常制御では、2部目以降についても、1部目と同様に、カラーモードとモノクロモードの切り替えが行われるので、印刷時間がかかるが、ブラック以外の他の色のトナーが無駄に消費されたり劣化したりすることはない。
【0063】
第1速度優先制御では、1部目の各原稿画像にカラーとモノクロが混在する場合に、2部目以降の各原稿画像の全てがカラーモードで画像形成され、また1部目の各原稿画像がカラーのみからなる場合に、2部目以降の各原稿画像の全てがカラーモードで画像形成され、更に1部目の各原稿画像がモノクロのみからなる場合に、2部目以降の各原稿画像の全てがモノクロモードで画像形成されるので、カラーモードとモノクロモードの切替え動作が行われず、2部目以降の印刷時間が最も短縮化される。
【0064】
第2速度優先制御では、1部目の原稿画像の総枚数SNに対する1部目のカラーの原稿画像の合計枚数CNの比率CRが閾値SHを超える場合と、比率CRが閾値SH以下であっても、1部目の各原稿画像に規定枚数Q以上連続するモノクロの原稿画像が含まれない場合に、2部目以降の各原稿画像の全てがカラーモードで画像形成される。また、その比率CRが閾値SH以下であって、1部目の各原稿画像に規定枚数Q以上連続するモノクロの原稿画像が含まれる場合に、2部目以降の規定枚数Q以上連続するモノクロの原稿画像がモノクロモードで画像形成されると共に、他の原稿画像がカラーモードで画像形成される。これにより、カラーモードとモノクロモードの切替え頻度を低減させて、印刷時間の短縮化を図ることができる。
【0065】
第3速度優先制御では、1部目の各原稿画像において1枚ずつ交互に切り替わるカラーの原稿画像とモノクロの原稿画像が有る場合に、2部目以降の1枚ずつ交互に切り替わるカラーの原稿画像とモノクロの原稿画像がカラーモードで画像形成されるので、カラーモードとモノクロモードの切替え頻度を低減させて、印刷時間の短縮化を図ることができる。
【0066】
従って、第1乃至第3速度優先制御のいずれを指定するかにより、2部目以降については、カラーモードでモノクロの画像を形成する回数を減らしてカラートナー消費量を低減しつつ、カラーモードとモノクロモードの切替え回数を抑えて、印刷時間の短縮化することできる。
【0067】
尚、上記実施形態では、本発明の画像形成装置の一実施形態として複合機を例示しているが、これは一例に過ぎず、コピー機、プリンター、ファクシミリ装置等であってもよい。
【0068】
また、
図1乃至
図4A、
図4Bを用いて説明した上記実施形態の構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明を当該構成に限定する趣旨ではない。