特許第6822441号(P6822441)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6822441画像処理装置、画像読取装置、画像処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6822441
(24)【登録日】2021年1月12日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像読取装置、画像処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/409 20060101AFI20210114BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20210114BHJP
   H04N 1/191 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
   H04N1/409
   H04N1/04 D
   H04N1/191
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-102208(P2018-102208)
(22)【出願日】2018年5月29日
(65)【公開番号】特開2019-208120(P2019-208120A)
(43)【公開日】2019年12月5日
【審査請求日】2020年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】嶋谷 朗
【審査官】 野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−318498(JP,A)
【文献】 特開2012−169700(JP,A)
【文献】 特開2015−007917(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/40−1/409
H04N 1/04−1/207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元の対象画像データにおけるノイズを含む画素のデータを修正する画像処理装置であって、
前記対象画像データから1つの注目画素および前記注目画素に隣接する8つの隣接画素からなる3行3列の対象画素群のデータを順次選択する対象選択部と、
前記対象画素群のデータごとに、前記8つの隣接画素から予め定められたルールに従ってサンプル画素を選択するサンプリング部と、
前記対象画素群のデータごとに、前記サンプル画素のデータの平均値であるサンプル平均値を算出する平均処理部と、
前記対象画素群のデータごとに、前記注目画素のデータと前記サンプル平均値との差である注目差が予め定められた修正基準範囲を超えることを必要条件として、前記注目画素のデータを前記サンプル平均値に基づく修正値へ置換するデータ修正部と、を備え、
前記サンプリング部は、それぞれ前記注目画素を通り行方向、列方向、および前記行方向と前記列方向とに交差する2つの斜め方向に沿う4つの参照ラインそれぞれを対象ラインとして選択し、前記対象ラインに沿って前記注目画素に隣接する前記隣接画素のペアのデータの差が予め定められた第1選択基準範囲内であり、かつ、前記対象ラインに対する両側のエリアのうち少なくとも一方のエリアに存在する3つの前記隣接画素のデータの相互間の差の全てが予め定められた第2選択基準範囲内であることを必要条件として、前記隣接画素のペアを前記サンプル画素として選択する、画像処理装置。
【請求項2】
前記対象画像データが、同一画像におけるそれぞれ異なる3色の成分の画像を表す3つの単色画像データの1つである場合に、
前記データ修正部は、前記対象画素群のデータごとに、前記注目差と他の2色の成分の前記単色画像データにおける対応する前記対象画素群のデータの前記注目差とが、正負が同じである、または、予め定められた同一範囲内であることをさらに必要条件として、前記注目画素のデータを前記サンプル平均値に基づく修正値へ置換する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記データ修正部は、前記注目差が予め定められた第1修正基準範囲を超える場合に、前記注目画素のデータを前記サンプル平均値へ置換し、前記注目差が前記第1修正基準範囲内であり、かつ、前記第1修正基準範囲の一部の範囲である予め定められた第2修正基準範囲を超える場合に、前記注目画素のデータを、前記注目画素のデータと前記サンプル平均値との加重平均値へ置換する、請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記サンプリング部は、前記対象ラインに沿う前記注目画素および前記隣接画素のペアからなる3画素のデータの相互間の差の全てが予め定められた第3選択基準範囲内であること、または、前記対象ラインに直交する他の前記参照ラインに沿う前記注目画素および他の前記隣接画素のペアからなる3画素のデータの相互間の差の全てが予め定められた第4選択基準範囲外であること、をさらに必要条件として、前記対象ラインに沿う前記隣接画素のペアを前記サンプル画素として選択する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
原稿から画像を読み取り、読取画像を表す画像データを出力する原稿読取装置と、
前記原稿読取装置が出力する前記画像データを前記対象画像データとして処理する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像処理装置と、を備える画像読取装置。
【請求項6】
二次元の対象画像データにおけるノイズを含む画素のデータを修正する画像処理方法であって、
前記対象画像データから1つの注目画素および前記注目画素に隣接する8つの隣接画素からなる3行3列の対象画素群のデータを順次選択することと、
前記対象画素群のデータごとに、前記8つの隣接画素から予め定められたルールに従ってサンプル画素を選択することと、
前記対象画素群のデータごとに、前記サンプル画素のデータの平均値であるサンプル平均値を算出することと、
前記対象画素群のデータごとに、前記注目画素のデータと前記サンプル平均値との差である注目差が予め定められた修正基準範囲を超えることを必要条件として、前記注目画素のデータを前記サンプル平均値に基づく修正値へ置換することと、を含み、
前記サンプル画素の選択において、それぞれ前記注目画素を通り行方向、列方向、および前記行方向と前記列方向とに交差する2つの斜め方向に沿う4つの参照ラインそれぞれを対象ラインとして選択し、前記対象ラインに沿って前記注目画素に隣接する前記隣接画素のペアのデータの差が予め定められた第1選択基準範囲内であり、かつ、前記対象ラインに対する両側のエリアのうち少なくとも一方のエリアに存在する3つの前記隣接画素のデータの相互間の差の全てが予め定められた第2選択基準範囲内であることを必要条件として、前記隣接画素のペアを前記サンプル画素として選択する、画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データにおけるノイズを含む画素データを修正する画像処理装置、それを備える画像読取装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像読取装置は、イメージセンサーと、前記イメージセンサーから出力される画像信号を二次元の画像データへ変換するAFE(Analog Front End)とを備える。さらに、前記画像読取装置は、前記画像信号の伝送ラインまたは前記AFEへの電気的なノイズ源となり得るモーター駆動回路およびDCDCコンバータ回路なども備える。
【0003】
従って、前記画像データにおける複数の画素データの一部がノイズを含む場合がある。ノイズを含む前記画素データは、画像において余計な点状の画像または画像欠陥として現れる。
【0004】
また、画像処理装置が、前記画像データにおける注目画素のデータと周辺画素のデータとの差に応じて混合比を設定し、前記注目画素のデータを、前記注目画素のデータと前記周辺画素のデータの平均値とを前記混合比を用いて混合した値へ修正することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−100913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記画像データにおける前記注目画素のデータが、常に全ての周辺画素のデータの平均値を用いて修正される場合、画像のエッジ部または細線部などのように画像濃度が急変する部分が、画素データの平滑化によってボケ画像になるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、画像データにおける画像濃度が急変する部分の画質劣化を回避しつつノイズを含む画素データを修正可能な画像処理装置、それを含む画像読取装置および画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る画像処理装置は、二次元の対象画像データにおけるノイズを含む画素のデータを修正する装置である。前記画像処理装置は、対象選択部と、サンプリング部と、平均処理部と、データ修正部と、を備える。前記対象選択部は、前記対象画像データから1つの注目画素および前記注目画素に隣接する8つの隣接画素からなる3行3列の対象画素群のデータを順次選択する。前記サンプリング部は、前記対象画素群のデータごとに、前記8つの隣接画素から予め定められたルールに従ってサンプル画素を選択する。前記平均処理部は、前記対象画素群のデータごとに、前記サンプル画素のデータの平均値であるサンプル平均値を算出する。前記データ修正部は、前記対象画素群のデータごとに、前記注目画素のデータと前記サンプル平均値との差である注目差が予め定められた修正基準範囲を超えることを必要条件として、前記注目画素のデータを前記サンプル平均値に基づく修正値へ置換する。前記サンプリング部は、それぞれ前記注目画素を通り行方向、列方向、および前記行方向と前記列方向とに交差する2つの斜め方向に沿う4つの参照ラインそれぞれを対象ラインとして選択する。さらに、前記サンプリング部は、前記対象ラインに沿って前記注目画素に隣接する前記隣接画素のペアのデータの差が予め定められた第1選択基準範囲内であり、かつ、前記対象ラインに対する両側のエリアのうち少なくとも一方のエリアに存在する3つの前記隣接画素のデータの相互間の差の全てが予め定められた第2選択基準範囲内であることを必要条件として、前記隣接画素のペアを前記サンプル画素として選択する。
【0009】
本発明の他の局面に係る画像読取装置は、原稿から画像を読み取り、読取画像を表す画像データを出力する原稿読取装置と、前記原稿読取装置が出力する前記画像データを前記対象画像データとして処理する前記画像処理装置と、を備える。
【0010】
本発明の他の局面に係る画像処理方法は、二次元の対象画像データにおけるノイズを含む画素のデータを修正する方法である。前記画像処理方法は、前記対象画像データから1つの注目画素および前記注目画素に隣接する8つの隣接画素からなる3行3列の対象画素群のデータを順次選択することを含む。さらに、前記画像処理方法は、前記対象画素群のデータごとに、前記8つの隣接画素から予め定められたルールに従ってサンプル画素を選択することを含む。さらに、前記画像処理方法は、前記対象画素群のデータごとに、前記サンプル画素のデータの平均値であるサンプル平均値を算出することを含む。さらに、前記画像処理方法は、前記対象画素群のデータごとに、前記注目画素のデータと前記サンプル平均値との差である注目差が予め定められた修正基準範囲を超えることを必要条件として、前記注目画素のデータを前記サンプル平均値に基づく修正値へ置換することを含む。さらに、前記画像処理方法は、前記サンプル画素の選択において、それぞれ前記注目画素を通り行方向、列方向、および前記行方向と前記列方向とに交差する2つの斜め方向に沿う4つの参照ラインそれぞれを対象ラインとして選択し、前記対象ラインに沿って前記注目画素に隣接する前記隣接画素のペアのデータの差が予め定められた第1選択基準範囲内であり、かつ、前記対象ラインに対する両側のエリアのうち少なくとも一方のエリアに存在する3つの前記隣接画素のデータの相互間の差の全てが予め定められた第2選択基準範囲内であることを必要条件として、前記隣接画素のペアを前記サンプル画素として選択することを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像データにおける画像濃度が急変する部分の画質劣化を回避しつつノイズを含む画素データを修正可能な画像処理装置、それを含む画像読取装置および画像処理方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態に係る画像読取装置の構成図である。
図2図2は、実施形態に係る画像読取装置におけるデータ処理装置のブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る画像読取装置における画像ノイズ除去処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態に係る画像読取装置が画像データにおける複数の画素から選択する対象画素群を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
[画像読取装置10の構成]
実施形態に係る画像読取装置10は、原稿9から画像を読み取る読取処理を実行する。画像読取装置10は、原稿走査装置1、原稿台カバー2、制御装置8および操作表示装置80を備える。
【0015】
さらに、画像読取装置10は、原稿台カバー2に組み込まれたADF(Automatic Document Feeder)3を備える。ADF3は、供給トレイ31に載置された複数の原稿9を原稿搬送路30に沿って1枚ずつ自動的に搬送する。
【0016】
原稿走査装置1は、透明の原稿台11、発光部12、走査機構13、複数のミラー14、レンズ15およびイメージセンサー16などを備える。
【0017】
画像読取装置10は、原稿台11上の原稿9、または、ADF3によって搬送される原稿9について前記読取処理を実行可能である。発光部12は、原稿台11上の原稿9、または、ADF3によって搬送される原稿9に光を照射する。
【0018】
複数のミラー14は、原稿9で反射した光をイメージセンサー16へ導く。レンズ15は、複数のミラー14によってイメージセンサー16へ導かれる光を、イメージセンサー16の受光部に集光する。
【0019】
原稿台11上の原稿9についての前記読取処理が実行される場合、走査機構13が、原稿台11に沿って発光部12および複数のミラー14を移動させる。
【0020】
イメージセンサー16は、原稿9で反射した光の光量を検出し、光量の検出信号であるアナログの画像信号A0を出力する。画像信号A0は、原稿9からの読取画像を表す。図1に示されるイメージセンサー16は、CCDセンサーである。
【0021】
操作表示装置80は、ユーザーの操作を受け付ける操作装置と、情報を表示する表示装置とを含む。
【0022】
制御装置8は、操作表示装置80を通じて入力される情報および各種センサーの検出結果に基づいて、各種のデータ処理を実行するとともに、画像読取装置10が備える各種の機器を制御する。さらに、制御装置8は、イメージセンサー16から出力される画像信号A0に対する各種の信号処理も実行する。
【0023】
図2に示されるように、制御装置8は、AFE81、画像処理装置82、CPU(Central Processing Unit)83、RAM(Random Access Memory)84および二次記憶装置85などを備える。
【0024】
AFE81は、画像信号A0をデジタルの原画像データD0へ変換する。より具体的には、AFE81は、予め調整される調整信号Sa0のレベルに応じて画像信号A0にオフセット調整を施し、さらにそのオフセット調整が施された信号を増幅する。さらに、AFE81は、増幅された信号をデジタル変換することによって二次元の原画像データD0を生成する。
【0025】
なお、イメージセンサー16は、原稿9における行方向の1ライン分の画像信号A0を順次出力する。AFE81は、それぞれ1ライン分の画素データを含む複数のライン画像データを順次出力することにより、二次元の原画像データD0を出力する。
【0026】
原稿走査装置1およびAFE81は、原稿9から画像を読み取り、読取画像を表す二次元の画像データを出力する原稿読取装置の一例である。
【0027】
本実施形態において、イメージセンサー16は、原稿9からカラー画像を読み取るカラーイメージセンサーである。そのため、イメージセンサー16は、それぞれ異なる3色の成分の画像を表す3つの単色画像信号AR0,AG0,AB0を画像信号A0として出力する。即ち、画像信号A0は、赤画像信号AR0、緑画像信号AG0および青画像信号AB0を含む。
【0028】
また、AFE81は、3つの単色画像信号AR0,AG0,AB0を3つの単色画像データDR0,DG0,DB0へ変換する。即ち、原画像データD0は、赤画像データDR0、緑画像データDG0および青画像データDB0を含む。3つの単色画像データDR0,DG0,DB0は、同一画像におけるそれぞれ異なる3色の成分の画像を表す。
【0029】
画像処理装置82は、原画像データD0に対して各種のデータ処理を施す。画像処理装置82は、例えばDSP(Digital Signal Processor)またはMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサーによって実現される。
【0030】
画像処理装置82は、プログラムを実行することによってノイズ除去部82a、調整部82bおよび主画像処理部82cとして動作する。換言すれば、画像処理装置82は、ノイズ除去部82a、調整部82bおよび主画像処理部82cを含む。
【0031】
ノイズ除去部82aは、原画像データD0におけるノイズを含む画素のデータを修正する画像ノイズ除去処理を実行する。原画像データD0における赤画像データDR0、緑画像データDG0および青画像データDB0は、それぞれノイズを含む画素のデータの修正の対象となる対象画像データの一例である。
【0032】
即ち、画像処理装置82のノイズ除去部82aは、前記原稿読取装置が出力する赤画像データDR0、緑画像データDG0および青画像データDB0のそれぞれを前記対象画像データとして処理する。
【0033】
以下、前記画像ノイズ除去処理が原画像データD0に施されることにより得られ画像データを一次画像データD1と称する。一次画像データD1は、前記画像ノイズ除去処理を経た赤画像データDR1、緑画像データDG1および青画像データDB1を含む。
【0034】
調整部82bは、発光部12が消灯しているときに得られる一次画像データD1の代表値に応じて調整信号Sa0のレベルを調整する。調整部82bは、調整後の調整信号Sa0をAFE81へ供給する。主画像処理部82cは、一次画像データD1に対する各種の補正処理およびその他の画像処理を実行する。
【0035】
なお、画像処理装置82の一部または全部が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはその他のハードウェア回路によって実現されることも考えられる。
【0036】
CPU83は、予め二次記憶装置85に記憶されたプログラムを実行することにより、画像読取装置10が備える機器を制御する。例えば、CPU83は、AFE81、発光部12、イメージセンサー16および画像処理装置82などに対し、それぞれの処理を開始させる制御信号を出力する。
【0037】
二次記憶装置85は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。二次記憶装置85は、プログラムおよび各種のデータを記憶可能である。例えば、フラッシュメモリーまたはハードディスクドライブの一方または両方が、二次記憶装置85として採用される。
【0038】
RAM84は、CPU83が実行するプログラムおよびCPU83が前記プログラムを実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する揮発性の記憶装置である。
【0039】
画像読取装置10は、不図示のモーター駆動回路およびDCDCコンバータ回路なども備える。前記モーター駆動回路および前記DCDCコンバータ回路などの高周波回路は、画像信号A0の伝送ラインまたはAFE81への電気的なノイズ源となり得る。
【0040】
従って、原画像データD0における複数の画素データの一部がノイズを含む場合がある。ノイズを含む前記画素データは、画像において余計な点状の画像または画像欠陥として現れる。
【0041】
以下の説明において、赤画像データDR0、緑画像データDG0および青画像データDB0のそれぞれにおける複数の画素から随時選択される1つの画素のことを注目画素P22と称する(図4参照)。
【0042】
ところで、原画像データD0における注目画素P22のデータが、常に全ての周辺画素のデータの平均値を用いて修正されることが考えられる。この場合、画像のエッジ部または細線部などのように画像濃度が急変する部分が、画素データの平滑化によってボケ画像になるおそれがある。なお、前記周辺画素は、注目画素P22の周辺の予め定められた範囲に位置する画素である。
【0043】
一方、画像読取装置10において、画像処理装置82のノイズ除去部82aは、原画像データD0に対して後述する画像ノイズ除去処理を実行する。これにより、ノイズ除去部82aは、原画像データD0における画像濃度が急変する部分の画質劣化を回避しつつノイズを含む画素データを修正可能である。
【0044】
以下の説明において、赤画像データDR0、緑画像データDG0および青画像データDB0のそれぞれにおける注目画素P22に隣接する8つの画素のことを隣接画素と称する。図4において、8つの画素P11,P12,P13,P21,P23,P31,P32,P33が前記隣接画素である。
【0045】
さらに、図4に示されるように、1つの注目画素P22および注目画素P22に隣接する8つの前記隣接画素からなる3行3列の画素群のことを、対象画素群P0と称する。対象画素群P0は、赤画像データDR0、緑画像データDG0および青画像データDB0のそれぞれにおける複数の画素から随時選択される。
【0046】
さらに、図4に示されるように、対象画素群P0において、注目画素P22を通り行方向、列方向、および前記行方向と前記列方向とに交差する2つの斜め方向に沿う4つのラインのことを参照ラインRL1〜RL4と称する。
【0047】
4つの参照ラインRL1〜RL4は、前記行方向に沿う第1参照ラインRL1と、前記列方向に沿う第2参照ラインRL2と、前記2つの斜め方向の一方に沿う第3参照ラインRL3と、前記2つの斜め方向の他方に沿う第4参照ラインRL4とを含む。
【0048】
第1参照ラインRL1と第2参照ラインRL2とが注目画素P22において直交し、第3参照ラインRL3と第4参照ラインRL4とが注目画素P22において直交している。
【0049】
[画像ノイズ除去処理]
以下、図3に示されるフローチャートを参照しつつ、前記画像ノイズ除去処理の手順の一例について説明する。
【0050】
ノイズ除去部82aは、赤画像データDR0、緑画像データDG0および青画像データDB0のそれぞれについて、図3に示される前記画像ノイズ除去処理を実行する。
【0051】
以下の説明において、前記画像ノイズ除去処理の対象となる赤画像データDR0、緑画像データDG0および青画像データDB0のそれぞれのことを対象画像データと称する。
【0052】
以下の説明において、S1,S2,…は、前記画像ノイズ除去処理における複数の工程の識別符号を表す。
【0053】
<工程S1>
前記画像ノイズ除去処理において、まず、ノイズ除去部82aは、前記対象画像データにおける複数の画素から注目画素P22を含む対象画素群P0のデータを選択する。
【0054】
ノイズ除去部82aは、工程S1の処理を実行するごとに、前記対象画像データから1つの注目画素P22および注目画素P22に隣接する8つの前記隣接画素からなる3行3列の対象画素群P0のデータを順次選択する。
【0055】
工程S1の処理により、前記対象画像データにおいて画像領域の縁を成す画素のデータを除く残りの画素データの全てが注目画素P22のデータとして選択される。工程S1の処理を実行するノイズ除去部82aは対象選択部の一例である。
【0056】
<工程S2>
次に、ノイズ除去部82aは、4つの参照ラインRL1〜RL4の1つを対象ラインとして選択する。以下の説明において、前記対象ラインに沿って注目画素P22に隣接する2つの前記隣接画素のことを前記隣接画素のペアと称する。ノイズ除去部82aは、工程S2の処理を実行するごとに、4つの参照ラインRL1〜RL4それぞれを前記対象ラインとして選択する。
【0057】
<工程S3>
次に、ノイズ除去部82aは、予め定められた選択条件が成立するか否かを判定する。前記選択条件は、前記対象ラインに沿って注目画素P22に隣接する前記隣接画素のペアをサンプル画素として選択するか否かを判定する条件である。前記サンプル画素は、後述するサンプル平均処理の対象とされる画素である。
【0058】
前記選択条件は、以下に示される第1選択条件および第2選択条件の両方が成立する、という条件である。即ち、前記選択条件は、前記第1選択条件および前記第2選択条件の両方を必要条件とする。
【0059】
前記第1選択条件は、前記隣接画素のペアのデータの差が予め定められた第1選択基準範囲内である、という条件である。
【0060】
例えば、前記第1選択条件は、前記隣接画素のペアのデータの差の絶対値が予め定められた第1選択しきい値を超えない、という条件である。前記第1選択しきい値は正の値である。
【0061】
前記第2選択条件は、前記対象ラインに対する両側のエリアのうち少なくとも一方のエリアに存在する3つの前記隣接画素のデータの相互間の差の全てが予め定められた第2選択基準範囲内である、という条件である。
【0062】
例えば、前記第2選択条件は、前記対象ラインの両側のエリアのうち少なくとも一方のエリアに存在する3つの前記隣接画素のデータの相互間の差の絶対値の全てが予め定められた第2選択しきい値を超えない、という条件である。前記第2選択しきい値は正の値である。なお、3つの前記隣接画素のデータの相互間の差の絶対値は、3つの前記隣接画素の組合せに対応する3つの値である。
【0063】
なお、前記第1選択基準範囲と前記第2選択基準範囲とが同じ範囲であってもよい。即ち、前記第1選択しきい値と前記第2選択しきい値とが同じ値であってもよい。
【0064】
図4に示されるように、前記対象ラインが第1参照ラインRL1である場合、前記対象ラインに対する両側のエリアのうちの一方のエリアに3つの前記隣接画素P11,P12,P13が存在し、他方のエリアに3つの前記隣接画素P31,P32,P33が存在する。
【0065】
同様に、前記対象ラインが第2参照ラインRL2である場合、前記対象ラインに対する両側のエリアのうちの一方のエリアに3つの前記隣接画素P11,P21,P31が存在し、他方のエリアに3つの前記隣接画素P13,P23,P33が存在する。
【0066】
同様に、前記対象ラインが第3参照ラインRL3である場合、前記対象ラインに対する両側のエリアのうちの一方のエリアに3つの前記隣接画素P12,P13,P23が存在し、他方のエリアに3つの前記隣接画素P21,P31,P32が存在する。
【0067】
同様に、前記対象ラインが第4参照ラインRL4である場合、前記対象ラインに対する両側のエリアのうちの一方のエリアに3つの前記隣接画素P11,P12,P21が存在し、他方のエリアに3つの前記隣接画素P23,P32,P33が存在する。
【0068】
また、例えば前記対象ラインが第1参照ラインRL1である場合、前記第2選択条件は、前記隣接画素P11およびP12のデータの差,前記隣接画素P11およびP13のデータの差、および前記隣接画素P12およびP13のデータの差の全てが、前記第2選択基準範囲内である、または、前記隣接画素P31およびP32のデータの差,前記隣接画素P31およびP33のデータの差、および前記隣接画素P32およびP33のデータの差の全てが、前記第2選択基準範囲内である、という条件である。
【0069】
そして、ノイズ除去部82aは、前記選択条件が成立すると判定する場合、処理を工程S4へ移行させ、そうでない場合に処理を工程S5へ移行させる。
【0070】
<工程S4>
工程S4において、ノイズ除去部82aは、前記対象ラインに対応する前記隣接画素のペアを前記サンプル画素として選択する。その後、ノイズ除去部82aは、処理を工程S5へ移行させる。
【0071】
<工程S5>
工程S5において、ノイズ除去部82aは、工程S2の処理によって4つの参照ラインRL1〜RL4の全てが前記対象ラインとして選択された場合には処理を工程S6へ移行させ、そうでない場合には処理を工程S2へ移行させる。
【0072】
工程S2〜S5において、ノイズ除去部82aは、工程S1で選択される対象画素群P0のデータごとに、8つの前記隣接画素から予め定められたルールに従って前記サンプル画素を選択する。工程S2〜S5の処理を実行するノイズ除去部82aはサンプリング部の一例である。
【0073】
なお、前記予め定められたルールは、前記サンプリング条件の成否に応じて前記サンプル画素を選択するルールである。
【0074】
工程S1〜S5の処理により、4つの参照ラインRL1〜RL4の全てに対応する前記隣接画素のペアが、前記サンプル画素として選択されるか否かについて判定される。
【0075】
<工程S6>
工程S6において、ノイズ除去部82aは、対象画素群P0のデータごとに、前記サンプル平均処理を実行する。
【0076】
前記サンプル平均処理は、前記サンプル画素のデータの平均値を算出する処理である。以下、工程S6で算出される前記平均値のことをサンプル平均値と称する。なお、工程S6の処理を実行するノイズ除去部82aは平均処理部の一例である。
【0077】
<工程S7>
次に、ノイズ除去部82aは、対象画素群P0のデータごとに、予め定められた修正条件が成立するか否かを判定する。前記修正条件は、少なくとも以下に示される基準修正条件の成立を必要条件とする。
【0078】
前記基準修正条件は、注目画素P22のデータと前記サンプル平均値との差が予め定められた修正基準範囲を超える、という条件である。
【0079】
例えば、前記基準修正条件が、注目画素P22のデータと前記サンプル平均値との差の絶対値が予め定められた修正基準値を超える、という条件であることが考えられる。前記修正基準値は正の値である。
【0080】
そして、ノイズ除去部82aは、前記修正条件が成立すると判定する場合、処理を工程S8へ移行させ、そうでない場合に処理を工程S9へ移行させる。
【0081】
<工程S8>
工程S8において、ノイズ除去部82aは、対象画素群P0のデータごとに、注目画素P22のデータを前記サンプル平均値に基づく修正値へ置換する。
【0082】
本実施形態において、前記修正値は、前記サンプル平均値である。そして、ノイズ除去部82aは、処理を工程S9へ移行させる。
【0083】
<工程S9>
工程S9において、ノイズ除去部82aは、工程S1の処理によって前記対象画像データから選択可能な全ての対象画素群P0のデータが選択された場合には前記画像ノイズ除去処理を終了させ、そうでない場合には処理を工程S1へ移行させる。
【0084】
以上に示されるように、ノイズ除去部82aは、工程S7,S8において、対象画素群P0のデータごとに、注目画素P22のデータと前記サンプル平均値との差が前記修正基準範囲を超えることを必要条件として、注目画素P22のデータを前記サンプル平均値に基づく前記修正値へ置換する。
【0085】
なお、工程S7,S8の処理を実行するノイズ除去部82aはデータ修正部の一例である。
【0086】
8つの前記隣接画素のデータが、画像のエッジ部または細線部などのように画像濃度が急変する部分のデータを含む場合がある。この場合、前記画像ノイズ除去処理の工程S2〜S4において、前記画像濃度が急変する部分に相当する前記隣接画素のデータは、前記サンプル画素から除外される。
【0087】
従って、注目画素P22が、前記画像濃度が急変する部分に相当する前記隣接画素のデータが前記サンプル平均値に反映されることに起因する中途半端な画素値に修正されることは回避される。
【0088】
即ち、画像処理装置82が採用されることにより、前記対象画像データにおける前記画像濃度が急変する部分の画質劣化を回避しつつノイズを含む画素データを修正することが可能になる。
【0089】
[第1応用例]
以下、画像読取装置10に適用可能な画像処理装置82の第1応用例について説明する。
【0090】
イメージセンサー16が前記CCDセンサーである場合、3つの単色画像信号AR0,AG0,AB0における同じ画素の信号は、同時に検出される。この場合、前記モーター駆動回路または前記DCDCコンバータ回路などの高周波回路に起因するノイズは、3つの単色画像信号AR0,AG0,AB0における同じ画素の信号に対して同じ方向に加わる。
【0091】
即ち、イメージセンサー16が前記CCDセンサーである場合、前記ノイズは、3つの単色画像データDR0,DG0,DB0における同じ画素のデータにおいて同じ方向に生じる。なお、前記同じ方向は、画素データが真の値よりも増大する方向または減少する方向を意味する。
【0092】
従って、図3の工程S7における前記修正条件が、3つの単色画像データDR0,DG0,DB0における同じ注目画素P22のデータが同じ傾向を示すことをさらに必要条件として含めば、より誤りの少ないデータ修正が可能になる。
【0093】
本応用例において、ノイズ除去部82aは、図3の工程S7において、前記基準修正条件および以下に示される補助修正条件の両方をさらに必要条件とする前記修正条件が成立するか否かを判定する。
【0094】
以下の説明において、対象画素群P0のデータにおける注目画素P22のデータと前記サンプル平均値との差のことを注目差と称する。
【0095】
前記補助修正条件は、前記対象画像データにおける前記注目差と、他の2色の成分の前記単色画像データにおける対応する対象画素群P0のデータの前記注目差とが、正負が同じである、または、予め定められた同一範囲内である、という条件である。2つの前記注目差が前記同一範囲内であることは、2つの前記注目差がともに0であることを含む。さらに、2つの前記注目差が前記同一範囲内であることは、2つの前記注目差の一方が0に近似する負の値であり、他方が0に近似する正の値であることも含む。
【0096】
即ち、本応用例のノイズ除去部82aは、対象画素群P0のデータごとに、前記注目差と他の2色の成分の前記単色画像データにおける対応する前記対象画素群のデータの前記注目差とが、正負が同じである、または、予め定められた前記同一範囲内であることをさらに必要条件として、前記対象画像データにおける注目画素P22のデータを前記サンプル平均値に基づく修正値へ置換する。
【0097】
なお、赤画像データDR0が前記対象画像データである場合、他の2色の成分の前記単色画像データは、緑画像データDG0および青画像データDB0である。同様に、緑画像データDG0が前記対象画像データである場合、他の2色の成分の前記単色画像データは、赤画像データDR0および青画像データDB0である。同様に、青画像データDB0が前記対象画像データである場合、他の2色の成分の前記単色画像データは、赤画像データDR0および緑画像データDG0である。
【0098】
本応用例が採用される場合も、前述の実施形態が採用される場合と同様の効果が得られる。
【0099】
[第2応用例]
以下、画像読取装置10に適用可能な画像処理装置82の第2応用例について説明する。
【0100】
本応用例のノイズ除去部82aは、図3の工程S7において、前記修正条件を2段階で判定する。さらに、本応用例のノイズ除去部82aは、図3の工程S8において、前記修正条件の判定結果に応じて、注目画素P22のデータを2種類の方法で修正する。
【0101】
具体的には、ノイズ除去部82aは、図3の工程S7において、前記注目差が第1要修正状態であるか否か、および、前記注目差が第2要修正状態であるか否かを判定する。
【0102】
前記第1要修正状態は、前記注目差が予め定められた第1修正基準範囲を超える状態である。また、前記第2要修正状態は、前記注目差が前記第1修正基準範囲内であり、かつ、予め定められた第2修正基準範囲を超える状態である。前記第2修正基準範囲は、前記第1修正基準範囲の一部の範囲である。
【0103】
前記第1要修正状態は、注目画素P22が前記高周波回路に起因する比較的大きなノイズを含むことが検出される状態である。一方、前記第2要修正状態は、注目画素P22がイメージセンサー16の固有特性に起因する比較的小さなノイズを含むことが検出される状態である。
【0104】
例えば、ノイズ除去部82aは、前記注目差の絶対値が予め定められた第1修正基準値を超える場合に、前記注目差が前記第1要修正状態であると判定する。
【0105】
また、ノイズ除去部82aは、前記注目差の絶対値が、前記第1修正基準値以下であり、かつ、前記第1修正基準値よりも小さい予め定められた第2修正基準値を超える場合に、前記注目差が前記第2要修正状態であると判定する。
【0106】
そして、前記注目差が前記第1要修正状態であると判定される場合、ノイズ除去部82aは、図3の工程S8において、前記注目画素のデータを前記サンプル平均値へ置換する。この場合、前記サンプル平均値が前記修正値である。
【0107】
一方、前記注目差が前記第2要修正状態であると判定される場合、ノイズ除去部82aは、図3の工程S8において、前記注目画素のデータを、前記注目画素のデータと前記サンプル平均値との加重平均値へ置換する。この場合、前記荷重平均値が前記修正値である。
【0108】
なお、前記注目画素のデータおよび前記サンプル平均値の重み係数は、予め定められる値である。
【0109】
本応用例が採用される場合も、前述の実施形態が採用される場合と同様の効果が得られる。さらに、本応用例によれば、イメージセンサー16の固有特性に起因するランダムノイズまたはショットノイズなどの比較的小さなノイズを含む画素データが、適切に修正される。
【0110】
[第3応用例]
以下、画像読取装置10に適用可能な画像処理装置82の第3応用例について説明する。
【0111】
本応用例において、ノイズ除去部82aは、図3の工程S3において、前記第1選択条件、前記第2選択条件および以下に示される第3選択条件の全てが成立するか否かを判定することにより、前記選択条件が成立するか否かを判定する。
【0112】
前記第3選択条件は、以下に示される第1補助選択条件または第2補助選択条件が成立するという条件である。
【0113】
前記第1補助選択条件は、前記対象ラインに沿う注目画素P22および前記隣接画素のペアからなる3画素のデータの相互間の差の全てが予め定められた第3選択基準範囲内である、という条件である。
【0114】
例えば、第3参照ラインRL3が前記対象ラインである場合、前記第1補助選択条件は、第3参照ラインRL3に沿う注目画素P22および2つの隣接画素P11,P33からなる3画素のデータの相互間の差の全てが前記第3選択基準範囲内である、という条件である。
【0115】
前記第2補助選択条件は、前記対象ラインに直交する他の前記参照ラインに沿う注目画素P22および他の前記隣接画素のペアからなる3画素のデータの相互間の差の全てが予め定められた第4選択基準範囲外である、という条件である。
【0116】
例えば、第3参照ラインRL3が前記対象ラインである場合、前記第2補助選択条件は、第3参照ラインRL3に直行する第4参照ラインRL4に沿う注目画素P22および2つの隣接画素P13,P31からなる3画素のデータの相互間の差の全てが前記第4選択基準範囲外である、という条件である。
【0117】
なお、前記第1補助選択条件および前記第2補助選択条件も、前記第1選択条件および前記第2選択条件で示された例と同様に、差の絶対値と1つのしきい値とを比較する条件であることが考えられる。
【0118】
本応用例が採用される場合も、前述の実施形態が採用される場合と同様の効果が得られる。
【0119】
[第4応用例]
画像読取装置10において、発光部12、レンズ15およびイメージセンサー16が、CIS(Contact Image Sensor)に置き換えられることも考えられる。この場合、前記CISが走査機構13によって移動可能に支持される。
【符号の説明】
【0120】
1 :原稿走査装置
2 :原稿台カバー
8 :制御装置
9 :原稿
10 :画像読取装置
11 :原稿台
12 :発光部
13 :走査機構
14 :ミラー
15 :レンズ
16 :イメージセンサー
30 :原稿搬送路
31 :供給トレイ
80 :操作表示装置
82 :画像処理装置
82a :ノイズ除去部
82b :調整部
82c :主画像処理部
83 :CPU
84 :RAM
85 :二次記憶装置
A0 :画像信号
AR0,AG0,AB0:単色画像信号
D0 :原画像データ
D1 :一次画像データ
DR0,DG0,DB0:単色画像データ(対象画像データ)
DR1 :赤画像データ
P0 :対象画素群
P22 :注目画素
RL1 :第1参照ライン
RL2 :第2参照ライン
RL3 :第3参照ライン
RL4 :第4参照ライン
図1
図2
図3
図4