(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第三の変動パターンのうち少なくとも一つは、前記変動パターン導出手段によって導出され得る変動パターンの中で最も大当り期待度が高い予告演出に対応する変動パターンである請求項1に記載の遊技機。
前記第三の変動パターンのうち少なくとも一つは、前記変動パターン導出手段によって導出され得る変動パターンの中で最も導出される割合が高い変動パターンである請求項1又は2に記載の遊技機。
低確率状態又は前記低確率状態よりも大当りに当選し易い高確率状態のいずれか一方に制御し、且つ、入賞困難状態又は前記入賞困難状態よりも始動口への遊技球の入賞が容易となる入賞容易状態のいずれか一方に制御する遊技状態制御手段を備え、
前記第三の変動パターンのうち少なくとも一つは、前記低確率状態且つ前記入賞困難状態に制御された図柄変動において導出されない変動パターンであり、且つ、前記高確率状態及び前記入賞容易状態のうち一方又は両方に制御された図柄変動において、導出され得る変動パターンである請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
なお、以降の説明における「有利」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出上の特典を除き、賞球の獲得量(遊技球の払い出し)に関して有利であることを指す。
【0011】
<概要>
本実施形態に係る遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態の特徴の概要を説明する。
本実施形態に係る遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、特徴的な構成として、変動パターン導出手段と、保留制御手段と、事前判定手段と、演出制御手段と、を少なくとも備える。
【0012】
変動パターン導出手段は、図柄変動の変動パターンを、複数とおりの変動パターンから導出する。本実施形態においては、変動パターンとは後述する特図変動パターンのことであり、変動パターン導出手段は特図変動パターン導出手段143によって実現される(
図6参照)。
【0013】
保留制御手段は、始動口の入賞を契機として取得される乱数を作動保留情報として保留する。本実施形態においては、保留制御手段はメイン保留制御手段120によって実現される(
図6参照)。
【0014】
事前判定手段は、保留された作動保留情報を読み出して、該作動保留情報に係る乱数が用いられる図柄変動である対象変動において変動パターン導出手段によって導出される図柄変動の変動パターンを事前に判定する事前判定を行う。本実施形態においては、事前判定手段は事前判定手段130によって実現される(
図6参照)。
【0015】
演出制御手段は、事前判定手段による判定の結果に基づいて対象変動より前に開始される先読み演出を決定する。本実施形態においては、演出制御手段は通常演出制御手段220(特に先読み演出制御手段223)によって実現される(
図6参照)。
【0016】
変動パターン導出手段によって導出可能な変動パターンには、互いに対応付けられている第一の変動パターン及び第二の変動パターン、並びに、第一の変動パターン及び第二の変動パターンの双方に対応付けられていない第三の変動パターンが含まれている。
ここで、第一の変動パターンに対して定められている第一の変動時間と第二の変動パターンに対して定められている第二の変動時間との差分は、第三の変動パターンに対して定められている第三の変動時間と第一の変動時間との差分よりも小さく、且つ、第三の変動時間と第二の変動時間との差分よりも小さい。
【0017】
「互いに対応付けられている変動パターン」とは、処理装置(例えば、CPU101)の処理上、相互の対応関係が処理装置にとって認識可能なデータ構成でメモリ(例えば、ROM102)に格納されている変動パターンである。
本実施形態に即してより具体的に言えば、「互いに対応付けられている変動パターン」とは、演出制御上の決定処理において差し替え判定手段(詳細は後述)によって変動パターンを差し替えて演出内容を決定する旨が判定された場合に、差し替え可能に対応付けられている変動パターンをいう(
図14参照)。このとき、一方から他方に差し替え可能(第一の変動パターンから第二の変動パターンに差し替え可能)であれば足り、必ずしも双方向に差し替え可能(第一の変動パターンから第二の変動パターンに差し替え可能、且つ、第二の変動パターンから第一の変動パターンに差し替え可能)である必要はない。また、「互いに対応付けられている変動パターン」は、必ずしも一対一の対応関係である必要はなく、一対複数の対応関係又は複数対複数の対応関係であってもよい。
【0018】
「双方に対応付けられていない変動パターン」とは、第一の変動パターン及び第二の変動パターンのいずれにも該当し得ない変動パターンと言い換えることができる。
本実施形態に即してより具体的に言えば、「双方に対応付けられていない変動パターン」とは、演出制御上の決定処理において差し替え判定手段(詳細は後述)によって変動パターンを差し替えて演出内容を決定する旨が判定された場合に、差し替え判定の対象にならない変動パターンをいう。
【0019】
演出制御手段は、事前判定手段によって第一の変動パターンが判定されると、該第一の変動パターンに基づいて先読み演出を決定する第一の場合と、事前判定手段によって第一の変動パターンが判定されると、該第一の変動パターンから差し替えた第二の変動パターンに基づいて先読み演出を決定する第二の場合と、事前判定手段によって第一の変動パターンが判定されると、該第一の変動パターンから差し替えた第三の変動パターンに基づいて先読み演出を決定する第三の場合と、を比べると、第二の場合が第一の場合より少なく、且つ、第三の場合が無いことを特徴とする。
即ち、演出制限手段は、原則として導出された変動パターンに基づいて先読み演出を決定するが(第一の場合)、例外的に導出された変動パターンを差し替えて先読み演出を決定することがあるものの(第二の場合)、差し替え対象とならない変動パターン(第三の変動パターン)も存在すること(全ての変動パターンが差し替え可能ではないこと)を特徴とする。
【0020】
本発明に係る遊技機(演出制御手段)は、上記の特徴を有しているので、図柄変動の結果報知(図柄停止)まで大当り当選の期待感又ははずれとなる不安感を持続させることができ、図柄停止時に喚起される遊技者の興趣を高めることができる。
以下、本実施形態に係る遊技機10についてより具体的に説明する。
【0021】
<遊技機10の構造について>
まず、
図1から
図4を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図である。
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す鳥瞰図である。
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
なお、
図1から
図4に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
【0022】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示省略)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを、単に「(入賞口に)入賞する」と表現する場合がある。
【0023】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示省略)と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0024】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0025】
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、玉貸ボタン39a、プリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39b、遊技中に発生する演出を切り替える又は遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる演出ボタン37、及びそれぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)などが含まれる。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0026】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示省略)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
【0027】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ演出ランプ35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や演出ランプ35は、遊技中に発生する演出やエラー演出等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
【0028】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の周囲に配設されているサブ表示部82で構成されている。サブ表示部82は、さらに、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82aと、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部82bと、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部82cと、を含んでいる。
ここで、メイン表示部81は、固定式の液晶装置であり、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cは、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動式の液晶装置である。
【0029】
メイン表示部81は、後述する第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における変動表示に連動して行われる装飾図柄の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される装飾図柄の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。各図柄列における装飾図柄の変動表示の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向又はその逆方向に装飾図柄が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
【0030】
また、メイン表示部81は、保留表示を表示(出力)することができる。保留表示が表示される領域と、装飾図柄が表示される領域とは、離間してもよいし重複してもよい。
ここで、保留表示とは、後述する作動保留情報のそれぞれに対応する表示であり、その形状や色彩等によって対応する作動保留情報に基づいて実行される図柄変動の有利度を示唆する場合がある。また、以下の説明において、保留表示を変化させる演出について「先読み保留変化演出」又は「保留変化演出」と称する場合がある。
メイン表示部81は、実行中の図柄変動(いわゆる当該変動)に対応しており、且つ保留表示に摸した表示を行うことができる。その表示を保留表示と区別して扱う場合には「当該保留表示」と表記し、当該保留表示と保留表示とを区別なく扱う場合には単に「保留表示」と表記される。
【0031】
サブ表示部82のそれぞれは、主として演出に関連する演出画像を表示するだけでなく、移動可能に構成されている。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からメイン表示部81における装飾図柄の表示領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。
【0032】
なお、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82c)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用することができる。
【0033】
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下LEDと称す)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されており、図柄表示装置90には、特別図柄及び普通図柄が表示される。
図柄表示装置90はメイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域はメイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0034】
特別図柄とは、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特
図1」、第2特別図柄は「特
図2」と略称される場合がある。
【0035】
普通図柄とは、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
【0036】
図柄表示装置90には、更に、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96が設けられている。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特
図1の図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特
図2の図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも、2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
【0037】
以下の説明では、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92で特図を変動表示させた後に特図を停止表示させる図柄変動を「特図の図柄変動」と称し、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普図を停止表示させる図柄変動を「普図の図柄変動」と称する場合がある。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される装飾図柄の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味するものとする。
【0038】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示省略)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。
また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0039】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0040】
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、一般入賞口67を図示する。ここで、図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0041】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55には大入賞口センサ72が付設されており、大入賞口センサ72の検知結果によって大入賞口55への入賞が判定されて、大入賞口55への入賞に対して決められた数(本実施形態では、15)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0042】
大入賞口55には特別電動役物65が付設されている。特別電動役物65は、大入賞口55への入賞が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、特別電動役物ソレノイド41により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、特別電動役物65は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して設定される大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への入賞が許容される。このように、特別電動役物65が開放状態である場合には大入賞口55への入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技は有利な遊技状態であると言える。
なお、特別電動役物65は、「アタッカー」と称され、特別電動役物ソレノイド41によって特別電動役物65が開放状態となることを、「アタッカー開放」と称する場合がある。
また、特図当否判定によって小当りが導出されたことに起因する小当り遊技の少なくとも一部においても特別電動役物65が開放状態となるが、上記の大当り遊技と比較して当該開放状態となる時間が短い。そのため、小当り遊技は、大当り遊技よりも有利度の低い遊技状態と言える。
【0043】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57には第1始動口センサ70が付設されており、第1始動口センサ70の検知結果によって第1始動口57への入賞が判定されて、第1始動口57への入賞に対して決められた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図1の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0044】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59には第2始動口センサ71が付設されており、第2始動口センサ71の検知結果によって第2始動口59への入賞が判定されて、第2始動口59への入賞に対して決められた数(本実施形態では、1)の賞球が付与される。
第2始動口59への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図2の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0045】
第2始動口59に繋がる流路には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、普通電動役物ソレノイド40により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、普通電動役物61は、普図の図柄変動で当選して行われる普図当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が容易となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特
図2の図柄変動が実行される機会を大幅に増大し得る。
【0046】
ゲート63は、遊技領域50aの右中央部に配置されている。ゲート63には、ゲートセンサ74が付設されており、ゲートセンサ74の検知結果によってゲート63への入賞が判定される。ゲート63に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、普図の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球がゲート63に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0047】
一般入賞口67は、遊技領域50aの左下部に配置されている。一般入賞口67には、一般入賞口センサ73が付設されており、一般入賞口センサ73の検知結果によって一般入賞口67への入賞が判定されて、一般入賞口67への入賞に対して決められた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されているが、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されるようにしてもよい。また、一般入賞口67が複数個設けられていてもよい。
【0048】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0049】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0050】
<遊技機10の制御構成について>
次に、
図5を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。
図5は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、
図5に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図5で図示しない制御構成を備えていてもよい。
【0051】
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート104と、乱数(ハード乱数)を生成する乱数回路105と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
【0052】
CPU101は、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM103は、電源基板(図示省略)のバックアップ電源によってバックアップされている。なお、RAM103のバックアップされる領域は、電源断が生じた場合、電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくための領域となっており、電源断復帰時には当該領域でバックアップされている情報に基づいて遊技機の状態が電源断の生じる前の状態に復帰可能である。
【0053】
主制御基板100は、第1始動口センサ70、第2始動口センサ71、大入賞口センサ72、一般入賞口センサ73、ゲートセンサ74などと電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。
【0054】
主制御基板100は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、普通図柄表示装置93、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、及び普通図柄保留ランプ96にも電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらの表示装置及びこれらの保留ランプを制御可能に構成されている。
主制御基板100は、普通電動役物ソレノイド40及び特別電動役物ソレノイド41にも電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらのソレノイドを制御可能に構成されている。
更に、主制御基板100は、上述の玉貸ボタン39aや返却ボタン39bなどを含むメイン操作部39に電気的に接続されており、メイン操作部39に設けられたセンサによる操作検知状態の変化によってメイン操作部39の各種操作を検知可能に構成されている。
【0055】
主制御基板100と第1副制御基板200との間は、少なくとも、主制御基板100から第1副制御基板200へのデータ送信が可能となるように接続されている。例えば、主制御基板100と第1副制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から第1副制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から第1副制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求できないように構成されている。
【0056】
第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート204と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。第1副制御基板200は、CPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行可能となるように、構成されている。
第1副制御基板200は、上述の演出ボタン37やカーソルボタン38などに電気的に接続されており、センサによる操作検知状態の変化によってそれら各操作部の各種操作を検知可能に構成されている。
【0057】
また、第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、第2副制御基板300へ画像演出および音響演出を指示する画像制御コマンド、演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データ、可動装飾体22及びサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データなどを生成する。
第1副制御基板200は、第2副制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが第1副制御基板200から第2副制御基板300へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が第2副制御基板300から第1副制御基板200へ送信される。
【0058】
また、第1副制御基板200は、演出ランプ35と電気接続されており、I/Oポート204を介して、ランプ制御データを送信する。そして、演出ランプ35は、第1副制御基板200から送信されるランプ制御データによって点灯が制御されるように構成されている。
【0059】
第1副制御基板200は、可動装飾体22及びサブ表示部82とも電気接続されており、I/Oポート204を介して、可動制御データを送信する。
そして、可動装飾体22及びサブ表示部82は、第1副制御基板200から送信される可動制御データによって可動が制御されるように構成されている。
【0060】
第2副制御基板300は、第1副制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像や音響などの演出に関する各種の演算処理を行うCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート304とを備えており、CPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
その他、第2副制御基板300には、図示を省略するが、CPU301から受信した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、CPU301から受信した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、CPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを演出表示装置80へ送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、CPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、読み込んだ音響データを合成処理して生成した最終的な音響データを増幅器を介してスピーカ33に出力する。
【0061】
払出制御基板400は、主な構成として、CPU401、ROM402およびRAM403を備えている。
払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニットを駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドルの操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
【0062】
<遊技機10の機能構成について>
次に、
図6を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。
図6は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、
図6に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図6で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、必要に応じて、機能構成を説明する際に、
図7〜
図11も参照することとする。
【0063】
主制御基板100は、
図6に示すように、入球判定手段110、メイン乱数発生手段115、メイン保留制御手段120、事前判定手段130、特図抽選手段140、普図抽選手段150、大当り遊技制御手段160、図柄表示制御手段165、電動役物制御手段170、遊技状態制御手段175、メイン情報記憶手段180、メインエラー制御手段185、及びメインコマンド管理手段190を備えており、これらの手段は、
図5を用いて説明した主制御基板100上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
【0064】
なお、メイン情報記憶手段180は、主制御基板100が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。特に、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶されたデータ(演出制御コマンド)は、記憶された後にコマンド送信手段によって後述する第1副制御基板200のサブコマンド管理手段270に向けて送信される。
【0065】
入球判定手段110は、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に基づいて各入賞口への入賞を判定する。
【0066】
メイン乱数発生手段115は、乱数回路105によって更新範囲が異なる複数種類の乱数を生成可能であり、入賞口への入賞が判定されたタイミングで乱数回路105から当該入賞口に対応する一又は複数の乱数を取得(ラッチ)する。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57又は第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する特図当否判定用の乱数、転落当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への入賞が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図図柄抽選用の乱数、及び普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段180の対応する格納領域に格納する。
【0067】
メイン保留制御手段120は、特図の図柄変動の保留、及び普図の図柄変動の保留に関する制御を行う。特
図1に関しては、第1始動口57への入賞を契機として取得された、特図当否判定用の乱数、転落当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を、特
図1の作動保留情報として保留する(記憶させる)。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特
図1の作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特
図1の作動保留情報が使用される(特図抽選手段140の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特
図1保留カウンタ」と称する)を備え、特
図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段180の現在の特
図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特
図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特
図1保留カウンタよりも1少ない特
図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
メイン保留制御手段120は、特
図2及び普図に関してもそれぞれ、特
図1に関する上述の制御と同様の制御を行う。特
図2の保留カウンタは特
図2保留カウンタと称する。
また、以降の説明では、「作動保留情報の保留」を「図柄変動の保留」と表現する場合がある。
また、メイン保留制御手段120は、特
図1又は特
図2の作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算又は減算)した際に、特
図1保留カウンタ及び特
図2保留カウンタの値を含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、特
図1に対応する作動保留情報及び特
図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合には、特
図2に対応する作動保留情報が優先的に使用される。
【0068】
以上説明したように、本実施形態における遊技機10は、始動口の入賞を契機として取得される乱数を作動保留情報として保留する保留制御手段(メイン保留制御手段120)を備えているものと言える。
【0069】
事前判定手段130は、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合に、当該作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する。
より具体的には、事前判定手段130は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、特図当否判定の事前判定、転落当否判定の事前判定、特図停止図柄抽選の事前判定、特図変動パターン抽選の事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブル(詳細は、後述)と同等の抽選テーブル(図示省略)を用いられる。そのため、これらの事前判定は、後に実行される抽選の結果と同一の結果が導出される。
また、事前判定手段130は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、上述の通り、事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合に送信される(生成され、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることとなる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態における遊技機10は、保留された作動保留情報を読み出して、該作動保留情報に係る乱数が用いられる図柄変動(以下、対象変動と称する場合がある)において、変動パターン導出手段によって導出される図柄変動の変動パターンを判定する事前判定を行う事前判定手段(事前判定手段130)を備えるものと言える。
【0071】
特図抽選手段140は、特図当否判定手段141、特図停止図柄抽選手段142、特図変動パターン導出手段143、及び転落当否判定手段144を備え、転落当否判定手段144、特図当否判定手段141、特図停止図柄抽選手段142、特図変動パターン導出手段143の順に各手段による処理を実行する。特図抽選手段140は、特図の変動開始条件が充足された際に、メイン情報記憶手段180に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出す。
「特図の変動開始条件が充足される」とは、その一例として、大当り中ではないこと、特
図1及び特
図2のいずれも図柄変動中でないこと、特
図1及び特
図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することの全ての条件が充足されたことである。
【0072】
図7は、主制御基板100における抽選で用いられる抽選テーブルを模式的に示す図である。
図7で示す抽選テーブルを含む以下の抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値があらかじめ定められた順序に従って順次加算され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。
以降の説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。また、以降で図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「−」又は「0」が記載されているが、これらは各ROMに記憶されたデータを示すものではない。また、抽選に使用される乱数範囲の最大値と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。
【0073】
特図当否判定手段141は、図柄変動の開始時に、特図当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図当否判定用の抽選テーブルを用いて大当り、小当たり、はずれのいずれに該当するかを抽選によって決定する。
図7(a)は、特
図1当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜65535である。そのため、特
図1において特図抽選状態が低確率の場合(以下、「特図低確」と略称する場合がある)には、200/65536の確率で大当り、300/65536の確率で小当り、残りの65036/65536の確率ではずれとなり、特
図1において特図抽選状態が高確率の場合(以下、「特図高確」と略称する場合がある)には、500/65536の確率で大当り、300/65536の確率で小当り、残りの64736/65536の確率ではずれとなる。
【0074】
図7(b)は、特
図2当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1当否判定の場合と同様に、0〜65535である。そのため、特
図1の特図低確では、200/65536の確率で大当り、残りの65336/65536の確率ではずれとなり、特
図2の特図高確では、500/65536の確率で大当り、残りの65036/65536の確率ではずれとなる。
【0075】
このように、特図高確は、特図低確よりも大当りが導出される確率が高く、特図低確よりも有利度が高い状態であると言える。また、本実施形態における特
図2当否判定では、小当りが導出されないようになっている。
【0076】
以上説明したように、本実施形態における遊技機10は、図柄変動ごとに大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行する当否判定手段(特図当否判定手段141)を備えているものと言える。
【0077】
特図停止図柄抽選手段142は、特図当否判定手段141によって大当りが導出された場合に、特図停止図柄抽選用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブルを用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。
図7(c)は、特
図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜99である。そのため、特
図1では、大当りが導出された際に、50/100の確率で図柄A、50/100の確率で図柄Bが停止図柄として決定される。
ここで、図柄Aは、大当り遊技中に特別電動役物65が十分な時間(概ね9球入賞する程度)に亘って解放される回数(ラウンド数(R数))が8であり、且つ大当り遊技終了後に特図低確且つ普図高確(詳細は後述)となる図柄(以下、「通常図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「通常大当り」と称する場合がある)である。一方、図柄Bは、ラウンド数(R数)が9であり、且つ大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確となる図柄(以下、「確変図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「確変大当り」と称する場合がある)である。よって、図柄Bは、ラウンド数及びその後の特図抽選状態の双方において、図柄Aよりも有利な図柄である。
【0078】
図7(d)は、特
図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1停止図柄抽選と同様に、0〜99である。そのため、特
図2では、大当りが導出された際に、70/100の確率で図柄a、10/100の確率で図柄b、20/100の確率で図柄cとなる。
ここで、図柄aは、ラウンド数が16であり、且つ大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確となる確変図柄であり、図柄bは、ラウンド数が9であり、かつ大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確となる確変図柄である。一方、図柄cは、ラウンド数が8であり、大当り遊技終了後に特図低確且つ普図高確となる通常図柄である。よって、図柄c、図柄b、図柄aの順に有利度が高くなると言える。
【0079】
上述の通り、本実施形態は、特
図1による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(50/100)と、特
図2による大当り遊技終了後の特図高確となる割合(80/100)とが異なっている。この違いは、例えば、大当り遊技中に遊技球が大入賞口55内に設けられた特定領域を通過した場合に大当り遊技終了後に特図高確とする機能を備え、特定領域の通過が容易となるラウンド(本実施形態では、9ラウンド目)を設けるか否かを特図の停止図柄によって変えることで実現可能である。
以降の説明では、特図当否判定手段141による特図当否判定の結果が大当りを示し、且つ、特図停止図柄抽選手段142により確変図柄が決定された場合を「特図抽選の結果が確変大当りを示す場合」と表記し、特図当否判定手段141による特図当否判定の結果が大当りを示し、且つ、特図停止図柄抽選手段142により通常図柄が決定された場合を「特図抽選の結果が通常大当りを示す場合」と表記する場合がある。更に、特図当否判定手段141による特図当否判定の結果が大当りを示し、且つ、特図停止図柄抽選手段142により図柄aが決定された場合を「特図抽選の結果が16ラウンド確変大当りを示す場合」と表記し、同様に図柄bが決定された場合を「特図抽選の結果が9ラウンド確変大当りを示す場合」と表記する場合がある。
【0080】
また、特図停止図柄抽選手段142は、特図当否判定手段141によって大当りが導出されなかった場合には、特
図1の小当り時は図柄C、特
図1のはずれ時は図柄D、特
図2のはずれ時は図柄dを停止図柄として一律に決定する。
【0081】
特図変動パターン導出手段143は、特図変動パターン(変動時間)を導出する。具体的には、特図変動パターン導出手段143は、現在の特図変動パターン導出状態(詳細は、後述)と今回の特図当否判定手段141の抽選結果とに基づいて、複数種類の特図変動パターン抽選テーブルの中から今回の特図変動パターンを導出するための一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターンを導出する。
特図変動パターン導出手段143は、導出された特図変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。なお、変動開始コマンドには、特図変動パターン導出状態Cが開始されてからの図柄変動の回数の情報が少なくとも含まれている。
【0082】
以上説明したように、本実施形態における遊技機10は、図柄変動の変動パターンを、複数とおりの変動パターンから導出する変動パターン導出手段(特図変動パターン導出手段143)を備えているものと言える。
【0083】
転落当否判定手段144は、メイン情報記憶手段180の判定領域に記憶された転落当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と転落当否判定用の抽選テーブルを用いて転落当否判定に当選するか否かを抽選によって決定する。
図7(e)は、転落当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜65535である。そのため、130/65536の確率で転落当否判定に当選する。
なお、転落当否判定は、特
図1と特
図2で共通して行われ、特図高確における特図当否判定の前に行われる。そのため、図柄変動の開始時に特図高確であったとしても、転落当否判定に当選した場合には、直後の特図当否判定において特図低確用の抽選テーブルが用いられることとなる。
【0084】
普図抽選手段150は、普図の図柄変動中でない場合に、メイン情報記憶手段180に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出し、読み出した乱数を用いて、普図の当否を判定する普図当否判定を実行する。この普図当否判定によって普通電動役物61が開放状態に制御されることとなる普図当りに当選した場合に、普図抽選手段150は、普図の停止図柄を抽選により決定する普図停止図柄抽選、及び普図の変動パターン(変動時間)を抽選により決定する普図変動パターン抽選を実行する。
普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがある。本実施形態では、普図高確では、65535/65536の確率で普図当りとなり、残りの1/65536の確率ではずれとなる一方、普図低確では、1/65536の確率で普図当りとなり、残りの65535/65536の確率ではずれとなる。なお、普図低確では、普図当りとならない(65536/65536ではずれとなる)ようにしてもよい。
【0085】
普図停止図柄抽選では、普通電動役物61の開放状態となるパターンが異なる複数種類の停止図柄から、普図停止図柄抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの停止図柄が決定される。なお、普図当否判定ではずれとなった場合には、特
図1、2と同様に、停止図柄が一律に決定される。
【0086】
また、普図変動パターン抽選では、特図変動パターン抽選と同様に、複数種類の普図変動パターンから、普図変動パターン抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの普図変動パターンが決定される。
【0087】
大当り遊技制御手段160は、特図当否抽選の結果が大当りである場合、決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモに係るデモ時間、及び大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。
大当り遊技制御手段160は、大当り開始時には、大当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させ、大当り終了時には、大当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
また、大当り遊技制御手段160は、特図当否抽選の結果が小当りの場合も同様に、小当り開始デモに係る時間、及び小当り終了デモに係るデモ時間を決定し、小当り開始時には、小当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させ、小当り終了時には、小当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0088】
図柄表示制御手段165は、特
図1の特図変動パターン(変動時間)に従って、特
図1を第1特別図柄表示装置91に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図1を停止表示させる。同様に、第2特別図柄の特図変動パターン(変動時間)に従って、特
図2を第2特別図柄表示装置92に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図2を停止表示させる。
図柄表示制御手段165は、特
図1及び特
図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。
【0089】
図柄表示制御手段165は、普図の普図変動パターン(変動時間)に従って、普図を普通図柄表示装置93に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に普図を普図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で停止表示させる。
図柄表示制御手段165は、普図の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための普図遊技タイマを有する。
【0090】
電動役物制御手段170は、特図当否抽選の結果が大当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド41に制御信号を出力し、特別電動役物65を特図の停止図柄に対応する解放パターンに従って開放させる。大当り遊技は、特別電動役物65の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R、9R、8R)だけ連続して実行する遊技状態である。
電動役物制御手段170は、特図当否抽選の結果が小当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド41に制御信号を出力し、特別電動役物65を短期間(0.05秒)だけ開放させる。
また、電動役物制御手段170は、普図当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド40に制御信号を出力して、普通電動役物61を普図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
【0091】
遊技状態制御手段175は、特図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段175は、上述の通り、通常大当りに係る大当り遊技の開始時に特図低確とし、確変大当りに係る大当り遊技の終了時に特図高確とし、特図高確における転落当否判定に当選した場合には、その時点(特図当否判定の前)で特図低確とする。
加えて、遊技状態制御手段175は、普図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段175は、大当り遊技の開始時には、大当りに係る図柄に関わらず、普図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時に100回の図柄変動が行われるまで普図高確とし(100回の図柄変動後には普図低確とする)、確変大当りに係る大当り終了時に次回の大当り遊技の開始まで(例えば、大当りが導出されるのに十分な有限の回数(例えば、5000回)を設定する場合も含む)普図高確とし、普図高確における転落当否判定に当選した場合には、当該図柄変動の終了時に普図低確とする。なお、特図低確且つ普図高確の状態を低確時短と称する場合がある。
【0092】
以上説明したように、本実施形態における遊技機10は、低確率状態又は低確率状態よりも大当りに当選し易い高確率状態のいずれか一方に制御し、且つ、入賞困難状態又は入賞困難状態よりも始動口への遊技球の入賞が容易となる入賞容易状態のいずれか一方に制御する遊技状態制御手段(遊技状態制御手段175)を備えているものと言える。
【0093】
また、遊技状態制御手段175は、上述の特図変動パターン導出状態を制御する。この特図変動パターン導出状態の遷移については、
図8を参照しながら説明する。
図8は、特図抽選状態及び普図抽選状態による遊技状態の遷移、及び特図変動パターン導出状態の遷移を示した状態遷移図である。
特図変動パターン導出状態は、特図低確且つ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態A、特図高確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態B、及び特図低確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態Cに大別できる。
各特図変動パターン導出状態間の遷移には、例えば、次のような条件が設けられる。遷移条件(i)は確変大当りに係る大当り遊技の終了であり、遷移条件(ii)は通常大当りに係る大当り遊技の終了であり、遷移条件(iii)は100回目の図柄変動の終了であり、遷移条件(iv)は転落当否判定に当選した図柄変動の終了である。
【0094】
特図変動パターン導出状態Bは、更に、特図変動パターン導出状態B1、特図変動パターン導出状態B2、及び特図変動パターン導出状態B3に分けることができる。特図変動パターン導出状態B1は、その特図変動パターン導出状態Bに移行してから(確変大当りが終了してから)1回目の図柄変動から99回目の図柄変動まで滞在する特図変動パターン導出状態である。特図変動パターン導出状態B2は、その特図変動パターン導出状態Bに移行してから(確変大当りが終了してから)100回目の図柄変動のみ滞在する特図変動パターン導出状態である。特図変動パターン導出状態B3は、その特図変動パターン導出状態Bに移行してから(確変大当りが終了してから)101回目の図柄変動以降に滞在する特図変動パターン導出状態である。
【0095】
特図変動パターン導出状態Cは、更に、特図変動パターン導出状態C1及び特図変動パターン導出状態C2に分けることができる。特図変動パターン導出状態C1は、その特図変動パターン導出状態Cに移行してから(通常大当りが終了してから)1回目の図柄変動から99回目の図柄変動まで滞在する特図変動パターン導出状態である。特図変動パターン導出状態C2は、その特図変動パターン導出状態Cに移行してから(通常大当りが終了してから)100回目の図柄変動のみ滞在する特図変動パターン導出状態である。
【0096】
ここで、各特図変動パターン導出状態において特図変動パターン導出手段143によって参照される特図変動パターン抽選テーブルについて説明する。
図9及び
図10は、特図変動パターン抽選テーブルの一部を模式的に示す模式図である。より具体的には、
図9は特図変動パターン導出状態A(特図低確且つ普図低確である場合)において特図変動パターン導出手段143によって参照される特図変動パターン抽選テーブルに関するものであり、
図10は特図変動パターン導出状態B又は特図変動パターン導出状態C(特図高確且つ普図高確である場合及び特図低確且つ普図高確である場合)において用いられる特図変動パターン抽選テーブルに関するものである。
図11は、特図変動パターンの一部に対応するリーチ演出の信頼度を示す図である。
図9及び
図10において、「判定」の欄は特図抽選の結果が大当りであるかはずれであるかを示すものであり、「変動時間」の欄は各特図変動パターンに割り当てられている変動時間をミリ秒単位で示すものであり、「抽選値」の欄は各特図変動パターンに任意の抽選値(黒丸や黒四角等で示す)が割り当てられていることを示すものである。なお、同種のマーク(例えば、黒丸)で表されている抽選値は、全て加算することによって1/1(100%)になることを表している。
図9から
図11において、「通常/擬似」の欄は通常の変動(擬似連演出に発展しない変動)であるか、擬似連演出に発展する変動である場合には擬似連の回数を示すものである。
なお、
図9及び
図10には特図抽選の結果が小当りの場合に関する特図変動パターンが図示されていないが、実際に特図変動パターン導出手段143が参照する特図変動パターン抽選テーブルには含まれているものとする。
また、
図11において「信頼度」の欄は、各リーチ演出に関する大当りの当選期待度(理論値)をパーセント単位で示すものである。なお、本実施形態において「信頼度」とは、「大当りの当選期待度」や「大当り期待度」と同義として扱う。
【0097】
ここでリーチ演出とは、複数列にわたって変動している装飾図柄のうち最終停止列を除く列において同種の装飾図柄が仮停止している状態(この状態を、リーチ目又はテンパイ目と称する場合がある)において行われる演出、又は当該状態になったことを契機として行われる演出である。
【0098】
ここで「擬似連演出」とは、一回の図柄変動中に複数回の装飾図柄の変動が行われているかのような心証を遊技者に与える演出である(当該演出中における複数回の装飾図柄の各変動を、以下の説明において擬似変動と称する場合がある)。
「擬似変動」は、図柄変動の開始時から最初に装飾図柄が仮停止するまでの期間を指すものであってもよく、仮停止している装飾図柄が再変動してから再び仮停止するまでの期間を指すものであってもよい。本実施形態では、前者の擬似変動を「擬似1回目」又は「擬似1」と称する場合があり、後者の擬似変動を「擬似X回目(Xは擬似1を基準として遊技者が認識する擬似変動の回数が入る)」又は「擬似X」と称する場合がある。
なお、擬似連演出の演出態様は、必ずしも通常の装飾図柄(後述する数字を摸した装飾図柄)が仮停止することを擬似変動の区切りとする必要はなく、遊技者にとって認識可能な区切りをもって複数回の擬似変動を遊技者に認識させれば足りる。例えば、通常の装飾図柄とは異なる特殊な装飾図柄(特殊図柄)が仮停止することを擬似変動の区切りとしてもよいし、メイン表示部81の一部領域に「×2」「×3」・・・等と表示して擬似変動の進行を遊技者に認識させてもよいし、スピーカ33による音声出力(BGMの変化を含む)や演出ランプ35の発光出力によって擬似変動の区切りを遊技者に認識させてもよい。なお、擬似連演出に用いられる特殊図柄は、遊技者に演出の連続性を認識させる文字図柄(「連続」、「継続」、「NEXT」等)を含むもの、又は特定のキャラクターを摸したキャラクター図柄であることが一般的であるが、必ずしもこのような態様に限られるものではない。
【0099】
特図変動パターン導出状態Aにおいて、特図変動パターン導出手段143は以下のような特図変動パターンを導出し得る。
【0100】
特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12及び特図変動パターンPAX13は、基本変動に関する特図変動パターンである。ここで「基本変動」とは、その変動期間中に特殊な演出(リーチ演出や擬似連演出等)を伴わない特図変動パターンであり、原則としてバラケ目を停止させる場合に導出される特図変動パターンである。
特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12及び特図変動パターンPAX13に割り当てられている変動時間の長さは、特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12、特図変動パターンPAX13の順に短くなっている。
特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12及び特図変動パターンPAX13は、特図変動パターン導出状態Aにおいて導出され得る他の特図変動パターンに比べて短い変動時間が割り当てられており、且つ、特図変動パターン導出状態Aにおいて導出され得る他の特図変動パターンに比べて導出される割合が高い。特に「基本変動1」に対応する特図変動パターンPAX11は、特図変動パターン導出状態Aにおいて導出され得る変動パターンの中で最も導出される割合が高い(割り当てられている抽選値が最も大きい)特図変動パターンである。更に、特図変動パターン導出状態Aは、遊技機10において滞在し得る特図変動パターン導出状態の中で最も滞在期間が長くなるように設計されているので、特図変動パターンPAX11は、特図変動パターン導出手段143によって導出され得る変動パターンの中で最も導出される割合が高い変動パターンと換言することができる。
【0101】
特図変動パターンPAX14は、擬似連演出に発展する(擬似1から擬似2に進行する)かのように遊技者に認識させ、実際には擬似連演出に発展しない場合に導出される特図変動パターンである。
特図変動パターンPAX14に割り当てられている変動時間は、上述の基本変動に対応する特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12等のいずれよりも長い時間であり、且つ、後述のはずれた場合に導出される擬似連演出対応の特図変動パターンPAX21、特図変動パターンPAX31等のいずれよりも短い時間である。
【0102】
特図変動パターンPAX15は、ノーマルリーチの結果として特図抽選のはずれを報知する場合に導出される特図変動パターンである。特図変動パターンPAY11は、ノーマルリーチの結果として特図抽選の大当りを報知する場合に導出される特図変動パターンである。
ここで「ノーマルリーチ」とは、大当りに当選した場合に導出され得る変動パターンの中で最も大当り期待度が低い予告演出である。なお、本実施形態における「ノーマルリーチ」の大当り期待度(信頼度)は0.04%になっている。
特図変動パターンPAX15に割り当てられている変動時間は、上述の基本変動に対応する特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12等のいずれよりも長い時間であり、且つ、後述の特図抽選のはずれを報知する場合に導出されるリーチ演出対応の特図変動パターンPAX16、特図変動パターンPAX17等のいずれよりも短い時間である。
特図変動パターンPAY11に割り当てられている変動時間は、後述の特図抽選の大当りを報知する場合に導出されるリーチ演出対応の特図変動パターンPAY12、特図変動パターンPAY13等のいずれよりも短い時間である。
【0103】
特図変動パターンPAX16及び特図変動パターンPAX17は、それぞれ通常の変動(擬似1回目)に実行されるAリーチの結果及びBリーチの結果として特図抽選のはずれを報知する場合に導出される特図変動パターンである。特図変動パターンPAY12及び特図変動パターンPAY13は、それぞれ通常の変動(擬似1回目)に実行されるAリーチの結果及びBリーチの結果として特図抽選の大当りを報知する場合に導出される特図変動パターンである。
ここで通常の変動に実行されるAリーチ及びBリーチは、大当り期待度(信頼度)はそれぞれ5.26%及び21.02%になっている。
なお、Aリーチ及びBリーチは、互いに演出内容が相違するリーチ演出である。更に、Aリーチは特図変動パターン導出状態Aの他に特図変動パターン導出状態B1や特図変動パターン導出状態C1でも実行され得る演出である一方、Bリーチは特図変動パターン導出状態Aでのみ実行され得る演出である点において互いに相違する。しかしながら、Aリーチ及びBリーチは、通常の変動(擬似1回目)に限らず擬似2回目や擬似3回目において実行され得る演出である点において互いに共通している。
【0104】
特図変動パターンPAX21及び特図変動パターンPAX22は、それぞれ擬似2回目の変動に実行されるAリーチの結果及びBリーチの結果として特図抽選のはずれを報知する場合に導出される特図変動パターンである。特図変動パターンPAY21及び特図変動パターンPAY22は、それぞれ擬似2回目の変動に実行されるAリーチの結果及びBリーチの結果として特図抽選の大当りを報知する場合に導出される特図変動パターンである。
ここで擬似2回目に実行されるAリーチ及びBリーチは、上記の通常の変動に実行されるAリーチ及びBリーチとそれぞれ演出内容が共通するリーチ演出であり、大当り期待度(信頼度)はそれぞれ8.42%及び26.12%になっている。
【0105】
特図変動パターンPAX31及び特図変動パターンPAX32は、それぞれ擬似3回目の変動に実行されるAリーチの結果及びBリーチの結果として特図抽選のはずれを報知する場合に導出される特図変動パターンである。特図変動パターンPAY31及び特図変動パターンPAY32は、それぞれ擬似3回目の変動に実行されるAリーチの結果及びBリーチの結果として特図抽選の大当りを報知する場合に導出される特図変動パターンである。
ここで擬似3回目に実行されるAリーチ及びBリーチは、上記の通常の変動及び擬似2回目に実行されるAリーチ及びBリーチとそれぞれ演出内容が共通するリーチ演出であり、大当り期待度(信頼度)はそれぞれ10.29%及び33.86%になっている。
【0106】
特図変動パターンPAY41は、擬似4回目の変動に実行される全回転リーチの結果として特図抽選の大当りを報知する場合に導出される特図変動パターンである。
全回転リーチは、同種の装飾図柄が全ての列にわたって揃っている状態(図柄揃い)を維持しながら装飾図柄を変動させる演出であり、大当り期待度(信頼度)は100%、即ち大当り確定の演出になっている。
なお、本実施形態の擬似連演出は擬似4回目に発展した場合には必ず全回転リーチを実行する仕様(擬似4回目に発展すれば大当り確定となる仕様)になっている。言い換えれば、特図変動パターンPAY41は、特図変動パターン導出手段143によって導出され得る変動パターンの中で最も大当り期待度が高い予告演出に対応する特図変動パターンである。
【0107】
特図変動パターン導出状態B1及び特図変動パターン導出状態C1において、特図変動パターン導出手段143は以下のような特図変動パターンを導出し得る。
【0108】
特図変動パターンPBX11、特図変動パターンPBX12及び特図変動パターンPBX13は、特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12及び特図変動パターンPAX13と同様に、基本変動に関する特図変動パターンである。
特図変動パターンPBX11、特図変動パターンPBX12及び特図変動パターンPBX13に割り当てられている変動時間の長さは、特図変動パターンPBX11、特図変動パターンPBX12、特図変動パターンPBX13の順に短くなっている。
特図変動パターンPBX11、特図変動パターンPBX12及び特図変動パターンPBX13は、特図変動パターン導出状態B1及び特図変動パターン導出状態C1において導出され得る他の特図変動パターンに比べて短い変動時間が割り当てられており、且つ、特図変動パターン導出状態B1及び特図変動パターン導出状態C1において導出され得る他の特図変動パターンに比べて導出される割合が高い。特に「基本変動4」に対応する特図変動パターンPBX11は、特図変動パターン導出状態B1及び特図変動パターン導出状態C1において導出され得る変動パターンの中で最も導出される割合が高い(割り当てられている抽選値が最も大きい)特図変動パターンである。
【0109】
特図変動パターンPBX14及び特図変動パターンPBX15は、それぞれ通常の変動(擬似1回目)に実行されるAリーチの結果及びCリーチの結果として特図抽選のはずれを報知する場合に導出される特図変動パターンである。特図変動パターンPBY11及び特図変動パターンPBY12は、それぞれ通常の変動(擬似1回目)に実行されるAリーチの結果及びCリーチの結果として特図抽選の大当りを報知する場合に導出される特図変動パターンである。
ここでAリーチは、上述したAリーチと共通の演出内容の演出である。特図変動パターン導出状態B1及び特図変動パターン導出状態C1において実行されるAリーチの期待度は、大当り期待度(信頼度)は5.26%になっている。本実施形態では特図変動パターン導出状態B及び特図変動パターン導出状態Cにおいて擬似連演出が実行されない(擬似連演出に対応する特図変動パターンが存在しない)仕様になっており、擬似連2回目以降の大当り期待度が加味されないからである。
ここでCリーチは、上述したAリーチやBリーチと演出内容が相違するリーチ演出であり、大当り期待度(信頼度)はそれぞれ39.00%になっている。更に、上述したように、本実施形態では特図変動パターン導出状態B及び特図変動パターン導出状態Cにおいて擬似連演出が実行されない仕様になっているので、これらの導出状態でのみ実行され得るCリーチは、擬似2回目や擬似3回目において実行され得るAリーチ及びBリーチと相違する。
【0110】
特図変動パターン導出状態B2及び特図変動パターン導出状態C2において、特図変動パターン導出手段143は以下のような特図変動パターンを導出し得る。
【0111】
特図変動パターンPBX21は、直前の大当り終了から100回転目の図柄変動において普図高確の状態(
図10では当該状態を「RUSH」と記載している)が終了する場合に導出される特図変動パターンである。より詳細には、当該場合は、特図変動パターン導出状態B2に滞在する図柄変動では転落当否判定に当選した場合であって且つ特図当否判定がはずれである場合に成立し、特図変動パターン導出状態C2に滞在する図柄変動では特図当否判定がはずれである場合に成立する。
特図変動パターンPBX22は、直前の大当り終了から100回転目の図柄変動において普図高確の状態が終了しない場合(101回転目に普図高確が継続する場合)に導出される特図変動パターンである。より詳細には、当該場合は、特図変動パターン導出状態B2に滞在する図柄変動では転落当否判定に非当選である場合であって且つ特図当否判定がはずれである場合に成立し、特図変動パターン導出状態C2に滞在する図柄変動では成立しない。
特図変動パターンPBX23は、直前の大当り終了から100回転目の図柄変動において大当りに当選した場合に導出される特図変動パターンである。より詳細には、当該場合は、特図変動パターン導出状態B2又は特図変動パターン導出状態C2に滞在する図柄変動において特図当否判定が大当りである場合(転落当否判定の結果は不問)に成立する。
【0112】
なお、本実施形態における特図変動パターン導出状態B2及び特図変動パターン導出状態C2では、上述した特図変動パターンPBX21、特図変動パターンPBX22、特図変動パターンPBX23の三種類の特図変動パターンのみが導出され得る仕様として説明するが、当該説明は本発明の実施をこの仕様に制限するものではない。
【0113】
特図変動パターン導出状態B3において、特図変動パターン導出手段143は以下のような特図変動パターンを導出し得る。
【0114】
特図変動パターンPBX31、特図変動パターンPBX32及び特図変動パターンPBX33は、特図変動パターンPBX11、特図変動パターンPBX12及び特図変動パターンPBX13と同様に、基本変動に関する特図変動パターンである。
特図変動パターンPBX31の変動時間は特図変動パターンPBX11の変動時間と同一であり、特図変動パターンPBX32の変動時間は特図変動パターンPBX12の変動時間と同一であり、特図変動パターンPBX33の変動時間は特図変動パターンPBX13の変動時間と同一である。
特図変動パターンPBX31、特図変動パターンPBX32及び特図変動パターンPBX33に割り当てられている変動時間の長さは、特図変動パターンPBX31、特図変動パターンPBX32、特図変動パターンPBX33の順に短くなっている。
特図変動パターンPBX31、特図変動パターンPBX32及び特図変動パターンPBX33は、特図変動パターン導出状態B3において導出され得る他の特図変動パターンに比べて短い変動時間が割り当てられており、且つ、特図変動パターン導出状態B3において導出され得る他の特図変動パターンに比べて導出される割合が高い。特に「基本変動4」に対応する特図変動パターンPBX31は、特図変動パターン導出状態B3において導出され得る変動パターンの中で最も導出される割合が高い(割り当てられている抽選値が最も大きい)特図変動パターンである。
【0115】
特図変動パターンPBX34は、Dリーチに発展するかのように遊技者に認識させ、実際にはDリーチに発展しない場合に導出される特図変動パターンである。特図変動パターンPBX35は、Dリーチの結果として特図抽選のはずれ且つ転落当否判定の当選を報知する場合に導出される特図変動パターンである。特図変動パターンPBY31は、Dリーチの結果として特図抽選の大当りを報知する場合に導出される特図変動パターンである。
ここでDリーチは、上述したAリーチ、Bリーチ、及びCリーチのいずれとも演出内容が相違するリーチ演出である。またDリーチは、結果として大当り(特図抽選の大当り)になるか転落(転落当否判定の当選)のいずれか一方を報知する演出である。なお、Dリーチは、大当り期待度(信頼度)はそれぞれ50.20%であり、略半々の割合で大当り又は転落のいずれかになる演出になっている。
【0116】
上述した
図9及び
図10に記載した各特図変動パターンに係る変動時間の平均時間(当該特図変動パターン導出状態において選択され得る変動時間(特図変動パターン)に対して出現率(当該特図当否判定の結果が導出される確率に対して当該特図変動パターンの当選確率を掛け算することで導出される任意の図柄変動において発生し得る割合)を掛け算することで導出される変動時間の総和;以下、平均変動時間と称する場合がある)は、次のような関係になっている。
特図変動パターン導出状態Aの平均変動時間は、特図変動パターン導出状態Bの平均変動時間及び特図変動パターン導出状態Cの平均変動時間の双方より長くなっている。基本変動1〜3(特図変動パターンPAX11〜PAX13)に割り当てられている変動時間が、基本変動4〜6(特図変動パターンPBX11〜PBX13、特図変動パターンPBX31〜PBX33)に割り当てられている変動時間より長いからである。
また、特図変動パターン導出状態Bの平均変動と、特図変動パターン導出状態Cの平均変動時間と、は略同じになっている。
図10に示すように、特図変動パターン導出状態Bにおいて参照される特図変動パターン抽選テーブルと、特図変動パターン導出状態Cにおいて参照される特図変動パターン抽選テーブルと、の共通化が図られているからである。
【0117】
当然ながら、
図9〜
図11を用いて説明した各種特図変動パターンに対応する演出内容、変動時間、抽選割合、信頼度に関する上記の内容は、本発明の実施における一具体例であり、本発明の目的に反しない範囲内において適宜変更可能である。
【0118】
また、遊技状態制御手段175は、特図抽選状態、普図抽選状態、及び特図変動パターン導出状態の更新が発生した場合に、更新後の各状態を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0119】
メイン情報記憶手段180は、上述の通り、各手段によって読み出されたデータや、各手段による演算等によって導出されたデータ等を一時的に記憶の結果導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0120】
メインエラー制御手段185は、I/Oポート104の入力情報を監視し、遊技機10がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態であると判定された場合には、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(エラーコマンド)をメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。
なお、メインエラー制御手段185は、例えば、磁気センサ(図示省略)の検知によるエラー状態等、重要度の高いエラー状態となった場合には、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等、エラーコマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する以外の処理を実行するようにしてもよい。
【0121】
メインコマンド管理手段190は、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に演出制御コマンドが記憶されている場合に、当該演出制御コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0122】
第1副制御基板200は、
図6に示すように、サブ乱数発生手段210、通常演出制御手段220、サブエラー制御手段230、ランプ制御手段240、可動役物制御手段250、サブ情報記憶手段260、及びサブコマンド管理手段270を備えており、これらの手段は、
図5を用いて説明した第1副制御基板200上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
なお、サブ情報記憶手段260は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。また、メインコマンド管理手段190から送信された演出制御コマンドは、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶される。
【0123】
サブ乱数発生手段210は、CPU201によってプログラム処理で更新される乱数(ソフトウェア乱数)を生成可能であり、通常演出制御手段220による各抽選(詳細は後述)が実行されるタイミングで乱数を取得する。
【0124】
通常演出制御手段220は、演出モード制御手段221、差し替え判定手段222、先読み演出制御手段223、サブ保留制御手段224、演出内容決定手段225、装飾図柄制御手段226、及び大当り演出制御手段227を備える。
【0125】
演出モード制御手段221は、遊技状態指定コマンドが送信された場合に、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性をとるかたちで、演出モードの遷移を制御する。
本実施形態における演出モードは、通常モード、低確時短モード、確変モードに大別される。特図変動パターン導出状態Aには通常モード、特図変動パターン導出状態Bには確変モード、特図変動パターン導出状態Cには低確時短モードが対応する。
【0126】
差し替え判定手段222は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定された特図変動パターンに基づいて、各種演出用の抽選テーブルを参照する際に用いる特図変動パターンを差し替えるか否かを決定する。
より具体的には、差し替え判定手段222は、通常モード(特図変動パターン導出状態A)に滞在している場合であって、且つ、事前判定された特図変動パターンが差し替え可能な特図変動パターン(第一の変動パターン)である場合、所定の演出抽選(差し替え抽選)を行う。
差し替え抽選に当選した場合、差し替え判定手段222は、事前判定された特図変動パターン(第一の変動パターン)に差し替えて該特図変動パターンに対応付けられている別の特図変動パターン(第二の変動パターン)に差し替える。この場合、通常演出制御手段220が、該事前判定の対象とされた作動保留情報を用いた以後の各種演出処理(保留入賞時から対象変動の変動終了時までの期間に行われる各種演出処理)を行う際には、一律に差し替え後の特図変動パターン(第二の変動パターン)を用いることとなる。
また、差し替え抽選に当選しなかった場合、差し替え判定手段222は、事前判定された特図変動パターン(第一の変動パターン)を差し替えない。この場合、通常演出制御手段220が、該事前判定の対象とされた作動保留情報を用いた以後の各種演出処理(保留入賞時から対象変動の変動終了時までの期間に行われる各種演出処理)を行う際には、一律にそのままの特図変動パターン(第一の変動パターン)を用いることとなる。
上記のような差し替え判定手段222の構成を実現する為の一具体例として、フラグによって管理する手法がある。具体的には、通常時においては「0」である所定フラグを、上記の差し替え抽選に当選時(保留入賞時)に「1」に書き換えて保持し、対象変動の変動終了時(又は対象変動の変動開始時における演出処理を終えた後)に「0」に戻す手法である。
なお、上述した差し替え判定手段222によって差し替え可能な特図変動パターンについては、後で説明する。
【0127】
以上説明したように、本実施形態における遊技機10は、事前判定手段(特図変動パターン導出手段143)によって第一の変動パターンが判定された場合の少なくとも一部において、該第一の変動パターンを差し替えて演出内容を決定するか否かを判定する差し替え判定手段(差し替え判定手段222)を備えており、演出制御手段(通常演出制御手段220)は、差し替え判定手段によって差し替えが否定されると第一の変動パターンに基づいて予告演出(先読み演出を含む)を決定し、差し替え判定手段によって差し替えが肯定されると第二の変動パターンに基づいて予告演出を決定するものと言える。
【0128】
先読み演出制御手段223は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果(事前判定された特図変動パターンを含む)に基づいて先読み演出の内容を決定する。
先読み演出とは、先読み対象の図柄変動(対象変動)が開始される前の一又は複数回の図柄変動に亘って、先読み対象の図柄変動における特図当否判定の結果に対する期待度や、先読み対象の図柄変動において実行される演出の内容を示唆する演出である。
【0129】
サブ保留制御手段224は、保留コマンドの受信があった場合に、当該コマンドに含まれる特
図1保留カウンタと特
図2保留カウンタの情報に基づいて、メイン表示部81の保留表示領域(図示省略)に、特
図1保留カウンタに対応する数の保留表示と、特
図2保留カウンタに対応する数の保留表示とを表示させるための演出データを設定する。
なお、保留表示は、大当り遊技の期待度等の有利度を示唆する種々の態様に変化する先読み保留変化演出の対象となる表示であり、当該先読み保留変化演出は、上述した先読み演出制御手段223によって制御される。
【0130】
演出内容決定手段225は、変動開始コマンドが送信された場合に、該コマンドに含まれる種々の情報(上述の特図変動パターンを含む)に基づいて、今回の図柄変動において実行する予告演出の内容を決定する。
より具体的には、演出内容決定手段225は、以下に挙げる種々の演出内容に関する決定処理を行う。ここで挙げる決定処理は、演出内容決定手段225によって行われるものの代表的なものであり、本発明の実施において、演出内容決定手段225はここで挙げないものを行ってもよい。また、本発明の実施において、本発明の目的を達成できる限りにおいて、演出内容決定手段225は、以下に挙げた決定処理の一部について決定しなくてもよいし、類似するものに代えて決定してもよい。
(i)先読み演出の一部(特に、先読みゾーン予告)について、該先読み演出と今回の図柄変動(対象変動)とを関連付ける(一体的に見せる)演出内容を決定する処理。
(ii)今回の図柄変動における演出内容の大筋を決定する処理(後述する主予告処理)。
(iii)擬似連演出に対応する特図変動パターン(擬似連ガセに対応する特図変動パターンPAX14を含む)が導出された場合に、今回の図柄変動において擬似連演出専用の予告演出を実行するか否かを決定する処理(後述する擬似連専用処理)。
(iv)上述の(ii)の処理において決定された大筋の演出内容を構成する各種演出に関する演出内容の詳細を決定する処理。
(v)導出された特図変動パターンによって指定される各種リーチ演出に関する演出内容の詳細を決定する処理。
【0131】
ここで「先読みゾーン予告」とは、先読み演出(事前判定手段130による事前判定に基づく演出)のうち、複数回の図柄変動に跨がって行われうる演出であり、一回の図柄変動で終了する場合があってもよい。「先読みゾーン予告」は、一般的には、当該演出が行われる期間(先読みゾーン)の移行及び終了が遊技者にとって認識可能な態様で行われるが、必ずしも当該期間の全てにわたって当該態様が維持されなくてもよい(当該期間の一部が遊技者に認識不能であってもよい)。
【0132】
装飾図柄制御手段226は、変動開始コマンドが送信された場合に、演出内容決定手段225によって決定された演出内容等に基づいて、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を決定する。なお、以下の説明では、特に断りがない限り、装飾図柄の最終的な停止を、単に、装飾図柄の停止と表現する場合がある。
本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、及び数字の「7」を模した「7図柄」があり、以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
【0133】
装飾図柄制御手段226は、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させて決定することができる。具体的には、図柄Aと図柄cには偶数図柄揃い(例えば、「2図柄」−「2図柄」−「2図柄」)を対応させ、図柄Bと図柄bには7図柄揃いを除く奇数図柄揃い(例えば、「1図柄」−「1図柄」−「1図柄」)を対応させ、図柄aには7図柄揃いを対応させ、図柄Cと図柄Dと図柄dにはバラケ目(いずれの図柄揃いもない図柄の組合せ)を対応させている。
なお、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させるにあたっては、必ずしも上述の対応関係とする必要はなく、例えば、図柄bに偶数図柄揃いを対応させるなど、上述の対応関係に対して停止させる装飾図柄の組合せの期待度が高くならない組合せであれば、一部の場合(上述の対応関係となる割合よりも低い割合)で上述の対応関係とは異なる装飾図柄の組合せを採用してもよく、このような場合であっても、停止させる装飾図柄の組合せが特図の停止図柄と対応していると言える。
【0134】
大当り演出制御手段227は、大当り開始コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる情報等に基づいて、大当り遊技中であることを報知する大当り演出の内容を決定する。なお、大当り演出には、大当り遊技の開始を報知する開始デモ演出、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出、及び大当り遊技の終了を報知する終了デモ演出が存在する。
【0135】
通常演出制御手段220は、第1副制御基板200が備える上述の手段によって決定された演出内容に従って、各演出の実行タイミングで当該演出に対応する各デバイスの演出データを読み出す。なお、読み出した演出データに画像及び音響に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて画像及び音響に関する画像制御コマンドを生成し、当該コマンドをサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納する。
【0136】
以上説明したように、本実施形態における遊技機10は、変動パターン導出手段(特図変動パターン導出手段143)によって導出可能な変動パターンに基づいて、図柄変動中に実行する予告演出を決定する演出制御手段(通常演出制御手段220)を備えているものと言える。
また、本実施形態における遊技機10は、事前判定の結果に基づいて対象変動より前に開始される先読み演出を決定する演出制御手段(通常演出制御手段220)を備えているものと言える。
【0137】
サブエラー制御手段230は、エラーコマンドが送信された場合に、エラー演出パターンを決定し、当該エラー演出パターンに従ってエラー演出を実行するための演出データを読み出す。
なお、サブエラー制御手段230は、独自に(メインエラー制御手段185と独立して)遊技機10がエラー状態であるか否かを判定し、エラー状態であると判定した場合にエラー演出を実行する演出データを読み出すようにしてもよく、当該エラー状態としては、例えば、普図低確時におけるゲート63の入賞回数に基づいて判定される右打ちエラー状態がある。
【0138】
ランプ制御手段240は、演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに演出ランプ35に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいてランプ制御データを読み出し、読み出したランプ制御データを演出ランプ35へ送信する。
【0139】
可動役物制御手段250は、可動装飾体22及びサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに可動役物に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいて可動制御データを読み出し、読み出した可動制御データを可動装飾体22及びサブ表示部82へ送信する。
【0140】
サブ情報記憶手段260は、上述の通り、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0141】
サブコマンド管理手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、受信した演出コマンドをサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶させ、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に画像制御コマンドが記憶されている場合には、当該画像制御コマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。なお、各画像制御コマンドは、原則として、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0142】
<始動口入球時の処理について>
続いて、始動口入球時の処理について、
図12〜
図17を用いて説明する。
【0143】
図12は、始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図13は、事前判定時サブ処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、
図12及び
図13に図示される処理手順は、一例であり、内容的に支障のない範囲でその順序等を変更することができ、実行タイミングの一部又は全部が互いに重複するものを含んでもよい。また、
図12に図示される各処理は始動口入球時に主制御基板100によって実行される主たる処理であり、
図13に図示される各処理は事前判定コマンド受信時に第1副制御基板200によって実行される主たる処理であり、必ずしも全ての処理を示すものではない。
【0144】
まず、始動口入球時処理について
図12の記載に沿って説明する。ここで「始動口入球時処理」とは、第1始動口57又は第2始動口59に対して遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
第1始動口57及び第2始動口59に付設されている第1始動口センサ70及び第2始動口センサ71の検知結果に基づいて、入球判定手段110が第1始動口57又は第2始動口59への入賞を判定する(ステップS102)。入球判定手段110が入賞を判定するまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口57又は第2始動口59への入賞が判定されたとしても(ステップS102のYES)、メイン保留制御手段120により管理される特
図1又は特
図2保留カウンタが上限値(例えば4)に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
以降、説明の便宜のために、第1始動口57への入賞が判定された場合に特化して処理手順を説明するものとする。なお、第2始動口59への入賞が判定された場合も、対象が特
図2となることのみ相違し、他の処理内容は同様である。
【0145】
第1始動口57への入賞が判定され(ステップS102のYES)、かつ特
図1保留カウンタが上限値に達していないとき(ステップS104のNO)、メイン乱数発生手段115が各種乱数を生成する(ステップS106)。例えば、特図当否判定用の乱数、転落当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数が生成される。
メイン保留制御手段120は、ステップS106で生成された各種乱数を取得し、それら乱数を特
図1の作動保留情報として保留する(記憶させる)(ステップS108)。
続いて、メイン保留制御手段120は、特
図1保留カウンタに1加算し(ステップS11)、加算後の特
図1保留カウンタの値を含む保留コマンドを生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。これにより、メインコマンド管理手段190がその送信コマンド格納領域に記憶されている保留コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(ステップS112)。
ここで、ステップS110及びS112は、ステップS106及びS108と並行に実行されてもよいし、それらよりも先に実行されてもよい。
【0146】
事前判定手段130は、所定の事前判定タイミングにおいて特
図1の作動保留情報が保留(記憶)された場合に(ステップS114のYES)、その作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する(ステップS116)。事前判定では、例えば、対象となる作動保留情報の各種乱数を読み出し、特図当否判定の事前判定、転落当否判定の事前判定、特図停止図柄抽選の事前判定、特図変動パターン抽選の事前判定を実行する。各事前判定では、その作動保留情報に基づいて特図抽選手段140により実行される各抽選の結果と同一の結果が導出される。
事前判定手段130は、ステップS116における事前判定の結果を含む事前判定コマンドを生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。これにより、メインコマンド管理手段190がその送信コマンド格納領域に記憶されている事前判定コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(ステップS118)。
【0147】
次に、事前判定時サブ処理について
図13の記載に沿って説明する。ここで「事前判定時サブ処理」とは、
図15のステップS118で送信される事前判定コマンドが第1副制御基板200で受信された際に行われる一連の処理である。
第1副制御基板200(通常演出制御手段220)が事前判定コマンドを受信するまで(ステップS302のNO)、ステップS304以降の処理は行われないまま待機となる。
【0148】
第1副制御基板200(通常演出制御手段220)が事前判定コマンドを受信すると(ステップS302のYES)、現在の演出モードを特定する(ステップS304)。演出モードは、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性をとるかたちで演出モード制御手段221により管理されている。上述したように、本実施形態では、特図変動パターン導出状態Aに対応する通常モード、特図変動パターン導出状態Bに対応する確変モード、特図変動パターン導出状態Cに対応する低確時短モードが設けられている。
【0149】
ステップS304で特定された演出モードが通常モードである場合(ステップS306のYES)、差し替え判定手段222が差し替え抽選を行い、各種演出用の抽選テーブルを参照する際に用いる特図変動パターンを差し替えるか否かを決定し(ステップS308)、ステップS310の処理に進む。
ステップS304で特定された演出モードが通常モード以外(確変モード又は低確時短モード)である場合(ステップS306のNO)、ステップS308の処理は行わずに、ステップS310の処理に進む。
【0150】
差し替え判定手段222によって行われる差し替え抽選の詳細について説明するため、
図14を用いる他、既に説明した
図9及び
図10に図示する特図変動パターン抽選テーブルについても言及する場合がある。
図14は、差し替え抽選テーブルの一部を模式的に示す模式図である。
図14における「判定」の欄、「通常/擬似」の欄、及び「変動内容」の欄の意味合いは、上述した
図9から
図11において図示されている同様の欄の意味合いと同義である。
なお、
図14には特図抽選の結果が小当りの場合に関する特図変動パターンが図示されていないが、実際に差し替え判定手段222が参照する差し替え抽選テーブルには含まれているものとする。
【0151】
図14の「差し替え」の欄における「前X(Xには任意の数値が入る)」の記載は、差し替え判定手段222による差し替え抽選の対象になる旨を意味すると共に、同欄に「前X」と同じ数値の「後X」が記載されている特図変動パターンの差し替え前の特図変動パターンである旨を意味する。
図14の「差し替え」の欄における「後X(Xには任意の数値が入る)」の記載は、差し替え判定手段222による差し替え抽選の対象にならない旨を意味すると共に、同欄に「後X」と同じ数値の「前X」が記載されている特図変動パターンの差し替え後の特図変動パターンである旨を意味する。
図14の「差し替え」の欄における「無」の記載は、差し替え判定手段222による差し替え抽選の対象にならない旨を意味する。
【0152】
具体的には、「前1」が記載されている特図変動パターンPAY12は、差し替え抽選に当選した場合、「後1」が記載されている特図変動パターンPAX16に差し替えられる。
「前2」が記載されている特図変動パターンPAY13は、差し替え抽選に当選した場合、「後2」が記載されている特図変動パターンPAX17に差し替えられる。
「前3」が記載されている特図変動パターンPAY21は、差し替え抽選に当選した場合、「後3」が記載されている特図変動パターンPAX21に差し替えられる。
「前4」が記載されている特図変動パターンPAY22は、差し替え抽選に当選した場合、「後4」が記載されている特図変動パターンPAX22に差し替えられる。
「前5」が記載されている特図変動パターンPAY31は、差し替え抽選に当選した場合、「後5」が記載されている特図変動パターンPAX31に差し替えられる。
「前6」が記載されている特図変動パターンPAY32は、差し替え抽選に当選した場合、「後6」が記載されている特図変動パターンPAX32に差し替えられる。
【0153】
上記のように、本実施形態において差し替え抽選の対象となる特図変動パターン(差し替え前の特図変動パターン)は、いずれも特図抽選の結果が大当りである場合に導出可能な特図変動パターンである。そして、その差し替え後の特図変動パターンは、いずれも特図抽選の結果がはずれである場合に導出可能な特図変動パターンである。
従って、本実施形態における遊技機10は、変動パターン導出手段によって導出可能な変動パターンには、互いに対応付けられている第一の変動パターン(差し替え前の特図変動パターン)及び第二の変動パターン(差し替え後の特図変動パターン)が含まれており、第一の変動パターン及び第二の変動パターンは、一方が大当りに当選した図柄変動において導出可能な変動パターンであり、且つ、他方が大当りに当選しなかった図柄変動において導出可能な変動パターンであると言える。
【0154】
なお、本実施形態では(イ)第一の変動パターンが大当りに当選した図柄変動において導出可能な変動パターンであり、且つ、第二の変動パターンが大当りに当選しなかった図柄変動において導出可能な変動パターンである態様であることを前提として説明している。
しかしながら、本発明を実施する場合において、(ロ)第一の変動パターンが大当りに当選しなかった図柄変動において導出可能な変動パターンであり、且つ、第二の変動パターンが大当りに当選した図柄変動において導出可能な変動パターンであってもよい。
【0155】
本実施形態において、互いに対応付けられている特図変動パターン(例えば、特図変動パターンPAY12と特図変動パターンPAX16等)の変動時間の差分は、一律で500ミリ秒になっており、仮に差し替えが発生したとしても遊技者が認識し難い程度の差異しか生じないようになっている。また、この変動時間の差分は、互いに対応付けられている特図変動パターンとは異なる他の特図変動パターン(例えば、特図変動パターンPAX11)に割り当てられている変動時間との差分に比べて小さくなっている。
従って、本実施形態における遊技機10は、変動パターン導出手段によって導出可能な変動パターンには、互いに対応付けられている第一の変動パターン(特図変動パターンPAY12)及び第二の変動パターン(特図変動パターンPAX16)、並びに、第一の変動パターン及び第二の変動パターンの双方に対応付けられていない第三の変動パターン(特図変動パターンPAX11)が含まれており、第一の変動パターンに対して定められている第一の変動時間と第二の変動パターンに対して定められている第二の変動時間との差分ΔT1(500ミリ秒)は、第三の変動パターンに対して定められている第三の変動時間と第一の変動時間との差分ΔT2(66500ミリ秒)よりも小さく、第三の変動時間と第二の変動時間との差分ΔT3(66000ミリ秒)よりも小さものと言える。
このように、第一の変動時間と第二の変動時間との差分ΔT1がごく短い時間長さである為、第一の変動パターンと第二の変動パターンとを差し替えても、演出仕様上の問題が生じにくい。なお、本実施形態では、第一の変動パターンに応じて実行される装飾図柄の仮停止時間(最終的に停止する直前において装飾図柄が仮停止している時間)を、第二の変動パターンに応じて実行される装飾図柄の仮停止時間よりΔT1の時間長さの分だけ長くすることによって、その差分を埋める仕様になっている。
【0156】
ここで、特図変動パターン導出手段143によって導出可能な特図変動パターンのうち第一の変動パターン及び第二の変動パターンに相当する特図変動パターンを除く全ての特図変動パターンについて上記の「第三の変動パターン」に該当し得るが、必ずしも「第三の変動パターン」に該当する特図変動パターンの全てが上記の要件(ΔT1<ΔT2且つΔT1<ΔT3)を充足する必要はない。
但し、「第三の変動パターン」に該当し得る特図変動パターンの少なくとも一つが当該要件を充足することが必須であり、第一の変動パターン及び第二の変動パターンのいずれにも該当し得ない特図変動パターン(
図14の「差し替え」の欄が「無」とされている特図変動パターン、並びに、
図10に図示されている特図変動パターン(特図変動パターン導出状態B及び特図変動パターン導出状態Cにおいて導出され得る特図変動パターン))の全てが当該要件を充足することがより望ましい。
【0157】
なお、上述したように、本実施形態において第一の変動パターン及び第二の変動パターンのいずれにも該当し得ない特図変動パターン(第三の変動パターン)の一つは、変動パターン導出手段によって導出され得る変動パターンの中で最も大当り期待度が高い全回転リーチに対応する特図変動パターンPAY41である。
最も大当り期待度が高い全回転リーチが実行される機会は希少であることが望ましく、その希少性を担保する為に上記構成を採用している。
【0158】
また、本実施形態において第一の変動パターン及び第二の変動パターンのいずれにも該当し得ない特図変動パターン(第三の変動パターン)の一つは、変動パターン導出手段によって導出され得る変動パターンの中で最も導出される割合が高い特図変動パターンPAX11である。
第一の変動パターンから最も導出される割合が高い特図変動パターンPAX11を差し替えて演出内容を決定すると演出全体のバランスを損なう虞がある為、上記構成を採用している。
【0159】
また、本実施形態において第一の変動パターン及び第二の変動パターンのいずれにも該当し得ない特図変動パターン(第三の変動パターン)の一つは、低確率状態且つ入賞困難状態(特図変動パターン導出状態A)に制御された図柄変動において導出されない変動パターンであり、且つ、高確率状態及び入賞容易状態のうち一方又は両方(特図変動パターン導出状態B及び特図変動パターン導出状態C)に制御された図柄変動において、導出され得る変動パターンである。
有利な遊技状態(特図高確又は普図高確のうち一方又は両方が付されている遊技状態)は、通常の遊技状態(特図低確且つ普図高確)に比べて、遊技者が高い期待度を抱いている状況である為、演出内容の決定の為に参照する変動パターンを差し替える効果が乏しい。このような状況の差し替えを規制することによって、差し替えが行われる場合に奏する本発明の効果を強めることができる。
【0160】
また、本実施形態において第一の変動パターン及び第二の変動パターンのいずれにも該当し得ない特図変動パターン(第三の変動パターン)である特図変動パターンPBY11及び特図変動パターンPBX14は、それぞれ第一の変動パターンに該当する特図変動パターンPAY11及び第二の変動パターンに該当する特図変動パターンPAX16と同種の予告演出(Aリーチ)に対応する特図変動パターンである。
図9及び
図10から明らかであるように、特図変動パターンPBY11の変動時間と特図変動パターンPBX14の変動時間の差分ΔT4(3000ミリ秒)は、上記のΔT1(500ミリ秒)に比べて大きくなっている。言い換えれば、差し替えの可能性が有る遊技状態(特図変動パターン導出状態A)でも、差し替えの可能性が無い遊技状態(特図変動パターン導出状態B及び特図変動パターン導出状態C)でも実行され得る当該予告演出(Aリーチ)はΔ4>Δ1の関係になり得る。なお、必ずしも上記の要件を充足する予告演出の全てが当該関係になる必要はなく、少なくとも一部が当該関係になっていればよい。
【0161】
ここで、本実施形態における差し替え抽選の当選確率は、1/2未満であることを要する。これにより、たとえ差し替え抽選の対象となる特図変動パターンが導出される場合であっても、差し替え後の特図変動パターン(第二の変動パターン)に基づいて演出用抽選テーブルを参照する場合の方が、差し替えずにそのままの特図変動パターン(第一の変動パターン)に基づいて演出用抽選テーブルを参照する場合より少なくなる。
また、上述したように、差し替え抽選に当選した場合、通常演出制御手段220は、該事前判定の対象とされた作動保留情報を用いた以後の各種演出処理(保留入賞時から対象変動の変動終了時までの期間に行われる各種演出処理)を行う際には、一律に差し替え後の特図変動パターン(第二の変動パターン)を用いる。差し替え抽選に当選しなかった場合、通常演出制御手段220は、該事前判定の対象とされた作動保留情報を用いた以後の各種演出処理(保留入賞時から対象変動の変動終了時までの期間に行われる各種演出処理)を行う際には、一律にそのままの特図変動パターン(第一の変動パターン)を用いる。
また、上述したように、本実施形態における特図変動パターン導出手段143に導出され得る特図変動パターンには、第一の変動パターン及び第二の変動パターンのいずれにも該当し得ない(差し替え前の特図変動パターンにも差し替え後の特図変動パターンにもなり得ない)第三の変動パターンが存在する。
【0162】
従って、本実施形態における演出制御手段(通常演出制御手段220)は、変動パターン導出手段(特図変動パターン導出手段143)によって導出された第一の変動パターンの図柄変動中に実行する予告演出を、該第一の変動パターンに基づいて決定する第四の場合と、変動パターン導出手段(特図変動パターン導出手段143)によって導出された第一の変動パターンの図柄変動中に実行する予告演出を、該第一の変動パターンから差し替えた第二の変動パターンに基づいて決定する第五の場合と、変動パターン導出手段(特図変動パターン導出手段143)によって導出された第一の変動パターンの図柄変動中に実行する予告演出を、該第一の変動パターンから差し替えた第三の変動パターンに基づいて決定する第六の場合と、を比べると、第五の場合が第四の場合より少なく、且つ、第六の場合が無いものと言える。
或いは、本実施形態における演出制御手段(通常演出制御手段220)は、事前判定手段(事前判定手段130)によって第一の変動パターンが判定されると、該第一の変動パターンに基づいて先読み演出を決定する第一の場合と、事前判定手段(事前判定手段130)によって第一の変動パターンが判定されると、該第一の変動パターンから差し替えた第二の変動パターンに基づいて先読み演出を決定する第二の場合と、事前判定手段(事前判定手段130)によって第一の変動パターンが判定されると、該第一の変動パターンから差し替えた第三の変動パターンに基づいて先読み演出を決定する第三の場合と、を比べると、第五の場合が第四の場合より少なく、且つ、第三の場合が無いものと言える。また、第二の場合に決定された先読み演出を経由して行われる対象変動において、第四の場合が無い(必ず第五の場合になる)ものと言える。
このように、本実施形態における通常演出制御手段220は、原則として導出された変動パターンに基づいて対象変動の予告演出又は対象変動より前に実行する先読み演出の演出内容を決定するが、例外的に(上述の第五の場合及び第二の場合に)導出された変動パターンを差し替えて当該演出内容を決定する。従って、対象変動の結果報知(図柄停止)まで大当り当選の期待感又ははずれとなる不安感を持続させることができ、その結果として、図柄停止時に喚起される遊技者の興趣を高めることができる。
【0163】
なお、差し替え抽選の当選確率は、1/2未満であることを前提として、不変であってもよいし、各種条件(例えば、その抽選処理時に滞在している演出モードの種別、抽選対象となる特図変動パターンの種別、保留している作動保留情報の数等)に基づいて変動してもよい。
【0164】
また、「無」が記載されている特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAX12、特図変動パターンPAX13、特図変動パターンPAX14、特図変動パターンPAX15、特図変動パターンPAY11、及び特図変動パターンPAY41については、差し替え抽選の対象とならない。
そして、「後X」が記載されている特図変動パターンPAX16、特図変動パターンPAX17、特図変動パターンPAX21、特図変動パターンPAX22、特図変動パターンPAX31、及び特図変動パターンPAX32についても、差し替え抽選の対象とならない。
【0165】
ここで差し替え抽選の対象とならない特図変動パターンには、大当りに当選した図柄変動において導出可能な特図変動パターン(第一の変動パターン)であり、且つ、特図変動パターン導出手段143によって導出され得る変動パターンの中で最も大当り期待度が高い全回転リーチ当りに対応する特図変動パターンPAY41が含まれる。
従って、本実施形態における遊技機10は、対象変動において変動パターン導出手段によって導出される第一の変動パターンが、変動パターン導出手段によって導出され得る変動パターンの中で最も大当り期待度が高い予告演出に対応する変動パターンである場合、差し替え判定手段による判定が実行されないものと言える。
最も大当り期待度が高い予告演出(全回転リーチ当り)が実行される機会は希少であるため、その演出内容に対応する変動パターンを差し替えないことによって、その希少な予告演出の実行を担保することができる、又は、その希少な予告演出の実行を阻害するような先読み演出の実行を制限することができる。
【0166】
ここで差し替え抽選の対象とならない特図変動パターンには、大当りに当選した図柄変動において導出可能な特図変動パターン(第一の変動パターン)であり、且つ、当該特図変動パターンの中で最も大当り期待度が低いノーマルリーチ当りに対応する特図変動パターンPAY11が含まれる。
従って、本実施形態における遊技機10は、対象変動において変動パターン導出手段によって導出される第一の変動パターンが、大当りに当選した場合に変動パターン導出手段によって導出され得る変動パターンの中で最も大当り期待度が低い予告演出に対応する変動パターンである場合、差し替え判定手段による判定が実行されないものと言える。
最も大当り期待度が低い予告演出は、元々の大当り期待度が低いのであるから、演出内容を決定する為に参照する変動パターンを差し替える効果が乏しい。このような状況では差し替えを行わないことによって、差し替えが行われる場合に奏する本発明の効果をより強めることができる。
【0167】
ここで、
図14には特図変動パターン導出状態Bや特図変動パターン導出状態Cの際に導出され得る特図変動パターンが図示されていないが、これは差し替え判定手段222による差し替え抽選が特図変動パターン導出状態A(通常モード)の滞在中にのみ行われることに起因する。言い換えれば、特図変動パターン導出状態Bや特図変動パターン導出状態Cの際に導出され得る特図変動パターンは、当該差し替え抽選の対象にならない。
また、本実施形態における遊技機10の制御上は発生しないが、仮に特図高確且つ普図低確(いわゆる潜伏確変モード)である遊技機において本発明を実施する場合には、潜伏確変モードの際に導出され得る特図変動パターンも、当該差し替え抽選の対象にしなくてもよい。
即ち、低確率状態(特図低確)且つ入賞困難状態(普図低確)に制御された図柄変動において、第五の場合(差し替え後の変動パターンに基づいて演出内容を決定する場合)が第四の場合(差し替えずにそのままの変動パターンに基づいて演出内容を決定する場合)より少なくてもよく、高確率状態(特図高確)及び入賞容易状態(普図高確)のうち一方又は両方に制御された図柄変動中に実行する予告演出を決定する際には、第五の場合が無くてもよいものと換言できる。
有利な遊技状態(特図高確又は普図高確のうち一方又は両方が付されている遊技状態)は、通常の遊技状態(特図低確且つ普図高確)に比べて、遊技者が高い期待度を抱いている状況である為、演出内容を決定する為に参照する変動パターンを差し替える効果が乏しい。このような状況の差し替えを規制することによって、差し替えが行われる場合に奏する本発明の効果をより強めることができる。
【0168】
ここで再び
図13のフローチャートに沿って、事前判定時サブ処理の続きの処理について説明する。
上述したステップS302〜ステップS308の処理を経た後に、第1副制御基板200(先読み演出制御手段223)は、先読み複合処理(ステップS310)、先読み保留変化処理(ステップS312)、先読みゾーン予告処理(ステップS314)、先読み演出に関する詳細内容の決定処理及び設定処理(ステップS316)の順に、各処理を実行する。ステップS310〜ステップS316の処理は、いずれも先読み演出に関する処理(先読み演出制御手段223によって行われる処理)であり、これらの処理の少なくとも一部については特図変動パターン(ステップS302で受信した事前判定コマンドによって指定された特図変動パターン又はステップS308で差し替えられた特図変動パターン)に基づいて演出用抽選テーブルを参照して実行される。
【0169】
ここで、事前判定時サブ処理に行われる演出処理の一具体例として、ステップS310の先読み複合処理について
図15〜
図17を用いて説明する。
図15は、先読み複合処理の概念を模式的に示す模式図である。
図16及び
図17は、先読み複合処理に用いられる演出用抽選テーブルの一部を模式的に示す模式図である。
なお、
図16及び
図17に図示する白丸は、その欄に任意の抽選値が割り当てられていることを示すものである。
図16及び
図17に図示する演出用抽選テーブルは、特図変動パターン導出状態Aにおいて先読み複合処理を行う際に先読み演出制御手段223によって参照されるものである。本実施形態では、他の遊技状態(特図変動パターン導出状態B及び特図変動パターン導出状態C)において先読み複合処理を行う際に先読み演出制御手段223によって参照される演出用抽選テーブルについて説明しないが、
図16及び
図17に図示する演出用抽選テーブルと同様のものが設けられているものとする。
【0170】
ここで先読み複合処理とは、先読み演出制御手段223が、一の作動保留情報に基づいて行う先読み演出の種別を選択する処理であり、一の作動保留情報に基づいて一の先読み演出を選択する場合があり、一の作動保留情報に基づいて複数の先読み演出を選択する場合もある。
【0171】
図15には、先読み複合処理における選択肢(以下、複合パターンと称する)が12通り図示されている。
複合パターン1は、判定対象となる作動保留情報に基づいて先読み演出を実行しない場合に選択される複合パターンである。
複合パターン2は、判定対象となる作動保留情報に基づいて先読み保留変化演出を実行する場合に選択される複合パターンである。
複合パターン3は、判定対象となる作動保留情報に基づいて先読みゾーン予告を実行する場合に選択される複合パターンである。
複合パターン4は、判定対象となる作動保留情報に基づいて先読み演出Aを実行する場合に選択される複合パターンである。
複合パターン5は、判定対象となる作動保留情報に基づいて先読み演出Bを実行する場合に選択される複合パターンである。
複合パターン6は、判定対象となる作動保留情報に基づいて先読み保留変化演出及び先読みゾーン予告を実行する場合に選択される複合パターンである。
複合パターン7は、判定対象となる作動保留情報に基づいて先読み保留変化演出及び先読み演出Aを実行する場合に選択される複合パターンである。
複合パターン8は、判定対象となる作動保留情報に基づいて先読み保留変化演出及び先読み演出Bを実行する場合に選択される複合パターンである。
複合パターン9は、判定対象となる作動保留情報に基づいて先読みゾーン予告及び先読み演出Aを実行する場合に選択される複合パターンである。
複合パターン10は、判定対象となる作動保留情報に基づいて先読みゾーン予告及び先読み演出Bを実行する場合に選択される複合パターンである。
複合パターン11は、判定対象となる作動保留情報に基づいて先読み保留変化演出、先読みゾーン予告及び先読み演出Aを実行する場合に選択される複合パターンである。
複合パターン12は、判定対象となる作動保留情報に基づいて先読み保留変化演出、先読みゾーン予告及び先読み演出Bを実行する場合に選択される複合パターンである。
【0172】
ここで先読み演出A及び先読み演出Bは、上述した先読み保留変化演出や先読みゾーン予告とは異なる先読み演出であり、その演出内容は特に制限されない。
上述したように、本実施形態では、先読み演出Aと先読み演出Bが、一の作動保留情報に基づいて複合(重複)して実行されない演出仕様になっているが、複合して実行され得る演出仕様であってもよい。
【0173】
先読み演出制御手段223は、受信した事前判定コマンド(ステップS302で受信した事前判定コマンド)に基づいて、当該コマンドに含まれる種々の情報のうち少なくとも特図変動パターンを用いて、先読み複合処理に係る演出用抽選テーブルを参照して上記の複合パターンのいずれかを選択して決定することを原則とする。
ただし、先読み演出制御手段223は、差し替え判定手段222による差し替え抽選に当選した場合には、差し替え後の特図変動パターン(ステップS308で差し替えられた特図変動パターン)を用いて、先読み複合処理に係る演出用抽選テーブルを参照して上記の複合パターンのいずれかを選択して決定する。この決定において、先読み演出制御手段223は、差し替え後の特図変動パターンの他に、受信した事前判定コマンドに含まれる特図変動パターン以外の情報(例えば、保留入賞時の作動保留情報の数等)を用いてもよい。
【0174】
ここで先読み演出制御手段223の参照先は、当該特図変動パターンがはずれ対応のものである場合は
図16に図示する演出用抽選テーブルであり、当該特図変動パターンが大当り対応のものである場合は
図17に図示する演出用抽選テーブルであり、当該特図変動パターンが小当り対応のものである場合は不図示の演出用抽選テーブル又は
図16に係る演出用抽選テーブルの不図示の部分である。
なお、
図16及び
図17では、大当りとはずれで個別の演出用抽選テーブルが設けられているように図示しているが、実際にはこれらを一つの演出用抽選テーブルに統合してもよいし、更に細分化してもよい。また、例えば、保留入賞時の作動保留情報の数ごとに別々の演出用抽選テーブルを設け、それぞれについて抽選値の割り当て(割り当てる欄やその数値)を変動させてもよい。
【0175】
図16に示すとおり、基本変動に対応する特図変動パターン(特図変動パターンPAX11〜PAX13)に基づいて複合パターンを選択する場合、必ず複合パターン1が選択される為、いずれの先読み演出も実行される可能性がない。
図16及び
図17に示すとおり、ノーマルリーチに対応する特図変動パターン(特図変動パターンPAX14及び特図変動パターンPAY11)に基づいて複合パターンを選択する場合、複合パターン1又は複合パターン2が選択される為、先読み保留変化演出が実行される可能性はあるものの、先読みゾーン予告、先読み演出A、及び先読み演出Bが実行される可能性はない。
図16及び
図17に示すとおり、通常の変動に対応する特図変動パターンに基づいて複合パターンを選択する場合、複合パターン5、複合パターン8、複合パターン10、複合パターン12が選択されない為、先読み演出Bが実行される可能性はない。一方、擬似2回目以上に対応する特図変動パターンに基づいて複合パターンを選択する場合、全ての複合パターンが選択され得る為、全ての先読み演出が実行される可能性がある。
【0176】
なお、詳細な説明は割愛するが、上述した先読み保留変化処理(ステップS312)は、先読み複合処理によって先読み保留変化演出を肯定する複合パターン(複合パターン2、複合パターン6、複合パターン7、複合パターン8、複合パターン11、及び複合パターン12)が選択された場合に、実行する先読み保留変化演出の種別、流れ(保留表示の変化タイミング等)、変化前後の保留表示の色彩等を決定する処理である。
また、上述した先読みゾーン予告処理(ステップS314)は、先読み複合処理によって先読みゾーン予告を肯定する複合パターン(複合パターン3、複合パターン6、複合パターン9、複合パターン10、複合パターン11、及び複合パターン12)が選択された場合に、実行する先読みゾーン予告の種別、流れ(ゾーン移行のタイミング、ゾーン途中に発生する各種イベント等)等を決定する処理である。
また、上述した先読み演出に関する詳細内容の決定処理及び設定処理(ステップS316)は、先読み演出A及び先読み演出Bの実行を肯定する複合パターン(複合パターン4、複合パターン5、複合パターン7〜複合パターン12)が選択された場合には、これらの演出の詳細内容を決定する他、複合する各先読み演出間の調整処理等を行った上で、具体的な演出データを設定する処理である。
【0177】
<図柄変動の変動開始時の処理について>
続いて、図柄変動の変動開始時の処理について、
図18〜
図22を用いて説明する。
【0178】
図18は、図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
図19は、変動開始時サブ処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、
図18及び
図19に図示される処理手順は、一例であり、内容的に支障のない範囲でその順序等を変更することができ、実行タイミングの一部又は全部が互いに重複するものを含んでもよい。また、
図18に図示される各処理は図柄変動開始時に主制御基板100によって実行される主たる処理であり、
図19に図示される各処理は変動開始コマンド受信時に第1副制御基板200によって実行される主たる処理であり、必ずしも全ての処理を示すものではない。
【0179】
図柄変動開始処理の処理手順について
図18の記載に沿って説明する。ここで「図柄変動開始処理」とは、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92で行われる特図の図柄変動を開始させる際に行われる一連の処理である。
まず、特図抽選手段140は、特図の変動開始条件が充足されているか否かを判定する(ステップS202)。例えば、大当り遊技中ではないこと、特
図1及び特
図2のいずれも図柄変動中でないこと、特
図1及び特
図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することの全ての条件が充足されているか否かが判定される。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、その図柄変動開始処理は終了となる。
【0180】
ステップS202の判定が肯定されると(ステップS202のYES)、特図抽選手段140は、メイン情報記憶手段180に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出す(ステップS204)。
最先の作動保留情報が読み出されると、メイン保留制御手段120は、その読み出された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報の格納領域をシフトさせ、読み出された作動保留情報に対応する特
図1又は特
図2の保留カウンタを1減算する(ステップS206)。
続いて、特
図1又は特
図2の保留カウンタが更新されたため、メイン保留制御手段120は、減算後の特
図1又は特
図2の保留カウンタの値を含む保留コマンドを生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。これにより、メインコマンド管理手段190がその送信コマンド格納領域に記憶されている保留コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(ステップS208)。
【0181】
ステップS204で最先の作動保留情報が読み出されると、転落当否判定手段144が、その作動保留情報の転落当否判定用乱数を取得し、その乱数と転落当否判定用の抽選テーブル(
図7(e)参照)を用いて転落当否判定に当選するか否かを抽選によって決定する(ステップS210)。
続いて、特図当否判定手段141が、その作動保留情報の特図当否判定用乱数を取得し、その乱数と特図当否判定用の抽選テーブル(
図7(a)及び
図7(b)参照)を用いて大当り、小当たり、はずれのいずれに該当するかを抽選によって決定する(ステップS212)。このとき、特図抽選状態が特定され、その特図抽選状態に対応する抽選テーブルが参照される。
更に、特図停止図柄抽選手段142が、ステップS212の特図当否判定の結果に基づいて、特図の停止図柄を決定する(ステップS214)。具体的には、特図停止図柄抽選手段142は、ステップS214の特図当否判定の結果が大当りを示す場合には、当該作動保留情報の特図停止図柄抽選用乱数を取得し、その乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブル(
図7(c)、及び
図7(d)参照)を用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。ステップS214の特図当否判定の結果が小当り又ははずれを示す場合には、特図停止図柄抽選手段142は、固定的に決められている特図の小当り用の停止図柄又は特図のはずれ用の停止図柄を一律に決定する。
加えて、特図変動パターン導出手段143が、ステップS210、S212及びS214の結果に基づいて、特図変動パターンを導出する(ステップS216)。例えば、特図変動パターン導出手段143は、遊技状態制御手段175により制御される現在の特図変動パターン導出状態を特定し、この特図変動パターン導出状態とステップS210、S212及びS214の結果に基づいて、複数種類の特図変動パターン抽選テーブル(
図9及び
図10参照)の中から一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと当該作動保留情報の特図変動パターン抽選用乱数とを用いて一つの特図変動パターンを導出する。
【0182】
特図変動パターン導出手段143は、ステップS216で導出された特図変動パターンを指定する変動開始コマンドを生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。このとき、その変動開始コマンドには、低確時短に対応する特図変動パターン導出状態Cが開始されてからの図柄変動の回数の情報が少なくとも含まれる。これにより、メインコマンド管理手段190がその送信コマンド格納領域に記憶されている変動開始コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(ステップS218)。
【0183】
次に、変動開始時サブ処理について
図19の記載に沿って説明する。ここで「変動開始時サブ処理」とは、
図18のステップS218で送信される変動開始コマンドが第1副制御基板200で受信された際に行われる一連の処理である。
第1副制御基板200(通常演出制御手段220)が変動開始コマンドを受信するまで(ステップS402のNO)、ステップS404以降の処理は行われないまま待機となる。
【0184】
第1副制御基板200(通常演出制御手段220)が変動開始コマンドを受信すると(ステップS402のYES)、差し替え判定手段222は、今回の図柄変動において演出用抽選テーブルの参照に用いる特図変動パターンの差し替えが必要であるか否か(例えば上述の所定フラグが「1」であるか「0」であるか)を判定する(ステップS404)。
ステップS404において特図変動パターンの差し替えが必要と判定された場合(ステップS404のYES)、差し替え判定手段222は特図変動パターンの差し替えを行って(ステップS406)、ステップS408の処理に進む。なお、ステップS406における「特図変動パターンの差し替え」とは、所定フラグを「1」で維持すること(所定フラグの書き換えを行わないこと)であってもよい。
ステップS404において特図変動パターンの差し替えが必要ではないと判定された場合(ステップS404のNO)、ステップS406の処理を行わずに、ステップS408の処理に進む。
【0185】
続いて、演出モード制御手段221は、現在の演出モードを特定する(ステップS408)。演出モードは、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性をとるかたちで演出モード制御手段221により管理されている。上述したように、本実施形態では、特図変動パターン導出状態Aに対応する通常モード、特図変動パターン導出状態Bに対応する確変モード、特図変動パターン導出状態Cに対応する低確時短モードが設けられている。
【0186】
ステップS408で特定された演出モードが通常モードである場合(ステップS410のYES)、演出内容決定手段225が今回の図柄変動において擬似連演出専用の予告演出を実行するか否かを決定し(ステップS412)、ステップS414の処理に進む。
ステップS412の処理は、今回の図柄変動中に実行される予告演出に関する処理(演出内容決定手段225によって行われる処理)であり、特図変動パターン(ステップS402で受信した変動開始コマンドによって指定された特図変動パターン又はステップS406で差し替えられた特図変動パターン)に基づいて演出用抽選テーブルを参照して実行される。
ここで「擬似連演出専用の予告演出」とは、発展先が擬似連演出に限られる予告演出である。ただし、当該予告演出から擬似連演出に発展した後に別の予告演出(例えば、リーチ演出)に発展する場合については存在することが好ましい。
また、ステップS412における決定処理(擬似連演出専用の予告演出を行うか否かを決定する処理)は、擬似連演出に対応する特図変動パターン(擬似連ガセに対応する特図変動パターンPAX14を含む)が導出された場合にのみ肯定される構成(当該特図変動パターン以外の特図変動パターンが導出された場合に当選する割合が零である抽選によって決定する構成又は当該場合には判定しない構成)であることが好ましい。
【0187】
ステップS408で特定された演出モードが通常モード以外(確変モード又は低確時短モード)である場合(ステップS410のNO)、ステップS412の処理を行わずに、ステップS414の処理に進む。
上述したように、本実施形態では特図変動パターン導出状態B及び特図変動パターン導出状態Cにおいて擬似連演出が実行されない(擬似連演出に対応する特図変動パターンが存在しない)仕様になっており、演出モードが通常モード以外である場合にはステップS408の処理を実行する意味が無い為、このような処理手順になっている。
【0188】
上述したステップS402〜ステップS412の処理を経た後に、第1副制御基板200(演出内容決定手段225)は、主予告処理(ステップS414)、今回の図柄変動中に実行される予告演出に関する詳細内容の決定処理及び設定処理(ステップS416)の順に、各処理を実行する。ステップS414及びステップS416の処理は、いずれも今回の図柄変動中に実行される予告演出に関する処理(演出内容決定手段225によって行われる処理)であり、これらの処理の少なくとも一部については特図変動パターン(ステップS402で受信した変動開始コマンドによって指定された特図変動パターン又はステップS406で差し替えられた特図変動パターン)に基づいて演出用抽選テーブルを参照して実行される。
【0189】
上述したステップS402〜ステップS416の処理を経た後に、第1副制御基板200(装飾図柄制御手段226)は、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を決定する(ステップS418)。
なお、ステップS418による処理は、差し替え判定手段222による特図変動パターンの差し替えの有無に関わらず、ステップS402において受信した変動開始コマンドで指定されている大当りの当否結果に即して装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせを決定する。即ち、当該コマンドが大当りを指定している場合には、図柄揃いとなる停止図柄の組み合わせを、大当り以外(小当り又ははずれ)を指定している場合には、その指定内容に沿った停止図柄の組み合わせを、決定する。
【0190】
ここで、変動開始時サブ処理において行われる演出処理の一具体例として、上述したステップS414の主予告処理について
図20〜
図22を用いて説明する。
図20は、主予告処理の概念を模式的に示す模式図である。
図21及び
図22は、主予告処理に用いられる演出用抽選テーブルの一部を模式的に示す模式図である。
なお、
図21及び
図22に図示する白丸は、その欄に任意の抽選値が割り当てられていることを示すものである。
図21及び
図22に図示する演出用抽選テーブルは、特図変動パターン導出状態Aにおいて主予告処理を行う際に演出内容決定手段225によって参照されるものである。本実施形態では、他の遊技状態(特図変動パターン導出状態B及び特図変動パターン導出状態C)において主予告処理を行う際に演出内容決定手段225によって参照される演出用抽選テーブルについて説明しないが、
図21及び
図22に図示する演出用抽選テーブルと同様のものが設けられているものとする。
【0191】
ここで主予告処理とは、演出内容決定手段225が、今回の図柄変動における各擬似変動において実行する主要な予告演出の組み合わせを選択する処理であり、原則として一の擬似変動に対して一の予告演出を選択する。但し、ここで図示した内容は、本発明の実施において、演出内容決定手段225が、一の擬似変動に対して複数の予告演出を選択したり、複数の擬似変動に一の予告演出を選択したりすることを制限するものではない。
【0192】
図20には、主予告処理における選択肢(以下、主予告パターンと称する)が16通り図示されている。
主予告パターン1は、今回の図柄変動が通常の変動(擬似連演出に発展しない変動)である場合に選択され、その変動に対して予告演出Aを選択する主予告パターンである。
主予告パターン2は、今回の図柄変動が通常の変動(擬似連演出に発展しない変動)である場合に選択され、その変動に対して予告演出Bを選択する主予告パターンである。
主予告パターン3は、今回の図柄変動が通常の変動(擬似連演出に発展しない変動)である場合に選択され、その変動に対して予告演出Cを選択する主予告パターンである。
主予告パターン4は、今回の図柄変動が通常の変動(擬似連演出に発展しない変動)である場合に選択され、その変動に対して予告演出Dを選択する主予告パターンである。
主予告パターン5は、今回の図柄変動が擬似2回目で終了する場合に選択され、擬似1回目及び擬似2回目のそれぞれに対して予告演出Aを選択する主予告パターンである。
主予告パターン6は、今回の図柄変動が擬似2回目で終了する場合に選択され、擬似1回目に対して予告演出Dを選択し、擬似2回目に対して予告演出Aを選択する主予告パターンである。
主予告パターン7は、今回の図柄変動が擬似2回目で終了する場合に選択され、擬似1回目及び擬似2回目のそれぞれに対して予告演出Bを選択する主予告パターンである。
主予告パターン8は、今回の図柄変動が擬似2回目で終了する場合に選択され、擬似1回目に対して予告演出Dを選択し、擬似2回目に対して予告演出Bを選択する主予告パターンである。
主予告パターン9は、今回の図柄変動が擬似3回目又は擬似4回目で終了する場合に選択され、擬似1回目、擬似2回目、及び擬似3回目のそれぞれに対して予告演出Aを選択する主予告パターンである。
主予告パターン10は、今回の図柄変動が擬似3回目で終了する場合に選択され、擬似1回目に対して予告演出Dを選択し、擬似2回目に対して予告演出Aを選択し、擬似3回目に対して予告演出Aを選択する主予告パターンである。
主予告パターン11は、今回の図柄変動が擬似3回目で終了する場合に選択され、擬似1回目に対して予告演出Aを選択し、擬似2回目に対して予告演出Aを選択し、擬似3回目に対して予告演出Cを選択する主予告パターンである。
主予告パターン12は、今回の図柄変動が擬似3回目で終了する場合に選択され、擬似1回目に対して予告演出Dを選択し、擬似2回目に対して予告演出Aを選択し、擬似3回目に対して予告演出Cを選択する主予告パターンである。
主予告パターン13は、今回の図柄変動が擬似3回目又は擬似4回目で終了する場合に選択され、擬似1回目、擬似2回目、及び擬似3回目のそれぞれに対して予告演出Bを選択する主予告パターンである。
主予告パターン14は、今回の図柄変動が擬似3回目で終了する場合に選択され、擬似1回目に対して予告演出Dを選択し、擬似2回目に対して予告演出Bを選択し、擬似3回目に対して予告演出Bを選択する主予告パターンである。
主予告パターン15は、今回の図柄変動が擬似3回目で終了する場合に選択され、擬似1回目に対して予告演出Bを選択し、擬似2回目に対して予告演出Bを選択し、擬似3回目に対して予告演出Cを選択する主予告パターンである。
主予告パターン16は、今回の図柄変動が擬似3回目で終了する場合に選択され、擬似1回目に対して予告演出Dを選択し、擬似2回目に対して予告演出Bを選択し、擬似3回目に対して予告演出Cを選択する主予告パターンである。
なお、主予告パターン9及び主予告パターン13に関して、擬似4回目に対して選択される予告演出は本実施形態では全回転リーチのみである為、
図20では擬似4回目に関する予告演出の記載が省略されている。
【0193】
ここで予告演出A及び予告演出Bは、複数の擬似変動に跨がって実行され得る演出であり、複数の擬似変動に跨がる場合には一体的又は連続的に遊技者に認識される演出であることが好ましい。例えば、予告演出A及び予告演出Bに適用可能な演出には、段階的に優位な心証を与える演出(いわゆるステップアップ予告等)が好適である。
ここで予告演出Cは、単体で実行され得る予告演出であると共に、予告演出A及び予告演出Bの前に実行され得る予告演出である(予告演出A及び予告演出Bの導入演出になり得る)。
ここで予告演出Dは、単体で実行され得る予告演出であると共に、予告演出A及び予告演出Bの後に実行され得る予告演出である(予告演出A及び予告演出Bの発展先の予告演出になり得る)。
【0194】
演出内容決定手段225は、受信した変動開始コマンド(ステップS402で受信した変動開始コマンド)に基づいて、当該コマンドに含まれる種々の情報のうち少なくとも特図変動パターンを用いて、主予告処理に係る演出用抽選テーブルを参照して上記の主予告パターンのいずれかを選択して決定することを原則とする。
ただし、演出内容決定手段225は、差し替え判定手段222による差し替え抽選に当選した場合には、差し替え後の特図変動パターン(ステップS406で差し替えられた特図変動パターン)を用いて、主予告処理に係る演出用抽選テーブルを参照して上記の主予告パターンのいずれかを選択して決定する。この決定において、演出内容決定手段225は、差し替え後の特図変動パターンの他に、受信した変動開始コマンドに含まれる特図変動パターン以外の情報(例えば、変動開始時の作動保留情報の数等)を用いてもよい。
【0195】
ここで演出内容決定手段225の参照先は、当該特図変動パターンがはずれ対応のものである場合は
図21に図示する演出用抽選テーブルであり、当該特図変動パターンが大当り対応のものである場合は
図22に図示する演出用抽選テーブルであり、当該特図変動パターンが小当り対応のものである場合は不図示の演出用抽選テーブル又は
図21に係る演出用抽選テーブルの不図示の部分である。
なお、
図21及び
図22では、大当りとはずれで個別の演出用抽選テーブルが設けられているように図示しているが、実際にはこれらを一つの演出用抽選テーブルに統合してもよいし、更に細分化してもよい。また、例えば、変動開始時の作動保留情報の数ごとに別々の演出用抽選テーブルを設け、それぞれについて抽選値の割り当て(割り当てる欄やその数値)を変動させてもよい。
【0196】
図21に示すとおり、特図変動パターン導出状態Aにおいて最短の変動時間が割り当てられている特図変動パターンPAX13に基づいて主予告パターンを選択する場合、予告演出A〜予告演出Dのいずれも実行される可能性がない。その変動時間内に予告演出A〜予告演出Dの実行期間が収まらないからである。
図21に示すとおり、特図変動パターン導出状態Aにおいて最短の変動時間が割り当てられている特図変動パターンPAX14に基づいて主予告パターンを選択する場合、いずれの予告演出も実行される可能性がない。その変動時間内には擬似連ガセに対応する専用の演出を実行するからである。
図21及び
図22に示すとおり、ノーマルリーチに対応する特図変動パターン(特図変動パターンPAX14及び特図変動パターンPAY11)に基づいて主予告パターンを選択する場合、主予告パターン1、主予告パターン2、又は主予告パターン3が選択される為、予告演出A、予告演出B、及び予告演出Cが実行される可能性はあるものの、予告演出Dが実行される可能性はない。
図22に示すとおり、全回転リーチに対応する特図変動パターン(特図変動パターンPAY41)に基づいて主予告パターンを選択する場合、主予告パターン9又は主予告パターン13が選択される。上述したように、本実施形態では三回の擬似変動にわたって予告演出A又は予告演出Bが選択された場合にのみ全回転リーチに発展し得る演出仕様になっているからである。
【0197】
なお、詳細な説明は割愛するが、上述した予告演出に関する詳細内容の決定処理及び設定処理(ステップS416)は、決定された主予告パターンに沿って、予告演出A、予告演出B、予告演出C、及び予告演出Dの詳細内容を決定する他、これ以外の予告演出との間の調整処理等を行った上で、具体的な演出データを設定する処理である。
【0198】
当然ながら、
図12〜
図22を用いて説明した各種演出処理に関する演出仕様(例えば、演出内容、抽選割合、実行順序、開始タイミング、終了タイミングに関する記載内容等)は、本発明の実施における一具体例であり、本発明の目的に反しない範囲内において適宜変更可能である。
【0199】
<他の変形例>
以上の説明で記載されていない変形例について、以下に列挙する。
上述した実施形態における遊技に関する仕様は、本発明の実施における一具体例であり、本発明の目的に反しない範囲内において適宜変更可能である。
例えば、特図高確且つ普図高確(確変モード)への遷移条件は、確変大当りに係る大当り遊技の終了に加えて、当該確変大当りにおけるアタッカー開放中にアタッカー内の特定領域(遊技球がアタッカーを通過した後に通過可能な特定領域)を通過すること(いわゆるV入賞)を含めてもよい。
また、特図高確且つ普図高確(確変モード)から特図低確且つ普図低確(通常モード)への遷移条件は、転落当否判定に当選した図柄変動の終了としたが、これに代えて所定回数の図柄変動の終了とする仕様(いわゆる回数切り確変)であってもよいし、これらのいずれも当該遷移条件としない仕様(いわゆるループ式確変)としてもよい。
また、小当り導出可能な仕様としたが、小当り導出不能(小当りの当選確率が零)である仕様としてもよい。
また、設定値の変更手段(設定変更手段)を備えない仕様としたが、設定変更手段を備える仕様としてもよい。ここで設定値とは、複数段階の設定値の中から選択的に設定されるものであり、設定変更手段を備える遊技機は、その時点で設定されている設定値によって大当りに当選する確率が定まる(設定値ごとに大当りの当選確率が変化し得る)。
【0200】
上述の実施形態において、互いに対応付けられている第一の変動パターンと第二の変動パターンの組み合わせは、大当りに対応する特図変動パターンとはずれに対応する特図変動パターンに限られたが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、大当りに対応する特図変動パターン及び小当りに対応する特図変動パターンのうち一方を第一の変動パターン、他方を第二の変動パターンとして扱ってもよい。
【0201】
上述した実施形態における差し替え判定手段(差し替え判定手段222)は、本発明の実施において必ずしも必要となるものではない。例えば、一部の図柄変動(例えば、特図低確且つ普図高確又は特図高確且つ普図高確における最終変動を含む一又は複数回の図柄変動)では一律に変動パターンを差し替えて(上記の第五の場合)、他の図柄変動では変動パターンを差し替えない(上記の第四の場合)変形例を採用してもよい。
【0202】
上述した実施形態では、差し替え判定手段を実現する構成がサブ制御(第1副制御基板200)であるものとして説明したが、同手段をメイン制御(主制御基板100)に係る構成として実現してもよい。
【0203】
上述した実施形態では、差し替え判定手段に係る判定は抽選により実現されるものとしたが、必ずしも抽選によるものである必要はなく、別の条件(例えば、演出モードを特定し、特定された演出モードが通常モードである場合には変動パターンの差し替えを行わず(第四の場合)、特定された演出モードが通常モードより平均滞在期間が短い特殊な演出モードである場合には変動パターンの差し替えを行う(第五の場合)等)により行われてもよい。
【0204】
上述した実施形態では、差し替え判定手段に係る判定は、事前判定コマンドの受信を契機(保留入賞時)として行うものとして説明したが、変動開始コマンドの受信を契機(変動開始時)に行ってもよいし、事前判定コマンドの受信及び変動開始コマンドの受信の双方を契機としてもよい。即ち、差し替え判定手段は、保留入賞時又は変動開始時の少なくとも一方において、上述の差し替え判定を行ってもよい。
【0205】
なお、変動開始時において差し替え判定を行う変形例(保留入賞時に当該判定を行うか否かは不問)において、差し替え判定手段は、変動パターン導出手段によって導出された変動パターン(該変動開始コマンドに含まれる特図変動パターン)に基づいて、上述の差し替え判定(今回の図柄変動において演出用抽選テーブルを参照する際に用いる変動パターンを差し替えるか否かの判定)を行ってもよい。即ち、変動パターン導出手段による導出処理の後に、差し替え判定手段による判定処理が実行されてもよい。
【0206】
また、保留入賞時及び変動開始時の双方において差し替え判定を行う変形例について、事前判定手段によって第一の変動パターンが判定されると、該第一の変動パターンに基づいて先読み演出を決定する場合(第一の場合)、及び事前判定手段によって第一の変動パターンが判定されると、該第一の変動パターンから差し替えた第二の変動パターンに基づいて先読み演出を決定する場合(第二の場合)について検討すると、更に次の(i)〜(iii)の特徴を有してもよいと言える。
(i)第一の場合に決定された先読み演出を経由して行われる対象変動において、演出制御手段は、変動パターン導出手段によって導出された第一の変動パターンを第二の変動パターンに差し替えて該第二の変動パターンに基づいて該対象変動中に実行させる予告演出を決定してもよい。
(ii)第二の場合に決定された先読み演出を経由して行われる対象変動において、演出制御手段は、変動パターン導出手段によって導出された第一の変動パターンを差し替えずに該第一の変動パターンに基づいて該対象変動中に実行させる予告演出を決定してもよい。
上記の(i)、(ii)の変形例は共に、先読み演出の根拠となる変動パターンと、対象変動における予告演出の根拠となる変動パターンと、を相違させ得る為、対象変動より前と対象変動とで演出の雰囲気を変化させることによって、演出効果を高める効果を奏する。
【0207】
上記の(i)の変形例を前提として、第一の場合に決定された先読み演出を経由して行われる対象変動において、演出制御手段が、第一の変動パターンを差し替えずに対象変動中に実行させる予告演出を決定する場合(第四の場合)と、第一の変動パターンを第二の変動パターンに差し替えて対象変動中に実行させる予告演出を決定する場合(第五の場合)を比較した場合に、(iii)第五の場合が第四の場合より多くてもよいし、(iv)第五の場合が第四の場合より少なくてもよい。
(iii)の変形例(変動パターンを差し替えずに先読み演出の決定する場合に、対象変動の予告演出の決定については変動パターンを差し替える場合が多い変形例)を採用した方が、上記の効果をより強めることができるので、好ましいとも思える。しかしながら、本発明の実施において(iv)の変形例(変動パターンを差し替えずに先読み演出の決定する場合に、対象変動の予告演出の決定についても変動パターンを差し替えない場合が多い変形例)の採用を必ずしも制限するものではない。保留入賞時から対象変動の変動終了時までの期間に行われる各種演出の雰囲気を保つことを優先する場合には、(iv)の変形例も採用しうる。
【0208】
上記の(ii)の変形例を前提として、第二の場合に決定された先読み演出を経由して行われる対象変動において、演出制御手段が、第一の変動パターンを差し替えずに対象変動中に実行させる予告演出を決定する場合(第四の場合)と、第一の変動パターンを第二の変動パターンに差し替えて対象変動中に実行させる予告演出を決定する場合(第五の場合)を比較した場合に、(v)第五の場合が第四の場合より多くてもよいし、(vi)第五の場合が第四の場合より少なくてもよい。
但し、この場合は、(v)(vi)いずれの変形例も好ましいと考えられる。
(v)の変形例(変動パターンを差し替えた上で先読み演出の決定する場合に、対象変動の予告演出の決定についても変動パターンを差し替える場合が多い変形例)を採用した場合、保留入賞時から対象変動の変動終了直前までの期間は、差し替え後の変動パターンで演出内容が決定するものの、対象変動の変動終了時の演出内容(最終的に停止する停止図柄は)は差し替え前の変動パターンの内容(大当りでるか否か)に合致する為、その変動終了時に演出の雰囲気が変化する場合を多くすることができる。
(vi)の変形例(変動パターンを差し替えた上で先読み演出の決定する場合に、対象変動の予告演出の決定については変動パターンを差し替えない場合が多い変形例)を採用した場合、保留入賞時から対象変動の変動開始直前までの期間は、差し替え後の変動パターンで演出内容が決定するものの、対象変動の変動開始後の演出内容(最終的に停止する停止図柄は)は差し替え前の変動パターンの内容(大当りでるか否か)に合致する為、その変動開始時に演出の雰囲気が変化する場合を多くすることができる。
即ち、(v)(vi)いずれの変形例を採用するかは、演出の雰囲気を変化させるタイミングの割合の調整次第であり、適宜選択可能である。
【0209】
上述の実施形態では、所定の条件を充足する特図変動パターン(例えば、特図変動パターン導出状態B又は特図変動パターン導出状態Cに導出され得る特図変動パターンの全てや、特図変動パターン導出状態Aに導出され得る特図変動パターンPAX11、特図変動パターンPAY11、特図変動パターンPAY41等)については、「差し替え判定手段による判定が実行されない(又は差し替え抽選が行われない)」旨を説明した。
この実施例に代えて、例えば、所定の条件を充足する特図変動パターンに対する差し替え抽選の当選確率を零にすることによっても上記の実施例と同様の処理が実現できる。
即ち、上述の実施形態において、所定の場合には「差し替え判定手段による判定が実行されない(又は差し替え抽選が行われない)」旨を説明した特図変動パターンについては、「差し替え判定手段によって差し替えが肯定される割合が零である又は差し替え判定手段による判定が実行されない」ものと換言してもよい。
【0210】
上述の実施形態において、第一の変動時間と第二の変動時間との差分ΔT1がごく短い時間長さである実施態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、ΔT1に相当する時間長さの予告演出を、装飾図柄が最終的に停止する直前に差し込むことによって、その差分を埋める仕様としてもよい。この変形例における当該予告演出は、特図変動パターンの差し替えが発生したことを遊技者が認識可能な態様の演出(例えば、いわゆる滑り演出)とすることが好ましい。
ここで滑り演出とは、リーチ目になった後に、当該リーチ目を構成する装飾図柄と異種の装飾図柄が最終停止列において仮停止し、その後に仮停止している装飾図柄が再変動して図柄揃いになる(全ての列において同種の装飾図柄になる)演出である。
【0211】
以上で説明した本発明は、上述の説明に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0212】
<付記>
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)図柄変動の変動パターンを、複数とおりの変動パターンから導出する変動パターン導出手段と、始動口の入賞を契機として取得される乱数を作動保留情報として保留する保留制御手段と、保留された前記作動保留情報を読み出して、該作動保留情報に係る乱数が用いられる図柄変動である対象変動において前記変動パターン導出手段によって導出される図柄変動の変動パターンを判定する事前判定を行う事前判定手段と、前記事前判定手段による判定の結果に基づいて前記対象変動より前に開始される先読み演出を決定する演出制御手段と、を備え、前記変動パターン導出手段によって導出可能な変動パターンには、互いに対応付けられている第一の変動パターン及び第二の変動パターン、並びに、前記第一の変動パターン及び前記第二の変動パターンの双方に対応付けられていない第三の変動パターンが含まれており、前記第一の変動パターンに対して定められている第一の変動時間と前記第二の変動パターンに対して定められている第二の変動時間との差分は、前記第三の変動パターンに対して定められている第三の変動時間と前記第一の変動時間との差分よりも小さく、且つ、前記第三の変動時間と前記第二の変動時間との差分よりも小さく、前記演出制御手段は、前記事前判定手段によって前記第一の変動パターンが判定されると、該第一の変動パターンに基づいて前記先読み演出を決定する第一の場合と、前記事前判定手段によって前記第一の変動パターンが判定されると、該第一の変動パターンから差し替えた前記第二の変動パターンに基づいて前記先読み演出を決定する第二の場合と、前記事前判定手段によって前記第一の変動パターンが判定されると、該第一の変動パターンから差し替えた前記第三の変動パターンに基づいて前記先読み演出を決定する第三の場合と、を比べると、前記第二の場合が前記第一の場合より少なく、且つ、前記第三の場合が無い遊技機。
(2)前記第三の変動パターンのうち少なくとも一つは、前記変動パターン導出手段によって導出され得る変動パターンの中で最も大当り期待度が高い予告演出に対応する変動パターンである(1)に記載の遊技機。
(3)前記第三の変動パターンのうち少なくとも一つは、前記変動パターン導出手段によって導出され得る変動パターンの中で最も導出される割合が高い変動パターンである(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4)低確率状態又は前記低確率状態よりも大当りに当選し易い高確率状態のいずれか一方に制御し、且つ、入賞困難状態又は前記入賞困難状態よりも始動口への遊技球の入賞が容易となる入賞容易状態のいずれか一方に制御する遊技状態制御手段を備え、前記第三の変動パターンのうち少なくとも一つは、前記低確率状態且つ前記入賞困難状態に制御された図柄変動において導出されない変動パターンであり、且つ、前記高確率状態及び前記入賞容易状態のうち一方又は両方に制御された図柄変動において、導出され得る変動パターンである(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
(a)前記第一の変動パターンは大当りに当選した図柄変動において導出可能な変動パターンであり、且つ、前記第二の変動パターンは大当りに当選しなかった図柄変動において導出可能な変動パターンである(1)に記載の遊技機。
(b)前記第一の変動パターンは大当りに当選しなかった図柄変動において導出可能な変動パターンであり、且つ、前記第二の変動パターンは大当りに当選した図柄変動において導出可能な変動パターンである(1)に記載の遊技機。