(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第一の始動口または第二の始動口への遊技球の入賞に基づいて図柄変動を実行可能であり、図柄変動ごとに大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行し、複数段階の設定値から一の設定値を設定し、設定されている前記設定値によって前記大当りに当選する確率が定まり、前記第一の始動口に係る図柄変動と前記第二の始動口に係る図柄変動とを並行して実行可能であり、前記大当りに当選した図柄変動の終了後に該大当りに係る大当り遊技の開始を待機させ、該大当り遊技の待機中に所定の領域に対して遊技球が通過または入賞したことに基づいて該大当り遊技を開始させる遊技機であって、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
演出手段と、
前記演出手段を制御する演出制御手段と、備え、
前記遊技状態制御手段は、第一の遊技状態と、前記第一の遊技状態よりも有利な第二の遊技状態と、を設定可能なものであり、
前記第一の遊技状態は、前記第一の遊技状態における前記当否判定によって当選する前記大当りのうちの前記第一の始動口に係る図柄変動での前記当否判定によって当選する前記大当りが占める割合が、前記第一の遊技状態における前記当否判定によって当選する前記大当りのうちの前記第二の始動口に係る図柄変動での前記当否判定によって当選する前記大当りが占める割合よりも高くなる遊技状態であり、
前記演出制御手段は、
前記第一の遊技状態における前記第一の始動口への遊技球の入賞に基づいて、設定されている前記設定値を示唆する設定示唆演出である第一の演出を実行させることが可能なものであって、
前記第一の遊技状態において前記当否判定によって前記大当りに当選したと判定された前記第二の始動口に係る図柄変動の終了後の該大当りに係る前記大当り遊技の待機中に、前記第一の始動口への遊技球の入賞が発生した場合には、該遊技球の入賞に基づいた前記第一の演出を実行させないものであることを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
なお、以降の説明における「有利(有利度)」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出面を除き、賞球の獲得量(遊技球の払い出し、メダルの払い出し)に関して有利であることを指す。
【0010】
<本発明の特徴について>
本実施形態における遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態に記載されている発明(本発明)の特徴を説明する。
なお、当該特徴を説明するにあたり、括弧内の構成は、直前の構成に対応する本実施形態の構成を例示したものであり、当該説明以降の遊技機10の説明においても同様の用途で括弧内に構成を記載する場合がある。
【0011】
本発明は、第一の始動口(第1始動口57)または第二の始動口(第2始動口59)への遊技球の入賞に基づいて図柄変動を実行可能であり、図柄変動ごとに大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行し、複数段階の設定値から一の設定値を設定し、設定されている上記設定値によって上記大当りに当選する確率が定まり、上記第一の始動口に係る図柄変動と上記第二の始動口に係る図柄変動とを並行して実行可能であり、上記大当りに当選した図柄変動の終了後に当該大当りに係る大当り遊技の開始を待機させ、当該大当り遊技の待機中に所定の領域に対して遊技球が通過または入賞したことに基づいて当該大当り遊技を開始させる遊技機であって、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段(遊技状態制御手段155)と、
演出手段(メイン表示部81)と、
上記演出手段を制御する演出制御手段(第1副制御基板200、第2副制御基板300)と、備え、
上記遊技状態制御手段は、第一の遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)と、上記第一の遊技状態よりも有利な第二の遊技状態(特図変動パターン導出状態PB)と、を設定可能なものであり、
上記第一の遊技状態は、上記第一の遊技状態における上記当否判定によって当選する上記大当りのうちの上記第一の始動口に係る図柄変動での上記当否判定によって当選する上記大当りが占める割合が、上記第一の遊技状態における上記当否判定によって当選する上記大当りのうちの上記第二の始動口に係る図柄変動での上記当否判定によって当選する上記大当りが占める割合よりも高くなる遊技状態であり、
上記演出制御手段は、
上記第一の遊技状態における上記第一の始動口への遊技球の入賞に基づいて、設定されている上記設定値を示唆する設定示唆演出である第一の演出を実行させることが可能なものであって、
上記第一の遊技状態において上記当否判定によって上記大当りに当選したと判定された上記第二の始動口に係る図柄変動の終了後の当該大当りに係る上記大当り遊技の待機中に、上記第一の始動口への遊技球の入賞が発生した場合には、当該遊技球の入賞に基づいた上記第一の演出を実行させないものであることを特徴とする遊技機である。
【0012】
本発明によれば、設定値に関する示唆を行う演出を実行しつつも、遊技者の興趣を喚起し得るイレギュラー大当りを認識させ易くすることができる。
【0013】
なお、上記第一の遊技状態および第二の遊技状態は、後述する特図抽選状態および普図抽選状態の組合せで定義されるものである。
【0014】
また、「上記第一の遊技状態は、上記第一の遊技状態における上記当否判定によって当選する上記大当りのうちの上記第一の始動口に係る図柄変動での上記当否判定によって当選する上記大当りが占める割合が、上記第一の遊技状態における上記当否判定によって当選する上記大当りのうちの上記第二の始動口に係る図柄変動での上記当否判定によって当選する上記大当りが占める割合よりも高くなる遊技状態であり、」とは、上記第一の遊技状態において推奨される打ち出し方向(後述する特図抽選状態および普図抽選状態の組合せによって定まる遊技者にとって相対的に有利となる打ち出し方向)で遊技球を打ち出して遊技を行った場合における割合の比較を指す。
【0015】
また、上記第一の演出は、その態様によって、設定されている設定値を示唆するものに限らず、例えば、その実行確率によって、設定されている設定値を示唆するものや、これらの組合せ等、設定されている設定値に関する示唆を遊技者が認識できるものであればよい。
【0016】
上記の特徴を有する遊技機10について、以下の実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0017】
<遊技機10の構造について>
まず、
図1〜
図5を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図であり、
図2は、
図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図であり、
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群およびその周辺を示す鳥瞰図であり、
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図であり、
図5は、遊技機10の背面図である。
なお、
図1から
図5に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成および機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成または機能が省かれても良い。
【0018】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示省略)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、「遊技領域50a」と称する)に遊技球を発射し、遊技球が入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを、単に「(入賞口に)入賞する」と表現する場合がある。
【0019】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠17と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0020】
中枠17は、ヒンジ機構21と同一側にあるヒンジ機構(図示省略)により左端側を中心に回動自在に支持され、外枠15の前側に開閉可能となっている。なお、中枠17は、シリンダ錠23により、施錠および解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを前枠20の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、右)に回す)が可能となっている。
なお、本実施形態では、中枠17が開放状態であるか否かを検知するための中枠開扉センサ76を備えている。なお、中枠開扉センサ76は、中枠17が開放状態である場合にはONとなり、中枠17が閉鎖状態である場合にはOFFとなる。
【0021】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を中心に回動自在に支持され、中枠17に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠および解錠(シリンダ錠23に扉キーを差し込み、扉キーを中枠17の解錠方向とは逆の方向(本実施形態では、左)に回す)が可能となっている。
また、前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
また、前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
また、前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0022】
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、後述する主制御基板100に電気的に接続されているメイン操作部39として、玉貸ボタン39a、およびプリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bが設けられ、後述する第1副制御基板200に電気的に接続されている操作部として、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる演出ボタン37、およびそれぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)等が含まれる。なお、各操作部には、操作を検知するためのセンサが設けられており、接続対象の制御基板は、当該センサの検知状態の変化によって各操作部の操作を検知している。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0023】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示省略)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
【0024】
図1に示すように、前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ演出ランプ35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や演出ランプ35は、遊技中に発生する演出やエラー演出等と連動して音声出力または点灯若しくは消灯することができる。
【0025】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の周囲に配設されているサブ表示部82で構成されている。サブ表示部82は、さらに、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82aと、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部82bと、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部82cと、を含んでいる。
ここで、メイン表示部81は、固定式の液晶表示装置であり、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cは、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動式の液晶表示装置である。
【0026】
メイン表示部81は、後述する第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92における変動表示に連動して行われる図柄列の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。各図柄列の変動表示の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、またはこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向またはその逆方向に図柄列が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
また、本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、数字の「7」を模した「7図柄」、数字の「8」を模した「8図柄」、および数字の「9」を模した「9図柄」があり、これらの図柄は、各図柄列に設けられている。以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」、および「9図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」、「8図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
【0027】
サブ表示部82のそれぞれは、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるだけでなく、移動可能に構成されている。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からメイン表示部81における装飾図柄の表示領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。
【0028】
なお、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82c)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用することができる。
【0029】
メイン表示部81とサブ表示部82の間には、演出遮蔽体83が配設されている。さらに、演出遮蔽体83は、左上演出遮蔽体83a、右上演出遮蔽体83b、左下演出遮蔽体83c、および右下演出遮蔽体83dで構成されており、これらは、互いに連動してメイン表示部81を遮蔽する方向に移動可能に構成されている。
【0030】
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下、「LED」と略称する)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されており、図柄表示装置90には、特別図柄および普通図柄が表示される。
また、図柄表示装置90は、メイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域は、メイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0031】
特別図柄は、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と、第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄と、が含まれる。
なお、特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特
図1」、第2特別図柄は「特
図2」と略称される場合がある。
【0032】
普通図柄は、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
【0033】
また、図柄表示装置90には、上述の表示装置以外に、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96が設けられている。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特
図1に係る図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特
図2に係る図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
【0034】
以下の説明では、第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92で特図を変動表示させた後に特図を停止表示させる図柄変動を「特図の図柄変動」と称し、以下の説明では、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普図を停止表示させる図柄変動を「普図の図柄変動」と称する場合がある。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される図柄列(装飾図柄)の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味する。
【0035】
遊技盤50の前面には、
図4に示すように、多数の遊技釘(図示省略)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。
また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0036】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0037】
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、一般入賞口67を図示しているが、図示されている入賞口の数や配置は一例であり、以降で説明される役割を満たす限りにおいて、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0038】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に2つ配置されている。大入賞口55には大入賞口センサ72が付設されており、大入賞口センサ72の検知結果によって大入賞口55への入賞が判定されて、大入賞口55に対応付けられた数の賞球が付与される。
より具体的には、大入賞口55には、第1大入賞口55aと第2大入賞口55bとがあり、大入賞口センサ72には、第1大入賞口センサ72aと第2大入賞口センサ72bとがあり、第1大入賞口55aには第1大入賞口センサ72aが付設され、第2大入賞口55bには第2大入賞口センサ72bが付設されている。そして、第1大入賞口55aへの入賞が判定された場合には、15球の賞球が付与され、第2大入賞口55bへの入賞が判定された場合には、第1大入賞口55aに対応づけられた賞球数よりも少ない10球の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が第1大入賞口55aおよび第2大入賞口55bに向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0039】
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55への入賞が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、特別電動役物ソレノイド66により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、特別電動役物65には、第1特別電動役物65aと第2特別電動役物65bとがあり、第1大入賞口55aの上方には第1特別電動役物65aが配設され、第2大入賞口55bの上方には第2特別電動役物65bが配設されている。さらに、特別電動役物ソレノイド66には、第1特別電動役物ソレノイド66aと第2特別電動役物ソレノイド66bとがあり、第1特別電動役物65aは、第1特別電動役物ソレノイド66aにより開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移し、第2特別電動役物65bは、第2特別電動役物ソレノイド66bにより開放状態態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
【0040】
第1特別電動役物65aは、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して設定される大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第1大入賞口55aへの入賞が許容される。このように、第1特別電動役物65aが開放状態である場合には、第1大入賞口55aへの入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技は、有利な遊技状態であると言える。
さらに、大当り遊技では、第1特別電動役物65aの開放状態と閉鎖状態が交互に設定され、1回の開放状態(「ラウンド」と称する場合があり、1回の大当りで発生するラウンドの総数を「ラウンド数」と称する場合がある)は、あらかじめ定められた数(本実施形態では、10)の遊技球が第1大入賞口55aに入賞したことに基づいて終了し、第1特別電動役物65aが閉鎖状態となる。なお、1回の開放状態は、あらかじめ定められた数の遊技球が第1大入賞口55aに入賞するのに十分な時間(本実施形態では、30s(秒))が経過したことに基づいても終了する。ここで、1回のラウンドにおいて、10球の遊技球が入賞したことに基づいて第1特別電動役物65aが開放状態から閉鎖状態に設定される場合に、すぐに閉鎖状態となることはできない。そのため、1回のラウンドにおいて、10球を超える遊技球が第1大入賞口55aに入賞する場合が発生し、当該入賞をオーバー入賞と称する場合がある。
【0041】
また、第2特別電動役物65bは、特図当否判定によって小当りが導出されたことに起因して設定される小当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2大入賞口55bへの入賞が許容される。このように、第2特別電動役物65bが開放状態である場合には、第2大入賞口55bへの入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する小当り遊技は、有利な遊技状態であると言える。
なお、小当り遊技は、大当り遊技よりも第2特別電動役物65bが開放状態となる合計時間が短く、開放状態が終了することとなる大入賞口55への入賞数(規定数)が大当り遊技よりも少ない(本実施形態では、4)。さらに、上述の通り、第2大入賞口55bに対応づけられた賞球数(10)は、第1大入賞口55aに対応づけられた賞球数(15)よりも小さい。したがって、小当り遊技は、大当り遊技よりも有利度が低い遊技状態と言える。
また、小当り遊技も、一の小当り遊技における第2特別電動役物65bが開放状態となる時間の累計が規定時間(本実施形態では、1.8s)以内となれば、大当り遊技と同様に、第2特別電動役物65bの開放状態と閉鎖状態を交互に設定し、一の小当り遊技において複数回の第2特別電動役物65bの開放状態を設けてもよい。
さらに、小当り遊技におけるオーバー入賞は、大当り遊技におけるオーバー入賞と同様に、小当り遊技(1回または複数回の第2特別電動役物65bの開放状態)が終了する第2大入賞口55bへの入賞数を超えた入賞と定義してもよいが、小当り遊技において第2特別電動役物65bが開放状態となる時間が大当り遊技よりも短いため、当該時間が経過した後の入賞と定義してもよい。
【0042】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57には第1始動口センサ70が付設されており、第1始動口センサ70の検知結果によって第1始動口57への入賞が判定されて、第1始動口57に対応付けられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。第1始動口57への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図1に係る図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0043】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59には第2始動口センサ71が付設されており、第2始動口センサ71の検知結果によって第2始動口59への入賞が判定されて、第2始動口59に対応付けられた数(本実施形態では、1)の賞球が付与される。そのため、第2始動口への入賞による賞球によって遊技球を増やすことはできない。
第2始動口59への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図2に係る図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0044】
第2始動口59に繋がる流路には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、普通電動役物ソレノイド62により開放状態または閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、普通電動役物61は、普図の図柄変動で当選して行われる普図当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が容易となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特
図2に係る図柄変動が実行される機会を大幅に増大し得る。
なお、
図4に示す通り、第2特別電動役物65bは、第2流路Yにおいて、普通電動役物61よりも下流側にある。一方、第1特別電動役物65aは、第2流路Yにおいて、普通電動役物61よりも上流側にある。
【0045】
ゲート63は、遊技領域50aの右中央部に配置されている。ゲート63には、ゲートセンサ74が付設されており、ゲートセンサ74の検知結果によってゲート63への遊技球の通過が判定される。ゲート63への遊技球の通過が判定された場合の少なくとも一部において、普図の図柄変動が行われることとなる。さらに、後述する大当り待機中において、ゲート63への遊技球の通過が判定された場合には、待機されていた大当り遊技が開始される。なお、本実施形態では、ゲート63への遊技球の通過が判定されても賞球は付与されない。
また、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球がゲート63に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0046】
一般入賞口67は、遊技領域50aの左下部に配置されている。一般入賞口67には、一般入賞口センサ73が付設されており、一般入賞口センサ73の検知結果によって一般入賞口67への入賞が判定されて、一般入賞口67に対応付けられた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0047】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述の各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0048】
なお、本実施形態では、上記入賞口およびアウト口に入球した遊技球(以下、「アウト球」と称する)を検出するためのアウト球センサ75(図示省略)を備えており、当該センサの検出結果を用いて計数されたアウト球数は、ベース値を導出するために用いられる。
ここで、ベース値とは、最も不利な状態(後述する、特図低確かつ普図低確)におけるセーフ球数(賞球数)÷アウト球数×100で導出される値であり、当該値は、後述する主制御基板モニタ97に表示される。
より具体的には、初回電源投入(RAM103のベース値に係る領域がクリアされた場合を含む)からアウト球数の60000区切りの区間でベース値を導出し、導出したベース値を次の区間に表示(例えば、アウト球数が60001〜120000の区間で導出したベース値を120001〜180000の区間で表示)する。そして、表示される値は、導出したベース値の整数部分(小数点第一位を四捨五入)である。
【0049】
遊技盤50の背面には、
図5に示すように、主制御基板100が格納された主制御基板ケース109、第1副制御基板200が格納された第1副制御基板ケース209、第2副制御基板300が格納された第2副制御基板ケース309、電源制御基板500が格納された電源制御基板ケース509、払出制御基板400が格納された払出制御基板ケース409、および設定基板41が装着され、第1副制御基板ケース209および第2副制御基板ケース309の背面に加え、主制御基板ケース109の背面の一部を覆う開閉カバー45が着脱自在に装着されている。
なお、各基板を覆う基板ケースおよびカバーは、透明性を有する部材によって構成されており、各ケースおよびカバーを通して対応する基板が視認可能となっている。
【0050】
主制御基板100には、設定値、ベース値、および遊技停止状態の種別(詳細は後述)を表示する主制御基板モニタ97が設けられ、当該モニタは、遊技盤50の背面から視認可能となっている。また、当該モニタの表示は、主制御基板100により制御される。
【0051】
ここで、設定値とは、後述する特図当否判定の有利度(大当りが導出される確率)に影響を与える値である。本実施形態における設定値は、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、および設定値6の計6段階が設けられており、設定されている設定値(以下、「現在の設定値」と称する場合がある)の値が大きくなるに従って特図当否判定の有利度が高くなるように構成されており、設定値に応じた特図当否判定の詳細は、後述する。なお、以降の説明では、設定値1、設定値3、設定値5を総称して奇数設定値と、設定値2、設定値4、設定値6を総称して偶数設定値と、設定値1、設定値2、設定値3を総称して低設定値と、設定値4、設定値5、設定値6を総称して高設定値と称する場合がある。また、設定値の段階は、複数段階あれば、6段階に限らない。そして、本実施形態とは異なる数の段階となる場合における高設定値とは、上位半分の設定値(段階の数が奇数の場合には、真ん中の設定値を含む上位の設定値)を指す。
また、設定値は、後述する設定変更手段177による設定変更処理によって変更可能であり、現在の設定値は、後述する設定確認手段178による設定確認処理において確認可能であり、設定変更処理および設定確認処理の詳細は、後述する。
【0052】
また、本実施形態では、設定されている設定値、ベース値、および遊技停止状態の種別を同一の表示装置(主制御基板モニタ97)で表示しているが、これらの一部または全部を別の表示装置に表示するようにしてもよい。
【0053】
電源制御基板500には、遊技島の電源設備から供給される一次電源を遊技機10に供給するために操作される電源スイッチ40が設けられている。
【0054】
設定基板41には、後述する復電時(電源投入時)の復帰状態を決定するための操作部として、設定キースイッチ42およびRAMクリアスイッチ43が設けられている。さらに、設定基板41には、設定キースイッチ42およびRAMクリアスイッチ43を覆う透明性を有する設定基板カバー44がヒンジ機構21と同一側にあるヒンジ機構(図示省略)により開閉可能に設けられている。
なお、設定基板カバー44は、設定キースイッチ42を操作するために用いられる設定キー600が挿入されている状態では、閉鎖状態にならないように構成されている。
また、設定基板カバー44は、ヒンジ機構によって開閉可能に構成されているが、上下にスライドするスライド式のカバーであってもよい。
【0055】
このように、遊技島に設置された状態では、中枠17を開放状態としなければ、遊技盤50の背面側に設けられた各操作部(電源スイッチ40、設定キースイッチ42、RAMクリアスイッチ43)の操作が困難となる。
【0056】
また、遊技盤50の背面には、開閉カバー45の上部に、遊技島の球供給設備から供給される遊技球が貯留される遊技球タンク46が配置されている。遊技球タンク46は、さらに、タンクレール47および払出ユニット48を介して、上球受け皿27に繋がる払出通路49と接続されており、払出ユニット48によって払い出された球は、払出通路49を通って上球受け皿27に払い出される。
【0057】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0058】
<演出遮蔽体83の動作について>
次に、
図6(a)〜
図6(c)を用いて、演出遮蔽体83の動作を説明する。
図6(a)〜
図6(c)は、演出遮蔽体83の可動位置を示す図である。
上述の通り、演出遮蔽体83は、左上演出遮蔽体83a、右上演出遮蔽体83b、左下演出遮蔽体83c、および右下演出遮蔽体83dで構成されており、
図6(a)には、演出遮蔽体83が初期位置にある状態が示されている。なお、当該位置において、メイン表示部81の表示領域の略全体が視認可能となっている。また、当該状態は、後述する演出遮蔽体閉鎖演出において、当該演出に失敗した場合に発生する状態でもある。
図6(b)には、演出遮蔽体83によってメイン表示部81の一部(全体の30%程度)が遮蔽されている状態が示されている。なお、当該状態は、演出遮蔽体閉鎖演出において、当該演出に成功するか否かが報知される直前に、当該演出に成功する場合と当該演出に失敗する場合の双方で発生する状態である。
図6(c)には、演出遮蔽体83によってメイン表示部81の全体が遮蔽されている状態が示されている。なお、当該状態は、演出遮蔽体閉鎖演出において、当該演出に成功した場合に発生する状態である。
このように、左上演出遮蔽体83a、右上演出遮蔽体83b、左下演出遮蔽体83c、および右下演出遮蔽体83dは、メイン表示部81の平面方向で互いに連動して動作する。
【0059】
また、
図6(c)に示す通り、左上演出遮蔽体83aは、前面側(メイン表示部81側を背面側と定義した場合の前面側)の表面に「天」という文字を模した凸部を有し、右上演出遮蔽体83bは、前面側の表面に「下」という文字を模した凸部を有し、左下演出遮蔽体83cは、前面側の表面に「無」という文字を模した凸部を有し、右下演出遮蔽体83dは、前面側の表面に「双」という文字を模した凸部を有し、各演出遮蔽体は、背面(メイン表示部81側)からの光を透過させないように構成されている。
さらに、右下演出遮蔽体83dが有する凸部には、設定示唆ランプ84が配設されており、当該ランプは、演出遮蔽体83がメイン表示部81の全体を遮蔽した場合に全体が視認可能となるフルカラーLEDである。なお、詳細は後述するが、この設定示唆ランプ84は、演出遮蔽体がメイン表示部81の全体を遮蔽した際に、現在の設定値に基づいて決定された色に点灯する。
【0060】
<遊技機10の制御構成について>
次に、
図7を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。
図7は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、
図7に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図7で図示しない制御構成を備えていてもよい。
【0061】
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPU101と、制御プログラムや各種抽選テーブル等のデータを記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート104と、CPU101によるプログラム処理とは別系統で動作して乱数(ハード乱数)を生成する乱数回路105と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
【0062】
CPU101は、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。
RAM103は、後述するバックアップ電源回路502において生成されるバックアップ電源によってバックアップがなされる。具体的には、RAM103に格納される情報のうち、電断が生じた後の復電時にそのデータを用いて電断直前の状態で遊技機10が復帰できるような各種情報がバックアップされるように構成されている。例えば、電断が生じた際に保持されていたスタックポインタや各レジスタ等のデータに加え、そのときの遊技機10の状態(遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、または遊技可能状態)、設定中の設定値、現在の特図抽選状態、現在の普図抽選状態などといった遊技に係る情報がバックアップ対象とされる。
【0063】
本実施形態では、少なくとも、そのような遊技に係る情報が格納される領域(RAM103の遊技に係る領域と表記される場合がある)に加えて、ベース値が格納される領域(RAM103のベース値に係る領域)と、RAM103の遊技に係る領域に関するチェックサムの補数およびバックアップフラグが格納される領域(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域と表記される場合がある)と、RAM103のベース値に係る領域に関するチェックサムの補数およびバックアップフラグが格納される領域(RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域と表記される場合がある)とがバックアップされる。そして、遊技機10は、復電時に、そのバックアップされた、RAM103の遊技に係る領域と、RAM103のベース値に係る領域と、RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域と、RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域とに格納される各種情報を用いて復帰する。
なお、本実施形態におけるバックアップの具体的手法については何ら制限されない。例えば、RAM103のうちバックアップ対象とされる領域は、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能な構成で実現されてもよい。他の例としては、RAM103の中でも、電断状態においても不揮発的にデータを保持可能に構成される第一メモリと、遊技機10が動作時に参照される第二メモリとで異なるハードウェアが設けられていてもよく、その場合には、遊技機10は、電断時に第二メモリから第一メモリにバックアップ対象となる情報を退避し、その退避された情報を復電時に第一メモリから第二メモリへリカバリすればよい。
【0064】
また、主制御基板100は、第1始動口センサ70、第2始動口センサ71、大入賞口センサ72、一般入賞口センサ73、ゲートセンサ74、アウト球センサ75、中枠開扉センサ76等と電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。
【0065】
また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、普通図柄表示装置93、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96、主制御基板モニタ97、普通電動役物ソレノイド62および特別電動役物ソレノイド66に電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらを制御可能に構成されている。
同様に、主制御基板100は、メイン操作部39に電気的に接続されており、メイン操作部39の操作を検知可能に構成されている。さらに、主制御基板100は、設定基板41と電気的に接続されており、設定キースイッチ42、およびRAMクリアスイッチ43の操作を検知可能に構成されている。
【0066】
主制御基板100と第1副制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から第1副制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から第1副制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできないように構成されている。
また、本実施形態では、主制御基板100から第1副制御基板200へのデータ送信にパラレル伝送方式を採用しているが、シリアル伝送方式を採用してもよい。
【0067】
第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うCPU201、演出制御プログラムや各種抽選テーブル等のデータを記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート204と、を備え、これらが内部バスを介して相互に接続され、CPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
なお、第1副制御基板200は、演出ボタン37およびカーソルボタン38に電気的に接続されており、当該操作部の操作を検知可能に構成されている。
【0068】
また、第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、第2副制御基板300へ画像および音響を指示する画像制御コマンド、演出ランプ35等の各種ランプの点灯を制御するためのランプ制御データ、可動装飾体22およびサブ表示部82等の可動体の可動を制御するための可動制御データ等を生成する。
ここで、第1副制御基板200は、第2副制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが第1副制御基板200から第2副制御基板300へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が第2副制御基板300から第1副制御基板200へ送信される。
【0069】
また、第1副制御基板200は、演出ランプ35および設定示唆ランプ84と電気接続されており、I/Oポート204を介して、ランプ制御データを送信する。そして、演出ランプ35は、第1副制御基板200から送信されるランプ制御データによって点灯が制御されるように構成されている。
【0070】
また、第1副制御基板200は、可動装飾体22、サブ表示部82、および演出遮蔽体83と電気接続されており、I/Oポート204を介して、可動制御データを送信する。
そして、可動装飾体22、サブ表示部82、および演出遮蔽体83は、第1副制御基板200から送信される可動制御データによって可動が制御されるように構成されている。
【0071】
第2副制御基板300は、第1副制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート304とを備えており、CPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
その他、第2副制御基板300には、図示省略するが、CPU301から受信した制御信号に基づき、後述する演出内容決定手段225によって決定された演出の内容に沿った画像データを生成するVDPと、CPU301から受信した制御信号に基づき当該演出の内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、CPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを演出表示装置80へ送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、CPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、読み込んだ音響データを合成処理して生成した最終的な音響データを増幅器を介してスピーカ33に出力する。
【0072】
払出制御基板400は、CPU401、ROM402およびRAM403(いずれも図示省略)を主体として構成されている。
また、払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて払出ユニット48を駆動させて遊技球を払い出すための制御を実行するとともに、操作ハンドル31の操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
【0073】
電源制御基板500は、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、上述の制御基板等の電子部品や電気部品に供給する通常電源を生成する通常電源回路501、バックアップ電源を生成するバックアップ電源回路502、および電断(通常電源による供給電圧が所定の電圧低下となること)を検出する電断検出回路503で構成されている。
また、電源制御基板500には、電源スイッチ40が接続されており、遊技島の電源設備から1次電源が供給されていることを前提として、電源スイッチ40がONになると、電源制御基板500の通常電源回路501で通常電源が生成され、上述の制御基板(主制御基板100、第1副制御基板200、第2副制御基板300、および払出制御基板400)を含む電子部品や電気部品に電源が供給される。
また、電源制御基板500は、電断検出回路503によって電断が検出された場合には、電断信号(NMI信号)を主制御基板100、第1副制御基板200、払出制御基板400のそれぞれに送信する。
また、バックアップ電源回路502は、遊技島の電源設備から遊技機10に電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。
なお、バックアップ電源回路502を払出制御基板400上に設けるようにしてもよく、電断検出回路503を電源制御基板500に設けず、主制御基板100、第1副制御基板200、および払出制御基板400のそれぞれに設けるようにしてもよい。
【0074】
<遊技機10の機能構成について>
次に、
図8を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。
図8は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、
図8に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図8で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、機能構成を説明する際に、必要に応じて
図9〜
図14を参照することとする。
【0075】
主制御基板100は、
図8に示すように、入球判定手段110、メイン乱数発生手段115、メイン保留制御手段120、事前判定手段125、特図抽選手段130、普図抽選手段135、大当り遊技制御手段140、図柄表示制御手段145、電動役物制御手段150、遊技状態制御手段155、メイン情報記憶手段160、メインエラー制御手段165、メインコマンド管理手段170、復電処理実行手段175、および電断処理実行手段180を備えており、これらの手段は、
図7を用いて説明した主制御基板100上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
【0076】
なお、メイン情報記憶手段160は、主制御基板100が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。特に、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶されたデータ(演出制御コマンド)は、記憶された後にコマンド送信手段によって後述する第1副制御基板200のサブコマンド管理手段270に向けて送信される。
【0077】
入球判定手段110は、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に基づいて各入賞口への入賞を判定する。
【0078】
メイン乱数発生手段115は、乱数回路105によって更新範囲が異なる複数種類の乱数を生成可能であり、入賞口への入賞が判定されたタイミングで乱数回路105から当該入賞口に対応する一または複数の乱数を取得(ラッチ)する。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57または第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、および特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への遊技球の通過が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図図柄抽選用の乱数、および普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段160の対応する格納領域に格納する。
【0079】
メイン保留制御手段120は、特図に係る図柄変動の保留、および普図に係る図柄変動の保留に関する制御を行う。特
図1に関しては、第1始動口57への入賞を契機として取得された、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、および特図変動パターン抽選用の乱数を、特
図1に係る作動保留情報として保留する(記憶させる)。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特
図1に係る作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特
図1に係る作動保留情報が使用される(特図抽選手段130の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特
図1保留カウンタ」と称する)を備え、特
図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段160の現在の特
図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特
図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特
図1保留カウンタよりも1少ない特
図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
また、メイン保留制御手段120は、特
図2および普図に関しても、特
図1とは別に上述の制御と同様の制御を行い、特
図2の保留カウンタを特
図2保留カウンタと称する。なお、以降の説明では、特
図1に係る作動保留情報の保留、および特
図2に係る作動保留情報の保留の双方を、「図柄変動の保留」と表現する場合がある。
また、メイン保留制御手段120は、特
図1または特
図2に係る作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算または減算)した際に、特
図1保留カウンタおよび特
図2保留カウンタを含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0080】
事前判定手段125は、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で、当該作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する。
より具体的には、事前判定手段125は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、後述する、特図当否判定、特図停止図柄抽選、および特図変動パターン抽選のそれぞれに対する事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブルと同一または同等の抽選テーブル(図示省略)が用いられる。そのため、これらの事前判定の結果は、後に実行される抽選の結果と同一の結果となる。
また、事前判定手段125は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、上述の通り、事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で送信される(生成され、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることとなる。ここで、所定の事前判定のタイミングとは、大当り遊技中ではないことを指す。
【0081】
特図抽選手段130は、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、および特図変動パターン導出手段133を備え、変動開始条件が充足されると、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの、当該変動条件に係る特図に対応する最先の作動保留情報を読み出す。そして、特図当否判定手段131、特図停止図柄抽選手段132、特図変動パターン導出手段133の順に各手段による処理が実行される。
ここで、変動開始条件とは、特
図1および特
図2のそれぞれで個別に充足されるか否かが判定される条件であり、より具体的には、後述する大当り待機中および大当り遊技中のいずれでもなく、かつ同一の特図の図柄変動が実行中でないことで充足される条件である。すなわち、本実施形態では、特
図1に係る図柄変動と特
図2に係る図柄変動とが同時並行で実行され得る。
【0082】
よって、遊技機10は、第一の始動口(第1大入賞口55a)に係る図柄変動と第二の始動口(第2大入賞口55b)に係る図柄変動とを並行して実行可能であると換言できる。
【0083】
なお、本実施形態では、例えば、特
図1に係る作動保留情報、および特
図2に係る作動保留情報の双方が、大当り遊技終了時に保留されている状況等、特
図1に係る変動開始条件と特
図2に係る変動開始条件とが同時に充足される状況が発生し得るが、このような状況では、特
図2に係る最先の作動保留情報を読み出して特
図2に係る図柄変動を開始させた直後に、特
図1に係る最先の作動保留情報を読み出して特
図1に係る図柄変動を開始させる。
また、作動保留情報の保留と同時に変動開始条件が充足される場合には、メイン保留制御手段120によって作動保留情報が保留されることなく、当該作動保留情報を特図抽選手段130によって直接読み出すようにしてもよい。
【0084】
ここで、
図9〜
図11は、特図抽選手段130で用いられる抽選テーブルを模式的に示す図であり、以下の説明において必要に応じて参照する。
なお、これらの抽選テーブル以外も含め、抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値をあらかじめ定められた順序に従って順次加算(対象となる抽選値が一つである場合には、加算回数は一回)され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。同様に、抽選テーブルに関する説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「−」や「0」が記載されている場合があるが、これらは必ずしも各ROMに記憶されたデータを示すものではない。そして、抽選値として「−」や「0」が記載された結果は当選することはない。さらに、抽選に使用される乱数範囲(当該範囲で取得され得る乱数の数)と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。また、一回の抽選に用いられる抽選値の合計値が、抽選に使用される乱数範囲と一致した場合には、最後の抽選値の加算で必ずキャリーが発生するため、当該加算を行わなくてよく、その場合には、当該加算に用いられる抽選値自体も不要となる。
【0085】
特図当否判定手段131は、図柄変動ごとに、特図当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と現在の設定値に対応する特図当否判定用の抽選テーブルを用いて大当り、小当り、ハズレのいずれに当選するかを抽選によって判定する特図当否判定を実行する。
図9(a)は、特
図1に係る特図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図である。当該判定で用いられる乱数の範囲は、0〜65535であるため、特図抽選状態が低確率の場合(以下、「特図低確」と略称する場合がある)の特
図1に係る特図当否判定において、現在の設定値が設定値1である場合には205/65536(約1/319.6)、現在の設定値が設定値2である場合には210/65536(約1/312.0)、現在の設定値が設定値3である場合には215/65536(約1/304.8)、現在の設定値が設定値4である場合には220/65536(約1/297.8)、現在の設定値が設定値5である場合には225/65536(約1/291.2)、現在の設定値が設定値6である場合には230/65536(約1/284.9)の確率で、大当りが導出される(大当りに当選する)。同様に、特図抽選状態が高確率の場合(以下、「特図高確」と略称する場合がある)において、現在の設定値が設定値1である場合には445/65536(約1/147.2)、現在の設定値が設定値2である場合には455/65536(約1/144.0)、現在の設定値が設定値3である場合には466/65536(約1/140.6)、現在の設定値が設定値4である場合には477/65536(約1/137.3)、現在の設定値が設定値5である場合には488/65536(約1/134.2)、現在の設定値が設定値6である場合には499/65536(約1/131.3)の確率で、大当りが導出される。なお、
図9(a)に示す通り、特
図1に係る特図当否判定において小当りは、導出されない。
図9(b)は、特
図2に係る特図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図である。当該判定で用いられる乱数の範囲は、特
図1と同様に、0〜65535であり、大当りが導出される確率は、特
図1に係る特図当否判定と同様であるため、説明を省略する。なお、
図9(b)に示す通り、特
図2に係る特図当否判定において、小当りは、特図低確および特図高確のいずれにおいても、60000/65536(約1/1.09)の確率(ハズレを含めた特図当否判定の結果の中で最も高い確率)で導出され、当該確率は、現在の設定値の段階によらない。この点が特
図1に係る特図当否判定とは異なる。
【0086】
このように、本実施形態では、特図低確および特図高確のそれぞれにおいて、大当りが導出される確率は設定値ごとに異なり、いずれの設定値においても、特図低確において大当りが導出される確率の分子を1とした場合の分母の値が、特図高確において大当りが導出される確率の分子を1とした場合の分母の値よりも大きくなっている。そのため、特図高確は、特図低確よりも大当りが導出される確率が高く、特図低確よりも有利度が高い状態であると言える。
また、本実施形態では、特図低確の大当りが導出される確率の分母(分子を1とした場合)と、特図高確で大当りが導出される確率の分母(分子を1とした場合)の比率が、設定される設定値に関わらず一定(本実施形態では、1:約2.2)となるように抽選値が設定されており、当該比率が一定とは、大当り確率の分母(分子を1とした場合)の整数部分(小数点以下は、切り捨て、切り上げ、および四捨五入のいずれか)の比率が一定となることを指す。すなわち、前者の確率の分母と、後者の確率の分母の比率が、設定される設定値に関わらず略一定となるように抽選値が設定されていればよい。
【0087】
また、上述の通り、本実施形態では、特
図1に係る図柄変動と特
図2に係る図柄変動とが同時並行で実行され得る。そのため、特図当否判定によって大当りが導出された特
図1に係る図柄変動の実行中には特
図2に係る図柄変動が、特図当否判定によって大当りが導出された特
図2に係る図柄変動の実行中には特
図1に係る図柄変動が、新たに開始され得るが、本実施形態では、これらの新たに開始された図柄変動における特図当否判定において大当りが導出されても当該大当りを無効とする。
一方、特図当否判定によって大当りが導出された特
図1に係る図柄変動の実行中に、新たに開始された特
図2に係る図柄変動における特図当否判定において小当りが導出された場合には、当該特
図2に係る図柄変動が、当該特
図1に係る図柄変動よりも早くに終了することを条件に、当該小当りが有効となり、当該特
図2に係る図柄変動の終了後に小当り遊技が開始される。ただし、当該特
図1に係る図柄変動が、特
図2に係る図柄変動よりも早くに終了する場合には、当該小当りは無効となる。
なお、本実施形態における特図当否判定では、大当りに当選するか否かの判定と、小当りに当選するか否かの判定と、を一の抽選テーブルを用いて一体的に判定しているが、これに限らない。例えば、別の抽選テーブルを用いて、これらの判定を順に行うようにしてもよく、この場合には、大当りが導出された一方の特図に係る図柄変動の実行中に、新たに他方の特図に係る図柄変動が開始された場合には、当該他方の特図に係る図柄変動において大当りに当選するか否かの判定を実行せず、当該他方の特図に係る図柄変動において小当り当選するか否かの判定を実行するようにしてもよい。
すなわち、大当りが導出された一方の特図に係る図柄変動の実行中に、新たに他方の特図に係る図柄変動が開始された場合に、新たに開始された図柄変動において大当りが導出されないようになっていればよい。これにより、特
図1に係る図柄変動と特
図2に係る図柄変動とが同時並行で実行されるようにしつつも、大当りが導出された後の遊技球の発射を抑制することができる。
【0088】
また、上述の遊技盤50の説明では省略したが、遊技盤50の前面には、特図低確における大当り確率および特図高確における大当り確率の設定値ごとの設計値(いずれも分子を1とした場合の確率であることが好ましい)が、前枠20が閉鎖している状態で前面側から視認可能な位置に記載されている。そのため、遊技者は、これらの確率の設計値を認識することができる。
なお、これらの確率は、設定値ごとの大当り確率をすべて記載する必要はなく、例えば、特図低確における大当り確率を「1/284.9〜1/319.6」や、特図高確における大当り確率を「1/147.2〜1/131.3」のように、設定値2〜設定値5の大当り確率を記載しないようにしてもよい。すなわち、最も高い確率と最も低い確率のみを記載するようにしてもよい。このようにすることで、確率の記載スペースを有効利用することができる。
特に、特図高確における大当り確率を記載せずに特図低確における大当り確率(特図低確における大当り確率のみ)を記載するようにしてもよく、この場合には、設定値ごとの特図低確における大当り確率をすべて記載してもよいし、一部(最も高い確率と最も低い確率)を記載するようにしてもよい。いずれの場合であっても、特図高確における大当り確率よりも遊技者が関心を持つ特図低確における大当り確率を記載しつつも、特図高確に確率の記載スペースをより有効利用することができる。また、これらの確率の記載は、メイン表示部81等の液晶表示装置による表示に置き換えてもよい。
【0089】
特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定の結果が大当りとなった場合に、特図停止図柄抽選用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブルを用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。
図10(a)は、特
図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜99である。そのため、特
図1で大当りが導出された場合には、50/100(1/2)の確率で図柄A、15/100(約1/6.67)の確率で図柄B、35/100(約1/2.86)の確率で図柄Cが停止図柄として決定され、これらの確率は設定値に依存しない。
図柄Aは、ラウンド数(R数)が10となる図柄であって、大当り遊技終了後に特図高確かつ後述する普図低確となる図柄であり、図柄Bは、ラウンド数が6となる図柄であって、大当り遊技終了後に特図高確かつ普図高確となる図柄である。以下、これらの図柄を総称して、「確変図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「確変大当り」と称する場合がある。一方、図柄Cは、ラウンド数が6となる図柄であって、大当り遊技終了後に特図低確かつ普図高確となる図柄である。以下、この図柄を、「通常図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「通常大当り」と称する場合がある。
ここで、図柄Aおよび図柄Bは、大当り遊技終了後に、特図高確となる図柄である。そのため、図柄Aおよび図柄Bは、図柄Cよりも有利な図柄と言える。さらに、図柄Aは、特図高確かつ普図高確よりも有利な遊技状態である、特図高確かつ普図低確となる図柄であるため、図柄Aは、図柄Bよりも有利な図柄と言える。
【0090】
図10(b)は、特
図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1停止図柄抽選と同様に、0〜99である。そのため、特
図2で大当りが導出された場合には、52/100(約1/1.92)の確率で図柄a、13/100(約1/7.69)の確率で図柄b、35/100(約1/2.86)の確率で図柄cが停止図柄として決定され、これらの確率は設定値に依存しない。
図柄aは、ラウンド数が16となる図柄であって、図柄Aと同様に、大当り遊技終了後に特図高確かつ特図低確となる図柄である。図柄bは、ラウンド数が6となる図柄であって、図柄Bと同様に、大当り遊技終了後に特図高確かつ特図高確となる図柄である。さらに、図柄cは、ラウンド数が6となる図柄であって、図柄Cと同様に、大当り遊技終了後に特図低確かつ普図低確となる図柄である。
ここで、図柄aおよび図柄bは、大当り遊技終了後に、特図高確となる図柄である。そのため、図柄aおよび図柄bは、図柄cよりも有利な図柄と言える。さらに、図柄aは、特図高確かつ普図高確よりも有利な遊技状態である、特図高確かつ普図低確となる図柄であるため、図柄aは、図柄bよりも有利な図柄と言える。
【0091】
このように、本実施形態では、特
図1および特
図2のいずれにおいても、各停止図柄が導出される確率は、設定される設定値に関わらず一定であり、特図停止図柄抽選の有利度は、設定される設定値によって変化しない。
特に、図柄aは、図柄Aよりも、ラウンド数が多くかつ当選確率が高い。そのため、特
図2に係る図柄変動は、特
図1に係る図柄変動よりも有利であると言える。
また、特図停止図柄抽選手段132は、特図当否判定の結果が大当りとならなかった場合には、特
図1のハズレ時は図柄D、特
図2のハズレ時は図柄dを停止図柄として一律に決定する。
【0092】
特図変動パターン導出手段133は、特図変動パターンを決定する際に参照する特図変動パターン抽選テーブルを複数種類備え、現在の特図変動パターン導出状態、特図の種類、および特図当否判定の結果に基づいて、今回の特図変動パターンを決定するための一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターンを決定し、決定した特図変動パターンに基づいて変動時間を決定する。
【0093】
なお、遷移条件等の詳細は後述するが、本実施形態における特図変動パターン導出状態には、特図低確かつ後述する普図低確となる特図変動パターン導出状態PA、特図高確かつ普図低確となる特図変動パターン導出状態PB、特図高確かつ後述する普図高確となる特図変動パターン導出状態PC、および特図低確かつ普図高確となる特図変動パターン導出状態PDが存在する。そして、各特図変動パターン導出状態では、推奨される遊技球の打ち出し方向(特図抽選状態および普図抽選状態の組合せによって定まる遊技者にとって相対的に有利となる打ち出し方向)があり、当該打ち出し方向は、特図変動パターン導出状態PA時では、第1流路Xとなる。一方、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDにおいて推奨される遊技球の打ち出し方向は、第2流路Yとなる。したがって、特図変動パターン導出状態PAでは、主に特
図1に係る図柄変動が実行され、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDでは、主に特
図2に係る図柄変動が実行されることとなる。
そのため、本実施形態では、特図変動パターン導出状態PAでは、当該特図変動パターン導出状態における特図当否判定によって当選する大当りのうちの、特
図1に係る図柄変動における特図当否判定によって当選する大当りの割合は、当該特図変動パターン導出状態における特図当否判定によって当選する大当りのうちの、特
図2に係る図柄変動における特図当否判定によって当選する大当りの割合よりも高くなる。
一方、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDのそれぞれでは、当該特図変動パターン導出状態における特図当否判定によって当選する大当りのうちの、特
図2に係る図柄変動における特図当否判定によって当選する大当りの割合は、当該特図変動パターン導出状態における特図当否判定によって当選する大当りのうちの、特
図1に係る図柄変動における特図当否判定によって当選する大当りの割合よりも高くなる。
【0094】
よって、遊技機10において、第一の遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)は、第一の遊技状態における当否判定によって当選する大当りのうちの第一の始動口(第1始動口57)に係る図柄変動での当否判定によって当選する大当りが占める割合が、第一の遊技状態における当否判定によって当選する大当りのうちの第二の始動口(第2始動口59)に係る図柄変動での当否判定によって当選する大当りが占める割合よりも高くなる遊技状態であると換言できる。
【0095】
ここで、主に特
図2に係る図柄変動が実行される特図変動パターン導出状態から、主に特
図1に係る図柄変動が実行される特図変動パターン導出状態へ遷移する際には、特
図2に係る図柄変動が保留されている可能性が高く、主に特
図1に係る図柄変動が実行される特図変動パターン導出状態から、主に特
図2に係る図柄変動が実行される特図変動パターン導出状態へ遷移する際には、特
図1に係る図柄変動が保留されている可能性が高い。
そのため、各特図変動パターン導出状態では、主に実行される特図に係る図柄変動とは異なる特図に係る図柄変動が実行され、この異なる特図に係る図柄変動において大当りに当選する場合があり、以降の説明では、当該大当りを、「イレギュラー大当り」と表現する場合がある。
特に、本実施形態では、上述の通り、特
図2に係る図柄変動が、特
図1に係る図柄変動よりも有利となる。そのため、主に特
図1に係る図柄変動が実行される特図変動パターン導出状態におけるイレギュラー大当りは、遊技者の興趣を喚起し得る。
【0096】
図11(a)は、特図変動パターン導出状態PA時の特
図1に係る特図変動パターン導出用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜999である。
そのため、特図変動パターン導出状態PA時に特図当否判定の結果がハズレとなった場合には、900/1000の確率で特図変動パターンHNP、50/1000の確率で特図変動パターンHRP、10/1000の確率でHSP1−A、8/1000の確率でHSP1−B、6/1000の確率でHSP1−C、7/1000の確率でHSP2−A、5/1000の確率でHSP2−B、4/1000の確率でHSP2−C、5/1000の確率でHSP3−A、3/1000の確率でHSP3−B、2/1000の確率でHSP3−Cが決定され、これらの確率は、現在の設定値や設定値の変更の有無に依存しない。なお、当該場合には、特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP3−Cが決定されることはない。また、詳細は
図11(b)を用いて後述するが、特図変動パターンHNPが決定された場合には、図柄変動開始時の特
図1保留カウンタの値を用いて特図変動パターンがさらに特定される。
特図変動パターン導出状態PA時に特図当否判定の結果が大当りとなった場合には、50/1000の確率で特図変動パターンASP1−A、70/1000の確率で特図変動パターンASP1−B、80/1000の確率で特図変動パターンASP1−C、70/1000の確率で特図変動パターンASP2−A、100/1000の確率で特図変動パターンASP2−B、130/1000の確率で特図変動パターンASP2−C、130/1000の確率で特図変動パターンASP3−A、170/1000の確率で特図変動パターンASP3−B、200/1000の確率で特図変動パターンASP3−Cが決定され、これらの確率も、現在の設定値や設定値の変更の有無に依存しない。なお、当該場合には、特図変動パターンHNP〜特図変動パターンHSP3−Cが決定されることはない。
【0097】
また、図示は省略するが、特図変動パターン導出状態PA時の特
図2に係る図柄変動に加え、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDにおける各特図に係る図柄変動においても、特図変動パターン導出状態PA時の特
図1に係る図柄変動と同様に、特図当否判定の結果に応じて特図変動パターンを抽選する。
【0098】
図11(b)は、特図変動パターンHNPが決定された場合に用いられる特図変動パターン導出用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、上述の通り、当該抽選では、特
図1保留カウンタの値を用いて特図変動パターンがさらに特定される。
まず、
図11(b)に示す通り、特図変動パターンHNPには、変動時間が3200ms(ミリ秒)の特図変動パターンHNP−A、変動時間が5600msの特図変動パターンHNP−B、変動時間が8000msの特図変動パターンHNP−C、変動時間が11200msの特図変動パターンHNP−Dがあり、この順に変動時間が長い。
そして、この抽選で用いられる乱数(
図11(a)で示した抽選テーブルに係る抽選で用いられる乱数とは異なる)の範囲は0〜999である。そのため、特
図1保留カウンタ=3(保3)である場合には、1000/1000の確率で特図変動パターンHNP−Aが決定され、この確率は設定値に依存しない。同様に、特
図1保留カウンタ=2(保2)である場合には、150/1000の確率で特図変動パターンHNP−Aが、850/1000の確率で特図変動パターンHNP−Bが決定され、特
図1保留カウンタ=1(保1)である場合には、50/1000の確率で特図変動パターンHNP−Aが、150/1000の確率で特図変動パターンHNP−Bが、800/1000の確率で特図変動パターンHNP−Cが決定され、特
図1保留カウンタ=0(保0)である場合には、50/1000の確率で特図変動パターンHNP−Bが、100/1000の確率で特図変動パターンHNP−Cが、850/1000の確率で特図変動パターンHNP−Dが決定され、これらの確率も、現在の設定値や設定値の変更の有無に依存しない。
【0099】
このように、特図変動パターンHNPが決定された場合には、特
図1保留カウンタの値によって決定され易い特図変動パターン(変動時間)が異なる。より具体的には、特
図1保留カウンタの値が小さくなるほど長い図柄変動が決定され易くなる(特
図1保留カウンタの値が大きくなるほど短い変動時間が決定され易くなる)。
なお、このような特図変動パターン(以下、「基本特図変動パターン」と称する場合がある)は、特図変動パターン導出状態PB時、特図変動パターン導出状態PC時、および特図変動パターン導出状態PD時の特
図2に係る図柄変動における特図変動パターン抽選においても導出され、対応する基本特図変動パターンの種類やそれぞれの長さは異なるが、その傾向(特図の保留カウンタ(特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDでは、特
図2保留カウンタ)の値と決定され易い特図変動パターン(変動時間)の関係性)は特図変動パターン導出状態PAと同様である。これにより、推奨される遊技球の打ち出し方向に従って遊技している遊技者の遊技意欲を減退させ難くすることができる。
ただし、各特図変動パターン導出状態では、推奨される遊技球の打ち出し方向で打ち出された遊技球が相対的に入賞容易となる始動口とは異なる始動口(例えば、特図変動パターン導出状態PAに対しては第2始動口59)に係る図柄変動では、基本特図変動パターンが決定されないようにすることが好ましい。すなわち、当該図柄変動では、当該図柄変動に係る特図の保留カウンタの値に関わらず、特図変動パターンが決定されることが好ましい。
【0100】
また、本実施形態では、上述の特図停止図柄抽選と同様に、特図変動パターン導出状態および特図当否判定の結果が同一であれば、各特図変動パターンが導出される確率は、設定される設定値によらない。
また、特図変動パターン導出手段133は、図柄変動の開始時に、特図当否判定の結果、決定された特図の停止図柄、および決定された特図変動パターンを含む演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0101】
普図抽選手段135は、特図抽選手段130と同様に、普図の図柄変動中でない場合に、メイン情報記憶手段160に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出し、読み出した乱数を用いて、普図の当否を判定する普図当否判定を実行し、普図当否判定の結果および現在の普図抽選状態に基づいて普図の停止図柄を決定し、かつ現在の普図抽選状態に基づいて普図の変動パターン(変動時間)を決定する。
【0102】
より具体的には、普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがあり、当該判定で用いられる乱数は、0〜65535である。
そのため、普図当否判定用の抽選テーブルを模式的に示す図である
図12(a)に示す通り、普図低確では、65534/65536の確率で普図当りとなり、残りの2/65536の確率でハズレとなる一方、普図高確では、65535/65536の確率で普図当りとなり、残りの1/65536の確率でハズレとなる。なお、これらの確率は、設定される設定値によらない。
このように、本実施形態では、普図低確および普図高確のいずれでも、普図当否判定において普図当りとなる確率が、普図当否判定においてハズレとなる確率よりも高く(普通電動役物61が開放状態となり易く)、第2始動口59への入賞を容易としている。
【0103】
また、普図抽選状態別の普図の変動時間および普通電動役物61の開放時間(普通電動役物61が開放状態となっている時間)をまとめた表である
図12(b)に示す通り、普図低確における普図の変動時間(本実施形態では、5000ms)は、普図高確における普図の変動時間(本実施形態では、500ms)よりも長くなる。
さらに、普図低確における普通電動役物61の開放時間(本実施形態では、1000ms)は、普図高確に普通電動役物61の開放時間(6000ms)よりも短い。
そのため、普図低確における普通電動役物61の閉鎖時間(普通電動役物61が閉鎖状態となっている時間)は、普図高確における普通電動役物61の閉鎖時間よりも長くなる。
【0104】
したがって、本実施形態では、普図低確および普図高確のいずれでも第2始動口59への入賞を可能にしつつも、単位時間当たりの普通電動役物61が閉鎖状態となっている時間(第2流路Yから転動する遊技球が、第2始動口59へ入賞せずに、第2始動口59よりも下流側に転動する時間)が占める割合を、普図低確において普図高確よりも高めることができる。
そして、上述の通り、第2流路Yにおいて、小当り遊技において開放状態となる第2特別電動役物65bは、普通電動役物61よりも下流側にある。
そのため、推奨される遊技球の打ち出し方向が第2流路Yとなる特図変動パターン導出状態(特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PD)では、小当り遊技に係る第2大入賞口55bへの入賞による賞球の獲得が容易となる普図低確となる特図変動パターン導出状態PBが、普図高確となる特図変動パターン導出状態PCおよび特図変動パターン導出状態PDよりも有利となる。
なお、特図変動パターン導出状態PAは、特図変動パターン導出状態PBと同様に、普図低確となる。しかし、後述する通り、特図変動パターン導出状態PAにおける特
図2に係る図柄変動の変動時間は、他の特図変動パターン導出状態における特
図2に係る図柄変動の変動時間よりも極端に長くなるため、特図変動パターン導出状態PAは、他の特図変動パターン導出状態よりも有利となることはない。
【0105】
よって、遊技機10において、遊技状態制御手段(遊技状態制御手段155)は、第一の遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)と、第一の遊技状態よりも有利な第二の遊技状態(特図変動パターン導出状態PB)と、を設定可能なものであると換言できる。
【0106】
なお、上述の通り、第2流路Yにおいて、大当り遊技において開放状態となる第1特別電動役物65aは、普通電動役物61よりも上流側にある。そのため、大当り遊技中における普通電動役物61の開放によって第1大入賞口55aへの入賞が阻害されることがない。
【0107】
また、本実施形態では、普図当否判定において普図当りとなった場合には、普図抽選状態ごとに一の普図の変動時間を決定し、普図抽選状態ごとの普図の変動時間を変えているが、これに限らない。すなわち、
図12(b)に示す変動時間の関係性が担保されていれば、普図抽選状態ごとに、複数種類の普図の変動時間を対応させ、抽選によって一の普図の変動時間を決定するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、普図当否判定において普図当りとなった場合には、普図抽選状態ごとに一の普図の停止図柄を決定し、普図抽選状態ごとの普通電動役物61の開放時間を変えているが、これに限らない。すなわち、
図12(b)に示す開放時間の関係性が担保されていれば、普図抽選状態ごとに、複数種類の普図の停止図柄を対応させ、抽選によって一の普図の停止図柄を決定するようにしてもよい。
【0108】
以上説明した通り、本実施形態では、設定される設定値に基づいて特図当否判定で大当りに当選する確率が定まり、設定される設定値が大きくなるほど特図当否判定で大当りに当選する確率が高くなることで、設定される設定値が大きくなるほど有利度が高くなるように構成されているが、特図当否判定に加え、特図停止図柄抽選、普図当否判定、および普図停止図柄抽選のうちの少なくとも一つの抽選(または判定)において有利な結果が導出される確率に設定差を設けるようにしてもよい。また、特図当否判定を含まず、特図停止図柄抽選、普図当否判定、および普図停止図柄抽選のうちの少なくとも一つの抽選(または判定)において有利な結果が導出される確率に設定差を設けることで、設定される設定値が大きくなるほど有利度が高くなる(設定される設定値に応じて有利度が異なる)ようにしてもよい。すなわち、設定される設定値に応じて賞球の付与に関する有利度が異なるように構成されていればよい。
【0109】
よって、遊技機10は、複数段階の設定値から一の設定値を設定し、設定されている設定値によって大当りに当選する確率が定まるものであると換言できる。
【0110】
大当り遊技制御手段140は、大当りに当選した図柄変動の終了時に、大当り遊技の開始を待機する大当り待機中とし、ゲート63への遊技球の通過によって大当り遊技を開始させるとともに、当該大当りに係る特図の停止図柄に応じて、大当り開始デモに係るデモ時間、および大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。
なお、大当り待機中における大当り遊技の開始は、ゲート63への遊技球の通過に限らず、大当り遊技において入賞可能となる大入賞口55とは異なる入賞口への遊技球の入賞を契機としてもよい。
【0111】
よって、遊技機10は、大当りに当選した図柄変動の終了後に当該大当りに係る大当り遊技の開始を待機させ、当該大当り遊技の待機中に所定の領域(ゲート63)に対して遊技球が通過または入賞したことに基づいて当該大当り遊技を開始させると換言できる。
【0112】
また、大当り遊技制御手段140は、大当り遊技開始時には、大当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させ、大当り終了時には、大当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0113】
図柄表示制御手段145は、特
図1の特図変動パターンに基づく変動時間に従って、特
図1を第1特別図柄表示装置91に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図1を停止表示させる。同様に、第2特別図柄の特図変動パターンに基づく変動時間に従って、特
図2を第2特別図柄表示装置92に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図2を停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、特
図1および特
図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定停止(確定表示)を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
【0114】
また、図柄表示制御手段145は、普図の普図変動パターン(変動時間)に従って、普図を普通図柄表示装置93に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に決定された停止図柄で普図を停止表示させる。
なお、図柄表示制御手段145は、普図の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための普図遊技タイマを有する。
【0115】
電動役物制御手段150は、大当り遊技が開始された後に、特別電動役物ソレノイド66に制御信号を出力し、特別電動役物65を特図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。大当り遊技は、特別電動役物65の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R、10R、6R)だけ連続して実行する遊技状態である。
さらに、電動役物制御手段150は、普図当否抽選において普図当りに当選した場合の普図当り遊技において、普通電動役物ソレノイド62に制御信号を出力して、普通電動役物61を停止された普図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
【0116】
遊技状態制御手段155は、特図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、上述の通り、大当り遊技の開始時に、大当りに係る図柄に関わらず、特図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時には、特図低確を維持し、確変大当りに係る大当り遊技の終了時には、特図高確とする。
さらに、遊技状態制御手段155は、普図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段155は、大当り開始時に、大当りに係る図柄に関わらず、普図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時には、100回の図柄変動が行われるまで普図高確とし(100回の図柄変動後には普図低確とする)、確変大当りに係る大当り終了時には、当該確変大当りに係ると特図の停止図柄に応じて、普図高確(100回の図柄変動後には普図低確とする)または普図低確とする。
【0117】
また、遊技状態制御手段155は、上述の特図変動パターン導出状態を制御する。この特図変動パターン導出状態の遷移、および各特図変動パターン導出状態における平均変動時間については、
図13(a)および
図13(b)を参照しながら説明する。なお、
図13(a)は、特図変動パターン導出状態の遷移を示す状態遷移図であり、
図13(b)は、特図変動パターン導出状態ごとの平均変動時間の関係を示す図である。ここで、平均変動時間とは、一の特図変動パターン導出状態において選択され得る特図変動パターンの変動時間に対して出現率を掛け算することで導出される変動時間の総和を指す。
図13(a)に示す通り、特図変動パターン導出状態には、特図低確かつ普図低確となる特図変動パターン導出状態PA、特図高確かつ普図低確となる特図変動パターン導出状態PB、特図高確かつ普図高確となる特図変動パターン導出状態PC、および特図低確かつ普図高確となる特図変動パターン導出状態PDがあり、大当り遊技中を除いて特図抽選状態および普図抽選状態に応じた特図変動パターン導出状態が設定される。そして、特図変動パターン導出状態PA〜特図変動パターン導出状態PD間の遷移条件には、遷移条件(i)〜遷移条件(v)がある。
具体的には、遷移条件(i)は、図柄Aまたは図柄aに係る大当り遊技の終了であり、(ii)は、図柄Bまたは図柄bに係る大当り遊技の終了であり、(iii)は、図柄Cまたは図柄cに係る大当り遊技の終了であり、(iv)は、100回目の図柄変動の終了である。なお、特図変動パターン導出状態PCにおいて図柄Bまたは図柄bの大当りに係る大当り遊技が開始された場合には、当該大当り遊技の終了後に再度特図変動パターン導出状態PCが設定され、特図変動パターン導出状態PDにおいて図柄Cまたは図柄cの大当りに係る大当り遊技が開始された場合には、当該大当り遊技の終了後に再度特図変動パターン導出状態PDが設定され、遷移条件(iv)に係る図柄変動のカウントが0から開始されることとなる。
【0118】
また、
図13(b)に示す通り、特図変動パターン導出状態PAでは、特
図2に係る図柄変動の平均変動時間が、特
図1に係る図柄変動の平均変動時間よりも長くなる。一方、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDでは、特
図1に係る図柄変動の平均変動時間が、特
図2に係る図柄変動の平均変動時間よりも長くなる。
すなわち、各特図変動パターン導出状態では、推奨される遊技球の打ち出し方向で打ち出された遊技球が相対的に入賞容易となる始動口(第1始動口57または第2始動口59)に係る図柄変動の平均変動時間が、推奨される遊技球の打ち出し方向とは異なる打ち出し方向で打ち出された遊技球が相対的に入賞容易となる始動口に係る図柄変動の平均時間よりも短くなる傾向にある。
【0119】
特に、特図変動パターン導出状態PAにおける特
図2に係る図柄変動の平均変動時間(本実施形態では、10分)は、他の平均変動時間のいずれよりも長い。
そのため、特図変動パターン導出状態PAでは、第2始動口59への入賞を発生させ、特
図2に係る図柄変動を実行させることは可能であるが、単位時間当たりの当該図柄変動の実行回数が極端に少なくなり、当該図柄変動に係る特図当否判定によって大当りまたは小当りに当選させ、これらの当りによって賞球を獲得することは困難となる。
【0120】
また、遊技状態制御手段155は、特図抽選状態、普図抽選状態、および特図変動パターン導出状態の更新が発生した場合に、更新後の各状態を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0121】
メイン情報記憶手段160は、上述の通り、各手段によって読み出されたデータや、各手段による演算等によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0122】
メインエラー制御手段165は、I/Oポート104の入力情報を監視し、遊技機10がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態であると判定された場合には、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(エラーコマンド)をメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する。
なお、メインエラー制御手段165は、例えば、磁気センサ(図示省略)の検知によるエラー状態等、重要度の高いエラー状態となった場合には、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等、エラーコマンドをメイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に格納する以外の処理を実行するようにしてもよい。
【0123】
メインコマンド管理手段170は、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に演出制御コマンドが記憶されている場合に、当該演出制御コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段160の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0124】
復電処理実行手段175は、復帰状態設定手段176、設定変更手段177、設定確認手段178、および遊技可能状態移行手段179を備える。
【0125】
復帰状態設定手段176は、復電時の復帰状態当該RAM103に異常があるか否か、当該復電の直前の電断時の状態、復電時の設定キースイッチ42の態様と復電時のRAMクリアスイッチ43の態様の組合せ、および復電時の中枠開扉センサ76の状態に基づいて設定する復帰状態設定処理を実行する。当該処理によって設定される復帰状態には、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態、および遊技可能状態(RAMクリア処理を伴う場合と、RAMクリア処理を伴わない場合とがある)があり、当該処理のフローは省略するが、上記復帰条件に対応する復電時の復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態の詳細は後述する。なお、RAMクリア処理が実行された場合には、特図低確および普図低確が設定されることとなる。
ここで、遊技停止状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行しない(当該センサの検知結果自体を見なくてもよい)ことで、遊技の進行が不可能となる復帰状態であり、遊技可能状態とは、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に応じた処理を実行することで、遊技の進行が可能となる復帰状態である。なお、設定変更状態および設定確認状態の詳細は後述する。
【0126】
また、RAM103に異常があるか否かとは、復帰状態設定処理の先頭で行われるRAM異常チェック(具体的には、対象となる領域に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグが記憶されているか否か(バックアップフラグがONであるか否か)を判定し、当該バックアップフラグが記憶されている場合(当該バックアップフラグがONである場合)には、対象となる領域と当該領域に係るバックアップ情報領域に記憶されている補数のチェックサムを導出し、当該演算結果が0である場合には、対象となる領域が正常であると判断し、それ以外は、対象となる領域が異常であると判断する処理)をRAM103の遊技に係る領域に対して実行して判断される。
なお、本実施形態におけるRAM異常チェックでは、ベース値に係る領域に対しても異常があるか否かが判断されるが、本実施形態における説明では、特段の説明がない限り、RAM103に異常があるとは、RAM103の遊技に係る領域に異常があることを指す。
また、復帰状態設定処理では、RAM103の遊技に係る領域に異常があり、かつRAM103のベース値に係る領域に異常がある場合に、RAM103のベース値に係る領域がクリアされるが、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば(RAM103の遊技に係る領域に異常があるか否かに関わらず)、RAM103のベース値に係る領域をクリアするようにしてもよい。
【0127】
設定変更手段177は、設定変更状態が設定された場合に、設定値の変更を可能とする設定変更処理を実行する。なお、当該処理の詳細は、後述する。
【0128】
設定確認手段178は、設定確認状態が設定された場合に、設定値の確認を可能とする設定確認処理を実行する。なお、当該処理の詳細は、後述する。
【0129】
遊技可能状態移行手段179は、遊技可能状態が設定された場合に、遊技可能状態へ移行させる遊技可能状態移行処理を実行する。
具体的に説明すると、遊技可能状態移行処理では、セキュリティ信号の出力がONになっている場合には、セキュリティ信号の出力をOFFにする処理、ベース値を主制御基板モニタ97に表示させる処理(ベース値の表示態様については、後述)、およびデバイスの初期設定が実行される。
ここで、セキュリティ信号とは、遊技機外の機器(データ表示機やホールコンピュータ)に向けて遊技機10に設けられた外部端子盤(図示省略)から出力される信号の一種である。以降の説明を含め、セキュリティ信号をONにするとは、セキュリティ信号の出力を開始することを指し、セキュリティ信号をOFFにするとは、セキュリティ信号の出力を終了することを指す。
また、本実施形態において、セキュリティ信号をOFFにする処理では、セキュリティ信号をONにしてからの経過時間を考慮していないが、当該経過時間を考慮、すなわち、セキュリティ信号をONにしてから一定時間経過するまでセキュリティ信号をOFFにしないようにしてもよい。
また、デバイスの初期設定では、払出制御基板400に遊技球の発射を許可するための発射許可コマンドの送信や、各入賞口への入球が有効となる状態の設定や、乱数回路105を起動させるためのデータの設定等の処理が実行される。
【0130】
電断処理実行手段180は、電源制御基板500からの電断信号を受信したことに基づいて電断処理を実行する。
具体的には、RAM103のうちの遊技に係る領域(ベース値に係る領域とは異なる領域)に対しては、当該領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103の遊技に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、および当該領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103の遊技に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。また、RAM103のベース値に係る領域に対しても、RAM103のうちの遊技に係る領域と同様に、RAM103のベース値に係る領域のチェックサムを導出し、当該チェックサムの補数をRAM103のベース値に係るバックアップ情報領域に記憶させる処理、およびRAM103のベース値に係る領域に対する電断処理が実行されたことを示すバックアップフラグをONにする(RAM103のベース値に係るバックアップ情報領域にバックアップフラグを記憶させる)処理を実行する。
【0131】
第1副制御基板200は、
図8に示すように、サブ乱数発生手段210、通常演出制御手段220、サブエラー制御手段230、ランプ制御手段240、可動役物制御手段250、サブ情報記憶手段260、およびサブコマンド管理手段270を備えており、これらの手段は、
図7を用いて説明した第1副制御基板200上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
サブ情報記憶手段260は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。また、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドは、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶される。なお、以降の説明では、メインコマンド管理手段170から送信された演出制御コマンドが、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶されることを、単に、演出制御コマンドの受信と表現する場合がある。
【0132】
サブ乱数発生手段210は、CPU201によってプログラム処理で更新される乱数(ソフトウェア乱数)を生成可能であり、通常演出制御手段220による各抽選(詳細は後述)が実行されるタイミングで乱数を取得する。
【0133】
通常演出制御手段220は、演出モード制御手段221、演出ルート決定手段222、サブ保留制御手段223、先読み演出制御手段224、演出内容決定手段225、装飾図柄制御手段226、および大当り演出制御手段227を備える。
【0134】
演出モード制御手段221は、遊技状態指定コマンドが送信された場合に、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性をとるかたちで、演出モードの遷移を制御する。
本実施形態における演出モードは、通常モード、確変モード1、確変モード2、および低確時短モードに大別され、特図変動パターン導出状態PAには通常モード、特図変動パターン導出状態PBには確変モード1、特図変動パターン導出状態PCには確変モード2、特図変動パターン導出状態PDには低確時短モードが対応する。
【0135】
演出ルート決定手段222は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果(本実施形態では、特図変動パターン)に基づいて、今回保留された図柄変動に対応する演出ルートを決定(設定)する。なお、演出ルート決定手段222は、当該図柄変動に対応する特図変動パターンが上述の特図変動パターンHNPであった場合には、事前判定コマンドが送信された場合に演出ルートは決定せず、図柄変動の開始時に、変動開始コマンドに含まれる特図変動パターン(特図変動パターンHNP−A〜特図変動パターンHNP−D)に基づいて演出ルートを決定する。
ここで、演出ルートとは、図柄変動の開始から終了までの演出であって当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、後述する演出内容決定手段225によって当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることとなる。
本実施形態では、
図11(a)および
図11(b)で示した特図変動パターンのそれぞれに対し、互いに異なる一の演出ルートが対応する。そして、これらの演出ルートは、今回の(演出ルートが決定された)図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであること(大当りではないこと)を報知するハズレ演出ルートと、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する大当り演出ルートに大別される。さらに、ハズレ演出ルートには、発展演出が実行されない非発展ハズレ演出ルートと、発展演出が実行される発展ハズレ演出ルートがある。ここで、発展演出とは、装飾図柄がリーチ状態となった以降に、装飾図柄の変動表示以外の演出を用いて今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであるか否かを報知する演出を指し、本実施形態では、互いに内容が異なる発展演出A〜発展演出Cの3種類が存在する。これらの発展演出は、大当り演出ルートにおいても実行される。以下、各特図変動パターンに対応する演出ルートの内容を説明する。
ハズレ演出ルートに対応する発展演出A〜発展演出Cでは、各発展演出に対応する一連の演出が実行され、その終盤に、演出遮蔽体83がメイン表示部81の全体を遮蔽しない演出(演出遮蔽体83が、
図6(a)に示した状態から
図6(b)に示した状態となり、その後に
図6(a)に示した状態となる演出)が実行される。一方、大当り演出ルートに対応する発展演出A〜発展演出Cでは、ハズレ演出ルートに対応する発展演出と同様に、各発展演出に対応する一連の演出が実行され、その終盤に、演出遮蔽体83がメイン表示部81の全体を遮蔽する演出(演出遮蔽体83が、
図6(a)に示した状態から
図6(b)に示した状態となり、その後に
図6(c)に示した状態となる演出)が実行される。すなわち、発展演出A〜発展演出Cは、いずれも、演出遮蔽体83がメイン表示部81の全体を遮蔽するか否かで今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであるか否かを報知する演出と言える。なお、演出遮蔽体83がメイン表示部81の全体を遮蔽しない演出と、演出遮蔽体83がメイン表示部81の全体を遮蔽する演出とを合わせて、演出遮蔽体閉鎖演出と称する。特に、前者の演出遮蔽体閉鎖演出を、演出遮蔽体閉鎖演出に失敗した場合の演出と、後者の演出遮蔽体閉鎖演出を、演出遮蔽体閉鎖演出に成功した場合の演出と表現する場合がある。
また、本実施形態では、一の特図変動パターンに対して一の演出ルートが対応するが、複数の特図変動パターン間で同一の演出ルートが対応しなければ、一の特図変動パターンに対して複数の演出ルートを対応させてもよく、この場合には、複数の演出ルートから一の演出ルートを決定するようにすればよい。
【0136】
まず、特図変動パターンHNP−A〜特図変動パターンHNP−Dおよび特図変動パターンHRPに対応する演出ルートには、上述の非発展ハズレ演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンHNP−A〜特図変動パターンHNP−Dには、装飾図柄がリーチ状態(一つの図柄列を除いて装飾図柄が停止表示され、残りの図柄列が変動表示されている状態)とならずに装飾図柄がバラケ目(すべての図柄列が停止され、各図柄列に同一の装飾図柄が停止されていない状態)で停止表示されることで、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する演出ルートが対応する。
特図変動パターンHRPには、複数回の疑似変動を介さずに装飾図柄がリーチ状態となり、その後、後述する発展演出が実行されずに装飾図柄がバラケ目で停止表示されることで、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する演出ルートが対応する。ここで、疑似変動とは、発展演出が開始される前の期間において、一定のルールに基づいた装飾図柄の停止(本実施形態では、例えば、「5図柄−7図柄−6図柄」のように、真ん中の図柄列に7図柄が停止した態様となる)で区切られる期間を指す。以降の説明では、図柄変動の開始から1回目の装飾図柄の停止までを1回目の疑似変動、1回目の装飾図柄の停止から2回目の装飾図柄の停止までを2回目の疑似変動、2回目の装飾図柄の停止からリーチ状態となるまでを3回目の疑似変動と表現する。なお、本実施形態における疑似変動の最大回数は3回であるが、これに限らず、2以上の回数であれば、いずれの回数を採用してもよい。
【0137】
次に、特図変動パターンHSP1−A〜特図変動パターンHSP1−C、特図変動パターンHSP2−A〜特図変動パターンHSP2−C、および特図変動パターンHSP3−A〜特図変動パターンHSP3−Cには、上述の発展ハズレ演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンHSP1−A〜特図変動パターンHSP1−Cには、複数回の疑似変動を介さずに(1回の疑似変動で)装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。ただし、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンHSP1−Aには、上述の発展演出Aが対応し、特図変動パターンHSP1−Bには、上述の発展演出Bが対応し、特図変動パターンHSP1−Cには、発展演出Cが対応する。
特図変動パターンHSP2−A〜特図変動パターンHSP2−Cには、2回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。ただし、特図変動パターンHSP1−A〜特図変動パターンHSP1−Cと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンHSP2−Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンHSP2−Bには発展演出Bが対応し、特図変動パターンHSP2−Cには発展演出Cが対応する。
特図変動パターンHSP3−A〜特図変動パターンHSP3−Cには、3回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果がハズレであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄がバラケ目で停止表示される演出ルートが対応する。ただし、特図変動パターンHSP1−A〜特図変動パターンHSP1−Cと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンHSP3−Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンHSP3−Bには発展演出Bが対応し、特図変動パターンHSP3−Cには発展演出Cが対応する。
【0138】
また、特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP1−C、特図変動パターンASP2−A〜特図変動パターンASP2−C、および特図変動パターンASP3−A〜特図変動パターンASP3−Cには、上述の大当り演出ルートが対応する。
具体的には、特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP1−Cには、複数回の疑似変動を介さずに(1回の疑似変動で)装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃い(すべての図柄列が停止され、各図柄列に同一の装飾図柄が停止された状態)で停止表示される演出ルートが対応する。ただし、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンASP1−Aには、上述の発展演出Aが対応し、特図変動パターンASP1−Bには、上述の発展演出Bが対応し、特図変動パターンASP1−Cには、発展演出Cが対応する。
特図変動パターンASP2−A〜特図変動パターンASP2−Cには、2回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示される演出ルートが対応する。ただし、特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP1−Cと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンASP2−Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンASP2−Bには発展演出Bが対応し、特図変動パターンASP2−Cには発展演出Cが対応する。
特図変動パターンASP3−A〜特図変動パターンASP3−Cには、3回の疑似変動を介して装飾図柄がリーチ状態となり、その後、今回の図柄変動における特図当否判定の結果が大当りであることを報知する発展演出が実行され、当該発展演出の終了後に装飾図柄が図柄揃いで停止表示される演出ルートが対応する。ただし、特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP1−Cと同様に、各特図変動パターンに対応する発展演出の種類は互いに異なり、特図変動パターンASP3−Aには発展演出Aが対応し、特図変動パターンASP3−Bには発展演出Bが対応し、特図変動パターンASP3−Cには発展演出Cが対応する。
【0139】
このように、本実施形態では、特図変動パターンHSP1−Aに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP1−Aに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP1−Bに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP1−Bに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP1−Cに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP1−Cに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP2−Aに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP2−Aに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP2−Bに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP2−Bに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP2−Cに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP2−Cに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP3−Aに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP3−Aに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP3−Bに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP3−Bに対応する演出ルートを、特図変動パターンHSP3−Cに対応する演出ルートに対して特図変動パターンASP3−Cに対応する演出ルートを対応づけている(対応づけられた演出ルートの演出の過程同士が酷似する)。そのため、発展演出A〜発展演出Cが実行される図柄変動において、遊技者に大当り当選の期待感を抱かせることができる。そして、発展演出A〜発展演出Cが実行される演出ルートが決定される上述の特図変動パターンは、大当りを期待させる特図変動パターンとなる。
【0140】
また、
図11(a)で示した通り、特図当否判定の結果がハズレの場合には、疑似変動の回数が同一となる範囲内において、発展演出Aが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1−A)、発展演出Bが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1−B)、発展演出Cが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1−C)の順に決定され難くなる。そして、特図当否判定の結果が大当りの場合には、疑似変動の回数が同一となる範囲内において、発展演出Aが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1−A)、発展演出Bが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1−B)、発展演出Cが実行される演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1−C)の順に決定され易くなる。そのため、発展演出A、発展演出B、発展演出Cの順に大当り当選の期待感を高めることができる。
【0141】
さらに、
図11(a)で示した通り、特図当否判定の結果がハズレの場合には、同種の発展演出となる範囲において、疑似変動の回数が1回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP1−A)、疑似変動の回数が2回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP2−A)、疑似変動の回数が3回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンHSP3−A)の順に決定され難くなる。そして、特図当否判定の結果が大当りの場合には、同種の発展演出となる範囲において、疑似変動の回数が1回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP1−A)、疑似変動の回数が2回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP2−A)、疑似変動の回数が3回となる演出ルートに対応する特図変動パターン(例えば、特図変動パターンASP3−A)の順に決定され易くなる。そのため、疑似変動の回数が大きくなるにつれて大当り当選の期待感を高めることができる。
【0142】
また、上述の通り、演出遮蔽体閉鎖演出に成功した場合には、右下演出遮蔽体83dに配設された設定示唆ランプ84を、現在の設定値を参照した抽選によって決定した点灯色で点灯させる演出が実行される。
具体的に説明すると、点灯色には、青色、黄色、緑色、赤色、虹色があり、当該点灯色の抽選の詳細を、
図14を用いて説明する。なお、
図14は、設定示唆ランプ84の点灯色を決定する抽選で用いられる抽選テーブルを模式的に示す図であり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜999である。
そのため、現在の設定値が設定値1である場合には、600/1000(約1/1.6)の確率で青色、300/1000(約1/3.33)の確率で黄色、100/1000(1/10)の確率で緑色となり、赤色および虹色になることがない。現在の設定値が設定値2である場合には、550/1000(約1/1.81)の確率で青色、320/1000(約1/3.12)の確率で黄色、130/1000(約1/7.69)の確率で緑色となり、赤色および虹色になることがない。現在の設定値が設定値3である場合には、500/1000(1/2)の確率で青色、340/1000(約1/2.94)の確率で黄色、160/1000(1/6.25)の確率で緑色となり、赤色および虹色になることがない。
一方、現在の設定値が設定値4である場合には、450/1000(約1/2.22)の確率で青色、350/1000(約1/2.85)の確率で黄色、180/1000(約1/5.55)の確率で緑色、20/1000(1/50)の確率で赤色となり、虹色になることがない。現在の設定値が設定値5である場合には、400/1000(1/2.5)の確率で青色、360/1000(約1/2.77)の確率で黄色、190/1000(約1/5.26)の確率で緑色、50/1000(1/20)の確率で赤色となり、虹色になることがない。
さらに、現在の設定値が設定値6である場合には、350/1000(約1/2.85)の確率で青色、370/1000(約1/2.70)の確率で黄色、200/1000(1/5)の確率で緑色、60/1000(約1/16.6)の確率で赤色、20/1000(1/50)の確率で虹色となる。なお、これらの抽選は、後述する演出内容決定手段225によって実行される。
【0143】
このように、演出遮蔽体閉鎖演出において、設定示唆ランプ84の点灯色は、現在の設定値が設定値1に近づくほど青色になり易く、現在の設定値が設定値6に近づくほど青色以外の色になり易い。すなわち、設定示唆ランプ84の点灯は、現在の設定値を示唆する設定示唆演出であると言える。
特に、現在の設定値が設定値1である場合の緑色に対応する抽選値と現在の設定値が設定値6である場合の緑色に対応する抽選値の比率が、現在の設定値が設定値1である場合の黄色に対応する抽選値と現在の設定値が設定値6である場合の黄色に対応する抽選値の比率よりも大きい(または、設定値1に対応する抽選値と設定値6に対応する抽選値の差が、黄色よりも緑色の方が大きい)ため、黄色よりも緑色に点灯した場合の方がより高い有利度の設定値に期待できる。また、赤色は、現在の設定値が高設定値の場合にのみ決定される可能性がある(現在の設定値が高設定値のいずれかであることが確定する)点灯色であり、現在の設定値が設定値6に近づくほど決定される確率が高くなる。さらに、虹色は、現在の設定値が設定値6の場合にのみ決定される可能性がある(現在の設定値が設定値6であることが確定する)点灯色となる。
なお、この設定示唆演出を実行するデバイスは、本実施形態における設定示唆ランプ84に限らず、遊技盤50の前面側に設けられたデバイスであればいずれのデバイスを採用してもよい。
さらに、設定示唆ランプの点灯は、現在の設定値の示唆に加え、または現在の設定値の示唆に代え、後述する設定値の変更の示唆を行う演出としてもよい。
【0144】
また、上述の通り、発展演出が実行される演出ルートが決定される頻度は、後述する設定変更処理が実行され、かつ当該処理によって別の設定値が設定された場合と、当該処理が実行されなかった場合とで変化しない。
【0145】
サブ保留制御手段223は、保留コマンドの受信があった場合に、当該コマンドに含まれる特
図1保留カウンタと特
図2保留カウンタの情報に基づいて、メイン表示部81の保留表示領域(図示省略)に、特
図1保留カウンタに対応する数の保留画像と、特
図2保留カウンタに対応する数の保留画像とを表示させるための演出データを設定する。なお、保留画像とは、大当り遊技の期待度等の有利度を示唆する種々の態様に変化する保留先読み演出の対象となる画像である。
【0146】
先読み演出制御手段224は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果に基づいて先読み演出の内容を決定する。
先読み演出とは、先読み対象の図柄変動が開始される前の一又は複数回の図柄変動に亘って、先読み対象の図柄変動における特図当否判定の結果に対する期待度や、先読み対象の図柄変動において実行される演出の内容を示唆する演出である。
【0147】
演出内容決定手段225は、変動開始コマンドが送信された場合に、演出ルート決定手段222によって既に決定された演出ルートに従って今回の図柄変動において実行する演出の内容を決定する。
より具体的には、演出内容決定手段225は、図柄変動における演出実行タイミングごとの演出の内容(演出パターン)を、演出ルート決定手段222によって決定された演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブルを用いた抽選等によって決定する。このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。また、同一の演出ルートが決定された場合であっても、実行される演出を多彩にすることもできる。
なお、演出の内容を決定するタイミングとしては、例えば、疑似変動の開始時(図柄変動の開始時を含む)があり、一の図柄変動において疑似変動の開始が複数回ある場合には、各疑似変動の開始時に当該抽選を実行する。
【0148】
本実施形態では、演出内容決定手段225によって決定される演出の内容として、ステップアップ演出がある。このステップアップ演出の詳細は後述するが、特図変動パターン導出状態PAにおける特
図1の図柄変動に係る疑似変動の開始時に、ステップアップ演出の実行有無を決定する実行抽選が実行され、当該実行抽選に当選した場合には、その後の抽選によって具体的な演出の内容(演出パターン)が決定される。なお、これらの抽選を含むステップ演出実行有無決定処理の詳細は後述するが、当該処理は、特図変動パターン導出状態PB、特図変動パターン導出状態PC、および特図変動パターン導出状態PDでは実行されない。
【0149】
装飾図柄制御手段226は、変動開始コマンドが送信された場合に、決定された特図の停止図柄に基づいて、装飾図柄の最終的な停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)を決定する。
具体的には、図柄Aおよび図柄aには奇数図柄揃いを、図柄B、図柄C、図柄b、および図柄cには偶数図柄揃いを、図柄Dと図柄dにはバラケ目を、対応させている。
なお、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させるにあたっては、必ずしも上述の対応関係とする必要はなく、例えば、図柄Aに偶数図柄揃いを対応させる等、上述の対応関係に対して停止させる装飾図柄の組合せの期待度が高くならない組合せであれば、一部の場合(上述の対応関係となる割合よりも低い割合)で上述の対応関係とは異なる装飾図柄の組合せを採用してもよく、このような場合であっても、停止させる装飾図柄の組合せが特図の停止図柄と対応していると言える。
【0150】
大当り演出制御手段227は、大当り開始コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる情報等に基づいて、大当り遊技中であることを報知する大当り演出の内容を決定する。なお、大当り演出には、大当り遊技の開始を報知する開始デモ演出、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出、及び大当り遊技の終了を報知する終了デモ演出が存在する。
【0151】
通常演出制御手段220は、第1副制御基板200が備える上述の手段によって決定された演出内容に従って、各演出の実行タイミングで当該演出に対応する各デバイスの演出データを読み出す。なお、読み出した演出データに画像及び音響に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて画像及び音響に関する画像制御コマンドを生成し、当該コマンドをサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納する。
【0152】
特に、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が設定変更状態となった場合(後述する設定変更開始コマンドが送信された場合)に、演出表示装置80を用いて設定変更中であることを報知させるための演出データを読み出し、当該演出データによって開始された報知は、当該設定変更状態が終了して遊技可能状態となる場合(後述する設定変更終了コマンドが送信された場合)に終了する。同様に、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が設定確認状態となった場合(後述する設定確認開始コマンドが送信された場合)に、演出表示装置80を用いて設定確認中であることを報知させるための演出データを読み出し、当該演出データによって開始された報知は、当該設定確認状態が終了して遊技可能状態となる場合(設定確認終了コマンドが送信された場合)に終了する。なお、これらの報知の詳細は省略するが、当該報知は現在の設定値を特定不可能な(特定可能な態様ではない)報知であり、当該報知を実行する演出デバイスは問わない。このようにすることで、設定値の変更や設定値の確認に対する作業効率及びセキュリティを高めることができる。
【0153】
また、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合(RAMクリア処理を伴う場合)には、RAMクリア処理を伴って遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出し、復電時の復帰状態が遊技可能状態となった場合(RAMクリア処理を伴わない場合)には、RAMクリア処理を伴わずに遊技可能状態となったことを報知させるための演出データを読み出す。これらの報知は、設定変更状態を経由して遊技可能状態となった場合、設定確認状態を経由して遊技可能状態となった場合にも実行され、これらの報知の違いによっても、設定変更状態を経由したか、設定確認状態を経由したかを判断させることができる。
さらに、通常演出制御手段220は、復電時の復帰状態が遊技停止状態となった場合には、遊技停止状態となったことに加え、後述する設定変更処理の実行が必要となったことを報知させるための演出データを読み出す。
なお、これらの報知の詳細は省略するが、実行が開始されてから一定時間(例えば、30s)継続して実行されることが好ましく、当該報知を実行する演出デバイスは問わない。
【0154】
さらに、通常演出制御手段220は、後述する設定変更終了コマンドが受信された場合に、当該コマンドで特定される今回設定された設定値と、RAM203の領域に記憶されていた前回設定されていた設定値とを比較する。これらの設定値が異なる場合、通常演出制御手段220は、設定変更フラグをONにする(RAM203の領域に設定変更フラグを記憶させる)一方、これらの設定値が同一である場合に加え、設定変更処理が実行されずに遊技可能状態が設定された場合には、設定変更フラグをONにしない。そして、通常演出制御手段220は、当該フラグを、電断時に一律にOFFにする。したがって、設定変更フラグは、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合にONとなり、設定変更処理が実行されなかった場合にOFFとなり、設定変更処理が実行されても前回設定されていた設定値と同一の設定値が今回の設定値として設定された場合(以下、「同一設定値への打ち直し」と表現する場合がある)にOFFとなるフラグとなる。なお、設定変更フラグは、後述するステップアップ演出の詳細を決定する抽選(特に、設定示唆種別抽選)に用いられる。また、通常演出制御手段220は、電断時に設定変更フラグをOFFにせず、復電時も当該フラグをOFFにするようにしてもよく、特に、設定変更処理が実行される場合には、設定変更終了コマンドが来る前に当該フラグをOFFにするようにすればよい。
【0155】
サブエラー制御手段230は、エラーコマンドが送信された場合に、エラー演出パターンを決定し、当該エラー演出パターンに従ってエラー演出を実行するための演出データを読み出す。
なお、サブエラー制御手段230は、独自に(メインエラー制御手段165と独立して)遊技機10がエラー状態であるか否かを判定し、エラー状態であると判定した場合にエラー演出を実行する演出データを読み出すようにしてもよく、当該エラー状態としては、例えば、普図低確時におけるゲート63への遊技球の通過回数に基づいて判定される右打ちエラー状態がある。
【0156】
ランプ制御手段240は、演出ランプ35や設定示唆ランプの点灯84を制御するためのランプ制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに演出ランプ35に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいてランプ制御データを読み出し、読み出したランプ制御データを演出ランプ35へ送信する。
【0157】
可動役物制御手段250は、可動装飾体22およびサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに可動役物に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいて可動制御データを読み出し、読み出した可動制御データを可動装飾体22およびサブ表示部82へ送信する。
【0158】
サブ情報記憶手段260は、上述の通り、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0159】
サブコマンド管理手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、受信した演出コマンドをサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶させ、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に画像制御コマンドが記憶されている場合には、当該画像制御コマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。なお、各画像制御コマンドは、原則として、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0160】
<設定変更処理について>
次に、
図15を用いて、復電時の復帰状態が設定変更状態となった場合に設定変更手段177によって実行される設定変更処理の詳細を説明する。なお、
図15は、設定変更処理のフローを示す図である。
【0161】
最初のステップS101では、設定値が正常範囲(設定値1〜設定値6)であるか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS105に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS103に進む。
【0162】
ステップS103では、設定値に1を設定する。
なお、本実施形態では、RAM103に異常がある場合であっても、設定値が正常範囲であれば、当該処理が実行されないが、RAM103に異常がある場合に当該処理を実行するようにしてもよい。
【0163】
ステップS105では、セキュリティ信号をONにする。
【0164】
ステップS107では、設定変更開始コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(当該コマンドを、メイン情報記憶手段160の第1副制御基板200への送信用の送信コマンド格納領域に格納する)。
なお、当該コマンドは、メイン表示部81やスピーカ33を用いて設定変更中であることを報知させるためのコマンドである。
【0165】
ステップS109では、現在の設定値を主制御基板モニタ97に表示させる。
【0166】
ステップS111では、RAMクリアスイッチ43がOFFからONになったか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS113に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS115に進む。
なお、当該判定において、設定キースイッチ42がONであるか否かの判定を加え、双方の条件が充足された場合にステップS113に進むようにしてもよい。
【0167】
ステップS113では、設定値を更新する。具体的には、現在の設定値に1を加算し、設定値が6を超える場合には、設定値に1を設定する。
なお、設定値が更新(加算)された場合には、主制御基板モニタ97に表示されている設定値も更新される。
【0168】
ステップS115では、設定キースイッチ42がONからOFFになったか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS117に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップS111に戻る。
【0169】
ステップS117では、表示していた設定値を非表示にし、現在の設定値を設定値として確定する。
【0170】
ステップS119では、RAM103の遊技に係る領域の一部(設定値に係る領域を除く領域)をクリアする。
【0171】
ステップS121では、設定変更終了コマンドを第1副制御基板200および払出制御基板400に向けて送信する(当該コマンドを、メイン情報記憶手段160の第1副制御基板200への送信用の送信コマンド格納領域に格納する)。
なお、当該コマンドは、設定変更状態の終了および確定された設定値を第1副制御基板200に知らせるためのコマンドである。
【0172】
ステップS123では、遊技可能状態を設定し、その後、設定変更処理を終了する。なお、遊技可能状態が設定された場合には、上述の遊技可能状態移行処理が実行された後に遊技可能状態へ移行する。
【0173】
よって、遊技機10は、設定されている設定値を変更する設定変更処理を実行可能であると換言できる。
【0174】
<設定確認処理について>
次に、
図16を用いて、復電時の復帰状態が設定確認状態となった場合に設定確認手段178によって実行される設定確認処理の詳細を説明する。なお、
図16は、設定確認処理のフローを示す図である。
【0175】
最初のステップS201では、セキュリティ信号をONにする。
【0176】
ステップS203では、設定確認開始コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(当該コマンドを、メイン情報記憶手段160の第1副制御基板200への送信用の送信コマンド格納領域に格納する)。
なお、当該コマンドは、メイン表示部81やスピーカ33を用いて設定確認中であることを第1副制御基板200に報知させるためのコマンドである。
【0177】
ステップS205では、現在の設定値を主制御基板モニタ97に表示させる。
【0178】
ステップS207では、設定キースイッチ42がONからOFFに変化したか否かを判定し、当該条件が充足された場合にはステップS209に進み、当該条件が充足されなかった場合には再びステップS207の判定を実行する。
【0179】
ステップS209では、設定値を非表示にする。
【0180】
ステップS211では、設定確認終了コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する(当該コマンドを、メイン情報記憶手段160の第1副制御基板200への送信用の送信コマンド格納領域に格納する)。
なお、当該コマンドは、設定確認状態が終了したことを第1副制御基板200に知らせるためのコマンドである。
【0181】
ステップS213では、遊技可能状態を設定し、その後、設定確認処理を終了する。なお、遊技可能状態が設定された場合には、上述の遊技可能状態移行処理が実行された後に遊技可能状態へ移行する。
【0182】
<主制御基板モニタ97の表示態様について>
次に、
図17を用いて、主制御基板モニタ97の表示態様について説明する。なお、
図17は、状態別の主制御基板モニタ97の表示態様を示す図である。
図17に示す通り、主制御基板モニタ97は、横方向に連続的に配置された4つの7セグメントディスプレイ(以下、「7セグ」と略称する場合がある)で構成されるとともに、各7セグの右下には、ドット状のLEDが設けられている。なお、各情報を表示する際には、各情報は右詰めで表示される。
【0183】
より具体的には、現在の設定値は、右端の7セグを用いて表示され、遊技停止状態の種別は、右端の7セグおよび右から2番目の7セグを用いて表示される。また、ベース値の表示については、ベース値の表示であることを示す「bL.」を、左端の7セグ、左から2番目の7セグ、および左から2番目の7セグの右下のドット状のLEDを用いて表示し、導出したベース値を、右端の7セグおよび右から2番目の7セグを用いて表示する。なお、ベース値が100を超える場合には、「bL.99.」と表示する。
また、特段の説明がない限り、本実施形態における「ベース値の表示」とは、ベース値の表示であることを示す表示(「bL.」の表示)およびベース値自体の表示を合わせて表示することを指す。
【0184】
ここで、現在の設定値を特定可能な表示、および遊技停止状態の種別を特定可能な表示は、互いに異なる態様であれば、本実施形態における態様に限らず、種々の態様を採用してもよい。
また、上述の通り、設定変更状態および設定確認状態では、主制御基板モニタ97に設定値が表示され、遊技停止状態では、主制御基板モニタ97に遊技停止状態の種別(「E1」または「E2」)が表示され、各表示が表示される期間は、対応する復帰状態が設定されている期間と一致しているが、対応する復帰状態が設定されている期間の一部で表示されるようにしてもよい。
【0185】
また、上述のベース値に関する説明において説明を省略したが、初回電源投入(RAM103のベース値に係る領域がクリアされた場合を含む)からアウト球数が300となるまで(アウト球数が0〜299の範囲)では、主制御基板モニタ97に「bL.−−」を表示し(ベース値自体を表示せず)、アウト球数が300〜60000の範囲では、主制御基板モニタ97にリアルタイムのベース値を表示し、いずれの範囲においても「bL.」を点滅させる。一方、アウト球数が60001以降の範囲では、上述の通り、手前の区間で導出されたベース値を表示し、当該範囲では、「bL.」を常時点灯させる(点滅させない)。そのため、ベース値の表示が常時点灯しているか否(点滅しているか)か、またはベース値の表示の有無によって、RAM103のベース値に係る領域がクリアされたか否かを認識させることができる。
なお、「bL.」を点滅させる場合には、ベース値の整数部分を示す7セグについても点滅させるようにしてもよいが、当該7セグについては常時点灯させることが好ましい。
また、本実施形態では、点滅の有無で識別可能としているが、例えば、点灯色を変える等、点滅の有無を含む点灯態様の差異で識別可能にする方法であれば、いずれの方法を採用してもよい。
【0186】
また、初回電源投入からの「bL.−−」を表示させる期間を規定するアウト球数の閾値は、300に限らず、ベース値を導出する一区間を規定するアウト球数(本実施形態では、60000)の10%未満の値であれば、いずれの値を採用してもよい。
ベース値を導出する一区間を規定するアウト球数についても、60000に限らず、60000(1分間に100程度の打ち出しスピードで営業日あたりに打ち出される球数(100×60(分)×10(時間)))に近しい値であれば、いずれの値を採用してもよい。
【0187】
また、本実施形態では、設定変更状態および設定確認状態において表示されていた設定値が非表示になった直後に(遊技者が認識できない程度の時間を挟んで)ベース値を表示しているが、設定値を非表示にした後に遊技者が認識できる程度の時間を空けてベース値の表示を開始するようにしてもよい。なお、一度表示されたベース値は、電断が発生するまで表示され続けることとなる。
【0188】
<設定キースイッチ42の態様、およびRAMクリアスイッチ43の態様について>
次に、復電時の復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態の詳細を説明するのに先立ち、
図18(a)〜
図18(d)を用いて、設定キースイッチ42の態様とRAMクリアスイッチ43の態様の組合せについて説明する。なお、
図18(a)〜
図18(d)は、設定キースイッチ42の態様とRAMクリアスイッチ43の態様との組合せのパターンを示す図である。
【0189】
まず、設定キースイッチ42およびRAMクリアスイッチ43のそれぞれは、一方の位置から他方の位置に変位する変位部(図示省略)と、当該変位部をいずれかの位置で検知するセンサ(図示省略)を備えており、主制御基板100のCPU101は、当該センサの検知結果によって各スイッチの態様を把握することができる。
【0190】
設定キースイッチ42を操作する際には、
図18(a)〜
図18(d)に示す通り、設定キースイッチ42に設定キー600を挿入する必要がある。より具体的には、設定キースイッチ42は、
図18(a)および
図18(b)に示す設定キー600を挿入した状態(以下、「設定キースイッチ42がOFF」と表現する場合があり、当該状態は設定キー600の挿入の有無とは無関係)で、
図18(c)および
図18(d)に示すように、挿入面に向かって右回りに90度回転させることで、設定キースイッチ42が操作された状態(以下、「設定キースイッチ42がON」と表現する場合がある)となる。
なお、設定キースイッチ42は、OFFの状態となる位置、およびONの状態となる位置のそれぞれにおいて、外力を要することなく、変位部を保持することができる。
また、設定キー600は、設定キースイッチ42がONの状態で抜去することができない。
【0191】
また、RAMクリアスイッチ43は、当該スイッチの上面を押下することで操作可能となる。より具体的には、
図18(a)および
図18(c)に示す状態(以下、「RAMクリアスイッチ43がOFF」と表現する場合がある)で、
図18(b)および
図18(d)に示すように、当該スイッチの上面を押下することで、RAMクリアスイッチ43が操作された状態(以下、「RAMクリアスイッチ43がON」と表現する場合がある)となる。
なお、RAMクリアスイッチ43は、変位部をOFFの状態となる位置に付勢して保持している。そのため、RAMクリアスイッチ43は、OFFの状態となる位置では、外力を要することなく変位部を保持することができる一方、ONの状態となる位置では、外力を要することなく変位部を保持できないようになっている。
【0192】
このように、復電時の設定キースイッチ42の態様とRAMクリアスイッチ43の態様の組合せとしては、
図18(a)に示す、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFの状態となる組合せ、
図18(b)に示す、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がONの状態となる組合せ、
図18(c)に示す、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFの状態となる組合せ、および
図18(d)に示す、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONの状態となる組合せの4パターンが存在する。
【0193】
<復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態について>
続いて、
図19に示す表を用いて、直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合における復電時の復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態の詳細を説明する。なお、上述の通り、本実施形態における復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態は、RAM103に異常があるか否か、直前の電断時の状態、復電時の設定キースイッチ42の態様と復電時のRAMクリアスイッチ43の態様との組合せ、および復電時の中枠開扉センサ76の状態によって決定される。
ここで、
図19(a)および
図19(b)は、復電時に異常(RAM103の遊技に係る領域に異常がある場合、設定値が正常でない場合、直前の電断時の状態が遊技停止状態である場合)がなく、かつ直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合の復電時の遊技機の状態を整理した表であり、
図19(a)は復電時に中枠17が開放状態である場合、
図19(b)は復電時に中枠17が閉鎖状態である場合の復電時の遊技機の状態を整理した表である。なお、復帰状態を含む復電時の遊技機10の状態を決定する処理フロー(図示省略)においては、RAMクリアスイッチ43の態様、中枠開扉センサ76の状態、および設定キースイッチ42の態様を参照する順序は問わず、後述する表に示す関係性を満たせば、当該順序に限らず、いずれの順序を採用してもよい。なお、本実施形態では、RAM103の遊技に係る領域に異常がある場合に、復電時に異常があるとしているが、RAM103のベース値に係る領域に異常がある場合を、RAM103の遊技に係る領域に異常がある、すなわち、復電時に異常があると取り扱ってもよい。
【0194】
図19(a)には、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が遊技可能状態であり、かつ復電時の中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合(以下、「場合1」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
場合1において、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図19(a)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合1において、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図19(a)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合1において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図19(a)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復電時の復帰状態として設定確認状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。
また、場合1において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図19(a)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復電時の復帰状態として設定変更状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97に現在の設定値が表示される。なお、この場合に、RAM103のベース値に係る領域に異常があれば、当該領域もクリアされる。
このようにすることで、復電時の操作手段の態様に応じて復電時の復帰状態を選択可能にし、当該選択をスムーズにすることができる。
【0195】
また、場合1において、復電時の設定キースイッチ42の態様と復電時のRAMクリアスイッチ43の態様の組合せに対応する復帰状態は、本実施形態の対応関係に限定されないが、本実施形態のように、RAMクリアスイッチ43がONであることを少なくとも含む組合せに対して、RAMクリア処理を伴う復帰状態を対応させることで、誤ったRAMクリア処理の発生を抑えることができる。
【0196】
図19(b)には、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が遊技可能状態であり、かつ復電時の中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合(以下、「場合2」と称する)における復電時の遊技機10の状態が示されている。
場合2において、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図19(b)の左上のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合2において、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図19(b)の右上のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合2において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がOFFである場合(
図19(b)の左下のパターン)には、RAMクリア処理が実行されず、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
また、場合2において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合(
図19(b)の右下のパターン)には、RAMクリア処理が実行され、復電時の復帰状態として遊技可能状態が設定され、かつ主制御基板モニタ97にベース値が表示される。
【0197】
このように、本実施形態では、復電時に異常がなく、かつ直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合には、中枠開扉センサ76の状態(中枠17の開閉状態)に応じて設定される復帰状態が異なる。
さらに、場合1において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合には、設定変更状態を設定する一方、場合2において、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合には、RAMクリア処理が実行されるとともに、遊技可能状態が設定される。さらに、場合1および場合2のいずれにおいても、設定キースイッチ42がOFFであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合には、RAMクリア処理が実行されるとともに、遊技可能状態が設定される。このように、適切でない設定変更状態の設定を禁止する一方、RAMクリア処理は許容することで、中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合における不正な設定変更を防ぎつつも、RAMクリア処理の操作性を高めることができる。
特に、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合において、中枠開扉センサ76がOFF(中枠17が閉鎖状態)である場合には、RAMクリア処理が実行される。そのため、不正な設定変更が試みられた虞がある場合に有利な状態を維持しないようにすることができる。
【0198】
また、上述の説明では省略したが、復電時に異常がある場合、直前の電断状態が遊技停止状態である場合、および直前の電断状態が設定変更状態である場合のいずれかの場合では、設定キースイッチ42がONであり、かつRAMクリアスイッチ43がONである場合において、中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)である場合にのみ、設定変更状態を経由して遊技可能状態に復帰させることができ、当該場合以外では、遊技停止状態となり、主制御基板モニタ97には遊技停止状態の種別(「E1」または「E2」)が表示される。なお、復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が設定確認状態である場合には、上述の復電時に異常がなく、直前の電断時の状態が遊技可能状態である場合と同様の挙動となる。
また、本実施形態において、設定変更状態および設定確認状態は、復電時にのみ設定される可能があり、いずれも復電時以外に設定されることはない。そのため、遊技制御の安定化を図ることができる。
【0199】
以上説明した通り、本実施形態に係る遊技機10は、有利度が異なる設定値を任意に設定可能に構成されており、このような設定値を有するパチンコ機における遊技の興趣を高めて稼働を向上させるために有効な手段の一つとして、設定値に関する示唆(現在の設定値の示唆だけでなく、設定値の変更の示唆を含む)を行う演出が挙げられる。これに対し、本実施形態では、設定示唆演出である上述の設定示唆ランプ84の点灯に加え、ステップアップ演出を用いて設定値に関する示唆を行っている。
しかし、このような設定値に関する示唆に係る演出は、遊技者が注目する演出であるが故、遊技者の興趣を喚起し得る事象の発生を認識させ難くしてしまう場合がある。そのため、本実施形態は、必要に応じて当該演出の実行を規制する機能を有している。以下、当該機能の詳細を説明する。
【0200】
<ステップアップ演出の態様について>
まず、
図20(a)〜
図20(c)、
図21(a)および
図21(b)を用いて、ステップアップ演出の態様について説明する。
図20(a)〜
図20(c)は、ステップアップ演出の具体例を示す図であり、
図21(a)は、ステップアップ演出の段階ごとの表示内容を整理した表であり、
図21(b)は、設定示唆種別とその表示内容を示す図である。
【0201】
図20(a)には、1段階目(最初の段階)で黒板を模した画像(以下、単に「黒板」と称する)上に「この変動は・・・」との文字が表示され、2段階目で黒板上に「チャンス!」との文字が表示され、3段階目(最終段階)で黒板上に「いや、大チャンス!」との文字が表示されている様子が示されている。これは、後述するステップアップ演出種別NSU3−Aが決定された場合に実行されるステップアップ演出を示した例である。なお、詳細は後述するが、この例には、設定値に関する示唆が実行される段階が含まれていない。
図20(b)には、1段階目で黒板上に「この台は・・・」との文字が表示され、2段階目で黒板上に「昨日と違うかも」との文字が表示され、3段階目で黒板上に「チャンス!」との文字が表示されている様子が示されている。これは、ステップアップ演出種別SSU3−Aが決定された場合に実行されるステップアップ演出を示した一例である。なお、この例には、設定値に関する示唆(特に、設定値の変更の示唆)が実行される段階(2段階目)が含まれている。
図20(c)には、1段階目で黒板上に「この台は・・・」との文字が表示され、2段階目で黒板上に「良いかも」との文字が表示され、3段階目で黒板上に「大チャンス!」との文字が表示されている様子が示されている。これは、ステップアップ演出種別SSU3−Bが決定された場合に実行されるステップアップ演出を示した一例である。なお、この例には、設定値に関する示唆(特に、現在の設定値の示唆)が実行される段階(2段階目)が含まれている。
このように、ステップアップ演出は、段階的に演出が進行する(段階的に態様が変化する)演出であり、その内容は、特図変動パターンを参照したステップアップ演出種別抽選によって決定されるステップアップ演出種別によって定まる。ステップアップ演出には、ステップアップ演出種別によって設定値に関する示唆が実行される段階を含まない場合と、当該示唆を含む場合とがある。そして、本実施形態では、ステップアップ演出種別抽選によって設定値に関する示唆が実行される段階を含まないステップアップ演出種別が決定された場合には、その時点でステップアップ演出の内容が定まる。一方、ステップアップ演出種別抽選によって設定値に関する示唆が実行される段階を含むステップアップ演出種別が決定された場合には、さらに、設定変更フラグの状態および現在の設定値等を参照した設定示唆種別抽選が実行され、ステップアップ演出の内容が定まる。なお、ステップアップ演出種別抽選および設定示唆種別抽選の詳細は、後述する。また、以降の説明では、ステップアップ演出種別に対応するステップアップ演出を、単に、ステップアップ演出種別で表現する場合がある。
また、
図20(a)〜
図20(c)で示した例は、いずれも3段階目まで演出が進行する(3段階目で終了する)ステップアップ演出であったが、ステップアップ演出種別によっては1段階目で終了する場合や2段階目で終了する場合がある。なお、本実施形態におけるステップアップ演出の段階数は3段階であるが、これに限らず、複数段階であれば、いずれの段階数を採用してもよい。
【0202】
図21(a)に示す通り、本実施形態におけるステップアップ演出種別には、ステップアップ演出種別NSU1〜ステップアップ演出種別SSU3−Cの計12種類が存在する。各ステップアップ演出種別の各段階の態様(黒板上に表示される文字の内容)は、この表に示す通りである。なお、「−」の記載は、当該段階が存在しないこと(手前の段階でステップアップ演出が終了すること)を示している。例えば、2段階目から「−」が記載されているステップアップ演出種別NSU1およびステップアップ演出種別SSU1は、1段階目で終了するステップアップ演出となる。
【0203】
ステップアップ演出種別SSU2〜ステップアップ演出種別SSU3−Cの4種類には「※設定示唆」の記載があり、当該記載は、当該段階が設定値に関する示唆が実行される段階であることを示している。そのため、これらのステップアップ演出種別は、設定値に関する示唆が実行される段階を含むステップアップ演出種別となる。
一方、ステップアップ演出種別NSU1〜ステップアップ演出種別SSU1までの8種類は、「※設定示唆」の記載がなく、これらのステップアップ演出種別は、設定値に関する示唆が実行される段階を含まないステップアップ演出種別となる。特に、ステップアップ演出種別NSU2−A〜ステップアップ演出種別NSU3−Cまでの6種類は、ステップアップ演出種別SSU2〜ステップアップ演出種別SSU3−Cにおいて設定値に関する示唆が実行される2段階目を有するステップアップ演出種別であるが、当該ステップアップ演出種別の2段階目では、設定値に関する示唆は実行されない。
このように、本実施形態におけるステップアップ演出種別には、設定値に関する示唆が実行される段階を含まないステップアップ演出種別が存在する。そのため、後述するステップアップ演出の態様のバランスに影響を与え難くする効果が高い。
【0204】
また、上述の通り、設定値に関する示唆が実行される段階における演出の内容(態様)は、後述する設定示唆種別抽選によって決定される設定示唆種別によって定まる。設定示唆種別の種類および当該種類に対応する態様(黒板上に表示される内容)は、
図21(b)に示す通りである。
具体的には、「変更示唆」には、「昨日と違うかも」との文字が対応し、「1否定」には、「悪くないよ」との文字が対応し、「奇数設定示唆」には、「奇数かも」との文字が対応し、「偶数設定示唆」には、「偶数かも」との文字が対応し、「高設定示唆」には、「良いかも」との文字が対応し、「高設定確定」には、「すごく良いね」との文字が対応する。そして、「変更示唆」は、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別であり、「1否定」〜「高設定確定」は、現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別であり、その根拠は、設定示唆種別抽選の詳細とともに説明する。なお、本実施形態では、現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別を複数設けているが、その数は問わない。
【0205】
また、本実施形態におけるステップアップ演出には、少なくとも2段階目まで進行し、かつ設定値に関する示唆が実行される段階を含まないステップアップ演出(ステップアップ演出種別NSU2A〜ステップアップ演出種別NSU3Cの計6種類)と、少なくとも2段階目まで進行し、かつ設定値に関する示唆が実行される段階を含むステップアップ演出(ステップアップ演出種別SSU2〜ステップアップ演出種別SSU3−Cの計4種類)とがある。そして、後者のステップアップ演出における設定値に関する示唆が実行される段階を、一の段階(1段階目)よりも後の段階(2段階目)としている。そのため、設定値に関する示唆(現在の設定値の示唆、または設定値の変更の示唆)を遊技者に認識させ易くすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0206】
特に、本実施形態では、上述の少なくとも2段階目まで進行し、かつ設定値に関する示唆が実行される段階を含むステップアップ演出における1段階目を、設定値に関わらない態様(「この台は・・・」の文字)としている。そのため、設定値に関する示唆を遊技者により認識させ易くすることができる。ここで、設定値に関わらないとは、あらかじめ定められた一の態様、または態様が決定されるにあたって現在の設定値および設定変更処理の実行有無が参照されないことを指す。
さらに、本実施形態では、この設定値に関わらない態様を、上述の少なくとも2段階目まで進行し、かつ設定値に関する示唆が実行される段階を含まないステップアップ演出に含まれる態様のいずれとも異なるようにしている。そのため、設定値に関する示唆を遊技者により認識させ易くすることができる
特に、本実施形態では、上述の少なくとも2段階目まで進行し、かつ設定値に関する示唆が実行される段階を含むステップアップ演出における1段階目を、あらかじめ定められた一の態様としている。そのため、設定値に関する示唆を遊技者により認識させ易くすることができる。
【0207】
さらに、本実施形態では、上述の少なくとも2段階目まで進行し、かつ設定値に関する示唆が実行される段階を含むステップアップ演出のうちの3段階目まで進行するステップアップ演出における3段階目についても、設定値に関わらない態様としている。すなわち、設定値に関する示唆が実行される段階を一の段階(2段階目)に限定している。そのため、設定値に関する示唆を遊技者により認識させ易くすることができる。
【0208】
また、詳細は後述するが、本実施形態では、ステップアップ演出種別を決定するにあたり、特図当否判定の結果に基づいて決定される特図変動パターンを参照している。そのため、本実施形態におけるステップアップ演出は、いずれも大当りの当選期待度を示唆していると言える。
【0209】
<設定示唆種別抽選について>
次に、
図22〜
図24を用いて、設定示唆種別を決定する設定示唆種別抽選の詳細を説明する。
図22(a)は、設定変更フラグON時の1回目の疑似変動における設定示唆種別抽選用の抽選テーブルを、
図22(b)は、設定変更フラグOFF時の1回目の疑似変動における設定示唆種別抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図である。
図23(a)は、設定変更フラグON時の2回目の疑似変動における設定示唆種別抽選用の抽選テーブルを、
図23(b)は、設定変更フラグOFF時の2回目の疑似変動における設定示唆種別抽選用の抽選テーブルを、模式的に示す図である。
図24(a)は、設定変更フラグON時の最終の疑似変動における設定示唆種別抽選用の抽選テーブルを、
図24(b)は、設定変更フラグOFF時の最終の疑似変動における設定示唆種別抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図である。なお、これらの抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜999であり、当該乱数は、後述するステップアップ演出種別抽選で用いられる乱数とは異なる。
【0210】
まず、設定示唆種別抽選では、設定変更フラグの状態、およびステップアップ演出の実行対象となる疑似変動のタイミングによって用いられる抽選テーブルが異なり、各抽選テーブルを用いた抽選では、現在の設定値が参照される。
具体的には、疑似変動回数が2回または3回となる演出ルート(特図変動パターンHSP2−A〜特図変動パターンHSP3−C、特図変動パターンASP2−A〜特図変動パターンASP3−Cの計12種類の特図変動パターンに対応する演出ルート)が決定された場合の1回目の疑似変動(本実施形態に係る説明では、単に、「1回目の疑似変動」と称する場合がある)における設定示唆種別抽選では、設定変更フラグがONである場合には、
図22(a)に示す抽選テーブルが、設定変更フラグがOFFである場合には、
図22(b)に示す抽選テーブルが用いられる。
疑似変動回数が3回となる演出ルート(特図変動パターンHSP3−A〜特図変動パターンHSP3−C、特図変動パターンASP3−A〜特図変動パターンASP3−Cの計6種類の特図変動パターンに対応する演出ルート)が決定された場合の2回目の疑似変動(本実施形態に係る説明では、単に、「2回目の疑似変動」と称する場合がある)における設定示唆種別抽選では、設定変更フラグがONである場合には、
図23(a)に示す抽選テーブルが、設定変更フラグがOFFである場合には、
図23(b)に示す抽選テーブルが用いられる。
疑似変動回数が1回〜3回となる演出ルート(特図変動パターンHNP−B〜特図変動パターンHNP−D、特図変動パターンHRP、特図変動パターンHSP1−A〜特図変動パターンHSP3−C、および特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP3−Cの計22種類の特図変動パターンに対応する演出ルートであり、特図変動パターンHNP−Aに対応する演出ルートは除く)が決定された場合の最終の疑似変動における設定示唆種別抽選では、設定変更フラグがONである場合には、
図24(a)に示す抽選テーブルが、設定変更フラグがOFFである場合には、
図24(b)に示す抽選テーブルが用いられる。ここで、最終の疑似変動とは、疑似変動回数が1回となる場合には、実行される一の疑似変動を指し、疑似変動回数が2回または3回となる場合には、最後の疑似変動を指す。
以下、これらの抽選テーブルを順に説明する。
【0211】
最初に、
図22(a)および
図22(b)を用いて、1回目の疑似変動における設定示唆種別の抽選の詳細を説明する。
図22(a)の「変更示唆」の段では、設定値1〜設定値3に抽選値300が対応づけられ、設定値4〜設定値6に抽選値250が対応づけられている。一方、
図22(b)の「変更示唆」の段は、設定値1〜設定値6のいずれにも抽選値100が対応づけられている。したがって、1回目の疑似変動における設定示唆種別である「変更示唆(「昨日と違うかも」との文字)」は、設定変更フラグがONとなっている場合に決定される割合が高く、設定されている設定値の変更の有無を示唆する設定示唆種別(態様)であると言える。なお、設定値の変更の有無を示唆する設定示唆種別は、本実施形態のように、設定値の変更の有無を不確定的に示唆するものだけでなく、設定値の変更の有無を確定的に示唆するものであってもよく、これは、上述の設定値の変更の示唆にあたる。
【0212】
続いて、
図22(a)の「1否定」の段では、設定値1に抽選値0、設定値2〜設定値6のそれぞれに抽選値100が対応づけられている。また、
図22(b)の「1否定」の段では、設定値1に抽選値0、設定値2〜設定値6のそれぞれに抽選値200が対応づけられている。したがって、1回目の疑似変動における設定示唆種別である「1否定(「悪くないよ」との文字)」は、現在の設定値が設定値1である場合に決定されることがなく、現在の設定値が設定値1ではないことを確定的に示唆する設定示唆種別(態様)であると言える。これは、現在の設定値の示唆にあたる。
【0213】
図22(a)の「奇数設定示唆」の段では、設定値1、設定値3、設定値5に対応する抽選値(順に、420、370、320)がいずれも、設定値2、設定値4、設定値6に対応する抽選値(順に、180、160、150)よりも大きい。また、
図22(b)の「奇数設定示唆」の段では、設定値1、設定値3、設定値5に対応する抽選値(順に、520、430、350)がいずれも、設定値2、設定値4、設定値6に対応する抽選値(順に、220、180、170)よりも大きい。したがって、1回目の疑似変動における設定示唆種別である「奇数設定示唆(「奇数かも」との文字)」は、現在の設定値が奇数設定値であることを示唆する設定示唆種別(態様)であると言える。これは、現在の設定値の示唆にあたる。
【0214】
図22(a)の「偶数設定示唆」の段では、設定値2、設定値4、設定値6に対応する抽選値(順に、370、340、310)がいずれも、設定値1、設定値3、設定値5に対応する抽選値(順に、230、180、160)よりも大きい。また、
図22(b)の「偶数設定示唆」の段では、設定値2、設定値4、設定値6に対応する抽選値(順に、430、370、340)がいずれも、設定値1、設定値3、設定値5に対応する抽選値(順に、330、220、180)よりも大きい。したがって、1回目の疑似変動における設定示唆種別である「偶数設定示唆(「偶数かも」との文字)」は、現在の設定値が偶数設定値であることを示唆する設定示唆種別(態様)であると言える。これは、現在の設定値の示唆にあたる。
【0215】
図22(a)および
図22(b)の「高設定示唆」の段は、設定値4〜設定値6に対応する抽選値(100)が、設定値1〜設定値3に対応する抽選値(50)よりも大きい。したがって、1回目の疑似変動における設定示唆種別である「高設定示唆(「良いかも」との文字)」は、現在の設定値が高設定値であることを示唆する設定示唆種別(態様)であると言える。これは、現在の設定値の示唆にあたる。
【0216】
図22(a)および
図22(b)の「高設定確定」の段では、設定値1〜設定値3に抽選値0、設定値4に抽選値50、設定値5に抽選値70、設定値6に抽選値90が対応づけられている。したがって、1回目の疑似変動における設定示唆種別である「高設定確定(「すごく良いね」との文字)」は、現在の設定値が高設定値であること(現在の設定値が低設定値ではないこと)を確定的に示唆する設定示唆種別(態様)であると言える。これは、現在の設定値の示唆にあたる。
【0217】
このように、本実施形態において、1回目の疑似変動における設定示唆種別には、設定値の変更の示唆にあたるものと、現在の設定値の示唆にあたるものとが含まれている。
【0218】
なお、上述の通り、本実施形態におけるステップアップ演出、すなわち、現在の設定値の示唆にあたる演出、または設定値の変更の示唆にあたる演出は、特
図1に係る図柄変動の実行中に実行される演出であるが、第1始動口57への入賞時等、第1始動口57への入賞に基づいて実行される演出であってもよい。
【0219】
よって、遊技機10において、演出制御手段(第1副制御基板200、第2副制御基板300)は、第一の遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)における第一の始動口(第1始動口57)への遊技球の入賞に基づいて、設定されている設定値を示唆する設定示唆演出である所定の設定示唆演出を実行させることが可能なものであると換言できる。
【0220】
さらに、遊技機10において、演出制御手段(第1副制御基板200、第2副制御基板300)は、第一の遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)における第一の始動口(第1始動口57)への遊技球の入賞に基づいて、設定変更処理によって別の設定値が設定されたか設定変更処理が実行されなかったかを少なくとも示唆する変更示唆演出である所定の変更示唆演出(設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別となる段階を含むステップアップ演出)を実行させることが可能なものであると換言できる。
【0221】
また、各設定値において、設定示唆種別のそれぞれに対応する抽選値の合計は、1000となり、上述の設定示唆種別抽選に用いられる乱数の数と一致する。そのため、1回目の疑似変動における設定示唆種別抽選では、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別または現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別のいずれかに必ず当選することとなる。
さらに、
図22(a)に示す抽選テーブルを用いた設定示唆種別抽選、すなわち、設定変更フラグがONである場合において、現在の設定値が低設定値である場合には現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に対して合わせて抽選値700が対応づけられ、現在の設定値が高設定値である場合には当該設定示唆種別に対して抽選値750が対応づけられている。一方、
図22(b)に示す抽選テーブルを用いた設定示唆種別抽選、すなわち、設定変更フラグがOFFである場合には、現在の設定値がいずれの設定値であっても、現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に対して合わせて抽選値900が対応づけられている。
したがって、本実施形態では、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合には、現在の設定値に関わらず、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、1回目の疑似変動において現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率が低くなる。これにより、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合と、設定変更処理が実行されなかった場合とで、現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率を異ならせ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、この効果を奏するにあたっては、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合に、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、1回目の疑似変動において現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率が高くなるようにしてもよい。
さらに、上述の通り、本実施形態では、同一設定値への打ち直しがなされた場合は、設定変更フラグがOFFとなり、設定変更処理が実行されなかった場合と同様の扱いとなる。これにより、遊技の興趣をより高めることができる。
【0222】
特に、本実施形態では、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合には、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、1回目の疑似変動において現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率が低くなる。これにより、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合に、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、現在の設定値を推測させ難くすることができる。
【0223】
また、
図22(a)に示す抽選テーブルを用いた設定示唆種別抽選、すなわち、設定変更フラグがONである場合において、現在の設定値が低設定値である場合には、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に対して合わせて抽選値300が対応づけられ、現在の設定値が高設定値である場合には、当該設定示唆種別に対して抽選値250が対応づけられている。一方、
図22(b)に示す抽選テーブルを用いた設定示唆種別抽選、すなわち、設定変更フラグがOFFである場合において、現在の設定値がいずれの設定値であっても、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に対して抽選値100が対応づけられている。
したがって、本実施形態では、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合には、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、現在の設定値に関わらず、1回目の疑似変動において設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率が高くなる。そして、上述の通り、1回目の疑似変動において現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率は、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合よりも、設定変更処理が実行されなかった場合に低くなる。
すなわち、本実施形態では、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合と、設定変更処理が実行されなかった場合とを比較して、1回目の疑似変動において現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率の増減方向と、1回目の疑似変動において設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率の増減方向とが異なる。
これにより、設定値の変更の示唆によって遊技の興趣を高めつつも、1回目の疑似変動におけるステップアップ演出の態様(特に、2段階目)のバランスに影響を与え難くすることができる。なお、この効果を奏するにあたっては、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合に、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、1回目の疑似変動において現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率が高くなることを前提として、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合に、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、1回目の疑似変動において設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率が低くするようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に係る演出と、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に係る演出を、同一の演出(ステップアップ演出)内の態様の違う演出としているが、これに限らず、双方の演出を別の演出としてもよい。
【0224】
特に、本実施形態では、1回目の疑似変動において、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合における現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値の合計(700または750)と、当該場合における設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値(300または250)との設定値ごとの合算値(1000)は、設定変更処理が実行されなかった場合における現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値の合計(900)と、当該場合における設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値(100)との設定値ごとの合算値(1000)と一致する。
すなわち、本実施形態では、1回目の疑似変動において、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合と、設定変更処理が実行されなかった場合とを比較して、現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率と、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率とを合わせた確率が変化しない。これにより、1回目の疑似変動におけるステップアップ演出の態様(特に、2段階目)のバランスにより影響を与え難くすることができる。
【0225】
また、本実施形態では、1回目の疑似変動において、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合には、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値が大きい(抽選値100に対し、抽選値300または抽選値250)。さらに、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合において、現在の設定値が高設定値である場合に、現在の設定値が低設定値である場合よりも、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値が小さい(抽選値300に対して抽選値250)。
これにより、1回目の疑似変動において、設定値の変更にあたる設定示唆種別に当選する確率と、現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率との合算確率を抑えた上で、現在の設定値が高設定値である場合において現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率を高めることができる。なお、この効果を奏するにあたっては、本実施形態とは反対に、設定変更処理が実行されなかった場合に、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合よりも、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値を大きくしてもよく、この場合には、設定変更処理が実行されなかった場合において、現在の設定値が高設定値である場合に、現在の設定値が低設定値である場合よりも、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値を小さくすればよい。
また、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値を小さくする設定値は、高設定値に限らず、いずれの設定値を採用してもよく、採用した設定値が現在の設定値である場合に、現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率を高めることができる。
【0226】
続いて、
図23(a)および
図23(b)を用いて、2回目の疑似変動における設定示唆種別の抽選の詳細を説明する。ただし、1回目の疑似変動と重複する説明については、適宜省略する。
図23(a)の「変更示唆」の段では、設定値1〜設定値3に抽選値250が対応づけられ、設定値4〜設定値6に抽選値200が対応づけられている。一方、
図23(b)の「変更示唆」の段は、設定値1〜設定値6のいずれにも抽選値100が対応づけられている。したがって、2回目の疑似変動における設定示唆種別である「変更示唆(「昨日と違うかも」との文字)」は、1回目の疑似変動と同様に、設定値の変更の示唆にあたる。
【0227】
続いて、
図23(a)の「1否定」の段では、設定値1に抽選値0、設定値2〜設定値6のそれぞれに抽選値100が対応づけられている。また、
図23(b)の「1否定」の段では、設定値1に抽選値0、設定値2〜設定値6のそれぞれに抽選値200が対応づけられている。したがって、2回目の疑似変動における設定示唆種別である「1否定」は、1回目の疑似変動と同様に、現在の設定値が設定値1ではないことを確定的に示唆する設定示唆種別(態様)であり、当該設定示唆種別は、現在の設定値の示唆にあたる。
【0228】
図23(a)の「奇数設定示唆」の段では、設定値1、設定値3、設定値5に対応する抽選値(順に、450、400、350)がいずれも、設定値2、設定値4、設定値6に対応する抽選値(順に、200、180、170)よりも大きい。また、
図23(b)の「奇数設定示唆」の段では、設定値1、設定値3、設定値5に対応する抽選値(順に、520、430、350)がいずれも、設定値2、設定値4、設定値6に対応する抽選値(順に、220、180、170)よりも大きい。したがって、2回目の疑似変動における設定示唆種別である「奇数設定示唆」は、1回目の疑似変動と同様に、現在の設定値が奇数設定値であることを示唆する設定示唆種別(態様)であり、当該設定示唆種別は、現在の設定値の示唆にあたる。
【0229】
図23(a)の「偶数設定示唆」の段では、設定値2、設定値4、設定値6に対応する抽選値(順に、400、370、340)がいずれも、設定値1、設定値3、設定値5に対応する抽選値(順に、250、200、180)よりも大きい。また、
図23(b)の「偶数設定示唆」の段では、設定値2、設定値4、設定値6に対応する抽選値(順に、430、370、340)がいずれも、設定値1、設定値3、設定値5に対応する抽選値(順に、330、220、180)よりも大きい。したがって、2回目の疑似変動における設定示唆種別である「偶数設定示唆(「偶数かも」との文字)」は、1回目の疑似変動と同様に、現在の設定値が偶数設定値であることを示唆する設定示唆種別(態様)であり、当該設定示唆種別は、現在の設定値の示唆にあたる。
【0230】
図23(a)および
図23(b)の「高設定示唆」の段は、設定値4〜設定値6に対応する抽選値(100)が、設定値1〜設定値3に対応する抽選値(50)よりも大きい。したがって、2回目の疑似変動における設定示唆種別である「高設定示唆(「良いかも」との文字)」は、1回目の疑似変動と同様に、現在の設定値が高設定値であることを示唆する設定示唆種別(態様)であり、当該設定示唆種別は、現在の設定値の示唆にあたる。
【0231】
図23(a)および
図23(b)の「高設定確定」の段では、設定値1〜設定値3に抽選値0、設定値4に抽選値50、設定値5に抽選値70、設定値6に抽選値90が対応づけられている。したがって、2回目の疑似変動における設定示唆種別である「高設定確定(「すごく良いね」との文字)」は、1回目の疑似変動と同様に、現在の設定値が高設定値であること(現在の設定値が低設定値ではないこと)を確定的に示唆する設定示唆種別(態様)であり、当該設定示唆種別は、現在の設定値の示唆にあたる。
【0232】
このように、本実施形態において、2回目の疑似変動における設定示唆種別には、1回目の疑似変動と同様に、設定値の変更の示唆にあたるものと、現在の設定値の示唆にあたるものとが含まれている。さらに、各設定値において、設定示唆種別のそれぞれに対応する抽選値の合計は、1000となり、上述の設定示唆種別抽選に用いられる乱数の数と一致する。そのため、2回目の疑似変動における設定示唆種別抽選においても、1回目の疑似変動と同様に、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別または現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別のいずれかに必ず当選することとなる。
【0233】
また、
図23(a)に示す抽選テーブルを用いた設定示唆種別抽選、すなわち、設定変更フラグがONである場合において、現在の設定値が低設定値である場合には現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に対して合わせて抽選値750が対応づけられ、現在の設定値が高設定値である場合には当該設定示唆種別に対して抽選値800が対応づけられている。一方、
図23(b)に示す抽選テーブルを用いた設定示唆種別抽選、すなわち、設定変更フラグがOFFである場合には、現在の設定値がいずれの設定値であっても、現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に対して合わせて抽選値900が対応づけられている。
したがって、本実施形態では、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合には、現在の設定値に関わらず、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、2回目の疑似変動において現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率が低くなる。これにより、1回目の疑似変動と同様に、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合と、設定変更処理が実行されなかった場合とで、現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率を異ならせ、遊技の興趣を高めることができる。なお、この効果を奏するにあたっては、1回目の疑似変動と同様に、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合に、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、2回目の疑似変動において現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率が高くなるようにしてもよい。
【0234】
特に、本実施形態では、1回目の疑似変動と同様に、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合には、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、2回目の疑似変動において現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率が低くなる。これにより、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合に、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、現在の設定値を推測させ難くすることができる。
【0235】
また、
図23(a)に示す抽選テーブルを用いた設定示唆種別抽選、すなわち、設定変更フラグがONである場合には、現在の設定値が低設定値である場合には設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に対して合わせて抽選値250が対応づけられ、現在の設定値が高設定値である場合には当該設定示唆種別に対して抽選値200が対応づけられている。一方、
図23(b)に示す抽選テーブルを用いた設定示唆種別抽選、すなわち、設定変更フラグがOFFである場合には、1回目の疑似変動と同様に、現在の設定値がいずれの設定値であっても、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に対して抽選値100が対応づけられている。
したがって、本実施形態では、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合には、1回目の疑似変動と同様に、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、現在の設定値に関わらず、2回目の疑似変動において設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率が高くなる。そして、上述の通り、2回目の疑似変動において、現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率は、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合よりも、設定変更処理が実行されなかった場合に低くなる。
すなわち、本実施形態では、1回目の疑似変動と同様に、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合と、設定変更処理が実行されなかった場合とを比較して、2回目の疑似変動において現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率の増減方向と、2回目の疑似変動において設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率の増減方向とが異なる。
これにより、設定値の変更の示唆によって遊技の興趣を高めつつも、2回目の疑似変動におけるステップアップ演出の態様(特に、2段階目)のバランスに影響を与え難くすることができる。なお、この効果を奏するにあたっては、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合に、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、2回目の疑似変動において現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率が高くなることを前提として、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合に、設定変更処理が実行されなかった場合よりも、2回目の疑似変動において設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率が低くするようにしてもよい。
【0236】
特に、本実施形態では、2回目の疑似変動において、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合における現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値の合計(750または800)と、当該場合における設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値(250または200)との設定値ごとの合算値(1000)は、2回目の疑似変動において、設定変更処理が実行されなかった場合における現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値の合計(900)と、当該場合における設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値(100)との設定値ごとの合算値(例えば、1000)と一致する。
すなわち、本実施形態では、1回目の疑似変動と同様に、2回目の疑似変動において、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合と、設定変更処理が実行されなかった場合とを比較して、現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率と、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率とを合わせた確率が変化しない。これにより、2回目の疑似変動におけるステップアップ演出の態様(特に、2段階目)のバランスにより影響を与え難くすることができる。
【0237】
さらに、設定値ごとで比較して、2回目の疑似変動において設定変更処理によって別の設定値が設定された場合における現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別が当選する確率(750/1000または800/1000)は、1回目の疑似変動における同確率(700/1000または750/1000)よりも高い。そのため、遊技の興趣をより高めることができる。
【0238】
また、1回目の疑似変動において、設定変更処理が実行されなかった場合における現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値の合計(900)と、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合における現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値の合計(700または750)との差(200または150)は、2回目の疑似変動において、設定変更処理が実行されなかった場合における現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値の合計(900)と、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合における現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に対応する抽選値の合計(750または800)との差(150または100)よりも大きい。これにより、遊技の興趣をより高めることができる。
【0239】
さらに、上述の通り、本実施形態では、疑似変動の回数が大きくなるにつれて大当り当選の期待感が高くなる。そのため、1回目の疑似変動が実行された場合よりも、2回目の疑似変動が実行された場合の方が、大当りに当選する期待度が高い。したがって、1回目の疑似変動のステップアップ演出における設定示唆種別よりも、2回目の疑似変動のステップアップ演出における設定示唆種別の方が、大当りに当選する期待度が高いと言える。そのため、大当りに当選する期待度が高い疑似変動のステップアップ演出における設定示唆種別において、現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別が当選する確率を高めることができる。
【0240】
続いて、
図24(a)および
図24(b)を用いて、最後の疑似変動における設定示唆種別の抽選の詳細を説明する。ただし、他の疑似変動(1回目の疑似変動または2回目の疑似変動)と重複する説明については、適宜省略する。
図24(a)の「変更示唆」の段では、設定値1〜設定値6のいずれにも抽選値150が対応づけられている。一方、
図24(b)の「変更示唆」の段は、設定値1〜設定値6のいずれにも抽選値100が対応づけられている。したがって、最終の疑似変動における設定示唆種別である「変更示唆(「昨日と違うかも」との文字)」は、他の疑似変動と同様に、設定値の変更の示唆にあたる。ただし、最終の疑似変動では、設定値の変更示唆にあたる設定示唆種別に対応づけられた抽選値に設定差がなく、この点が他の疑似変動とは異なる。
図24(a)の「1否定」の段では、設定値1に抽選値0、設定値2〜設定値6のそれぞれに抽選値200が対応づけられている。また、
図24(b)の「1否定」の段では、設定値1に抽選値0、設定値2〜設定値6のそれぞれに抽選値200が対応づけられている。したがって、最終の疑似変動における設定示唆種別である「1否定」は、他の疑似変動と同様に、現在の設定値が設定値1ではないことを確定的に示唆する設定示唆種別(態様)であり、当該設定示唆種別は、現在の設定値の示唆にあたる。
図24(a)の「奇数設定示唆」の段では、設定値1、設定値3、設定値5に対応する抽選値(順に、500、400、320)がいずれも、設定値2、設定値4、設定値6に対応する抽選値(順に、200、160、150)よりも大きい。また、
図24(b)の「奇数設定示唆」の段では、設定値1、設定値3、設定値5に対応する抽選値(順に、520、430、350)がいずれも、設定値2、設定値4、設定値6に対応する抽選値(順に、220、180、170)よりも大きい。したがって、最終の疑似変動における設定示唆種別である「奇数設定示唆」は、他の疑似変動と同様に、現在の設定値が奇数設定値であることを示唆する設定示唆種別(態様)であり、当該設定示唆種別は、現在の設定値の示唆にあたる。
図24(a)の「偶数設定示唆」の段では、設定値2、設定値4、設定値6に対応する抽選値(順に、400、340、310)がいずれも、設定値1、設定値3、設定値5に対応する抽選値(順に、300、200、160)よりも大きい。また、
図24(b)の「偶数設定示唆」の段では、設定値2、設定値4、設定値6に対応する抽選値(順に、430、370、340)がいずれも、設定値1、設定値3、設定値5に対応する抽選値(順に、330、220、180)よりも大きい。したがって、最終の疑似変動における設定示唆種別である「偶数設定示唆(「偶数かも」との文字)」は、現在の設定値が偶数設定値であることを示唆する設定示唆種別(態様)であり、当該設定示唆種別は、現在の設定値の示唆にあたる。
図24(a)および
図24(b)の「高設定示唆」の段は、設定値4〜設定値6に対応する抽選値(100)が、設定値1〜設定値3に対応する抽選値(50)よりも大きい。したがって、最終の疑似変動における設定示唆種別である「高設定示唆(「良いかも」との文字)」は、他の疑似変動と同様に、現在の設定値が高設定値であることを示唆する設定示唆種別(態様)であり、当該設定示唆種別は、現在の設定値の示唆にあたる。
図24(a)および
図24(b)の「高設定確定」の段では、設定値1〜設定値3に抽選値0、設定値4に抽選値50、設定値5に抽選値70、設定値6に抽選値90が対応づけられている。したがって、最終の疑似変動における設定示唆種別である「高設定確定(「すごく良いね」との文字)」は、他の疑似変動と同様に、現在の設定値が高設定値であること(現在の設定値が低設定値ではないこと)を確定的に示唆する設定示唆種別(態様)であり、当該設定示唆種別は、現在の設定値の示唆にあたる。
【0241】
このように、本実施形態において、最終の疑似変動における設定示唆種別には、他の疑似変動と同様に、設定値の変更の示唆にあたるものと、現在の設定値の示唆にあたるものとが含まれている。さらに、各設定値において、設定示唆種別のそれぞれに対応する抽選値の合計は、1000となり、上述の設定示唆種別抽選に用いられる乱数の数と一致する。そのため、最終の疑似変動における設定示唆種別抽選においても、他の疑似変動と同様に、設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別または現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別のいずれかに必ず当選することとなる。
【0242】
<ステップアップ演出種別抽選について>
次に、
図25〜
図28を用いて、ステップアップ演出種別抽選の詳細を説明する。なお、当該抽選は、特図当否判定の結果に基づいて決定される特図変動パターンを参照して実行され、当該抽選で用いられる乱数の範囲は0〜999である。
図25は、ハズレ時の最終の疑似変動におけるステップアップ演出種別抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図である。ここで、ハズレ時とは、特図当否判定の結果がハズレであることを指す。
特図変動パターンが決定された場合におけるステップアップ演出種別それぞれに対応する抽選値は
図25に示す通りである。例えば、特図変動パターンHSP1−Bが決定された場合には、250/1000の確率でステップアップ演出種別NSU1が、250/1000の確率でステップアップ演出種別NSU2−Aが、160/1000の確率でステップアップ演出種別NSU2−Bが、40/1000の確率でステップアップ演出種別NSU2−Cが、160/1000の確率でステップアップ演出種別NSU3−Aが、40/1000の確率でステップアップ演出種別NSU3−Bが、10/1000の確率でステップアップ演出種別SSU1が、30/1000の確率でステップアップ演出種別SSU2が、35/1000の確率でステップアップ演出種別SSU3−Aが、15/1000の確率でステップアップ演出種別SSU3−Bが、10/1000の確率でステップアップ演出種別SSU3−Cが決定される。なお、ステップアップ演出種別NSU3−Cは、特図変動パターンHSP1−Bが決定された場合を含め、ハズレ時に決定され得る特図変動パターンが決定された場合の最終の疑似変動では、ハズレ時の最終の疑似変動では決定されることがない。これは、後述する他の疑似変動においても同様である。
ここで、設定示唆種別抽選が実行されるステップアップ演出種別(ステップアップ演出種別SSU2、ステップアップ演出種別SSU3−A〜ステップアップ演出種別SSU3−C)に着目すると、疑似変動回数が1回となる特図変動パターンにおける1回目の疑似変動では90/1000の確率で、疑似変動回数が2回となる特図変動パターンにおける2回目の疑似変動では60/1000の確率で、当該ステップアップ演出種別が決定される。一方、疑似変動回数が3回となる特図変動パターンにおける3回目の疑似変動では、当該ステップアップ演出が決定されない(説明の便宜上、当該確率を0/1000と表現する場合がある)。
【0243】
図26は、大当り時の最終の疑似変動におけるステップアップ演出種別抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図である。ここで、大当り時とは、特図当否判定の結果が大当りであることを指す。
特図変動パターンが決定された場合におけるステップアップ演出種別それぞれに対応する抽選値は
図26に示す通りである。例えば、特図変動パターンASP1−Bが決定された場合には、100/1000の確率でステップアップ演出種別NSU1が、160/1000の確率でステップアップ演出種別NSU2−Aが、210/1000の確率でステップアップ演出種別NSU2−Bが、100/1000の確率でステップアップ演出種別NSU2−Cが、210/1000の確率でステップアップ演出種別NSU3−Aが、100/1000の確率でステップアップ演出種別NSU3−Bが、20/1000の確率でステップアップ演出種別NSU3−Cが、10/1000の確率でステップアップ演出種別SSU1が、20/1000の確率でステップアップ演出種別SSU2が、35/1000の確率でステップアップ演出種別SSU3−Aが、20/1000の確率でステップアップ演出種別SSU3−Bが、15/1000の確率でステップアップ演出種別SSU3−Cが決定される。
ここで、設定示唆種別抽選が実行されるステップアップ演出種別に着目すると、特図当否判定の結果がハズレとなった場合と同様に、疑似変動回数が1回となる特図変動パターンにおける1回目の疑似変動では90/1000の確率で、疑似変動回数が2回となる特図変動パターンにおける2回目の疑似変動では60/1000の確率で、当該ステップアップ演出種別が決定される。一方、疑似変動回数が3回となる特図変動パターンにおける3回目の疑似変動では、当該ステップアップ演出種別が決定されない。
また、ステップアップ演出種別NSU3−Cは、特図変動パターンASP1−Bが決定された場合を含め、大当り時に決定され得る特図変動パターンが決定された場合の最終の疑似変動で決定され得る。これは、後述する他の疑似変動においても同様である。そして、上述の通り、当該ステップアップ演出種別は、ハズレ時に決定され得る特図変動パターンが決定された場合には決定されることがない。したがって、ステップアップ演出種別NSU3−Cは、特図当否判定の結果が大当りであることを期待させるステップアップ演出種別であると言える。そして、この期待感は、当該ステップアップ演出種別における3段階目の態様(「いや、大当り!」との文字)に起因する。なお、特図当否判定の結果が大当りであることを期待させるステップアップ演出種別は、本実施形態のように、特図当否判定の結果が大当りであることが確定する場合に限らない。
【0244】
図27は、疑似変動回数が2回または3回となる場合の1回目の疑似変動におけるステップアップ演出種別抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、特図変動パターンが決定された場合におけるステップアップ演出種別それぞれに対応する抽選値は
図27に示す通りである。
ここで、設定示唆種別抽選が実行されるステップアップ演出種別に着目すると、疑似変動回数が2回となる特図変動パターンにおける1回目の疑似変動では、90/1000の確率で当該ステップアップ演出種別が決定され、当該確率は、当該特図変動パターンの最終の疑似変動における確率(60/100)よりも高い。同様に、疑似変動回数が3回となる特図変動パターンにおける1回目の疑似変動では、90/1000の確率で設定示唆種別抽選が実行されるステップアップ演出種別が決定され、当該確率は、当該特図変動パターンの最終の疑似変動における確率(0/1000)よりも高い。
また、特図当否判定の結果が大当りであることを期待させるステップアップ演出種別に着目すると、疑似変動回数が2回となる特図変動パターンにおける1回目の疑似変動では、10/1000の確率で当該ステップアップ演出種別が決定され、当該確率は、当該特図変動パターンの最終の疑似変動における確率(20/1000)よりも低い。
【0245】
図28は、疑似変動回数が3回となる場合の2回目の疑似変動におけるステップアップ演出種別抽選用の抽選テーブルを模式的に示す図であり、特図変動パターンが決定された場合におけるステップアップ演出種別それぞれに対応する抽選値は
図28に示す通りである。
ここで、設定示唆種別抽選が実行されるステップアップ演出種別に着目すると、疑似変動回数が3回となる特図変動パターンにおける2回目の疑似変動では、60/1000の確率で当該ステップアップ演出種別が決定され、当該確率は、当該特図変動パターンの1回目の疑似変動における確率(90/1000)よりも低い。
また、特図当否判定の結果が大当りであることを期待させるステップアップ演出種別に着目すると、疑似変動回数が3回となる特図変動パターンにおける2回目の疑似変動では、15/1000の確率で当該ステップアップ演出種別が決定され、当該確率は、当該特図変動パターンの1回目の疑似変動における確率(10/1000)よりも高い。
【0246】
このように、本実施形態では、疑似変動回数が2回となる特図変動パターンでは、設定示唆種別抽選が実行されるステップアップ演出種別(ステップアップ演出種別SSU2、ステップアップ演出種別SSU3A〜ステップアップ演出種別SSU3−C)が決定される確率が、最終の疑似変動(60/1000)、1回目の疑似変動(90/1000)の順に高くなる。
同様に、疑似変動回数が3回となる特図変動パターンでは、設定示唆種別抽選が実行されるステップアップ演出種別が決定される確率が、最終の疑似変動(0/1000)、2回目の疑似変動(60/1000)、1回目の疑似変動(90/1000)の順に高くなる。
そのため、大当り当選の期待感が高まる前に設定値に関する示唆を遊技者に認識させ易くすることができる。特に、疑似変動回数が3回となる特図変動パターンのように、設定示唆種別抽選が実行されるステップアップ演出種別が決定される確率を段階的にすることで、設定値に関する示唆を遊技者により認識させ易くすることができる。
【0247】
特に、本実施形態では、疑似変動回数が3回となる特図変動パターンの最終の疑似変動において設定示唆種別抽選が実行されるステップアップ演出種別が決定されないようにしている。そのため、設定値に関する示唆を遊技者により認識させ易くすることができる。
【0248】
さらに、本実施形態では、疑似変動回数が2回となる特図変動パターンでは、特図当否判定の結果が大当りであることを期待させるステップアップ演出種別(ステップアップ演出種別NSU3−C)が決定される確率が、1回目の疑似変動(10/1000)、最終の疑似変動(20/1000)の順に高くなる。
同様に、疑似変動回数が3回となる特図変動パターンでは、特図当否判定の結果が大当りであることを期待させるステップアップ演出種別が決定される確率が、1回目の疑似変動(10/1000)、2回目の疑似変動(15/1000)、最終の疑似変動(20/1000)の順に高くなる。
そのため、設定値に関する示唆を遊技者に認識させ易くしつつも、大当り当選の期待感を高めることができる。特に、疑似変動回数が3回となる特図変動パターンのように、特図当否判定の結果が大当りであることを期待させるステップアップ演出種別が決定される確率を段階的にすることで、設定値に関する示唆を遊技者により認識させ易くすることができる。また、上述の設定示唆種別抽選が実行されるステップアップ演出種別が決定される確率が段階的に低下させる技術と併用することで、双方の効果を高めることができる。
【0249】
また、上述の通り、本実施形態では、発展演出A〜発展演出Cが実行される演出ルートが決定される特図変動パターン(特図変動パターンHSP1−A〜特図変動パターンHSP3−C、特図変動パターンASP1−A〜特図変動パターンASP3−C)は、大当りを期待させる特図変動パターンである。そして、ステップアップ演出種別SSU3−A〜ステップアップ演出種別SSU3−Cは、これらの特図変動パターンが決定された場合にのみ決定されるステップアップ演出種別であり、当該ステップアップ演出種別にのみ3段階目が存在する。そのため、ステップアップ演出の3段階目の態様は、大当り当選を期待させる態様となり、当該段階は、設定値に関する示唆が実行される段階の後の段階となる。これにより、設定値に関する示唆をより認識させ易くすることができる。
【0250】
また、上述の通り、本実施形態では、少なくとも2段階目まで進行し、かつ設定値に関する示唆が実行される段階を含むステップアップ演出において、設定値に関する示唆が実行される段階の手前の段階は、あらかじめ定められた(特図当否判定の結果によらず、かつ設定値に関わらない)態様となり、当該態様は大当り当選を期待させる態様とならない。そのため、設定値に関する示唆をより認識させ易くすることができる。
【0251】
特に、本実施形態では、上述の大当り当選を期待させる態様となる段階を、設定値に関する示唆が実行される段階の次の段階としている。そのため、設定値に関する示唆をより認識させ易くすることができる。
【0252】
以上説明した通り、本実施形態では、ステップアップ演出種別抽選において、設定値に関する示唆が実行される段階を含まないステップアップ演出種別(ステップアップ演出種別NSU1〜ステップアップ演出種別SSU1の計8種類)が決定された場合には、その時点で決定されたステップアップ演出種別によってステップアップ演出の内容が定まる。一方、設定値に関する示唆が実行される段階を含むステップアップ演出種別(ステップアップ演出種別SSU2〜ステップアップ演出種別SSU3−Cの計4種類)が決定された場合には、さらに設定示唆種別抽選が実行され、設定示唆種別が決定されることでステップアップ演出の内容が定まる。
これにより、各疑似変動において現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率の増減方向と、各疑似変動において設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別に当選する確率の増減方向とが異なるようにし、設定値の変更の示唆によって遊技の興趣を高めつつも、1回目の疑似変動におけるステップアップ演出の態様(特に、2段階目)のバランスに影響を与え難くすることができる。
なお、この方法に限らず、例えば、
図25〜
図28に示すステップアップ演出種別抽選用の抽選テーブルのそれぞれを、設定変更フラグがONの場合に用いられる抽選テーブルと、設定変更フラグがOFFの場合に用いられる抽選テーブルとに分け、各抽選テーブルにおける設定値に関する示唆が実行される段階を含むステップアップ演出種別のそれぞれを、設定示唆種別の数分だけ増やすことで、本実施形態におけるステップアップ演出種別抽選および設定示唆種別抽選に相当する抽選を、一の抽選で実行させることもできる。しかし、これらの抽選に要するデータ容量負担の観点や、開発時の抽選値の調整の簡便さの観点から、本実施形態のような2段階の抽選を採用することが好ましい。
【0253】
また、本実施形態では、ステップアップ演出種別抽選において、設定変更フラグの状態を参照しない。さらに、上述の通り、ステップアップ演出抽選の実行有無の抽選は、後述する設定変更フラグの状態に関わらず実行される。そのため、設定示唆種別によって態様が定まる演出(ステップアップ演出種別SSU2〜ステップアップ演出種別SSU3−Cの2段階目)は、設定変更処理によって別の設定値が設定された場合と、設定変更処理が実行されなかった場合とを比較して、実行確率が変化しない演出となる。
【0254】
<ステップアップ演出実行有無決定処理について>
次に、
図29を用いて、ステップアップ演出の実行有無を決定するステップ演出実行有無決定処理の詳細を説明する。なお、
図29は、ステップアップ演出実行有無決定処理のフローを示す図であり、当該処理は、特図変動パターン導出状態PAにおける特
図1の図柄変動に係る疑似変動の開始時に実行される処理である。
【0255】
最初のステップS301では、大当り待機中(イレギュラー大当りに係る大当り待機中)であるか否かを判定し、当該条件が充足されなかった場合にはステップS303に進み、当該条件が充足された場合にはステップアップ演出実行有無決定処理を終了する。
【0256】
ステップS303では、大当り(イレギュラー大当り)に当選した特
図2に係る図柄変動の実行中であるか否かを判定し、当該条件が充足されなかった場合にはステップS305に進み、当該条件が充足された場合にはステップアップ演出実行有無決定処理を終了する。
【0257】
ステップS305では、ステップアップ演出の実行有無を決定する実行抽選を実行する。
【0258】
ステップS307では、ステップアップ演出の実行有無を決定する実行抽選に当選したか否かを判定し、当該条件が充足される場合にはステップS309に進み、当該条件が充足されなかった場合にはステップアップ演出実行有無決定処理を終了する。
【0259】
ステップS309では、ステップアップ演出に係る演出パターンを決定する処理を実行し、ステップアップ演出実行有無決定処理を終了する。
具体的には、上述のステップアップ演出種別抽選を実行し、当該抽選によって設定示唆種別抽選が実行されるステップアップ演出種別(ステップアップ演出種別SSU2、ステップアップ演出種別SSU3−A〜ステップアップ演出種別SSU3−C)が決定された場合には、設定示唆種別抽選をさらに実行し、これらの抽選で決定されたステップ演出の内容に係る演出パターンを決定する。
【0260】
このように、本実施形態では、上述のイレギュラー大当りに係る大当り待機中、またはイレギュラー大当りに当選した特
図2に係る図柄変動の実行中である場合には、ステップアップ演出に係る演出パターンが決定されず、ステップアップ演出が実行されない。
これにより、設定値に関する示唆を行う演出を実行しつつも、遊技者の興趣を喚起し得るイレギュラー大当りを認識させ易くすることができる。
【0261】
よって、遊技機10において、演出制御手段(第1副制御基板200、第2副制御基板300)は、第一の遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)において当否判定によって大当りに当選したと判定された第二の始動口(第2始動口59)に係る図柄変動の終了後の当該大当りに係る大当り遊技の待機中に、第一の始動口(第1始動口57)への遊技球の入賞が発生した場合には、当該遊技球の入賞に基づいた第一の演出(現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別となる段階を含むステップアップ演出、または設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別となる段階を含むステップアップ演出)を実行させないものであると換言できる。
【0262】
一方、本実施形態では、上述のイレギュラー大当りに係る大当り待機中、およびイレギュラー大当りに当選した特
図2に係る図柄変動の実行中のいずれでもない場合(大当りに当選していない特
図2に係る図柄変動の実行中を含む)には、ステップアップ演出に係る演出パターンが決定され、ステップアップ演出が実行され得る。
これにより、特図変動パターン導出状態PAにおいて、イレギュラー大当りに当選していない特
図2に係る図柄変動の実行中であっても遊技の進行をスムーズにすることができる。
【0263】
<実行中のステップアップ演出の中止について>
以上の説明では、大当り待機中、または大当りに当選した特
図2に係る図柄変動の実行中におけるステップアップ演出の実行可否について説明した。しかし、本実施形態では、ステップアップ演出の実行中に、大当りに当選する特
図2に係る図柄変動が開始される場合があり、この状況におけるステップアップ演出の扱いを、
図30を用いて説明する。なお、
図30は、大当りに当選する特
図2に係る図柄変動が開始される場合のステップアップ演出の実行期間を示すタイミングチャートである。
【0264】
図30に示すタイミングチャートでは、特
図1に係る図柄変動が開始され、その後に当該図柄変動の実行中にステップアップ演出が開始され、さらに、ステップアップの実行中に、大当り当選した特
図2に係る図柄変動が開始される様子が示されている。
ここで、ステップアップ演出は、本来であれば、想像線で示される期間に亘ってステップ演出が実行される。しかし、ステップアップ演出の実行中に、大当りに当選した特
図2に係る図柄変動が開始されたため、当該ステップ演出は、当該図柄変動の開始とともに終了している。
【0265】
このように、本実施形態では、ステップアップ演出の実行中に上述のイレギュラー大当りに当選した特
図2に係る図柄変動が開始された場合には、当該図柄変動の開始とともに実行中であったステップ演出が終了することとなる。
これにより、設定値に関する示唆を行う演出を実行しつつも、遊技者の興趣を喚起し得るイレギュラー大当りを認識させ易くすることができる。
なお、ステップアップ演出(設定値に関する示唆を行う演出)を終了するとは、遊技者が当該演出を認識できなくなることを指し、その方法は問わない。
【0266】
よって、遊技機10において、演出制御手段(第1副制御基板200、第2副制御基板300)は、第一の遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)において第一の演出(現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別となる段階を含むステップアップ演出、または設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別となる段階を含むステップアップ演出)が実行されている場合に、当否判定によって大当りに当選したと判定される第二の始動口(第2始動口59)に係る図柄変動が開始された場合には、実行中であった第一の演出の実行を終了させるものであると換言できる。
【0267】
なお、図示は省略するが、ステップアップ演出の実行中に大当りに当選していない特
図2に係る図柄変動が開始された場合には、当該ステップアップ演出は継続して実行される。
【0268】
また、図示は省略するが、本実施形態では、イレギュラー大当りに係る大当り待機中に第1始動口57への入賞が発生した場合に、設定値に関する示唆となるステップアップ演出が実行されないことを報知する演出(具体的には、「今は設定値に関する示唆が実行されないよ」との文字をメイン表示部81に表示させる演出)が実行される。一方、ステップアップ演出が実行され得る状態(イレギュラー大当りに係る大当り待機中、およびイレギュラー大当りに当選した特
図2に係る図柄変動の実行中のいずれでもない場合)において、第1始動口57への入賞が発生した場合には、ステップアップ演出が実行されないことを報知する演出が実行されない。なお、設定値に関する示唆となるステップアップ演出が実行されないことを報知する演出は、あらかじめ定められた一の態様であり、当該演出は、設定値に関する示唆を行わない演出となる。
このようにすることで、設定値に関する示唆に繋がらない遊技球の発射を抑止することができる。
なお、当該効果を奏するにあたって、設定値に関する示唆となるステップアップ演出が実行されないことを報知する演出は、上述の実行条件が採用され、かつ設定値に関する示唆を行わない演出でさえいれば、演出の内容および態様は問わない。
さらに、設定値に関する示唆を行わない演出とは、本実施形態のように、あらかじめ定められた一の態様に限らず、複数種類の態様から一の態様が抽選等により決定される演出であって当該決定の際に現在の設定値や設定変更フラグの状態が参照されない演出であってもよい。
【0269】
よって、遊技機10において、演出制御手段(第1副制御基板200、第2副制御基板300)は、設定されている設定値を示唆しない第二の演出(ステップアップ演出が実行されないことを報知する演出)を実行させることが可能なものであって、第一の遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)において当否判定によって大当りに当選したと判定された第二の始動口(第2始動口59)に係る図柄変動の終了後の当該大当りに対応する大当り遊技の待機中に、第一の始動口(第1始動口57)への遊技球の入賞が発生した場合には、第二の演出を実行させる一方、第一の遊技状態における第一の始動口への遊技球の入賞に基づいて、第一の演出(現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別となる段階を含むステップアップ演出、または設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別となる段階を含むステップアップ演出)を実行させることが可能な状態(イレギュラー大当りに係る大当り待機中、およびイレギュラー大当りに当選した特
図2に係る図柄変動の実行中のいずれでもない場合)において、第一の始動口への遊技球の入賞が発生した場合には、第二の演出を実行させないものであると換言できる。
【0270】
また、本実施形態とは異なるが、イレギュラー大当りに当選した特
図2に係る図柄変動中であってもステップアップ演出を実行可能とし、ステップアップ演出の実行中に、イレギュラー大当りに当選した特
図2に係る図柄変動が終了した場合、すなわち、イレギュラー大当りに係る大当り待機中となったタイミングで、当該ステップアップ演出を終了させるようにしてもよい。
このようにしても、設定値に関する示唆を行う演出を実行しつつも、遊技者の興趣を喚起し得るイレギュラー大当りを認識させ易くすることができる。
【0271】
よって、遊技機10において、演出制御手段(第1副制御基板200、第2副制御基板300)は、第一の遊技状態(特図変動パターン導出状態PA)において第一の演出(現在の設定値の示唆にあたる設定示唆種別となる段階を含むステップアップ演出、または設定値の変更の示唆にあたる設定示唆種別となる段階を含むステップアップ演出)が実行されている場合に、当否判定によって大当りに当選したと判定される第二の始動口(第2始動口59)に係る図柄変動が終了し、当該大当りに対応する大当り遊技の待機中となった場合には、実行中であった第一の演出の実行を終了させるものであると換言できる。
【0272】
また、本実施形態では、現在の設定に関する示唆を行う演出である上述の設定示唆ランプ84の点灯は、演出遮蔽体閉鎖演出に成功した場合、すなわち、特図変動パターン導出状態PAにおける特
図1に係る図柄変動で大当りに当選した場合に実行される。そして、本実施形態では、特図当否判定によって大当りが導出された図柄変動の実行中には、他方の図柄変動において大当りが導出されない。
したがって、設定示唆ランプ84の点灯は、ステップアップ演出とは異なり、イレギュラー大当りによって終了することがない設定値に関する示唆を行う演出と言える。
【0273】
<他の変形例について>
以上の説明に記載されていない変形例について、以下に列挙する。
【0274】
まず、本実施形態における設定値に関する示唆を行う演出は、その態様によって設定値に関する示唆を行うものに限らない。例えば、その実行確率によって現在の設定値を示唆するものや、これらの組合せ等、設定値に関する示唆を遊技者が認識できるものであればよい。
さらに、これらの演出を実行するデバイスは、液晶表示装置に限らず、スピーカやランプ等、遊技者が認識できる演出を実行可能なデバイスであればその種類は問わない。
【0275】
また、本実施形態およびその変形例における確率、割合、頻度の高低は、各関係性が担保されていれば、低い方が当選しないようにしてもよいし、高い方が必ず当選するようにしてもよい。いずれの場合も抽選自体を行わないようにしてもよい。
【0276】
また、上述の説明では、復電時のRAMクリアスイッチ43の態様を参照して復電時の復帰状態を決定しているが、復電時からのRAMクリアスイッチ43の連続操作時間が規定時間(例えば、3s)を超えるか否かを参照するようにしてもよい。このようにすれば、誤ったRAMクリア処理の発生をより抑えることができる。
【0277】
また、上述の説明では、復電時の復帰状態を決定するにあたり、中枠開扉センサ76の状態(中枠17の開閉状態)を参照していたが、当該状態を参照せずに復帰状態を設定するようにしてもよい。この場合には、一律に、中枠開扉センサ76がON(中枠17が開放状態)の場合に従って復電時の復帰状態を設定すればよい。
【0278】
また、主制御基板モニタ97に表示する遊技機の性能に関する表示としては、上述のベース値に限らず、いわゆる「役物比率」や「役物連続比率」等の遊技機の性能(設計値)を評価するための指標であれば、いずれの指標を採用してもよい。
【0279】
以上で説明した本発明は、上述の説明に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0280】
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)
第一の始動口または第二の始動口への遊技球の入賞に基づいて図柄変動を実行可能であり、図柄変動ごとに大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行し、複数段階の設定値から一の設定値を設定し、設定されている前記設定値によって前記大当りに当選する確率が定まり、前記第一の始動口に係る図柄変動と前記第二の始動口に係る図柄変動とを並行して実行可能であり、前記大当りに当選した図柄変動の終了後に該大当りに係る大当り遊技の開始を待機させ、該大当り遊技の待機中に所定の領域に対して遊技球が通過または入賞したことに基づいて該大当り遊技を開始させる遊技機であって、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
演出手段と、
前記演出手段を制御する演出制御手段と、備え、
前記遊技状態制御手段は、第一の遊技状態と、前記第一の遊技状態よりも有利な第二の遊技状態と、を設定可能なものであり、
前記第一の遊技状態は、前記第一の遊技状態における前記当否判定によって当選する前記大当りのうちの前記第一の始動口に係る図柄変動での前記当否判定によって当選する前記大当りが占める割合が、前記第一の遊技状態における前記当否判定によって当選する前記大当りのうちの前記第二の始動口に係る図柄変動での前記当否判定によって当選する前記大当りが占める割合よりも高くなる遊技状態であり、
前記演出制御手段は、
前記第一の遊技状態における前記第一の始動口への遊技球の入賞に基づいて、設定されている前記設定値を示唆する設定示唆演出である第一の演出を実行させることが可能なものであって、
前記第一の遊技状態において前記当否判定によって前記大当りに当選したと判定された前記第二の始動口に係る図柄変動の終了後の該大当りに係る前記大当り遊技の待機中に、前記第一の始動口への遊技球の入賞が発生した場合には、該遊技球の入賞に基づいた前記第一の演出を実行させないものであることを特徴とする遊技機。
(2)
上記(1)に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
設定されている前記設定値を示唆しない第二の演出を実行させることが可能なものであって、
前記第一の遊技状態において前記当否判定によって前記大当りに当選したと判定された前記第二の始動口に係る図柄変動の終了後の該大当りに対応する前記大当り遊技の待機中に、前記第一の始動口への遊技球の入賞が発生した場合には、前記第二の演出を実行させる一方、
前記第一の遊技状態における前記第一の始動口への遊技球の入賞に基づいて、前記第一の演出を実行させることが可能な状態において、前記第一の始動口への遊技球の入賞が発生した場合には、前記第二の演出を実行させないものであることを特徴とする遊技機。
(3)
上記(1)又は(2)に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記第一の遊技状態において前記第一の演出が実行されている場合に、前記当否判定によって前記大当りに当選したと判定される前記第二の始動口に係る図柄変動が開始された場合には、実行中であった前記第一の演出の実行を終了させるものであることを特徴とする遊技機。
(4)
上記(1)又は(2)に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記第一の遊技状態において前記第一の演出が実行されている場合に、前記当否判定によって前記大当りに当選したと判定される前記第二の始動口に係る図柄変動が終了し、該大当りに対応する前記大当り遊技の待機中となった場合には、実行中であった前記第一の演出の実行を終了させるものであることを特徴とする遊技機。
(a)
第一の始動口または第二の始動口への遊技球の入賞に基づいて図柄変動を実行可能であり、図柄変動ごとに大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行し、複数段階の設定値から一の設定値を設定し、設定されている前記設定値によって前記大当りに当選する確率が定まり、設定されている前記設定値を変更する設定変更処理を実行可能であり、前記第一の始動口に係る図柄変動と前記第二の始動口に係る図柄変動とを並行して実行可能であり、前記大当りに当選した図柄変動の終了後に該大当りに係る大当り遊技の開始を待機させ、該大当り遊技の待機中に所定の領域に対して遊技球が通過または入賞したことに基づいて該大当り遊技を開始させる遊技機であって、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
演出手段と、
前記演出手段を制御する演出制御手段と、備え、
前記遊技状態制御手段は、第一の遊技状態と、前記第一の遊技状態よりも有利な第二の遊技状態と、を設定可能なものであり、
前記第一の遊技状態は、前記第一の遊技状態における前記当否判定によって当選する前記大当りのうちの前記第一の始動口に係る図柄変動での前記当否判定によって当選する前記大当りが占める割合が、前記第一の遊技状態における前記当否判定によって当選する前記大当りのうちの前記第二の始動口に係る図柄変動での前記当否判定によって当選する前記大当りが占める割合よりも高くなる遊技状態であり、
前記演出制御手段は、
前記第一の遊技状態における前記第一の始動口への遊技球の入賞に基づいて、前記設定変更処理によって別の前記設定値が設定されたか前記設定変更処理が実行されなかったかを少なくとも示唆する変更示唆演出である第一の演出を実行させることが可能なものであって、
前記第一の遊技状態において前記当否判定によって前記大当りに当選したと判定された前記第二の始動口に係る図柄変動の終了後の該大当りに係る前記大当り遊技の待機中に、前記第一の始動口への遊技球の入賞が発生した場合には、該遊技球の入賞に基づいた前記第一の演出を実行させないものであることを特徴とする遊技機。