(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6822688
(24)【登録日】2021年1月12日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】トラクタに連結する長いも収穫機の機体保護装置
(51)【国際特許分類】
A01D 25/00 20060101AFI20210114BHJP
A01D 33/00 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
A01D25/00
A01D33/00
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-216018(P2018-216018)
(22)【出願日】2018年10月30日
(65)【公開番号】特開2020-68751(P2020-68751A)
(43)【公開日】2020年5月7日
【審査請求日】2019年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】596016937
【氏名又は名称】株式会社苫米地技研工業
(74)【代理人】
【識別番号】100078776
【弁理士】
【氏名又は名称】安形 雄三
(74)【代理人】
【識別番号】100121887
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 好章
(72)【発明者】
【氏名】苫米地 力
【審査官】
中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−212786(JP,A)
【文献】
特開2017−189116(JP,A)
【文献】
特開2014−209858(JP,A)
【文献】
特開2010−193776(JP,A)
【文献】
特開2007−061082(JP,A)
【文献】
特開2006−075077(JP,A)
【文献】
特許第6129391(JP,B1)
【文献】
中国特許出願公開第102668797(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 59/00 − 63/12
A01D 13/00 − 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタの後部に3点リンクによって連結する装着フレームを備え、
前記装着フレームの頂部は、トップリンク支持ユニットを介して、トップリンクに接続され、
前記装着フレームの頂部両側には、後方側に向けてリフトシリンダの一端が回動可能に設けられ、前記リフトシリンダの他端側は、一端が機枠体の上面側に回動可能に設けられたリフトステイに、回動可能に接続され、
前記装着フレームの下方側には、前記機枠体の前方側で、左右のロアリンクが接続され、
前記機枠体の後方側の下方には、支持バーを介して掘り取り刃体が設けられ、
前記掘り取り刃体を生育した長いもの下端部へ鋤きこみ、長いもの周囲の栽培土とともにブロック状に抱持して、後方に向けて浮上させながら、長いもを掘り取る収穫機において、
前記トップリンク支持ユニットは、前記装着フレームの頂部に溶着された台座ボックスと、前記台座ボックスの内側に配置された支持ケースとを有し、
前記支持ケースの内側には、一端が前記トップリンクに接続され、他端が前記支持ケースの横ピンに接続されたトップブラケットが設けられ、
前記台座ボックスと前記支持ケースとは、前方側ではこれらを貫通するシェアボールトにより接続され、後方側では、前記シェアボールトが破断した場合に、前記台座ボックスの内側に左右方向に設けられた基軸の周りを前記支持ケースが回動可能に設けられている、ことを特徴とする、
トラクタに連結する長いも収穫機の機体保護装置。
【請求項2】
前記トッププラケットは、前記支持ケースの前記横ピン周りを機体進行方向に回動可能に構成し、前記支持ケース内を左右に横断するように設けたストッパピンを抜き差しすることによって、前記トップブラケットの前面を、前記支持ケース内の前方側に設けたあたり面1に当接し、或いは、前記トップブラケットの後面を、前記支持ケース内の後方側に設けたあたり面2に当接することにより、
前記トップブラケットと前記トップリンクとの取り付け点を、前記トップリンク支持ユニットの前方寄り、或いは、後方寄りに移動選択できる請求項1に記載のトラクタに連結する長いも収穫機の機体保護装置。
【請求項3】
前記シェアボールトは前記装着フレームの頂部に垂直方向に配置し、前記機枠体の破損寸前に切断するように設定した請求項1又は2に記載のトラクタに連結する長いも収穫機の機体保護装置。
【請求項4】
前記トラクタのPTO軸に直結する油圧ポンプを配置し、
前記油圧ポンプの出力は、クリーナに接続された第1モータと落下補助板に接続された第2モータとに伝導され、
前記クリーナは、前記掘り取り刃体の前記支持バーの基部の後方に下方へ向けて配置され、前記第1モータにより進行方向に直交して左右に搖動し、
前記落下補助板は、前記掘り取り刃体の後半部に配置され、前記第2モータにより振動する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の長いも収穫機の機体保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタの後部に連結して、掘り取り刃体を長尺に生育した長いもの下端部へ鋤きこみ、長いもの周囲の栽培土とともにブロック状に抱持して、後方に向けて浮上させながら、長いもに擦り傷をつけないで優しく掘り取るトラクタに連結する長いも収穫機に関し、具体的には衝撃過負荷の際の機体破損の保護装置に係る。
【背景技術】
【0002】
長いもの収穫装置は、従来から種々提案されている。生育した長いもは地下に向けて1メートル前後の深さに成長し、長尺に成長した長いもの収穫作業は重労働であり、同時に長いもは折れやすく且つ表面の肌は擦り傷が付きやすい特性がある。そして掘り取り刃体を長尺に生育した長いもの下端部へ鋤きこみ、長いもの周囲の栽培土とともにブロック状に抱持して、後方に向けて浮上させながら、長いもを掘り取ろうとした収穫機としては同一出願による特開2006−25601公報並びに特開2014−212786号公報が提案されている。
前者は『トラクタの後部に連結され、長いもの両側部の栽培土をトラクタの前進に従って掘り起こす一対の鋤部材と、前記1対の鋤部材の中央下部に回動自在に連結され、前部が刃部を形成し後部が上方に傾斜して配設された掘取り刃体とを有する長いも堀取り装置において、前記掘取り刃体と鋤部材との連結が1対の連結バーによって支持されものであり、前記連結バーの一端が前記鋤部材の下端に固着され、かつ、前記連結バーの他端が前記掘取り刃体の裏面に設けられた支軸に回動自在に装着されるとともに、前記連結バーが前記掘り取り刃体の裏面に完全に隠れるように配設されることを特徴とする長いも堀取り装置』の構成が開示される。その効果は、トラクタが長いも掘取り装置を牽引する際に受ける掘削土からの背圧抵抗が軽減されるので、比較的小さなトラクタでも牽引が可能となるものである。
また後者は前記した掘り取り構成の左右鋤部材の前方に、それぞれ掘削チェンを配置して深耕溝を形成して、トラクタの牽引抵抗を減少させるもので「掘取り刃体によって長いもを順次栽培土と共に浮上させて後方へ移動させる長いもの掘取り方法において、前記掘取り刃体の両側部上方を掘削する掘削チェンを近接させて配置したことを特徴としたトラクタに連結する長いも収穫装置であり、掘り取り刃体の刃部の幅は両サイド掘削チェンの内幅に形成し、掘り取り刃体部の後半部は掘削チェンの溝幅に重なるように広幅に構成した、長いも収穫装置」であり、掘り取り刃体を長いもの生育した下端部へ鋤きこみ、長いもの周囲の栽培土とともにブロック状に抱持して、後方に向けて浮上させる際の直前に、支持バーに発生する圧縮圧力をチェンの掘削溝によって軽減する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−25601公報
【特許文献2】特開2014−212786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した第1引例は、近年普及している100〜150クラスの大馬力トラクタによる高速作業した場合に、圃場内の岩石に衝突したとき、長尺な根菜に対応した地下の掘り取り刃体の圧縮背圧が機体枠に横架した横軸を撓めたり、リフトシリンダが曲がる破損があった。
また、後者の公開2014−212786号公報の実施態様の構成に寄れば、掘取り刃体の刃部の上方部の両側部を掘削する掘削チェンを配置したので、左右の鋤き込み支持部材の推進抵抗は軽減されるが、一方、圃場に岩石や石が包含した場合には掘削部の衝撃力によって機体枠に撓みやねじれの破損が発生して、特に大規模圃場における仕事の中断は経済的なロスも大きかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記した圃場に埋設した岩石等による衝撃による機体枠の撓みの破損や、リフトシリンダの曲がりの破損を解決する為に、
トラクタの後部に3点リンクによって連結する装着フレーム
を備え、
前記装着フレームの頂部は、トップリンク支持ユニットを介して、トップリンクに接続され、前記装着フレームの頂部両側には、後方側に向けてリフトシリンダの一端が回動可能に設けられ、前記リフトシリンダの他端側は、一端が機枠体の上面側に回動可能に設けられたリフトステイに、回動可能に接続され、前記装着フレームの下方側には、前記機枠体の前方側で、左右のロアリンクが接続され、前記機枠体の後方側の下方には、支持バーを介して掘り取り刃体が設けられ、
前
記掘り取り刃体を生育した長いもの下端部へ鋤きこみ、長いもの周囲の栽培土とともにブロック状に抱持して、後方に向けて浮上させながら、長いもを掘り取る収穫機において、
前記トップリンク支持ユニットは、前記装着フレームの頂部に溶着された台座ボックスと、前記台座ボックスの内側に配置された支持ケースとを有し、前記支持ケースの内側には、一端が前記トップリンクに接続され、他端が前記支持ケースの横ピンに接続されたトップブラケットが設けられ、前記台座ボックスと前記支持ケースとは、前方側ではこれらを貫通するシェアボールトにより接続され、後方側では、前記シェアボールトが破断した場合に、前記台座ボックスの内側に左右方向に設けられた基軸の周りを前記支持ケースが回動可能に設けられている、ことを特徴とする、長いも収穫機の機体保護装置を提供する。
また、
前記トッププラケットは、
前記支持ケースの前記横ピン周りを機体進行方向に回動可能に構成し、
前記支持ケース内を左右に横断するように設けたストッパピンを抜き差しすることによって、前記トップブラケットの前面を、前記支持ケース内の前方側に設けたあたり面1に当接し、或いは、前記トップブラケットの後面を、前記支持ケース内の後方側に設けたあたり面2に当接することにより、前記トップブラケットと前記トップリンクとの取り付け点を、
前記トップリンク支持ユニットの前方寄り、或いは、後方寄りに移動選択できる請求項1
に記載のトラクタに連結する長いも収穫機の機体保護装置を提供する。
また、
前記シェアボールトは
前記装着フレームの頂部に垂直方向に配置し、
前記機枠体の破損寸前に切断するように設定した請求項
1又は2に記載のトラクタに連結する長いも収穫機の機体保護装置を提供する。
また、
前記トラクタのPTO軸に
直結する油圧ポンプを配置し、
前記油圧ポンプの出力は、クリーナに接続された第1モータと落下補助板に接続された第2モータとに伝導され、前記クリーナは、前記掘り取り刃体の前記支持バーの基部の後方に下方へ向けて配置され、前記第1モータにより進行方向に直交して左右に搖動し、前記落下補助板は、前記掘り取り刃体の後半部に配置され、前記第2モータにより振動する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の長いも収穫機の機体保護装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
以上のような掘取り刃体の刃部が長いもの下端への刺さり込み断面U字状の栽培土ブロックを形成しながら後方へ浮上させて収穫する長尺な長いも収穫機において、圃場の地下に石や岩石があった場合の異常衝撃力の際は、トップリンク支持ユニットの安全シェアボールトが切断するので機体枠の横架軸の破損やリフトシリンダの折損することがない。また、近年普及している100〜150馬力の大型トラクタによる収穫作業においても設定以上の負荷が発生した時、機体の破損の前に安全シェボールトが切断して機体の折損を保護する。またトップリンク支持ユニットは既販の長いも収穫装置の装着フレームにも容易に取り付けができるので経済的である。また、地下にある長尺な堀取り刃体を三点リンクで昇降した際に、地上高不足の場合はトッププラケットをさらに後方に回動すれば地上高の距離をさらに大きくできる。
シェアボールトは装着フレームの頂部中央に垂直方向に配置し、機枠体の破損寸前に切断するように設定しているから、シェボールトが切断したは、トップリンクの操作で簡単に交換できる。
また、トラクタPTO出力軸に直結した油圧ポンプにより伝動される油圧モーターによって落下補助板とクリーナーを駆動するので、従来のPTO軸からユニバーサルジョイントを連結した駆動手段が排除されるので三点リンクの上昇角度によるジョイント角度の制限がなく機体が軽量でシンプルになり、操作も簡便になった。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態は、トラクタの後部に3点リンクによって連結する装着フレームと、その装着フレームには掘り取り刃体の支持バーを支軸により固着し、装着フレームと機枠体は支軸を支点としてリフトシリンダによって回動可能に構成し、
前記した掘り取り刃体を生育した長いもの下端部へ鋤きこみ、長いもの周囲の栽培土とともにブロック状に抱持して、後方に向けて浮上させながら、長いもを掘り取る収穫機において、装着フレームの頂部中央に安全シェアボールトを介してトップリンクを支承するトップリンク支持ユニットを配置してなるトラクタに連結する長いも収穫機の機体保護装置を提供し、トッププラケットは機体進行方向に回動可能に構成し、トップリンクの取り付け点をさらに後方に移動選択できる構成である。
【実施例】
【0009】
図1において、1は乗用4輪トラクタの後部を示す。このトラクタの後部に3点リンク2によって掘り取り部23を支承する機枠体3の前部を連結してなる。12は装着フレームを示し、中央頂部にトップブラケット4を設けて、機枠体3の前方両側に固着した支軸6を支点として前後方向に回動可能に支持される。7はトップリンク支持ユニットで4のトップブラケットを支承する。トップブラケット4の前方にはトラクタに対して公知のトップリンク46が連結されている。8は断面縦長の支持バーを示して機枠体3左右の下方に向けて取り付けられている。一対の支持バー8の下端部には後方に向けて傾斜した掘り取り刃体9が設置されている。掘り取り刃体9の先端は刃部10を設けて後半部を形成する落下補助板11は第2油圧モー
タ22によって微振動される。19はクリー
ナを示し、掘り取り刃体9が後方にせり上げた栽培土ブロックの上面部を左右に排除して長いもの首を突出させるものである。クリー
ナ19は第1モー
タ18によって進行方向に
直交して左右に搖動する。
24はリフトシリンダで支軸6を支点として、その伸縮によって装着枠12に対して機枠体3に支持された掘り取り刃体9の姿勢を昇降するものである。特に地中内の掘り取り刃体9を地上に持ち上げて、その地上高を確保するためのものである。
44はトラクタに装備された油圧アームを示し、25のロアリンクを上下に昇降するものである。45は機枠体3の後方に設けたリフトステイを示し、装着フレーム12の頂部とに24のリフトシリンダを介して連結される。
図2は本発明の一部を省略した平面図であり、46はトップリンクで25はロアリンクを示し三点リンクを構成し、トップリンク46は装着フレーム12のトップブラケット
4に連結されて、ロアリンク25は機枠体3の前方両側に連結される。5はトラクタの後部に設けているPTO出力軸を示し、油圧ポンプ
16を直接に駆動するもので、17のホースを設けて掘り取り部側の油圧モー
タに伝動される。油圧ポンプ18は第1モー
タ18と第2モー
タ22を駆動する。第1モー
タ18は19のクリーナを左右に揺動する手段に連結される。第2の油圧モー
タ22は掘り取り刃体9の後半部の落下補助
板11を振動させる。9は掘り取り刃体を示す。
20は横軸−1、47は横軸−2を示し前記の機枠体3に横設される。21はパイプ軸で横設した横軸−1、横軸−2に対して摺動可能に構成されている。
【0010】
図3は長いもを掘削進行する正面図を示す。掘り取り刃体9の両側部には縦長断面の支持バー8の下端部が固着されている。支持バー8の基部は21のパイプ軸に固着される。パイプ軸21は20の横軸―1を摺動可能に形成される。掘り取り刃体9は先端に刃部10が設けられ、後部が上方に向けて傾斜され、さらに後端は微振動される落下補助板11が連結される。15はスライドシリンダを示し、一端は機枠体3の側部に固着され、他方はパイプ軸21に連結され、このパイプ軸21の下部に掘り取り部23を設けて所望に応じて左右にスライドする。7はトップリンク支持ユニットを示しシェアボールト32を介して装着フレームの頂部に配置される。シェアボールト32は垂直方向に1本配置される。31は長いもを示し、掘り取り刃体9の推進と、左右の支持バー8の掘削によってブロック状の栽培土と共に上昇する状態である。掘り取り刃体9は支持バー8により支持され、スライドシリンダ15の伸縮により横軸―1を摺動して長いもの中心位置に合わせる。
図4は掘り取り掘削部の昇降説明図である。トラクタ後部の3点リンク2によって機枠体3と掘り取り部23全体が上下に昇降し、24のリフトシリンダの伸縮によって装着フレーム12にたいして掘り取り部23がさらに回動しながら上昇して掘り取り刃体9が地上に抜けて一定の地上高を有する。この時、トラクタの機種やメーカーによって地上高が足りない場合はトップリンク支持ユニット7のトップブラケット4をさらに後方に回動させてトップリンク46の支点を後方に移動させると良い。
図5はトップリンク支持ユニット7の作用説明図で、
図6はトップリンク支持ユニット7の斜視図であり、合わせて構成を説明すると、43は台座ボックスで側面の断面がL字状で装着フレーム12の頂部に溶着されて、基軸39によって支持ケース42を回動自在に支承する。
4はトップブラケットで42の支持ケースに対して横ピン40によって回動自在に支承される。41はストッパピンで支持ケース42に対して摺動自在に取り付けられて、トップブラケット
4が前後に移動するときは抜いて、前後の位置が決まった時に挿入するとストッパになる。32は台座ボックス43の底板と支持ケース42の底板49とを固着したシェアボールトを示す。シェアボールト32は装着フレーム12頂部に垂直方向に1本配置し、その破断強度は機体枠の破損寸前に切断するように設定されている。43はあたり面―1でトップブラケット
4が前面に倒された時の位置固定面である。
図5の48はあたり面―2でトップブラケット
4が後方に倒された時の位置固定面である。シェアボ
ールト32は予め、掘り取り掘削部23及びリフトシリンダ24に、岩石などの衝撃力が発生したとき、機体枠の横軸の破損強度に対する強度よりも幾分弱く設定する。従って地下に埋設される岩石に掘り取り部23が衝突したときは機体枠やリフトシリンダ24よりもシェアボールト32が先に切断されて機体の破損は保護される。万が一シェアボールト32が切断された時、障害物の岩石を取り除いて、トップリンク46を操作して、シェ
アボールト32を交換するだけで復元する。
図7はクリーナ19の駆動説明図を示す。前記した第1油圧モー
タ18の出力軸に取り付けた駆動スプロケット29は適宜減速された従動スプロケット34を回転する。クリー
ナ19の掻き棒38は支点軸37のボス軸36に回転自在に支持される。38の掻き棒は従動スプロケット34に繋いだ連結ロッド35によって左右に搖動される。
図8落下補助版の駆動説明図を示したもので、11は落下補助板の後面である。22は第2油圧モー
タを示し、前記した油圧ポンプ18より伝導される17のホースによって連結される。前記した第2油圧モー
タは27のステイに固着されて、偏心軸26の回転により連結棒28を介して落下補助板11を上下に振動させる。クリー
ナ19と落下補助版11はトラクタ側に装備された油圧ポンプ18から伝動されている。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明によるトラクタに連結する長いもの掘り取り装置は、石や岩石が混入した圃場において掘り取り部分の機体の衝撃破壊力は、装着フレームのトップブラケットの安全シェボールトの切断によって回避される。またシェボールト交換によって容易に掘り取り作業は再開される。また、機体は不要に強度を増すことなく、機体全体がシンプルで軽量になるので掘り取り所要馬力も比較的小さくて良く、大規模プロ農家の圃場においても経済的である。
【0012】
【符号の説明】
【0012】
1 トラクタの後部
2 3点リンク
3 機枠体
4 トップブラケット
5 PTO出力軸
6 支軸
7 トップリンク支持ユニット
8 支持バー
9 掘り取り刃体
10 刃部
11 落下補助板
12 装着フレーム
13 サイドステイ
14 横軸―3
15 スライドシリンダ
16 油圧ポンプ
17 ホース
18 第1モーター
19 クリーナ
20 横軸−1
21 パイプ軸
22 第2モーター
23 掘り取り部
24 リフトシリンダ
25 ロアリンク
26 偏心軸
27 ステイ
28 連結材
29 駆動スプロケット
31 長いも
32 シェアボールト
33 回動支軸
34 従動スプロケット
35 連結ロッド
36 ボス軸
37 支点軸
38 掻き棒
39 基軸
40 横ピン
41 ストッパピン
42 支持ケース
43 あたり面−1
44 油圧アーム
45 リフトステイ
46 トップリンク
47 横軸ー2
48 あたり面−2