(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
対象物表面に吸着されるように用いられ、本体部、制御ユニット、真空ポンプ、圧力検出ユニット、電池ユニット、スタートボタン、及び圧力解除ボタンを含む、電動式チャックであって、
前記本体部の一側面は吸着面に構成され、前記吸着面に第1の環状シール部材及び第2の環状シール部材が配置され、前記第1の環状シール部材における前記吸着面から離れる一側面は、第1のフィット面に構成され、前記第2の環状シール部材は、前記第1の環状シール部材の第1の開口に配置され、前記第2の環状シール部材における前記吸着面から離れる一側面は、第2のフィット面に構成され、前記第2のフィット面におけるいずれか1箇所よりも、前記第1のフィット面におけるいずれか1箇所の方が、前記吸着面に近く、
前記第2の環状シール部材の前記第2のフィット面が前記対象物表面に密着された場合、前記第2の環状シール部材、前記吸着面、及び前記対象物表面は、共に閉空間を形成するように囲み、
前記制御ユニットは、前記本体部に配置され、
前記真空ポンプは、前記本体部に配置され、前記真空ポンプは、前記制御ユニットに電気的に接続され、前記真空ポンプは、前記閉空間内の空気を前記本体部外へ排出するように、前記制御ユニットによって制御され、
前記圧力検出ユニットは、前記本体部に配置され、リアルタイム圧力情報を生成するために前記閉空間の圧力を検出し、
前記電池ユニットは、前記本体部に配置され、前記制御ユニットに電気的に接続され、
外部電力デバイスによって充電されることができる前記電池ユニットは、前記制御ユニット、前記真空ポンプ及び前記圧力検出ユニットの運転に必要な電力を提供し、
前記スタートボタンは、前記本体部に配置され、前記制御ユニットに電気的に接続され、
前記スタートボタンが押されると、前記制御ユニットは前記真空ポンプを作動させ、
前記圧力解除ボタンは、前記本体部に配置され、前記圧力解除ボタンは、押されると、前記本体部外の空気が前記本体部を通過して前記閉空間に入れられるように構成され、
前記第2のフィット面が前記対象物表面にフィットされると共に、前記制御ユニットが、前記閉空間内の空気を前記本体部外に排出するように前記真空ポンプを作動させるとき、前記制御ユニットは、前記リアルタイム圧力情報を基にして、前記閉空間の圧力が高所定圧力に達するかどうかについて判断し、
前記制御ユニットが前記閉空間の圧力が前記高所定圧力の以上であると判断した場合、前記制御ユニットは、前記真空ポンプの作動を停止させ、
前記制御ユニットが前記真空ポンプの作動を停止させた後、前記圧力検出ユニットは、前記閉空間の圧力を検出し続け、また、前記制御ユニットは、前記リアルタイム圧力情報によって、前記閉空間の圧力が低所定圧力に達するかについて継続的に判断し、
前記制御ユニットが前記閉空間の圧力が前記低所定圧力に達すると判断したとき、前記制御ユニットは、前記真空ポンプを作動させ、
前記高所定圧力に対応する負圧値は、前記低所定圧力に対応する負圧値よりも大きく、
前記第1の環状シール部材の硬さは、前記第2の環状シール部材の硬さよりも大きく、
前記第2の環状シール部材が前記対象物表面にフィットされると共に、前記制御ユニットの制御によって、前記真空ポンプが前記閉空間から空気を排出するとき、前記第2の環状シール部材は、前記対象物表面にしっかり密着するように前記対象物表面の輪郭に従って変形し、
前記本体部に、少なくとも1つのハンドルがさらに配置され、前記電動式チャックが対象物の前記対象物表面に吸着された場合、ユーザーは、前記ハンドルを介して前記対象物を持ち上げることができ、
前記吸着面に当接部材がさらに配置され、前記当接部材は、前記第2の環状シール部材の第2の開口に配置され、前記当接部材における前記吸着面から離れる一側面は、前記対象物の表面に当接するために用いられる当接面に構成され、前記第2のフィット面よりも、前記当接面の方が、前記吸着面に近い、電動式チャック。
前記制御ユニットは、外部情報を受信して、それに応じて前記高所定圧力又は前記低所定圧力を調整し、前記外部情報は、ユーザーが前記本体部に配置された入力ユニットによって生成したものであるか、又は、外部電子機器から伝送されたものであり、
前記本体部に、前記リアルタイム圧力情報を示す圧力表示器がさらに配置され、前記入力ユニットと前記圧力表示器は、前記制御ユニットに電気的に接続され、ユーザーは、前記入力ユニットによって設定圧力情報を入力し、前記制御ユニットは、前記設定圧力情報又は前記リアルタイム圧力情報を前記圧力表示器に示し、
前記入力ユニットは、複数のボタンを含み、前記制御ユニットは、異なる前記ボタンが押されたとき、対応的に前記高所定圧力又は前記低所定圧力を変更し、
前記本体部に、前記制御ユニットに電気的に接続されるアラームユニットがさらに配置され、
前記制御ユニットは、即座に前記電池ユニットの電池残量を検出し、前記電池ユニットの電池残量が所定電量よりも低い場合、前記ユーザーに知らせるように前記アラームユニットを作動させ、前記電池ユニットの電池残量が前記所定電量よりも低い場合、前記スタートボタンが押されると、前記制御ユニットは、前記真空ポンプを作動させずに、前記アラームユニットを作動させ、
前記制御ユニットは、前記外部電子機器と通信接続でき、かつ、前記制御ユニットは、即座に前記電池ユニットの電池残量を検出して、それによりリアルタイム電池状態情報を生成し、
前記制御ユニットは、前記リアルタイム圧力情報及び前記リアルタイム電池状態情報を前記外部電子機器に伝送でき、前記制御ユニットが、前記リアルタイム圧力情報を基にして、前記閉空間の圧力が前記低所定圧力に達すると判断したとき、前記制御ユニットは、アラーム情報を前記外部電子機器に伝送し、前記制御ユニットが、前記リアルタイム電池状態情報を基にして、前記電池ユニットの電池残量が所定電量よりも低いと判断したとき、前記制御ユニットは、アラーム情報を前記外部電子機器に伝送し、
前記本体部は、電源スイッチキーをさらに含み、前記電源スイッチキーは、前記制御ユニットに電気的に接続され、前記電源スイッチキーが押されると、前記制御ユニットは駆動され、前記電池ユニットの電池残量を検出し、前記制御ユニットが前記電源スイッチキーにより駆動され、前記電池ユニットの電池残量が所定値よりも低いと判断したとき、前記スタートボタンが押されても、前記制御ユニットは、前記真空ポンプが作動されないように制御する、請求項1に記載の電動式チャック。
前記第1のフィット面は傾斜面に形成され、前記第1のフィット面は、前記第2の環状シール部材から離れた一側辺から前記第2の環状シール部材に近接する一側辺に向かって傾斜し、前記第2の環状シール部材における環外側面は傾斜面に形成され、前記環外側面は、前記第2の環状シール部材に近接する第2の開口から前記第2の開口から離れる一側辺に向かって傾斜する、請求項1に記載の電動式チャック。
対象物表面に吸着されるように用いられ、本体部、制御ユニット、真空ポンプ、圧力検出ユニット、電池ユニット、スタートボタン、及び圧力解除ボタンを含む、電動式チャックであって、
前記本体部の一側面は、吸着面に構成され、前記吸着面に第1の環状シール部材及び第2の環状シール部材が配置され、前記第1の環状シール部材における前記吸着面から離れる一側面は、第1のフィット面に構成され、前記第2の環状シール部材は、前記第1の環状シール部材の第1の開口に配置され、前記第2の環状シール部材における前記吸着面から離れる一側面は、第2のフィット面に構成され、前記第1のフィット面よりも、前記第2のフィット面の方が、前記吸着面に近く、
前記第1の環状シール部材の前記第1のフィット面が前記対象物表面に密着された場合、前記第1の環状シール部材、前記吸着面、及び前記対象物表面は、共に閉空間を形成するように囲み、
前記制御ユニットは、前記本体部に配置され、
前記真空ポンプは、前記本体部に配置され、前記真空ポンプは、前記制御ユニットに電気的に接続され、前記真空ポンプは、前記閉空間内の空気を前記本体部外へ排出するように、前記制御ユニットによって制御され、
前記圧力検出ユニットは、前記本体部に配置され、リアルタイム圧力情報を生成するために、前記閉空間の圧力を検出し、
前記電池ユニットは、前記本体部に配置され、前記制御ユニットに電気的に接続され、
外部電力デバイスによって充電されることができる前記電池ユニットは、前記制御ユニット、前記真空ポンプ及び前記圧力検出ユニットの運転に必要な電力を提供し、
前記スタートボタンは、前記本体部に配置され、前記制御ユニットに電気的に接続され、
前記スタートボタンが押されると、前記制御ユニットは前記真空ポンプを作動させ、
前記圧力解除ボタンは、前記本体部に配置され、前記圧力解除ボタンは、押されると、前記本体部外の空気が前記本体部を通過して前記閉空間に入れられるように構成され、
前記第1のフィット面が前記対象物表面にフィットされ、かつ、前記制御ユニットが、前記閉空間内の空気を前記本体部外に排出するように前記真空ポンプを作動させるとき、前記制御ユニットは、前記リアルタイム圧力情報を基にして、前記閉空間の圧力が高所定圧力に達するかどうかについて判断し、
前記制御ユニットが前記閉空間の圧力が前記高所定圧力の以上であると判断した場合、前記制御ユニットは、前記真空ポンプの作動を停止させ、
前記制御ユニットが前記真空ポンプの作動を停止させた後、前記圧力検出ユニットは、前記閉空間の圧力を検出し続け、また、前記制御ユニットは、前記リアルタイム圧力情報によって、前記閉空間の圧力が低所定圧力よりも低いかについて継続的に判断し、
前記制御ユニットが前記閉空間の圧力が前記低所定圧力に達すると判断したとき、前記制御ユニットは、前記真空ポンプを作動させ、
前記高所定圧力に対応する負圧値は、前記低所定圧力に対応する負圧値よりも大きく、
前記第2の環状シール部材の硬さは、前記第1の環状シール部材の硬さよりも大きく、
前記第1の環状シール部材が前記対象物表面にフィットされると共に、前記制御ユニットの制御によって、前記真空ポンプが前記閉空間から空気を排出するとき、前記第1の環状シール部材は、前記対象物表面にしっかり密着するように前記対象物表面の輪郭に従って変形し、
前記本体部に、少なくとも1つのハンドルがさらに配置され、前記電動式チャックが対象物の前記対象物表面に吸着された場合、ユーザーは、前記ハンドルを介して前記対象物を持ち上げることができ、
前記吸着面に当接部材がさらに配置され、前記当接部材は、前記第2の環状シール部材の第2の開口に配置され、前記当接部材における前記吸着面から離れる一側面は、前記対象物の表面に当接するために用いられる当接面に構成され、前記第1のフィット面よりも、前記当接面の方が、前記吸着面に近い、電動式チャック。
前記制御ユニットは、外部情報を受信して、それに応じて前記高所定圧力又は前記低所定圧力を調整し、前記外部情報は、ユーザーが前記本体部に配置された入力ユニットによって生成したものであるか、又は、外部電子機器から伝送されたものであり、
前記本体部に、前記リアルタイム圧力情報を示す圧力表示器がさらに配置され、前記入力ユニットと前記圧力表示器は、前記制御ユニットに電気的に接続され、ユーザーは、前記入力ユニットによって設定圧力情報を入力し、前記制御ユニットは、前記設定圧力情報又は前記リアルタイム圧力情報を前記圧力表示器に示し、
前記入力ユニットは、複数のボタンを含み、前記制御ユニットは、異なる前記ボタンが押されたとき、対応的に前記高所定圧力又は前記低所定圧力を変更し、
前記本体部に、前記制御ユニットに電気的に接続されるアラームユニットがさらに配置され、
前記制御ユニットは、即座に前記電池ユニットの電池残量を検出し、前記電池ユニットの電池残量が所定電量よりも低い場合、前記ユーザーに知らせるように前記アラームユニットを作動させ、前記電池ユニットの電池残量が前記所定電量よりも低い場合、前記スタートボタンが押されると、前記制御ユニットは、前記真空ポンプを作動させずに、前記アラームユニットを作動させ、
前記制御ユニットは、前記外部電子機器と通信接続でき、かつ、前記制御ユニットは、即座に前記電池ユニットの電池残量を検出して、それによりリアルタイム電池状態情報を生成し、
前記制御ユニットは、前記リアルタイム圧力情報及び前記リアルタイム電池状態情報を前記外部電子機器に伝送でき、前記制御ユニットが、前記リアルタイム圧力情報を基にして、前記閉空間の圧力が前記低所定圧力に達すると判断したとき、前記制御ユニットは、アラーム情報を前記外部電子機器に伝送し、前記制御ユニットが、前記リアルタイム電池状態情報を基にして、前記電池ユニットの電池残量が所定電量よりも低いと判断したとき、前記制御ユニットは、アラーム情報を前記外部電子機器に伝送し、
前記本体部は、電源スイッチキーをさらに含み、前記電源スイッチキーは、前記制御ユニットに電気的に接続され、前記電源スイッチキーが押されると、前記制御ユニットは駆動され、前記電池ユニットの電池残量を検出し、前記制御ユニットが前記電源スイッチキーにより駆動され、前記電池ユニットの電池残量が所定値よりも低いと判断したとき、前記スタートボタンが押されても、前記制御ユニットは、前記真空ポンプが作動されないように制御する、請求項5に記載の電動式チャック。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下、本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【0011】
図1乃至
図4を合わせて参照する。本発明に係る第1の実施形態の電動式チャック100は、少なくとも、本体部10、第1の環状シール部材20、第2の環状シール部材30、制御ユニット40、真空ポンプ50、電池ユニット60、充電ユニット70、及び圧力検出ユニット80を含む。制御ユニット40、真空ポンプ50、電池ユニット60、充電ユニット70、及び圧力検出ユニット80は、本体部10に配置される。
【0012】
実際の運用では、本体部10は、少なくとも1つのカバー11を含んでもよい。本体部10内は、収納空間(図示しない)が含まれてもよい。カバー11は、収納空間を閉じるが、取り外し可能に本体部10に配置される。勿論、本体部10は、カバー11を備えず、一般のユーザーが本体部10を簡単に開くことができないように構成されてもよい。本体部10の実際の外形及び大きさは、実際のニーズに応じて調整することができ、図面に記載した例に制限されない。
【0013】
図3に示すように、本体部10の一側面は、吸着面101に構成される。吸着面101に、第1の環状シール部材20及び第2の環状シール部材30が配置される。実際の運用では、吸着面101は、平坦な対象物表面に形成される。吸着面101の輪郭外形、面積などの幾何学的デザインは、ニーズに応じて調整することができ、図面に示した例は、例示に過ぎない。
【0014】
第1の環状シール部材20における吸着面101から離れる一側面は、第1のフィット面201に構成される。第2の環状シール部材30は、第1の環状シール部材20の第1の開口20aに配置される。第2の環状シール部材30における吸着面101から離れる一側面は、第2のフィット面301に構成される。本実施形態の図面では、第1の環状シール部材20及び第2の環状シール部材30のいずれもが円環状に形成される例を示したが、それに制限されない。別の実施形態では、第1の環状シール部材20及び第2の環状シール部材30は、楕円形環又は長方形環に形成されてもよい。
【0015】
図2、
図3、
図5及び
図6に示すように、
第2のフィット面301におけるいずれか1箇所よりも、前記第1のフィット面201におけるいずれか1箇所の方が、前記吸着面101に近い。即ち、第2の環状シール部材30の厚さは、第1の環状シール部材20の厚さよりも大きい。また、第2の環状シール部材30の硬さは、第1の環状シール部材20の硬さよりも小さい。
【0016】
図7に示すように、第2の環状シール部材30の第2のフィット面301が対象物Qの対象物表面Q1にフィットされたとき、第2の環状シール部材30、吸着面101、及び対象物表面Q1は、共に閉空間SPを形成するように囲む。このとき、スタートボタン12は、ユーザーによって押圧されており、制御ユニット40が真空ポンプ50を作動させ、閉空間SP内の空気を本体部10外に排出して、電動式チャック100と対象物Qとの間を負圧状態にさせる。それにより、電動式チャック100は、しっかり対象物Qの対象物表面Q1に吸着される。なお、真空ポンプ50による閉空間SP内の空気を本体部10外に排出する手法については、既存の真空ポンプ50と同様であるため、ここでは説明を省略する。勿論、本体部10は、真空ポンプ50が閉空間SP内の空気を外部へ排出するための必要な構成又は部材を含むが、ここでは説明を省略する。具体的に言えば、
図1及び
図3に示すように、本体部10は、排気口103を含む。吸着面101は、空気排出孔1012を含む。かつ、排気口103と空気排出孔1012は互いに連通しており、真空ポンプ50が運転するとき、閉空間SP内の空気は、空気排出孔1012及び排気口103を通して、本体部10外に排出される。
【0017】
ちなみに、第1の環状シール部材20の硬さは、第2の環状シール部材30の硬さよりも大きい。かつ、第2の環状シール部材30は、真空ポンプ50が閉空間SP内の空気を本体部10外に排出することに従って変形することができる。第2の環状シール部材30が対象物Qの対象物表面Q1にフィットされると共に、制御ユニット40が真空ポンプ50を作動させ閉空間SPから空気を排出するとき、第2の環状シール部材30は、対象物表面Q1に密着するように、対象物Qの対象物表面Q1の輪郭に従って変形することができる。
図8及び
図9に示すように、真空ポンプ50が閉空間SP内の空気を本体部10外に排出するとき、第1の環状シール部材20の一部20Aは、対象物Qの対象物表面Q1に密着する。それにより、電動式チャック100と対象物Qの対象物表面Q1との間に第1の気密封止を形成し、第2の環状シール部材30の一部30Aと対象物Qの対象物表面Q1との間に第2の気密封止を形成する。それによって、電動式チャック100と対象物Qとの間の気密性を確保することができる。
【0018】
具体的には、真空ポンプ50が閉空間SP内の空気を本体部10外に排出するとき、第2の環状シール部材30が対象物Qの対象物表面Q1の輪郭に従って変形することができるため、電動式チャック100は、特に、既存のチャックでは吸着できない、例えば、建物の外装、石材表面などの粗い対象物表面にも吸着することができる。
【0019】
上述によれば、本実施形態の電動式チャック100は、上記第1の環状シール部材20及び第2の環状シール部材30の配置によって、既存のチャックに比べて、さらに多種な対象物の対象物表面に吸着できる上に、さらに優れた吸着能力(気密性)を発揮することができる。上記第1の環状シール部材20及び第2の環状シール部材30の口径サイズは、実際のニーズに応じて調整することができ、ここでは制限されない。
【0020】
図1に示すように、本体部10には、さらに2つのハンドル13を配置してもよい。2つのハンドル13は、異なる角度で本体部10に配置されてもよい。かつ、ユーザーは、
図8及び
図9の状態において、何れのハンドル13を握っても対象物Qを持ち上げることができる。ハンドル13の外形、数量、及び本体部10に対する配置角度は、実際のニーズに応じて調整することができ、図面に示した例に制限されない。別の実施形態において、ユーザーにカラビナを取り付ける機能を提供するために本体部10にリング孔104を配置してもよい。リング孔104を本体部10に配置する方式は、実際のニーズに応じて調整することができ、図面に示した例に制限されない。
図11に示すように、別の実施形態において、本体部10は、
図1に示したリング孔104とそれを本体部10に連結するための部材とを配置しなくても構わない。
【0021】
図1、
図3、
図4及び
図8に示すように、本体部10には、圧力解除ボタン14が配置される。圧力解除ボタン14が押されたとき、制御ユニット40は、閉空間SP内の圧力と本体部10の外部圧力と同じになるように、本体部10の外部の空気を本体部10を介して閉空間SPに入れる。それにより、電動式チャック100は、対象物Qの対象物表面Q1に密着されなくなる。実際の運用では、圧力解除ボタン14は、具体的に機械的連動によって、或いは、電子的制御によって、本体部10の外部空気を本体部10を通して閉空間SPに入れる。
【0022】
特定の実施形態において、圧力解除ボタン14が、機械的連動によって、本体部10外の空気を本体部10に通して閉空間SPに入れる。具体的には、例えば、本体部10に、連結バルブ(図示しない)及び連通管(図示しない)を配置してもよい。本体部10に吸気口102を配置して、吸着面101に連通孔1011を配置して、連通管の両端部を、吸気口102及び連通孔1011を連通するように吸気口102及び連通孔1011にそれぞれ接続する。連通管に圧力解除ボタン14と連動し得る連結バルブを配置する。このとき、吸着面101の連通孔1011が第2の環状シール部材30の第2の開口30aと対応するように構成されている。そのように、圧力解除ボタン14が押されていない場合、連結バルブは、本体部10外の空気が吸気口102、連通管及び連通孔1011を通して閉空間SPに入れないように、対応的に連通管を遮断する。なお、圧力解除ボタン14が押されたとき、連結バルブはそれに連動し、本体部10外の空気が本体部10を通過して、具体的には、吸気口102から連通管、さらに連通孔1011に介して閉空間SPに入らせるように、連通管を遮断しないようにする。
【0023】
特定の実施形態において、圧力解除ボタン14が、電子的制御によって、本体部10外の空気を本体部10に通して閉空間SPに入れる。この実施形態では、上述した連通管に配置される連結バルブは、電子制御弁(図示しない)に変更された。前記電子制御弁は、制御ユニット40に電気的に接続される。電子制御弁は、連通管の連通状態を変わるように、制御ユニット40によって制御される。本実施形態において、電子制御弁が制御ユニット40によって制御されない場合、電子制御弁は連通管を遮断する。それに対して、電子制御弁が制御ユニット40によって制御されると、電子制御弁は連通管を遮断されなくなる。圧力解除ボタン14は、制御ユニット40に電気的に接続される。圧力解除ボタン14が押されると、対応的に制御信号が制御ユニット40に送信される。制御ユニット40は、圧力解除ボタン14から送信された制御信号を受信すると、その制御信号によって、本体部10外の空気が吸気口102から連通管及び連通孔1011に通して閉空間SPに入らせるために、連通管の連通状態を変わるように電子制御弁の作動を制御する。
【0024】
実際の運用では、第1のフィット面201は傾斜面に形成されてもよい。例えば、第1のフィット面201は、第2の環状シール部材30から離れる一側辺から第2の環状シール部材30と近接する一側辺へ傾斜するように構成されてもよい。即ち、
図6に示すように、第1のフィット面201の側面図から見れば、第1のフィット面201は図面の左上から右下に傾くように構成される。第2の環状シール部材30の環外側面302も傾斜面に形成されてもよい。かつ、環外側面302は、第2の環状シール部材30に近接する第2の開口30a(
図3を参照する)から第2の開口30aから離れる一側辺に傾くように構成される。即ち、
図6に示すように、第2の環状シール部材30の側面図から見れば、環外側面302は図面の右上から左下に傾くように構成される。上述したように、第1のフィット面201と環外側面302とを傾斜面に形成することにより、第1のフィット面201及び第2のフィット面301が対象物Qの対象物表面Q1フィットされ、真空ポンプ50が閉空間SP内の空気を外部に排出するとき、第1の環状シール部材20の一部及び第2の環状シール部材30の一部は、
図9に示すように、対象物Qの対象物表面Q1にしっかり密着するように対応的に変形される。それにより、優れた気密効果を発揮することができる。
【0025】
図8及び
図9に示すように、上述したように、環外側面302を傾斜面に形成することにより、真空ポンプ50が閉空間SP内の空気を外部に排出しているとき、第2の環状シール部材30は、第2の開口30aに向かって変形しやすく、さらに、第2の環状シール部材30は、第1の環状シール部材20の方向に向かって変形し難く、そして、変形された第2の環状シール部材30は、第1の環状シール部材20に積み重ねることはない。それにより、第1の環状シール部材20及び第2の環状シール部材30の気密性を確保することができる。
【0026】
図4に示すように、制御ユニット40は、真空ポンプ50、電池ユニット60、充電ユニット70、及び圧力検出ユニット80に電気的に接続される。制御ユニット40は、例えば、マイクロプロセッサであってもよい。電池ユニット60は、制御ユニット40、真空ポンプ50及び圧力検出ユニット80の運転に必要な電力を提供することができる。また、電池ユニット60は充電式バッテリーであってもよい。また、外部電力デバイス(例えば、家庭用電源)によって、電池ユニットに充電を行うことができる。実際の運用では、電池ユニット60は、外部電力デバイスと電気接続して充電されるように、充電ユニット70と互いに対応するように構成されてもよいが、ここでは制限されない。電池ユニット60は、外部電力デバイスによって充電されるように、独立に外部電力デバイスと電気的に接続されてもよい。例えば、電池ユニット60は、取り外し可能に本体部10に配置されてもよい。本体部10から取り外された電池ユニット60は、独立的に外部電力デバイスにより充電されることができる。特定の実施形態において、電池ユニット60が、外部電力デバイスと電気的に接続するために充電ユニット70と互いに対応するように構成される。この実施形態において、充電ユニット70は、電池ユニット60に電気的に接続され、充電ユニット70は、外部電力デバイスに電気的に接続され、外部電力デバイスは、充電ユニット70を介して、電池ユニット60を充電させる。実際の運用では、充電ユニット70は、充電コンセント71(
図1を参照する)及び制御回路を備えてもよい。充電コンセント71は、本体部10から露出され、ユーザーは、係る電気接続線を利用して、充電コンセント71及び制御回路に介して、電池ユニット60を充電させてもよい。勿論、前記充電ユニット70の制御回路は、過負荷防止回路、サージ防止回路、トランス回路などのさまざまな保護設計を含んでもよいが、これらに限定されない。制御回路運転に必要電力は、電池ユニット、又は他の蓄電ユニットによって供給される。特別な用途では、充電ユニット70は、本体部10から露出されている少なくとも1つのUSB充電スタンド(図示しない)を備えてもよい。ユーザーは、USB充電スタンドにより、電池ユニット60を外部電子装置の充電に利用することができる。
【0027】
圧力検出ユニット80は、本体部10に配置され、圧力検出ユニット80は、リアルタイム圧力情報801を生成するために、閉空間SPの圧力を検出するように構成される。ユーザーがスタートボタン12を押すと、制御ユニット40は、真空ポンプ50を作動させ、閉空間SPの空気を本体部10外に排出する。このとき、制御ユニット40は、リアルタイム圧力情報801によって、閉空間SPの圧力が高所定圧力に達するかどうかについて判断する。制御ユニット40が閉空間SPの圧力が高所定圧力以上であると判断したとき、制御ユニット40は、真空ポンプ50の作動を停止させる。
【0028】
制御ユニット40が真空ポンプ50の作動を停止させた後、圧力検出ユニット80は、閉空間SPの圧力を検出し続けると共に、制御ユニット40は、継続的にリアルタイム圧力情報801を基に、閉空間SPの圧力が低所定圧力に達するかどうかについて判断する。制御ユニット40が閉空間SPの圧力が低所定圧力に達すると判断した場合、閉空間SPの圧力を高所定圧力に維持するために、制御ユニット40は、真空ポンプ50を作動させ、閉空間SPの空気を本体部10外に再排出する。また、高所定圧力に対応する負圧値は、低所定圧力に対応する負圧値よりも大きい。
【0029】
上述によれば、本実施形態の電動式チャック100では、制御ユニット40は、電動式チャック100の吸引力(即ち、気密性)を継続的にモニターして、真空ポンプ50を適切なタイミングで自動的に起動する。それによって、ユーザーが使用しているとき、常に電動式チャック100の吸引力に注意を払う必要はなく、チャックによる吸引減衰に注意を払っていないため、人的によって引き起こされる事故を効果的に回避することができる。
【0030】
実際の運用では、圧力検出ユニット80による、継続的に閉空間SPに対して圧力を検出する作業方法は、間断なく閉空間SPの圧力を検出する方法であってもよいし、或いは、圧力検出ユニット80が所定のタイミング(例えば、デフォルトの秒数、又はユーザーが入力された秒数である)で、閉空間SPに対して圧力を検出する方法であってもよい。
圧力検出ユニット80が、所定のタイミングで、閉空間SPの圧力を検出する実施形態において、制御ユニット40では、その所定のタイミングを真空ポンプ50の作動が停止されてからの経過時間に従って短くするように構成されてもよい。例えば、制御ユニット40が閉空間SP内の空気の排出を停止するように真空ポンプ50を制御する直後に、制御ユニット40は、5分毎に閉空間SPに対して圧力検出を行うように圧力検出ユニット80を制御して、さらに、真空ポンプ50の作動が停止されてから10分経った後、制御ユニット40は、3分毎に閉空間SPに対して圧力検出を行うように圧力検出ユニット80を制御してもよい。
【0031】
図4を再び参照する。別の実施形態において、制御ユニット40は、外部情報Iを受信して、それに応じて高所定圧力、低所定圧力、又は両方を調整するように構成される。上述した外部情報Iは、例えば、ユーザーが本体部10に配置される入力ユニット90によって生成したものであってもよいし、或いは、外部電子機器Dによって伝送されたものであってもよい。制御ユニットが外部情報Iを受信する方法では、有線又は無線など任意の方法であってもよく、ここでは制限されない。
【0032】
本体部10には、圧力表示器91がさらに配置されてもよい。入力ユニット90と圧力表示器91は、制御ユニット40に電気的に接続される。入力ユニット90は、設定圧力情報901を生成するように操作されることができる。制御ユニット40は、設定圧力情報901を圧力表示器91に示せることができる。即ち、ユーザーは、圧力表示器91を見ながら入力ユニット90を操作して前記高所定圧力、低所定圧力、又は両方を設定する。ユーザーが高所定圧力、低所定圧力、又は両方を設定する際に使用される以外に、圧力表示器91は、制御ユニット40によって制御され、圧力検出ユニット80が閉空間SPに対して圧力検出行って生成したリアルタイム圧力情報801を示すように構成されてもよい。
【0033】
入力ユニット90の形式は、実際のニーズに応じて調整することができ、ここでは制限されない。例えば、入力ユニット90は3つのボタンを含み、ユーザーが異なるボタンを押すと、制御ユニット40は、対応的に高所定圧力、低所定圧力、又は両方を変更できるように構成されてもよい。具体的には、入力ユニット90に含まれる3つのボタンのそれぞれが対応する高所定圧力は、電動式チャック100が異なる対象物(例えば、ガラス、鉄板、壁面など)を吸着する場合に必要な最大圧力値である。即ち、ユーザーは、吸着しようとする対象物に応じて、それと対応する入力ユニット90を押すだけで、速く高所定圧力を設定することができる。勿論、ユーザーが観察できるように、ユーザーがいずれか1つの入力ユニット90のボタンを押すと、圧力表示器91にそれと対応する高所定圧力を示してもよい。別の実施形態において、入力ユニット90は、複数の数字ボタンを含み、ユーザーは、ニーズによって、それらの数字ボタンを押すことにより、高所定圧力、低所定圧力、又は両方を設定するように構成されてもよい。勿論、制御ユニット40は、ユーザーが入力ユニット90を操作して入力したデータを基にして、ユーザーが設定しようとする高所定圧力、低所定圧力、又は両方が、低すぎたり高すぎたりしないかについて判断することができる。それが低すぎたり高すぎたりした場合、ユーザーが入力ユニット90を再操作して再設定するように、特定の音、光などを発してもよい。
【0034】
別の実施形態において、本体部10は、入力ユニット90を備えず、圧力表示器91のみが配置されてもよい。即ち、ユーザーは、圧力表示器91によって即座に閉空間SPの圧力をモニターすることができるが、直接的に本体部10のユーザーインターフェース(例えば、入力ユニット)によって、前記高所定圧力、低所定圧力、又は両方を設定することができない。前記圧力表示器91の形式は、例えば、機械式ポインター又は電子式表示に構成され、実際のニーズに応じて調整することができ、ここでは制限されない。
【0035】
また、別の実施形態において、制御ユニット40は、例えば、USB接続などの有線方式、又は赤外線、ブルートゥース(登録商標)などの無線方式によって、コンピュータ、スマートフォン、ラップトップなどの外部電子機器Dに通信接続できるように構成されてもよい。なお、制御ユニット40は、外部電子機器Dから送信された外部情報Iを受信して、前記高所定圧力、低所定圧力、又は両方を変更する。即ち、ユーザーは、スマートフォンなどの外部電子機器Dにより、電動式チャック100の高所定圧力、低所定圧力、又は両方を設定することができる。それに対して、制御ユニット40は、ユーザーがスマートフォンなどの外部電子機器Dで即座に電動式チャック100の吸引力をモニターできるように、リアルタイム圧力情報801を即座にスマートフォンなどの外部電子機器Dに送信するように構成されてもよい。
【0036】
ちなみに、本体部10にアラームユニット92がさらに配置されてもよい。アラームユニット92は、制御ユニット40に電気的に接続される。制御ユニット40は即座に電池ユニット60の電池残量をモニターすることができる。制御ユニット40は、電池ユニット60の電池残量が所定残量となったとき、ユーザーに提示をするようにアラームユニット92を作動させる。電池ユニット60の電池残量が所定残量よりも低い場合、スタートボタン12が押されると、制御ユニット40は、真空ポンプ50を作動させずに、アラームユニット92を作動させるように構成されてもよい。具体的には、制御ユニット40は、圧力検出ユニット80が検出したリアルタイム圧力情報801を基にして閉空間SPの圧力を判断して、それに応じて真空ポンプ50を再起動するかどうかについて決定する。そのため、電池ユニット60の電池残量が低過ぎると、制御ユニット40は、閉空間SP内の圧力を維持するように即座に真空ポンプ50を再起動することができないため、電動式チャック100とそれが吸着した対象物との間の吸引力が不足となることによる意外が起こす問題を導く恐れがある。
【0037】
そのため、本実施形態の電動式チャック100は、制御ユニット40及びアラームユニット92と相互協力し、電池ユニット60の電池残量が低過ぎる場合、アラームユニット92を介して即座にユーザーに警告することができる。また、電池ユニット60の電池残量が低過ぎる場合、ユーザーがスタートボタン12を操作できないようにし、それにより、上述した電池ユニット60の欠電により、意外が起こされる確率を大幅に削減する。また、アラームユニット92は、例えば、ライト、スピーカーなどであり、制御ユニット40がアラームユニット92を作動させると、アラームユニット92は、対応的に特定の音、光などを発する。別の運用では、制御ユニット40は、リアルタイム圧力情報801に従って、アラームユニット92が異なるライトを見せ、又は異なる音を出すように、ユーザーに閉空間SPの圧力状態を知らせることができる。例えば、制御ユニット40は、リアルタイム圧力情報801を基にして閉空間SPの圧力が低所定圧力に達すると判断したとき、制御ユニット40は、真空ポンプ50を作動させる前に、アラームユニット92を作動させ、それによりユーザーに真空ポンプ50がまもなく作動されることを提示する。それにより、真空ポンプ50による突然の作動により、ユーザーを怖がらせる問題を抑制することができる。
【0038】
また、制御ユニット40は、即座に電池ユニット60の電池残量をモニターして生成したリアルタイム電池状態情報401を外部電子機器Dに伝送するように構成されてもよい。制御ユニット40は、ユーザーが外部電子機器Dを介して電動式チャック100の電池残量及び閉空間SPの圧力を即座に見るために、前述したリアルタイム圧力情報801を外部電子機器Dに伝送するように構成されてもよい。リアルタイム圧力情報801を基にして、制御ユニット40が閉空間SPの圧力が低所定圧力に達すると判断したとき、制御ユニット40は、ユーザーに知らせるようにアラーム情報402を外部電子機器Dに伝送する。同様に、リアルタイム電池状態情報401を基にして、制御ユニット40は、電池ユニット60の電池残量が所定電量よりも低いと判断したとき、制御ユニット40は、ユーザーに知らせるように、別のアラーム情報402を外部電子機器Dに伝送するように構成される。
【0039】
図3及び
図6を再び参照する。吸着面101には、当接部材93をさらに配置してもよいことを特に説明したい。当接部材93は、第2の環状シール部材30の第2の開口30aに配置され、当接部材93における吸着面101から離れる一側面は、当接面931に構成される。
第2のフィット面301よりも、当接面931の方が、前記吸着面101に近い。当接部材93には、複数の貫通孔93aが形成される。少なくとも一部の貫通孔93aは、互いに連通する。かつ、互いに連通する貫通孔93aの少なくとも1つは、吸着面101に形成された空気排出孔1012と互いに連通する。真空ポンプ50は、前記空気排出孔1012を通して、閉空間SP(
図9を参照する)内の空気を本体部10外に排出する。実際の運用では、複数の貫通孔93aが互いに連通する態様では、ニーズに応じて変化することができる。例えば、当接部材93における当接面931と判断する一側では、複数の凹溝93bが内側へくぼんだように形成される。
図7及び
図10に示すように、当接部材93が吸着面101に配置されたとき、複数の凹溝93bは、少なくとも一部の貫通孔93aが互いに連通できるように構成される。別の実施形態において、貫通孔93aの側壁に、複数の貫通孔93aが互いに連通できるようにスルーホールが形成されてもよい。
【0040】
当接部材93を配置することにより、ユーザーがスタートボタン12を押して、真空ポンプ50が制御ユニット40によって作動されたとき、第1のフィット面201の一部及び第2のフィット面301はしっかり対象物Qの対象物表面Q1に密着する。この場合、もし対象物Qの厚さが比較的厚い場合、少し変形される可能性があり、そして、当接部材93は、少し変形した対象物Qを当接することによって、対象物Qがさらに変形し続けることを抑制することができる。そのため、当接部材93は、真空ポンプ50の作動中に、対象物Qの変形量を制限して、対象物Qが閉空間SPによる負圧によって大幅に変形する問題を避けることができる。言い換えれば、本実施形態の電動式チャック100は、当接部材93が配置された場合、比較的薄い対象物に吸着することができる。また、吸着された対象物Qは、電動式チャック100の吸引力によって、大幅に変形される問題を起こさない。特に説明されないが、異なる対象物Qでは、電動式チャックが吸着したときの変形量が違っている。当接部材93は、必ず対象物Qの対象物表面Q1(
図8及び
図9に示すように)に当接することはない。勿論、電動式チャックが特定の厚さを有する対象物Qに吸着したとき、当接部材93が対象物Qの対象物表面Q1に当接するように、当接部材93の厚さが変化してもよい。
【0041】
また、当接部材93における複数の貫通孔93a及び凹溝93bの構成によって、真空ポンプ50が作動しているとき、吸着された対象物Qにおける各エリアは、およそ同様の真空吸引力を受けることができる。それにより、吸着された対象物Qにおけるあるエリアが比較的に大きい真空吸引力を受けたことによって、他のエリアに比べて大幅に変形される問題を抑制することができる。当接部材93の厚さ、外形、貫通孔93aの数量、又は貫通孔93aの形状などについては、実際のニーズに応じて調整することができ、ここでは制限されない。
【0042】
図11を参照する。
図11は、本発明の電動式チャックに係る別の実施形態を示す姿図である。
図11に示すように、本実施形態と前述した実施形態との最大の差異点は、本体部10に電源スイッチキー15がさらに配置される点である。本実施形態における残りの構成ユニットは、前述した実施形態と同様であるため、ここで説明を繰り返さない。
【0043】
図1、
図4及び
図11を共に参照する。本実施形態に示した電源スイッチキー15は、制御ユニット40に電気的に接続される。ユーザーが電源スイッチキー15を押した場合、制御ユニット40は、電池ユニット60の電池残量を検出して、電池ユニット60の電池残量によって、アラームユニット92を対応的に制御する。ユーザーは、それで電池ユニット60の電池残量を知ることができって、さらに電動式チャックは吸着作業を行うために十分の電池残量を有するかについて判断することができる。
【0044】
具体的には、電源スイッチキー15が押されて、制御ユニット40が電池ユニット60の電池残量が所定値よりも低いと判断したとき、制御ユニット40は、電動式チャック100に吸着作業に必要な電池残量がないことをユーザーに提示するために、アラームユニット92が特定の光を発し、特定の音を放出するように制御を行う。同時に、制御ユニット40は、ユーザーがスタートボタン12を押しても真空ポンプ50を起動できないように、スタートボタン12、真空ポンプ50を作動できないように制御を行う。
【0045】
それに対し、制御ユニット40が電池ユニット60の電池残量が所定値よりも高いと判断したとき、ユーザーは、スタートボタン12を押すことによって、真空ポンプ50を起動することができる。言い換えれば、ユーザーは、本実施形態の電動式チャック100を使用するとき、最初に電源スイッチキー15を押す必要があり、そして、制御ユニット40によって電池ユニット60が十分の電池残量を有すると判断した場合に限り、ユーザーは、スタートボタン12を押すことにより真空ポンプ50を起動することができる。逆に、制御ユニット40によって電池ユニット60に十分の電池残量がないと判断した場合、ユーザーは、スタートボタン12を押しても、真空ポンプ50を起動することができない。
【0046】
別の運用では、アラームユニット92に表示スクリーンをさらに備えてもよい。制御ユニット40が電池ユニット60の電池残量が十分でないと判断した場合、制御ユニット40は、ユーザーに電池ユニット60の電池残量が不十分であることを知らせるために、表示スクリーンに特定の文字列を表示するように制御を行ってもよい。
【0047】
図12乃至
図15を共に参照する。
図12乃至
図15は、本発明の電動式チャックに係る第2の実施形態を示す模式図である。
図12乃至
図15に示すように、本実施形態と
図1乃至
図6に示した第1の実施形態との最大の差異点では、第2の環状シール部材30における吸着面101から離れる一側面は、第2のフィット面301に構成される。
前記第1のフィット面201よりも、前記第2のフィット面301の方が、前記吸着面101に近い。第1の環状シール部材20の第1のフィット面201が対象物Qの対象物表面Q1にフィットされた場合、第1の環状シール部材20、吸着面101、及び対象物表面は、共に閉空間SPを形成するように囲む。また、第2の環状シール部材30の硬さは、第1の環状シール部材20の硬さよりも大きい。制御ユニットの制御によって、真空ポンプが閉空間SPから空気を排出するとき、第1の環状シール部材20は、対象物表面Q1にしっかり密着するように、対象物表面Q1の輪郭に従って変形することができる。
【0048】
また、吸着面101に当接部材93がさらに配置される。当接部材93は、第2の環状シール部材30の第2の開口20aに配置される。当接部材93における吸着面101から離れる一側面は、当接面931に構成され、
第1のフィット面201の外周よりも、当接面931の方が、吸着面101に近い。
【0049】
本実施形態は、上記に説明した差異点以外に、残りの部材ユニットの連結関係及び作動関係は、上記
図1乃至
図6に示した第1の実施形態と同様であり、かつ、上記
図1乃至
図11に示した第1の実施形態の何れの変形例も、同じように本実施形態に適用することができる。
【0050】
以上に開示される内容は本発明の好ましい実施可能な実施例に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではないので、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。