(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の受取人が有する各々の鍵で開錠可能な保管庫と、搬出情報として、前記保管庫から搬出予定である物品に付されたタグに示される情報を読み取る搬出情報読取部と、前記保管庫、又は前記保管庫内の総質量を計測する総質量計と、を備える保管装置の前記保管庫へ搬入予定である物品の各々について、搬入予定質量と搬入情報とを関連づけて記録する搬入記録部と、
前記保管庫を開錠した前記鍵を特定可能な鍵情報を取得する鍵情報取得部と、
前記搬出情報に一致する前記搬入情報を特定し、特定した前記搬入情報から、搬出予定である前記物品の質量である搬出予定質量として、前記搬入予定質量を取得する搬出質量取得部と、
搬出予定である前記物品の搬出前後の前記総質量の差である搬出質量差を特定する搬出質量差特定部と、
搬出予定である前記物品の各々について、前記鍵情報と前記搬出予定質量と前記搬出質量差とを関連づけて記録する搬出記録部と、を備える
処理装置。
複数の受取人が有する各々の鍵で開錠可能な保管庫と、搬出情報として、前記保管庫から搬出予定である物品に付されたタグに示される情報を読み取る搬出情報読取部と、前記保管庫、又は前記保管庫内の総質量を計測する総質量計と、を備える保管装置の前記保管庫へ搬入予定である物品の各々について、搬入予定質量と搬入情報とを関連づけて記録するステップと、
前記保管庫を開錠した前記鍵を特定可能な鍵情報を取得するステップと、
前記搬出情報に一致する前記搬入情報を特定し、特定した前記搬入情報から、搬出予定である前記物品の質量である搬出予定質量として、前記搬入予定質量を取得するステップと、
搬出予定である前記物品の搬出前後の前記総質量の差である搬出質量差を特定するステップと、
搬出予定である前記物品の各々について、前記鍵情報と前記搬出予定質量と前記搬出質量差とを関連づけて記録するステップと、を含む
処理方法。
複数の受取人が有する各々の鍵で開錠可能な保管庫と、搬出情報として、前記保管庫から搬出予定である物品に付されたタグに示される情報を読み取る搬出情報読取部と、前記保管庫、又は前記保管庫内の総質量を計測する総質量計と、を備える保管装置のコンピュータに、
前記保管庫へ搬入予定である物品の各々について、搬入予定質量と搬入情報とを関連づけて記録させるステップと、
前記保管庫を開錠した前記鍵を特定可能な鍵情報を取得させるステップと、
前記搬出情報に一致する前記搬入情報を特定し、特定した前記搬入情報から、搬出予定である前記物品の質量である搬出予定質量として、前記搬入予定質量を取得させるステップと、
搬出予定である前記物品の搬出前後の前記総質量の差である搬出質量差を特定させるステップと、
搬出予定である前記物品の各々について、前記鍵情報と前記搬出予定質量と前記搬出質量差とを関連づけて記録させるステップと、を実行させる
プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示に係る各種実施形態について、図面を用いて説明する。
【0013】
<一実施形態>
以下、本開示に係る一実施形態について、
図1〜
図6を用いて説明する。
【0014】
(保管装置の構成)
図1に示すように、保管装置1は、保管庫2と、搬出情報読取部3、総質量計4と、処理装置5と、を備える。
例えば、保管装置1は、搬入情報読取部6と、搬入物質量計7と、タグボックス8と、をさらに備えてもよい。
【0015】
(保管庫の構成)
保管庫2は、複数の受取人が有する各々の鍵で開錠可能である。
例えば、保管庫2は、配送業者から受取人に配送される荷物が一時的に保管される集合住宅の宅配ボックスであってもよい。
また、保管庫2は、筐体21と、保管扉22と、保管錠23と、を備えてもよい。
【0016】
筐体21は、収容室21aを有する。
保管扉22は、収容室21aを開閉することができる。
例えば、保管庫2は、収容室21aに複数の物品AAを収容してもよい。
また、保管庫2に収容される物品AAは、配送業者から受取人に配送される荷物であってもよい。
また、複数の受取人が有する各々の鍵で保管庫2が開錠可能であることにより、同じ一つの収容室21aが複数の受取人で共有されてもよい。
【0017】
保管錠23は、保管扉22を施錠及び開錠できる。
保管扉22の施錠及び開錠により、保管庫2は施錠及び開錠される。
例えば、保管錠23は、保管扉22を開錠した鍵から、開錠した鍵を特定可能な鍵情報IFKを読み取ってもよい。
【0018】
保管扉22を開錠する鍵は、複数の受取人が有する各々の鍵であれば、どのような鍵であってもよい。
例えば、保管扉22を開錠する鍵は、集合住宅に住む受取人を戸別に識別可能な鍵であってもよい。
また、保管扉22を開錠する鍵は、保管錠23の鍵穴に挿入可能な金属棒や金属プレート等の物理鍵であってもよい。
また、保管扉22を開錠する鍵は、物理鍵に限らず、保管錠23にかざすカードキーやリモコンキーであってもよい。
また、保管扉22を開錠する鍵は、物理鍵に限らず、指紋、虹彩、静脈等の生体認証パターン、パスワード等であってもよい。
また、保管庫2は、保管扉22の開錠に使われた鍵から鍵情報IFKを読み取り、鍵情報IFKを処理装置5に送信してもよい。
【0019】
鍵情報IFKは、鍵を特定できる情報であれば、どのような情報あってもよい。
例えば、鍵情報IFKは、受取人の各部屋番号を特定できる情報を含んでもよい。
また、鍵情報IFKは、受取人の各部屋番号自身を含んでもよい。
また、鍵情報IFKは、受取人の各部屋番号に関連づけられている鍵番号を含んでもよい。
また、鍵情報IFKは、受取人の各部屋番号に関連づけられている電話番号を含んでもよい。
また、鍵情報IFKは、配送業者等の搬入者を特定できる情報を含んでもよい。
【0020】
(搬出情報読取部の構成)
搬出情報読取部3は、搬出情報IFOとして、保管庫2から搬出予定である物品AAに付されたタグTGに示される情報を読み取る。
例えば、搬出情報読取部3は、収容室21aに設けられてもよい。
また、搬出情報読取部3は、RFID(RADIO FREQUENCY IDENTIFIER)リーダ9であってもよい。
また、搬出情報読取部3は、読み取った搬出情報IFOを、処理装置5に提供してもよい。
搬出情報読取部3は、物品AAの搬出時刻として、搬出情報IFOを読み取った時刻を取得し、搬出情報IFOと関連づけて処理装置5に提供してもよい。
【0021】
(総質量計の構成)
総質量計4は、保管庫2、又は保管庫2内の総質量TMSを計測する。
例えば、総質量計4は、保管庫2内の総質量TMSとして、収容室21aに物品AAがないときの質量をゼロとして、収容室21aに収容される物品AAの総質量を計測してもよい。
また、総質量計4は、計測した総質量TMSを、処理装置5に提供してもよい。
【0022】
(搬入情報読取部の構成)
搬入情報読取部6は、搬入情報IFIとして、保管庫2へ搬入予定である物品AAに付されたタグTGに示される情報を読み取る。
例えば、搬入情報読取部6は、収容室21aに設けられてもよい。
また、搬出情報読取部3として機能するRFIDリーダ9が、搬入情報読取部6としても機能してもよい。これにより、搬出情報読取部3と搬入情報読取部6とを共用させることができる。
また、搬入情報読取部6は、読み取った搬入情報IFIを、処理装置5に提供してもよい。
搬入情報読取部6は、物品AAの搬入時刻として、搬入情報IFIを読み取った時刻を取得し、搬入情報IFIと関連づけて処理装置5に提供してもよい。
【0023】
(搬入物質量計の構成)
搬入物質量計7は、搬入予定質量MSIとして、搬入予定である物品AAの質量を計測する。
例えば、搬入物質量計7は、計測した搬入予定質量MSIを、処理装置5に提供してもよい。
【0024】
(タグボックスの構成)
タグボックス8は、搬入予定である物品AAに付されるタグTGを収容可能である。
例えば、タグボックス8は、施錠可能であってもよい。
また、タグボックス8には、複数のタグTGが予め収納されていてもよい。
また、収納されているタグTGは、使い捨てのRFIDタグであってもよい。
また、収納されているタグTGは、受取人の部屋番号別に準備されてもよい。
また、収納されている各タグTGには、タグTGを特定できる固有のID番号、受取人の各部屋番号等の情報が示されてもよい。
【0025】
(処理装置の構成)
図2に示すように、処理装置5は、鍵情報取得部51と、搬出質量取得部52と、搬出質量差特定部53と、搬出記録部54と、を機能的に備える。
処理装置5は、保管装置1における各種情報の処理を行う。
処理装置5は、保管装置1において、どのような位置に設けられてもよい。
【0026】
例えば、処理装置5は、搬出比較部55と、搬出異常判定部56と、をさらに機能的に備えてもよい。
また、処理装置5は、搬入質量取得部57と、搬入質量差特定部58と、搬入記録部59と、をさらに機能的に備えてもよい。
また、処理装置5は、搬入比較部5Aと、搬入異常判定部5Bと、事前設定格納部5Cと、メール送信部5Dと、をさらに機能的に備えてもよい。
【0027】
鍵情報取得部51は、開錠した鍵を特定可能な鍵情報IFKを取得する。
例えば、鍵情報取得部51は、保管庫2から鍵情報IFKを取得してもよい。
また、鍵情報取得部51は、鍵情報IFKを読み取った保管錠23から、鍵情報IFKを取得してもよい。
【0028】
搬出質量取得部52は、搬出情報IFOに基づき、搬出予定である物品AAの質量である搬出予定質量MSOを取得する。
例えば、搬出質量取得部52は、搬入記録部59から搬出予定質量MSOを取得してもよい。
すなわち、搬出質量取得部52は、搬出情報IFOに一致する搬入情報IFIを特定し、特定した搬入情報IFIから、搬出予定質量MSOとして、搬入予定質量MSIを搬入記録部59から取得してもよい。
【0029】
搬出質量差特定部53は、搬出予定である物品AAの搬出前後の総質量TMSの差である搬出質量差DMOを特定する。
例えば、搬出質量差特定部53は、計測される搬出前後の各総質量TMSを総質量計4から取得し、搬出質量差DMOを特定してもよい。
例えば、搬出質量差特定部53は、搬出前の総質量TMSとして、保管扉22の開錠直前に計測される総質量TMSを取得してもよい。
また、搬出質量差特定部53は、搬出後の総質量TMSとして、保管扉22の施錠直後に計測される総質量TMSを取得してもよい。
【0030】
搬出記録部54は、搬出予定である物品AAの各々について、鍵情報IFKと搬出予定質量MSOと搬出質量差DMOとを関連づけて記録する。
【0031】
搬出比較部55は、搬出予定質量MSOと搬出質量差DMOとの比較結果である搬出比較結果RSOを取得する。
例えば、搬出比較部55は、搬出比較結果RSOとして、搬出予定質量MSOと搬出質量差DMOとが一致しているか否かの判定結果であってもよい。
【0032】
搬出異常判定部56は、搬出比較結果RSOに基づき、搬出異常を判定する。
例えば、搬出異常判定部56は、搬出予定質量MSOと搬出質量差DMOとが一致していないとの搬出比較結果RSOを取得したとき、搬出異常を検出してもよい。
また、搬出異常判定部56は、搬出異常を検出したら、搬出異常検出時の鍵情報IFKを記録し、音声やブザー等による警告を行ってもよい。
【0033】
搬入質量取得部57は、搬入予定質量MSIを取得する。
例えば、搬入質量取得部57は、搬入物質量計7で計測された搬入予定質量MSIを取得してもよい。
【0034】
搬入質量差特定部58は、搬入予定である物品AAの搬入前後の総質量TMSの差である搬入質量差DMIを特定する。
例えば、搬入質量差特定部58は、総質量計4で計測される搬入前後の各総質量TMSを総質量計4から取得し、搬入質量差DMIを特定してもよい。
また、搬入質量差特定部58は、搬入前の総質量TMSとして、保管扉22の開錠直前に計測される総質量TMSを取得してもよい。
また、搬入質量差特定部58は、搬入後の総質量TMSとして、保管扉22の施錠直後に計測される総質量TMSを取得してもよい。
【0035】
搬入記録部59は、搬入予定である物品AAの各々について、搬入予定質量MSIと搬入情報IFIとを関連づけて記録する。
例えば、搬入記録部59は、搬入予定である物品AAの各々について、搬入予定質量MSIと搬入情報IFIと鍵情報IFKとを関連づけて記録してもよい。
【0036】
搬入比較部5Aは、搬入予定質量MSIと搬入質量差DMIとの比較結果である搬入比較結果RSIを取得する。
例えば、搬入比較部5Aは、搬入比較結果RSIとして、搬入予定質量MSIと搬入質量差DMIとが一致しているか否かの判定結果を取得してもよい。
【0037】
搬入異常判定部5Bは、搬入比較結果RSIに基づき、搬入異常を判定する。
例えば、搬入異常判定部5Bは、搬入予定質量MSIと搬入質量差DMIとが一致していないとの搬入比較結果RSIを取得したとき、搬入異常を検出してもよい。
また、搬入異常判定部5Bは、搬入異常を検出したら、搬入異常検出時の鍵情報IFKを記録し、音声やブザー等による警告を行ってもよい。
【0038】
事前設定格納部5Cには、事前に設定される各種設定が格納される。
例えば、事前設定格納部5Cには、配送業者用の鍵情報、受取人用の鍵情報、配送業者向けの連絡先メールアドレス、受取人向けの連絡先メールアドレス、タグボックス8に収納されているタグTGに示される情報等が事前に格納されてもよい。
【0039】
メール送信部5Dは、物品AAの受取人に物品AAの到着情報をメール送信する。
例えば、メール送信部5Dは、物品AAの搬入時刻と、搬入情報IFIと、受取人の部屋番号と、搬入予定質量MSIと、を関連付けて、受取人にメールで物品AAの到着を連絡してもよい。
また、メール送信部5Dは、搬出異常判定部56で搬出異常が検出されなかった場合、配送業者に受取完了のメールを送信してもよい。
【0040】
(搬入時の操作手順)
物品AAの搬入時の保管装置1の操作手順について説明する。
【0041】
図3に示すように、管理者は、物品AAの搬入の前に処理装置5に対して事前設定を行う(ST01:事前設定ステップ)。
例えば、事前設定として、処理装置5に対して、利用が予定されている配送業者及び受取人の鍵情報を登録してもよい。
また、事前設定として、処理装置5に対して、利用が予定されている配送業者及び受取人向けの連絡先メールアドレスを登録してもよい。
また、タグボックス8に、複数のタグTGを、受取人の部屋番号別に格納してもよい。
【0042】
ST01を実施した後、物品AAを保管装置1に搬入する配送業者は、搬入する物品AAに貼付するタグTGを取り出す(ST02:タグ取り出しステップ)。
例えば、配送業者は、配送業者用の鍵でタグボックス8を開錠し、物品AAの配送先に関連するタグTGを取り出し、タグボックス8を施錠してもよい。
【0043】
ST02を実施した後、配送業者は、保管装置1に搬入する物品AAの質量を測定する(ST03:搬入質量計測ステップ)。
例えば、配送業者は、搬入する物品AAに、ST02において取り出したタグTGを貼付し、搬入物質量計7で搬入する物品AAの質量を測定する。
【0044】
ST03を実施した後、物品AAを搬入する配送業者は、保管扉22を開錠する(ST04:搬入開錠ステップ)。
例えば、配送業者は、配送業者用の鍵と配送先の受取人の部屋番号とによって、保管扉22を開錠してもよい。
【0045】
ST04を実施した後、配送業者は、物品AAに貼付されたタグTGを搬入情報読取部6に読み込ませ、物品AAを保管庫2内に搬入する(ST05:搬入ステップ)
【0046】
ST05を実施した後、配送業者は、保管扉22を施錠する(ST06:搬入施錠ステップ)。
例えば、ST06を実施した後、処理装置5では、搬入異常の判定以降の各種処理が行われてもよい。
また、ST06を実施した後、再びST02に戻って、次の配送業者が、タグボックス8を開錠し、タグTGを取り出してもよい。
【0047】
(搬出時の操作手順)
物品AAの搬出時の保管装置1の操作手順について説明する。
【0048】
図4に示すように、物品AAの受取人は、受取人用の鍵によって、保管扉22を開錠する(ST11:搬出開錠ステップ)。
【0049】
ST11を実施した後、受取人は、自分宛の物品AAを見つけて、物品AAに貼付されたタグTGを搬出情報読取部3に読み込ませ、物品AAを搬出する(ST12:搬出ステップ)。
【0050】
ST12を実施した後、受取人は、保管扉22を施錠する(ST13:搬出施錠ステップ)。
例えば、ST13を実施した後、処理装置5では、搬出異常の判定以降の各種処理が行われてもよい。
また、ST13を実施した後、再びST11に戻って、次の受取人が、保管扉22を開錠してもよい。
【0051】
(搬入時の処理方法)
処理装置5における搬入時の処理方法を説明する。
【0052】
図5に示すように、まず、処理装置5は、保管庫2へ搬入予定である物品AAの質量である搬入予定質量MSIを取得する(ST21:搬入質量取得ステップ)。
【0053】
ST21を実施した後、処理装置5は、搬入予定である物品の搬入前後の総質量の差である搬入質量差DMIを特定する(ST22:搬入質量差特定ステップ)。
【0054】
ST22を実施した後、処理装置5は、搬入予定である物品AAの各々について、搬入予定質量MSIと搬入情報IFIと、搬入質量差DMIと、を関連づけて記録する(ST23:搬入記録ステップ)。
【0055】
例えば、ST23を実施した後、処理装置5は、搬入予定質量MSIと搬入質量差DMIとの比較結果である搬入比較結果RSIを取得してもよい(ST24:搬入比較ステップ)。
また、ST24を実施した後、処理装置5は、搬入比較結果RSIに基づき、搬入異常を判定してもよい(ST25:搬入異常判定ステップ)。
【0056】
例えば、ST25において搬入異常ありと判定すると(ST25:YES)、処理装置5は、開錠者の記録と音声、ブザー等による警告を行い(ST26:搬入警告ステップ)、ST27の処理に進んでもよい。
また、ST25において搬入異常なしと判定すると(ST25:NO)、処理装置5は、ST27の処理に進んでもよい。
【0057】
例えば、ST27では、処理装置5は、物品AAの受取人に物品AAの到着情報をメール送信してもよい(ST27:メール送信ステップ)。
また、処理装置5は、搬入時刻と、タグTGに示される情報と、受取人の部屋番号と、物品AAの質量と、を関連付けて、受取人にメールで物品AAの到着を連絡してもよい。
また、ST27を実施した後、処理装置5は、再びST21以降を実施してもよい。
【0058】
(搬出時の処理方法)
処理装置5における搬出時の処理方法を説明する。
【0059】
図6に示すように、まず、処理装置5は、保管庫2を開錠した鍵を特定可能な鍵情報IFKを取得する(ST31:鍵情報取得ステップ)。
ST31を実施した後、処理装置5は、搬出情報IFOに基づき、搬出予定である物品の質量である搬出予定質量MSOを取得する(ST32:搬出質量取得ステップ)。
ST32を実施した後、処理装置5は、搬出予定である物品の搬出前後の総質量の差である搬出質量差DMOを特定する(ST33:搬出質量差特定ステップ)。
ST33を実施した後、処理装置5は、搬出予定である物品AAの各々について、鍵情報IFKと搬出予定質量MSOと搬出質量差DMOとを関連づけて記録する(ST34:搬出記録ステップ)。
例えば、ST34を実施した後、処理装置5は、搬出予定質量MSOと搬出質量差DMOとの比較結果である搬出比較結果RSOを取得してもよい(ST35:搬出比較ステップ)。
また、ST35を実施した後、処理装置5は、搬出比較結果RSOに基づき、搬出異常を判定してもよい(ST36:搬出異常判定ステップ)。
【0060】
例えば、ST36において搬出異常ありと判定した場合(ST36:YES)、処理装置5は、開錠者の記録と音声、ブザーなどによる警告を行ってもよい(ST37:搬出警告ステップ)。
また、ST36において搬出異常なしと判定した場合(ST36:NO)、処理装置5は、配送業者に受取完了のメールである受取メールを送付してもよい(ST38:受取メール送信ステップ)。
また、ST37、又はST38を実施した後、処理装置5は、再びST31以降を実施してもよい。
【0061】
(作用及び効果)
本実施形態によれば、保管装置1は、各物品AAの搬出時における鍵情報IFKと搬出予定質量MSOと搬出質量差DMOとを関連づけている。
このため、管理者は、保管装置1の記録に基づき、搬出状況を追跡することができる。
したがって、複数の受取人は、保管庫2内を共有できる。
【0062】
比較例として、宅配ボックスにおいて、他の受取人がアクセスできないように、複数の施錠可能な収容室を用意して各受取人に個別の収容室を割り当てたとする。
この場合、物品の大きさによらず一定の領域を一人の受取人で占有してしまうことから、体積当たりの利用効率が悪くなる。
このため、受取待ち物品の滞留によって空き領域が不足し、宅配業者がやむなく持ち帰ってしまうことがある。
【0063】
この比較例に対し、本実施形態によれば、他者による持ち去り防止するため、搬出状況を追跡できる仕組みを組み込むことによって、1つの収容室21aを複数人で共有することができる。
このため、保管装置1は、複数の施錠可能な収容室を用意して各受取人に収容室を割り当てる場合に比べて、容量の利用効率を向上させることができる。
【0064】
他の比較例として、宅配ボックスにおいて、複数の施錠可能な収容室を用意して各物品AAに個別に収容室を割り当てたとする。
この場合、物品の大きさによらず一定の領域を1つの物品で占有してしまうことから、体積当たりの利用効率が悪くなる。
また、物品の受付件数が小分けにした領域の数に縛られてしまう。
このため、受取待ち物品の滞留によって空き領域が不足し、宅配業者がやむなく持ち帰ってしまうことがある。
【0065】
この他の比較例に対し、本実施形態によれば、宅配ボックス等の保管庫内を1つの大きな領域として、複数戸で共用できる。
このため、他の比較例のように受付件数が小分けにした領域の数に縛られることなく、本実施形態では、容量の許す限り受付可能となり、宅配ボックス等の保管庫の利用効率が向上する。
【0066】
また、本実施形態の一例によれば、保管装置1において、物品AAの受取人以外の開錠者による物品の持ち去りの可能性を防ぐことができる。
例えば、保管庫を複数の受取人で共有すると、各受取人が他の受取人の物品にアクセスできてしまうという懸念がある。
このような懸念に対し、本実施形態の一例によれば、搬出時の状況を、タグTGに示された情報と、受取人の鍵情報IFKと、総質量の変化と、の組み合わせでチェック可能である。
さらに、万一持ち去られたとしても、開錠者(=持ち去り者)の情報は記録に残るため、追跡可能である。
【0067】
また、本実施形態によれば、保管装置1は、保管庫2の容量の許す限り受付可能である。
このため、配送業者の持ち帰り件数が抑制され、再配送に伴う配送業者のコスト及び受取人の手間が軽減される。
【0068】
また、本実施形態によれば、保管装置1は、鍵情報IFKと搬出予定質量MSOと搬出質量差DMOとを関連づけて記録している。
このため、受取人による受取の確証記録が可能である。
【0069】
また、本実施形態の一例によれば、保管装置1は、メールにて、物品AAの搬入を受取人にリアルタイムで通知可能である。
このため、保管庫2への物品AAの滞留が抑制できる。
【0070】
また、本実施形態の一例によれば、保管装置1は、搬出予定質量MSOと搬出質量差DMOとを比較することにより、搬出異常を判定できる。
これにより、開錠者に関連づけられ、タグTGを読み取らせた搬出予定の物品AA分以外の予定外の質量変化を検出することができる。
また、質量変化を検出した場合、不正な持ち出しが行われたとして、搬出異常を検出できる。
したがって、管理者は、各受取人が予定された物品AAを搬出したかどうかを監視することができる。
【0071】
また、本実施形態の一例によれば、保管装置1は、搬入予定である物品AAの各々について、搬入予定質量MSIと搬入情報IFIとを関連づけて記録する。
このため、搬入予定の質量を有する物品AAが正しく搬入されたか否かを追跡することができる。
【0072】
また、本実施形態の一例によれば、保管装置1は、計測された搬入予定質量を取得できる。
このため、保管装置1で搬入予定である物品AAの質量を計測することで、利用者は、保管装置1に物品AAの質量を取得させることができる。
【0073】
また、本実施形態の一例によれば、保管装置1は、搬入予定である物品AAの各々について、搬入予定質量MSIと搬入情報IFIと搬入質量差DMIと、を関連づけている。
このため、管理者は、保管装置1の記録に基づき、搬入状況を追跡することができる。
【0074】
また、本実施形態の一例によれば、保管装置1は、搬入予定質量MSIと搬入質量差DMIとを比較することにより、搬入異常を判定できる。
このため、管理者は、配送業者等の搬入者が予定された物品AAを搬入したかどうかを監視できる。
【0075】
また、本実施形態の一例によれば、保管装置1と他の装置とを独立したシステムで構築できるため、インターネットや電源、通信網といったインフラ以外には、別途管理用の専用設備を削減できる。
【0076】
<保管装置の最小構成の実施形態>
以下、本開示に係る保管装置の最小構成の実施形態について、
図7を用いて説明する。
図7に示すように、保管装置101は、保管庫2と、搬出情報読取部3と、総質量計4と、を備える。
【0077】
保管装置101は、鍵情報取得部51と、搬出質量取得部52と、搬出質量差特定部53と、搬出記録部54と、をさらに備える。
保管庫2は、複数の受取人が有する各々の鍵で開錠可能である。
搬出情報読取部3は、搬出情報IFOとして、保管庫2から搬出予定である物品に付されたタグに示される情報を読み取る。
総質量計4は、保管庫2、又は保管庫2内の総質量を計測する。
鍵情報取得部51は、保管庫2を開錠した鍵を特定可能な鍵情報IFKを取得する。
搬出質量取得部52は、搬出情報IFOに基づき、搬出予定である物品の質量である搬出予定質量MSOを取得する。
搬出質量差特定部53は、搬出予定である物品の搬出前後の総質量の差である搬出質量差DMOを特定する。
搬出記録部54は、搬出予定である物品の各々について、鍵情報IFKと搬出予定質量MSOと搬出質量差DMOとを関連づけて記録する。
【0078】
本実施形態によれば、保管装置101は、各物品AAの搬出時における鍵情報IFKと搬出予定質量MSOと搬出質量差DMOとを関連づけている。
このため、管理者は、保管装置101の記録に基づき、搬出状況を追跡することができる。
したがって、複数の受取人は、保管庫2内を共有できる。
【0079】
<処理装置の最小構成の実施形態>
以下、本開示に係る処理装置の最小構成の実施形態について、
図8を用いて説明する。
図8に示すように、処理装置105は、鍵情報取得部51と、搬出質量取得部52と、搬出質量差特定部53と、搬出記録部54と、を備える。
【0080】
鍵情報取得部51は、保管装置の保管庫を開錠した鍵を特定可能な鍵情報IFKを取得する。
ここで、保管装置は、複数の受取人が有する各々の鍵で開錠可能な保管庫と、搬出情報として、保管庫から搬出予定である物品に付されたタグに示される情報を読み取る搬出情報読取部と、保管庫、又保管庫内の総質量TMSを計測する総質量計と、を備える。
搬出質量取得部52は、搬出情報に基づき、搬出予定である物品の質量である搬出予定質量MSOを取得する。
搬出質量差特定部53は、搬出予定である物品の搬出前後の総質量の差である搬出質量差DMOを特定する。
搬出記録部54は、搬出予定である物品の各々について、鍵情報IFKと搬出予定質量MSOと搬出質量差DMOとを関連づけて記録する。
【0081】
本実施形態によれば、処理装置105は、各物品AAの搬出時における鍵情報IFKと搬出予定質量MSOと搬出質量差DMOとを関連づけている。
このため、管理者は、処理装置105の記録に基づき、搬出状況を追跡することができる。
したがって、複数の受取人は、保管庫2内を共有できる。
【0082】
<処理方法の最小構成の実施形態>
以下、本開示に係る処理方法の最小構成の実施形態について、
図9を用いて説明する。
【0083】
図9に示すように、まず、保管装置の保管庫を開錠した鍵を特定可能な鍵情報を取得する(ST131:鍵情報取得ステップ)。
ここで、保管装置は、複数の受取人が有する各々の鍵で開錠可能な保管庫と、搬出情報として、保管庫から搬出予定である物品に付されたタグに示される情報を読み取る搬出情報読取部と、保管庫、又保管庫内の総質量を計測する総質量計と、を備える。
搬出情報に基づき、搬出予定である物品の質量である搬出予定質量を取得する(ST132:搬出質量取得ステップ)。
搬出予定である物品の搬出前後の総質量の差である搬出質量差を特定する(ST133:搬出質量差特定ステップ)。
搬出予定である物品の各々について、鍵情報と搬出予定質量と搬出質量差とを関連づけて記録する(ST134:搬出記録ステップ)。
【0084】
本実施形態によれば、処理方法は、各物品の搬出時における鍵情報と搬出予定質量と搬出質量差とを関連づけている。
このため、管理者は、処理方法における記録に基づき、搬出状況を追跡することができる。
したがって、複数の受取人は、保管庫内を共有できる。
【0085】
<処理装置のハードウェア構成>
上述の各実施形態において、処理装置5、105を実現するためのハードウェア構成の一例について、
図10を用いて説明する。
図10に示すように、処理装置5、105は、プロセッサ91と、メモリ92と、記憶/再生装置93と、通信I/F(通信Interface)94と、IO I/F(Input Output Interface)95等の各ハードウェアを備えたコンピュータである。
【0086】
プロセッサ91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。
メモリ92は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶媒体である。
記憶/再生装置93は、CD−ROM、DVD、フラッシュメモリ等の外部メディアへプログラム、データ等を記憶したり、外部メディアのプログラム、データ等を再生したりするための装置である。
通信I/F94は、インターネット、専用通信回線等の通信回線を介して、処理装置5、105と他の装置との間で通信を行うインターフェースである。
IO I/F95は、ソースプログラムの入力、処理装置5、105と他の装置との間で情報等の入出力等を行うためのインターフェースである。
【0087】
<コンピュータプログラム>
上述の各実施形態において、処理装置5、105の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶して、この記憶媒体に記憶されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0088】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0089】
また、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0090】
また、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含むとする。
【0091】
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0092】
例えば、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記憶されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0093】
<他の変形例>
上述の実施形態の一例では、保管装置1、101には、配送業者用の鍵情報、受取人用の鍵情報、配送業者向けの連絡先メールアドレス、及び受取人向けの連絡先メールアドレスが事前設定されているが、どのような設定されてもよい。
変形例として、保管装置1、101に設定されている配送業者用の鍵情報、及び受取人用の鍵情報は、物理鍵である場合を除き、保管装置1、101自身を用いて更新可能とされてもよい。
同様に、配送業者向けの連絡先メールアドレス、受取人向けの連絡先メールアドレスは、保管装置1、101自身を用いて更新可能とされてもよい。
他の変形例として、配送業者用の鍵情報、及び配送業者向けの連絡先メールアドレスは、管理者のリモート操作による本人確認により、その場で発行可能であってもよい。
【0094】
保管装置1、101は、配送業者、受取人等に対し、操作手順を示してもよい。
変形例として、保管装置1、101は、液晶画面やスピーカー等を搭載し、そこに数種類の言語で随時操作方法を表示、音声で読み上げてもよい。
本変形例によれば、配送業者、受取人等は、保管装置1、101を容易に操作可能となる。
【0095】
変形例として、保管装置1、101は、監視カメラを備えてもよい。
監視カメラとの連携により、保管装置1、101は、不審者の撮影、警告が可能となる。
【0096】
変形例として、保管装置1、101に、冷蔵機能及び冷凍機能が組み合わせられてもよい。
冷蔵機能及び冷凍機能により、保管装置1、101は、生鮮食品や冷凍食品等に対応できる。
【0097】
変形例として、保管装置1、101において、設定される配送業者向けの連絡先メールアドレスは、搬入時の連絡先以外に、長期間搬出がない場合の連絡先に利用可能であってもよい。
【0098】
変形例として、トラブル発生時の対処として、インターネットブラウザ経由で、保管装置1、101の管理画面に、管理者がアクセスし、ログや警告の解除が可能であってもよい。
【0099】
変形例として、保管装置1、101の保管庫2内に、設置位置が任意に選択可能な棚板やフックが準備されてもよい。
保管庫内に大量に物品AAが入ると、弊害として、他の物品AAの重さでつぶされてしまう懸念が考えられる。
これに対し、本変形例によれば、棚板やフックにより、大量な物品AAに簡単に対処できる。
【0100】
上述の実施形態の一例では、RFIDタグであるタグTGが貼付された物品AAが保管庫2内に搬入されている。
変形例として、保管庫2内におけるRFIDタグの位置情報を正確に認識できるハードウェアと組み合わせることで、保管装置1、101において、自分宛ての物品AAの位置が表示されてもよい。
【0101】
変形例として、配送業者、受取人等は、メールでの都度の連絡以外に、WEBブラウザにて現在の物品AAの格納状況を確認できてもよい。
【0102】
変形例として、配送業者は、同じ宛先に対する複数の物品AAを同時に保管庫2に搬入できてもよい。
【0103】
上述の実施形態の一例では、保管庫2は、受取人が居住ずる集合住宅の宅配ボックスであったが、どのような保管庫に適用されてもよい。
変形例として、保管庫2は、受取人に貸し出す貸しロッカーや貸倉庫であってもよい。
他の変形例として、保管庫2は、受取人が管理する物品の所在管理や棚卸に用いられる保管庫であってもよい。
さらに他の変形例として、保管庫2は、小売店のバックヤードにおいて、受取人が管理する物品の在庫管理に用いられる保管庫であってもよい。
【0104】
以上、本開示の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として示したものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【解決手段】保管装置は、保管庫2と、搬出情報読取部3と、総質量計4と、鍵情報取得部51と、搬出情報に基づき、搬出予定である物品の質量である搬出予定質量を取得する搬出質量取得部52と、搬出予定である前記物品の搬出前後の総質量の差である搬出質量差を特定する搬出質量差特定部53と、搬出予定である物品の各々について、鍵情報と搬出予定質量と搬出質量差とを関連づけて記録する搬出記録部54と、を備える。