(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1ビア内に露出した状態の第2内部電極及び前記第2ビア内に露出した状態の第1内部電極上には絶縁膜が配置されている、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
前記第1ビア内に露出した状態の第1内部電極及び前記第2ビア内に露出した状態の第2内部電極は上面が露出した状態である、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の積層セラミックキャパシタ。
前記第1ビア内に露出した第1内部電極及び前記第2ビア内に露出した第2内部電極においては、エッチング処理後の切断面上に絶縁層が配置され、上面が露出させられる、請求項11に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
前記絶縁層は、前記第1ビア内に露出した状態の複数の第2内部電極のうち少なくとも一つ以上をカバーするように配置されている、請求項16に記載の積層セラミックキャパシタ。
前記絶縁層は、前記第2ビア内に露出した状態の複数の第1内部電極のうち少なくとも一つ以上をカバーするように配置されている、請求項16に記載の積層セラミックキャパシタ。
【背景技術】
【0002】
積層チップ電子部品の一つである積層セラミックキャパシタは、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、個人携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)及び携帯電話など、様々な電子製品のプリント回路基板に装着されて、電気を充電または放電させる役割を果たすチップタイプのコンデンサである。
【0003】
このような積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi−Layered Ceramic Capacitor)は、小型でありながら高容量が保障され、実装が容易であるという長所により、様々な電子装置の部品として用いることができる。
【0004】
最近は、スマートフォン、ウェアラブル機器などに上記積層セラミックキャパシタが使用されるようになってきたため、上記積層セラミックキャパシタはさらに小型化されつつある。
【0005】
小型化したサイズに同一のキャパシタンスを維持するためには、積層数を増加させたり、誘電体の厚さをより薄くしたりしなければならない。
【0006】
一方、薄膜製造法で製作されたキャパシタは、外部電極と内部電極を接続し、内部電極の層間を接続するためのビア(via)の形成方法が重要である。上記ビアの形成方法及び最終的な構造は積層セラミックキャパシタの性能に影響を及ぼす。
【0007】
従来の薄膜積層セラミックキャパシタの製作方法の具体例としては、誘電体層と電極層を繰り返し積層し、電極層の数だけビアを形成する方法が挙げられる。このとき、ビア(via)の形成時に、一層の電極に一つのビアを必要とする。
【0008】
また、電極層を積層してパターニング処理する方法としては、偶数番目の電極層と奇数番目の電極層の形態を異ならせて積層し、電極層間を接続する方法が挙げられる。このとき、片面をエッチング処理すると偶数または奇数の電極層のみが露出する。
【0009】
しかし、上記方法においては工程が複雑であり製造コストが増加するという問題がある。そのため、さらに小型化した薄膜積層セラミックキャパシタを容易に製作する技術が求められる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の技術的範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に理解させるために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0020】
図1は本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの平面図であり、
図2は
図1のI−I'線に沿った断面図である。
【0021】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、基板10上に複数の誘電体層11と第1及び第2内部電極21、22が交互に配置されたセラミック本体110と、上記セラミック本体110の外側に配置された第1及び第2外部電極131、132と、を含む。
【0022】
上記第1及び第2内部電極21、22は、基板10に隣接した最下層の第1内部電極21及び最下層の第2内部電極22を含み、上記セラミック本体110内には複数のビア41、42が配置される。
【0023】
上記複数のビア41、42は、複数の第1ビア41及び複数の第2ビア42を含んで構成することができる。
図1には、符号41a、41b、41c、42a、42b、42cにより、複数の第1ビア41及び第2ビア42がそれぞれ3つずつ示されているが、第1ビア41及び第2ビア42の個数はこれに限定されるものではなく、より多くのビアを形成することもできる。
【0024】
本発明の一実施形態によると、積層セラミックキャパシタの「長さ方向」は
図1の「L」方向、「幅方向」は「W」方向、「厚さ方向」は
図2の「T」方向と定義することができる。上記「厚さ方向L」は、誘電体層と内部電極を積み上げる方向、即ち「積層方向」と同一の概念を指して言うことができる。
【0025】
上記セラミック本体110は、その形状に特に制限はないが、一般的に立方体形状とすることができる。また、その寸法に特に制限はないが、例えば、サイズが0.6mm×0.3mmであってもよく、1.0μF以上のキャパシタンスを有する高積層及び高容量積層セラミックキャパシタであってよい。
【0026】
本発明の一実施形態によると、上記誘電体層11を形成する原料は、チタン酸バリウム(BaTiO
3)の粉末であってよいが、これに限定されるものではなく、これにセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などを添加したものを用いてもよい。
【0027】
上記第1内部電極21及び第2内部電極22は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)及び銀−パラジウム(Ag−Pd)のうち一つ以上の物質からなる導電性ペーストを用いて形成することができる。
【0028】
第1及び第2外部電極131、132は、セラミック本体110の上面に形成することができ、セラミック本体110の一方の端面に露出した複数のビア41、42を通じて第1及び第2内部電極21、22と接続されることにより電気的に接続することができる。
【0029】
上記第1及び第2外部電極131、132は、セラミック本体110の上面に導電性ペーストを塗布して形成することができる。上記導電性ペーストの主な成分としては、銅(Cu)のような金属成分、及びガラスや有機材料などを含むことが可能である。または、上記第1及び第2外部電極131、132は、印刷法やスパッタリング処理によって形成することもできる。
【0030】
上記セラミック本体110は、基板10上に誘電体層11と第1及び第2内部電極21、22とが交互に配置されるように積層して形成することが可能である。
【0031】
より具体的には、上記セラミック本体110は、
図2に示されているように、複数の誘電体層11が厚さ方向に積層され、第1及び第2内部電極21、22が1枚の誘電体層11を間に挟むように交互に積層され、且つ真空内で一括して積層されることにより形成することができる。
【0032】
本発明の一実施形態は、真空内で一括して積層することにより形成された積層セラミックキャパシタの内部電極を選択的に接続するために面積を異ならせて層間エッチング処理することにより、ビアの形状が多段状、即ち、階段状の形態を有するように形成することを特徴とする。
【0033】
また、階段形にエッチング処理されたビアにおいて露出した内部電極のうち、絶縁される必要のある内部電極に絶縁膜を形成して電気的接続を遮断する。
【0034】
次に、接続する必要のある電極のみを露出させた後、無電解めっき処理またはスパッタリング方式でシード層(seed layer)を形成し、めっき処理により導電性金属を充填して電極接続層を形成する。
【0035】
上述した方法により、一つのビアで内部電極の層間の電気的接続が可能となる。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、真空内で誘電体層11と第1及び第2内部電極21、22とを一括して積層することにより積層セラミックキャパシタを製作するので、外部環境に露出して発生し得るダメージを最小限に抑えることができる。
【0037】
本発明の一実施形態によると、上記真空内で誘電体層11と第1及び第2内部電極21、22とが一括して積層されたセラミック本体110の外部には、積層された多層構造体を保護するために、保護層150を配置することが可能である。
【0038】
上記複数のビア41、42のうち第1ビア41は、上記第1内部電極21と第1外部電極131を接続し、且つ上記セラミック本体110の一方の面から上記基板10に隣接した最下層の第1内部電極21まで貫通するように形成される。
【0039】
また、上記複数のビア41、42のうち第2ビア42は、上記第2内部電極22と第2外部電極132を接続し、且つ上記セラミック本体110の一方の端面から上記基板10に隣接した最下層の第2内部電極22まで貫通するように形成される。
【0040】
本発明の一実施形態によると、上記複数のビア41、42は、階段状の形態を有する多段状であり、各段の幅が基板10からセラミック本体110の上部へ行くほど大きくなるように形成される。
【0041】
上述のように、第1及び第2ビア41、42の各段の幅が基板10からセラミック本体110の上部へ行くほど大きくなるように製作することで、後述のように、第1ビア41は上記セラミック本体110内に配置された第1内部電極21の全体と接続され、上記第2ビア42は上記セラミック本体110内に配置された第2内部電極22の全体と接続されるようにすることが可能となる。
【0042】
また、第1及び第2ビア41、42の各段の幅が基板10からセラミック本体110の上部へ行くほど大きくなるため、上記第1ビア41内に露出した第1内部電極21及び上記第2ビア42内に露出した第2内部電極22のエッチング処理後の切断面上に絶縁層50が配置されるので、上面を露出させることが可能となる。
【0043】
第1ビア41は、第1内部電極21が露出する層に至るまでエッチング処理を複数回にわたって繰り返すことにより、階段状の形態を有する多段状に形成され、各段の幅が基板10からセラミック本体110の上部へ行くほど大きくなるように構成されるため、絶縁工程後においては、誘電体層11と第1及び第2内部電極21、22のエッチング処理後の切断面上には絶縁層50が配置され、第1内部電極21の上面のみを露出させることが可能となる。
【0044】
これにより、第1ビア41内において第1内部電極21の全体は電気的に接続され、第1ビア41を通じて第1外部電極131と電気的に接続されることが可能となる。
【0045】
一方、第2ビア42は、第2内部電極22が露出する層に至るまでエッチング処理を複数回にわたって繰り返すことにより、階段状の形態を有する多段状に形成され、各段の幅が基板10からセラミック本体110の上部へ行くほど大きくなるように構成されるため、絶縁工程後において、誘電体層11と第1及び第2内部電極21、22のエッチング処理後の切断面上には絶縁層50が配置され、第2内部電極22の上面のみを露出させることが可能となる。
【0046】
これにより、第2ビア42内において第2内部電極22の全体は電気的に接続され、第2ビア42を通じて第2外部電極132と電気的に接続されることが可能となる。
【0047】
また、上記第1ビア41内に露出した第2内部電極22及び上記第2ビア42内に露出した第1内部電極21上に絶縁膜50を配置することが可能となる。
【0048】
具体的には、上記第1ビア41内に露出した第2内部電極22及び上記第2ビア42内に露出した第1内部電極21は、そのエッチング処理後の切断面に絶縁膜50が配置されるようにすることが可能となる。
【0049】
本発明の一実施形態によると、第1ビア41は上記セラミック本体110内に配置された第1内部電極21の全体と接続され、上記第2ビア42は上記セラミック本体110内に配置された第2内部電極22の全体と接続されるようにすることが可能となる。
【0050】
本発明の一実施形態では、第1ビア41が第1内部電極21の全体と連結され、第2ビア42が第2内部電極22の全体と連結されるため、工程の仕上り不良により一つまたは複数の内部電極とビアを適切に接続することができなかった場合でも静電容量の形成には問題がない。
【0051】
即ち、従来のように一つの内部電極に対して一つのビアを接続する構造の場合には、その接続が失敗すると静電容量が形成されず、その結果、キャパシタの容量が低下するという問題が発生し得る。
【0052】
しかし、本発明の一実施形態によると、第1ビア41が第1内部電極21の全体と接続され、第2ビア42が第2内部電極22の全体と接続されるため、一部の内部電極とビアの接続が失敗しても、静電容量の形成には問題がなく、優れた信頼性を実現することができる。
【0053】
本実施形態では、上記第1ビア41は複数個設けられ、複数の第1ビア41は互いに同一の深さを有するように形成される。また、上記第2ビア42も複数個設けられ、複数の第2ビア42も互いに同一の深さを有するように形成される。
【0054】
即ち、上記第1ビア41は、セラミック本体110の一方の端面から上記最下層の第1内部電極21まで貫通し、第2ビア42は、セラミック本体110の一方の端面から上記最下層の第2内部電極22まで貫通するように形成される。また、複数の第1ビアは互いに同一の深さを有し、複数の第2ビアも同様に互いに同一の深さを有するように形成される。
【0055】
以下では、本発明の一実施形態に係る積層セラミックキャパシタを製作するための一連の工程を例示する実施例について説明するが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
【0056】
図3a〜
図3jは、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタの内部のビアを形成する際に実施される一連の工程を例示する工程図である。
【0057】
以下では、
図3a〜
図3jを参照して、積層セラミックキャパシタの内部のビアを形成する工程について説明する。
【0058】
図3aを参照すると、基板10上に誘電体層11と第1及び第2内部電極21、22が交互に配置されるように積層して積層体を形成することができる。
【0059】
上記基板10の素材や形態は、特定のものに限定されず、例えば、プリプレグであってもよい。
【0060】
当該工程では、チタン酸バリウム(BaTiO
3)などのパウダーを含むセラミック材料を基板10上に蒸着及び乾燥して誘電体層11を形成し、その上部にスクリーンなどを利用して導電性金属を蒸着することにより第1内部電極21を形成し、その上部に再び誘電体層11と第2内部電極22を形成する。
【0061】
これにより、上記誘電体層11の対向する両端面に交互に積層されるように、複数の第1及び第2内部電極21、22を形成することが可能となる。
【0062】
誘電体層11と第1及び第2内部電極21、22を積層する処理は、蒸着により行われるが、上述した積層処理の具体的方法はこれに限定されるものではなく、ペーストを印刷する工程のように塗布して形成することもできる。
【0063】
誘電体層11と第1及び第2内部電極21、22を積層する処理は、真空状態で個別にパターニング処理工程を実行することなく一括して積層することにより行われる。
【0064】
図3bを参照すると、上記積層体内に配置された層間電極を露出させるために、上記積層体の上部面にフォトレジスト60を塗布し、露光及び現像工程を通じて上記フォトレジスト60をパターニング処理する。
【0065】
図3cを参照すると、当該工程では、所定の内部電極までエッチング処理してビアを形成する。
【0066】
図3cに示された上記ビアは第1ビアであり、上記積層体の上部面から最も近接する第1内部電極が露出するように、上記積層体の上部面に隣接した第1内部電極までエッチング処理してビアを形成する。
【0067】
図3dを参照すると、当該工程では、上記のようにパターニング処理されたフォトレジスト60を除去する。
【0068】
図3eを参照すると、当該工程では、上記積層体の上部面から上記ビアの下部面、即ち、露出した第1内部電極の上面までフォトレジスト60を塗布し、露光及び現像工程を通じて上記フォトレジスト60をパターニング処理する。
【0069】
上記のようにパターニング処理されたフォトレジスト60は、
図3bにおいてパターニング処理されたフォトレジスト60よりも狭い面積でパターニング処理されている。
【0070】
図3fを参照すると、所定の内部電極に至るまでエッチング処理してビアを形成する工程を行う。
【0071】
図3fに示された上記ビアは第1ビアであり、第1内部電極と接続されるように、上記積層体の上部面から基板方向に上部面から最も近接した第1内部電極の次の(直下の)第1内部電極が露出するように、上記第1内部電極に至るまでエッチング処理してビアを形成する。
【0072】
その結果、上記エッチング過程において上部面から最も近接した第1内部電極と、その次の(直下の)第1内部電極との間に配置された誘電体層及び第2内部電極がともに露出することとなる。
【0073】
即ち、エッチング処理工程を1回行う毎に貫通される層は、2つ以上の電極及び誘電体層を含む。
【0074】
当該工程では、上記ビアは、上記積層体の上部面から最も近接する第1内部電極を露出させるようにエッチング処理して形成されたビアよりも幅が小さくなるように形成される。
【0075】
本発明の実施形態は、上記の工程を繰り返して行うことにより、複数のビアを形成し、且つ各ビアは隣接する上部のビアより、その幅が小さくなるように形成する点に特徴がある。
【0076】
具体的には、
図3gを参照すると、この工程では、パターニング処理されたフォトレジスト60が除去される。
【0077】
図3hを参照すると、この工程では、上記積層体の上部面から、上記
図3fで形成されたビアの下部面、即ち、露出した第1内部電極の上面までフォトレジスト60を塗布し、露光及び現像工程を通じて上記フォトレジスト60をパターニング処理する。
【0078】
上記のようにパターニング処理されたフォトレジスト60は、
図3eにおいてパターニング処理されたフォトレジスト60よりも狭い面積でパターニング処理されている。
【0079】
図3iを参照すると、所定の内部電極までエッチング処理してビアを形成する工程が行われる。
【0080】
図3iに示されているように、
図3fで露出した第1内部電極の下部に配置された第1内部電極を露出させるようにエッチング処理してビアを形成する。
【0081】
上記のエッチング処理過程において、
図3fで露出した第1内部電極とその下部に配置された第1内部電極との間に配置された誘電体層及び第2内部電極がともに露出することとなる。
【0082】
上記ビアは、
図3fにおいて形成されたビアより幅が小さくなるように形成される。
【0083】
図3jを参照すると、この工程では、パターニング処理されたフォトレジスト60が除去される。
【0084】
図4a〜
図4dは、本発明の他の実施形態に係る積層セラミックキャパシタの内部のビアに絶縁層を形成するための一連の工程を例示する工程図である。
【0085】
図4a〜
図4dは、露出した電極を選択的に接続するために絶縁膜をパターニング処理する工程を示す。
【0086】
即ち、第1ビアの場合は、第1内部電極と接続されなければならず、ともに露出した第2内部電極は絶縁される必要がある。また、第2ビアの場合は、第2内部電極と接続されなければならず、ともに露出した第1内部電極は絶縁される必要がある。
【0087】
したがって、第1ビアの場合は第2内部電極、第2ビアの場合は第1内部電極の電気的接続を誘電体または絶縁膜によって遮断する必要がある。
【0088】
図4aは上記
図3a〜
図3jの工程を通じて内部に第1ビアと第2ビアが形成された状態の積層体の断面を示す図面である。
【0089】
上記第1ビアは、積層体の一方の端面から基板10に隣接した最下層の第1内部電極まで貫通し、上記第2ビアは、積層体の一方の端面から基板10に隣接した最下層の第2内部電極まで貫通するように形成されている。
【0090】
本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2ビアは階段状の形態を有する多段状に形成され、各段の幅が基板10から積層体の上部へ行くほど大きくなるように構成される。
【0091】
上述のように、第1及び第2ビアの各段の幅が基板10から積層体の上部へ行くほど大きくなるように製作することで、第1ビアは第1内部電極の全体と接続され、第2ビアは第2内部電極の全体と接続されるようにすることが可能となる。
【0092】
図4bを参照すると、上記積層体内に多段状の複数のビアを形成する段階の後に、上記基板10の上部及び積層体全体を絶縁物質50で塗布する。
【0093】
図4cを参照すると、この工程では、上記絶縁物質50をエッチング処理して上記複数のビア41、42内に絶縁層50を形成する。
【0094】
その結果、上記絶縁層50は、複数のビア41、42内で誘電体層11と第1及び第2内部電極21、22のエッチング処理後の切断面上に形成される。
【0095】
第1及び第2ビアの各段の幅が基板10から積層体の上部へ行くほど大きくなるように形成されるため、上記第1ビア41内に露出した第1内部電極21及び上記第2ビア42内に露出した第2内部電極22においては、エッチング処理後の切断面上に絶縁層50が配置され、上面を露出させることが可能となる。
【0096】
また、第1ビア41は、第1内部電極21が露出する層に至るまでエッチング処理を複数回にわたって繰り返すことにより、階段状の形態を有する多段状に形成され、各段の幅が基板10から積層体の上部へ行くほど大きくなるように構成されるため、絶縁工程後において、誘電体層11と第1及び第2内部電極21、22のエッチング処理後の切断面上には絶縁層50が配置され、第1内部電極21の上面のみを露出させることが可能となる。
【0097】
これにより、第1ビア41内において第1内部電極21の全体は電気的に接続され、第1ビア41を通じて第1外部電極131と電気的に接続されるようにすることが可能となる。
【0098】
一方、第2ビア42は、第2内部電極22が露出する層に至るまでエッチング処理を複数回にわたって繰り返すことにより、階段状の形態を有する多段状に形成され、各段の幅が基板10からセラミック本体110の上部へ行くほど大きくなるように構成されるため、絶縁工程後において、誘電体層11と第1及び第2内部電極21、22のエッチング後の切断面上には絶縁層50が配置され、第2内部電極22の上面のみを露出させることが可能となる。
【0099】
これにより、第2ビア42内において第2内部電極22全体は電気的に接続され、第2ビア42を通じて第2外部電極132と電気的に接続されるようにすることが可能となる。
【0100】
本発明の一実施形態によれば、第1ビア41は上記積層体内に配置された第1内部電極21の全体と接続され、上記第2ビア42は上記積層体内に配置された第2内部電極22の全体と接続されるようにすることが可能となる。
【0101】
本発明の一実施形態では、第1ビア41が第1内部電極21の全体と接続され、第2ビア42が第2内部電極22の全体と接続されるため、工程の仕上り不良により一つまたは複数の内部電極とビアが適切に接続されなかった場合でも静電容量の形成には問題がない。
【0102】
即ち、第1ビア41が第1内部電極21の全体と接続され、第2ビア42が第2内部電極22の全体と接続されるため、一部の内部電極とビアの接続が失敗しても、静電容量の形成には問題がなく優れた信頼性を実現することが可能となる。
【0103】
本実施形態では、上記第1ビア41は複数個設けられ、複数の第1ビア41は互いに同一の深さを有するように形成される。また、上記第2ビア42も複数個設けられ、複数の第2ビア42も互いに同一の深さを有するように形成される。
【0104】
即ち、上記第1ビア41は、セラミック本体110の一方の端面から上記最下層の第1内部電極21まで貫通し、第2ビア42は、セラミック本体110の一方の端面から上記最下層の第2内部電極22まで貫通するように形成される。また、複数の第1ビアは互いに同一の深さを有し、複数の第2ビアも同様に互いに同一の深さを有するように形成される。
【0105】
図4dを参照すると、この工程では、上記第1及び第2ビア41、42内に導電性金属が充填される。
【0106】
上記第1及び第2ビア41、42内に導電性金属を充填する工程は、露出した各内部電極の表面にシード層(seed layer)を形成した後、めっき工程により導電性金属を充填して内部電極と外部電極を接続することができるように行われる。
【0107】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。