特許第6822780号(P6822780)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6822780
(24)【登録日】2021年1月12日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】情報表示装置および情報表示方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20210114BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
   G01C21/34
   G09B29/00 A
   G09B29/00 F
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-83805(P2016-83805)
(22)【出願日】2016年4月19日
(65)【公開番号】特開2017-194317(P2017-194317A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2019年2月14日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青山 紀章
【審査官】 中尾 麗
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/006688(WO,A1)
【文献】 特開2010−025783(JP,A)
【文献】 特開2006−258710(JP,A)
【文献】 特開2009−025675(JP,A)
【文献】 特開2016−003890(JP,A)
【文献】 特開2002−148069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00−25/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経由地を経由して目的地まで行く経路を探索する経路探索部と、
前記経路の所定範囲内にある観光スポットを検索して、前記目的地の方向を示す情報と、前記観光スポットの方向に曲がる地点と、前記観光スポットの方向を示す情報とを含む寄り道案内情報を生成し、行き先方面を示す方面案内表示標識の形態により前記観光スポットの方向を表示する寄り道案内生成部とを備え
前記寄り道案内生成部は、
前記寄り道案内情報により予め案内された前記地点を車両が前記観光スポットの方向に曲がった場合、前記観光スポットを経由地に設定するか否かを確認するメッセージを表示す
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示装置であって、
前記経路探索部は、
前記目的地まで行く当初ルートの走行時間と、前記観光スポットを経由して前記目的地まで行く仮ルートの走行時間との差分を算出し、
前記寄り道案内生成部は、
前記走行時間の差分を前記方面案内表示標識に含めて表示する
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報表示装置であって、
前記寄り道案内生成部は、
前記寄り道案内情報を地図上に重ねて表示する
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
請求項に記載の情報表示装置であって、
前記メッセージに対する応答を受け付ける入力受付部と、
前記応答の内容に応じて、前記観光スポットを経由して前記目的地まで行く前記経路を表示する表示情報生成部とをさらに備える
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報表示装置であって、
前記寄り道案内生成部は、
前記寄り道案内情報に前記観光スポットの名称を選択可能に表示し、
前記観光スポットの名称が選択されると、選択された前記観光スポットを経由して目的地まで行く経路を表示する表示情報生成部を備える
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
現在地から所定範囲内にある観光スポットまで行く経路を探索する経路探索部と、
前記経路上で前記観光スポットの方向に曲がる地点および前記観光スポットの方向を示す情報を含む寄り道案内情報を生成し、行き先方面を示す方面案内表示標識の形態により前記観光スポットの方向を表示する寄り道案内生成部とを備え、
前記寄り道案内生成部は、
車両の向かう方向が自宅方向であるかどうかを判定し、目的地が設定されておらず、車両の向かう方向が前記自宅方向ではないと判定した場合、所定条件を満たす前記観光スポットの方向と共に道なりの方向を示す情報を前記寄り道案内情報として表示し、
前記寄り道案内情報により予め案内された前記地点を車両が前記観光スポットの方向に曲がった場合、前記観光スポットを目的地に設定するか否かを確認するメッセージを表示する
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項7】
請求項に記載の情報表示装置であって、
前記メッセージに対するユーザからの応答を受け付ける入力受付部と、
前記応答の内容に応じて、前記現在地から前記観光スポットまで行く前記経路を表示する表示情報生成部とをさらに備える
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項8】
情報表示装置が行う情報表示方法であって、
前記情報表示装置は、
経由地を経由して目的地まで行く経路を探索するステップと、
前記経路の所定範囲内にある観光スポットを検索して、前記目的地の方向を示す情報と、前記観光スポットの方向に曲がる地点と、前記観光スポットの方向を示す情報とを含む寄り道案内情報を生成し、行き先方面を示す方面案内表示標識の形態により前記観光スポットの方向を表示するステップと、
前記寄り道案内情報により予め案内された前記地点を車両が前記観光スポットの方向に曲がった場合、前記観光スポットを経由地に設定するか否かを確認するメッセージを表示するステップと、を行う
ことを特徴とする情報表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示装置および情報表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カーナビゲーション装置に関し、「ノード間を接続するリンクのリンク情報とリンク間の接続情報とに基づき目的地までの走行経路を探索して経路案内を行うカーナビゲーション装置において、各リンクを走行中にガイドすべき施設とそのガイド内容、及びそのガイド開始地点とをリンクに関連付けて登録したデータベースを設ける。自車位置が走行中のリンクに関連して登録された施設のガイド開始地点と一致した場合には、該ガイド開始地点に対応する施設のガイド内容をデータベースから読み出して音声、画像等によりガイドする。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−326349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のカーナビゲーション装置では、ノード同士を繋ぐリンクに予め観光スポット情報が紐付けられており、現在地から目的地までの間の探索経路上にそのリンクが含まれていれば観光ガイドを行う。しかしながら、探索経路上にそのリンクが含まれていない場合には、比較的近くに観光スポットがある場合でも観光ガイドは行われない。そのため、ユーザは、観光スポットに気が付かない場合がある。
【0005】
また、観光スポットがガイドされると、ユーザは、その観光スポットに寄り道したくなることがある。その場合、ユーザは、観光スポットをカーナビゲーション装置に登録し、新たな経路探索を指示する必要がある。しかしながら、そのような操作は手間がかかり、安全性の観点からも走行中の操作は避けるべきである。
【0006】
そこで、本発明は、走行中のユーザに観光スポットの存在を知らせ、より簡単な操作で観光スポットを経由する探索経路を表示させることができる情報表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報表示装置は、経由地を経由して目的地まで行く経路を探索する経路探索部と、前記経路の所定範囲内にある観光スポットを検索して、前記目的地の方向を示す情報と、前記観光スポットの方向に曲がる地点と、前記観光スポットの方向を示す情報とを含む寄り道案内情報を生成し、行き先方面を示す方面案内表示標識の形態により前記観光スポットの方向を表示する寄り道案内生成部とを備え、前記寄り道案内生成部は、前記寄り道案内情報により予め案内された前記地点を車両が前記観光スポットの方向に曲がった場合、前記観光スポットを経由地に設定するか否かを確認するメッセージを表示する。


【発明の効果】
【0008】
本発明に係る情報表示装置によれば、走行中のユーザに観光スポットの存在を知らせ、より簡単な操作で観光スポットを経由する探索経路を表示させることができる。
【0009】
なお、上記以外の課題、構成および効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る情報表示装置の概略構成を示した図である。
図2】本発明に係る情報表示装置の機能ブロックの一例を示した図である。
図3】本発明に係るPOI情報の一例を示した図である。
図4】本発明に係る寄り道案内生成処理の流れの一例を示したフロー図である。
図5】本発明に係る寄り道案内情報の一例を示した図である。
図6】本発明に係るディスプレイに表示された寄り道案内情報の一例を示した図である。
図7】本発明に係る経由地設定処理の流れの一例を示したフロー図である。
図8】本発明に係る確認メッセージを含むポップアップウィンドウの一例を示した図である。
図9】本発明の第二実施形態に係る寄り道案内生成処理の流れの一例を示したフロー図である。
図10】本発明の第二実施形態に係るステップS033の処理において、行き先は自宅ではないと判定した場合に実行される寄り道案内生成処理の一例を示したフロー図である。
図11】本発明の第二実施形態に係る寄り道案内生成処理であって、行き先が自宅ではなく、現在地から観光スポットを目的地とした仮ルートが探索されている場合(ステップS051)に生成された寄り道案内情報の一例を示した図である。
図12図12(a)は、変形例に係る寄り道案内情報の一例を示した図である。図12(b)は、変形例に係るユーザに確認するメッセージの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0012】
<第一実施形態>
図1は、本実施形態に係る情報表示装置100の概略構成を示した図である。情報表示装置100は、例えば、ナビゲーション機能を備えた車載ナビゲーション装置によって実現することができる。ここで、ナビゲーション機能とは、地図情報の表示、出発地(または現在地)から目的地までの推奨経路の探索、経路誘導および道路交通情報などの表示といった通常のナビゲーション装置が備える機能である。なお、情報表示装置100は、車載のナビゲーション装置に限定されるものではなく、例えばスマートフォン、タブレット端末およびPDA(Personal Data Assistance)などであっても良い。この場合、ナビゲーション機能は、これらの装置にインストールされたアプリケーションプログラムによって提供される。
【0013】
図示するように、情報表示装置100は、演算処理装置1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4と、入力装置5と、ROM(Read Only Memory)装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、通信装置12とを有している。
【0014】
演算処理装置1は、情報表示装置100の様々な処理を行う中心的なユニットである。演算処理装置1は、例えば、車速センサ7やジャイロセンサ8などの各種センサおよびGPS受信装置9から出力された情報を用いて地図上における車両の現在地を特定する。また、演算処理装置1は、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図情報を記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。また、演算処理装置1は、読み出した地図情報をグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示させる信号を出力する。また、演算処理装置1は、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図情報などを用いて、ユーザから指示された出発地と目的地とを結ぶ推奨経路を探索(算出)する。また、演算処理装置1は、スピーカ42やディスプレイ2に所定の信号を出力して経路の誘導を行う。
【0015】
また、演算処理装置1は、寄り道案内情報生成処理を実行する。寄り道案内情報生成処理によって、観光スポットの存在する方向への右左折ポイント(右左折地点)を示した寄り道案内情報が生成される。また、演算処理装置1は、経由地設定処理を実行する。経由地設定処理により、ユーザに案内した観光スポットを経由地とした探索経路が表示される。なお、寄り道案内生成処理および経由地設定処理の詳細については後述する。
【0016】
このような演算処理装置1は、数値演算及び各デバイスを制御するなど様々な処理を実行するCPU21(Central Processing Unit)と、記憶装置3またはROM23などのメモリ装置から読み出した地図情報や演算データなどを一時的に格納するRAM22(Random Access Memory)と、CPU21が実現するブートプログラムなどを格納するROM23と、演算処理装置1に各種ハードウェアを接続するためのI/F24(インターフェイス)と、これらを相互に接続するバス25とを有している。
【0017】
ディスプレイ2は、グラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどで構成される。
【0018】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。記憶装置3には、例えば、演算処理装置1によって用いられる様々な情報(例えば、地図情報など)が格納されている。
【0019】
音声入出力装置4は、音声入力装置としてのマイクロフォン41と、音声出力装置としてのスピーカ42とを有する。マイクロフォン41は、運転者や同乗者の発した声(ユーザ発話)など、情報表示装置100の外部の音声を取得する。また、スピーカ42は、演算処理装置1で生成された音声情報を車内に出力する。
【0020】
入力装置5は、ユーザからの指示入力を受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチであるスクロールキー、など(図示せず)で構成されている。入力装置5は、各キーや各スイッチの操作に応じた情報を演算処理装置1など他の装置に出力する。
【0021】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能に搭載された入力装置である。タッチパネル51は、人の指によるタッチや専用のタッチペンによるタッチを検知する。ユーザによるタッチ位置は、例えば、タッチパネル51上に設定されるXY座標に基づき特定される。このようなタッチパネル51は、例えば、静電容量方式による入力検出素子などで構成される。
【0022】
ROM装置6は、CD(Compact Disk)-ROMやDVD(Digital Versatile Disk)-ROMなどのROM、IC(Integrated Circuit)カードなどの、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0023】
車速センサ7は、車速を検出するセンサである。ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロなどで構成され、移動体の回転による角速度を検出するセンサである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し、移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定する。これらのセンサおよび装置から出力される情報は、情報表示装置100が搭載された車両の現在地を検出するために演算処理装置1で用いられる。
【0024】
FM多重放送受信装置10は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報およびFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などが含まれている。
【0025】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報および緊急警報などを受信する。ビーコン受信装置11には、例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコンなどがある。
【0026】
通信装置12は、外部装置(本実施形態では、例えば、サーバ装置など)との間で情報を送受信するための通信ユニットである。
【0027】
以上、情報表示装置100のハードウェア構成について説明した。
【0028】
次に、情報表示装置100の機能構成を示す機能ブロックについて説明する。図2は、情報表示装置100の機能ブロックの一例を示した図である。情報表示装置100は、演算部101と、記憶部102と、通信部103とを有している。また、演算部101は、全体制御部111と、入力受付部112と、表示情報生成部113と、経路探索部114と、寄り道案内生成部115とを有している。
【0029】
全体制御部111は、情報表示装置100の様々な処理を制御する機能部である。具体的には、全体制御部111は、入力受付部112や通信部103を介して取得した様々な情報を、情報の種類や内容に応じて、所定の機能部に出力する。また、全体制御部111は、各機能部が適切なタイミングで各々の処理を行うように各機能部を制御する。
【0030】
入力受付部112は、情報表示装置100が備える入力装置5(この場合、タッチパネル51やダイヤルスイッチ52など)を介して、ユーザからの指示や情報の入力を受け付ける機能部である。具体的には、入力受付部112は、入力装置5を介して、ユーザの自宅(自宅位置)の登録や出発地および目的地の入力および推奨経路の探索指示などユーザからの指示入力を受け付ける。
【0031】
表示情報生成部113は、表示画面を構成する画面情報を生成する機能部である。具体的には、表示情報生成部113は、ディスプレイ2への表示が要求される情報(例えば、地図、誘導経路、道路交通情報など)を生成し、これをディスプレイ2に出力する。
【0032】
経路探索部114は、経路探索を行う機能部である。具体的には、経路探索部114は、車速センサ7、ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9から出力された情報を用いて、車両の現在地を特定する。また、経路探索部114は、出発地および目的地に関する情報を入力受付部112から取得する。また、経路探索部114は、ダイクストラ法など所定の方法を用いて、出発地(あるいは現在地)と目的地とを結ぶ推奨経路(以下、「当初ルート」と表現する場合がある)を探索する。
【0033】
また、経路探索部114は、寄り道案内生成部115からの指示に応じて、出発地から観光スポットを経由して目的地まで行く仮ルートを探索する。なお、経路探索部114は、仮ルートの右左折を行う地点(交差点)と、観光スポットを経由しない当初ルートの右左折を行う地点(交差点)とが重複しないように仮ルートを探索しても良い。
【0034】
寄り道案内生成部115は、寄り道案内生成処理を実行し、寄り道案内情報を生成する機能部である。具体的には、寄り道案内生成部115は、経路探索部114によって特定された現在地を特定する情報(例えば、現在地の位置情報など)と共に、観光スポットの位置情報などを含むPOI(Point Of Interest)情報200の取得要求を定期的(例えば、3秒毎)にサーバ装置に送信する。なお、POI情報200の詳細については後述する。
【0035】
サーバ装置は、情報表示装置100からの取得要求に応じて、車両の現在地から所定範囲内にある観光スポットを、サーバ装置が有しているデータベースあるいはインターネット上に公開されている情報から検索する。また、サーバ装置は、検索結果として複数件の観光スポットがある場合、検索結果の上位にある所定数(例えば、50個)の観光スポットを含むPOI情報200を生成し、これを情報表示装置100に送信する。一方で、検索結果として1件も観光スポットがない場合、サーバ装置は、現在地から所定の範囲内に観光スポットがないことを示す情報を生成し、これを情報表示装置100に送信する。
【0036】
なお、観光スポットに関する情報は、サーバ装置経由で取得する場合に限られない。例えば、情報表示装置100の記憶部102が予め観光スポットに関する情報を有し、寄り道案内生成部115が所定範囲内にある観光スポットを記憶部102から検索するようにしても良い。
【0037】
また、現在地から所定範囲内とは、例えば、車両の現在地から所定半径(例えば、半径1Km)の範囲内でも良く、目的地に向けた車両の前方方向を所定範囲内とするものであっても良い。また、所定範囲は、出発地から目的地まで探索経路周辺すなわち探索された経路を構成する各リンクから所定半径(例えば、半径100m)の範囲であっても良い。また、所定範囲は、目的地周辺すなわち目的地から所定半径(例えば、半径500m)の範囲であっても良い。
【0038】
寄り道案内生成部115は、サーバ装置から観光スポットのPOI情報200を取得すると、これを記憶部102に格納する。また、寄り道案内生成部115は、所定の条件が満たされた場合(例えば、所定数(例えば、3つ)先の交差点を曲がる仮ルートがある場合)、POI情報200を用いて寄り道案内情報を生成する。
【0039】
また、寄り道案内生成部115は、寄り道案内情報をディスプレイ2に表示する。
【0040】
また、寄り道案内生成部115は、寄り道案内情報で案内した交差点を観光スポットの方向に曲がったか否かを判定し、曲がったと判定した場合には、かかる観光スポットを経由地に設定するか否かの確認メッセージを表示する。また、寄り道案内生成部115は、ユーザからの応答に応じて、経路探索部114から観光スポットを経由地とする仮ルート情報を取得し、これをディスプレイ2に表示する。
【0041】
記憶部102は、様々な情報を格納するための機能部である。記憶部102は、例えば、地図情報121やサーバ装置から取得したPOI情報200などを格納する。
【0042】
地図情報121は、地図上の道路に関するリンク情報や、地図上の領域を識別する領域情報などを有している。また、領域情報には、例えば、地図上の領域を識別するメッシュIDごとに、各メッシュが有する道路のリンクIDおよびリンク情報が対応付けられて格納されている。また、リンク情報には、例えば、道路の両端を示す開始ノードおよび終了ノードの地点座標と、国道、有料道路、県道といった道路の種別を示す道路種別情報と、道路の長さを示すリンク長情報と、道路の幅を示すリンク幅情報と、道路の方位を示すリンク方位情報と、道路を通過するのに要する時間を示す旅行時間情報と、道路の開始ノードおよび終了ノードの各々に接続する他の道路のリンクIDが格納されている開始接続リンク/終了接続リンク情報とが格納されている。
【0043】
図3は、POI情報200の一例を示した図である。図示するように、POI情報200は、観光スポットに関して、番号201と、人気度202と、観光スポット名称203と、位置情報204とが対応付けられた所定数(例えば、50個)のレコードを有している。
【0044】
番号201は、検索した観光スポットを一意に識別する情報である。人気度202は、観光スポットの人気の度合いを示す評価情報である。人気度202は、例えば、ユーザからのアクセス数(検索数)や書き込み数といった所定の条件を基準として評価される値であり、通常、人気度が高い観光スポットほど検索結果の上位に挙げられる。観光スポット名称203は、観光スポットの名称などを特定する情報である。例えば、観光スポットが施設である場合には、観光スポット名称203は、その施設名(例えば、スカイツリー、東京タワー、**美術館、**水族館など)である。また、観光スポットがイベント(例えば、花火大会、桜などの花見、イルミネーションの催事など)の開催に関するものであれば、観光スポット名称203は、イベント名(例えば、**花火大会)もしくはイベント開催地名(**イルミネーション)あるいは、検索結果の見出し語(例えば、桜満開)などである。位置情報204は、観光スポットの位置を特定する情報であって、例えば、地点座標などである。このようなPOI情報200は、サーバ装置で生成され、記憶部102に一次的(例えば、POI情報200の取得から車両のアクセサリーキーがOFFになるまでの間など)に格納される。
【0045】
通信部103は、外部装置(例えば、サーバ装置など)との間で情報の送受信を行う機能部である。具体的には、通信部103は、車両の現在地を示す位置情報やPOI情報200の取得要求などをサーバ装置に送信する。また、通信部103は、POI情報200をサーバ装置から取得する。
【0046】
以上、情報表示装置100の機能構成について説明した。
【0047】
なお、情報表示装置100の全体制御部111、入力受付部112、表示情報生成部113、経路探索部114および寄り道案内生成部115は、CPU21に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは各々、情報表示装置100のROM23または記憶装置3に格納されており、実行にあたってRAM22上にロードされ、CPU21により実行される。また、記憶部102は、ROM23、RAM22および記憶装置3あるいはこれらの組合せにより実現される。また、通信部103は、通信装置12により実現される。
【0048】
また、各機能ブロックは、本実施形態において実現される情報表示装置100の機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。したがって、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。また、情報表示装置100の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0049】
また、各機能部の全部または一部は、コンピュータに実装されるハードウェア(ASICといった集積回路など)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0050】
[動作の説明]
図4は、寄り道案内生成処理の流れの一例を示したフロー図である。寄り道案内生成処理は、例えば、出発地および目的地がユーザによって入力され、経路探索指示を受け付けると開始される。すなわち、本実施形態に係る寄り道案内生成処理は、出発地および目的地が設定されている状態での寄り道案内情報の生成に関する。
【0051】
処理が開始されると、寄り道案内生成部115は、現在地から所定の範囲内に観光スポットが存在するか否かを判定する(ステップS001)。具体的には、寄り道案内生成部115は、車両の現在地を特定する位置情報を経路探索部114から取得し、通信部103を介して、位置情報と共にPOI情報200の取得要求をサーバ装置に送信する。
【0052】
また、寄り道案内生成部115は、サーバ装置からPOI情報200を取得した場合、車両の現在地から所定の範囲内に観光スポットがあると判定する。一方で、現在地から所定の範囲内に観光スポットがないことを示す情報をサーバ装置から取得すると、寄り道案内生成部115は、所定の範囲内に観光スポットがないと判定する。
【0053】
観光スポットがないと判定した場合(ステップS001でNo)、寄り道案内生成部115は、ステップS001の処理を繰り返し実行する。また、観光スポットがあると判定した場合(ステップS001でYes)、寄り道案内生成部115は、POI情報200に含まれる上位n個(例えば、n=20)の観光スポットをリストアップする(ステップS002)。
【0054】
次に、経路探索部114は、出発地から観光スポットを経由して目的地まで行く仮ルートの探索を行う(ステップS003)。具体的には、経路探索部114は、ステップS002でリストアップされた各々の観光スポットを経由して出発地から目的地に行く仮ルートを探索する。
【0055】
次に、経路探索部114は、当初ルートと仮ルートとの時間差を算出する(ステップS004)。具体的には、経路探索部114は、出発地および目的地を結ぶ当初ルートの走行時間を地図情報121やVICS情報などを用いて算出する。また、経路探索部114は、各々の観光スポットを経由地とした各仮ルートの走行時間を地図情報121やVICS情報などを用いて算出する。そして、経路探索部114は、各仮ルートと当初ルートとの走行時間の差分を算出する。
【0056】
次に、寄り道案内生成部115は、所定数先の地点(交差点)を曲がる仮ルートがあるか否かを判定する(ステップS005)。具体的には、寄り道案内生成部115は、経路探索部114から取得した現在地を特定する情報に基づき地図上の車両位置を特定する。また、寄り道案内生成部115は、現在地から所定数先(例えば、3つ先)の交差点を曲がる仮ルートがあるか否かを判定する。なお、所定数先の交差点としたのは、寄り道案内情報の表示から観光スポットを経由するかどうかのユーザの判断時間を考慮したためである。
【0057】
所定数先の交差点を曲がる仮ルートがある場合(ステップS005でYes)、寄り道案内生成部115は、曲がった先に複数の観光スポットがあるか否かを判定する(ステップS006)。具体的には、寄り道案内生成部115は、かかる交差点を曲がる仮ルートが複数ある場合、交差点を曲がった先に複数の観光スポットがあると判定する。
【0058】
複数の観光スポットがないと判定した場合(ステップS006でNo)、寄り道案内生成部115は、処理をステップS008に移行する。一方で、複数の観光スポットがあると判定した場合(ステップS006でYes)、寄り道案内生成部115は、複数の観光スポットのうち、より人気度の高い観光スポットをPOI情報200から特定し、かかる観光スポットを経由地とする仮ルートを特定する(ステップS007)。
【0059】
なお、仮ルートの特定は、より人気度の高い観光スポットを基準とする場合に限られない。例えば、寄り道案内生成部115は、交差点を曲がってから最も近い観光スポットを経由地とした仮ルートを特定しても良い。
【0060】
仮ルートを特定すると、寄り道案内生成部115は、処理をステップS008に移行する。
【0061】
ステップS008では、寄り道案内生成部115は、寄り道案内情報を生成する。図5は、寄り道案内情報の一例を示した図である。寄り道案内情報は、一般的な方面案内標識(いわゆる青看板)の形態に描画される。具体的には、寄り道案内情報は、目的地301およびその方向を示す矢印302と、観光スポットの名称303および観光スポットの存在する方向を示す矢印304と、観光スポットの存在する方向に曲がる交差点までの距離305と、仮ルートおよび当初ルートの走行時間差306とを有している。
【0062】
寄り道案内情報の生成にあたり、寄り道案内生成部115は、ステップS003で生成された仮ルートを用いて、現在地から目的地の方向を特定する。また、寄り道案内生成部115は、現在地から仮ルートが示す右左折地点すなわち観光スポットが存在する方向に曲がる交差点までの距離を算出する。また、寄り道案内生成部115は、ステップS004で算出された仮ルートと当初ルートとの走行時間差を取得する。また、寄り道案内生成部115は、これらの情報を含む寄り道案内情報を生成する。なお、寄り道案内生成部115は、観光スポットが存在する方向に曲がる交差点までの距離に加えて、かかる交差点が現在地からいくつ先の交差点であるかを示す情報を特定し、これを寄り道案内情報に含めるようにしても良い。
【0063】
図4に戻って説明する。寄り道案内生成部115は、寄り道案内情報をディスプレイ2に表示し(ステップS009)、処理をステップS001に戻す。
【0064】
図6は、ディスプレイ2に表示された寄り道案内情報の一例を示した図である。寄り道案内生成部115は、地図上の所定位置に寄り道案内情報を重畳表示する。なお、寄り道案内生成部115は、地図が透過的に見えるように、所定の透過率で寄り道案内情報を地図上に表示するようにしても良い。
【0065】
図4に戻って説明する。前述のステップS005において、所定数先の交差点を曲がる仮ルートがないと判定した場合(ステップS005でNo)、寄り道案内生成部115は、目的地付近に到着したことにより案内を終了したか否かを判定する(ステップS010)。案内を終了していると判定した場合(ステップS010でYes)、寄り道案内生成部115は、本フローの処理を終了する。一方で、案内を終了していないと判定した場合(ステップS010でNo)、寄り道案内生成部115は、処理をステップS005に戻す。
【0066】
以上、寄り道案内生成処理について説明した。
【0067】
次に、経由地設定処理について説明する。図7は、経由地設定処理の流れの一例を示したフロー図である。経由地設定処理は、寄り道案内情報が表示されると(図4のステップS009)開始される。
【0068】
経由地設定処理が開始されると、寄り道案内生成部115は、車両が寄り道案内情報で案内した交差点を観光スポットの方向に曲がったか否かを判定する(ステップS021)。具体的には、寄り道案内生成部115は、車速センサ7、ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9から出力された情報を用いて、車両が寄り道案内情報で案内した交差点を寄り道案内情報で案内した観光スポットの方向に曲がったか否かを判定する。
【0069】
車両が観光スポットの方向に交差点を曲がったと判定した場合(ステップS021でYes)、寄り道案内生成部115は、曲がった方向に存在し、寄り道案内情報で案内した観光スポットを経由地として設定するか否かをユーザに確認するメッセージを表示して(ステップS022)、ユーザの応答を受け付ける。
【0070】
図8は、確認メッセージを含むポップアップウィンドウ400の一例を示した図である。例えば、ポップアップウィンドウ400には、「スカイツリーを経由地に設定しますか?」といった確認メッセージ401と、応答のための「はい」および「いいえ」の選択ボタン402とが表示される。
【0071】
なお、寄り道案内生成部115は、ステップS022の処理を行うと、表示情報生成部113を介して、寄り道案内情報の表示を終了する。
【0072】
図7に戻って説明する。寄り道案内生成部115は、寄り道案内情報で案内した観光スポットを経由地に設定するか否かを判定する(ステップS023)。具体的には、寄り道案内生成部115は、入力装置5を介してユーザから「はい」の入力を受け付けると、寄り道案内情報で案内した観光スポットを経由地に設定すると判定し(ステップS023でYes)、処理をステップS024に移行する。一方で、「いいえ」の入力を受け付けると、寄り道案内生成部115は、寄り道案内情報で案内した観光スポットを経由地に設定しないと判定し(ステップS023でNo)、処理をステップS027に移行する。
【0073】
ステップS024では、寄り道案内生成部115は、経由地に設定した観光スポットを経由するルートを表示する。具体的には、寄り道案内生成部115は、寄り道案内情報で案内した観光スポットを経由地とした仮ルートを経路探索部114から取得し、表示情報生成部113を介して、これをディスプレイ2に表示する。
【0074】
また、寄り道案内生成部115は、経由地に設定した観光スポットに関する情報(例えば、観光スポット名称および座標情報など)をサーバ装置に送信し(ステップS025)、本フローの処理を終了する。
【0075】
なお、サーバ装置は、経由地に設定した観光スポットに関する情報を情報表示装置100から取得すると、かかる観光スポットの人気度に反映する(例えば、かかる観光スポットの人気度が上がるように所定のポイントを加算する)。
【0076】
また、ステップS021の処理において、車両が寄り道案内情報で案内した観光スポットの方向に交差点を曲がらなかったと判定した場合(ステップS021でNo)、寄り道案内生成部115は、車両が誘導経路上すなわち当初ルート上にあるか否かを判定する(ステップS026)。
【0077】
車両が誘導経路上にあると判定した場合(ステップS026でYes)、寄り道案内生成部115は、処理をステップS021に戻す。一方で、車両が誘導経路上にないと判定した場合(ステップS026でNo)、寄り道案内生成部115は、処理をステップ027に移行する。
【0078】
ステップS027では、寄り道案内生成部115は、経路探索部114を介してリルートを実行し、現在地を出発地とした新たな経路を探索する。車両が寄り道案内情報で案内した交差点を観光スポットの方向とは異なる方向に曲がり、かつ、車両が誘導経路上にない場合、車両が目的地までの誘導経路から外れてしまったと判断するからである。
【0079】
また、寄り道案内生成部115は、経路探索部114を介してリルートすると、処理をステップS021に戻す。
【0080】
以上、経由地設定処理について説明した。
【0081】
このような情報表示装置100によれば、走行中のユーザに観光スポットの存在を知らせ、より簡単な操作で観光スポットを経由する探索経路を表示させることができる。特に、情報表示装置100は、周辺にある観光スポットの方向を示す案内を表示するため、ユーザは観光スポットの存在を知らない場合でも、その観光スポットの存在に気づき、観光スポットの方向に曲がる交差点などの地点(交差点)を知ることができる。
【0082】
また、情報表示装置100は、案内した観光スポットの方向に車両が曲がった場合には、かかる観光スポットを経由地として設定するか否かをユーザに確認するメッセージを表示し、その応答に応じて観光スポットを経由とした探索経路を表示する。これにより、ユーザは、非常に簡単な操作(例えば、「はい」または「いいえ」の選択)を行うだけで、出発地から観光スポットを経由して目的地まで行く経路を確認することができる。
【0083】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について説明する。前述の第一実施形態では、予め出発地および目的地が設定され、誘導経路が探索されている状態で寄り道案内生成処理を実行した。第二実施形態に係る情報表示装置100は、出発地および目的地が設定されていない状態で寄り道案内生成処理を実行する。なお、第二実施形態に係る情報表示装置100の基本的構成は第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0084】
図9および図10は、本実施形態に係る寄り道案内生成処理の流れの一例を示したフロー図である。寄り道案内生成処理は、例えば、情報表示装置100の起動と共に開始される。すなわち、本実施形態に係る寄り道案内生成処理は、出発地および目的地が設定されていない状態での寄り道案内情報の生成に関する。
【0085】
処理が開始されると、寄り道案内生成部115は、現在地から所定の範囲内に観光スポットがあるか否かを判定し(ステップS031)、観光スポットがある場合(ステップS031でYes)、所定数の観光スポットをリストアップする(ステップS032)。なお、これらの処理は、ステップS001およびステップS002と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0086】
所定数の観光スポットをリストアップすると、寄り道案内生成部115は、車両の行き先がユーザの自宅であるか否かを判定する(ステップS033)。例えば、寄り道案内生成部115は、ユーザが登録した自宅の位置情報を取得する。また、寄り道案内生成部115は、車速センサ7、ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9から出力された情報を用いて車両の向かっている方向(車両方位)を特定する。そして、車両の向かう方向が自宅方向である場合、寄り道案内生成部115は、車両の行き先が自宅であると判定する。なお、寄り道案内生成部115は、車両の向かう方向に加えて、時間帯(例えば、夕方などの帰宅時間帯)を考慮して判定するようにしても良い。
【0087】
車両の行き先が自宅ではないと判定した場合(ステップS033でNo)、寄り道案内生成部115は、処理をステップS051(図10に示す)に移行する。一方で、車両の行き先が自宅と判定した場合(ステップS033でYes)、寄り道案内生成部115は、処理をステップS034に移行する。
【0088】
ステップS034では、経路探索部114は、現在地から自宅まで行く直行ルートと、現在地から観光スポットを経由して自宅まで行く仮ルートとを探索する。具体的には、経路探索部114は、車両の現在地と、自宅位置と、ステップS032でリストアップした観光スポットの位置とを特定し、現在地から自宅まで行く直行ルートと、各々の観光スポットごとに、現在地から観光スポットを経由して自宅まで行く仮ルートを探索する。
【0089】
また、経路探索部114は、直行ルートと仮ルートとの時間差を算出する(ステップS035)。具体的には、経路探索部114は、地図情報121およびVICS情報などを用いて、直行ルートおよび仮ルートの走行時間および両ルートの走行時間差を算出する。
【0090】
次に、寄り道案内生成部115は、所定数先の交差点を曲がる仮ルートがあるか否かを判定し(ステップS036)、仮ルートがあると判定した場合(ステップS036でYes)、曲がった先に複数の観光スポットがあるか否かを判定する(ステップS037)。
【0091】
また、複数の観光スポットがあると判定した場合(ステップS037でYes)、寄り道案内生成部115は、より人気度の高い観光スポットを経由地とした仮ルートを特定し(ステップS038)、寄り道案内情報を生成および表示する(ステップS039、ステップS040)。
【0092】
また、ステップS036で所定数先の交差点を曲がる仮ルートがないと判定した場合(ステップS036でNo)、寄り道案内生成部115は、自宅付近に到着したことにより案内を終了しているか否かを判定する(ステップS041)。そして、案内を終了していると判定した場合(ステップS041でYes)、寄り道案内生成部115は、本フローの処理を終了し、案内を終了していないと判定した場合(ステップS041でNo)、処理をステップS036に戻す。
【0093】
なお、ステップS036〜ステップS041の処理は、第一実施形態に係るステップS005〜ステップS010と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0094】
また、ステップS033の処理において、行き先は自宅ではないと判定した場合(ステップS033でNo)、経路探索部114は、現在地から各観光スポットを目的地とした仮ルートを探索する(図10のステップS051)。具体的には、経路探索部114は、現在地からステップS032でリストアップされた各々の観光スポットを目的地とした仮ルートを探索する。
【0095】
また、寄り道案内生成部115は、所定数先の交差点を曲がる仮ルートがあるか否かを判定し(ステップS052)、仮ルートがあると判定した場合(ステップS052でYes)、曲がった先に複数の観光スポットがあるか否かを判定する(ステップS053)。
【0096】
また、複数の観光スポットがあると判定した場合(ステップS053でYes)、寄り道案内生成部115は、より人気度の高い観光スポットを目的地とした仮ルートを特定し(ステップS054)、寄り道案内情報を生成および表示する(ステップS055、ステップS056)。なお、仮ルートの特定は、例えば、寄り道案内生成部115は、交差点を曲がってから最も近い観光スポットを経由地とした仮ルートを特定しても良い。
【0097】
図11は、行き先が自宅ではなく、現在地から観光スポットを目的地とした仮ルートが探索されている場合(ステップS051)に生成された寄り道案内情報の一例を示した図である。図示するように、寄り道案内情報は、道なりの方向を示す矢印501と、目的地である観光スポットの名称502および観光スポットの存在する方向を示す矢印503と、観光スポットの存在する方向に曲がる交差点までの距離504とを有している。
【0098】
図10に戻って説明する。寄り道案内生成部115は、寄り道案内情報を表示すると、本フローを終了し、処理を図9のステップS031に戻す。
【0099】
なお、ステップS052〜ステップS056の処理は、第二実施形態に係るステップS036〜ステップS040と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0100】
以上、第二実施形態に係る寄り道案内生成処理について説明した。
【0101】
次に、第二実施形態に係る経由地設定処理について説明する。本実施形態の経由地設定処理は、図7のステップS021〜ステップS027の処理を行うが、ステップS026の一部の処理が第一実施形態と異なるため、以下で説明する。なお、それ以外の処理は前述と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0102】
行き先が自宅と判定された場合(ステップS033でYes)の経由地設定処理について説明する。ステップS021において、寄り道案内情報で案内した交差点を観光スポットの方向に曲がっていないと判定すると(ステップS021でNo)、第一実施形態での処理と異なる処理として、寄り道案内生成部115は、車両が誘導経路上または道なりのリンク上にあるか否かを判定する(ステップS026)。例えば、自宅を目的地として直行ルートの経路探索を行っている場合(ステップS034)、寄り道案内生成部115は、現在地が直行ルート上にあるか否かを判定する。
【0103】
行き先が自宅ではないと判定された場合(ステップS033でNo)、すなわち現在地から各観光スポットを目的地として仮ルートを探索し、それらの観光スポットに関して寄り道案内情報を表示した後に行われる経由地設定処理について説明する。ステップS021において、寄り道案内情報で案内した交差点を観光スポットの方向に曲がっていないと判定した場合(ステップS021でNo)、寄り道案内生成部115は、ステップS026の判定時点における現在地の属する道路(リンク)を地図情報121から特定する。また、寄り道案内生成部115は、仮ルートを探索した時点(ステップS051)における現在地が属していた道路(リンク)を地図情報121から特定する。そして、寄り道案内生成部115は、ステップS026の時点における現在地が属するリンクが、ステップS051の時点における現在地が属していたリンクと道なりのリンクであるか否かを判定する。
【0104】
また、ステップS021において、寄り道案内情報で案内した交差点を観光スポットの方向に曲がったと判定した場合(ステップS021でYes)、寄り道案内生成部115は、かかる観光スポットを経由地ではなく、目的地として設定するか否かを確認するメッセージを表示する(ステップS022)。また、ステップS023〜ステップS025でも同様に、寄り道案内生成部115は、寄り道案内情報で案内した観光スポットを経由地ではなく、目的地に設定するか否かを判定する(ステップS023)。また、寄り道案内生成部115は、寄り道案内情報で案内した観光スポットを経由するルートではなく、目的地とするルートすなわちステップS051で探索されている寄り道案内情報で案内した観光スポットを目的地とする仮ルートを表示する(ステップS024)。また、寄り道案内生成部115は、経由地ではなく、目的地に設定された観光スポットに関する情報をサーバ装置に送信する(ステップS025)。
【0105】
以上、第二実施形態に係る経由地設定処理について説明した。
【0106】
このような情報表示装置100によれば、自宅に向かっているユーザに観光スポットの存在を知らせ、より簡単な操作で観光スポットを経由する探索経路を表示させることができる。また、目的地を決めずにドライブしている場合でも、所定範囲内にある観光スポットの存在およびその方向を示す情報がユーザに提供される。さらに、ユーザは、簡単な操作で観光スポットを目的地とした経路を確認することができる。
【0107】
なお、本発明は第一実施形態および第二実施形態に限られるものではなく、様々な変形例が可能である。図12(a)は、変形例に係る寄り道案内情報の一例を示した図である。例えば、ステップS009の処理において、寄り道案内生成部115は、寄り道案内情報に含まれる観光スポットを選択可能に表示する。すなわち、図12(a)では、「桜満開コース」および「スカイツリーコース」といった観光スポット名称601がユーザによって選択可能に表示される。
【0108】
また、ユーザによっていずれかの観光スポットが選択されると(タッチパネル51などの入力装置5を介して選択されると)、寄り道案内生成部115は、選択された観光スポットを目的地または経由地に設定するか否かをユーザに確認するメッセージを表示する。図12(b)は、ユーザに確認するメッセージ602の一例を示した図である。
【0109】
ユーザが入力装置5を介して目的地603または経由地604のいずれかを選択すると、寄り道案内生成部115は、経路探索部114を介して、観光スポットを目的地603または経由地604として経路探索を行う。
【0110】
このような変形例に係る情報表示装置100によれば、ユーザはより簡単な操作で観光スポットを経由地や目的地に設定することができる。
【0111】
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、これら以外にも様々な実施形態および変形例が含まれる。例えば、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態や変形例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0112】
また、上記の各構成、機能、処理部および処理手段などは、それらの一部または全部を、プロセッサが各々の機能を実現するプログラムにより実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記憶装置3、または、ICカード、SD(Secure Digital)メモリカード、DVDなどの記録媒体に置くことができる。なお、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。
【符号の説明】
【0113】
100・・・情報表示装置、1・・・演算処理装置、2・・・ディスプレイ、
3・・・記憶装置、4・・・音声入出力装置、41・・・マイクロフォン、
42・・・スピーカ、5・・・入力装置、51・・・タッチパネル、
52・・・ダイヤルスイッチ、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、
8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、
11・・・ビーコン受信装置、12・・・通信装置、101・・・演算部、
102・・・記憶部、103・・・通信部、111・・・全体制御部、
112・・・入力受付部、113・・・表示情報生成部、114・・・経路探索部、
115・・・寄り道案内生成部、121・・・地図情報、200・・・POI情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12