(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願にかかる広告装置、広告方法および広告プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願にかかる広告装置、広告方法および広告プログラムが限定されるものではない。
【0013】
〔1.調整処理〕
実施形態にかかる広告コンテンツは、ユーザにより選択(例えば、クリックやタップ操作等)された際に、課金が行われるクリック課金型広告であるものとする。このようなクリック課金型広告では、広告主は、例えば、広告コンテンツを入稿するとともに、入稿した広告コンテンツが1回クリックされた際に広告配信者に支払う広告料金である入札価格や、広告料金の上限値である広告予算を指定する。このため、広告コンテンツが選択される度に、入札価格に応じた課金が行われることにより広告予算は消化されてゆく。したがって、当初設定された広告予算に対して、現時点で残っている広告予算は、広告予算の残高といえる。
【0014】
ここで、広告コンテンツに対応する広告予算の残高と、広告コンテンツがユーザの端末装置に表示される表示回数(インプレッション数とも呼ばれる)との関係について説明する。例えば、広告コンテンツの配信を行う装置を広告サーバXとする。
【0015】
広告サーバXは、広告コンテンツをユーザの端末装置に配信することにより、かかる端末装置に広告コンテンツを表示させる。そして、広告サーバXは、表示させた広告コンテンツが例えば1回クリックされた場合には、その広告コンテンツの広告主に対して、その広告コンテンツに対応する入札価格を課金する。すなわち、広告サーバXは、広告コンテンツに対応する現在の広告予算の残高から入札価格を差し引く。
【0016】
このように、課金は、広告コンテンツがクリックされて初めて発生するものであるため、広告コンテンツの表示と、表示された広告コンテンツがクリックされることによる課金発生との間にはタイムラグが生じる。このため、広告コンテンツがクリックされた時点では、クリックされた広告コンテンツの広告予算が完全に尽きてしまっている場合があり、かかる場合、広告サーバXは、課金することができない。
【0017】
この点について、広告コンテンツADxを例に用いて説明する。例えば、広告コンテンツADxの入札価格を「100円」とする。また、広告コンテンツADxに対応する現在の広告予算の残高を「1000円」とする。また、広告サーバXは、15台のユーザの端末装置に対して、広告コンテンツADxを配信したとする。
【0018】
ここで、15台のユーザの端末装置に表示された広告コンテンツADxが、各端末装置のユーザによって順にクリックされてゆくとすると、広告サーバXは、クリックされる毎に、広告予算の残高「1000円」から入札価格「100円」を差し引いてゆく。かかる場合、広告サーバXは、10台目の端末装置のユーザによるクリックに応じた課金により、広告予算の残高が「0円」となってしまい、残り5台の端末装置のユーザによるクリックに応じた課金を行うことができない。つまり、広告サーバXは、5台の端末装置のユーザによるクリックに応じた課金額「500円」を課金することができず、課金額「500円」を得る機会を損失することになる。このような状況について、より具体的に説明するために
図1を用いて説明する。
【0019】
図1は、広告予算の残高および広告コンテンツの表示回数の遷移を示す図である。
図1において、曲線L1は、広告コンテンツADxの広告予算の残高の遷移を示す予算消化曲線である。また、曲線L2は、広告コンテンツADxの表示回数の遷移を示す表示回数曲線である。
【0020】
例えば、曲線L1は、広告コンテンツADxの配信が開始されてからの時間経過に応じて、広告コンテンツADxがクリックされたことによる広告予算の残高をプロットすることにより生成される。曲線L1の通り、広告予算の残高は、広告コンテンツがクリックされることにより減少してゆく。
【0021】
また、例えば、曲線L2は、広告コンテンツADxの配信が開始されてからの時間経過に応じて、当該広告コンテンツを配信する度に、その配信数を表示回数としてプロットすることにより生成される。曲線L2の通り、表示回数は、時間経過に応じて増加した後、一定の値(
図1の例では、1600回)を示すようになる。
【0022】
例えば、広告予算の残高が「0円」となった時点でも、「1600」もの広告コンテンツADxが表示されていたとすると、これ以降、現在表示されている広告コンテンツADxがクリックされたとしても、広告サーバXは、課金することができない。
【0023】
そこで、実施形態にかかる広告装置100は、このような損失をなるべく減らせるように、広告予算の残高に応じて広告配信を調整する。具体的には、実施形態にかかる広告装置100は、広告予算の残高を取得し、取得した広告予算の残高が所定の閾値より低い広告コンテンツの配信を調整する調整処理を行う。
【0024】
さらに具体的には、広告装置100は、取得した広告予算の残高が所定の閾値より低い広告コンテンツの配信確率であって、当該広告予算の残高に応じた配信確率を取得する。そして、広告装置100は、取得した配信確率で広告予算の残高が所定の閾値より低い広告コンテンツを配信するために、取得した配信確率に応じてこの広告コンテンツを配信候補の広告コンテンツから除外する。そして、広告装置100は、広告予算の残高が所定の閾値より低い広告コンテンツを除外した除外後の配信候補の広告コンテンツから配信対象の広告コンテンツを抽出し、抽出した配信対象の広告コンテンツを配信する。以下では、広告装置100による調整処理について、
図1を用いて具体的に説明する。
【0025】
まず、ここでは、広告予算の残高の閾値(以下、「残高閾値」と表記する)が、
図1に示すように「30,000円」であるものとする。つまり、広告装置100は、広告予算の残高が残高閾値「30,000円」より低い広告コンテンツに対して調整処理を実行する。
【0026】
例えば、広告装置100は、ユーザの端末装置10から広告コンテンツの取得要求である広告リクエストを受け付けたとする。かかる場合、広告装置100は、端末装置10からの広告リクエストに対応する配信候補の広告コンテンツの中から、広告予算の残高が残高閾値「30,000円」より低い配信候補の広告コンテンツを特定するとともに、特定した広告コンテンツの広告予算の残高に応じた配信確率を取得する。
【0027】
配信確率は、例えば、広告予算の残高に応じて予め設定される。
図1では、広告予算の残高範囲「30,000円〜22,500円」に対して配信確率「50%」が設定されている例を示す。同様に、広告予算の残高範囲「22,500円〜15,000円」に対して配信確率「30%」、広告予算の残高範囲「15,000円〜」に対して配信確率「10%」が設定される。
【0028】
ここでは、広告装置100は、残高閾値「25,000円」より低い配信候補の広告コンテンツとして、広告予算の残高が「25,000円」の広告コンテンツAD11を調整処理対象として特定したとする。かかる場合、広告装置100は、特定した広告コンテンツAD11において、広告予算の残高「25,000円」に対応する配信確率「50%」を取得する。
【0029】
これは、広告装置100が、配信確率「50%」の割合で配信するよう広告コンテンツAD11の配信を調整することを意味する。例えば、上記のように受け付けられた広告リクエストに応じて、本来であれば広告コンテンツAD11が「100%」の確率で配信対象となるものであったとすると、広告装置100は、広告コンテンツAD11が「50%」の確率で配信対象となるように調整する。
【0030】
この点について一例を示す。広告装置100は、受け付けた広告リクエストに対応する配信候補の広告コンテンツを、各広告コンテンツの評価値(例えば、期待収益値)に基づいて順位付けする。具体的には、広告装置100は、評価値が高い広告コンテンツほど、高い順位を付与する。例えば、広告装置100は、配信候補の広告コンテンツの中で、広告コンテンツAD11の評価値が最も高いことにより、広告コンテンツAD11に対して順位「1」を付与したとする。
【0031】
かかる場合、一般的には、広告コンテンツAD11は、順位が最も高いことにより配信対象の広告コンテンツとなることで、広告リクエスト送信元の端末装置10に配信される。しかし、広告装置100は、広告コンテンツAD11を配信対象の広告コンテンツとしない、すなわち順位付けした配信対象の広告コンテンツの中から広告コンテンツAD11を除外する。そして、例えば、広告コンテンツAD11は、次に順位の高い順位「2」の配信候補の広告コンテンツを配信対象の広告コンテンツとする。そして、広告装置100は、配信対象の広告コンテンツを抽出し、広告リクエスト送信元の端末装置10に配信する。
【0032】
一方、別のタイミングで、広告装置100は、広告リクエストを受け付けたとする。かかる場合においても、広告装置100は、未だ広告予算の残高が「25,000円」である広告コンテンツAD11を調整処理対象として特定したとする。また、広告装置100は、受け付けた広告リクエストに対応する配信候補の広告コンテンツの中で、広告コンテンツAD11に対して順位「1」を付与したとする。
【0033】
上記例では、広告装置100は、順位付けした配信対象の広告コンテンツの中から広告コンテンツAD11を除外したが、ここでは広告コンテンツAD11をそのまま配信対象とすることで、広告リクエスト送信元の端末装置10に配信する。このように、広告装置100は、調整処理対象の広告コンテンツの広告予算の残高が「30,000円〜22,500円」の間では、かかる広告コンテンツを配信確率「50%」で配信するよう調整する。
【0034】
また、広告装置100は、さらに別のタイミングに広告リクエストを受け付けたことに応じて、残高閾値「30,000円」より低い配信候補の広告コンテンツとして、広告コンテンツAD11を調整処理対象として特定したとする。また、広告装置100は、広告コンテンツAD11の広告予算の残高「20,000円」であることにより、配信確率が「30%」であることを特定したとする。
【0035】
かかる場合、広告装置100は、広告コンテンツAD11の配信確率が「30%」となるよう、広告コンテンツAD11を順位付けした配信候補の広告コンテンツの中から除外したり、広告コンテンツAD11を配信対象とする。
【0036】
つまり、広告装置100は、調整処理対象の広告コンテンツの広告予算の残高が「22,500円〜15,000円」の間では、かかる広告コンテンツを配信確率「30%」で配信するよう調整する。また、詳細な説明を省略するが、広告装置100は、調整処理対象の広告コンテンツの広告予算の残高が「15,000円」より低い場合では、かかる広告コンテンツを配信確率「10%」で配信するよう調整する。
【0037】
このように、広告装置100は、広告予算の残高が残高閾値「30,000円」より低くなった広告コンテンツを、当該広告コンテンツの広告予算の残高に応じた配信確率で配信するよう調整する。
図1に示すように、配信確率は、広告予算の残高が低くなるほど、より低い値に設定される。このため、調整処理対象の広告コンテンツは、その広告予算の残高が低くなるほど配信され難くなる。
【0038】
これにより、
図1に示すように、調整処理対象の広告コンテンツの表示回数は、例えば、残高閾値「30,000円」を起点に、広告予算の残高の減少に応じて減少し、広告予算の残高が「0円」となるタイミングとほぼ同一のタイミングで「0回」となる。このため、広告装置100は、広告予算の残高が「0円」となった時点でも、上記のように「1600」もの広告コンテンツが表示されているといった状況を抑えることができるため、収益を得る機会を損失してしまうことを防止することができる。
【0039】
つまり、広告装置100は、将来、課金できなくなる可能性のある広告コンテンツの配信を広告予算の残高に基づいて事前に抑制することができるため、広告予算の残高に応じて広告配信を最適化することができる。
【0040】
また、クリックされたにも拘らず課金されないといった広告主が存在すると、広告配信の公平性が失われてしまう可能性が有る。しかし、広告装置100は、クリックされたにも拘らず課金されないといった状況を防止することができるため、広告配信の公平性を保つことができる。
【0041】
さらに、広告装置100は、広告配信を抑制する上記調整処理を、残高閾値に基づいて開始するため、例えば、広告予算の残高が十分に残っているときから強く広告配信を抑制してしまうことがない。このため、広告装置100は、広告予算の残高が十分に残っているときから広告コンテンツを配信する機会を損失させることがない。加えて、広告装置100は、収益を得る機会を損失してしまうことを防止しつつ、広告予算を十分に消化することができるため、広告主による広告予算の再入金を効果的に誘導することができる。
【0042】
〔2.調整処理システムの構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態にかかる調整処理システムの構成について説明する。
図2は、実施形態にかかる調整処理システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、調整処理システム1には、端末装置10と、広告主装置20
1〜20
nと、情報提供装置30と、広告装置100とが含まれる。端末装置10、広告主装置20
1〜20
n、情報提供装置30、広告装置100は、ネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示した調整処理システム1には、複数台の端末装置10、複数台の情報提供装置30、複数台の広告装置100が含まれてもよい。
【0043】
端末装置10は、ユーザによって利用される端末装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。
【0044】
例えば、端末装置10は、情報提供装置30にアクセスすることで、情報提供装置30からウェブページを取得し、取得したウェブページを表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)に表示する。また、端末装置10は、ウェブページに広告枠が含まれる場合には、広告装置100にアクセスすることで、広告装置100から広告コンテンツを取得し、取得した広告コンテンツをウェブページ上に表示する。ただし、この例に限られず、端末装置10は、広告コンテンツを含むウェブページを情報提供装置30から取得してもよい。この場合、情報提供装置30は、広告装置100によって配信される広告コンテンツを組み込んだウェブページを端末装置10に配信する。
【0045】
広告主装置20
1〜20
nは、広告主によって利用される端末装置である。広告主装置20
1〜20
nは、広告主の操作に従って、広告コンテンツの入稿や、広告コンテンツに関する情報設定を行う。例えば、広告主装置20
1〜20
nは、静止画像や、動画像や、テキストデータ等の該当する広告コンテンツを広告装置100に入稿する。また、広告主装置20
1〜20
nは、広告主の操作に従って、入札価格や広告予算を広告装置100に送信することで、入稿した広告コンテンツに入札価格や広告予算を設定するよう広告装置100に対して指示する。
【0046】
また、広告主は、広告主装置20
1〜20
nを用いて、広告コンテンツを広告装置100に入稿せずに、広告コンテンツの入稿を代理店に依頼する場合もある。この場合、広告装置100に広告コンテンツを入稿するのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主装置」といった表記は、広告主装置だけでなく代理店によって利用される代理店装置を含む概念であるものとする。また、広告主装置20
1〜20
nは、それぞれ同様の機能を有するので、以下では、広告主装置20
1〜20
nを区別する必要が無い場合には、これらを総称して「広告主装置20」と表記する場合がある。
【0047】
情報提供装置30は、端末装置10にウェブページを提供するウェブサーバ等である。情報処理装置30は、例えば、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログ等に関する各種ウェブページを提供する。
【0048】
広告装置100は、広告主装置20から入稿された広告コンテンツを、広告主により設定された設定情報に基づき配信するサーバ装置である。また、広告装置100は、
図1を用いて説明した調整処理を行う。
【0049】
〔3.広告装置の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態にかかる広告装置100について説明する。
図3は、実施形態にかかる広告装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、広告装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0050】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10、広告主装置20、情報提供装置30との間で情報の送受信を行う。
【0051】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、広告情報記憶部121と、確率情報記憶部122とを有する。
【0052】
(広告情報記憶部121について)
広告情報記憶部121は、広告主装置20から入稿された広告コンテンツや、広告主装置20から設定を受け付けた広告コンテンツに関する各種情報を記憶する。また、広告情報記憶部121は、広告配信に関する実績情報を記憶する。ここで、
図4に実施形態にかかる広告情報記憶部121の一例を示す。
図4の例では、広告情報記憶部121は、「広告主ID」、「広告ID」、「入札価格」、「広告予算」、「ターゲティング条件」、「予算残高」、「eCPM」、「残高閾値」といった項目を有する。
【0053】
「広告主ID」は、広告主または広告主装置20を識別するための識別情報を示す。「広告ID」は、広告コンテンツを識別するための識別情報を示す。「入札価格」は、広告主が広告を入稿する際に指定する広告料金を示す。例えば、「入札価格」は、広告がユーザに1回クリックされた際に広告主から広告配信者(例えば、広告装置100の管理者等)に支払われる単価に該当する。
【0054】
「広告予算」は、「入札価格」すなわち広告料金の上限値を示す。「ターゲティング条件」は、どのような広告リクエスト(例えば、ユーザ属性「女性」が対応付けられる端末装置10からの広告リクエスト)に応じて、配信させる広告コンテンツであるかを指定する条件情報を示す。「予算残高」は、「広告予算」が消費されることにより現時点で残っている残高、すなわち広告予算の残高を示す。
【0055】
「eCPM」(effective Cost Per Mille)は、広告コンテンツに関する評価値であり、広告コンテンツの1000回表示あたりの収益期待値を示す。「eCPM」は、入札価格とクリック率とを乗算することにより算出される。「残高閾値」は、広告予算の残高に対して設定される閾値であり、
図1を用いて説明した調整処理が実行される起点となる値を示す。「残高閾値」は、後述する算出部132により算出される。
【0056】
すなわち、
図4の例では、広告主ID「C11」によって識別される広告主が、広告ID「AD11」によって識別される広告コンテンツを入稿するとともに、入札価格「120円」、広告予算「150,000円」、ターゲティング条件「20代女性」を指定した例を示す。また、広告ID「AD11」によって識別される広告コンテンツの現時点での広告予算の残高が「25,000円」、eCPMが「24円」、残高閾値が「30,000円」である例を示す。
【0057】
(確率情報記憶部122について)
確率情報記憶部122は、配信確率を記憶する。ここで、
図5に実施形態にかかる確率情報記憶部122の一例を示す。
図5の例では、確率情報記憶部122は、「広告主ID」、「消化率」、「予算残高」、「配信確率」といった項目を有する。
【0058】
「広告主ID」は、広告主または広告主装置20を識別するための識別情報を示す。「消化率」は、広告予算が消化された割合を示す。すなわち、「消化率」は、広告予算から広告予算の残高を差し引いた差額を、その広告予算で除算したものに相当する。また、
図5に示すように、「消化率」は、例えば、「80%〜85%」といったように範囲で設定される。
【0059】
「予算残高」は、対応する「消化率」を用いて算出された広告予算の残高範囲を示す。「配信確率」は、広告コンテンツの配信確率を示す。例えば、広告コンテンツAD11に対応する配信確率が「50%」であることは、広告コンテンツAD11を「50%」の確率で配信させることを意味する。また、「配信確率」は、対応する広告コンテンツを配信対象とする確率に相当する。「消化率」、「広告予算」、「配信確率」は、後述する算出部132により算出される。
【0060】
すなわち、
図5の例では、広告主ID「C11」によって識別される広告主により入稿された広告コンテンツの広告予算の残高が、消化率「80%〜85%」に対応する「30,000円〜22,500円」の間では、かかる広告コンテンツを配信確率「50%」で配信させるよう調整することを指示している例を示す。
【0061】
(制御部130について)
図3に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0062】
図3に示すように、制御部130は、受付部131と、算出部132と、受信部133と、調整部134と、抽出部135と、配信部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0063】
(受付部131について)
受付部131は、広告主装置20から広告コンテンツの入稿、および、広告コンテンツに関する各種情報の指定を受け付ける。また、受付部131は、入稿された広告コンテンツや指定された各種情報を広告情報記憶部121に記憶する。
【0064】
具体的には、受付部131は、静止画像、動画像、テキストデータ等に該当する広告コンテンツの入稿や、入札価格、広告予算、ターゲティング条件等の指定を受け付ける。そして、受付部131は、広告主IDおよび広告IDを払い出し、払い出した広告主IDおよび広告IDに対応付けて、上記のように受け付けた情報を広告情報記憶部121に記憶する。
【0065】
(算出部132について)
算出部132は、残高閾値および配信確率を算出し、算出した残高閾値および配信確率を対応する広告コンテンツに設定する。例えば、算出部132は、広告主毎に残高閾値および配信確率を設定する。
【0066】
まず、算出部132による残高閾値の算出処理について一例を用いて説明する。本実施形態では、広告主により指定された広告予算が「80%」消化された時点(消化率80%)での当該広告予算の残高を残高閾値とすることが、広告装置100に対して予め設定されているものとする。かかる場合、例えば、
図4に示すように、受付部131によって、広告主C11から広告予算「150,000円」の指定が受け付けられると、算出部132は、広告予算「150,000円」から、広告予算「150,000円」の「80%」に相当する「120,000円」を差し引いた「30,000円」を残高閾値として算出する。
【0067】
そして、算出部132は、算出した残高閾値「30,000円」を広告主ID「C11」に対応付けて広告情報記憶部121に格納することで、残高閾値「30,000円」の設定を完了する。
図4における他の残高閾値についても同様であるので説明を省略する。
【0068】
なお、算出部132は、必ずしも広告予算が消化された割合に基づいて残高閾値を算出する必要はない。例えば、算出部132は、
図1に示すような予算消化曲線を参照し、広告予算の残高が「0円」となるまでの時間情報に基づいて、広告主毎の残高閾値を算出してもよい。
【0069】
かかる点について一例を用いて説明する。例えば、広告装置100は、各広告コンテンツの配信実績を用いて、広告コンテンツ毎に予算消化曲線を生成し、所定の記憶部に記憶しておくものとする。ここで、算出部132は、広告主C11に対応する残高閾値を算出する場合、広告主C11により入稿された広告コンテンツAD11の予算消化曲線を参照する。ここで、
図6に、広告コンテンツAD11の予算消化曲線である曲線L3を示す。
【0070】
そして、算出部132は、
図6に示すように、例えば、広告コンテンツAD11の広告予算の残高が「0円」となる12時間前での広告予算の残高である「30,000円」を残高閾値として算出する。なお、このような時間情報は、12時間に限定されるものではなく、また、広告コンテンツに拘わらず一定の値が予め設定されてよい。また、算出部132は、配信実績に基づき広告コンテンツ毎に時間情報を設定してもよい。
【0071】
また、算出部132は、広告予算が消化される度合いに基づいて、残高閾値を設定してもよい。例えば、算出部132は、予算消化曲線を参照し、広告予算が消化される度合いとして、単位時間当たりに消化される価格(例えば、1時間に1,000円等)を算出する。そして、算出部132は、算出した価格が所定値を超えた時点での広告予算の残高を残高閾値として設定する。
【0072】
また、1の広告主によって複数の広告コンテンツが入稿されている場合には、算出部132は、それぞれ広告コンテンツから算出した残高閾値を平均した平均残高閾値を用いてもよい。また、算出部132は、そもそも広告主毎ではなく広告コンテンツ毎に残高閾値を設定してもよい。
【0073】
次に、算出部132による配信確率の算出処理について一例を用いて説明する。例えば、算出部132は、広告予算が消化される消化率に応じた配信割合を算出する。本実施形態では、
図5に示すように、消化率の範囲に応じてどのような配信確率を設定するといったことが、広告装置100に対して予め設定されているものとする。また、本実施形態では、
図5に示すように、消化率の範囲および配信確率は、全広告主に対して共通であるものとする。
【0074】
かかる場合、例えば、
図4に示すように、受付部131によって、広告主C11から広告予算「150,000円」の指定が受け付けられると、算出部132は、
図5に示す確率情報記憶部122から広告主C11に対応する消化率の範囲を取得する。
図5の例では、算出部132は、消化率の範囲「80%〜85%」、「85%〜90%」、「90%〜」を取得する。
【0075】
そして、算出部132は、消化率の範囲「80%〜85%」に対応する広告予算の残高範囲として「30,000円〜22,500円」を算出する。同様に、算出部132は、消化率の範囲「85%〜90%」に対応する広告予算の残高範囲として「22,500円〜15,000円」を算出する。また、算出部132は、消化率の範囲「90%〜」に対応する広告予算の残高範囲として「15,000円〜」を算出する。
【0076】
そして、算出部132は、上記のように算出した広告予算の残高範囲それぞれに配信確率「50%」、「30%」、「10%」を付与し、広告主ID「C11」に対応付けて確率情報記憶部122に格納することで配信確率の設定を完了する。
【0077】
なお、算出部132は、広告主毎に動的に配信確率を算出してもよい。例えば、算出部132は、予算消化曲線と、表示回数曲線とに基づいて、広告主毎に動的に配信確率を算出する。
【0078】
かかる点について一例を用いて説明する。例えば、広告装置100は、各広告コンテンツの配信実績を用いて、広告コンテンツ毎に予算消化曲線および表示回数曲線を生成し、所定の記憶部に記憶しておくものとする。ここで、算出部132は、広告主C11に対応する配信確率を算出する場合、広告主C11により入稿された広告コンテンツAD11の予算消化曲線および表示回数曲線を参照する。ここで、
図7に、広告コンテンツAD11の予算消化曲線および表示回数曲線を示す。
図7に示すように、曲線L3が予算消化曲線であり、曲線L4が表示回数曲線である。また、曲線L4は、調整処理前の配信実績から生成された表示回数曲線である。
【0079】
ここで、
図1の例では、広告装置100が、調整処理により表示回数曲線である曲線L2を、残高閾値付近から予算消化曲線である曲線L1に対応して減少するように調整している。このため、算出部132は、
図7の例でも、広告主C11に対して設定された残高閾値「30,000円」付近から、曲線L4が曲線L3に対応して減少するように広告予算の残高範囲と配信確率とを算出する。
【0080】
例えば、算出部132は、広告予算の残高範囲「30,000円〜22,500円」を算出するとともに、広告予算の残高範囲「30,000円〜22,500円」に対して配信確率「50%」を算出する。同様に、算出部132は、広告予算の残高範囲「22,500円〜15,000円」に対して配信確率「30%」を算出する。また、算出部132は、広告予算の残高範囲「15,000円〜」に対して配信確率「10%」を算出する。
【0081】
なお、1の広告主によって複数の広告コンテンツが入稿されている場合には、算出部132は、それぞれ広告コンテンツの予算消化曲線を平均した曲線、および、それぞれ広告コンテンツの表示回数曲線を平均した曲線を用いて、広告主毎に広告予算の残高範囲と配信確率とを算出してもよい。また、算出部132は、そもそも広告主毎ではなく広告コンテンツ毎に広告予算の残高範囲と配信確率とを算出してもよい。
【0082】
(受信部133について)
図3に戻り、受信部133は、端末装置10から広告コンテンツの取得要求である広告リクエストを受け付ける。例えば、受信部133は、広告リクエストとして、HTTPリクエストを受け付ける。
【0083】
(調整部134について)
調整部134は、受信部133により広告リクエストが受け付けられた場合に、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツの配信を調整する。具体的には、調整部134は、広告予算の残高に応じて、配信対象の広告コンテンツを決定するための所定の情報を制御することにより、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツの配信を調整する。例えば、調整部134は、所定の情報として、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツの配信確率を制御することにより当該広告コンテンツの配信を調整する。
【0084】
一例を示すと、調整部134は、確率情報記憶部122を参照し、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツの配信確率であって、当該広告予算の残高に応じた配信確率を取得する。そして、調整部134は、特定した配信確率で広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツが配信されるよう、当該配信確率に応じて当該広告コンテンツを配信候補の広告コンテンツから除外する。
【0085】
例えば、調整部134は、受信部133により受信された広告リクエストに対応する配信候補の広告コンテンツそれぞれに順位付けし、順位付けした後の配信候補の広告コンテンツから、配信確率に応じて広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツを除外する。このような順位付けは、実際に端末装置に配信される配信対象の広告コンテンツを選択(抽出)するためのものであり、例えば、eCPMに基づいて行われる。なお、順位付けは、必ずしも調整部134によって行われる必要はなく、その他の処理部(例えば、以下に示す抽出部135)によって行われてもよい。
【0086】
(抽出部135について)
抽出部135は、配信対象の広告コンテンツを抽出する。調整部134により順位付けされた配信候補の広告コンテンツのうち、最も順位の高い配信候補の広告コンテンツを配信対象の広告コンテンツとして、広告情報記憶部121から抽出する。
【0087】
(配信部136について)
配信部136は、配信対象の広告コンテンツを配信する。例えば、配信部136は、抽出部135により抽出された配信対象の広告コンテンツを、広告リクエスト送信元の端末装置10に配信する。
【0088】
また、配信部136は、広告予算の残高を取得する。例えば、配信部136は、広告コンテンツが選択(例えば、クリックやタップ操作等)された旨の情報である選択情報を受け付け、受け付けた選択情報に基づいて、広告予算の残高を取得する。
【0089】
例えば、端末装置10は、広告コンテンツがクリックされた場合に、クリックされた広告コンテンツの広告IDを含む選択情報を広告装置100に送信する。これにより、配信部136は、端末装置10から選択情報を受け付ける。
【0090】
そして、配信部136は、広告情報記憶部121を参照し、受け付けた選択情報に含まれる広告IDに対応する入札価格を特定する。そして、配信部136は、受け付けた選択情報に含まれる広告IDに対応する広告予算から、特定した入札価格を差し引くことで、広告予算の残高を取得する。そして、配信部136は、取得した広告予算の残高を広告IDに対応付けて広告情報記憶部121に格納する。このようなことから、配信部136は、取得部に対応する処理部である。
【0091】
なお、配信部136は、既に広告予算の残高が記憶されている場合には、記憶されている広告予算の残高から入札価格を差し引くことで、新たに広告予算の残高を取得する。
【0092】
(調整処理について)
以下では、
図8を用いて、実施形態にかかる広告装置100によって行われる調整処理の一例について説明する。
図8は、実施形態にかかる調整処理の一例を示す図である。なお、算出部132により残高閾値および配信確率が既に算出されているものとする。
【0093】
図8に示すように、まず、ユーザU1の端末装置10−1が、ユーザU1の操作に従って、ウェブページP1の取得要求であるページリクエストを情報提供装置30に送信したとする(ステップS11)。情報提供装置30は、かかるページリクエストに応じて、ウェブページP1を端末装置10−1に送信する(ステップS12)。
【0094】
図8に示すように、ウェブページP1には、広告コンテンツが表示される広告枠F1が含まれる。このため、端末装置10−1は、広告枠F1に表示するための広告コンテンツの取得要求である広告リクエストを広告装置100に送信する(ステップS13)。
【0095】
広告装置100の調整部134は、受信部133によって端末装置10−1から送信された広告リクエストが受け付けられると、かかる広告リクエストに対応する配信候補の広告コンテンツを特定するとともに、特定した配信候補の広告コンテンツに順位付けする(ステップS101)。例えば、ユーザU1が「20代女性」であるとすると、調整部134は、広告情報記憶部121を参照し、ターゲティング条件「20代女性」が対応付けられる広告コンテンツAD11〜AD41を配信候補の広告コンテンツとして特定する。
【0096】
また、調整部134は、広告コンテンツAD11〜AD41それぞれの評価値であるeCPMが高い順に、広告コンテンツAD11「1位」、広告コンテンツAD21「2位」、広告コンテンツAD31「3位」、広告コンテンツAD41「4位」といったように順位付けした順位リストを生成する。
【0097】
次に、調整部134は、広告情報記憶部121を参照し、配信候補の広告コンテンツAD11〜AD41の中から、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツである調整処理対象の広告コンテンツを特定する(ステップS102)。
図4の例では、広告コンテンツAD11における現時点での広告予算の残高が「25,000円」であり、対応する残高閾値「30,000円」より低い。広告コンテンツAD21〜AD41については、いずれも現時点での広告予算の残高は残高閾値より高い。このため、調整部134は、広告コンテンツAD11を調整処理対象の広告コンテンツとして特定する。
【0098】
次に、調整部134は、確率情報記憶部122を参照し、調整処理対象の広告コンテンツAD11の広告予算の残高「25,000円」に応じた配信確率を取得する(ステップS103)。
図5の例では、調整部134は、広告コンテンツAD11を入稿した広告主C11に対応する配信確率であって、広告予算の残高「25,000円」を含む広告予算の残高範囲「30,000円〜22,500円」に対応付けられる配信確率「50%」を取得する。
【0099】
そして、調整部134は、広告コンテンツAD11が配信確率「50%」で配信されるよう調整する(ステップS104)。つまり、調整部134は、広告コンテンツAD11の配信確率を配信確率「50%」に制御する。言い換えれば、調整部134は、広告コンテンツAD11の広告予算の残高が「30,000円〜22,500円」の間では、広告リクエストに対して、広告コンテンツAD11が「50%」の確率で配信対象となるように調整する。
【0100】
例えば、調整部134は、ステップS101で順位付けした配信候補の広告コンテンツリストの中から、広告コンテンツAD11を除外する。つまり、調整部134は、順位1位であることにより、本来であれば配信対象となり得る広告コンテンツAD11を配信対象としないことで、広告コンテンツAD11の配信確率を「50%」に制御する。
【0101】
そして、抽出部135は、配信対象の広告コンテンツを抽出する(ステップS105)。例えば、抽出部135は、調整部134によって順位1位の広告コンテンツAD11が除外されたことにより、次に順位の高い順位2位の広告コンテンツAD21を配信対象の広告コンテンツとして広告情報記憶部121から抽出する。そして、配信部136は、抽出部135により抽出された広告コンテンツAD21を端末装置10−1に配信する(ステップS106−1)。
【0102】
また、ここから時間経過し、ユーザU2の端末装置10−2が、ユーザU2の操作に従って、ウェブページP1の取得要求であるページリクエストを情報提供装置30に送信したとする(ステップS21)。情報提供装置30は、かかるページリクエストに応じて、ウェブページP1を端末装置10−2に送信する(ステップS22)。端末装置10−2は、ウェブページP1を受け付けると、広告リクエストを広告装置100に送信する(ステップS23)。
【0103】
調整部134は、受信部133によって端末装置10−2から送信された広告リクエストが受け付けられると、かかる広告リクエストに対応する配信候補の広告コンテンツを特定するとともに、特定した配信候補の広告コンテンツに順位付けする(ステップS101)。例えば、ユーザU2が「20代女性」であるとすると、調整部134は、広告情報記憶部121を参照し、ターゲティング条件「20代女性」が対応付けられる広告コンテンツAD11〜AD41を配信候補の広告コンテンツとして特定する。
【0104】
また、調整部134は、
図4の例では、広告コンテンツAD11〜AD41それぞれの評価値であるeCPMが高い順に、広告コンテンツAD11「1位」、広告コンテンツAD21「2位」、広告コンテンツAD31「3位」、広告コンテンツAD41「4位」といったように順位付けした順位リストを生成する。
【0105】
次に、調整部134は、広告情報記憶部121を参照し、配信候補の広告コンテンツAD11〜AD41の中から、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツである調整処理対象の広告コンテンツを特定する(ステップS102)。端末装置10−2から広告リクエストが受け付けられた時点でも、
図4に示すように、広告コンテンツAD11における現時点での広告予算の残高が「25,000円」であり、対応する残高閾値「30,000円」より低いものとする。また、広告コンテンツAD21〜AD41の広告予算の残高は残高閾値より高いものとする。このため、調整部134は、広告コンテンツAD11を調整処理対象の広告コンテンツとして特定する。
【0106】
次に、調整部134は、確率情報記憶部122を参照し、調整処理対象の広告コンテンツAD11の広告予算の残高「25,000円」に応じた配信確率「50%」を取得する(ステップS103)。
【0107】
そして、調整部134は、広告コンテンツAD11が配信確率「50%」で配信されるよう調整する(ステップS104)。上記のように、調整部134は、端末装置10−1から送信された広告リクエストに対しては、当初配信対象となるはずであった広告コンテンツAD11を配信対象としない例を示した。このため、調整部134は、端末装置10−2から送信された広告リクエストに対しては、配信候補の広告コンテンツリストの中から、広告コンテンツAD11を除外しない。
【0108】
これにより、抽出部135は、順位1位の広告コンテンツAD11を配信対象の広告コンテンツとして広告情報記憶部121から抽出する(ステップS105)。そして、配信部136は、抽出部135により抽出された広告コンテンツAD11を端末装置10−2に配信する(ステップS106−2)。
【0109】
ここで、上記例では、調整部134が、配信候補の広告コンテンツに順位付けした後、順位付けした配信候補の広告コンテンツの中から、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツを特定する例を示した。しかし、調整部134は、配信候補の広告コンテンツに順位付けする前に広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツを特定してもよい。
【0110】
〔4.処理手順〕
次に、
図9を用いて、実施形態にかかる広告装置100が実行する調整処理の手順について説明する。
図9は、実施形態にかかる広告装置100による調整処理手順を示すフローチャートである。
【0111】
まず、広告装置100の受信部133は、端末装置10から広告リクエストを受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。受信部133により広告リクエストが受け付けられた場合には(ステップS201;Yes)、調整部134は、配信候補の広告コンテンツを特定する(ステップS202)。例えば、調整部134は、広告主により指定されたターゲティング条件とユーザ属性とのマッチングにより、広告リクエストに対応する配信候補の広告コンテンツを特定する。一方、受信部133は、広告リクエストを受け付けていない場合には(ステップS201;No)、受け付けるまで待機する。
【0112】
次に、調整部134は、ステップS202で特定した配信候補の広告コンテンツの評価値(例えば、eCPM)に基づいて、配信候補の広告コンテンツに順位付けする(ステップS203)。例えば、調整部134は、評価値が高い広告コンテンツほど高い順位を付与する。
【0113】
次に、調整部134は、ステップS203で順位付けした配信候補の広告コンテンツの中に、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツが存在するか否かを判定する(ステップS204)。調整部134は、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツが存在する場合には(ステップS204;Yes)、その広告コンテンツの広告予算の残高に対応する配信確率を取得する(ステップS205)。一方、調整部134により広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツが存在しないと判定された場合には(ステップS204;No)、抽出部136がステップS207の処理を実行する。
【0114】
次に、調整部134は、取得した配信確率で広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツ(調整処理対象の広告コンテンツ)が配信されるように調整する(ステップS206)。例えば、調整部134は、取得した配信確率で広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツが配信対象となるように、順位付けした配信候補の広告コンテンツから、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツを除外する。
【0115】
そして、抽出部135は、順位付けされた配信候補の広告コンテンツから配信対象の広告コンテンツを抽出する(ステップS207)。例えば、抽出部135は、順位の最も高い広告コンテンツを抽出する。そして、配信部136は、抽出部135により抽出された配信対象の広告コンテンツを配信する(ステップS208)。
【0116】
〔5.変形例〕
上記実施形態にかかる広告装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、広告装置100の他の実施形態について説明する。
【0117】
〔5−1.調整処理(1)〕
上記実施形態では、広告装置100の調整部134が、広告リクエストに対応する配信候補の広告コンテンツに順位付けし、順位付けした後の配信候補の広告コンテンツについて調整処理を行う例を示した。しかし、調整部134は、順位付けする前の段階の配信候補の広告コンテンツ、すなわち広告情報記憶部121に記憶されている配信候補の広告コンテンツについて調整処理を行ってもよい。
【0118】
一例を示すと、調整部134は、受信部133によって広告リクエストが受け付けられると、広告情報記憶部121に記憶されている配信候補の広告コンテンツ、すなわち広告情報記憶部121に記憶されている全ての広告コンテンツの中から広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツを特定する。
【0119】
図4の例では、調整部134は、広告コンテンツAD11を特定するとともに、
図5に示す確率情報記憶部122を参照し、広告コンテンツAD11の配信確率「50%」を取得する。これにより、調整部134は、「50%」の確率で広告コンテンツAD11を広告情報記憶部121に記憶されている全ての広告コンテンツの中から除外する。
【0120】
図8の例を用いて説明すると、調整部134は、端末装置10−1から送信された広告リクエストに対しては、広告コンテンツAD11を広告情報記憶部121に記憶されている全ての広告コンテンツの中から除外する。そして、調整部134は、除外後の広告コンテンツを用いて、配信候補の広告コンテンツを絞り込み、絞り込んだ配信候補の広告コンテンツに順位付けする。
【0121】
一方、調整部134は、端末装置10−2から送信された広告リクエストに対しては、広告コンテンツAD11を広告情報記憶部121に記憶されている全ての広告コンテンツの中から除外しない。そして、調整部134は、配信候補の広告コンテンツを絞り込み、絞り込んだ配信候補の広告コンテンツに順位付けする。
【0122】
このように、広告装置100は、広告予算の残高に応じた配信確率で、広告情報記憶部121に記憶されている広告コンテンツの中から、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツを除外する。これにより、広告装置100は、広告予算の減少に応じて、広告コンテンツの配信を抑制することができるため、収益を得る機会を損失してしまうことを防止することができる。
【0123】
〔5−2.調整処理(2)〕
上記実施形態では、調整部134が、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツの配信確率を制御することにより、かかる広告コンテンツの配信を抑制する例を示した。しかし、調整部134は、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツの評価値である収益期待値を制御することにより、かかる広告コンテンツの配信を調整してもよい。
【0124】
具体的には、調整部134は、受信部133により広告コンテンツの取得要求が受け付けられた場合に、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツの評価値を、当該広告コンテンツに対応する広告予算の残高であって、広告リクエストが受け付けられた時点での広告予算の残高に関する情報を用いて補正する。例えば、調整部134は、広告予算の残高に応じた重み値を広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツの評価値に乗じることにより、かかる評価値を補正する。
【0125】
かかる場合、例えば、広告装置100は、広告予算の残高に応じた重み値を記憶する重み情報記憶部123を有する。ここで、
図10は、変形例にかかる重み情報記憶部123の一例を示す図である。
図10の例では、重み情報記憶部123は、「広告主ID」、「消化率」、「予算残高」、「重み値」といった項目を有する。
【0126】
「広告主ID」は、広告主または広告主装置20を識別するための識別情報を示す。「消化率」は、
図5に示すものと同様に、広告予算が消化された割合を示す。すなわち、「消化率」は、広告予算から広告予算の残高を差し引いた差額を、その広告予算で除算したものに相当する。また、
図10に示すように、「消化率」は、例えば、「80%〜85%」といったように範囲で設定される。「予算残高」は、
図5に示すものと同様に、対応する「消化率」を用いて算出された広告予算の残高範囲を示す。
【0127】
「重み値」は、予算残高に応じた値であって、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツの評価値を補正するための値である。また、広告予算の残高が少ないほど小さい「重み値」が設定される。
【0128】
すなわち、
図10の例では、広告主ID「C11」によって識別される広告主により入稿された広告コンテンツの広告予算の残高が、消化率「80%〜85%」に対応する「30,000円〜22,500円」の間では、かかる広告コンテンツの広告予算の残高を、重み値「0.8」を用いて補正するよう指示している例を示す。
【0129】
なお、
図10の例では、広告主毎に共通の重み値が設定される例を示すが、広告主毎に異なる重み値が設定されてもよい。また、例えば、算出部132が広告主毎に動的に重み値を算出してもよい。例えば、算出部132は、広告コンテンツ毎に生成された予算消化曲線と、表示回数曲線とに基づいて、広告主毎に動的に配信確率を算出する。以下では、重み値を用いた調整処理について説明する。
【0130】
例えば、受信部133によって、ユーザU1の端末装置10−1から送信された広告リクエストが受け付けられたとする。かかる場合、調整部134は、広告リクエストに対応する配信候補の広告コンテンツを特定する。例えば、ユーザU1が「20代女性」であるとすると、調整部134は、広告情報記憶部121を参照し、ターゲティング条件「20代女性」が対応付けられる広告コンテンツAD11〜AD41を配信候補の広告コンテンツとして特定する。
【0131】
ここで、調整部134は、広告情報記憶部121を参照し、配信候補の広告コンテンツAD11〜AD41の中から、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツである調整処理対象の広告コンテンツを特定する。
図4の例では、調整部134は、現時点での広告予算の残高が「25,000円」であり、対応する残高閾値「30,000円」より低い広告コンテンツAD11を調整処理対象の広告コンテンツとして特定する。
【0132】
次に、調整部134は、重み情報記憶部123を参照し、調整処理対象の広告コンテンツAD11の広告予算の残高「25,000円」に応じた重み値を取得する。
図10の例では、調整部134は、広告コンテンツAD11を入稿した広告主C11に対応する重み値であって、広告予算の残高「25,000円」を含む広告予算の残高範囲「30,000円〜22,500円」に対応付けられる重み値「0.8」を取得する。
【0133】
そして、調整部134は、広告コンテンツAD11の評価値であるeCPM「24円」に重み値「0.8」を乗じて、広告コンテンツAD11のeCPMを「19円」へと補正する。そして、調整部134は、補正後のeCPMを「19円」を用いて、配信候補の広告コンテンツAD11〜AD41に順位付けする。
【0134】
図4の例では、調整部134は、広告コンテンツAD11〜AD41それぞれのeCPMが高い順に、広告コンテンツAD21「1位」、広告コンテンツAD11「2位」、広告コンテンツAD31「3位」、広告コンテンツAD41「4位」といったように順位付けする。
【0135】
これにより、抽出部135は、順位1位の広告コンテンツAD21を配信対象の広告コンテンツとして広告情報記憶部121から抽出する。そして、配信部136は、抽出部135により抽出された広告コンテンツAD21を端末装置10−1に配信する。
【0136】
ここで、広告コンテンツAD11のeCPMを補正しない場合には、広告コンテンツAD11のeCPMが最も高く、広告コンテンツAD11が配信対象となり得る。しかし、調整部134により補正されることで、補正後の広告コンテンツAD11のeCPMは、補正前より低くなるため、配信対象となり難くなる。つまり、調整部134は、広告予算の残高に応じた重み値を用いて、広告予算の残高が残高閾値より低い広告コンテンツの評価値を下げることで、かかる広告コンテンツの配信確率を間接的に下げる。
【0137】
また、調整部124は、広告予算の残高が少ないほど広告コンテンツの順位をより下位に下げることができるため、広告予算の残高が少ないほど広告コンテンツを配信され難くすることができる。これにより、広告装置100は、収益を得る機会を損失してしまうことを防止することができるため、広告予算の残高に応じて広告配信を最適化することができる。
【0138】
〔6.プログラム〕
また、上述してきた実施形態にかかる広告装置100は、例えば
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図11は、広告装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0139】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0140】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0141】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0142】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0143】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる広告装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0144】
〔7.その他〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0145】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0146】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0147】
〔8.効果〕
実施形態にかかる広告装置100は、取得部(配信部136)と、調整部134とを有する。取得部(配信部136)は、広告コンテンツにおける広告予算の残高を取得する。調整部134は、取得部(配信部136)により取得された広告予算の残高が所定の閾値より低くなった場合に、当該広告予算の残高が所定の閾値より低い広告コンテンツの配信を調整する。
【0148】
これにより、実施形態にかかる広告装置100は、広告予算の残高が尽きてしまっている状況において、選択(クリックやタップ操作等)され得る広告コンテンツの数を減らすことができるため、課金できずに収益を得る機会を損失してしまうことを防止することができる。つまり、広告装置100は、将来、課金できなくなる可能性のある広告コンテンツの配信を広告予算の残高に基づいて事前に抑制することができるため、広告予算の残高に応じて広告配信を最適化することができる。
【0149】
実施形態にかかる広告装置100は、取得部(配信部136)と、調整部134とを有する。取得部(配信部136)は、広告コンテンツにおける広告予算の残高を取得する。取得部(配信部136)により取得された広告予算の残高に応じて、配信対象の広告コンテンツを決定するための所定の情報を制御することにより前記広告コンテンツの配信を調整する。
【0150】
これにより、実施形態にかかる広告装置100は、広告予算の残高に応じて広告配信を最適化することができる。
【0151】
また、実施形態にかかる広告装置100において調整部134は、所定の情報として、広告予算の残高に応じて広告コンテンツの配信確率を制御することにより広告コンテンツの配信を調整する。
【0152】
これにより、実施形態にかかる広告装置100は、課金できずに収益を得る機会を損失してしまうことを防止することができるため、広告予算の残高に応じて広告配信を最適化することができる。
【0153】
また、調整部134は、広告コンテンツの取得要求が受け付けられた場合に、広告予算の残高が所定の閾値より低い広告コンテンツの配信確率であって、当該広告予算の残高に応じた配信確率を取得し、取得した配信確率で前記広告予算の残高が所定の閾値より低い広告コンテンツが配信されるよう、当該配信確率に応じて広告予算の残高が所定の閾値より低い広告コンテンツを、配信対象の広告コンテンツを選択するための順位付けがされる前の広告コンテンツから除外する。
【0154】
これにより、実施形態にかかる広告装置100は、課金できずに収益を得る機会を損失してしまうことを防止することができるため、広告予算の残高に応じて広告配信を最適化することができる。
【0155】
また、調整部134は、広告コンテンツの取得要求が受け付けられた場合に、広告予算の残高が所定の閾値より低い広告コンテンツの配信確率であって、当該広告予算の残高に応じた配信確率を取得し、取得した配信確率で前記広告予算の残高が所定の閾値より低い広告コンテンツが配信されるよう、当該配信確率に応じて広告予算の残高が所定の閾値より低い広告コンテンツを、配信対象の広告コンテンツを選択するための順位付けがされた後の配信候補の広告コンテンツから除外する。
【0156】
これにより、実施形態にかかる広告装置100は、課金できずに収益を得る機会を損失してしまうことを防止することができるため、広告予算の残高に応じて広告配信を最適化することができる。
【0157】
また、調整部134は、所定の情報として、広告予算の残高に応じて広告コンテンツの期待収益値を制御することにより広告コンテンツの配信を調整する。
【0158】
これにより、実施形態にかかる広告装置100は、課金できずに収益を得る機会を損失してしまうことを防止することができるため、広告予算の残高に応じて広告配信を最適化することができる。
【0159】
また、調整部134は、広告コンテンツの取得要求が受け付けられた場合に、広告予算の残高が所定の閾値より低い広告コンテンツの期待収益値を、当該広告コンテンツに対応する広告予算の残高であって、取得要求が受け付けられた時点での広告予算の残高に関する情報を用いて補正することにより当該広告コンテンツの配信を調整する。
【0160】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0161】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受信部は、受信手段や受信回路に読み替えることができる。