(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6822862
(24)【登録日】2021年1月12日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】フードシールの取付構造
(51)【国際特許分類】
B60J 10/84 20160101AFI20210114BHJP
B60J 10/36 20160101ALI20210114BHJP
B60J 10/16 20160101ALI20210114BHJP
B60J 10/35 20160101ALI20210114BHJP
B60R 13/06 20060101ALI20210114BHJP
B60R 19/02 20060101ALN20210114BHJP
【FI】
B60J10/84
B60J10/36
B60J10/16
B60J10/35
B60R13/06
!B60R19/02 G
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-12591(P2017-12591)
(22)【出願日】2017年1月27日
(65)【公開番号】特開2018-118679(P2018-118679A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2019年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000158840
【氏名又は名称】鬼怒川ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】江藤 範昭
【審査官】
宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】
実開平04−098686(JP,U)
【文献】
実開昭58−124352(JP,U)
【文献】
特開平11−222154(JP,A)
【文献】
特開2003−341417(JP,A)
【文献】
特開2014−184764(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0091777(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 10/00−10/90
B60R 13/06
B60R 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のフロントバンパーの上面に装着されてフードの閉止時に当該フードの前端部が当接することで両者の間をシールするフードシールの取付構造において、
上記フードシールは、
上記フロントバンパーの上面の前端部から立ち上がる縦壁部に重合配置されるプレート状の取付基部と、
上記取付基部から後方側に向けて一体に突出形成されてフードの閉止時に当該フードの前端部に当接して撓み変形するシールリップと、
上記取付基部の裏面に突出形成されて、上記縦壁部に形成されたスロット部に挿入されることにより、上記縦壁部に対してフードシールを固定保持する係止突起部と、
を備え、
上記スロット部は、上記縦壁部を貫通して設けられている一方、
上記係止突起部は、先端部に爪部を有し、当該爪部が上記スロット部に挿入されて上記縦壁部の裏面に係止することを特徴とするフードシールの取付構造。
【請求項2】
上記縦壁部と取付基部との間に両面粘着テープが介装されていることを特徴とする請求項1に記載のフードシールの取付構造。
【請求項3】
上記取付基部の下端に後方側に向けて着座フランジ部が折り曲げ形成されていると共に、
上記フロントバンパーの上面のうち上記縦壁部の根元部よりも後方側に位置決め突起部が形成されていて、
上記着座フランジ部を上記縦壁部の根元部と位置決め突起部との間に挟み込みつつフロントバンパーの上面に着座させたことを特徴とする請求項1または2に記載のフードシールの取付構造。
【請求項4】
上記係止突起部は、上記取付基部よりも硬質の材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のフードシールの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のフロントバンパーの上面に装着されてフード閉止時に当該フードの前端部が当接することで両者の間をシールするフードシールの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンフード(ボンネット)とエンジンルームの前端部との間をシールするフードシール(フードウエザーストリップまたはフードシールラバーとも称される。)には、エンジンフード側に装着されるタイプのものと、エンジンルーム内のラジエータコアサポートや、ヘッドランプを含むフロントバンパーの一部に装着されるタイプのものとがあり、後者のタイプのフードシールが例えば特許文献1で提案されている。
【0003】
また、車体前部あるいはフロントバンパーの造形上の特殊性から、フロントバンパーの上面における平坦な取付面の前方側に当該取付面から比較的大きく立ち上がる縦壁部が形成されることがある。そして、これらの取付面および縦壁部に沿わせるかたちで、両者の内隅部に両面粘着テープとクリップとを併用するかたちでフードシールを取り付けるようにしたものが特許文献2にて提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−301547号公報
【特許文献2】特開2016−182864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特に特許文献2に開示されたフードシールの取付構造では、バンパーの上面に対するフードシール側のベース部(取付基部)の取付面積(両者の接触面積)を大きく確保することができる反面、バンパーの造形によってはバンパーの縦壁部上端とフードシールの上端部との間に隙間が発生するおそれがあった。
【0006】
例えば、最近では車両平面視でのフロントバンパー全体の造形として前方側に向かって凸となる湾曲形状とされることが多く、フードシールもそのバンパー側の湾曲形状に追従させる必要がある。その一方、フードシールにおけるベース部の前後方向での幅寸法が比較的大きいために、バンパー側の湾曲形状に追従できるフードシール側の曲率度合いに限界がある。これは、製造性の観点から、フードシールそのものが長手方向で均一な断面形状を有する略真直状のものとして押出成形されることが多いことに基づいている。
【0007】
そのため、バンパーの縦壁部上端に相当する位置から固定保持力の大きなクリップまでの位置が遠いこととも相俟って、バンパー側の湾曲形状にフードシールが追従しきれずに、いわゆる口開きするかたちで、バンパーの縦壁部上端とフードシールの上端部との間に隙間が発生するおそれがあった。この隙間の発生は、車両全体の造形上重要な車体正面視での見栄えの低下をもたらすこととなって好ましくない。
【0008】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、バンパーへの形状追従性を向上させて隙間の発生を抑制できるようにしたフードシールの取付構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、自動車のフロントバンパーの上面に装着されてフードの閉止時に当該フードの前端部が当接することで両者の間をシールするフードシールの取付構造において、
上記フードシールは、上記フロントバンパーの上面の前端部から立ち上がる縦壁部に重合配置されるプレート状の取付基部と、
上記取付基部から後方側に向けて一体に突出形成されてフードの閉止時に当該フードの前端部に当接して撓み変形するシールリップと、
上記取付基部の裏面に突出形成されて、上記縦壁部に形成されたスロット部に
挿入されることにより、上記縦壁部に対してフードシールを固定保持する係止突起部と、
を備え、
上記スロット部は、上記縦壁部を貫通して設けられている一方、
上記係止突起部は、先端部に爪部を有し、当該爪部が上記スロット部に挿入されて上記縦壁部の裏面に係止することを特徴とする。
【0010】
上記フードシールの固定保持力の向上に着目した形態としては、請求項2に記載のように、上記縦壁部と取付基部との間に両面粘着テープが介装されていることが望ましい。
【0011】
また、上記フロントバンパーに対するフードシールの位置決め精度の向上に着目した形態としては、請求項3に記載のように、上記取付基部の下端に後方側に向けて着座フランジ部が折り曲げ形成されていると共に、上記フロントバンパーの上面のうち上記縦壁部の根元部よりも後方側に位置決め突起部が形成されていて、上記着座フランジ部を上記縦壁部の根元部と位置決め突起部との間に挟み込みつつフロントバンパーの上面に着座させるようにすることが望ましい。
【0012】
さらに、上記フードシールの一層の固定保持力の向上に着目した形態としては、請求項4に記載のように、上記係止突起部は、上記取付基部よりも硬質の材料で形成されていることが望ましい。例えば、取付基部の硬さをショアA硬度で60°以上で80°未満とした場合には、係止突起部の硬さはショアA硬度で80°〜90°程度に設定することが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、フロントバンパーの縦壁部にフードシールの取付基部を重合配置した上で、その取付基部の裏面に突出形成された係止突起部を縦壁部のスロット部に嵌め込むことで、縦壁部に対してフードシールを固定保持するようにしているので、フロントバンパーに対するフードシールの形状追従性が良くなる。そのため、縦壁部と取付基部との間に隙間が発生しにくくなり、見栄えの向上に寄与することができる。その上、係止突起部は取付基部の裏面から一体的に突出形成されているので、例えばフードシールから独立したクリップを使用する場合と比べて、コストダウンと部品点数の削減を図ることができる。
特に、
係止突起部の先端部の爪部が、縦壁部に貫通形成されたスロット部に挿入されて縦壁部の裏面に係止するようになっていることから、取付基部が縦壁部に密着するようにバンパーに対してフードシールが固定保持される。したがって、バンパー側の縦壁部が弧状に湾曲していたとしても、その形状に取付基部を忠実に追従させることができ、縦壁部と取付基部の上端との間での隙間の発生を抑制することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、両面粘着テープを併用することで、縦壁部に対する取付基部の固定保持力が一段と向上する。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、取付基部の下端に折り曲げ形成した着座フランジ部を、縦壁部の根元部とそれよりも後方側の位置決め突起部との間に挟み込みつつフロントバンパーの上面に着座させるようにしているので、縦壁部に対する取付基部の位置決め精度および組付性が安定するほか、取付基部を縦壁部に密着させることができるので、両者の間での隙間を発生を抑制する上で一段と有利となる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、係止突起部を取付基部よりも硬質の材料で形成しているので、縦壁部に対する取付基部の保持性が一段と向上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】本発明に係るフードシールの取付構造を実施するためのより具体的な形態を示す図で、フードシールの自由状態での
図1のa−a線に沿った拡大断面図。
【
図3】本発明に係るフードシールの取付構造の第2の実施の形態を示す図で、フードシールの自由状態での
図2と同等部位の拡大断面図。
【
図4】(A)は
図3に示したフロントバンパーの要部の拡大斜視図、(B)は(A)のものとは別の例を示すフロントバンパーの要部の拡大斜視図。
【
図5】本発明に係るフードシールの取付構造の第3の実施の形態を示す図で、フードシールの自由状態での
図2と同等部位の拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1,2は本発明に係るフードシールの取付構造を実施するためのより具体的な第1の形態を示し、特に
図1は自動車の前部斜視図を、
図2は
図1のa−a線に沿う断面図であって、フードシールの自由状態での拡大断面図をそれぞれ示している。
【0019】
図1において、1は自動車の車体のエンジンルーム前方側に配置されるフロントバンパー(以下、単にバンパーと言う。)、2はエンジンルームを覆うエンジンフード(以下、単にフードと言う。)である。また、3はバンパー1の中央部に設けられた加飾用のグリル、4はヘッドランプである。そして、
図1のほか
図2に示すように、バンパー1の上面の長手方向(車幅方向)に沿ってフードシール5が配設されている。
【0020】
図2に示すように、バンパー1は、その造形上の特殊性から上面の平坦な棚状部1aと、この棚状部1aの前方側から傾斜面をもって立ち上がる縦壁部1bと、を有していて、縦壁部1bに沿ってフードシール5が重ね合わされるように配設される。そして、フード2の閉止時には、バンパー1側の縦壁部1bの頂部1cに対して所定のパーティング隙間を隔ててフード2の先端(前端)2dが近接対峙するかたちとなる。そのため、後述するように、フード2の閉止時にはフード2の先端2dがフードシール5のシールリップ5bに当接し、仮想線Qで示すようにシールリップ5bが下方に撓み変形することで、バンパー1とフード2との間のシール機能が発揮されることになる。
【0021】
なお、
図2に示すように、フード2は周知のようにフードアウタパネル2a側のヘミングフランジ部2cをフードインナパネル2b側に折り返すことでヘミング結合して一体化したものであり、ヘミングフランジ部2cの折り曲げ基部がフード2の先端2dとなっている。
【0022】
図2に示すように、フードシール5は、バンパー1側の縦壁部1bに沿って車幅方向に配設される板状またはプレート状の取付基部5aと、この取付基部5aの上端から上部後方側に向けて延長されるかたちで略弓形状に一体に形成されているいわゆる片持ち式のシールリップ5bと、取付基部5aの裏面から一体に突出形成された係止突起部6と、から形成されている。係止突起部6の先端部には引っ掛かり部となる爪部6aが上向きに突出形成されているとともに、縦壁部1b側には係止突起部6の位置に対応した穴部としてのスロット部7が縦壁部1bの裏面まで貫通するように形成されている。
【0023】
そして、フードシール5の取付基部5aを縦壁部1bに沿わせつつ、係止突起部6を縦壁部1b側のスロット部7に挿入して、縦壁部1bの裏面にてスロット部7の開口縁に係止突起部6の爪部6aを係止させることにより、取付基部5aが縦壁部1bに密着するようにバンパー1に対してフードシール5が固定保持されている。同時に、取付基部5aの下半部では両面粘着テープ8が併用されており、取付基部5aはこの両面粘着テープ8によってもまた縦壁部1bに固定保持されている。なお、この両面粘着テープ8の併用は必須ではなく、例えば取付基部5bの幅寸法(
図2の高さ方向での寸法)が比較的小さい場合などは、両面粘着テープ8を省略することができる。
【0024】
ここで、後述する
図4の(A)に示すように、縦壁部1bに形成されるスロット部7が長尺のものであって、このスロット部7が例えば
図1に示した左右のヘッドランプ4で挟まれたバンパー長手方向中央部のほぼ全長に及ぶような場合には、
図2に示した取付基部5aの裏面に突出形成された係止突起部6もスロット部7の長さに合わせた長尺状のものとして形成される。他方、
図4の(B)に示すように、縦壁部1bに形成されるスロット部7Aがバンパー長手方向中央部に間歇的に複数個形成される長穴状のものである場合には、
図2に示した係止突起部6も各スロット部7Aの長さに応じた間歇的なものとして複数個形成される。
【0025】
また、
図2に示したフードシール5の取付基部5aがソリッドゴム系材料で形成でされる場合には、シールリップ5bはその機能よりして取付基部5aよりも軟質の例えばスポンジゴム系材料で形成される。また、取付基部5aの裏面に突出形成される係止突起部6は、縦壁部1bに対する固定保持力を高めるためにベース部6bと共に取付基部5aよりも硬質のソリッドゴム系材料で形成される。例えば、取付基部5aの硬さをショアA硬度で60°以上で80°未満に設定した場合には、ベース部6bを含む係止突起部6の硬さは取付基部5aのそれよりも硬いものとなるようにショアA硬度で80°〜90°程度に設定される。なお、取付基部5aと係止突起部6との一体化は、例えば多重押出成形法あるいはインサート成形法等により可能である。
【0026】
したがって、
図2に示したようなフードシール5の取付構造によれば、プレート状の取付基部5aが両面粘着テープ8の粘着力によりバンパー1の縦壁部1bに密着するように固定保持されていて、同時に、縦壁部1b側のスロット部7に挿入されて係止された係止突起部6の引き込み力により取付基部5aがバンパー1の縦壁部1bに密着するように固定保持されている。したがって、
図4に示したように、バンパー1側の縦壁部1bが弧状に湾曲していたとしても、その形状に取付基部5aを忠実に追従させることができ、縦壁部1bと取付基部5aの上端との間での隙間の発生を抑制することができる。
【0027】
また、係止突起部6は取付基部5aの裏面に予め一体に突出形成されているので、取付基部5aとは独立しているクリップを用いて固定する場合と比べて、コストダウンを図ることができると共に、部品点数も削減することができる。
【0028】
図3は本発明に係るフードシールの取付構造を実施するための第2の形態を示していて、先に説明した
図2の第1の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。また、
図4の(A),(B)はフロントバンパーの要部を拡大した斜視図をそれぞれ示している。
【0029】
図3に示した第2の実施の形態では、バンパー1の棚状部1aのうち縦壁部1bの根元部よりも後方側に、
図4の(A)に示すように、例えば断面台形状の位置決め突起部9を長手方向に沿ってビード状に形成してある。その一方、フードシール5側では、その取付基部15aの下端部を棚状部1aに届くように下方に延長すると共に、その取付基部15aの下端部を後方側にほぼ直角に折り曲げて着座フランジ部10として形成してある。この着座フランジ部10は、先端部が位置決め突起部9の側面にも当接しつつ棚状部1aに着座するようになっていて、縦壁部1bの根元部と位置決め突起部9との間に挟み込まれてその空間に合致する形状に形成してある。
【0030】
なお、
図4の(A)に示したように、縦壁部1bに形成されるスロット部7が長尺のものであって、このスロット部7が例えば
図1に示した左右のヘッドランプ4で挟まれたバンパー長手方向中央部のほぼ全長に及ぶような場合には、
図3に示した取付基部5aの裏面に突出形成された係止突起部6もスロット部7の長さに合わせた長尺状のものとして形成される。他方、
図4の(B)に示すように、縦壁部1bに形成されるスロット部7Aがバンパー長手方向中央部に間歇的に複数個形成される長穴状のものである場合には、
図3に示した係止突起部6も各スロット部7Aの長さに応じた間歇的なものとして複数個形成される。
【0031】
したがって、
図3に示した第2の実施の形態によれば、
図2に示した第2の実施の形態のものと同様の効果が得られることはもちろんのこと、バンパー1側の縦壁部1bと位置決め突起部9との間の溝状空間に対する着座フランジ部10の着座のために、バンパー1にフードシール5を組み付ける際の位置決め性が良く、フードシール5の位置決め精度と共に組付性が向上することになる。また、着座フランジ部10の着座により取付基部15aの位置が一義的に定まることにより、係止突起部6の採用とも相俟って、取付基部15aを縦壁部1bに確実に密着させる上で一段と有利になる。
【0032】
図5は本発明に係るフードシールの取付構造を実施するための第3の形態を示していて、先に説明した
図3の第2の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。
【0033】
図5に示した第3の実施の形態では、バンパー1側の縦壁部1bに対するフードシール5の固定保持に係止突起部16と両面粘着テープ8を併用している点では
図3に示した第2の実施の形態と共通している。その一方、係止突起部16が挿入されることになるスロット部7の位置を
図3のものより高い位置に設定していると共に、係止突起部16に付帯している爪部16aの向きを下向きに設定してある。さらに、係止突起部16を取付基部25aと同じ材質のもので形成してあると共に、取付基部25aの下端部の着座フランジ部10の突出長さを、縦壁部1bの根元部と位置決め突起部9との間の距離と共に、
図3のものよりも長く設定してある。
【0034】
したがって、この第3の実施の形態によれば、係止突起部16と位置決め突起部9とのなす距離、すなわち縦壁部1bと棚状部1aとの表面に沿って係止突起部16と位置決め突起部9とのなす沿面距離が、
図3のものより大きくなることで、
図3と同等のバンパー1に対するフードシール5の位置決め性と固定保持力が得られると共に、組付性も良好なものとなる。
【符号の説明】
【0035】
1…フロントバンパー
2…エンジンフード
5…フードシール
5a…取付基部
5b…シールリップ
6…係止突起部
7…スロット部
8…両面粘着テープ
9…位置決め突起部
10…着座フランジ部
15a…取付基部
16…係止突起部
25a…取付基部