特許第6822891号(P6822891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6822891
(24)【登録日】2021年1月12日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】レンズ保持部材及び画像投影装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20210114BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
   G02B7/02 C
   G02B7/02 A
   G03B21/14 D
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-81332(P2017-81332)
(22)【出願日】2017年4月17日
(65)【公開番号】特開2018-180370(P2018-180370A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】514274487
【氏名又は名称】リコーインダストリアルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100090103
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 章悟
(72)【発明者】
【氏名】伊東 秀一
(72)【発明者】
【氏名】片方 啓樹
【審査官】 藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−161868(JP,A)
【文献】 特開2003−149521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 − 7/16
G03B 21/14
H04N 5/222 − 5/357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを保持し、前記レンズを中心に回転する円筒状の第1回転部材と、
前記第1回転部材と独立に回転する第2回転部材と、
前記第2回転部材を鏡筒に対して前記レンズの中心軸を中心に回動可能に保持する保持部と、
前記第2回転部材と前記保持部との間に配置されて、前記第1回転部材と嵌り合う係合部を備える偏心方向規制部材と、を有し、
前記第2回転部材は、前記第1回転部材の内周面と対向する第1の面と、前記保持部側の面である第2の面と、を有し、前記第1の面と前記第2の面とは偏心して形成されたことを特徴とするレンズ保持部材。
【請求項2】
請求項1に記載のレンズ保持部材において、
前記第2回転部材は、前記中心軸と平行な方向から挿抜可能な冶具と嵌り合う凹部を有することを特徴とするレンズ保持部材。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレンズ保持部材において、
前記第2回転部材と前記係合部との間の回転の位相角に合わせて形成された嵌合部を有することを特徴とするレンズ保持部材。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1つに記載のレンズ保持部材を備えるレンズユニットと、
前記レンズユニットへ向けて光を出射する発光源と、
を有し、前記レンズユニットを透過した光を表示面に投影することを特徴とする画像投影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ保持部材及び画像投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラやプロジェクタに代表される、レンズユニットを使用した画像投影装置などの光学装置において、鏡筒にレンズを組み付ける際に、レンズ位置を微調整するための機構が知られている(例えば特許文献1等参照)。
【0003】
このような微調整を行うための機構としては、バネやネジなどの押圧部材によって押圧する構成が挙げられるが、部品点数が増大するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、部品点数を抑えながらも、レンズの組み付け後の微調整を可能にするレンズ保持部材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明にかかるレンズ保持部材は、レンズを保持し、前記レンズの中心軸を中心に回転する円筒状の第1回転部材と、前記第1回転部材と独立に回転する第2回転部材と、前記第2回転部材を鏡筒に対して前記レンズの中心軸を中心に回動可能に保持する保持部と、前記第2回転部材と前記保持部との間に配置されて、前記第1回転部材と嵌り合う係合部を備える偏心方向規制部材と、を有し、前記第2回転部材は、前記第1回転部材の内周面と対向する第1の面と、前記保持部側の面である第2の面と、を有し、前記第1の面と前記第2の面とは偏心して形成される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、部品点数を抑えながらも、レンズの組み付け後の微調整を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態における画像投影装置の構成の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態におけるレンズ鏡筒の構成の一例を示す図である。
図3図2に示したレンズ保持部材の構成の一例を示す図である。
図4図2に示したレンズ保持部の各部の構成の一例を示す分解図である。
図5図3に示した第2回転部材の回転動作の一例を示す模式図である。
図6図3に示したシフト方向規制部材の動作を表す模式図である。
図7図2に示したレンズ鏡筒の位置調整を行う状態を示す図である。
図8図2に示す冶具の構成例を示す図である。
図9図6に示した冶具による位置調整を模式的に示す図である。
図10図6に示した冶具による位置調整を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態として、画像投影装置の構成の一例を図1に示す。
画像投影装置100は、光束を射出する光源101と、投射すべき画像を表示して、透過する光束に画像情報を付与する空間光変調素子102と、を有している。
画像投影装置100はまた、画像を表示面104に投影するための投影光学系たるレンズユニット200と、表示面104に投影するべき画像を表示するために空間光変調素子102を制御する制御部109と、を有している。
【0009】
光源101は、光線を出射する発光源たるハロゲンランプを用いて、白色光を略並行に出射する。ここで光源としてはメタルハライドランプや高圧水銀ランプ、LEDを用いても良い。
光源101は白色光源であるが、R、G、B等の基本色に対応するレーザー光源のような単色光源を複数用いたものであっても良い。
【0010】
空間光変調素子102は、入射した光束を透過して空間的な変調を付与して出射することで画像情報を与える画像表示手段たる液晶パネルである。なお、空間光変調素子102は、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)のような反射型の空間光変調素子であっても良い。
【0011】
レンズユニット200の構成について説明する。
ここで、レンズユニット200が画像投影装置100に取り付けられた状態におけるレンズユニット200への入射光の光軸すなわちレンズ光軸をZ軸、Z軸に垂直な方向のうち、図2における紙面上下方向に平行な軸をY軸と定め、Z軸およびY軸にそれぞれ垂直な軸をX軸と定める。なお、X軸、Y軸、Z軸それぞれの方向について、図2に示す矢印の方向をそれぞれ正方向と定める。
【0012】
レンズユニット200は、図2に示すように、鏡筒たる筐体20と、Z軸上に配置されて投射光学系を構成する少なくとも1つのレンズ15と、レンズ15を保持する第1回転部材11と、第1回転部材11とは独立して回転する第2回転部材12と、を有している。
レンズユニット200は、レンズ15とは異なるレンズ16を保持するとともに、筐体20に対してZ軸を中心に回動可能に取り付けられたベース部材13と、ベース部材13と第2回転部材12との間に配置されたシフト方向規制部材14と、を有している。
【0013】
第1回転部材11と第2回転部材12と、ベース部材13と、シフト方向規制部材14と、は図3に示すように押さえ部材17によって締結され、レンズ15とレンズ16とを保持するレンズ保持部材1として機能する。
【0014】
図4にレンズ保持部材1を構成する各部材の分解図を示す。
第1回転部材11は、レンズ15の外縁部を保持する円筒状の部材である。
第1回転部材11は、後述するシフト方向規制部材14の凸部141と嵌り合う溝部111と、円筒の外周側に形成された嵌合部たるフランジ部112と、内周側に形成されて後述する第2回転部材12と少なくとも一部が当接する面である平面部113と、を有している。
なお、本実施形態においては、シフト方向規制部材14側が突出し、第1回転部材11側が受ける形状としているが、互いに嵌り合う形状であればかかる構成に限定されるものではなく、凸部と凹部とが逆の構成であっても良い。
【0015】
第2回転部材12は、円筒状の円筒部121と、円筒部121のZ方向端部に形成されたフランジ部122と、を有している。
円筒部121の外周面121aは、レンズ保持部材1が組み上げられた締結状態において、第1回転部材11と対向する第1の面である。同様に、円筒部121の内周面121bは、シフト方向規制部材14と対向する第2の面である。
円筒部121の外周面121aと、内周面121bとは、図5に誇張して示すように、XY平面の断面が偏心された態様で構成されている。
【0016】
かかる第2回転部材12を例えば図5(a)〜(c)に図で示したように、A方向に第2回転部材12を回転させる場合には、第2回転部材12がシフト方向規制部材14に内周側から支持されているため、内周面121bの中心OがZ軸と一致するように回転する。
また、第2回転部材12は、外周面121aにおいて第1回転部材11の内周の平面部113と当接している。
【0017】
かかる構成により、第2回転部材12の外周面121aの中心と、内周面121bの中心とが異なるために、第1回転部材11と第2回転部材12とを独立して回転させると、ベース部材13の中心に対して第1回転部材11の中心がシフトすることになる。
フランジ部122には、外周側に一定間隔の波形状の凹部122aが形成されており、当該凹部122aは、後に説明するレンズ微調整の際に、冶具70と係合する。
【0018】
さて、レンズ15とレンズ16とは、互いの公差の積み上げによって、その中心位置が微小に異なる。そのため、図6(a)〜(c)に示すように、第1回転部材11に取り付けられたレンズ15の光軸中心O’と、ベース部材13に取り付けられたレンズ16の光軸中心Oとのずれが、シフト方向であるY方向からずれてしまうことが生じうる。
このとき、図5(a)〜(c)で示した機構のみでは、図6(a)〜(c)に示すように、A方向に回転させてレンズ15の光軸中心O’をシフト方向に移動させたとしても、シフト量ΔXの分だけ残ってしまい、中心同士を上手く一致させることが難しい。
そこで、本実施形態では、レンズ15の光軸中心のシフト方向を規制するとともに、かかるシフト方向が容易に判別しやすくなるように、シフト方向規制部材14を設けている。
【0019】
シフト方向規制部材14は、第2回転部材12とベース部材13との間に配置されて、第1回転部材11と一体に回転する円筒状の部材である。
シフト方向規制部材14は、締結状態において第1回転部材11と対向する面である第1外周部142と、第2回転部材12と当接する面である第2外周部143と、外周部142に突出する形で形成された凸部141と、を有している。
シフト方向規制部材14は、締結状態において、凸部141が溝部111と嵌り合うことで第1回転部材11と一体に回転する。
シフト方向規制部材14は、ベース部材13と、第2回転部材12とに対しては独立して回転するため、偏心した第2回転部材12と第1回転部材11とのシフトする方向を規制する偏心方向規制部材としての機能を有している。
【0020】
このようなシフト方向規制部材14を用いることで、図6(d)〜(f)で示すように、凸部141が第1回転部材11に嵌り合うため、第2回転部材12の回転の際に、レンズ15と第1回転部材11とが回転を抑制される。
言い換えれば、中心O’の移動が、XY断面において凸部141を結ぶ線(図6d〜fにおいては特にY’方向)と一致した方向へと規制される。このとき、Y’方向において第1回転部材11の互いに向かい合う平面部113の間の寸法が、第2回転部材12の外周面121aの径と等しくなることが望ましい。
【0021】
ベース部材13は、レンズ16を保持するとともに、筐体20に取り付けられて、シフト方向規制部材14と、第2回転部材12と、第1回転部材11とを保持する基材である。
ベース部材13は、第2回転部材12を筐体20に対してレンズの中心軸たるZ軸を中心に回動可能に保持する保持部として機能する。
押さえ部材17は、ベース部材13に取り付けられて、ベース部材13と、シフト方向規制部材14と、第1回転部材11と、第2回転部材12とを押さえることで締結状態に維持するストッパーである。
【0022】
かかる構成のレンズユニット200を用いて、画像を投影する方法について説明する。
光源101から出射された光束は、レンズユニット200の−Z方向側に配置された空間光変調素子102を透過することで画像情報を付与され、レンズユニット200を透過して表示面104へと出射される。
レンズユニット200が、表示面104上に正しく画像を表示するためには、表示面104との位置関係や、空間光変調素子102との位置関係を調節する必要がある。
このような調節のために、例えばバネやネジ等を用いて、所望の方向にレンズ保持部材1を押圧する方法が従来知られている。
しかしながら、このように押圧部材を用いる方法では、部品点数が増大してしまうという問題があった。またさらに、作業効率を考えるとレンズの位置調整は、レンズユニット200にレンズ保持部材1を取り付けた状態で行うのが望ましいが、かかる構成ではレンズの中心軸に直交する方向、例えばX方向やY方向からの作業が必要となり、広い作業スペースが必要となる問題もあった。
【0023】
そこで、本実施形態では、第1回転部材11と第2回転部材12とを回転させることによって、レンズ15とレンズ16との位置関係を調整可能にしている。
かかる構成の筐体20とレンズユニット200とを用いて、レンズ15とレンズ16のZ軸上の位置を調整する動作について説明する。
【0024】
まず、レンズ15とレンズ16とを取り付けた状態で、レンズ保持部材1を締結状態とする。
このとき、図7、8に示すように、−Z軸方向側から、レンズユニット200に対して挿抜可能な2つの冶具70、80を挿入する。
冶具70は、外径r70aがレンズユニット200の−Z方向の開口部の内径r200bよりも小さく、内径r70bが第1回転部材11の外径r11aよりも大きい円筒部71に、フランジ状の把持部72が一体に形成された冶具である。冶具70の、挿入方向側の先端には、第2回転部材12のフランジ部122に形成された凹部122aと係り合う突起部73を有している。
【0025】
冶具80は、冶具70と同様の形状であり、円筒部81と把持部82と、突起部83と、を備える冶具であり、外径r80aが冶具70の内径r70bよりも小さく、第1回転部材11の外径r11aよりも大きい。かかる構成により、冶具70と冶具80とを同時に挿通させることができて、位置調整作業の効率化を図ることができる。
【0026】
冶具70と冶具80とは、何れも図7、8に示すようにレンズユニット200の−Z方向側から挿入されて、突起部73が第2回転部材12のフランジ部122と当接し、突起部83が第1回転部材11と当接する。
冶具70と冶具80とを回すことで、それぞれ、第2回転部材12と第1回転部材11とを独立して回動させることができる。
【0027】
このように冶具70、冶具80を用いて第1回転部材11と第2回転部材12とをZ軸を中心に回転させると、図5、6で述べたように、第2回転部材12と第1回転部材11との間の回転角θに応じて、第1回転部材11の中心位置Oがシフト量ΔXだけ変化する。
なお、シフト量ΔXは、レンズユニット200の光学設計に合わせて適宜設定すればよい。本実施形態にはおいては、レンズユニット200の積み上げ公差を解消するためのものであり、0.1mm〜0.2mm程度のシフト量が確保されていればよいが、かかる数値に限定されるものではない。
かかる構成により、ベース部材13に保持されたレンズ16と、第1回転部材11に保持されたレンズ15との間のXY平面上の位置調整を行うことができる。
またさらに、冶具70と冶具80とを用いることで、かかる位置調整が−Z方向側から行えるので、狭小な作業用スペースであっても作業効率の低下を防ぐことができる。
本実施形態のレンズ保持部材1は、このようにレンズユニット200の最も像面側のレンズ15の位置調整に用いられることが最も好ましい。
【0028】
第2回転部材12の回転によってレンズ15がシフトする方向とシフト量ΔXとは、第2回転部材12の偏心方向によって決まっているため、単に第2回転部材12を用いるだけでは、任意の位置にレンズ15をシフトさせるのは難しい虞がある。
そこで、本実施形態では、第1回転部材11と一体に回転するシフト方向規制部材14を、第2回転部材12とベース部材13との間に配置する。
係る構成により、図6(d)〜(f)で説明したように、第2回転部材12が偏心して回転する際の、基準となる方向自体がベース部材13に対して回動するような構成としている。
【0029】
具体的には、例えば凸部141の方向が、Y軸と平行な場合には、図9に示すように、Y軸を0°として第1回転部材11と第2回転部材12との回転角θを定義する。
すなわち冶具80の位置を基準に冶具70をA方向に回した角度が、回転角θである。
かかる回転角θの大きさに応じて、シフト量ΔXが定まり、中心位置O’は、回転角θが変わると、Y軸上を動く。
図10に示すように、冶具80を用いて回転角θだけ第1回転部材11を回動させると、今度はY軸を回転角θだけ回転させたY’軸上を中心位置Oが動くこととなる。ここでいう回転角θは、第2回転部材12と凸部141との間の回転の位相角である。
かかる構成により、シフト方向を凸部141の位置を基準として回転させることができるから、シフト方向とシフト位置の調整をより簡易に行うことができる。
また、凹部122aは、かかる位相角に合わせて周期的に形成された波形状を有しており、凹部122aに合わせて冶具70を回転させることで、所定の回転の位相角を得たいときにも容易に調整することができる。
【0030】
本実施形態では、レンズ保持部材1は、レンズ15を保持し、レンズ15を中心に回転する円筒状の第1回転部材11と、第1回転部材11と独立に回転する第2回転部材12と、第2回転部材12を保持するとともに、筐体20に対してZ軸を中心に回動可能に取り付けられたベース部材13と、を有している。
また、第2回転部材12は、第1回転部材11の内周面と対向する第1の面たる外周面121aと、シフト方向規制部材14と対向する第2の面たる内周面121bと、を有し、内周面121bと外周面121aとは偏心して形成される。
かかる構成により、部品点数を抑えながらも、レンズの組み付け後の微調整を可能にする。
【0031】
また、本実施形態では、第2回転部材12は、Z軸と平行な方向から挿抜可能な冶具70と嵌り合うすなわち嵌合する嵌合部たる凹部122aを有する。
かかる構成により、作業用のスペースの確保が難しい場合にも、レンズの組み付け後の微調整を容易にする。
【0032】
また、本実施形態では、第2回転部材12とベース部材13との間に配置されて、第1回転部材11と嵌り合う凸部141を備えるシフト方向規制部材14を有する。
かかる構成により、シフト方向を自在に調整できるから、部品点数を抑えながらも、レンズの組み付け後の微調整をより精度よく可能にする。
【0033】
本実施形態では、凹部122aが周期的に形成され、かかる周期は第2回転部材12と凸部141との間の回転の位相角θに合わせて波形状に形成されている。
かかる構成により、より容易にシフト方向を調整できるから、レンズの組み付け後の微調整をより精度よく可能にする。
【0034】
本実施形態では、画像投影装置100は、レンズ保持部材1を有するレンズユニット200と、レンズユニット200へ向けて光を出射する発光源101と、を有し、レンズユニット200を透過した光を表示面104に投影する。
かかる構成により、部品点数の増大を抑制しながらも、レンズ組み付け後の微調整が容易に行うことができる。
【0035】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0036】
例えば、画像投影装置は、1つの液晶パネルでカラーの画像情報を与える1板式のカラープロジェクタとしたが、これに限らず、3板式のカラープロジェクタであっても良いし、モノクロの画像投影装置であってもよい。
【0037】
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0038】
1 レンズ保持部材
11 第1回転部材
12 第2回転部材
13 支持部(ベース部材)
14 偏心方向規制部材(シフト方向規制部材)
15、16 レンズ
17 押さえ部材
20 筐体
100 画像投影装置
141 凸部
122 嵌合部(波形状部)
122a 嵌合部(凹部)
200 レンズ鏡筒(レンズユニット)
θ 位相角
【先行技術文献】
【特許文献】
【0039】
【特許文献1】特許第5350163号公報
【特許文献2】特許第3961797号公報
【特許文献3】特開2002−196206号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10