(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
隔壁によって区画される庫室を有すると共に前記庫室内の空気を冷却する冷却装置と、前記庫室内に収容される液体飲料容器と、前記液体飲料容器内の液体飲料の有無又は残量を検知する検知装置とを備え、前記冷却装置により冷却された前記液体飲料を含む飲料を外部に供給する飲料供給装置において、
前記隔壁は、多層構造を有する箱体であって、一側部に所定の閉塞部材により閉塞される開口部を有する箱体からなり、
前記検知装置は、前記隔壁の所定部位を貫通するように設けられる第1導光体と、前記隔壁の前記第1導光体と対向する所定部位を貫通するように設けられる第2導光体と、前記第1導光体の隔壁外面側端部に取付けられ光を前記第1導光体を介して前記液体飲料容器に向けて投光する投光部と、前記第2導光体の隔壁外面側端部に取付けられ前記液体飲料容器内を透過した光を前記第2導光体を介して受光可能な受光部と、を有し、前記受光部における受光状態に基づいて前記液体飲料の有無又は残量を検知し、
前記液体飲料容器は、少なくとも前記第1導光体及び前記第2導光体に対応する部位が光を透過可能な部材からなる、飲料供給装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[飲料供給装置の基本構成]
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による飲料供給装置100の概略の構成を説明するためのブロック図であり、
図2は、飲料供給装置100の配管回路図である。
図3及び
図4はそれぞれ飲料供給装置100の外観を示しており、
図3は上面図、
図4は
図3に示す矢印A方向から視た側面図である。
本実施形態では、
図1に示すように、飲料供給装置100がコーヒーサーバー50に隣接して設けられ、コーヒーサーバー50のオプション装置として用いられている場合を一例に挙げて説明する。
【0012】
コーヒーサーバー50は、例えば、コーヒー粉末を用いてコーヒーを抽出し、抽出したコーヒーをカップCに入れて提供するものである。コーヒーサーバー50は、顧客等の要求に応じて、抽出したコーヒーに液体飲料としての液状ミルク(以下、単にミルクという)やミルクフォーム(つまり、粘稠度の比較的に低い、ミルクと空気の混合飲料)やホイップミルク(つまり、粘稠度の高い、ミルクと空気の混合飲料)を加えて、好みのコーヒーを提供可能に構成されている。
【0013】
飲料供給装置100は、ミルク又はミルクと空気の混合飲料をそれぞれ温めた状態又は冷やした状態で供給可能な装置であり、装置外殻をなす筐体1と、制御部2と、装置本体部3と、を有する。本実施形態では、飲料供給装置100は、コーヒーサーバー50に設けられるカップC内に、ミルク又は混合飲料、つまり、ミルクを含む飲料、を外部(コーヒーサーバー50)に供給するように構成されている。
【0014】
筐体1は、例えば、概ね縦長の直方体状の枠体(図示省略)とその枠体に取付けられる複数の外装カバー1a等からなる箱体である。制御部2及び装置本体部3は、筐体1内に配置されている。詳しくは、筐体1の前後方向の前端部(詳しくは、飲料供給装置100の管理者の操作面側端部)は、開口されている。この筐体1の前端部には、その開口部を開閉して閉塞可能な扉4(
図3及び
図4参照)が取付けられている。管理者はこの扉4を開くことにより、後述するミルクタンク5の交換やミルクタンク5内へのミルクの補充等の作業を行う。
【0015】
制御部2は、
図1に示すように、装置本体部3の動作を制御するものである。制御部2は、例えば、コーヒーサーバー50からの指令に基づいて、ミルク又は混合飲料をそれぞれ温めた状態又は冷やした状態で供給するように、装置本体部3の各機器(後述する、冷却装置6、加熱装置8、ポンプ9、水供給装置10、エア供給装置11、開閉弁V1及び切替弁V2等)の動作を制御する。飲料供給装置100は、制御部2に温かいミルクの供給指令S1が入力された場合は温かいミルクを供給し、制御部2に温かい混合飲料の供給指令S2が入力された場合は温かい混合飲料を供給し、制御部2に冷たいミルクの供給指令S3が入力された場合は冷たいミルクを供給し、制御部2に冷たい混合飲料の供給指令S4が入力された場合は冷たい混合飲料を供給するように、各機器の動作を制御する。そして、飲料供給装置100は、制御部2にいずれの供給指令(S1〜S4)も入力されていない場合には、待機状態となる。
【0016】
本実施形態において、装置本体部3は、
図2に示すように、ミルクタンク5と、冷却装置6と、検知装置7と、加熱装置8と、ポンプ9と、水供給装置10と、エア供給装置11とを含む。なお、
図3及び
図4では、図の簡略化のため、装置本体部3のうち加熱装置8とポンプ9とエア供給装置11については図示省略されている。
【0017】
ミルクタンク5は、液体飲料としてのミルクを貯留するタンクであり、冷却装置6(詳しくは、後述する庫室6a)内に収容され、ミルクを適宜の低温下で貯留可能に構成される。本実施形態では、ミルクタンク5は、その全体が光を透過可能な部材からなる。詳しくは、ミルクタンク5は、透明な樹脂材料からなり、射出成型により概ね直方体状に形成される。なお、本実施形態では、ミルクタンク5が本発明に係る「液体飲料容器」に相当する。
【0018】
冷却装置6は、
図2に示すように、隔壁12によって区画される庫室6aを有すると共に庫室6a内の空気を冷却するものである。冷却装置6は、ミルクタンク5を庫室6a内に収容し、庫室温度を適宜の低温設定温度に保持可能に構成されている。冷却装置6の庫室温度は、例えば、10℃未満、詳しくは、2〜3℃の範囲に保持されるように制御されている。また、冷却装置6は、
図3及び
図4に示すように、筐体1のうちの扉4の取付端部(つまり、筐体1の前端部)に寄せて配置されている。
【0019】
冷却装置6の隔壁12は、多層構造を有する箱体であって、一側部(図では前端部)に扉4により閉塞される開口部121を有する箱体からなる。詳しくは、隔壁12は、冷却装置6の外殻をなすものであり、概ね直方体状に形成されている。また、図示を省略したが、冷却装置6は、庫室6aと区画された機械室を内部に有している。この機械室には、庫室6a内を冷却するための冷却ユニット等の機器が配置されている。なお、本実施形態では、扉4が本発明に係る「所定の閉塞部材」に相当する。また、隔壁12の前記多層構造については、後に詳述する。
【0020】
検知装置7は、本実施形態では、ミルクタンク5内のミルクの有無を検知するものであり、ミルクタンク5に向けて光を投光する投光部7aと、ミルクタンク5を透過した光を受光可能な受光部7bと、図示省略した検知部とを含み、受光部7bにおける受光状態に基づいてミルクの有無を検知するように構成されている。投光部7aは、例えば、発光素子からなり、制御部2からの電力供給により発光する。受光部7bは、例えば、受光素子からなり、光の受光強度に応じた信号を前記検知部に出力する。前記検知部は、例えば、制御部2に内蔵され、受光部7bからの信号レベルが所定の閾値以下である場合(つまり受光強度が所定のレベル以下の場合)に、ミルク有りを検知し、受光部7bからの前記信号レベルが前記閾値を超えている場合(つまり受光強度が前記所定のレベルを超えた場合)に、ミルク無しを検知する。制御部2は、検知装置7の前記検知部によりミルク無しの検知結果が得られた場合、例えば、警告音や警告表示等によりミルクタンク5内にミルクが無いことを報知すると共にミルクの供給を強制的中止し、管理者へミルクタンク5の交換を促す。なお、「ミルク無し」とは、ミルクがミルクタンク5内に全く無いことだけを意味するものではなく、ミルクの残量が少なくなっていることをも含む。なお、投光部7a及び受光部7bの取付構造及び取付位置については、後に詳述する。
【0021】
加熱装置8は、ミルク又は混合飲料を温めるための装置である。加熱装置8は、
図2に示すように、ミルクタンク5と飲料吐出口13との間を接続するミルク流通路(飲料流通路)L1の途上に配置される。加熱装置8は、図示省略するが、ミルク流通路L1を流通するミルク又は混合飲料を加熱する熱源部を有している。ミルク流通路L1は、ミルクタンク5内に配置されたストレーナ14と飲料吐出口13との間を接続し、主にミルクや混合飲料を流通させる流路である。図示省略するが、加熱装置8は、前記熱源部を迂回するバイパス管を有している。加熱装置8は、流入するミルク又は混合飲料を前記バイバス管経由で加熱せずにそのまま流出させる動作と、流入するミルク又は混合飲料を前記熱源部経由で加熱して流出させる動作とを、制御部2からの信号に基づいて切替え可能に構成されている。また、排水管L2がミルク流通路L1のうちの加熱装置8と飲料吐出口13との間の流通路の所定部位(
図2では後述する切替弁V2が接続されている部位)に接続されている。そして、飲料吐出口13は、例えば、ミルクや混合飲料が吐出するノズル部であり、カップCの上方に配置される。
【0022】
ポンプ9は、主にミルクタンク5からミルクを吸引して吐出するものであり、ミルク流通路L1における加熱装置8よりミルクタンク5側の所定部位に設けられる。
【0023】
水供給装置10は、例えば、ミルクや混合飲料を供給した後にミルク流通路L1内をすすいで洗浄するための水(すすぎ水)を、水流通路L3を介して供給するための装置である。水供給装置10は、図示省略したが、水を貯留する水タンクや、制御部2からの信号に基づいて駆動するポンプや電磁駆動式の開閉弁等を備えている。水流通路L3は、一端部が水供給装置10に接続され、他端部がミルク流通路L1におけるポンプ9とストレーナ14との間の所定部位(以下、接続部Z1という)に接続される。水供給装置10は、接続部Z1を経由して水をミルク流通路L1内に供給する。
【0024】
エア供給装置11は、混合飲料の生成やミルク流通路L1内等のエアパージ等の空気を、空気流通路L4を介して供給するための装置である。このエアパージは、ミルク流通路L1等の配管内に空気を勢いよく流通させることにより、配管内の水等を吹き飛ばすことを目的として実行される。このエアパージ用に必要な空気の量(流量)は、混合飲料生成用に必要な空気の量(流量)より多いので、例えば、混合飲料の生成時において、空気の量を調整する必要がある。そのため、エア供給装置11は、ミルク流通路L1へ供給する空気の流量を調整可能に構成されている。エア供給装置11は、図示省略したが、制御部2からの信号に基づいて駆動し吐出流量可変の空気供給用ポンプや、同じく制御部2からの信号に基づいて作動する電磁駆動式の開閉弁等を備えている。空気流通路L4は、一端部がエア供給装置11に接続され、他端部が水流通路L3の所定部位(以下、接続部Z2という)に接続されている。この接続部Z2から水流通路L3内に供給された空気は、水流通路L3のうちの接続部Z2と接続部Z1との間の流路を流通し、最終的に接続部Z1を経由してミルク流通路L1内に供給される。
【0025】
本実施形態では、飲料供給装置100は、エア供給装置11を作動させて(詳しくは、更に、後述する開閉弁V1を開弁させて)ミルク流通路L1内に空気を供給すると共にポンプ9を駆動させることにより、ミルクと空気との混合飲料を生成し、この混合飲料を飲料吐出口13から吐出してカップC内に供給可能に構成されている。
【0026】
次に、ミルク流通路L1及び水流通路L3に設けられる各機器について詳述する。
【0027】
ミルク流通路L1には、ミルクタンク5側から飲料吐出口13に向かって順に、ストレーナ14、開閉弁V1、ポンプ9、加熱装置8、及び、切替弁V2が設けられている。接続部Z1は開閉弁V1とポンプ9との間に位置する。
【0028】
開閉弁V1は、ミルク流通路L1を開閉する弁であり、例えば、初期状態(電源OFF)で閉(NC)の電磁弁からなる。
【0029】
切替弁V2は、ミルク流通路L1を流通するミルク等の吐出先を飲料吐出口13と排水管L2とに選択的に切替えるための弁であり、例えば、電磁駆動式の三方弁からなる。切替弁V2は、例えば、初期状態(電源OFF)では、排水管L2側への流通を許容すると共に飲料吐出口13側への流通を阻止している。そして、切替弁V2は、通電状態(電源ON)では、排水管L2側への流通を阻止すると共に飲料吐出口13側への流通を許容するように作動する。
【0030】
水流通路L3には、逆止弁C1が設けられている。逆止弁C1は、接続部Z1と接続部Z2との間に配置され、水供給装置10から接続部Z1へ向かう流れを許容すると共に、接続部Z1から水供給装置10及びエア供給装置11へ向かう流れを阻止するものである。逆止弁C1は、水供給装置10やエア供給装置11の作動時に、速やかに開弁するようにその開放圧力が設定されている。
【0031】
次に、冷却装置6の隔壁12の前記多層構造について、
図2〜
図5を参照して説明する。
図5は、
図3に示すB−B断面位置における飲料供給装置100の部分断面図であり、詳しくは、飲料供給装置100の下部側における冷却装置6を含む部位の部分断面図である。
【0032】
本実施形態において、隔壁12は、
図5に示すように、庫室6aに露出する内面を有する内壁12aと、内壁12aの周囲を覆うように配置される断熱部材12bと、断熱部材12bの周囲を覆うように配置される外壁12cとを有する。そして、本実施形態では、断熱部材12bは、内壁12aと外壁12cとの間に充填されている。隔壁12は、前述したように、全体として概ね直方体状に形成されている。隔壁12は、内側から外側に向かって順に、内壁12a、断熱部材12b、外壁12cからなる多層構造を有する。内壁12aは、例えば、樹脂材料からなり、射出成型により概ね直方体状に形成される。外壁12cは、例えば、金属製の複数の板材の組立体からなる。外壁12cのうちの底壁12c1は、例えば、筐体1の底部を兼用している。内壁12aは、内壁12aの内面と前記組立体からなる外壁12cの内面との間に隙間が生じるように配置されている。断熱部材12bは、例えば、発泡材を内壁12aと外壁12cとの間の前記隙間に充填して発泡させることにより形成される。
【0033】
次に、検知装置7の投光部7a及び受光部7bの取付構造及び取付位置について、
図2〜
図5を参照して説明する。
【0034】
検知装置7は、投光部7aの取付用及び導光用の第1導光体7cと、受光部7bの取付用及び導光用の第2導光体7dとを更に備えている。
【0035】
第1導光体7cは、隔壁12の所定部位を貫通するように設けられる。本実施形態では、第1導光体7cは、例えば、樹脂材料からなり、一端から他端に亘って貫通する筒孔を有する筒状に形成される。投光部7aは、第1導光体7cの隔壁外面側端部(外壁12c側端部)に取付けられる。そして、投光部7aは、光を第1導光体7cを介してミルクタンク5に向けて投光する。
【0036】
第1導光体7cは、例えば、隔壁12のうちの幅方向の一端壁(
図5では左側の壁)における上下方向下部の所定高さの部位を貫通する。詳しくは、第1導光体7cは、延伸方向の一端面が内壁12aの内面と面一であり、延伸方向の他端面が外壁12cの外面と面一になるように配置されている。このように、第1導光体7cは、隔壁12の前記所定部位(つまり、前記一端壁の前記所定高さの部位)において、内壁12a、断熱部材12b、及び、外壁12cを貫通している。また、第1導光体7cの前記筒孔は、その孔径が内壁12aに向かうにしたがって小さくなるように形成されている。
【0037】
第2導光体7dは、隔壁12の第1導光体7cと対向する所定部位を貫通するように設けられる。本実施形態では、第2導光体7dは、例えば、樹脂材料からなり、一端から他端に亘って貫通する筒孔を有する筒状に形成される。受光部7bは、第2導光体7dの隔壁外面側端部(外壁12c側端部)に取付けられる。そして、受光部7bは、ミルクタンク5内を透過した光を第2導光体7dを介して受光可能に構成される。
【0038】
第2導光体7dは、例えば、隔壁12のうちの幅方向の他端壁(
図5では右側の壁)における第1導光体7cに対応する所定高さの部位を貫通する。詳しくは、第2導光体7dは、延伸方向の一端面が内壁12aの内面と面一であり、延伸方向の他端面が外壁12cの外面と面一になるように配置されている。このように、第2導光体7dは、隔壁12の前記所定部位(つまり、前記他端壁の前記所定高さの部位)において、内壁12a、断熱部材12b、及び、外壁12cを貫通している。第2導光体7dの前記筒孔は、その孔径が内壁12aに向かうにしたがって小さくなるように形成されている。
【0039】
本実施形態では、第1導光体7cは、投光部7aから投光された光をミルクタンク5側に導く第1導光部材7c1を前記筒孔内に有する。投光部7aは、光をこの第1導光部材7c1を介してミルクタンク5に向けて投光する。第1導光部材7c1は、例えば、樹脂材料からなり、第1導光体7cの筒内径に合せて内壁12aに向うにしたがって縮径した概ね切頭円錐状に形成される。第1導光部材7c1は、第1導光体7c内に挿入され、第1導光体7cの筒孔を完全に閉止している。また、第1導光部材7c1は、その内壁12a側の一端面が内壁12aの内面と面一になるように配置されている。
【0040】
本実施形態では、投光部7aは、第1導光部材7c1の隔壁外面側端部に取付けられることにより、第1導光体7cの隔壁外面側端部に設けられる。詳しくは、第1導光部材7c1の前記隔壁外面側端部には、第1突設部7c2が外壁12cの外面から外方に突出するように突設されている。第1突設部7c2には、凹状の第1凹部7c3が形成されており、投光部7aは、この第1凹部7c3内に固定されている。
【0041】
本実施形態では、第2導光体7dは、ミルクタンク5を透過した光を受光部7b側に導く第2導光部材7d1を前記筒孔内に有する。受光部7bは、ミルクタンク5内を透過した光をこの第2導光部材7d1を介して受光する。第2導光部材7d1は、例えば、樹脂材料からなり、第2導光体7dの筒内径に合せて内壁12aに向うにしたがって縮径した概ね切頭円錐状に形成される。第2導光部材7d1は、第2導光体7d内に挿入され、第2導光体7dの筒孔を完全に閉止している。また、第2導光部材7d1は、その内壁12a側の一端面が内壁12aの内面と面一になるように配置されている。
【0042】
本実施形態では、受光部7bは、第2導光部材7d1の隔壁外面側端部に取付けられることにより、第2導光体7dの隔壁外面側端部に設けられる。詳しくは、第2導光部材7d1の前記隔壁外面側端部には、第2突設部7d2が外壁12cの外面から外方に突出するように突設されている。第2突設部7d2には、凹状の第2凹部7d3が形成されており、受光部7bは、この第2凹部7d3内に固定されている。
【0043】
本実施形態では、外壁12cには、第1導光体7cの支持用の第1支持部12dと、第2導光体7dの支持用の第2支持部12eとが設けられている。
【0044】
第1支持部12dは、外壁12cにおける第1導光体7cの貫通部位に設けられ第1導光体7cの隔壁外面側端部を支持する。第1支持部12dは、詳しくは、外壁12cの前記貫通部位における内面側に固定され、第1導光体7cが嵌合する嵌合孔を有している。第1導光体7cは、例えば、隔壁内面側端部が内壁12aに溶着され、隔壁外面側端部が第1支持部12dに支持される。
【0045】
第2支持部12eは、外壁12cにおける第2導光体7dの貫通部位に設けられ第2導光体7dの隔壁外面側端部を支持する。第2支持部12eは、詳しくは、外壁12cの前記貫通部位における内面側に固定され、第2導光体7dが嵌合する嵌合孔を有している。第2導光体7dは、例えば、隔壁内面側端部が内壁12aに溶着され、隔壁外面側端部が第2支持部12eに支持される。なお、第1導光体7c及び第2導光体7dは、内壁12aの成型時に、内壁12aと一体的に射出成型等により形成されてもよい。
【0046】
[飲料供給装置の動作]
次に、本実施形態に係る飲料供給装置100の飲料吐出動作について図を参照して説明する。なお、ミルクタンク5内には、十分にミルクが貯留されており、検知装置7は、ミルク有りを検知しているものとして説明する。
【0047】
まず、制御部2は、コーヒーサーバー50から供給指令S1〜S4が入力されると、切替弁V2を作動させてミルク流通路L1の吐出先を飲料吐出口13に切替えると共に、ポンプ9を作動させる。
【0048】
そして、制御部2は、冷たいミルクを供給する指令(供給指令S3)が入力された場合には、冷却装置6により冷却された冷たいミルクを加熱装置8における前記バイパス管を経由して流通させる。これにより、装置本体部3は、ミルクタンク5から吸引した所定量の冷たいミルクを飲料吐出口13から吐出させてカップC内に供給する。
【0049】
制御部2は、冷たい混合飲料を供給する指令(供給指令S4)が入力された場合には、エア供給装置11を作動させ、冷却装置6により冷却されたミルクに空気を混合させて生成した冷たい混合飲料を加熱装置8における前記バイパス管を経由して流通させる。これにより、装置本体部3は、所定量の冷たい混合飲料をそのまま飲料吐出口13からカップC内に供給する。つまり、飲料供給装置100は、供給指令S3及び供給指令S4では、冷却装置6により冷却されたミルクを含む飲料(ミルク又はミルクと空気の混合飲料)を外部に供給する。
【0050】
制御部2は、温かいミルクを供給する指令(供給指令S1)が入力された場合には、冷却装置6により冷却された冷たいミルクを加熱装置8により加熱して飲料吐出口13に向けて流出させる。これにより、装置本体部3は、ミルクタンク5から吸引した冷たいミルクを加熱装置8により温めることにより、所定量の温かいミルクを飲料吐出口13から吐出してカップC内に供給する。
【0051】
制御部2は、温かい混合飲料を供給する指令(供給指令S2)が入力された場合には、エア供給装置11を作動させ、冷却装置6により冷却されたミルクに空気を混合させて生成した冷たい混合飲料を加熱装置8における前記バイパス管を経由して流通させる。これにより、装置本体部3は、所定量の温かい混合飲料を飲料吐出口13からカップC内に供給する。つまり、飲料供給装置100は、供給指令S1及び供給指令S2では、加熱装置8により温められたミルクを含む飲料(ミルク又はミルクと空気の混合飲料)を外部に供給する。
【0052】
本実施形態による飲料供給装置100では、冷却装置6の庫室6aは、多層構造を有すると共に一側部に扉4により閉塞される開口部121を有する箱体からなる隔壁12により区画されている。そして、検知装置7は、隔壁12の所定部位を貫通するように設けられる第1導光体7cの隔壁外面側端部に取付けられる投光部7aによって、光を第1導光体7cを介してミルクタンク5に向けて投光する。さらに、検知装置7は、隔壁12の第1導光体7cと対向する所定部位を貫通するように設けられる第2導光体7dの隔壁外面側端部に取付けられる受光部7bによって、ミルクタンク5内を透過した光を第2導光体7dを介して受光可能であり、受光部7bにおける受光状態に基づいてミルクタンク5内のミルクの有無を検知する。つまり、投光部7aは第1導光体7cを介して庫室6aを区画する前記箱体からなる隔壁12の外側から庫室6a内に向けて光を投光できると共に、受光部7bは第2導光体7dを介して前記箱体からなる隔壁12の外側でミルクタンク5内を透過した光を受光できる。このように、検知装置7において、投光部7a及び受光部7bがいずれも前記箱体からなる隔壁12の外側に配置されている。
【0053】
これにより、例えば、ミルクタンク5の交換やミルクタンク5内へのミルクの補充等の際に、庫室6a内に外気が進入したとしても、投光部7a及び受光部7bがいずれも隔壁12の外に配置されているので、投光部7a及び受光部7bへの結露水の付着が防止又は抑制される。その結果、検知装置7における検知動作不良や破損の発生が防止又は抑制される。
【0054】
このようにして、ミルクの有無を検知する検知装置7であって、冷却装置6の庫室6a内への外気進入に起因する検知動作不良や破損の発生を防止又は抑制可能な検知装置7を備えた、飲料供給装置100を提供することができる。
【0055】
また、投光部7a及び受光部7bは、隔壁12の外に配置されているので、投光部7aや受光部7bの素子として防水仕様や防滴仕様の素子を採用する必要がない。その結果、検知装置7のコストを比較的低コストに抑えることができる。
【0056】
さらに、投光部7a及び受光部7bは、ミルクやミルクタンク5に接触することなく、ミルクの有無を検知することができる。このように、投光部7a及び受光部7bはミルクタンク5から物理的に分離されているので、検知装置7は衛生面において優れている。さらに、管理者等におけるミルクタンク5の交換やミルクタンク5内へのミルクの補充時に、投光部7a及び受光部7bの脱着や付替えを要しないので、ミルクタンク5の交換やミルクの補充等の作業の効率を向上させることができる。
【0057】
また、本実施形態では、第1導光体7cの前記筒孔内に第1導光部材7c1が設けられ、第2導光体7dの前記筒孔内に第2導光部材7d1が設けられている。これにより、投光部7aから投光された光が効率的にミルクタンク5側に導かれ、受光部7bにおける受光効率が向上する。また、第1導光体7cの前記筒孔を第1導光部材7c1により閉止すると共に、第2導光体7dの前記筒孔を第2導光部材7d1により閉止することができるため、第1導光体7cの前記筒孔及び第2導光体7dの前記筒孔を介した庫室6a内冷気の放出を防止することができる。その結果、第1導光体7cの隔壁外面側端部に取付けられた投光部7aや第2導光体7dの隔壁外面側端部に取付けられた受光部7bが、冷気により冷却されることを防止することができ、ひいては、投光部7a及び受光部7bへの結露水の付着を確実に防止することができる。
【0058】
詳しくは、第1導光部材7c1は第1導光体7cの筒内径に合せて内壁12aに向うにしたがって縮径するように形成され、第2導光部材7d1は第2導光体7dの筒内径に合せて内壁12aに向うにしたがって縮径するように形成されている。これにより、第1導光体7cの筒孔及び第2導光体7dの筒孔を密閉性よく閉止することができ、冷気の放出をより確実に防止することができる。
【0059】
本実施形態では、投光部7aは、第1導光部材7c1の隔壁外面側端部に取付けられることにより、第1導光体7cの隔壁外面側端部に設けられ、受光部7bは、第2導光部材7d1の隔壁外面側端部に取付けられることにより、第2導光体7dの隔壁外面側端部に設けられる。つまり、投光部7aの取付部が第1導光部材7c1に一体的に形成され、受光部7bの取付部が第2導光部材7d1に一体的に形成されている。これにより、例えば、第1導光体7cの隔壁外面側端部及び第2導光体7dの隔壁外面側端部自体については、簡素な形状を採用することができる。その結果、第1導光体7c及び第2導光体7dの固定方法の自由度を向上させることができると共に、第1導光体7cや第2導光体7dを容易に内壁12aと一体的に形成することができる。
【0060】
本実施形態では、隔壁12は、内壁12aと断熱部材12bと外壁12cとを有した多層構造で形成されている。そして、第1導光体7c及び第2導光体7dは、それぞれ、内壁12a、断熱部材12b、及び、外壁12cを貫通している。つまり、投光部7a及び受光部7bはそれぞれ外壁12cの外に配置され、庫室6aと投光部7aとの間と、庫室6aと受光部7bとの間に、それぞれ、断熱部材12b及び外壁12cが配置されることになる。そのため、投光部7a及び受光部7bが冷却されることをより確実に防止することができ、ひいては、投光部7a及び受光部7bへの結露水の付着をより確実に防止することができる。また、第1導光体7c、第2導光体7d、第1導光部材7c1及び第2導光部材7d1は、いずれも樹脂材料からなるものとした。したがって、これらの部材(7c、7d、7c1、7d1)は、断熱部材としても機能し、投光部7a及び受光部7bが冷却されることをさらに確実に防止する。
【0061】
本実施形態では、外壁12cにおける第1導光体7cの貫通部位に設けられ第1導光体7cの隔壁外面側端部を支持する第1支持部12dと、外壁12cにおける第2導光体7dの貫通部位に設けられ第2導光体7dの隔壁外面側端部を支持する第2支持部12eを更に備えている。これにより、例えば、第1導光体7c及び第2導光体7dを予め内壁12aに溶着させ又は内壁12aと一体的に形成させた状態で、内壁12aを、第1支持部12d及び第2支持部12eを利用して、外壁12cと所定の隙間を保持して、容易に位置決め固定することができる。この状態で、例えば、発泡材を内壁12aと外壁12cとの間の前記隙間に充填して発泡させることにより、断熱部材12bを形成することができる。その結果、内壁12aと外壁12cとの間に断熱部材12bを容易に形成することができる。また、断熱部材12bを第1導光体7c及び第2導光体7dの周囲に密閉性よく付着させることもできるため、第1導光体7c及び第2導光体7dが断熱部材12bを貫通する構造に起因する断熱性の低下を確実に防止することができる。
【0062】
本実施形態では、第1導光体7c、第2導光体7d、第1導光部材7c1、及び、第2導光部材7d1の内壁12a側の一端面は、それぞれ、内壁12aの内面と面一になるように設けられている。このため、庫室6aを清掃する際の作業性を向上させることができる。
【0063】
なお、本実施形態では、第1支持部12d及び第2支持部12eを設けた場合を一例に挙げて説明したが、これらを設けなくてもよい。この場合、例えば、第1導光体7cの隔壁外面側端部を外壁12cに形成する貫通孔に嵌合させ、第2導光体7dの隔壁外面側端部を外壁12cに形成する貫通孔に嵌合させることにより、内壁12aを外壁12c内で位置決め固定することができる。この場合においても、第1導光体7c及び第2導光体7dが断熱部材12bを貫通する構造に起因する断熱性の低下を確実に防止することができる。
【0064】
また、本実施形態では、第1導光体7cは筒状に形成されその筒孔内に第1導光部材7c1を有し、第2導光体7dは筒状に形成されその筒孔内に第2導光部材7d1を有する構成とした。つまり、第1導光体7c及び第2導光体7dは、それぞれ、筒体と導光部材とを有する構成としたが、これに限らない。例えば、第1導光体7c及び第2導光体7dは、
図6に示すように、それぞれ隔壁内面側端部が閉塞された有底筒状に形成されてもよいし、
図7に示すように、それぞれ中実柱状に形成されてもよい。
【0065】
図6に示すように、第1導光体7c及び第2導光体7dが前記有底筒状に形成される場合(変形例1)は、第1導光体7c及び第2導光体7dは、少なくともその筒底部位が光を透過可能な部材により形成されていればよい。また、
図7に示すように、第1導光体7c及び第2導光体7dが中実柱状に形成される場合(変形例2)は、第1導光体7c及び第2導光体7dは、例えば、光を透過可能な部材により全体として円柱状に形成される。上記変形例1及び変形例2において、例えば、第1突設部7c2は第1導光体7cの前記隔壁外面側端部に固定され、第2突設部7d2は第2導光体7dの前記隔壁外面側端部に固定される。この変形例1及び2においも、投光部7aからの光をミルクタンク5側に導くことができると共にミルクタンク5を透過した光を受光部7bに導くことができ、且つ、庫室6aからの冷気の放出を確実に防止し、ひいては、投光部7a及び受光部7bへの結露水の付着を確実に防止することができる。
【0066】
また、本実施形態では、隔壁12は内壁12aと断熱部材12bと外壁12cを有し、第1導光体7c及び第2導光体7dはそれぞれ内壁12aと断熱部材12bと外壁12cを貫通する構成としたが、これに限らない。例えば、断熱部材12bの周囲に外壁12cを配置しなくても十分な断熱性能が得られる場合等には、隔壁12は単に内壁12aと断熱部材12bとを有し、第1導光体7c及び第2導光体7dはそれぞれ内壁12a及び断熱部材12bを貫通する構成であってもよい。この場合、断熱部材12bは例えば予め板状に形成され、複数の板状の断熱部材12bを内壁12aの周囲を覆うように配置すればよい。これにより、外壁12cが不要になった分、冷却装置6のコストを比較的低コストに抑えることができると共に冷却装置6の軽量化を図ることができる。また、投光部7a及び受光部7bはそれぞれ断熱部材12bの外に配置され、庫室6aと投光部7aとの間と、庫室6aと受光部7bとの間に、それぞれ、断熱部材12bが配置されることになる。そのため、投光部7a及び受光部7bが冷却されることを確実に防止することができ、ひいては、投光部7a及び受光部7bへの結露水の付着を確実に防止することができる。また、この場合に、第1導光体7c及び第2導光体7dは、断熱部材12bに接着又は嵌着等により直接的に装着してもよい。さらに、断熱部材12bの外面に、凹部を設けこの凹部に投光部7a及び受光部7bを収容して固定してもよい。これにより、投光部7a及び受光部7bを保護することができると共に、冷却装置6の外面となる断熱部材12bの外面から突出することなく投光部7a及び受光部7bを設けることができる。
このように、隔壁12は少なくとも庫室6aに露出する内面を有する内壁12aと、内壁12aの周囲を覆うように配置される断熱部材12bとを有し、第1導光体7c及び第2導光体7dはそれぞれ内壁12a及び断熱部材12bを貫通していればよい。
【0067】
また、本実施形態では、内壁12aは、樹脂材料からなり、射出成型により形成されるものとしたが、これに限らない。内壁12aは、例えば、所定の材質(アルミニウムや樹脂等)からなるフィルム、箔、薄板等が板状の断熱部材12bの表面(庫室6a側の面、つまり、内面)に貼りつけられることにより形成されてもよい。つまり、内壁12aの厚みは特に限定されるものではなく、内壁12aは断熱部材12bの内面に防水、防湿機能を有した薄い層状に形成されてもよい。断熱部材12bの厚みや外壁12cの厚みも特に限定されるものではなく、内壁12aと同様に薄い層状に形成されてもよい。つまり、隔壁12は、多層構造を有する箱体であって、一側部に扉4や蓋等の所定の閉塞部材により閉塞される開口部121を有する箱体からなるものであればよい。
【0068】
本実施形態では、ミルクタンク5は、その全体が光を透過可能な部材からなるものとしたが、これに限らず、少なくとも第1導光体7c及び第2導光体7dに対応する部位が光を透過可能な部材からなるものであればよい。
【0069】
本実施形態では、隔壁12の開口部121、及び、筐体1の前記開口部は、隔壁12及び筐体1の前端部に開口されるものとしたが、開口方向は特に限定されるものではなく、隔壁12の開口部121、及び、筐体1の前記開口部は、例えば、隔壁12及び筐体1の上端部や後端部等の所定方向の端部に形成されてもよい。そして、例えば、開口部121が上端部に形成される場合は、その開口部121は、扉4に限らず、蓋等の所定の閉塞部材により閉塞されるように構成される。
【0070】
本実施形態では、検知装置7は、単に、ミルクタンク5内のミルクの有無を検知するものとしたが、これに限らず、ミルクタンク5内のミルクの残量を検知可能に構成してもよい。この場合、例えば、投光部7a及び受光部7bをそれぞれ上下方向に離間してアレイ状に配列させ、各高さ位置における受光部7bにおける受光状態に基づいて、ミルクの残量を検出するように構成すればよい。
【0071】
本実施形態では、飲料供給装置100は、温かい飲料(ミルク又は混合飲料)と冷たい飲料(ミルク又は混合飲料)を供給可能に構成したが、これに限らず、冷たい飲料のみを供給してもよい。また、本実施形態では、ミルク又は混合飲料を選択的に供給可能に構成したが、これに限らず、ミルクのみを供給してもよいし、混合飲料のみを供給してもよい。なお、温かい飲料を供給しない場合は、加熱装置8は不要であり、混合飲料を供給しない場合は、エア供給装置11は不要である。また、ミルク流通路L1内をすすぐ必要がない場合は、水供給装置10は不要である。
【0072】
本実施形態では、飲料供給装置100は、ミルク又は混合飲料を選択的に供給可能であるものとしたが、これに限らず、一の供給指令に対し、ミルクと混合飲料とを連続して供給してもよいし、ミルクだけを供給してもよいし、混合飲料だけを供給してもよい。また、飲料供給装置100は、ミルクに限らず適宜の液体飲料を供給してもよいし、ミルクと空気の混合飲料に限らず、適宜の液体飲料と空気の混合飲料を供給してもよい。つまり、飲料供給装置100は、冷却装置6により冷却された液体飲料を含む飲料を外部に供給すればよい。また、飲料供給装置100は、コーヒーサーバー50に隣接して設けられるものとしたが、これに限らず、その全体又は一部がコーヒーサーバー50内に組込まれてもよい。さらに、飲料供給装置100は、コーヒーサーバー50のオプション装置として用いられるものとしたが、これに限らず、適宜の飲料の供給装置のオプション装置として用いることができるし、単独で飲料を供給する装置としても用いることもできる。
【0073】
以上、本発明の好ましい実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上記各実施形態及び変形例に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。