【課題を解決するための手段】
【0014】
そのため、本発明の主題は、
- 組成物の総質量に対して少なくとも30質量%の1種又は複数のアニオン性界面活性剤と、
- 組成物の総質量に対して少なくとも5質量%の1種又は複数の両性界面活性剤と、
- 組成物の総質量に対して少なくとも10質量%の1種又は複数のフィラーと
を含む、粒子形態の固体無水化粧用組成物である。
【0015】
本発明の別の主題は、流動化空気床上での造粒によって前記固体無水化粧用組成物を調製する方法であって、
- 少なくとも1種の溶媒を含む液体相を、
- 前記固体相の総質量に対して少なくとも50%の、アニオン性及び両性界面活性剤並びにこれらの混合物から選択される1種又は複数の界面活性剤を含む固体相上に
噴霧する、方法である。
【0016】
本発明の別の主題は、流動化空気床上での造粒の前記方法によって得ることができる、粒子形態の固体無水化粧用組成物である。
【0017】
本発明の別の主題は、ケラチン物質、特に毛髪、頭皮、体の皮膚及び/又は顔の皮膚の美容処置、特にケア及び/又は清浄の方法である、上に定義した固体無水化粧用組成物を前記ケラチン物質に適用する工程と、続いて任意選択で、任意選択のリーブオン時間(leave-on time)の後に、濯ぐ工程とを含む、方法である。
【0018】
本発明による固体無水組成物は、非増粘性である、完全に通常ではないテクスチャを有し、取ること、取り扱うこと及び適用することが単純であり、該組成物は、掴みやすく、メータアウトして適用することがきわめて容易である。
【0019】
該組成物は、容易に崩壊して皮膚と速やかに接触し、良好な滞留力及び十分な量を有する泡を速やかに得ることを可能にし、これは、例えばシャンプータイプの、通常の清浄用組成物で得られる泡に完全に匹敵する。
【0020】
固体無水組成物はまた、毛髪上に残渣を残すことなく濯ぎ落とすことが容易であり、一方で同時に該組成物が除去された後にケラチン繊維に自然で清浄な感覚を付与する。
【0021】
本発明による固体無水組成物は、1回供与量の形態で詰めることができ、これは、例えば旅行する又はスポーツの活動を行う又はランブリングする文脈においてとりわけ有利である(荷物が軽い、バッグの中で製品が漏れるリスクが限定的である、廃棄物を減少できる)。
【0022】
その上、皮膚及び毛髪等のケラチン物質を洗浄するための、本質的に界面活性剤に基づく、シャンプー又はシャワージェル等の洗浄性の化粧用組成物を使用することは常法である。これらの組成物は、一般に、好ましくは濡れている、ケラチン物質に適用され、手又は洗面用の布でマッサージする又はこすることによって発生する泡が、水で濯いだ後に、毛髪又は皮膚上に初期に存在した多様なタイプの汚れを除去することを可能にする。
【0023】
これらの組成物は、ケラチン繊維上で、特に毛髪上で、主として洗浄作用を有し、第2にコンディショニング作用を有する。
【0024】
その上、例えば、コンディショナータイプの、ケア組成物が存在し、これは、より広範囲に亘るコンディショニング作用を有するが洗浄作用をもたない。
【0025】
更に、「ロープー」又は「ノープー」と呼ばれるハイブリッド製品の部類が市場に存在し、これは、通常のシャンプーによるよりも顕著なコンディショニングをもたらし、一方で同時に、先行してシャンプーすることなしにそれらを使用することを可能にするわずかな洗浄性作用を有することを可能にする。
【0026】
現状からすると、これらの製品の、洗浄する/洗浄性の力と、処置する/コンディショニングする力との間のバランスは、それらの配合によって、即ちそれらが含有している成分及びその量によって課される。消費者は、これらの効果を1つの使用から別の使用へと調節したいと望む場合、異なるレベルの洗浄性及び/又はコンディショニングを有する幾つかの製品を所有することになる。更に、同一の家族内で多様なタイプの毛髪の人が存在するとき、ここでもまた、毛髪のタイプごとに好適な製品を所有することが必要となり、そのため複数の製品が購入されるという事例もある。
【0027】
したがって、例えば消費者の期待に従って及び/又は前記消費者の毛髪のタイプに従って、組成物の洗浄性とコンディショニング作用とを調節することを可能にする手段があれば望ましいであろう。
【0028】
本発明の目的のうちの1つは、ユーザによって調節されうるレベルのものである1つの作用で、洗浄作用とコンディショニング作用とを得ることを可能にするこうした手段を提供することである。
【0029】
したがって、本発明の対象はまた、ケラチン物質、特に毛髪の美容処置の方法であって、
- 上に定義した固体無水化粧用組成物と、
- 具体的にはカチオン性界面活性剤、カチオン性及び/又は両性ポリマー、シリコーン、液体脂肪物質、固体脂肪物質、並びにこれらの混合物から選択される1種又は複数のコンディショニング剤を含むコンディショニング組成物と
を、前記ケラチン繊維に順次又は同時に適用する工程を含む、方法である。
【0030】
本発明の別の主題は、
- 上に定義した固体無水化粧用組成物と、
- 特にカチオン性界面活性剤、カチオン性及び/又は両性ポリマー、シリコーン、液体脂肪物質、固体脂肪物質、並びにこれらの混合物から選択される1種又は複数のコンディショニング剤を含むコンディショニング組成物と
を含むキットである。
【0031】
本発明では、最終化粧用組成物を調製する上で使用される固体無水組成物と液体コンディショニング組成物との相対的な量を調節することによって、得られる洗浄性のレベル及びコンディショニングのレベルを、オンデマンドで調節することが可能であることが留意されてきた。
【0032】
本明細書では、用語「最終組成物」は、例えば混合が、適用中にケラチン物質上で直接実施されようと、適用する前に容器中で又は手の中で実施されようと、前記固体無水組成物と前記コンディショニング組成物とを混合することによって得られる組成物を意味するものと意図される。
【0033】
本発明はまた、新しいガレヌス製剤の形態である及び/若しくは新しい方法で適用されることが可能である並びに/又は適用直前に自身が直接調製できる組成物を常々絶えず必要としている消費者に、使用者が使用直前及び/若しくは使用中に自身で化粧用組成物を調製できるようにする、キット及び関連する美容処置方法を消費者に提供する。
【0034】
最終組成物を調製すること又は得ることは容易であり、具体的には、固体組成物をコンディショニング組成物へ単純に加えることによって、ケラチン物質への適用後に固体組成物が崩壊して、触って快適であり頭部の毛髪に適用しやすいクリーム状のテクスチャをもたらす最終組成物を得ることが可能であり、このクリーム状の最終組成物は、毛髪上に良好に分布し、更には容易に且つ速やかに濯ぎ落とされる。
【0035】
最終組成物で得られた泡は、良好な品質のものであり、つまり、その量は、最終混合物中の固体組成物の相対的な量に応じて多様であるが、いずれにしても泡は良好な滞留力を有し、クリーム状である。
【0036】
濯いだ後、毛髪は軽く、清浄であり、柔らかい。洗浄性のレベル及び軽さのレベルは、コンディショニング組成物又はケア組成物を単独で使用する場合よりも良好である。
【0037】
本明細書では、「少なくとも1つ」という表現は、「1つ又は複数の」という表現と等しく、前記表現と置き換えることができ、「の間」という表現は、「の範囲」という表現と等しく、前記表現と置き換えることができ、両端値が含まれることを示唆している。
【0038】
固体無水組成物
したがって、本発明による固体無水組成物は、固体形態であり、特に細粒又は粒状物質等の粒子の形態、或いは粉末の形態である。
【0039】
好ましくは、本発明による粒子は、多様な形状とサイズの、一緒に凝集した固体粒子から形成された、小さく分割された物体である。それらは、形状において、規則的であってもよく不規則的であってもよい。それらは、具体的には、球形の形状、正方形の形状、長方形の形状、又は棒のような細長い形状であってもよい。
【0040】
特に、本発明による組成物は、多様な形状、一般には規則的な形状、好ましくは球形の形状、なおも更により良好には、良好に較正された(単一の)球形の形状を有することができる、小さく分割された物体の形態である。
【0041】
球状の粒子が、きわめて特に好ましい。
【0042】
粒子のサイズは、その最大直径において、0.01から5mmの間、好ましくは0.1から2.5mmの間、なおもより良好には0.5から2mmの間とすることができる。
【0043】
この提示される固体形態は、組成物の、より容易な取り扱い、更には容易な貯蔵を可能にする。
【0044】
本発明による組成物は、無水であり、即ちそれは水を含まず(0%)、又はそれが水を含む場合、水の含有量は、組成物の総質量に対して、5質量%以下、特に2質量%以下、又は更に1質量%以下、なおも更により良好には0.5質量%以下である。
【0045】
アニオン性界面活性剤
したがって、本発明による固体無水組成物は、1種又は複数のアニオン性界面活性剤を含む。したがって、それは、「洗浄性の又は洗浄する」組成物である。
【0046】
用語「アニオン性界面活性剤」は、イオン性基又はイオン化が可能な基としてアニオン性基のみを含む界面活性剤を意味するものと意図される。
【0047】
本明細書では、種は、本発明の組成物を使用し且つカチオン性の電荷を一切含まないという条件下で(例えば媒体又はpH)それが少なくとも1つの永久負電荷を保持しているとき、又はそれが負に電荷された種としてイオン化されうるとき、「アニオン性」であると称される。
【0048】
アニオン性界面活性剤は、スルフェートの、スルホネートの、及び/又はカルボン酸の(又はカルボキシレートの)界面活性剤とすることができる。言うまでもなく、これらの界面活性剤の混合物を使用することができる。
【0049】
本明細書では、
- カルボキシレートのアニオン性界面活性剤が、少なくとも1つのカルボン酸又はカルボキシレート官能基(-COOH又は-COO
-)を含み、更に任意選択で1つ又は複数のスルフェートの及び又はスルホネート官能基を含んでもよいこと
- スルホネートのアニオン性界面活性剤が、少なくとも1つのスルホネート官能基(-SO
3H又は-SO
3-)を含み、更に任意選択で1つ又は複数のスルフェート官能基を含んでもよいがカルボンキシレート官能基を一切含まないこと
- スルフェートのアニオン性界面活性剤が、少なくとも1つのスルフェート官能基を含むがカルボキシレート又はスルホネート官能基を一切含まないこと
が理解される。
【0050】
そのため、使用されてもよいカルボン酸アニオン性界面活性剤は、少なくとも1つのカルボン酸又はカルボキシレート官能基(-COOH又は-COO
-)を含む。
【0051】
それらは、
アシルグリシネート、アシルアクリレート、アシルサルコシネート、アシルグルタメート;アルキル-D-ガラクトシドウロン酸、アルキルエーテルカルボン酸、アルキル(C
6〜C
30アリール)エーテルカルボン酸、アルキルアミドエーテルカルボン酸;更にはこれらの化合物の塩;
6〜30個の炭素原子、特に12〜28個、なおもより良好には14〜24個、又は更に16〜22個の炭素原子を含むこれらの化合物のアルキル基及び/又はアシル基;アリール基は、好ましくはフェニル基又はベンジル基を示す
から選択することができ、
これらの化合物は、おそらくはポリオキシアルキレン化、特にポリオキシエチレン化されており、そうであれば好ましくは1〜50個のエチレンオキシド単位、なおもより良好には2〜10個のエチレンオキシド単位を含む。
【0052】
更に使用してもよいのは、ポリグリコシド-ポリカルボン酸のC
6〜C
24アルキルモノエステル、例えばC
6〜C
24アルキルポリグリコシド-クエン酸エステル、C
6〜C
24アルキルポリグリコシド-酒石酸エステル及びC
6〜C
24アルキルポリグリコシド-スルホコハク酸エステル、並びにこれらの塩である。
【0053】
上記のカルボン酸界面活性剤の中で最も特に挙げることができるのは、ポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸及びその塩であり、具体的には2〜50のアルキレンオキシド、特にエチレンオキシド基を含むもの、例えば花王株式会社により名称Akypoで販売されている化合物である。
【0054】
使用されてもよいポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸は、好ましくは式(1):
R
1-(OC
2H
4)
n-OCH
2COOA (1)
[式中、
- R
1は、直鎖状又は分枝状のC
6〜C
24アルキル基又はアルケニル基、(C
8〜C
9)アルキルフェニル基、又はR
2CONH-CH
2-CH
2-基(式中、R
2は、直鎖状又は分枝状のC
9〜C
21アルキル基又はアルケニル基を示す)を表し;
好ましくは、R
1は、C
8〜C
20、好ましくはC
8〜C
18アルキル基であり、アリールは、好ましくはフェニルを示し、
- nは、2〜24、好ましくは2〜10の範囲の整数又は10進数(平均値)であり、
- Aは、H、アンモニウム、Na、K、Li、Mg又はモノエタノールアミン若しくはトリエタノールアミン残基を示す]
のものから選択される。
【0055】
式(1)の化合物の混合物、特に異なるR
1基を含有する化合物の混合物を使用することもまた可能である。
【0056】
特に好ましいポリオキシアルキレン化アルキル(アミド)エーテルカルボン酸は、式(1):
(式中、
- R
1は、C
12〜C
14アルキル、ココイル、オレイル、ノニフェニル又はオクチルフェニルの各基を示し、
- Aは、水素原子又はナトリウム原子を示し、
- nは、2〜20、好ましくは2〜10で変わる)
のものである。
【0057】
更により優先的には、使用するのは、式(I)(式中、Rは、C
12アルキル基を示し、Aは、水素原子又はナトリウム原子を示し、nは、2〜10の範囲である)の化合物である。
【0058】
優先的には、カルボン酸アニオン性界面活性剤は、特にアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩又はアミノアルコール塩の形態である、単独で又は混合物としての、
- アシルグルタメート、特にC
6〜C
24、又は更にC
12〜C
20のもの、例えばステアロイルグルタメート、具体的にはステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、
- アシルサルコシネート、特にC
6〜C
24、又は更にC
12〜C
20のもの、例えばパルミトイルサルコシネート、具体的にはパルミトイルサルコシン酸ナトリウム、
- アシルラクチレート、特にC
12〜C
28、又は更にC
14〜C
24のもの、例えばベヘノイルラクチレート、具体的にはベヘノイル乳酸ナトリウム、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アシルグリシネート、
- (C
6〜C
24)アルキルエーテルカルボキシレート、特に(C
12〜C
20)アルキルエーテルカルボキシレート、
- ポリオキシアルキレン化(C
6〜C
24)アルキル(アミド)エーテルカルボン酸、具体的には2〜50個のエチレンオキシド基を含むもの
から選択される。
【0059】
使用されうるスルホネートのアニオン性界面活性剤は、少なくとも1つのスルホネート官能基(-SO
3H又は-SO
3-)を含む。
【0060】
該界面活性剤は、化合物、アルキルスルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、α-オレフィンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルアミドスルホスクシネート、アルキルスルホアセテート、N-アシルタウレート、アシルイセチオネート;アルキルスルホラウレート;更にはこれらの化合物の塩から選択することができ、
これらの化合物のアルキル基は、6〜30個の炭素原子、特に12〜28個、なおもより良好には14〜24個、又は更には16〜22個の炭素原子を含み;アリール基は、好ましくはフェニル基又はベンジル基を示し、
これらの化合物は、おそらくはポリオキシアルキレン化、具体的にはポリオキシエチレン化されており、そうであれば好ましくは1〜50個のエチレンオキシド単位、なおもより良好には2〜10個のエチレンオキシド単位を含む。
【0061】
優先的には、スルホン酸エステルのアニオン性界面活性剤は、特にアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩はアミノアルコール塩の形態である、単独で又は混合物としての、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アルキルスルホスクシネート、具体的にはラウリルスルホスクシネート、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アクリルエーテルスルホスクシネート、
- (C
6〜C
24)アシルイセチオネート、好ましくは(C
12〜C
18)アシルイセチオネート
から選択される。
【0062】
使用されてもよいスルフェートのアニオン性界面活性剤は、少なくとも1つのスルフェート官能基(-OSO
3 H又は-OSO
3-)を含む。
【0063】
該界面活性剤は、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルアミドエーテルスルフェート、アルキルアリールポリエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート;更にはこれらの化合物の塩から選択することができ、
これらの化合物のアルキル基は、6〜30個の炭素原子、特に12〜28個、なおもより良好には14〜24個、又は更に16〜22個の炭素原子を含み;アリール基は、好ましくはフェニル基又はベンジル基を示し、
これらの化合物は、おそらくはポリオキシアルキレン化、具体的にはポリオキシエチレン化されており、そうであれば好ましくは1〜50個のエチレンオキシド単位、なおもより良好には2〜10個のエチレンオキシド単位を含む。
【0064】
優先的には、スルフェートのアニオン性界面活性剤は、特にアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩はアミノアルコール塩の形態である、単独で又は混合物としての、
- C
6〜C
24、又は更にC
12〜C
20硫酸アルキル、
- アルキルエーテルスルフェート、具体的にはC
6〜C
24、又は更にC
12〜C
20のもの、好ましくは2〜20個のエチレンオキシド単位を含むもの
から選択される。
【0065】
アニオン性界面活性剤が塩の形態であるとき、前記塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩若しくはカリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、具体的にはアミノアルコール塩、及びアルカリ土類金属塩、例えばマグネシウム塩から選択することができる。
【0066】
挙げることができるアミノアルコール塩の例には、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩及びトリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩又はトリイソプロパノールアミン塩、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール塩及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩がある。
【0067】
アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、具体的にはナトリウム塩又はマグネシウム塩が、好ましくは使用される。
【0068】
優先的には、アニオン性界面活性剤は、特にアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩又はアミノアルコール塩の形態である、単独で又は混合物としての、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20硫酸アルキル、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アルキルエーテルスルフェート、好ましくは2〜20個のエチレンオキシド単位を含むもの、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アルキルスルホスクシネート、具体的にはラウリルスルホスクシネート、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アクリルエーテルスルホスクシネート、
- (C
6〜C
24)アシルイセチオネート、好ましくは(C
12〜C
18)アシルイセチオネート、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アシルサルコシネート、具体的にはパルミトイルサルコシネート、
- (C
6〜C
24)アルキルエーテルカルボキシレート、好ましくは(C
12〜C
20)アルキルエーテルカルボキシレート、
- ポリオキシアルキレン化(C
6〜C
24)アルキル(アミド)エーテルカルボン酸及びその塩、具体的には2〜50のアルキレンオキシド基、特にエチレンオキシド基を含むもの、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アシルグルタメート、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アシルグリシネート
から選択される。
【0069】
前記アニオン性界面活性剤は、本発明による固体無水組成物中に、組成物の総質量に対して30質量%以上の量で存在し、特に30質量%〜90質量%、なおもより良好には35質量%〜75質量%、なおも更により良好には40質量%〜60質量%の量で存在する。
【0070】
両性界面活性剤
本発明による固体無水組成物はまた、1種又は複数の両性界面活性剤も含む。
【0071】
本発明中で使用されてもよい両性界面活性剤は、任意選択で四級化されている第二級又は第三級脂肪族アミン誘導体であってもよく、ここで、脂肪族基は、8〜22個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖であり、前記アミン誘導体は、少なくとも1つのアニオン性基、例としてはカルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスフェート又はホスホネートの各基を含有する。
【0072】
特に挙げることができるのは、(C
8〜C
20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C
8〜C
20)アルキルスルホベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
1〜C
6)アルキルベタイン、例えばコカミドプロピルベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
1〜C
6)アルキルスルホベタイン、及びこれらの混合物である。
【0073】
使用されてもよい、任意選択で四級化されている第二級又は第三級脂肪族アミン誘導体の中で更に挙げることができるのは、それぞれの構造式(A1)及び(A2):
(A1) R
a-CON(Z)CH
2-(CH
2)
m-N
+(R
b)(R
c)(CH
2COO
-)
(式中、
R
aは、好ましくは加水分解ココナツ油中に存在する酸R
a-COOHから誘導されたC
10〜C
30アルキル基若しくはアルケニル基、又はヘプチル、ノニル若しくはウンデシルの各基を表し、
R
bは、β-ヒドロキシエチル基を表し、
R
cは、カルボキシメチル基を表し、
mは、0、1又は2に等しく、
Zは、水素原子、又はヒドロキシエチル基若しくはカルボキシメチル基を表す)
(A2) R
a'-CON(Z)CH
2-(CH
2)
m'-N(B)(B')
[式中、
Bは、-CH
2CH
2OX'(式中、X'は、-CH
2-COOH、CH
2-COOZ'、-CH
2CH
2-COOH、-CH
2CH
2-COOZ'、又は水素原子を表す)を表し、
B'は、-(CH
2)
z-Y'(式中、z=1又は2であり、Y'は、-COOH、-COOZ'、-CH
2-CHOH-SO
3H又は-CH
2-CHOH-SO
3Z'を表す)を表し、
m'は、0、1又は2に等しく、
Zは、水素原子、又はヒドロキシエチル基若しくはカルボキシメチル基を表し、
Z'は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、例えばナトリウム、カリウム又はマグネシウムから得られるイオン;アンモニウムイオン;又は有機アミンから、特にアミノアルコール、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン又はトリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンから得られるイオンを表し、
Ra'は、加水分解された亜麻仁油又はココナツ油中に好ましくは存在する酸R
a'COOHのC
10〜C
30アルキル基又はアルケニル基、アルキル基、特にC
17アルキル基、及びそのイソ型、又は不飽和のC
17基を表す]
を有する製品である。
【0074】
式(A2)に相当する化合物がとりわけ好ましい。
【0075】
式(A2)(式中、X'は、水素原子を表す)の化合物の中で挙げることができるのは、CTFA名で、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、カプロアンホ酢酸ナトリウム及びカプリロアンホ酢酸ナトリウムで知られる化合物である。
【0076】
式(A2)の他の化合物は、CTFA名で、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、カプロアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、カプリロアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホ二プロピオン酸及びココアンホジプロピオン酸で知られる。
【0077】
式(A2)の化合物の例として挙げることができるのは、Rhodia社により商品名Miranol(登録商標)C2M Concentrateで販売されているココアンホジアセテート、商品名Miranol Ultra C 32で販売されているココアンホ酢酸ナトリウム、及びChimex社により商品名Chimexane HAで販売されている製品である。
【0078】
更に使用してもよいのは、式(A3):
(A3) R
a''-NH-CH(Y'')-(CH
2)n-C(O)-NH-(CH
2)n'-N(R
d)(R
e)
[式中、
- R
a''は、酸R
a''-C(O)OHから誘導されるC
10〜C
30アルキル基又はアルケニル基を表し、
これは、好ましくは加水分解された亜麻仁油又はココナツ油中に存在し、
- Y''は、-C(O)OH、-C(O)OZ''、-CH
2-CH(OH)-SO
3Hの各基、又は-CH
2-CH(OH)-SO
3-Z''基(式中、Z''は、ナトリウム等のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属から得られるカチオン、アンモニウムイオン、又は有機アミンから得られるイオンを表す)を表し、
- R
d及びR
eは、互いに独立して、C
1〜C
4アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、且つ
- n及びn'は、互いに独立して、1〜3の範囲の整数を示す]
の化合物である。
【0079】
式(A3)の化合物の中で特に挙げることができるのは、CTFA辞典で名称ココアスパルタミドジエチルアミノプロピルナトリウムで分類されている化合物で、特にChimex社により名称Chimexane HBで販売されている製品である。
【0080】
好ましくは、両性界面活性剤は、(C
8〜C
20)アルキルベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
1〜C
6)アルキルベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアンホアセテート、及び(C
8〜C
20)アルキルアンホジアセテート、並びにこれらの混合物から選択される。
【0081】
前記両性界面活性剤は、本発明による固体無水組成物中に、組成物の総質量に対して5質量%以上の量で存在し、特に5質量%〜50質量%、なおもより良好には7質量%〜30質量%、なおも更により良好には10質量%〜20質量%の範囲の量で存在する。
【0082】
フィラー
本発明による固体無水組成物はまた、1種又は複数のフィラーも含む。
【0083】
本発明の解釈上、用語「フィラー」は、ケラチン物質上で直接の美容作用をもたない、無機又は有機の、重合性又は非重合性の固体粒子を意味するものと意図される。
本発明によるフィラーは、特に水の存在下で、本発明の固体組成物の溶解化又は崩壊に寄与する。
【0084】
無機フィラーは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の固体塩、特にナトリウム塩又はカルシウム塩、具体的にはハロゲン化ナトリウム又はハロゲン化カルシウム、例えば塩化ナトリウム及び塩化カルシウム、或いはカーボネート(炭酸塩)、特に炭酸ナトリウム又は炭酸カルシウム、例としては炭酸カルシウム及び重炭酸ナトリウムから選択することができ、更に挙げることができるのは、シリケート、例えばクレイである。
【0085】
非重合性有機フィラーは、単糖類、例としてはトレハロース及びソルビトールから選択することができる。
【0086】
重合性有機フィラーは、多糖類から選択することができる。特に挙げることができるのは、シクロデキストリン、デンプン、アルギネート、ゲラン(ジェランともいう)、グアーガム、セルロース及び木粉である。重合性有機フィラーの中で更に挙げることができるのは、架橋されたポリビニルピロリドン及びポリアクリレート(例えばAquakeep)である。
【0087】
好ましくは、本発明によるフィラーは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の固体塩、特にナトリウム塩又はカルシウム塩、具体的にはハロゲン化ナトリウム又はハロゲン化カルシウム、例えば塩化ナトリウム及び塩化カルシウム、シクロデキストリン、デンプン、クレイ、及びこれらの混合物から選択される、
【0088】
フィラーは、本発明による固体無水組成物中に、組成物の総質量に対して10質量%以上の量で存在し、特に10質量%〜50質量%、なおもより良好には12質量%〜40質量%、なおも更により良好には15質量%〜30質量%の範囲の量で存在する。
【0089】
両性又はカチオン性ポリマー
本発明による固体無水組成物はまた、両性又はカチオン性ポリマー、更にはこれらの混合物から選択される1種又は複数のポリマーも含むことができる。
【0090】
用語「カチオン性ポリマー」は、カチオン性基、及び/又はカチオン性基へとイオン化することができる基を含む任意のポリマーを意味するものと意図される。好ましくは、カチオン性ポリマーは、親水性又は両親媒性である。好ましいカチオン性ポリマーは、ポリマー主鎖の一部を形成することができるか、又はそれに直接結合している側鎖置換基によって保持されうる、第一級、第二級、第三級及び/又は第四級アミン基を含む単位を含有しているものから選択される。
【0091】
使用されてもよいカチオン性ポリマーは、好ましくは、質量平均分子量(Mw)が、500からおよそ5×10
6の間、好ましくは10
3からおよそ3×10
6の間のものである。
【0092】
カチオン性ポリマーの中でより特に挙げることができるのは、以下である:
(1)アクリル若しくはメタクリルエステル又はアミドから誘導され、次式:
【0093】
【化1】
【0094】
(式中、
- R
3は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はCH
3基を示し、
- Aは、同一であっても異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子、好ましくは2個若しくは3個の炭素原子の、直鎖状又は分枝状の二価アルキル基、又は1〜4個の炭素原子のヒドロキシアルキル基を表し、
- R
4、R
5及びR
6は、同一であっても異なっていてもよく、1〜18個の炭素原子を含有するアルキル基、又はベンジル基、好ましくは1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、
- R
1及びR
2は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又は1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基、好ましくはメチル又はエチルを表し、
- X
-は、無機酸若しくは有機酸から誘導されるアニオン、例えばメト硫酸イオンのアニオン、又は塩化物イオン若しくは臭化物イオン等のハロゲン化物イオンを示す)
のうちの少なくとも1つの単位を含むホモポリマー又はコポリマー
【0095】
ファミリー(1)のコポリマーはまた、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、低級(C
1〜C
4)アルキルで窒素上に置換されているアクリルアミド及びメタクリルアミド、アクリル酸若しくはメタクリル酸又はそれらのエステル、ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタム等のビニルラクタム、並びにビニルエステルのファミリーから選択することができるコモノマーから誘導される、1個又は複数の単位も含有することができる。
【0096】
ファミリー(1)のこれらのコポリマーの中で挙げることができるのは、以下である:
- アクリルアミドと、硫酸ジメチルで又はハロゲン化ジメチルで四級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルとのコポリマー、例えばHercules社により名称Hercoflocで販売されている製品、
- アクリルアミドと、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー、例えばCiba Geigy社により名称Bina Quat P100で販売されているもの、
- アクリルアミドと、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトスルフェートとのコポリマー、例えばHercules社により名称Retenで販売されている製品、
- 四級化又は非四級化ビニルピロリドン/アクリル酸又はメタクリル酸ジアルキルアミノアルキルコポリマー、例えばISP社により名称Gafquatで販売されている製品、例としてはGafquat 734若しくはGafquat 755、或いはCopolymer 845、958及び937として知られている製品。これらのポリマーは、仏国特許第2077143号及び第2393573号に詳説されている、
- メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドンターポリマー、例えばISP社により名称Gaffix VC 713で販売されている製品
- ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルジメチルアミンコポリマー、例えばISP社により名称Styleze CC 10で販売されているもの、
- 四級化ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー、例えばISP社により名称Gafquat HS 100で販売されている製品、
- メタクリロイルオキシ(C
1〜C
4)アルキルトリ(C
1〜C
4)アルキルアンモニウム塩の、好ましくは架橋されたポリマー、例えば塩化メチルにより四級化されているジメチルアミノエチルメタクリレートの単独重合によって、又はアクリルアミドと、塩化メチルで四級化されているメタクリル酸ジメチルアミノエチルとの共重合によって得られるポリマーであり、この単独重合又は共重合に続いて、オレフィン性不飽和化合物、より詳細にはメチレンビスアクリルアミドとの架橋が行われる。より特に使用されてもよいのは、50質量%の前記コポリマーを鉱油中に含む分散体の形態の架橋アクリルアミド/メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(質量比で20/80)である。この分散体は、Ciba社により名称Salcare(登録商標)SC 92で販売されている。更に使用されてもよいのは、鉱物油中又は液体エステル中におよそ50質量%のホモポリマーを含むメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの架橋ホモポリマーである。これらの分散体は、Ciba社により名称Salcare(登録商標)SC 95及びSalcare(登録商標)SC 96で販売されている。
【0097】
(2)カチオン性多糖類、特にカチオン性セルロース及びカチオン性ガラクトマンナンガム。カチオン性多糖類の中でより特に挙げることができるのは、第四級アンモニウム基を含むセルロースエーテル誘導体、カチオン性セルロースコポリマー、又は水溶性の第四級アンモニウムモノマーでグラフトされているセルロース誘導体、及びカチオン性ガラクトマンナンガムである。
【0098】
第四級アンモニウム基を含むセルロースエーテル誘導体は、詳細には仏国特許第1492597号に記載されており、挙げることができるのは、Amerchol社により名称Ucare Polymer JR(JR 400 LT、JR 125及びJR 30M)又はLR(LR 400及びLR 30M)で販売されているポリマーである。これらのポリマーはまた、CTFA辞典において、トリメチルアンモニウム基で置換されたエポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの第四級アンモニウムとして定義されている。
【0099】
カチオン性セルロースコポリマー、又は水溶性の第四級アンモニウムモノマーでグラフトされているセルロース誘導体は、詳細には米国特許第4131576号に記載されており、挙げることができるのは、ヒドロキシアルキルセルロース、例としては特にメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム塩、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩又はジメチルジアリルアンモニウム塩でグラフトされている、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースである。この定義に相当する市販製品は、より具体的には、National Starch社により名称Celquat L 200及びCelquat H 100で販売されている製品である。
【0100】
カチオン性ガラクトマンナンガムは、米国特許第3589578号及び第4031307号において、より詳細に記載されており、挙げることができるのは、カチオン性トリアルキルアンモニウム基を含むグアーガムである。使用されるのは、例えば、2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウム塩(例えば塩化物)で修飾されているグアーガムである。こうした製品は、特にRhodia社により名称Jaguar C13 S、Jaguar C 15、Jaguar C 17又はJaguar C162で販売されている。
【0101】
(3)ピペラジニル単位、及び酸素、硫黄若しくは窒素原子、又は芳香族環若しくは複素環式環で任意選択で中断されている、直鎖又は分枝鎖を含有する、二価アルキレン基又はヒドロキシアルキレン基から形成されるポリマー、更にはこれらのポリマーの酸化及び/又は四級化生成物
【0102】
(4)具体的には酸性化合物をポリアミンと重縮合させることによって調製された水溶性のポリアミノアミドで、これらのポリアミノアミドは、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物、不飽和の二無水物、ビス不飽和誘導体、ビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、ビスハロゲン化アルキルと架橋させ、或いはビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、ビスハロゲン化アルキル、エピハロヒドリン、ジエポキシド若しくはビス不飽和誘導体と反応性である二官能性化合物を反応させて得られるオリゴマーと架橋させることができ;その架橋剤は、ポリアミノアミドのアミン基1つ当たり0.025〜0.35モルの範囲の割合で使用され;これらのポリアミノアミドは、アルキル化されていることが可能であり、又はそれらが1つ若しくは複数の第三級アミン官能基を含有する場合は四級化されていてもよい。
【0103】
(5)ポリアルキレンポリアミンをポリカルボン酸と縮合させ、続いて二官能性作用剤でアルキル化させることによって得られるポリアミノアミド誘導体。挙げることができるのは、例えば、アルキル基が1〜4個の炭素原子を含み、好ましくはメチル、エチル又はプロピルを示すアジピン酸/ジアルキルアミノヒドロキシアルキルジアルキレントリアミンポリマー。これらの誘導体の中でより特に挙げることができるのは、Sandoz社により名称Cartaretine F、F4又はF8で販売されているアジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピル/ジエチレントリアミンポリマーである。
【0104】
(6)2つの第一級アミン基及び少なくとも1つの第二級アミン基を含むポリアルキレンポリアミンと、二グリコール酸、及び3〜8個の炭素原子を含有する飽和脂肪族二カルボン酸から選択される二カルボン酸との反応により得られるポリマー;ポリアルキレンポリアミンと二カルボン酸とのモル比は、好ましくは0.8:1から1.4:1の間であり;得られたポリアミノアミドは、エピクロロヒドリンの、ポリアミノアミドの二級アミン基に対するモル比が好ましくは0.5:1から1.8:1の間で、エピクロロヒドリンと反応させる。このタイプのポリマーは、特にHercules Inc.社により名称Hercosett 57で販売されており、或いはアジピン酸/エポキシプロピル/ジエチレントリアミンコポリマーの事例においてHercules社により名称PD 170又はDelsette 101で販売されている。
【0105】
(7)アルキルジアリルアミン又はジアルキルジアリルアンモニウムのシクロポリマー、例えば式(I)又は(II):
【0106】
【化2】
【0107】
(式中、
- k及びtは、0又は1に等しく、和k+tは1に等しく、
- R
12は、水素原子又はメチル基を示し、
- R
10及びR
11は、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基、そこでアルキル基が1〜5個の炭素原子を含有しているヒドロキシアルキル基、C
1〜C
4アミドアルキル基を示し;或いはR
10及びR
11は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジニル又はモルホリニル等の複素環基を示してもよく;R
10及びR
11は、互いに独立して、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を好ましくは示し、
- Y
-は、臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、重硫酸イオン、重亜硫酸イオン、硫酸イオン又はリン酸イオン等のアニオンである)
に相当する単位を鎖の主要構成体として含有しているホモポリマー又はコポリマー
【0108】
より特に挙げることができるのは、例えばNalco社により名称Merquat 100で販売されている、ジメチルジアリルアンモニウム塩(例えば塩化物イオン)ホモポリマー(及び質量平均分子量が低いその類似体)、並びに特に名称Merquat 550又はMerquat 7SPRで販売されている、ジアリルジメチルアンモニウム塩(例えば塩化物)とアクリルアミドとのコポリマーである。
【0109】
(8)式:
【0110】
【化3】
【0111】
[式中、
- R
13、R
14、R
15及びR
16は、同一であっても異なっていてもよく、1〜20個の炭素原子を含む、脂肪族、脂環式若しくはアリール脂肪族基、又は低級ヒドロキシアルキル脂肪族基を表し、或いはR
13、R
14、R
15及びR
16は、一緒に若しくは別々に、それらに結合している窒素原子と一緒になって、窒素以外の第2のヘテロ原子を任意選択で含む複素環を構成し、或いはR
13、R
14、R
15及びR
16は、ニトリル、エステル、アシル若しくはアミドの各基又はCO-O-R
17-D基若しくは-CO-O-R
17-D基(式中、R
17は、アルキレンであり、Dは、第四級アンモニウム基である)で置換されている直鎖状又は分枝状C
1〜C
6アルキル基を表し;
- A
1及びB
1は、2〜20個の炭素原子を含む二価ポリメチレン基を表し、これは、直鎖状であっても分枝状であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、これは、主鎖中に結合された若しくは挿入された1つ若しくは複数の芳香族環、又は1個若しくは複数の酸素原子若しくは硫黄原子、又はスルホキシド、スルホン、ジスルフィド、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、第四級アンモニウム、ウレイド、アミド若しくはエステルの各基を含有することができ、
- X
-は、無機酸又は有機酸から誘導されるアニオンを示し、
A
1、R
13及びR
15が、それらが結合している2個の窒素原子と一緒になって、ピペラジン環を形成することができると理解され、
加えて、A
1が直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基を示す場合、B
1もまた、(CH
2)
n-CO-D-OC-(CH
2)
n-基
{式中、Dは、
a)式-O-Z-O-(式中、Zは、直鎖状又は分枝状の炭化水素性基を示す)のグリコール残基、又は次式:-(CH
2-CH
2-O)
x-CH
2-CH
2-及び[CH
2-CH(CH
3)-O]
y-CH
2-CH(CH
3)-(式中、x及びyは、規定された独自の重合度を表す1〜4の整数、又は平均重合度を表す1〜4の任意の数を示す)のうちの1つに相当する基を表すグリコール残基、
b)ビス-二級ジアミン残基、例えばピペラジン誘導体、
c)式:-NH-Y-NH-(式中、Yは、直鎖状又は分枝状の炭化水素系基、或いは二価の基-CH
2-CH
2-S-S-CH
2-CH
2-を示す)のビス-第一級ジアミン残基、
d)式:-NH-CO-NH-のウレイレン基
を示す}
を示す]
の繰り返し単位を含む第四級二アンモニウムポリマー
【0112】
好ましくは、X
-は、塩化物イオン又は臭化物イオン等のアニオンである。これらのポリマーは、数平均分子量(Mn)が、一般に、1000から100,000の間である。
【0113】
より特に挙げることができるのは、式:
【0114】
【化4】
【0115】
(式中、
R
1、R
2、R
3及びR
4は、同一であっても異なっていてもよく、およそ1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、
n及びpは、およそ2〜20の範囲の整数であり、
X
-は、無機酸又は有機酸から誘導されるアニオンである)
に相当する繰り返し単位からなるポリマーである。
【0116】
式(IV)の特に好ましい化合物は、R
1、R
2、R
3及びR
4がメチル基を表し、n=3、p=6及びX=Clである化合物であり、これは、INCI(CTFA)命名法に従ってヘキサジメスリンクロリドとして知られる。
【0117】
(9)式(V):
【0118】
【化5】
【0119】
[式中、
- R
18、R
19、R
20及びR
21は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又はメチル、エチル、プロピル、β-ヒドロキシエチル、β-ヒドロキシプロピル若しくは-CH
2CH
2(OCH
2CH
2)
pOH(式中、pは、0に等しく、又は1から6の間の整数に等しい)の各基を表し、但し条件としてR
18、R
19、R
20及びR
21が同時に水素原子を表すことはなく、
- r及びsは、同一であっても異なっていてもよく、1から6の間の整数であり、
- qは、0に等しく、又は1から34の間の整数に等しく、
- X
-は、ハロゲン化物イオン等のアニオンを示し、
- Aは、ジハロゲン化物の基を示し、又は好ましくは-CH
2-CH
2-O-CH
2-CH
2-を表す]
の単位を含む、ポリ四級アンモニウムポリマー
【0120】
挙げることができる例には、Miranol社により販売されている製品Mirapol(登録商標)A 15、Mirapol(登録商標)AD1、Mirapol(登録商標)AZ1及びMirapol(登録商標)175がある。
【0121】
(10)ビニルピロリドン及びビニルイミダゾールの第四級ポリマー、例としてはBASF社により名称Luviquat(登録商標)FC905、FC550及びFC370で販売されている製品
【0122】
(11)CTFA辞典において名称ポリエチレングリコール(15)牛脂ポリアミンと称される、Cognis社により販売されているPolyquart(登録商標)H等のポリアミン
【0123】
(12)その構造中に、
(a)以下の式(A):
【0124】
【化6】
【0125】
に相当する1個又は複数の単位
(b)任意選択で以下の式(B):
【0126】
【化7】
【0127】
に相当する1個又は複数の単位
を含む、ポリマー
【0128】
換言すると、これらのポリマーは、ビニルアミンから誘導される1個又は複数の単位、及び任意選択でビニルホルムアミドから誘導される1個又は複数の単位を含むホモポリマー又はコポリマーから特に選択することができる。
【0129】
好ましくは、これらのカチオン性ポリマーは、それらの構造中に、5mol%〜100mol%の式(A)に相当する単位と0〜95mol%の式(B)に相当する単位とを含むポリマー、優先的には10mol%〜100mol%の式(A)に相当する単位と0〜90mol%の式(B)に相当する単位とを含むポリマーから選択される。
【0130】
これらのポリマーは、例えばポリビニルホルムアミドの部分加水分解によって得ることができる。この加水分解は、酸性又は塩基性の媒体中で実施することができる。
【0131】
光散乱法により測定される前記ポリマーの質量平均分子量は、1,000〜3,000,000g/mol、好ましくは10,000〜1,000,000g/mol、より特定すると100,000〜500,000g/molの範囲とすることができる。
【0132】
これらのポリマーのカチオン性電荷密度は、2〜20meq/g、好ましくは2.5〜15meq/g、より特定すると3.5〜10meq/gの範囲とすることができる。
【0133】
式(A)の単位及び任意選択で式(B)の単位を含むポリマーは、特にBASF社によりLupaminの名称で販売されており、例えば、非限定的に、名称Lupamin 9095、Lupamin 5095、Lupamin 1095、Lupamin 9030(又はLuviquat 9030)及びLupamin 9010で提供されている製品である。
【0134】
好ましくは、カチオン性ポリマーは、上で挙げたファミリー(1)、(2)、(7)及び(10)のポリマーから選択される。
【0135】
上で挙げたカチオン性ポリマーの中で好ましく使用されてもよいものは、カチオン性多糖類、特にカチオン性セルロース及びカチオン性ガラクトマンナンガム、具体的には第四級セルロースエーテル誘導体、例えばAmerchol社により名称JR 400で販売されている製品、カチオン性シクロポリマー、特にNalco社により名称Merquat 100、Merquat 550及びMerquat Sで販売されている、ジメチルジアリルアンモニウム塩(例えば塩化物)ホモポリマー又はコポリマー、及び質量平均分子量が低いその類似体、ビニルピロリドンの及びビニルイミダゾールの第四級ポリマー、メタクリロイルオキシ(C
1〜C
4)アルキルトリ(C
1〜C
4)アルキルアンモニウム塩の、任意選択で架橋されているホモポリマー又はコポリマー、並びにこれらの混合物である。
【0136】
(i)(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される1個又は複数の単位と、
(ii)(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーから誘導される1個又は複数の単位と、
(iii)(メタ)アクリル酸タイプの酸性モノマーから誘導される1個又は複数の単位と
の繰り返しを含む両性ポリマーから好ましくは選択することができる両性ポリマーを使用することもまた可能である。
【0137】
好ましくは、(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される単位(i)は、以下の構造(Ia):
【0138】
【化8】
【0139】
(式中、
R
1は、H又はCH
3を示し、
R
2は、アミノ、ジメチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ドデシルアミノ又は-NH-CH
2OHの各基から選択される)
の単位である。
【0140】
好ましくは、前記両性ポリマーは、式(Ia)の1個のみの単位の繰り返しを含む。
【0141】
式(I)[式中、R
1は、Hを示し、R
2は、アミノ基(NH
2)である]の(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される単位が、特に好ましい。それは、それ自体、アクリルアミドモノマーに相当する。
【0142】
好ましくは、(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーから誘導される単位(ii)は、以下の構造(IIa):
【0143】
【化9】
【0144】
[式中、
- R
3は、H又はCH
3を示し、
- R
4は、(CH
2)
k基(式中、kは、1〜6、好ましくは2〜4の範囲の整数である)を示し、
- R
5、R
6及びR
7は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を示し、
- Y
-は、臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、重硫酸イオン、重亜硫酸イオン、硫酸イオン又はリン酸イオン等のアニオンである]
の単位である。
【0145】
好ましくは、前記両性ポリマーは、式(IIa)の1個のみの単位の繰り返しを含む。
【0146】
式(IIa)の(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーから誘導されるこれらの単位の中で、好ましいものは、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドモノマーから誘導されるものであり、そこで、R
3は、メチル基を示し、kは、3に等しく、R
5、R
6及びR
7は、メチル基を示し、Y
- は、塩化物イオンのアニオンを示す。
【0147】
好ましくは、(メタ)アクリル酸タイプのモノマーから誘導される単位(iii)は、式(IIIa):
【0148】
【化10】
【0149】
[式中、
R
8は、H又はCH
3を示し、
R
9は、ヒドロキシル基又は-NH-C(CH
3)
2-CH
2-SO
3H基を示す]
の単位である。
【0150】
式(IIIa)の好ましい単位は、アクリル酸、メタクリル酸及び2-アクリルアミノ-2-メチルプロパンスルホン酸モノマーに相当する。
【0151】
好ましくは、式(IIIa)の(メタ)アクリル酸タイプのモノマーから誘導される単位は、アクリル酸から誘導されるものであり、ここで、R
8は、水素原子を示し、R
9は、ヒドロキシル基を示す。
【0152】
(メタ)アクリル酸タイプの酸性モノマーは、中和されていなくてもよく、又は有機又は無機塩基で部分的に又は完全に中和されていてもよい。
【0153】
好ましくは、前記両性ポリマーは、式(IIIa)の1個のみの単位の繰り返しを含む。
【0154】
本発明の好ましい一実施形態によれば、このタイプの両性ポリマーは、少なくとも30mol%の、(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される単位(i)を含む。好ましくは、それらは、30mol%〜70mol%の、より好ましくは40mol%〜60mol%の、(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される単位を含む。
【0155】
(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーから誘導される単位(ii)の含有量は、有利には10mol%〜60mol%、優先的には20mol%〜55mol%とすることができる。
【0156】
(メタ)アクリル酸タイプタイプの酸性モノマーから誘導される単位(iii)の含有量は、有利には1mol%〜20mol%、優先的には5mol%〜15mol%とすることができる。
【0157】
本発明の特に好ましい一実施形態によれば、このタイプの両性ポリマーは、
- 30mol%〜70mol%の、より好ましくは40mol%〜60mol%の、(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される単位(i)と、
- 10mol%〜60mol%の、優先的には20mol%〜55mol%の、(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーから誘導される単位(ii)と、
- 1mol%〜20mol%の、優先的には5mol%〜15mol%の、(メタ)アクリル酸タイプのモノマーから誘導される単位(iii)と
を含む。
【0158】
このタイプの両性ポリマーはまた、上に記載した、(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される単位、(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーから誘導される単位、及び(メタ)アクリル酸タイプのモノマーから誘導される単位以外に、追加の単位も含んでもよい。
【0159】
しかしながら、本発明の好ましい一実施形態によれば、前記両性ポリマーは、(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される単位(i)、(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーから誘導される単位(ii)、及び(メタ)アクリル酸タイプのモノマーから誘導される単位(iii)のうちの1種のみから構成される。
【0160】
特に好ましい両性ポリマーの例として挙げることができるのは、アクリルアミド/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸ターポリマーである。こうしたポリマーは、CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary、第10版、2004に、名称ポリクオタニウム53で挙げられている。相当する製品は、具体的には、Nalco社により名称Merquat 2003及びMerquat 2003 PRで販売されている。
【0161】
使用されてもよい両性ポリマーの別のタイプとして更に挙げることができるのは、(メタ)アクリル酸、及びジアルキルジアリルアンモニウム塩、並びに任意選択でアクリルアミド又はその誘導体のうちの1種をベースとするコポリマー、例えば(メタ)アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマーである。挙げることができる例は、Nalco社により販売されているMerquat 280である。
【0162】
本発明による固体無水組成物は、前記カチオン性及び/又は両性ポリマーを、組成物の総質量に対して、0.01質量%から10質量%の間、特に0.1質量%〜5質量%、優先的には0.2質量%〜3質量%の範囲の量で含むことができる。
【0163】
シリコーン
本発明による固体無水化粧用組成物はまた、固体であっても液体であってもよく、揮発性であっても不揮発性であってもよく、アミノであっても非アミノであってもよい、1種又は複数のシリコーンを含むことができる。
【0164】
使用されてもよいシリコーンは、本発明による組成物中で可溶性であっても不溶性であってもよく、それらは、油、ワックス、樹脂又はガムの形態であってもよく、不揮発性アミノシリコーン油又は非アミノシリコーン油が好ましい。
【0165】
使用されうるシリコーンの中で挙げることができるのは、単独で又は混合物としての、ポリジアルキルシロキサン、具体的にはポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリジアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、シリコーンガム及び樹脂、更にはそれらの構造中に、一般に炭化水素系基を介して結合している1つ又は複数の有機官能基を含むポリシロキサンであり且つ好ましくはアリール基、アミン基、アルコキシ基及びポリオキシエチレン基又はポリオキシプロピレン基から選択されるオルガノポリシロキサン(又は有機変性ポリシロキサン、或いは有機変性シリコーン)である。
【0166】
有機変性シリコーンは、ポリジアリールシロキサン、特にポリジフェニルシロキサン、及び先に挙げた有機官能基で官能基化されているポリアルキルアリールシロキサンとすることができる。ポリアルキルアリールシロキサンは、特に、直鎖状及び/又は分枝状のポリジメチル/メチルフェニルシロキサン、及びポリジメチル/ジフェニルシロキサンから選択される。
【0167】
有機変性シリコーンの中で挙げることができるのは、
- 任意選択でC
6〜C
24アルキル基を含むポリエチレンオキシ基及び/又はポリプロピレンオキシ基、例えばジメチコンコポリオールであり、特にDow Corning社により名称DC 1248で販売されているもの、又はUnion Carbide社により販売されている油Silwet(登録商標)L 722、L 7500、L 77及びL 711、又は特にDow Corning社により名称Q2 5200で販売されている(C
12)アルキルメチコンコポリオール、
- 置換されている又は非置換のアミン基、特にC
1〜C
4アミノアルキル基;挙げることができるのは、Genesee社により名称GP4 Silicone Fluid及びGP7100で、又はDow Corning社により名称Q2-8220及びDC929又はDC939で販売されている製品、
- チオール基、例えばGenesee社から名称GP 72 A及びGP 71で販売されている製品、
- アルコキシル化基、例えばSWS Silicones社により名称Silicone Copolymer F-755で、並びにGoldschmidt社によりAbil Wax(登録商標)2428、2434及び2440で販売されている製品、
- ヒドロキシル化基、例としてはヒドロキシアルキル官能基を保持しているポリオルガノシロキサン、
- アシルオキシアルキル基、例えば米国特許第A-4957732号に記載されているポリオルガノシロキサン、
- カルボン酸タイプのアニオン性基、例えばEP186507に記載されているもの、又はアルキルカルボン酸タイプのアニオン性基、例えば信越化学工業株式会社からの製品X-22-3701E、或いは2-ヒドロキシアルキルスルホネートタイプの、又は2-ヒドロキシアルキルチオスルフェートタイプのアニオン性基、例えばGoldschmidt社により名称Abil(登録商標)S201及びAbil(登録商標)S255で販売されている製品、
- ヒドロキシアシルアミノ基、例えば特許出願EP342834に記載されているポリオルガノシロキサンであり、挙げることができるのは、例えばDow Corning社からの製品Q2-8413である
を含むポリオルガノシロキサンである。
【0168】
シリコーンはまた、ポリジアルキルシロキサンから選択されてもよく、その中で主に挙げることができるのは、トリメチルシリル末端基を保持しているポリジメチルシロキサンである。これらのポリジアルキルシロキサンの中で挙げることができるのは、以下の市販製品である:
- Rhodia社により販売されている、Silbione(登録商標)油の47及び70 047シリーズ又はMirasil(登録商標)油、例えば油70 047 V 500 000、
- Rhodia社により販売されているMirasil(登録商標)シリーズの油、
- Dow Corning社からの200シリーズの油、例えば粘度が60,000mm
2/秒であるDC200、
- General Electric社からのViscasil(登録商標)油、及びGeneral Electric社からのSFシリーズの特定の油(SF 96、SF 18)。
【0169】
更に挙げることができるのは、名称ジメチコノール(CTFA)で知られる、ジメチルシラノール末端基を有するポリジメチルシロキサン、例えばRhodia社からの48シリーズの油である。
【0170】
このポリジアルキルシロキサンの部類において更に挙げることができるのは、Goldschmidt社により名称Abil Wax(登録商標)9800及び9801で販売されている製品であり、これらは、ポリ(C
1〜C
20)ジアルキルシロキサンである。
【0171】
本発明に従ってより特に使用されうる製品は、
- ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン又はジメチコノール(CTFA)から形成された混合物、並びにシクロメチコン(CTFA)としても知られる環式ポリジメチルシロキサンから形成された混合物、例えばDow Corning社により販売されている製品Q2-1401
等の混合物である。
【0172】
ポリアルキルアリールシロキサンは、特に粘度が25℃で1×10
-5〜5×10
-2m
2/秒の範囲である、直鎖状及び/又は分枝状のポリジメチル/メチルフェニルシロキサン、並びにポリジメチル/ジフェニルシロキサンから選択される。
【0173】
これらのポリアルキルアリールシロキサンの中で挙げることができる例には、
- Rhodia社からのSilbione(登録商標)油の70 641シリーズ、
- Rhodia社からのRhodorsil(登録商標)70 633及び763シリーズの油、
- Dow Corning社からの油Dow Corning 556 Cosmetic Grade Fluid、
- Bayer社からのPKシリーズのシリコーン、例えば製品PK20、
- Bayer社からのPN及びPHシリーズのシリコーン、例えば製品PN1000及びPH1000、
- General Electric社からのSFシリーズの特定の油、例えばSF 1023、SF 1154、SF 1250及びSF 1265
の名称で販売されている製品がある。
【0174】
好ましくは、本発明による組成物は、1種又は複数のアミノシリコーンを含む。用語「アミノシリコーン」は、少なくとも1つの第一級、第二級若しくは第三級アミン基、又は第四級アンモニウム基を含む任意のシリコーンを示す。
【0175】
これらのアミノシリコーンの質量平均分子量は、ポリスチレン等量として、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって、室温(25℃)にて測定することができる。使用されるカラムは、μスチラゲルカラムである。溶出剤はTHFであり、流速は1ml/分である。0.5質量%のTHF中シリコーン溶液200μlを注入する。検出は、屈折率測定及びUV測定によって実施する。
【0176】
本発明の文脈において使用されてもよいアミノシリコーンとして挙げることができるのは、以下である:
a)式(A):
【0177】
【化11】
【0178】
(式中、
x'及びy'は、質量平均分子量(Mw)がおよそ5,000から500,000の間であるような整数である)
に相当するポリシロキサン、
b)式(B):
R'
aG
3-a-Si(OSiG
2)
n-(OSiG
bR'
2-b)
m-O-SiG
3-a-R'
a (B)
[式中、
- Gは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はフェニル、OH又はC
1〜C
8アルキル基、例えばメチル、又はC
1〜C
8アルコキシ、例えばメトキシを示し、
- aは、同一であっても異なっていてもよく、0、又は1〜3の整数、特に3を示し、
- bは、0又は1、特に1を示し、
- m及びnは、和(n+m)が、1〜2000、特に50〜150の範囲であるような数であり、nが、0〜1999、特に49〜149の数を示すこと、mが、1〜2000、特に1〜10の数を示すことが可能であり、
- R'は、同一であっても異なっていてもよく、式-CqH2qL
{式中、qは、2〜8の範囲の数であり、
Lは、以下の基:
-N(R'')
2 、-N
+(R'')
3 A-、-NR"-Q-N(R'')
2及び-NR"-Q-N
+(R'')
3A-
(式中、
R''は、同一であっても異なっていてもよく、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和の一価の炭化水素系基、例えばC
1〜C
20アルキル基を示し、
Qは、直鎖状又は分枝状のC
rH
2r基を示し、
rは、2〜6、好ましくは2〜4の範囲の整数であり、
A
-は、化粧料として受容されるアニオン、特にフッ素イオン、塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオンを表す)
から選択される任意選択で四級化されたアミノ基である}
の一価の基を示す]
に相当するアミノシリコーン
【0179】
式(B)に相当するアミノシリコーンの第1の群は、式(C):
【0180】
【化12】
【0181】
[式中、
m及びnは、和(n+m)が、1〜2000、特に5〜150の範囲であるような数であり、nが、0〜1999、特に49〜149の数を示すこと、mが、1〜2000、特に1〜10の数を示すことが可能である]
に相当する「トリメチルシリルアモジメチコン」として知られるシリコーンで表される。
【0182】
式(B)に相当するアミノシリコーンの第2の群は、下式(D):
【0183】
【化13】
【0184】
[式中、
- m及びnは、和(n+m)が、1〜1000、特に50〜250、より特定すると100〜200の範囲であるような数であり、nが、0〜999、特に49〜249、より特定すると125〜175の数を示すこと、mが、1〜1000、特に1〜10、より特定すると1〜5の数を示すことが可能であり、
- R
1、R
2及びR
3は、同一であっても異なっていてもよく、ヒドロキシル又はC
1〜C
4アルコキシ基を表し、R
1〜R
3基のうちの少なくとも1つは、アルコキシ基を示す]
のシリコーンで表される。
【0185】
好ましくは、アルコキシ基は、メトキシ基である。
【0186】
ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、好ましくは0.2:1〜0.4:1、好ましくは0.25:1〜0.35:1、より特定すると0.3:1に等しい。
【0187】
これらのシリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜1,000,000、より特定すると3,500〜200,000の範囲である。
【0188】
式(B)に相当するアミノシリコーンの第3の群は、下式(E):
【0189】
【化14】
【0190】
[式中、
- p及びqは、和(p+q)が、1〜1000、特に50〜350、より特定すると150〜250の範囲であるような数であり、pが、0〜999、特に49〜349、より特定すると159〜239の数を示すこと、qが、1〜1000、特に1〜10、より特定すると1〜5の数を示すことが可能であり、
- R
1及びR
2は、異なっており、ヒドロキシル又はC
1〜C
4アルコキシ基を表し、R
1〜R
2基のうちの少なくとも1つは、アルコキシ基を示す]
のシリコーンで表される。
【0191】
好ましくは、アルコキシ基は、メトキシ基である。
【0192】
ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、一般に、1:0.8〜1:1、好ましくは1:0.9〜1:1の範囲であり、より特定すると1:0.95に等しい。
【0193】
シリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜200,000、更により特定すると5,000〜100,000、より特定すると10,000〜50,000の範囲である。
【0194】
構造(D)又は(E)のシリコーンを含む市販製品は、それらの組成物中に、その構造が式(D)又は(E)とは異なる1種又は複数の他のアミノシリコーンを含むことができる。
【0195】
構造(D)のアミノシリコーンを含有する製品は、Wacker社により名称Belsil(登録商標)ADM 652で販売されている。
【0196】
構造(E)のアミノシリコーンを含有する製品は、Wacker社により名称Fluid WR 1300(登録商標)で販売されている。
【0197】
これらのアミノシリコーンが使用されるとき、特に有利な一実施形態は、水中油エマルションの形態のアミノシリコーンを使用することからなる。水中油エマルションは、1種又は複数の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、任意の性質のものとすることができるが、好ましくはカチオン性及び/又は非イオン性である。エマルション中のシリコーン粒子の数平均サイズは、一般に3nm〜500nmの範囲である。
【0198】
好ましくは、特に式(E)のアミノシリコーンとして使用されるのは、その平均粒径が5nm〜60nm(両端値を含む)、より特定すると10nm〜50nm(両端値を含む)の範囲のマイクロエマルションである。そのため、本発明に従って使用されてもよいのは、Wacker社により名称Finish CT 96 E(登録商標)又はSLM 28020(登録商標)で販売されている、式(E)のアミノシリコーンのマイクロエマルションである。
【0199】
式(B)に相当するアミノシリコーンの別の群は、下式(F):
【0200】
【化15】
【0201】
[式中、
- m及びnは、和(n+m)が、1〜2000、特に50〜150の範囲になるような数であり、nが、0〜1999、特に49〜149の数を示すこと、mが、1〜2000、特に1〜10の数を示すことが可能であり、
- Aは、4〜8個の炭素原子、好ましくは4個の炭素原子を含有する、直鎖状又は分枝状のアルキレン基を示す。この基は、好ましくは直鎖状である]
のシリコーンで表される。
【0202】
これらのアミノシリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000〜1,000,000、更により特定すると3,500〜200,000の範囲である。
【0203】
この式に相当するシリコーンは、例えばDow Corning社からのDC2-8299 Cationic Emulsionである。
【0204】
式(B)に相当するアミノシリコーンの別の群は、下式(G):
【0205】
【化16】
【0206】
[式中、
- m及びnは、和(n+m)が、1〜2000、特に50〜150の範囲であるような数であり、nが、0〜1999、特に49〜149の数を示すこと、mが、1〜2000、特に1〜10の数を示すことが可能であり、
- Aは、4〜8個の炭素原子、好ましくは4個の炭素原子を含有する直鎖状又は分枝状のアルキレン基を示す。この基は、好ましくは分枝状である]
のシリコーンで表される。
【0207】
これらのアミノシリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは500〜1,000,000、更により特定すると1000〜200,000の範囲である。
【0208】
この式に相当するシリコーンは、例えばDow Corning社からのDC2-8566 Amino Fluidである。
【0209】
c)式(H):
【0210】
【化17】
【0211】
(式中、
- R
5は、1〜18個の炭素原子を含有する一価の炭化水素系基、特にC
1〜C
18アルキル基、又はC
2〜C
18アルケニル基、例えばメチルを表し、
- R
6は、SiC結合を通してSiに連結している、二価の炭化水素系基、特にC
1〜C
18アルキレン基、又は二価のC
1〜C
18、例えばC
1〜C
8アルキレンオキシ基を表し、
- Q
-は、ハロゲン化物イオン等のアニオン、具体的には塩化物イオン、又は有機酸塩、具体的には酢酸塩であり、
- rは、2〜20、特に2〜8の平均統計値を表し、
- sは、20〜200、特に20〜50の平均統計値を表す)
に相当するアミノシリコーン
【0212】
このようなアミノシリコーンは、特に米国特許第4185087号に記載されている。
【0213】
d)式(I):
【0214】
【化18】
【0215】
[式中、
- R
7は、同一であっても異なっていてもよく、1〜18個の炭素原子を含有する一価の炭化水素系基、特にC
1〜C
18アルキル基、C
2〜C
18アルケニル基、又は5個若しくは6個の炭素原子を含む環、例えばメチルを表し、
- R
6は、SiC結合を通してSiに連結している、二価の炭化水素系基、特にC
1〜C
18アルキレン基、又は二価のC
1〜C
18、例えばC
1〜C
8アルキレンオキシ基を表し、
- R
8は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、1〜18個の炭素原子を含有する一価の炭化水素系基、特にC
1〜C
18アルキル基、C
2〜C
18アルケニル基又は-R
6-NHCOR
7基を表し、
- X
-は、ハロゲン化物イオン等のアニオン、具体的には塩化物イオン、又は有機酸塩、具体的には酢酸塩であり、
- rは、2〜200、特に5〜100の範囲の平均統計値を表す]
の第四級アンモニウムシリコーン
【0216】
これらのシリコーンは、例えば特許出願EP-A-0530974に記載されている。
【0217】
e)式(J):
【0218】
【化19】
【0219】
(式中、
- R
1、R
2、R
3及びR
4は、同一であっても異なっていてもよく、C
1〜C
4アルキル基又はフェニル基を示し、
- R
5は、C
1〜C
4アルキル基又はヒドロキシル基を示し、
- nは、1〜5の範囲の整数であり、
- mは、1〜5の範囲の整数であり、
- xは、アミン価が、0.01〜1meq/gの範囲であるように選択される)
のアミノシリコーン
【0220】
f)タイプ(AB)n(Aは、ポリシロキサンブロックであり、Bは、少なくとも1つのアミノ基を含むポリオキシアルキレンブロックである)のマルチブロックのポリオキシアルキレン化アミノシリコーン
【0221】
前記シリコーンは、好ましくは、以下の一般式
[-(SiMe
2O)
xSiMe
2-R-N(R'')-R'-O(C
2H
4O)
a(C
3H
6O)
b -R'-N(H)-R-]
或いは、
[-(SiMe
2O)
xSiMe
2-R-N(R'')-R'-O(C
2H
4O)
a(C
3H
6O)
b -]
[式中、
- aは、1以上の、好ましくは5〜200の範囲の、より特定すると10〜100の範囲の整数であり、
- bは、0から200の間の、好ましくは4〜100の範囲の、より特定すると5から30の間の整数であり、
- xは、1〜10,000、より特定すると10〜5,000の範囲の整数であり、
- R''は、水素原子又はメチルであり、
- Rは、同一であっても異なっていてもよく、二価の直鎖状又は分枝状C
2〜C
12炭化水素系基を表し、任意選択で1種又は複数の、酸素等のヘテロ原子を含み;好ましくは、Rは、エチレン基、直鎖状又は分枝状プロピレン基、直鎖状又は分枝状ブチレン基、又は-CH
2CH
2CH
2OCH(OH)CH
2-基;優先的にはRは、-CH
2CH
2CH
2OCH(OH)CH
2-基を示し、
- R'は、同一であっても異なっていてもよく、任意選択で1種又は複数の、酸素等のヘテロ原子を含む二価の直鎖状又は分枝状C
2〜C
12炭化水素系基を表し、好ましくは、R'は、エチレン基、直鎖状又は分枝状プロピレン基、直鎖状又は分枝状ブチレン基、又は-CH
2CH
2CH
2OCH(OH)CH
2-基を示し、優先的にはRは、-CH(CH
3)-CH
2-を示す]
の繰り返しの単位から構成される。
【0222】
シロキサンブロックは、好ましくは、シリコーンの総質量の50mol%〜95mol%、より特定すると70mol%〜85mol%を占める。
【0223】
アミン含有量は、好ましくはジプロピレングリコール中30%溶液中コポリマーの、0.02から0.5meq./gの間であり、より特定すると0.05から0.2meq./gの間である。
【0224】
シリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは5000から1,000,000の間、より特定すると10,000から200,000の間である。
【0225】
特に挙げることができるのは、Momentive社により名称Silsoft A-843又はSilsoft A+で販売されているシリコーンである。
【0226】
本発明による固体無水組成物は、好ましくはシリコーンを、特にアミノシリコーンを、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜15質量%、好ましくは0.1質量%〜10質量%、優先的には0.2質量%〜5質量%の範囲の量で含む。
【0227】
他の成分
本発明による固体無水組成物はまた、本発明の化合物以外に、具体的には、植物油、鉱物油、動物油又は合成油;固体脂肪物質、特にワックス、C
8〜C
40エステル及びC
8〜C
40酸;C
8〜C
40アルコール;カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー;日焼け止め剤;保湿剤;抗フケ剤;抗酸化剤;キレート剤;真珠光沢剤及び不透明化剤;可塑剤又はコアレッサ;ヒドロキシ酸;芳香剤;塩基性化剤又は酸性化剤;アルデヒド、DHA;重合性又は非重合性増粘剤、特に会合性ポリマー;保存剤;金属イオン封鎖剤(EDTA及びその塩);着色剤;無痛化剤から選択される1種又は複数の通常の化粧用成分を含んでもよい。当業者であれば、組成物中に含ませる成分、更にはそれらの量を、それらが本発明の組成物の特性を害さないように注意深く選ぶことになる。
【0228】
調製方法
前記固体無水組成物は、有利には、流動化空気床での造粒方法によって調製することができ、ここで、
- 少なくとも1種の溶媒を含む液体相が、
- 前記固体相の総質量に対して少なくとも50質量%の、アニオン性及び両性界面活性剤並びにこれらの混合物から選択される1種又は複数の界面活性剤を含む固体相上へ
噴霧される。
【0229】
そのため、特に上に定義した、粒子の形態の、きわめて特定すると球状粒子の形態の組成物を得ることが可能である。
【0230】
好ましくは、固体相は、アニオン性及び両性界面活性剤並びにこれらの混合物から選択される1種又は複数の界面活性剤を、前記固体相の質量に対して、50〜100質量%、特に60質量%〜99質量%、又は更に80質量%〜98質量%含む。
【0231】
特定の一実施形態では、固体相は、100質量%の、アニオン性及び両性界面活性剤並びにこれらの混合物から選択される1種又は複数の界面活性剤を含む。
【0232】
前記アニオン性及び両性界面活性剤は、特に、上に定義したものである。
【0233】
好ましくは、固体相は、前記固体相に対して、50〜100質量%の、特に60〜99質量%の、特に上に記載した、1種又は複数のアニオン性界面活性剤を含み、なおも更により良好には、特にアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩又はアミノアルコール塩の形態である、単独で又は混合物としての、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20硫酸アルキル、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アルキルエーテルスルフェート、好ましくは2〜20個のエチレンオキシド単位を含むもの、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アルキルスルホスクシネート、具体的にはラウリルスルホスクシネート、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アルキルエーテルスルホスクシネート、
- (C
6〜C
24)アシルイセチオネート、好ましくは(C
12〜C
18)アシルイセチオネート、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アシルサルコシネート、具体的にはパルミトイルサルコシネート、
- (C
6〜C
24)アルキルエーテルカルボキシレート、好ましくは(C
12〜C
20)アルキルエーテルカルボキシレート、
- ポリオキシアルキレン化(C
6〜C
24)アルキル(アミド)エーテルカルボン酸及びその塩、具体的には2〜50個のアルキレンオキシド基、特にエチレンオキシド基を含むもの、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アシルグルタメート、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アシルグリシネート
から選択される。
【0234】
好ましくは、固体相は、特に上に定義した、なおも更により良好には、単独で又は混合物として(C
8〜C
20)アルキルベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
1〜C
6)アルキルベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアンホアセテート及び(C
8〜C
20)アルキルアンホジアセテートから選択される1種又は複数の両性界面活性剤を、前記固体相に対して、0〜50質量%、特に1〜35質量%含む。
【0235】
固体相はまた、ポリマー、例えば、特に上に定義した、粉状の形態のカチオン性ポリマー、及び/又は特に上に定義したフィラーも含んでもよい。
【0236】
固体相は、無水であり、即ちそれは水を含まず(0%)、又はそれが水を含む場合、水の含有量は、前記相の総質量に対して、5質量%以下、特に2質量%以下、又は更に1質量%以下、なおも更により良好には0.5質量%以下である。
【0237】
液体相は、少なくとも1種の溶媒を含み、好ましくはこの溶媒は、水、又は水とC
1〜C
4モノアルコールとの混合物を含み、好ましくは、液体相は、前記相の質量に対して少なくとも50質量%の溶媒、特に少なくとも50%の水を含む。
【0238】
好ましくは、液体相は、アニオン性及び両性界面活性剤から選択される1種又は複数の界面活性剤を含むことができる。
【0239】
好ましくは、液体相は、0〜60質量%の、特に1〜40質量%の、なおも更により良好には5〜30質量%の、特に上に記載した、なおも更により良好には、特にアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩又はアミノアルコール塩の形態である、単独で又は混合物としての、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20硫酸アルキル、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アルキルエーテルスルフェート、好ましくは2〜20個のエチレンオキシド単位を含むもの、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アルキルスルホスクシネート、具体的にはラウリルスルホスクシネート、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アクリルエーテルスルホスクシネート、
- (C
6〜C
24)アシルイセチオネート、好ましくは(C
12〜C
18)アシルイセチオネート、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アシルサルコシネート、具体的にはパルミトイルサルコシネート、
- (C
6〜C
24)アルキルエーテルカルボキシレート、好ましくは(C
12〜C
20)アルキルエーテルカルボキシレート、
- ポリオキシアルキレン化(C
6〜C
24)アルキル(アミド)エーテルカルボン酸及びその塩、具体的には2〜50個のアルキレンオキシド基、特にエチレンオキシド基を含むもの、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アシルグルタメート、
- C
6〜C
24、特にC
12〜C
20アシルグリシネート
から選択される、1種又は複数のアニオン性界面活性剤を含む。
【0240】
好ましくは、液体相は、特に上に定義した、なおも更により良好には単独で又は混合物として(C
8〜C
20)アルキルベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
1〜C
6)アルキルベタイン、(C
8〜C
20)アルキルアンホアセテート及び(C
8〜C
20)アルキルアンホジアセテートから選択される1種又は複数の両性界面活性剤を、0〜20質量%、特に1質量%〜15質量%、なおも更により良好には2質量%〜10質量%含む。
【0241】
特定の一実施形態では、液体相は、両性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤を含まない。
【0242】
液体相はまた、上に定義した1種又は複数のフィラーも含んでもよい。好ましくは、前記フィラーは、液体相の総質量の、2質量%〜80質量%、特に5質量%〜75質量%、又は更に10質量%〜50質量%の割合で存在することができる。
【0243】
液体相はまた、上に定義した1種又は複数のカチオン性ポリマー、及び又は上に定義した1種又は複数のシリコーンも含んでもよく、液体相はまた、水溶性又は水分散性の化粧用添加剤、具体的には芳香剤、水溶性化粧用活性剤及び着色剤も含んでもよい。
【0244】
好ましくは、液体相は、1種又は複数のアニオン界面活性剤を、造粒後に得られた最終組成物の質量に対して、0〜60質量%、特に1〜40質量%、なおも更により良好には5〜30質量%含む。
【0245】
好ましくは、液体相は、1種又は複数の両性界面活性剤を、造粒後に得られた最終組成物の質量に対して、0〜100質量%、特に50〜100質量%、なおも更により良好には80〜95質量%含む。
【0246】
好ましくは、液体相は、1種又は複数のフィラーを、最終組成物の質量に対して、0〜100質量%、特に50〜100質量%、なおも更により良好には80〜100質量%含む。
【0247】
特定の一実施形態では、液体相は、最終組成物中に存在するフィラーが全て(100%)を占める。
【0248】
特定の一実施形態では、液体相は、フィラーを全く含まない(0%)。
【0249】
一般に、且つ当業者に既知の方法では、粒子の流動化空気床の造粒は、固体、液体及び気体の3相との接触に持ち込む方法であると言うことができる。それは、混合、噴霧、湿潤化及び乾燥等の、同時の及び競い合う工程を組み合わせる複合的な方法である。
【0250】
その原理は比較的単純であり、つまり、固体粒子を熱空気の流れによって床において吊るし、結合剤を含有している溶液をその中へ注入する。溶媒を蒸発させるために必要とされる熱を、流動化空気によって付与する。この技術は、湿潤化、混合及び乾燥等の幾つかの操作を同一の装置中で実施するという利点を有する。
【0251】
流動化床における固体粒子の濡れた凝集体は、素工程を連続させた結果であり、即ち液体(結合剤)によって粒子の表面を濡らし、互いに衝突させ付着させる。これらの工程は全て、同一の装置中で行われる。
【0252】
粒子の負荷を、熱空気(流動化空気)の流れを昇らせることによって動きを伴って設置し、粒子を個々にして混合させる。床における液体の噴霧は、粒子の表面を濡らすことを可能にし、それはジェットと接触することになり、同時に前記表面を粘性にする。
【0253】
熱空気による乾燥の条件に応じて、堆積した液体(液滴)は、別の粒子との接触時に、液体ブリッジ(又はリンク)の確立に役立つことになり、これは、乾燥によって固化することになる。湿潤化の工程、衝突の工程及び乾燥の工程を繰り返すと、望ましい凝集(又は癒合)による成長がもたらされる。床の撹拌に依り、凝集体は、インパクトに供され、癒合と断裂との間で競われる。
【0254】
凝集のために使用される種々の装置部品の目的は、粒子を、結合剤溶液の液滴との接触に持ち込み、次いで、濡れた粒子を互いの接触に持ち込むことである。
【0255】
この操作は、バッチ式であっても連続式であってもよく、例えば微粒子をリサイクルする可能性を伴う。
【0256】
本発明による組成物の調製の好ましい一実施形態が、本明細書で以後、記載され、この実施形態は、単に例証であり限定するものではない。
【0257】
そのため、この好ましい実施形態によれば、流動化床において、(固体粒子を含む)固体相は、熱空気(又は気体)の流れを昇らせることによって動きを伴って設置される(粒子は個々にされる)。粒子の流動化床の上部の又は内部の微細な(例えば10〜50ミクロン)液滴での液体相の噴霧は、それらの表面を濡れさせる。かなりの撹拌のために、濡れた粒子は互いに衝突し、粒子間の液体ブリッジを形成させ、前記ブリッジは、熱空気の流れの効果下で、乾燥によって非常に速やかに固化する(水の及び/又は溶媒の蒸発)。
【0258】
流動化床における粒子の凝集の間、粒子の表面は、床の上で、液体相を噴霧することによって濡れる。ノズルが、分散した液体のジェットを付与し、これが、循環する粒子と接触することになる。
【0259】
好ましくは、霧化圧力は、およそ500〜900m
3/hであり、特に600〜800m
3/hである。
【0260】
既知の方法では、噴霧圧力が、噴霧される溶液の液滴のサイズに、及び噴霧角度に、直接の影響を及ぼすことができることが留意されてきた。圧力が高いほど、液滴は微細になり、噴霧角度は狭くなる。
【0261】
微細な液滴は、チャンバ内に既に存在している粉末上でより速やかに乾燥することになり、このため、混合物の粒子のサイズを徐々に大きくして細粒を形成することが可能になる。他方、圧力が低いと、液滴のサイズは大きくなることになり、前記液滴が乾燥するのに、より長くかかることになる。この事例では、凝集の現象は、造粒の現象よりも好まれることになる。
【0262】
好ましくは、本発明の文脈では、造粒は、できるだけ球状である粒子を得るために、実施されなければならず、そうであれば、噴霧圧力はかなり高いものである。硬度は、噴霧圧力を調節することなく、噴霧の時間及び/又は方式を調節することによって層の数を(及びしたがってサイズを)増やして、任意選択で改善することができる。
【0263】
使用されるアトマイザー(又はノズル)のタイプは、以下から選択することができる:
- タービンアトマイザー:液体をロータリーディスクの中心部で導入し、遠心力によって駆動されるディスクの端へパスを通し、そこで、それは液滴に分解される。ジェットは、180°の角度を有し、液滴のクラウドを形成する。製造される液滴の平均直径は、具体的には1〜600ミクロンである
- (一流式)圧力アトマイザー又は一流式ノズルアトマイザー:ジェットは、液体が圧力(5〜7MPa)下でノズルを通るときに、圧力エネルギーを運動エネルギーに転換することによって形成される。液体は、アトマイザーに接線方向に入り、オリフィスからジェットの形態で40°から140°の間の範囲の角度で出る。形成される液滴の直径の範囲は、一般に10〜800ミクロンである
- (二流式)圧搾空気式アトマイザー:それらは、中空コーン、フルコーン又はフラットジェットと多種の噴霧様式を得ることを可能にする。噴霧ジェットの角度は、ノズルの形状に応じて20°から60°の間の範囲である。使用される圧縮空気の圧力は、0.15〜0.8MPaである。小滴(5〜300ミクロン)中の液体の分散体は、液体相上の霧化空気(又は気体)によって働かされる剪断力によって付与される。
【0264】
多様な現象が、流動化床において固体粒子を凝集する間に含まれ、つまり、(噴霧された液体による)流動化粒子の表面の湿潤化、濡れた粒子間の衝突、液体ブリッジの形成(表面において粘着性のある十分に濡れた粒子間の実際の付着)、液体ブリッジの乾燥、固体ブリッジへの転換(固化物を凝集させる)、摩擦の凝集(機械的力への、及び形成された凝集体の撹拌への連結)である。
【0265】
好ましくは、流動化空気床における温度は、30℃から60℃の間であり、特に35℃から45℃の間である。この方法のチャンバでは、3種の温度を認めることが可能であり、つまり、入ってくる空気の温度であり、これは一般に約80〜90℃である:生成物の温度であり、これは一般に約50〜60℃である:及びアウトプットの温度であり、これは一般に約40〜50℃である。
【0266】
使用
固体無水化粧用組成物は、ケラチン繊維に適用された後に濯ぎ落とされ又はそのままにされ、該組成物は、好ましくは、任意選択の、数分であってもよい、リーブオン時間の後に濯ぎ落とされる。
【0267】
それは、体及び/又は毛髪の衛生の分野において特に有利な適用であることが判明しており、それは、具体的には毛髪及び/又は頭皮を清浄にするため、更にはメイクアップを体の及び/又は顔の皮膚からクレンジング及び/又は除去するためである。そのため、それは、濯ぎ落とされることになるシャンプー又はシャワージェル、又は更にマスクを構成することができる。
【0268】
有利には、少量の、本発明による固体無水組成物を取り、例えば手の中で、水で溶解させ/予め乳濁させてすぐに豊富な泡を形成し、次いでそれをケラチン物質、特に毛髪及び/又は頭皮に適用し、次いで通常の液体シャンプーでと同じ方法で進める。
【0269】
更にまた可能なのは、固体無水組成物を、直接、ケラチン物質、例えば毛髪に適用し、例えば頭へ少量の水を加え、こすり/マッサージして前記組成物を溶解させ/予め乳濁させ、こうしてすぐに豊富な泡を得て、次いで通常の液体シャンプーでと同じ方法で進めることである。
【0270】
更にまた可能なのは、ケラチン物質、例えば毛髪を濡らし、次いで該組成物を、直接、頂部に適用し、摩擦を働かせて粒子を崩壊させ、こうしてすぐに豊富な泡を得て、次いで通常の液体シャンプーでと同じ方法で進めることである。
【0271】
取ることができる/適用することができる固体無水組成物の量は、例えば約1〜3gとすることができる。
【0272】
それは、詳細には数分間、置いたままにして、次いで、泡及び汚れを除去するために、例えば水で、濯ぎ落とすことができる。
【0273】
そのため、本発明の一主題はまた、ケラチン物質、特に毛髪、頭皮、体の皮膚及び/又は顔の皮膚の美容処置、特にケア及び/又は清浄の方法であって、本発明による化粧用組成物を前記ケラチン物質に適用する工程と、続いて任意選択で、任意選択のリーブオン時間の後に、濯ぐ工程とを含む、方法である。
【0274】
本発明は、特に、ヒトのケラチン物質を清浄にする美容方法であって、本発明による組成物を、水の存在下、前記ケラチン物質に適用し、マッサージを実施して泡を形成し、次いで形成された泡及び汚れを、任意選択のリーブオン時間の後に、水で濯ぐことによって除去する、方法に関する。
【0275】
コンディショニング組成物
本発明による美容処置の方法のうちの1つで使用されうる第2の組成物は、1種又は複数のコンディショニング剤を含むコンディショニング組成物である。
【0276】
好ましくは、このコンディショニング組成物は、液体形態であり、該組成物はまた、より粘性のある形態、例えばクリーム形態とすることもできる。好ましくは、前記組成物の粘度は、それが、固体組成物の良好な崩壊と適合性があるようなものである。
【0277】
有利には、このコンディショニング組成物は、水性であり、即ち該組成物は、水を、前記組成物の総質量に対して少なくとも40質量%、好ましくは50質量%〜99質量%、特に60質量%〜98質量%、なおもより良好には70質量%〜95質量%の範囲の濃度で含む。
【0278】
この組成物は、1種又は複数のコンディショニング剤を含む。
【0279】
使用されうるコンディショニング剤として特に挙げることができるのは、
- カチオン性界面活性剤、
- カチオン性及び/又は両性ポリマー、
- シリコーン、
- ヒドロキシル化された又はヒドロキシル化されていない液体脂肪物質、具体的には液体脂肪酸;液体脂肪アルコール;鉱物油、植物油又は動物油;液体脂肪エステル;液体炭化水素、
- 固体脂肪物質、具体的には固体脂肪アルコール;固体脂肪エステル;セラミド;セラミド以外の、動物ワックス、植物ワックス又は鉱物ワックス、
並びにこれらの混合物
である。
【0280】
i)カチオン性界面活性剤
したがって、本発明によるコンディショニング組成物は、コンディショニング剤として、1種又は複数のカチオン性界面活性剤を含むことができる。
【0281】
カチオン性界面活性剤は、有利には、任意選択でポリオキシアルキレン化された、第一級、第二級又は第三級脂肪アミン塩、第四級アンモニウム塩、及びこれらの混合物から選択される。
【0282】
特に挙げることができるのは、
- 式(Ia):
【0283】
【化20】
【0284】
[式中、
- R
8〜R
11基は、同一であっても異なっていてもよく、1〜30個の炭素原子を含有する、直鎖状又は分枝状の脂肪族基、又はアリール若しくはアルキルアリール等の芳香族基を表し、R
8〜R
11基のうちの少なくとも1つは、8〜30個、好ましくは12〜24個の炭素原子を含有し、脂肪族基が、具体的には、酸素、窒素、硫黄及びハロゲン等のヘテロ原子を含むことが可能であり、
- X
-は、特にハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、(C
1〜C
4)アルキルスルフェート、(C
1〜C
4)アルキルスルホネート及び(C
1〜C
4)アルキル-アリールスルホネートの群から選択されるアニオンである]
の第四級アンモニウム塩
【0285】
脂肪族基は、例えばC
1〜C
30アルキル、C
1〜C
30アルコキシ、(C
2〜C
6)ポリオキシアルキレン、C
1〜C
30アルキルアミド、(C
12〜C
22)アルキルアミド(C
2〜C
6)アルキル、(C
12〜C
22)酢酸アルキル及びC
1〜C
30ヒドロキシアルキルの各基から選択される。
【0286】
特に挙げることができるのは、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム、特に塩化物、例えばジアルキルジメチルアンモニウムクロリド又はアルキルトリメチルアンモニウムクロリド(ここで、アルキル基は、およそ12〜22個の炭素原子を含む)であり、特にベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド及びベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリドである。
【0287】
更に挙げることができるのは、ハロゲン化パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、又はハロゲン化ステアラミドプロピルジメチル(酢酸ミリスチル)アンモニウム、及び特に塩化物、具体的にはVan Dyk社により名称Ceraphyl(登録商標)70で販売されている製品である。
【0288】
- 式(Ib):
【0289】
【化21】
【0290】
[式中、
R
12は、例えば獣脂脂肪酸から誘導された、8〜30個の炭素原子を含むアルケニル基又はアルキル基を表し、
R
13は、水素原子、C
1〜C
4アルキル基、又は8〜30個の炭素原子を含むアルケニル基若しくはアルキル基を表し、
R
14は、C
1〜C
4アルキル基を表し、
R
15は、水素原子又はC
1〜C
4アルキル基を表し、
X
-は、例えばハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、(C
1〜C
4)アルキル硫酸イオン、(C
1〜C
4)アルキルスルホン酸イオン及び(C
1〜C
4)アルキル-アリールスルホン酸イオンの群から選択されるアニオンである]
のイミダゾリンの第四級アンモニウム塩
【0291】
好ましくは、R
12及びR
13は、例えば獣脂脂肪酸から誘導された、12〜21個の炭素原子を含むアルケニル基又はアルキル基の混合物を示し、R
14はメチル基を示し、R
15は水素原子を示す。このような製品は、例えばRewo社により名称Rewoquat(登録商標)W 75で販売されている、
【0292】
- 式(IIIb):
【0293】
【化22】
【0294】
[式中、
R
16は、任意選択でヒドロキシル化され且つ/又は1個又は複数の酸素原子で中断されている、およそ16〜30個の炭素原子を含むアルキル基を示し、
R
17は、水素、又は1〜4個の炭素原子を含むアルキル基、又は-(CH
2)
3N
+(R
16a)(R
17a)(R
18a)基(式中、R
16a、R
17a、R
18aは、同一であっても異なっていてもよく、水素、又は1〜4個の炭素原子を含むアルキル基から選択され、
R
18、R
19、R
20及びR
21は、同一であっても異なっていてもよく、水素、又は1〜4個の炭素原子を含むアルキル基から選択され、且つ
X
-は、特に、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、(C
1〜C
4)硫酸アルキル、(C
1〜C
4)アルキル-又は(C
1〜C
4)アルキルアリールスルホン酸イオン、特にメチル硫酸イオン及びエチル硫酸イオンの群から選択されるアニオンである]
のジ又はトリ四級アンモニウム塩
【0295】
このような化合物は、例えば、Finetex社により販売されているFinquat CT-P(Quaternium 89)、及びFinetex社により販売されているFinquat CT(Quaternium 75)である。
【0296】
次式(IVb):
【0297】
【化23】
【0298】
[式中、
R
22は、C
1〜C
6アルキル基及びC
1〜C
6ヒドロキシアルキル基又はジヒドロキシアルキル基から選択され、
R
23は、R
26-C(=O)-基、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC
1〜C
22炭化水素系R
27基、及び水素原子から選択され、
R
25は、R
28-C(=O)-基、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC
1〜C
6炭化水素系R
29基、及び水素原子から選択され、
R
24、R
26及びR
28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC
7〜C
21炭化水素系基から選択され、
r、s及びtは、同一であっても異なっていてもよく、2〜6の値を有する整数であり、
r1及びt1は、同一であっても異なっていてもよく、0又は1の値を有し、
r2+r1=2rであり、t1+t2=2tであり、
yは、1〜10の範囲の整数であり、
x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0〜10の範囲の整数であり、
X
-は、単体又は複合体の、有機又は無機のアニオンであり、
但し条件として、和x+y+zは、1〜15であり、x=0であるとき、そうであればR
23はR
27を示し、z=0であるとき、そうであればR
25はR
29を示す]
の、1つ又は複数のエステル官能基を含有する第四級アンモニウム塩
【0299】
アルキル基R
22は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、より特定すると直鎖状である。
【0300】
好ましくは、R
22は、メチル、エチル、ヒドロキシエチル又はジヒドロキシプロピルの各基、より特定すればメチル基又はエチル基を示す。
【0301】
有利には、和x+y+zは、1〜10の値を有する。
【0302】
R
23がR
27炭化水素基であるとき、それは、長鎖で、12〜22個の炭素原子を有することができ、又は短鎖で、1〜3個の炭素原子を有することができる。
【0303】
R
25がR
29炭化水素基であるとき、それは、好ましくは1〜3個の炭素原子を有する。
【0304】
有利には、R
24、R
26及びR
28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC
11〜C
21炭化水素系基から選択され、より特定すると直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC
11〜C
21アルキル基及びアルケニル基から選択される。
【0305】
好ましくは、x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0又は1に等しい。
【0306】
有利には、yは、1に等しい。好ましくは、r、s及びtは、同一であっても異なっていてもよく、2又は3に等しく、更により特定すると2に等しい。
【0307】
アニオンX
-は、好ましくはハロゲン化物、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン又はヨウ化物イオン、(C
1〜C
4)アルキル硫酸イオン、又は(C
1〜C
4)アルキル-若しくは(C
1〜C
4)アルキルアリールスルホン酸イオンである。しかしながら、使用されてもよいのは、メタンスルホン酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、トシル酸イオン、有機酸から誘導されるアニオン、例えば酢酸イオン若しくは乳酸イオン、又はエステル官能基を保持するアンモニウムと適合する他の任意のアニオンである。
【0308】
アニオンX
-は、なおもより特定すると、塩化物イオン、メチル硫酸イオン又はエチル硫酸イオンである。
【0309】
本発明による組成物中で、より特に使用されるのは、式(IVb):
[式中、
- R
22は、メチル基又はエチル基を示し、
- x及びyは、1に等しく、
- zは、0又は1に等しく、
- r、s及びtは、2に等しく、
- R
23は、R
26-C(=O)-基、メチル、エチル又はC
14〜C
22炭化水素系基、及び水素原子から選択され、
- R
25は、R
28-C(=O)-基、及び水素原子から選択され、
- R
24、R
26及びR
28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC
13〜C
17炭化水素系基から選択され、好ましくは、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC
13〜C
17アルキル基及びアルケニル基から選択される]
のアンモニウム塩である。
【0310】
有利には、炭化水素系基は、直鎖状である。
【0311】
式(IVb)の化合物の中で挙げることができるのは、特にジアシルオキシエチルジメチルアンモニウム、ジアシルオキシエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム、モノアシルオキシエチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、トリアシルオキシエチルメチルアンモニウム又はモノアシルオキシエチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウムの塩、特に塩化物又は硫酸メチル、及びこれらの混合物である。アシル基は、好ましくは14〜18個の炭素原子を含有し、より具体的には、パーム油又はヒマワリ油等の植物油から得られる。化合物がいくつかのアシル基を含むとき、これらの基は、同一であっても異なっていてもよい。
【0312】
これらの生成物は、例えば植物又は動物由来の脂肪酸又は脂肪酸混合物を用いた、任意選択でオキシアルキレン化されたトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミン又はアルキルジイソプロパノールアミンの直接エステル化によって、又はそれらのメチルエステルのエステル交換によって得られる。このエステル化の後に、アルキル化剤、例えばハロゲン化アルキル、好ましくはハロゲン化メチル若しくはハロゲン化エチル、硫酸ジアルキル、好ましくは硫酸ジメチル若しくは硫酸ジエチル、メタンスルホン酸メチル、パラ-トルエンスルホン酸メチル、グリコールクロロヒドリン又はグリセロールクロロヒドリンによる四級化が続く。このような化合物は、例えばHenkel社により名称Dehyquart(登録商標)で、Stepan社により名称Stepanquat(登録商標)で、Ceca社により名称Noxamium(登録商標)で、又はRewo-Witco社により名称Rewoquat(登録商標)WE 18で販売されている。
【0313】
本発明による組成物は、例えば、第四級アンモニウムモノ、ジ及びトリエステル塩の、質量の大部分のジエステル塩との混合物を含有することができる。米国特許第A-4874554号及び米国特許第A-4137180号に記載されている、少なくとも1つのエステル官能基を含有するアンモニウム塩を使用することもまた可能である。更に使用してもよいのは、ベヘノイルヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドであり、例えば花王株式会社により名称Quartamin BTC 131で販売されている。
【0314】
好ましくは、少なくとも1つのエステル官能基を含有するアンモニウム塩は、2つのエステル官能基を含む。
【0315】
好ましくは、本発明によるコンディショニング組成物が、有益な作用剤として1種又は複数のカチオン性界面活性剤を含むとき、該界面活性剤は、具体的には、式(Ia)又は(IVb)のものから選択され、なおもより良好にはセチルトリメチルアンモニウム、ベヘニルトリメチルアンモニウム及びジパルミトイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム塩、及びこれらの混合物から選択され、より特定するとベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルアンモニウムメトスルフェート、及びこれらの混合物から選択される。
【0316】
好ましくは、コンディショニング組成物が1種又は複数のカチオン性界面活性剤を含むとき、該組成物は、該界面活性剤を、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜15質量%、好ましくは0.1質量%〜10質量%、なおも更により良好には0.2質量%〜6質量%の範囲の量で含む。
【0317】
ii)カチオン性及び両性ポリマー
本発明によるコンディショニング組成物は、コンディショニング剤として、両性又はカチオン性ポリマー、更にはこれらの混合物から選択される1種又は複数のポリマーを含むことができる。
【0318】
用語「カチオン性ポリマー」は、カチオン性基、及び/又はカチオン性基へとイオン化することができる基を含む任意のポリマーを意味するものと意図される。好ましくは、カチオン性ポリマーは、親水性又は両親媒性である。好ましいカチオン性ポリマーは、ポリマー主鎖の一部を形成することができるか、又はそれに直接結合している側鎖置換基によって保持されうる、第一級、第二級、第三級及び/又は第四級アミン基を含む単位を含有しているものから選択される。
【0319】
使用されてもよいカチオン性ポリマーは、好ましくは、質量平均分子量(Mw)が、およそ500から約5×10
6の間、好ましくはおよそ10
3から約3×10
6の間である。
【0320】
カチオン性ポリマーの中でより特に挙げることができるのは、
(1)アクリル若しくはメタクリルのエステル又はアミドから誘導され、以下の式:
【0321】
【化24】
【0322】
(式中、
- R
3は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はCH
3基を示し、
- Aは、同一であっても異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子、好ましくは2個若しくは3個の炭素原子の、直鎖状又は分枝状の二価アルキル基、又は1〜4個の炭素原子のヒドロキシアルキル基を表し、
- R
4、R
5及びR
6は、同一であっても異なっていてもよく、1〜18個の炭素原子を含有するアルキル基、又はベンジル基、好ましくは1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、
- R
1及びR
2は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又は1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基、好ましくはメチル又はエチルを表し、
- X
-は、無機酸若しくは有機酸から誘導されるアニオン、例えばメト硫酸イオンのアニオン、又は塩化物イオン若しくは臭化物イオン等のハロゲン化物イオンを表す)
の単位のうちの少なくとも1つを含むホモポリマー又はコポリマーである。
【0323】
ファミリー(1)のコポリマーはまた、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、低級(C
1〜C
4)アルキルにより窒素上に置換されているアクリルアミド及びメタクリルアミド、アクリル酸若しくはメタクリル酸又はそれらのエステル、ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタム等のビニルラクタム、並びにビニルエステルのファミリーから選択することができるコモノマーから誘導される1個又は複数の単位も含有することができる。
【0324】
ファミリー(1)のこれらのコポリマーの中で挙げることができるのは、
- アクリルアミドと、硫酸ジメチルで又はハロゲン化ジメチルで四級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルとのコポリマー、例えばHercules社により名称Hercoflocで販売されている製品、
- アクリルアミドとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー、例えばCiba Geigy社により名称Bina Quat P 100で販売されているもの、
- アクリルアミドとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトスルフェートとのコポリマー、例えばHercules社により名称Retenで販売されている製品、
- 四級化又は非四級化ビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリレートコポリマー、例えばISP社により名称Gafquatで販売されている製品、例としてはGafquat 734若しくはGafquat 755、或いはCopolymer 845、958及び937として既知の製品。これらのポリマーは、仏国特許第2077143号及び第2393573号に詳説されている、
- メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドンターポリマー、例えばISP社により名称Gaffix VC 713で販売されている製品、
- ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルジメチルアミンコポリマー、例えばISP社により名称Styleze CC 10で販売されているもの、
- 四級化ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー、例えばISP社により名称Gafquat HS 100で販売されている製品、
- メタクリロイルオキシ(C
1〜C
4)アルキルトリ(C
1〜C
4)アルキルアンモニウム塩の、好ましくは架橋されたポリマー、例えば塩化メチルで四級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルの単独重合によって、又はアクリルアミドと、塩化メチルにより四級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルとの共重合によって得られるポリマーで、この単独重合又は共重合に続いて、オレフィン性不飽和化合物、より詳細にはメチレンビスアクリルアミドとの架橋が行われるポリマー。より特に使用されてもよいのは、50質量%の前記コポリマーを鉱物油中に含む分散体の形態の架橋アクリルアミド/メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(質量比で20/80)である。この分散体は、Ciba社により名称Salcare(登録商標)SC 92で販売されている。更に使用されてもよいのは、鉱物油又は液体エステル中におよそ50質量%のホモポリマーを含むメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの架橋ホモポリマーである。これらの分散体は、Ciba社により名称Salcare(登録商標)SC 95及びSalcare(登録商標)SC 96で販売されている。
【0325】
(2)カチオン性多糖類、特にカチオン性セルロース及びガラクトマンナンガム。カチオン性多糖類の中でより特に挙げることができるのは、第四級アンモニウム基を含むセルロースエーテル誘導体、カチオン性セルロースコポリマー、又は水溶性の第四級アンモニウムモノマーでグラフトされたセルロース誘導体、及びカチオン性ガラクトマンナンガムである。
【0326】
第四級アンモニウム基を含むセルロースエーテル誘導体は、詳細には仏国特許第1492597号に記載されており、挙げることができるのは、Amerchol社により名称Ucare Polymer JR(JR 400 LT、JR 125及びJR 30M)又はLR(LR 400及びLR 30M)で販売されているポリマーである。これらのポリマーはまた、CTFA辞典において、トリメチルアンモニウム基で置換されたエポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの第四級アンモニウムとして定義されている。
【0327】
カチオン性セルロースコポリマー、又は水溶性の第四級アンモニウムモノマーでグラフトされたセルロース誘導体は、詳細には米国特許第4131576号に記載されており、挙げることができるのは、ヒドロキシアルキルセルロース、例としては、特にメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム塩、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩又はジメチルジアリルアンモニウム塩でグラフトされた、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースである。この定義に相当する市販製品は、より具体的には、National Starch社により名称Celquat L 200及びCelquat H 100で販売されている製品である。
【0328】
カチオン性ガラクトマンナンガムは、米国特許第3589578号及び第4031307号において、より詳細に記載されており、挙げることができるのは、カチオン性トリアルキルアンモニウム基を含むグアーガムである。使用されるのは、例えば、2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウム塩(例えば塩化物)で修飾されているグアーガムである。こうした製品は、特にRhodia社により名称Jaguar C13 S、Jaguar C 15、Jaguar C 17又はJaguar C162で販売されている。
【0329】
(3)酸素、硫黄若しくは窒素原子で、又は芳香族環若しくは複素環式環によって任意選択で中断されている、ピペラジニル単位、及び直鎖又は分枝鎖を含有している二価アルキレン又はヒドロキシアルキレン基から形成されるポリマー、更にはこれらのポリマーの酸化及び/又は四級化生成物。
【0330】
(4)具体的には、酸性化合物をポリアミンと重縮合させることにより調製された水溶性のポリアミノアミドで、これらのポリアミノアミドは、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物、不飽和の二無水物、ビス不飽和誘導体、ビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、ビスハロゲン化アルキルと架橋させることができ、又は代替的に、ビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、ビスハロゲン化アルキル、エピハロヒドリン、ジエポキシド若しくはビス不飽和誘導体と反応性である二官能性化合物を反応させる結果得られるオリゴマーと架橋させることができ;架橋剤は、ポリアミノアミドのアミン基1つ当たり0.025〜0.35モルの範囲の割合で使用され;これらのポリアミノアミドは、アルキル化されることが可能であり、又は、それらが1つ若しくは複数の第三級アミン官能基を含む場合は、四級化されることが可能である。
【0331】
(5)ポリアルキレンポリアミンをポリカルボン酸と縮合させ、続いて二官能性作用剤でアルキル化させることによって得られるポリアミノアミド誘導体。挙げることができるのは、例えば、そこでアルキル基が1〜4個の炭素原子を含み、好ましくは、メチル、エチル又はプロピルを示すアジピン酸/ジアルキルアミノヒドロキシアルキルジアルキレントリアミンポリマーである。これらの誘導体の中でより特に挙げることができるのは、Sandoz社により名称Cartaretine F、F4又はF8で販売されているアジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピル/ジエチレントリアミンポリマーである。
【0332】
(6)2つの第一級アミン基及び少なくとも1つの第二級アミン基を含むポリアルキレンポリアミンを、二グリコール酸、及び3〜8個の炭素原子を含有する飽和脂肪族二カルボン酸から選択される二カルボン酸と反応させることにより得られるポリマーで、ポリアルキレンポリアミンと二カルボン酸とのモル比が、好ましくは0.8:1から1.4:1の間であり、得られたポリアミノアミドは、エピクロロヒドリンの、ポリアミノアミドの第二級アミン基に対するモル比が好ましくは0.5:1から1.8:1の間で、エピクロロヒドリンと反応させる。このタイプのポリマーは、特にHercules Inc.社により名称Hercosett 57で販売されており、或いはアジピン酸/エポキシプロピル/ジエチレントリアミンコポリマーの事例においてHercules社により名称PD 170又はDelsette 101で販売されている。
【0333】
(7)アルキルジアリルアミンの又はジアルキルジアリルアンモニウムのシクロポリマー、例えば、鎖の主要構成体として、式(I)又は(II):
【0334】
【化25】
【0335】
[式中、
- k及びtは、0又は1に等しく、和k+tは、1に等しく、
- R
12は、水素原子又はメチル基を示し、
- R
10及びR
11は、互いに独立して、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基、ヒドロキシアルキル基(ここでアルキル基は、1〜5個の炭素原子を含有する)、C
1〜C
4アミドアルキル基を示し;或いはR
10及びR
11は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジニル又はモルホリニル等の複素環基を示してもよく;R
10及びR
11は、互いに独立して、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を好ましくは示し、
- Y
-は、臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、重硫酸イオン、重亜硫酸イオン、硫酸イオン又はリン酸イオン等のアニオンである]
に相当する単位を含有しているホモポリマー又はコポリマー。
【0336】
より特に挙げることができるのは、例えばNalco社により名称Merquat 100で販売されている、ジメチルジアリルアンモニウム塩(例えば塩化物)ホモポリマー(及び質量平均分子量の低いその類似体)、並びに特に名称Merquat 550又はMerquat 7SPRで販売されている、ジアリルジメチルアンモニウム塩(例えば塩化物)とアクリルアミドとのコポリマーである。
【0337】
(8)式:
【0338】
【化26】
【0339】
[式中、
- R
13、R
14、R
15及びR
16は、同一であっても異なっていてもよく、1〜20個の炭素原子を含む、脂肪族、脂環式若しくはアリール脂肪族の各基、又は低級ヒドロキシアルキル脂肪族基を表し、或いはR
13、R
14、R
15及びR
16は、一緒に若しくは別々に、それらに結合されている窒素原子と一緒になって、窒素以外の第2のヘテロ原子を任意選択で含む複素環を構成し、或いはR
13、R
14、R
15及びR
16は、ニトリル、エステル、アシル若しくはアミド又はCO-O-R
17-D基若しくは-CO-NH-R
17-D基(式中、R
17は、アルキレンであり、Dは、第四級アンモニウム基である)で置換されている直鎖状又は分枝状C
1〜C
6アルキル基を表し、
- A
1及びB
1は、2〜20個の炭素原子を含む二価ポリメチレン基を表し、これは直鎖状であっても分枝状であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、且つこれは、主鎖中に結合された若しくは挿入された1つ若しくは複数の芳香族環、又は1個又は複数の酸素原子若しくは硫黄原子、又はスルホキシド、スルホン、ジスルフィド、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、第四級アンモニウム、ウレイド、アミド若しくはエステルの各基を含有することができ、
- X
-は、無機酸又は有機酸から誘導されるアニオンを示し、
A
1、R
13及びR
15が、それらが結合している2個の窒素原子と一緒になって、ピペラジン環を形成することができることが理解され、
加えて、A
1が直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基を示す場合、B
1もまた、(CH
2)
n-CO-D-OC-(CH
2)
n-基
{式中、Dは、
a)式-O-Z-O-(式中、Zは、直鎖状又は分枝状の炭化水素性基を示す)のグリコール残基、又は次式:-(CH
2-CH
2-O)
x-CH
2-CH
2-及び-[CH
2-CH(CH
3)-O]
y-CH
2-CH(CH
3)-(式中、x及びyは、規定された独自の重合度を表す1〜4の整数、又は平均重合度を表す1〜4の任意の数を示す)のうちの1つに相当する基を表すグリコール残基、
b)ビス-第二級ジアミン残基、例えばピペラジン誘導体、
c)式:-NH-Y-NH-(式中、Yは、直鎖状又は分枝状の炭化水素系の基、或いは二価基-CH
2-CH
2-S-S-CH
2-CH
2-を示す)のビス-第一級ジアミン残基、
d)式:-NH-CO-NH-のウレイレン基
を示す}
を示すことができる]
の繰り返し単位を含む第四級二アンモニウムポリマー
【0340】
好ましくは、X
-は、塩化物イオン又は臭化物イオン等のアニオンである。これらのポリマーは、数平均分子量(Mn)が、一般に、1000から100,000の間である。
【0341】
より特に挙げることができるのは、式:
【0342】
【化27】
【0343】
(式中、
R
1、R
2、R
3及びR
4は、同一であっても異なっていてもよく、およそ1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、
n及びpは、およそ2〜20の範囲の整数であり、
X
-は、無機酸又は有機酸から誘導されるアニオンである)
に相当する繰り返し単位からなるポリマーである。
【0344】
式(IV)の特に好ましい化合物は、式中、R
1、R
2、R
3及びR
4がメチル基を表し、n=3、p=6及びX=Clである化合物であり、これは、INCI(CTFA)命名法に従ってヘキサジメスリンクロリドとして知られる。
【0345】
(9)式(V):
【0346】
【化28】
【0347】
[式中、
- R
18、R
19、R
20及びR
21は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又はメチル、エチル、プロピル、β-ヒドロキシエチル、β-ヒドロキシプロピル若しくは-CH
2CH
2(OCH
2CH
2)
pOH基(式中、pは、0に又は1から6の間の整数に等しい)を表し、但し条件としてR
18、R
19、R
20及びR
21が同時に水素原子を表すことはなく、
- r及びsは、同一であっても異なっていてもよく、1から6の間の整数であり、
- qは、0に又は1から34の間の整数に等しく、
- X
-は、ハロゲン化物イオン等のアニオンを示し、
- Aは、ジハロゲン化物の基を示し、又は好ましくは-CH
2-CH
2-O-CH
2-CH
2-を表す]
の単位を含むポリ四級アンモニウムポリマー
【0348】
挙げることができる例には、Miranol社により販売されている製品Mirapol(登録商標)A 15、Mirapol(登録商標)AD1、Mirapol(登録商標)AZ1及びMirapol(登録商標)175がある。
【0349】
(10)ビニルピロリドン及びビニルイミダゾールの第四級ポリマー、例としてはBASF社により名称Luviquat(登録商標)FC 905、FC 550及びFC 370で販売されている製品。
【0350】
(11)CTFA辞典において名称ポリエチレングリコール(15)牛脂ポリアミンと称される、Cognis社により販売されているPolyquart(登録商標)H等のポリアミン
【0351】
(12)それらの構造中に、
(a)以下の式(A):
【0352】
【化29】
【0353】
に相当する1個又は複数の単位
(b)任意選択で、以下の式(B):
【0354】
【化30】
【0355】
に相当する1個又は複数の単位
を含む、ポリマー
【0356】
換言すると、これらのポリマーは、詳細には、ビニルアミンから誘導される1個又は複数の単位を含むホモポリマー又はコポリマー、及び任意選択でビニルホルムアミドから誘導される1個又は複数の単位から選択することができる。
【0357】
好ましくは、これらのカチオン性ポリマーは、それらの構造中に、5mol%〜100mol%の式(A)に相当する単位と0〜95mol%の式(B)に相当する単位とを含むポリマーから選択され、優先的には10mol%〜100mol%の式(A)に相当する単位と0〜90mol%の式(B)に相当する単位とを含むポリマーから選択される。
【0358】
これらのポリマーは、例えばポリビニルホルムアミドの部分加水分解により得ることができる。この加水分解は、酸性又は塩基性の媒体中で実施することができる。
【0359】
光散乱法により測定される前記ポリマーの質量平均分子量は、1,000〜3,000,000g/mol、好ましくは10,000〜1,000,000g/mol、より特定すると100,000〜500,000g/molの範囲とすることができる。
【0360】
これらのポリマーのカチオン性電荷密度は、2〜20meq/g、好ましくは2.5〜15meq/g、より特定すると3.5〜10meq/gの範囲とすることができる。
【0361】
式(A)の単位と任意選択で式(B)の単位とを含むポリマーは、特にBASF社により名称Lupaminで販売されており、例えば、非限定的に、名称Lupamin 9095、Lupamin 5095、Lupamin 1095、Lupamin 9030(又はLuviquat 9030)及びLupamin 9010で提供されている製品である。
【0362】
好ましくは、カチオン性ポリマーは、上で挙げたファミリー(1)、(2)、(7)及び(10)のものから選択される。
【0363】
上で挙げたカチオン性ポリマーの中で好ましく使用されてもよいものは、カチオン性多糖類、特にカチオン性セルロース及びカチオン性ガラクトマンナンガム、及び具体的には、例えばAmerchol社により名称JR 400で販売されている製品等の第四級セルロースエーテル誘導体、カチオン性シクロポリマー、具体的にはNalco社により名称Merquat 100、Merquat 550及びMerquat Sで販売されているジメチルジアリルアンモニウム塩(例えば塩化物)ホモポリマー又はコポリマー、及び平均分子量が低いその類似体、ビニルピロリドンの及びビニルイミダゾールの第四級ポリマー、メタクリロイルオキシ(C
1〜C
4)アルキルトリ(C
1〜C
4)アルキルアンモニウム塩の、任意選択で架橋されているホモポリマー又はコポリマー、並びにこれらの混合物である。
【0364】
(i)(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される1個又は複数の単位、
(ii)(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーから誘導される1個又は複数の単位、
(iii)(メタ)アクリル酸タイプの酸性モノマーから誘導される1個又は複数の単位
の繰り返しを含む両性ポリマーから好ましくは選択することができる両性ポリマーを使用することもまた可能である。
【0365】
好ましくは、(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される単位(i)は、以下の構造(Ia):
【0366】
【化31】
【0367】
(式中、
R
1は、H又はCH
3を示し、
R
2は、アミノ、ジメチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ドデシルアミノ又は-NH-CH
2OHの各基から選択される)
の単位である。
【0368】
好ましくは、前記両性ポリマーは、式(Ia)の1個のみの単位の繰り返しを含む。
【0369】
式(Ia)[式中、R
1は、Hを示し、R
2は、アミノ基(NH
2)である]の(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される単位(i)が特に好ましい。それは、それ自体、アクリルアミドモノマーに相当する。
【0370】
好ましくは、(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーから誘導される単位(ii)は、以下の構造(IIa):
【0371】
【化32】
【0372】
[式中、
- R
3は、H又はCH
3を示し、
- R
4は、(CH
2)
k基(式中、kは、1〜6、好ましくは2〜4の範囲の整数である)を示し、
- R
5、R
6及びR
7は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれが、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を示し、
- Y
-は、臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、重硫酸イオン、重亜硫酸イオン、硫酸イオン又はリン酸イオン等のアニオンである]
の単位である。
【0373】
好ましくは、前記両性ポリマーは、式(IIa)の1個のみの単位の繰り返しを含む。
【0374】
式(IIa)の(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーから誘導されるこれらの単位の中で好ましいものは、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドモノマーから誘導されるものであり、ここで、R
3はメチル基を示し、kは3に等しく、R
5、R
6及びR
7はメチル基を示し、Y
- は塩化物アニオンを示す。
【0375】
好ましくは、(メタ)アクリル酸タイプのモノマーから誘導される単位(iii)は、式(IIIa):
【0376】
【化33】
【0377】
[式中、
R
8は、H又はCH
3を示し、
R
9は、ヒドロキシル基又は-NH-C(CH
3)
2-CH
2-SO
3H基を示す]
の単位である。
【0378】
式(IIIa)の好ましい単位は、アクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー及び2-アクリルアミノ-2-メチルプロパンスルホン酸モノマーに相当する。
【0379】
好ましくは、式(IIIa)の(メタ)アクリル酸タイプのモノマーから誘導される単位は、アクリル酸から誘導されるものであり、ここで、R
8は水素原子を示し、R
9はヒドロキシル基を示す。
【0380】
(メタ)アクリル酸タイプの酸性モノマーは、中和されていなくてもよく、又は有機又は無機ベースで部分的に又は完全に中和されていてもよい。
【0381】
好ましくは、前記両性ポリマーは、式(IIIa)の1個のみの単位の繰り返しを含む。
【0382】
本発明の好ましい一実施形態によれば、このタイプの両性ポリマーは、少なくとも30mol%の、(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される単位(i)を含む。好ましくは、それらは、30mol%〜70mol%の、より好ましくは40mol%〜60mol%の、(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される単位を含む。
【0383】
(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーから誘導される単位(ii)の含有量は、有利には10mol%〜60mol%、優先的には20mol%〜55mol%とすることができる。
【0384】
(メタ)アクリル酸タイプの酸性モノマーから誘導される単位(iii)の含有量は、有利には1mol%〜20mol%、優先的には5mol%〜15mol%とすることができる。
【0385】
本発明の特に好ましい一実施形態によれば、このタイプの両性ポリマーは、
- 30mol%〜70mol%の、より好ましくは40mol%〜60mol%の、(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される単位(i)と、
- 10mol%〜60mol%の、優先的には20mol%〜55mol%の、(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーから誘導される単位(ii)と、
- 1mol%〜20mol%の、優先的には5mol%〜15mol%の、(メタ)アクリル酸タイプのモノマーから誘導される単位(iii)と
を含む。
【0386】
このタイプの両性ポリマーはまた、上に記載した、(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される単位、(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーから誘導される単位、及び(メタ)アクリル酸タイプのモノマーから誘導される単位以外に、追加の単位も含んでもよい。
【0387】
しかしながら、本発明の好ましい一実施形態によれば、前記両性ポリマーは、(メタ)アクリルアミドタイプのモノマーから誘導される単位(i)、(メタ)アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムタイプのモノマーから誘導される単位(ii)、及び(メタ)アクリル酸タイプのモノマーから誘導される単位(iii)のうちの1種のみから構成される。
【0388】
特に好ましい両性ポリマーの例として挙げることができるのは、アクリルアミド/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸ターポリマーである。こうしたポリマーは、CTFA第10版、2004に、名称「ポリクオタニウム53」で列挙されている。相当する製品は、具体的には、Nalco社により名称Merquat 2003及びMerquat 2003 PRで販売されている。
【0389】
使用されてもよい両性ポリマーの別のタイプとして更に挙げることができるのは、(メタ)アクリル酸、及びジアルキルジアリルアンモニウム塩、並びに任意選択でアクリルアミド又はその誘導体をベースとするコポリマー、例えば(メタ)アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマーである。挙げることができる例は、Nalco社により販売されているMerquat 280である。
【0390】
好ましくは、本発明によるコンディショニング組成物が1種又は複数のカチオン性及び/又は両性ポリマーを含むとき、該組成物は、該ポリマーを、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜5質量%、特に0.05質量%〜3質量%、優先的には0.1質量%〜2.5質量%の範囲の量で含む。
【0391】
iii)シリコーン
本発明によるコンディショニング組成物は、コンディショニング剤として、1種又は複数のシリコーンを含むことができる。
【0392】
本発明に従って使用されてもよいシリコーンは、組成物中で可溶性であっても不溶性であってもよく、それらは、油、ワックス、樹脂又はガムの形態であってもよく、それらは、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0393】
特に、シリコーンは、本発明の組成物中で特に不溶性であるオルガノポリシロキサンとすることができる。オルガノポリシロキサンは、具体的にはWalter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)、Academic Pressに記載されている。
【0394】
揮発性シリコーンは、より詳細には、沸点が60℃から260℃の間であるシリコーンから選択される。挙げることができるのは、
i)3〜7個、好ましくは4〜5個のケイ素原子を含む環式揮発性シリコーン、例えば
- オクタメチルシクロテトラシロキサン及びデカメチルシクロペンタシロキサン
挙げることができるのは、Union Carbide社により名称Volatile Silicone 7207で、又はRhodia社によりSilbione 70045 V 2で販売されている製品、又はUnion Carbide社によるVolatile Silicone 7158若しくはRhodia社によるSilbione 70045 V 5である。
- 化学構造
【0395】
【化34】
【0396】
Dは、
【0397】
【化35】
【0398】
D'は、
【0399】
【化36】
【0400】
を有するジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサンタイプのシクロコポリマー
挙げることができるのは、Union Carbideにより販売されているVolatile Silicone FZ 3109である、
- 環状シリコーンの、ケイ素誘導の有機化合物との混合物、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトールとの混合物(50/50)、及びオクタメチルシクロテトラシロキサンと1,1'-オキシ(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ビスネオペンタンとの混合物である。
【0401】
(ii)2〜9個のケイ素原子を含有し、粘度が一般に25℃にて5×10
-6m
2/秒以下である、直鎖状揮発性シリコーン、例えば
- デカメチルテトラシロキサン:この部類に属する他のシリコーンは、Cosmetics and Toiletries、第91巻、1976年1月、27〜32頁、Todd & Byers、Volatile silicone fluids for cosmeticsで公開された論文に記載されており、挙げることができるのは、東レ・Dow Corning社により名称SH 200で販売されている製品である。
【0402】
不揮発性シリコーンの中で挙げることができるのは、単独で又は混合物としての、ポリジアルキルシロキサン、ポリジアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、シリコーンガム及び樹脂、更にはそれらの構造中に、炭化水素系基により結合している1つ又は複数の有機官能基(有機変性シリコーンとも呼ばれる)を含む、上に定義したシリコーンであるオルガノポリシロキサンである。
【0403】
有機変性シリコーンの中で挙げることができるのは、以下を含むポリオルガノシロキサンである:
- 任意選択でC
6〜C
24アルキル基を含むポリエチレンオキシ基及び/又はポリプロピレンオキシ基、例えばジメチコンコポリオールであり、特にDow Corning社により名称DC 1248で販売されているもの、又はUnion Carbide社による油Silwet(登録商標)L 722、L 7500、L 77及びL 711、又は(C
12)アルキルメチコンコポリオールで、及びDow Corning社により名称Q2 5200で特に販売されているもの、
- 置換されている又は非置換のアミン基、特にC
1〜C
4アミノアルキル基;挙げることができるのは、Genesee社により名称GP 4 Silicone Fluid及びGP 7100で、又はDow Corning社により名称Q2-8220及びDow Corning 929又は939で販売されている製品、
- チオール基、例えばGenesee社により名称GP 72 A及びGP 71で販売されている製品、
- アルコキシル化基、例えばSWS Silicones社により名称Silicone Copolymer F-755で、並びにGoldschmidt社によりAbil Wax(登録商標)2428、2434及び2440で販売されている製品、
- ヒドロキシル化基、例としてはヒドロキシアルキル官能基を保持しているポリオルガノシロキサン、
- アシルオキシアルキル基、例えば米国特許第A-4957732号に記載されているポリオルガノシロキサン、
- 記載された、カルボン酸タイプのアニオン性基、例えばEP186507で記載のもの、又はアルキルカルボン酸タイプのアニオン性基、例えば信越化学工業株式会社からの製品X-22-3701E、或いは2-ヒドロキシアルキルスルホネートタイプの、又は2-ヒドロキシアルキルチオスルフェートタイプのアニオン性基、例えばGoldschmidt社により名称Abil(登録商標)S201及びAbil(登録商標)S255で販売されている製品、
- ヒドロキシアシルアミノ基、例えば特許出願EP342834に記載されているポリオルガノシロキサン;挙げることができるのは、例えばDow Corning社からの製品Q2-8413である。
【0404】
好ましくは、本発明によるコンディショニング組成物が1種又は複数のシリコーンを含むとき、該組成物は、シリコーンを、組成物の総質量に対して、0.1質量%〜30質量%、好ましくは0.1質量%〜10質量%、なおも更により良好には0.2質量%〜5質量%の範囲の量で含む。
【0405】
iv)液体脂肪物質
本発明によるコンディショニング組成物は、コンディショニング剤として、液体脂肪アルコール、鉱物油、植物油又は動物油、液体脂肪エステル、液体炭化水素、及びこれらの混合物から特に選択される1種又は複数の液体脂肪物質を含むことができる。
【0406】
液体脂肪アルコールは、直鎖状であっても分枝状であってもよく、それらは好ましくは8〜30個の炭素原子を含み、それらは飽和であっても不飽和であってもよい。
【0407】
飽和の液体脂肪アルコールは、好ましくは分枝状である。それらは、その構造中に、少なくとも1つの芳香族環又は非芳香族環を任意選択で含んでいてもよい。それらは、好ましくは非環式である。より詳細には、飽和の液体脂肪アルコールは、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、2-ヘキシルデカノール、更にはパルミチルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール及びラウリルアルコール、並びにこれらの混合物から選択される。
【0408】
不飽和の液体脂肪アルコールは、それらの構造中に、少なくとも1つの二重結合又は三重結合、好ましくは1つ又は複数の二重結合を含有している。幾つかの二重結合が存在するとき、好ましくは二重結合のうちの2つ又は3つが存在し、二重結合は共役であっても非共役であってもよい。それらは、それらの構造中に、少なくとも1つの芳香族環又は非芳香族環を任意選択で含んでいてもよい。それらは、好ましくは非環式である。より詳細には、不飽和の液体脂肪アルコールは、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール及びウンデシレニルアルコール、並びにこれらの混合物から選択される。
【0409】
使用されうる鉱物油、植物油又は動物油の中で特に挙げることができるのは、植物由来の油として、スイートアーモンド油、アボカド油、ヒマシ油、オリーブ油、ホホバ油、ヒマワリ油、コムギ胚芽油、ゴマ油、落花生油、ブドウ種子油、ダイズ油、菜種油、ベニバナ油、ココナツ油、トウモロコシ油、ヘーゼルナッツ油、シア脂油、パーム油、アプリコット核油又はビューティーリーフ油;動物由来の油として、ペルヒドロスクアレン;鉱物由来の油として、流動パラフィン及び流動ワセリン、並びにこれらの混合物である。
【0410】
液体脂肪エステルは、モノアルコールの又はポリオールの、一酸又はポリ酸とのエステルであってもよく、アルコールの及び/又は酸のうちの少なくとも1種は、7個超の炭素原子の鎖を含む。好ましくは、本発明による液体脂肪エステルは、脂肪酸とモノアルコールとのエステルから選択される。好ましくは、アルコール及び/又は酸のうちの少なくとも1種は、分枝状である。挙げることができるのは、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル又はイソノナン酸イソステアリル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル及びミリスチン酸2-オクチルデシル、パーセリン油(オクタン酸ステアリル)、ラノリン酸イソプロピル、及びこれらの混合物である。
【0411】
用語「液体炭化水素」は、炭素原子及び水素原子のみから構成されている炭化水素であって、25℃、1atmにて液体であり、具体的には鉱物由来又は植物由来、好ましくは植物由来である炭化水素を意味するものと意図される。
【0412】
本発明による組成物中で使用されてもよい液体炭化水素として挙げることができるのは、
- 直鎖状又は分枝状の、任意選択で環式のC
6〜C
16アルカン、挙げることができるのは、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、及びイソパラフィン、例としてはイソヘキサデカン、イソデカン及びイソデカンであり、
- 16個超の炭素原子を有する、鉱物、動物又は合成由来の、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば揮発性又は不揮発性の流動パラフィン、ワセリン、流動ワセリン、ポリデセン、水添ポリイソブテン、例えばNOF Corporation社により商標名Parleam(登録商標)で販売されている製品、及びスクアラン
である。
【0413】
好ましくは、本発明によるコンディショニング組成物が1種又は複数の脂肪物質を含むとき、該組成物は、脂肪物質を、組成物の総質量に対して、0.1質量%〜30質量%、好ましくは0.5質量%〜20質量%、なおも更により良好には1質量%〜10質量%の範囲の量で含む。
【0414】
v)固体脂肪物質
本発明によるコンディショニング組成物は、コンディショニング剤として、固体脂肪アルコール、固体脂肪エステル、セラミド、セラミド以外の鉱物油、植物油又は動物油、及びこれらの混合物から特に選択される1種又は複数の固体脂肪物質を含むことができる。
【0415】
使用されうる固体脂肪アルコールは、好ましくは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、好ましくは直鎖状で飽和の、8〜30個の炭素原子、特に10〜24個の炭素原子を含む(モノ)アルコールから選択される。
【0416】
挙げることができるのは、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びこれらの混合物(セテアリルアルコール)である。
【0417】
使用されてもよい固体脂肪エステルは、好ましくは、C
9〜C
26モノカルボン酸から誘導されるエステル、及びC
9〜C
26アルコールから誘導されるエステルから選択される。挙げることができるのは、ベヘン酸オクチルドデシル、ベヘン酸イソセチル、乳酸セチル、オクタン酸ステアリル、オクタン酸オクチル、オクタン酸セチル、オレイン酸デシル、ステアリン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、ペラルゴン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル及びミリスチン酸ステアリル、並びにステアリン酸ヘキシルである。
【0418】
C
4〜C
22ジカルボン酸又はトリカルボン酸と、C
1〜C
22アルコールとのエステル、及びモノ、ジ又はトリカルボン酸と、C
2〜C
26ジ、トリ、テトラ又はペンタヒドロキシアルコールのエステルもまた使用することができる。特に挙げることができるのは、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル及びマレイン酸ジオクチルである。
【0419】
優先的には、C
9〜C
26パルミチン酸アルキル、具体的にはパルミチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル又はパルミチン酸ステアリル、及びC
9〜C
26ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ステアリル及びミリスチン酸ミリスチルを使用することが好ましい。
【0420】
本発明による組成物中で使用されうるセラミド、又はグリコセラミド等のセラミド類似体は、それ自体が既知であり、特に挙げることができるのは、Dawning分類に従って、クラスI、II、III及びVのセラミドであり、それらは、次式:
【0421】
【化37】
【0422】
[式中、
- R
1は、C
14〜C
30脂肪酸から誘導される、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のアルキル基を示し、この基が、飽和又は不飽和のC
16〜C
30脂肪酸でエステル化されている、アルファ位においてヒドロキシル基で、又はオメガ位においてヒドロキシル基で置換されることが可能であり、
- R
2は、水素原子、又は(グリコシル)n基(式中、nは、1〜4の範囲の整数である)、(ガラクトシル)m基(式中、mは、1〜8の範囲の整数である)若しくはスルホガラクトシル基を示し、
- R
3は、アルファ位で飽和又は不飽和であるC
15〜C
26炭化水素系基を示し、この基が1つ又は複数のC
1〜C
14アルキル基で置換されていることが可能であり、
天然のセラミド又はグリコセラミドの事例では、R
3がまたC
15〜C
26α-ヒドロキシアルキル基(ヒドロキシル基は、C
16〜C
30α-ヒドロキシ酸で任意選択でエステル化されている)を示すこともできることが理解される]
に相当することができる分子である。
【0423】
より特に好ましいセラミドは、式中、R
1がC
16〜C
22脂肪酸から誘導される飽和又は不飽和のアルキルを示し、R
2が水素原子を示し、R
3が直鎖状で飽和のC
15基を表す化合物である。
【0424】
優先的には、式中、R
1がC
14〜C
30脂肪酸から誘導される飽和又は不飽和のアルキル基を示し、R
2がガラクトシル基又はスルホガラクトシル基を示し、R
3が-CH=CH-(CH
2)
12-CH
3基を示すセラミドが使用される。
【0425】
更に使用されてもよいのは、式中、R
1がC
12〜C
22脂肪酸から誘導される飽和又は不飽和のアルキル基を示し、R
2がガラクトシル基又はスルホガラクトシル基を示し、R
3が飽和又は不飽和のC
12〜C
22炭化水素系基、好ましくは-CH=CH-(CH
2)
12-CH
3基を示す化合物である。
【0426】
特に好ましい化合物として更に挙げることができるのは、2-N-リノレオイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール;2-N-オレオイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール;2-N-パルミトイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール;2-N-ステアロイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール;2-N-ベヘノイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール;2-N-[2-ヒドロキシパルミトイル]アミノオクタデカン-1,3-ジオール;2-N-ステアロイルアミノオクタデカン-1,3,4トリオール、特にN-ステアロイルフィトスフィンゴシン;2-N-パルミトイルアミノヘキサデカン-1,3-ジオール、N-リノレオイルジヒドロスフィンゴシン、N-オレオイルジヒドロスフィンゴシン、N-パルミトイルジヒドロスフィンゴシン、N-ステアロイルジヒドロスフィンゴシン及びN-ベヘノイルジヒドロスフィンゴシン、N-ドコサノイル-N-メチル-D-グルカミン、セチル酸N-(2-ヒドロキシエチル)-N-(3-セチルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)アミド及びビス(N-ヒドロキシエチル-N-セチル)マロンアミド、並びにこれらの混合物である。
【0427】
本発明においては、ワックスは、状態の可逆性の固体/液体変化を伴い、室温(25℃)で固体であり、最大200℃であってもよい40℃より高い融点を有し、固体状態では異方性結晶組織を有する親油性化合物である。一般に、ワックス結晶のサイズは、結晶が光を回析する及び/又は散乱して、それらを含む組成物に、多少なりとも不透明で曇った外観を付与するようなものである。ワックスをその融点に持ち込むことによって、油と混和させ、微視的に均質な混合物を形成することができるが、混合物の温度を室温に戻せば、微視的に且つ巨視的に検出されうる(乳白光)、混合物の油の中でのワックスの再結晶が得られる。
【0428】
本発明中で使用されうる上記のセラミド以外のワックスとして挙げることができるのは、動物由来のワックス、例えばビーズワックス又は修飾ビーズワックス(cera bellina)、鯨ろう、ラノリンワックス及びラノリン誘導体、植物ワックス、例えばカルナウバワックス、キャンデリラワックス、アスパルタワックス、オーリキュリーワックス、木ろう、ココア脂ワックス又はコルク繊維ワックス又はサトウキビワックス、オリーブの木のワックス、コメヌカワックス、水添ホホバワックス、花のアブソリュートワックス;鉱物ワックス、例えばパラフィンワックス、ワセリンワックス、亜炭ワックス、微結晶ワックス、オゾケライト、並びにこれらの混合物である。
【0429】
好ましくは、本発明によるコンディショニング組成物が1種又は複数の固体脂肪物質を含むとき、該組成物は、該脂肪物質を、組成物の総質量に対して、0.1質量%〜20質量%、好ましくは0.5質量%〜15質量%、なおも更により良好には1質量%〜12質量%の範囲の量で含む。
【0430】
好ましくは、コンディショニング組成物は、カチオン性界面活性剤及びカチオン性ポリマーから選択される少なくとも1種のコンディショニング剤を含み、なおも更により良好には、該組成物は、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含む。
【0431】
好ましくは、コンディショニング剤は、コンディショニング組成物中に、前記組成物の質量に対して、0.01質量%〜30質量%、特に0.1質量%〜20質量%、なおも更により良好には0.5質量%〜15質量%、又は更に1質量〜12質量%の範囲の量で存在する。
【0432】
適用
したがって、本発明の主題はまた、ケラチン物質、特に毛髪の美容処置の方法であって、
- 上に記載した固体無水化粧用組成物と、
- 上に記載した、1種又は複数のコンディショニング剤を含むコンディショニング組成物と
を、順次に又は同時に前記ケラチン物質に適用する工程を含む、方法である。
【0433】
第1の実施形態では、固体無水組成物の適用とコンディショニング組成物の適用とは、順次とすることができる。
【0434】
特に、第1の変形形態によれば、第1の工程で、コンディショニング組成物を、任意選択で予め濡らしておいたケラチン物質上に堆積させ、次いで第2の工程で、例えば10秒から2分の時間の後に、固体無水組成物を、コンディショニング組成物の適用によって濡らされることになるケラチン物質上に堆積させることが可能であり;次いで、固体無水組成物が良好に崩壊する又は可溶化するようにケラチン物質をマッサージする工程を実施することが可能であり;次いで、得られた最終組成物を置いたままにしておくことができ、次いで最終組成物を濯ぎ落とすことができる。
【0435】
そのため、好ましくは、本発明による方法は、最終組成物でケラチン物質をマッサージする工程を含む。
【0436】
好ましくは、前記方法は、前記最終組成物を、例えば約2〜15分間置いておく工程を任意選択で含む。
【0437】
好ましくは、前記方法は、最終組成物を、任意選択のリーブオン時間の後に、例えば水で、濯ぎ落とす工程を任意選択で含む。
【0438】
第2の変形形態によれば、第1の工程で、固体無水組成物を、任意選択で予め濡らしておいたケラチン物質上に堆積させ、次いで第2の工程で、例えば10秒から2分の時間の後に、コンディショニング組成物を、ケラチン物質を濡らす且つ固体組成物を可溶化させるためにケラチン物質上に堆積させることが可能であり、次いで、固体無水組成物が良好に崩壊する又は可溶化するようにケラチン物質をマッサージする工程を実施することが可能であり、次いで、得られた最終組成物を置いたままにしておくことができ、次いで最終組成物を濯ぎ落とすことができる。
【0439】
そのため、好ましくは、本発明による方法は、最終組成物でケラチン物質をマッサージする工程を含む。
【0440】
好ましくは、前記方法は、前記最終組成物を、例えば約2〜15分間置いておく工程を任意選択で含む。
【0441】
好ましくは、前記方法は、最終組成物を、任意選択のリーブオン時間の後に、例えば水で、濯ぎ落とす工程を任意選択で含む。
【0442】
第2の実施形態では、固体無水組成物の適用とコンディショニング組成物の適用とは、同時とすることができる。
【0443】
そのため、この特定の実施形態では、本発明の主題は、ケラチン物質の美容処置の方法であって、
(i)- 1種又は複数のアニオン性及び/又は両性界面活性剤を含む固体組成物と、
- 1種又は複数のコンディショニング剤を含むコンディショニング組成物と
を混合して最終組成物を得る工程と、
(ii)前記最終化粧用組成物を前記ケラチン物質に適用する工程と
を含む、方法である。
【0444】
混合する工程は、使用時に手の中で、又は使用時に若しくは事前に容器中で行うことが可能であり、又は更に直接ケラチン物質上で行うことが可能である。
【0445】
具体的には、0.5〜10gの固体無水組成物を、1〜30gのコンディショニング組成物と混合することができ、特に0.5〜5gの固体組成物を、4〜25gのコンディショニング組成物と混合することができる。
【0446】
好ましくは、最終組成物を適用する前に、ケラチン物質を、例えば水で、濡らす。
【0447】
適用した後、次いで、最終組成物が良好に分布されるように且つ固体無水組成物が良好に崩壊する/可溶化するようにケラチン物質をマッサージする工程を実施することができ;次いで、得られた最終組成物を置いたままにすることができ、次いで最終組成物を濯ぎ落とすことができる。
【0448】
そのため、好ましくは、本発明による方法は、最終組成物でケラチン物質をマッサージする工程を含む。
【0449】
好ましくは、前記方法は、前記最終組成物を、例えば約2〜15分間置いておく工程を任意選択で含む。
【0450】
好ましくは、前記方法は、最終組成物を、任意選択のリーブオン時間の後に、例えば水で、濯ぎ落とす工程を任意選択で含む。
【0451】
キット
本発明によるキットは、一方で、上に定義した固体無水化粧用組成物を含み、他方で、上に定義した1種又は複数のコンディショニング剤を含むコンディショニング組成物を含む。
【0452】
これらの組成物のうちのそれぞれを、このタイプの配合物が想定されうる形態のうちの任意のもの、具体的にはボトル、ポンプ式ディスペンサーボトル、加熱ボトル、チューブ又はエアロゾルに詰めることができる。2つのパッケージを完全に別々にして、例えばケース又はブリスターパック中で一緒にまとめることができる。それらはまた、2つの分配システムを有する、又は2つの組成物を予混合する分配システムを伴う、2式チューブ又は2式エアロゾルの事例においては、並べて置くこともできる。
【0453】
有利には、組成物のそれぞれを、具体的にはボトル、ポンプ式ディスペンサーボトル又は加熱ボトルへ別々に詰め、2つのパッケージを別々にする又は一緒にまとめることができ、有利には一緒にまとめる。
【0454】
キットが使用されるとき、消費者は、有利には組成物を、例えば好適な容器中で互いに混合することができ、好ましくは、この混合は、質量の割合1:2〜2:1、好ましくは1:1において実行される。
【0455】
任意選択で混合する工程を行った後、ケラチン物質、特に毛髪に適用される準備が整った最終化粧用組成物を得ることができる。この最終化粧用組成物は、有利には、クリーム状のテクスチャ及び外観を有する。
【0456】
この最終化粧用組成物は、特に、毛髪のセクターにおける、具体的には毛髪の衛生、清浄、ケア及び/又はコンディショニングのために、とりわけ有利な使用のものであり、有利には、該組成物は、洗浄用組成物及びコンディショニング組成物の形態であり、具体的にはコンディショニングシャンプーの形態である。
【0457】
したがって、最終化粧用組成物は、ケラチン物質、特に毛髪に適用された後に、任意選択で濯ぎ落とされる。そのため、該組成物は、任意選択のリーブオン時間の後に、例えば水で、任意選択で濯ぎ落とすことができる。該組成物は、任意選択のリーブオン時間の後に、好ましくは濯ぎ落とされる。
【0458】
本発明の主題はまた、ケラチン物質の美容処置の方法であって、
(i)上に定義した固体無水組成物と、上に定義した1種又は複数のコンディショニング剤を含むコンディショニング組成物とを混合して最終化粧用組成物を得る工程と、
(ii)次いで、前記最終化粧用組成物を前記ケラチン物質に適用する工程と
を含む、方法である。
【0459】
好ましくは、混合する工程は、適用する工程の直前、例えば適用する工程前2時間未満、なおもより良好には1時間未満、なおも更により良好には15分未満に実施される。
【0460】
好ましくは、前記方法は、前記最終組成物を、例えば約2〜15分間置いたままにする工程を任意選択で含む。
【0461】
好ましくは、前記方法は、最終組成物を、任意選択のリーブオン時間の後に、例えば水で、濯ぎ落とす工程を任意選択で含む。
【0462】
好ましくは、それは、ケラチン物質、特に毛髪、頭皮、体の皮膚及び/又は顔の皮膚の美容処置、具体的にはケア及び/又は清浄の方法である。
【0463】
特に、それは、ヒトのケラチン物質、特に毛髪を清浄にし且つコンディショニングする美容方法とすることができる。