(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マイクロロータおよび前記マクロロータは、互いに相互交換可能であり、前記マクロロータは、前記マイクロステッパモータへ接続されるよう構成され、前記マイクロロータは、前記マクロステッパモータへ接続されるよう構成された、請求項5に記載の調合デバイス。
前記マイクロロータは、前記第1の流体ラインの一部を備えた第1のチューブを支持するよう構成されたロアフランジを有し、前記マイクロロータの当該フランジは、前記マイクロロータおよび前記ハウジングに対し前記第1のチューブを適切な位置に保持するように構成され、
前記マクロロータは、前記第2の流体ラインの一部を備えた第2のチューブを支持するよう構成されたロアフランジを有し、前記マクロロータの当該フランジは、前記マクロロータおよび前記ハウジングに対し前記第2のチューブを適切な位置に保持するように構成された、請求項4に記載の調合デバイス。
前記マイクロチャンネルと流体連通する前記複数のインプットバルブの少なくとも1つは、前記マクロインプット管類ラインに接続される、請求項13に記載の調合デバイス。
前記移送セットは、前記多岐管の前記マイクロチャンネルから前記第1のポンプに延びるマイクロ管類ラインと、前記多岐管の前記マクロチャンネルから前記第2のポンプに延びるマクロ管類ラインと、を有し、
前記マイクロ管類ラインの断面の直径は、前記マクロ管類ラインの断面の直径よりも小さい、請求項10に記載の調合デバイス。
前記マイクロアウトプットラインは、前記マクロアウトプットラインの長さ方向の軸に対して直角に取った当該マクロアウトプットラインの断面域よりも小さい、当該マイクロアウトプットラインの長さ方向の軸に対して直角に取った断面域を有する、請求項18に記載の調合システム。
前記マイクロチャンネルから前記第1のポンプに延びる前記マイクロアウトプットラインは、当該マイクロアウトプットラインの流体通過路に対し直角に取った第1の断面域を有し、
前記マクロチャンネルから前記第2のポンプに延びる前記マクロアウトプットラインは、第2の断面域を有し、
前記第1の断面域は、前記第2の断面域と異なる、請求項18に記載の調合システム。
前記ポンプシステムは、前記第1のポンプが駆動しているときに前記区別される材料ソースの第1の材料ソースから第1の体積の流体を移送し、前記第2のポンプが駆動しているときに前記区別される材料ソースの第2の材料ソースから第2の体積の流体を移送するべく構成され、前記第2の体積は前記第1の体積と異なる、請求項17に記載の調合システム。
前記ポンプシステムは、前記第1のポンプが駆動しているときに第1の材料ソースから第1の体積の流体を移送し、前記第2のポンプが駆動しているときに前記第1の材料ソースから第2の体積の流体を移送し、前記第2の体積は前記第1の体積と異なる、請求項17に記載の調合システム。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1および2Bは、開示されている発明の内容の原理に従って作られた調合システム1の例示的な実施態様の、以下においてはセンサ・ブリッジ・カバー10fおよびポンプ・カバー10gとも呼ばれる安全リッドが、それぞれ閉位置および開位置にある2つの異なる斜視図である。システム1を使用して、大小の容器4a、4bからの多様な流体を調合し、または混合し、それらの流体を人間または動物の患者へ、または診断のための実験室へ、またはその後の販売または使用のための貯蔵施設への引き渡しのための経静脈流体バッグ80等の単一の/最終容器内に統合することが可能である。1つの例においては、システム1が、それぞれが成分フレーム3に取り付けられる複数の小型供給容器4aおよび大型供給容器4b、少なくとも1つのポンプ(41、42)(
図3A参照)を含むハウジング10、選択的にハウジング10と接続可能であり、かつ複数のマイクロ・インプット・ライン2011、およびマクロ・ライン2021が取り付けられる多岐管20を含む移送セット2(
図2A参照)、コントローラ接続90、コントローラ2900、およびIV流体バッグ80等の最終容器を、それらが移送セット2のアウトプット・ライン(1つまたは複数)に接続されている間に載せておくことが可能な排出トレイ70を含むことができる。移送セット2は、滅菌された使い捨て可能なアイテムであることが意図されている。特に、移送セット2は、多くの異なる混合物または処方薬を、適切な収容バッグ80内に、あらかじめ決定済みの時間またはあらかじめ決定済みの体積の限度まで、作り出すか、または調合するべく構成することができる。移送セット2が、それのあらかじめ決定済みの時間および/または体積の限度に到達した後、セット2は、処分され、新しい移送セット2に交換することができる。言い換えると、移送セット2は、完全調合キャンペーンのため、たとえば、随時複数の患者のための処方薬が充填される、24時間調合操業のために使用されることになる調剤ツールである。所定の調合手順を開始する前に、操作者が、調合デバイス1のハウジング10に、移送セット2の多様な構成要素を装填する。
【0020】
図1に示されているとおり、移送セット2(
図2A参照)を、少なくとも1つのインプット容器(マイクロ容器4a(1つまたは複数)および/またはマクロ容器4b(1つまたは複数)等)とアウトプット容器(IV流体バッグ80等)の間に、複数のライン(たとえば、マイクロ・インプット・ライン2011(1つまたは複数)および/またはマクロ・ライン2021(1つまたは複数)等)を介して接続すること(または、接続可能にすること)ができる。移送セット2は、それを通って延びる複数のマイクロおよびマクロ・ライン2011、2021、多岐管20、張力解放クリップ33、ユニオン・ジャンクション60、およびアウトプット・ライン2031を含むことができる。マイクロおよびマクロ・ライン2011、2021は、別々の供給容器4a、4bのそれぞれからの流体が多岐管20内において少なくとも部分的に混合されることが、その後さらに、ポンプ40の下流に配置されるジャンクション60において混合される前に可能となるように、少なくとも1つの多岐管20を通って延びる。移送セット2は、システム1のメイン・ハウジング10に接続可能であり、インプット供給容器(1つまたは複数)4a、4bとアウトプット容器の間における接続を提供する。ハウジング10は、(ほかの機能の中でもとりわけ)ポンピングおよびコントロール機能を提供し、安全に、かつ効率的に、移送セット2を通じて容器4a、4bから正確な量の多様な流体を選択し、アウトプット容器に引き渡す。多岐管20は、第2の流路が中断されている間に、調合が第1の流路に沿って継続可能となるように、2つの別々の流路を含むことができる。
【0021】
移送セット2のマクロ・ライン2021およびマイクロ・ライン2011は、すべて、多岐管20の特定の取り入れ口管類ポート(すなわち、20aおよび20b)に取り付けられている。これらのラインの自由端または上流端は、それぞれ、恒久的な識別タグ802を用いて一意的にマークされている。この例示的な実施態様においては、識別タグ802がバー・コード・フラグまたはステッカである。識別タグ802は、1対1の追跡可能性を提供し、それが取り付けられる取り入れ口管類ポート(20aまたは20b)の特定のインスタンスに対応する。ソース容器4aおよび4bは、それらの中に入れられている流体のタイプおよび種類を識別する一意的なデータを有する。このデータは、バー・コード・フォーマットでフォーマットしてタグ801上に置くこともできる。使用の間は、コントロール・ソフトウエア内において、タグ801上にあるバー・コード・フォーマットのソース容器データと、取り付けられたライン識別タグ802上にあるバー・コード(または、そのほかの識別情報)をリンクさせることによって、取り付けられたソース容器(すなわち、4aおよび4b)を特定のライン2011または2021にリンクさせることができる。このようにして接続され、相関され、リンクされた後は、調合デバイスが特定の成分を要求したとき、上記のとおりに確立されたソフトウエア・リンクが、調合物収容バッグ80内に要求された、または意図されたソース流体を導入するために、いずれのバルブ・アクチュエータ102a'または102b'を開かなければならないかを決定する。
【0022】
メイン・ハウジング10に対する移送セット2の接続は、ハウジング10に多岐管20を接続することによって開始できる。多岐管20は、マイクロ・インプット・ライン・ポート20a(1つまたは複数)および/またはマクロ・インプット・ライン・ポート20b(1つまたは複数)等の複数のポートを含むことができる。移送セット2のラインは、マイクロ・ライン2011および/またはマクロ・ライン2021および/またはフレックス・ライン(1つまたは複数)と呼ばれる組み合わせマイクロ/マクロ・ライン(1つまたは複数)等の複数のラインを含むことができる。これらの複数のラインは、相応じて、それぞれのマイクロおよびマクロ・ライン(1つまたは複数)2011、2021のインプット端において上記のマイクロ容器4a(1つまたは複数)および/またはマクロ容器4b(1つまたは複数)に接続できる。マイクロおよびマクロ・ライン(1つまたは複数)2011、2021のそれぞれのアウトプット端は、多岐管20に接続できる。多岐管20は、多岐管20内にある少なくとも1つのバルブ21a、21bが、ハウジング10内にあるステッパ・モータ102a、102b(より詳細を後述する)との合体が可能なバルブ・アクチュエータ102a'および102b'と整列できるように、ハウジング10と選択的に接続できる。
【0023】
この例の実施態様においては、
図3Aおよび3Bに示されているとおり、ハウジング10の上に移送セット2を取り付けるとき、多岐管20が、ハウジング10の上側表面にある浅いトレイの凹み10c内においてハウジング10の上左側に接続される。この浅いトレイ10cは、調合システム1内部の電子部品およびメカニズムへの流体の進入を防止するために、こぼれた流体または漏れのポンプ・ハウジング10からの逃げを与える。
図3Aにおいては、移送セット2および多岐管20が、まだ定位置になく、ユーザが、ハウジング10上に移送セット2を載置し、調合システム1の使用のための準備のプロセスを開始するかのように、ハウジング10の上方に置かれている。移送セット2は、2つの明瞭に区別されるチャンネルを有する多岐管20を含む:すなわち、複数のマイクロ・ライン2011および/またはマクロ・ライン2021に接続される第1のチャンネル24aおよび複数のマクロ・ライン2021に接続される第2のチャンネル24bである。当然のことながら、このほかの実施態様においては、第1および第2のチャンネルのそれぞれが、単独でマイクロ、マクロ、フレックス、またはそのほかのタイプのラインにそれぞれ接続されること、またはマイクロ、マクロ、またはそのほかのタイプのラインの組み合わせに接続されることも可能である。第1のチャンネル24aおよび第2のチャンネル24bは、多岐管20内にあり、第1のチャンネル24aからの流体が第2のチャンネル24bからの流体と混ざらないように、互いに完全に分離することができる(すなわち、互いに流体分離されている)。これらのチャンネルは、それを通って流体が流れることが可能な多岐管内の部分またはエリアと考えられる。この実施態様においては、マイクロ吐出口25aおよびマクロ吐出口25bを、多岐管20の下流側に配置し、それぞれマイクロ・ライン2011およびマクロ・ライン2021に接続することができる。注意されるものとするが、多岐管の下流のライン(たとえば、吐出口ライン、またはマイクロ・ライン2011およびマクロ・ライン2021)は、多岐管20に流体を供給する取り入れ口ライン2011、2021と比べて異なる管類を組み入れることができる。たとえば、取り入れ口ラインは、吐出口ラインと比べて剛性がより高いか、またはより低い材料から作られる管類を含むことも可能であり、また、より大きいか、またはより小さい直径の開口を伴って作られるか、またはより厚いか、またはより薄い側壁の厚さで作られる管類を含むことが可能である。それに加えて、取り入れ口ラインの色を、吐出口ラインとは異なる色にすること、それらのラインが、管類の内側または外側のいずれかにおいて異なる表面テクスチャを有することも可能である。たとえば、ラインの応用および配置に応じて、乱流を促進または防止するべく内側のテクスチャを構成することが可能である。
【0024】
センサ構造29を多岐管内に配置可能であり(
図7Aおよび7B参照)、ハウジング10内に配置されて、多岐管20が正しい/機能できる位置にあることをシステムに知らせるセンサ2901(
図15参照)をトリップするべくそれが構成される。それに代えて、センサ2901を、多岐管20についての存在および全体位置情報を確認するべく構成することが可能であるが、それが必ずしも完全に機能できる位置であることを確認するべく構成する必要はない。センサ構造29は、ハウジング29h内に入って多岐管20および移送セット2が適正に(すなわち、確実に)定位置にあること(
図7A参照)を示す信号をハウジング10内のセンサ2901に提供する(または、作動させる)磁石29mを含むことができる。システムとともに使用されるソフトウエアは、調合器1が、センサ2901が磁石29mを検知しないか、またはそれによって作動されないとき(すなわち、多岐管20が、ハウジング10に関して適正な位置にないとき)に動作/機能しないように構成することが可能である。多岐管20が、多岐管20の両側の端に配置されたクリップ27a、27b(
図2B参照)によってハウジングに固定された後、張力解放クリップ33をハウジング上に据え付けることができる。張力解放クリップは、あらかじめ組み立て、マイクロ・ライン2011およびマクロ・ライン2021の両方に取り付けることが可能である。取り付け時は、張力解放部品を、多岐管20が据え付けられる浅い多岐管トレイの凹み10cの右壁を形成するセンサ・ブリッジ10eの右に、それの直近に隣接して配置することができる。張力解放クリップ33は、移送セット2にあらかじめ組み付けておき、エンド・ユーザによる使用の容易性を確保することができる。
【0025】
図3Cに示されているとおり、多岐管20がハウジング10に取り付けられ、張力解放クリップ33が定位置に置かれた後は、不注意による接触および/または塵埃、液体、またはそのほかの汚染物質による汚染からセンサおよび張力解放クリップ33を保護するために、センサ・ブリッジ10eの上からセンサ・ブリッジ・カバー10fを閉じることができる。センサ・ブリッジ10eは、バブル検出器および/または閉塞検出器として作用するセンサまたは複数のセンサ(たとえば、超音波センサ、フォト・センサ、またはそのほかのセンサ)を含むことが可能である。
【0026】
図3Dは、移送セット2の取り付けについての例示的な次のステップの図解であり、このステップは、ユニオン・ジャンクション60の上に配置されたクリップ・ロック60f(
図10および11参照)を、ハウジング10の上側表面上のポンプ40の右側に形成された相手ロックにスナップ嵌めすることによってジャンクション60をハウジングに接続することを含む。アウトプット・ライン2031は、ポンプ40が配置されるハウジングの上側表面の第2の浅いポンプ・トレイの凹み10dを定義する外側の壁に形成されたアウトプット・ガイド18(
図3A参照)内にセットできる。
【0027】
図3Eに示されているとおり、ジャンクション60およびアウトプット・ライン2031が定位置に収まった後は、マイクロ・ライン2011およびマクロ・ライン2021を、蠕動ポンプ40内に据え付けることができる。それに代えて、各ロータ41、42の周りにポンプ管類を取り付けた後にユニオン・ジャンクション60を定位置にスナップ嵌めすることも可能である。特に、マイクロ・ライン2011を、第1のロータ41の外周の周りに配置し、マクロ・ライン2021を第2のロータ42の外周の周りに配置することができる。この位置においては、マイクロ・ライン2011が、第1の/マイクロ・ロータ41と第1の/マイクロ・プラテン43aの間に置かれることになり、マクロ・ライン2021が、第2の/マクロ・ロータ42と第2の/マクロ・プラテン43bの間に置かれることになる。
【0028】
図3Fは、ハウジング10に対する移送セット2の接続についての例示的な次のステップを示し、このステップは、第1の/マイクロ・プラテン・ロック44aを時計方向に回転して、プラテン43aを第1のロータ41に関して閉じた位置でロックすること、および第2の/マクロ・プラテン・ロック44bを反時計方向に回転して、第2のプラテン43bを第2のロータ42に関して閉じた位置でロックすることを含む。この位置においては、ロータ41およびロータ42が作動され、バルブ21a、21bのいずれか1つが開位置に回転されると、ロータのそれぞれが、蠕動力/作用を通じ、それぞれのライン2011、2021を通して流体(1つまたは複数)を引き込むことになる。バルブ21aまたは21bのうちのいずれか1つが開かれてないときにポンプ・ロータが作動されると、蠕動力が、多岐管20とポンプ・ロータ41、42の間のマイクロ・ライン2011またはマクロ・ライン2021内側の多岐管チャンネル24a、24bの間に負圧を作り出し、影響を受けたラインの閉塞をもたらす可能性がある。この閉塞は、マイクロ・ライン2011およびマクロ・ライン2021の壁が部分的に潰れ、それがセンサ・ブリッジ10e内の閉塞センサによって測定されることから、検出されることになる。閉塞センサ33oは、光学センサ、力ベースのセンサ、圧力センサ、超音波センサ、またはそのほかの周知の、ライン内に閉塞が生じたか否かを決定するためのセンサとすることが可能である。別の実施態様においては、閉塞センサ33oおよびバブル・センサ33bをセンサ・ブリッジ10e内に組み入れることが可能である。それに代えて、組み合わせセンサ33o/b、またはセンサ33o、33bを張力解放部品33内またはシステム1に沿ったそのほかの場所に組み入れることが可能であり、また張力解放部品33またはブリッジ10eと統合すること、またはシステム1に取り付けられる別の独立した構造とすることも可能である。
【0029】
図3Gは、システム1のセットアップにおける例示的な最終ステップを示し、それにおいては、ほかのデバイス/構造/人との接触からポンプ40を保護し、ポンプ40および関連付けされたライン2011、2021を塵埃、液体、またはそのほかの汚染物質による汚染から保護するポンプ・カバー10gがポンプ40の上を閉じる。センサ・カバー10fおよびポンプ・カバー10gのそれぞれは、システム1の動作の間にわたってそれらのカバーが定位置にあることを保証する磁石またはそのほかのタイプのセンサまたはロック・メカニズムを含むことが可能である。
【0030】
移送セット2が、ハウジング10、インプット/貯蔵容器4a、4b、および収容バッグ80と正しく接続され、カバー10fおよび10gが閉じられた後は、システム1の較正およびその後の多様な流体の処理および調合が生じることが可能になる。
【0031】
図3Hは、プラテン・ロック44aの例示的な実施態様を図示している。プラテン・ロック44aは、回転軸周りに回転してカム444にプラテン43aとの弾力接触をもたらすべく構成することが可能である。カム444は、たとえば、限定ではないが、板ばね、コイルばね、またはそのほかのタイプのばねを含む、カム444にプラテン43aとの一定の接触を維持させ、かつ、それに対してプリセット済みの一定の力を印加するばね443等のバイアス部材を含むことが可能であり、続いてそれが、プラテンとロータ41の間に置かれたマイクロ・ライン2011上において一定の、またはプリセット済みの力を維持し、移送セットの寿命にわたってポンプ40による正確かつ予測可能な体積測定アウトプットを保証する。ばね443は、調合の間にわたる管類ラインの摩損における重要なファクタとなる可能性があり、またポンプ40のアウトプットにも影響を与え得る。
【0032】
精度は、ポンプ管類の内径、管類の壁厚、およびローラと・プラテンの間の間隔の関数にもなり得る。また精度は、回転の速度によっても影響を受けるが、両方のモータに同じ精度を持たせることは可能である。
【0033】
プラテン・ロック44aは、実質的に、オーバーハングする上側延長部441および回転型の下側延長部442を伴う単純なL字形状の構造として構成された流線型の見掛けを有することが可能である。下側延長部は、長さ方向の軸を有し、その周りをプラテン・ロック44aが回転する。プラテン・ロック44aは、アルミニウム、またはそのほかの、プラスチック、セラミクスおよび/またはそのほかの金属または合金等の硬質材料から作ることが可能である。単純な構造は、ユーザに、プラテン・ロック構造44aの操作の本質における効率的な印象を提供する。下側延長部442は、ハウジング10内の/そこから延びる回転ポスト449に取り付けられ、その上をスライドする開口を伴って構成できる。プラテン・ロック44aは、単純な摩擦嵌め、ポスト449と下側延長部442内の開口の間におけるスプライン・タイプの関係、またはそのほかの構造的な構成を介してポスト449上にロックすることが可能である。代替実施態様においては、調合システム1のハウジング10から延びる回転ポスト449に対する迅速な接続のために、下側延長部442内に止めねじ構造445を提供することが可能である。
図3Hに図示された実施態様においては、止めねじ445sを使用して、プラテン・ロック44a、44bの内側に収められたばね443に対して予荷重をセットすることができる。このばね443は、プラテン43a、43bに力を印加し、究極的には、それぞれのロータ41、42に対してプラテン43a、43bを圧迫する。磁石利用のロック構造449mおよび442mを提供すること(または、止めねじ構造445に代えること)も可能であり、磁石ロック449mおよび442mが解放されるまでハウジング10からプラテン・ロック44aが外されることを防止するハウジング10に対するプラテン・ロック44aのロックを含む複数の機能を有することができる。プラテン43aに対するプラテン・ロック44aの配置は、プラテン43aの背側の戻り止め位置によって達成することができる。プラテン・ロック44aがプラテン43aに対してロック位置に向かって回転されると、カム444が、カム444を圧迫する隆起した特徴を有するプラテンの背のプロファイルに追随し、ユーザは、そこを過ぎて回転して最終的なロック位置まで到達させなければならない。この特徴にわたるカムの作用は、ユーザに、ロック・ポイントに到達した旨のフィードバックを提供し、かつキャビティ特徴内にカムが落ち着くことに起因してこのロック位置を機械的に維持する。望ましいロック・ポイントを超えた継続的な回転は、カムがハード的なストップ・ジオメトリを超えることができないように、プラテンのプロファイル内にハード的なストップ・ジオメトリを提供することによって防止可能である。プラテン・ロック44aがこのロック位置にあるときのカム444の位置は、カム444の底に埋め込まれた磁石446を介してセンサ2904aがトリップされる位置になる。ポスト449に対するロック・アーム44aの結合は、ポスト449の先端に埋め込まれた第1の磁石449mおよびロック・アーム44aの下側延長部442内の受け入れボアの端にある第2の磁石442mのペアを介して達成される。
【0034】
この例示的なシステム1の実施態様の別の利点は、その構成によって操作者が、クリーニングのために、ツールの使用を伴うことなく容易にプラテン43a、43bおよびプラテン・ロックの構成要素44a、44bをポンプ・ハウジングから取り外しできることである。両方のプラテン43a、43bの取り外しは、それらを単純に上向きに引き上げ、ポンプ・ハウジングの表面10dから遠ざけることによって可能である。
【0035】
それに加えて、両方のロータ41、42は、それらのロータ41、42の中心/回転軸に備えることが可能なつまみねじを単純に緩めて外すだけでツールの使用を伴うことなく取り外すことが可能である。ロータ41、42を相互交換可能にできることから、クリーニング後に、たとえば、マクロからマイクロへ、またマイクロからマクロへとそれらの位置を交換することによってそれらの寿命を延長することが可能である。
【0036】
ポンプ40は、それぞれのステッパ・モータ41s、42sの上にマウントされ、それによって別々に回転されるロータ41、42を含むことができる(
図3F参照)。ステッパ・モータ41s、42sのそれぞれは、比較的高いプリセット済みの回転毎マイクロステップ値(たとえば、より詳細については後述するが、多岐管20内に配置される回転バルブ21a、21bの回転に使用されるステッパ・モータ102a、102bの回転毎マイクロステップ値より10
3の位数で高い)を有することが可能である。ステッパ・モータ41s、42sのための高い回転毎マイクロステップ値は、システム1のための流体の引き渡しにおいて、より高い正確度または精度を可能にする。ステッパ・モータ41s、42sのそれぞれは、コントローラ2900に接続することが可能であり、また非常に正確な量およびタイミングの材料の流れがこの調合デバイスを通じて達成されるように、それらを別々に、シーケンシャルに、シリアルに、同時に、またはそのほかの形でコントロールし、ロータ41、42のそれぞれに、既知のあらかじめ決定済みの量および可能性としてはあらかじめ決定済みの速度の回転を生じさせることが可能である。それに加えて、ステッパ41s、42sに、コントローラ2900と通信してステッパ41s、42sの明示的な位置決めコントロールを提供する絶対エンコーダを備えることが可能である。
【0037】
ロータ41、42は、相互交換可能となるように実質的に互いに同一とすることができる。たとえば、1つの実施態様においては、マクロ・ロータ42をマイクロ・ロータ41より多く回転するべく構成することが可能であり、したがって、より高い摩損を被ることになる。したがって、調合システム1の動作が中断している間のいずれかのポイントにおいて、ロータ41がマクロ・ロータとして作用し、所定の時間期間にわたって高められた摩損を受けるように、マクロ・ロータ42とマイクロ・ロータ41を相互に交換することができる。この態様においては、両方のロータ41、42の寿命を延長することが可能になる。
【0038】
カム444およびばね443もまた、プラテン43aに関する特定の位置において弾性反発力および摩擦力の両方が生じることに起因して定位置にプラテン・ロック44aが実質的にロックされるように、プラテン・ロック44aが特定の回転位置にあるときに既知の力をプラテン43aに提供するべく構成することが可能である。言い換えると、プラテン・ロック44aがあらかじめ決定済みの回転位置を通過した後は、プラテン43aによってプラテン・ロック44a上に作用する弾性反発力が、プラテン・ロックの時計方向の回転の継続を生じさせる傾向を有する。磁石446等のセンサをプラテン・ロック44a内に備え、ハウジング10内の対応するセンサ2904aをトリップして、それがシステムに、プラテン・ロック44aが正しい位置にあることを伝えるべく構成することが可能である。しかしながら、ハウジングのポストまたは下側延長部442のいずれかに配置された回転ストップが存在すれば、プラテン・ロック44aが、それ以上時計方向に回転することが不可能となって、前述の既知の弾性反発力(カム444およびカムばね443に起因する)を単に維持することになり、またその弾性反発力が、プラテン・ロック44aの解放(反時計方向の回転)を防止する作用も提供する。この場合におけるプラテン43aからのプラテン・ロック44aのアンロックは、操作者が単純に、構造を定位置に保持する傾向を呈する戻り止め位置におけるカムの弾性反発力および摩擦力に打ち勝つだけで足りる。また、これについても注意される必要があるが、ロックが反時計方向の回転運動において生じることを別にすれば、プラテン・ロック44bおよびプラテン43bを、プラテン・ロック44aおよびプラテン43aに関する上記の説明に類似する態様で構成することが可能である。
【0039】
図4Aおよび4Bは、マイクロ・ライン2011およびマクロ・ライン2021を介して張力解放クリップ33に接続された多岐管20を含む例示的な移送セット2の部分を示している。マイクロ・ライン2011およびマクロ・ライン2021は、張力解放クリップ33を超えて延び、最終的にユニオン・ジャンクション60において混合されるか、または合流し、結果として移送セット2のための単一の吐出口ライン2031をもたらす。マクロ・ライン2021は、同一の連続的な管類の構造の部分とすることが可能である。それとは対照的に、この例においては、マイクロ・ライン2011が、シャント33gによって互いに結合される分離構造になる。シャント33gは、マイクロ・ライン2011より硬い材料から作ることができる。たとえば、マイクロ・ライン2011をシリコン管類から作り、シャント33gを、比較的より硬質なPVC材料から作ることができる。シャント33gは、張力解放クリップ33が、シャント33gの内径を圧迫するか、またはそのほかの形で減少させることなくそれとの確実な接続が可能となるように余剰の剛性を提供する。1つまたは複数のカラー33dをシャント33gに備えてクリップ33にロックし、シャント33gがマイクロ・ライン2011の長さ方向の軸に沿って移動することを防止できる。多岐管セット構造の一貫性のある配置/組み立てに関して製造を容易にすることが可能となるように、追加のカラーも予期されている。これに対し、マクロ・ライン2021は、直径および厚さにおいて充分に大きく、その結果、クリップ33がそれに取り付けられるとき、それの内径が圧迫されるか、減少されることがない。したがって、張力解放クリップ33がマイクロ・ライン2011およびマクロ・ライン2021に取り付けられるとき、クリップ33は、それらのラインの内径特性を有意に変化させることがなく、その一方でそれらのラインの長さ方向の軸に沿って作用する力がクリップ33を超えて伝達されることを防止する。したがって、マイクロ・ライン2011およびマクロ・ライン2021が、蠕動ポンプ40のそれぞれのロータ41、42周りに接続されるとき、それらのラインに作用する回転力が、マイクロおよびマクロのインプット・ラインに沿って、逆方向に多岐管20およびバブルおよび閉塞センサに向かって移動することはない。張力解放クリップ33は、ポンプ40から多岐管20への直線力および振動の伝達を最小化する緩衝器として作用する。これらの力および振動を最小化することは、バブルおよび閉塞センサの機能を最適化し、それがなければそれらのセンサは、ポンプの蠕動作用によって管類が引っ張られるとき、管類の張力における変化によって影響を受けることになる。同様に、張力解放部品は、多岐管20に関するセット2の固定位置を提供し、閉塞およびバブル・センサ33o、33b、33o/bを通る管類およびライン・セグメントの取り付けを容易にし、これらのライン・セグメント上の反復可能な張力を維持する。
【0040】
張力解放クリップ33は、多様な形状を有することが可能であり、
図5に示されている実施態様においては、クリップ33が、2ピースのクラム・シェル・タイプの設計として構成され、それにおいては、上側部分33aを下側部分33bに、各部分33aおよび33bの周縁近くの場所に一体的に形成され、対向する部分33a、33bのスナップ・ラッチ・レセプタクル33jと嵌まり合うクリップ33iによって取り付けることが可能である。通過路33cを、上側部分33aおよび下側部分33bの半円柱カットアウトとして形成することができる。ガイド・スリーブ33hを、クラム・シェル部分33a、33bのうちの一方のコーナーに備えて、それらのクラム・シェル部分33a、33bの結合時に、対向するクラム・シェル部分33a、33bのうちの他方をガイドして係合に至らせることができる。マイクロ・ライン2011およびマクロ・ライン2021は、通過路33cを通過可能であり、シャント33g内の相手リッジ33sおよび/またはマクロ・ライン2021自体に接続する一連のリッジ33rによって張力解放クリップ33にロックすることができる。同一構成要素の2つのインスタンスの使用を伴って上記のプロセスおよび構成が可能となるように、張力解放部品33aおよび33bを、実際、まったく同じにすることは可能である。
【0041】
図6A-6Cは、
図4Aの多岐管20の多様な断面図を示しているが、明瞭のために、それらの中に配置されるバルブ構造が除かれている。
図6Aに示されている断面図は、2セットのポートを図示している:すなわち、2つのマクロ・ポート20bおよび2つのフレックス・ポート20bfであり、それらはそれぞれ円筒形状であり、それぞれ、ポート20bおよび20bfの直下に配置されるバルブ・ハウジング20bhおよび20bfhと流体連通している。ポート20bおよび20bfは、それへの取り付けのために、ポート20bおよび20bf内の上向きかつ外向きに面する円筒状開口の内周にマクロ・ライン2021を滑り入れることが可能となるように構成されている。したがって、ポート20bおよび20bfは、ポート20bおよび20bfに取り付けられるライン2021を介して、多様なマクロ・ソース容器4bに接続することが可能である。バルブ21b、21a(詳細は後述)は、ポート20bおよび20bfの下方にあるバルブ・ハウジング20bh、20bfh内にそれぞれ配置できる。バルブ21b、21aがハウジング20bh、20bfh内に配置されているときは、バルブ21b、21aが、ハウジング20bh、20bfh内におけるバルブの回転位置に応じて選択的に、ライン2021内にある流体と多岐管のチャンネル24b、24a内にある流体を接続する。
【0042】
上で述べた多岐管は、例示的な実施態様において、すべての特徴20a、20b、20bf、20ah、20bh、20bfh、24a、24b、25b、26、27a、27b、および29を含む1つの一体構造20として形成(たとえば、モールド)することが可能である。また、別々の構造(構成要素)20a、20b、20bf、20ah、20bh、20bfh、24a、24b、25b、26、27a、27b、および29のいずれかまたは全部を任意の組み合わせで多岐管アッセンブリ20に結合し、同じ目的を達成することも可能である。
【0043】
図7A-Cは、それぞれ多岐管20の底面図、分解斜視図、および組み立て後の斜視図である。多岐管20は、第2のチャンネル24bの両側に沿って直線態様で配置されたマクロ・ポート20bのアレイを含む。第1のチャンネル24aは、それの長さに沿って配置されたフレックス・ポート20bfおよびマイクロ・ポート20aの両方を含み、それらの間における流体連通を提供する。したがって、第1のチャンネル24aは、マクロ・フレックス・ライン2021およびマイクロ・ライン2011の両方と接続できる。この実施態様においては、フレックス・ラインが、
図1に示されているとおりに第1のマクロ・ライン2021として構成され、ジャンクション2071において2つの外行きマクロ・ライン2021に結合されて、マクロ容器4bからの流体が第1のチャンネル24aおよび第2のチャンネル24bの両方に供給されることを可能にする。言い換えると、マクロ・ライン2021が、マクロ貯蔵容器4bを離れた後に2つの方向に分岐し、第2のチャンネル24bおよび第1のチャンネル24aの両方に接続可能となるように、マクロ・ライン2021内にジャンパ分岐接続を提供することができる。フレックス・ラインは、容器4bからの同じ流体/溶液(たとえば、栄養成分)を、それぞれバルブ21bおよび21bfの通過後に多岐管20の両方のチャンネル24aおよび24bに導く。これは、チャンネル24aおよび24bのフラッシング/クリアリングの目的のために、2つの別々の容器4bを使用して、1つの容器をチャンネル24aに接続し、別体の他方の容器をチャンネル24bに接続するのではなく、単一の、またはより大きいソース容器4bを使用するオプションを容易にする。シーケンシャルに充填される収容容器(たとえば、最終的なバッグ80)に意図された最終的な内容物の多様な臨床的ニーズに応じた調合キャンペーンの間に、複数のタイプのフラッシング成分が要求されることがあるため、複数のフレックス・ラインを使用することが可能である。注意されるものとするが、この実施態様におけるフレックス・ラインは、吐出口25aおよび25bからチャンネル24aおよび24bに沿ってもっとも遠いフレックス・ポート20bf(
図6B参照)において終端され、それによってフラッシング成分を用いてチャンネル24aおよび24bの全体をフラッシュすることが可能になる。この実施態様においては、マイクロ・ライン2011が、マイクロ貯蔵容器4aを離れた後に分岐されず、したがって、第2のチャンネル24bと連通するマイクロ・ポート20aは存在しない。開示されている発明の内容の実施態様が、第1および第2のチャンネル24aおよび24bの両方にマイクロ・ラインが取り付けられることを可能にするべく適応されるバルブを伴って構成された多岐管を含み得ることは予期されている。フレックス・ラインは、異なる患者の処方の間において、広範囲の体積にわたって要求されることがある任意の成分のために使用されるべく設計される。したがって、少量で要求されるいくつかの処方のためには、マイクロ・ポンプによってそれらを引き渡すことができる。同様に、大体積で要求される処方のためには、マクロ・ポンプによってそれらを引き渡すことができる。フレックス・ラインのY接続流体路は、両方の流体路(マイクロおよびマクロ)に対する成分のアクセスを与え、したがって、システムは、その成分を適切に引き渡すためにいずれのポンプを使用するべきかを要求された体積に基づいて決定することが可能である。
【0044】
図7Bにおいては、バルブ21a、21bおよびフィラー200が、それらと、マクロ・バルブ・ハウジング20bh、マイクロ・バルブ・ハウジング20ah、および組み立てられ、使用のための準備が整ったときにこれらの構造のそれぞれが属する第1のチャンネル24aの関係がより良好に示されるべく分解されている。これから見て取れるとおり、バルブ21aおよび21bのそれぞれは、キー溝21a4および21b4をそれぞれ含み、それが、調合デバイスのハウジング10内の多岐管の凹み/表面10cから延びるアクチュエータ部材102a'および102b'に対する積極的な取り付けを可能にする。
【0045】
動作上のバルブ構造は、実際、回転部材(バルブ21aおよび21b)と、多岐管(20ahおよび20bh)内のバルブ21a、21bが配置されるソケットの内径(ID)の組み合わせである。動作上のバルブ構造の構成は、静的な流体状態の下においては重力に基づく流体の移動(バルブが開かれたままのときに異なる濃度または異なる比重の流体の沈降または上昇によって生じる移動の類)が防止または制限できる、より成形性のあるエラストマのバルブを作り出すことが意図された。
【0046】
アクチュエータ部材は、バルブ21aおよび21bが精密に回転可能となるように、少なくとも1つのステッパ・モータ102a、102bによってコントロールされる。1つの実施態様においては、マイクロ・バルブ21aのためのステッパ・モータ102aを、マクロ・バルブ21bのためのステッパ・モータ102b(
図9参照)より高精度のものとすることができる。より高精度のステッパ・モータは、マイクロ・バルブ24aの本質的な可撓性に起因するマイクロ・バルブ24aの位置精度の提供に使用することが可能である。たとえば、約48にプリセットされた回転毎マイクロステップ値を有するステッパを使用することができる(このプリセット値は、ポンプのための回転毎マイクロステップ値より10
3の位数で低くすることが可能である)。バルブ21a、21bの正確度は(すなわち、バルブ21a、21bの精密な移動)は、高いギア・ボックスの使用を通じてさらにコントロールすることが可能であり、それは、ステッパ・モータ102a、102bについての大きな入力回転が、それぞれバルブ21a、21bのそれぞれのための小さな移動を提供する結果をもたらす。バルブ21a、21bのそれぞれを構成する材料の可撓性は、漏れを伴うことなく圧力差に耐える改善されたシール表面を提供するか、または強化するべく構成または選択することが可能である。このねじり可撓性を前提とし、マイクロ・バルブ24aの回転に抗する摩擦を考慮すると、これは、回転の間にわたってバルブの上側の特徴、すなわち駆動スロット24a4の反対側が、バルブの下側の特徴より角度的に遅れるということになる。したがって、バルブ24aとチャンネル21aの間における流体開口を適正に設定するために、より高精度のステッパ・モータが最初にバルブのトップが適正に位置決めされるようにバルブ24aを回転し、続いて反転方向に回転して下側の特徴にも適正な位置をもたらし、それによりバルブを真っ直ぐにする。バルブを閉位置に戻すときも同じ動作になる。ステッパ102a、したがってアクチュエータ102a'およびバルブ24aの回転は、時計方向、反時計方向、またはこれらの方向の任意の組み合わせとすることが可能である。マイクロ・バルブ21aが、通常はより小体積の成分をコントロールすることから、通常は大体積の成分を分配する、高い正確度の達成が容易なマクロ・バルブ21bに比べて比較的高い正確度で体積の測定および分配が行われる必要がある。しかしながら、理解されるものとするが、引き渡しの精度は、必ずしもバルブ動作の直接的な関数ではない。バルブが適正に開閉される限り、ポンプ41、42を使用して流体の引き渡しの量およびコントロールの精度を提供することが可能である。
【0047】
動作においては、バルブが可撓性であり、回転時にバルブのボトムよりバルブのトップが遅れることから、マイクロ・バルブ21aおよびマクロ・バルブ21bが、ステッパ・モータによって「開」位置を超えるところまで過剰に駆動されるとして記述することができる。したがって、バルブを適正に開くために、バルブのボトムが、目標角度位置より過剰に駆動される。トップが適正な位置に達した後、ステッパが反転し、バルブのボトムを適正な位置に持ってくる。この動作は、実質的に、バルブをねじった後に真っ直ぐにしており、バルブ21a、21bのための開および閉両方のプロセスにおいて生じる。
【0048】
図7Cおよび9は、多岐管20内の定位置に置かれたバルブ21a、21bおよびフィラー200を示す。フィラー200は、第1のチャンネル24aの長さ方向の軸に対して直角に取ったチャンネル24aの断面積が、第2のチャンネル24bの長さ方向の軸に対して直角に取ったチャンネル24bの断面積より小さくなるように第1のチャンネル24a内の容積を取り上げる。したがって、第1のチャンネル24aと第2のチャンネル24bの内周は、バルブ21a、21bの配置およびチャンネル24a、24bの流体流ジオメトリにおける特定の構成上の利点を考慮に入れ、類似の形状に設定することが可能である。フィラー200は、フィラー・ロッド201を含むことが可能であり、またそれが、チャンネル24a内において中心に置かれるロッド201が維持されるように、ロッド201に沿って配置された複数のスペーサ202を含む。ロッド201の近位位置にクリップ・ロック203を備え、それを、多岐管20内の相手クリップ・ロック凹部とロックするべく構成することが可能である。特に、可撓性タブ203aをロック203上に配置し、それが多岐管20内の開口203bと嵌まり合い、ロックされるべく構成できる(
図7C参照)。
図7Bに示されているとおり、フィラー200が中に配置されたときにソケット26を介してチャンネル24a内に、またはそこから外へ空気または液体等の流体が漏れることを防止するべく、Oリング204等のシール部材204によってソケット26内のフィラー200をシールすることができる。シール部材204は、ロッド201上の凹部または受け溝204a内に配置され、フィラー200に関して正しい位置においてシール部材204をロックすることができる。フィラー200の1つの機能は、チャンネル24a内の共通体積を減ずることであり、それがプライミング体積およびフラッシング体積を減ずることになる。マイクロ・ポンプのみが、制限された流れ率に到達することから、フィラーのないチャンネル24aの大きな断面では、残渣のフラッシュが困難になるであろう。
【0049】
チャンネル24a内にフィラー200を配置することは、チャンネル24a内における乱流を増加させる(または、そのほかの形で、コントロールし、指向させる)という追加の利点を有し、したがって、チャンネル24a内の最大流速を増加し、さらにチャンネル24a内からアウトプット25aへの残留流体のより高速かつより徹底したフラッシュを可能にする。フィラー200は、多岐管アッセンブリ20が製造されている間に、都合よくソケット26を介して多岐管内に装填することが可能である。フィラー200のジオメトリは、特に下流側の端において、フラッシングを促進するべく、かつ残留流体が隠れて適正にフラッシュされないエリアの存在を回避するべく設計される。
【0050】
マイクロおよびマクロ・バルブ21aおよび21bのそれぞれは、設定量の回転があると、対応の、または既知の量の流体がバルブをバイパスすることを可能にする回転タイプのバルブとして構成することが可能である。1つの実施態様においては、バルブ21a、21bを、それぞれのバルブの回転が流体を移動せずに流路の開/閉のみを行うように構成することができる。しかしながら、バルブをバイパスする流体の量は、最終的にポンプの速度、サイズによって、また蠕動ポンプの使用時は管類のサイズに関連して決定することができる。バルブは、単純に流体ラインを開き、または閉じるべく構成することが可能である。
図8Aは、構造のトップに取り入れ口21b1を、構造の側壁に吐出口21b3を含むマクロ・バルブ21bを示している。したがって、流体は、バルブ21bの回転軸に沿ってバルブ21bのトップから入り、バルブ21bの回転軸と実質的に直角となる方向でバルブ21bの側方に出る。バルブ21bの回転は、バルブ21bのボトム表面に配置されるアクチュエータ接続スロット21b4を介したステッパ・モータ102bの接続によって達成される。スロット21b4は、ステッパ・モータ102bのトップから延びる対応の突出部102b'のためのキー溝として作用する。ステッパ・モータ102bが突出部102b'のプリセット済みの量の回転をもたらすと、突出部102b'とキー溝またはスロット21b4の間における接続に起因して、バルブ21bにも同じ量の回転がもたらされる。バルブ21bが、開位置または半開位置に置かれると、流体が取り入れ口21b1からバルブ21bの中心を通って下方に、重力擁壁またはPトラップまたは類似した構造として構成可能な壁21b2を通過するまで移動することが可能になる。壁21b2を通過した後、流体は、概略で180度の方向転換を行って、上に、多岐管20内の吐出壁を超えて移動し、第2のチャンネル24b内へ分配される。壁21b2および周囲を囲む多岐管壁のジオメトリおよび構成は、(1)バルブが開かれているとき、(2)流体が静止しているとき(すなわち、ポンプ・ロータ41および42が動いていないとき)および(3)インプット・ライン内およびチャンネル内のそれぞれの流体の間に比重の差が存在するとき、マイクロ側においてはライン2011/2021とチャンネル24aの共通体積の間、マクロ側においてはライン2011とチャンネル24bの共通体積の間における不用意かつコントロールされていない流体の混合を防止する。この逆流の誘因は、成分流体とチャンネル内の流体の間の比重の差である。この壁21b2は、壁構造が逆流の発生を物理的に止めるか、または防止することから、追加的なコントロールの緩和を伴うことなく、またこの逆流の傾向の効果を制限する追加のソフトウエア/バルブ・コントロールを必要とすることなく、この逆流の発生を機械的に防止するバルブの技術的特徴である。したがって、壁21b2および周囲を囲むバルブ・ハウジング21bhのジオメトリが、供給ラインおよび貯蔵容器4b内の成分の汚染を防止し、かつ、たとえば、バルブを通り抜ける溶液または流体の比重における差に起因する多岐管20のチャンネル24aおよび24bへのコントロール不能な流れ/混合を防止する。マイクロおよびマクロ・バルブ21a、21bのアウトプット(
図9に示されているが、多岐管20内に配置された共通チャンネル24a、24b内へのそれぞれの開口に関する)が、前述の『Pトラップ』の上方になり、したがって、それがなければ比重の差に起因して流れが多岐管20内に入ることが可能にならない。したがって、バルブ21a、21bは、この実施態様においては、多岐管20の構造と協働して比重『Pトラップ』構造を形成する。
【0051】
図8AおよびBは、マクロ・バルブ21bを示しているが、より小さい寸法を使用することを除けば、同じ態様でマイクロ・バルブ21aを構成し、動作させることが可能である。
【0052】
ロータ41、42のそれぞれを駆動する2つのモータは、同一とすることが可能であり、同様にロータ41、42もまたまったく同一とすることが可能である。各チャンネル内の管類は、異なる可能性があり、また管セクションの直径および壁厚における相違からプラテンの位置も異なる可能性がある。
【0053】
図10は、ユニオン・ジャンクション60の斜視図を示している。ユニオン・ジャンクション60は、マイクロ・インプット・ライン取り入れポート60a、マクロ・インプット・ライン取り入れポート60b、ユニオン・ジャンクション・ライン61、および吐出ポート63を含む管類構造を保持および/または受け入れるべく構成される。マイクロ・インプット・ライン取り入れポート60aは、マイクロ・チャンネルからの流体を運ぶマイクロ・ライン2011を受け入れるべく構成され、前述したとおり、それには、マイクロ流体容器およびマクロ流体容器の一方または両方からの流体が含まれているとすることが可能である。マクロ・インプット・ライン取り入れポート60bは、前述したとおりにマクロ流体容器からの流体を運ぶマクロ・ライン2021を受け入れるべく構成されている。マイクロ・インプット・ライン取り入れポート60aおよびマクロ・インプット・ライン取り入れポート60bは、両方ともにジャンクション・ライン61に結合される。したがって、マイクロ・ライン2011から流れてきた流体が、マイクロ・インプット・ライン取り入れポート60aに入り、ジャンクション・ライン61を通って流れ、マクロ・ライン取り入れポート60bを介してマクロ・ライン2021からジャンクション・ライン61によって受け取られた流体と混合される。このようにして、収容/最終容器(たとえば、IVバッグ80)への引き渡しのためにマイクロ・ライン2011からの流体がマクロ・ライン2021からの流体と混合される。
図10は、マクロ・インプット・ライン取り入れポート60bを定位置に維持するマクロ・インプット・ライン・タイダウン60cも示している。類似のタイダウン60cを、定位置におけるマイクロ・インプット・ライン取り入れポート60aの固定または維持に使用することが可能である。ジャンクション・ライン61は、混合流体ライン2031に結合される吐出ポート63を含む。マイクロ・ライン2011およびマクロ・ライン2021からの流体が、ジャンクション・ライン61内において混合されるとき、それらが吐出ポート63を通って混合流体ライン2031へ流れる。流体は、混合流体ライン2031から最終容器または収容バッグ充填ステーションへと流れるが、それについての詳細は後述する。
図10は、ユニオン・ジャンクション60が、ハウジング10上の相手の受け器上へのユニオン・ジャンクション60の載置および取り外しのために使用されるハンドル60eを含むことも示している。可撓性ばねロック60f等のロックが、ハウジング10上の受け器に嵌まり合い、ジャンクション60をさらに固定する。
【0054】
図11は、ユニオン・ジャンクション60のボトム側の斜視図を示している。
図11には、ユニオン・ジャンクション60が、ユニオン・ジャンクション60の内部表面に沿って互いに間隔が空けられた複数の孤立リブ62およびピン・ボス65を含むことが示されている。孤立リブ62およびピン・ボス65は、ハウジング表面に関してあらかじめ決定済みの距離/高さにおいてジャンクション60を保持する差し込み離隔ストップを提供するべく構成される。また孤立リブ62およびピン・ボス65は、マイクロ・インプット・ライン取り入れポート60a、マクロ・インプット・ライン取り入れポート60b、ジャンクション・ライン61、および吐出ポート63を含む前述した管類構造の構造的完全性を、流体がそれらを通って流れるときでさえも、これらの構造が定位置に維持されるように提供することが可能である。
【0055】
図12は、前述した管類構造が定位置に置かれたユニオン・ジャンクション60の上面図を示す。
図12から見て取れるとおり、ユニオン・ジャンクション・ライン61は、マイクロ・インプット・ライン取り入れポート60aおよびマクロ・インプット・ライン取り入れポート60bを介して流体を受け取る。流体は、ユニオン・ジャンクション・ライン61内において混合され、最終的な収容バッグ80への引き渡しのために吐出ポート63まで運ばれる。
図12に示されているとおり、またこの例示的な実施態様においては、マイクロ・インプット・ライン取り入れポート60aが、ユニオン・ジャンクション・ライン61の長さ方向に対して垂直な方向からユニオン・ジャンクション・ライン61と結合しているが、マクロ・インプット・ライン取り入れポート60bは、ユニオン・ジャンクション・ライン61の長さ方向の軸と同じ方向においてユニオン・ジャンクション・ライン61内に流れを生じさせる。代替実施態様においては、プラットフォーム10dおよびノッチ18への装填の有用性が最適化され、また同時に、ポンプ・ロータ41、42との適正な接触が保証され、かつユニオン・ジャンクション61のフラッシュ容易性が最適化されるように、マイクロ・インプット・ライン取り入れポート60aとユニオン・ジャンクション・ライン61を、ユニオン・ジャンクション・ライン61の長さ方向に関して任意の角度で結合することができる。
【0056】
マイクロ・ライン取り入れポート60a、マクロ・ライン取り入れポート60b、ユニオン・ジャンクション・ライン61、および吐出ポート63を含む前述した管類構造は、一体構造を形成するように、ユニオン・ジャンクション60内に形成、たとえばモールドすることが可能である。それに代えて、管類構造を、ユニオン・ジャンクション60に配置またはスナップ嵌め可能な別々のユニットとして形成し、前述した孤立リブ62およびピン・ボス65等のメカニズムを使用して定位置に保持することも可能である。それに加えて、理解されるものとするが、調合デバイス1を、ここに示されているユニオン・ジャンクション60の存在を伴うことなく構成することも可能である。つまりそれの代わりに、ユニオン構造を収容バッグ80等の最終容器自体とすることができる。たとえば、ライン2011および2021からの材料の混合が収容バッグ80内においてのみ生じるように、ライン2011および2021をロータ41、42の周りに延ばし、収容バッグ80の2つの別々のポートに至るまで延長することができる。この場合においては、特定の動作パラメータに応じて、ポンプ40の適正かつ効率的な動作を保証するべく、ロータ41、42の下流の場所においてライン2011および2021を固定すると好都合なことがある。
【0057】
図13は、例示的な実施態様に従った調合システム1の斜視図を示している。
図13には、ハウジング10に隣接して配置される、充填プロセスの間にわたって収容バッグ80を保持するためのバッグ・トレイ70が示されている。ロード・セル71またはそのほかの化学天秤等のデバイスを、重量および内容物に関する情報を提供し、かつ調合デバイス1のための較正をはじめ、動作機能の確認を容易にするべくバッグ・トレイ70内に組み込むことが可能である。保護デバイスおよび/またはソフトウエアをデバイス内に組み込み、偶発的な過負荷またはそのほかの事故に起因する損傷からロード・セル71またはそのほかの測定デバイスを保護することができる。
図13に示されているとおり、バッグ・トレイ70は、収容バッグ80の形状に適応するバッグ・トレイ受け入れセクション1350を含む。バッグ受け入れセクション1350は、バッグ・トレイ70の表面内の全体的に凹められた表面として形成できる。またバッグ・トレイ70は、バッグ・トレイ70の上側部分に形成されたバッグ・トレイ・ピン1330も含む。
図13に示されているとおり、バッグ・トレイ・ピン1330は、バッグ・トレイ70のトップ表面から離れる方向に突出するように、バッグ・トレイ70の表面に対して垂直に形成される。バッグ・トレイ・ピン1330は、収容バッグ80を、充填のために受け入れ、かつ保持するべく位置決めされる。また
図13は、バッグ・トレイ70の上側セクションに沿って形成されたバッグ・トレイ・クリップ1340も示している。バッグ・トレイ・クリップ1340は、収容バッグ80に接続される流体ライン(1つまたは複数)2031に関して既知の管類のアーティファクトを一定に維持するべく構成することが可能である(すなわち、バッグ80および/またはロード・セル71への振動またはそのほかの力の伝達を減少させるべく構成することが可能である)。バッグ80が移送セットの吐出口とどのように接続されるか、また管がどのように位置決めされるかに応じて不一致が生じる可能性がある。クリップ1340は、これらの不一致を防止する。
【0058】
図14aは、バッグ・トレイ70の上側セクションの拡大図であり、収容バッグ80を、充填のために受け入れ、かつ保持するべく位置決めされるバッグ・トレイ・ピン1330の配置を図解している。また
図14aは、混合流体ライン2031を含む容器インプット管類を固定するべく提供されたバッグ・トレイ・クリップ1340も示している。
図14bは、バッグ・トレイ70内に置かれた収容バッグ80を含め、バッグ・トレイ70の上側セクションの拡大図を示す。例示的な収容バッグ80は、バッグ・トレイ・ピン1330を受け入れるための2つの開口1380を含む。したがって、バッグ・トレイ・ピン1330が収容バッグ80のそれぞれの開口1380に通されると、収容バッグ80が充填のための定位置に維持される。また
図14bは、混合流体ライン2031の端に形成されたツイスト・ロック1350も示している。ツイスト・ロック1350は、収容バッグ80のトップ表面に形成されたポート1360に接続し、それにロックするべく構成されている。ツイスト・ロック1350は、収容バッグ80の充填が可能となるように、収容バッグ80に対して混合流体ライン2031が確実に結合されることを可能にする。バッグ・トレイ・クリップ1340は、ポート1360およびツイスト・ロック1350を確実に保持するべく構成され、収容バッグ80の迅速な交換、充填、および取り外しを可能にする。またクリップ1340は、バッグ・トレイに管類の固定も行い、バッグ・トレイとポンプ・モジュールの間のギャップにわたる管類セグメントの余分な運動から生じ得るロード・セル71による測定にもたらされる望ましくないアーティファクトを防止する。この管類の動きは、調合の間におけるユーザのインタラクションまたはポンプの振動によって生じ得る。収容バッグ80のトップに、収容バッグ80を完成させるために必須であるが、調合システム1内に含まれてなかったか、または枯渇していた成分をユーザが注入できるマニュアル・ポート1390を提供することができる。
【0059】
上記と類似の態様において、わずかに修正したワークフローを使用して複室式バッグを充填でき、それにおいては、複室式バッグが、調合の間は互いに分けられるが、患者への輸液の開始直前に混合が開始される互換性のない成分を2つの物理的に分けられた部屋によって別々に維持する。収容バッグの「一次」側について、前述したすべてのステップに従う。一次側が完成した後、一次側のポート1360aをツイスト・ロック1350から取り外す。続いて二次側のバッグ・ポート1360bに、ツイスト・ロック1350を接続し、二次側の部屋の充填を行う。
【0060】
図15は、調合システム1の部分背面斜視図であり、システムとともに使用される例示的なセンサ・アレイを示している。センサ2910は、定位置にあるときのカバー10fおよび/または10g(
図3A参照)を検知するべく構成することが可能である。それに代えて、リード・スイッチ・センサをコンビネーション・センサ・アッセンブリ内に組み込み、10fが閉じられていることの確認を提供することができる。センサ2910は、次の2つの目的:すなわち、(1)カバー10fおよび/または10gが閉位置/動作可能位置にあることを示す情報をコントローラ2900に伝えること;および(2)磁力を介してカバー10fおよび/または10gを閉位置/動作可能位置の定位置に固定することに供するように磁石式とすることが可能である。理解されるものとするが、センサ自体は、押さえつけ機能を提供するに充分な力を提供しないこともある。それよりも、鉄製のキャッチ・プレートおよびリッドの磁石を、磁石式のセンサとともに使用することができる。センサ2904aおよび2904bは、それぞれコントローラ2900に、プラテン・ロック44aおよび44bが閉位置/動作可能位置にあることを伝えるべく構成することが可能である。センサ2901は、ハウジング10内に備えられ、多岐管20が適正にハウジング10に取り付けられ、動作のための準備が完了していることを示す情報をコントローラ2900に伝えるべく構成することが可能である。
【0061】
センサ2902は、ハウジング10の背表面に隣接して配置され、メンテナンス操作者または技術者がこのセンサをアクティブ化したときに(たとえば、センサ2902に隣接して磁石を配置することによって)、調合システム1をサービスまたはファームウエア/プログラミング・モードに入れる情報をコントローラ2900に伝えるべく構成することが可能である。センサ2902の場所は、サービスおよび技術メンテナンス要員だけが知るようにできる。
【0062】
例示的な調合システム1は、中央処理装置(たとえば、コントローラ2900)内に常駐する調合コントロール・マネージャを含むことも可能である。調合コントロール・マネージャは、臨床医またはそのほかの保健医療または調合専門家が、所定の調合手順に関係する情報を入力、閲覧、調整、およびオフロードすることを可能にする。概して言えば、調合コントロール・マネージャは、操作者にリアルタイムのフィードバックおよび調合デバイスとのインタラクションを、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)要素を介して提供するプログラミング言語である。GUI要素は、グラフィカル・フォーマットで作られ、調合コントロール・マネージャによって生成された多様な入力および出力を表示し、ユーザが調合コントロール・マネージャによって調合デバイスの動作に使用される情報を入力し、調整することを可能にする。GUI要素を開発するために、調合コントロール・マネージャは、特定のサードパーティ製の既製構成要素およびツールを利用することができる。開発後、調合コントロール・マネージャは、標準的なソフトウエア・プログラムとしてメモリ・デバイスに常駐することができる。
【0063】
コントローラ2900は、ポンプ40の正確度をコントロールするいくつかの調整アルゴリズムまたはハードウエア・ソリューションを提供するファームウエアを含むことができる。たとえば、移送セットまたは多岐管20の寿命までの間にわたるポンプ管類ライン2011、2021の摩損に対してポンプ出力を補正することができる。この調整は、各管類ラインが経験したポンプの回転数の関数として適用される。またコントローラ2900は、ポンピングされている特定の流体に関してポンプ出力または『流量係数』もまた調整可能であるように、ソフトウエアまたはハードウエアを含むことも可能である。この『流量係数』は、流体の粘度、ポンプ速度、ラインのタイプ、およびソース容器/スパイク・タイプによって説明することができる。またコントローラ2900を、プラテン43a、43bに関するポンプ・ロータ41、42のローラの回転位置についてポンプ出力を補正するべく構成することが可能でもある。この調整は、ポンプ・ヘッドの数回転以下しか表さない小体積の計量分配が行われるときに重要となり得る。注意を要するが、両方のポンプ・モータ41s、42s(および、バルブ・ステッパ)に絶対エンコーダを備え、ファームウエア(たとえば、コントローラ2900)に、上記の調整(1つまたは複数)を行うために必要な情報を提供することができる。コントローラ2900は、煩わしいアラームの最少化を試みるバブル検出アルゴリズムを含むことができる。
【0064】
図16-34は、調合コントロール・マネージャの代表的な実施態様によって生成される表示スクリーンのウォークスルーであり、調合コントロール・マネージャの多様な特徴を実例で示す。ソフトウエアの初期化の初期始動モードの後、表示デバイス上に主作業エリアが作成され、最初に、ログイン・スクリーンが開かれる。操作者は、まず、操作者バッジ番号をスキャンするバー・コード・スキャナを使用することによって、またはバッジ番号またはそのほかの選択された形式の識別をグラフィカル・タッチスクリーン入力パッドに入力することによって自分自身の識別を行う。この識別手順は、ログインおよび/またはその操作者のセキュリティ・クリアランスのレベルの査定のために必要である。望ましくは、システム管理者が前もって許可ユーザのリストを構築し、それに照らしてサイン・イン・データの比較が行われる。
【0065】
図16は、ユーザがログインし、許可ユーザとして認証された後にそのユーザに対して呈示され得るインターフェースを図示している。
図16は、ユーザが、使用されることになる移送セットのタイプを示すこと、使用されることになるステーションの数を選択すること、およびソース溶液の構成テンプレートを選択することを可能にするコントロール・パネルである。続いてユーザに、
図17に示されているインターフェースを呈示することができる。
図17のインターフェースは、ユーザが、移送セット2が提供されるトレイのリッド上にあるバー・コードをスキャンすることを可能にする。このようにして、システムは、ユーザが選択した移送セット2を認識する。その後ユーザは、パッケージから移送セット2を取り出し、それを取り付けることができる。移送セット2を取り付けるプロセスは、デバイスのドアおよびプラテンを開くこと、移送セットの多岐管20をバルブ・アクチュエータ102a'、102b'、およびプラットフォーム10cの上に配置してスナップ嵌めすること、および層流フード内に配置されるラックの上に移送セットのリードを垂らすように掛けることを含む。
【0066】
ユーザがデバイス上に多岐管20をスナップ嵌めした後、ユーザは、バブルおよび閉塞センサを通して管類の経路を設定することができ、それに続いてセンサ・リッドを閉じる。次にユーザは、ポンプ・ロータの周囲に管類の経路を設定し、ユニオン・ジャンクションをポンプ・モジュールに固定できる。ロータのそれぞれは、管類の取り付けが下過ぎること、またはポンプ表面とロータの間から滑り落ちるか、または挟まれることを防止するべく構成されたボトム・フランジまたはガイド部材を含むことができる。最後にユーザは、プラテン・ロックを閉じ、その後、ポンプ・ドアまたはカバーを閉じることができる。またユーザには、前述したタスクのそれぞれのチェックリストを含む
図18のインターフェースも呈示される。タスクのそれぞれを完了した後、ユーザは、『OK』を選択してタスクの完成を検証する。このようにしてシステムは、ユーザが次のステップに進む前に、移送セットの取り付けが完了していることを確保する。
【0067】
ユーザは、その後、
図19に示されている『スケール較正ボタン』を選択することによってロード・セル71の較正を開始できる。
図20は、ロード・セル71が適正に較正されたことを保証するべくユーザに呈示されるさらなるインターフェースを示している。較正が完了すれば、ユーザは、『閉じる』ボタンを選択できる。
【0068】
その後ユーザは、ソース溶液を確認する。
図21は、ソース溶液を確認するためにユーザに呈示されるインターフェースを示している。ユーザは、『溶液確認』と書かれたボタンを選択することができる。この時点においてユーザは、確認することになる管類のリード(すなわち、マイクロ・ライン2011またはマクロ・ライン2021)を選択すること、およびリードを覆う保護キャップを取り除くことが可能である。ユーザは、その後、適切なリードを取り付けることができる。ユーザは、その後、ソース容器を管類リードに取り付け、その容器をラックまたはレールに吊すことができる。その後ユーザには、
図22のインターフェースが呈示され、それによってユーザは、確認するべき溶液のための管類リードのバー・コード・フラグ802をスキャンすることが可能になる。ユーザは、その後、スキャンされた管類リードに取り付けられた溶液のためのソース容器バー・コード801をスキャンすることができる。ロット番号および有効期限バーもまたスキャンすることができる(
図23)。
【0069】
最初の容器の確認を完了した後、ユーザは、
図24のインターフェースに示されている『次の成分』ボタンを選択することができる。これは、ユーザが、上記の
図21-23のステップを反復してすべてのソース溶液を確認することを可能にする。
【0070】
ソース溶液の確認が済むと、ユーザは、溶液のプライミングを開始することが可能になる。ユーザは、最初に、収容バッグ80、すなわち較正容器をロード・セル71に取り付ける。その後、すべての溶液が確認済みとなった後に、ユーザは、
図25に示されている『セットアップおよびプライミング』タブをタップする。プライミングが完了した後、ユーザは、『次へ』ボタンを選択して、すべてのステーションについてこのプロセスを反復することができる。この時点においてユーザは、多岐管のフラッシュを開始することもできる。次にユーザは、
図26のインターフェースを介してポンプの較正シーケンスを開始することができる。ユーザは、その後、
図26のステップ1-5に従ってポンプを較正することができる。これらのステップは、較正最終容器が取り付けられ、それが『患者への使用不可』とマークされていることの確認;マクロ・ポンプの較正;マクロ・ポンプが較正されたことの確認;マイクロ・ポンプの較正;マイクロ・ポンプが較正されたことの確認を含む。ユーザは、その後、較正バッグを取り外して破棄することができる。
【0071】
次にユーザは、最終容器(たとえば、収容バッグ80)を取り付けることができる。ユーザには、
図27のインターフェースが呈示されることがあり、それによりユーザは、最終容器の取り付けのオプションを選択することが可能になる。ユーザには、その後、
図28のインターフェースが呈示されることがあり、それによりユーザは、単室式または複室式の収容バッグを選択することが可能になる。その後ユーザは、ロット番号および有効期限をスキャンするか、または入力することができる。ユーザは、その後、保護キャップを取り外し、移送セットのコネクタに収容バッグ80を取り付けることによって最終容器を取り付けることができる。ユーザは、その後、容器に形成された吊るし孔を使用してロード・セルのピンに接続し、その後、管類の取り入れ口を管類クリップに取り付けることによって収容バッグ80を取り付けるか、またはそのほかの形で装着することができる。
【0072】
この段階において、システムの較正が完了し、計量分配されるべき溶液が検証され、収容バッグ80が取り付けられて充填の準備が完了する。ユーザは、
図29に示されているインターフェースを使用し、計量分配されることになる溶液のためのオーダをマニュアルでプログラムすることができる。それに代えて、ユーザは、オーダをスキャンするか、またはトランザクション未決バッファ(TPB)マネージャまたは.PATファイルからオーダを選択することが可能である。
図29のインターフェースを利用してユーザは、計量分配されることになるすべての溶液の体積を入力することができる。溶液の体積がすべてプログラムされた後、ユーザは、
図30に示されている『開始』タブを選択することができる。
図30に示されているとおり、次の処方を調合する間におけるソース容器4aまたは4bの交換が必要となる溶液がある場合には、ステーションが、交換を必要としている溶液を黄色で表示する。
【0073】
コントローラ2900は、処方を再検討し、かつ、ユーザにスクリプトのシーケンスの変更またはバッファの追加のいずれかを要求して共通チャンネル24a、b(マイクロ/マクロ)のいずれかにおける非適合性の問題を回避するべく構成することが可能である。ポンプ40は、ポンプ40の後のユニオン・コネクタ60内において互換性のない流体が出会う場合には、ポンプ40のうちの1つまたは複数を停止することによって共通チャンネルのそれぞれからの引き渡しをコントロールする。
【0074】
図31は、ソース溶液容器4aまたは4bの有する体積が不充分であるとソフトウエアが決定したときにユーザに呈示される警告インターフェースを示している。その場合にユーザは、容器を交換するか、またはいくらかの溶液が残存しているのであれば、マニュアルの計量分配を行うことができる。ユーザがマニュアル計量分配を選択する場合には、ユーザは、
図32のインターフェースを使用して見積もられる残存体積を入力する。
【0075】
溶液を交換するために、ユーザは、空の容器4aまたは4bを取り外し、新しい容器を管類リードに配置して吊すことができる。ユーザは、その後、確認されることになる新しい溶液のための管類リードのバー・コード・フラグをスキャンするべく
図33のインターフェースにアクセスすることができる。ユーザは、その後、スキャンされた管類リードに取り付けられた溶液のためのソース容器バー・コードをスキャンすることができる。ロット番号および有効期限バー・コードもまたスキャンすることができる。ユーザは、その後、『確認』ボタンを選択してこのステップを完了することができる。
【0076】
ユーザは、その後、
図34のインターフェースを介して調合を再開できる。オーダが完了した後、ユーザは、収容バッグ80の適切な処分(すなわち、充填完了;バッグの廃棄等)を選択することができる。最後にユーザは、『処分の適用ボタン』を選択することができる。これにより調合プロセスが完了し、収容バッグ80を取り外し、患者またはそのほかのエンド・ユーザに使用することが可能になる。
【0077】
必要とされるすべての成分が処理された後、コントローラ2900は、調合器に、ユニバーサル成分(UI)を使用して多岐管20およびアウトプット管類からすべての成分を最終容器(たとえば、流体バッグ80)内にフラッシュすることを指示する。
【0078】
流体バッグ80は、重量測定スケール71の上に載せられ、それが最終重量チェックをコントローラ2900に提供して、すべての調合済み溶液が加えられたことが検証される。しかしながら、動作の間に特定の構成成分のマニュアルによる追加が必要とされたか、または望まれた場合には、コントローラ2900による最終チェックを無視することができる。望ましい場合には、ポンプの較正をはじめインプロセス較正の達成においてロード・セル71を使用することも可能である。
【0079】
コントローラ2900は、ロード・セル71およびポンプ40の較正を実行するハードウエアまたはソフトウエアを含むことができる。たとえば、システムを、最大で6つの検証重み付けによりロード・セルが必要精度内にあるとの保証を可能にするべく構成できる。ポンプの較正およびインプロセス較正は、使い捨て多岐管20の寿命にわたる精度を保証する。
【0080】
またコントローラ2900は、多岐管20の寿命の間にわたって管類の摩損が相殺されるように、管摩損アルゴリズムを含むこともできる。言い換えると、実質的に等しい体積および流速がデバイスによって達成可能となるように、バルブおよびポンプ両方のモータのタイミングおよび速度を経時的に変更して管類の摩損を相殺することができる。
【0081】
またコントローラ2900は、自動調合の後に特定のバッグに対するマニュアルの追加が可能となるように、バッグの追跡および可能性としてはマーキングを行うソフトウエアおよび/またはハードウエアを含むこともできる。マニュアル追加ステーションにおける別体の(可能性としてはネットワークされた)コントロール・パネルの使用は、調合イベントを開き、ユーザがマニュアルで成分を追加することを可能にする一方、患者またはそのほかのユーザに対するバッグの分配の承認の前にその種の成分が追加されたという事実を追跡する。
【0082】
バブル事象がポンプ40の停止を必要とするか否かを決定し、ユーザが、検知されたバブルを受け入れるか否かを検証するアルゴリズムをコントローラ2900のソフトウエアおよび/またはハードウエアに組み込むことができる。閉塞および/または流れ圧力を検出する圧力センサの使用と調和させて、流れアルゴリズムを組み込むことも可能である。さらにまた、コントローラ2900または、共通体積内に何が引き渡されたかを監視する(および、より悪い状況のバブル事象の決定を試みる)閉塞またはバブル・センサ(1つまたは複数)33o、33s、33o/b内へのインテリジェント・バブル・ハンドリング・テクノロジの組み込みが可能であることも企図できる。このテクノロジは、バブルまたは閉塞等の存在(または、それの不在)に応じてシステムを停止させて、ユーザに、動作の受け入れまたは拒否を求めるハードウエアおよび/またはソフトウエアを含むことができる。閉塞またはバブル事象が、引き渡しのサイズ/体積に対して重み付けされるとき、精度に影響を及ぼすに充分な大きさであるか否かを決定し、最終製品の引き渡しを受け入れるかまたは拒否する自動化されたオプションまたはユーザ定義オプションをユーザに提供するソフトウエアおよび/またはハードウエアを提供することも可能である。
【0083】
コントローラ2900のためのインターフェースは、色および/または番号を使用して各ステーションを識別する、ステーションのデュアル表示を含むことができる。コントローラ2900のためのスクリーンは、フレックス・ラインを表す第1の列、マイクロ・ライン表す第2および第3の列、およびマクロ・ラインを表す第4または最終列を含むことができる。スクリーンは、何の流体がどこのステーションにあるか、またそのステーションのタイプは何かを示す明瞭な図式を提供するために、異なる(この場合であれば3つの)タイプのステーションをグループ化することができる。当然のことながら、マイクロ、マクロ、およびフレックス・ラインの数およびアレンジメントを特定の応用に応じて、また調合システム1の異なる実施態様のために変更することは可能である。
【0084】
またコントローラ2900を、サイン・イン/アウトに、ユーザ名/パスワードまたはバー・コード・バッジを要求するべく構成することも可能である。それに加えて、アクセスを、さらに、必要なステップ(たとえば、処方を必要とするか、または別の形で規制されている成分の追加)の確認のためにユーザ名/パスワードまたはバー・コード・バッジを要求するべくコントロールすることができる。
【0085】
またコントローラ2900を、調合事象のリアルタイム状況を表示するべく構成することも可能である。たとえば、コントローラ2900は、現在、いずれの溶液(1つまたは複数)がいずれのステーションからポンピングされているか、をはじめ、各ソース容器4a、b内にどの位の量の溶液が残っているかを表示することができる。
【0086】
また、特定の応用または特定の患者またはユーザのためのセットアップおよび成分のシーケンスを迅速かつ効率的に決定するテンプレートもコントローラ2900内にストアしておくことができる。コントローラ2900内にあるか、またはそれによってアクセス可能なデータベースは、調合が許可されたすべての薬物の貯蔵、追加、除去に関係するデータおよびそれらに関連付けされたデータを含むことができる。コントローラ2900は、ユーザのために複数のインターフェースを含むべく構成可能であり、かつ別々のエンティティまたはコントローラによる複数の調合デバイスのコントロールおよび/または監視が可能となるようにネットワークすることも可能である。それに加えて、調合デバイスを使用して特定の動作が生じたとき、自動的に特定の項目を印刷する印刷ウィザードをコントローラ2900のソフトウエアおよび/またはハードウエアに組み込むことができる。
【0087】
以上、本発明の特定の実施態様を説明してきたが、本発明は、本発明の精神および範囲からの逸脱を伴うことなく、多くの異なる方法で具体化および構成が可能であることを理解する必要がある。
【0088】
別の代替の例示的な実施態様においては、閉塞センサおよびバブル・センサを、多岐管の吐出管類内に配置されることに代えて、多岐管の共通体積の下に位置決めすることができる。多岐管の共通体積内にセンサ・エリアを配置することがフラッシング動作をわずかにより困難にする可能性もあるが、共通体積内におけるバブル・センサの配置は、いずれのソース・ラインにバブルが発生したかをユーザがより良好に区別することを可能にする。たとえば、この特徴を達成するべくバブル・センサのアレイを多岐管内の共通体積の長さに沿って配置することが可能である。
【0089】
さらに別の例示的な実施態様においては、マイクロ共通体積(たとえば、第1のチャンネル24a)からフィラー200を取り除き、その共通体積の内径を、たとえば
図6Bに図示されている体積との比較において小さくすることが可能である。この修正は、バルブの製造および設計がより複雑になり、調合デバイスの修正された第1のチャンネル24a内において望ましい体積流量に影響を及ぼすことから、特定の複雑性を伴う。
【0090】
別の実施態様においては、フィラー200を、より良好なフラッシングを促進する乱流および/または渦を誘導するベーンをそれの外径(OD)表面上に伴って構成することができる。それに加えてフィラー200を、代替フラッシング・ポートを提供するために、チャンネルから取り外し可能とすることができる。同様に、多岐管20内において異なるスタイルのフィラー(たとえば、異なる断面形状、サイズ、数、およびベーンの形状等を有するフィラー)が使用できるように、フィラー200を取り外し可能とすることができる。
【0091】
さらに別の実施態様においては、マイクロとマクロの共通体積(たとえば、第1のチャンネル24aと第2のチャンネル24b)の下流端の間に交差接続チャンネルを配置することができる。このチャンネルを閉じるバルブを提供し、通常どおりの計量分配が生じることを可能にし、その後、バルブを開き、マイクロ共通体積のフラッシュを、より高い流量で動作し、より効率的なフラッシングを提供するマクロ・ポンプによって行うことを可能にすることができる。
【0092】
前述したとおり、プラテン/ロック・アーム設計は、ロック・アーム内にばねを有し、ロック・アーム44a、bが閉じられているとき、ロータ41、42に対してそれがプラテンを押圧する。代替アプローチは、プラテンが常にロータに対してばね付勢されるように、プラテンのヒンジ・ポイント(可能性としては、機器の内側)にトーションばねを配置する。プラテン・ロック・アーム44a、bは、移送セットの取り付けおよび取り外しの間において、ロータ41、42からプラテン43a、bを引き離す構成の『プラテン係合解除アーム』によって置き換えることが可能である。
【0093】
ポンプ出力は、上流の吸い込み圧力の関数である。より良好な体積測定の正確度を提供するため、閉塞センサを使用して上流の吸い込み圧力の変動を補償し、部分的な閉塞に起因するアラームを防止できる。このアプローチにおいては、命令されるポンプ回転の数およびロータの速度を、ポンピングの間に測定された吸い込み圧力に基づいて調整することができる。
【0094】
さらに別の実施態様においては、LEDまたはそのほかのタイプの照明または光源を各成分のソース・ラインの下のポンプのトップ表面に配置することができる。モールドされた多岐管が光をソース管類ライン内に、おそらくはスパイクに至るまで導き、ソース容器またはラインに注意が必要となるときに視覚的な表示を提供できる。照明または光源は、調合デバイスのための電子コントロール・ユニットに接続され、それが、エラー・コード、プログラミングの要求、備忘通知等に応じて特定の場所にいつ、どのように光を提供するかを命ずることになる。
【0095】
ここでは、複数の異なるサイズおよび形状の管類/ラインおよび容器を調合デバイスに接続できることを開示してきたが、開示されている発明の内容のさらに別の代替構成においては、調合デバイスを、マクロ・ラインおよびマクロ容器、またはマイクロ・ラインおよびマイクロ容器だけというように単一タイプの容器および管類だけを用いて使用するために構成することが可能である。この態様においては、この調合デバイスを、単一タイプの容器およびラインだけを含む現在の調合システムおよび応用のための有効な後継とすることが可能である。
【0096】
チャンネルの数もまた、現在開示されている発明の内容の範囲内に止めたまま多様な値とすることが可能である。たとえば、3、4、またはそれを超える数の異なるサイズのチャンネルを多岐管内に組み込むことができる。同様に、1より多くの同一の形状およびサイズのチャンネルを多岐管20内に組み込むことができる。
【0097】
張力解放クリップ33は、ライン2011および2021にあらかじめ組み付けられるとして開示された。しかしながら、理解されるものとするが、張力解放クリップ33または類似の構造を、多岐管の使用または据え付けの間に取り付けることは可能である。それに加えて、張力解放クリップ33は、特定の応用のためにそれの機能が必要となるときにのみ取り付けることができる。同様に、張力解放クリップ33を、多様な異なる形状およびサイズで構成し、ラインまたは管類の種々の場所に取り付けることができる。張力解放クリップ33は、ラインのうちのそれぞれの1つの異なる場所に取り付けることが可能な2ピース構造として構成することもできる。これもまた予期されることであるが、張力解放クリップ33を、バブル閉塞センサ内に組み込むこと、またはその逆も可能である。それに加えて、張力解放クリップ33は、ライン(1つまたは複数)の部分に配置できる減衰材料、接着剤、またはパテとして構成することが可能であり、処置しなければ緊張が生じることになるラインの動きを減少させるべくハウジングに取り付けられる。
【0098】
ポンプ・カバー・ドアは、プラテン・ロックの特定の位置と機械的にインターロックさせることができる(たとえば、両方のプラテンが定位置にロックされていない場合にユーザがドアを閉じることを防止する)。ユーザが、管類ラインのポンピング・セグメントを、(ローラ上に正しく配置するのではなく)プラテンとロータのベースの間に捕捉される可能性のある低過ぎる位置に誤って導かないことを保証するべくプラテンの下側部分にリップを備えることが可能である。
【0099】
ここで述べた多くの変形および代替構造は、すべての多様な組み合わせおよび互いの入れ替え、および特定の特徴または構成要素の欠如(たとえば、フィラーがベーン202を伴わずに提供され得ること、マイクロ・チャンネルがフレックス・ポート20bfを伴わずに提供され得ること等)における使用について予期している。
【0100】
以上、発明の内容を、それの例示的な実施態様を参照して詳細に説明してきたが、本発明の範囲を逸脱することなく多様な変更を行い得ること、および均等を採用することは当業者に明らかなものとなるであろう。項目『背景技術』の説明の中で論じたすべての関連技術の参照は、その全体が参照によりこれに援用される。