(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の材料が、前記微細中空突起の骨格形成材料であり、前記第2の材料が、前記第1の材料により形成された前記微細中空突起の骨格上に機能性を有する被覆層を形成するコーティング材料であり、
先端が開口した前記微細中空突起を形成する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の微細中空突起具の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
先ず、本発明の微細中空突起具について、
図1を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の微細中空突起具の第1実施形態である、複数の微細中空突起3(突起3)を有するマイクロニードルアレイ1Mである。以下、第1実施形態に係る微細中空突起具を「微細中空突起具10a」と表す。マイクロニードルアレイ1Mは、シート部2及び該シート部2から突出し内部が中空の微細中空突起3を備えている。以下、微細中空突起3を単に突起3ともいう。突起3の数、突起3の配置及び突起3の形状には、特に制限はないが、本実施態様のマイクロニードルアレイ1Mは、好適には、シート状のシート部2の上面に、複数個の円錐台状の突起3をアレイ(行列)状に有している。具体的には、アレイ(行列)状に配されている9個の突起3が、後述する基材シート20を搬送する方向(基材シート20の縦方向)であるY方向に3行、搬送する方向と直交する方向及び搬送される基材シート20の横方向であるX方向に3列に配されている。尚、
図2(a)は、マイクロニードルアレイ1Mの有するアレイ(行列)状の突起3の内の1個の突起3に着目したマイクロニードルアレイ1Mの斜視図であり、
図2(b)は、
図2(a)に示すII−II線断面図である。突起3は、
図2(b)に示すように、内部が中空に形成されている。具体的には、シート部2の突起3が配置された部分の反対側が開口しており、中空の空間Vが、シート部2を貫通して、突起3の内部にまで亘って形成されている。微細中空突起具10aにおいては、突起3の内部の空間Vが、突起3の外形形状に対応した円錐状に形成されている。尚、突起3は、微細中空突起具10aにおいては、円錐状であるが、円錐状の形状以外に、円錐台状、円柱状、角柱状、角錐状、角錐台状等であってもよい。
【0013】
微細中空突起具10aをマイクロニードルとして使用する場合、突起3の先端を最も浅いところでは皮膚の角層まで、深くは真皮まで刺入させる観点から、微細中空突起3は、シート部2からの突出高さH1〔
図2(b)参照〕が、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.02mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.02mm以上5mm以下である。突起3は、その平均厚みT1が、好ましくは0.005mm以上、更に好ましくは0.01mm以上であり、そして、好ましくは1.0mm以下であり、更に好ましくは0.5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.005mm以上1.0mm以下であり、更に好ましくは0.01mm以上0.5mm以下である。シート部2は、その厚みT2が、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.02mm以上であり、そして、好ましくは1.0mm以下であり、更に好ましくは0.7mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上1.0mm以下であり、更に好ましくは0.02mm以上0.7mm以下である。
【0014】
皮膚に突起3を刺し入れる際、痛みを感じ難くさせる観点から、微細中空突起具10aの突起3の先端径は、その直径が、好ましくは0.001mm以上、更に好ましくは0.005mm以上であり、そして、好ましくは0.5mm以下であり、更に好ましくは0.3mm以下であり、具体的には、好ましくは0.001mm以上0.5mm以下であり、更に好ましくは0.005mm以上0.3mm以下である。微細中空突起具10aの突起3の先端径は、以下のようにして測定する。
【0015】
〔微細中空突起具の突起の先端径の測定〕
突起3の先端が開口していない場合には、微細中空突起具10aの突起3の先端部を、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率拡大した状態で、例えば、
図3(a)に示すSEM画像のように観察する。
次に、
図3(a)に示すように、両側辺1a,1bの内の一側辺1aにおける直線部分に沿って仮想直線ILaを延ばし、他側辺1bにおける直線部分に沿って仮想直線ILbを延ばす。そして、先端側にて、一側辺1aが仮想直線ILaから離れる箇所を第1先端点1a1として求め、他側辺1bが仮想直線ILbから離れる箇所を第2先端点1b1として求める。このようにして求めた第1先端点1a1と第2先端点1b1とを結ぶ直線の長さLを、走査型電子顕微鏡(SEM)又はマイクロスコープを用いて測定し、測定した該直線の長さを、微細中空突起具10aの先端径とする。なお、突起3の先端が開口している場合には、
図3(b)に示すように、突起3の開口部側先端があると仮定して仮想直線ILa,ILbを引き、その交点を突起3の頂点とし、上述した
図3(a)に示す方法にて先端径を測定する。
【0016】
シート状のシート部2の上面にアレイ(行列)状に配されている複数個の突起3は、
図1に示すように、縦方向(Y方向)の中心間距離が均一で、横方向(X方向)の中心間距離が均一であることが好ましく、縦方向(Y方向)の中心間距離と横方向(X方向)の中心間距離とが同じ距離であることが好ましい。好適には、突起3の縦方向(Y方向)の中心間距離が、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.05mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.05mm以上5mm以下である。また、突起3の横方向(X方向)の中心間距離が、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.05mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.05mm以上5mm以下である。
【0017】
微細中空突起3は、その形態を維持する骨格30が熱可塑性樹脂を含む骨格形成材料から形成されている。骨格形成材料に含まれる熱可塑性樹脂としては、ポリ脂肪酸エステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート類、ポリ塩化ビニル、ナイロン樹脂、アクリル樹脂等又はこれらの組み合わせが挙げられ、生分解性の観点から、ポリ脂肪酸エステルが好ましく用いられる。ポリ脂肪酸エステルとしては、具体的に、ポリ乳酸、ポリグリコール酸又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。
【0018】
本実施形態の微細中空突起具10aは、突起3の骨格形成材料が、シート部2を形成する第1の材料とは異なる材料であって、微細中空突起具の平面視において部分的に配されている第2の材料から形成されている。即ち、微細中空突起の骨格30は、シート部2の平面上に部分的に配されている第2の材料から形成されており、該第2の材料とシート部2を形成する第1の材料とは互いに異なっている。微細中空突起の骨格30とは、該微細中空突起の立体形成を維持するものである。
【0019】
本実施形態の微細中空突起具10aは、第1の材料がシート部2を形成する材料であり、第2の材料が突起3の骨格形成材料であり、且つ該第2の材料が微細中空突起具の平面視において部分的に配されている。斯かる構成を具備することにより、微細中空突起具10aのシート部2及び突起3の剛性を互いに異ならせることができる。例えば、本実施形態の微細中空突起具10aにおいて、シート部2を形成する第1の材料が、不織布等の柔軟なシート部2を形成し得る柔軟材料である場合、第2の材料は第1の材料に比して剛性が高いものであるが、該第2の材料はシート部2に部分的に配されているため、シート部2全体は高い柔軟性を有する。係る微細中空突起具10aは、シート部2が柔軟であり、身体の表面等に対し該シート部2を追従させることができるため、身体の表面等に貼付する貼付剤として好ましく用いることができる。
【0020】
柔軟なシート部
2を形成し得る柔軟性材料としては、例えば、不織布、樹脂フィルム、2種以上の不織布の積層体、樹脂フィルムと不織布との積層体等が挙げられる。
不織布としては、公知の各種製法による不織布、例えばエアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、ニードルパンチ不織布、ヒートロール不織布等が挙げられる。不織布は合成繊維を含んで構成されていることが好ましく、該合成繊維の構成樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド等が挙げられる。これらの構成樹脂は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を組み合わせて用いる態様としては、2種以上の樹脂をブレンドして用いることもできるし、芯鞘型やサイド・バイ・サイド型などの複合繊維の形態で用いることができる。
【0021】
身体の表面等に対する追従性をより向上させる観点から、シート部
2は、伸縮性を有する柔軟性材料であることが好ましい。そのような柔軟性材料としては、弾性繊維を含む不織布、即ち伸縮性複合不織布や伸縮性不織布が挙げられる。伸縮性複合不織布は、弾性繊維を含む弾性繊維層の少なくとも一面に、実質的に非弾性の繊維から構成された非弾性繊維層が配され、両繊維層は、弾性繊維層の構成繊維が繊維形態を保った状態で、熱融着によって接合されている不織布である。伸縮性不織布は、互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な不織布に接合されている不織布である。
【0022】
前記弾性繊維は、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー又はポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、ゴム等の弾性樹脂を原料とする繊維が用いられる。また、非弾性繊維は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PETやPBT)、ポリアミド等からなる繊維が用いられる。
【0023】
伸縮性複合不織布としては、各種公知のものを用いることができ、例えば、特開2008−179128号公報に記載の伸縮シート、特開2007−22066号公報に記載の伸縮性シート、特開2007−22066号公報に記載の伸縮性不織布の製造方法により製造される伸縮性不織布、特開平10−029259号公報に記載の積層シート等を用いることもできる。
【0024】
微細中空突起具10aは、突起3を含むシート部2に第2の材料が配されている部分を有している。この第2の材料が配されている部分を他材料配置部25ともいう。他材料配置部25において、第2の材料全体が突起3を構成していてもよく、第2の材料の一部が突起3を構成していてもよい。微細中空突起具10aは、他材料配置部25に突起3が形成されている。微細中空突起具10aは、
図4(a)に示すように、他材料配置部25に1個の突起が形成されていてもよく、
図4(b)に示すように他材料配置部25に複数の突起が形成されていてもよい。
図4(a)に示す微細中空突起具10aは、平面視において複数の他材料配置部25が散点状に形成されており、該他材料配置部それぞれに1個の突起3が形成されている。
図4(b)に示す微細中空突起具10aは、平面視においてある程度の大きさの他材料配置部25に複数の微細中空突起3が形成されている。この場合、1個の他材料配置部25に形成される複数の微細中空突起3は、平面視において縦方向及び横方向の中心間距離が上述した範囲となるように配されていてもよい。
【0025】
他材料配置部25は、シート部2の片方の面全体に形成されていてもよく、
図4(a)及び(b)に示すように、シート部2の片方の面に部分的に形成されていてもよい。
他材料配置部25における第2の材料3aの坪量は、特に制限されず、微細中空突起3の寸法等に応じて適宜設定される。
【0026】
微細中空突起具が複数の突起を有する場合、微細中空突起具10aは、第2の材料が同じ複数の微細中空突起3を有していてもよく、
図5(a)及び(b)に示すように第2の材料がそれぞれ異なる複数の微細中空突起3A,3Bを有していてもよい。第2の材料が異なる複数の微細中空突起3A,3Bを有する場合、例えば、
図5(a)に示すように、1個の他材料配置部25A,25Bにつき1個の突起が形成されていてもよく、
図5(b)に示すように、1個の他材料配置部25A,25Bにつき複数の突起が形成されていてもよい。
【0027】
次に、微細中空突起具の第2実施形態について説明する。本実施形態については、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、特に説明しない点については第1実施形態についての説明が適宜適用される。以下、第2実施形態に係る微細中空突起具を「微細中空突起具10b」と表す。
【0028】
本実施形態の微細中空突起具10bは、
図6(a)〜(d)に示すように、突起が、その表面、具体的には骨格30の表面がコーティング材料で被覆されている点で第1実施形態と異なる。コーティング材料は、突起3の表面を被覆する被覆層32を形成し得るものである。以下、表面が被覆層32で被覆された突起をコーティング型突起35ともいう。
【0029】
本実施形態の微細中空突起具10bは、突起の表面を被覆するコーティング材料が、シート部2を形成する第1の材料とは異なる材料であって、微細中空突起具の平面視において部分的に配されている第2の材料から形成されている。また、第2実施形態においてシート部2を形成する第1の材料は、突起3の骨格形成材料である。即ち、コーティング材料は、シート部2の平面上に部分的に配されている第2の材料から形成されており、該第2の材料とシート部2及び突起の骨格30を形成する第1の材料とは互いに異なっている。
本実施形態の微細中空突起具10bにおいて他材料配置部25は、シート部2に被覆層32を形成する第2の材料が積層された部分である。
また、本実施形態において、シート部2と突起の骨格30は連続している。
【0030】
本実施形態の微細中空突起具10bは、第1の材料が突起の骨格形成材料であり、第2の材料が突起3の骨格形成材料であり、且つ該第2の材料が第1の材料により形成された突起の骨格30上に機能性を有する被覆層32を形成するコーティング材料である。斯かる構成を具備する微細中空突起具10bは、被覆層32が剛性の高い突起の骨格30表面に形成されているため、被覆層32を皮膚内部に穿刺することができ、被覆層32の機能性成分を効果的に皮膚内部に供給することができる。そのため、機能性成分を付与した機能性シート剤として好ましく用いることができる。
【0031】
コーティング材料は、被覆層32を形成し得るものであって、且つそれ自体で機能性を有する機能性被覆層形成材料を好ましく用いることができる。機能性被覆層形成材料としては、肌に対して保護、治癒等の効能を有するスキンケア材料、等が挙げられる。前記スキンケア材料としては、例えばヒアルロン酸、コラーゲン等が挙げられる。
また、でんぷん、セルロース等の被覆層形成材料に、機能性成分を加えた混合材料をコーティング材料として用いてもよい。前記機能性成分としては、肌に対して温感・冷感等の感覚刺激を与える感覚刺激材料や、ワクチン製剤等が挙げられる。前記感覚刺激材料としては、メントール、カプサイシン等が挙げられる。
また、上述した機能性被覆層形成材料に、前記機能性成分を加えた混合材料をコーティング材として用いてもよい。
コーティング材料として、機能性被覆層形成材料及び被覆層形成材料の少なくとも何れか一方を含むことを前提に、前述した各材料の中から選ばれた1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
【0032】
コーティング型突起35は、コーティング材料からなる被覆層32が、
図6(a)に示すように突起の骨格30表面全体に形成されていてもよく、該骨格30表面の一部に形成されていてもよい。機能性成分を容易に皮膚内部へ移行させる観点から、
図6(b)に示すように、突起の骨格30の少なくとも先端部における表面に被覆層32が形成されていることが好ましい。また、
図6(a)及び(b)に示すように、他材料配置部25において、第2の材料全体が被覆層32を構成していてもよい。また、他材料配置部25において、第2の材料の一部が被覆層32を構成していてもよい。
【0033】
被覆層32は、
図6(a)及び(b)に示すように、第2の材料として単一の材料を用いて形成されていてもよい。
複数の機能性成分を1個の突起から皮膚内部に効率的に移行させる観点から、被覆層32は、第2の材料として相異なる複数の材料を用いて形成されていることが好ましい。即ち、被覆層32は、2種以上の第2の材料によって形成されていることが好ましい。この場合、被覆層32は、相異なる複数のコーティング材料が積層された多層被覆層37であってもよく、相異なるコーティング材料によって形成された複数の被覆部38A,38Bを有していてもよい。多層被覆層37は、
図6(c)に示すように2層以上の積層構造を有していてもよく、3層以上の積層構造であってもよい。被覆部38は、微細中空突起具10bの平面視において、被覆層32を複数の領域に区分するように配されており、突起3の先端に複数の被覆部38A,38B間の境界が位置していることが好ましい。被覆層32は、
図6(d)に示すように、2個以上の被覆部38を有していてもよく、3個以上の被覆部38を有していてもよい。
【0034】
本実施形態において、他材料配置部25は、シート部2に第2の材料、即ちコーティング材料が部分的に配されている部分である。
微細中空突起具10bは、第1実施形態と同様に、他材料配置部25に1個のコーティング型突起35が形成されていてもよく、他材料配置部25に複数のコーティング型突起35が形成されていてもよい。
【0035】
微細中空突起具10bは、コーティング材料が同じ複数のコーティング型突起35を備えていてもよく、コーティング材料がそれぞれ異なる複数のコーティング型突起35を備えていてもよい。即ち、微細中空突起具10bは、被覆層32が形成された複数の突起を備えており、該被覆層32を形成するコーティング材料は同じであってもよく、それぞれ異なっていてもよい。1個の微細中空突起具10bを用いて複数の機能性成分を皮膚内部に効率的に移行させる観点から、本実施形態における微細中空突起具10bは、第2の材料、即ちコーティング材料がそれぞれ異なる複数のコーティング型突起35を備えていることが好ましい。この場合、例えば、1個の他材料配置部につき1個の突起が形成されていてもよく、1個の他材料配置部につき複数の突起が形成されていてもよい。
【0036】
他材料配置部25は、シート部2の片方の面全体に形成されていてもよく、シート部2の片方の面に部分的に形成されていてもよい。
他材料配置部25における第2の材料3aの坪量は、特に制限されず、コーティング型突起35の種類や寸法等に応じて適宜設定される。
【0037】
また、微細中空突起具10bは、少なくとも一部の突起が単層の被覆層、多層被覆層、及び被覆部を有する被覆層の何れか一方を有するものであればよい。例えば、コーティング型突起及び被覆層を有していない突起を備えるものであってもよい。具体的には、アレイ状に配されている複数の突起の一部が被覆層を有していないものであり、残りの突起がコーティング型突起であるものが挙げられる。
また、前記微細中空突起具10bは、単層の被覆層を有する突起、多層被覆層を有する突起、及び被覆部を有する突起の2種以上を組み合わせたものであってもよい。例えば、アレイ状に配されている複数の突起の一部が単層の被覆層を有し、残りの突起が多層被覆層を有するものが挙げられる。
【0038】
次に、本発明の微細中空突起具の製造方法の一例である該製造方法の第1実施態様について、前述した第1実施形態に係る微細中空突起具10aの製造方法を例にとり
図7を参照して説明する。
図7には、第1実施態様の製造方法の実施に用いる製造装置100の全体構成が示されている。尚、上述したように、微細中空突起具における突起3は非常に小さなものであるが、説明の便宜上、
図7においては突起3が非常に大きく描かれている。
【0039】
図7に示す第1実施態様の製造装置100は、シート部となる基材シート20と第2の材料3aとが積層された他材料積層部26を部分的に形成する他材料積層部形成部15、基材シート20に突起3を形成する突起形成部40、冷却部60、凸型410を抜き出すリリース部50を備えている。以下の説明では、基材シート20を搬送する方向(基材シート20の長手方向)をY方向、搬送する方向と直交する方向及び搬送される基材シート20の幅方向をX方向、搬送される基材シート20の厚み方向をZ方向として説明する。
【0040】
他材料積層部形成部15を
図7を用いて説明する。他材料積層部形成部15は、基材シート20の片面に、突起の骨格形成材料となる第2の材料3aを部分的に配置する装置である。本実施態様において他材料積層部形成部15は、
図7に示すように、第2の材料3aを基材シート20の片面に塗工するコーター15である。コーター15は、外周面に第2の材料3aを滞留し得る複数の凹陥部17aが設けられたローター17を具備している。コーター15は、ローター17を回転させることにより、凹陥部17aに滞留させた溶融状態の第2の材料3aを基材シート20の片面に塗工して、基材シート20と第2の材料3aとが積層された他材料積層部26を形成する。ローター17の外周面には、凹陥部17aがドット状に形成されており、これにより第2の材料3aをドット状に塗工することができる。また、ローター17には加熱手段(図示せず)が設けられており、第2の材料3aを加熱して溶融状態にすることができる。
【0041】
突起形成部40を、
図7及び
図8を用いて説明する。突起形成部40は、
図7に示すように、凸型410を有した凸型部41を備えている。凸型410は、加熱手段(不図示)を有している。凸型410は、基材シート20に刺さる部分であり、本実施態様では、凸型部41における円盤状の土台部分の上に配されている。凸型部41は、この形態に限られず凸型410のみからなる凸型部であっても良いし、複数の凸型410を台状支持体の上に配した凸型部41であっても良い。本実施態様における凸型部41は、各凸型410の先端を上方に向けて配置されており、少なくとも厚み方向(Z方向)の上下に移動可能となっている。凸型部41は、好適には電動アクチュエータ(不図示)によって、厚み方向(Z方向)の上下に移動可能となっている。
凸型410が有する加熱手段は、突起の骨格形成材料の軟化温度以上、又は突起の骨格形成材料のガラス転移温度以上に加熱し得るものであればよい。また、前記加熱手段は、凸型410自体に設けられていてもよく、凸型部41の凸型410以外の部分に設けられていてもよく、凸型部とは別装置として設けられていてもよい。なお、本実施態様において前記加熱手段は、凸型410を超音波振動させる振動子を、凸型部41の土台部分に設けた超音波振動装置である。
【0042】
基材シート20は、微細中空突起具10aが備えるシート部2となるシートである。即ち、シート部2は、基材シート20の一部である。基材シート20は、第1の材料によって形成されている。第1の材料としては、シート部2を形成し得る柔軟性材料等を用いることができる。基材シート20の厚みは、製造する微細中空突起具10aの有するシート部2の厚みT2と同等である。
第2の材料3aは、微細中空突起具10aが備える突起3を形成するものであり、前述した熱可塑性樹脂を含んでいる。
【0043】
第1実施態様において、上述の装置100を用いた微細中空突起具の製造方法は、中間シート23を得る中間シート形成工程と、突起形成工程とを備える。
本実施態様においては、先ず、
図7に示すように、基材シート20の原反ロールから帯状の基材シート20を繰り出し、Y方向に搬送する。そして基材シート20は、搬送されながら、中間シート形成工程に供される。
中間シート形成工程では、基材シート20上に溶融状態の第2の材料3aを部分的に配置して、基材シート20と第2の材料3aとが積層された他材料積層部26を形成する。本実施態様においては、前述のように、コーター15を用いて、基材シートの片面に溶融状態の第2の材料3aを部分的に塗工することによって、基材シート20上に第2の材料を部分的に配置して、他材料積層部26を形成する。以下、他材料積層部26が形成された基材シートを、中間シート23ともいう。
中間シート23は所定位置まで搬送されたところで停止し、突起形成工程に供される。
【0044】
突起形成工程では、中間シート23における一面側から、他材料積層部26に、加熱手段を有した凸型410を当接させ、突起の骨格形成材料(第2の材料3a)を熱により軟化させながら、該中間シート23に凸型410を刺すことによって、該中間シート23の他面22側から突出する微細中空突起3を形成する。本実施態様では、
図8(a)及び(b)に示すように、中間シート23の一面21側から凸型410を当接させて、第2の材料3aを熱により軟化させながら、凸型410を中間シート23に刺してゆき中間シート23の他面22側から突出する突起3を形成する。本実施形態において中間シート23の一面21は、第2の材料が配される側とは反対の面であり、中間シート23の他面22は、第2の材料が配される側の面である。
なお、凸型410の加熱手段の作動は、中間シート23に凸型410が当接する直前から、次工程の冷却工程に至る直前まで行われることが好ましい。凸型部41の動作や、凸型410の加熱手段が行う加熱の条件の作動等は、第1実施態様の製造装置100に備えられた、制御手段(不図示)により制御されている。
【0045】
第1実施態様の製造方法では、第2の材料によって微細中空突起の立体形態を維持する骨格が形成される。本実施態様の製造方法は、シート部2となる基材シート20の形成材料、及び微細中空突起の骨格形成材料が異なり、且つ他材料積層部を部分的に配置する中間シート形成工程と突起形成工程とを備えているため、第1の材料の剛性を有するシート部と、第2の材料の剛性を有する突起とを備える微細中空突起具を好ましく製造することができる。例えば、第1の材料が柔軟性材料、即ち低剛性材料であり、第2の材料が突起の骨格形成材料、即ち高剛性材料である場合、本実施形態の製造方法で製造される微細中空突起具は、低剛性であるシート部と、高剛性である突起とを備えることができる。即ち、本実施形態の製造方法は、前述した第1実施形態の微細中空突起具10aを好ましく製造することができる。この微細中空突起具10aでは、シート部2の片面に第2の材料が部分的に配されて突起が形成されているため、シート部2全体を低剛性にすることができる。
一方、従来の微細中空突起具の製造方法は、シート部となる基材シートの一部を突起状に成形して突起を形成するため、シート部と突起とは同じ形成材料となる。そのため、従来の微細中空突起具の製造方法では、本実施形態のようにシート部及び突起の剛性が互いに異なる微細中空突起具を製造することは困難である。
【0046】
第2の材料を塗工して他材料積層部26を容易に形成する観点から、中間シート形成工程における第2の材料3aは流動性を有していることが好ましい。即ち、第2の材料3aは溶融状態であることが好ましい。第2の材料の塗工性の観点から、溶融状態の第2の材料3aの粘度は、好ましくは500mPa・s以上、更に好ましくは1000mPa・s以上、そして、好ましくは100000mPa・s以下、更に好ましくは50000mPa・s以下、より具体的には、好ましくは500mPa・s以上100000mPa・s以下、更に好ましくは1000mPa・s以上50000mPa・s以下である。粘度は、B型粘度計(東機産業株式会社製、TVB−10)を用いて、ローターNo.4、6rpm、60秒間の測定条件で測定される。粘度の測定温度は、第2の材料を溶融状態に維持し得る温度で行う。
【0047】
本実施態様の突起形成工程において、凸型410は、微細中空突起具10aの有する円錐状の突起3の外形形状に対応して、尖鋭な先端の円錐状の部分を有する形状となっている。即ち、第1実施態様の製造装置100では、凸型部41は、
図7に示すように、微細中空突起具10aの突起3の個数、配置、各突起3の略外形形状に対応した凸型410を有している。具体的には、凸型部41は、9個の円錐台状の突起3に対応して、9個の円錐状の凸型410を有している。このような凸型部41を用いる突起形成工程では、アレイ状に複数個(9個)の突起3を形成するようになっている。
【0048】
上述したように、凸型410の加熱手段は、第1実施態様の製造装置100においては、超音波振動装置である。突起3を容易に形成する観点から、超音波振動装置による超音波振動の周波数は、好ましくは10kHz以上、更に好ましくは15kHz以上であり、そして、好ましくは50kHz以下であり、更に好ましくは40kHz以下であり、具体的には、好ましくは10kHz以上50kHz以下であり、更に好ましくは15kHz以上40kHz以下である。上記と同様の観点から、超音波振動の振幅は、好ましくは1μm上、更に好ましくは5μm以上であり、そして、好ましくは60μm以下であり、更に好ましくは50μm以下であり、具体的には、好ましくは1μm以上60μm以下であり、更に好ましくは5μm以上50μm以下である。
【0049】
凸型410の先端側の形状は、所望の突起3の外形形状に対応した形状となっていればよい。凸型部41の凸型410は、その高さH2(
図7参照)が、製造される微細中空突起具1の高さH1と同じか或いは若干高く形成されており、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.02mm以上であり、そして、好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは20mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上30mm以下であり、更に好ましくは0.02mm以上20mm以下である。凸型部41の凸型410は、その先端径D1(
図9参照)が、好ましくは0.001mm以上、更に好ましくは0.005mm以上であり、そして、好ましくは1mm以下であり、更に好ましくは0.5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.001mm以上1mm以下であり、更に好ましくは0.005mm以上0.5mm以下である。凸型部41の凸型410の先端径D1は、以下のようにして測定する。
凸型部41の凸型410は、その根本径D2(
図9参照)が、好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.2mm以上であり、そして、好ましくは5mm以下であり、更に好ましくは3mm以下であり、具体的には、好ましくは0.1mm以上5mm以下であり、更に好ましくは0.2mm以上3mm以下である。凸型部41の凸型410は、十分な強度が得られ易くなる観点から、その先端角度αが、好ましくは1度以上、更に好ましくは5度以上である。そして、先端角度αは、適度な角度を有する突起3を得る観点から、好ましくは60度以下であり、更に好ましくは45度以下であり、具体的には、好ましくは1度以上60度以下であり、更に好ましくは5度以上45度以下である。凸型410の先端角度αは、以下のようにして測定する。
【0050】
〔凸型部の凸型の先端径の測定〕
凸型部41の凸型410の先端部を、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率に拡大した状態で観察する。次に、
図9に示すように、両側辺11a,11bの内の一側辺11aにおける直線部分に沿って仮想直線ILcを延ばし、他側辺11bにおける直線部分に沿って仮想直線ILdを延ばす。そして、先端側にて、一側辺11aが仮想直線ILcから離れる箇所を第1先端点11a1として求め、他側辺11bが仮想直線ILdから離れる箇所を第2先端点11b1として求める。このようにして求めた第1先端点11a1と第2先端点11b1とを結ぶ直線の長さD1を、走査型電子顕微鏡(SEM)又はマイクロスコープを用いて測定し、測定した該直線の長さを、凸型410の先端径とする。
【0051】
〔凸型部の凸型の先端角度αの測定〕
凸型部41の凸型410の先端部を、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくはマイクロスコープを用いて所定倍率拡大した状態で、例えば、
図9に示すSEM画像のように観察する。次に、
図9に示すように、両側辺11a,11bの内の一側辺11aにおける直線部分に沿って仮想直線ILcを延ばし、他側辺11bにおける直線部分に沿って仮想直線ILdを延ばす。そして、仮想直線ILcと仮想直線ILdとのなす角を、走査型電子顕微鏡(SEM)又はマイクロスコープを用いて測定し、測定した該なす角を、凸型部41の凸型410の先端角度αとする。
【0052】
凸型部41は、折れ難い高強度の材質で形成されている。凸型部41の材質としては、鋼鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、銅、銅合金、ベリリウム銅、ベリリウム銅合金等の金属、又はセラミック等が挙げられる。
【0053】
凸型410を中間シート23に刺してゆく際に中間シート23の撓みを抑制する観点から、突起形成工程では、
図8(a)及び(b)に示すように、凸型410を挿通可能な開口部12a,13aを有する支持部材12,13により支持した状態下に、中間シート23に凸型410を刺すことが好ましい。
本実施態様において装置100は、中間シート23が搬送される所定位置に対応した位置に支持部材12,13を備え、中間シート23の一面21側に第2支持部材13が、中間シート23の他面22側に第1支持部材12がそれぞれ配されている。これら第1及び第2の支持部材を纏めて支持部材ともいう。支持部材12,13は、基材シート20における凸型410が刺し込まれる領域以外の領域、言い換えれば、基材シート20において突起3が形成される領域以外の領域を支持するようになされている。
本実施形態において、各支持部材12,13は、搬送方向(Y方向)に平行に延在する板状部材であり、凸型部41の凸型410を挿通可能な開口部12a,13aを複数有する開口プレートである。第1及び第2支持部材12,13は、開口部12a以外の領域で中間シート23を支持している。また、第2支持部材13の各開口部13aは、第1支持部材12の各開口部12aと同心円上に配置されている。従って、中間シート23を挟持する一対の第1支持部材12及び第2支持部材13の各々の開口部12a,13aが厚み方向(Z方向)に重なった領域を有している。
上記の構成を具備する支持部材12,13を用いて中間シート23を支持することにより、凸型410を刺してゆく際に中間シート23に生じ得る撓みを効果的に抑制することができる。
【0054】
本実施態様においては、中間シート23を挟持して、即ち中間シート23の両面を支持した状態で突起3を形成するが、中間シート23は、支持部材によって一面21及び他面22の両方の面が押さえられていればよい。第1の材料が柔軟性材料であると、特に中間シート23が撓み易くなる。中間シート23の撓みをより抑制する観点から、中間シート23を挟持した状態下に、該中間シート23に凸型410を刺すことが好ましい。
【0055】
本実施態様において第1及び第2支持部材12,13は、
図7に示すように、1個の開口部12a,13aに対して1個の凸型410が挿通されるように形成されている。このような開口部12a,13aの開孔径は、0.1mm以上20mm以下であることが好ましく、0.2mm以上10mm以下であることが更に好ましい。
【0056】
本実施態様において中間シート23を挟持する2枚の第1及び第2支持部材12,13の各開口部12a,13aは、その開口形状が同じであり、双方とも円形状である。開口部12a,13aは、その平面視形状に、特に制限はなく、円形、楕円形、四角形等の任意の形状とすることができる。
前記2枚の第1及び第2支持部材12,13は、その形状に、特に制限はないが、本実施態様においては、同形同大の板状に形成されている。
前記2枚の第1及び第2支持部材12,13を構成する材質は、凸型部41の材質と同じ材質でもよく、合成樹脂等から形成されていてもよい。
【0057】
第1及び第2支持部材12,13は、1個の開口部12a,13aに対して凸型部41における凸型410が複数個挿通できるように、凸型410の断面積よりも大きな開口面積で形成された開口部12a,13aを有していてもよい。例えば、第1及び第2支持部材12,13は、アレイ状に複数個並んだ突起3からなる突起群の周囲を支持可能に、該突起群を挿通し得る開口面積の開口部12a,13aを1個有していてもよい。
【0058】
第1及び第2支持部材12,13それぞれは、基材シート20に当接する方向と離間する方向に移動可能となっている。本実施態様における第1及び第2支持部材12,13は、電動アクチュエータ(不図示)によって、厚み方向(Z方向)の上下に移動可能となっている。
第1及び第2支持部材12,13の動作の制御は、製造装置100に備えられた制御手段(不図示)により制御されている。
【0059】
本実施態様の突起形成工程において、第1及び第2支持部材12,13によって挟持された中間シート23は、一面21側から複数の凸型410が刺入される。その際、第2支持部材である第2支持部材13は、中間シート23を一面21側から支持すると共に、各開口部13aに各凸型410を通過させ、中間シート23の一面21に当接させる。次に、超音波振動装置により各凸型410の超音波振動を発現させながら、中間シート23の一面21側(下面側)から他面22側(上面側)に向かって凸型部41を上昇させて、中間シート23の他面22側に配されている第1支持部材12で中間シート23の撓みを抑制しつつ、凸型410を中間シート23に刺してゆく。そして、中間シート23を貫通した凸型410は、
図8(b)に示すように、第2の材料に到達し、超音波振動の摩擦による熱を発生させて第2の材料を軟化させながら上昇する。これにより、凸型410は、第1支持部材12の各開口部12aを通過して、中間シート23の他面22側から突出する突起3を形成する〔
図8(c)参照〕。
凸型410の超音波振動は、凸型410が第2の材料に到達した際に発現してもよい。
【0060】
本実施態様において突起の骨格形成材料は第2の材料である。突起3を容易に形成する観点から、凸型410による第2の材料3aの加熱温度は、使用される第2の材料3aのガラス転移温度以上溶融温度未満であることが好ましく、特に軟化温度以上溶融温度未満であることが好ましい。詳述すると前記加熱温度は、好ましくは30℃以上、更に好ましくは40℃以上であり、そして、好ましくは300℃以下であり、更に好ましくは250℃以下であり、具体的には、好ましくは30℃以上300℃以下であり、更に好ましくは40℃以上250℃以下である。好ましい加熱温度は、第1実施態様のように、超音波振動装置を用いて第2の材料3aを加熱する場合においては、凸型410と第2の材料3aとの接触部分の温度範囲として適用される。一方、超音波振動装置の代わりに加熱ヒーター装置を用いて第2の材料3aを加熱する場合には、凸型410の加熱温度を上述した範囲で調整すればよい。なお、ガラス転移温度(Tg)の測定方法は、以下の方法によって測定され、軟化温度の測定方法は、JIS K-7196「熱可塑性プラスチックフィルム及びシートの熱機械分析による軟化温度試験方法」に従って行う。
【0061】
〔ガラス転移温度(Tg)の測定方法〕
DSC測定器を使用して熱量の測定を行い、ガラス転移温度を求める。具体的に、測定器はPerkin Elmer社製の示差走査熱量測定装置(Diamond DSC)を使用する。第2の材料10mgについて、測定条件は20℃を5分間等温した後に、20℃から320℃まで、5℃/分の速度で昇温させ、横軸温度、縦軸熱量のDSC曲線を得る。そして、このDSC曲線からガラス転移温度Tgを求める。
【0062】
尚、突起の骨格形成材料である第2の材料3aのガラス転移温度(Tg)は、第2の材料の構成成分のガラス転移温度(Tg)を意味し、該構成成分が複数種存在する場合においてそれら複数種のガラス転移温度(Tg)が互いに異なる場合、前記加熱手段による第2の材料の加熱温度は、少なくともそれら複数のガラス転移温度(Tg)のうち最も低いガラス転移温度(Tg)以上であることが好ましく、それら複数のガラス転移温度(Tg)のうち最も高いガラス転移温度(Tg)以上であることがさらに好ましい。
また、第2の材料の軟化温度についてもガラス転移温度(Tg)と同様であり、即ち、第2の材料の構成成分が複数種存在する場合においてそれら複数種の軟化温度が互いに異なる場合、前記加熱手段による第2の材料の加熱温度は、少なくともそれら複数の軟化温度のうち最も低い軟化温度以上であることが好ましく、それら複数の軟化温度のうち最も高い軟化温度以上であることがさらに好ましい。
また、第2の材料が融点の異なる2種以上の成分を含んで構成されている場合、前記加熱手段による第2の材料の加熱温度は、それら複数の融点のうち最も低い融点未満であることが好ましい。
【0063】
凸型410を中間シート23に刺してゆく刺入速度は、遅過ぎると第2の材料を過剰に加熱軟化させ、速過ぎると加熱軟化不足となる。突起3を効率的に形成する観点から、凸型410の刺入速度は、好ましくは0.1mm/秒以上、更に好ましくは1mm/秒以上であり、そして、好ましくは1000mm/秒以下であり、更に好ましくは800mm/秒以下であり、具体的には、好ましくは0.1mm/秒以上1000mm/秒以下であり、更に好ましくは1mm/秒以上800mm/秒以下である。加熱状態の凸型410の上昇を停止させ、突起3の内部に凸型410を刺した状態のまま次工程(冷却工程)を行うまでの時間である軟化時間は、長過ぎると過剰加熱となるが、加熱不足を補う観点から、好ましくは0秒超、更に好ましくは0.1秒以上であり、そして、好ましくは10秒以下であり、更に好ましくは5秒以下であり、具体的には、好ましくは0秒超10秒以下であり、更に好ましくは0.1秒以上5秒以下である。
【0064】
突起3を効率的に形成する観点から、中間シート23に刺す凸型410の刺入高さは、好ましくは0.01mm以上、更に好ましくは0.02mm以上であり、そして、好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下であり、具体的には、好ましくは0.01mm以上10mm以下であり、更に好ましくは0.02mm以上5mm以下である。ここで、「刺入高さ」とは、中間シート23に最も凸型410を刺し込んだ状態において、凸型410の頂点と、中間シート23の他面22(上面)との間の距離を意味する。したがって、突起形成工程における刺入高さとは、突起形成工程で凸型410が最も深く刺し込まれて中間シート23の他面22から凸型410が出てきた状態における、該他面22から垂直方向に測定した凸型410の頂点までの距離のことである。
【0065】
第1実施態様の製造方法は、突起形成工程の後、突起3の内部に凸型410を刺した状態で突起3を冷却する冷却工程を備えている。製造装置100においては、
図7に示すように、突起形成部40の次に冷却部60が設置されている。冷却部60は、突起3を冷却し得るものを特に制限なく備えることができ、例えば冷風送風装置を備えることができる。本実施態様において冷却部60は、冷風送風装置を備え、冷風送風する送風口61が中間シート23の他面22側(上面側)に設けられている。この送風口61から冷風を吹き付けて、凸型410が内部に刺さった状態の突起3を冷却するようになっている。また、本実施態様においては、第1支持部材12と第2支持部材13とで、中間シート23を挟んだ状態で冷却工程を行うようになっている。
尚、冷風送風装置の冷却温度、冷却時間の制御は、製造装置100に備えられた、制御手段(不図示)により制御されている。
【0066】
第1実施態様においては、凸型部41の位置を維持して凸型410を突起3の内部に刺した状態で、中間シート23の他面22側(上面側)に配されている送風口61から冷風を吹き付けて、突起3の内部に凸型410を刺した状態のまま冷却する。突起を冷却する際には、凸型410の加熱手段による加熱は、継続状態でも止められた状態でも良いが、止められた状態であることが好ましい。
【0067】
凸型部41による成形性の観点から、吹き付ける冷風の温度は、好ましくは−50℃以上、更に好ましくは−40℃以上であり、そして、好ましくは26℃以下であり、更に好ましくは10℃以下であり、具体的には、好ましくは−50℃以上26℃以下であり、更に好ましくは−40℃以上10℃以下である。突起の成形性と加工時間の両立性の観点から、冷風を吹き付けて冷却する冷却時間は、好ましくは0.01秒以上、更に好ましくは0.5秒以上であり、そして、好ましくは60秒以下であり、更に好ましくは30秒以下であり、具体的には、好ましくは0.01秒以上60秒以下であり、更に好ましくは0.5秒以上30秒以下である。
【0068】
突起3を効率的に冷却する観点から、冷風送風装置は、搬送される中間シート23の他面22側及び一面22側の全体を中空状に覆い、冷風送風装置の内部を中間シート23が搬送方向(Y方向)に搬送されるようにし、中空内に、例えば、冷風送風する送風口61を設けるようにしてもよい。冷風送風装置で中間シートを覆う方法としてはトンネル状、又は箱型に覆うことができる。
【0069】
なお、第1実施態様のように、凸型410の加熱手段(不図示)が超音波振動である場合には、冷風送風装置を必ず備える必要はなく、超音波振動装置の振動を切ることにより、冷却することもできる。この点で、超音波振動を加熱手段として用いると、装置の簡便化とともに、高速での微細中空突起具1の製造が容易となるので好ましい。また、第2の材料3aは、凸型410と当接していない部分では、より熱が伝わりにくく、また、超音波振動付与のオフによって冷却が効率的に行われるので、成形部分以外の変形が生じにくいという長所がある。
【0070】
第1実施態様の製造方法は、冷却工程の後に、突起3の内部から凸型410を抜いて微細中空突起具1を形成するリリース工程を備えている。製造装置100においては、
図7に示すように、冷却部60の次にリリース部50が設置されている。突起3の内部から凸型410を抜く際に中間シート23の撓みを抑制する観点から、リリース工程では、第2支持部材13を用いて、凸型410を引き抜くことが好ましい。この場合、リリース工程において第2支持部材13は、中間シート23における凸型410が引き抜かれる領域以外の領域、言い換えれば、中間シート23における突起3の形成される領域以外の領域を支持するように配置されている。
【0071】
第1実施態様におけるリリース工程では、中間シート23の他面22側(上面側)に第1支持部材12を配置し、中間シート23の一面21側(下面側)に第2支持部材13を配置して、両支持部材12,13で中間シート23を挟んだ状態において凸型410を引き抜く。好適には、第1及び第2支持部材12,13で中間シート23を挟んだ状態で冷却工程を行った後、送風口61からの冷風の吹き付けを停止し、中間シート23の他面22側(上面側)から一面21側(下面側)に向かって凸型410を下降させて、中間シート23の一面21側(下面側)に配されている第2支持部材13で中間シート23の撓みを抑制しつつ、凸型410を中間シート23から抜き出す。このようにして、内部に中空の突起3を備える微細中空突起具10aの前駆体9aを形成する。
【0072】
中間シート23の他面22側(上面側)に配されている第1支持部材12を、前駆体9aの突起3の高さよりも高い位置まで上昇させた後、微細中空突起具10aの前駆体9aは搬送方向(Y方向)下流側に搬送される。その後、前記前駆体9aはカット工程に供されて、所定の範囲でカットされ、
図1に示すような、シート状のシート部2と複数の微細中空突起3とを有する第1実施形態の微細中空突起具10aに成形される。以上の工程を繰り返すことによって、第1実施形態の微細中空突起具10aを連続的に効率良く製造できる。
【0073】
上述した第1実施態様の製造方法では、中間シート形成工程において複数の他材料積層部26を形成し、1個の他材料積層部26につき1個の凸型410を刺入して、突起を形成する。即ち1個の他材料積層部26につき、1個の突起3が形成される。
他材料配置部を容易に形成する観点から、1個の他材料積層部26に複数の凸型410を刺すことが好ましい。具体的には、1個の他材料積層部26に複数の凸型410を当接させ、中間シート23に複数の凸型410を刺すことにより、複数の微細中空突起3を形成する。例えば、
図10に示すように、ある程度の面積の他材料積層部を形成し、該他材料積層部に複数の微細中空突起3を形成してもよい。この場合、他材料積層部形成部15は、基材シート20上に、ある程度の面積の第2の材料を配置する。例えば、前述したローター17の凹陥部17aの面積を大きくし、第2の材料の塗工面積を大きくすることにより、ある程度の面積の第2の材料を配置することができる。
【0074】
複数の突起の骨格形成材料を互いに異ならせた微細中空突起具10aを形成する観点から、異なる第2の材料3aによって複数の微細中空突起3を形成することが好ましい。具体的には、中間シート形成工程において、基材シート20上に異なる第2の材料3aを散点状に配置し、複数の他材料積層部26A,26Bを形成した後、突起形成工程において各他材料積層部26A,26Bに凸型410を刺入して、骨格形成材料がそれぞれ異なる突起3A,3Bを複数形成する〔
図11(a)参照〕。また、中間シート形成工程において、基材シート20上に異なる第2の材料3aを搬送方向に延びるようにそれぞれ配置し、複数の他材料積層部26A,26Bを形成した後、突起形成工程において各他材料積層部26に凸型410を刺入して、第2の材料3aがそれぞれ異なる突起3A,3Bを複数形成する〔
図11(b)参照〕。
【0075】
第1実施態様の製造方法により製造された微細中空突起具10aは、その後の工程において更に所定の形状に形成されてもよい。また、カット工程を突起形成工程の前に行ってもよい。即ち、中間シート23を所望の形状にカットした後、該中間シート23を突起形成工程に供してもよい。
【0076】
次に、本発明の製造方法を、第2実施態様に基づき、図面を参照しながら説明する。なお、第2実施態様においては、上述した第1実施態様と異なる点を中心に説明し、同様の点については同一の符号を付して説明を省略する。特に言及しない点については、第1実施態様に関する説明が適宜適用される。
【0077】
本実施態様の製造方法は、第1実施態様と同様に、中間シート23を得る中間シート形成工程と、突起形成工程とを備えるが、第1の材料が、基材シートを形成する形成材料であるとともに、微細中空突起の熱可塑性樹脂を含む骨格形成材料である点で第1実施態様の製造方法と異なる。即ち、第1実施態様の製造方法は、突起の骨格形成材料が第2の材料である一方、第2実施態様の製造方法は突起の骨格形成材料が第1の材料である。
【0078】
第2実施態様における突起形成工程は、中間シート23における一面側から、他材料積層部26に、加熱手段を有した凸型410を当接させ、突起3の熱可塑性樹脂を含む骨格形成材料である第1の材料を熱により軟化させながら、該中間シート23に凸型410を刺すことによって、該中間シート23の他面側から突出する突起3を形成する。この突起3の骨格30は、基材シート20と同様に第1の材料から形成されており、基材シート20と連続している。
【0079】
本実施態様における突起形成工程では、中間シート23における一面側から、他材料積層部26に、加熱手段を有した凸型410を当接させ、第1の材料からなる基材シート20を熱により軟化させながら、該中間シート23に凸型410を刺すことによって、該中間シート23の他面22側から突出する微細中空突起3を形成する。具体的には、中間シート23の一面21側から凸型410を当接させた当接部分の第1の材料を熱により軟化させながら、凸型410を中間シート23に刺してゆき中間シート23の他面22側から突出する突起3を形成する。
【0080】
本実施態様の他材料積層部26において、第1の材料は突起3の骨格となる一方、基材シート20上に部分的に配置された第2の材料は突起3の骨格表面を被覆する被覆層32となる。即ち、本実施態様の製造方法は、第1の材料の剛性を有する突起3と、第2の材料の剛性を有する被覆層とを備える、コーティング型突起を備えた微細中空突起具を好ましく製造することができる。例えば、第1の材料が突起の骨格形成材料であり、第2の材料が機能性を有するコーティング材料である場合、本実施形態の製造方法で製造される微細中空突起具は、突起の骨格表面に機能性成分を含む被覆層32を備えることができる。即ち、本実施形態の製造方法は、前述した第2実施形態の微細中空突起具10bを好ましく製造することができる。この微細中空突起具10bでは、突起3の骨格表面に機能性成分を含む被覆層32を有するため、皮膚内部に機能性成分を効果的に供給することができる。
【0081】
上述した各種のコーティング型突起は、中間シート形成工程における他材料積層部26の形成方法がそれぞれ異なる。具体的には、単層の被覆層を有する突起は、
図12(a)及び(b)に示すように、中間シート形成工程において第2の材料を1種類配置して他材料積層部26を形成する。多層被覆層を有する突起は、
図12(c)に示すように、中間シート形成工程において第2の材料を複数種類重ねて配置して他材料積層部26を形成する。複数の被覆部を有する突起は、
図12(d)に示すように、中間シート形成工程において第2の材料を複数種類隣り合うように配置して他材料積層部26を形成する。
また、突起3の表面において被覆層32が形成される範囲は、基材シート20上に配される第2の材料の量やその配置面積(塗工面積)によって調整することができる。例えば、
図12(b)に示すように、第2の材料の配置面積を、凸型410が刺入される部分の面積よりも小さくすることで、突起3の表面の一部に被覆層32を形成することができる。また、
図12(a)に示すように、第2の材料の配置面積を、凸型410が刺入される部分の面積よりも大きくすることで、突起3の表面全体に被覆層32を形成することができる。
【0082】
1個の微細中空突起具10bに、異なる機能性成分を含む被覆層32を備えた突起3を形成する観点から、第2の材料として相異なる種類の材料を用いて、相異なる複数の前記コーティング材料によって形成された複数の微細中空突起3を形成することが好ましい。例えば、
図12(a)及び(b)に示すように、複数の第2の材料を配して、コーティング材料が互いに異なる他材料積層部26A,26Bを形成した後、各他材料積層部26A,26Bに凸型410を刺入して、被覆層の形成材料が異なる複数のコーティング型突起35A,35Bを形成する態様が挙げられる。また、
図12(c)に示すように、第2の材料として相異なる複数の前記コーティング材料を用いて、個々の前記微細中空突起の骨格上に相異なる複数の前記コーティング材料が積層された多層被覆層37を形成してもよい。この場合、多層被覆層37A,37Bを形成するコーティング材料、即ち第2の材料3a,3b,3c,3dを突起3毎に異ならせてもよい。また、
図12(d)に示すように、相異なるコーティング材料によって形成された複数の被覆部を有する被覆層32を形成してもよい。この場合、個々の被覆部38A,38B,38C,38Dを形成する第2の材料3a,3b,3c,3dを突起3ごとに異ならせてもよい。
なお、本実施態様の製造方法において、一部の突起の骨格表面にのみ被覆層を形成してもよい。この場合、中間シート形成工程において一部の突起が形成される部分に、第2の材料を配置せず、次の突起工程において第2の材料が配置されなかった部分に突起を形成する。
【0083】
第2の材料を塗工して他材料積層部26を容易に形成する観点から、中間シート形成工程におけるコーティング材料、即ち第2の材料3aは流動性を有していることが好ましい。第2の材料の塗工性の観点から、第2の材料3aの粘度は、好ましくは500mPa・s以上、更に好ましくは1000mPa・s以上、そして、好ましくは100000mPa・s以下、更に好ましくは50000mPa・s以下、より具体的には、好ましくは500mPa・s以上100000mPa・s以下、更に好ましくは1000mPa・s以上50000mPa・s以下である。粘度は、前述のB型粘度計を用いた方法によって測定される。
【0084】
以上、本発明の微細中空突起具の製造方法を、その好ましい実施態様に基づき説明したが、本発明は前記実施態様に制限されるものではなく、適宜変更可能である。
【0085】
例えば、上述した実施態様において、
図7に示す第1及び第2支持部材は、開口部12a,13aの開口径が同じであったが、異なっていてもよい。好適には、基材シート20の一面21側(下面側)に配置された第2支持部材13の開口部13aの開口径が、基材シート20の他面22側(上面側)に配置された支持部材12の開口部12aの開口径よりも大きく形成されている。斯かる構成を具備することにより、突起形成工程において凸型410を基材シート20に刺してゆく際に開口部12a,13aが接触し難く、リリース工程において凸型410を基材シート20から抜く際に開口部12a,13aが接触し難く、内部が中空の微細中空突起具1を更に精度良く製造することができる。
【0086】
また、突起形成工程に用いる支持部材12,13の少なくとも一方には、凸型部41における凸型410を挿通可能な開口部12a,13aが当初形成されておらず、突起形成工程にて中間シート23に刺してゆく凸型部41の凸型410により押圧されて開口部12a,13aが形成されるようになっていてもよい。このような支持部材12,13としては、シリコン製の部材、ゴム等の弾性部材等が挙げられる。
【0087】
上記の弾性部材等からなる支持部材12,13は、リリース工程以降において、中間シート23から取り外されてもよいが、形成される微細中空突起具の一部として用いられてもよい。このような態様において、支持部材12の厚みは、突起3の突出高さH1よりも厚くても良いし、薄くても良い。支持部材12の厚みを、突出高さH1よりも厚くする場合には、使用前における突起3の破損防止の保護部材として機能しうる。一方、支持部材12の厚みを突起3の突出高さH1よりも小さくする場合には、突起3の皮膚への穿刺量を制御するのに役立つ。
【0088】
また、上記説明した第1及び第2実施態様では、凸型410の備える加熱手段として、超音波振動装置を使用したが、これに代えて加熱ヒーターを使用しても良い。
【0089】
また、上記説明した第1及び第2実施態様では、
図7に示すように、中間シート23の搬送を間欠的に行うようにし、厚み方向(Z方向)の上下にのみ移動可能な凸型部41を用いて突起3及び微細中空突起具1を成形しているが、中間シート23の搬送を連続して行うようにし、無限軌道を描くボックスモーション式の突起形成部40、支持部材12,13を用いて突起3及び微細中空突起具1を成形してもよい。
【0090】
また、上記第1及び第2実施態様では、
図7に示すように、中間シート23を第2の材料が配されている側とは反対側の面から、該第2の材料が配されている側に向かって刺入する凸型410を有する凸型部41を用いているが、
図13(a)〜(c)に示すように、中間シート23を第2の材料が配されている側から、該第2の材料が配されている側とは反対側に向かって凸型410を刺入する凸型部41を用いて、突起3及び微細中空突起具1を成形してもよい。この場合、中間シート23の一面21は、第2の材料が配される側の面であり、中間シート23の他面22は、第2の材料が配される側とは反対側の面である。