【文献】
Wei Zhu他,Desing of the PromoPad: an Automated Augmented Reality Shopping Assistant,Americas Conference on Information Systems,2006年 8月,p.1-16
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示装置を介して消費者から受信した入力に基づいて、前記仮想在庫アイテムのうちの少なくとも1つに関連するトランザクションを開始するように構成可能な取引エンジンをさらに備える、請求項5に記載のプロセッサ。
前記トリガ条件は、ニュースイベント、ユーザ嗜好、時間、場所、ユーザアイデンティティ、論理オペレータ、センサデータ、温度、料金、トレンド、気象条件、事前購入のうちの少なくとも1つに基づいている請求項14に記載のプロセッサ。
仮想プラノグラムに基づいて拡張現実ショッピング体験を表示装置によって提供する少なくとも1つのプロセッサにより、仮想プラノグラムに基づいて拡張現実感ショッピング体験を提示する方法であって、
前記プロセッサは、
仮想プラノグラムを取得し、
表示装置へのアクセスを提供し、
仮想在庫アイテム、および、現実在庫アイテムを現実世界のディスプレイに提示することで、前記仮想在庫アイテムと前記現実在庫アイテムの両方を購入可能にするディスプレイを仮想プラノグラムに従って構成し、
前記仮想在庫アイテムおよび前記現実在庫アイテムの両方が購入のために利用可能であり、
ユーザが少なくとも1つのアイテムを選択することを可能にし、前記少なくとも1つのアイテムは仮想在庫アイテムまたは現実在庫アイテムのいずれかであり、
選択された商品を配送先に配送するための注文を行う取引を実行するための取引装置と通信するために、口座データおよび取引プロトコルを使用して取引を開始するように構成する方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、コンピュータ/サーバに基づくプラノグラム管理システムを説明するが、代替となる様々な構成が想到され、サーバ、インタフェース、システム、データベース、エージェント、ピア、エンジン、コントローラ又は他のタイプの演算デバイスを個別に又は組み合わせて、様々なハードウェアベースの演算デバイスを採用することができる。演算デバイスは、タンジブルな、不揮発性のコンピュータ読取可能媒体(例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、RAM、フラッシュ、ROM等)に保存されたソフトウェア命令を実行するように構成されたハードウェアプロセッサを含む。ソフトウェア命令は、好ましくは、ここに開示する装置に関連して以下に説明する役割、責任又は他の機能を提供するように演算デバイスを構成する。様々なサーバ、システム、データベース又はインタフェースは、例えば、HTTP、HTTPS、AES、公開−秘密鍵交換、ウェブサービスAPI、既知の金融取引プロトコル、又は他の電子情報交換方法に基づく標準プロトコル又はアルゴリズムを用いて、データを交換することができる。データ交換は、インターネット、LAN、WAN、VPN又は他のタイプのパケット交換網を介して行うことができる。
【0020】
ここに開示する技術は、多くの有利な技術的効果を提供し、例えば、販売業者が仮想空間を効率的に利用することによって、物理的小売空間及び販売員に関連するコストを削減できる対話型取引システムを提供する。ここに開示するシステムは、電子デバイスに送信することができる仮想プラノグラム信号を生成する。仮想プラノグラム信号は、デバイスを構成して、ディスプレイ上に購入可能な商品を表示させる。
【0021】
以下の説明では、発明の主題の多くの例示的な実施形態を示す。各実施形態は、本発明の要素の単一の組合せを表すが、本発明の主題は、ここに開示する要素の可能な全ての組合せを含むと解釈される。すなわち、第1の実施形態がA、B、Cの要素を含み、第2の実施形態がB、Dの要素を含む場合、本発明の主題は、明示的に示されていなくても、A、B、C又はDの他のあらゆる組合せを含むと解釈される。
【0022】
図1に示すエコシステム(ecosystem)100は、対話型取引システムを表しており、ユーザ110は、ディスプレイ120及びインタフェース125を介して、仮想マーケットプレイスとインタラクトできる。エコシステム100では、ユーザ110は、商店又は他の商業空間に商品が物理的に存在していない場合であっても、ディスプレイ120を介して商品を購入できる。ディスプレイ120に表示される商品は、仮想プラノグラム142に従って表示することができ、この結果、豊かなショッピング体験を提供することができる。ユーザ110は、実店舗(brick and mortar store)、バス停、空港、地下鉄駅、モール、自宅又は他の場所を含む略々全ての場所から、この取引システムとインタラクトできる。
【0023】
ディスプレイ120は、商品管理サーバ140からの命令に基づいて、ユーザ110に仮想マーケットプレイスを表示するように構成される。「仮想マーケットプレイス(virtual marketplace)」とは、ユーザ110が1つ以上のアイテムに関する取引を行うことができる、ディスプレイ120に表示される商業空間を象徴的に示す用語である。仮想マーケットプレイスは、デジタル的に表現でき、例えば、個々の商品、商品の集合、棚の一部、棚の全体、陳列ケース、ラック、回転ラック、冷凍庫、商店、商店の集合、モール、商店街(bazaar)又はアイテムを購入できる他の形式の商業空間として表現できる。
【0024】
ディスプレイ120は、広範囲に亘るデバイスを含むことができる。幾つかの実施形態では、ディスプレイ120は、仮想マーケットプレイスを表示する壁面取付型高密度ディスプレイ(例えば、HDモニタ、コンピュータ画面、テレビジョン受像機等)であってもよい。他の実施形態では、ディスプレイ120は、演算デバイスの一部であってもよく、例えば、ディスプレイ120は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、設置型情報装置(kiosk)、設置型情報装置を構成するデバイス又は他のあらゆる適切なレンダリングデバイスのディスプレイであってもよい。
【0025】
また、インタフェース125は、多くの異なる形式で実現することができる。例えば、インタフェース125は、マルチモーダルタッチセンサディスプレイ(例えば、ディスプレイ120)、キーボード、マウス又はディスプレイ内のセンサ(例えば、カメラ、加速度計、磁力計等)であってもよい。ユーザ110は、インタフェース120を用いて、ディスプレイ120に表示される情報とインタラクトする。
【0026】
ディスプレイ120は、商品管理サーバ140と通信可能に接続され、商品管理サーバ140は、ディスプレイ120に製品情報又は他のアイテム情報を提供する。例えば、店舗環境又はモール環境では、商品管理サーバ140は、在庫情報を提供することができる。ユーザ110が商品を購入するためにディスプレイ120とインタラクトすると、商品管理サーバ140は、仮想プラノグラム142に基づき、対応する商品をディスプレイ120にレンダリングさせる。なお、商品管理サーバ140は、1つ以上のベンダ145からの製品情報を提供できる。
【0027】
また、ディスプレイ120は、取引エンジン130に通信可能に接続されている。取引エンジン130は、ユーザ110による入力に基づいて取引を開始するように構成してもよい。また、取引エンジン130は、商品管理サーバ140に接続し、商品管理サーバ140を介して、主要な取引パラメータ(例えば、価格、数量、SKU、ベンダID、プロモーション、アカウント情報、セキュリティキー、証明等)を受信することができる。取引エンジン130は、ユーザ110の指示に応じて取引を開始できる。例示的な取引エンジンは、販売時点情報管理端末(point of sales terminal:POS端末)、ローカル又はリモートウェブサーバ、バンキングシステム、又はディスプレイ120とインタラクトするように構成された他のデバイスを含むことができる。例えば、消費者は、店舗内のタブレットコンピュータ上のディスプレイ120とインタラクトして、購入可能なアイテムを特定でき、このアイテムは、物理的に店舗内に存在していないものであってもよい。そして、消費者は、POS端末によって、近距離無線通信(Near Field Communication:NFC)を介して、アイテムの代金を支払うことができる。
【0028】
この具体例では、取引エンジン130と、エコシステムの他のコンポーネントは、ネットワーク135を介して互いに通信する。ネットワークは、例えば、インターネット、WAN、LAN、無線ネットワークネットワーク、メッシュネットワーク、セルラネットワーク、又は他の形式の通信インフラストラクチャであってもよい。
【0029】
特に、ディスプレイ120内の購入可能アイテムの表示及び表現は、プラノグラム142によって制御される。仮想プラノグラム142は、棚上の物理的商品の物理的構成を表す従来のプラノグラムとは異なる。すなわち、プラノグラム142は、ディスプレイ120内での仮想アイテムの配置を決定するポリシ又は規則を表している。したがって、プラノグラム142は、ディスプレイ120上で表現する際に、仮想環境内で購入可能アイテムをどのように表示するかを定義するという意味で、仮想プラノグラムと呼ぶことができる。
【0030】
プラノグラム142は、商品管理サーバ140によって管理される製品、商品、サービス又はアイテムから独立して管理できると考えられる、個別に管理可能なオブジェクトを表している。このような手法によって、プラノグラム142は、後に更に詳細に説明するように、商品の配置に関する有効な仕組みを提供できるという点で、有益であると考えられる。
【0031】
プラノグラムサーバ141によって、1つ以上のプラノグラム142を管理することができる。この具体例では、プラノグラムサーバ141を有料サービスのためのプラノグラム管理サービスを提供する独立したサーバとして示している。エンティティ、例えば、1つ以上のベンダ145は、プラノグラム142に商品を組み込むことの対価として、手数料(例えば、入札価格、加入料、定率使用料、従量課金等)を支払うことができる。プラノグラム142は、通常、プラノグラムマネージャ150によって管理される。プラノグラムマネージャ150は、オーナ、ベンダ、プラノグラムのライセンス取得者であってもよく、又はプラノグラム142へのアクセスが許可された他のエンティティであってもよい。
【0032】
なお、ベンダ145は、様々な手法でプラノグラムに商品を組み込むことができる。上述したように、ベンダ145が手数料を支払うことによって、又は単に、ベンダ145が特定の施設(例えば、モール)に属する小売業者であることによって、そのベンダ145の商品をプラノグラム142に組み込むようにしてもよい。また、ベンダ145が依頼書に記入することによって、小売業者のエージェント又は系列企業の要求によって、又は単にサードパーティによる要求によって、商品又はサービスをプラノグラム142に組み込むことができる。
【0033】
図2は、施設200内に対話型取引システムが統合された実施形態を示している。施設200としては、(a)空港、バス停、鉄道駅、地下鉄駅、タクシーの停車場、又は他の何らかの交通ハブ又は公共輸送機関の駅、(b)屋内モール、野外モール、アウトレットセンタ、又は他の何らかの商業複合施設、(c)図書館、博物館、遊園地、又は他の何らかのアクセス可能な公的施設、(d)旅行代理店、観光ガイド施設、又は他の何らかの観光サービスを提供する事業所、及び(e)ホテル、モーテル、朝食付き宿泊施設、ロッジ、キャビン、又は他の何らかの公共又は準公共の宿泊施設等が含まれる。このように、本発明の主題は、仮想プラノグラム210内の規則に従って購入可能アイテムが構成される、1つ以上の施設内の仮想マーケットプレイスの構造又は配置を含む。
【0034】
施設200は、ディスプレイ220を有するデバイス215を含むことができ、ディスプレイ220は、消費者に仮想マーケットプレイス221を表示するように構成される。ここでは、ユーザにデータ(例えば、電子データ等)を提供するように構成される市販の全ての適切なデバイスを用いることができ、これらのデバイスには、例えば、電子掲示板、設置型情報装置(kiosk)、テレビジョン受像機、コンピュータ画面、タブレットコンピュータ及びスマートフォン等が含まれる。説明のため、施設200は、ディスプレイ220として動作する複数のコンピュータモニタ(例えば、HD TV等)を備えるモールとする。モールの廊下の壁にモニタを配置し、仮想棚又は仮想店舗を表示するモニタの壁を形成することができる。モールの客は、モニタとインタラクトして、店舗を閲覧し、又は商品を購入することもできる。このように、モニタ及び関連するプラノグラム210によって作成される仮想マーケットプレイス221は、自動販売機(Automated Sales Machine:ASM)とみなすこともできる。
【0035】
ディスプレイ220は、プラノグラム210に基づいて、仮想マーケットプレイス221を表示することができ、プラノグラム210は、プラノグラムサーバ205によって生成することができる。モールの具体例では、プラノグラム210は、施設200の参加店240、例えば、モール内の店舗が利用できる無料のプラノグラムであってもよい。また、プラノグラム210は、小売業者240又は他のベンダが利用可能な有料のプラノグラムであってもよい。例えば、
図2では、小売業者240(すなわち、ベンダ)は、施設200内の小売業者である。また、遠隔にある商業施設200がプラノグラム210内の商品陳列のためのスロットを購入して、仮想マーケットプレイス221に、それらの商品を表示するようにしてもよい。プラノグラム及びその管理については、後に詳細に説明する。
【0036】
デバイス215は、インタフェース225及び取引デバイス230の少なくとも1つを備えていてもよく、又は(例えば、施設200のネットワーク235を介して)これらと通信可能に接続してもよい。インタフェース225及び取引デバイス230のそれぞれは、支払い、ユーザ226、仮想マーケットプレイス221のアイテムの選択、又は小売業者の在庫に関連する情報の少なくとも1つを受け取るように構成できる。インタフェース225は、適切なあらゆるインタフェースを含むことができ、例えば、タッチスクリーン、キーボード、デジタルキーボード、ボタン、デジタルボタン、スピーカ、音声受信機及びバイオメトリックセンサ等を含むことができる。支払いに関連する情報は、適切なあらゆるデータを含み、例えば、クレジットカード番号、有効期限、セキュリティコード、氏名、住所、ログインパスワード、電話番号、Eメールアドレス、フィンガプリント、ピンナンバー、又はショッピング若しくは取引を実行するために使用される他のデータを含む。
【0037】
仮想マーケットプレイス221が公共の場所に設置されているシナリオについて検討する。一具体例として、対話型取引システムは、空港ターミナル内のブランド付きASM(branded ASM)として動作するように構成してもよい。例えば、ASMにトレーダー・ジョーズ(Trader Joe's:米国食品スーパー)のASMとしてブランドを付し、空港に関連付けてもよい(例えば、空港が提供してもよく、空港によって賃貸される空間に配設してもよく、空港に委託料を支払ってもよい)。空港は、ターミナル内に1つ以上のディスプレイ220を設置し、トレーダー・ジョーズにプラノグラム210を提供することができる。空港は、手数料と引き換えに、ブランド付きのプラノグラムに応じて、販売可能な商品をディスプレイ220に表示できる。旅行者は、ターミナルを通過する際、ディスプレイ220とインタラクトして、トレーダー・ジョーズからアイテムを購入することができる。購入されたアイテムは、ユーザ226の自宅に配送してもよく、ユーザ226が帰宅途中の近所のトレーダー・ジョーズで受け取ってもよく、又はユーザ226が指定した住所にトレーダー・ジョーズが配達してもよい。選択された商品を購入する取引は、取引デバイス230によってサポートできる。
【0038】
なお、ASMは、単一の小売業者240又は施設200から販売される商品又はサービスを表示することに制限されない。プラノグラム210は、多くの要素に基づいて商品の配置を決定する規則又は基準を含むことができる。再びトレーダー・ジョーズの具体例について検討する。ASMは、プラノグラム210に基づいて、商品を表示することができ、プラノグラム210は、位置にかかわらず、複数のトレーダー・ジョーズで購入できる実際の商品を表示するように構成される。例えば、プラノグラム210は、ユーザの嗜好に基づいて、例えば、ユーザが定義したプロトコルに基づいて、全ての異なるトレーダー・ジョーズで販売されている商品の構成を動的に構築することができる。ユーザプロトコルは、ユーザに関するあらゆる嗜好又は情報を含むことができ、例えば、サイズの好み、売り場の好み(例えば、パン屋、総菜屋の有無)、制限(例えば、食事制限、アレルギー等)、ブランド、ベンダ及び他の情報(例えば、特定住所、都市又は郵便番号、州、設置型情報装置又は他のデバイスからの最大距離、シティからの距離等)を含むことができる。具体例として、ユーザAが、インタフェースを介して、第1の地理的プロトコル(例えば、郵便番号90028)を入力すると、この郵便番号90028に位置するトレーダー・ジョーズであるカリフォルニア州ハリウッドのVineストリートのトレーダー・ジョーズで入手できるアイテムの表現がディスプレイに表示される。アイテムに関連するシンボル(例えば、チョコレートバーの特定のブランドのための特定のQRコード(登録商標)、野菜チップの特定のブランドのための異なる特定のQRコード(登録商標)等)をレンダリングしてもよい。ユーザBが第2の異なる地理的プロトコル(例えば、ニューメキシコ州、アルバカーキ(Albuquerque))を入力すると、プラノグラム210に基づいて、ディスプレイに、ニューメキシコ州、アルバカーキのトレーダー・ジョーズの位置に対応する商品の構成を表示してもよい。更に、プラノグラム210は、ディスプレイ220に実際の小売業者の仮想表現を表示させてもよい。例えば、ユーザ226が郵便番号02115(すなわち、マサチューセッツ州、ボストン)を入力すると、ディスプレイには、ボストンのBoylstonストリートにあるトレーダー・ジョーズの仮想レプリカを表示するようにしてもよい。ユーザのプロトコルに一致する店舗が発見されない場合、地理的に又は他の基準で最良の店舗を検索してもよい。また、完全一致が生じた場合であっても、2番目の候補、3番目の候補、20番目の候補、又は更により低い一致率の候補をユーザに提示してもよい。ユーザプロトコルは、デバイスのインタフェースを介して入力してもよく、デバイスから遠隔にあるが、デバイスに接続されているインタフェースを介して入力してもよい。インタフェースは、キーパッド、タッチスクリーン、ボタン又は適切なあらゆる民生用機器を含む。
【0039】
ASMとして動作する対話型システムの他の具体例としては、例えば、免税店の近くで動作する対話型掲示板(interactive billboard)がある。このような実施形態によって、ユーザは、TSA(米国運輸保安庁:Transportation Security Administration)の規則のためにフライトの際に持ち込めない香水、化粧水又は他のアイテムを選択し、購入することができる。このような手法によって、旅行者は、飛行機に持ち込む必要なく免税品を購入できる。対話型掲示板(すなわち、ディスプレイ220及びデバイス215)は、外国に渡航する買物客に販売可能な免税品の表現(例えば、画像、ビデオ、図面、名称、デジタルモデル等)を表示することができる。各表現は、固有のレンダリングされたシンボルに関連付けることができる。そして、買物客は、ユーザデバイス(例えば、カメラ付きセルラ電話機、タブレットコンピュータ等)によって、レンダリングされたシンボルのデジタル表現を捕捉することによって、任意のアイテムを選択できる。ユーザが会計を行う際、ユーザは、検証エンジン又は取引デバイス(例えば、掲示板又はユーザデバイスのバーコード又はQRコード(登録商標)リーダ等)を介して、対話型掲示板に資格を証明する搭乗券又は他の証明書を提示することができる。ユーザが実際に免税でショッピングをする資格がある(すなわち、適確ユーザである)と取引デバイス又は検証エンジンが判定した場合、ユーザは、(例えば、対話型掲示板から十、百、千、又は一万マイル以上離れた)ユーザの目的地ターミナル又は他の宛先アドレスにおいて、購入したアイテムを受け取ることができる。
【0040】
施設200に設けることができる対話型システムの他の具体例としては、設置型情報装置(kiosk)があり、これによってユーザは、例えば、ティファニー(Tiffany's:商標)、ナホク(Na Hoku:商標)、コンロイズ(Conroys:商標)及びシーズ(See's:商標)等の参加店240を選択し、ショッピングをすることができる。サンフランシスコからロサンゼルスに向かう旅行者は、ロサンゼルス空港の設置型情報装置を介してアイテムを購入できる。小売業者の店舗でアイテムを受け取るか、アイテムを所定の住所に配達するかを旅行者が選択できるようにしてもよい。設置型情報装置は、
図3に関連して説明するように、選択されたアイテムの3Dバージョンをプリントしてもよく、又は(例えば、設置型情報装置の保管庫内に)選択されたアイテムのミニチュアバージョンを保存し、購入者に渡すようにしてもよい。このようにして、ユーザは、ユーザが選択した近所(例えば、設置型情報装置内から10、50、100又は200フィート以内)の店舗又は他の場所でティファニーのマネークリップを受け取ることができることに加えて、設置型情報装置の3Dプリンタ又はストレージコンパートメントを介して、同じ又は異なる材料(例えば、紙、プラスチック等)で作成されたミニチュアバージョンを得ることができる。そして、ユーザは、このミニチュアバージョンと引き換えに、購入した商品を受け取ることができる。
【0041】
仮想マーケットプレイス221は、プラノグラム210に基づいて、1つ以上のアイテムの表現を表示する。各表現のタイプ又はフォーマットは、小売業者240、プラノグラムサーバ205、プラノグラムマネージャ、サードパーティ、又は適切な権限が与えられた他のエンティティが決定できる。この表現は、画像、デジタルモデル、一連の静止画、動画、ビデオストリーム、テキスト、これらの組合せ又は他の適切なあらゆるアイテムの表現であってもよい。
【0042】
プラノグラム210は、プラノグラムサーバ205によってレンダリングされ、様々なフォーマットに従って、プラノグラムマネージャに表示することができる。例えば、プラノグラムサーバ205がウェブサーバ(すなわち、HTTPサーバ)を含む実施形態では、プラノグラムマネージャは、ブラウザインタフェースを介して、プラノグラムサーバ205にアクセスできる。プラノグラムサーバ205は、異なる技術を用いて、プラノグラムマネージャのためにプラノグラム210をレンダリングできる。幾つかの実施形態では、プラノグラム210をグラフィカルにレンダリングしてもよく、これによって、マネージャが、商品の表現を、使用可能なプラノグラムスロットにドラッグアンドドロップすることができるようにしてもよい。他の実施形態では、対応するテキスト(例えば、SKU、GUID、小売業者情報等)又は画像と共にテーブル形式でプラノグラム210を表示することができる。更に他の実施形態では、プラノグラム210は、施設200の環境内でプラノグラムの2D、3D、4D(すなわち、時間的な側面)又はより高次元の表現を示すコンピュータモデル又はシミュレーションとしてレンダリングしてもよい。
【0043】
具体例として、プラノグラムマネージャが玩具に関してプラノグラム210をインスタント化(instantiate)するシナリオについて検討する。プラノグラムマネージャは、例えば、玩具の製造業者又は卸業者であり、スペースが限定的な陳列棚において、自らの玩具の列の露出を増やすことを望んでいるとする。プラノグラムマネージャは、プラノグラム210へのアクセスを購入できる。これに応じて、プラノグラムサーバ205は、3Dモデル化された棚の形式でプラノグラムテンプレートを提供し、ディスプレイ220を介して、このプラノグラムテンプレートをユーザに表示する。マネージャは、レンダリングされた玩具(例えば、人形、車、トラック、ゲーム等)の仮想3Dモデルを棚に配置することができる。プラノグラムサーバ205は、実時間で、棚の物理的構成をモデル化することができ、このような特徴は、マネージャにとって望ましいと考えられる。一旦、マネージャが玩具の望ましい構成を達成すると、マネージャは、プラノグラム210をインスタント化し、プラノグラムサーバ205に、ディスプレイ220上の仮想マーケットプレイス221内に玩具の表現を作成させる。これによって、ユーザ226は、ディスプレイ220とのインタラクションによって玩具を購入又は注文できるようになる。
【0044】
ユーザ226は、多くの異なる手法で、プラノグラム220によって管理される商品を購入し、又はこの他のインタラクトを行うことができる。幾つかの実施形態では、ディスプレイ220は、タッチセンサディスプレイを備えていてもよい。ユーザ226は、アイテムの表現又はアイテムに関連するディスプレイ上の他の部分に触れることによって、アイテムの購入手続を開始できる。ユーザは、取引デバイス230又はインタフェース225を介して、購入に関する更なる入力を行うことができる。他の実施形態では、ユーザ226は、インタフェース225を用いて、間接的に取引を開始することができる。例えば、ユーザ226は、スマートフォンに付属するカメラ(すなわち、インタフェース225)を用いて、仮想マーケットプレイス221の画像を捕捉する。携帯電話機又は他のプラットフォームは、画像を分析し、ディスプレイ220上の商品を購入可能なオブジェクトであると認識する。そして、カメラは、取引デバイス230と、又はネットワーク235を介してデバイス215とインタラクトし、取引を開始することができる。オブジェクトを認識し、取引を開始するために使用できる技術は、例えば、米国特許第7,016,532号、第7,899,243号、第7,881,529号及び第7,899,252号に開示されている。一旦、ユーザ226が幾つかのアイテムの選択を完了すると、広告、支払オプション、受取/配達オプション等をユーザに提示してもよい。
【0045】
なお、「広告」とは、ユーザが興味を持つ可能性がある商品の提案、商品のためのクーポン、又は他のあらゆるタイプの広告を含む。広告は、ユーザによる選択、ユーザに関連する他の情報、ランダムな選択、広告主による支払い、仮想プラノグラム210(例えば、プラノグラム内の空間が異なる広告に関連付けられてユーザに表示される。)又は他の要素に基づいてユーザに表示してもよい。支払オプションは、クレジットカード番号、支払い額、支払方式、認証又は許可情報(例えば、ログイン名、パスワード、セキュリティキー又はトークン等)、アドレス又は取引をサポートする他の情報の少なくとも1つを入力するオプションを含むことができる。
【0046】
図3は、仮想マーケットプレイスが対話型仮想棚(interactive virtual shelf)を視覚的に表示する対話型取引システムの実施形態を示している。この実施形態では、システム300は、プラノグラム310内に商品を設置する複数の異なる小売業者301、302を含む。例えば、プラノグラムマネージャ306は、プラノグラムサーバ305が提供するマネージャインタフェースを介してプラノグラム310を構築する。なお、プラノグラムマネージャ306は、実際には、小売業者301又は小売業者302の一方であってもよい。また、プラノグラムマネージャ306は、サードパーティ(例えば、商業空間のオーナ、プラノグラムのオーナ等)であってもよい。一旦、プラノグラム310がインスタント化されると、小売業者301又は小売業者302は、プラノグラムサーバ305に接続して、それらの商品がプラノグラム301に組み込まれていることを確認できる。ここに示す具体例では、プラノグラムサーバ305は、ネットワーク335を介してデバイス315に通信可能に接続されている。デバイス315は、ユーザ326に仮想棚350を表示するように構成されたディスプレイ320を備える。仮想棚350は、アイテム321の様々な表現を含む。ユーザ326は、ディスプレイインタフェース325を介して、表現、すなわちアイテムを選択できる。
【0047】
図3に示す実施形態によって、ユーザ326は、デバイス315を介して、1つ以上の仮想棚350とインタラクトして、1つ以上のアイテムを購入することができる。例えば、ユーザ326は、プラノグラム310に基づいて仮想棚350を構築するスマートフォンを使用することができる。仮想棚350は、プラノグラム310に従って1つ以上のアイテム321の表現を表示する店舗の棚の仮想表現又はモデルを含む。なお、仮想棚350は、小売業者301、302又は他の小売業者の1つ以上からの商品を含むことができる。ある実施形態では、仮想棚350は、小売業者301、302の現実在庫を反映していてもよく、又は小売業者の施設の実際の陳列棚を反映していてもよい。仮想棚350の形式にかかわらず、ユーザ326は、仮想的に棚とインタラクトできる。
【0048】
ユーザ326は、インタフェース325を介して、多くのポイントで、仮想棚350とインタラクトできる。例えば、ユーザ326は、棚350を閲覧でき、棚350を横断するようにデバイス315の視点を移動させることができ、アイテム321を選択又はズームすることができ、又はプラノグラム310が提供する他の手法でアイテム321をショッピングすることができる。なお、仮想棚350は、ディスプレイ320において可能であれば、実際の視界より大きく表示してもよい。このようなシナリオでは、パンデバイス(panning device)315(例えば、視界を上下左右に移動させるデバイス)によって、ユーザ326は、棚350の他の部分を閲覧することができる。これは、デバイス315からの監視センサデータによって実現できる。幾つかの実施形態では、センサデータを適切に統合することによって、加速度計又は磁力計データを用いて、デバイス315の位置又は向きを導出することができる。更に、デバイス315は、視覚的同時ローカライゼーション及びマッピング(Visual Simultaneous Localization and Mapping:vSLAM:商標:「Karsson et al."The vSLAM Algorithm for Robust Localization and Mapping", Proc.of Int.Conf.on Robotics and Automation (IRCA) 2005」参照)技術を用いて、デバイス315の位置又は向きを決定してもよい。ユーザ326は、希望すれば、取引デバイス330を介して、1つ以上のアイテム321に関連する取引、例えば、図示に示すような銀行との金融取引を開始できる。
【0049】
幾つかの実施形態では、システム300は、3Dプリンタ345を含むことができる。一旦、アイテム321についての適切な取引が完了すると、ユーザ326は、選択されたアイテム321のレンダリングを定義する3Dプリンタ345のための命令又はコードを含むファイルをダウンロードすることができる。例えば、ファイルは、選択されたオブジェクトの3D特性を記述するSTL、VRML又はWRLファイルフォーマットであってもよい。なお、プリントされたオブジェクトは、実際に購入されたアイテムであってもよく、又は実際の商品が到着するまでユーザ326が利用できる代理品であってもよい。このような手法は、ユーザ326がアイテムを直ちに手に取りたいと考え、又は即時的な満足感を得たいと考える実施形態において有益であり、例えば、アイテム321が玩具である場合、配送が必要であるが、代理のオブジェクトで直ちに遊ぶことができる。ここでは、市販されている全ての適切な3次元プリンタを用いることができ、例えば、Solidoodle製のプリンタ、3Dシステム(例えば、ProJet1500、Cube3D、RapMan等)、PP3DP社LeapFrog(例えば、Creatr、Xeed等)、Bits from Bytes、Ultimaking Ltd.、MaukCC、MakerBot Industries、Magicfirm LLC、FormLabs、Asiga(Freeform Pico、Pico Plus等)又はStratasys等を用いることができる。3Dプリンタ345によって、3次元アイテム又はアイテムのサンプル(例えば、ミニチュアバージョン、サイズ確認のための安価なバージョン等)をプリントするよう構成してもよい。
【0050】
取引デバイス330によって、ユーザ326は、支払い又はユーザ選択の少なくとも1つに関連する情報を入力することができる。これに代えて又はこれに加えて、幾つかの実施形態では、ユーザは、ユーザインタフェース325を介して、支払いに関連する情報を入力してもよい。取引デバイス330及び/又はインタフェース325は、ネットワーク335を介して銀行又は他の金融機関と通信し、1つ以上のプロトコル(例えば、FIXプロトコル、SET(Secure Electronic Transaction)、RFC1898等)を介して、ユーザの選択に関連する取引(例えば、注文、購入、認証、検証等)を開始する。
【0051】
図4に示すエコシステム400は、ディスプレイ420上にレンダリングされる仮想マーケットプレイス内の仮想棚460、461の更に詳細な管理を提供する取引システムを表している。また、ここに示す実施形態では、エコシステム400の幾つかの側面が組み合わされている。例えば、プラノグラムサーバ441、取引エンジン460及びデータベース455は、単一の製品管理サーバ440に統合されている。このような手法は、施設、例えば、モールにおいてエコシステム400を制御することが望ましいシナリオにおいて有利である。1つ以上のベンダ445は、ベンダインタフェース(図示せず)を介して、プラノグラム442とインタラクトできる。プラノグラムマネージャ450は、マネージャインタフェース(これも図示せず)を介して、プラノグラム442を管理する。
【0052】
データベース455は、エコシステム400に関連する1個以上のデータオブジェクトを保存するように構成できる。より具体的には、データベース455には、製品情報、アカウント情報(例えば、ベンダアカウント、ユーザアカウント、プラノグラムマネージャアカウント等)、価格、オークション情報又は他のタイプのオブジェクトに関連するプラノグラムオブジェクトを保存できる。
【0053】
上述したように、プラノグラム442は、ディスプレイ420内のどの構成に従ってアイテム463のどの表現を表示するかを決定する。この具体例では、
図4に示すように、ディスプレイ420は、2つの仮想棚460、461にシンボル462を追加して表示する。プラノグラム442は、ディスプレイ420上で1つ以上のシンボル462をレンダリングする命令を含むことができる。シンボル462を補助として用いて、アイテム463のアイデンティティを決定することができる。例えば、シンボル462を用いて、ベンダ445、特定の棚、商品、商品モデル、施設、情報の位置、又は他の証印(indicia)の1つ以上を特定することができる。例えば、プラノグラム442は、アイテム463のSKUを含み、及び取引エンジン460のURLを示すQRコード(登録商標)をディスプレイ420に表示させる。このような場合、ユーザは、カメラ付き携帯電話機が備えるQRコード(登録商標)リーダを用いて、1つ以上のアイテム463に関する取引を開始することができる。なお、シンボル462は、印刷媒体上のシンボルではなく、電子的又はデジタル的に表示されたシンボルであることは明らかである。このようにしてシンボル462は、プラノグラム442によって指示される条件に応じて、形態を変化させることができる。シンボルの具体例は、バーコード、マトリクスコード、英数字コード、テキスト、ロゴ、ウォーターマーク等を含むことができる。更に、シンボル462は、NFC、動的に変化するRFIDタグ、音声シグネチャ(例えば、可聴又は非可聴を含む。)又は他の形式の証印を含む非視覚的シンボルを含むことができる。
【0054】
図5は、プラノグラムサーバ505によってインスタント化される仮想マーケットプレイスがプラノグラム510に従って構築される環境を表している。この具体例では、アイテム521の表現は、複数の小売業者501、502からの商品又は他の商品を含み、プラノグラム510内で定義される命令に応じて、ディスプレイ520に表示される。各アイテム521は、各アイテム521を容易に特定するためのシンボル522(例えば、バーコード、マトリクス2Dバーコード、スタック型バーコード、高容量カラーバーコード、データグリフ、QRコード(登録商標)、マキシコード(maxicode)等)を含む。ユーザ526は、センサ付きデバイス515及びデバイスインタフェース525を介して、ディスプレイ520及びアイテム521とインタラクトする。例えば、ユーザ526は、アイテムの選択、表現の選択、シンボルの選択、数量、サイズ、価格、範囲、送り先住所、及び取引に関連する他の情報の少なくとも1つを入力することができる。そして、デバイス515又はディスプレイ520は、質問、回答、確認又はユーザ526への他の何らかの適切な応答を表示して、取引を開始又は完了することができる。
【0055】
ここに示す実施形態では、仮想マーケットプレイスは、取引マネージャ555に通信可能に接続され、取引の遂行を補助するように構成されている。例えば、取引マネージャ555は、支払いを検証し、支払いを確認し、宛先(例えば、取引デバイスから30、200又は1000マイル以上離れた場所)への配送を開始し、又は取引の遂行を補助する他の動作を実行するように構成できる。このようなサービスを提供できるシステムには、Amazon(商標)又はPaypal(商標)等も含まれる。
【0056】
シンボル522を利用することができる取引システムの1つの具体例には、鉄道駅又は他の施設に設置される電子掲示板が含まれる。電子掲示板は、1つ又は複数の食料品店の購入可能な商品のビデオ表現を、購入可能な商品に対応するQRコード(登録商標)又は他のシンボルと共に、異なる仮想棚/マーケットプレイス上に表示するように構成できる。他の実施形態では、ディスプレイは、静止画像アイテム521の表現を表示することができ、この表現は周期的に更新することができ、例えば、プラノグラム510によって制御されて、1分、5分又は10分毎に更新することができる。各棚は、同じ又は異なるプラノグラム510に従って表示することができる。例えば、各棚は、同じプラノグラム510の異なるインスタンスによって制御してもよい。アイテム521のビデオ表現は、実際の食料品店内に陳列されている商品のライブビデオストリームであってもよい。これに代えて、ビデオ表現は、予め録画されたものであってもよく、コンピュータが生成したものであってもよい。また、仮想マーケットプレイスは、ナビゲート可能であってもよく、すなわち、どの棚を表示するか、マーケットプレイスのどの部分を表示するか、どの表現を表示するか又は棚のどの部分を表示するかをユーザが決定できるようにしてもよい。この結果、電車を待つユーザが仮想マーケットプレイスをナビゲートすることができ、ユーザは、掲示板の対話型ディスプレイ520と直接インタラクトすることによって、表示されたアイテムを注文し、予約し、購入し、アイテムに関連する情報を取得し、又はアイテムへのコメントを書き込むことができる。ユーザは、所有するカメラ付き携帯電話機を用いて、単に、QRコード(登録商標)又は他のシンボルの画像を捕捉することによって、これらの取引の何れかを開始することができる。この手法は、消費者が掲示板と直接的にインタラクトして仮想現実的なショッピングを体験できると共に、個人のデバイスを介して取引を安全に行うことができるため、有益であると考えられる。一旦、アイテムが選択されると、ユーザは、自宅に帰る前に、1つ以上のインタフェース及び取引デバイスを介して支払い情報及び配達情報を入力し、アイテムを自宅に配達するよう指定することができる。
【0057】
シンボル522は、小売業者501、502の物理的区域に存在する実際の棚に置かれた商品を表すことができる。このように、このシステムによって、小売業者は、大きな物理的空間を用意する必要なく、在庫アイテムを消費者に表示することができる。また、アイテム521は、陳列の仕方が重要ではない在庫保管庫に保存でき、空間を有効に活用することができる。なお、各ディスプレイは、指紋センサ又は他のバイオメトリックセンサを有していてもよく、ユーザがセンサに指を押し付けることによって、ユーザを認証又は識別できるようにしてもよい。一旦、ユーザが認証又は識別されると、ユーザは、デバイスのタッチパッド又は他のインタフェースを用いて、購入するアイテムを選択することができる。一旦、ユーザがアイテムの代価を支払うと、物理的マーケットプレイスの従業員が、選択されたアイテムを集め、梱包し、物理的マーケットプレイスからユーザに発送する。ここでも、ユーザは、シンボル522を表すセンサデータを捕捉することによって、取引を開始することができる。
【0058】
更に他の実施形態は、モール内の仮想ナビゲーション能力を有する設置型情報装置を含む。例えば、設置型情報装置は、商業複合施設又はその一部のナビゲーション可能な表現を表示するように構成できる。モール内の小売業者は、料金を支払って、プラノグラム510によって制御される仮想マーケットプレイス内で自らの商品のための空間を確保することができる。仮想マーケットプレイスは、参加店に関連する表現に限って、デジタルモデル(例えば、3D)フォーマットによる物理的モールの仮想表現を含むことができ、空きスペースに、2Dフォーマット又は他の適切な異なる表現によって、非参加店を示してもよい。ディスプレイは、ナビゲート可能であるため、ユーザは、モールのビューを好みに応じて選択することができる。例えば、ユーザは、ユーザ自身を表すアバタが仮想マーケットプレイス内の様々な場所を歩き回り、モールの様々なセクション及び様々な店舗に出入りするようにビューを選択できる。これに代えて又はこれに加えて、ユーザは、ユーザが実際にモールの空間にいるような視界を表すビューを選択できる。このように、ユーザは、実際に物理的モール内を歩き回っているかのように仮想マーケットプレイスをナビゲートすることができる。
【0059】
ユーザが仮想マーケットプレイスを介して店舗の表現に入ると、ユーザは、プラノグラム510に基づいてディスプレイ520に表示されたアイテムを閲覧及び選択して、購入することができる。各アイテム521は、小売業者501、502の対応する店舗内の実際のアイテムを表すことができる。ユーザが生地の手触りの確認、試着、又はアイテムに対する他の物理的な体験を望む場合、設置型情報装置は、様々なバージョンのアイテム(例えば、プラスチック又は金属サンプル)をプリントするように構成された3Dプリンタ、要求に応じてユーザにサンプル(例えば、口紅のサンプル、生地見本、香水のサンプル等)を提供するように構成されたベンディングマシン、ユーザの体型をスキャンして、そのユーザに合うサイズを判定し、及びユーザがそのアイテムを身につけるとどのように見えるかを表示するデバイスのうちの少なくとも1つを含むことができる。3Dプリントに関する更なる情報については、「"Yes, the future of retail is upon us," by Jon Swartz, USA Today (August 9, 2012)」に開示されている。ユーザは、管理サーバ及び取引エンジンとインタラクトして、選択されたアイテムの表現に関連する取引を開始することができる。このインタラクションは、施設のネットワーク又は他の適切なネットワークを介して行うことができる。
【0060】
モーテル、ホテル及び他の宿泊施設は、ゲストにディスプレイを提供し、これによって、ゲストが様々なクラスの商品を販売する遠隔の小売業者からアイテムを購入できるようにしてもよい。例えば、1つのクラスの商品又はサービスを取り扱う1つの小売業者からのアイテムの表現及び異なるクラスの商品又はサービスを取り扱う異なる小売業者からのアイテムの表現、例えば、食料品店、宝石店、家電小売業者、(例えば、映画、コンサート、演劇等の)チケット業者、旅行者代理店、マッサージ店等を含むアイテムの表現を表示するようにディスプレイを構成してもよい。ここで用いる「クラス」という用語は、ある共通の属性を有し、種類、タイプ又は品質によって他のアイテムから区別されるアイテムのカテゴリを意味する。想定されるクラスは、総称的商品クラス(generic product classes)を含み、例えば、アスピリン、ペーパータオル、砂糖等を含む。また、例えば、米国特許商標庁に関連する商品及びサービスの国際分類、ISIC分類、ブランド名、商品の種類又は商品の名称に基づくスキーム等の適切な如何なる分類体系を用いてクラスを決定してもよい。この種のディスプレイをゲストに提供することによって、利便性が向上し、宿泊施設の価値が高まる。
【0061】
プラノグラム又は仮想マーケットプレイスを用いる異なる小売業者が同じ又は異なるクラスの商品を取り扱うこともある。また、ある1つのスキーム(例えば、ブランド)を適用した場合、複数の小売業者が同じクラスの商品を取り扱い、他のスキーム(例えば、商品のタイプ)を適用した場合、これらの商品が異なるクラスに属するということも想定される。更に、2つ以上のスキーム(例えば、ブランド、商品のタイプ等)を適用した場合であっても、同じクラスの商品を取り扱う小売業者が複数あることもある。
【0062】
宿泊施設によって提供されるディスプレイは、様々な棚の仮想表現を表示するように構成してもよく、各棚は、異なるプラノグラムに従って現実在庫アイテムの仮想表現をそれぞれ含んでいてもよい。例えば、第1のプラノグラムに従って、Whole Food’s(商標)の現実在庫アイテム(例えば、ビタミン等)の表現を含む第1の棚を提供し、第2のプラノグラムに従って、Target’s(商標)の現実在庫アイテム(例えば、衣服等)の表現を含む第2の棚を提供してもよい。更に、第3のプラノグラムに従って、Nordstrom’s(商標)の現実在庫アイテムの表現を含む第1の回転ラックを提供し、第4のボックス及びテキストプラノグラムに従って、Burke Williams(商標)が提供するサービスの表現を含む第3の棚を提供してもよい。必要条件ではないが、仮想マーケットプレイスに参加する小売業者は、互いに近接する位置にあってもよく、同じクラス又はブランドの商品及びサービスを取り扱っていてもよい。したがって、Whole Food’sがニューヨーク州ブルックリンに位置し、Burke Williamsがカリフォルニア州シルバーレイクに位置してもよい。
【0063】
図6は、動的プラノグラムに従ってディスプレイ600にアイテムを表現する様々な手法を示しており、ここで、動的プラノグラムとは、時間の経過に伴って変化し、又はトリガ条件(例えば、ニュースイベント、ユーザの嗜好、小売業者等)に基づいて変化するプラノグラムである。ディスプレイ600は、3つの列を有する仮想棚を備える。第1の列は、第1のアイテム660及び第2のアイテム661の表現を表示し、これに対応して、第1のシンボル670及び第2のシンボル671がレンダリングされている。第1の列は、プラノグラムが他の1つ以上の商品と相対的に、どの商品を配置するかを制御することを示している。ここでは、棚の上でアイテム660がアイテム661の前に配置されているようにユーザに表示されている。同様に、シンボル670がシンボル671の前に表されている。なお、アイテム660が売り切れになるまで、アイテム661がユーザに表示されないようにしてもよい。このような手法は、プラノグラム内で優先順位を定め、また、ベンダが仮想的に在庫を回転させることができるために有益であると考えられる。例えば、アイテム660は、より古い在庫を表し、シンボル670は、他の在庫アイテムのSKUを表していてもよい。
【0064】
第2の列は、第3のアイテムの表現662及び第4のアイテム663と、これらの第3及び第4のアイテムの両方に関連する第3のシンボル672のレンダリングとを含む。第3のアイテム662が品切れになり、又は販売不能になるまでは、ユーザには、第3のアイテム662の表現のみが表示され、この後、第4のアイテム663の表現を表示するようにしてもよい。これに加えて又はこれに代えて、サイズ6のアイテムを注文することを希望するユーザに対し、第3のアイテム662の表現を表示するようにしてもよい。このサイズがない場合、第3のアイテム662とは異なるが、サイズ6の在庫がある第4のアイテム663の表現をユーザに表示するようにしてもよい。第3の列は、第5のアイテム664の表現と、第5のアイテムに対応する、第4のシンボル673のレンダリングとを含む。
【0065】
静的又は動的プラノグラムは、テンプレートプラノグラムに基づいて仮想マーケットプレイスを生成してもよく、例えば、テンプレートは、実店舗で什器(例えば、棚、モール、店舗、ウィンドウ、ラック、回転ラック、ハンガ、ケース、冷凍庫、マネキン又はこれらの組合せ等)に商品を陳列するために使用される実際のプラノグラムに対応していてもよい。このように、仮想マーケットプレイスは、物理的マーケットプレイスに存在するアイテムを表示し、物理的マーケットプレイスで行われる変更に応じて更新されるように構成できる。例えば、プラノグラムは、左から右に、5個のCPK(商標)冷凍ピザ、3個のHot Pockets(商標)及び7個のMarie Calendars(商標)チキンポットパイを陳列する食料品店内の物理的な冷凍庫を表すことができる。動的プラノグラムを用いて食料品店内の又は食料品店から遠隔のディスプレイ600上に、対応する仮想冷凍庫を生成することができる。この仮想冷凍庫は、左から右に、5個のCPK(商標)冷凍ピザ、3個のHot Pockets(商標)及び7個のMarie Calendars(商標)チキンポットパイを含む。(例えば、買物客が購入し、又は位置替え等のために)実際の冷凍庫から冷凍ピザが取り出されると、リアルタイム又は実質的にリアルタイムで、仮想冷凍庫からも冷凍ピザを取り除くことができる。冷凍庫内にアイテムを陳列するために用いられるプラノグラムが冷凍ピザをイチゴ果実バーに置き換えるように命じると、仮想冷凍庫を生成するために用いられる動的プラノグラムは、リアルタイム又は実質的にリアルタイムで、冷凍ピザに代えて、イチゴ果実バーの表現をディスプレイに表示させる。
【0066】
図7は、仮想プラノグラム770の構造を示している。プラノグラムマネージャ710は、プラノグラムサーバ720とインタラクトして、仮想プラノグラム770を作成し、更新し、インスタント化し、又は他の手法で管理する。プラノグラムサーバ720は、例えば、ベンダ730、740、750、760等から提供された入力に基づいて、プラノグラムマネージャ710によって提供された情報に応じてプラノグラム770を生成する。プラノグラムマネージャ710は、容量、構成、価格設定又は他の属性を含むプラノグラム770の性質を設定する。例えば、プラノグラムマネージャ710は、モールの仮想表現を含み、モールの多くの小売業者が販売している商品を物理的に提供する、モールのためのASMの一部として機能するようにプラノグラム770を作成することができる。そして、プラノグラム770内のスロットの使用料を小売業者から徴収することができる。プラノグラム770を作成するために使用される情報としては、スロット内の商品の絶対的又は相対的配置を定める規則、トリガ基準(例えば、イベント、ユーザ発注、在庫、時間、ロケーション等)に基づいてプラノグラムの振る舞いを定める規則、条件付き規則(例えば、if条件式(if-then-else)、論理演算子等)又は他の規則が含まれる。
【0067】
プラノグラム770は、(物理的及び論理的な次元について)n個の次元を有することができ、したがって、時間、場所、ニュースイベント、温度、手数料、トレンド、気象条件、注文履歴、ユーザの嗜好、カテゴリ、他のあらゆるイベント又は条件を含む1個、2個、10個、50個又は100個以上の要因に基づいて、仮想マーケットプレイスの位置内にアイテムの表現を配置することができる。ここに示す具体例では、プラノグラムは、水平スロット及び棚の奥行きに従って分割される棚の2Dプラノグラムとして象徴的に表示される。但し、プラノグラム770は、多くの「物理的な」次元(例えば、棚位置、棚内の位置、棚内で配置される角度の表現等)又は多くの論理的な次元(例えば、時間、トレンド、イベント、統計的データ等)を有することができる。この結果、プラノグラム770内のスロットは、次元の幾つか又は全てによって特徴付けることができ、異なる重みに基づいて価格付けすることができる。ベンダ730、740、750、760は、それぞれ、プラノグラムマネージャ710又はプラノグラムサーバ720を動作させるサービスに報酬を支払うことによって、プラノグラム770内のスロットを購入できる。配置に必要な手数料は、例えば、スロットの事前購入、スロットの望ましさ、購入の時期、スロットの人気、スロットの動的特性、物理的次元、論理的次元、スロットのサイズ、1つ以上のスロット又はプラノグラムの独占排他性、ユーザ又は他のプロトコルの指示によらない表示の継続、又は他の適切な要素を含む1つ以上の要素に基づいて決定することができる。例えば、有料プラノグラムは、料金体系に基づく商品配置ポリシを有することができる。
【0068】
図7に示すように、ドル記号は、スロットのコストを表し、単一のドル記号は、コストが安いことを表し、ドル記号が多い程、コストが高いことを表している。第1列第4〜5行は、標準のスロットの2倍の大きさの仮想マーケットプレイススロットを示している。したがって、このスロットにベンダ1が配置できる表現又はアイテムの数は、隣接するスロットに配置できる表現又はアイテムの数の倍になる。
【0069】
第1列第2行は、ベンダ5によって排除されたスロットを示している。これは、商品A(第2列第2行)の横にアイテムを表示させないようにベンダ5が料金を支払っていることを意味する。第5列第2行は、安価に購入できるスロットを示している。このスロットは、標準の仮想マーケットプレイス空間の2倍の大きさを有しているが、棚の右側という位置、他の商品又はベンダに近いこと、長期間空いていたこと、又は他の何らかの要因によって、より小さいスロットの幾つかより安い価格で利用できる。
【0070】
また、第3列第3行のスロットも利用可能であるが、どのベンダがスロットを購入するかによって料金が異なる。ベンダ1がスロットを購入する場合、例えば、ベンダ1が仮想マーケットプレイス内で既に多くのスロットを購入しているので、手数料が安くなる。
【0071】
プラノグラム770内の各スロットは、適切な如何なる期間に亘って販売してもよい。すなわち、スロットの契約は、時間単位、日単位、月単位又は年単位で行ってもよい。また、仮想マーケットプレイス内の1つ以上のスロットのための管理オプションも販売できる。例えば、ベンダ又はベンダのグループは、1年間1万米ドルの契約でプラノグラム770の第1列第4行を購入できる。この購入の際に、更に1,000米ドルの追加で、スロットを直接的に管理する権利を購入できる。これによって、ベンダは、プラノグラムマネージャ710に代わって、プラノグラム内のスロットを管理できる。これによってベンダは、様々な操作を実行して、スロットをカスタマイズすることができ、例えば、スロット内に複数の表現を含ませ、自由に表現を変更し、表現を削除し(例えば、在庫が減少するとアラーム音を鳴らす等)、スロット内に広告を表示し、スロット内で広告スペースを販売し、表現のフォーマット(例えば、静止画、動画、点滅画像、音声、及びこれらの組み合わせ等)を選択することができる。
【0072】
仮想マーケットプレイス内の各「スロット」は、プラノグラム770によって制御されて、仮想マーケットプレイス内の単一の表現、複数の表現又は更なる仮想マーケットプレイス(例えば、タッチスクリーン、ボタン等によって回転可能な回転ラック、棚等)の少なくとも1つを表示するように構成できる。
【0073】
図8は、オンラインショッピング体験を介して取引を開始する方法800を示している。方法800は、ディスプレイ(例えば、コンピュータ可制御ディスプレイ等)へのアクセスを提供するステップ810を有する。望まれるショッピングの性質に応じて、多くの異なる形式でディスプレイへのアクセスを提供することができる。幾つかの実施形態では、例えば、ステップ815によって示すように、施設内、予備的運営段階のモール、又は既存のショッピングセンタ内に電子掲示板としてディスプレイを設置できる。他の実施形態では、ディスプレイは、携帯型デバイスディスプレイを含んでいてもよい。また、ディスプレイへのアクセスを提供するステップは、ユーザがスマートデバイスにアプリケーションをインストールして、上述したように、プラノグラムサーバがディスプレイを構成(configure)できるようにするステップを含んでいてもよい。
【0074】
ステップ820では、プラノグラムに従って第1及び第2の仮想在庫アイテムを含む第1の仮想棚を表示するプラノグラムサーバによって、ディスプレイを構成する。仮想在庫アイテムは、購入可能なアイテムを含む。このようなアイテムは、必ずしもユーザ又はディスプレイに物理的に表示しなくてもよい。例えば、プラノグラムマネージャは、プラノグラム管理インタフェース(例えば、ブラウザ、API、HTTPサーバ等)を介してプラノグラムサーバにアクセスして、プラノグラムの構築又はその他の管理を行う。上述のように、プラノグラムは、1つ以上の規則又は要素に従ってアイテムをどのように表示するかを決定する仮想データ構造又はオブジェクトを表す。アイテムの構成を設定するために用いることができる要素の具体例は、相対的位置、絶対的位置、場所、ユーザの好み、ベンダの好み、施設の属性、拡張現実又は仮想現実要素、時間、イベント又は他の要素を含む。例えば、プラノグラムは、棚上に実際に存在するアイテムに対して、ディスプレイ上の拡張現実的ビューにおいて、仮想アイテム(すなわち、現実世界のオブジェクトの画像)の配置を定める規則を含む。
【0075】
ステップ830では、ディスプレイ上に表される仮想在庫アイテムの少なくとも1つをユーザが選択できるようにする。なお、ユーザは、ディスプレイを介して、物理的に存在するアイテムを選択することもできる。具体例として、ユーザがカメラ付きタブレットコンピュータ(例えば、スマートフォン、iPhone、Galaxyタブレット等)によって、特定のブランドの商品が陳列された店舗の棚の画像を捕捉したとする。ここでいう画像とは、静止画像であってもよく、ビデオデータであってもよく実時間映像であってもよい。タブレットのディスプレイは、画像データを用いて、画像の特徴を抽出し、この情報を用いて、商品のブランドを認識することができる。これに応じて、タブレットは、プラノグラムサーバから仮想プラノグラムを取得でき、このプラノグラムによって、画像に重ねられる追加的な仮想アイテム及び物理的に存在するアイテムの隣接する画像と共に、物理的に存在する商品を表示することができる。このように、ディスプレイは、プラノグラムに従って、仮想現実又は拡張現実ショッピング体験を提供する。なお、仮想在庫アイテムは、現実世界の購入可能な商品であってもよく、同じブランドからの代替商品であってもよく、代替ブランドからの商品であってもよく、販売アイテムを含んでいてもよく、プロモーションアイテムを含んでいてもよく、又は他のタイプのアイテムを含んでいてもよい。
【0076】
ステップ840では、ユーザ及び選択された在庫アイテムに関連するアカウントデータを受信するように取引デバイスを構成する。アカウントデータは、広範囲に亘る情報を含むことができ、取引の性質に基づいて内容を決定することができる。金融取引については、アカウントデータは、銀行口座識別子、クレジットカード番号、セキュリティトークン、価格情報、購入するユニット数、SKU又は他の情報を含んでいてもよい。金融取引以外については、アカウントデータは、ネットワークアドレス、ユーザ名、パスワード、セキュリティキー(例えば、公開暗号キー等)、又は非金融取引に必要とされる他のタイプの情報を含むことができる。非金融取引の具体例には、予約(例えば、ホテル、旅行、レストラン等)、アポイントメント、ソフトウェアパッケージ間のインタラクション、プロトコル取引、チェックイン、及び他のタイプのインタラクションが含まれる。
【0077】
ステップ850では、アカウントデータに基づき、(例えば、ネットワークを介して)取引プロトコルを用いて、取引デバイスを介して取引を開始する。なお、ユーザのデバイスは、販売時点情報管理端末(point of sales terminal:POS端末)(例えば、レジ、クレジットカードリーダ、NFCデバイス、バーコードスキャナ等)、バックエンド商品管理サーバ、プラノグラムサーバ、又はエコシステム内の他のコンポーネント等を介して、取引を開始できる。幾つかの実施形態では、取引デバイスが完全な取引を行い、他の実施形態では、1つ以上の他のデバイス、又は取引デバイス及び1つ以上の他のデバイスが完全な取引を行う。例えば、ユーザが携帯電話機にアカウント情報を入力し、携帯電話機がNFCを介してPOS端末とインタラクトするようにしてもよい。POS端末は、銀行又はクレジットカード会社が運営する1つ以上のバックエンドサーバと通信する。そして、取引の確認応答がPOS端末に返信され、NFC通信リンクを介して、ユーザの携帯電話機に表示される。
【0078】
ディスプレイを介して仮想在庫アイテムを購入する場合、購入者は、必ずしも、購入した地点で物理的な商品を受け取らなくてもよい。したがって、幾つかのシナリオでは、この方法は、ステップ860によって示すように、例えば、ユーザが選択した宛先に選択された在庫アイテムの配送を開始するステップを含むことができる。例えば、取引デバイスに提供されるアカウントデータ又は他のユーザデータは、配送先住所を含むことができる。取引が開始されると、取引システムのフルフィルメントコンポーネント(fulfillment component)に配送先住所を送ることができる。フルフィルメントコンポーネントは、倉庫、ベンダ、小売業者、オンラインサイト(例えば、アマゾン、Ebay等)又は物理的商品を出荷することができる他のコンポーネントを含むことができる。幾つかの実施形態では、物理的なアイテムは、注文時には存在していない。上述したように、在庫アイテムの配送の1つの側面は、購入者にアイテム又はアイテムの代理品をプリントすることを含んでいてもよい。アイテム又は代理品は、3Dプリンタによってプリントできる。
【0079】
図9A及び
図9Bは、物理的な現実世界位置における仮想アプリケーションの現実世界への適用を示している。
図9A及び
図9B内の写真は、本発明の主題の使用を例示する著作権を有するビデオからのフレームを示している。
図9Aでは、ユーザがカメラ付きデバイス915、ここではタブレットコンピュータを用いて、物理的に存在するアイテムのコレクション、この具体例では玩具の人形を含む現実世界の棚923の画像を捕捉している。ここで注目すべき点が幾つかある。第1に、物理的棚923には、更なるアイテムを陳列する空間がない。第2に、棚には、特定のブランド(例えば、ディズニー(Disney:商標))のアイテムが陳列されている。第3に、写真では判りづらいが、棚の右側の物理的区域には、他の通路がある。物理的区域は、実際の小売業者施設であってもよいが、この具体例では、物理的区域は、プライベートな区域であり、すなわち、発明の主題をモデル化するように構成された非公共の場所である。
【0080】
図に示すデバイス915は、発明の主題の複数の側面を含んでいる。より具体的には、デバイス915は、画像データを1つ以上の特徴的画像(例えば、SIFT、BRISK、vSLAM等)に変換するように構成され、棚923又は物理的に存在するアイテムを認識するために用いることができる認識モジュールを含む。デバイス915は、特徴的画像を用いて、ネットワーク接続を介して、プラノグラムサーバから1つ以上の仮想プラノグラムを選択する。なお、プラノグラムサーバは、APPとして、デバイス915内で動作させてもよく、この場合、プラノグラムサーバは、デバイスのGPS位置又は他の要素に基づいて、関連する仮想プラノグラムをデバイス915内にプリキャッシュする。仮想プラノグラムのソースにかかわらず、ユーザがデバイス915を右にパンすると、これに応じて、仮想プラノグラムがデバイス915に商品を表示させる。
【0081】
図9Bでは、デバイス915が右にパンされている。現実世界の棚923の右端は、フレームの左側に映り込んでいる。更に、現実世界の棚923の右端と、デバイス915の左端との間には、物理的区域内に空通路があることが判る。しかしながら、デバイス915は、通路の画像を表示していない。これに代えて、デバイス915は、棚923の一部の画像及び仮想在庫アイテム921の画像を表示している。仮想在庫アイテム921は、棚923に対して配置され、物理的区域には物理的に存在しない追加的な購入可能アイテムを含んでいる。仮想在庫アイテム921の配置は、現実世界の棚923の画像から導出された特徴的画像によってトリガされる仮想プラノグラムに従って構成される。この時点で、ユーザは、単に希望の商品をタッピングするだけで、仮想在庫アイテム921とインタラクトできる。
【0082】
なお、仮想在庫アイテム921は、仮想棚上に表示され、仮想棚は、物理的区域内で陳列棚の空間を10倍、20倍、50倍、100倍又は1000倍以上に仮想的に拡張したものと考えることができる。更に、現実世界の棚923は、単一のブランドに関連する玩具の単一の組(例えば、ディズニーのベビープリンセス(Disney baby princesses))のみを陳列しているが、仮想在庫アイテム921は、他のブランドの商品(例えば、映画ブレイブ(Brave)の関連商品)を提供することによって、ユーザが購入できる商品を拡張することができる。更に、ユーザのショッピング体験は、例えば、この実施形態のように、これまでは使用できなかった空間、例えば、通路区間に拡張することができる。
【0083】
図には示していないが、仮想プラノグラムは、完全な360度体験(full 360 degree experience)としてアイテム921の表現を制御する。すなわち、ユーザがブレイブ(Brave)に関連するディスプレイから更にカメラをパンすると、更なるアイテムが表示されるようになる。これは、デバイス915が画像データから背景特徴を登録し、この登録した背景特徴と、加速度計によって取得される加速度計データからのデバイスの慣性的な移動とを組み合わせることによって実現できる。そして、組み合わされたデータセットを用いて、デバイス915の高精度な位置及び方向情報を生成し、これによって、仮想在庫アイテム921が無価値な背景アイテム(例えば、通路)に重なり、及び価値があるアイテム(例えば、現実世界の棚923に物理的に存在するアイテム)には、重ならないように、適切に表示することができる。このような精度は、上述したvSLAMアルゴリズムのアプリケーションによって実現される。なお、このような配置は、仮想プラノグラムの規則又はポリシによって制御される。すなわち、仮想プラノグラムは、物理的区域の物理的特徴を登録して、可視又は不可視の構成を制御できる。
【0084】
図9A及び
図9Bに示す手法は、様々な利点を有する。1つの利点は、仮想プラノグラムを重ねることができるという点である。例えば、ユーザが隣接する商品の組を撮像すると、新しい仮想プラノグラムがトリガされ、これによって、仮想在庫アイテム921に代わって、仮想在庫アイテムの新しい組が表示されるようにしてもよい。このように、仮想プラノグラムは、レイヤリングし又は重ねることができ、センサデータによってアクティブなプラノグラムをトリガすることができる。他の利点として、仮想在庫アイテム921の販売に小売業者を参加させることができる。ユーザがアイテム921の1つを購入すると、物理的区域にアイテムを置いていない小売業者でもユーザに料金を請求することができる。更に他の利点として、プラノグラムマネージャは、仮想プラノグラムを介して、ユーザと動的にリアルタイムにインタラクトすることができる。例えば、プラノグラムマネージャは、購入時に購入者に「景品」ポイントを付与し、購入者と直接話し又はチャットし、調査情報を要求し、又は他のタイプのインタラクションを行うことができる。更に、現在の状況に応じて、例えば、ユーザの嗜好、近接する他のユーザ、地理的位置、時間、ニュースイベント又は他の要素に基づいて、仮想アイテム921を変更することができる。
【0085】
他の例示的な使用ケースは、他の小売業者が提供する販売可能な商品に基づく仮想店舗棚の構造を含む。例えば、Amazon、eBay、Barnes&Noble又は他のオンライン小売業者の商品を互いにまとめて、又は個別に販売するオンラインショッピング体験を提供してもよい。例えば、eBayについて検討する。ユーザは、自らのデバイスを用いて収集可能なアクションフィギュアを撮像する。これに応じて、デバイスは、プラノグラムサーバに接続し、プラノグラムサーバは、画像データを用いて、場合によっては、テンプレートプラノグラムに基づいて、eBayで入手可能な同様なアクションフィギュアの仮想プラノグラムをリアルタイムで構築する。このような手法によって、ユーザは、店舗をリアルタイムで比較することができる。このように、発明の主題は、コンテキストに依存するセンサデータで生成されたクエリに応答する検索結果に基づいて、実質的にリアルタイムで仮想プラノグラムを構築することを含む。
【0086】
ここで言及する全ての範囲は、文脈が特に指定しない限り、両端の値を含むものと解釈され、制限のない範囲については、商業的に実用可能な全ての値を含むと解釈される。同様に、ここで列挙した値のリストは、文脈が特に指定しない限り、中間の値も含むと解釈される。
【0087】
ここで使用する「〜に接続される」という表現は、文脈が特に指定しない限り、(接続される2つの要素が互いに接触する)直接接続及び(2つの要素の間に少なくとも1つの追加的要素が介在している)間接接続の両方を含むものとする。したがって、「〜に接続される(coupled to)」及び「〜と接続される(coupled with)」は、同じ意味を表している。「〜に接続される(coupled to)」及び「〜と接続される(coupled with)」は、象徴的に使用され、「通信可能に接続される」ことを意味し、すなわち、2つ以上の要素が、例えば、1つ以上の仲介ネットワークデバイスを経由して、ネットワークを介して、相互に通信可能にされていることを意味する。
【0088】
以下の詳細な説明及び特許請求の範囲内の名詞(英語では不定冠詞及び定冠詞が付された単語)は、文脈が特に指定しない限り、複数の意味も包含するものとする。また、以下の記述において、「〜の中(in)」の意味は、文脈が特に指定しない限り、「〜の中(in)」及び「〜の上(on)」の両方の意味を包含するものとする。
【0089】
本発明の概念から逸脱することなく、説明した実施形態以外に多くの変形例を想到できることは当業者にとって明らかである。したがって、発明の主題は、特許請求の範囲以外によって制限されない。更に、明細書及び特許請求の範囲の両方における全ての表現は、文脈に適合する最も広い意味で解釈される。特に、「備える」、「有する」、「含む」といった表現は、要素、コンポーネント又はステップを非限定的に示すと解釈され、すなわち、言及した要素、コンポーネント又はステップは、明示的に示していない他の要素、コンポーネント又はステップと共に存在し、使用され又は組み合わされてもよいことを意味する。特許請求の範囲において、A、B、C…Nからなるグループの少なくとも1つと言う場合、これは、AとN、又はBとN等ではなく、グループから1つの要素のみが要求されると解釈される。