特許第6823057号(P6823057)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

特許6823057揮発性組成物ディスペンサ及びスマートアプライアンスの動作を結合するためのシステム及び方法
<>
  • 特許6823057-揮発性組成物ディスペンサ及びスマートアプライアンスの動作を結合するためのシステム及び方法 図000002
  • 特許6823057-揮発性組成物ディスペンサ及びスマートアプライアンスの動作を結合するためのシステム及び方法 図000003
  • 特許6823057-揮発性組成物ディスペンサ及びスマートアプライアンスの動作を結合するためのシステム及び方法 図000004
  • 特許6823057-揮発性組成物ディスペンサ及びスマートアプライアンスの動作を結合するためのシステム及び方法 図000005
  • 特許6823057-揮発性組成物ディスペンサ及びスマートアプライアンスの動作を結合するためのシステム及び方法 図000006
  • 特許6823057-揮発性組成物ディスペンサ及びスマートアプライアンスの動作を結合するためのシステム及び方法 図000007
  • 特許6823057-揮発性組成物ディスペンサ及びスマートアプライアンスの動作を結合するためのシステム及び方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6823057
(24)【登録日】2021年1月12日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】揮発性組成物ディスペンサ及びスマートアプライアンスの動作を結合するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20210114BHJP
   A61L 9/00 20060101ALI20210114BHJP
【FI】
   H04L12/28 200Z
   A61L9/00 Z
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-518460(P2018-518460)
(86)(22)【出願日】2016年10月5日
(65)【公表番号】特表2019-505105(P2019-505105A)
(43)【公表日】2019年2月21日
(86)【国際出願番号】US2016055487
(87)【国際公開番号】WO2017062447
(87)【国際公開日】20170413
【審査請求日】2018年5月16日
(31)【優先権主張番号】14/879,112
(32)【優先日】2015年10月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジョン ハーゼノール
【審査官】 羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−033618(JP,A)
【文献】 特開2005−102156(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0019030(US,A1)
【文献】 特開2004−343174(JP,A)
【文献】 特開2011−259153(JP,A)
【文献】 特開2010−130471(JP,A)
【文献】 特開2011−151603(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0081541(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00−12/955
H04L 29/00−29/14
G06F 13/00
A61L 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性組成物を空気中に送達するためのシステムであって、
入力信号の受信及び出力命令の送信が可能である中央通信装置であって、前記中央通信装置は、アルゴリズムを記憶するように構成されているメモリと通信可能に接続された、該中央通信装置と、
前記中央通信装置に通信可能に接続可能であるスマートアプライアンスであって、前記スマートアプライアンスの状況を前記中央通信装置に警告する入力信号を前記中央通信装置に送信するように構成された、該スマートアプライアンスと、
無線通信リンクを通じて前記中央通信装置と通信可能に接続可能である揮発性組成物ディスペンサと、を備え、前記アルゴリズムは、前記スマートアプライアンスから前記中央通信装置に送信された入力信号を使用して前記揮発性組成物ディスペンサを制御し、
前記スマートアプライアンスがオンにされたとき、又は前記スマートアプライアンスの周期が開始されたときに、前記スマートアプライアンスは、前記スマートアプライアンスの前記状況を前記中央通信装置に警告する入力信号を前記中央通信装置に送信し、前記中央通信装置は、前記スマートアプライアンスから前記スマートアプライアンスがオンである又は前記スマートアプライアンスの前記周期が開始したという入力信号を受信した後にオンにするように出力命令を前記揮発性組成物ディスペンサに送信し、
前記中央通信装置は、第1の設定点が発生した後にオフにするように出力命令を前記揮発性組成物ディスペンサに送信し、前記第1の設定点は、持続時間、分配される揮発性組成物の濃度、又は、前記中央通信装置と通信可能に接続可能な構成要素の現在の状態若しくは状況を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項2】
前記第1の設定点は、前記スマートアプライアンスがオフにされたとき又は前記周期が終了したときに発生することを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記スマートアプライアンスは、ユーザによって手動でオン及びオフにされることを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記中央通信装置は、前記スマートアプライアンスをオンにするように指示することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のシステム。
【請求項5】
前記無線通信リンクは、Wi−Fi;Bluetooth;ZigBee、6LoWPAN、Thread、メッシュネットワーク、又はそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のシステム。
【請求項6】
前記揮発性組成物ディスペンサは、メッシュネットワークボードルーター機能を有して構成されたことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のシステム。
【請求項7】
前記スマートアプライアンスは、洗濯機、乾燥機、食洗機、常夜灯、ファン、ごみ処理機、テレビ、モニタ、スプリンクラーシステム、電子レンジ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のシステム。
【請求項8】
前記揮発性組成物ディスペンサは第1の揮発性組成物ディスペンサであり、前記スマートアプライアンスは第1のスマートアプライアンスであり、前記第1の揮発性組成物ディスペンサは第1の揮発性組成物を含み、前記システムは第2の揮発性組成物を含む第2の揮発性組成物ディスペンサを更に含み、前記第1の揮発性組成物は第1のスマートアプライアンスがオンにされた後で空気中に送達され、前記第2の揮発性組成物は第2のスマートアプライアンスがオンにされた後で空気中に送達されることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載のシステム。
【請求項9】
同じ建物内部のスマートアプライアンスの状況に基づいて、揮発性組成物ディスペンサを用いて少なくとも1つの部屋に揮発性組成物を送達する方法であって、前記スマートアプライアンス及び前記揮発性組成物ディスペンサは、それぞれ無線通信リンクを通じて中央通信装置と通信可能に接続可能であり、前記方法は、
(a)前記スマートアプライアンスをオンにするか又は前記スマートアプライアンスで周期を開始するステップと、
(b)前記スマートアプライアンスがオンであること、又は前記周期が開始したことを中央通信装置に警告する第1の入力信号を前記中央通信装置に送信するステップと、
(c)前記中央通信装置が前記第1の入力信号を受信した後、前記揮発性組成物ディスペンサをオンにするように前記中央通信装置から前記揮発性組成物ディスペンサに第1の出力命令を送信するステップであって、前記揮発性組成物ディスペンサは、前記スマートアプライアンスに関連した香りに合う香りを有する、該ステップと、
(d)設定点に到達した後、前記揮発性組成物ディスペンサをオフにするように第2の出力命令を前記中央通信装置から前記揮発性組成物ディスペンサに送信するステップであって、前記設定点は、持続時間、分配される揮発性組成物の濃度、又は、前記中央通信装置と通信可能に接続可能な構成要素の現在の状態若しくは状況を含む、該ステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記設定点は、前記スマートアプライアンスがオフにされたとき又は前記周期が終了したときに発生することを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記設定点は、前記スマートアプライアンスがオフにされた又は前記周期が終了した後の所定の時間に発生することを特徴とする請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記設定点は、所定の時間期間の後に発生することを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記スマートアプライアンスと前記揮発性組成物ディスペンサとは、同じ部屋に配置されることを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記スマートアプライアンスと前記揮発性組成物ディスペンサとは、異なる部屋に配置されることを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
前記無線通信リンクは、Wi−Fi;Bluetooth;ZigBee、6LoWPAN、Thread、メッシュネットワーク;又はこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項9ないし14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
前記中央通信装置は、コンピュータ又はスマートデバイスと通信可能に接続可能であることを特徴とする請求項9ないし15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
前記スマートアプライアンスは、ユーザによって手動でオンにされることを特徴とする請求項9ないし16のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、揮発性組成物ディスペンサ及びスマートアプライアンスの動作を結合するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
揮発性組成物ディスペンサは、揮発性組成物を受動的に拡散する通電されていない装置、及び様々な形態のエネルギーを利用して揮発性組成物を分配する、又はその分配を補助する通電された装置など、様々な形式で存在する。揮発性組成物を収容するレフィルを含む揮発性組成物ディスペンサを使用して、ユーザは、様々な香りから選択することができ、1つの香りの使用済みのレフィルを異なる香りの新しいレフィルと交換することができる。更に、空気中に異なる香りを交互に送達する揮発性組成物ディスペンサが存在する。ユーザは、季節又は休日に基づいて1年間の決まった時期に特定の香りを好むことが多い。ユーザには、多くの場合、家で掃除をする、もてなす、及びくつろぐ間など、様々な作業及び活動を行っている間に好む特定の香りがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ユーザが、家、事務所、又は会社にいる間に、様々な作業又は活動を実行している間に特定の香り又は異なる香りを送達することができる揮発性組成物ディスペンサの必要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の態様は、揮発性組成物を空気中に送達するためのシステムを含み、このシステムは、入力信号の受信及び出力命令(outgoing instructions)の送信が可能である中央通信装置を備え、中央通信装置は、アルゴリズムを記憶するように構成されているメモリと通信可能に接続されている。システムは、中央通信装置に通信可能に接続可能であり、スマートアプライアンスの状況を中央通信装置に警告する入力信号を中央通信装置に送信するように構成されたスマートアプライアンスを備える。本システムは、無線通信リンクを通じて中央通信と通信可能に接続可能である揮発性組成物ディスペンサを更に備え、アルゴリズムは、スマートアプライアンスから中央通信装置に送信された入力信号を使用して揮発性組成物ディスペンサを制御する。
【0005】
本開示の態様はまた、同じ建物内部のスマートアプライアンスの状況に基づいて、揮発性組成物ディスペンサを用いて少なくとも1つの部屋に揮発性組成物を送達する方法であって、スマートアプライアンス及び揮発性組成物ディスペンサは、それぞれ無線通信リンクを通じて中央通信装置と通信可能に接続可能であり、本方法は、(a)スマートアプライアンスをオンにするか又はスマートアプライアンスで周期を開始するステップと、(b)スマートアプライアンスがオンであること、又は周期が開始したことを中央通信装置に警告する第1の入力信号を中央通信装置に送信するステップと、(c)中央通信装置が第1の入力信号を受信した後、揮発性組成物ディスペンサをオンにするように中央通信装置から揮発性組成物ディスペンサに第1の出力命令を送信するステップと、(d)設定点に到達した後、揮発性組成物ディスペンサ清浄装置から第2の出力命令を送信するステップと、(e)必要に応じて、ステップ(a)〜(d)を繰り返すステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】それぞれが無線通信リンクを通じてCCUと通信している中央通信装置、揮発性組成物ディスペンサ、及びスマートアプライアンスを含む、システムの例示的な構成要素を図示する。
図2】スマートアプライアンス及びCCUとは異なる部屋に配置された揮発性組成物ディスペンサを図示する。
図3】構成要素からCCUへの信号の複数の可能な流れを示す。
図4】ハウジング12内部に配置されたプロセッサ及びメモリを有する例示的なCCUを図示する。
図5】システムの様々な構成要素からリモートメモリへの入力信号の複数の例示的な流れを図示する。
図6】揮発性組成物ディスペンサ及び/又はスマートアプライアンス(複数可)を制御するためにCCUによって使用され得る例示的なアルゴリズムを図示する。
図7】1つを超えるユーザインタフェースを有する例示的なシステムを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の方法及びシステムについては、より十分に説明するが、以降の説明の開始時には、当業者は、本開示に記載の好ましい結果を得つつも、本明細書に記載の方法及びシステムを変更できることを理解されたい。したがって、以降の説明は、当業者を対象として広く教示する開示であり、本開示に限定するものではないことを理解されたい。
【0008】
本開示は、揮発性組成物ディスペンサの動作をスマートアプライアンスの動作と結合するためのシステム及び方法を含む。これは、様々な理由でユーザに有益となり得る。例えば、ユーザは、特定のアプライアンスが実行しているときに部屋が特定のにおいを有することを所望する場合がある。一例において、ユーザは、洗濯用洗剤又はファブリックエンハンサのにおいが、洗濯機及び又は乾燥機が動作していると同時に空気中に分配されることを望む場合がある。洗濯用洗剤又はファブリックエンハンサの香りを有する揮発性組成物は、洗濯機及び乾燥機と同じ部屋内に分配されてもよいし、又はユーザが別の場所で香りを楽しむことができるように異なる部屋内に分配されてもよい。更に、時としてユーザは、ユーザがテレビを見ているとき、又は別のアプライアンスを使用しているときに空気中に特定の香りを有して、テレビ鑑賞の経験を向上させたい場合がある。揮発性組成物ディスペンサの動作とスマートアプライアンスの動作とを結合することによって、ユーザは、スマートアプライアンスを伴う特定の作業又は活動がより望ましい又は満足のいくものであると感じることができる。
【0009】
本システム及び方法は、1つ以上の揮発性組成物ディスペンサと1つ以上のスマートアプライアンスとを通信可能に接続可能である中央通信装置(CCU)を含む。スマートアプライアンスは、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、食洗機、電子レンジ、コンロ、オーブン、ごみ処理機、ステレオ、テレビ、ケーブルボックス若しくは衛星ボックス、ベビーモニタ、電気掃除機、セキュリティシステム、ライト、ガレージドアオープナ、ドアベル、屋内外スプリンクラ若しくは潅注システムなどであり得る。
【0010】
図1は、それぞれ無線通信リンク107を通じてCCU102と通信する中央通信装置102、揮発性組成物ディスペンサ104、及びスマートアプライアンス130を含む、システム100の例示的な構成要素を図示する。
【0011】
例えば、CCU102は、スマートアプライアンス130が、同様にオンになっている時間又は現在実行している時間の少なくとも一部の間、揮発性組成物ディスペンサ104をオンにするアルゴリズムを実行し得る。例えば、CCU102は、アプライアンスがオン若しくはオフになったとき、又はアプライアンスの特定の周期が開始若しくは終了したときに、揮発性組成物ディスペンサ104をオンにするように出力命令を揮発性組成物ディスペンサ104に送信するように構成され得る。次に、スマートアプライアンス130がオフになる前、オフである間、又はオフになった後のいずれかに、CCU102は、揮発性組成物ディスペンサ104をオフにするように出力命令を揮発性組成物ディスペンサ104に送信し得る。
【0012】
より詳細に後述されるように、CCUは、設定点及びアルゴリズムを記憶することができるメモリ、並びにアルゴリズムを実行し、記憶された設定点にメモリからアクセスすることができるプロセッサを備える。CCUは、揮発性組成物ディスペンサのオン/オフ制御を、1つ以上のスマートアプライアンスのオン/オフ制御又は特定の周期の開始若しくは終了時間と結合するアルゴリズムを実行することができる。様々なアルゴリズムは、動作の所望の順序及び各順序の所望のタイミングに応じてプログラムされ得る。
【0013】
揮発性組成物ディスペンサ104は、建物のどの部屋に配置されてもよい。図2を参照すると、揮発性組成物ディスペンサ104は、スマートアプライアンス130の配置と異なる部屋に配置されてもよく、CCU102と異なる場所に配置されてもよい。しかしながら、揮発性組成物ディスペンサ104が、スマートアプライアンス130と同じ部屋に配置されてもよいことを理解されたい。CCUもまた、揮発性組成物ディスペンサ104又はスマートアプライアンス130と同じ又は異なる部屋に配置され得る。揮発性組成物ディスペンサ104は、ユーザにとって便利な部屋に移動させてよい。
【0014】
揮発性組成物ディスペンサ
揮発性組成物ディスペンサ104は、揮発性組成物を大気に又は無生物表面上に送達するために使用され得る。このような揮発性組成物ディスペンサ104は、様々な様式で構成されることができる。揮発性組成物ディスペンサは、システム100の様々な構成要素と無線通信リンク107を確立するために無線通信モジュール114を含み得る。揮発性組成物ディスペンサは、メッシュネットワークボーダールーター機能を更に含んでもよい。
【0015】
例えば、揮発性組成物ディスペンサ104は、通電されたディスペンサ(即ち、電気、又は触媒燃料系などの化学反応、又は太陽光発電などによって電力供給される)として使用するために構成され得る。例示的な通電された揮発性組成物ディスペンサとしては、加熱素子、圧電素子、サーマルインクジェット要素、ファンアセンブリなどを含み得る動力送達補助手段が挙げられる。より具体的には、揮発性組成物ディスペンサは、電気壁プラグ式揮発性組成物ディスペンサ(電気壁プラグ式揮発性組成物ディスペンサの非限定的な例は、米国特許第7,223,361号に記載されている)、加熱素子及び/又はファン素子を有する電池式(再充電可能電池を含む)揮発性組成物ディスペンサであり得る。通電された装置において、揮発性材料送達エンジンは、揮発性材料を拡散するための動力送達補助手段に隣接して配置してよい。送達補助手段を使用して最適に拡散するために、揮発性材料を配合することができる。
【0016】
揮発性組成物ディスペンサ104は、通電されていないディスペンサとして使用するために構成されてもよい。例示的な通電されていない揮発性組成物ディスペンサは、揮発性材料が受動的に(即ち、通電された手段を備えていない)空気中に拡散するのを補助するように、リザーバ、及び場合により、毛細管手段若しくは吸い取り手段、又は発散する表面を含む。更に具体的な揮発性組成物ディスペンサの例は、米国特許第8,709,337号及び同第8,931,711号に開示されるように、揮発性材料を入れるための液体リザーバを有する送達エンジン、及び液体リザーバを閉じ込めるための多孔性膜を含む。
【0017】
揮発性組成物ディスペンサ104はまた、エアゾールスプレー又は非エアゾールエアスプレーとして使用するために構成されてよい。揮発性組成物ディスペンサ104は、自動的に揮発性組成物を大気に送達するようにプログラムすることができる。
【0018】
揮発性組成物ディスペンサ104は、精製された空気及び/又は揮発性物質の両方を大気に送達するために、空気浄化システムの形態で構成されてもよい。非限定的な例としては、小さな空間(例えば、寝室、浴室、自動車など)、及び家全体の集中空調/暖房システム(例えばHVAC)における使用のためにイオン化及び/又は濾過技術を使用する空気浄化システムが挙げられる。
【0019】
揮発性組成物ディスペンサ104は、家又は建物内部の別の部屋に移動可能であってよい。更に、家又は建物は、同じ部屋又は別の部屋に配置されている1つ以上の揮発性組成物ディスペンサを含んでよい。
【0020】
揮発性組成物ディスペンサ104は、少なくとも2つの異なる揮発性組成物、又は少なくとも2つの異なる揮発性組成物、又は少なくとも3つの揮発性組成物など、1つを超える揮発性組成物を別々に収容し保持することが可能であり得る。そのような例では、揮発性組成物ディスペンサ104は、1つのスマートアプライアンスと対になるように意図されている香りを有する1つの揮発性組成物を送達するように構成されてよく、また第2の異なるスマートアプライアンスと対になるように意図されている香りを有する第2の揮発性組成物を送達するようにも構成されてよい。
【0021】
揮発性組成物
揮発性組成物は、香料組成物及び/又は悪臭制御組成物を含む空気清浄組成物であり得る。揮発性組成物は、防虫剤であり得る。
【0022】
揮発性組成物は、揮発性物質を含み得る。例示的な揮発性物質には、香料物質、揮発性色素、殺虫剤として機能する物質、調湿、改良、ないしは別の方法で環境を変えるように(例えば、睡眠、起床、呼吸器の健康などの状態を補助するように)機能する精油若しくは物質、脱臭剤若しくは悪臭制御組成物(例えば、反応性アルデヒドなどの臭気中和物質(米国特許出願公開第2005/0124512号に開示されるようなもの)、臭気遮断物質、臭気マスキング物質、又はイオノンなどの感覚改善物質(同様に同第2005/0124512号に開示される))が挙げられる。
【0023】
揮発性組成物は、香料成分を含んで望ましい香りを空気中に提供し得る。揮発性組成物は、本物の悪臭中和を実現するように設計されている揮発性アルデヒドの混合物を含む(臭気を単に隠す又は被覆することにより機能するものではない)。本物の悪臭中和は、感覚及び分析により測定可能(例えば、ガスクロマトグラフ)な悪臭の低減をもたらす。したがって、揮発性組成物が本物の悪臭中和を実現するなら、その揮発性組成物は気相及び/又は液相中の悪臭を低減させる。揮発性組成物は、化学反応を介して気相及び/又は液相中の悪臭を中和する揮発性アルデヒドの混合物を含み得る。そのような揮発性アルデヒドはまた、反応性アルデヒドとも呼ばれる。揮発性アルデヒドは、シッフ塩基形成経路に従ってアミン系臭気と反応し得る。揮発性アルデヒドは、イオウ系臭気とも反応して、気相及び/又は液相中にチオールアセタール、へミチオールアセタール及びチオールエステルを形成することができる。
【0024】
揮発性組成物は、様々なその他の成分を含んでもよく、それらの成分には、界面活性剤、酸触媒、ポリマー、緩衝剤、可溶化剤、抗菌性化合物、保存剤、湿潤剤、水性キャリア、希釈剤など、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0025】
揮発性組成物は、特定のスマートアプライアンスに関連した香りに合う香りを有するように構成され得る。例えば、揮発性組成物は、揮発性組成物ディスペンサがベビーモニタ又は赤ちゃんの部屋内に位置する他の装置と関連している例においては、ベビーパウダーの香りを有してよい。別の例では、揮発性組成物は、揮発性組成物ディスペンサが洗濯機又は乾燥機の動作と関連している例においては、洗濯用洗剤又は布地柔軟剤の香りを有してよい。
【0026】
スマートアプライアンス
様々な異なるスマートアプライアンスもまた、システムと接続することができ、本開示の方法に含まれてよい。スマートアプライアンス130は、CCUと通信可能に接続可能であり得る。図2を参照すると、スマートアプライアンス130は、CCU及び/又は揮発性組成物ディスペンサ104と通信するために無線通信モジュール136を含み得る。スマートアプライアンスには、冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、食洗機、電子レンジ、コンロ、オーブン、ごみ処理機、ステレオ、テレビ、ケーブルボックス若しくは衛星ボックス、ベビーモニタ、電気掃除機、セキュリティシステム、ライト、ガレージドアオープナ、ドアベル、屋内外スプリンクラ若しくは潅注システムなどを挙げることができる。
【0027】
CCUはまた、スマートアプライアンスの現在の状況に基づいて揮発性組成物ディスペンサを制御するように構成されてもよい。スマートアプライアンスは、アラートを入力信号の形でCCUに送信するように構成され得、CCUに特定のスマートアプライアンスがオンになったこと、オフになったこと、又はスマートアプライアンスの周期が開始若しくは終了したことを警告する。スマートアプライアンスはまた、スマートアプライアンスの現在の状況についてCCUに警告する入力信号をCCUに送信するように構成されたセンサを含んでもよい。
【0028】
CCUはまた、システムの他の構成要素からCCUに送信されたセンサ測定値に基づいてスマートアプライアンスを制御することを含み得るアルゴリズムを開始するように構成されてもよい。
【0029】
センサ
システム100の1つ以上の構成要素は、センサ106を含み得る。例えば、揮発性組成物ディスペンサ104、CCU102、空気処理装置、又はスマートアプライアンス130は、1つ以上のセンサ106を含み得る。センサ106は、温度、相対湿度、空気質、CO濃度、空気粒子カウンタ、アレルゲン、及びヒトの健康に影響を及ぼすその他の大気中の要素、又は構成要素の状況を感知するように構成され得る。センサ106は、無線通信リンクを通じてCCU及びシステムの様々な構成要素と通信可能に接続可能であるように無線通信モジュールを含み得る。
【0030】
センサ106は、電源118によって電力供給され得る。センサ106は、揮発性組成物ディスペンサ104から独立して、又は揮発性組成物ディスペンサ104の同じ電源を通じて電力供給され得る。センサ106は、揮発性組成物ディスペンサ104から独立した電池によって、又は揮発性組成物ディスペンサ104にも電力を供給するように構成された電池によって、電力供給され得る。揮発性組成物ディスペンサ及び/又はセンサ106は、電気コンセントを通じて電力供給されてもよい。揮発性組成物ディスペンサが、部屋から部屋、又は表面から表面へ移動することができるモバイル装置であるときは、電池電源が使用される。更に、揮発性組成物ディスペンサが、受動的に揮発性組成物を空気中に拡散させる通電されていない装置として構成されているときは、電池を使用してセンサ106に電力を供給することができる。
【0031】
センサは、センサ測定値を入力信号の形でCCUに送信するように構成されている。センサ測定値は、様々な様式で使用することができる。例えば、センサ測定値をライブデータとして見るか、空気処理装置を制御するために温度設定点などの設定点と比較するか、又は快適さ及びエネルギー効率を考慮に入れた最適な設定点を推奨するための更なる分析用にデータベースに記憶することができる。
【0032】
図3は、構成要素からCCUへの信号の複数の可能な流れを示す。センサ測定値は、構成要素からCCUを通じてライブローカルセンサ測定値用のユーザインタフェースに流れ得る。あるいは、センサ測定値は、空気処理装置110及び揮発性組成物ディスペンサ104が挙げられるがこれらに限定されない、様々な構成要素に命令を送信するために、センサからCCUを通じて、センサ測定値がメモリ内に記憶される又はプロセッサによって分析されるインターネット上の宛先サーバへと渡る場合もある。
【0033】
中央通信装置
CCU102は、様々な異なる方法で構成され得る。CCU102は、システム100の1つ以上の構成要素(例えば、スマートアプライアンス(複数可)及び/又は揮発性組成物ディスペンサ(複数可))から入力信号を受信する、及びシステム100の1つ以上の構成要素に出力命令を送信するように構成され得る。
【0034】
図4を参照すると、CCU102は、センサ(複数可)106、ユーザインタフェース(複数可)108、揮発性組成物ディスペンサ104、及び/又は無線通信リンク107を使用するスマートアプライアンス130など、システム100の様々な構成要素と通信可能に接続可能であり得る。802.11(Wi−Fi)、802.15.4(ZigBee、6LoWPAN、Thread、JennetIP)、Bluetooth、それらの組み合わせなどを含む、様々な無線通信リンクが使用され得る。接続は、アドホックメッシュネットワークプロトコルを通じてよい。CCU102は、システムの様々な構成要素とCCU102との無線通信リンク107を確立するために無線通信モジュール116を含み得る。通信リンクを確立するために当該技術分野において既知の任意のモジュールを利用することができる。
【0035】
CCU102は、プロセッサ122を備え得る。プロセッサ122は、本明細書に記載のシステム100の1つ以上の有利な機能を実行する、及び/又は実行させるように構成されプログラムされ得る。プロセッサ122は、CCU102内部に物理的に配置されてもよいし、あるいはコンピュータ、特殊コンピュータ、電話若しくはタブレットなどのスマートデバイス、サーバ、イントラネット、ボーダールーター、クラウドベースシステムなど、又はそれらの組み合わせ上に遠隔に位置してよい。プロセッサ122は、ローカルメモリ内に記憶されたアルゴリズムを実行することができ(特殊目的のプロセッサ又は特定用途向け集積回路)、アルゴリズムは、中央サーバ、又はクラウドベースシステムによって(Asynchronous JavaScript and XML又は同様のプロトコルを使用してクラウドサーバから提供される命令を実行するJava仮想マシンを実行することによってなど)遠隔に実行又は管理される。
【0036】
CCU102は、メモリ124を備え得る。メモリは、設定点、センサ測定値及び状況インジケータなどの入力信号、アルゴリズムなどを記憶するように構成され得る。メモリは、フラッシュドライブ、ハードドライブ、読み取り専用メモリ、又はランダムアクセスメモリなど、CCU102内部のローカルメモリであり得る。あるいは、メモリは、コンピュータ、電話若しくはタブレットなどのスマートデバイス、サーバ、又はクラウドベースシステム上のリモートメモリとして構成されてもよい。メモリ124は、様々な方法でプロセッサ122にアクセス可能であり得る。
【0037】
CCU102のプロセッサ及び/又はメモリは、CCU102のハウジング内部に配置され得る。CCU102は、システム100の様々な構成要素と接続、又はそれらから分離され得る。例えば、CCU102は、スマートアプライアンス130又は揮発性組成物ディスペンサ104と物理的に接続され得る。CCU102は、例えばスマートアプライアンス130、揮発性組成物ディスペンサ104、及び/又は空気処理装置などの他の構成要素とは建物内の別の部屋又は場所に永続的に位置付けられ得る。
【0038】
CCUは、クロックを含んでもよいし、又はコンピュータ、スマートデバイス、若しくはインターネット上でクロックと通信可能に接続可能であってもよい。
【0039】
図4は、ハウジング128内部に配置されたプロセッサ122及びメモリ124を有する例示的なCCU102を図示する。図5に示されるCCU102は、揮発性組成物ディスペンサ104、空気処理装置110、及び/又はスマートアプライアンスの上若しくは内部に配置され得る。図4は、ハウジング128内部に配置されたプロセッサ122及びメモリ124を図示しているが、プロセッサ122及び/又はメモリ124が、CCU102に対して遠隔に位置し得ることを理解されたい。
【0040】
入力信号は、リモートメモリに入力信号を送信するトランスミッタを含むCCU装置を通過してよい。入力信号はまた、信号を送信する構成要素と無線で通信している構成要素によって直接受信されてもよい。
【0041】
図5は、システム100の様々な構成要素からリモートメモリへの入力信号の複数の例示的な流れを図示する。入力信号は、無線通信リンクを通じてスマートアプライアンス130、揮発性組成物ディスペンサ104、若しくは様々なその他の構成要素からコンピュータ若しくはスマートデバイスへ直接、又はCCUのトランスミッタを通じてリモートメモリへと流れ得る。プロセッサ122は、メモリ124から入力信号にアクセスし得る。プロセッサ122は、有線又は無線通信リンクを通じてメモリ124にアクセスし得る。
【0042】
プロセッサ122は、入力信号をメモリ124に記憶された設定点と比較するように構成され得る。プロセッサは、記憶された設定点をメモリ124から読み出して比較することができる。
【0043】
上述したように、CCUは、揮発性組成物ディスペンサの動作をスマートアプライアンスの動作と結合する様々なアルゴリズムを実行するように構成され得る。図6は、揮発性組成物ディスペンサ104及び/又はスマートアプライアンス(複数可)130を制御するようにCCU102によって使用され得る例示的なアルゴリズムを図示する。スマートアプライアンス130は、CCU102と通信可能に接続され得る。スマートアプライアンス130は、ユーザによる手動制御によって、又はCCU102からスマートアプライアンスに送信された出力命令によってオンにすることができる。スマートアプライアンス130は、ユーザによって設定されたアルゴリズムを使用してオン若しくはオフになるように構成されてもよいし、又はスマートアプライアンス130は、コンピュータ若しくはスマートデバイス上のユーザインタフェースからユーザによって遠隔にオン若しくはオフにされるように構成されてもよいし、又はスマートアプライアンス130は、スマートアプライアンス自体でユーザによって直接オン若しくはオフにされてもよい。
【0044】
スマートアプライアンス130は、スマートアプライアンス130がオンにされるたびに、特定の周期が開始及び/若しくは終了するたびに、並びに/又はスマートアプライアンス130がオフにされたときに、CCU102に入力信号を送信するように構成され得る。アルゴリズムは、スマートアプライアンス130がオンにされた後、又はスマートアプライアンス130の周期が開始した後に、揮発性組成物ディスペンサ104をオンにするように構成され得る。ひとたびCCU102が、揮発性組成物ディスペンサ104をオンにさせるように設定されているスマートアプライアンス130の状況を示す入力信号をスマートアプライアンス130から受信すると、CCUは、オンになるように出力命令を揮発性組成物ディスペンサ104に送信する。揮発性組成物ディスペンサ104は、設定点が発生するまでオンのままであってよい。例えば、アルゴリズムは、所定の時間の間、又はスマートアプライアンス130の周期若しくは複数の周期の持続時間、又はスマートアプライアンス130がオフになるまで、揮発性組成物ディスペンサ104をオンの状態で保持するように構成されることができる。ひとたびプログラムされた設定点が発生すると、CCU102は、揮発性組成物ディスペンサ104へオフにするよう出力命令を送信する。アルゴリズムは、スマートアプライアンス130がオンになるたび、又はスマートアプライアンス130の特定の周期がオンになるたびに、繰り返され得る。
【0045】
アルゴリズムは、スマートアプライアンス130がオフにされた後で揮発性組成物ディスペンサをオンにするようにプログラムされることができる。このアルゴリズムは、図6を参照して上述のアルゴリズムに加えて生じてもよいし、又は上述のアルゴリズムの代わりに実行されてもよい。
【0046】
設定点としては、持続時間、分配される揮発性組成物の濃度、構成要素の現在の状態又は状況などを挙げることができる。プロセッサは、いつ設定点に到達したかを判定するために様々な構成要素を利用し得る。例えば、プロセッサはクロックを利用してもよく、このクロックはCCUと接続されていてもよいし、又はコンピュータ、スマートデバイス、若しくはインターネット上で遠隔に位置してもよく、これを使用して持続時間を測定することができる。別の実施例では、センサを使用して、現在の温度又は空気中の揮発性組成物の濃度など様々な状態を測定することができる。センサは、システムの任意の構成要素の上に、又はシステムの構成要素から離れて位置してよい。設定点はまた、構成要素の状態に基づく場合もある。例えば、設定点は、構成要素がオン又はオフにされることであってよく、このことは、CCUにアルゴリズム中の次のステップに移動するように合図することができる。構成要素の状況は、CCUに通信され得る。
【0047】
揮発性組成物ディスペンサがオフにされる際の制御に使用される設定点は、持続時間であり得る。持続時間は、約5分〜約60分の範囲、又は約10分〜約30分の範囲内であってよい。設定点はまた、スマートアプライアンスの状況であってもよい。例えば、設定点は、スマートアプライアンスがオフになるとき、又はスマートアプライアンスの特定の周期が終了するときであり得る。設定点は、アプライアンスがオフにされた後の所定の持続時間、又はアプライアンスの周期が終了した後の所定の持続時間として構成され得る。
【0048】
メモリ124は、複数の設定点を記憶するように構成され得る。例えば、1日のうちで異なる時刻、期間に異なる設定点が存在してよく、また1週間のうちで異なる日に異なる設定点であってよい。プロセッサは、どの設定点が1日のうち特定の時間及び/又は1週間のうちの特定の1日に使用されるかを決定する際のクロックを含み得る。
【0049】
プロセッサは、1日のうちの様々な時間及び/又は1週間のうちの様々な日に、家又は建物内部に位置する様々な構成要素から出力信号又はセンサ測定値を使用するように構成され得る。例えば、第1の揮発性組成物ディスペンサは、家の第1の部屋に位置してよく、第1のスマートアプライアンスと結合され得る。更に、第2の揮発性組成物ディスペンサは、家の第2の部屋又は第1の部屋と同じ部屋に位置してよく、第1のスマートアプライアンスと異なる第2のスマートアプライアンスの動作と結合され得る。CCUは、第1及び第2の揮発性組成物ディスペンサを同時に制御するようにプログラムされ得る。CCUは、第1及び第2のアプライアンスが動作中であるときは常に、第1及び第2の揮発性組成物ディスペンサを制御するようにプログラムされてよい。第1及び第2のスマートアプライアンスは、同時に、異なる時刻に、又は重複する時間に実行することができる。
【0050】
CCUは、図2に示される温度自動調節器のような温度自動調節器として構成されてよい。温度自動調節器用の電力は、空気処理装置を温度自動調節器に接続する制御ワイヤから捕集することができる。温度自動調節器は、プロセッサ若しくはメモリを含んでよく、又は温度自動調節器は、リモートプロセッサ及び/若しくはメモリと通信することができる。温度自動調節器は、ユーザインタフェースを含み得る。温度自動調節器は、NEST(登録商標)学習温度自動調節器、LUTRON(登録商標)温度自動調節器などであってよい。
【0051】
プロセッサは、ユーザの好みの揮発性組成物濃度に基づいたアルゴリズム、並びに履歴センサ測定値、履歴設定点、並びにエネルギー効率、快適さ、及び揮発性組成物濃度に関する既知の情報に基づいたスマートアプライアンス動作プロファイルから最適設定点を計算することができる。機械学習アルゴリズムは、1日のうちの様々な時間及び/又は1週間のうちの様々な日におけるユーザ(複数可)の望ましい設定点を学習することができ、並びに/あるいは例えば、よりエネルギー効率の良いアルゴリズムをプログラムするために使用することができる。例示的な学習システムは、NEST(登録商標)学習温度自動調節器で使用されている。例示的な学習システムは、米国特許第9,115,908号にも記載されている。次にプロセッサは、続いてHVACの制御用に設定点を記憶するメモリに最適な設定点を送信する。
【0052】
空気処理装置、揮発性組成物ディスペンサ、及び/又はスマートアプライアンス(複数可)を含むシステムの装置は、1つの装置によって検出されたイベントが別の装置の動作に影響を及ぼし得るか、又は1つの装置の現在の状況が別の装置の動作に影響を及ぼし得るように、CCUを通じて互いに相互作用し得る。
【0053】
ユーザインタフェース
本開示のシステム及び方法は、1つ以上のユーザインタフェース108を含み得る。ユーザインタフェース108は、様々な異なる様式で構成され得る。ユーザは、ユーザインタフェース108と相互作用して、設定点を調節することができ、加えて、ユーザインタフェース上でライブセンサデータを見るためにCCU102を通じてセンサ106に接続することができる。CCU102はまた、ユーザインタフェース108上で遠隔監視をする目的のためにインターネット又はイントラネットに接続し、サーバへとセンサ測定値及び設定点などの情報を通過させることもできる。
【0054】
図7は、1つを超えるユーザインタフェースを有する例示的なシステムを図示する。図7では、第1のユーザインタフェースはCCUに接続されており、第2のユーザインタフェースはリモートユーザインタフェースである。リモートユーザインタフェースは、コンピュータ又は携帯型スマートデバイスの形態であり得る。
【0055】
CCUが温度自動調節器として構成されている場合、温度自動調節器は、例えばボタンを押す、又はダイヤルを回すことによって、ユーザが温度設定点を調節することができる、ユーザインタフェースを含んでよい。
【0056】
ユーザインタフェースは、プログラム、HTMLウェブサイト、又はコンピュータ若しくは携帯型スマートデバイスを介してユーザによってアクセス可能であるネイティブアプリケーションとして構成され得る。携帯型スマートデバイスとしては、iPhone(登録商標)、iPad(登録商標)、又はAndroid(登録商標)若しくはMicrosoft(登録商標)ベースのシステムを挙げることができる。ユーザインタフェースは、デスクトップ、ノートパソコン、又はタブレットなどのコンピュータ上でアクセス可能であり得る。
【0057】
本開示のシステムは、プロセッサ122、メモリ124、及び/又はユーザインタフェース108を含むCCU102を備える携帯型スマートデバイス又はコンピュータを含み得る。
【0058】
空気処理システム
システム100は、空気処理装置を含み得る。空気処理装置は、ファンを含む。空気処理装置は、例えば一戸建て住宅、アパート、オフィスビル、会社など構内に暖房、換気、空調(HVAC)、及び/又は空気処理を提供し得る。空気処理装置110は、強制空気型暖房及び冷房システムとして構成され得る。しかしながら、空気処理装置は、様々な異なる方法で構成されることができる。例えば、空気処理装置は、放射熱ベースのシステム、ヒートポンプベースのシステム、天井ファン若しくはポータブル送風機などのファン、ポータブルエアコン、及び/又はポータブルヒーターの形態で構成され得る。
【0059】
空気処理装置は、1つ以上の制御装置を有し得る。空気処理装置上の制御装置は、ヒーターのON/OFF、エアコンのON/OFF、及び/又はファンのみのON/OFFを含み得る。ファンは、建物の少なくとも1つの部屋中に温められた又は冷却された空気を押しやるためにヒーター又はエアコンがオンであるときにも実行し得ることを理解されたい。
【0060】
空気処理装置は、CCU、揮発性組成物ディスペンサ104、及び/又はスマートアプライアンスなどのシステムの様々な構成要素と無線通信リンクを通じて無線で接続するために、無線通信モジュールを含み得る。
【0061】
空気処理装置の動作を揮発性組成物ディスペンサの動作と結合することを含む例示的なシステム及び方法は、2015年10月8日に出願された「SYSTEMS AND METHODS FOR COUPLING THE OPERATIONS OF AN AIR HANDLING DEVICE AND A VOLATILE COMPOSITION DISPENSER」と題する代理人整理番号第14052号の米国特許出願に記載されている。揮発性組成物ディスペンサを備える空気処理装置を制御するための例示的なシステム及び方法は、2015年10月8日に出願された「VOLATILE COMPOSITION DISPENSER HAVING A TEMPERATURE SENSOR TO REMOTELY CONTROL AN AIR HANDLING DEVICE」と題する代理人整理番号第14051号の米国特許出願に記載されている。
【0062】
本明細書において範囲の両端として開示される値は、列挙される正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。代わりに、特に明記しない限り、各数値範囲は、列挙された値、明記された範囲内の、及び明記された範囲を有する任意の範囲内の任意の整数の両方を意味するよう意図されている。例えば、「1〜10」として開示されている範囲は、「1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10」を意味するように意図されている。本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最大数値限定は、それより低いあらゆる数値限定を、そのようなより低い数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含むことを理解すべきである。本明細書全体を通して記載されるあらゆる最小数値限定は、それよりも高いあらゆる数値限定を、そのようなより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通して与えられるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るより狭いあらゆる数値範囲を、そのような狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0063】
本明細書において範囲の両端として開示される値は、列挙される正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。代わりに、特に明記しない限り、各数値範囲は、列挙された値、明記された範囲内の、及び明記された範囲を有する任意の範囲内の任意の整数の両方を意味するよう意図されている。例えば、「1〜10」として開示されている範囲は、「1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10」を意味するように意図されている。
【0064】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値とその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0065】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用されるあらゆる文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全容が本願に援用される。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0066】
本開示の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7