特許第6823136号(P6823136)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6823136
(24)【登録日】2021年1月12日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】継続的配達
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20120101AFI20210114BHJP
   G06Q 10/08 20120101ALI20210114BHJP
【FI】
   G06Q10/04 310
   G06Q10/08
【請求項の数】36
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-187747(P2019-187747)
(22)【出願日】2019年10月11日
(65)【公開番号】特開2020-98573(P2020-98573A)
(43)【公開日】2020年6月25日
【審査請求日】2019年10月11日
(31)【優先権主張番号】18386030.3
(32)【優先日】2018年10月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516172237
【氏名又は名称】アクセンチュア グローバル ソリューションズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102406
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100100240
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 孝
(72)【発明者】
【氏名】カートライト,ヘンリー フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ダシュティ,マルツィエ
(72)【発明者】
【氏名】グラドヴィッチ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ハバード,デビッド イー
(72)【発明者】
【氏名】マンマス,コンスタンティノス
(72)【発明者】
【氏名】ミーチエア,シェーン オー
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア メヒアス,カルロス ミゲル
【審査官】 久慈 渉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−154883(JP,A)
【文献】 特開2002−169948(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0131742(KR,A)
【文献】 特開2015−201006(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0275643(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
継続的配達プラットフォームを使用して配達経路を選択的に最適化するために1つ以上のプロセッサにより実行される、コンピュータに実装される方法であって、前記方法は、
或る期間の実現した需要および予想される需要に基づき配達ネットワーク内で資産を配達する一組の経路を決定するステップと、
前記一組の経路の少なくとも部分的な実行中、資産の配達を表すリアルタイムデータと、更新された需要予想とを受信するステップと、
前記継続的配達プラットフォームの最適化コントローラによって、前記リアルタイムデータおよび更新された需要予想に少なくとも部分的に基づき、トリガ時間およびカットオフ時間のうちの1つ以上を決定するステップであって、前記トリガ時間は、資産の配達のための前記一組の経路が再最適化される間隔を定義する、前記トリガ時間およびカットオフ時間のうちの1つ以上を決定するステップと、
前記トリガ時間に達するのに応答して、修正された一組の経路を提供するために、前記継続的配達プラットフォームの経路最適化モジュールによって、前記一組の経路を再最適化するステップと、
前記修正された一組の経路のうちの少なくとも1つの経路を配達人員に伝達するステップであって、前記少なくとも1つの経路は、前記一組の経路の中のいずれの経路とも異なるものであり、前記期間中に実行される、前記伝達するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
経路は、複数の動的ノードとして定義され、少なくとも1つのノードが、前記一組の経路の中の経路と、前記修正された一組の経路の中の経路との間で変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トリガ時間は、前記期間中、断続的に更新され、その後の少なくとも1つの経路再最適化は、更新されたトリガ時間に基づき実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記トリガ時間は、前記需要予想と、前記配達ネットワーク内の現実の状況とに基づく増分学習に基づいて、少なくとも部分的に決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記増分学習は、利用可能な最も最近のデータセットに基づき予測モデルを再訓練することと、過去のデータおよび前記最も最近のデータセットを含む完全なデータセットに基づき前記予測モデルを再訓練することとのうちの一方を少なくとも部分的に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記リアルタイムデータの少なくとも一部は、前記配達人員のモバイルコンピューティングデバイスから受信され、前記修正された一組の経路のうちの前記少なくとも1つの経路は、前記モバイルコンピューティングデバイスに伝達される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記カットオフ時間は、前記期間中の或る時間であって、その後は前記経路の再最適化が実行されない前記時間を定義する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの経路は、新たな経路および変更された経路のうちの一方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記一組の経路は、過去の資産需要データに基づき決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記一組の経路を決定するステップは、経路の目的地1つ以上を予測するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記リアルタイムデータは、配達車両の位置および/または資産の位置を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記一組の経路のうちの1つ以上の経路で資産を配達する時間を最適化するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
1つ以上のプロセッサに結合され命令が記憶されている非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサにより実行されると前記1つ以上のプロセッサに、継続的配達プラットフォームを使用して配達経路を選択的に最適化する動作を実行させ、前記動作は、
或る期間の実現した需要および予想される需要に基づき配達ネットワーク内で資産を配達する一組の経路を決定することと、
前記一組の経路の少なくとも部分的な実行中、資産の配達を表すリアルタイムデータと、更新された需要予想とを受信することと、
前記継続的配達プラットフォームの最適化コントローラによって、前記リアルタイムデータおよび更新された需要予想に少なくとも部分的に基づき、トリガ時間およびカットオフ時間のうちの1つ以上を決定することであって、前記トリガ時間は、資産の配達のための前記一組の経路が再最適化される間隔を定義する、前記トリガ時間およびカットオフ時間のうちの1つ以上を決定することと、
前記トリガ時間に達するのに応答して、修正された一組の経路を提供するために、前記継続的配達プラットフォームの経路最適化モジュールによって、前記一組の経路を再最適化することと、
前記修正された一組の経路のうちの少なくとも1つの経路を配達人員に伝達することであって、前記少なくとも1つの経路は、前記一組の経路の中のいずれの経路とも異なるものであり、前記期間中に実行される、前記伝達することと、
を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
経路は、複数の動的ノードとして定義され、少なくとも1つのノードが、前記一組の経路の中の経路と、前記修正された一組の経路の中の経路との間で変化する、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
前記トリガ時間は、前記期間中、断続的に更新され、その後の少なくとも1つの経路再最適化は、更新されたトリガ時間に基づき実行される、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記トリガ時間は、前記需要予想と、前記配達ネットワーク内の現実の状況とに基づく増分学習に基づいて、少なくとも部分的に決定される、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
前記増分学習は、利用可能な最も最近のデータセットに基づき予測モデルを再訓練することと、過去のデータおよび前記最も最近のデータセットを含む完全なデータセットに基づき前記予測モデルを再訓練することとのうちの一方を少なくとも部分的に含む、請求項16に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記リアルタイムデータの少なくとも一部は、前記配達人員のモバイルコンピューティングデバイスから受信され、前記修正された一組の経路のうちの前記少なくとも1つの経路は、前記モバイルコンピューティングデバイスに伝達される、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記カットオフ時間は、前記期間中の或る時間であって、その後は前記経路の再最適化が実行されない前記時間を定義する、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記少なくとも1つの経路は、新たな経路および変更された経路のうちの一方を含む、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項21】
前記一組の経路は、過去の資産需要データに基づき決定される、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項22】
前記一組の経路を決定することは、経路の目的地1つ以上を予測することを含む、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項23】
前記リアルタイムデータは、配達車両の位置および/または資産の位置を表す、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項24】
動作は、前記一組の経路のうちの1つ以上の経路で資産を配達する時間を最適化することをさらに含む、請求項13に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項25】
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合され命令が記憶されているコンピュータ可読記憶デバイスと、
を含むシステムであって、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサにより実行されると前記1つ以上のプロセッサに、継続的配達プラットフォームを使用して配達経路を選択的に最適化する動作を実行させ、前記動作は、
或る期間の実現した需要および予想される需要に基づき配達ネットワーク内で資産を配達する一組の経路を決定することと、
前記一組の経路の少なくとも部分的な実行中、資産の配達を表すリアルタイムデータと、更新された需要予想とを受信することと、
前記継続的配達プラットフォームの最適化コントローラによって、前記リアルタイムデータおよび更新された需要予想に少なくとも部分的に基づき、トリガ時間およびカットオフ時間のうちの1つ以上を決定することであって、前記トリガ時間は、資産の配達のための前記一組の経路が再最適化される間隔を定義する、前記トリガ時間およびカットオフ時間のうちの1つ以上を決定することと、
前記トリガ時間に達するのに応答して、修正された一組の経路を提供するために、前記継続的配達プラットフォームの経路最適化モジュールによって、前記一組の経路を再最適化することと、
前記修正された一組の経路のうちの少なくとも1つの経路を配達人員に伝達することであって、前記少なくとも1つの経路は、前記一組の経路の中のいずれの経路とも異なるものであり、前記期間中に実行される、前記伝達することと、
を含む、システム。
【請求項26】
経路は、複数の動的ノードとして定義され、少なくとも1つのノードが、前記一組の経路の中の経路と、前記修正された一組の経路の中の経路との間で変化する、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記トリガ時間は、前記期間中、断続的に更新され、その後の少なくとも1つの経路再最適化は、更新されたトリガ時間に基づき実行される、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記トリガ時間は、前記需要予想と、前記配達ネットワーク内の現実の状況とに基づく増分学習に基づいて、少なくとも部分的に決定される、請求項25に記載のシステム。
【請求項29】
前記増分学習は、利用可能な最も最近のデータセットに基づき予測モデルを再訓練することと、過去のデータおよび前記最も最近のデータセットを含む完全なデータセットに基づき前記予測モデルを再訓練することとのうちの一方を少なくとも部分的に含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記リアルタイムデータの少なくとも一部は、前記配達人員のモバイルコンピューティングデバイスから受信され、前記修正された一組の経路のうちの前記少なくとも1つの経路は、前記モバイルコンピューティングデバイスに伝達される、請求項25に記載のシステム。
【請求項31】
前記カットオフ時間は、前記期間中の或る時間であって、その後は前記経路の再最適化が実行されない前記時間を定義する、請求項25に記載のシステム。
【請求項32】
前記少なくとも1つの経路は、新たな経路および変更された経路のうちの一方を含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項33】
前記一組の経路は、過去の資産需要データに基づき決定される、請求項25に記載のシステム。
【請求項34】
前記一組の経路を決定することは、経路の目的地1つ以上を予測することを含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項35】
前記リアルタイムデータは、配達車両の位置および/または資産の位置を表す、請求項25に記載のシステム。
【請求項36】
動作は、前記一組の経路のうちの1つ以上の経路で資産を配達する時間を最適化することをさらに含む、請求項25に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的に継続的配達に関し、特に本開示は、費用、時間およびリソースにわたる効率性を推進するために、期間中、経路を選択的に再最適化する継続的配達プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
eコマースとも呼ばれるオンラインショッピングは大きく進化している。しかしながら、消費者および小売商人の期待と、従来の配達サービスとの間には、eコマースにおける市場の分断がある。例として、消費者は進化しており、より安価でより迅速な品物の配達を要求し、その一方で、配達の方法およびタイミングに対する制御の強化を期待している。従来の郵便物および小包の配達モデルは、魅力ある提案を提示するものではなく、現在のところ、そのネットワークを活用して迅速且つ柔軟な配達を大規模に提供することができていない。いわゆるラストマイル配達(LMD:Last Mile Delivery)サービスは、迅速で拡張性があることが証明されているが、現在のところ持続可能性を達成できていない。さらに、現在の配達モデルは、従来のものも新しいものも、魅力ある顧客体験を提供しない。小売商人の最大の悩みは、この分断である。ブランドロイヤリティが低いということは、顧客が劣悪な配達を体験すると、その小売商人から再び買い物をする見込みが低いことを意味する。その結果として、小売商人は、自ら制御していない劣悪な配達サービスから予期せぬ影響を受ける。したがって、LMDは、顧客ロイヤリティおよびブランドロイヤリティを左右する重要な要因となった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実装は、全般的に、継続的配達を対象とする。特に、本開示の実装は、費用、時間およびリソースにわたる効率性を推進するために、期間中、経路を選択的に再最適化する継続的配達プラットフォームを対象とする。
【0004】
一部の実装において、アクションは、或る期間の実現した需要および予想される需要に基づき配達ネットワーク内で資産を配達する一組の経路を決定することと、一組の経路の少なくとも部分的な実行中、資産の配達を表すリアルタイムデータと、更新された需要予想とを受信することと、継続的配達プラットフォームの最適化コントローラによって、リアルタイムデータおよび更新された需要予想に少なくとも部分的に基づき、トリガ時間およびカットオフ時間のうちの1つ以上を決定することであって、トリガ時間は、資産の配達のための一組の経路が再最適化される間隔を定義する、トリガ時間およびカットオフ時間のうちの1つ以上を決定することと、トリガ時間に達するのに応答して、修正された一組の経路を提供するために、継続的配達プラットフォームの経路最適化モジュールによって、一組の経路を再最適化することと、修正された一組の経路のうちの少なくとも1つの経路を配達人員に伝達することであって、少なくとも1つの経路は、一組の経路の中のいずれの経路とも異なるものであり、期間中に実行される、伝達することと、を含む。この側面の他の実装は、対応するシステム、装置、および方法のアクションを実行するように構成されコンピュータ記憶デバイス上にエンコードされたコンピュータプログラムを含む。
【0005】
これらの実装および他の実装はそれぞれ、経路が、複数の動的ノードとして定義され、少なくとも1つのノードが、一組の経路の中の経路と、修正された一組の経路の中の経路との間で変化することと、トリガ時間が、期間中、断続的に更新され、その後の少なくとも1つの経路再最適化が、更新されたトリガ時間に基づき実行されることと、トリガ時間が、需要予想と、配達ネットワーク内の現実の状況とに基づく増分学習に基づいて、少なくとも部分的に決定されることと、増分学習が、利用可能な最も最近のデータセットに基づき予測モデルを再訓練することならびに過去のデータおよび最も最近のデータセットを含む完全なデータセットに基づき予測モデルを再訓練することのうちの一方を少なくとも部分的に含むことと、リアルタイムデータの少なくとも一部が、配達人員のモバイルコンピューティングデバイスから受信され、修正された一組の経路のうちの少なくとも1つの経路が、モバイルコンピューティングデバイスに伝達されることと、カットオフ時間が、期間中の或る時間であって、その後は経路の再最適化が実行されない時間を定義することと、少なくとも1つの経路が、新たな経路および変更された経路のうちの一方を含むことと、一組の経路が、過去の資産需要データに基づき決定されることと、一組の経路を決定することが、経路の目的地1つ以上を予測することを含むことと、リアルタイムデータが、配達車両の位置および/または資産の位置を表すことと、アクションが、一組の経路のうちの1つ以上の経路で資産を配達する時間を最適化することをさらに含むことと、の各特徴のうちの1つ以上を任意選択で含むことができる。
【0006】
本開示は、1つ以上のプロセッサに結合され命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体も提供し、命令は、1つ以上のプロセッサにより実行されると1つ以上のプロセッサに、本願明細書で提供される方法の実装に従った動作を実行させる。
【0007】
本開示はさらに、本願明細書において提供された方法を実装するシステムを提供する。システムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに結合され命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体とを含み、命令は、1つ以上のプロセッサにより実行されると1つ以上のプロセッサに、本願明細書で提供される方法の実装に従った動作を実行させる。
【0008】
当然のことながら、本開示に従った方法は、本願明細書に記載される側面および特徴の任意の組み合わせを含むことができる。つまり、本開示に従った方法は、本願明細書に具体的に記載される側面および特徴の組み合わせに限定されず、提供される側面および特徴の任意の組み合わせも含む。
【0009】
本開示の1つ以上の実装の詳細が、添付の図面および以下の説明に記載される。本開示の他の特徴および利点は、本記載および図面ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実装に従った例示の概念アーキテクチャを示す。
図2】本開示の実装に従った例示のモジュールアーキテクチャを示す。
図3A】本開示の実装に従った例示の経路最適化を示す。
図3B】本開示の実装に従った例示の経路最適化を示す。
図4】本開示の実装に従った例示のオンライン解析タスクおよび例示のオフライン解析タスクを示す。
図5】本開示の実装において実行可能な例示のプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実装は、全般的に、資産(例えば有形資産)の配達を対象とする。特に、本開示の実装は、費用、時間およびリソースにわたる効率性を推進するために、期間中、経路を選択的に再最適化する継続的配達プラットフォームを対象とする。一部の実装において、アクションは、或る期間の実現した需要および予想される需要に基づき配達ネットワーク内で資産を配達する一組の経路を決定することと、一組の経路の少なくとも部分的な実行中、資産の配達を表すリアルタイムデータと、更新された需要予想とを受信することと、継続的配達プラットフォームの最適化コントローラによって、リアルタイムデータおよび更新された需要予想に少なくとも部分的に基づき、トリガ時間およびカットオフ時間のうちの1つ以上を決定することであって、トリガ時間は、資産の配達のための一組の経路が再最適化される間隔を定義する、トリガ時間およびカットオフ時間のうちの1つ以上を決定することと、トリガ時間に達するのに応答して、修正された一組の経路を提供するために、継続的配達プラットフォームの経路最適化モジュールによって、一組の経路を再最適化することと、修正された一組の経路のうちの少なくとも1つの経路を配達人員に伝達することであって、少なくとも1つの経路は、一組の経路の中のいずれの経路とも異なるものであり、期間中に実行される、伝達することと、を含む。
【0012】
本願明細書にさらに詳細に記載されているように、本開示の実装は、進化した顧客の期待を満たして、小売商人の要求事項を満足するために、同日配達(SDM:Same Day Delivery)およびラストマイル配達(LDM)ソリューションを提供する継続的配達プラットフォームを対象とする。本開示の実装は、(例えば都市環境における)配達および物流ネットワークの統合のための継続的配達モデルを導入する。一部の例において、本開示の継続的配達プラットフォームは、資産配達のより高い効率性および費用の節約を達成する。なお、本開示の実装には、郵便、宅配便・速達便・小包(CEP:Courier Express Parcel)、小売商、消費財・サービス(CGS:consumer goods and services)およびその他業界にわたる広範な応用性がある。本願明細書にさらに詳細に記載されるように、継続的配達プラットフォームは、予測解析および機械学習を利用して、顧客の期待を満たす一方で依然として費用効果的な形で、従来の配達方法の規模および信頼性と、新たなモデルの柔軟性およびダイナミズムとを組み合わせる柔軟な配達フレームワークを作り出す。
【0013】
本開示の実装は、1つ以上の使用事例を参照して記載されるが、本開示の実装は、任意の適切な使用事例において応用可能なものとすることができると考えられる。例示の使用事例は、動的な部隊によって既存の静的な運送業者の部隊に配達量を投入することを可能にして、都市環境での同日配達を可能にするための、郵便配達ネットワークの統合を含む。別の例示の使用事例は、小売商人のためのインテリジェントな配達エコシステムを、複数の配達部隊を用いて提供し、それらのネットワークを横断した利用を推進することを含む。別の例示のユーザ事例は、部隊および利用可能なネットワークにわたって小包を混載することにより、混雑および排出量を削減することに焦点を合わせて、都市の中の配達を統合することを含む。別の例示の使用事例は、品物の到着とサービスの到着とを一致させるために(例えば設置サポートと同時に到着するTVの配達)、小売商人に代わって、配達およびサービスの別々のネットワークを統合することを含む。別の例示の使用事例は、高度な柔軟性および応答性のある配達エコシステムを介した企業間(B2B:business−to−business)の予備品補充のインテリジェントな在庫補充を含む。別の例示の使用事例は、小売商人の配達費用の効率性を推進するために、或る場所(例えば都市)で小包を混載することを含む。別の例示の使用事例は、予測的な需要および部隊の利用を理解することによる、運送業者のインテリジェントな容量管理を含む。別の例示の使用事例は、顧客に対する配達の宣伝のために、リアルタイムの価格設定の詳細を小売商人に提供する、動的な価格決定を含む。
【0014】
本開示の実装は、1つ以上の用語を参照して本願明細書に記載されている。例として、カットオフ閾値は、配達が一定の時間または費用SLA(service level agreement:サービスレベル契約)を満たすためにそれ以上は新規注文が受け付けられない、期間(例えば一日)中の或る時点と説明することができる。別の例として、運送業者は、配達サービス(例えば郵便サービス、宅配業者サービス)のプロバイダと説明することができる。別の例として、継続的配達とは、効率性の最適化を試行するために、期間(例えば一日)の間中、配達エコシステムを絶えず最適化する行為を指す。別の例として、経路最適化は、制御の目的である変数(例えば速度、費用、混雑、容量)に応じて一連の地点間の最良の経路を判断するためのアクティビティと説明することができる。別の例として、需要予想は、所与のエリアおよび時間内で見込まれる配達サービスの需要を予測するアクティビティと説明することができる。別の例として、最適化コントローラは、指定された変数および/または変数の組み合わせを所与として、経路最適化プロセスを実行する最適な時間がいつであるかを知るための技術と説明することができる。別の例として、増分学習は、過去のアクティビティの肯定的な属性および否定的な属性を理解し、さらなる意思決定のための情報を与えるための強化学習を含むことができるが、これに限定はされない。一部の例において、リアルタイムとは、例として、アクションを実行する継続的配達プラットフォームの処理の限界およびデータの処理に要求されるあらゆる時間を考慮に入れて、人間の入力を要求することなく、意図的ないかなる遅延もなく、(例えば1つ以上のコンピュータ実行可能プログラムを使用して)自動的に実行可能なアクションを表現することができる。
【0015】
本願明細書にさらに詳細に記載されるように、本開示の継続的配達プラットフォームは、予測解析、機械学習(ML:machine learning)および人工知能(AI:artificial intelligence)を動的な経路最適化のために利用する。特に、継続的配達プラットフォームは、時間効率のよい経路最適化を提供する。一部の例において、一日の現実の需要が、経路最適化ツールに送り込まれ、このツールは、一日の経路の初期の基本計画をもたらす。一日の間中、中核物流追跡システムが、運転手情報(例えばGPS位置、荷物集荷、配達情報)を追跡する。一部の例において、リアルタイム経路情報が、最適化コントローラに再び送り込まれる。最適化が実行される場合、経路最適化がトリガされ、新たな経路が計算される。新たな経路は、運転手に発行されるイベントを推進する。一部の例において、経路は、運転手がスケジュールに遅れていること/スケジュールより早いこと、および/または新たなアクティビティが特定されたことが理由で変更される。
【0016】
一部の実装において、継続的配達プラットフォームは、解析コンポーネントを含む。例示の解析コンポーネントは、経路最適化、需要予想、最適化コントローラおよび増分学習を含むが、これに限定はされない。一部の例において、経路最適化は、運転手の位置、リアルタイムステータスおよび交通情報、収集ならびに配達に基づき経路を最適化および再最適化するために使用される。一部の例において、需要予想は、所在およびタイムフレームごとに予期される収集および配達を予想するために使用される。一部の例において、最適化コントローラは、過去およびリアルタイムの要因に基づいて、いつ経路最適化および再最適化を開始するかを決定するために使用される。一部の例において、増分学習は、需要予想および最適化コントローラが、予期されたイベントと実現したイベントとの間の差から学習するのを支援するために使用される。
【0017】
図1は、本開示の実装に従った例示の概念アーキテクチャ100を示す。図1の例示の概念アーキテクチャ100は、外部ソフトウェアレイヤ、入力レイヤ、モジュールレイヤ、出力レイヤおよび外部ソフトウェアレイヤを含む。外部ソフトウェアレイヤは、中核物流および追跡ソフトウェア102ならびに地図サービス/ナビゲーションソフトウェア104を含む。入力レイヤは、過去のデータ120、カットオフデータ122ならびに物流および追跡データ124を含む。モジュールレイヤは、予想モジュール106、最適化コントローラモジュール108、経路最適化モジュール110および増分学習モジュール112を含む。出力レイヤは、予想データ126、最適化データ128、更新された経路決定データ130およびフィードバックデータ132を含む。外部ソフトウェアレイヤは、ミドルウェア114を含む。
【0018】
本願明細書に記載される解析およびMLコンポーネントをサポートするために、いくつかのソフトウェアコンポーネントが組み込まれる。ソフトウェアコンポーネントは、外部エントリポイント、記憶、ならびに内部通信およびサービス統合を処理することを担当する。
【0019】
図2は、本開示の実装に従った例示のモジュールアーキテクチャ200を示す。図2の例示のモジュールアーキテクチャ200は、プレゼンテーションレイヤ、ミドルウェアレイヤおよびデータレイヤを含む。プレゼンテーションレイヤは、モバイルアプリケーション202、需要パブリッシャアプリケーション204ならびに管理、視覚化および追跡アプリケーション206を含む。プレゼンテーションレイヤは、地図、案内および交通アプリケーション208などの外部ソフトウェアも含む。一部の例において、外部ソフトウェアは、最適な入力をシステムに提供するクラウドサービスを表現する。
【0020】
一部の実装において、データを送り込み、視覚化のための情報を読み出し、さらに/またはシステムを管理および設定するためにプラットフォームと一体化するアプリケーションのための入力/出力エントリポイントを、プレゼンテーションレイヤがグループ化する。一部の例において、モバイルアプリケーション202は、(例えば配達運転手の)モバイルコンピューティングデバイス上で実行される。一部の例において、モバイルコンピューティングデバイスは、GPS位置機能を含む。一部の例において、モバイルアプリケーション202は、(例えば公に公開されたAPIを介して)プラットフォームに位置ブレッドクラムを送信すること、(例えば公に公開されたAPIを介して)経路順序を受信すること、および経路を適切に視覚化すること、荷物ラベルをスキャンすること、ナビゲーション(例えばプラットフォームから受信される経路順序によるターンバイターン)、および(例えばAPIを介して)ステータスを送信することを含むがこれに限定はされない、例示の機能性を提供する。例示のステータスは、荷物収集済み、荷物持ち込み済み、荷物無事に配達済み、配達失敗、荷物返却済みを含むが、これに限定はされない。
【0021】
一部の例において、需要パブリッシャアプリケーション204は、(例えばAPIを介して)配達リクエストを発行する配達企業(または小売商人)アプリケーションとして提供可能である。一部の例において、配達情報は、集荷住所、配達住所、集荷の時間ウィンドウ、配達の時間ウィンドウ、サービスレベル契約(SLA)、荷物重量および荷物寸法を含むことができるが、これに限定はされない。
【0022】
一部の例において、管理、視覚化および追跡アプリケーション206は、発送マネージャおよび管理者が有効化された機能性に従いAPIを介してプラットフォームと相互作用するためのアプリケーションである。例示の機能性は、運転手の位置判断、荷物の追跡、配達ステータスの判断、運転手に対する経路計画の割り当て、記録および監視を含むが、これに限定はされない。
【0023】
ミドルウェアレイヤは、1つ以上のパブリックAPI210、位置マネージャ212、イベントマネージャ214、需要入力マネージャ216、メッセージブローカ218、通知マネージャ220、経路計画マネージャ222、イベントプロセッサ224、容量プロセッサ226、経路追跡マネージャ228および人工知能(AI)、解析モジュール230を含む。示されている例において、AI/解析モジュール230は、経路最適化サブモジュール232、最適化コントローラ234および需要予想サブモジュール236を含む。
【0024】
一部の例において、位置マネージャ212は、位置ブレッドクラムを受信するためにAPI(単数または複数)を公開し、同時発生リクエストを管理し、APIを介して(例えばモバイルアプリケーション202から)受信された位置を処理および記憶する。一部の例において、イベントマネージャ214は、配達イベントおよびステータス変更を受信するためにAPI(単数または複数)を公開し、同時発生リクエストを管理し、API(単数または複数)を介して受信されたイベントを処理し、それを(例えばメッセージブローカ218内の)システムキューに入れる。一部の例において、需要入力マネージャ216は、配達リクエストを受信するためにAPI(単数または複数)を公開し、同時発生リクエストを管理し、API(単数または複数)を介して受信された情報に関して配達リクエストを処理し、それをデータベースに記憶し、出される配達リクエストすべてについてメッセージブローカ218にイベントを入れる。
【0025】
一部の例において、位置マネージャ212は、メッセージブローカ218から位置キューを読み取り、位置を処理して記憶する。一部の例において、イベントプロセッサ224は、メッセージブローカ218からイベントキューを読み取り、イベントを処理して記憶する。一部の例において、容量プロセッサ226はメッセージブローカ218からイベントキューを読み取り、イベントを処理し、容量を計算して、データベースを更新する。
【0026】
一部の例において、通知マネージャ220は、パブリッシャ−サブスクライバパラダイムにおける通知に対するサブスクリプションを管理する。つまり、1つ以上のコンポーネントが、通知を発行することができ、1つ以上のコンポーネントが、通知を受信するためにサブスクライブすることができる。一部の例において、通知マネージャ220は、メッセージブローカ218から通知メッセージを読み取り、通知をサブスクライブ済みのアプリケーションに送信し、通知確認イベントをメッセージブローカ218に入れる。
【0027】
一部の例において、経路追跡マネージャ228は、メッセージブローカ218から配達イベントおよび位置ブレッドクラムキューを読み取り、経路追跡情報を計算し、アプリケーションの経路追跡サブスクリプションを管理し、サブスクライブ済みのアプリケーションに経路追跡情報を送信して保存する。
【0028】
一部の例において、経路計画マネージャ222は、配達ステータススナップショットを生成する。一部の例において、これは、配達ステータスおよび配達形態(例えば資産、制約)を読み取ること、ならびにこれを単一のメッセージ項目に集約することを含むことができる。一部の例において、経路計画マネージャ222は、最適化コントローラ234から経路最適化およびシミュレーションリクエストを受信し、配達ステータススナップショットを入力として使用して(例えば経路最適化サブモジュール232による)経路最適化を要求する。一部の例において、経路計画マネージャ222は、経路最適化サブモジュール232の出力を処理し、データレイヤに経路計画情報を記憶し、経路計画を通知マネージャ220に送信する。
【0029】
一部の例において、経路最適化サブモジュール232は、周期的な(例えば毎日の)需要および現在満たされていない以前のスケジュールの需要についての情報を受信する。一部の例において、最適化コントローラ234は、経路計画マネージャ222を呼び出して、最適なスケジュールに基づく経路最適化をトリガする。一部の例において、需要予想サブモジュール236は、過去のデータに基づく需要予想を提供する。
【0030】
データレイヤは、位置データデータベース240、イベントデータデータベース242および継続的配達データベース244を含む。一部の例において、位置データデータベース240は、モバイルアプリケーション202により送信された位置ブレッドクラムを記憶する。一部の例において、イベントデータデータベース242は、外部および内部で生成された配達イベントを記憶する。一部の例において、継続的配達データベース244は、配達形態、経路計画、最適化コントローラデータ、需要情報(例えば現実、予想)、容量情報および経路追跡情報を記憶する。
【0031】
一部の例において、外部ソフトウェア(外部サービスとも呼ばれる)は、経路最適化に送り込まれるデータを提供する。例示の外部サービスは、地図および距離情報、交通情報、天候情報およびビジネスルールを含むが、これに限定はされない。
【0032】
本開示の実装は、それぞれ図1および図2の例示のアーキテクチャ100、200を参照して、本願明細書にさらに詳細に記載される。
【0033】
上記で導入されたように、本開示の実装は、配達輸送機関の経路最適化を提供する。例示の輸送機関は、自動車、トラック、オートバイ、スクータ、自転車、飛行機、電車、船および同様のものを含むことができるが、これに限定はされない。輸送機関は、(例えば徒歩で資産を運ぶ)人も含むことができる。一部の例において、従来の経路最適化技術は、一連の静的ノード間の、特に静的な起点ノードと静的な目的地ノードとの間の、最も効率的な経路を発見することに焦点を合わせる。典型的な経路最適化ソフトウェアは、経路が開始されるのに先立って一度実行される。
【0034】
本開示の継続的配達モデルに従って、経路は一日の間中、動的且つ継続的に再最適化される。その結果として、本開示の実装は、高スループットの経路最適化を提供する。特に、本開示の継続的配達プラットフォームは、柔軟なエコシステムを作り出すことをサポートするために複雑なインフラストラクチャを組み込み、動的な起点および動的な目的地のペアを可能にする。一部の例において、経路最適化は、或る期間(例えば一日)の間中、継続的に実行され、(例えば最適化コントローラ234内での)高度な解析により推進される。
【0035】
これを達成するために、継続的配達プラットフォームは、最適化コントローラ234によりトリガされる一日の間の経路の再最適化、動的な集荷位置、予測される起点および目的地の位置(最適化における架空ノード)、ホットスワップまたはコールドスワップのためのクロスドックの位置、ならびに配達エコシステム内の利用可能な容量を理解するためのトラック容量管理を含む。
【0036】
一部の実装において、経路最適化は、サービス需要を満たす最も最善の手段を判断する。最適化は、1つ以上のパラメータを最適化することを含むことができる。例示のパラメータは、費用、交通および速度を含むことができるが、これに限定はされない。これは、同じ輸送機関を使用した、またはクロスドックと呼ぶことができる輸送機関間での小包の調整された引き渡しを使用した、収集および配達を含むことができる。クロスドックとは、概して、例えば配達関係者、ネットワーク、作業要員および/または部隊の間の協力を指す。一部の例において、再最適化は、クロスドックを活用して、経路最適化制約モデルの中にクロスドックの位置(例えば安全、安全でない)を追加する。クロスドックの位置は、2つ以上のリソースにより収集および配達が行われること、および大量のものがネットワーク間を移動することを可能にする。一部の例において、クロスドックは、小包のスワップを行うことができる定義済みの位置である。これは、ホットスワップ(例えば、同じ位置および時間において直接、配達車両が合流して、小包を直接引き渡す)を含むことができる。これは、コールドスワップ(例えば、配達車両が小包を安全な位置(ロッカー、郵便局)に置き、それを後の時点で別の配達車両が来て収集する)も含むことができる。
【0037】
一部の実装において、需要予想サブモジュール236は、継続的配達プラットフォームに関する複数の主要機能を有する。例示の主要機能は、リソース計画、トリガ最適化および配達/集荷位置予測を含むが、これに限定はされない。例として、需要予想サブモジュール236は、複数の時間的視野にわたる種々の位置での需要量を予想することにより、作業量および輸送機関容量のリソース計画を実行する。一部の例において、需要予想サブモジュール236は、位置/エリア間の関係をモデル化する。別の例として、需要予想サブモジュール236は、予期される需要および観測される需要に基づく最適化のトリガを促進するために、最適化コントローラに入力を提供する。別の例として、需要予想サブモジュール236は、動的な経路最適化を改善するために、過去のデータおよびライブデータに基づき、見込まれる集荷および配達の時間および位置を予測する。
【0038】
一部の実装において、需要予想サブモジュール236は、空間的位置および特定の時点での予測される集荷および配達イベントを生成する。一部の例において、需要予想サブモジュール236は、(継続的に更新される)過去のデータを使用して、いつどこで集荷および配達の発生が見込まれるかの予測を生成する。一部の例において、需要予想サブモジュール236は、所与の位置および時点でのイベントの見込みならびに当該位置および時間に予測される量を含む出力をモデル化する。
【0039】
リソース計画に関して、予測が配達マネージャにより使用されて、種々の時点および区域で多いまたは少ない集荷/配達量が見込まれる期間が予想される。これらは、作業要員およびネットワークの要件ならびに利用可能な作業要員およびリソース(例えば輸送機関)の配置を決定するために、計画プロセスへの入力として使用される。これらはさらに、予想される供給および需要の変化に価格が応答するのに伴い、動的な価格決定に取り込むよう使用できる。さらに、予想出力は、本願明細書にさらに詳細に記載される運送業者パフォーマンス解析(CPA:carrier performance analytics)のための情報を与えるために、種々の時間および位置で見込まれるトラック容量をモデル化するために使用できる。
【0040】
一部の実装において、経路最適化サブモジュール232の新たな実行をいつトリガするかに関する決定のための情報を与えるために、予測が最適化コントローラ234への入力として使用される。例として、需要の突然の変化の予測は、最適化実行を延期する、計画よりも早く最適化を実行する、または直ちに実行をトリガするなどの決定のための情報を与えるかもしれない。
【0041】
粒度のより細かいレベルでは、経路の位置順序および集荷/配達スケジュールに対する変更により良く適応できる経路を生成するために、モデル予測が最適化に入力される。一部の例において、これは、輸送機関が経路を進む間にイベントを含むと見込まれるエリアを含めることにより達成される。モデルにより予想されるイベントは、最適化における様々なレベルの優先度で、現実の集荷/配達リクエストとともに最適化に入力として提供される。
【0042】
一部の実装において、需要予想サブモジュール236は、集荷/配達の正確な時間、ならびに集荷住所および配達住所の経度および緯度座標を含む、個々の荷物の集荷および配達の記録を受信する。需要予想サブモジュール236は、例として空間および時間など、複数の次元にわたってこのデータを集約する。手元のデータセットの最適な集約を発見するために、種々の集約が実行される。生データは、対象のエリアの関連性のある特徴を考慮に入れて処理され、これは、より細かい尺度またはより低い分解能で表現されることによりモデル化を支援することができるであろう。
【0043】
一部の例において、需要予想データが(例えば継続的配達データベース244から)1つ以上の教師ありアルゴリズムに送り込まれ、このアルゴリズムは、特定の位置および時間の集荷/配達イベントの見込みならびに当該位置および時間での予測される量の両方を生成する。継続的配達プラットフォームは、深層学習および統計ベースのモデルを含むがこれに限定はされない、複数の予測モデルを組み込む。これらは、個別に、または集合として組み合わせて使用できる。アルゴリズム選択器が、いくつかのモデルの間の選択、または開発データセットに対する比較パフォーマンスに基づくモデルの自動選択を可能にする。一部の例において、モデルは、時間的および空間的両方のパターンを学習し、外部特徴(例えば祭日、小売商人の売上高、人口統計情報、天候)を考慮する。
【0044】
一部の実装において、1つ以上の閾値がイベント予測に適用され、その結果、一定のカットオフポイントを上回る集中度が非常に高く見込まれるとみなされて最適化スケジュールに入力される。これらは、最適化アルゴリズムにおいて低優先度の注文として扱われる。このようにして、最適化アルゴリズムは、所定の時点に予測されるエリアを通過するが実際の注文へのサービス提供を犠牲にしない経路を計画する。予測された集荷/配達が本当に事実となった場合、配達人(例えば運転手)が割り当てられた経路に受ける妨害は最小限となる。このようにして、移動される距離が最小化され、より多くの注文の履行が可能になる。注文が発生しなければ、運転手は直接、実現している次の集荷/配達リクエストに進む。
【0045】
図3Aおよび図3Bは、本開示の実装に従った例示の経路最適化を示す。図3Aおよび図3Bの例は、予想される集荷または配達イベントの最適化に対する例示の影響を示す。図3Aは、予想されるイベントを考慮に入れずに生成された経路300を示す。示されている例では、矩形が集荷を示し、円形が配達を示し、楕円形が予想されるイベントを示す。一部の例において、薄い陰影は、実現している予想されたイベントを示し、濃い陰影は、実現していない予想されたイベントを示す。
【0046】
図3Aは、予想されるイベントが考慮に入れられていない場合を表現する。経路300は、経路を進むときに新規注文を追加する容量がないような形で計画されている。その結果として、荷物は、新たな需要リクエストに適応するために経路の再決定が非効率的に行われることにより遅延するか、またはより費用の高いリソースによりサービス提供される。図3Bは、予想されるイベントが考慮に入れられた場合を表現する。示されている例では、エリアは、それぞれの需要により効率的にサービス提供できる、2つの経路302、304に分割されている。経路は、予想される需要にサービス提供できるような形で計画されているが、現実には予想されるイベントが実現するまで予想されるイベントに運転手が経路決定されないことが注目される。これは、運転手が誤った停車地に送られたり、または需要が発生するのを待ったりすることを防止する。
【0047】
一部の実装において、需要予想サブモジュール234は、実現した最新の需要データを用いて定期的に再訓練される。最も最近のデータは、需要の突然の変化に応答して予測を行うためにも使用できる。さらに、増分学習は、予想出力を調整して予測における任意の系統誤差を補正する方法を提供する。
【0048】
一部の実装において、最適化コントローラ234は、継続的配達プラットフォームの主要解析コンポーネントである。最適化コントローラ234は、最大数の小包を配達し、同時に配達費用およびリソースを最小化するために、一日の間で経路最適化アルゴリズムをトリガする最良の時間を、最後の時間と併せて発見することを担当する。最適化コントローラ234は、時間効率が高いが、必要な場合にのみ運転手の経路を更新することにより運転手の混乱も最小限度に抑える。
【0049】
一部の実装において、最適化コントローラ234は、AIシステムとして提供され、AIシステムは、解析入力、ビジネス入力および手動入力を利用して、トリガについて次の最良の決定を行う。一部の例において、解析入力は、予想、トリガ時間、カットオフおよび適応学習を含む。一部の例において、予想は、期間(例えば一日)中の種々の時点について予想される需要を含む。予想される需要と現実の需要との間に重なり合いがある場合、事実となった需要および事実となっていない需要が考慮される。一部の例において、重複した記録は、最適化コントローラ234により考慮されない。一部の例において、ビジネス入力は、ヒューリスティックルールとして提供されるビジネスルールを含む。例としては、総計された運転手遅延が閾値より大きいこと、現在の輸送機関の容量が閾値未満であること、交通条件が閾値を上回ること、および天候条件が閾値を上回ることを挙げることができるが、これに限定はされない。一部の例において、手動入力は、手動のルールを含むことができる。例として、専門家システムが、一日の間の特定の時間に経路最適化アルゴリズムをトリガする決定を行う。
【0050】
一部の実装において、最適化コントローラ234は、オンラインおよびオフライン解析タスクを含む。一部の例において、オンラインタスクは、小包配達の日常運用ワークフローを担当し、オフラインタスクは、最適化コントローラの意思決定プロセスをサポートする解析入力を提供することを担当する。
【0051】
図4は、本開示の実装に従った例示のオンライン解析タスクおよび例示のオフライン解析タスクを示す。一部の例において、適応スケジューラ402が提供され、より具体的には、図2の最適化コントローラ234が、利用可能な過去の情報および選択された時間ウィンドウ(例えば3ヵ月の過去の需要および費用)に基づき最適な基準「トリガ時間」およびカットオフ閾値を生成する。一部の例において、日々の需要が過去の需要と大きく異なる場合、適応スケジューラ402は、基準トリガ時間のほかに決定を行う。当該事例において、カットオフ閾値は、次の最良のスケジュールが選択されるまでの、更新された最適なスケジュールを示す。
【0052】
一部の例において、トリガモジュール404は、経路計画マネージャ222に対するAPIコールを提供し、経路計画マネージャ222は、図2の経路最適化サブモジュール232に対するAPIコールを提供する。このタスクにおいて、経路計画マネージャ222は、データベースモデルから入力を準備し、それらを、経路最適化をトリガするのに適切な形式に変換する。例示の入力は、小包の需要、集荷および配達位置、予測の予想および部隊情報を含むが、これに限定はされない。一部の例において、最適化コントローラ234は、全体的配置を更新せずに、部隊の一部のみに影響するように経路最適化をトリガすることもできる。一部の例において、最適化コントローラ234が一日の間の特定の時点にトリガをスケジュールし、特定の区域周辺で集荷および配達地点が非常に密集している場合、最適化コントローラ234は、この区域に関してのみ部隊のスケジュールを更新する。
【0053】
一部の例において、経路最適化406は、最適化コントローラ234が発したトリガに応答して更新された経路を受信、提供する。一部の例において、更新された経路は、スケジュール補正408に提供される。経路最適化は、実行および新たなスケジュールの提供に十分な時間を必要とするので、(経路最適化入力または経路のサブセットに存在する)輸送機関が更新された新たなスケジュールに従うために期待される位置にあるかどうかを確認するプロセスが用いられる。一部の例において、スケジュール補正408は、新たな経路と併せて経路の最新スケジュールをマージし、輸送機関の位置を推定するために物流追跡システム(例えばGPS位置、配達ステータス追跡)を使用する。一部の例において、スケジュール補正408は、(トリガ時間およびカットオフ閾値を所与として)経路最適化406が、要求される需要すべてに対して経路スケジュールを生成できない場合に、アラートを送信する。この事例では、例として、余剰部隊を用いることができる。
【0054】
一部の例において、シナリオ評価器410は、提案される経路最適化のトリガが基準ソリューションよりも優れているかどうかをリアルタイムで評価する。これは、適応学習を参照して本願明細書においてさらに詳細に記載される。
【0055】
一部の実装において、シミュレータ412は、(予め定義された過去の時間ウィンドウにより境界が定められる)過去のデータを入力として使用して、パラメータ(例えばトリガ時間、カットオフ閾値)の所与の値により最適化コントローラのアクティビティを模倣する。シミュレータ412の主な出力は、所与のパラメータ値に関連する目的関数の値である(例えば配達される小包の数ごとの累積費用)。一部の例において、シミュレーション中の時間ウィンドウの大きさが相当に大きい場合(例えば数ヶ月)、シミュレーションの費用の正確な評価は実行不可能となり、代わりの手法を使用する必要性が生じる。これに照らして、基準費用学習器414は、一日レベルでの小包ごとの平均費用を、その日の集約された需要に基づき予測する。一部の例において、基準費用学習器414は、最適化コントローラパラメータの所与の組み合わせについて、予測変数の任意の組み合わせに対する小包ごとの対応する平均費用を予測するために、一日レベルの一連のシミュレーションに対して訓練される。例示の特徴は、費用分布の季節変動を捕捉する特定時点の変数(ピーク/非ピーク期間を含む)、ならびに需要の分布および費用分布を捕捉する変数を含むが、これに限定はされない。このようにして、実行されるシミュレーションを、より広い範囲の変数値の予測を取得し、よって、所与の時間ウィンドウについてシミュレーションされる費用の推定を提供するための、訓練セットとして使用できる。
【0056】
一部の実装において、頻度生成器416が提供され、最適な最適化コントローラパラメータを判断する。最適化コントローラパラメータは、再最適化トリガ時間およびカットオフ閾値を含む。最適なパラメータを判断することにより、目的関数(例えば所与の時間ウィンドウで配達される荷物の平均数ごとの累積費用)の極小値が与えられる。各パラメータ値について、頻度生成器416は、予め定義されたいくつかの点(例えば、目的の領域にわたり均一に散布している)で目的を評価することにより初期化される。
【0057】
これに続いて、経路最適化406(オフライン)が実行され、これは、各反復において、評価される一組のパラメータ値を提案する。一部の例において、一組のパラメータ値は、最適化コントローラパラメータの現在の値および目的関数の対応する値に基づく。一部の例において、目的関数の各評価は、基準費用学習器414からの予測を用いて強化された一連のシミュレーションに由来する。最適なパラメータ値は、対応するスケジュールを構築するスケジューラ402に渡される。一部の例において、経路最適化の再トリガは、均一な間隔で一日の開始からカットオフ閾値時間まで発生し、間隔の大きさは、トリガ時間により決定される。
【0058】
一部の実装において、適応学習器418が提供され、予め定義されたトリガ時間を用いて経路最適化を再トリガするのではなく、最適化コントローラ234のライブパフォーマンスに基づき再トリガ戦略を調整する。例として、所与の期間(例えば一日)の間、経路最適化をトリガした後、需要予想サブモジュール236からの出力が適応学習器418に渡され、一連のシミュレーションが次の最適化実行のための最良の時間を得るために実行される。最適なスケジュールを発見するために、次の最適化実行までの時間が、トリガ時間/カットオフ生成器(頻度生成器416)において使用されるものと類似したモデルのパラメータとして使用されてもよい。再最適化時間の各オプションは、それに関連する小包ごとの累積費用を有し、これが、最小化されるべき目的を表現する。
【0059】
一部の実装において、継続的配達プラットフォームは、時間および空間における様々な入力を含む。一部の実装において、これらの入力に対して増分学習が用いられ、トリガ時間およびカットオフが最も代表的な/更新された入力データの分布に基づき定義されることが確実にされる。一部の例において、基準費用学習器414および適応学習器418は、過去の情報に基づき更新される。一部の例において、過去の情報は、シミュレーションから、さらに/または同日配達ソリューションの日々の動作から生成される。更新は、スケジュールモジュールを使用して定期的に実施でき、または、現実の費用対予測される費用の間の誤差が(例えば閾値速度で)増大している場合に更新が実行される自己学習モジュールを使用して実施できる。
【0060】
一部の例において、増分学習は、予想モジュールおよび予想出力に対して複数の形で発生する。第1の例において、モデルは、新たなデータ点が実現されるのに伴い更新可能である。第1の例において、モデルは、利用可能な最新のデータセットに対して再訓練することにより更新される。モデルに応じて、これは、完全なデータセットに対して再訓練すること、または最新のデータ点のみを使用してモデルを順次更新することを伴う。第2の例において、モデルの出力が、予測されたイベントおよび量と、実現した量との一定の差異を考慮するために調整される。第2の例において、調整手法が、モデル予測と実現した結果との間の一貫した差異を考慮するために使用される。調整は、発生するイベントに応じて種々のレベルの調整を適用するために、天候、一週間/一年のうちの時期、祝日などの外部特徴を組み込むことができる点で動的である。このようにして、継続的配達プラットフォームは、需要または状況の現実の変化に応答する。
【0061】
一部の実装において、解析モジュールからのフィードバックおよび獲得されたデータをシステムのユーザに提供する洞察スタジオを提供できる。このようにして、洞察スタジオは、洞察を明らかにして、データに基づく意思決定のための情報を与えることができる。一部の例において、洞察スタジオは、データ要約を提供して、例として、高需要のエリア、遅延の影響をより受けやすいエリア、運送業者のパフォーマンスおよび同様のものなどを明らかにすることができる。一部の例において、洞察スタジオは、精度の予想、シミュレーションされた出力に対する最適化コントローラ出力、または最適化の出力と実現した結果との差異など、解析コンポーネントのパフォーマンスへの洞察をもたらすことができる。より一般的に、洞察スタジオは、継続的配達プラットフォームがより実用的且つ効果的である区域についての洞察を与えることができ、さらに、注文の受け付けのための情報を与えるビジネスルールを特定し作成するために、異なるサービスレベル提供およびサービスレベル合意についての洞察を与えることができる。
【0062】
一部の実装において、CPAツールが、1つ以上の運送業者のパフォーマンスを分析するために提供される。一部の例において、CPAツールは、個別に、および集合的に、運送業者のパフォーマンスを測定するための、いくつかの中核機能を含む。このようにして、CPAツールは、情報に基づく意思決定と、後からのレポートのための情報の管理とを可能にする。一部の例において、CPAツールは、容量追跡機能性を含み、これは、個々の運送業者および部隊の利用可能な容量を全体として監視および管理することを含むことができる。これは、より優れた供給予想および改善された容量最大化を可能にする。一部の例において、CPAツールは、ビジネス実行可能性制御機能性を含み、これは、解析を用いて、各小包の個々の価格を計算し、利益になるかまたは利益にならないかの注文の特質を特定する。このようにして、将来の注文を、SLA/費用要件を満たす形で行うことができる。この知識を最適化およびスケジューリングのための情報を与えるために応用すると、効率性および費用効果の高い配達を改善することができる。これは、小売商人に対して動的な価格決定をもたらすことも可能にする。
【0063】
動的な価格決定に関して、本開示の実装は、所与の荷物の過去の費用および予測される費用と、現在の配達エコシステムの知識とを組み合わせる解析モジュールを提供し、効率性および荷物の混載の機会がどこに存在するかを理解する。これを、顧客に対する動的な価格決定(例えば、配達輸送機関が一日の間に最終顧客の位置の近くにくることが見込まれる場合などの、最終顧客に対する配達宣伝)の形態で小売商人に提供することができる。
【0064】
一部の実装において、小売商人価格決定および混載APIが提供される。一部の例において、このAPIは、小売商人によって、動的な価格決定の情報にアクセスして、これをその顧客に配達宣伝として提供するために使用できる。一部の例において、このAPIは、需要密度を高めるために運送業者間での配達物の混載に関する推奨を提供して、さらなる効率化による節約を推進するために使用できる。
【0065】
図5は、本開示の実装において実行可能な例示のプロセス500を示す。一部の例において、例示のプロセス500は、1つ以上のコンピューティングデバイスにより実行される1つ以上のコンピュータ実行可能プログラムを使用して提供される。
【0066】
需要予想が或る期間について判断される(502)。例として、本願明細書に記載されているように、需要予想サブモジュール236が、予測される需要データを判断するために、前の期間に関する過去のデータおよび現在の期間に関する配達情報を受信する。一部の例において、期間は一日である。一部の例において、過去のデータは、現在の期間より前の1つ以上の期間に実行された配達を含む。一部の例において、現在の期間の配達情報は、既に受信された配達リクエスト、集荷時間、配達時間、集荷位置、配達位置および同様のものを含む。一部の例において、予測される需要は、予期される収集および配達の位置、予期される収集および配達の時間および量(例えば配達される資産の数)を含む。一組の経路が経路最適化に基づき計算される(504)。例として、本願明細書に記載されているように、最適化コントローラ234が、予測される需要データに基づき最適化された一組の経路を決定するように経路最適化サブモジュール232をトリガする。一部の例において、最適化された一組の経路は、動的ノード間の経路、ならびにまだ経路に含められていないが後の経路に含められることが予期される追加のノードを含む。一組の経路が送出される(506)。例として、一組の経路の中の経路が、配達人員(例えば宅配業者、運転手)に伝達される。一部の例において、配達人員の個々のコンピューティングデバイス上で実行されているモバイルアプリケーション202に経路が送信される。一部の例において、一組の経路の送出による需要予想が、期間の開始より前の準備段階で実行される。
【0067】
期間中にリアルタイム情報が受信される(508)。例として、本願明細書に記載されているように、データは、生成されるときにリアルタイムで提供可能である。例示のデータは、配達輸送機関の位置データ(例えば配達人員により携帯されるコンピューティングデバイスからのGPSデータ)、車両データ(例えば速度、方向)、配達データ(例えば集荷/持ち込みステータス)および新たな配達データ(例えば集荷/持ち込みを要求する、期間中の新たな発注)を含むことができるが、これに限定はされない。一部の例において、データは、以前の最適化データ(例えば、経路最適化の以前の1つ以上の反復に使用されたパラメータがある場合)も含むことができる。一部の例において、最適化コントローラ234がデータを受信する。一部の例において、予想データも受信される。例として、最適化コントローラ234は、予想需要サブモジュール236から予想データを受信する。
【0068】
トリガ時間およびカットオフのうちの1つ以上が決定される(510)。例として、本願明細書に記載されているように、図4の頻度生成器416が、リアルタイムデータおよび予想データに基づき最適な最適化コントローラパラメータを判断し、最適化コントローラパラメータは、トリガ時間およびカットオフ閾値を含む。さらに本願明細書に記載されるように、入力に対して増分学習が用いられ、トリガ時間およびカットオフが最も代表的な/更新されたデータの分布に基づき決定されることが確実にされる。
【0069】
カットオフに達しているかどうかが判断される(512)。例として、現在の時間がカットオフ以降であるかどうかを判断できる。一部の例において、現在の時間がカットオフ以降であれば、カットオフに達していると判断される。その結果として、残りの期間の配達は現在の経路を使用して実行される。つまり、現在の期間についてさらなる経路最適化は実行されない。カットオフに達していなければ、トリガ時間に達しているかどうかが判断される(516)。例として、現在の時間が、以前の経路最適化以後のトリガ時間以降であるかどうかが判断される。トリガ時間に達していなければ、例示のプロセス500は、折り返して、再び、現在の経路に基づく配達作業の監視を継続する。トリガ時間に達していれば、修正された一組の経路を決定するために経路再最適化が実行される。一部の例において、修正された一組の経路は、変更された1つ以上の経路および/または新たな1つ以上の経路を含む。一部の例において、修正された一組の経路は、一組の経路に含まれる少なくとも1つの経路を含む。例示のプロセス500は、折り返して、再び、修正された一組の経路の中の経路を送出する。
【0070】
本明細書に記載された実装およびすべての機能動作は、デジタル電子回路構成において、または本明細書で開示された構造およびその構造上の等価物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェアもしくはハードウェアにおいて、またはそれらのうちの1つ以上の組み合わせにおいて実現され得る。実装は、1つ以上のコンピュータプログラム製品として、すなわちデータ処理装置により実行されまたはデータ処理装置の動作を制御するようコンピュータ可読媒体上にエンコードされたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実現されてもよい。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号をもたらす物質の構成またはそれらのうちの1つ以上の組み合わせとされてもよい。「コンピューティングシステム」という用語は、データを処理するすべての装置、デバイスおよび機械を含み、例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータまたは複数のプロセッサもしくはコンピュータを含む。装置は、ハードウェアに加えて、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステムまたはそれらのうちの1つ以上の組み合わせなどを構成する、対象のコンピュータプログラム(例えばコード)の実行環境を作り出すコードを含んでもよい。伝播信号とは、適切な受信機装置に送信される情報をエンコードするために生成される人工的に生成された信号(例えば機械生成された電気信号、光信号または電磁信号)である。
【0071】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプトまたはコードとしても知られる)は、コンパイル型またはインタープリタ型言語を含む任意の適切な形態のプログラミング言語で書かれてもよく、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチンもしくはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしてを含め、任意の適切な形態で展開されてもよい。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応するとは限らない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語ドキュメントに記憶される1つ以上のスクリプト)、対象のプログラム専用の単一ファイルまたは複数の連携ファイル(例えば1つ以上のモジュール、サブプログラムまたはコードの一部を記憶する複数ファイル)に記憶されてもよい。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または1つの場所に位置するかもしくは複数の場所に分散し通信ネットワークにより相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるよう展開されてもよい。
【0072】
本明細書に記載されたプロセスおよび論理フローは、入力データに作用し出力を生成することにより機能を実行する1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラマブルプロセッサにより実行されてもよい。プロセスおよび論理フローは、専用論理回路構成(例えばFPGA(field programmable gate array:フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(application specific integrated circuit:特定用途向け集積回路))によっても実行でき、装置は該専用論理回路構成としても実装できる。
【0073】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用および専用両方のマイクロプロセッサならびに任意の適切な種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリもしくはランダムアクセスメモリまたは両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの構成要素は、命令を実行するプロセッサならびに命令およびデータを記憶する1つ以上のメモリデバイスを含むことができる。一般に、コンピュータはさらに、データを記憶する1つ以上の大容量記憶デバイス(例えば磁気、光磁気ディスクもしくは光ディスク)を含むか、またはそれからデータを受信するよう、もしくはそれにデータを転送するよう動作可能に結合されるか、またはその両方である。なお、コンピュータはそのようなデバイスを有する必要はない。さらに、コンピュータは、別のデバイス(例えばモバイル電話、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、モバイルオーディオプレーヤ、衛星航法システム(GPS:Global Positioning System)受信機)に組み込まれてもよい。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は、あらゆる形態の不揮発性メモリ、媒体およびメモリデバイスを含み、例として、半導体メモリデバイス(例えばEPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリデバイス)、磁気ディスク(例えば内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク)、光磁気ディスクならびにCD ROMおよびDVD−ROMディスクなどを含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路構成により補完されてもよく、またはそれに組み込まれてもよい。
【0074】
ユーザとの相互作用を提供するために、情報をユーザに表示するディスプレイデバイス(例えばCRT(cathode ray tube:陰極線管)、LCD(liquid crystal display:液晶ディスプレイ)、LED(light−emitting diode:発光ダイオード)モニタならびにユーザがコンピュータに入力を提供できるキーボードおよびポインティングデバイス(例えばマウスまたはトラックボール)を有するコンピュータ上で、実装が実現されてもよい。他の種類のデバイスが、同じくユーザとの相互作用を提供するために使用されてもよい。例として、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の適切な形態の感覚フィードバック(例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバックまたは触覚フィードバック)であってもよく、ユーザからの入力は、音響、発話または触覚入力を含め、任意の適切な形態で受信されてもよい。
【0075】
実装は、バックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えばデータサーバとして)、またはミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えばアプリケーションサーバ)、またはフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えばユーザが実装と相互作用するのに用いることができるグラフィカルユーザインターフェースもしくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)またはそのようなバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネントもしくはフロントエンドコンポーネントのうちの1つ以上の任意の適切な組み合わせにおいて実現されてもよい。システムのコンポーネントは、任意の適切な形態または媒体のデジタルデータ通信(例えば通信ネットワーク)により相互接続されてもよい。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN(local area network)」)およびワイドエリアネットワーク(「WAN(wide area network)」)(例えばインターネット)を含む。
【0076】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含んでもよい。クライアントおよびサーバは、一般に、互いに遠隔にあり、典型的には通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントおよびサーバの関係は、個々のコンピュータ上で実行され相互にクライアント−サーバ関係を有するコンピュータプログラムにより生じる。
【0077】
本明細書は多数の詳述を含むが、これらは、本開示の範囲または特許請求の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ特定の実装に特有の特徴の記載として解釈されるべきである。別々の実装との関連で本明細書に記載されている特定の特徴は、単一の実装に組み合わせても実装可能である。逆に、単一の実装との関連で記載されている様々な特徴は、複数の実装において別々に、または任意の適切な一部組み合わせにおいて実装されることも可能である。さらに、各特徴は、特定の組み合わせで動作するよう上述されていることもあり、当初そのように請求されていることもあるが、一部の事例では、請求されている組み合わせの特徴1つ以上が、その組み合わせから削除されることが可能であり、請求されている組み合わせは、一部組み合わせまたは一部組み合わせの変形物を対象とし得る。
【0078】
同じく、各動作は図面内に特定の順序で示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、当該の動作が示されている特定の順序もしくは順番で実行されること、または示されているすべての動作が実行されることを要求するものと理解されてはならない。特定の状況では、マルチタスクおよび並列処理が有利なこともある。さらに、上述の実装における様々なシステムコンポーネントの分離は、すべての実装においてそのような分離を要求するものと理解されてはならず、当然のことながら、記載されているプログラムコンポーネントおよびシステムは、一般に、単一ソフトウェア製品に一体化されても、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されてもよい。
【0079】
いくつかの実装について記載した。しかし、当然のことながら、本開示の意図および範囲から逸脱することなく、様々な変更が加えられ得る。例として、ステップが並べ替え、追加または削除された、上記で示されたフローの様々な形態が使用されてもよい。よって、他の実装は、添付の特許請求の範囲に記載の範囲内にある。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5