(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
部品を収納する部品収納部が所定の間隔をおいて複数配列されたキャリアテープと、前記部品収納部を覆うように幅方向両端部が前記キャリアテープに接合されたカバーテープとを含む部品収納テープを用いて、前記部品を部品取出し位置に供給する部品供給装置であって、
前記部品収納テープを、前記カバーテープを上面側として前記部品取出し位置に向けて送出するテープ送出部と、
前記テープ送出部により送出される前記部品収納テープの下面における、テープ送出方向と直交するテープ幅方向両端部である下面両端部をそれぞれガイドする、前記テープ送出方向の最下流端が最上流端よりも下方側に位置する湾曲形状のスロープ部を有するガイド面を含む一対のガイド壁と、
前記一対のガイド壁の間に配置され、前記下面両端部が前記ガイド面の前記スロープ部にガイドされつつ走行する前記部品収納テープの前記カバーテープに当接することにより、前記カバーテープを前記キャリアテープに対して上方へ立ち上げる立ち上げ処理を行う立ち上げ部と、
前記立ち上げ部により立ち上げられた前記カバーテープの後処理を行う後処理部と、を備え、
前記立ち上げ部は、
前記カバーテープに対する当接の始点となる当接始点を有し、前記当接始点から前記キャリアテープに対する前記カバーテープの立ち上げを誘発させる立ち上げ誘発部と、
前記立ち上げ誘発部の前記テープ送出方向の下流端に連なり、前記部品収納テープの走行に伴って前記キャリアテープに対する前記カバーテープの立ち上げ量を連続的に増加させる立ち上げ量調整部と、を含み、
前記後処理部は、前記ガイド面の前記スロープ部に対して上方側に間隙を有して対向して配置され、前記立ち上げ部により立ち上げられた前記カバーテープを、上方への動きを規制しつつ、前記部品収納部が開放するように、前記部品収納テープにおける前記テープ幅方向の側端縁の外側へ広げる第1後処理を行う上方規制部を含み、
前記ガイド面と前記上方規制部との間の間隙は、前記テープ送出方向上流から下流に向かって狭くなるように設定されている、部品供給装置。
前記ガイド面の前記スロープ部は、前記第2湾曲領域の前記テープ送出方向下流側に連なり、上に凸に湾曲した第3湾曲領域であって、前記テープ送出方向の最下流端が、前記第1湾曲領域の前記テープ送出方向の最上流端よりも下方側に位置し、且つ前記部品取出し位置と上下方向に同一の高さ位置となる第3湾曲領域を、更に含み、
前記一対の立ち上げ調整片は、前記テープ送出方向において、前記スロープ部の前記第2湾曲領域と前記第3湾曲領域とにわたって延び、
前記後処理部の前記上方規制部は、
前記スロープ部の前記第2湾曲領域に対向し、前記テープ送出方向上流から下流に向かって下方側に傾斜して延びる第1上方規制領域と、
前記第1上方規制領域の前記テープ送出方向下流側に連なり、前記スロープ部の前記第3湾曲領域に対向し、前記テープ送出方向に沿って水平に延びる第2上方規制領域と、を有する、請求項3に記載の部品供給装置。
前記後処理部は、前記一対のガイド壁の幅方向外側から前記部品収納テープの側端面に対向するように、前記上方規制部の幅方向両端部の各々から下方に延設される側方規制部を、更に含み、
前記側方規制部は、前記上方規制部により前記テープ幅方向の外側へ広げられた前記カバーテープを、側方への動きを規制しつつ下方側へ屈曲させる第2後処理を行う、請求項4に記載の部品供給装置。
前記後処理部は、前記テープ送出方向において、前記側方規制部による前記カバーテープの下方側への屈曲の始点となる側方規制始点が、前記上方規制部における前記第2上方規制領域内に位置するように、構成される、請求項5に記載の部品供給装置。
前記部品収納テープは、その先端部において前記カバーテープが前記キャリアテープに対して上方に立ち上げられて折り曲げられた、三角形状を成すカバーテープの折り曲げ片が形成された状態で、前記テープ送出部による送出が開始され、
前記一対のガイド壁の間において、前記立ち上げ部の前記テープ送出方向上流側に配置され、前記テープ送出部により送出される前記部品収納テープにおける前記カバーテープと前記キャリアテープとの間に挿入される挿入部材を、更に備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の部品供給装置。
部品を収納する部品収納部が所定の間隔をおいて複数配列されたキャリアテープと、前記部品収納部を覆うように前記キャリアテープに貼付されたカバーテープとを含む部品収納テープを、前記カバーテープを上面側として送出することにより、部品を供給する部品供給方法であって、
前記部品収納テープの下面におけるテープ幅方向両端部である下面両端部をそれぞれ、テープ送出方向の最下流端が最上流端よりも下方側に位置する湾曲形状のスロープ部を有するガイド面によってガイドしつつ、当該部品収納テープを部品取出し位置に向けて送出するテープ送出工程と、
前記下面両端部が前記ガイド面の前記スロープ部にガイドされつつ送出される前記部品収納テープにおいて、前記キャリアテープに対する前記カバーテープの立ち上げ量が連続的に増加するように、立ち上げ部を用いて前記カバーテープを前記キャリアテープに対して上方へ立ち上げる立ち上げ処理を行う立ち上げ処理工程と、
前記ガイド面の前記スロープ部に対して上方側に間隙を有して対向して配置される上方規制部を含む後処理部が用いられ、前記立ち上げ部により立ち上げられた前記カバーテープを、前記上方規制部によって上方への動きを規制しつつ、前記部品収納部が開放するように、前記部品収納テープにおける前記テープ幅方向の側端縁の外側へ広げる後処理を行う後処理工程と、を含み、
前記ガイド面と前記上方規制部との間の間隙は、テープ送出方向上流から下流に向かって狭くなるように設定されている、部品供給方法。
前記複数の部品供給装置は、第1テープ幅の部品収納テープを用いて部品を供給する第1部品供給装置と、前記第1テープ幅よりも幅広の第2テープ幅の部品収納テープを用いて部品を供給する第2部品供給装置と、を含み、
前記第1部品供給装置及び前記第2部品供給装置の各々に備えられる前記立ち上げ部において、前記立ち上げ誘発部と前記立ち上げ量調整部との間の境界部分は、前記第1部品供給装置よりも前記第2部品供給装置が前記テープ送出方向の上流側に位置している、請求項9に記載の部品実装機。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係る部品供給装置及び部品実装機について図面に基づいて説明する。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。X軸方向は水平面と平行な方向であり、Y軸方向は水平面上でX軸方向と直交する方向であり、Z軸方向はX、Y両方向に直交する上下方向である。また、X軸方向の一方向側を「+X側」と称し、X軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「−X側」と称する。また、Y軸方向の一方向側を「+Y側」と称し、Y軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「−Y側」と称する。また、Z軸方向の一方向側である上側を「+Z側」と称し、Z軸方向の一方向側とは反対の他方向側である下側を「−Z側」と称する。
【0017】
[部品実装機の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る部品実装機10を上方から見た平面図である。部品実装機10は、基板E1に部品を搭載(実装)して電子回路基板(部品搭載基板)を生産する装置である。部品実装機10は、部品供給装置1がX軸方向に複数並んで配置される部品供給部10Aと、本体フレーム11と、移動フレーム12と、コンベア13と、ヘッドユニット14と、第1駆動機構15と、第2駆動機構16と、を備える。
【0018】
本体フレーム11は、部品実装機10を構成する各部が配置される構造体であり、Z軸方向から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア13は、X軸方向に延び、本体フレーム11に配置される。コンベア13は、基板E1をX軸方向に搬送する。基板E1は、コンベア13上を搬送されて、所定の作業位置(基板E1上に部品が搭載される部品搭載位置)に位置決めされるようになっている。
【0019】
移動フレーム12は、X軸方向に延び、本体フレーム11に、所定の移動方向(Y軸方向)に移動可能に支持される。この移動フレーム12にヘッドユニット14が搭載されている。ヘッドユニット14は、X軸方向に移動可能となるように、移動フレーム12に搭載される。すなわち、ヘッドユニット14は、移動フレーム12の移動に伴ってY軸方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム12に沿ってX軸方向に移動可能である。ヘッドユニット14は、部品供給装置1とコンベア13により搬送された基板E1の所定の作業位置とにわたって移動可能とされ、部品供給装置1により部品取出し位置に供給された部品を取出すとともに、その取出した部品を基板E1上に搭載(実装)する。
【0020】
ヘッドユニット14は、基板E1に搭載する部品を吸着して保持可能な保持具である吸着ノズルを備える。吸着ノズルは、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズルに負圧が供給されることで当該吸着ノズルによる部品の吸着保持(部品の取り出し)が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。なお、本実施形態では、吸着ノズル以外の保持具として、例えば部品を把持して保持するチャックなどであってもよい。
【0021】
第1駆動機構15は、本体フレーム11の+X側及び−X側の端部に配設される。第1駆動機構15は、移動フレーム12をY軸方向に移動させる機構である。第1駆動機構15は、例えば、駆動モーターと、Y軸方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、移動フレーム12に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第1駆動機構15は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、移動フレーム12をY軸方向に移動させる。
【0022】
第2駆動機構16は、移動フレーム12に配設される。第2駆動機構16は、ヘッドユニット14を移動フレーム12に沿ったX軸方向に移動させる機構である。第2駆動機構16は、第1駆動機構15と同様に、例えば、駆動モーターと、X軸方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、ヘッドユニット14に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第2駆動機構16は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、ヘッドユニット14をX軸方向に移動させる。
【0023】
[部品供給装置の構成]
図2は、部品実装機10に備えられる部品供給装置1を側方から見た図である。部品供給装置1は、部品が収納された部品収納テープ100をテープ送出方向H1に送出することにより、部品を部品取出し位置21に供給する部品供給方法を実行する装置である。部品供給装置1によって部品取出し位置21に供給された部品は、部品実装機10に備えられるヘッドユニット14により部品収納テープ100から取出され、その後、基板E1上に搭載される。
【0024】
部品供給装置1の構成を説明するに先立って、部品収納テープ100について
図3を参照して説明する。
図3は、部品供給装置1に用いられる部品収納テープ100の構成を示す図である。
図3(1)は、部品収納テープ100をテープ送出方向H1に沿って切断した状態の断面図である。
図3(2)は、部品収納テープ100の斜視図である。
【0025】
部品収納テープ100は、キャリアテープ101とカバーテープ102とを含み、部品供給装置1に装着される。キャリアテープ101は、部品E2を収納する部品収納部101aが所定の間隔をおいて複数配列されたテープである。また、キャリアテープ101には、その幅方向両端部にそれぞれ、後述するテープ送出部3における第1スプロケット311、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の歯部と嵌合する孔部101bが所定の間隔をおいて配列されている。なお、「部品収納テープ100の孔部101bが第1スプロケット311、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の歯部と嵌合する」とは、歯部が孔部101bに嵌り込み、第1スプロケット311、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の回転に連動した部品収納テープ100の送出が可能となった状態のことをいう。
【0026】
カバーテープ102は、部品収納部101aを覆うようにキャリアテープ101に貼付されたテープである。カバーテープ102は、その幅方向両端部がそれぞれキャリアテープ101に接合されることにより、当該キャリアテープ101に貼付されている。このため、部品収納テープ100において、キャリアテープ101の上面における幅方向両端部にはそれぞれ、カバーテープ102の接合による接合部103が、カバーテープ102の幅方向の端縁に沿って線状に形成されている。キャリアテープ101の幅方向において、接合部103は、孔部101bよりも内方側に設けられている。
【0027】
上記のような構成の部品収納テープ100では、キャリアテープ101の幅方向両端部にそれぞれ形成された接合部103間の長さK1は、カバーテープ102の幅方向の長さと略等しく形成される。また、部品収納テープ100の幅方向の長さK2(テープ幅)は、キャリアテープ101の幅方向の長さと同一となる。なお、部品収納テープ100は、例えば、そのテープ幅K2が32mm以上の幅広のテープである。
【0028】
なお、本実施形態では、
図4に示すように、部品供給装置1への装着に先立って、部品収納テープ100は、その先端部100Tにテープ先端処理が施されている。このテープ先端処理の概略について説明すると、以下の通りである。まず、カバーテープ102の先端縁102TS上の、テープ幅方向H2両端部間における所定位置(例えば中央位置)から、長手方向H3に沿ってカバーテープ102の先端部102Tを切断する。これにより、カバーテープ102の先端部102Tには、その切断線CLを挟んでテープ幅方向H2の両側に分断された一対の切断部が形成される。次に、一対の切断部の各々におけるカバーテープ102の先端縁102TSがキャリアテープ101から上方側に離れるように、当該一対の切断部の各々を上方に立ち上げて、一対の立ち上げ部を形成する。そして、一対の立ち上げ部の各々を、折り目FLを付けて折り曲げて、先端縁102TS、切断線CL及び折り目FLを三辺とする三角形状の一対の折り曲げ片102Fを形成する。
【0029】
このようなテープ先端処理により、カバーテープ102の先端部102Tは、キャリアテープ101に対して上方に立ち上げられて折り曲げられた、折り目FLを斜辺とする直角三角形状の一対の折り曲げ片102Fが形成された状態となる。なお、カバーテープ102の先端部102Tにおいて、一対の折り曲げ片102Fにおける折り目FLの後端側H1Bの端点FLBは、互いに同位置であり、テープ幅方向H2の中央に位置している。一方、一対の折り曲げ片102Fにおける折り目FLの先端側H1Tの端点FLTは、互いにテープ幅方向H2に離れた位置であり、テープ幅方向H2の中央から僅かに端部側寄りに位置している。一対の折り曲げ片102Fにおける折り目FLは、先端側H1Tの端点FLTから後端側H1Bの端点FLBに向かって、長手方向H3に対してテープ幅方向H2の内側に傾斜して直線状に延びる。また、一対の折り曲げ片102Fの各々における折り目FL同士の成す角θ1は、鋭角である。
【0030】
図2に示すように、部品供給装置1は、装置本体2と、テープ送出部3と、テープ走行路形成部4と、部品露出部6と、テープ走行ガイド部7と、蓋部材8と、テープ排出ガイド部9と、を備えている。装置本体2は、部品供給装置1を構成する各部を収容する筐体である。この装置本体2には、操作部22が付設されている。操作部22は、部品供給装置1を動作させるための指示がオペレーターによって入力される部分である。
【0031】
図5は、部品供給装置1に備えられるテープ送出部3の構成を概略的に示す図であり、テープ送出方向H1から見た図である。
図6は、部品供給装置1に備えられるテープ走行路形成部4の構成を示す斜視図である。
【0032】
テープ送出部3は、部品収納テープ100を、部品収納部101aの配列方向に沿った所定のテープ送出方向H1に、カバーテープ102を上面側として部品取出し位置21に向けて送出する、部品供給処理のテープ送出工程を実行する。テープ送出部3が部品取出し位置21に向けて部品収納テープ100を送出するときのテープ送出方向H1は、−Y側から+Y側に向かう方向である。テープ送出部3は、所定の時間間隔で部品収納部101aが1つずつ部品取出し位置21に到達するように、部品収納テープ100をテープ送出方向H1に間欠送りする。なお、テープ送出部3は、部品取出し位置21に向けてテープ送出方向H1に部品収納テープ100を送出するローディング動作と、テープ送出方向H1とは逆方向の、+Y側から−Y側に向かう方向に部品収納テープ100を送出するアンローディング動作とを、実行可能に構成されている。
【0033】
テープ走行路形成部4は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、部品取出し位置21に至る走行路を形成する。
図2及び
図6に示すように、テープ走行路形成部4は、一対のガイド壁41を含む。
【0034】
一対のガイド壁41は、装置本体2内において、X軸方向に所定の間隔をおいて互いに対向して配置され、Y軸方向に延びる一対の壁部である。テープ送出部3により送出される部品収納テープ100は、その下面におけるテープ幅方向H2(X軸方向)の両端部である下面両端部100UE(
図4参照)がそれぞれ、一対のガイド壁41の上端面であるガイド面5によってガイドされる。すなわち、一対のガイド壁41のガイド面5に沿って、部品収納テープ100の走行路が形成される。なお、一対のガイド壁41は、テープ送出部3における後述の第2テープ送出部32の一対の第2スプロケット321と、第3テープ送出部33の一対の第3スプロケット331とが配置される領域部分が、切り欠かれている。
【0035】
一対のガイド壁41における互いに対向する内面同士の距離K3は、部品収納テープ100における接合部103間の長さK1と略等しくなるように設定されている。また、一対のガイド壁41における外面同士の距離K4は、部品収納テープ100のテープ幅K2と略等しくなるように設定されている。
【0036】
部品収納テープ100の下面両端部100UEをガイドする、一対のガイド壁41のガイド面5は、
図6に示すように、第1ガイド面部51と、第2ガイド面部52と、第3ガイド面部53とを含む。ガイド面5における第1ガイド面部51は、湾曲形状のスロープ部を構成する。第1ガイド面部51は、テープ送出方向H1の最下流端が最上流端よりも下方側(−Z側)に位置する湾曲形状に形成される。第1ガイド面部51は、テープ送出方向H1の最上流側の第1湾曲領域511と、第1湾曲領域511のテープ送出方向H1下流側に連なる第2湾曲領域512と、第2湾曲領域512のテープ送出方向H1下流側に連なる第3湾曲領域513とを有する。
【0037】
第1ガイド面部51の第1湾曲領域511は、X軸方向から見て、上に凸に湾曲した湾曲形状に形成される。第1ガイド面部51の第2湾曲領域512は、X軸方向から見て、下に凸に湾曲した湾曲形状に形成される。第1ガイド面部51の第3湾曲領域513は、X軸方向から見て、上に凸に湾曲した湾曲形状に形成される。この第3湾曲領域513において、テープ送出方向H1の最下流端513Eは、第1湾曲領域511におけるテープ送出方向H1の最上流端511Eよりも下方側(−Z側)に位置し、且つ、部品取出し位置21と上下方向(Z軸方向)に同一の高さ位置となっている。
【0038】
ガイド面5における第2ガイド面部52は、第1ガイド面部51のテープ送出方向H1上流側に連なる。本実施形態では、第2ガイド面部52は、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって水平に延びるように形成されている。
【0039】
ガイド面5における第3ガイド面部53は、第1ガイド面部51のテープ送出方向H1下流側に連なり、部品取出し位置21に至る。本実施形態では、第3ガイド面部53は、水平領域531と傾斜領域532とを有する。水平領域531は、第1ガイド面部51の第3湾曲領域513の最下流端513Eに連なり、テープ送出方向H1に沿って水平に延びる領域部分である。第3ガイド面部53における水平領域531のテープ送出方向H1下流端は、テープ送出方向H1において部品取出し位置21と一致している。このように、第3ガイド面部53において水平な領域部分となる水平領域531に部品取出し位置21が位置するような構成とすることによって、当該部品取出し位置21での部品収納テープ100からの部品E2の取り出し精度が向上する。なお、傾斜領域532は、水平領域531のテープ送出方向H1下流側に連なり、先下がりに傾斜した領域部分である。
【0040】
図2及び
図5を参照して、テープ送出部3の構成を具体的に説明する。テープ送出部3は、第1テープ送出部31と、第2テープ送出部32と、第3テープ送出部33とを含む。
【0041】
第1テープ送出部31は、ガイド面5における第2ガイド面部52のテープ送出方向H1上流端に配置される。第1テープ送出部31は、先端が自由端とされた状態で部品収納テープ100を送出することにより、当該部品収納テープ100を、第2ガイド面部52及び第1ガイド面部51上に走行させる。第1テープ送出部31は、一対の第1スプロケット311と、一対の第1ウォームホイール312と、一対の第1ウォーム313と、第1サーボモーター314と、第1ベルト315と、第1張架ローラー316と、を含む。
【0042】
一対の第1スプロケット311は、X軸方向(テープ幅方向H2)に延びる軸心回りに回転可能に装置本体2に支持された、円板状のスプロケットである。一対の第1スプロケット311は、周方向に所定の間隔をおいて配列した複数の歯部311aを備える。一対の第1スプロケット311の歯部311aは、それぞれ、部品収納テープ100のキャリアテープ101のテープ幅方向H2両端部に形成された孔部101bと嵌合可能である。また、一対の第1スプロケット311には、一方の方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチが内蔵されている。
【0043】
一対の第1ウォームホイール312はそれぞれ、一対の第1スプロケット311の各々と同軸上に設けられたウォーム歯車である。一対の第1ウォーム313はそれぞれ、一対の第1ウォームホイール312の各々と噛合する、ねじ状の歯車である。
【0044】
第1サーボモーター314は、一対の第1スプロケット311を回転させるための駆動力を発する駆動源である。第1サーボモーター314は、駆動力を出力するためのモーター出力軸314aを有する。第1ベルト315は、無端ベルトであり、モーター出力軸314aと一対の第1ウォーム313との間に張設され、第1サーボモーター314が回転駆動することによって周回走行する。第1張架ローラー316は、第1ベルト315の外周面に当接し、当該第1ベルト315にテンションを付与するローラーである。
【0045】
上記のように構成された第1テープ送出部31では、第1サーボモーター314の回転駆動力が第1ベルト315及び一対の第1ウォーム313を介して一対の第1ウォームホイール312に伝達され、これにより、一対の第1ウォームホイール312が回転する。一対の第1ウォームホイール312が回転すると、その回転に連動して一対の第1スプロケット311が回転する。一対の第1スプロケット311が回転すると、当該第1スプロケット311の歯部311aと嵌合する孔部101bを有するキャリアテープ101を含む部品収納テープ100が、送出される。
【0046】
第2テープ送出部32は、第1テープ送出部31のテープ送出方向H1下流側に配置される。第2テープ送出部32は、ガイド面5における第1ガイド面部51のテープ送出方向H1下流端、換言すると第3ガイド面部53のテープ送出方向H1上流端に配置される。第2テープ送出部32は、第1テープ送出部31により送出されて第1ガイド面部51上を走行する部品収納テープ100を受け入れて、当該部品収納テープ100を部品取出し位置21に向けて送出する。これにより、第2テープ送出部32は、部品収納テープ100を第3ガイド面部53上に走行させる。
【0047】
第2テープ送出部32は、第1テープ送出部31と同様に、一対の第2スプロケット321と、一対の第2ウォームホイール322と、一対の第2ウォーム323と、第2サーボモーター324と、第2ベルト325と、第2張架ローラー326と、を含む。
【0048】
一対の第2スプロケット321は、X軸方向(テープ幅方向H2)に延びる軸心回りに回転可能に装置本体2に支持された、円板状のスプロケットである。一対の第1スプロケット321は、周方向に所定の間隔をおいて配列した複数の歯部321aを備える。一対の第2スプロケット321において、Z軸方向の+Z側に位置した歯部321aは、一対のガイド壁41のガイド面5から露出している。一対の第2スプロケット321の歯部321aは、それぞれ、部品収納テープ100のキャリアテープ101のテープ幅方向H2両端部に形成された孔部101bと嵌合可能である。
【0049】
一対の第2ウォームホイール322はそれぞれ、一対の第2スプロケット321の各々と同軸上に設けられたウォーム歯車である。一対の第2ウォーム323はそれぞれ、一対の第2ウォームホイール322の各々と噛合する、ねじ状の歯車である。
【0050】
第2サーボモーター324は、一対の第2スプロケット321を回転させるための駆動力を発する駆動源である。第2サーボモーター324は、駆動力を出力するためのモーター出力軸324aを有する。第2ベルト325は、無端ベルトであり、モーター出力軸324aと一対の第2ウォーム323との間に張設され、第2サーボモーター324が回転駆動することによって周回走行する。第2張架ローラー326は、第2ベルト325の外周面に当接し、当該第2ベルト325にテンションを付与するローラーである。
【0051】
上記のように構成された第2テープ送出部32では、第2サーボモーター324の回転駆動力が第2ベルト325及び一対の第2ウォーム323を介して一対の第2ウォームホイール322に伝達され、これにより、一対の第2ウォームホイール322が回転する。一対の第2ウォームホイール322が回転すると、その回転に連動して一対の第2スプロケット321が回転する。一対の第2スプロケット321が回転すると、当該第2スプロケット321の歯部321aと嵌合する孔部101bを有するキャリアテープ101を含む部品収納テープ100が、送出される。
【0052】
なお、第1テープ送出部31により送出される部品収納テープ100の先端部100Tが一対の第2スプロケット321に到達し、当該部品収納テープ100の先端部100Tにおけるキャリアテープ101の孔部101bが一対の第2スプロケット321の歯部321aと嵌合すると、第1サーボモーター314が停止する。このように第1サーボモーター314が停止すると第1スプロケット311の回転軸が停止するが、この回転軸と第1スプロケット311の間に介在するワンウェイクラッチにより、回転軸が回転しなくても、第1スプロケット311は、一対の第2スプロケット321の回転によって送出される部品収納テープ100の移動に連動して回転することができる。
【0053】
第3テープ送出部33は、ガイド面5の第3ガイド面部53における水平領域531のテープ送出方向H1下流端に配置される。すなわち、第3テープ送出部33は、第2テープ送出部32のテープ送出方向H1下流側において部品取出し位置21に近設される。第3テープ送出部33は、第2テープ送出部32と連動して部品収納テープ100を送出する。第3テープ送出部33は、第2テープ送出部32により送出されて第3ガイド面部53上を走行する部品収納テープ100を受け入れて、当該部品収納テープ100を部品取出し位置21を通過するように送出する。部品取出し位置21に近設して第3テープ送出部33を配置し、当該第3テープ送出部33により部品収納テープ100を受け入れる構成とすることによって、部品取出し位置21に対して高精度に位置決めされた状態で部品収納テープ100を送出することができる。
【0054】
第3テープ送出部33は、一対の第3スプロケット331と、一対の第3ウォームホイール332とを含む。上記の「第3テープ送出部33が部品取出し位置21に近設される」とは、X軸方向から見て、部品取出し位置21がテープ送出方向H1において一対の第3スプロケット331の範囲内に位置するように、第3テープ送出部33が配置されることをいう。X軸方向から見て、部品取出し位置21は、一対の第3スプロケット331の頂部(最上端部)の真上であってもよいし、一対の第3スプロケット331の頂部の真上からY軸方向にずれた位置であってもよい。部品取出し位置21を、一対の第3スプロケット331の頂部の真上からY軸方向にずれた位置とする場合、テープ送出方向H1の下流側よりも上流側にずれた位置とするのがよい。これは、第3テープ送出部33の一対の第3スプロケット331によって送出される部品収納テープ100における部品取出し位置21を通過する領域部分が、引っ張られた状態となるため、当該領域部分の変形が少なく、部品取出し位置21に対して高精度に位置決めされた状態となるからである。
【0055】
一対の第3スプロケット331は、X軸方向(テープ幅方向H2)に延びる軸心回りに回転可能に装置本体2に支持された、円板状のスプロケットである。一対の第3スプロケット331は、周方向に所定の間隔をおいて配列した複数の歯部331aを備える。一対の第3スプロケット331において、+Z側に位置した歯部331aは、一対のガイド壁41のガイド面5から露出している。一対の第3スプロケット331の歯部331aは、それぞれ、部品収納テープ100のキャリアテープ101のテープ幅方向H2両端部に形成された孔部101bと嵌合可能である。
【0056】
一対の第3ウォームホイール332はそれぞれ、一対の第3スプロケット331の各々と同軸上に設けられたウォーム歯車である。一対の第3ウォームホイール332はそれぞれ、一対の第2ウォーム323の各々と噛合する。
【0057】
上記のように構成された第3テープ送出部33では、第2テープ送出部32と同様に、第2サーボモーター324の回転駆動力が第2ベルト325及び一対の第2ウォーム323を介して一対の第3ウォームホイール332に伝達され、これにより、一対の第3ウォームホイール332が回転する。一対の第3ウォームホイール332が回転すると、その回転に連動して一対の第3スプロケット331が回転する。一対の第3スプロケット331が回転すると、当該第3スプロケット331の歯部331aと嵌合する孔部101bを有するキャリアテープ101を含む部品収納テープ100が、送出される。
【0058】
部品供給装置1は、部品収納テープ100が巻回された複数のリール(不図示)を装着可能である。この部品供給装置1の部品供給動作は、
図2を参照して説明すると、次の通りである。まず準備作業として、オペレーターは、部品供給装置1において部品供給が先行して行われる部品収納テープ100(先行の部品収納テープ)が巻回されたリールを部品供給装置1に取り付ける。そして、オペレーターは、先行の部品収納テープ100の先端部を第1スプロケット311と嵌合された状態とする。その後、オペレーターは、操作部22を操作し、第1スプロケット311を回転させる指示を入力して先行の部品収納テープ100を送出させ、部品収納テープ100の先端部を第2スプロケット321と嵌合させる。
【0059】
上記の準備作業が終了した状態で、部品供給装置1の部品供給動作が開始される。部品供給装置1において、第2スプロケット321は回転し、これにより先行の部品収納テープ100が送出される。このとき、第1スプロケット311は空転するように構成され、第2スプロケット321が回転することにより先行の部品収納テープ100を送出することができる。
【0060】
先行の部品収納テープ100が第2スプロケット321により送出されている状態で、オペレーターは、ガイド面5の最上流側に配置されるテープ切替装置400を操作し、先行の部品収納テープ100における上流側の部分を下方側(−Z側)に変位させる。これにより、先行の部品収納テープ100の第1スプロケット311との嵌合が解除される。このとき、先行の部品収納テープ100は、第2スプロケット321と嵌合されているので、第1スプロケット311との嵌合が解除されても、第2スプロケット321により送出され続ける。
【0061】
先行の部品収納テープ100が第2スプロケット321により送出されている状態で、オペレーターは、後続の部品収納テープ100が巻回されたリールを部品供給装置1に取り付ける。そして、オペレーターは、後続の部品収納テープ100の先端部を第1スプロケット311と嵌合された状態とする。このようにして、先行の部品収納テープ100の部品切れが発生していない状態で、後続の部品収納テープ100が巻回されたリールを装着することができる。その後、先行の部品収納テープ100の全てがリールから引き出されると、後続の部品収納テープ100の送出が自動的に開始される。
【0062】
図7は、部品供給装置1に備えられる部品露出部6の構成を示す斜視図である。部品露出部6は、下面両端部100UEが一対のガイド壁41のガイド面5にガイドされつつ送出される部品収納テープ100におけるカバーテープ102を、キャリアテープ101との接合部103を起点として立ち上げ、部品収納テープ100におけるテープ幅方向H2の側端縁の外側へ広げるとともに下方側(−Z側)へ屈曲させて、部品収納部101a内において部品E2を露出させる部品露出処理を行う。この部品露出部6は、カバーテープ立ち上げ部61と、カバーテープ前処理部62と、カバーテープ後処理部63とを含む。
【0063】
カバーテープ立ち上げ部61は、一対のガイド壁41の間において、ガイド面5の第1ガイド面部51に対応して配置される。カバーテープ立ち上げ部61は、下面両端部100UEが一対のガイド壁41のガイド面5における第1ガイド面部51にガイドされつつ走行する部品収納テープ100において、キャリアテープ101に対するカバーテープ102の立ち上げ量が連続的に増加するように、カバーテープ102をキャリアテープ101に対して上方へ立ち上げる立ち上げ処理を行う。カバーテープ立ち上げ部61は、カバーテープ102の立ち上げ処理を行うことによって、部品供給処理の立ち上げ処理工程を実行する。
【0064】
カバーテープ前処理部62は、一対のガイド壁41の間において、ガイド面5の第2ガイド面部52に対応して配置される。カバーテープ前処理部62は、カバーテープ立ち上げ部61による立ち上げ処理に先立って、カバーテープ102を切断する前処理を行う。カバーテープ前処理部62は、カバーテープ102の前処理を行うことによって、部品供給処理の前処理工程を実行する。
【0065】
カバーテープ後処理部63は、カバーテープ立ち上げ部61の上方側(+Z側)において、ガイド面5の第1ガイド面部51に対応して配置される。カバーテープ後処理部63は、カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げられたカバーテープ102を、部品収納部101aが開放するように、部品収納テープ100におけるテープ幅方向H2両側の各側端縁の外側へ広げるとともに下方側(−Z側)へ屈曲させる後処理を行う。カバーテープ後処理部63は、カバーテープ102の後処理を行うことによって、部品供給処理の後処理工程を実行する。部品露出部6におけるカバーテープ立ち上げ部61、カバーテープ前処理部62及びカバーテープ後処理部63の詳細については、後述する。
【0066】
図8は、部品供給装置1に備えられるテープ走行ガイド部7を上方から見た平面図である。
図9は、
図8のテープ走行ガイド部7を切断面線IX−IXから見た断面図である。
図10は、テープ走行ガイド部7の側面図である。テープ走行ガイド部7は、部品露出部6のテープ送出方向H1下流側において、ガイド面5の第3ガイド面部53における水平領域531に配置される。すなわち、テープ走行ガイド部7は、部品取出し位置21に近設されている。テープ走行ガイド部7は、部品露出部6による部品露出処理後の部品収納テープ100の部品取出し位置21に向けての、第3ガイド面部53上の走行をガイドする。テープ走行ガイド部7は、ガイド本体71と、開口幅規定部材72とを含む。
【0067】
テープ走行ガイド部7において、ガイド本体71は、テープ走行ガイド部7の本体部を構成し、開口部711とカバーテープ通路画定部712とを有する。開口部711は、第3ガイド面部53上を走行する部品収納テープ100において、部品露出部6の部品露出処理により開放された部品収納部101aに面して開口する。開口部711は、テープ送出方向H1に所定の長さを有する矩形状に形成される。この開口部711は、部品取出し位置21の直下に位置している。つまり、部品実装機10のヘッドユニット14は、部品供給装置1によって部品取出し位置21に供給された部品E2を、開口部711を介して取り出す。
【0068】
ガイド本体71のカバーテープ通路画定部712は、開口部711のテープ幅方向H2の外側に設けられる。
図9に示すように、カバーテープ通路画定部712は、部品露出部6による部品露出処理後に第3ガイド面部53上を走行する部品収納テープ100において、キャリアテープ101との接合部103を起点としてテープ幅方向H2の外側へ広げられるとともに下方側へ屈曲されたカバーテープ102が通過するカバーテープ通路を画定する。カバーテープ通路画定部712は、一対のガイド壁41の第3ガイド面部53の上方側からカバーテープ102に対向する上方対向部7121と、一対のガイド壁41のテープ幅方向H2の外側からカバーテープ102に対向する側方対向部7122と、を有する。上方対向部7121は、開口部711におけるテープ幅方向H2の両開口端縁から外側に、水平に延びる板状体である。側方対向部7122は、上方対向部7121の外方側端縁から下方に向かって延びる板状体である。
【0069】
テープ走行ガイド部7において、開口幅規定部材72は、ガイド本体71の開口部711におけるテープ幅方向H2の両開口端縁にそれぞれ取り付けられ、開口部711のテープ幅方向H2の開口幅を規定する。更に、各開口幅規定部材72は、
図9に示すように、第3ガイド面部53上を走行する部品収納テープ100において、キャリアテープ101の上面の、テープ幅方向H2における部品収納部101aと接合部103との間の第1特定領域部分101AAに接触する。これにより、各開口幅規定部材72は、キャリアテープ101の上面における第1特定領域部分101AAを下方側へ付勢する。
【0070】
具体的には、各開口幅規定部材72は、基体721と、基体721から下方側に延設される延設片722とを有する。基体721は、開口部711におけるテープ幅方向H2の開口端縁に沿って延びる矩形板状に形成され、上方対向部7121に取り付けられる。上方から見た平面視において、基体721におけるテープ幅方向H2の内側の端縁は、開口部711内に位置している。延設片722は、矩形板状に形成され、その一長辺部が基体721におけるテープ幅方向H2の内側の端縁に接続される。延設片722は、基体721の内側の端縁から下方側に延設されて開口部711内に挿入される。延設片722が開口部711に挿入された状態において、その延設片722の表面(テープ幅方向H2の内側の面)は、開口部711のテープ幅方向H2の開口幅を規定する規定面7221(
図9参照)を構成する。また、延設片722が開口部711に挿入された状態において、その延設片722の下端面は、キャリアテープ101の上面における第1特定領域部分101AAを付勢する付勢面7222(
図9参照)を構成する。また、延設片722は、カバーテープ102のテープ幅方向H2の内側への変位を規制する機能も有する。
【0071】
部品露出部6による部品露出処理後に第3ガイド面部53上を走行する部品収納テープ100において、カバーテープ102は、上述の如く、キャリアテープ101に対してテープ幅方向H2の外側へ広げられるとともに下方側へ屈曲された状態である。このため、第3ガイド面部53上を走行する部品収納テープ100がテープ走行ガイド部7を通過するとき、当該テープ走行ガイド部7には、カバーテープ102が起き上がろうとする力が作用する。ガイド本体71のカバーテープ通路画定部712が、カバーテープ102の起き上がりを過度に押さえつけようとすると、部品収納テープ100の第3ガイド面部53上での走行の安定性が損なわれるだけではなく、走行時の走行抵抗となり、その部品収納テープ100の走行性が悪化する可能性がある。
【0072】
そこで、テープ走行ガイド部7においては、部品E2の取出し開口となる開口部711の開口幅を規定する開口幅規定部材72が、キャリアテープ101の上面における第1特定領域部分101AAを下方側へ付勢する。これにより、部品収納テープ100の第3ガイド面部53上での走行の安定性を確保することができる。そして、テープ走行ガイド部7において、ガイド本体71のカバーテープ通路画定部712は、カバーテープ102を拘束せずにカバーテープ102の起き上がりをある程度許容し、当該カバーテープ102を包み込むような通過通路を画定する。これにより、部品収納テープ100の第3ガイド面部53上での走行時の走行抵抗を軽減し、その部品収納テープ100の走行性を良好にすることができる。
【0073】
ところで、部品収納テープ100において、部品収納部101aのテープ幅方向H2の長さは、当該部品収納部101aに収納される部品E2のサイズに応じて設定される。つまり、部品収納テープ100においては、テープ幅K2が同じであっても、部品E2のサイズに応じて部品収納部101aのテープ幅方向H2の長さが異なる。このため、開口幅規定部材72は、部品収納部101aのテープ幅方向H2の長さに応じて、開口部711の開口幅を規定する必要がある。そこで、各開口幅規定部材72の基体721は、
図8に示すように、テープ幅方向H2に延びる長穴形状の取付部7211を介して上方対向部7121に取り付けられる。これにより、基体721から下方側に延設される延設片722における規定面7221の、テープ幅方向H2に関する位置を変更することが可能となる。このため、開口幅規定部材72は、部品収納部101aのテープ幅方向H2の長さに応じて、延設片722の規定面7221によって開口部711の開口幅を規定することができる。
【0074】
また、テープ走行ガイド部7は、
図8及び
図9に示すように、一対のテープ導入案内部73と、一対のテープ導出案内部74と、を更に含む。一対のテープ導入案内部73の各々は、テープ送出方向H1に沿って延びる棒状の部材である。一対のテープ導入案内部73の各々は、ガイド本体71における開口部711のテープ送出方向H1上流側に、互いにテープ幅方向H2に間隔をおいて取り付けられる。一対のテープ導入案内部73の各々は、キャリアテープ101の上面における、延設片722の付勢面7222が接触する第1特定領域部分101AAよりもテープ幅方向H2の内側の第2特定領域部分101ABに接触する。これにより、一対のテープ導入案内部73の各々は、カバーテープ102のテープ幅方向H2の内側への変位を規制しつつ、カバーテープ通路画定部712により画定されるカバーテープ通路へのカバーテープ102の導入を案内する。
【0075】
一対のテープ導出案内部74の各々は、テープ送出方向H1に沿って延びる棒状の部材である。一対のテープ導出案内部74の各々は、ガイド本体71における開口部711のテープ送出方向H1下流側に、互いにテープ幅方向H2に間隔をおいて取り付けられる。一対のテープ導出案内部74の各々は、キャリアテープ101の上面における前記第2特定領域部分101ABに接触する。これにより、一対のテープ導出案内部74の各々は、カバーテープ102のテープ幅方向H2の内側への変位を規制しつつ、カバーテープ通路画定部712により画定されるカバーテープ通路からのカバーテープ102の導出を案内する。
【0076】
そして、各開口幅規定部材72は、
図8及び
図9に示すように、延設片722のテープ送出方向H1上流端部に突設される第1突片723と、延設片722のテープ送出方向H1下流端部に突設される第2突片724と、を更に有する。第1突片723は、テープ導入案内部73のテープ送出方向H1下流端部に向かって傾斜して延びる。第2突片724は、テープ導出案内部74のテープ送出方向H1上流端部に向かって傾斜して延びる。
【0077】
第3ガイド面部53上を走行し、一対のテープ導入案内部73を通過した部品収納テープ100において、カバーテープ102は、各開口幅規定部材72の第1突片723に当接しつつカバーテープ通路画定部712により画定されるカバーテープ通路に導かれる。これにより、一対のテープ導入案内部73を通過した部品収納テープ100のカバーテープ102を、カバーテープ通路画定部712内へスムーズに導入することができる。
【0078】
一方、第3ガイド面部53上を走行する部品収納テープ100において、カバーテープ通路画定部712を通過したカバーテープ102は、各開口幅規定部材72の第2突片724に当接しつつテープ導出案内部74に導かれる。これにより、カバーテープ通路画定部712を通過したカバーテープ102を、当該カバーテープ通路画定部712からスムーズに導出することができる。
【0079】
また、テープ走行ガイド部7は、
図9及び
図10に示すように、ガイド本体71を上下方向(Z軸方向)に変位可能に一対のガイド壁41に連結する連結機構75を、更に含む。連結機構75は、第1連結部751及び第2連結部752と、第3連結部753及び第4連結部754と、を有する。第1連結部751及び第2連結部752は、ガイド本体71における、テープ送出方向H1の上流端側であり且つテープ幅方向H2の両端部をそれぞれ、一対のガイド壁41に連結する。第3連結部753及び第4連結部754は、ガイド本体71における、テープ送出方向H1の下流端側であり且つテープ幅方向H2の両端部をそれぞれ、一対のガイド壁41に連結する。
【0080】
第1連結部751、第2連結部752、第3連結部753及び第4連結部754の各々は、上限ストッパ761と、下限ストッパ762と、付勢部材763とを有する。上限ストッパ761は、一対のガイド壁41に取り付けられ、上下方向(Z軸方向)に変位するガイド本体71の上限位置を規制する。下限ストッパ762は、一対のガイド壁41において上限ストッパ761の下方側に取り付けられ、上下方向(Z軸方向)に変位するガイド本体71の下限位置を規制する。下限ストッパ762の一対のガイド壁41に対する上下方向(Z軸方向)に関する取付位置は、延設片722、第1突片723、第2突片724、テープ導入案内部73及びテープ導出案内部74にキャリアテープ101の上面が接触した状態で、部品収納テープ100が第3ガイド面部53上を走行することが可能となるように、設定される。つまり、ガイド本体71が下限ストッパ762によって下限位置に規制された状態において、延設片722、第1突片723、第2突片724、テープ導入案内部73及びテープ導出案内部74と、第3ガイド面部53との間には、キャリアテープ101の厚みよりも僅かに大きな隙間が確保される。
【0081】
付勢部材763は、上限ストッパ761と下限ストッパ762との間に配置され、ガイド本体71を上下方向(Z軸方向)に変位可能に下方側へ付勢する。付勢部材763は、例えば圧縮コイルばね部材によって実現される。付勢部材763は、その一端部が上限ストッパ761に固定され、他端部がガイド本体71の被付勢部7123に固定される。被付勢部7123は、ガイド本体71におけるカバーテープ通路画定部712の側方対向部7122の下端縁から内側に突設された突片である。この被付勢部7123は、上限ストッパ761と下限ストッパ762との間に配置され、付勢部材763の付勢力を受ける。
【0082】
テープ走行ガイド部7において、ガイド本体71が上下方向に変位可能に連結機構75を介して一対のガイド壁41に連結される構成とすることによって、延設片722、第1突片723、第2突片724、テープ導入案内部73及びテープ導出案内部74にキャリアテープ101の上面が接触した状態での部品収納テープ100の、第3ガイド面部53上での走行の安定性を確保することができる。
【0083】
部品取出し位置21に供給された部品E2がガイド本体71の開口部711を介してヘッドユニット14により取り出されると、部品収納テープ100は、部品供給装置1から排出される。テープ走行ガイド部7を通過した部品収納テープ100は、下方側へ垂れ下がるようにして部品供給装置1から排出される。このとき、部品収納テープ100は、キャリアテープ101における、隣接する部品収納部101a間に位置する収納部接続領域部分で折れ曲げられて、下方側へ垂れ下がった状態となる。このように、隣接する部品収納部101a間で折れ曲げられると、部品収納テープ100は、上方側へ膨らもうとする。
【0084】
部品収納テープ100の上方側への膨らみは、テープ走行ガイド部7における開口幅規定部材72によるキャリアテープ101に対する下方側への付勢力では、抑えることが困難である。このため、部品供給装置1から排出される部品収納テープ100の上方側への膨らみによって、ガイド本体71が上方側へ持ち上げられてしまう可能性がある。このような、部品収納テープ100の上方側への膨らみに起因した、ガイド本体71の上方側への変位を規制するために、連結機構75の付勢部材763によるガイド本体71に対する下方側への付勢力を大きくすると、第3ガイド面部53上での部品収納テープ100の走行時の走行抵抗となってしまう。
【0085】
そこで、本実施形態において、部品収納テープ100は、テープ排出ガイド部9を通じて部品供給装置1から排出される。テープ排出ガイド部9は、
図10に示すように、テープ走行ガイド部7のテープ送出方向H1下流側において、一対のガイド壁41のテープ送出方向H1下流側端部に取り付けられる。テープ排出ガイド部9は、テープ走行ガイド部7を通過した部品収納テープ100の下流側への排出をガイドする。テープ排出ガイド部9は、上面規制部91と側面規制部92とを含む。
【0086】
テープ排出ガイド部9において、上面規制部91は、テープ走行ガイド部7を通過した部品収納テープ100の上面に接触することにより、当該部品収納テープ100の上方への動きを規制する。テープ排出ガイド部9において、側面規制部92は、テープ走行ガイド部7を通過した部品収納テープ100の側端面に接触することにより、当該部品収納テープ100の側方への動きを規制する。これにより、部品供給装置1から排出される部品収納テープ100の上方側への膨らみを抑制することができる。
【0087】
[部品露出部の詳細構成]
次に、部品供給装置1に備えられる部品露出部6の詳細構成について、
図7に加えて
図11乃至
図19を参照して説明する。
図11は、部品露出部6のカバーテープ前処理部62の構成を示す斜視図である。
図12は、部品露出部6のカバーテープ立ち上げ部61の構成を示す斜視図である。
図13は、部品露出部6のカバーテープ後処理部63の構成を示す斜視図である。
図14は、カバーテープ後処理部63の側面図である。
図15は、カバーテープ後処理部63を上方から見た平面図である。
図15のカバーテープ後処理部63において、
図16が切断面線XVI−XVIから見た断面図であり、
図17が切断面線XVII−XVIIから見た断面図であり、
図18が切断面線XVIII−XVIIIから見た断面図であり、
図19が切断面線XIX−XIXから見た断面図である。なお、
図16乃至
図19の断面図において、カバーテープ後処理部63の切断位置は、
図16、
図17、
図18、
図19の順に、テープ送出方向H1の上流から下流に向かう。
【0088】
カバーテープ前処理部62は、前述したように、一対のガイド壁41の間において、ガイド面5の第2ガイド面部52に対応して配置される。カバーテープ前処理部62は、第1テープ送出部31により送出され、先端が自由端とされた状態で第2ガイド面部52上を走行する部品収納テープ100に対し、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理に先立って、カバーテープ102を切断する前処理を行う。
図11に示すように、カバーテープ前処理部62は、挿入部材621と、カバーテープ切断部622と、支持部623とを含む。
【0089】
挿入部材621は、先端が自由端とされた状態で第1テープ送出部31によって送出されて、第2ガイド面部52上を走行する部品収納テープ100における、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入される部材である。挿入部材621は、平板状に形成されている。この挿入部材621は、基部6211と、当該基部6211におけるテープ送出方向H1の上流端に連なる挿入先端部6212と、を有する。なお、挿入部材621の基部6211におけるテープ送出方向H1の下流端6211aには、後述の蓋部材8が接続されている。
【0090】
挿入部材621において挿入先端部6212は、基部6211との接続部分からテープ送出方向H1の上流端となる先端縁6212aに向かって、上側(+Z側)に傾くように、基部6211に対して先上がりに傾斜している。換言すると、挿入部材621がカバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入された状態において、基部6211はカバーテープ102と略平行で、挿入先端部6212はキャリアテープ101から間隔をもって離れてカバーテープ102側に向かうように傾斜している。
【0091】
挿入部材621の挿入先端部6212を、上記のような傾斜構造とすることによって、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入部材621が挿入された状態で、第1テープ送出部31により部品収納テープ100が送出されるときに、キャリアテープ101における、隣接する部品収納部101a間に位置する収納部接続領域部分に、挿入先端部6212が接触することを抑止することができる。このため、部品収納テープ100の良好な走行性が保持され、部品取出し位置21に向けて部品E2を効率良く供給することができる。
【0092】
また、挿入部材621の挿入先端部6212は、その先端縁6212aに向けて幅方向に先細りとなるテーパー形状に形成されている。ここで、挿入部材621が挿入される部品収納テープ100において、カバーテープ102の先端部102Tには、
図4に示すように、三角形状を成す折り曲げ片102Fが形成されている。このため、カバーテープ102とキャリアテープ101との間への挿入部材621の挿入性が良好なものとなる。
【0093】
挿入部材621は、支持部623により支持されている。本実施形態では、支持部623は、挿入部材621の基部6211におけるテープ送出方向H1の下流端6211aに接続された後述の蓋部材8の上面に配置され、且つ、装置本体2に固定されている。このような構成によって、支持部623は、蓋部材8を介して挿入部材621を支持する。
【0094】
カバーテープ切断部622は、先端が自由端とされた状態で第1テープ送出部31によって送出されて、第2ガイド面部52上を走行する部品収納テープ100のカバーテープ102を切断する。カバーテープ切断部622は、カバーテープ102の幅方向両端部間の所定位置(例えば中央位置)を切断する。カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102a(
図7参照)は、ガイド面5に沿って線状に延びる。
【0095】
カバーテープ切断部622は、カバーテープ102を切断する刃部6221と、保持部6222とを含む。保持部6222は、刃先が露出するように刃部6221を保持する保持面6222aを有する。
【0096】
カバーテープ切断部622は、保持部6222の少なくともテープ送出方向H1上流側の領域部分6222bにおける保持面6222aとは反対側の面が、挿入部材621における基部6211の上面6211bに当接するように、蓋部材8を介して支持部623に支持されている。また、カバーテープ切断部622においては、保持部6222の保持面6222aに保持された刃部6221が、上方側(+Z側)に臨んでいる。このような構成では、第2ガイド面部52上を走行する部品収納テープ100がカバーテープ切断部622を通過するときには、当該カバーテープ切断部622の上流端6222cとキャリアテープ101との間に挿入部材621が介在することになる。このため、カバーテープ切断部622の上流端6222cが、キャリアテープ101の部品収納部101aに収納される部品E2と接触することを、防止することができる。従って、カバーテープ切断部622との接触により部品E2にダメージが与えられることを防止することができる。
【0097】
また、カバーテープ切断部622の保持部6222において、保持面6222aは、テープ送出方向H1の下流から上流に向かって先下がりに傾斜した傾斜面であることが望ましい。これにより、第2ガイド面部52上を走行してカバーテープ切断部622を通過するときに、部品収納テープ100は、傾斜面とされた保持部6222の保持面6222aに沿ってガイドされる。この結果、部品収納テープ100がカバーテープ切断部622を通過するときの走行抵抗を軽減することができる。
【0098】
また、挿入部材621は、X軸方向(テープ幅方向H2)に延びる所定の軸心J1回りに揺動可能となるように、蓋部材8を介して支持部623に支持される構成としてもよい。また、カバーテープ切断部622は、挿入部材621の揺動に連動した揺動が可能となるように、保持部6222の少なくともテープ送出方向H1上流側の領域部分6222bが、挿入部材621における基部6211の上面6211bに当接されている。これにより、例えば部品収納テープ100が撓みながらガイド面5上を走行する場合、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入される挿入部材621及びカバーテープ切断部622が、その部品収納テープ100の撓みに応じて揺動可能となる。従って、挿入部材621の挿入先端部6212の、キャリアテープ101における前記収納部接続領域部分への接触を、安定的に抑止することができる。
【0099】
次に、
図12に示すように、カバーテープ立ち上げ部61は、一対のガイド壁41の間において、ガイド面5の第1ガイド面部51に対応して配置される。カバーテープ立ち上げ部61は、第1ガイド面部51上を走行する部品収納テープ100において、カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102aに当接することにより、当該カバーテープ102をキャリアテープ101に対して上方へ立ち上げる。カバーテープ立ち上げ部61は、立ち上げ誘発部611と、立ち上げ量調整部612とを含む。
【0100】
立ち上げ誘発部611は、カバーテープ立ち上げ部61のテープ送出方向H1の上流部分を構成する。立ち上げ誘発部611は、カバーテープ102に対する当接の始点となる当接始点P1を有し、当該当接始点P1からキャリアテープ101に対するカバーテープ102の立ち上げを誘発させる。カバーテープ立ち上げ部61は、立ち上げ誘発部611の当接始点P1が一対のガイド壁41の間の中央に位置するように配置される。換言すると、立ち上げ誘発部611の当接始点P1は、カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102a上に位置する。カバーテープ立ち上げ部61において、立ち上げ誘発部611は、後述の蓋部材8に固定されている。
【0101】
ここで、立ち上げ誘発部611の当接始点P1に当接するカバーテープ102の先端部102Tには、
図4に示すように、三角形状を成す折り曲げ片102Fが形成されている。これにより、立ち上げ誘発部611によるカバーテープ102の立ち上げが、スムーズに誘発される。
【0102】
カバーテープ立ち上げ部61において、立ち上げ量調整部612は、立ち上げ誘発部611のテープ送出方向H1の下流端に連なる。立ち上げ量調整部612は、第1ガイド面部51上における部品収納テープ100の走行に伴って、キャリアテープ101に対するカバーテープ102の立ち上げ量を連続的に増加させる。立ち上げ量調整部612は、
図12に示すように、一対の立ち上げ調整片6121,6122により構成される。一対の立ち上げ調整片6121,6122の各々は、立ち上げ誘発部611との接続部分から一対のガイド壁41の各々に近づくように延びる板状の部材である。一対の立ち上げ調整片6121,6122の各々において、テープ送出方向H1の下流端は、カバーテープ102のテープ幅方向H2両端部におけるキャリアテープ101との接合部103にそれぞれ当接する。
【0103】
立ち上げ量調整部612において、一対の立ち上げ調整片6121,6122間のテープ幅方向H2に沿った離間距離は、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって漸次的に大きくなる。
図16乃至
図18を参照して説明すると、一対の立ち上げ調整片6121,6122間の離間距離は、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって、離間距離W1(
図16)、離間距離W2(
図17)、離間距離W3(
図18)の順に大きくなる。立ち上げ量調整部612を一対の立ち上げ調整片6121,6122により構成することによって、キャリアテープ101に対するカバーテープ102の立ち上げ量を連続的に増加させることができる。
【0104】
ここで、カバーテープ立ち上げ部61が配置されるガイド面5の第1ガイド面部51は、上述の如く、湾曲形状に形成される。これにより、例えばカバーテープ立ち上げ部61がテープ送出方向H1に沿って水平に延びるようなガイド面に配置される場合と比較して、第1ガイド面部51に沿って走行してカバーテープ立ち上げ部61を通過するときの部品収納テープ100の走行距離を、長くすることができる。更に、第1ガイド面部51は、テープ送出方向H1の最下流端513Eが最上流端511Eよりも下方側に位置している。これにより、カバーテープ立ち上げ部61による立ち上げ処理後のカバーテープ102において、テープ送出方向H1の下流端から立ち上げ誘発部611の当接始点P1に向かう引っ張り応力の発生が抑止される。従って、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理時における、カバーテープ102の引っ張り応力に起因したキャリアテープ101の座屈変形を、防止することができる。このため、部品収納テープ100の良好な走行性が保持され、部品取出し位置21に向けて部品E2を効率良く供給することができる。
【0105】
また、立ち上げ量調整部612を構成する一対の立ち上げ調整片6121,6122の各々は、
図12に示すように、第1調整片部6123と、その第1調整片部6123のテープ送出方向H1下流端に接続部材613を介して接続される第2調整片部6124と、を有する。第2調整片部6124は、第1調整片部6123に対し、接続部材613を中心とした揺動が可能となるように接続されている。このような第1調整片部6123及び第2調整片部6124を有する構成の一対の立ち上げ調整片6121,6122は、第1ガイド面部51上における部品収納テープ100の走行挙動の変化に対応して揺動可能となる。従って、一対の立ち上げ調整片6121,6122によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性の低下が防止される。
【0106】
また、カバーテープ立ち上げ部61が配置される第1ガイド面部51は、上述の如く、テープ送出方向H1の最上流側の第1湾曲領域511と、第1湾曲領域511のテープ送出方向H1下流側に連なる第2湾曲領域512と、第2湾曲領域512のテープ送出方向H1下流側に連なる第3湾曲領域513とを有する。
【0107】
X軸方向(テープ幅方向H2)から見て第1ガイド面部51は、第1湾曲領域511と第2湾曲領域512とで、Z軸方向(上下方向)に関して曲がる方向が異なり、曲率の符号が変化する。このような第1ガイド面部51に沿って部品収納テープ100が走行すると、第1湾曲領域511の通過時と第2湾曲領域512の通過時とで、部品収納テープ100に対してZ軸方向(上下方向)に関して逆方向に撓もうとする力が作用する。このため、例えば第1ガイド面部51において、第1湾曲領域511と第2湾曲領域512とにわたってカバーテープ立ち上げ部61を配置すると、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性が低下する可能性がある。
【0108】
そこで、
図12に示すように、カバーテープ立ち上げ部61は、立ち上げ誘発部611の当接始点P1が、第1湾曲領域511と第2湾曲領域512との境界線S1上又はその近傍に位置するように、配置される。このような構成では、カバーテープ立ち上げ部61は、その最上流端となる当接始点P1が第1湾曲領域511と第2湾曲領域512との境界線S1上又はその近傍に位置するので、第1湾曲領域511と第2湾曲領域512とにわたって配置されることなく、第2湾曲領域512に配置されることになる。従って、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性の低下が防止される。なお、カバーテープ立ち上げ部61において、一対の立ち上げ調整片6121,6122は、テープ送出方向H1において、第1ガイド面部51の第2湾曲領域512と第3湾曲領域513とにわたって延びている。
【0109】
また、部品収納テープ100が第1ガイド面部51の第1湾曲領域511及び第2湾曲領域512を走行するときには、撓みながら走行する。ここで、第1ガイド面部51を走行する部品収納テープ100は、第1ガイド面部51の上流側に配置される第1テープ送出部31により送出される場合と、第1ガイド面部51の下流側に配置される第2テープ送出部32により送出される場合とで、第1湾曲領域511と第2湾曲領域512との間の変曲点を境界として走行時の撓み方向が変化し、第1ガイド面部51上での走行挙動が変化する。具体的には、第1テープ送出部31により送出される部品収納テープ100は、第1湾曲領域511では上側(+Z側)に撓み、第2湾曲領域512では下側(−Z側)に撓む。また、第2テープ送出部32により送出される部品収納テープ100は、第1湾曲領域511では下側(−Z側)に撓み、第2湾曲領域512では上側(+Z側)に撓む。
【0110】
本実施形態のカバーテープ立ち上げ部61においては、上述の如く、立ち上げ誘発部611のみが後述の蓋部材8に固定されており、第2調整片部6124は、第1調整片部6123に対し、接続部材613を中心とした揺動が可能となるように接続されている。これにより、カバーテープ立ち上げ部61は、第1ガイド面部51上における部品収納テープ100の走行挙動の変化に対応して揺動可能となる。従って、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性の低下が防止される。
【0111】
また、第1ガイド面部51においてカバーテープ立ち上げ部61が配置される第2湾曲領域512の、テープ送出方向H1下流側に連なる第3湾曲領域513は、上に凸の形状に形成されている。第3湾曲領域513のテープ送出方向H1の最下流端には、上述の如く、一対の第2スプロケット321を備える第2テープ送出部32が配置されている。第3領域513の形状が上に凸の形状とされているのは、第1テープ送出部31により送出されて第3湾曲領域513を走行する部品収納テープ100の先端部におけるキャリアテープ101の孔部101bが、一対の第2スプロケット321の歯部321aと嵌合するときの嵌合性を、良好なものとするためである。
【0112】
次に、部品供給装置1に備えられる蓋部材8について説明する。蓋部材8は、部品露出部6による、部品収納部101a内において部品E2を露出させる露出処理後の部品収納テープ100の、部品収納部101aの各々の開口の少なくとも一部を覆う部材である。部品供給装置1が蓋部材8を備える構成とすることによって、露出処理後の部品収納テープ100がテープ送出部3により送出されるときにおける、部品収納部101aからの部品E2の飛び出しを、蓋部材8によって規制することができる。従って、部品供給装置1による部品取出し位置21への部品供給を安定的に行うことができる。
【0113】
本実施形態では、蓋部材8は、挿入部材621の基部6211におけるテープ送出方向H1の下流端6211aから、部品取出し位置21まで、ガイド面5に沿って延びる。また、挿入部材621の基部6211における下流端6211aに接続された蓋部材8は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100のカバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入された状態で、ガイド面5に沿って部品収納部101aを覆う。このため、蓋部材8は、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入された状態で、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の走行をガイドする機能を有する。
【0114】
上述の如く、部品収納テープ100が第1ガイド面部51の第1湾曲領域511及び第2湾曲領域512を走行するときには、撓みながら走行する。このため、第1ガイド面部51の第1湾曲領域511及び第2湾曲領域512を走行する部品収納テープ100において、部品収納部101aを覆う蓋部材8とキャリアテープ101との接触による摩擦力が増大する可能性がある。
【0115】
そこで、蓋部材8は、可撓性を有する部材であることが望ましい。このような構成では、部品収納テープ100が第1ガイド面部51の第1湾曲領域511及び第2湾曲領域512に沿って撓みながら走行するときに、蓋部材8がその部品収納テープ100の撓みに応じて撓むことになる。これにより、第1ガイド面部51の第1湾曲領域511及び第2湾曲領域512を走行する部品収納テープ100において、部品収納部101aを覆う蓋部材8とキャリアテープ101との接触による摩擦力の増大を抑止することができる。従って、部品収納テープ100がガイド面5上を走行するときの走行抵抗を軽減することができる。また、蓋部材8は、静電気を発生させないように、金属によって形成されることが望ましい。なお、蓋部材8は、プラスチック等からなる基材の表面に導電性を有する層が形成された構成であってもよい。
【0116】
次に、部品露出部6において、カバーテープ後処理部63は、カバーテープ立ち上げ部61の上方側(+Z側)に配置される。カバーテープ後処理部63は、カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げられたカバーテープ102を、部品収納部101aが開放するように、部品収納テープ100におけるテープ幅方向H2両側の各側端縁の外側へ広げるとともに下方側(−Z側)へ屈曲させる。カバーテープ後処理部63は、
図13乃至
図19に示すように、上方規制部631と、側方規制部632とを含む。
【0117】
カバーテープ後処理部63において、上方規制部631は、ガイド面5の第1ガイド面部51に対して上方側に間隙を有して対向して配置されている。上方規制部631は、カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げられたカバーテープ102を、上方への動きを規制しつつ、部品収納部101aが開放するように、部品収納テープ100におけるテープ幅方向H2両側の各側端縁の外側へ広げる第1後処理を行う。この上方規制部631とガイド面5の第1ガイド面部51との間の間隙は、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって狭くなるように設定されている。
図17乃至
図19を参照して説明すると、上方規制部631と第1ガイド面部51との間の間隙は、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって、間隙L1(
図17)、間隙L2(
図18)、間隙L3(
図19)の順に狭くなるように設定されている。これにより、上方規制部631は、立ち上げ量調整部612による立ち上げ量の連続的な増加に応じて、カバーテープ102の、テープ幅方向H2両側の各側端縁に向かう外側への広がり量が大きくなるように、カバーテープ102を外側へ広げることができる。このため、部品収納部101aを効果的に開放することが可能となり、部品取出し位置21における部品E2の取出し性を良好にすることができる。
【0118】
また、上方規制部631は、カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げられたカバーテープ102に対する、上方への動きの規制の始点となる上方規制始点P2(
図14及び
図15参照)を有する。上方規制部631の上方規制始点P2に接触するカバーテープ102の先端部102Tには、
図17に示すように、三角形状を成す折り曲げ片102Fが形成されている(
図4参照)。これにより、上方規制部631は、カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げられたカバーテープ102を、スムーズに外側へ広げることができる。
【0119】
本実施形態において、上方規制部631は、
図13及び
図14に示すように、第1上方規制領域6311と、第2上方規制領域6312とを有する。第1上方規制領域6311は、第1ガイド面部51の第2湾曲領域512に対向し、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって下方側に傾斜して延びる。第2上方規制領域6312は、第1上方規制領域6311のテープ送出方向H1下流側に連なる。第2上方規制領域6312は、第1ガイド面部51の第3湾曲領域513に対向し、テープ送出方向H1に沿って水平に延びる。この態様では、上方規制部631の第1上方規制領域6311と第1ガイド面部51の第2湾曲領域512との間の間隙は、第1上方規制領域6311の下方側への傾斜に応じて狭くなる。一方、上方規制部631の第2上方規制領域6312と第1ガイド面部51の第3湾曲領域513との間の間隙は、第3湾曲領域513の上に凸の湾曲形状に応じて狭くなる。つまり、上方規制部631と第1ガイド面部51との間の間隙を、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって狭くなるように設定することができる。
【0120】
また、上方規制部631の第2上方規制領域6312の下面(第1ガイド面部51と対向する側の面)において、テープ送出方向H1下流端には、
図14、
図15及び
図19に示すように、一対の立ち上げ量調整補助片633が突設されている。一対の立ち上げ量調整補助片633の各々は、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって、一対の立ち上げ調整片6121,6122の下流端から、一対のガイド壁41の各々に近づくように延びる、板状の突片である。一対の立ち上げ量調整補助片633間のテープ幅方向H2に沿った離間距離は、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって漸次的に大きくなる。また、一対の立ち上げ量調整補助片633間の離間距離W4(
図19)は、一対の立ち上げ調整片6121,6122における下流側の離間距離W3(
図18)よりも大きい。一対の立ち上げ量調整補助片633は、一対の立ち上げ調整片6121,6122の下流側において、カバーテープ102の立ち上げ量を連続的に増加させる。
【0121】
カバーテープ後処理部63において、側方規制部632は、一対のガイド壁41のテープ幅方向H2の外側から部品収納テープ100の側端面に対向するように、上方規制部631の幅方向両端部の各々から下方に延設される。側方規制部632は、上方規制部632により部品収納テープ100におけるテープ幅方向H2両側の各側端縁の外側へ広げられたカバーテープ102を、側方への動きを規制しつつ下方側へ屈曲させる第2後処理を行う。
【0122】
上方規制部631によって外側へ広げられたカバーテープ102が側方規制部632によって下方側へ屈曲されるときに、キャリアテープ101が座屈変形する可能性がある。そこで、側方規制部632によるカバーテープ102の下方側への屈曲の始点となる側方規制始点P3(
図14及び
図15参照)が、上方規制部631においてテープ送出方向H1に沿って水平に延びる第2上方規制領域6312内に位置するように、カバーテープ後処理部63を構成する。これにより、カバーテープ102が側方規制始点P3から下方側へ屈曲されるときに、キャリアテープ101が座屈変形することを抑制することができる。
【0123】
また、側方規制部632の側方規制始点P3に接触するカバーテープ102の先端部102Tには、
図18に示すように、三角形状を成す折り曲げ片102Fが形成されている(
図4参照)。これにより、側方規制部632は、上方規制部631により部品収納テープ100におけるテープ幅方向H2両側の各側端縁の外側へ広げられたカバーテープ102を、スムーズに下方側へ屈曲させることができる。
【0124】
<カバーテープ後処理部の変形例について>
図20A及び
図20Bは、カバーテープ後処理部の変形例を示す断面図である。
図20A及び
図20Bに示す変形例のカバーテープ後処理部63A,63Bは、上方規制部631と側方規制部632との接続部分となる角部の形状が上述のカバーテープ後処理部63とは異なり、それ以外はカバーテープ後処理部63と同様に構成される。
【0125】
まず、
図20Aに示すカバーテープ後処理部63Aにおいて、上方規制部631と側方規制部632との接続部分となる角部の形状は、曲面形状である。この曲面形状は、上方規制部631及び側方規制部632によって外側へ広げられるとともに下方側へ屈曲されたカバーテープ102の形状に近似している。上方規制部631と側方規制部632との接続部分となる角部を曲面形状とすることによって、上方規制部631により外側へ広げられたカバーテープ102を、側方規制部632によってスムーズに下方側へ屈曲させることができる。
【0126】
次に、
図20Bに示すカバーテープ後処理部63Bにおいて、上方規制部631と側方規制部632との接続部分となる角部の形状は、上記の曲面形状に近似した多角形状である。上方規制部631と側方規制部632との接続部分となる角部を曲面形状に近似した多角形状とすることによって、上方規制部631により外側へ広げられたカバーテープ102を、側方規制部632によってスムーズに下方側へ屈曲させることができる。
【0127】
<部品露出部の変形例について>
(第1変形例)
図21は、第1変形例の部品露出部6Cの要部を示す側面図である。部品露出部6Cは、カバーテープ後処理部63Cの構成が上述の部品露出部6におけるカバーテープ後処理部63と異なる。このこと以外は、部品露出部6Cと部品露出部6とは同様の構成である。
【0128】
図21に示す部品露出部6Cにおいて、カバーテープ後処理部63Cは、カバーテープ立ち上げ部61の上方側に配置される。カバーテープ後処理部63Cは、カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げられたカバーテープ102を、部品収納部101aが開放するように、部品収納テープ100におけるテープ幅方向H2両側の側端縁の外側へ広げるとともに下方側へ屈曲させる。カバーテープ後処理部63Cは、第1ガイド面部51の第3領域513に配置される。
【0129】
カバーテープ後処理部63Cの構成を説明するに先立って、第1ガイド面部51について説明する。第1ガイド面部51は、テープ送出方向H1の最上流側の第1湾曲領域511と、第1湾曲領域511のテープ送出方向H1下流側に連なる第2湾曲領域512と、第2湾曲領域512のテープ送出方向H1下流側に連なる第3領域513とを有する。第1湾曲領域511は、X軸方向から見て、上に凸に湾曲した湾曲形状に形成される。第2湾曲領域512は、X軸方向から見て、下に凸に湾曲した湾曲形状に形成される。第3領域513は、第2湾曲領域512の最下部からテープ送出方向H1に沿って水平に延びる。
【0130】
カバーテープ後処理部63Cは、上方規制部63CAと、側方規制部63CBとを含む。カバーテープ後処理部63Cにおいて、上方規制部63CAは、第1ガイド面部51において水平に延びる第3領域513に対して上方側に間隙を有して対向して配置されている。上方規制部63CAは、カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げられたカバーテープ102を、上方への動きを規制しつつ、部品収納部101aが開放するように、部品収納テープ100におけるテープ幅方向H2両側の各側端縁の外側へ広げる第1後処理を行う。上方規制部63CAは、上方規制始点P2からカバーテープ102の上方への動きの規制を開始し、当該カバーテープ102を外側へ広げる。上方規制部63CAは、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって下方側に傾く湾曲形状に形成される。
【0131】
下方側に傾く湾曲形状に形成された上方規制部63CAと、第1ガイド面部51において水平に延びる第3領域513との間の間隙は、上方規制部63CAの下方側への傾きに応じて狭くなる。つまり、上方規制部63CAと第1ガイド面部51の第3領域513との間の間隙は、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって狭くなるように設定されている。これにより、上方規制部63CAは、カバーテープ立ち上げ部61の立ち上げ量調整部612による立ち上げ量の連続的な増加に応じて、カバーテープ102の、テープ幅方向H2両側の各側端縁に向かう外側への広がり量が大きくなるように、カバーテープ102を外側へ広げることができる。このため、部品収納部101aを効果的に開放することが可能となり、部品取出し位置21における部品E2の取出し性を良好にすることができる。
【0132】
カバーテープ後処理部63Cにおいて、側方規制部63CBは、一対のガイド壁41のテープ幅方向H2の外側から部品収納テープ100の側端面に対向するように、上方規制部63CAの幅方向両端部の各々から下方に延設される。側方規制部63CBは、上方規制部63CAにより部品収納テープ100におけるテープ幅方向H2両側の各側端縁の外側へ広げられたカバーテープ102を、側方への動きを規制しつつ下方側へ屈曲させる第2後処理を行う。側方規制部63CBは、側方規制始点P3からカバーテープ102の側方への動きの規制を開始し、当該カバーテープ102を下方側へ屈曲させる。
【0133】
(第2変形例及び第3変形例)
図22乃至
図24は、第2変形例の部品露出部6Dの要部を示す図であり、
図22が側面図、
図23が平面図、
図24が部品露出部6Dによるカバーテープ102の処理状態を説明するための図である。また、
図25乃至
図27は、第3変形例の部品露出部6Eの要部を示す図であり、
図25が側面図、
図26が平面図、
図27が部品露出部6Eによるカバーテープ102の処理状態を説明するための図である。部品露出部6D及び部品露出部6Eは、カバーテープ立ち上げ部61D及びカバーテープ立ち上げ部61Eの構成が上述の部品露出部6におけるカバーテープ立ち上げ部61と異なる。このこと以外は、部品露出部6D及び部品露出部6Eと部品露出部6とは同様の構成である。
【0134】
部品実装機10の部品供給部10Aに配置される複数の部品供給装置1は、テープ幅が異なる部品収納テープ100が装着される部品供給装置を含む。以下の説明では、第1テープ幅の部品収納テープ100が装着される部品供給装置を「第1部品供給装置1A」と称し、第1テープ幅よりも幅広の第2テープ幅の部品収納テープ100が装着される部品供給装置を「第2部品供給装置1B」と称する。第1部品供給装置1Aに備えられる部品露出部が、
図22乃至
図24に示される部品露出部6Dである。一方、第2部品供給装置1Bに備えられる部品露出部が、
図25乃至
図27に示される部品露出部6Eである。
【0135】
なお、第1部品供給装置1A及び第2部品供給装置1Bに備えられる一対のガイド壁41において、その外面同士の離間距離は、部品収納テープ100のテープ幅に応じて異なる。つまり、テープ幅が幅広の部品収納テープ100が装着される第2部品供給装置1Bにおける一対のガイド壁41の外面同士の離間距離K42(
図26)は、第1部品供給装置1Aにおける一対のガイド壁41の外面同士の離間距離K41(
図23)よりも大きい。但し、カバーテープ立ち上げ部61D及びカバーテープ立ち上げ部61Eが配置される第1ガイド面部51の湾曲形状は、第1部品供給装置1Aと第2部品供給装置1Bとで同じである(
図22及び
図25参照)。
【0136】
まず、
図22乃至
図24を参照して、第1部品供給装置1Aに備えられる部品露出部6Dのカバーテープ立ち上げ部61Dについて説明する。
【0137】
カバーテープ立ち上げ部61Dは、一対のガイド壁41の間において、第1ガイド面部51に対応して配置される。カバーテープ立ち上げ部61Dは、第1ガイド面部51上を走行する部品収納テープ100において、カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102aに当接することにより、当該カバーテープ102をキャリアテープ101に対して上方へ立ち上げる。カバーテープ立ち上げ部61Dは、立ち上げ誘発部611Dと、立ち上げ量調整部612Dとを含む。
【0138】
立ち上げ誘発部611Dは、カバーテープ立ち上げ部61Dのテープ送出方向H1の上流部分を構成する。立ち上げ誘発部611Dは、カバーテープ102に対する当接の始点となる当接始点P1を有し、当該当接始点P1からキャリアテープ101に対するカバーテープ102の立ち上げを誘発させる。立ち上げ誘発部611Dは、
図23に示すように、テープ送出方向H1に沿って直線状に延びる。カバーテープ立ち上げ部61Dは、立ち上げ誘発部611Dの当接始点P1が一対のガイド壁41の間の中央に位置するように配置される。換言すると、立ち上げ誘発部611Dの当接始点P1は、カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102a上に位置する。カバーテープ立ち上げ部61Dにおいて、立ち上げ誘発部611Dは、蓋部材8に固定されている。
【0139】
カバーテープ立ち上げ部61Dにおいて、立ち上げ量調整部612Dは、立ち上げ誘発部611Dのテープ送出方向H1の下流端に連なる。立ち上げ量調整部612Dは、第1ガイド面部51上における部品収納テープ100の走行に伴って、キャリアテープ101に対するカバーテープ102の立ち上げ量を連続的に増加させる。
【0140】
カバーテープ立ち上げ部61Dにおいて、立ち上げ誘発部611Dと立ち上げ量調整部612Dとの間の境界部分は、立ち上げ量調整部612Dによるカバーテープ102の立ち上げ量の調整始点(以下、「立ち上げ量調整始点P4」と称する)となる。立ち上げ量調整部612Dの立ち上げ量調整始点P4は、テープ送出方向H1において、カバーテープ後処理部63の上方規制部631における第1上方規制領域6311内に位置している。
【0141】
部品露出部6Dによるカバーテープ102の処理状態について、
図24を参照して説明すると、以下の通りである。第1ガイド面部51上を走行する部品収納テープ100のカバーテープ102の先端部102Tが立ち上げ誘発部611Dの当接始点P1に当接すると、カバーテープ102の立ち上げが誘発される。立ち上げ量調整部612Dは、立ち上げ量調整始点P4から、キャリアテープ101に対するカバーテープ102の立ち上げ量を連続的に増加させる。上方規制部631は、上方規制始点P2から、立ち上げ量調整部612Dにより立ち上げられたカバーテープ102を、外側へ広げる。側方規制部632は、側方規制始点P3から、上方規制部631により外側へ広げられたカバーテープ102を、下方側へ屈曲させる。このようにして、部品露出部6Dは、部品収納部101a内において部品E2を露出させることができる。
【0142】
次に、
図25乃至
図27を参照して、第2部品供給装置1Bに備えられる部品露出部6Eのカバーテープ立ち上げ部61Eについて説明する。
【0143】
カバーテープ立ち上げ部61Eは、一対のガイド壁41の間において、第1ガイド面部51に対応して配置される。カバーテープ立ち上げ部61Eは、第1ガイド面部51上を走行する部品収納テープ100において、カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102aに当接することにより、当該カバーテープ102をキャリアテープ101に対して上方へ立ち上げる。カバーテープ立ち上げ部61Eは、立ち上げ誘発部611Eと、立ち上げ量調整部612Eとを含む。
【0144】
立ち上げ誘発部611Eは、カバーテープ立ち上げ部61Eのテープ送出方向H1の上流部分を構成する。立ち上げ誘発部611Eは、カバーテープ102に対する当接の始点となる当接始点P1を有し、当該当接始点P1からキャリアテープ101に対するカバーテープ102の立ち上げを誘発させる。立ち上げ誘発部611Eは、上記の立ち上げ誘発部611Dと同様に、テープ送出方向H1に沿って直線状に延びる(
図26参照)。カバーテープ立ち上げ部61Eは、立ち上げ誘発部611Eの当接始点P1が一対のガイド壁41の間の中央に位置するように配置される。換言すると、立ち上げ誘発部611Eの当接始点P1は、カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102a上に位置する。カバーテープ立ち上げ部61Eにおいて、立ち上げ誘発部611Eは、蓋部材8に固定されている。
【0145】
カバーテープ立ち上げ部61Eにおいて、立ち上げ量調整部612Eは、立ち上げ誘発部611Eのテープ送出方向H1の下流端に連なる。立ち上げ量調整部612Eは、第1ガイド面部51上における部品収納テープ100の走行に伴って、キャリアテープ101に対するカバーテープ102の立ち上げ量を連続的に増加させる。
【0146】
カバーテープ立ち上げ部61Eにおいて、立ち上げ誘発部611Eと立ち上げ量調整部612Eとの間の境界部分は、立ち上げ量調整部612Eによるカバーテープ102の立ち上げ量の調整始点(立ち上げ量調整始点P4)となる。立ち上げ量調整部612Eの立ち上げ量調整始点P4は、カバーテープ後処理部63の上方規制部631における第1上方規制領域6311よりも、テープ送出方向H1の上流側に位置している。すなわち、立ち上げ量調整部612Eの立ち上げ量調整始点P4は、上記の立ち上げ量調整部612Dよりも、テープ送出方向H1の上流側に位置している。
【0147】
部品露出部6Eによるカバーテープ102の処理状態について、
図27を参照して説明すると、以下の通りである。第1ガイド面部51上を走行する部品収納テープ100のカバーテープ102の先端部102Tが立ち上げ誘発部611Eの当接始点P1に当接すると、カバーテープ102の立ち上げが誘発される。立ち上げ量調整部612Eは、立ち上げ量調整始点P4から、キャリアテープ101に対するカバーテープ102の立ち上げ量を連続的に増加させる。上方規制部631は、上方規制始点P2から、立ち上げ量調整部612Eにより立ち上げられたカバーテープ102を、外側へ広げる。側方規制部632は、側方規制始点P3から、上方規制部631により外側へ広げられたカバーテープ102を、下方側へ屈曲させる。このようにして、部品露出部6Eは、部品収納部101a内において部品E2を露出させることができる。
【0148】
部品収納テープ100を用いて部品E2を供給する部品供給装置1において、部品収納部101aを開放するために必要なカバーテープ102の立ち上げ量は、部品収納テープ100のテープ幅が大きくなるにつれて大きくなる。つまり、第1テープ幅の部品収納テープ100を用いる第1部品供給装置1Aと、第1テープ幅よりも幅広の第2テープ幅の部品収納テープ100を用いる第2部品供給装置1Bとを比較すると、第2部品供給装置1Bが第1部品供給装置1Aよりもカバーテープ102の立ち上げ量を大きくする必要がある。
【0149】
カバーテープ102の立ち上げ量を大きくする方策としては、例えば、カバーテープ立ち上げ部61を通過するときの部品収納テープ100の走行距離が長くなるように、カバーテープ立ち上げ部61が配置される第1ガイド面部51の形状を設計することが考えられる。つまり、第1部品供給装置1Aと第2部品供給装置1Bとで第1ガイド面部51の形状を変化させ、第2部品供給装置1Bにおける第1ガイド面部51上の走行距離を第1部品供給装置1Aよりも長くすればよい。但し、この場合には、第1部品供給装置1Aと第2部品供給装置1Bとを比較して、第1ガイド面部51の形状の違いに起因して装置の高さ又はテープ送出方向H1の長さが異なり、部品供給部10Aでの配置状態において統一性がなくなる。更に、第1部品供給装置1Aと第2部品供給装置1Bとを比較して、第1ガイド面部51上での部品収納テープ100の走行距離の違いに起因して、部品供給速度が変化してしまう。
【0150】
そこで、上述の如く、第1部品供給装置1A及び第2部品供給装置1Bの各々に備えられるカバーテープ立ち上げ部61D,61Eにおいて、立ち上げ誘発部611D,611Eと立ち上げ量調整部612D,612Eとの間の境界部分(立ち上げ量調整始点P4)の位置を変化させる。具体的には、前記立ち上げ量調整始点P4の位置は、第1部品供給装置1Aよりも第2部品供給装置1Bがテープ送出方向H1の上流側に位置している。前記立ち上げ量調整始点P4が上流側に位置している第2部品供給装置1Bでは、第1部品供給装置1Aと比較して、カバーテープ102の立ち上げ量を連続的に増加させはじめるタイミングが早くなる。これにより、部品収納テープ100のテープ幅に応じて第1ガイド面部51の形状を変化させることなく共通の第1ガイド面部51を用いて、部品収納部101aを開放するために必要なカバーテープ102の立ち上げ量を確保することができる。
【0151】
以上、本発明の実施形態に係る部品供給装置及び部品実装機について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採ることができる。
【0152】
<第1変形実施形態>
上記の実施形態においては、部品供給装置1の部品露出部6が、部品収納テープ100のカバーテープ102を切断するカバーテープ前処理部62を含む、カバーテープ切断方式の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
図28に示すように、部品供給装置は、カバーテープ剥離方式の部品露出部60を備えた構成であってもよい。
図28に示す部品供給装置1AAにおいて、部品露出部60は、一対のガイド壁41のガイド面5にガイドされつつ走行する部品収納テープ100のカバーテープ102を、テープ幅方向一方側の接合部103を起点として立ち上げ、テープ幅方向の外側へ広げるとともに下方側へ屈曲させて、部品収納部101a内において部品E2を露出させる。
【0153】
カバーテープ剥離方式の部品露出部60は、カバーテープ立ち上げ部601と、カバーテープ前処理部602と、カバーテープ後処理部603とを含む。
【0154】
カバーテープ立ち上げ部601は、一対のガイド壁41の間において、ガイド面5の第1ガイド面部51に対応して配置される。カバーテープ立ち上げ部601は、第1ガイド面部51にガイドされつつ走行する部品収納テープ100において、キャリアテープ101に対するカバーテープ102の立ち上げ量が連続的に増加するように、カバーテープ102をキャリアテープ101に対して上方へ立ち上げる立ち上げ処理を行う。カバーテープ立ち上げ部601のテープ送出方向H1上流端は、蓋部材8に固定されている。カバーテープ立ち上げ部601は、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって、テープ幅方向の一方向側から他方側へと進むように延びる。すなわち、カバーテープ立ち上げ部601においては、カバーテープ102に対する当接始点が、テープ幅方向の一方向側の端部に位置している。また、カバーテープ立ち上げ部601において、カバーテープ102に対する当接の終点となる最下流端が、テープ幅方向の他方向側の端部に位置している。
【0155】
カバーテープ前処理部602は、一対のガイド壁41の間において、ガイド面5の第2ガイド面部52に対応して配置される。カバーテープ前処理部602は、カバーテープ立ち上げ部601による立ち上げ処理に先立って、カバーテープ102の幅方向一方向側の端部におけるキャリアテープ101との接合部103を剥離する前処理を行う。
【0156】
カバーテープ後処理部603は、カバーテープ立ち上げ部601の上方側において、ガイド面5の第1ガイド面部51に対応して配置される。カバーテープ後処理部603は、カバーテープ立ち上げ部601により立ち上げられたカバーテープ102を、部品収納部101aが開放するように、部品収納テープ100におけるテープ幅方向の、カバーテープ前処理部602によって剥離された側とは反対側の側端縁の外側へ広げるとともに下方側へ屈曲させる後処理を行う。
【0157】
カバーテープ剥離方式の部品露出部60では、ガイド面5に沿って走行する部品収納テープ100のカバーテープ102が、カバーテープ前処理部602によって剥離されながら、カバーテープ立ち上げ部601によって上方側に立ち上げられ、カバーテープ後処理部603によって外側に広げられる。これにより、部品収納テープ100の部品収納部101a内において部品E2が取り出し可能に露出される。
【0158】
<第2変形実施形態>
上記の実施形態においては、テープ幅が32mm以上の幅広の部品収納テープ100を用いて部品を供給する部品供給装置の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。部品供給装置は、テープ幅が32mm未満(例えば、12,16,24mm幅)の幅狭の部品収納テープを用いて部品を供給するように構成されていてもよい。
図29は、幅狭の部品収納テープ100Aを用いる部品供給装置1ABに備えられる部品露出部を示す斜視図である。
【0159】
幅狭の部品収納テープ100Aは、キャリアテープ101Aとカバーテープ102Aとを含む。キャリアテープ101Aは、幅広の部品収納テープ100のキャリアテープ101と同様に、部品を収納する部品収納部が所定の間隔をおいて複数配列されたテープである。また、キャリアテープ101Aには、その幅方向の一方側の端部のみに孔部101bAが所定の間隔をおいて配列されている。カバーテープ102Aは、部品収納部を覆うようにキャリアテープ101Aに貼付されたテープである。カバーテープ102Aは、その幅方向両端部がそれぞれキャリアテープ101Aに接合されることにより、当該キャリアテープ101Aに貼付されている。このため、部品収納テープ100Aにおいて、キャリアテープ101Aの上面における幅方向両端部にはそれぞれ、カバーテープ102Aの接合による接合部103Aが、カバーテープ102Aの幅方向の端縁に沿って線状に形成されている。
【0160】
幅広の部品収納テープ100を用いる上記の部品供給装置1に備えられるテープ送出部3において、第1テープ送出部31、第2テープ送出部32及び第3テープ送出部33の各々は、一対のスプロケットを含んで構成される。これに対し、幅狭の部品収納テープ100Aを用いる部品供給装置1ABに備えられるテープ送出部において、第1テープ送出部、第2テープ送出部及び第3テープ送出部の各々は、部品収納テープ100Aに形成された孔部101bAに対応する側のみに配置されたスプロケットを含んで構成される。部品供給装置1ABに備えられる第1テープ送出部、第2テープ送出部及び第3テープ送出部の各々のスプロケットは、部品収納テープ100Aの孔部101bAに歯部が嵌り込んだ状態で回転することにより、部品収納テープ100Aを送出する。
【0161】
幅狭の部品収納テープ100Aを用いる部品供給装置1ABは、
図29に示すように、上記の第1変形実施形態として説明した、カバーテープ剥離方式の部品露出部60を備えている。部品供給装置1ABの部品露出部60において、カバーテープ前処理部602は、部品収納テープ100Aのカバーテープ102Aを、孔部101bAが形成されている側とは反対側の接合部103Aに沿って剥離する。そして、カバーテープ立ち上げ部601は、剥離されたカバーテープ102Aを上方側に立ち上げる。更に、カバーテープ後処理部603は、立ち上げられたカバーテープ102Aを、カバーテープ前処理部602によって剥離された側とは反対側の側端縁の外側へ広げるとともに下方側へ屈曲させる。これにより、部品収納テープ100Aの部品収納部内において部品が取り出し可能に露出される。
【0162】
幅狭の部品収納テープ100Aにおいてカバーテープ102Aの幅は、幅広の部品収納テープ100のカバーテープ102の幅に比べて小さい。特に、テープ幅が12mm又は16mmの部品収納テープ100Aにおいて、上記の部品供給装置1に備えられる、カバーテープ切断方式の部品露出部6により部品露出処理を行った場合、キャリアテープ101Aの外側に延出する程度にカバーテープ102Aを広げることが困難である。このため、テープ幅が12mm又は16mmの幅狭の部品収納テープ100Aに対して部品露出処理を行う部品露出部としては、カバーテープ剥離方式の部品露出部60を採用することが好適である。なお、テープ幅が24mmの部品収納テープ100Aに対して部品露出処理を行う部品露出部としては、カバーテープ切断方式の部品露出部6及びカバーテープ剥離方式の部品露出部60のいずれを採用してもよい。
【0163】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0164】
本発明の一の局面に係る部品供給装置は、部品を収納する部品収納部が所定の間隔をおいて複数配列されたキャリアテープと、前記部品収納部を覆うように幅方向両端部が前記キャリアテープに接合されたカバーテープとを含む部品収納テープを用いて、前記部品を部品取出し位置に供給する部品供給装置である。この部品供給装置は、前記部品収納テープを、前記カバーテープを上面側として前記部品取出し位置に向けて送出するテープ送出部と、前記テープ送出部により送出される前記部品収納テープの下面における、テープ送出方向と直交するテープ幅方向両端部である下面両端部をそれぞれガイドする、前記テープ送出方向の最下流端が最上流端よりも下方側に位置する湾曲形状のスロープ部を有するガイド面を含む一対のガイド壁と、前記一対のガイド壁の間に配置され、前記下面両端部が前記ガイド面の前記スロープ部にガイドされつつ走行する前記部品収納テープの前記カバーテープに当接することにより、前記カバーテープを前記キャリアテープに対して上方へ立ち上げる立ち上げ処理を行う立ち上げ部と、前記立ち上げ部により立ち上げられた前記カバーテープの後処理を行う後処理部と、を備える。前記立ち上げ部は、前記カバーテープに対する当接の始点となる当接始点を有し、前記当接始点から前記キャリアテープに対する前記カバーテープの立ち上げを誘発させる立ち上げ誘発部と、前記立ち上げ誘発部の前記テープ送出方向の下流端に連なり、前記部品収納テープの走行に伴って前記キャリアテープに対する前記カバーテープの立ち上げ量を連続的に増加させる立ち上げ量調整部と、を含む。前記後処理部は、前記ガイド面の前記スロープ部に対して上方側に間隙を有して対向して配置され、前記立ち上げ部により立ち上げられた前記カバーテープを、上方への動きを規制しつつ、前記部品収納部が開放するように、前記部品収納テープにおける前記テープ幅方向の側端縁の外側へ広げる第1後処理を行う上方規制部を含む。前記ガイド面と前記上方規制部との間の間隙は、前記テープ送出方向上流から下流に向かって狭くなるように設定されている。
【0165】
この部品供給装置によれば、ガイド面のスロープ部に沿って走行する部品収納テープのカバーテープは、立ち上げ部の立ち上げ処理によってキャリアテープに対して上方側に立ち上げられる。立ち上げ部による立ち上げ処理後のカバーテープは、後処理部によって後処理が施される。ここで、ガイド面のスロープ部は、テープ送出方向の最下流端が最上流端よりも下方側に位置する湾曲形状に形成される。これにより、例えば立ち上げ部がテープ送出方向に沿って水平に延びるようなガイド面に配置される場合と比較して、ガイド面のスロープ部に沿って走行して立ち上げ部を通過するときの、部品収納テープの走行距離を、長くすることができる。更に、ガイド面のスロープ部は、テープ送出方向の最下流端が最上流端よりも下方側に位置している。これにより、立ち上げ部による立ち上げ処理後のカバーテープにおいて、テープ送出方向の下流端から立ち上げ誘発部の当接始点に向かう引っ張り応力の発生が抑止される。従って、立ち上げ部によるカバーテープの立ち上げ処理時における、カバーテープの引っ張り応力に起因したキャリアテープの座屈変形を、防止することができる。このため、部品収納テープの良好な走行性が保持され、部品取出し位置に向けて部品を効率良く供給することができる。
【0166】
また、立ち上げ部において立ち上げ量調整部は、キャリアテープに対するカバーテープの立ち上げ量を連続的に増加させる。そして、後処理部の上方規制部は、ガイド面のスロープ部に対して上方側に間隙を有して対向して配置され、立ち上げ処理後のカバーテープを、上方への動きを規制しつつ部品収納部が開放するように、部品収納テープにおけるテープ幅方向の側端縁の外側へ広げる。ここで、後処理部の上方規制部とガイド面のスロープ部との間の間隙は、テープ送出方向上流から下流に向かって狭くなるように設定されている。これにより、後処理部の上方規制部は、立ち上げ量の連続的な増加に応じてカバーテープの外側への広がり量が大きくなるように、カバーテープを外側へ広げることができる。このため、部品収納部を効果的に開放することが可能となり、部品取出し位置における部品の取出し性を良好にすることができる。
【0167】
上記の部品供給装置において、前記ガイド面の前記スロープ部は、上に凸に湾曲した第1湾曲領域と、前記第1湾曲領域の前記テープ送出方向下流側に連なり、下に凸に湾曲した第2湾曲領域とを含む。そして、前記立ち上げ部は、前記立ち上げ誘発部の前記当接始点が前記第1湾曲領域と前記第2湾曲領域との境界線上又はその近傍に位置するように、配置される。
【0168】
この態様では、立ち上げ部が配置されるスロープ部は、第1湾曲領域と第2湾曲領域とで、上下方向に関して曲がる方向が異なり、曲率の符号が変化する。このようなスロープ部に沿って部品収納テープが走行すると、第1湾曲領域の通過時と第2湾曲領域の通過時とで、部品収納テープに対して上下方向に関して逆方向に撓もうとする力が作用する。このため、例えばスロープ部において、第1湾曲領域と第2湾曲領域とにわたってカバーテープ立ち上げ部を配置すると、カバーテープ立ち上げ部によるカバーテープの立ち上げ処理の安定性が低下する可能性がある。
【0169】
そこで、カバーテープ立ち上げ部は、立ち上げ誘発部の当接始点が、第1湾曲領域と第2湾曲領域との境界線上又はその近傍に位置するように、配置される。このような構成では、カバーテープ立ち上げ部は、その最上流端となる当接始点が第1湾曲領域と第2湾曲領域との境界線上又はその近傍に位置するので、第1湾曲領域と第2湾曲領域とにわたって配置されることなく、第2湾曲領域に配置されることになる。従って、カバーテープ立ち上げ部によるカバーテープの立ち上げ処理の安定性の低下が防止される。
【0170】
上記の部品供給装置において、前記立ち上げ部は、前記立ち上げ誘発部の前記当接始点が前記一対のガイド壁の間の中央に位置するように配置される。そして、前記立ち上げ量調整部は、前記テープ送出方向上流から下流に向かって、前記立ち上げ誘発部との接続部分から前記一対のガイド壁の各々に近づくように延びる一対の立ち上げ調整片により構成される。
【0171】
この態様では、立ち上げ量調整部を構成する一対の立ち上げ調整片は、立ち上げ誘発部との接続部分から一対のガイド壁の各々に近づくように延びる。このような一対の立ち上げ調整片により立ち上げ量調整部を構成することによって、キャリアテープに対するカバーテープの立ち上げ量を連続的に増加させることができる。
【0172】
上記の部品供給装置において、前記ガイド面の前記スロープ部は、前記第2湾曲領域の前記テープ送出方向下流側に連なり、上に凸に湾曲した第3湾曲領域であって、前記テープ送出方向の最下流端が、前記第1湾曲領域の前記テープ送出方向の最上流端よりも下方側に位置し、且つ前記部品取出し位置と上下方向に同一の高さ位置となる第3湾曲領域を、更に含む。前記一対の立ち上げ調整片は、前記テープ送出方向において、前記スロープ部の前記第2湾曲領域と前記第3湾曲領域とにわたって延びる。前記後処理部の前記上方規制部は、前記スロープ部の前記第2湾曲領域に対向し、前記テープ送出方向上流から下流に向かって下方側に傾斜して延びる第1上方規制領域と、前記第1上方規制領域の前記テープ送出方向下流側に連なり、前記スロープ部の前記第3湾曲領域に対向し、前記テープ送出方向に沿って水平に延びる第2上方規制領域と、を有する。
【0173】
この態様では、上方規制部の第1上方規制領域とスロープ部の第2湾曲領域との間の間隙は、第1上方規制領域の下方側への傾斜に応じて狭くなる。一方、上方規制部の第2上方規制領域とスロープ部の第3湾曲領域との間の間隙は、第3湾曲領域の上に凸の湾曲形状に応じて狭くなる。つまり、上方規制部とスロープ部との間の間隙を、テープ送出方向上流から下流に向かって狭くなるように設定することができる。
【0174】
上記の部品供給装置において、前記後処理部は、前記一対のガイド壁の幅方向外側から前記部品収納テープの側端面に対向するように、前記上方規制部の幅方向両端部の各々から下方に延設される側方規制部を、更に含む。そして、前記側方規制部は、前記上方規制部により前記テープ幅方向の外側へ広げられた前記カバーテープを、側方への動きを規制しつつ下方側へ屈曲させる第2後処理を行う。
【0175】
この態様では、上方規制部によって外側へ広げられたカバーテープを、側方規制部によって下方側へ屈曲させることができる。
【0176】
上記の部品供給装置において、前記後処理部は、前記テープ送出方向において、前記側方規制部による前記カバーテープの下方側への屈曲の始点となる側方規制始点が、前記上方規制部における前記第2上方規制領域内に位置するように、構成される。
【0177】
上方規制部によって外側へ広げられたカバーテープが側方規制部によって下方側へ屈曲されるときに、キャリアテープが座屈変形する可能性がある。そこで、側方規制部によるカバーテープの下方側への屈曲の始点となる側方規制始点が、上方規制部においてテープ送出方向に沿って水平に延びる第2上方規制領域内に位置するようにする。これにより、カバーテープが側方規制始点から下方側へ屈曲されるときに、キャリアテープが座屈変形することを抑制することができる。
【0178】
上記の部品供給装置において、前記部品収納テープは、その先端部において前記カバーテープが前記キャリアテープに対して上方に立ち上げられて折り曲げられた、三角形状を成すカバーテープの折り曲げ片が形成された状態で、前記テープ送出部による送出が開始される。そして、部品供給装置は、前記一対のガイド壁の間において、前記立ち上げ部の前記テープ送出方向上流側に配置され、前記テープ送出部により送出される前記部品収納テープにおける前記カバーテープと前記キャリアテープとの間に挿入される挿入部材を、更に備える。
【0179】
この態様では、部品収納テープの先端部に、三角形状のカバーテープの折り曲げ片が形成されているので、カバーテープとキャリアテープとの間への挿入部材の挿入性が良好なものとなる。また、立ち上げ部の立ち上げ誘発部は、部品収納テープの先端部においてカバーテープの折り曲げ片に当接する。これにより、立ち上げ誘発部によるカバーテープの立ち上げが、スムーズに誘発される。更に、後処理部の上方規制部は、立ち上げ部により立ち上げられたカバーテープにおいて、当該カバーテープの先端部に形成された折り曲げ片にて接触を開始する。これにより、上方規制部は、立ち上げ部により立ち上げられたカバーテープを、スムーズに外側へ広げることができる。
【0180】
本発明の他の局面に係る部品供給方法は、部品を収納する部品収納部が所定の間隔をおいて複数配列されたキャリアテープと、前記部品収納部を覆うように前記キャリアテープに貼付されたカバーテープとを含む部品収納テープを、前記カバーテープを上面側として送出することにより、部品を供給する部品供給方法である。この部品供給方法は、前記部品収納テープの下面におけるテープ幅方向両端部である下面両端部をそれぞれ、テープ送出方向の最下流端が最上流端よりも下方側に位置する湾曲形状のスロープ部を有するガイド面によってガイドしつつ、当該部品収納テープを部品取出し位置に向けて送出するテープ送出工程と、前記下面両端部が前記ガイド面の前記スロープ部にガイドされつつ送出される前記部品収納テープにおいて、前記キャリアテープに対する前記カバーテープの立ち上げ量が連続的に増加するように、立ち上げ部を用いて前記カバーテープを前記キャリアテープに対して上方へ立ち上げる立ち上げ処理を行う立ち上げ処理工程と、前記ガイド面の前記スロープ部に対して上方側に間隙を有して対向して配置される上方規制部を含む後処理部が用いられ、前記立ち上げ部により立ち上げられた前記カバーテープを、前記上方規制部によって上方への動きを規制しつつ、前記部品収納部が開放するように、前記部品収納テープにおける前記テープ幅方向の側端縁の外側へ広げる後処理を行う後処理工程と、を含み、前記ガイド面と前記上方規制部との間の間隙は、テープ送出方向上流から下流に向かって狭くなるように設定されている。
【0181】
この部品供給方法によれば、立ち上げ処理工程において、ガイド面のスロープ部に沿って走行する部品収納テープのカバーテープが、キャリアテープに対して上方側に立ち上げられる。立ち上げ処理後のカバーテープは、後処理工程において後処理が施される。ここで、ガイド面のスロープ部は、テープ送出方向の最下流端が最上流端よりも下方側に位置する湾曲形状に形成されている。これにより、立ち上げ処理工程での立ち上げ処理後のカバーテープにおいて、テープ送出方向の下流端から立ち上げ部の当接始点に向かう引っ張り応力の発生が抑止される。従って、立ち上げ処理工程でのカバーテープの立ち上げ処理時における、カバーテープの引っ張り応力に起因したキャリアテープの座屈変形を、防止することができる。このため、部品収納テープの良好な走行性が保持され、部品取出し位置に向けて部品を効率良く供給することができる。
【0182】
また、立ち上げ処理工程では、キャリアテープに対するカバーテープの立ち上げ量を連続的に増加させる。そして、後処理工程では、ガイド面のスロープ部に対して上方側に間隙を有して対向して配置される上方規制部を含む後処理部が用いられて、立ち上げ処理後のカバーテープを、上方への動きを規制しつつ部品収納部が開放するように外側へ広げる。ここで、後処理部の上方規制部とガイド面のスロープ部との間の間隙は、テープ送出方向上流から下流に向かって狭くなるように設定されている。これにより、後処理工程において、上方規制部は、立ち上げ量の連続的な増加に応じてカバーテープの外側への広がり量が大きくなるように、カバーテープを外側へ広げることができる。このため、部品収納部を効果的に開放することが可能となり、部品取出し位置における部品の取出し性を良好にすることができる。
【0183】
本発明の他の局面に係る部品実装機は、部品を供給する部品供給部と、前記部品供給部により供給された前記部品を保持する保持具を有するヘッドユニットと、を備える。そして、前記部品供給部には、上記の部品供給装置が複数配置されている。
【0184】
この部品実装機によれば、部品収納テープに収納された部品を、部品取出し位置に対して効率良く供給することが可能な部品供給装置を備えている。このため、部品実装機による部品搭載基板の生産効率の低下を可及的に抑止することができる。
【0185】
上記の部品実装機において、前記複数の部品供給装置は、第1テープ幅の部品収納テープを用いて部品を供給する第1部品供給装置と、前記第1テープ幅よりも幅広の第2テープ幅の部品収納テープを用いて部品を供給する第2部品供給装置と、を含む。そして、前記第1部品供給装置及び前記第2部品供給装置の各々に備えられる前記立ち上げ部において、前記立ち上げ誘発部と前記立ち上げ量調整部との間の境界部分は、前記第1部品供給装置よりも前記第2部品供給装置が前記テープ送出方向の上流側に位置している。
【0186】
部品収納テープを用いて部品を供給する部品供給装置において、部品収納部を開放するために必要なカバーテープの立ち上げ量は、部品収納テープのテープ幅が大きくなるにつれて大きくなる。つまり、第1テープ幅の部品収納テープを用いる第1部品供給装置と、第1テープ幅よりも幅広の第2テープ幅の部品収納テープを用いる第2部品供給装置とを比較すると、第2部品供給装置が第1部品供給装置よりもカバーテープの立ち上げ量を大きくする必要がある。
【0187】
カバーテープの立ち上げ量を大きくする方策としては、例えば、立ち上げ部を通過するときの部品収納テープの走行距離が長くなるように、立ち上げ部が配置されるスロープ部の形状を設計することが考えられる。つまり、第1部品供給装置と第2部品供給装置とでスロープ部の形状を変化させ、第2部品供給装置におけるスロープ部上の走行距離を第1部品供給装置よりも長くすればよい。但し、この場合には、第1部品供給装置と第2部品供給装置とを比較して、スロープ部の形状の違いに起因して装置の高さ又はテープ送出方向の長さが異なり、部品供給部での配置状態において統一性がなくなる。更に、第1部品供給装置と第2部品供給装置とを比較して、スロープ部上での部品収納テープの走行距離の違いに起因して、部品供給速度が変化してしまう。
【0188】
そこで、第1部品供給装置及び第2部品供給装置の各々に備えられる立ち上げ部において、立ち上げ誘発部と立ち上げ量調整部との間の境界部分の位置を変化させる。具体的には、前記境界部分の位置は、第1部品供給装置よりも第2部品供給装置がテープ送出方向の上流側に位置している。立ち上げ誘発部と立ち上げ量調整部との間の境界部分の位置が上流側に位置している第2部品供給装置では、第1部品供給装置と比較して、カバーテープの立ち上げ量を連続的に増加させはじめるタイミングが早くなる。これにより、部品収納テープのテープ幅に応じてスロープ部の形状を変化させることなく共通のスロープ部を用いて、部品収納部を開放するために必要なカバーテープの立ち上げ量を確保することができる。
【0189】
以上説明した通り、本発明によれば、部品収納テープに収納された部品を部品取出し位置に供給する部品供給装置において、部品を効率良く供給することが可能な部品供給装置及び部品供給方法、並びに当該部品供給装置を備えた部品実装機を提供することができる。