(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6823191
(24)【登録日】2021年1月12日
(45)【発行日】2021年1月27日
(54)【発明の名称】磁気ストリップ取付用ホルダーおよび家電機器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20210114BHJP
【FI】
A47J27/00 103B
A47J27/00 103L
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-546959(P2019-546959)
(86)(22)【出願日】2017年10月19日
(65)【公表番号】特表2019-535471(P2019-535471A)
(43)【公表日】2019年12月12日
(86)【国際出願番号】CN2017106876
(87)【国際公開番号】WO2018176806
(87)【国際公開日】20181004
【審査請求日】2019年5月15日
(31)【優先権主張番号】201710202056.9
(32)【優先日】2017年3月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516089359
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンスィズ,インコーポレーテッド オブ ジュハイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン,リエン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジンビン
(72)【発明者】
【氏名】フー,ユーシン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ユエングイ
【審査官】
川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】
中国実用新案第202287846(CN,U)
【文献】
中国実用新案第201839469(CN,U)
【文献】
韓国公開特許第10−2010−0131089(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状断面を有するブラケット(100)を含み、前記ブラケット(100)の環状断面の周方向に沿って、磁気ストリップを取り付けるための取付溝(200)が若干設けられ、前記取付溝(200)の長手方向が前記ブラケット(100)の環状断面の径方向と一致し、
前記取付溝(200)には取付口(210)が開設され、前記取付口(210)を介して磁気ストリップが前記取付溝(200)内に差込可能であり、
前記取付溝(200)内に固定構造(220)が設けられ、磁気ストリップが前記取付溝(200)に差し込まれた後、磁気ストリップが前記固定構造(220)によって固定されることができ、
前記固定構造(220)は、前記取付溝(200)の側壁に設けられた凸条(221)を含み、磁気ストリップが前記取付溝(200)内に差し込まれた場合に、前記凸条(221)と磁気ストリップとは締まり嵌めであり、
前記取付溝(200)の側壁には第1の貫通孔(250)が設けられ、前記第1の貫通孔(250)の一側壁に接続バー(251)が設けられ、前記接続バー(251)の前記第1の貫通孔(250)の孔壁から離れた一端はぶら下がった端であり、前記凸条(221)が前記接続バー(251)の前記第1の貫通孔(250)の孔壁から離れた一端に設けられ、
前記取付溝(200)の前記第1の貫通孔(250)が開設された側壁と対向する側壁には第2の貫通孔(260)が開設され、前記第1の貫通孔(250)と前記第2の貫通孔(260)とは、ずれて設けられていることを特徴とする磁気ストリップ取付用ホルダー。
【請求項2】
前記取付溝(200)は、第1の取付溝(230)と第2の取付溝(240)とを含み、前記第1の取付溝(230)及び前記第2の取付溝(240)はそれぞれ前記ブラケット(100)の環の内側と外側の両側に位置し、前記第1の取付溝(230)と前記第2の取付溝(240)とは鈍角を成すように設けられることを特徴とする請求項1に記載の磁気ストリップ取付用ホルダー。
【請求項3】
前記第1の取付溝(230)の中心線と前記第2の取付溝(240)の中心線とが交差し、前記取付口(210)が前記第1の取付溝(230)と前記第2の取付溝(240)との間に位置し、前記取付口(210)を介して磁気ストリップが前記第1の取付溝(230)及び/又は前記第2の取付溝(240)内に差し込まれることができることを特徴とする請求項2に記載の磁気ストリップ取付用ホルダー。
【請求項4】
前記ブラケット(100)、前記第1の取付溝(230)、前記第2の取付溝(240)が一体成形されることを特徴とする請求項2に記載の磁気ストリップ取付用ホルダー。
【請求項5】
前記ブラケット(100)には、ボビンに対して固定されるための取付孔(110)が開設されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気ストリップ取付用ホルダー。
【請求項6】
線路をガイドし固定するための引き回しストッパ溝(120)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気ストリップ取付用ホルダー。
【請求項7】
前記引き回しストッパ溝(120)は、第1のストッパ溝(121)と第2のストッパ溝(122)とを含み、
前記第1のストッパ溝(121)が前記ブラケット(100)に設けられ、前記第2のストッパ溝(122)が前記取付溝(200)の外側壁に設けられ、前記第1のストッパ溝(12
1)の溝口と前記第2のストッパ溝(122)の溝口とが対向していることを特徴とする請求項6に記載の磁気ストリップ取付用ホルダー。
【請求項8】
前記ブラケット(100)の中心に設けられたバルブ取付位置(130)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気ストリップ取付用ホルダー。
【請求項9】
前記バルブ取付位置は、取付溝口を含み、前記取付溝口のエッジには、バルブの取り付けをガイドするためのガイド溝(131)が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の磁気ストリップ取付用ホルダー。
【請求項10】
鍋本体を備え、前記鍋本体は、コイルが巻設されているボビンと、磁気ストリップが取り付けられている磁気ストリップ取付用ホルダーとを含み、前記磁気ストリップ取付用ホルダーは、請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載の磁気ストリップ取付用ホルダーであることを特徴とする家電機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年3月30日にて出願した、出願番号が201710202056.9で、発明の名称が「磁気ストリップ取付用ホルダーおよび家電機器」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容を全て参照により本願に組み込むものとする。
【0002】
本発明は、家電機器の技術分野に関し、特に磁気ストリップ取付用ホルダーおよび家電機器に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の磁気ストリップの取り付け方式として、ほとんどの場合、接着してから磁気ストリップを熱間プレスする方式で磁気ストリップを固定するようにしている。このような方式は操作が複雑であり、長い時間がかかるだけでなく、磁気ストリップが接着剤によってブラケットに固定された後、廃棄ブラケットにおける磁気ストリップの取り外しや再利用が不便であり、かつ磁気ストリップ熱間プレスプロセス装置はコストが高く、熱間プレス過程で磁気ストリップが折れやすく、その結果、無駄となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づいて、従来の磁気ストリップの固定方式は操作が複雑であり、磁気ストリップの無駄遣いが発生しやすい等の問題に対して、磁気ストリップの取り付けを容易にし、磁気ストリップを有効に固定することができる磁気ストリップ取付用ホルダーを提供するとともに、この磁気ストリップ取付用ホルダーを備えた家電機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、以下の技術的構成によって実現される。
【0006】
磁気ストリップ取付用ホルダーであって、環状断面を有するブラケットを含み、ブラケットの環状断面の周方向に沿って、磁気ストリップを取り付けるための取付溝が若干設けられ、取付溝の長手方向がブラケットの環状断面の径方向と一致し、取付溝には取付口が開設され、取付口を介して磁気ストリップが取付溝内に差込可能であり、
取付溝内に固定構造が設けられ、磁気ストリップが取付溝に差し込まれた後、磁気ストリップが固定構造によって固定されることができる。
【0007】
一実施例において、固定構造は、取付溝の側壁に設けられた凸条を含み、磁気ストリップが取付溝内に差し込まれた場合に、凸条と磁気ストリップとは締まり嵌めである。
【0008】
一実施例において、取付溝の側壁には第1の貫通孔が開設され、第1の貫通孔の一側壁に接続バーが設けられ、凸条が接続バーの第1の貫通孔の孔壁から離れた一端に設けられている。
【0009】
一実施例において、取付溝の第1の貫通孔が開設された側壁と対向する側壁には第2の貫通孔が開設されている。
【0010】
一実施例において、取付溝は、第1の取付溝と第2の取付溝とを含み、第1の取付溝及び第2の取付溝はそれぞれブラケットの両側に位置し、第1の取付溝と第2の取付溝とは鈍角を成すように設けられる。
【0011】
一実施例において、第1の取付溝の中心線と第2の取付溝の中心線とが交差し、取付口が第1の取付溝と第2の取付溝との間に位置し、磁気ストリップが取付口を介して第1の取付溝及び/又は第2の取付溝内に差し込まれることができる。
【0012】
一実施例において、ブラケット、第1の取付溝、第2の取付溝が一体成形される。
【0013】
一実施例において、ブラケットには、ボビンに対して固定されるための取付孔が開設されている。
【0014】
一実施例において、磁気ストリップ取付用ホルダーは、線路をガイドし固定するための引き回しストッパ溝をさらに含む。
【0015】
一実施例において、引き回しストッパ溝は、第1のストッパ溝と第2のストッパ溝とを含み、第1のストッパ溝がブラケットに設けられ、第2のストッパ溝が取付溝の外側壁に設けられ、第1のストッパ溝の溝口と第2のストッパ溝の溝口とが対向している。
【0016】
一実施例において、磁気ストリップ取付用ホルダーは、ブラケットの中心に設けられたバルブ取付位置をさらに含む。
【0017】
一実施例において、バルブ取付位置は、取付溝口を含み、取付溝口のエッジには、バルブの取り付けをガイドするためのガイド溝が設けられている。
【0018】
家電機器であって、鍋本体を備え、鍋本体は、コイルが巻設されているボビンと、磁気ストリップが取り付けられている磁気ストリップ取付用ホルダーとを含み、磁気ストリップ取付用ホルダーは上述したいずれか一項に記載の磁気ストリップ取付用ホルダーである。
【発明の効果】
【0019】
上述した磁気ストリップ取付用ホルダーは、ブラケットに磁気ストリップ取付溝が設けられ、磁気ストリップの位置決めや取り付けを容易に行うことができるとともに、取付口を介する差込式取り付けによって、磁気ストリップの取り付けがより簡便になり、また、取付溝内に固定構造が設けられることで、取付溝内に取り付けられた磁気ストリップを有効に固定することができる。
【0020】
磁気ストリップ取付用ホルダーが上述した技術効果を有するため、この磁気ストリップ取付用ホルダーを備えた家電機器も対応する技術効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例に提供される磁気ストリップ取付用ホルダーの構造を示す模式図(その1)である。
【
図2】本発明の実施例に提供される磁気ストリップ取付用ホルダーの構造を示す模式図(その2)である。
【
図3】本発明の実施例に提供される磁気ストリップ取付用ホルダーの構造を示す断面図である。
【
図5】本発明の実施例に提供される磁気ストリップ取付用ホルダーとボビンの組み付けを示す模式図である。
【符号の説明】
【0022】
001…磁気ストリップ取付用ホルダー、
100…ブラケット、
110…取付孔、
120…引き回しストッパ溝、121…第1のストッパ溝、122…第2のストッパ溝、
130…バルブ取付位置、131…ガイド溝、
200…取付溝、
210…取付口、
220…固定構造、221…凸条、
230…第1の取付溝、240…第2の取付溝、
250…第1の貫通孔、251…接続バー、
260…第2の貫通孔、
002…磁気ストリップ、
003…ボビン。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、技術的構成および利点をより明らかにするために、以下、実施例によって、図面を結合して本発明の磁気ストリップ取付用ホルダーおよび家電機器をさらに詳しく説明する。ここに説明される具体的な実施例は、本発明を説明するために過ぎず、本発明を限定することを意図していない。
【0024】
なお、ある素子が他の素子に「固定されている」と記載された場合に、直接他の素子にあることを意味してもよいし、それらの間に素子が介在することを意味してもよい。また、ある素子が他の素子に「接続されている」と記載される場合に、他の素子に直接接続されているか、或いは、それらの間に素子が介在する。逆に、ある素子が「直接」他の素子の「上」にあると記載された場合に、それらの間に素子が介在しない。本文に使用される「垂直な」、「水平な」、「左」、「右」及び類似した表現は、あくまでも説明のためである。
【0025】
本発明の磁気ストリップ取付用ホルダー001は、電磁誘導加熱原理に基づく家電機器、例えば、電気ホットポット、炊飯器又は電気圧力鍋などに適用されることができ、この磁気ストリップ取付用ホルダー001によって、磁気ストリップ002の組み付けがより簡単で確実となるため、全体の組み付け効率を向上させることができる。
【0026】
図1に示すように、本発明の一実施例の磁気ストリップ取付用ホルダー001は、環状断面を有するブラケット100を含み、ブラケット100の環状断面の周方向に沿って、磁気ストリップ002を取り付けるための取付溝200が若干設けられ、取付溝200の長手方向がブラケット100の環状断面の径方向と一致する。取付溝200に取付口210が開設され、取付口210を介して磁気ストリップ002が取付溝200内に差込可能である。
【0027】
取付溝200内に固定構造220が設けられ、磁気ストリップ002が取付溝200に差し込まれた後、磁気ストリップ002を固定構造220によって固定することができる。
【0028】
ブラケット100は、磁気ストリップ002を支持し取り付けることに用いられる一方、家電機器等への組み付けを容易にし、ブラケット100は円盤状のフレーム構造とされてもよく、すなわち、環状断面は円環状面であり、このように、ほとんどの家電機器に合わせることができる。取付溝200がブラケット100の環状断面の周方向に沿って設けられ、取付溝200の長手方向がブラケット100の環状断面の径方向と一致し、このように、取付溝200がブラケットに放射状に設けられるようになり、取付溝200はブラケットに対して周方向に均一に設けられることが好ましく、これにより、磁気ストリップ002が取付溝200内に取り付けられた後、磁気ストリップ002の分布が比較的に均一であるため、この磁気ストリップ取付用ホルダー001を用いた家電機器は均一な加熱効果を有する。
【0029】
取付溝200に取付口210が開設されていることにより、磁気ストリップ002が取付溝200に差込可能である。一般的には、製品コストを節約するために、異形磁気ストリップ(異形磁気ストリップはコストが高い)を使わずに、ストレートストリップ状の磁気ストリップ002を使う。取付口210は任意の方向に向かってもよく、これにより、磁気ストリップ002は、取付溝200の長手方向、幅方向又は高さ方向に沿って取付溝200に差し込まれることができる。取付口210は、磁気ストリップ002が取付溝200の長手方向に沿って取付溝200に差し込まれることができるように開設されることが好ましく、このように、他の差込方式に比べ、小さい取付口210を設けていれば、磁気ストリップ002の位置決めや取り付けをよく行うことができ、同時に、このような方式では、磁気ストリップ002と取付溝200との係合面が大きく、磁気ストリップ002の固定に寄与する。
【0030】
1つの好適な実施形態として、取付溝200は、第1の取付溝230と第2の取付溝240とを含み、第1の取付溝230及び第2の取付溝240はそれぞれブラケット100の両側に位置し、第1の取付溝230と第2の取付溝240とは鈍角を成すように設けられる。そして、ブラケット100、第1の取付溝230、第2の取付溝240が一体成形されることが好ましく、このように、磁気ストリップ取付用ホルダー001は、全体として、略椀形状の鍋底を呈する形状を形成し、かつ構造が安定であり、電磁誘導加熱装置の被加熱体によりよく合わせることができ、第1の取付溝230は、被加熱体の底部にぴったり合い、第2の取付溝240は、被加熱体の側部にぴったり合い、これにより、電磁誘導領域で被加熱体をよりよく囲むことができ、加熱効率を向上させる。そして、取付溝200を第1の取付溝230及び第2の取付溝240という2セグメントに設計することで、通常のストレートストリップ状の磁気ストリップの取り付けにより適合し、異形磁気ストリップ(異形磁気ストリップはコストが高い)を用いる必要がなく、製品コストを効果的に節約する。他の実施例において、第1の取付溝230と第2の取付溝240は、1つの平面に位置してもよく、即ち、磁気ストリップ取付用ホルダー001は全体として平板状に形成され、電気ホットプレートのような電器に適する。
【0031】
第1の取付溝230と第2の取付溝240とは交互に設けられてもよく、このように、第1の取付溝230及び第2の取付溝240のそれぞれに磁気ストリップ002が差し込まれる取付口を開設する必要がある。好ましくは、第1の取付溝230の中心線と第2の取付溝240の中心線とが交差し、取付口210が第1の取付溝230と第2の取付溝240との間に位置し、取付口210を介して磁気ストリップ002が第1の取付溝230及び/又は第2の取付溝240内に差し込まれることができる。このように、磁気ストリップ002が差し込まれる取付口210を1つだけ設けていれば、磁気ストリップ002を第1の取付溝230又は第2の取付溝240内に容易に差し込むことができ、或いは、2つの磁気ストリップをそれぞれ第1の取付溝230及び第2の取付溝240内に容易に差し込むことができる。そして、取付口210を、鍋底形状をなす磁気ストリップ取付用ホルダー001の背面(つまり、凸面)に設けることが好ましく、このように、磁気ストリップ002を磁気ストリップ取付用ホルダー001に組み付ける中、磁気ストリップ002の取り付けが容易となり、組み付け効率を向上させるとともに、ラインにて組み付けるため、磁気ストリップ002が組み付けられたか否かを直観的に見ることができ、工程間の相互検査作業が容易であり、磁気ストリップ002の欠落を回避する。
【0032】
図1〜
図4を参照し、固定構造220は、磁気ストリップ002が取付溝200に差し込まれた後に磁気ストリップ002を固定することに用いられ、その構造形式は様々であり、1つの好適な実施形態として、固定構造220は、凸条221を含み、凸条221が取付溝200の側壁に設けられ、磁気ストリップ002が取付溝200内に差し込まれた場合に、凸条221と磁気ストリップ002とは締まり嵌めである。凸条221は、取付溝200と磁気ストリップ002とが接触し係合するいずれかの面に設けられてもよく、磁気ストリップ002が取付溝200に差し込まれると、凸条221は磁気ストリップ002に対して押出作用力が発生することができ、これにより、磁気ストリップ002は取付溝200内に固定されることができる。凸条221は、取付溝200の長手方向に沿って設けられてもよいし、取付溝200の長手方向に垂直な方向に沿って設けられるか、或いは、取付溝200の長手方向に対して傾いて設けられてもよい。凸条221は、取付溝200の長手方向に垂直な方向に沿って設けられることが好ましく、これは、磁気ストリップ002が取付溝200の長手方向に沿って差し込まれるためで、凸条221による固定作用がなければ、磁気ストリップ002が取付溝200の長手方向に沿って逆方向に抜け出やすいことを意味し、この場合、一定の長さを有する凸条221が取付溝200の長手方向に垂直な方向に沿って設けられることで、磁気ストリップ002に対して横方向のストッパ作用を有するので、磁気ストリップ002をより確実に固定することができる。
【0033】
さらに、磁気ストリップ002を取付溝200に順調に差し込むとともに、取付溝200が一定の寸法公差がある磁気ストリップ002の取り付けに合わせるために、凸条221は一定の弾性変形能力を有する構造上に設けられ、このように、磁気ストリップ002の差込中、磁気ストリップ002が凸条221を押し、凸条221は弾性構造の変形作用により磁気ストリップ002を適切な場所に順調に差し込むようにすることができ、磁気ストリップ002が適切な場所に差し込まれた後、凸条221は弾性構造の変形回復作用により磁気ストリップ002を押すことができるので、磁気ストリップ002を取付溝200内に固定することができる。取付溝200の側壁には第1の貫通孔250が設けられ、第1の貫通孔250の一側壁に接続バー251が設けられ、凸条221が接続バー251の第1の貫通孔250の孔壁から離れた一端に設けられていることが好ましい。凸条221が接続バー251のぶら下がった一端に設けられているため、磁気ストリップ002の差込中、凸条221は、磁気ストリップ002の押圧作用力を受けて変位することができ、磁気ストリップ002が適切な場所に順調に差し込まれた後、凸条221は接続バー251の変形回復作用により磁気ストリップ002を押すことができるので、磁気ストリップ002を有効に固定する。実際には、取付溝200の設計加工時に、各サイズは通常のストリップ状の磁気ストリップ002に合わせるサイズに設計され、一般的には、磁気ストリップ002が取付溝200内に取り付けられた後、磁気ストリップ002の各表面と取付溝200の各側壁に大きな間隔は出ない一方、凸条221を利用して、凸条221が磁気ストリップ002に対して一定の弾性変位を発生可能にすることで、磁気ストリップ002は取付溝200内に順調に差し込まれることができるとともに、有効に固定されることができる。
【0034】
第1の貫通孔250は、取付溝200の一方の側壁に設けられ、好ましくは、取付溝200と磁気ストリップ002との接触面が大きい側壁(磁気ストリップ取付用ホルダー001の正面又は背面)に設けられ、接続バー251の長手方向が取付溝200の長手方向と一致してもよく、このように、接続バー251の長さが大きく、大きな弾性変形能力を有する。
【0035】
他の実施例において、差し込まれた磁気ストリップ002に対して押圧作用力が発生するように、固定構造220は、取付溝200の内壁に設けられた凸起又はボスであることができる。或いは、固定構造220は、取付溝200の取付口210のエッジに設けられたストッパ等である。
【0036】
さらに、磁気ストリップ002の放熱効率を向上させるために、取付溝200の側壁に貫通孔を開設することができ、取付溝200の第1の貫通孔250が開設された側壁と対向する側壁には第2の貫通孔260が開設されていることが好ましい。このように、取付溝200と磁気ストリップ002との接触面が大きい両側壁(磁気ストリップ取付用ホルダー001の正面及び背面)にそれぞれ貫通孔を有するようになり、磁気ストリップ002の放熱に寄与するだけでなく、磁気ストリップ取付用ホルダー001の使用材料を節約することもできる。第1の貫通孔250及び第2の貫通孔260の形状及び数は必要に応じて変更されることができ、磁気ストリップ002を支持できるエッジを残っていれば、サイズを大きくしてもよい。また、第1の貫通孔250と第2の貫通孔260とは正対するのではなく、若干ずれて設けられてもよい。
【0037】
図1及び
図5を参照し、1つの好適な実施形態として、ブラケット100には、ボビン002に対して固定されるための取付孔110が開設されている。取付孔110の数及び配置位置は変更されることができ、本実施例において、ブラケット100には3つの取付孔110が開設されており、3つの取付孔110は均一に分布してもよいし、不均一に分布してもよい。ボビン002へ正確に組み付けるために、3つの取付孔110は、不均一に分布するように設計され、これにより、顕著なフールプルーフ構造を形成する。具体的には、3つの取付孔110を結ぶ線は二等辺三角形を形成することができ、ボビン002は、唯一の組み付け方式でしか磁気ストリップ取付用ホルダー001に対して固定され組み付けられることができない。
【0038】
さらに、取付孔110のエッジは、ボビン002に対して組み付けられる側に向かって突出し、ボビン002のスタッドとマッチングするための導線止め輪が形成され、磁気ストリップ取付用ホルダー001とボビン002の組み付け過程において、取付孔110をスタッドに素早く合わせる機能を果たす。さらに、磁気ストリップ取付用ホルダー001に巻回グリッドが直接設計されてもよく、これにより、コイルは直接磁気ストリップ取付用ホルダー001に巻設され、このように、磁気ストリップ002とコイルとの距離を一定にすることができ、電磁漏洩に起因する電磁放射オーバーを防止する。
【0039】
1つの好適な実施形態として、磁気ストリップ取付用ホルダー001は、引き回しストッパ溝120をさらに含み、引き回しストッパ溝120は、線路をガイドし固定するために用いられる。さらに、引き回しストッパ溝120は、第1のストッパ溝121と第2のストッパ溝122とを含む。第1のストッパ溝121がブラケット100に設けられ、第2のストッパ溝122が取付溝200の外側壁に設けられ、第1のストッパ溝121の溝口と第2のストッパ溝122の溝口とが対向している。このように、後の組み付け過程における磁気ストリップ取付用ホルダー001の引き回しや排列を容易に行うことができるとともに、線路を有効に固定することができ、線路が交差し混乱してしまい、安全面の懸念が生じるのを防止する。引き回しストッパ溝120の数は実際のニーズに応じて具体的に設けられることができ、その形も本発明の実施例における形に限定されていない。
【0040】
1つの好適な実施形態として、磁気ストリップ取付用ホルダー001は、バルブ取付位置130をさらに含み、バルブ取付位置130がブラケット100の中心に設けられている。バルブは、被加熱体の温度を検知し、検知された温度をコントローラに伝送し、コントローラは被加熱体の温度に基づく加熱制御を行い、磁気ストリップ取付用ホルダー001にバルブ取付位置130が設けられることで、バルブを固定するための追加部品を避けることができる。
【0041】
さらに、バルブ取付位置130は、取付溝口を含み、取付溝口のエッジには、バルブの取り付けをガイドするためのガイド溝131が設けられている。ガイド溝131は1つ、2つなどであることができ、ガイド溝131は、バルブが磁気ストリップ取付用ホルダー001に組み込まれるとき、バルブブラケットの脚部がガイド溝131のガイド作用によりスムーズに進むことができ、バルブと磁気ストリップ取付用ホルダー001とをよく組み付ける機能を担う。
【0042】
本発明の一実施例は、家電機器をさらに提供し、鍋本体を備え、鍋本体は、コイルが巻設されているボビンと、磁気ストリップが取り付けられている磁気ストリップ取付用ホルダーとを含み、磁気ストリップ取付用ホルダーは、上記のような磁気ストリップ取付用ホルダー001である。このように、この家電機器は、組み付けが簡単であり、磁気ストリップを確実に固定する利点を有する。
【0043】
上述した実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、簡単に説明するために、上述した実施例における各技術的特徴の全ての実施可能な組み合わせを説明していないが、しかし、これらの技術的特徴の組み合わせは、互いに矛盾しない限り、いずれも本明細書に記載された範囲内にあると理解されるべきである。
【0044】
上述した実施例は、本発明のいくつかの実施形態のみを表し、具体的に詳しく説明しているが、しかし、発明特許範囲を制限するものと理解されてはならない。当業者にとって、本発明の思想から逸脱しない前提において若干の手直しや改良が可能であることは指摘されるべきである。それゆえ、記載した請求項に基づいて本発明特許の保護範囲が定められるべきである。