(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6823258
(24)【登録日】2021年1月13日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】金型装置、及び成形体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 51/30 20060101AFI20210121BHJP
B29C 51/10 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
B29C51/30
B29C51/10
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-15038(P2017-15038)
(22)【出願日】2017年1月31日
(65)【公開番号】特開2018-122462(P2018-122462A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2019年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】林 洋介
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 邦将
【審査官】
北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−192522(JP,A)
【文献】
特開2012−192521(JP,A)
【文献】
特開2010−201661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 51/00−51/46
B29C 33/00−33/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂シートを成形するための金型と、前記金型の周面に沿って移動可能に構成された外枠を備え、
前記外枠は、前記樹脂シートを吸着可能に構成され、且つ枠上部、枠下部、枠右部、及び枠左部を備え、
前記枠上部、前記枠下部、前記枠右部、及び前記枠左部は、それぞれ、前記金型の上側、下側、右側、及び左側に配置され、且つ互いに独立して移動可能に構成される、金型装置。
【請求項2】
前記枠上部、前記枠下部、前記枠右部、及び前記枠左部は、それぞれ、平板形状である、請求項1に記載の金型装置。
【請求項3】
金型装置を用いた成形体の製造方法であって、
前記金型装置は、請求項1又は請求項2に記載の金型装置であり、
垂下工程と、吸着工程と、賦形工程を備え、
前記垂下工程では、前記金型の前面側に樹脂シートを垂下させ、
前記吸着工程では、前記外枠で前記樹脂シートを吸着した状態で前記樹脂シートを前記金型に近づけるように前記外枠を移動させ、
前記賦形工程では、前記金型により前記樹脂シートの減圧吸引を行って前記樹脂シートを前記金型のキャビティの内面に沿った形状に賦形する、方法。
【請求項4】
前記金型装置として、一対の金型装置を用い、
前記一対の金型装置のそれぞれは、請求項1又は請求項2に記載の金型装置であり、
前記垂下工程と、前記吸着工程と、前記賦形工程は、前記一対の金型装置のそれぞれについて行われ、
前記一対の金型装置の金型の型締めを行う型締め工程を備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記垂下工程では、前記枠右部及び前記枠左部に沿って前記樹脂シートを垂下させる、請求項3又は請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記垂下工程では、前記樹脂シートの下端が前記枠下部に到達する前に前記枠右部及び前記枠左部を前記樹脂シートに隣接させ、前記下端が前記枠下部よりも下側に到達した後に前記枠下部を前記樹脂シートに隣接させるように移動させる、請求項3〜請求項5の何れか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記枠上部は、前記枠下部と一緒に移動させる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記吸着工程では、前記枠右部及び前記枠左部よりも遅れて前記枠上部及び前記枠下部を移動させる、請求項3〜請求項7の何れか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形体の製造に利用可能な金型装置、及びこの金型装置を用いた成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、樹脂シートを成形するための金型と、前記金型の周面に沿って平行に移動可能に構成された外枠を備える金型装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−192522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、外枠は、金型の上側、右側、及び左側を囲む形状の枠上部と、金型の下側に配置される枠下部で構成されている。枠上部と枠下部は、それぞれ、金型の周面に沿って平行に移動可能になっているが、枠上部は金型の上側、右側、及び左側を囲む形状であるために、枠上部を厳密に平行に移動させることは容易ではなく、枠上部の移動方向がわずかでも傾斜すると、枠上部が金型に干渉してしまう虞があるという問題がある。金型の大型化に伴って、この問題はさらに顕著になる。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、外枠と金型の干渉を抑制することが可能な金型装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、樹脂シートを成形するための金型と、前記金型の周面に沿って移動可能に構成された外枠を備え、前記外枠は、前記樹脂シートを吸着可能に構成され、且つ枠上部、枠下部、枠右部、及び枠左部を備え、前記枠上部、前記枠下部、前記枠右部、及び前記枠左部は、それぞれ、前記金型の上側、下側、右側、及び左側に配置され、且つ互いに独立して移動可能に構成される、金型装置が提供される。
【0007】
本発明の金型装置では、外枠は、枠上部、枠下部、枠右部、及び枠左部を備え、これらが独立して移動可能に構成されている。本発明では、従来技術の枠上部が枠上部、枠右部、及び枠左部に分割されており、枠上部、枠右部、及び枠左部を平行に移動させることは、従来技術の枠上部を平行に移動させるよりも容易であるので、外枠と金型の干渉を抑制することができる。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記枠上部、前記枠下部、前記枠右部、及び前記枠左部は、それぞれ、平板形状である。
【0009】
本発明の別の観点によれば、金型装置を用いた成形体の製造方法であって、前記金型装置は、上記記載の金型装置であり、垂下工程と、吸着工程と、賦形工程を備え、前記垂下工程では、前記金型の前面側に樹脂シートを垂下させ、前記吸着工程では、前記外枠で前記樹脂シートを吸着した状態で前記樹脂シートを前記金型に近づけるように前記外枠を移動させ、前記賦形工程では、前記金型により前記樹脂シートの減圧吸引を行って前記樹脂シートを前記キャビティの内面に沿った形状に賦形する、方法が提供される。
好ましくは、前記金型装置として、一対の金型装置を用い、前記一対の金型装置のそれぞれは、上記記載の金型装置であり、前記垂下工程と、前記吸着工程と、前記賦形工程は、前記一対の金型装置のそれぞれについて行われ、前記一対の金型装置の金型の型締めを行う型締め工程を備える。
好ましくは、前記垂下工程では、前記枠右部及び前記枠左部に沿って前記樹脂シートを垂下させる。
好ましくは、前記垂下工程では、前記樹脂シートの下端が前記枠下部に到達する前に前記枠右部及び前記枠左部を前記樹脂シートに隣接させ、前記下端が前記枠下部よりも下側に到達した後に前記枠下部を前記樹脂シートに隣接させるように移動させる。
好ましくは、前記枠上部は、前記枠下部と一緒に移動させる。
好ましくは、前記吸着工程では、前記枠右部及び前記枠左部よりも遅れて前記枠上部及び前記枠下部を移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態の成形体の製造方法で利用可能な成形機1の一例を示す。金型装置31は、
図2中のA−A断面図である。
【
図4】外枠33が前進した状態での金型装置31の斜視図である。
【
図5】枠右部33r及び枠左部33lに沿って樹脂シート23を垂下させている状態を示す、
図2中のA−A断面の断面斜視図である。
【
図6】樹脂シート23の下端が枠下部33bよりも下側に到達した状態を示す、
図2中のA−A断面の断面斜視図である。
【
図7】枠上部33t及び枠下部33bを樹脂シート23に接触させ、且つ外枠33で樹脂シート23を吸着した状態を示す、
図2中のA−A断面の断面斜視図である。
【
図8】外枠33で樹脂シート23を吸着した状態で樹脂シート23を金型32に近づけるように外枠33を移動させた状態を示す
図2中のA−A断面の断面斜視図である。
【
図9】金型32で樹脂シート23を減圧吸引して賦形した状態を示す、
図2中のA−A断面の断面斜視図である。
【
図10】一対の金型32を型締めした後の状態を示す、
図2中のA−A断面の断面斜視図である。
【
図11】金型装置31の変形例1を示す斜視図である。
【
図12】金型装置31の変形例2を示す斜視図である。
【
図13】金型装置31の変形例3を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0012】
1.成形機1の構成
最初に、
図1〜
図4を用いて、本発明の一実施形態の成形体の製造方法の実施に利用可能な成形機1について説明する。成形機1は、一対の樹脂シート形成装置2と、一対の金型装置31を備える。各樹脂シート形成装置2は、ホッパー12と、押出機13と、アキュームレータ17と、Tダイ18を備える。押出機13とアキュームレータ17は、連結管25を介して連結される。アキュームレータ17とTダイ18は、連結管27を介して連結される。
以下、各構成について詳細に説明する。
【0013】
<ホッパー12,押出機13>
ホッパー12は、原料樹脂11を押出機13のシリンダ13a内に投入するために用いられる。原料樹脂11の形態は、特に限定されないが、通常は、ペレット状である。原料樹脂は、例えばポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂であり、ポリオレフィンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などが挙げられる。原料樹脂11は、ホッパー12からシリンダ13a内に投入された後、シリンダ13a内で加熱されることによって溶融されて溶融樹脂になる。また、シリンダ13a内に配置されたスクリューの回転によってシリンダ13aの先端に向けて搬送される。スクリューは、シリンダ13a内に配置され、その回転によって溶融樹脂を混練しながら搬送する。スクリューの基端にはギア装置が設けられており、ギア装置によってスクリューが回転駆動される。シリンダ13a内に配置されるスクリューの数は、1本でもよく、2本以上であってもよい。
【0014】
<アキュームレータ17、Tダイ18>
溶融樹脂は、シリンダ13aの樹脂押出口から押し出され、連結管25を通じてアキュームレータ17内に注入される。アキュームレータ17は、シリンダ17aとその内部で摺動可能なピストン17bを備えており、シリンダ17a内に溶融樹脂が貯留可能になっている。そして、シリンダ17a内に溶融樹脂が所定量貯留された後にピストン17bを移動させることによって、連結管27を通じて溶融樹脂をTダイ18内に設けられたスリットから押し出して垂下させて溶融状態の樹脂シート23を形成する。
【0015】
<金型装置31>
各金型装置31は、樹脂シート23を成形するための金型32と、金型32の周面32sに沿って移動可能に構成された外枠33を備える。外枠33は、シリンダ機構などによって移動可能に構成されている。
【0016】
金型32は、略直方体状であり、前面32fと、背面32rと、これらの間の周面32sを備える。前面32fは、樹脂シート23に対向する面であり、背面32rは、前面32fの反対側の面である。周面32sは、上面32st、底面32sb、右側面32sr、及び左側面32slを備える。上面32stと底面32sbが互いに対向し、右側面32srと左側面32slが互いに対向する。
【0017】
金型32は、キャビティ32aを有し、キャビティ32aを取り囲むようにピンチオフ部32bが設けられている。キャビティ32a内には、減圧吸引孔(図示せず)が設けられており、減圧吸引孔を通じて樹脂シート23を減圧吸引して金型32のキャビティ32aの内面に沿った形状に賦形することが可能になっている。減圧吸引孔は、極小の孔であり、一端が金型32内部を通ってキャビティ32aの内面にまで連通されてり、他端が減圧装置に接続されている。
【0018】
外枠33は、枠上部33t、枠下部33b、枠右部33r、及び枠左部33lを備える。外枠33には、溝状の減圧吸引孔33sが設けられている。減圧吸引孔33sは、減圧装置に接続されており、減圧吸引により樹脂シート23を外枠33に吸着できるように構成されている。
【0019】
枠上部33t、枠下部33b、枠右部33r、及び枠左部33lは、それぞれ、金型32の上側、下側、右側、及び左側に配置され、独立して移動可能に構成されている。つまり、枠上部33t、枠下部33b、枠右部33r、及び枠左部33lは、それぞれ、金型32の上面32st、底面32sb、右側面32sr、及び左側面32slに沿って配置されており、各面に沿って平行に移動可能に構成されている。枠右部33r及び枠左部33lは、枠上部33t及び枠下部33bに挟まれるように設けられている。
【0020】
2.成形体の製造方法
ここで、
図1〜
図10を用いて、本発明の一実施形態の成形体の製造方法について説明する。本実施形態の方法は、垂下工程と、吸着工程と、賦形工程と、型締め工程を備える。以下、詳細に説明する。
【0021】
2−1. 垂下工程
垂下工程では、
図1に示すように、金型32の前面32f側に樹脂シート23を垂下させる。
図1に示すように、樹脂シート23の下端23eが枠上部33tよりも下側に到達する前は、外枠33は、樹脂シート23から離れた位置に退避している。
図5に示すように、樹脂シート23の下端23eが枠右部33r及び枠左部33lの上端よりも下側に到達すると、枠右部33r及び枠左部33lを樹脂シート23に近づくように移動させ、枠右部33r及び枠左部33lが樹脂シート23に隣接した状態で樹脂シート23を垂下させる。このようにすることによって、樹脂シート23と、枠右部33r及び枠左部33lとの間の摩擦により樹脂シート23のドローダウンが抑制される。枠右部33r及び枠左部33lは、樹脂シート23の下端23eが枠下部33bよりも下側に到達する前に樹脂シート23に隣接させればよく、樹脂シート23の下端23eが枠右部33r及び枠左部33lの上下方向の中央に到達する前に樹脂シート23に隣接させることが好ましい。
【0022】
次に、
図6に示すように、樹脂シート23の下端23eが枠下部33bよりも下側に到達した後に、
図7に示すように、枠下部33bを樹脂シートに隣接させるように移動させる。このタイミングで枠下部33bを移動させることによって樹脂シート23の下端23eが枠下部33bに乗り上げることを抑制することができる。枠上部33tを移動させるタイミングは特に限定されないが、樹脂シート23が枠上部33tよりも下側に到達した後に樹脂シート23に向かって移動させることが好ましく、枠下部33bと一緒に移動させることが好ましい。枠上部33tと枠下部33bを同時に移動させると、金型32の上下方向の中央面に対称になるように枠上部33tと枠下部33bが移動することになるので、枠上部33tと枠下部33bを移動させる際の反力による回転方向の力が打ち消し合って、枠上部33tと枠下部33bを金型32の上面32st及び底面32sbに沿って平行に移動させることが容易になる。
【0023】
2−2. 吸着工程
吸着工程では、
図7に示すように、外枠33で樹脂シート23を吸着した状態で、
図8に示すように、樹脂シート23を金型32に近づけるように外枠33を移動させる。
【0024】
具体的には、
図7に示すように、外枠33を樹脂シート23に当接させた状態で外枠33の減圧吸引孔33sに繋がっている減圧装置を作動させることによって樹脂シート23を外枠33に吸着させる。その状態で、外枠33を後退させることによって、外枠33と共に樹脂シート23が金型32に向かって移動し、樹脂シート23がピンチオフ部32bに当接される。これによって、金型32のキャビティ32aが樹脂シート23で塞がれ、キャビティ32aが密閉空間となる。
【0025】
外枠33は、枠右部33r及び枠左部33lよりも遅れて枠上部33t及び枠下部33bを移動させることが好ましい。遅らせる時間は、0.1〜1秒が好ましく、0.3〜0.7秒がさらに好ましい。時間差を設けて移動させることによって、樹脂シート23にテンションがかかって、樹脂シート23のたるみや波打ちが抑制される。遅らせる時間が1秒以内が好ましいのは、遅らせる時間が長すぎると、樹脂シート23と金型32の間の隙間が大きくなってしまい、減圧吸引による賦形が困難になるためである。また、枠右部33r及び枠左部33lよりも遅れて枠上部33t及び枠下部33bを移動させると、樹脂シート23が外枠33から剥がれやすくなるが、本実施形態では、枠右部33r及び枠左部33lは、枠上部33t及び枠下部33bに挟まれるように設けられており、枠上部33t及び枠下部33bによって樹脂シート23が強く吸着されているので、樹脂シート23の剥がれを起こりにくくなっている。
【0026】
2−3. 賦形工程
賦形工程では、
図9に示すように、金型32により樹脂シート23の減圧吸引を行って樹脂シート23をキャビティ32aの内面に沿った形状に賦形する。
【0027】
2−4. 型締め工程
型締め工程では、
図10に示すように、一対の金型32の型締めを行う。これによって、一対の金型32によって形成されるキャビティの内面に沿った形状の中空の成形体23mが得られる。ピンチオフ部32bの外側がバリ23bとなる。型締めの後には、成形体23m内にエアーの吹き込みを行っても行わなくてもよい。
【0028】
この後は、金型32を開いて成形体23mを取り出し、バリ23bを除去にすることによって、所望の成形体が得られる。
【0029】
3.変形例
上記実施形態では、枠右部33r及び枠左部33lが枠上部33t及び枠下部33bに挟まれるように設けられているが、
図11に示す変形例1に示すように、枠右部33r及び枠左部33lの上端面を覆うように枠上部33tを設け、枠右部33r及び枠左部33lによって挟まれるように枠下部33bを設けてもよい。
【0030】
上記実施形態では、枠上部33t、枠下部33b、枠右部33r、及び枠左部33lは全て平板形状であったが、これらは、必ずしも平板形状でなくてもよい。例えば、
図12の変形例2では、枠上部33tは、その端部において、枠右部33r及び枠左部33lに向かって突出した形状になっている。
図13の変形例3では、枠上部33t及び枠下部33bは、その端部において、枠右部33r及び枠左部33lに向かって突出した形状になっている。このような形状の場合でも、枠上部33t、枠下部33b、枠右部33r、及び枠左部33lが独立して移動可能になっていることによって、上記実施形態と同様の作用効果によって、外枠33と金型32の干渉を抑制することができる。
【0031】
4.その他
本実施形態は、以下の態様でも実施可能である。
・上記実施形態では、外枠33は、4分割されていたが、5分割以上であってもよい。例えば、枠右部33r及び枠左部33lをそれぞれ2分割してもよい。
・上記実施形態では、外枠33には、溝状の減圧吸引孔33sが設けられているが、減圧吸引孔33sの形状は限定されず、例えば、円形の減圧吸引孔33sが多数配置されているような構成であってもよい。
・上記実施形態では、一対の金型装置31を用いて中空の成形体23mを形成する方法を例に挙げて説明を行ったが、1つの金型装置31を用いて、1枚の樹脂シート23を賦形して、成形体を形成してもよい。この場合、型締め工程は不要である。
・上記実施形態では、成形体23mは中空であったが、成形体23m内に発泡体などを充填してもよい。
・樹脂シート23は、発泡樹脂シートであってもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 :成形機
2 :樹脂シート形成装置
11 :原料樹脂
12 :ホッパー
13 :押出機
13a :シリンダ
17 :アキュームレータ
17a :シリンダ
17b :ピストン
18 :Tダイ
23 :樹脂シート
23b :バリ
23e :下端
23m :成形体
25 :連結管
27 :連結管
31 :金型装置
32 :金型
32a :キャビティ
32b :ピンチオフ部
32f :前面
32r :背面
32s :周面
32sb :底面
32sl :左側面
32sr :右側面
32st :上面
33 :外枠
33b :枠下部
33l :枠左部
33r :枠右部
33t :枠上部
33s :減圧吸引孔