【文献】
袴田佳孝他,ケーブルテレビにおける可変長パケットの伝送方式,電子情報通信学会2011年通信ソサイエティ大会講演論文集2,日本,電子情報通信学会,2011年 8月30日,pp192
【文献】
青木秀一他,放送伝送路におけるIPパケット多重化方式,映像情報メディア学会技術報告,日本,映像情報メディア学会,2009年10月23日,Vol.33,No.43,pp9-12
【文献】
青木秀一他,デジタル放送におけるIPパケット伝送方式の伝送特性評価,NHK技研R&D,日本,日本放送協会,2010年11月15日,No.124,pp32-43
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るインタフェース装置を備えた受信装置のブロック図である。この受信装置1は、例えば、デジタルテレビ等に搭載され、地上デジタル放送や高度BSデジタル放送、およびケーブルテレビ等の各種放送サービス、ならびに、IPパケット等を用いた通信サービスに係る信号を受信可能である。受信装置1は、フロントエンド処理部としてのインタフェース装置2と、バックエンド処理部3とを有する。
【0018】
インタフェース装置2は、アンテナから入力される、例えばI/Q(In-phase/Quadrature-phase)信号やIF(Intermediate Frequency)信号等の、少なくとも1つの搬送波を受信し、搬送波からTSパケットと可変長パケットとを抽出し、これらパケットをデータ信号DATAとしてクロック信号CLKに同期してバックエンド処理部3に送出する。搬送波は、例えばテレビ放送(BS放送や地上デジタル放送等)や通信に係る信号を含む。
【0019】
また、インタフェース装置2は、信号DATAの先頭位置を示すパケットクロック信号PCLKおよび信号DATAの有効期間を示すデータイネーブル信号DEの出力が可能である。
【0020】
図2は、第1の実施形態に係るインタフェース装置のブロック図である。インタフェース装置2は、受信部4と、TSパケット取得部5と、可変長パケット取得部6と、第1のセレクタとしてのセレクタ7とを有する。
【0021】
受信部4は、入力された搬送波に対して、例えば、A/D(Analogue-to-Digital)変換処理、8PSK(Phase ShiftKeying)や16APSK(Amplitude and Phase ShiftKeying)といった復調処理、および、LDPC(Low Density Parity Check)符号やBCH(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem)符号等を用いた誤り訂正処理を行う。
【0022】
なお、受信部4は上記以外の処理を行ってもよく、TSパケット取得部5および可変長パケット取得部6に必要な信号を出力可能であればよい。
【0023】
また、受信部4には、チューナが含まれていてもよく、リモコン等の操作によってチューナで選局された放送に係る信号が入力されてもよい。
【0024】
TSパケット取得部5は、搬送波に含まれるTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration and Control)情報に基づいて、受信部4の出力から固定長であるTSパケットを取得して出力する。例えば、TSパケット取得部5は、指示されたTS−ID(TS-Identifier)に応じたTSパケットを抽出可能である。
【0025】
可変長パケット取得部6は、TMCC情報に基づいて、受信部4の出力から、可変長であるTLVパケットやIPパケット等の可変長パケットを取得して出力する。なお、可変長パケット取得部6は、TSパケット取得部5の後段側に接続されていてもよい。また、例えば、可変長パケット取得部6は、リモコン等により指示されたTLV−ID(TLV-Identifier)に応じたTLVパケットを抽出可能であってもよい。
【0026】
つまり、TSパケット取得部5がTSパケットを、可変長パケット取得部6が可変長パケットを、受信部4の出力から取得可能であればよい。
【0027】
セレクタ7は、TSパケット取得部5の出力および可変長パケット取得部6の出力のいずれか一方を選択的に出力する。例えば、セレクタ7は、リモコンの選局に応じて、TSパケットあるいは可変長パケットの選択を切り替えてもよく、バックエンド処理部3からの指示に応じて切り替えてもよい。セレクタ7は、選択したパケットを信号DATAとして出力する。
【0028】
なお、セレクタ7は、信号CLK、信号PCLK、および信号DEを生成可能な回路を含んでいてもよく、当該回路はインタフェース装置2の内部に設けられていればよい。
【0029】
また、セレクタ7は、任意のタイミングでTSパケットあるいは可変長パケットの選択を切り替えてもよい。例えば、セレクタ7の入力が時分割で多重化されている場合には、セレクタ7の切り替えが、その時分割多重化データに応じて行われてもよい。
【0030】
図3は、第1の実施形態に係るインタフェース装置から出力される各信号のタイミングチャートである。なお、
図3は、セレクタ7が可変長パケットを選択している場合、つまり可変長バイトの信号DATAがシリアル伝送される場合のタイミングチャートである。
【0031】
図3に示すように、TLVパケット等の可変長データである信号DATAは、信号CLKに同期して送出される。なお、信号PCLKは、信号DATAの例えば先頭1バイトにおいてアクティブになるなど、信号DATAの先頭付近であらかじめ定められた動作をしてもよい。
【0032】
また、セレクタ7がTSパケットを選択している場合には、例えば188バイトの固定長データである信号DATAが信号CLKに同期して送出される。
【0033】
また、バックエンド処理部3において、信号DATAの先頭位置および有効期間を判定する処理を実装可能である場合には、信号PCLKおよび信号DEを省略してもよい。
【0034】
また、信号DATAはパラレル伝送されてもよい。
【0035】
以上、本実施形態によると、セレクタ7は、固定長であるTSパケット、あるいは可変長であるTLVパケットやIPパケットを選択して、信号DATAとして出力可能である。したがって、インタフェース装置2において、固定長パケットと可変長パケットとを送出するための端子、およびこれらのパケットを伝送するための信号線を共有化することができる。
【0036】
ここで、非特許文献2には、TSパケットを伝送するために、データ信号およびクロック信号の他に2種類、計4本の信号を用いる例が開示されている。したがって、特許文献1の
図7に示す受信装置から出力されるTSパケットを後段に伝送するために、その技術を用いることができる。
【0037】
ところが、特許文献1の
図7の受信装置でTSパケットと分離されて出力されるTLVパケットも別途後段に送出する必要があるが、TLVパケット等の可変長パケットの伝送についてはこれら文献には明記されていない。
【0038】
そこで、TLVパケットを送出するための専用の端子および配線を設けることが考えられるが、そうすると、装置のコストや回路規模が増大するおそれがある。また、端子数や配線数の増加は、後段側の装置の大幅な仕様変更につながる可能性がある。
【0039】
これに対して、本実施形態では、TSパケットと可変長パケットとを同じ端子および信号線を用いて伝送可能であるため、可変長パケットを伝送するための専用の端子および信号線が不要である。つまり、端子数および配線数の増加を招くことなく、異なる種類のデータの伝送が可能である。
【0040】
これにより、インタフェース装置2の低コスト化や回路規模の縮小化を図ることができるとともに、バックエンド処理部3においても端子数を増やす必要がないため、その構成を大きく変更する必要がない。
【0041】
次に、可変長パケット取得部6の構成例について説明する。
【0042】
図4は、第1の実施形態に係る可変長パケット取得部の構成例を示すブロック図である。
【0043】
可変長パケット取得部6は、TLVパケット取得部9と、IPパケット生成部10と、第2のセレクタとしてのセレクタ11とを有する。
【0044】
なお、可変長パケット取得部6において、TLVパケットのみを出力すればよい場合は、IPパケット生成部10およびセレクタ11を省略してもよい。
【0045】
TLVパケット取得部9は、受信部4の出力から、TMCC情報に含まれるポインタ/スロット情報に基づいてTLVパケットを取得可能である。また、TLVパケット取得部9は、TMCC情報に含まれるTLV−IDを用いて、リモコン等で選局されたTLV−IDに対応するTLVパケットを出力する。ポインタ/スロット情報は、スロット毎に包含される、最初のパケットの先頭位置、および最後のパケットの末尾の位置を示す情報である。
【0046】
IPパケット生成部10は、TLVパケットのヘッダ情報に基づいてIPパケットを生成する。IPパケットはTLV形式で伝送されているため、TLVパケットのヘッダ情報が、そのTLVパケットがIPパケットであることを示す場合に、TLVパケットからIPパケットが生成される。IPパケットの生成に際して、リモコン等による選局や、IGMP(Internet Group Management Protocol)およびMLD(Multicast Listener Discovery)等のプロトコルを用いてもよい。
【0047】
なお、IPパケット生成部10は、UDP(User Datagram Protocol)パケットを生成可能であってもよい。
【0048】
セレクタ11は、TLVパケット取得部9およびIPパケット生成部10の出力のうちいずれかを選択する。なお、セレクタ11は、リモコン等によって切り替え可能であってもよい。
【0049】
このように可変長パケット取得部6を構成することにより、TLVパケットとIPパケットといった異なる種類のパケットの選択的な出力が可能となる。
【0050】
図5は、IPパケット生成部の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、IPパケット生成部10は、例えば、IP化部14と、メモリ15とを有する。
【0051】
IP化部14は、入力されるTLVパケットのヘッダ情報が、IPパケットを示すかどうかを判定し、入力されたパケットがTLV形式のIPパケットであれば、TLVヘッダを除去してIP化し、IPパケットを生成して出力する。
【0052】
また、IP化部14は、IPパケットのヘッダ(IP/UDPヘッダ、以下、ヘッダと略記する)が圧縮されているかどうかを判定し、圧縮されている場合には、そのヘッダを伸長して出力可能である。
【0053】
なお、IP化部14は、入力されたTLVパケットが、TLV形式のIPパケットではない場合、IP化は行わず、TLVパケットをそのまま出力してもよい。
【0054】
メモリ15は、バッファであり、バッファしたパケットのバースト出力が可能に構成されている。なお、メモリ15を、IP化部14の前段に設けてもよい。
【0055】
このように、IPパケット生成部10は、バッファされたパケットを出力したり、出力の停止をしたりするバースト出力が可能な構成であってもよい。なお、IPパケット生成部10は、パケットを連続的に出力可能であってもよい。
【0056】
ここで、IPパケットのヘッダが圧縮されている場合、IPパケット生成部10においてヘッダが伸長されるため、ヘッダが圧縮されている場合におけるIPパケット生成部10の出力に係る伝送レートは、ヘッダが圧縮されていない場合よりも高くなるように設定されていることが好ましい。
【0057】
あるいは、IPパケットのヘッダが圧縮されている場合、IPパケット生成部10の出力に係る伝送レートは、入力に係る伝送レートよりも高くなるように設定されていることが好ましい。
【0058】
これらの点について、
図6および
図7を用いて説明する。
【0059】
図6は、
図5のIPパケット生成部で扱われるデータと伝送レートを説明するための図である。
図6(A)はヘッダが圧縮されていない場合、
図6(B)はヘッダが圧縮されている場合を示す。なお、
図6では、TLV形式のIPパケットが入力され、IP化されてから出力される例を示す。
【0060】
図6(A)において、伝送レートA1で、TLVパケットであるパケットTLV1,TLV2がIP化部14に入力される。IP化部14では、パケットTLV1,TLV2のTLVヘッダが除去され、それぞれからIPパケットであるパケットIP1,IP2が生成され、伝送レートA2で出力される。
【0061】
パケットIP1,IP2はメモリ15でバッファされ、伝送レートA3でIPパケット生成部10からバースト出力される。
【0062】
なお、
図6(A)に示す伝送レートA1〜A3は任意である。
【0063】
一方、
図6(B)において、伝送レートB1で、TLVパケットであるパケットTLV1,TLV2がIP化部14に入力される。IP化部14では、パケットTLV1,TLV2のTLVヘッダが除去され、かつそれぞれのヘッダが伸長され、IPパケットであるパケットIP1,IP2が生成され、伝送レートB2で出力される。
【0064】
パケットIP1,IP2はメモリ15でバッファされ、伝送レートB3でIPパケット生成部10からバースト出力される。
【0065】
このように、ヘッダが圧縮されている場合、その伸長を行う必要があるため、
図6(B)に示すパケットIP1,IP2のサイズは、
図6(A)に示すパケットIP1,IP2のサイズよりも大きくなる。
【0066】
そこで、本実施形態に係るIPパケット生成部10では、ヘッダが圧縮されている場合において、その出力に係る伝送レートB3を、その入力に係る伝送レートB1よりも高くなるように切り替え可能としている。
【0067】
あるいは、ヘッダが圧縮されている場合におけるIPパケット生成部10の出力に係る伝送レートB3を、ヘッダが圧縮されていない場合におけるIPパケット生成部10の出力に係る伝送レートA3よりも高くなるように切り替え可能としてもよい。
【0068】
つまり、伝送レートA3<伝送レートB3、あるいは、伝送レートB1<伝送レートB3という関係となるようにIPパケット生成部10における伝送レートが異なっていればよい。
【0069】
なお、伝送レートB2と伝送レートB3とについて、伝送レートとして高い周波数のクロックを用いることで、一定のクロックを用いたバースト出力が可能となる。
【0070】
また、伝送レートA3を伝送レートB3に合わせてもよい。この場合、ヘッダが圧縮されているかどうかにかかわらず、伝送レートの切り替えが不要であるとともに、高い伝送レートでのパケットの送出が可能となる。
【0071】
図7は、
図5のIPパケット生成部で扱われるデータと伝送レートを説明するための別の図である。
図7(A)はTLVパケットが出力される場合、
図7(B)はIPパケットが出力される場合を示す。なお、
図7(B)では、ヘッダが圧縮されているものとする。
【0072】
図7(A)に示すように、IPパケット生成部10によってTLVパケットがIP化されない場合、IP化部14に入力されたパケットTLV1,TLV2はメモリ15でバッファされ、伝送レートA3でパケットTLV1,TLV2がバースト出力される。
【0073】
一方、
図7(B)に示すように、TLVパケットがIP化される場合、IP化部14において、パケットTLV1,TLV2のTLVヘッダが除去され、かつそれぞれのヘッダが伸長され、パケットIP1,IP2が伝送レートB2で出力される。
【0074】
パケットIP1,IP2は、メモリ15でバッファされ、伝送レートB3でIPパケット生成部10からバースト出力される。このとき、伝送レートB1<伝送レートB3となっていればよい。
【0075】
ここで、
図7(A)ではTLVパケットが出力される場合を示しているが、伝送レートA1〜A3のそれぞれについて、
図7(B)に示す伝送レートB1〜B3と同じとなるようにしてもよい。
【0076】
これにより、高い周波数のクロックを用いてTLVパケットのバースト出力が可能であるとともに、TLVパケットを出力するためのクロック周波数の変更が不要となる。
【0077】
また、これらのパケットを出力するためのクロック周波数が一定であれば、バックエンド処理部3における受信処理が容易となる。
【0078】
なお、可変長パケットとして、GSE(Generic Stream Encapsulated)パケットを伝送してもよい。
【0079】
−変形例−
図8は、第1の実施形態の変形例に係るインタフェース装置のブロック図である。なお、
図8では、
図2との相違点について主に説明する。
【0080】
受信部4は、第1の受信処理部4aと、第2の受信処理部4bとを有する。
【0081】
受信処理部4aは、例えば地上デジタル放送に係る第1の搬送波を受け、A/D変換処理、復調処理、および誤り訂正処理等を行い、TSパケット取得部5での処理に必要な形式にして出力する。
【0082】
受信処理部4bは、例えばBSデジタル放送に係る第2の搬送波を受け、A/D変換処理、復調処理、および訂正処理等を行い、可変長パケット取得部6での処理に必要な形式にして出力する。
【0083】
このように、受信部4は、異なる複数の搬送波を受け、各搬送波に対して上述した処理を行い、処理後の各信号を、TSパケット取得部5および可変長パケット取得部6にそれぞれ出力可能に構成されていてもよい。
【0084】
このように構成しても、セレクタ7によって、TSパケットあるいはTLVパケット等の可変長パケットを選択的に出力可能であるため、異なる種類のパケットを共通の端子および信号線で伝送することができる。
【0085】
<第2の実施形態>
図9は、第2の実施形態に係るインタフェース装置を備えた受信装置のブロック図である。本実施形態では、第1の実施形態との相違点について主に説明する。
【0086】
本実施形態に係るインタフェース装置2は、受信部4と、TSパケット取得部5と、可変長パケット取得部6と、セレクタ7と、パケット調整部12とを有する。
【0087】
パケット調整部12は、可変長パケット取得部6から出力されるTLVパケット等の可変長パケットのサイズがTSパケットと同じサイズになるように調整可能である。したがって、TSパケットのサイズが例えば188バイトである場合には、パケット調整部12は、可変長パケットのサイズが188バイトとなるように調整する。つまり、パケット調整部12は、可変長パケットを、擬似的な固定長パケットとして扱うことができるようにする。
【0088】
セレクタ7は、TSパケット取得部5、可変長パケット取得部6、およびパケット調整部12の出力のいずれかを選択して出力する。
【0089】
なお、パケット調整部12と可変長パケット取得部6とを一体としてもよく、この場合、セレクタ7は、TSパケット取得部5およびその一体形成した回路の出力のいずれかを選択して出力すればよい。
【0090】
次に、本実施形態に係るパケット調整部12において、可変長パケットから擬似的な固定長パケットが形成されるバリエーションについて、図を参照しながら説明する。
【0091】
−第1の例−
図10は、可変長パケットから固定長パケットが形成される第1の例を説明するための図である。
【0092】
図10に示すように、それぞれサイズが異なる可変長パケットである可変長データ1〜可変長データ4は、例えば188バイトの固定長データである調整データ1〜調整データ3になるように調整される。
【0093】
具体的に、可変長データ1は188バイトよりも長いため、その一部が188バイトで分割されて調整データ1が形成される。また、可変長データ1の残りのデータと、可変長データ2の一部が分割されたデータとから調整データ2が形成される。
【0094】
さらに、可変長データ2の残りのデータと、可変長データ3と、可変長データ4の一部が分割されたデータとから、調整データ3が形成される。
【0095】
以上のように、可変長データのサイズが調整されて、サイズが固定長である調整データが形成される。
【0096】
−第2の例−
図11は、可変長パケットから固定長パケットが形成される第2の例を説明するための図である。
図11では、例えば高度BSデジタル放送内に多重化されて送信されるTMCC信号に含まれるTLV−IDを用いる場合について説明する。
【0097】
例えば、可変長パケットである可変長データ1〜可変長データ4のうち、TLV−IDによって、可変長データ1および可変長データ3が選択されたとする。この場合、非選択の可変長データ2および可変長データ4はNULLとなる。なお、非選択の可変長データ2および可変長データ4をNULLにする処理は、可変長パケット取得部6やその前段のブロックで行われてもよいし、パケット調整部12で行われてもよい。
【0098】
その後、可変長データ1の一部が188バイトで分割されて調整データ1が形成される。また、可変長データ1の残りのデータと、NULLデータの一部が分割されたデータとから調整データ2が形成される。
【0099】
さらに、NULLデータの残りのデータと、可変長データ3と、NULLデータの一部が分割されたデータとから調整データ3が形成される。
【0100】
以上により、TLV−IDによって選択されたデータのみを送出することが可能となる。なお、非選択の可変長データを、単なるNULLデータではなく、あらかじめ決められたデータとして、例えば0xFF等の任意のデータで置き換えてもよい。
【0101】
また、さらに、上記NULLデータは、可変長データが共通に持つヘッダ部分を有し、当該NULLデータのサイズがわかる形式のものであってもよい。
【0102】
このことにより、NULLデータであっても、当該NULLデータのサイズを抽出することで、後続の可変長データの先頭を抽出することが可能になる。
【0103】
また、可変長パケットとしてのIPパケットから調整データが形成される場合も同様である。
【0104】
また、上記は非選択の可変長データをNULLデータとして置き換えることとしたが、非選択の可変長データを取り除いてもよい。すなわち、
図11に示す調整直前の状態において、可変長データ1にNULLデータが続くのではなく、可変長データ3が続くようにしてもよい。
【0105】
図12は、
図10および
図11に示す固定長パケットが送出される場合のタイミングチャートである。
【0106】
図12に示すように、可変長パケットは例えば188バイト単位で送出されるため、可変長パケットを固定長データであるTSパケットと同様の形式で送出することができる。
【0107】
したがって、固定長データを処理するように構成されたバックエンド処理部3においても、可変長パケットを固定長データとして扱うことができる。
【0108】
なお、
図12において、信号PCLKおよび信号DEを省略してもよい。また、信号PCLKは、TSパケットと同じサイズ(例えば188バイト)毎にアクティブになってもよい。あるいは、信号PCLKは、サイズが調整される前の可変長データの先頭位置においてアクティブになってもよい。
【0109】
−第3の例−
図13は、可変長パケットから固定長パケットが形成される第3の例およびそれを送出する場合のタイミングチャートである。なお、信号CLKは省略している。
【0110】
図13は、可変長パケットのサイズが固定長パケットの整数倍となるように調整される場合の例である。
【0111】
具体的に、可変長パケットである可変長データ1は、188バイトの固定長データ1と、188バイト未満のデータに分割されるが、このとき、188バイト未満のデータには、ダミーデータであるデータPd1が付加される。
【0112】
つまり、可変長データ1のうち先頭188バイト分のデータから調整データ1が形成され、可変長データ1の残りに対してサイズが188バイトになるまでデータPd1が付加されて調整データ2が形成される。
【0113】
次に、可変長データ2のサイズは188バイト未満であるため、可変長データ2に対してサイズが188バイトになるまでダミーデータであるデータPd2が付加される。つまり、可変長データ2およびデータPd2から調整データ3が形成される。
【0114】
そして、調整データ1〜調整データ3が送出される場合には、サイズが調整される前のデータである可変長データ1〜可変長データ3の先頭位置においてアクティブになる信号PCLKが用いられる。
【0115】
また、上記では入力された可変長データに対して、データが追加されて出力されることになるため、入力側の伝送レートよりも出力側の伝送レートを高くするようにしてオーバーフローを防ぐようにしてもよい。
【0116】
また、上記では、ダミーデータは、可変長データの末尾に追加されているが、可変長データの先頭に追加するようにしてもよい。つまり、ダミーデータの付加によって、可変長データのサイズがTSパケットのサイズと同じになればよい。
【0117】
以上、第1〜第3の例に示すように、パケット調整部12において、可変長パケットのサイズが調整されて、TSパケットと同じサイズの固定長データが形成される。なお、パケット調整部12に入力される可変長パケットには所定のダミーデータが含まれていてもよい。
【0118】
固定長データである調整データ1〜調整データ3がインタフェース装置2から送出される場合、信号PCLKは、可変長データ1〜可変長データ3の先頭位置においてアクティブになる。つまり、信号PCLKは、データの先頭位置を示す信号であるが、可変長データの先頭位置に対応する調整データの先頭位置でアクティブになればよい。
【0119】
このようにすれば、バックエンド処理部3は、可変長パケットを固定長データとして受信することができ、信号PCLKに基づいて受信データの実際の先頭位置(つまり、可変長パケットの先頭位置)を判断することができる。
【0120】
以上のように、可変長パケットを擬似的に固定長パケットとすることで、バックエンド処理部3における処理内容や伝送プロトコル等の変更を少なくすることができる。
【0121】
一方、第1および第2の実施形態に示すインタフェース装置2から送出される信号DATAの伝送効率を考慮すると、可変長パケットはそのままの形式で送出されることが好ましい。
【0122】
しかしながら、可変長パケットがそのまま送出される場合、バックエンド処理部3は、パケットのヘッダ情報からパケットの先頭位置やサイズ等を算出して、可変長パケット同士の境界を特定する必要がある。このとき、何らかの原因(データ化け等)で、ヘッダ情報の解析できなくなると、バックエンド処理部3において正常な処理ができなくなってしまうおそれがある。
【0123】
そこで、伝送効率を良好に維持しながらも、バックエンド処理部3における安定的な処理を可能とするために、インタフェース装置2は、
図14に示すように、信号DATAを送出するようにすればよい。
【0124】
図14は、複数の可変長パケットが可変長のまま送出される場合のタイミングチャートである。なお、信号CLKは省略している。
【0125】
図14に示すように、可変長パケットである可変長データ1〜可変長データ3の各先頭位置でアクティブになる信号PCLKが、可変長データ1〜可変長データ3とともに送出されるようにする。
【0126】
これにより、バックエンド処理部3は、信号PCLKに基づいて、可変長データ1〜可変長データ3の各先頭位置を正確に認識することができる。したがって、バックエンド処理部3において、例えば、信号PCLKに基づいて可変長データを特定するように、CPU(Central Processing Unit)によるソフトウェア処理を実装すればよい。