(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記撮影部で撮影された前記撮影画像と、前記所定の印刷画像と、を照合し、前記撮影画像に含まれる前記対象物に印刷された前記所定の印刷画像に不具合があるか否かを判定する不具合判定部、
をさらに備える請求項4に記載の情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態における印刷管理システム1について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形し、又は各実施例を組み合わせる等して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0012】
==構成==
印刷管理システム1は、非接触無線通信可能な電子タグ51を用いてプリンタ処理を高効率で実施するためのシステムである。電子タグ51は、例えば、RF(Radio Frequency)タグ、NFC(Near Field Communication)タグ、UHF(Ultra High Frequency)タグなどであり、識別情報を有する。識別情報は、例えば、JAN(Japan Article Number)コードを、プリンタ装置20に適用できるように変換した情報(以下、「JOBコード」ということもある。)であり、詳細は後述するが、対象物に印刷する画像や印刷の設定に関する情報に対応付けられている。
【0013】
従来、印刷する画像と紐づくバーコードを、印刷の対象物に付して印刷処理していた。しかし、バーコードに含まれる情報は変更できないため、印刷処理の過程における各種変更につき対象物の並べ替えや各種設定操作など操作者の手間を要する虞があった。印刷管理システム1では、記録されている情報の書換え可能な電子タグ51を用いて、識別情報と印刷する画像を紐づけている。このため、印刷順の変更や印刷する画像の変更などの各種変更に対して、識別情報を書き換えることにより容易に対応することができる。
【0014】
また、従来、印刷処理を実行するときに、操作者はプリンタの表示部において印刷する画像を選択、サイズ調整、位置調整、印刷濃度などを設定していたため、設定ミスに起因する生産性の低下を生じる虞があった。印刷管理システム1では、電子タグ51の識別情報を読み込むことで、識別情報に紐づく、印刷する画像及び設定に関する情報を自動的に取得することができる。これにより、印刷に関する設定を間違えず迅速に印刷することができる。
【0015】
以下、印刷管理システム1の構成について説明する。
図1は、印刷管理システム1の構成を示す図である。
図1に示すように、印刷管理システム1は、例えば、タグ読書装置10、プリンタ装置20、サーバ装置30、撮影装置40を含む。なお、ここでは、一例として、タグ読書装置10をRFタグに対応するRFID(Radio Frequency Identifier)装置として説明できるが、これに限られず、例えばNFCタグやUHFタグなど他の規格に対応する装置であってもよい。また、各装置の機能を一の装置で実現してもよい。また、各装置のそれぞれの機能は他の装置で実現してもよい。例えばサーバ装置30の機能をプリンタ装置20で実現してもよい。また、
図1において、各構成要素のそれぞれがネットワーク60を介して互いに接続されているように記載しているがこれに限定されず、各構成要素間の接続はネットワーク60を介していてもよいし、直接接続されていてもよい。以下、印刷管理システム1の各構成要素について説明する。
【0016】
タグ読書装置10は、衣類や靴などの布製品(以下、対象物50という。)に設けられる電子タグ51が有する識別情報を読み取る機能、電子タグ51に対して識別情報を書き込む機能を有する。具体的に、タグ読書装置10は、例えば、電子タグ51からJANコードまたはJOBコードを読み取り、又、電子タグ51にJOBコードを書き込む。タグ読書装置10は、例えば、電子タグ51から取得した識別情報をプリンタ装置20に送信する。
【0017】
プリンタ装置20は、例えば、ガーメントプリンタであり、対象物50に対して所定の画像をインクジェットプリントするための装置である。所定の画像とは、文字、図形、模様などを含む画像である。プリンタ装置20は、印刷管理システム1において、例えば複数台設けられる。プリンタ装置20は、対象物50に所定の画像を印刷する機器であるプリンタ本体20aを含む。プリンタ装置20と他の装置との情報の送受信については後述する。
【0018】
サーバ装置30は、例えば、サーバコンピュータなどの情報処理装置で構成され、識別情報や各種画像などを管理するサーバである。サーバ装置30は、例えばプリンタ装置20及び撮影装置40と接続される。サーバ装置30と他の装置との情報の送受信については後述する。
【0019】
撮影装置40(撮影部)は、対象物50を撮影する装置である。撮影装置40は、例えばCMOSやCCDなどの撮像素子(不図示)、撮像素子において電気的に取得した画像を処理する画像処理部(不図示)、該画像を記録するメモリ(不図示)、及び他の装置と通信する通信部(不図示)を含む。撮影装置40は、通信部を介して対象物50を撮影した画像(以下、「撮影画像」という。)を他の装置に送信する。
【0020】
==処理の概要==
印刷管理システム1における処理の概要について説明する。印刷管理システムは、印刷処理の前に、リップ処理及び識別情報の書込処理を実行する。これにより、印刷処理の際にリップ処理を省略できるため、印刷処理を効率的に実行できる。印刷管理システムは、印刷処理の後に、対象物50に印刷した画像に不具合がないかを検査する検査処理を実行する。これにより、トレーサビリティを確保できる。
【0021】
図2は、印刷管理システム1におけるリップ処理及び識別情報の書込処理の概要の一例を示す図である。
図3は、印刷管理システム1における印刷処理及び検査処理の概要の一例を示す図である。以下、
図2を参照して、リップ処理及び識別情報の書込処理について説明する。続いて、
図3を参照して、印刷処理及び検査処理について説明する。
【0022】
まず、リップ処理について説明する。リップ処理とは、所定のアプリケーションで作成した画像のデジタルデータを、印刷に適したデータに変換するための処理である。具体的には、リップ処理は、ベクターデータから、プリンタ装置20に応じたラスターデータに変換する処理であり、さらに、RGBからCMYKへの変換、トラッピング(毛抜き合わせ)などを含んでいてもよい。リップ処理は、専用のハードウェアを用いて実行する所謂ハードウェアリップ、プロセッサを用いて実行する所謂ソフトウェアリップのいずれでもよい。
【0023】
リップ処理に関する手順について具体的に説明する。
図2に示すように、プリンタ装置20は、サーバ装置30から、画像(以下、「元画像」という。)及び元画像に紐づく設定情報を取得する(S10)。元画像とは、対象物50に印刷する画像を示すデータである。設定情報とは、例えば、JOBコードを含み、プリンタ本体20aで対象物50に画像を印刷する際の、対象物50に対する画像の位置、大きさ、色調、解像度、インク量などを示すデータである。プリンタ装置20(前処理部24)は、元画像に対してリップ処理を実行する(S11)。プリンタ装置20は、リップ処理を実行した元画像(以下、「加工画像」という。)を、設定情報と紐づけて記憶装置103(
図11参照)に記憶する。本手順により、印刷処理を実行する前に、リップ処理を完了するため、印刷の効率化を図ることができる。
【0024】
次に、識別情報の書込処理について説明する。識別情報の書込処理とは、JOBコードを電子タグ51に書き込むための処理である。
図2に示すように、タグ読書装置10は、対象物50に設けられた電子タグ51が所定の距離に接近すると、電子タグ51に初期設定されている例えばJANコードを読み取る(S12)。タグ読書装置10は、読み取ったJANコードを、プリンタ装置20に送信する(S13)。プリンタ装置20は、JANコードを取得すると、例えば、サーバ装置30にアクセスし、後述する識別情報データベース31を参照して、該JANコードに対応するJOBコードを特定する(S14)。プリンタ装置20は、サーバ装置30から、特定されたJOBコードを取得する(S15)。プリンタ装置20は、タグ読書装置10を介して、電子タグ51に該JOBコードを書き込む(S16,S17)。これにより、対象物50にJOBコードを割り当てることができるため、プリンタ装置20に対して対象物50に対応する印刷設定をせずに、プリンタ装置20は、JOBコードに紐づく加工画像及び設定情報に基づいて印刷処理を実行できる。なお、S14,S15におけるJOBコードを特定する手順について、識別情報データベース31を参照する方法に限定されず、例えば操作者により任意にJOBコードを設定してもよい。
【0025】
次に、印刷処理について説明する。印刷処理とは、加工画像を対象物50に印刷する処理である。
図3に示すように、タグ読書装置10は、対象物50の電子タグ51が所定の距離に接近すると、電子タグ51からJOBコードを読み取る(S20)。プリンタ装置20は、タグ読書装置10からJOBコードを取得する(S21)。プリンタ装置20は、取得したJOBコードに紐づく加工画像を特定する(S22)。これにより、対象物50における、印刷する加工画像、及び設定情報を特定できる。プリンタ装置20は、例えば、サーバ装置30に加工画像が保存されているURLを送信する(S23)。これにより、サーバ装置30は加工画像をダウンロードできる。なお、プリンタ装置20は、URLに替えて、サーバ装置30に加工画像を送信してもよい。プリンタ装置20は、加工画像に対応する実行コマンドを実行する。プリンタ本体20aは、加工画像を対象物50に印刷する(S24)。
【0026】
次に、検査処理について説明する。検査処理とは、対象物50に印刷された加工画像(以下、「印刷画像」という。)の状態を検査する処理である。
図3に示すように、プリンタ装置20は、プリンタ本体20aからプリント終了のステータスを取得すると、撮影装置40に撮影開始を示す撮影信号を出力する(S25)。撮影装置40は対象物50を撮影する(S26)。撮影装置40は、対象物50における印刷画像が写る撮影画像をプリンタ装置20に送信する(S27)。プリンタ装置20は、撮影画像をサーバ装置30に送信する(S28)。なお、撮影装置40は、撮影画像をサーバ装置30に直接送信してもよい。サーバ装置30は、印刷画像と加工画像とを照合することにより、印刷画像に不具合がないか判定する(S29)。不具合の判定方法は特に限定されず、例えばAI(Artificial Intelligence)を用いた画像解析手段を用いる。これにより、印刷の不具合を出荷前に発見することができ、さらに、対象物50の出荷後、必要に応じて出荷時における印刷の状態を確認することができる。ここで、印刷画像に不具合を発見した場合、サーバ装置30は、不具合を生じた対象物50と同じJOBコードを、タグ読書装置10により新たな対象物50の電子タグ51に書き込ませ、該JOBコードに紐づく加工画像および設定情報により、再度、迅速に印刷処理を実行できる。
【0027】
==機能構成==
次に、上記の各種処理を実現するために、プリンタ装置20及びサーバ装置30が備える機能について説明する。なお、タグ読書装置10及び撮影装置40の機能については上述したとおりであるため、その説明を省略する。
【0028】
<<プリンタ装置20>>
まず、
図4を参照して、プリンタ装置20の機能構成について説明する。
図4は、プリンタ装置20の機能構成の一例を示す図である。
図4に示すとおり、プリンタ装置20は、例えば、加工画像データベース21、取得部22、送信部23、前処理部24、特定部25の機能を有する。プリンタ装置20が有する機能は、
図11に示す、プリンタ装置20の制御部(プロセッサ101)が、記憶装置103に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み、実行し、プリンタ装置20の各構成を制御すること等により実現される。
【0029】
図5は、加工画像データベース21(第1記憶部)の構成例を示している。
図5に示すように、加工画像データベース21は、データ項目として、例えば、JOBコード、加工画像、及び設定情報を含む。JOBコードは、対象物50を識別する識別符号である。加工画像は、JOBコードに紐づく情報であり、元画像をリップ処理した画像データである。設定情報は、JOBコードに紐づく情報であり、対象物50における画像の位置、倍率、色調などを示す情報である。
【0030】
取得部22は、例えば、タグ読書装置10及びサーバ装置30との間において、識別情報、元画像、及び設定情報を取得する機能である。
【0031】
送信部23は、例えば、タグ読書装置10及びサーバ装置30との間において、識別情報、加工画像、及び撮影画像を送信する機能である。また、送信部23は、プリンタ本体20aが対象物50に加工画像を印刷するための印刷信号を送信する所謂プロキシ機能を有する。
【0032】
前処理部24は、例えば、元画像をリップ処理して加工画像を生成する機能である。また、前処理部24は、加工画像を加工画像データベース21に格納する所謂キャッシュ機能を有する。
【0033】
従来のプリンタは上記のキャッシュ機能を有しておらず、印刷処理においてリップ処理を実行していたため、その分時間を要していた。前処理部24を備えることにより、印刷処理の前にリップ処理を実行できるため、従来よりも短時間で印刷処理を完了できる。
【0034】
ここで、印刷管理システム1が複数のプリンタ装置20で構成されている場合、複数のプリンタ装置20のうち少なくとも一台のプリンタ装置20が、前処理部24を備えていればよい(インストールされていればよい)。他のプリンタ装置20は例えばネットワーク60を介して前処理部24の機能を共有する。これにより複数のプリンタ装置20において同時に印刷処理を実行できる。
【0035】
特定部25は、例えば、取得部22で取得された識別情報に基づいて、元画像、加工画像を特定する機能である。
【0036】
<<サーバ装置30>>
次に、
図6を参照して、サーバ装置30の機能構成について説明する。
図6は、サーバ装置30の機能構成の一例を示す図である。
図6に示すとおり、サーバ装置30は、識別情報データベース31、元画像データベース32、加工画像データベース33、撮影画像データベース34、取得部35、送信部36、不具合判定部37、タグ判定部38の機能を有する。サーバ装置30が有する機能は、
図11に示す、サーバ装置30の制御部(プロセッサ101)が、記憶装置103に記憶されたコンピュータプログラムを読み込み、実行し、サーバ装置30の各構成を制御すること等により実現される。
【0037】
図7は、識別情報データベース31の構成例を示している。
図7に示すように、識別情報データベース31は、データ項目として、例えばJANコード、及びそれに紐づくJOBコードを含む。
【0038】
図8は、元画像データベース32の構成例を示している。
図8に示すように、元画像データベース32は、データ項目として、例えばJOBコード、及びそれに紐づく元画像を含む。
【0039】
加工画像データベース33は、
図5に示す加工画像データベース21と同様であるため、その説明を省略する。
【0040】
図9は、撮影画像データベース34(第2記憶部)の構成例を示している。
図9に示すように、撮影画像データベース34は、データ項目として、例えばJOBコード、及びそれに紐づく撮影画像を含む。
【0041】
上述した各種データベースの構成からわかるように、印刷管理システム1では、電子タグ51に書き込んだJOBコードに、元画像、加工画像、設定情報、及び撮影画像が紐づいているため、JOBコードでの一元管理が可能となる。
【0042】
取得部35は、例えば、タグ読書装置10、プリンタ装置20、及び撮影装置40との間において、識別情報、加工画像(URLを含む)、及び撮影画像を取得する機能である。
【0043】
送信部36は、例えば、タグ読書装置10及びプリンタ装置20との間において、識別情報、元画像、及び設定情報を送信する機能である。
【0044】
不具合判定部37は、撮影装置40で撮影された撮影画像と加工画像とを照合し、対象物50の印刷画像に不具合がないか否かを判定する機能である。不具合判定部37は、例えばAIを用いた画像解析手段により、印刷にじみ、印刷抜け、色違いなどの不具合を判定する。
【0045】
タグ判定部38は、撮影装置40で撮影された画像に基づいて、対象物50である衣類の表示タグを判定する機能である。表示タグとは、例えば衣類における首回りとなる襟近辺の首裏に対向する箇所に設けられるタグである。タグ判定部38は、該表示タグを認識した場合、対象物50の前面に画像が印刷されるように、対象物50がプリンタ本体20aに配置されていると判定する。具体的には、例えば、設定情報において、加工画像を対象物50の前面に印刷するよう設定されている場合は、送信部36を介して印刷信号をプリンタ本体20aに送信し、加工画像を対象物50の背面に印刷するよう設定されている場合は、対象物50を配置しなおすよう表示装置に表示する。これにより、対象物50における前面、背面への印刷間違いを防止できる。
【0046】
==処理手順==
図10は、印刷管理システム1における処理手順の一例を示すフロー図である。
図10を参照して、印刷管理システム1により実行される処理手順の一例を説明する。
【0047】
まず、ステップS100において、プリンタ装置20は、サーバ装置30の元画像データベース32から取得した元画像をリップ処理する。プリンタ装置20は、リップ処理した加工画像を加工画像データベース21に格納するとともに、サーバ装置30に加工画像又は加工画像に関するURLを送信する。これにより、事前にリップ処理した加工画像をキャッシュするため、印刷処理における処理時間を短縮できる。
【0048】
次に、ステップS101において、タグ読書装置10は、対象物50に設けられる電子タグ51に所定のJOBコードを書込む。これにより、対象物50に加工画像を印刷する直前において、対象物50に、加工画像及び設定情報が紐づいたJOBコードを割り振ることができるため、対象物50の在庫を保管するためのスペースが不要となる。この手順は、バーコードで管理するシステムにおいては、情報を書き換えられないというバーコードの性質から、実現できなかったことである。
【0049】
上述したステップS100、S101において、印刷処理を開始するまでの事前準備が完了する。
【0050】
次に、ステップS102において、プリンタ装置20は、タグ読書装置10を介して対象物50に紐づくJOBコードを取得する。次に、ステップS103において、プリンタ装置20は、加工画像データベース21を参照して、取得したJOBコードに紐づく加工画像及び設定情報を特定する。このとき、プリンタ装置20は、対象物50が衣類である場合、衣類の表示タグを確認することにより、対象物50が前面に印刷するようにセットされているか、又は背面に印刷するようにセットされているかを判定することが望ましい。次に、ステップS104において、プリンタ装置20は、プリンタ本体20aに対して、対象物50に加工画像を印刷するための印刷信号を送信する。
【0051】
次に、ステップS105において、プリンタ装置20は、プリンタ本体20aからプリント終了のステータスを取得すると、撮影装置40に撮影開始を示す撮影信号を出力する。撮影装置40は加工画像が印刷された対象物50を撮影する。プリンタ装置20は撮影装置40から撮影画像を取得する。次に、ステップS106において、サーバ装置30は、プリンタ装置20又は撮影装置40から取得した撮影画像をJOBコードに紐づけて撮影画像データベース34に格納するとともに、撮影画像に基づいて印刷の不具合の有無を判定する。サーバ装置30は、印刷画像に不具合を発見した場合、不具合を生じた対象物50と同じJOBコードを、タグ読書装置10により新たな対象物50の電子タグ51に書き込ませ、該JOBコードに紐づく加工画像および設定情報により、再度、迅速に印刷処理を実行できる。
【0052】
以上、印刷管理システム1によれば、電子タグ51にJOBコードを設定することにより、印刷する段階、印刷した後の段階のいずれにおいても、JOBコードによる一元管理が可能となるため、印刷の効率化、及びトレーサビリティを確保することができる。さらに、プリンタ装置20にキャッシュ機能を備えることにより、事前にリップ処理を実行することができるため、対象物50に加工画像をプリントするための時間を大幅に短縮することができる。
【0053】
[ハードウェア構成]
図11を参照して、プリンタ装置20及びサーバ装置30をコンピュータ100により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0054】
図11は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
図11に示すように、コンピュータ100は、プロセッサ101と、メモリ102と、記憶装置103と、入力I/F部104と、データI/F部105と、通信I/F部106、及び表示装置107を含む。
【0055】
プロセッサ101は、メモリ102に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ100における各種の処理を制御する制御部である。
【0056】
メモリ102は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ102は、プロセッサ101によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0057】
記憶装置103は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置103は、オペレーティングシステム、上記各構成を実現するための各種プログラム、及び上述した各種データベースなどを記憶する。
【0058】
入力I/F部104は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部104の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部104は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ100に接続されても良い。
【0059】
データI/F部105は、コンピュータ100の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部105の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部105は、コンピュータ100の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部105は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ100へと接続される。
【0060】
通信I/F部106は、コンピュータ100の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部106は、コンピュータ100の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部106は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ100に接続される。
【0061】
表示装置107は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置107の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置107は、コンピュータ100の外部に設けられても良い。その場合、表示装置107は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ100に接続される。また、入力I/F部104としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置107は、入力I/F部104と一体化して構成することが可能である。
【0062】
==他の実施例==
上記において、プリンタ装置20は、加工画像データベース21を有しているよう説明したが、加工画像データベース21を有していなくてもよい。この場合、プリント処理を実行する際に、プリンタ装置20はサーバ装置30から加工画像を取得すればよい。
【0063】
上記において、プリンタ装置20は、前処理部24を有しているよう説明したが、前処理部24を有していなくてもよい。以下、この場合における処理フローの一例について説明する。
図12は、印刷管理システム1の処理手順の他の例を示すフロー図である。なお、
図12におけるS200,S201,S204〜S206は、
図10におけるS101,S102,S104〜S106とそれぞれ同じであるため、その説明を省略する。
【0064】
S202において、プリンタ装置20は、元画像データベース32を参照して、取得したJOBコードに紐づく元画像及び設定情報を特定する。次に、S203において、プリンタ装置20は、元画像をリップ処理して、加工画像を生成する。本手順は、印刷処理をする際に、リップ処理を実行する手順である。これにより、前処理部24を備えている場合と比較して印刷処理にかかる時間は増加するが、前処理部24にかかるシステム設計及びシステム導入費用を削減することができる。
【0065】
なお、述した実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。