特許第6823337号(P6823337)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6823337
(24)【登録日】2021年1月13日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】流体排出システム
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/05 20060101AFI20210121BHJP
   E03C 1/044 20060101ALI20210121BHJP
   E03C 1/042 20060101ALI20210121BHJP
   E03C 1/18 20060101ALI20210121BHJP
   E03C 1/22 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
   E03C1/05
   E03C1/044
   E03C1/042 B
   E03C1/18
   E03C1/22 C
【請求項の数】11
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-534861(P2017-534861)
(86)(22)【出願日】2015年9月15日
(65)【公表番号】特表2017-536493(P2017-536493A)
(43)【公表日】2017年12月7日
(86)【国際出願番号】AU2015000568
(87)【国際公開番号】WO2016040986
(87)【国際公開日】20160324
【審査請求日】2018年9月11日
(31)【優先権主張番号】2014903690
(32)【優先日】2014年9月16日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】517094220
【氏名又は名称】シア,リ ジュン
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100096677
【弁理士】
【氏名又は名称】伊賀 誠司
(72)【発明者】
【氏名】シア,リ ジュン
【審査官】 七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0148971(US,A1)
【文献】 特開2006−132125(JP,A)
【文献】 特開2008−073483(JP,A)
【文献】 特開平04−322623(JP,A)
【文献】 特開2001−353087(JP,A)
【文献】 特開2014−066103(JP,A)
【文献】 特開2002−275992(JP,A)
【文献】 特開2011−196017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00−1/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の流体源に流体接続された流体ディスペンサであって、前記複数の流体源の第1の流体源に流体接続する第1の流体出口及び前記複数の流体源の第2の流体源に流体接続する飲用水出口を含む複数の流体出口を有する前記流体ディスペンサにおいて、前記第1の流体源が第1の所定の特性を有する第1の流体を提供し、前記第2の流体源が第2の所定の特性を有する第2の流体を提供し、前記第2の所定の特性が前記第2の流体の濾過又は精製品質を含む、前記流体ディスペンサと、
流体排出システムのユーザを識別してユーザ識別子を生成する識別デバイスと、
前記ユーザ識別子に応答してデータベースにアクセスして1つ以上のユーザ嗜好を示すユーザデータを検索し、検索された前記ユーザデータに応答して制御信号を生成するプロセッサと、
前記ユーザからのジェスチャ動作を検知し、検知された前記ジェスチャ動作に応答してローカル入力信号を生成する複数の電気センサであって、前記ジェスチャ動作が、前記複数の電気センサの検出フィールドを通る物体の移動を含む、前記電気センサと、
前記制御信号及び前記ローカル入力信号に応答して、前記第1の流体を前記第1の流体出口から排出し、又は、前記第2の流体を前記飲用水出口から排出する、アクチュエータシステムと、
を備え、
前記プロセッサが、ローカル入力信号に応答して、検知された前記ジェスチャ動作を複数の所定のジェスチャと区別する、
流体排出システム。
【請求項2】
前記データベースは、遠隔サーバを介してアクセス可能であり、
前記流体排出システムは、前記プロセッサからの命令に応答して前記遠隔サーバにアクセスして前記ユーザデータを取得するネットワーク通信デバイスをさらに備える請求項1記載の流体排出システム。
【請求項3】
前記複数の流体源は、少なくとも1つの熱水源及び1つの冷水源を含む請求項1又は2記載の流体排出システム。
【請求項4】
前記流体ディスペンサは、混合弁を含み、前記アクチュエータシステムは、前記ローカル入力信号及び前記制御信号の少なくとも1つに応答して前記混合弁を作動させ、検知された前記ジェスチャ動作によって調整された温度で前記流体ディスペンサから前記第1の流体、又は、前記第2の流体排出する請求項3記載の流体排出システム。
【請求項5】
前記流体ディスペンサは、圧力制御弁を含み、前記アクチュエータシステムは、前記ローカル入力信号及び/又は制御信号の少なくとも1つに応答して前記圧力制御弁を作動させ、検知された前記ジェスチャ動作によって調整された1つ以上の圧力及び/又は流量で前記流体ディスペンサから前記第1の流体、又は、前記第2の流体排出する請求項1乃至4何れか1項記載の流体排出システム。
【請求項6】
前記ローカル入力信号及び/又は制御信号の少なくとも1つに応答して、検知された前記ジェスチャ動作によって調整された1つ以上の圧力、流量及び/又は温度で気流を生成するハンドドライヤユニットをさらに備える請求項1乃至5何れか1項記載の流体排出システム。
【請求項7】
前記流体ディスペンサは、排出された流体を受け取るように流体容器に隣接して取り付けられ、
前記流体排出システムは、更に、前記流体容器内又は前記流体容器に隣接して取り付けられた1つ以上の超音波エミッタを有する超音波洗浄ユニットをさらに備え、
前記1つ以上の超音波エミッタは所定のジェスチャに応答する請求項1乃至6何れか1項記載の流体排出システム。
【請求項8】
前記アクチュエータシステムは、前記ローカル入力信号に応答して弁を選択的に開閉して、前記所定のジェスチャを検知したときに前記流体容器内の排水開口を解放可能に密閉する請求項7記載の流体排出システム。
【請求項9】
前記識別デバイスは、
近くのモバイルユーザデバイスと無線通信して前記ユーザ識別子を取得するように構成された1つ以上のブルートゥース(登録商標)デバイス及びNFCデバイスと、
前記ユーザの顔の画像を取得するように構成されたカメラと、
前記ユーザの指紋の画像を取得するように構成されている指紋スキャナと、
を有し、
前記プロセッサは、前記ユーザの顔の画像に対して顔認識を実行して前記ユーザ識別子を生成するように構成され、
前記プロセッサは、前記ユーザの指紋の画像から前記ユーザ識別子を導出するように構成される請求項1乃至8何れか1項記載の流体排出システム。
【請求項10】
前記制御信号は、前記ユーザのための好ましい水温又は水流量を含む請求項1乃至9何れか1項記載の流体排出システム。
【請求項11】
前記第1の所定の特性は1つ以上の所定の特性を含み、前記1つ以上の所定の特性は、所定の温度、所定の流量、所定の排出時間、所定の分布プロファイル及び所定の流体品質のうちの1つ以上を含む請求項1乃至10何れか1項記載の流体排出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体排出システム、廃棄物を処理するシステム及び流体監視システムに関する。本発明の実施形態は、特に、ユーザによる所定のジェスチャに応答して所定の特性を有する水及び他の流体を排出するための非接触式蛇口制御システムを提供するために開発された。幾つかの実施形態は、この用途を特に参照して本明細書に記載されるが、本発明は、これらの使用分野に限定されず、より広範囲に適用可能であることは明らかである。
【背景技術】
【0002】
本明細書を通じて、背景技術に関する説明は、これらの技術が公知であり又は当分野において公知である知識の一部であることを認めるものではない。
【0003】
家庭、職場及び公共の環境には、台所、浴室又は洗濯用水栓、シャワー及び屋外タップを含む種々のタイプのウォーターディスペンサが存在する。従来の流体ディスペンサは、手動で操作され、流体源からの流体を排出する機能のみを有する。最近では、様々な機能を提供し、非接触で動作する高度な蛇口が開発されている。
【0004】
米国特許第7228874号は、使用者によってトリガされる複数の近接センサに応答して排出される水及び他の流体の温度及び流量を制御する多機能蛇口を開示している。センサは、蛇口の円形端部の周りに配置され、ユーザ入力を検出するための円周方向に分離された検出ゾーンを提供する。
【0005】
流体排出システムのための個人用に特化されたユーザ機能の技術分野には、更なる発展の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、先行技術の短所の少なくとも1つを克服又は改善し、又は有用な代替物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の実施形態として提供される流体排出システムは、
第1の流体の少なくとも1つの供給源に流体接続された流体ディスペンサと、
システムのユーザを識別してユーザ識別子を生成する識別デバイスと、
ユーザ識別子に応答してデータベースにアクセスして1つ以上のユーザ嗜好を示すユーザデータを検索し、これに応答して制御信号を生成するプロセッサと、
ユーザからのジェスチャ動作を検知し、これに応答してローカル入力信号を生成するように構成された1つ以上の電気センサと、
制御信号及びローカル入力信号に応答して流体ディスペンサから少なくとも1つの所定の特性を有する第1の流体を排出するアクチュエータシステムとを備える。
【0008】
一実施形態では、データベースは、遠隔サーバを介してアクセス可能であり、システムは、プロセッサからの命令に応答して遠隔サーバにアクセスしてユーザデータを取得するネットワーク通信デバイスを含む。
【0009】
一実施形態では、ディスペンサは、少なくとも1つの熱水源及び1つの冷水源に流体接続されている。ディスペンサは、好ましくは、2つの熱水源、2つの冷水源に流体接続されている。
【0010】
一実施形態では、ディスペンサは、混合弁を含み、アクチュエータシステムは、入力信号及び/又は制御信号に応答して混合弁を作動させ、検知されたジェスチャによって少なくとも部分的に決定された温度で流体ディスペンサから水を排出する。
【0011】
一実施形態では、ディスペンサは、圧力制御弁を含み、アクチュエータシステムは、センサ信号及び/又は制御信号に応答して圧力制御弁を作動させ、検知されたジェスチャによって少なくとも部分的に決定された圧力及び/又は流量で流体ディスペンサから第1の流体を排出する。
【0012】
一実施形態では、流体排出システムは、入力信号及び/又は制御信号に応答して検知されたジェスチャによって少なくとも部分的に決定された圧力、流量及び/又は温度で気流を生成するハンドドライヤユニットを含む。ハンドドライヤユニットは、流体ディスペンサの本体に取り付けられていることが好ましい。ハンドドライヤユニットは、好ましくは、気流を発生させるためのファンと、気流を第1の方向に流出させる第1の開口と、気流を第2の方向に流出させる第2の開口とを含む。好ましくは、第1及び第2のファンが、異なるジェスチャに個別に応答する。
【0013】
一実施形態では、流体ディスペンサは、排出された流体を受け取るように構成されている流体容器に隣接して取り付けられる。一実施形態では、システムは、流体容器内に又は流体容器に隣接して取り付けられた1つ以上の超音波エミッタを有する超音波洗浄ユニットを含み、超音波エミッタは所定のジェスチャに応答する。好ましくは、アクチュエータシステムは、入力信号に応答して弁を選択的に開閉し、所定のジェスチャを検知したときに流体容器の排水開口を解放可能に密閉する。
【0014】
一実施形態では、プロセッサは、入力信号に応答して検知されたジェスチャを複数の所定のジェスチャと区別する。好ましくは、プロセッサは、所定のジェスチャを記憶するデータベースと通信する。
【0015】
一実施形態では、ジェスチャは、1つ以上のセンサの検出フィールドを通る物体の動きを含む。
【0016】
ジェスチャは、2つ以上のセンサの検出フィールドを所定の順序で通る物体の動きを含むことができる。また、ジェスチャは、所定の時間の間、センサの検出フィールド内に物体を維持することを含むことができる。
【0017】
一実施形態では、識別デバイスは、ユーザ識別子を取得するために近くのモバイルユーザデバイスと無線通信するように構成されたブルートゥース(登録商標)又はNFCデバイスを含む。
【0018】
制御信号は、ユーザにとって好ましい水温を含むことができる。また、制御信号は、ユーザにとって好ましい水流量を含むことができる。
【0019】
一実施形態では、識別デバイスは、ユーザの顔の画像を取得するように構成されたカメラを含み、プロセッサは、画像上で顔認識を実行してユーザ識別子を生成するように構成されている。
【0020】
一実施形態では、識別デバイスは、ユーザの指紋の画像を取得するように構成された指紋スキャナを含み、プロセッサは、画像からユーザ識別子を導出する。
【0021】
一実施形態では、システムは、制御信号に応答してコンテンツを表示するためのディスプレイを含む。好ましくは、コンテンツは、ユーザデータに関連する。一実施形態では、コンテンツは、1つ以上のユーザ嗜好に関連する広告を含む。一実施形態では、コンテンツは、システムの操作方法に関する指示を含む。
【0022】
一実施形態では、少なくとも1つの所定の特性は、所定の温度、所定の流量、所定の排出時間、所定の分布プロファイル及び/又は所定の流体品質のうちの1つ以上を含む。
【0023】
本発明の第2の側面に基づく流体排出システムは、
第1の流体の少なくとも1つの供給源に流体接続され、第1の流体を選択的に排出する流体ディスペンサと、
システムのユーザを識別してユーザ識別子を生成する識別デバイスと、
ユーザ識別子に応答して遠隔サーバにアクセスして、1つ以上のユーザの嗜好を示すユーザデータを検索するネットワーク通信デバイスと、
ユーザデータに応答して制御信号を生成するプロセッサと、
制御信号に応答してユーザ固有のコンテンツを表示するディスプレイと、を備える。
【0024】
一実施形態では、コンテンツは、1つ以上のユーザ嗜好に関連する広告を含む。一実施形態では、コンテンツは、システムの操作方法に関する指示を含む。
【0025】
ディスプレイは、好ましくは、タッチスクリーンデバイスである。
【0026】
本発明の第3の側面に基づく廃棄物を処理するためのシステムは、
廃棄物を受け取るための入口導管と、
廃棄物の流れに曝されるように入口導管内に又は入口導管に隣接して取り付けられ、入口導管を通過した廃棄物材料内の1つ以上の成分の存在又は濃度を検知し、これに応答してセンサ信号を生成する1つ以上のセンサと、
センサ信号に応答して廃棄物を2つ以上の出口導管に選択的に導く1つ以上のアクチュエータと、を備える。
【0027】
一実施形態では、出口導管は、下水本管に流体接続された下水出口導管を含む。一実施形態では、出口導管は、リサイクルシステムに流体接続されたリサイクル導管を含む。
【0028】
一実施形態では、
センサの1つは、廃棄物に存在する1つ以上の化学物質を検出し、これに応答して化学的インジケータを生成するように適応化された化学センサを含み、
出口導管は、化学処理システムに流体接続された化学処理導管を含み、
アクチュエータは、化学的インジケータに応答して廃棄物を化学処理導管に選択的に誘導する。
【0029】
一実施形態では、
センサの1つは、廃棄物中に存在する1つ以上の固体を検出し、これに応じて濁度インジケータを生成するように適応化された濁度センサを含み、
出口導管は、リサイクルシステムに流体接続されたリサイクル導管を含み、
アクチュエータは、濁度センサ信号に応答して廃棄物をリサイクル導管に選択的に誘導する。
【0030】
一実施形態では、センサの少なくとも1つは、入口導管内に取り付けられている。
【0031】
一実施形態では、入口導管は材料容器用の排水パイプであり、センサの少なくとも1つは、排水パイプに隣接する容器の基部に取り付けられる。
【0032】
一実施形態では、1つのセンサが材料の塩分を検出するように適応化されている。
【0033】
本発明の第4の側面に基づく流体監視システムは、
上流の流体源に流体接続された流体入口と、
流体源からの流体の流れと接触するように流体入口内に配置され、流体の1つ以上の特性を検出し、これに応答して流体品質を示すデータを生成するように構成された1つ以上のセンサと、
基準流体品質データのオンラインデータベースに遠隔からアクセスするための通信モジュールと、
生成された流体品質データを基準流体品質データと比較し、これに応答して制御信号を生成するように構成されたプロセッサと、
制御信号に応答して流体の成分を選択的に変更する1つ以上の流体変更デバイスと、
変更された流体を下流の流体ディスペンサに排出する流体出口と、を備える。
【0034】
一実施形態では、センサは、流体の塩素含有量、残留農薬量、pHレベル、フッ化物、重金属含有量及び/又は放射能濃度のうちの1つ以上を検出するように構成されている。
【0035】
一実施形態では、流体変更デバイスは、1つ以上の粒子フィルタを含む。
【0036】
一実施形態では、流体変更デバイスは、1つ以上の成分源と、流体に成分を選択的に排出する関連する成分ディスペンサと、を含む。
【0037】
一実施形態では、センサは、リアルタイム又は略リアルタイムで流体品質を検出する。
【0038】
好ましくは、流体は、飲用水である。
【0039】
一実施形態では、流体監視システムは、流体入口と1つ以上のセンサとの間に配置され、入力流体の初期処理を実行する前処理ユニットを含む。
【0040】
また、一実施形態では、制御信号は、1つ以上の所定のユーザ設定に基づく。
【0041】
本発明の第5の側面に基づく流体の品質を監視する方法は、
a)流体を検知ゾーンに通すステップと、
b)検知ゾーン内の流体の1つ以上の特性を示すデータを取得するステップと、
c)流体データをデータベース内のデータと比較するステップと、
d)比較に応答して流体の成分を選択的に変更するステップと、を有する。
【0042】
本発明の第6の側面に基づく流体排出システムは、
第1の流体の少なくとも1つの供給源に流体接続された流体ディスペンサと、
所定のジェスチャを記憶するデータベースと、
ユーザからのジェスチャ動作を検知するように構成された1つ以上の電気センサと、
検知されたジェスチャを所定のジェスチャと比較し、これに応答して制御信号を生成するように適応化されたプロセッサと、
制御信号に応答して流体ディスペンサから、ジェスチャに関連付けられた所定の特性を有する第1の流体を排出するアクチュエータシステムと、を含む。
【0043】
本発明の第7の側面に基づく流体排出システムは、
出力流体を排出する流体ディスペンサと、
ディスペンサを少なくとも水源に接続する流体ラインと、
流体ラインに沿って配置され、水を選択的に変更するように適応化された流体変更デバイスシステムと、
ユーザ入力を受けて制御信号を生成するインタフェースと、
制御信号に応答して1つ以上の流体変更デバイスを選択的に作動させて、水を選択的に変更して出力流体を生成するアクチュエータシステムと、を備え、
出力流体の連続する排出の間に、アクチュエータシステムを作動させて、流体ラインを洗浄するために出力流体として水を排出する。
一実施形態では、1つの流体変更デバイスは、水を炭酸化するためのカーボネータを含み、更なる流体変更デバイスは、水に香味付けシロップを添加するための香味付けシロップディスペンサを含む。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の一実施形態に基づく流体ディスペンサの上面側からの斜視図である。
図2図1の流体ディスペンサの下面側からの斜視図である。
図3】本発明の実施形態に基づく流体排出システムの概略的なシステムレベル図である。
図4】ジェスチャ制御のための命令を示すタッチスクリーンディスプレイに表示される例示的な画面を示す図である。
図5図1の流体ディスペンサの混合弁に焦点を合わせた部分側面図である。
図6図5に示した混合弁の分解図である。
図7図5及び図6の混合弁の第1の上面側からの斜視図である。
図8図5及び図6の混合弁の第2の上面側からの斜視図である。
図9図5及び図6の混合弁の第3の上面側からの斜視図である。
図10】第1の例示的な温度制御ライン及び関連するデータテーブルを示す図である。
図11】第2の例示的な温度制御ライン及び関連するデータテーブルを示す図である。
図12】第3の例示的な温度制御ライン及び関連するデータテーブルを示す図である。
図13図1及び図2の流体ディスペンサに組み込まれたハンドドライヤユニットの正面断面図である。
図14】流体監視及び処理サブシステムのシステムレベル図である。
図15図14の処理サブシステムの一次処置システムのシステムレベル図である。
図16】幾つかの流体変更デバイスの性能監視を示すタッチスクリーンディスプレイの例示的なスクリーンショットを示す図である。
図17】流体廃棄サブシステムのシステムレベル図である。
図18】プラグ弁を開くためのユーザジェスチャの例示的な動きを示す図である。
図19】プラグ弁を閉じるためのユーザジェスチャの例示的な動きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例として以下に説明する。
【0046】
概要
図1図3は、流体排出システム1を示している。システム1は、特に、必要に応じて、一次流体としての水と、オプションとして他の流体を排出するための、台所又は浴室の水ディスペンサとして機能するように適応化されている。なお、飲料等の他の流体を排出するために同様なシステムを開発することができることは明らかである。本発明の1つの特定の実施形態は、空港、ショッピングモール又は他の公共の場所に配設される公共の水飲み器としての使用に適応化される。水飲み器は、現在の使用者の検出に基づいて流体を排出し及び/又は他の機能を実行するように適応化される。
【0047】
システム1は、熱水及び冷水の両方の1つ以上の供給源に流体接続された水ディスペンサ3を含む。ディスペンサ3は、下端7において、台所又は浴室のシンク(図示せず)等の固定具に固定可能に係合される実質的に垂直に配置される基部5を含む。基部5は、実質的に正方形の水平断面を有する。ハンドル9は、基部5の上端11に旋回可能に取り付けられ、実質的に水平に延びている。実質的に水平に配置された排出アーム13は、下端及び上端の中間であるが上端11の近位にある位置で基部5に一体的に接続されている。排出アーム13の遠位端15は、後述するように、複数の流体出口を含む。
【0048】
排出アーム13は、実質的に矩形の垂直断面を有し、水平寸法は垂直寸法より僅かに大きい。基部5は、上端と下端の間の垂直高さが約25cmであり、他の実施形態では、高さが約20cm〜30cmであることが好ましい。排出アーム13は、水平方向に約10cmであり、他の実施形態では、好ましくは約7cm〜15cmである。
【0049】
基部5及び排出アーム13は、接続された水源及び種々の水出口との間で水を輸送するために、基部5の下端7と排出アーム13の遠位端15との間に延びる内部流体導管(図示せず)を含む。以下に説明するように、液体石鹸等の他の流体を排出し、ディスペンサ3内に配置された電力センサ及びアクチュエータに電気配線を提供するための他の内部導管も設けられている。
【0050】
ハンドル9の前側部分には、カメラ17の形態の識別デバイスが配置されている。カメラ17は、顔認識、虹彩認識又は他の視覚的バイオメトリック識別によってシステム1のユーザを識別するように構成されている。カメラ17はプロセッサ19に接続され、プロセッサ19は、ユーザの顔の撮像画像を処理し、ユーザ識別子を生成する。ネットワーク通信デバイス21は、ユーザ識別子に応答して遠隔サーバ23にアクセスして、1つ以上のユーザ嗜好を示すユーザデータを検索する。プロセッサ19は、ユーザデータに応答して制御信号を生成する。
【0051】
システム1は、排出アーム13及び基部5に沿った様々な位置に配置された電気センサを有するセンサシステム25を含む。センサは、電源(図示せず)に接続され、使用時には、ユーザからのジェスチャ動作を個別に、又は集合的に検知するように構成されている。これに応答してセンサは、個別に又は集合的に電気的なローカル入力信号を生成する。システム25内の特定のセンサの詳細については、後述する。幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサは、操作可能な押しボタンに置き換えられる。
【0052】
また、プロセッサ19は、入力信号に応答して検知されたジェスチャを複数の所定のジェスチャと区別する。所定のジェスチャは、プロセッサ19と通信するデータベース27に記憶されている。幾つかの実施形態では、プロセッサ19及び/又はデータベース27は、システム1内に配置されず、通信デバイス21によって遠隔アクセスされる。
【0053】
記憶された所定のジェスチャは、アクチュエータシステム29内の複数のアクチュエータを選択的に制御するためのそれぞれの機能制御に関連付けられている。アクチュエータは、制御信号及びローカル入力信号に応答して流体ディスペンサ3から所定の特性を有する水を排出する。流体ディスペンサ3及びこの周辺要素上の様々な位置に配置されたアクチュエータは、電気的制御及びローカル入力信号を機械的動作に変換する性質の電気機械的特性を有する。所定の特性は、以下に限定されるわけではないが、所定の温度、所定の流量、所定の排出時間、所定の分布プロファイル及び/又は所定の流体品質のうちの1つ以上を含む。
【0054】
様々なセンサによって検知されるジェスチャは、ユーザの手(又は他の物体)がセンサの検出フィールドを通って潜在的に移動する範囲を含む。例示的なジェスチャは、ユーザの手が所定の順序で複数のセンサの検出フィールドを通って移動することを含む。他の例示的なジェスチャは、所定の時間の間、単一のセンサのフィールド内にユーザの手を維持することを含む。
【0055】
また、システム1は、ハンドル9の上面に配置されたタッチスクリーンディスプレイ31を含む。ディスプレイ31は、ユーザデータに関連するコンテンツを表示するための制御信号に応答する。例えば、コンテンツは、ユーザの年齢、性別又は場所等の1つ以上のユーザ嗜好に関連する広告を含むことができる。また、ディスプレイ31は、ユーザによる要求に応じて、排出システムの1つ以上の側面をどのように操作するかに関する指示を表示するように構成されている。ディスプレイ31は、タッチ入力の形態でユーザフィードバックを受け付けることによってユーザインタフェースとして動作するように構成されている。適切なタッチ入力を提供することによって、指示等の様々なコンテンツ画面をユーザがナビゲートすることができる。ジェスチャ制御のための命令を示す例示的な画面を図4に示す。
【0056】
図1の挿入図に示すように、ディスプレイ31及びハンドル9は、手動で又は自動的に基部5に対して旋回可能である。手動操作モードでは、この動きは、既知のミキサタップと同様の手法で、所定の温度及び流量で水を排出させる。
【0057】
排出アーム13の端面32には、他の表示システム33が配置されている。表示システム33は、4つの垂直方向及び水平方向に分離されたLED35〜38を含む。各LEDは、検知されたジェスチャに応答して所定の時間に所定の色の光を発光するように構成されている。色、持続時間及び照明プロファイル(点滅、点灯等)は、検知された特定のジェスチャを示す。例えば、冷水を5秒間排出するジェスチャが検出された場合、1つ以上のLEDが5秒間青色で点灯するように構成してもよい。
【0058】
更に、システム1は、ハンドル9に配置されたマイクロフォン41を介してユーザによって発せられた音声コマンドを受信するように適応化されている。音声コマンドは、プロセッサ19によって処理され、データベース27に格納されたコマンドと比較され、関連する音声制御信号に変換される。音声制御信号は、所定の機能を実行するために適切なアクチュエータに送られる。
【0059】
また、識別デバイスは、排出アーム13の端面32上に配置された指紋スキャナ43を含む。指紋スキャナ43は、ユーザの指紋の画像を取得するように構成され、プロセッサ19は、捕捉された指紋画像からユーザ識別子を導出する。他の実施形態では、指紋スキャナは、タッチスクリーンディスプレイ31に組み込まれる。更なる実施形態(図示せず)において、識別デバイスは、ユーザ識別子を取得するために近くのモバイルユーザデバイス(スマートフォン又はタブレットコンピュータ等)と無線で通信するように構成された統合ブルートゥース(登録商標)又はニアフィールド通信(near field communication:NFC)デバイスを含む。一実施形態では、識別デバイスは、マイクロフォン41にリンクされ、音声認識ソフトウェアによってユーザを識別するように適応化される。
【0060】
上端11の前面内には、更なる表示画面45が取り付けられている。表示画面45は、現在の水温及び検出されたジェスチャ等の様々な情報を表示するように適応化されている。幾つかの低コストの実施形態では、ディスプレイ31がハンドル9から省略され、表示画面45がシステム1のメインディスプレイとなる。
【0061】
システム1を使用するために、ユーザは、まずディスペンサ3に近づき、カメラ17の方に向く。カメラ17は、ユーザの顔の画像を取得し、ユーザが識別される。そして、関連するユーザデータが検索され、関連するユーザの嗜好は、対応する制御信号によって設定される。ユーザの嗜好は、後に説明する方法によって予め設定される。次いで、ユーザは、手がセンサシステム25の様々なセンサの1つ以上の検出フィールド内に入るように、片手又は両手でジェスチャを実行する。ジェスチャが検出され、所定のジェスチャと一致する場合、対応するローカル入力信号及び制御信号がアクチュエータを制御し、所定の温度及び流量で水を排出する。温度及び流量は、ユーザの嗜好及びユーザによって実行される特定のジェスチャによって定義される。例えば、ユーザの保存された嗜好は、6℃の温度で飲用水を排出することであってもよく、ユーザは、この例では、更に1℃だけ温度を低下させるジェスチャを実行する。ユーザは、排出される水の温度を更に低下させる(又は上昇させる)ように、連続的に更なるジェスチャを適用することができる。
【0062】
センサの動作は、カメラ17に隣接するハンドル9の前面に配置された押しボタン47の操作によって有効及び無効にすることができる。ボタン47の操作は、システム1の動作を手動操作と無接触操作モードとの間で効果的に切り替える。
【0063】
ユーザの嗜好を入力するために、ユーザは、ディスプレイ31によって提供されるインタフェースをユーザ嗜好セクションにナビゲートする。これにより、データベース27又は通信デバイス21を介してアクセス可能なリモートネットワーク又はクラウドベースのデータベースに格納されたユーザデータにアクセスすることが可能になる。テキストフィールド、ドロップボックス及びスライダ操作子等の様々な入力が、様々なユーザ嗜好の設定を可能にするためにユーザに提示される。ユーザは、サーバ23と通信しているリモートコンピュータを介してユーザの嗜好を入力することもできる。これらの嗜好は、選択されると、ユーザデータとしてユーザIDに関連付けられて保存される。データは、ローカル及び/又はネットワーク又はクラウドベースのデータベースに格納される。ユーザの嗜好を変更するには、関連するセキュリティのログインの詳細を要求してもよい。
【0064】
更に、幾つかの実施形態では、通信デバイス21は、携帯電話又はタブレットコンピュータ等の近くのデバイスと通信するように適応化され、ユーザは、関連するサードパーティソフトウェアアプリケーションを介してシステム1にアクセスして、ユーザの嗜好を変更することができる。
【0065】
システム1は、他の多数の機能を実行することが可能であり、これらについては後述する。
【0066】
複数流体排出
再び図1及び図2を参照して説明すると、ディスペンサ3は、洗浄、調理及び飲料等の日常の目的のために、通常の日常使用水を実質的に垂直下方に排出する一次流体出口49を含む。一次流体出口49は、一次流体出口49に隣接する排出アーム13の下側に配置されたセンサ51によって検出されたジェスチャに応答する。
【0067】
また、一次流体出口49には、処理システムを通過し、より飲用に適した濾過された又は精製された水を実質的に垂直下方に排出する飲用水出口53が隣接している。飲用水出口53は、センサ51によって検出された、一次流体出口49から未処理の水を排出するジェスチャとは異なるジェスチャに応答する。
【0068】
例示的な実施形態では、どのタイプの水を排出すべきかの選択は、センサ51及び排出アーム13の対向する側に配置されたセンサ55、57によって検出される異なるジェスチャによって決定される。一次流体出口49から通常の未処理水を排出するために、ユーザは、センサ51の検出フィールド内に物体(例えば、ユーザの手又は補充される容器)を置くのみでよい。水は、所定の時間又は物体が検出フィールドから除去されるまで、ユーザの嗜好又は他のデフォルト設定によって決定された温度及び流量で一次流体出口49から自動的に排出される。物体が検出フィールド内に維持された状態では、ユーザは、手を左センサ55に通すことによって温度を高め、手を右センサ57に通すことによって温度を下げるように調整することができる。
【0069】
この実施形態では、排出アーム13の対向する側に配置されたセンサ59又は61の1つを最初に作動させることによって、濾過された又は精製された水が飲用水出口53から排出される。センサ59は、熱い濾過された水が望ましいことを指定し、一方、センサ61は、冷たい濾過された水が望ましいことを指定する。この後、ユーザは、センサ51の検出フィールド及び隣接する飲用水出口53に容器(例えば、コップ、ボトル等)を配置する。濾過された又は精製された水は、所定の時間又は容器が検出フィールドから除去されるまで、ユーザの嗜好又は他のデフォルト設定によって決定された温度及び流量で飲用水出口53を通して自動的に排出される。物体が検出フィールド内に維持された状態では、ユーザは、手を左センサ55に通すことによって温度を高め、手を右センサ57に通すことによって温度を下げるように調整することができる。
【0070】
洗浄流体出口63は、排出アーム13の略中間に配置され、液体石鹸又は洗剤等の洗浄流体を実質的に下方に排出するように適応化される。洗浄流体出口63は、排出アーム13に配置された、洗浄流体出口63に隣接するセンサ65によって検出されたジェスチャに応答する。浴室シンク構成では、洗浄流体出口63はハンドソープ源に接続されている。台所シンク構成では、洗浄流体出口63は食器洗い用洗剤の供給源に接続されている。更なる実施形態では、洗浄流体出口63は、2つ以上の洗浄流体源に接続され、排出される特定の洗浄流体は、センサ65及び/又は他のセンサによって検出される異なるユーザジェスチャによって選択される。
【0071】
水飲み器出口67は、遠位端15に隣接する排出アーム13の上面に配置されている。水飲み器出口67は、排出アーム13から実質的に上向き及び外向きに向けられている。水飲み器出口67は、既知の水飲み器と同様の方法で容易に飲み易くするために飲用水を実質的に上向き及び外向きにユーザに排出するようになっている。水飲み器出口67は、ディスプレイ45に隣接する基部5上に配置されたセンサ69によって検出されたジェスチャに応答する。
【0072】
混合弁
ディスペンサ3は、多数の従来の混合弁(図示せず)に適合するように適応化される。混合弁は、基部の上側部分11内に埋め込まれ、中心軸の周りに互いに回転可能な一対の混合ディスク(図示せず)を含む。
【0073】
図5図9を参照すると、ディスペンサ3は、所定の温度で4つの流体を選択的に排出する混合弁71を含む。混合弁71は、軸方向に隣接して、実質的に平行に互いに隣接して配置された2つの同様の円筒形ディスク73、75を含む。上側ディスク73及び下側ディスク75の両方は、基部5の上側部分11内に配置されている。上部ディスク73は、シャフト77によってハンドル9に固定して取り付けられ、下部ディスク75に対して軸を中心に回転可能である。
【0074】
上部ディスク73は、駆動ギヤ(図示せず)の歯に相補的に噛合する溝76A〜76Cを含む。駆動ギヤはステップモータによって駆動され、モータはアクチュエータシステム29の一部を形成する。ここで図6を参照すると、上部ディスク73は、シャフト77を受け付けるための中心軸孔79を含む。また、上部ディスク73は、内側領域83から実質的に広い外側領域85まで半径方向に延びる混合通路81を含む。通路81は、ディスク73の下縁に開口し、ディスク73の途中まで軸方向に延びている。
【0075】
下部ディスク75は、ディスク75がこの周りを回転するシャフト77を受け付けるための中心軸孔87を含む。孔87の周りには、3つの排出開口89〜100の4つのグループが周方向に配置されている。各グループは、ディスクの異なる象限に配置されている。各グループは、一対の外側入力開口93〜100及び内側出力開口89〜92を含む。各対の入力開口は、対を円周方向に分離するそれぞれの分割領域101〜104を巡って形状が実質的に対称である。各対の第1の入力開口は、低温流体の供給源に流体接続され、一方、各対の第2の入力開口は、高温流体源に流体接続されている。異なるグループからの入力開口は、異なる流体の供給源に接続される。出力開口89〜92は、実質的に細長く、同じグループの両方の入力開口と少なくとも部分的に円周方向に整列するように円周方向に延びる。水を排出する場合、出力開口は、排出アーム13の出口49に流体接続される。
【0076】
ステップモータは、(ジェスチャからの)入力信号及び/又は制御信号に応答して上部ディスク73を下部ディスク75に対して選択的に回転させることによって混合弁を作動させる。図7に示すように、通路81の外側領域85が冷水開口98と整列し、熱水開口97と整列しないとき、冷水のみが通路81を通過し、出口49を通って排出される。図8に示すように、通路81の外側領域85が冷水開口98及び熱水開口97の両方と部分的に整列すると、熱水(hot water)及び冷水(cold water)の混合物が通路81を通り、温水(warm water)が出口49を通って排出される。図9に示すように、通路81の外側領域85が熱水開口97と整列し、冷水開口98と整列しないと、熱水が通路81を通過し、出口49を通って排出される。
【0077】
このようにして、下部ディスク75に対する上部ディスク73の角度を制御することによって、検知されたジェスチャ及び/又は制御信号によるユーザの嗜好によって少なくとも部分的に決定された温度で、水をディスペンサ3から排出させることができる。通路81をディスク75の他の象限に配置された他のグループの開口と整列させるために、対応する90°、180°又は270°回転を適用することによって、他の流体が同様の方式で排出される。このように、混合弁71は、所定の温度で4つの流体を排出することができる。他の流体には、濾過された水、香味付けされた飲料、洗剤等が含まれる。
【0078】
角度と温度との間の対応付けは、データベース27のルックアップテーブル等にアクセスすることによって行われ、これによって、受け取ったジェスチャ又はユーザの嗜好がプロセッサ19によってステップモータによって適用される対応する角度に変換される。
【0079】
幾つかの実施形態では、上述の自動温度制御動作は、ハンドル9の手動操作又はボタン47の操作によって無効にすることができる。この場合、ユーザは、ハンドル9を基部5に対して手動で回転させて、当分野で知られている手法で、排出される特定の流体、並びに高温流体及び低温流体の混合物(したがって流体の温度)を制御することができる。ハンドルを持ち上げることによって、排出される流体の体積及び圧力も制御される。
【0080】
一実施形態では、ディスプレイ31、ディスプレイ33、又は画面45のうちの1つ以上が、上述の自動的手法又は手動操作の何れかによって、排出される流体の推定温度を表示するように適応化される。
【0081】
混合弁71は、異なる飲料供給ラインを介して複数の異なる飲料を排出する等の他の用途を有することは明らかである。特定の実施形態では、ステップモータは、通路81を間欠的に回転させて、通路81を洗浄するために水源と整列するように構成されている。これは、出力開口93〜100が全て共通の排出口に接続されている場合に特に有用である。
【0082】
他の実施形態(図示せず)では、ディスペンサ3は、ステップモータと係合可能なギヤ、カム又はフランジを有する別個の圧力制御弁を含む。また、ステップモータは、アクチュエータシステムの一部を形成し、センサ信号及び/又は制御信号に応答して圧力制御弁を作動させて、流体ディスペンサから、第1の流体を、少なくとも部分的にジェスチャによって決定された圧力及び/又は流量で排出させる。
【0083】
混合弁71は、従来の混合弁と同様に他の流体ディスペンサに組み込むことができることは明らかである。
【0084】
以下に説明するように、混合ヘッドは、特定の条件下でバイパスすることができ、流体処理システム及び更なる温度制御システムを介して、それぞれの供給源から水を供給することができる。
【0085】
追加の温度制御
混合弁71による温度制御に加えて、幾つかの実施形態では、温度制御は、入力流体ライン又は異なる温度の複数の流体ラインに沿って配置された1つ以上のヒータユニットによっても部分的に提供される。追加の温度制御が提供される3つの例示的な実施形態を、図10図12に示す。
【0086】
図10において、単一の入力流体ライン105には、直列に配置された3つのヒータ素子107〜109が設けられている。ヒータは、これを通過する流体に対して異なるレベルの加熱をそれぞれ提供する3つの異なる出力レベルを有する。ユーザによる入力ジェスチャに応答して、ヒータ要素は、図10の表に従って、単独で又は組み合わせて選択的に作動される。
【0087】
図11では、2本の流体ライン111、113が平行に設けられている。第1の流体ライン111は、冷水を供給し、第2の流体ライン113は、熱水を供給する。一対のヒータ115、116は、流体ライン上に配置され、ユーザによる入力ジェスチャに基づいて、それぞれの流体ライン内の冷水及び熱水の温度を個別に上昇させる。表は、可能な出力水温を示している。
【0088】
更に、幾つかの実施形態では、上記の実施形態における各ヒータの電力出力及び加熱電力は、ユーザによる入力ジェスチャに応じて選択的に変更することができ、これによって、出力水温のより多くの組み合わせを提供することができる。したがって、他の実施形態では、冷水ライン及び熱水ラインのそれぞれは、それぞれの冷水及び熱水源の周囲温度以上に水温を選択的に高めるために、可変電力の単一の対応するヒータのみを含む。
【0089】
図12では、4つの流体ライン118〜121が設けられている。ライン118、121は、冷水を供給し、ライン119、120は、熱水を供給する。直接アウトプット123〜126は、それぞれの入力温度で水を供給し、ミキシングライン127、129は、それぞれ熱水及び冷水を混合して温水を生成する。この後、流体ラインは混合弁71を通り、更なる温度調節が行われる。
【0090】
ハンドドライヤ
再び図1及び図2を参照すると、システム1は、排出アーム13内に埋め込まれたハンドドライヤユニット131を含む。ここで、図13を参照すると、ドライヤユニット131は、排出アーム13の両側に配置され、ユーザの左手及び右手の乾燥を可能にするようにそれぞれ配置された第1及び第2の細長い開口133、135を含む。気流は、内部ファン137によって生成され、空気は、加熱要素139によって加熱される。加熱された気流は、それぞれの方向で開口133、135の一方又は両方を通って流れる。開口133、135は、それぞれの弁141、143を含み、開口133、135の一方又は両方を通る空気の流出を可能にするように選択的に作動可能である。ファン137、ヒータ139及び弁141、143は、入力信号及び/又は制御信号に応答して検知されたジェスチャによって少なくとも部分的に決定された圧力、流量及び/又は温度で気流を生成し、方向付ける。幾つかの実施形態では、弁141、143は、異なるジェスチャに個別に応答する。
【0091】
流体監視及び処理システム
図14を参照すると、一実施形態では、システム1は、関連する水監視及び処理サブシステム150を含む。システム1に関して説明したが、水監視及び処理サブシステム150は、独立型ユニットとして製造し、他の商業的に入手可能な水排出システムに後付けしてもよいことは明らかである。
【0092】
サブシステム150は、主給水源等の上流の供給源から水を供給する入口導管156、158からの熱水及び冷水を取り出す2つの入口152、154を含む。入口152、154を通って取り出されなかった水は、主流体ライン160、162に沿って流体ディスペンサ3の混合弁に流れる。単一の入口導管のみが設けられている場合、サブシステム150は、単一の入口のみを含む。水をサブシステム150に通すか否かの選択は、入口152、154上のそれぞれの弁を作動させるユーザジェスチャによって決定される。
【0093】
サブシステム150内では、水は、まず、前処理ユニット164に通され、水の予備処理が行われる。入力されたユーザのジェスチャ及び/又は予め定義されたユーザの嗜好に基づいて、水は多数(図では、3つを示している。)の処置経路の1つを通過する。各処置経路は、投入水に異なるレベルの濾過及び/又は処理を適用する。適切な処置経路は、ユーザジェスチャ及び/又はユーザの嗜好に応じてアクチュエータ弁166によって選択される。また、前処理は、投入水の所定の流量制御を含むことができる。
【0094】
前処理ユニット164の出力側において、水は、逆止め弁又は一方向弁等の流れ制御弁168を通過し、水が順方向にのみ流れるようにする。
【0095】
この時点で、水は、他の作動可能な弁170に到達し、これは、入力ユーザジェスチャ及び/又は所定のユーザ嗜好に応答する。弁170は、主水ライン172及び飲用水ライン174、176との間で水の進路を変更するように作用する。主水ラインは、最終的に、一次流体出口49から水を排出する。飲用水ライン174、176は、最終的にそれぞれ飲用水出口53及び水飲み器出口67から水を排出する。
【0096】
水は次に、一次処置システムを通過する。図14では、これは、主水処置ユニット178及び飲用水処置ユニット180の両方として示されている。これらは別個のユニットとして示されているが、以下に説明するように、これらが共通のハードウェアを共有することができることは明らかである。
【0097】
図15は、例示的な一次処置システム181を概略的に示している。システム181は、前処理ユニット164からの流体の流れと接触するように流体入口内に配置された複数のセンサ182を含む。センサ182は、検知ゾーン内の流体の1つ以上の特性を検知し、これに応じて流体品質を示すデータを生成するように構成されている。これは、リアルタイム又は略リアルタイムで実行され、生成された流体品質データは、プロセッサ183に渡され、ローカルストレージに格納される。通信モジュール184は、インターネット186上のサーバ185内に記憶された基準流体品質データのオンラインデータベースに遠隔からアクセスするように構成されている。幾つかの実施形態では、流体品質データは、クラウドサーバ等のネットワーク化されたリソースに格納するためにサーバ185に渡される。他の実施形態では、通信モジュール184は、インターネットには対応していないが、関連するデータベースを格納しているローカルコンピュータと有線又は無線で通信する。プロセッサ183は、センサ182から測定された流体品質データを基準流体品質データと比較し、これに応答して制御信号187を生成するように構成されている。制御信号187は、部分的に、ローカルで又はサーバ185を介して適用される1つ以上の所定のユーザ設定によって定義してもよい。
【0098】
制御信号187は、一連の作動可能な弁188及び1つ以上の流体変更デバイス189に送られる。弁188は、制御信号に基づいて、流体変更デバイス189のうちの所定のものに水を選択的に導く。更に、流体変更デバイス189は、制御信号187に基づいて流体の成分を選択的に変更する。
【0099】
図14に示すように、例示的なセンサ182は、透明度/濁度センサ、塩素センサ、流体硬度センサ、残留農薬センサ、pHセンサ、重金属センサ、放射能濃度センサ、微生物センサを含む。味付けされた飲料ディスペンサを対象とする他の実施形態では、センサ182は糖含有センサ及び/又は人工香味センサを含む。
【0100】
例示的な弁188は、上述した弁71等の連結混合弁を含む。連結された混合ディスクの対応する相対回転は、水を対応する流体変更デバイス189に向けるための流体通路を形成する。
【0101】
例示的な流体変更デバイス189は、粒子フィルタ及び化学フィルタ、香味添加剤(香味付き飲料ディスペンサの場合)等の様々なフィルタ及び電解デバイス及び化学セパレータ等の電子流体プロセッサを含む。一実施形態では、流体変更デバイス189は、流体に成分を選択的に排出するための1つ以上の成分源及び関連する成分ディスペンサを含む。
【0102】
上述した流体処理は、水及び他の流体に対して等価的に行うことができる。しかしながら、アクセスされる特定のデータベースは、通常、流体毎に異なる。同様に、対応する処理は、処理される流体毎に異なる。一例として、飲用水は、日常的な使用を意図した水よりも厳密な比較及び処理の対象となる。
【0103】
図14に示すように、処理サブシステム150の主水ライン及び混合弁71からの主水ラインとの間に接合部が存在する。このように、水は、処理サブシステム150、混合弁71又はこの両方から一次流体出口49を通って排出してもよい。これにより、何らかの形式の流体処理が望まれる場合に、混合弁71をバイパスすることができる。
【0104】
幾つかの実施形態では、流体変更デバイスは、サーバ185とも通信し、一意的な製品識別子を有するセキュリティチップを含むセキュアタイプの流体変更デバイスが使用される。製品識別子は、インストールされているシステムの対応する製品コードにリンクされているコード又は番号である。新たな変更デバイスがインストールされると、製品識別子はサーバ185によってチェックされ、関連するシステムへの互換性及び/又は海賊版デバイスに対する真正性が判定される。
【0105】
幾つかの実施形態では、各流体変更デバイスの性能及び/又は使用を監視する能力が提供される。例えば、フィルタデバイスを監視して、残りのフィルタ容量(例えばパーセンテージ)又は有効寿命(例えば、日数)を判定することができる。一実施形態では、この監視機能は、タッチスクリーンディスプレイ31を使用して実現される。図16には、多数の流体変更デバイス(例えば、190)の性能監視を示すディスプレイ31の例示的なスクリーンショットが示されている。変更デバイスのタイプに応じて、異なる性能メトリックが図示されている。デバイス190は、図示されているように、現在15%の容量又は25日間の有効寿命を有するフィルタデバイスに関する。項目191は、略空のフィルタデバイスを示している。また、選択可能な電話及び電子メールアイコンが表示されており、これにより、ユーザは、交換用デバイスを注文することができる。他の実施形態として、交換部品を注文することができる関連ウェブサイトにユーザをリンクする他のアイコンを表示してもよい。上記の製品識別コードを使用して、同じデバイスの交換を容易に注文することができる。
【0106】
1つの用途では、上述の流体処理サブシステム150は、単一の流体ラインを有するディスペンサから多数の香味付き飲料を排出するために使用される。この用途では、上述したように導管156、158を介して水が投入され、流体変更デバイス189によって炭酸化され香味付けされる。第1の変更デバイスは、投入水(前処理ユニット164又は処置ユニット180による様々なフィルタリング及び品質管理を通過したものであってもよい。)を炭酸化するカーボネータ及び排出前に様々な香味を選択的に追加する香味付けシロップディスペンサの形式の更なる流体変更デバイスとして機能する。全体として、このディスペンサは、既存のマルチライン水飲み器飲料ディスペンサと同様の方法で混合飲料を製造するように動作する。但し、デバイス189が選択的に作動可能であるため、単に香味添加を無効にして、単一の流体ラインに清浄水を通して洗浄してから、次の香味付き流体を排出することができる。したがって、流体ラインは、1つで済む。
【0107】
同様に、サブシステム150を使用して、流体ラインに清浄水を流すことによって、異なる流体を排出する間に流体ラインを洗浄する能力を有する単一流体ラインを介して様々な流体を排出することができる。このフラッシュ洗浄動作は、ユーザが手動で行うこともでき、システム1によって自動的に行うこともできる。
【0108】
流体廃棄システム
図17に示すシステム1は、廃棄物を処理するためのサブシステム200を含む。サブシステム200は、流体及び他の廃棄物を受け入れる排水管204を有するシンク202の形態の流体容器を含む。ディスペンサ3は、シンク202の上に又は隣接して取り付けられ、各流体源、電源及びネットワークに接続される。排水管204は、導管204内に配置されたセンサ208、210を含む流体処理ユニット206に接続されている。センサ208、210は、廃棄物の流れに曝されるように配置され、この廃棄物は、ディスペンサ3から排出された水及び他の流体、並びにシンク202から導管204に入った他の材料(固体、液体又は気体)を含むことができる。これらの他の材料には、例えば、食品廃棄物、粒状材料及び化学洗剤が含まれる。他の実施形態では、センサ208、210は、排水管204に隣接する位置でシンク202の基部に取り付けられている。
【0109】
センサ208(単一のセンサであっても複数のセンサであってもよい。)は、導管204を通過する廃棄物内の1つ以上の成分の存在又は濃度を検知するように構成されている。例示的な成分には、洗浄液及び洗浄剤等の化学物質が含まれ、塩分センサ及びpHセンサも含まれる。センサ210は、廃棄物の濁度レベルを検出するように構成された濁度センサである。
【0110】
センサ208、210は、様々な化学物質又は濁度レベルの検出に応じて、集合的又は別個のセンサ信号を生成し、このセンサ信号は、それぞれの弁212、214、216を作動させるように構成された3つのアクチュエータに供給される。これらの弁は、検出されたセンサ信号に応答して開閉する。アクチュエータ及び弁は、廃棄物を選択的に3つの出口導管のうちの1つに導く。図17に示すように、ユニット206は、下水本管路に流体接続する下水出口導管218と、リサイクルシステム222に流体接続されたリサイクル導管220と、化学処理システム226に流体接続された化学処理導管224とを含む。化学薬品処理システム226は、有害化学物質を除去した後、下水本管に接続してもよい。他の実施形態では、これより少ない又は多い数のセンサ、導管及びアクチュエータ/弁をユニット206に組み込むことができることは明らかである。
【0111】
有害化学物質がセンサ208によって検出されず、センサ210が所定の閾値以下の濁度を検出した場合、弁214、216が閉じられ、弁212が開かれ、廃棄物は、リサイクル導管220に選択的に供給される。有害な化学物質がセンサ208によって検出されると、弁212、216が閉じられ、弁214が開かれ、廃棄物は、化学処理導管224に選択的に供給される。センサ208によって有害な化学物質が検出されないか又は少量であるが、センサ210によって高濁度レベルが検出された場合、弁212、214が閉じられ、弁216が開かれて、廃棄物が下水出口導管218に選択的に供給される。
【0112】
更に図17を参照して説明すると、システム200は、シンク202の導管204内のプラグ弁228を選択的に解放可能に密閉するための、タッチレスプラグ制御機能を含む。アクチュエータシステム29は、排水管204の上部セクション内に配置された弁228の開閉を制御するアクチュエータ(図示せず)を含む。弁228のアクチュエータは、入力信号に応答して所定のジェスチャを検知すると、弁を選択的に開閉する。弁228は、閉鎖されると、プラグの従来の手法で流体及び材料がシンク202から導管204を通って流れるのを防止する。
【0113】
図18及び図19に示すように、一実施形態では、弁228を閉じるためのジェスチャ(「プラグオン」ジェスチャ)は、所定の期間内にユーザの手(又は他の物体)をセンサ230、232のセンサフィールドで、右から左に連続的に動かすことによって実行される。反対に、弁228を開けるためのジェスチャ(「プラグオフ」ジェスチャ)は、所定の期間内にユーザの手(又は他の物体)を、センサ230、232のセンサフィールドを左から右に連続的に動かすことによって実行される。
【0114】
再び図17を参照して説明すると、シンク202の基部の両側には、一対の超音波洗浄ユニット234、236が取り付けられている。洗浄ユニット234、236は、図1に示すように、基部5の反対側に配置されたセンサ238、240によって検出されたジェスチャに基づいて受信された入力信号に応答する。左センサ240は洗浄ユニット234を作動及び停止させ、右センサ238は洗浄ユニット236を作動及び停止させる。洗浄ユニット234、236は、超音波圧力波を出射して、シンク202に含まれる流体を攪拌し、汚れた皿等の洗浄対象を洗浄するように構成されている。他の実施形態では、単一の超音波洗浄ユニットのみがシンク202に取り付けられる。更なる実施形態では、3つ以上の超音波洗浄ユニットがシンク202に取り付けられる。一実施形態では、洗浄ユニット234、236は、シンク202内の流体の出力フローを制御するセンサ208、210と同様のセンサに動作可能に関連付けられる。
【0115】
シンク202は、キャビティ244内に配置された流体レベルセンサ242を含む。センサ242は、シンク内の流体レベルが第1及び第2のレベル246、248に上昇したときを検出するように適応化されている。第1のレベル246になると、センサ242は、スピーカ等に警告信号を供給して可聴警告音を発する。また、警告信号は、ディスプレイ31、ディスプレイ画面45上で視覚的警告を開始してもよく、又は所定の様式で1つ以上のLED35〜38を作動させてもよい。第2のレベル248になると、センサ242は、対応するアクチュエータに制御信号を発して、ディスペンサ3からの流体の流れを遮断し、或いは弁228を開放して、シンク202から流体の一部を放出する。
【0116】
結論及び解釈
以上の開示は、様々な重要な流体排出システム、廃棄物を処理するためのシステム及び流体監視システムを提供することは明らかである。また、上述したシステムの側面は、スタンドアロンユニットとして実現してもよく、既存の流体排出システムに後付けしてもよいことは明らかである。
【0117】
本明細書を通して、「一実施形態」、「実施形態」又は「具体例」等の言及は、実施形態に関連して記述される特定の特徴、構造体又は特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書内の様々な箇所で使用する「一実施形態において」又は「具体例において」等の句は、必ずしも同じ実施形態又は具体例を指しているわけではないが、同じ実施形態又は具体例を指している場合もある。更に、本開示によって当業者にとって明らかなように、特定の形状、構造又は特徴は、1つ以上の実施形態において適切な如何なる手法で組み合わせてもよい。
【0118】
本明細書では、特段に指定がない限り、共通の対象を記述するための「第1」、「第2」、「第3」等の順序を示す形容詞の使用は、単に類似の対象の異なる事例が参照されていることを示すのみであり、このように記述された対象が、時間的、空間的、順位付けの何れかの順序で与えられなければならないことを意味するものではない。
【0119】
以下の特許請求の範囲及び本明細書の記載において、含む、有する又は備えるという用語の何れかは、少なくとも列挙される要素/特徴を含むが他のものを排除しないことを意味するオープンの用語である。したがって請求項に使用される場合、用語「含む」は、列挙される手段、要素又はステップを限定するものとして解釈されるべきではない。例えば、A及びBを含む装置の表現の範囲は、要素A及びBのみからなる装置に限定されるべきではない。また、本明細書で使用されるような用語の何れか1つは、これらの用語と共に示される要素/特徴を少なくとも含み、他の要素を除外しないことを意味する。すなわち、「備える」は、「含む」と同義語であり、これを意味する。
【0120】
本明細書で使用する「例示的」という用語は、品質を示すものではなく、例を提供する意味で使用される。すなわち、「例示的な実施形態」は、必ずしも例示的な品質の実施形態ではなく、一例として提供される実施形態である。
【0121】
特段の指定がない限り、以下の説明から明らかなように、明細書全体にわたって、「処理する」、「計算する」、「演算する」、「判定する」、「分析する」等の用語を用いる説明は、物理量、例えば、電子的量として表されるデータを、同様に物理量として表される他のデータに操作及び/又は変換するコンピュータ又はコンピュータシステム又は同様の電子計算装置の動作及び/又は処理に関する。
【0122】
同様に、「プロセッサ」という用語は、例えばレジスタ及び/又はメモリからの電子データを処理して、この電子データを、例えば、他の電子データに変換して、レジスタ及び/又はメモリに格納することができる任意のデバイス又はその一部を指す。「コンピュータ」又は「演算マシン」又は「演算プラットフォーム」は、1つ以上のプロセッサを含むことができる。
【0123】
他の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、スタンドアロンデバイスとして動作してもよく、ネットワーク構成内で他のプロセッサとネットワーク接続してもよく、1つ以上のプロセッサは、サーバ又はサーバ/ユーザネットワーク環境内のユーザマシン、又はピアツーピア又は分散ネットワーク環境内のピアマシンとして動作することができる。1つ以上のプロセッサは、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(set-top box:STB)、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant:PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、又はマシンが実行する動作を指定する一連の命令を(順次的に又は他の手法で)実行できる任意のマシンの形式であってもよい。
【0124】
図は、単一のプロセッサと、コンピュータ可読コードを格納する単一のメモリのみを示しているが、本発明の側面を不明瞭にしないために明示的に示されていない上述したコンポーネントの多くが含まれていることは、当業者にとって明らかである。例えば、単一のマシンのみが示されている場合であっても、「マシン」という用語は、ここに説明する方法の1つ以上を実行するための命令のセット(又は複数のセット)を個々に又は共同して実行するマシンの集合を含むものとする。
【0125】
なお、上述した本発明の例示的な実施形態の説明では、本開示を合理化し、本発明の様々な側面の理解を補助する目的で、単一の実施形態、図面又はその説明において、本発明の様々な特徴を共にグループ化していることがある。しかしながら、この開示の方法は、特許請求された発明が各請求項に明示的に記載された特徴より多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。すなわち、以下の特許請求の範囲に反映されているように、本発明の側面が必要とする特徴は、ここに開示した単一の実施形態の全ての特徴よりも少ないものである。したがって、詳細な説明に続く特許請求の範囲は、この詳細な説明に明確に組み込まれ、各請求項は、それ自体が本発明の個別の実施形態として成立する。
【0126】
更に、本明細書に説明する幾つかの実施形態は、他の実施形態に含まれる幾つかの他の特徴を含むが、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内であることは、当業者にとって明らかである。例えば、以下の特許請求の範囲において、特許請求された実施形態の何れかは、任意の組み合わせで使用することができる。
【0127】
本明細書が提供する説明では、多数の特定の詳細が記載されている。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしで実施できることは明らかである。他の例では、周知の方法、構造及び技術は、本説明の理解を不明瞭にしないために、詳細には示していない。
【0128】
なお、用語「接続された」が特許請求の範囲において使用される場合、直接的な接続のみに限定されるものとして解釈されるべきではない。「接続」及び「連結」及びこれらの活用形を使用することもある。これらの用語は、互いに同義語として意図されていないことは明らかである。したがって、デバイスBに接続されたデバイスAといった表現の範囲は、デバイスAの出力がデバイスBの入力に直接接続されるデバイス又はシステムに限定されるべきではない。これは、Aの出口と、Bの入口の間に経路があり、この経路に他の装置又は手段が含まれていてもよいことを意味する。「接続された」とは、2つ以上の要素が直接物理的又は電気的に接触しているか、又は2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、互いに協働又は相互作用していることを意味する。
【0129】
したがって、本発明の好ましいと考えられる実施形態を開示したが、当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、他の改変を行うことができ、これらの全ての変更及び改変が本発明の範囲内にあると主張することを意図している。例えば、上に示された任意の式は、使用できる手順の単なる代表例である。ブロック図に機能を追加し、又はブロック図でから機能を削除してもよく、機能ブロック間で機能を交換してもよい。本発明の範囲内で説明された方法にステップを追加してもよく又は方法からステップを削除してもよい。
図1
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