特許第6823413号(P6823413)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6823413
(24)【登録日】2021年1月13日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】買い物支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20210121BHJP
【FI】
   G06Q30/06 332
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-190927(P2016-190927)
(22)【出願日】2016年9月29日
(65)【公開番号】特開2018-55417(P2018-55417A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】井上 博之
(72)【発明者】
【氏名】菅野 泰史
【審査官】 山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−228826(JP,A)
【文献】 特開2007−102330(JP,A)
【文献】 特開2016−091061(JP,A)
【文献】 特開2013−250698(JP,A)
【文献】 特開2016−133880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の残量を推定する残量推定部と、
推定された前記物品の残量に基づいて買い物すべき物品を抽出し、抽出した前記物品を載せた買い物リストを作成する買い物リスト作成部と、
前記買い物リストを補正する買い物リスト補正部と、
過去の前記買い物リストの履歴を蓄積するリスト履歴蓄積部と、
を具備し、
前記買い物リスト補正部は、
過去の前記買い物リストの履歴に基づいて、最新の前記買い物リストに載っている前記物品それぞれについて買い物の必要性の大小を判断し、判断結果に基づいて最新の前記買い物リストを補正するものであり、
前記買い物リストの補正において、最新の前記買い物リストに載っている前記物品が、過去の所定期間において前記買い物リストに載った回数を算出し、
最新の前記買い物リストに載っている前記物品のうち、前記回数が所定の基準よりも少ない物品については、買い物の必要性が小さいと判断する、
買い物支援システム。
【請求項2】
前記回数には、前記所定期間のうち、直近の過去の第一の所定期間において前記買い物リストに載った回数を示す第一の回数、及び前記第一の所定期間よりも長期間である過去の第二の所定期間において前記買い物リストに載った回数を示す第二の回数が含まれ、
前記買い物リスト補正部は、
最新の前記買い物リストに載っている前記物品のうち、前記第一の回数及び前記第二の回数の両方が所定の基準よりも少ない物品については、買い物の必要性が小さいと判断する、
請求項1に記載の買い物支援システム。
【請求項3】
物品の購入履歴を蓄積する購入履歴蓄積部を具備し、
前記買い物リスト補正部は、
補正された過去の前記買い物リストに前記物品が載った回数と、当該物品を実際に購入した回数との乖離の度合いを示す乖離度に基づいて、買い物の必要性の大小を判断する、
請求項1又は請求項2に記載の買い物支援システム。
【請求項4】
物品の残量を推定する残量推定部と、
推定された前記物品の残量に基づいて買い物すべき物品を抽出し、抽出した前記物品を載せた買い物リストを作成する買い物リスト作成部と、
前記買い物リストを補正する買い物リスト補正部と、
過去の前記買い物リストの履歴を蓄積するリスト履歴蓄積部と、
物品の購入履歴を蓄積する購入履歴蓄積部と、
を具備し、
前記買い物リスト補正部は、
過去の前記買い物リストの履歴に基づいて、最新の前記買い物リストに載っている前記物品それぞれについて買い物の必要性の大小を判断し、判断結果に基づいて最新の前記買い物リストを補正するものであり、
前記買い物リストの補正において、補正された過去の前記買い物リストに前記物品が載った回数と、当該物品を実際に購入した回数との乖離の度合いを示す乖離度に基づいて、買い物の必要性の大小を判断する、
い物支援システム。
【請求項5】
前記乖離の原因を分析する分析部を具備し、
前記買い物リスト補正部は、
分析された前記乖離の原因が季節及び/又は外気温によるものであり、且つ現在が前記物品の購入の必要性が大きいと予め設定された季節及び/又は外気温である場合に、買い物の必要性が大きいと判断する、
請求項3又は請求項4に記載の買い物支援システム。
【請求項6】
前記残量推定部は、
音声を取得する音声取得部と、
取得された前記音声を文字情報として認識する音声認識部と、
所定のキーワードと物品の残量を段階的に示す残量レベルとが互いに紐付けされた判定基準データを記憶する判定基準データ記憶部と、
前記音声認識部によって認識された前記文字情報から前記所定のキーワードを抽出し、抽出した前記所定のキーワードと前記判定基準データとを照合することにより、物品の前記残量レベルを判定する残量判定部と、
を具備する、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の買い物支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、買い物支援システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、買い物支援システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、家庭の冷蔵庫や収納棚に収納されている食品や日用品の在庫量(残量)を検出及び管理する在庫情報管理装置が記載されている。この在庫情報管理装置は、在庫情報の履歴に基づいて物品が常備品であるかどうかを判定する常備品判定部と、常備品が不足しているか否かを判定する不足判定部と、常備品判定部や不足判定部の判定結果に基づいて購入を指示する物品の情報を示す購入指示をユーザー端末に送信する購入指示部とを具備している。これにより、ユーザーの買い物支援を行うことができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、各物品の購入の必要性(本当に買うべきものであるか否か)について十分に考慮されたものとはいえなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−250698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、各物品の買い物の必要性の大小を買い物リストに反映させることができる買い物支援システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、物品の残量を推定する残量推定部と、推定された前記物品の残量に基づいて買い物すべき物品を抽出し、抽出した前記物品を載せた買い物リストを作成する買い物リスト作成部と、前記買い物リストを補正する買い物リスト補正部と、過去の前記買い物リストの履歴を蓄積するリスト履歴蓄積部と、を具備し、前記買い物リスト補正部は、過去の前記買い物リストの履歴に基づいて、最新の前記買い物リストに載っている前記物品それぞれについて買い物の必要性の大小を判断し、判断結果に基づいて最新の前記買い物リストを補正するものであり、前記買い物リストの補正において、最新の前記買い物リストに載っている前記物品が、過去の所定期間において前記買い物リストに載った回数を算出し、最新の前記買い物リストに載っている前記物品のうち、前記回数が所定の基準よりも少ない物品については、買い物の必要性が小さいと判断するものである。
【0009】
請求項2においては、前記回数には、前記所定期間のうち、直近の過去の第一の所定期間において前記買い物リストに載った回数を示す第一の回数、及び前記第一の所定期間よりも長期間である過去の第二の所定期間において前記買い物リストに載った回数を示す第二の回数が含まれ、前記買い物リスト補正部は、最新の前記買い物リストに載っている前記物品のうち、前記第一の回数及び前記第二の回数の両方が所定の基準よりも少ない物品については、買い物の必要性が小さいと判断するものである。
【0010】
請求項3においては、物品の購入履歴を蓄積する購入履歴蓄積部を具備し、前記買い物リスト補正部は、補正された過去の前記買い物リストに前記物品が載った回数と、当該物品を実際に購入した回数との乖離の度合いを示す乖離度に基づいて、買い物の必要性の大小を判断するものである。
【0011】
請求項4においては、物品の残量を推定する残量推定部と、推定された前記物品の残量に基づいて買い物すべき物品を抽出し、抽出した前記物品を載せた買い物リストを作成する買い物リスト作成部と、前記買い物リストを補正する買い物リスト補正部と、過去の前記買い物リストの履歴を蓄積するリスト履歴蓄積部と、物品の購入履歴を蓄積する購入履歴蓄積部と、を具備し、前記買い物リスト補正部は、過去の前記買い物リストの履歴に基づいて、最新の前記買い物リストに載っている前記物品それぞれについて買い物の必要性の大小を判断し、判断結果に基づいて最新の前記買い物リストを補正するものであり、前記買い物リストの補正において、補正された過去の前記買い物リストに前記物品が載った回数と、当該物品を実際に購入した回数との乖離の度合いを示す乖離度に基づいて、買い物の必要性の大小を判断するものである。
【0012】
請求項5においては、前記乖離の原因を分析する分析部を具備し、前記買い物リスト補正部は、分析された前記乖離の原因が季節及び/又は外気温によるものであり、且つ現在が前記物品の購入の必要性が大きいと予め設定された季節及び/又は外気温である場合に、買い物の必要性が大きいと判断するものである。
請求項6においては、前記残量推定部は、音声を取得する音声取得部と、取得された前記音声を文字情報として認識する音声認識部と、所定のキーワードと物品の残量を段階的に示す残量レベルとが互いに紐付けされた判定基準データを記憶する判定基準データ記憶部と、前記音声認識部によって認識された前記文字情報から前記所定のキーワードを抽出し、抽出した前記所定のキーワードと前記判定基準データとを照合することにより、物品の前記残量レベルを判定する残量判定部と、を具備するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
請求項1においては、各物品の買い物の必要性の大小を買い物リストに反映させることができる。
【0015】
請求項2においては、より精度良く各物品の買い物の必要性の大小を判断することができる。
【0016】
請求項3においては、より精度良く各物品の買い物の必要性の大小を判断することができる。
【0017】
請求項4においては、より精度良く各物品の買い物の必要性の大小を判断することができる。
【0018】
請求項5においては、より精度良く各物品の買い物の必要性の大小を判断することがで
きる。
請求項6においては、物品の残量推定に対する利用者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る買い物支援システムの構成を示す図。
図2】本発明の一実施形態に係る買い物支援システムの残量推定に用いる判定基準データテーブルを示す図。
図3】本発明の一実施形態に係る買い物支援システムにおける、買い物リスト履歴の蓄積前の制御を示すフローチャート。
図4】補正前の買い物リストの一例を示した図。
図5】本発明の一実施形態に係る買い物支援システムにおける、買い物リスト履歴の蓄積後の制御を示すフローチャート。
図6】本発明の一実施形態に係る買い物リストの補正の制御を示すフローチャート。
図7】各物品の直近期間及び継続期間のリストアップ回数による区分を示した図。
図8】補正後の買い物リストの一例を示した図。
図9】本発明の第二実施形態に係る買い物支援システムの構成を示した図。
図10】本発明の第二実施形態に係る買い物リストの補正の制御を示すフローチャート。
図11】各物品のリストアップ回数と購入回数との乖離度を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
まず、図1を用いて、本発明の一実施形態に係る買い物支援システム1の構成の概要について説明する。
【0021】
買い物支援システム1は、物品の残量を推定し、この推定結果に基づいて買い物が必要な物品を載せた買い物リストを作成することで、利用者の買い物を支援するものである。買い物支援システム1は、主に家庭で使用される。「物品」には、日々の生活において消費される常備品が含まれ、例えば牛乳や卵、調味料などの食品、トイレットペーパーや洗剤などの日用品が含まれる。買い物支援システム1は、音声取得装置10、利用者端末20及びサーバー100を具備する。
【0022】
音声取得装置10は、音声を取得するものである。音声取得装置10としては、例えばマイクロフォンが使用される。音声取得装置10は、家族の会話や独り言の音声を取得可能な位置に配置され、例えば冷蔵庫の近傍や収納棚の近傍に配置される。音声取得装置10の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0023】
利用者端末20は、買い物支援システム1の利用者が使用する端末である。利用者端末20としては、データを送受信可能な端末が用いられ、例えばパーソナルコンピュータや高機能携帯電話端末が用いられる。
【0024】
サーバー100は、データの格納や分析等を行うものである。サーバー100は、音声認識部110、判定基準データ記憶部120、制御部130、残量レベル情報蓄積部140、リスト履歴蓄積部150及び通知部160を具備する。
【0025】
音声認識部110は、音声取得装置10によって取得された音声を文字情報として認識するものである。音声認識部110は、音声認識機能を用いて、音声取得装置10によって取得された音声をテキスト化する。これにより、音声認識部110は、音声取得装置10によって取得された音声の文字情報を作成する。以下では、音声取得装置10によって取得された音声の文字情報を、「音声テキスト」ということもある。
【0026】
判定基準データ記憶部120は、物品の残量を判定する基準となる判定基準データを記憶するものである。判定基準データは、所定のキーワード及び残量レベルを含んでおり、両者は互いに紐付けされている。ここで、所定のキーワードとは、物品の残量を推定する鍵となる、予め決められた語句のことをいう。所定のキーワードには、物品の残量に関連する種々の語句を含めることができる。残量レベルは、物品の残量を段階的に示すものである。残量レベルは、物品の残量の大小(補充の必要性)によって、複数の段階(レベル)に区分されている。
【0027】
図2は、判定基準データを規定する判定基準データテーブルを示す図である。判定基準データテーブルには、残量レベルと所定のキーワードとが紐付けられて記憶されている。残量レベルは、「充分レベル」、「許容レベル」及び「必要レベル」に区分されている。「充分レベル」は、残量が多く、未だ補充する必要のないことを示すものである。「許容レベル」は、残量が少なく、そろそろ補充の必要があることを示すものである。「必要レベル」は、残量が0であって、すぐに補充の必要があることを示すものである。充分レベルに紐付けされたキーワードは、特に規定されていない。許容レベルに紐付けされたキーワードには、例えば「まだ少し」、「あと少し」、「ちょっとある」などのワードが含まれている。必要レベルに紐付けされたキーワードには、例えば「もう無い」、「無くなった」、「買いに行かないと」などのワードが含まれている。
【0028】
制御部130は、サーバー100の制御を行うものである。特に、制御部130は、物品の残量(残量レベル)を推定(判定)するものである。制御部130は、音声認識部110によって作成された文字情報(音声テキスト)、及び判定基準データ記憶部120に記憶された判定基準データに基づいて、物品の残量レベルを判定する。
【0029】
具体的には、制御部130は、音声認識部110によって作成された音声テキストから、残量に関連するキーワードを抽出する。そして、制御部130は、判定基準データ記憶部120の判定基準データテーブルを参照して(抽出したキーワードと判定基準データとを照合して)、抽出したキーワードと一致する所定のキーワードを選択する。そして、制御部130は、選択したキーワードに紐付けされた残量レベルに基づいて、残量レベルを判定する。
【0030】
また、制御部130は、音声認識部110によって作成された音声テキストに基づいて、対象物品(判定した残量レベルがどの物品についてのものであるか)を判定する。具体的には、制御部130は、音声認識部110によって作成された音声テキスト(特に、残量に関連するキーワードの前後の部分)から物品に関連する単語を抽出し、所定のデータを参照して物品を判定する。
【0031】
また、制御部130は、判定した物品の残量レベルに基づいて、買い物すべき(買い物が必要と思われる)物品を抽出する。そして、制御部130は、所定の日時になると(例えば1週間ごとに)、抽出した買い物すべき物品を載せた買い物リストを作成する。なお、買い物リストを作成する日時は予め定められたものではなく、例えば利用者の買い物の頻度に合わせて任意に変更してもよい。
【0032】
残量レベル情報蓄積部140は、判定した物品の残量レベルを示す情報の履歴を蓄積するデータベースである。残量レベル情報蓄積部140は、残量レベルと対象物品とを紐付けて格納する。
【0033】
リスト履歴蓄積部150は、制御部130によって作成された買い物リストの履歴を格納するデータベースである。リスト履歴蓄積部150は、過去の買い物リストの履歴を格納する。
【0034】
通知部160は、利用者に買い物リストを通知するものである。通知部160は、制御部130による制御に基づいて、メール送信により、利用者端末20に買い物リストを提供する。
【0035】
このように構成される買い物支援システム1において、リスト履歴蓄積部150に買い物リストが所定数以上蓄積された場合には、制御部130は、買い物リストの補正を実行する。
【0036】
より詳細には、制御部130は、買い物すべき物品を載せた買い物リストを作成(仮作成)し、作成した買い物リストを補正することで、利用者に提供する買い物リストを完成させる。なお、以下では、作成した補正前の買い物リストを「補正前リスト」ということもある。また、補正後の買い物リストを「補正後リスト」ということもある。この補正は、リスト履歴蓄積部150に蓄積された過去の買い物リスト(補正前リスト)の履歴に基づいて行われる。
【0037】
以下、図3を用いて、買い物支援システム1の制御について説明する。なお、図3に示す制御は、リスト履歴蓄積部150に買い物リストが所定数以上蓄積される前の制御である。つまり、図3に示す制御は、買い物リストの補正を実行しない場合の制御である。
【0038】
ステップS10において、音声取得装置10は、音声取得を行う。このステップにおいて、音声取得装置10は、家族の会話や独り言の音声を取得することができる。音声取得装置10によって取得される音声としては、例えば「醤油が無くなったよ」、「卵がもう少ししかないわ」、「牛乳がもう無いよ」などの音声を例示することができる。ここでは、音声取得装置10は、「牛乳がもう無いよ」との音声を取得したとする。音声取得装置10で取得された音声データは、音声認識部110に送信される。この処理が終わると、図3に示す制御はステップS20に移行する。
【0039】
ステップS20において、音声認識部110は、音声認識を行う。このステップにおいて、音声認識部110は、音声取得装置10によって取得された「牛乳がもう無いよ」との音声をテキスト化して、音声テキストを作成する。この処理が終わると、図3に示す制御はステップS30に移行する。
【0040】
ステップS30において、制御部130は、物品の残量を推定する。このステップにおいて、制御部130は、音声認識部110によって作成された音声テキスト、及び判定基準データ記憶部120に記憶された判定基準データテーブルを用いて、物品の残量レベルを判定する。
【0041】
具体的には、制御部130は、判定基準データテーブルに規定された所定のキーワードに基づいて、音声認識部110によって作成された音声テキストから、残量に関連するキーワードを抽出する。ここでは、制御部130は、判定基準データテーブルを参照し、「牛乳がもう無いよ」との音声テキストから、残量に関連するキーワードとして「もう無い」とのワードを抽出する。また、制御部130は、「牛乳がもう無いよ」との音声テキストに基づいて、対象物品が牛乳であると判定する。
【0042】
そして、制御部130は、抽出したキーワードと判定基準データとを照合することにより、抽出したキーワードに紐付けられた残量レベルを抽出する。具体的には、制御部130は、判定基準データテーブルを参照し、「もう無い」とのキーワードに紐付けられた残量レベルから、残量レベルが「必要レベル」であると判定する。制御部130は、この処理が終わると、ステップS40に移行する。
【0043】
ステップS40において、制御部130は、ステップS30で判定した残量レベルを示す残量レベル情報を残量レベル情報蓄積部140に格納する。制御部130は、この処理が終わると、ステップS50に移行する。
【0044】
ステップS50において、制御部130は、買い物リストを作成すべき所定の日時になっているか否かを判定する。所定の日時になっていると判定された場合(ステップS50で「YES」)、制御部130は、ステップS60に移行する。一方、未だ所定の日時になっていないと判定された場合(ステップS50で「NO」)、制御部130は、ステップS10に処理を戻す。つまり、所定の日時になるまでに、各種物品の残量レベル情報が残量レベル情報蓄積部140に蓄積される。
【0045】
ステップS60において、制御部130は、ステップS30で判定した残量レベルに基づいて、買い物リストを作成する。具体的には、制御部130は、ステップS30で判定した残量レベルが「必要レベル」及び「許容レベル」であるものを、買い物すべき物品として抽出する。そして、制御部130は、抽出した物品を載せた(リストアップした)買い物リストを作成する。図4に示すように、買い物リストには、必要レベルの物品としてジュース及びカップ麺がリストアップされ、許容レベルの物品として牛乳、卵、ヨーグルト、マーガリン及びメロンがリストアップされたとする。制御部130は、この処理が終わると、ステップS70に移行する。
【0046】
ステップS70において、制御部130は、ステップS60で作成した買い物リストをリスト履歴蓄積部150に格納する。制御部130は、この処理が終わると、ステップS100に移行する。
【0047】
ステップS100において、制御部130は、通知部160を介して買い物リストを利用者端末20に送信する。この処理が終わると、図3に示す制御は終了する。
【0048】
このような図3に示す制御を繰り返すことにより、リスト履歴蓄積部150に買い物リストの履歴が蓄積される。買い物リストが所定数以上蓄積されると、買い物支援システム1は、買い物リストを補正する制御を実行可能となる。以下では、図5及び図6を用いて、買い物リストの補正を実行する買い物支援システム1の制御について説明する。
【0049】
なお、図5に示す制御が図3に示す制御と異なる点は、ステップS80及びステップS90をさらに具備する点である。よって以下では、図5に示す制御のステップのうち図3に示す制御のステップと同一のステップについては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
図5に示すステップS10からステップS60までの処理は、図3に示す制御と同様である。ステップS70において、制御部130は、ステップS60で作成(仮作成)した買い物リスト(補正前リスト)を残量レベル情報蓄積部140に格納する。制御部130は、この処理が終わると、ステップS80に移行する。
【0051】
ステップS80において、制御部130は、ステップS60で作成した買い物リスト(補正前リスト)を補正する。以下では、図6を用いて、買い物リストの補正の制御について説明する。
【0052】
図6に示すステップS110において、制御部130は、買い物リスト(補正前リスト)にリストアップされた物品について、各物品が直近の過去の所定期間(現在から所定日(月)数遡った期間内)において買い物リストに載った回数(リストアップ回数)を算出する。以下では、直近の所定期間を「直近期間」という。例えば、直近期間を現在から1ヶ月遡った期間と設定することができる。制御部130は、リスト履歴蓄積部150に蓄積された過去の買い物リストの履歴に基づいて、この処理を行う。なお、リストアップ回数の対象となる直近期間の買い物リストには、最新の買い物リスト(補正を行う対象の補正前リスト)は含まれない。制御部130は、この処理が終わると、ステップS120に移行する。
【0053】
ステップS120において、制御部130は、補正前リストにリストアップされた物品について、各物品が買い物支援システム1の導入時から現在までの期間(以下、「継続期間」という)において、買い物リストに載った回数(リストアップ回数)を算出する。なお、前述の直近期間は、この継続期間よりも短い期間に設定する必要がある。制御部130は、リスト履歴蓄積部150に蓄積された過去の買い物リストの履歴に基づいて、この処理を行う。制御部130は、この処理が終わると、ステップS130に移行する。
【0054】
なお、ステップS110及びステップS120において算出するのは、上述の如くリストアップ回数(リストアップされた回数そのもの)であってもよいし、リストアップされた割合であってもよい。例えば、過去100回(100個)の買い物リストに物品が20回リストアップされていた場合は、当該割合、すなわち「2割(20%)」を、リストアップ回数の代わりに用いてもよい。
【0055】
ステップS130において、制御部130は、直近期間及び継続期間の両方においてリストアップ回数が少ない物品を除外するように、買い物リストを補正する。制御部130は、ステップS110で算出された直近期間のリストアップ回数と、ステップS120で算出された継続期間のリストアップ回数とに基づいて、この処理を行う。制御部130は、リストアップ回数が所定の閾値以下である場合に「少ない」と判断する。一方、制御部130は、リストアップ回数が所定の閾値を超える場合に「多い」と判断する。
【0056】
本実施形態においては、図7に示すように、ジュース、牛乳及び卵は、直近期間のリストアップ回数が多く、且つ、継続期間のリストアップ回数も多いものとする。また、ヨーグルト、マーガリン及びカップ麺は、直近期間のリストアップ回数が少なく、且つ、継続期間のリストアップ回数が多いものとする。また、メロンは、直近期間のリストアップ回数が少なく、且つ、継続期間のリストアップ回数も少ないものとする。この場合、制御部130は、直近期間及び継続期間の両方においてリストアップ回数が少ない「メロン」を、買い物リストから除外する。制御部130は、この処理が終わると、ステップS140に移行する。
【0057】
ステップS140において、制御部130は、ステップS130で補正した内容で買い物リストを確定する。つまり、図8に示すように、補正前リスト(図4参照)からメロンが除外されたものを補正後リストとして確定する。制御部130は、この処理が終わると、ステップS90に移行する。
【0058】
ステップS90において、制御部130は、ステップS80で補正した買い物リスト(ステップS140で確定した買い物リスト)、つまり補正後リストをリスト履歴蓄積部150に格納する。制御部130は、この処理が終わると、ステップS100に移行する。
【0059】
ステップS100において、制御部130は、通知部160を介して確定した買い物リスト(補正後リスト)を利用者端末20に送信する。この処理が終わると、図5に示す制御は終了する。
【0060】
このように、本実施形態に係る買い物支援システム1においては、直近期間及び継続期間の両方の買い物リスト履歴に基づいて、買い物の必要性の大小を判断し、この判断結果に基づいて買い物リストを補正している。つまり、本実施形態に係る買い物支援システム1においては、直近期間の買い物リスト履歴から利用者の直近の生活スタイルを考慮し、継続期間の買い物リスト履歴から利用者の根元的な生活スタイルを考慮した上で、買い物リストの補正を行っている。
【0061】
したがって、本実施形態に係る買い物支援システム1においては、利用者の生活スタイルを考慮した買い物リストを提供することができる。よって、利用者にとって本当に必要な物品(買うべき物品)を買い物リストにリストアップすることができ、一方、特に緊急に必要でない物品や、過去に一時的に必要であったが今は必要でない物品(日常的に必要でないもの、一過性のもの)をリストから除外することができる。したがって、不要な買い物を抑制することができる。
【0062】
以上の如く、本実施形態に係る買い物支援システム1は、物品の残量を推定する残量推定部と、推定された前記物品の残量に基づいて買い物すべき物品を抽出し、抽出した前記物品を載せた買い物リストを作成する制御部130(買い物リスト作成部)と、前記買い物リストを補正する制御部130(買い物リスト補正部)と、過去の前記買い物リストの履歴を蓄積するリスト履歴蓄積部150(リスト履歴蓄積部)と、を具備し、前記制御部130(買い物リスト補正部)は、過去の前記買い物リストの履歴に基づいて、最新の前記買い物リストに載っている前記物品それぞれについて買い物の必要性の大小を判断し、判断結果に基づいて最新の前記買い物リストを補正するものである。
このように構成することにより、各物品の買い物の必要性の大小を買い物リストに反映させることができる。
【0063】
また、前記制御部130(買い物リスト補正部)は、最新の前記買い物リストに載っている前記物品が、直近の過去の第一の所定期間において前記買い物リストに載った回数を示す第一の回数、及び前記第一の所定期間よりも長期間である過去の第二の所定期間において前記買い物リストに載った回数を示す第二の回数に基づいて、買い物の必要性の大小を判断するものである。
このように構成することにより、より精度良く各物品の買い物の必要性の大小を判断することができる。この際、物品が買い物リストに載った回数そのものだけでなく、当該回数から算出される指標(例えば、物品が買い物リストに載った割合等)に基づいて、買い物の必要性を判断することが可能である。
【0064】
また、前記制御部130(買い物リスト補正部)は、最新の前記買い物リストに載っている前記物品が、直近の過去の第一の所定期間において前記買い物リストに載った回数を示す第一の回数、及び前記第一の所定期間よりも長期間である過去の第二の所定期間において前記買い物リストに載った回数を示す第二の回数を算出し、最新の前記買い物リストに載っている前記物品のうち、前記第一の回数及び前記第二の回数の両方が所定の基準よりも少ない物品については、買い物の必要性が小さいと判断するものである。
このように構成することにより、より精度良く各物品の買い物の必要性の大小を判断することができる。
【0065】
また、前記残量推定部は、音声を取得する音声取得装置10(音声取得部)と、取得された前記音声を文字情報として認識する音声認識部110と、所定のキーワードと物品の残量を段階的に示す残量レベルとが互いに紐付けされた判定基準データを記憶する判定基準データ記憶部120と、前記音声認識部110によって認識された前記文字情報から前記所定のキーワードを抽出し、抽出した前記所定のキーワードと前記判定基準データとを照合することにより、物品の前記残量レベルを判定する制御部130(残量判定部)と、を具備するものである。
このように構成することにより、より精度良く各物品の買い物の必要性の大小を判断することができる。
【0066】
なお、本実施形態に係る音声取得装置10は、音声取得部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る制御部130は、買い物リスト作成部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る制御部130は、買い物リスト補正部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る制御部130は、残量判定部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る直近期間は、第一の所定期間の一形態である。
また、本実施形態に係る継続期間は、第二の所定期間の一形態である。
【0067】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0068】
例えば、本実施形態においては、物品の残量推定は、音声認識によって行うものとしたが、これに限定されるものではなく、任意の方法(例えば、ICタグによる管理等)で行うことができる。
【0069】
また、本実施形態においては、判定基準データの残量レベルは3段階としたが、残量レベルの段階数は、これに限定されるものではなく、適宜の数とすることができる。また、残量レベルの区分の基準も適宜のものとすることができる。
【0070】
また、本実施形態においては、買い物リストの補正は、リスト履歴蓄積部150に蓄積された過去の買い物リストの履歴を用いて行うものとしたが、残量レベル情報蓄積部140に蓄積された情報を用いて行うものであってもよい。具体的には、残量レベル情報蓄積部140に蓄積された過去の残量レベルを示す情報の履歴から、必要レベル及び許容レベルとなった回数をリストアップ回数として算出してもよい。
【0071】
また、本実施形態においては、制御部130は、残量レベルが必要レベル及び許容レベルであった場合に、買い物リストに一旦リストアップするものとしたが、リストアップの基準は任意に設定することができ、例えば必要レベルであった場合のみ買い物リストにリストアップするようにしてもよい。
【0072】
また、本実施形態においては、制御部130は、直近期間及び継続期間の両方においてリストアップ回数が少ない物品(メロン)を除外するものとしたが、買い物リストの補正の態様はこれに限定されるものではない。例えば、直近期間及び継続期間の両方においてリストアップ回数が少ない物品は、リストアップされた他の物品よりも買い物の必要性が小さいことがわかるように、当該他の物品と区別して(例えば参考情報として)買い物リストに記載されるようにしてもよい。
【0073】
また、買い物リストは、買い物の必要性の大小に応じて優先順位を付けたものであってもよい。例えば、直近期間のリストアップ回数が多く且つ継続期間のリストアップ回数も多い物品(ジュース、牛乳及び卵)が、直近期間のリストアップ回数が少なく且つ継続期間のリストアップ回数が多い物品(ヨーグルト、マーガリン及びカップ麺)よりも買い物の必要性が高いことがわかるように、買い物リストに記載するようにしてもよい。
【0074】
また、本実施形態においては、リストアップ回数を「多い」、「少ない」の2段階に区分するものとしたが、3段階以上に区分してもよい。この場合、図7に示すマトリックスを、より詳細なものとすることができる。
【0075】
また、本実施形態においては、「継続期間」は、システム導入時から現在までの期間としたが、これに限定されるものではなく、直近期間よりも長期間である任意の期間とすることができる。
【0076】
また、本実施形態においては、通知部160は、メール送信によって買い物リストを利用者端末20に通知(提供)するものとしたが、買い物リストの通知方法はこれに限定されるものではなく、Webページで買い物リストを閲覧できるようにしてもよく、利用者端末20が高機能携帯電話端末である場合には、アプリケーションのプッシュ通知により買い物リストを通知するようにしてもよい。
【0077】
次に、図9を用いて、本発明の第二実施形態に係る買い物支援システム2の構成の概要について説明する。
【0078】
第二実施形態に係る買い物支援システム2が、第一実施形態に係る買い物支援システム1と異なる主な点は、購入履歴蓄積部170をさらに具備する点である。よって以下では、第二実施形態に係る買い物支援システム2のうち第一実施形態に係る買い物支援システム1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
購入履歴蓄積部170は、物品の実際の購入履歴を示す購入履歴情報を蓄積するものである。利用者は、買い物リストにリストアップされた物品のうち実際に買った物品の情報を、利用者端末20を用いて購入履歴蓄積部170に送信する。これを繰り返すことにより、購入履歴蓄積部170には、購入履歴情報が蓄積される。
【0080】
次に、図10を参照して、本発明の第二実施形態に係る買い物支援システム2の制御について説明する。なお、第二実施形態に係る買い物支援システム2の制御が、第一実施形態に係る買い物支援システム1の制御と異なる点は、買い物リストの補正の制御(図6に示す制御)であって、より詳細には、ステップS122及びステップS132をさらに行う点である。よって以下では、第二実施形態に係る買い物支援システム2の制御のうち第一実施形態に係る買い物支援システム1の制御と同一の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】
ステップS110及びステップS120において、制御部130は、それぞれ直近期間におけるリストアップ回数及び継続期間におけるリストアップ回数を算出する(第一実施形態と同様)。制御部130は、この処理が終わると、ステップS122に移行する。
【0082】
ステップS122において、制御部130は、継続期間における実際の購入回数(買い物リストに物品がリストアップされた際に実際にその物品を購入した回数)を算出する。制御部130は、購入履歴蓄積部170に蓄積された購入履歴情報に基づいて、この処理を行う。制御部130は、この処理が終わると、ステップS130に移行する。
【0083】
ステップS130において、制御部130は、直近期間及び継続期間の両方においてリストアップ回数が少ない物品を除外するように、買い物リストを補正する(第一実施形態と同様)。制御部130は、この処理が終わると、ステップS132に移行する。
【0084】
ステップS132において、制御部130は、継続期間のリストアップ回数と購入回数の乖離度が大きい物品を買い物リストから除外するように、買い物リストを補正する。
【0085】
乖離度は、[{(継続期間のリストアップ回数)−(購入回数)}/(継続期間のリストアップ回数)]×100(%)で示されるものである。つまり、リストアップ回数に対して購入回数が多い場合は、乖離度は小さくなる。一方、リストアップ回数に対して購入回数が少ない場合は、乖離度は大きくなる。
【0086】
図11は、特定の物品のリストアップ回数、購入回数及び両者の乖離度を示している。図11に示すように、牛乳、卵及びマーガリンについては、リストアップ回数と購入回数とが同一である(乖離度は0%である)。これは、牛乳、卵及びマーガリンが買い物リストにリストアップされた場合には、必ず購入されたことを示している。また、カップ麺については、リストアップ回数が5回、購入回数が4回であるので、乖離度は20%である。これは、カップ麺が買い物リストにリストアップされた場合には、ほとんどの場合で購入されたことを示している。また、ジュースについては、リストアップ回数が6回、購入回数が1回であるので、乖離度は約83%である。これは、ジュースが買い物リストにリストアップされた場合でも、ほとんど購入されなかったことを示している。
【0087】
制御部130は、乖離度が所定の閾値を超える場合に、乖離度が「大きい」と判断する。制御部130は、例えば閾値を50%に設定した場合には、乖離度が約83%であるジュースの乖離度が大きいと判断して、ジュースを買い物リストから除外する。制御部130は、この処理が終わると、ステップS140に移行する。
【0088】
ステップS140において、制御部130は、ステップS132で補正した内容で買い物リストを確定する。制御部130は、この処理が終わると、図5に示すステップS90に移行する。以降の処理は、第一実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0089】
このように第二実施形態においては、リストアップ回数と購入回数との乖離度が大きい物品は、買い物リストから除外される。第二実施形態においては、実際にはあまり購入しなかった物品は、利用者の生活においてあまり必要でない物品であると考えられるため、買い物リストにリストアップしないようにしている。このように、利用者の生活の実態を考慮して必要性の低い物品を除外するので、利用者にとって必要性の高い物品だけを買い物リストにリストアップし易くすることができる。
【0090】
以上の如く、第二実施形態に係る買い物支援システム2は、物品の購入履歴を取得する購入履歴蓄積部170(購入履歴データ取得部)を具備し、前記制御部130(買い物リスト補正部)は、補正された過去の前記買い物リストに前記物品が載った回数と、当該物品を実際に購入した回数との乖離の度合いを示す乖離度に基づいて、買い物の必要性の大小を判断するものである。
このように構成することにより、より精度良く各物品の買い物の必要性の大小を判断することができる。
【0091】
以上、本発明の第二実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0092】
例えば、第二実施形態においては、ステップS132において、乖離度が大きい物品を買い物リストから除外するものとしたが、乖離度が大きい物品を除外するか否かを、乖離の原因に基づいて判断するものとしてもよい。
【0093】
例えば、制御部130は、カレンダー情報や気象情報等の外部情報に基づいて、乖離度が大きい物品の乖離の原因を分析する。サーバー100には、季節や外気温によって購入の必要性の度合いが大きく異なると考えられる特定の物品(アイスクリーム等)を、事前に登録しておく。そして、事前に登録された物品については、乖離度が大きいと判断されたとしても、現在が購入の必要性が大きい季節や外気温である場合には、買い物リストから除外しないようにすることができる。
【0094】
以上の如く、第二実施形態に係る買い物支援システム2は、前記乖離の原因を分析する制御部130(分析部)を具備し、前記制御部130(買い物リスト補正部)は、分析された前記乖離の原因に基づいて買い物の必要性の大小を判断するものである。
このように構成することにより、より精度良く各物品の買い物の必要性の大小を判断することができる。
【符号の説明】
【0095】
1,2 買い物支援システム
10 音声取得装置
110 音声認識部
120 判定基準データ記憶部
130 制御部
150 リスト履歴蓄積部
170 購入履歴蓄積部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11