特許第6823429号(P6823429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6823429
(24)【登録日】2021年1月13日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】スクリーン印刷機
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/26 20060101AFI20210121BHJP
   B41F 15/08 20060101ALI20210121BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
   B41F15/26 A
   B41F15/08 303E
   H05K3/34 505D
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-222933(P2016-222933)
(22)【出願日】2016年11月16日
(65)【公開番号】特開2018-79613(P2018-79613A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2019年11月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】100125737
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 昭博
(72)【発明者】
【氏名】蛭川 立雄
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−130911(JP,A)
【文献】 特開平10−296948(JP,A)
【文献】 特開平05−185580(JP,A)
【文献】 特開平10−284829(JP,A)
【文献】 特開平01−118438(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0087178(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/26
B41F 15/08
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷パターンが形成されたマスクにクリームはんだを塗り延ばすスキージ装置と、
前記マスクの下に基板を搬送する搬送装置と、
前記マスクに対して前記基板を上下方向に位置決めする昇降装置と、
搬送された基板を一対のクランプ部によって幅方向から挟み込むものであり、前記クランプ部の各々に複数の凹部が形成され、前記各凹部内に一つの回転軸に固定されて回転支持されたクランプ片が配置されたクランプ装置と、
前記回転軸に対して回転を与えることにより、複数の前記クランプ片全てを前記クランプ部内に格納した格納状態と前記クランプ部から先端部分を突き出させたクランプ状態とに同時に切り替える回転駆動機構とを有するスクリーン印刷機。
【請求項2】
前記回転軸は、前記複数の凹部を貫いて前記クランプ部内に組み込まれ、前記クランプ片は、L字形ブロックであり、クランプ状態の際にL字の長辺側が前記クランプ部の上面に出るように、L字の短辺側が前記回転軸に固定された請求項1に記載のスクリーン印刷機。
【請求項3】
前記クランプ部の上面には、前記凹部以外の範囲に吸引孔の開口部が形成されたものである請求項2に記載のスクリーン印刷機。
【請求項4】
前記回転駆動機構は、前記回転軸に対してロータリーアクチュエータの出力をギヤを介して与えるようにしたものである請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスクリーン印刷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板にクリームはんだを印刷するスクリーン印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷機は、機体内部に印刷パターン(印刷用の貫通孔)を有するマスクが取り付けられており、その下に基板搬送装置によって搬送された基板が配置される。そして、搬送された基板には、クリームはんだによるスクリーン印刷が行われる。そのようなスクリーン印刷機には、基板搬送装置の他にも、搬送された基板を保持して印刷箇所に位置決めするための基板保持装置などが設けられている。基板保持装置は、マスク下の印刷位置にて水平な姿勢の基板が横方向から挟み込まれるが、安定した状態で基板のクランプが行われるように、その基板端部を上から支持するエッジクランプが用いられている。下記特許文献1には、そのエッジクランプを備えたスクリーン印刷機が開示されている。
【0003】
同文献に記載のスクリーン印刷機では、搬送された基板が一対のクランプユニットによって幅方向から挟み込まれて水平な状態で保持されるが、その際、基板はバックアップユニットによって下方から持ち上げられ、その幅方向端部が上に配置されたエッジクランプである位置決め板に当たって支持される。その位置決め板は、上下方向と水平方向との移動を可能にする駆動機構に組み付けられており、クランプ時にはクランプユニット外側の退避位置とクランプユニット上部のクランプ位置との間を移動することとなる。基板がクランプされた後は、印刷のために基板上面がマスクの下面に接するように重ねられるので、位置決め板が印刷の妨げにならないようにするためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−296948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、こうした位置決め板の移動は、上下方向と水平方向との2段階で行われるので、クランプユニットにより基板をクランプするための時間が長くなってしまい、サイクルタイムが伸びてしまう。また、移動方向を2段階で切り替える位置決め板の駆動機構について、部品点数が多くなって構造が複雑および大型化するほか、コストアップの要因となるなどの問題がある。
【0006】
ところで、同じ特許文献1には、位置決め板が断面L字形の長尺な板材であって、それがモータによって揺動するようなエッジクランプについての示唆がある。このようなエッジクランプであれば、位置決め板の可動範囲が狭くなるなどの効果を有し、前記課題の解決につながるものと考えられる。しかし、同示唆に基づく位置決め板は、基板の幅方向端面の長さとほぼ同じ長さのものであり、それがクランプユニットのクランプ部に回転可能に組み込まれていると考えられる。そして、そのような位置決め板を単にクランプ部に組み込んだだけの構成では、クランプ部の形状が変わるなどして、クランプ部本来の機能を損なってしまう別の課題が生じることとなる。
【0007】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、回転駆動式のエッジクランプを備えたスクリーン印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るスクリーン印刷機は、印刷パターンが形成されたマスクにクリームはんだを塗り延ばすスキージ装置と、前記マスクの下に基板を搬送する搬送装置と、前記マスクに対して前記基板を上下方向に位置決めする昇降装置と、搬送された基板を一対のクランプ部によって幅方向から挟み込むものであり、前記クランプ部の各々に複数の凹部が形成され、前記各凹部内に一つの回転軸に固定されて回転支持されたクランプ片が配置されたクランプ装置と、前記回転軸に対して回転を与えることにより、複数の前記クランプ片全てを前記クランプ部内に格納した格納状態と前記クランプ部から先端部分を突き出させたクランプ状態とに同時に切り替える回転駆動機構とを有する。
【発明の効果】
【0009】
前記開示の構成によれば、搬送された基板を幅方向から一対のクランプ部によって挟む際、そのクランプ部に形成された複数の凹部内のクランプ片は、回転駆動機構によって揺動して格納状態から先端部分をクランプ部から突き出したクランプ状態に切り替えられ、基板の端部を上から支持するようになっている。よって、揺動するクランプ片は、格納状態とクランプ状態とが短時間に切り替えられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】スクリーン印刷機の一実施形態の内部構成を簡易的に示した図である。
図2】クランプ部を示した斜視図である。
図3】クランプ部を示した平面図である。
図4】クランプ部について図3のA−A矢視で示したクランプ片が格納状態の断面図である。
図5】クランプ部について図3のA−A矢視で示したクランプ片がクランプ状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係るスクリーン印刷機の一実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本実施形態のスクリーン印刷機の内部構成を簡易的に示した図である。スクリーン印刷機1は、基板に対して電子部品を実装する部品実行機の前工程として構成されている。スクリーン印刷機1には、基板搬送装置3やスキージ装置4、基板を把持するクランプ装置5および、基板を上下方向に位置決めする昇降装置6などが備えられている。そして、スクリーン印刷機全体を制御する制御装置が搭載され、各装置の駆動部に対する所定の制御が行われるようになっている。
【0012】
スクリーン印刷機1は、基板搬送装置3によって基板10の搬入および搬出が行われるが、その基板搬送装置3は、基板10の両サイドを支持する一対のコンベアベルト11によって構成され、図1の図面を貫く方向(機体幅方向)に基板10が送られるようになっている。そして、その基板搬送装置3や基板10を保持するクランプ装置5が昇降装置6に対して組み付けられている。よって、スクリーン印刷機1に搬入された基板10はクランプ装置5によって保持され、上昇することによりマスク8の直下の印刷位置に位置決めされることとなる。なお、マスク8は、矩形の枠部材に嵌め込まれ、水平な状態で固定されている。
【0013】
セットされたマスク8の上には、機体幅方向に線状のクリームはんだが供給される。クリームはんだは、スキージ装置4によってマスク8上でローリングしながら印刷パターンに押し込まれ、マスク8の下に位置する基板10に塗布される。そうしたスキージ装置4は、スキージを備えた一対のスキージヘッド401,402がシリンダによって昇降可能な状態で走行台12に搭載されている。走行台12は、図面横方向(機体前後方向)に架設されたガイドロッド13に対して摺動可能に組み付けられ、水平方向に直線移動が可能なものである。また、スクリーン印刷機1には、ガイドロッド13と平行なネジ軸15が回転自在な状態で架設され、駆動モータによって回転が与えられるようになっている。そして、走行台12内部の固定ナットとネジ軸15とによってボールネジ機構が構成されている。
【0014】
次に、セットされたマスク8の下方側には、基板10を把持して位置決めするための基板搬送装置3、クランプ装置5および昇降装置6などが構成されている。その昇降装置6は、垂直なガイドレール21に沿って摺動するように昇降台22が組み付けられ、その昇降台22は、ボールネジ機構24を介して昇降用モータ23に連結されている。そして、昇降台22の上には支持台25を介して基板搬送装置3やクランプ装置5などが搭載されている。なお、詳しい説明は省略するが、支持台25は、昇降台22に対してX−Y平面上のX方向及びY方向とθ方向に位置調整が可能な構成となっている。
【0015】
支持台25の上には、機体前後方向に一対のマスクサポート26が配置され、その間にクランプ装置5が配置されている。前後に位置する一対のマスクサポート26は、それぞれ機体幅方向に門型の脚体261が配置され、その上面にはマスク8が接触するマスク支持プレート262が固定されている。図面右側に位置する可動側のマスクサポート26には、脚体261内部の固定ナットと1本のネジ軸27とが螺合したボールネジ機構が構成されている。従って、ネジ軸27を回転させる駆動モータの制御によって固定側のマスクサポート26との距離の調整が可能になる。
【0016】
クランプ装置5は、支持台31の前後に一対のサイドフレーム33,34が配置され、可動側のサイドフレーム34には、内部の固定ナットにネジ軸36が螺合してボールネジ機構が構成され、ネジ軸36に対するクランプ用モータの回転によって、固定側のサイドフレーム33との距離が調整可能になっている。そして、サイドフレーム33,34の上端部にクランプ部35が形成され、互いの距離によって基板10が把持できるようになる。そうしたサイドフレーム33,34には、クランプ部35の下側にコンベアベルト11組み付けられ、サイドフレーム33,34の間に基板10を搬送する基板搬送装置3が構成されている。
【0017】
サイドフレーム33,34の間には、バックアップ機構も設けられている。そのバックアップ機構は、バックアップテーブル37に対して基板10に実装される電子部品を避けるように配置された複数のバックアップピン38が取り付けられている。また、クランプ装置5の支持台31は、昇降用モータ41の回転出力を昇降運動に変換するボールネジ機構を介して支持されている。更に、支持台31に対して駆動モータ42が固定され、バックアップテーブル37が、昇降用モータ42の回転出力を昇降運動に変換するボールネジ機構を介して支持されている。
【0018】
そして、本実施形態のクランプ装置5は、クランプ部35に回転駆動式のエッジクランプが構成されている。ここで図2乃至図5は、クランプ部35を示した図であるが、特に、図2は斜視図であり、図3は平面図である。また、図4及び図5は、図3に示したA−A矢視の断面図である。クランプ部35は、サイドフレーム33,34の上にベースブロック51が固定され、そのベースブロック51に対して複数のクランプ片52が回転可能な状態で組み付けられている。そのクランプ片52は、短い幅のL字形ブロックであり、ベースブロック51に形成された格納凹部53内に回転可能な状態で挿入されている。
【0019】
ベースブロック51は、基板10の大きさに対応して形成された帯状の長尺なブロックであり、その基板10を幅方向から挟み込むクランプ面54が設けられている。そして、そのベースブロック51は、長手方向に所定の間隔で複数の格納凹部53が形成されている。また、ベースブロック51には、上面に開口した複数の吸引孔55が形成され、その吸引孔55には不図示の真空装置が接続されている。すなわち、印刷時にマスク8の下面に接触したベースブロック51に対して、そのマスク8が吸引保持できるようになっている。よって、ベースブロック51の上面には、複数の格納凹部53による切欠き部分と、その格納凹部53を避けるようにした複数の吸引孔55の開口部とが配置されている。
【0020】
格納凹部53は、クランプ面54とは反対側に開放されるような直方体形状の窪みが形成され、その各々に1個ずつのクランプ片52が入れられている。ベースブロック51の内部には、全ての格納凹部53を横切るようにして回転軸56が長手方向に沿って挿入されている。そして、その回転軸56には、格納凹部53に入れられたクランプ片52が一体に形成されている。従って、回転軸56に回転が与えられることにより、全てのクランプ片52が同時に揺動し、図4に示す格納状態と、図5に示すクランプ状態とに切り替えられるようになっている。図3には、格納状態のクランプ片52が実線で示され、クランプ状態のクランプ片52が一点鎖線で示されている。
【0021】
回転軸56は、ベースブロック51内において回転可能に支持されており、一端部側がそのベースブロック51の外側にまで延びている。そして、その回転軸56の端部にはギヤ61が固定され、そのギヤ61にロータリーアクチュエータ63の出力軸に固定されたギヤ62が噛合している。こうしたギヤ61,62およびロータリーアクチュエータ63からなる回転駆動機構は、サイドフレーム33,34に対して組み付けられている。従って、ロータリーアクチュエータ63の回転出力により、ギヤ61,62を介して回転軸56に回転が与えられ、揺動したクランプ片52の状態が切り替えられるようになっている。
【0022】
以上のような構成のスクリーン印刷機1では、サイドフレーム33,34の間にコンベアベルト11によって基板10が搬入される。そして、昇降用モータ42の駆動によりバックアップテーブル37が上昇し、バックアップピン38に突き上げられるようにして基板10がコンベアベルト11から持ち上げられる。また、ネジ軸36に回転が与えられることによりサイドフレーム34が移動し、サイドフレーム33,34のクランプ部35によって基板10が挟み込まれる。その際、クランプ部35では、ロータリーアクチュエータ63の駆動により、回転軸56が回転してクランプ片52が図4に示す格納状態から図5に示すクランプ状態へと切り替えられる。
【0023】
ベースブロック51では、その上面からクランプ片52の先端部分が突き出しているため、持ち上げられた基板10は、その幅方向端部にクランプ片52の先端部分が当たる。よって、基板10は、その幅方向端部がクランプ片52によって上方から支持された状態で、下方かはらバックアップピン38によって押し上げられ、平面状態が保たれるようにして一対のクランプ部35で挟み込まれる。こうして基板10がクランプされた後は、再びロータリーアクチュエータ63が駆動し、回転軸56が逆回転して、クランプ片52が図5に示すクランプ状態から図4に示す格納状態へと戻される。
【0024】
続いて、昇降用モータ41の駆動により、基板10を保持した状態のクランプ装置5全体が上昇し、マスク支持プレート262の高さにクランプ部35と基板10が合わせられ、上面の高さが揃えられる。そして、昇降用モータ23の駆動により昇降台22が上昇し、マスク支持プレート262、クランプ部35及び基板10の上面がマスク8の下面に軽く接触した印刷位置に停止する。
【0025】
その後、クランプ部35では、ベースブロック51に形成された吸引孔55を介してマスク8の真空引きが行われる。また、マスク支持プレート262にも同様の吸引孔が形成され、同じようにマスク8に対する真空引きが行われることにより、クランプされた基板10とマスク8とが安定した状態で位置決めされる。そして、マスク8の上面側ではクリームはんだが供給され、スキージ装置4によってローリングしながら印刷パターンへの押し込みが行われる。これにより、印刷パターンの貫通孔を通ってマスク8の下に位置する基板10に対してクリームはんだが印刷される。
【0026】
よって、本実施形態では、基板10をクランプ部35によってクランプする際、クランプ片52は揺動によって格納状態とクランプ状態との切り替えが行われるが、その可動範囲は狭く、短時間に状態が切り替えられる。そのため、基板10をクランプするのに要する時間を短縮することができ、サイクルタイムを短くすることができる。また、クランプ片52は、クランプ部35のベースブロック51内に組み込まれ、駆動手段もギヤ61,62やロータリーアクチュエータ63によって構成されている。そのため、スクリーン印刷機1の本体内においてエッジクランプの構成はコンパクトであり、部品点数が少ないためコストを抑えることもできる。
【0027】
また、本実施形態では、複数のクランプ片52によって基板10のエッジクランプが構成されている。つまり、マスク8と接触するベースブロック51の上面に対し、クランプ片52を配置させる格納凹部53の占める面積が小さくなるように構成されている。これに対し、複数のクランプ片52に替えて前記特許文献1から読み取れる長尺な位置決め板を使用したような場合には、重い位置決め板を揺動させるためにモータが大型化してしまう。その点、クランプ片52は複数あっても軽いため、ロータリーアクチュエータ63も小型にできる。
【0028】
また、長尺な位置決め板の場合には、ベースブロック51の長手方向全体に格納凹部を形成する必要があり、格納凹部がベースブロック51上面の半分以上の面積を占めてしまうことになる。そのため、クランプ部(ベースブロック51)の形状が変わってしまい、そのクランプ部本来の機能が損なわれてしまう。すなわち、クランプ部35における吸引孔55の数が減ってしまい、印刷時にマスク8を吸引保持する力が弱くなってしまう。更に、格納凹部の面積が広くなってしまうと、ベースブロック51の上面においてマスク8を支えられない部分ができてしまい、スキージから受ける印圧によりマスク8が撓んで、そこにクリームはんだが残ってしまうことになる。
【0029】
マスク上8に残ってしまったクリームはんだは劣化するため、その後に繰り返し行われる印刷の際、劣化したものが正常なクリームはんだに混入してしまい、品質を低下させてしまうことになる。この点、本実施形態では、ベースブロック51の上面において格納凹部53の占める面積が小さいため、吸引孔55の減少を抑えてマスク8を安定した状態で吸引保持することができる。また、一つの格納凹部53についてベースブロック51上面での面積は小さく、隣の格納凹部53同士に距離があるため、マスク8は格納凹部53が並んだ範囲でもベースブロック51によって支えられ、クリームはんだが残ってしまうような撓みは生じない。
【0030】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、回転駆動機構としてギヤ61,62およびロータリーアクチュエータ63からなるものを示したが、回転軸56に固定したピニオンにシリンダで直線往復運動するラックを噛合させるようにしたものであってもよい。
【符号の説明】
【0031】
1…スクリーン印刷機 3…基板搬送装置 4…スキージ装置 5…クランプ装置 6…昇降装置 8…マスク 10…基板 35…クランプ部 51…ベースブロック 52…クランプ片 53…格納凹部 54…クランプ面 55…吸引孔 61,62…ギヤ 63…ロータリーアクチュエータ

図1
図2
図3
図4
図5