(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような空気調和ユニットにおいては、空気調和ユニットが収納されたケースの内部空間の圧力が外気圧に対して負圧となることがある。このような場合、外気とともに塵埃が上記ケース内に侵入し、ケース内に塵埃が蓄積する。この蓄積された塵埃により、空気調和ユニットが影響を受けるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、空気調和ユニットに対する塵埃の影響を抑制できる作業車両および運転室ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の作業車両は、運転室と、ケースと、空気調和ユニットと、内気フィルタとを備えている。運転室は、第1内部空間を有している。ケースは、第1内部空間に連通した第2内部空間を有している。空気調和ユニットは、ケースの第2内部空間内に配置され、かつ第2内部空間から空気を取り込む内気供給口を有している。内気フィルタは、内気供給口に取り付けられている。
【0007】
本発明の作業車両によれば、内気フィルタは、空気調和ユニットの内気供給口に取り付けられている。このためフィルタが取り付けられた空気調和ユニットの内気供給口より空気調和ユニット内の下流側は負圧になる。一方、第1内部空間と第2内部空間とは互いに連通しており、第1内部空間と第2内部空間との間にフィルタは配置されていない。このため、第2内部空間の圧力は第1内部空間の圧力に略等しくなり外気圧に対して負圧にならない。このため、外気とともに塵埃が第2内部空間内に侵入することが抑制される。よって、第2内部空間に侵入した塵埃が空気調和ユニットに及ぼす悪影響を抑制することができる。
【0008】
上記の作業車両において、ケースは運転室の第1内部空間の外に配置されている。内気フィルタは、空気調和ユニットの運転室側とは反対側に配置されている。
【0009】
これにより、運転室の外側から内気フィルタにアクセスすることが容易となり、メンテナンスが容易となる。また運転室の第1内部空間から内気フィルタにアクセスする必要がなくなるため、第1内部空間を有効に利用することが可能となる。
【0010】
上記の作業車両において、運転室は後方窓を有している。空気調和ユニットは、後方窓の下方に配置されている。
【0011】
このように後方窓が空気調和ユニットの上方に配置されているため、運転室内のオペレータによる後方窓を通じた後方視界が良好となる。
【0012】
上記の作業車両において、第1内部空間と第2内部空間とを繋ぎかつ第1内部空間に開口された内気用開口は、第1内部空間において上向きに開口している。
【0013】
このような内気用開口が第1内部空間において上向きに開口している。このため、内気用開口の下側である第1内部空間の床に積った塵埃が内気用開口を通じて第1内部空間から第2内部空間へ侵入することを抑制することができる。
【0014】
上記の作業車両において、第3内部空間を有する収納部がさらに備えられている。第1内部空間と第2内部空間とは第3内部空間を通じて互いに連通している。
【0015】
これにより運転室の第1内部空間内に収納部を配置することができ、第1内部空間を有効に活用することができる。
【0016】
上記の作業車両において、空気調和ユニットは、ケースの外部から空気を取り込む外気供給口と、その外気供給口に取り付けられた外気フィルタとを有している。外気フィルタを覆い、かつ外気用開口を有するカバーがさらに備えられている。カバーの外気用開口の上端位置は、外気フィルタの下端位置よりも下方に位置している。
【0017】
このようにカバーの外気用開口の上端位置が外気フィルタの下端位置よりも下方に配置されているため、ケース上方に溜まった塵埃は、外気用開口を通じて外気フィルタ側へ侵入しにくくなる。
【0018】
上記の作業車両において、空気調和ユニットは、複数の空気調和装置を含んでいる。
【0019】
これにより複数の空気調和装置を含む大型の作業車両において、空気調和ユニットに対する塵埃の影響を抑制することができる。
【0020】
本発明の運転室ユニットは、運転室と、ケースと、空気調和ユニットと、内気フィルタとを備えている。運転室は、第1内部空間を有している。ケースは、運転室の外部に配置され、かつ第1内部空間に連通した第2内部空間を有している。空気調和ユニットは、ケースの第2内部空間内に配置され、かつ第2内部空間から空気を取り込む内気供給口を有している。内気フィルタは、内気供給口に取り付けられている。
【0021】
本発明の運転室ユニットによれば、空気調和ユニットに対する塵埃の影響を抑制することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明によれば、空気調和ユニットに対する塵埃の影響を抑制できる作業車両および運転室ユニットを実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【0025】
まず、本発明の一実施の形態における作業車両の構成について説明する。以下、本発明の思想を適用可能な作業車両の一例として油圧ショベルについて
図1を用いて説明する。なお本発明は油圧ショベル以外にブルドーザ、ホイールローダなどの空気調和ユニットを有する作業車両にも適用可能である。
【0026】
以下の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」とは、運転室31内の運転席31eに着座したオペレータを基準とした方向である。
【0027】
図1は、本発明の一実施の形態における作業車両の一例としての油圧ショベルの構成を概略的に示す斜視図である。
図1に示されるように、本実施の形態の油圧ショベル50は、大型の油圧ショベルであって、走行体35と、旋回体30と、作業機40とを主に有している。走行体35と旋回体30とにより作業車両本体が構成されている。
【0028】
走行体35は左右一対の履帯装置36を有している。この左右一対の履帯装置36の各々は履帯を有している。左右一対の履帯が回転駆動されることにより油圧ショベル50が自走する。
【0029】
旋回体30は走行体35に対して旋回自在に設置されている。この旋回体30は、運転室31と、エンジンルーム32と、カウンタウェイト33と、アクセスシステム34とを主に有している。
【0030】
運転室31は、旋回体30の前方左側(車両前側)に配置されている。運転室31の内部空間には、オペレータが着座するための運転席31eが配置されている。運転室31の外部であって後方には空気調和部20が配置されている。運転室31と空気調和部20とにより運転室ユニットが構成されている。
【0031】
エンジンルーム32およびカウンタウェイト33の各々は、旋回体30の後方側(車両後側)に配置されている。エンジンルーム32は、エンジンユニット(エンジン、排気処理構造体など)を収納している。エンジンルーム32の上方はエンジンフードにより覆われている。カウンタウェイト33は、エンジンルーム32の後方に配置されている。
【0032】
アクセスシステム34は、旋回体30の側部であって、たとえば左側に配置されている。このアクセスシステム34は、オペレータが地上から運転室31に乗り込むために、また運転室31から地上へ降りるために設けられている。
【0033】
作業機40は、旋回体30の前方側に軸支されている。作業機40は、たとえばブーム41、アーム42、バケット43、油圧シリンダなどを有している。ブーム41の基端部は、旋回体30に回転可能に連結されている。またアーム42の基端部はブーム41の先端部に回転可能に連結されている。バケット43は、アーム42の先端部に回転可能に連結されている。ブーム41、アーム42およびバケット43の各々が油圧シリンダによって駆動されることにより作業機40は駆動可能である。
【0034】
次に、本実施の形態における運転室31と空気調和部20とからなる運転室ユニットの構成について
図1〜
図6を用いて説明する。
【0035】
図2は、
図1に示す作業車両における運転室の後側を拡大して示す分解斜視図である。
図3は、
図2に示す空気調和ユニット付近を拡大して示す平面断面図である。
図4は、カバーに設けられる開口部が外気フィルタの下端よりも下側に位置していることを示す断面図である。
図5は、
図1に示す作業車両における運転室の内部から後方の空気調和ユニットを見た様子を示す分解斜視図である。
図6は、運転室に通じる開口部が上向きに開口している様子を示す断面図である。
【0036】
図1および
図2に示されるように、運転室31の後壁31aには後方窓31cが配置されている。この後方窓31cの下方であって、後壁31aの後方には、空気調和部20が配置されている。
【0037】
後方窓31cおよび空気調和部20は運転室31の左側(運転室31に対して作業機40とは反対側)に配置されている。運転室31の後壁31aの右側(運転室31に対して作業機40側)には、開閉扉31dが配置されている。開閉扉31dは、運転室31の室内空間(第1内部空間)S1を外部に対して開閉可能である。この開閉扉31dを通じてオペレータは運転室31の室内空間S1に出入り可能である。
【0038】
空気調和部20は、ケース21と、空気調和ユニット10、10とを有している。ケース21は、前壁31aと、後壁21aと、第1側壁21bと、第2側壁21cと、上壁21dと、底壁21eとを有している。これらの壁31a、21a〜21eは、内部空間(第2内部空間)S2を有する箱形状を構成している。
【0039】
ケース21の前壁31aは、運転室31の後壁31aであってもよく、また運転室31の後壁31aとは別部材であってもよい。ケース21の後壁21aは、ケース21の他の壁に取り付け・取り外し可能であってもよい。この場合、ケース21の後壁21aの全体がケース21の他の壁に取り付け・取り外し可能であってもよく、また後壁21aの一部がケース21の他の壁に取り付け・取り外し可能であってもよい。
【0040】
ケース21の第1側壁21bは、ケース21の作業機40側の側壁である。一方、ケース21の第2側壁21cは、ケース21の作業機40とは反対側の側壁である。ケース21の上壁21dは、内部空間S2の上側に位置し、かつ後方窓31cの下側に位置している。ケース21の底壁21eは、内部空間S2の下側に位置している。
【0041】
ケース21の作業機40側の側部にはカバー22が取り付けられている。カバー22は、第1側壁21bとの間に空間(第4内部空間)S4を構成している。カバー22には、外気用開口22aが設けられている。この外気用開口22aは、カバー22を貫通しており、作業車両50の外部と上記空間S4とを繋いでいる。
【0042】
空気調和ユニット10、10は、ケース21の内部空間S2内に配置されている。空気調和ユニット10、10は、複数(たとえば2つ)の空気調和装置10を有している。複数の空気調和装置10は互いに上下方向に配置されている。
【0043】
図3に示されるように、空気調和装置10は、内気フィルタ1と、外気フィルタ2と、筐体11と、シロッコファン12と、エバポレータ13と、ヒータコア14とを有している。
【0044】
筐体11は、内部流路11aと、内気供給口11bと、外気供給口11cと、排気口11dとを有している。内部流路11aは、筐体11の内部に設けられた空気の流路である。内気供給口11bは、ケース21の内部空間(第2内部空間)21aに開口している。内気供給口11bは、ケース21の内部空間21a内の空気を内部流路11a内に取り込むためのものである。この内気供給口11bによりケース21の内部空間S2と筐体11の内部流路11aとが繋がっている。
【0045】
外気供給口11cは、ケース21の第1側壁21bとカバー22との間の空間S4に開口している。外気供給口11cは、ケース21の外部空間の空気を内部流路11a内に取り込むためのものである。この外気供給口11cにより筐体11の内部流路11aと作業車両50の外部とが繋がっている。
【0046】
なお図示していないが、内部流路11a内には、内外気切替ドアが設けられている。この内外気切替ドアにより、内気供給口11bおよび外気供給口11cのいずれから内部流路11a内へ空気を取り込むかを切り替えることができる。
【0047】
排気口11dは、内部流路11aから空気を排出するためのものである。この排気口11dにはダクト15が接続されている。ダクト15は、排気口11dとの接続部から運転室31の室内空間S1内へ延びている。このダクト15により筐体11の内部流路11aと運転室31の室内空間S1とが繋がっている。これにより、空気調和ユニット10によって空気調和された空気をダクト15を通じて運転室31の室内空間S1に供給することが可能である。
【0048】
上記内部流路11c内には、シロッコファン12、エバポレータ13およびヒータコア14が配置されている。シロッコファン12は、羽根車12aを有している。羽根車12aは、回転軸12aaを中心に回転可能である。羽根車12aの回転により、シロッコファン12は、内気供給口11bおよび/または外気供給口11cの各々から取り入れられた空気を排気口11dへ送ることが可能である。
【0049】
エバポレータ13は、冷媒を蒸発させることによる気化熱を利用して空気の冷却を行うものである。シロッコファン12により送出された空気をエバポレータ13に通すことにより、空気の温度、湿度などを調和することが可能である。ヒータコア14は、エンジン冷却水を利用した熱交換器である。ヒータコア14を通過した空気は温風となって運転室31の室内空間S1に送られる。ヒータコア14は、エバポレータ13に付着した霜を加熱により取り除く機能を備える。
【0050】
筐体11の内気供給口11bには、内気フィルタ1が取り付けられている。内気フィルタ1は、たとえば不織布シートよりなっている。内気フィルタ1は、ケース21の内部空間S2と筐体11の内部流路11aとの間に配置されている。内気フィルタ1は、ケース21の内部空間S2と筐体11の内部流路11aとの双方に露出している。
【0051】
筐体11の外気供給口11cには、外気フィルタ2が取り付けられている。外気フィルタ2は、たとえば不織布シートよりなっている。外気フィルタ2は、筐体11の内部流路11aと空間S4との間に位置している。外気フィルタ2は、筐体11の内部流路11aと空間S4との双方に露出している。
【0052】
この空間S4は、カバー22に設けられた外気用開口22aにより作業車両50の外部と繋がっている。このため外気フィルタ2は、筐体11の内部流路11aと作業車両50の外部との間に位置しているともいえる。これにより作業車両50の外部の空気を、カバー22の外気用開口22aと、第1側壁21cおよびカバー22の間の空間S4と、外気フィルタ2とを通じて空気調和装置10の内部流路11a内に取り込むことが可能である。
【0053】
図4に示されるように、カバー22に設けられた外気用開口22aは、外気フィルタ2よりも下に位置している。具体的には、上記外気用開口22aの上端位置ULは、外気フィルタ2の下端位置LLよりも下に位置している。
【0054】
本実施の形態においては複数の空気調和装置10が上下方向に沿って配置されている。この場合、外気用開口22aの上端位置ULは、複数の空気調和装置10のうち最も下側の空気調和装置10の外気フィルタ2の下端位置LLよりも下に位置している。
【0055】
図3に示されるように、運転室31の後壁31a(ケース21の前壁31a)には、開口31aaが設けられている。開口31aaには不織布シートなどからなるフィルタは配置されていない。この開口31aaの前方には、収納部51が配置されている。
【0056】
図5に示されるように、収納部51は、運転室31の室内空間S1内に配置されている。収納部51は、オペレータなどが道具などを収納するための部分である。この収納部51は、収納ケース51aと、開口蓋部51bと、蓋体51cとを有している。
【0057】
収納ケース51aは、内部に収納空間(第3内部空間)S3を有している。この収納空間S3は、開口31aaを通じてケース21の内部空間S2と連通している。
【0058】
収納ケース51aの側壁には開口51aaが設けられている。収納ケース51aの開口51aaには開口蓋部51bが取り付けられている。この開口蓋部51bには、内気用開口51baが設けられている。複数の内気用開口51baが開口蓋部51bに設けられていてもよい。
【0059】
図6に示されるように、この内気用開口51baは、運転室31の室内空間S1において上向きに開口している。この内気用開口51baには不織布シートなどからなるフィルタは配置されていない。
【0060】
図5に示されるように、収納ケース51aの前壁には内気用開口51baが設けられている。収納ケース51aの開口51abには蓋体51cが取り付けられている。蓋体51cは、収納ケース51aの収納空間S3を開閉可能である。蓋体51cを開くことにより収納部51の収納空間S3内に道具などを収納することが可能である。
【0061】
図3および
図5に示されるように、ケース21の内部空間S2は、運転室31の室内空間S1と連通している。具体的には、ケース21の内部空間S2は、開口31aaと収納空間S3と内気用開口51baとを通じて運転室31の室内空間S1に連通している。
【0062】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
【0063】
本実施の形態によれば、内気フィルタ1は、空気調和ユニット10の内気供給口11bに取り付けられている。このため内気フィルタ1が取り付けられた空気調和ユニット10の内気供給口11bより下流側の内部流路11aは負圧になる。しかし、運転室31の室内空間S1とケース21内の内部空間S2とは互いに連通しており、室内空間S1と内部空間S2との間にフィルタは配置されていない。このため、内部空間S2の圧力は室内空間S1の圧力に略等しくなり外気圧に対して負圧にならない。これによりケース21の内部空間S2内の圧力が外気圧に対して負圧になることが防止できる。このため、外気とともに塵埃がケース21の内部空間S2内に侵入することが抑制される。よって、空気調和ユニットに及ぼす塵埃の影響が抑制される。
【0064】
たとえば空気調和ユニット10の外気導入により室内空間S1の圧力が作業車両50の外側の空気(外気)の圧力より高くなるように設定されている場合、ケース21の内部空間S2の圧力も外気の圧力よりも高くなる。この場合、ケース21の内部空間S2内の空気はケース21の外部へ洩れようとする。このため、ケース21の内部空間S2内への塵埃の侵入をさらに抑制することが可能となる。
【0065】
図1および
図3に示されるように、空気調和部20は、運転室31の作業機40が配置される側(右側)とは反対側(左側)に配置されている。運転室31に対して作業機40と反対側は、作業現場においてダンプトラックなどが走行することで砂埃が舞いやすい。このため、外気フィルタ2が運転室31に対して作業機40と反対側の側面に露出していると、外気フィルタ2から空気調和装置10内に砂埃を吸込みやすくなる。
【0066】
これに対して本実施の形態においては、
図3に示されるように、外気フィルタ2は運転室31に対して作業機40側に露出している。このため、外気フィルタ2は、空気調和装置10内に砂埃を吸込みにくくなっている。
【0067】
また運転室31の屋根およびケース21の上壁21d上には塵埃(砂埃など)が溜まりやすい。このため、運転室31の屋根およびケース21の上面から落ちた塵埃を空気調和装置10が吸い込むおそれがある。
【0068】
これに対して本実施の形態においては、
図4に示されるように、カバー22の外気用開口22aの上端位置ULが外気フィルタ2の下端位置LLよりも下方に位置している。このため、仮に外気用開口22aを通じて塵埃がケース21の側壁21cとカバー22との間の空間S4に侵入しても、外気フィルタ2を通じて空気調和装置10内に侵入しにくくなる。
【0069】
また内気フィルタ1は、空気調和装置10の運転室31側(前側)とは反対側(後側)に配置されている。これにより、たとえばケース21の後壁21bを取り外すなどすることにより、運転室31の外側から内気フィルタ1にアクセスすることが容易となる。このため内気フィルタ1の清掃、取り換えなどのメンテナンスが容易となる。
【0070】
また運転室31の室内空間S1側から内気フィルタ1にアクセスする必要がなくなる。このため、内気フィルタ1にアクセスすするための空間が室内空間S1内に不要となる。これにより運転室31の室内空間S1を有効に利用することが可能となる。よって、運転室31の室内空間S1内において空気調和部20の前方に収納部51など配置することが可能となる。
【0071】
また
図1および
図2に示されるように、空気調和部20は、運転室31の後方窓31cの下方に配置されている。このように後方窓31cが空気調和部20の上方に配置されているため、運転室31内のオペレータによる後方窓31cを通じた後方視界が良好となる。
【0072】
また空気調和部20が運転室31の後方窓31cの下方に配置されることにより、ケース21の内部空間S2と室内空間S1とを繋ぐ開口31aaおよび内気用開口51baの位置も後方窓31cよりも下になる場合がある。この場合、運転室31の室内空間S1の床に溜まった塵埃が開口31aaおよび内気用開口51baを通じてケース21の内部空間S2に侵入しやすくなる。
【0073】
そこで
図5および
図6に示されるように、内気用開口51baが運転室31の室内空間S1内において上向きに開口するように構成されている。このため、運転室31の室内空間S1の床に積った塵埃は、内気用開口51baを通じてケース21の内部空間S2へ侵入しにくくなる。
【0074】
なお
図5においては、開口31aaがケース21の内部空間S2と収納空間S3とを繋ぐ構成について説明したが、
図7に示すように開口31aaはケース21の内部空間S2と運転室31の室内空間S1とを直接繋いでいてもよい。この場合、収納部51は、開口31aaを避けて配置されている。
【0075】
また開口31aaには、上向き開口52bが形成された開口蓋部52aが配置されていてもよい。この上向き開口52bは、
図6に示される内気用開口51baと同様に、運転室31の室内空間S1において上向きに開口している。これにより、床に積った塵埃は、上向き開口52bを通じてケース21の内部空間S2へ侵入しにくくなる。
【0076】
図7に示す変形例の上記以外の構成は、
図1〜
図6に示す実施の形態の構成とほぼ同じであるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0077】
また
図2に示されるように、空気調和ユニット10、10は複数の空気調和装置10を含んでいる。これにより複数の空気調和装置10を含む大型の作業車両においても、空気調和ユニット10、10に対する塵埃の影響を抑制することができる。
【0078】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。