特許第6823493号(P6823493)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6823493
(24)【登録日】2021年1月13日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】空気調和機の室内ユニット
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0007 20190101AFI20210121BHJP
   F24F 1/0022 20190101ALI20210121BHJP
   F24F 1/0029 20190101ALI20210121BHJP
   F24F 1/0057 20190101ALI20210121BHJP
   F24F 11/62 20180101ALI20210121BHJP
   F24F 11/50 20180101ALI20210121BHJP
   F24F 11/75 20180101ALI20210121BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
   F24F1/0007 381
   F24F1/0022
   F24F1/0029
   F24F1/0057
   F24F11/62
   F24F11/50
   F24F11/75
   F24F13/20
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-33211(P2017-33211)
(22)【出願日】2017年2月24日
(65)【公開番号】特開2018-138839(P2018-138839A)
(43)【公開日】2018年9月6日
【審査請求日】2019年6月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】特許業務法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小見山 嘉浩
【審査官】 奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−119156(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/057869(WO,A1)
【文献】 特開2003−130385(JP,A)
【文献】 特開昭62−175538(JP,A)
【文献】 実公昭51−007736(JP,Y1)
【文献】 実開昭54−177741(JP,U)
【文献】 特開平11−132491(JP,A)
【文献】 特開2016−070588(JP,A)
【文献】 特開2003−074896(JP,A)
【文献】 特開2003−106601(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/010208(WO,A1)
【文献】 特開2012−229842(JP,A)
【文献】 特開2015−169422(JP,A)
【文献】 特開2013−210154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00−13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体と、
前記筐体の内部に配置される熱交換器と、
前記熱交換器を通過する空気の流れを生じさせる送風部と、
前記筐体の第1側面に開口されて空気を吸い込む第1吸込口と、
前記第1吸込口に設けられる第1蓋と、
前記第1吸込口が開放される位置と閉鎖される位置との間で前記第1蓋を移動させる第1蓋駆動部と、
前記筐体における前記第1側面の反対側の第2側面に開口されて空気を吸い込む第2吸込口と、
前記第2吸込口に設けられる第2蓋と、
前記第2吸込口が開放される位置と閉鎖される位置との間で前記第2蓋を移動させる第2蓋駆動部と、
前記第1蓋駆動部と前記第2蓋駆動部の制御を行う蓋制御部と、
前記吸込口が設けられる側面とは異なる面に設けられ、前記熱交換器を通過した空気を吹き出す吹出口と、
を備え
前記蓋制御部は、
冷房運転時に前記第2吸込口よりも高い位置に設けられる前記第1吸込口を開放するとともに前記第2吸込口を閉鎖する制御を行い、
暖房運転時に前記第1吸込口よりも低い位置に設けられる前記第2吸込口を開放するとともに前記第1吸込口を閉鎖する制御を行う空気調和機の室内ユニット。
【請求項2】
前記筐体の第3側面に開口されて空気を吸い込む第3吸込口と、
前記第3吸込口に設けられる第3蓋と、
前記第3吸込口が開放される位置と閉鎖される位置との間で前記第3蓋を移動させる第3蓋駆動部と、
前記第3吸込口と同じ高さ位置に設けられ、前記筐体における前記第3側面の反対側の第4側面に開口されて空気を吸い込む第4吸込口と、
前記第4吸込口に設けられる第4蓋と、
前記第4吸込口が開放される位置と閉鎖される位置との間で前記第4蓋を移動させる第4蓋駆動部と、
室内空間に居る人の位置を検出する人感センサと、
を備え、
前記蓋制御部は、前記第3蓋駆動部と前記第4蓋駆動部の制御を行い、かつ前記人感センサで検出した前記人の位置に基づいて、前記第3吸込口および前記第4吸込口の開閉の制御を行う請求項1に記載の空気調和機の室内ユニット。
【請求項3】
前記蓋制御部は、前記第3吸込口または前記第4吸込口の開閉動作を、独立して制御、または、前記第1吸込口または前記第2吸込口の開閉動作に連動させて制御する請求項に記載の空気調和機の室内ユニット。
【請求項4】
前記蓋制御部は、運転開始時または温度設定変更時に全ての前記吸込口を開放する制御を行う請求項1から請求項のいずれか1項に記載の空気調和機の室内ユニット。
【請求項5】
前記吸込口から吸い込まれた空気の温度を検出する温度センサを備え、
前記蓋制御部は、前記温度センサで検出した温度と目標温度との差分が所定の閾値以下になった場合に、全ての前記吸込口を開放する制御を終了する請求項に記載の空気調和機の室内ユニット。
【請求項6】
全ての前記吸込口を開放する時間をカウントする全開放タイマを備え、
前記蓋制御部は、前記全開放タイマのカウントが所定の時間以下になった場合に、全ての前記吸込口を開放する制御を終了する請求項に記載の空気調和機の室内ユニット。
【請求項7】
前記送風部は、軸流ファンまたは遠心ファンを備える請求項1から請求項のいずれか1項に記載の空気調和機の室内ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和機の室内ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空気調和機の室内ユニットでは、筐体の後部側に設けられた吸込口から吸い込まれた空気を、熱交換器を通過させることで適切な温度に調整し、ファンを用いて正面から吹き出すようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2014/190780号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、空気調和機の室内ユニットは、吸込口から空気が吸い込まれる方向が常に同じ方向であるので、室内空間の全体に生じる空気の流れが同じ方向となり、室内空間の空気の温度分布に偏りが生じてしまい、快適な温度分布にならないという課題がある。
【0005】
本発明の実施形態は、このような事情を考慮してなされたもので、室内空間の空気の温度分布を均一化させることができる空気調和機の室内ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る空気調和機の室内ユニットは、体と、前記筐体の内部に配置される熱交換器と、前記熱交換器を通過する空気の流れを生じさせる送風部と、前記筐体の第1側面に開口されて空気を吸い込む第1吸込口と、前記第1吸込口に設けられる第1蓋と、前記第1吸込口が開放される位置と閉鎖される位置との間で前記第1蓋を移動させる第1蓋駆動部と、前記筐体における前記第1側面の反対側の第2側面に開口されて空気を吸い込む第2吸込口と、前記第2吸込口に設けられる第2蓋と、前記第2吸込口が開放される位置と閉鎖される位置との間で前記第2蓋を移動させる第2蓋駆動部と、前記第1蓋駆動部と前記第2蓋駆動部の制御を行う蓋制御部と、前記吸込口が設けられる側面とは異なる面に設けられ、前記熱交換器を通過した空気を吹き出す吹出口と、を備え、前記蓋制御部は、冷房運転時に前記第2吸込口よりも高い位置に設けられる前記第1吸込口を開放するとともに前記第2吸込口を閉鎖する制御を行い、暖房運転時に前記第1吸込口よりも低い位置に設けられる前記第2吸込口を開放するとともに前記第1吸込口を閉鎖する制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の室内ユニットを示す斜視図。
図2】室内ユニットの内部構造を示す斜視図。
図3】運転開始時の室内ユニットを示す縦断側面図。
図4】運転開始時の室内ユニットを示す横断平面図。
図5】冷房運転時の室内ユニットを示す縦断側面図。
図6】暖房運転時の室内ユニットを示す縦断側面図。
図7】左側に人が居る場合の室内ユニットを示す横断平面図。
図8】右側に人が居る場合の室内ユニットを示す横断平面図。
図9】運転開始時の室内の気流を示す断面図。
図10】冷房運転時の室内の気流を示す断面図。
図11】暖房運転時の室内の気流を示す断面図。
図12】左側に人が居る場合の室内の気流を示す断面図。
図13】右側に人が居る場合の室内の気流を示す断面図。
図14】空気調和機を示すブロック図。
図15】全開放処理を示すフローチャート。
図16】変形例の全開放処理を示すフローチャート。
図17】蓋制御処理を示すフローチャート。
図18】第2実施形態の室内ユニットを示す斜視図。
図19】室内ユニットの内部構造を示す斜視図。
図20】運転開始時の室内ユニットを示す縦断側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、本実施形態を添付図面に基づいて説明する。まず、第1実施形態の空気調和機の室内ユニットについて図1から図17を用いて説明する。図1および図2は、第1実施形態の室内ユニットを正面側から見た状態を示す斜視図である。以下、図3図5図6図9図10図11の紙面左側を室内ユニットの正面側(前方側)として説明する。また、図4図7図8の紙面下側を室内ユニットの正面側(前方側)とし、紙面左側を室内ユニットの左側とし、紙面右側を室内ユニットの右側として説明する。また、図12図13の紙面左側を室内ユニットの左側とし、紙面右側を室内ユニットの右側として説明する。
【0009】
本実施形態の空気調和機1は、室内の壁面Kに設けられるファンコイルユニットとしての室内ユニット2と、室外に設けられる室外ユニット3とを備える(図9参照)。この室内ユニット2は、室内の壁面Kの高所に取り付けられる壁掛け型を例示している。なお、室内ユニット2は、天井Tに吊り下げられる天井吊下型であっても良い。
【0010】
図1および図2に示すように、室内ユニット2は、箱状(立方体状、直方体状)を成す筐体4を備える。つまり、筐体4は、正面5と背面6と上面7と下面8と左面9と右面10との6面を有する。この室内ユニット2は、その背面6が壁面Kに接触した状態で壁面Kに取り付けられる(図3参照)。
【0011】
室内ユニット2は、壁面Kにおける高所に取り付けられるため、その下面8が床面Uから離間された状態となる。また、室内ユニット2は、その上面7が天井Tから離間された状態で配置される。さらに、室内ユニット2は、その左面9と右面10が対向する壁面Kから離間された状態で配置される。なお、筐体4の上下左右の4箇所には、周囲の空気を吸い込む吸込口11,12,13,14が開口されている。それぞれの吸込口11,12,13,14は、長方形状を成す。
【0012】
本実施形態では、筐体4の上面7(第1側面)に開口されて空気Fを吸い込む第1吸込口11と、筐体4の下面8(第2側面)に開口されて空気Fを吸い込む第2吸込口12と、筐体4の左面9(第3側面)に開口されて空気Fを吸い込む第3吸込口13と、筐体4の右面10(第4側面)に開口されて空気Fを吸い込む第4吸込口14とが設けられる。
【0013】
第2吸込口12は、筐体4における第1吸込口11が設けられる上面7(第1側面)の反対側の下面8(第2側面)に設けられる。つまり、第1吸込口11が第2吸込口12よりも高い位置に設けられる。第1吸込口11と第2吸込口12とが異なる高さ位置に設けられる。
【0014】
第4吸込口14は、筐体4における左面9(第3側面)の反対側の右面10(第4側面)に設けられる。つまり、第3吸込口13と第4吸込口14が同じ高さ位置に設けられる。本実施形態では、第1吸込口11と第2吸込口12と第3吸込口13と第4吸込口14とが、それぞれ異なる方向(上下左右のそれぞれの方向)に向けて開口されている。第1吸込口11と第2吸込口12と第3吸込口13と第4吸込口14とが、室内ユニット2の正面視において、それぞれ90度毎に異なる方向に向けて開口される。
【0015】
第1吸込口11には、開閉可能な第1蓋15が設けられる。室内ユニット2は、この第1蓋15を、第1吸込口11が開放される位置(図5参照)と閉鎖される位置(図6参照)との間で移動させる第1蓋駆動部19(図14参照)を備える。さらに、第1吸込口11には、第1エアフィルタ23が設けられる。また、第1吸込口11には、この第1吸込口11から吸い込まれる空気Fの温度を検出する第1温度センサ27(図5参照)が設けられる。
【0016】
第2吸込口12には、開閉可能な第2蓋16が設けられる。室内ユニット2は、この第2蓋16を、第2吸込口12が開放される位置(図6参照)と閉鎖される位置(図5参照)との間で移動させる第2蓋駆動部20(図14参照)を備える。さらに、第2吸込口12には、第2エアフィルタ24が設けられる。また、第2吸込口12には、この第2吸込口12から吸い込まれる空気Fの温度を検出する第2温度センサ28(図6参照)が設けられる。
【0017】
第3吸込口13には、開閉可能な第3蓋17が設けられる。室内ユニット2は、この第3蓋17を、第3吸込口13が開放される位置(図7参照)と閉鎖される位置(図8参照)との間で移動させる第3蓋駆動部21(図14参照)を備える。さらに、第3吸込口13には、第3エアフィルタ25が設けられる。また、第3吸込口13には、この第3吸込口13から吸い込まれる空気Fの温度を検出する第3温度センサ29(図7参照)が設けられる。
【0018】
第4吸込口14には、開閉可能な第4蓋18が設けられる。室内ユニット2は、この第4蓋18を、第4吸込口14が開放される位置(図8参照)と閉鎖される位置(図7参照)との間で移動させる第4蓋駆動部22(図14参照)を備える。さらに、第4吸込口14には、第4エアフィルタ26が設けられる。また、第4吸込口14には、この第4吸込口14から吸い込まれる空気Fの温度を検出する第4温度センサ30(図8参照)が設けられる。
【0019】
それぞれの蓋15,16,17,18は、吸込口11,12,13,14に対応する長方形状を成す板部材である。これらの蓋15,16,17,18は、対応する吸込口11,12,13,14の後側の縁辺に配置された軸を有し、この軸を中心として揺動(移動)される。また、蓋15,16,17,18の揺動は、対応する蓋駆動部19,20,21,22(モータ)により制御される。また、それぞれの吸込口11,12,13,14にエアフィルタ23,24,25,26が設けられることで、いずれの吸込口11,12,13,14から空気を吸い込んでも塵を取り除くことができる。
【0020】
また、第1〜4蓋駆動部19,20,21,22は、独立して制御される。つまり、第1〜4吸込口11,12,13,14の開閉動作が、それぞれ独立して制御される。なお、第1〜4吸込口11,12,13,14の開閉動作を連動させても良い。さらに、第3吸込口13または第4吸込口14の開閉動作を、第1吸込口11または第2吸込口12の開閉動作と独立して制御しても良いし、連動させて制御しても良い。このようにすれば、室内空間Nの状況に応じて、上下方向に循環する空気の流れ、または、水平方向に循環する空気の流れを生じさせることができる。また、上下方向に循環する空気の流れ、および、水平方向に循環する空気の流れを生じさせることができる。
【0021】
図1および図2に示すように、筐体4の正面5には、温度調節がなされた空気Fを吹き出す吹出口31が設けられる。また、吹出口31には、吹き出される空気Fを案内する複数枚の風向板32が設けられる。室内ユニット2は、風向板32の角度を調整する風向板駆動部33(モータ)を備える(図14参照)。これらの風向板32の角度を調整することで、吹出口31から水平方向に空気Fを吹き出す態様(図5参照)と、吹出口31から斜め下方向に空気Fを吹き出す態様(図6参照)とを切り換えることができる。
【0022】
筐体4の正面5には、室内空間Nにおいて、人Mが居る方向を検出する人感センサ34が設けられる。さらに、筐体4の正面5には、空気調和機1を遠隔操作するためのワイヤレスリモコン35(図14参照)から送信される赤外線信号R(無線信号)を受信する受信部36が設けられる。
【0023】
図2および図3に示すように、室内ユニット2は、筐体4の内部に配置される熱交換器37と、熱交換器37の前方側(風下側)に設けられる軸流ファン38と、この軸流ファン38を回転させるファン駆動部39(モータ)と、熱交換器37の下方位置に設けられて熱交換器37で空気から分離された水滴を受けるドレンパン40とを備える。なお、熱交換器37を覆う筐体4は、第1〜4吸込口11,12,13,14と吹出口31との間で通風が可能となっている。
【0024】
第1実施形態では、軸流ファン38とファン駆動部39とで、熱交換器を通過する空気の流れを生じさせる送風部が構成される。軸流ファン38(プロペラファン)は、複数の羽根を有し、その軸を中心として回転することで、直線状(円柱状)の空気の流れを生じさせることができる。なお、軸流ファン38の周囲には、空気の流れを案内する案内部41が設けられる。
【0025】
室内ユニット2の熱交換器37と室外ユニット3とが、冷媒を循環させる接続パイプ42を介して接続されている。この熱交換器37と室外ユニット3との間で冷媒を循環させることで冷凍サイクルが構成される。
【0026】
熱交換器37は、冷媒が通過する配管43と、配管43と連結された複数枚のフィン44とを備える。この熱交換器37は、配管43と室外ユニット3との間で冷媒が循環される。そして、熱交換器37を通過する空気と冷媒との間で熱交換を行うことができる。冷房運転時には、周囲の空気の温度を低下させる冷房モードで熱交換器37が運転される。また、暖房運転時には、周囲の空気の温度を上昇させる暖房モードで熱交換器37が運転される。なお、冷房モードまたは暖房モード以外に、送風モードまたは除湿モードなどがあっても良い。
【0027】
図3図4図9に示すように、空気調和機1の運転が開始されると、冷房モードまたは暖房モードのいずれの場合であっても、全ての吸込口11,12,13,14を開放する全開放モードが実行される。この全開放モードでは、第1〜4蓋15,16,17,18が最大開放角度にされる。全ての吸込口11,12,13,14から筐体4の内部に吸い込まれた空気Fは、熱交換器37を通過して吹出口31から吹き出される。
【0028】
なお、風向板32の角度が調整され、吹出口31から水平方向に空気Fが吹き出される。この全開放モードによる運転は、所定時間の経過後、または室内空間Nの空気Fの温度が目標温度の近傍に到達した時点で終了する。
【0029】
このようにすれば、運転開始時に、室内ユニット2の全方位から多くの空気Fを吸い込んで熱交換器37を通過させることができるので、室内空間Nの空気Fを目標温度(設定温度)に短時間で到達させることができる。
【0030】
なお、この全開放モードによる運転は、使用者Mがワイヤレスリモコン35を用いて目標温度を切り換えた場合などの温度設定変更時にも実行される。この全開放モードによる運転は、室内空間Nの空気の温度を急激に下げる場合、または、室内空間Nの空気の温度を急激に上げる場合に実行される。例えば、現在の室内空間Nの空気の温度と、目標温度との差分が所定の温度以上(例えば5℃以上)である場合に実行される。また、冷房モードを暖房モードに切り換えた場合、または暖房モードを冷房モードに切り換えた場合にも、全開放モードによる運転が実行される。
【0031】
図5および図10に示すように、冷房運転時には、第1吸込口11が開放されるとともに他の吸込口12,13,14が閉鎖される。つまり、冷房運転時には、第2吸込口12よりも高い位置に設けられる第1吸込口11を開放するとともに第2吸込口12を閉鎖する。第1吸込口11から筐体4の内部に吸い込まれた空気Fは、熱交換器37を通過するときに冷却され、吹出口31から吹き出される。なお、風向板32の角度が調整され、吹出口31から水平方向に冷たい空気Fが吹き出される。
【0032】
このようにすれば、冷房運転時には、室内空間Nで上方に溜まる暖かい空気Fを第1吸込口11から吸い込んで、熱交換器37で冷やされた空気Fを吹出口31から吹き出すことができる。そのため、室内空間Nの下方から上方を通って室内ユニット2に向かう空気Fの流れを作ることができるので、冷房運転時の室内空間Nの空気の温度の斑を無くすことができる。
【0033】
図6および図11に示すように、暖房運転時には、第2吸込口12が開放されるとともに他の吸込口11,13,14が閉鎖される。つまり、暖房運転時には、第1吸込口11よりも低い位置に設けられる第2吸込口12を開放するとともに第1吸込口11を閉鎖する。第2吸込口12から筐体4の内部に吸い込まれた空気Fは、熱交換器37を通過するときに加熱され、吹出口31から吹き出される。なお、風向板32の角度が調整され、吹出口31から斜め下方向に暖かい空気Fが吹き出される。
【0034】
このようにすれば、暖房運転時には、室内空間Nで下方に溜まる冷たい空気を第2吸込口12から吸い込んで、熱交換器37で暖められた空気Fを吹出口31から吹き出すことができる。そのため、室内空間Nの上方から下方を通って室内ユニット2に向かう空気Fの流れを作ることができるので、暖房運転時の室内空間Nの空気の温度の斑を無くすことができる。
【0035】
なお、前述の説明では、冷房運転時に第1吸込口11のみが開放され、暖房運転時に第2吸込口12のみが開放されるようにしているが、室内空間Nにおける人Mが居る位置に応じて、第3吸込口13または第4吸込口14を開放するようにしても良い。このようにすれば、人Mの居る位置に基づいて、室内空間Nを循環する空気の流れを変化させることができる。
【0036】
図7および図12に示すように、人感センサ34を用いて、室内空間Nにおける人Mが居る方向Wを検出する。ここで、室内空間Nの左側に人Mが居る場合は、第3吸込口13を開放するとともに第4吸込口14を閉鎖する。なお、冷房運転時には、第3吸込口13の開放とともに第1吸込口11も開放する。また、暖房運転時には、第3吸込口13の開放とともに第2吸込口12も開放する。
【0037】
第3吸込口13を開放することで、室内空間Nの左側の空気Fが室内ユニット2に吸い込まれるようになる。そのため、吹出口31から吹き出された空気Fの多くが、室内空間Nの左側に流れるようになり、人Mが居る箇所に向けて快適な温度の空気Fを流すことができる。このようにすれば、水平方向に循環する空気の流れを室内空間Nに生じさせることができる。
【0038】
なお、本実施形態では、室内空間Nの左側に人Mが居る場合に、第3吸込口13を開放するとともに第4吸込口14を閉鎖しているが、室内空間Nの左側に人Mが居る場合に、第4吸込口14を開放するとともに第3吸込口13を閉鎖しても良い。この場合は、吹出口31から吹き出された空気Fの多くが、人Mが居る箇所を避けて流れるようになる。
【0039】
図8および図13に示すように、人感センサ34を用いて、室内空間Nにおける人Mが居る方向Wを検出する。ここで、室内空間Nの右側に人Mが居る場合は、第4吸込口14を開放するとともに第3吸込口13を閉鎖する。なお、冷房運転時には、第4吸込口14の開放とともに第1吸込口11も開放する。また、暖房運転時には、第4吸込口14の開放とともに第2吸込口12も開放する。
【0040】
第4吸込口14を開放することで、室内空間Nの右側の空気Fが室内ユニット2に吸い込まれるようになる。そのため、吹出口31から吹き出された空気Fの多くが、室内空間Nの右側に流れるようになり、人Mが居る箇所に向けて快適な温度の空気Fを流すことができる。このようにすれば、水平方向に循環する空気の流れを室内空間Nに生じさせることができる。
【0041】
なお、本実施形態では、室内空間Nの右側に人Mが居る場合に、第4吸込口14を開放するとともに第3吸込口13を閉鎖しているが、室内空間Nの右側に人Mが居る場合に、第3吸込口13を開放するとともに第4吸込口14を閉鎖しても良い。この場合は、吹出口31から吹き出された空気Fの多くが、人Mが居る箇所を避けて流れるようになる。
【0042】
本実施形態では、軸流ファン38を用いて吹出口31から吹き出される直線状の空気の流れを生じさせることができるので、吸込口11,12,13,14に吸い込まれる空気Fの流れと、吹出口31から吹き出す直線状の空気Fの流れとにより、室内空間Nを循環する空気の流れを制御することができる。
【0043】
次に、空気調和機1のシステム構成を図14に示すブロック図を参照して説明する。図14に示すように、室内ユニット2は、各種装置を制御するメイン制御部45を備える。
【0044】
第1温度センサ27は、第1吸込口11の空気の温度をメイン制御部45に入力する。第2温度センサ28は、第2吸込口12の空気の温度をメイン制御部45に入力する。第3温度センサ29は、第3吸込口13の空気の温度をメイン制御部45に入力する。第4温度センサ30は、第4吸込口14の空気の温度をメイン制御部45に入力する。人感センサ34は、人Mが居る方向を示す検出信号をメイン制御部45に入力する。
【0045】
メイン制御部45は、第1〜4蓋駆動部19,20,21,22の制御を行う蓋制御部46と、風向板駆動部33の制御を行う風向板制御部47と、熱交換器37の制御を行う熱交換器制御部48と、ファン駆動部39の制御を行うファン制御部49と、室外ユニット3の制御を行う室外ユニット制御部50と、全ての吸込口11,12,13,14を開放する時間をカウントする全開放タイマ51とを備える。メイン制御部45は、各装置に制御信号を出力し、空気調和機1の運転制御を行う。
【0046】
本実施形態のメイン制御部45は、プロセッサおよびメモリなどのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成される。さらに、本実施形態の空気調和方法は、プログラムをコンピュータに実行させることで実現される。
【0047】
次に、第1実施形態のメイン制御部45が実行する全開放処理について図15のフローチャートを用いて説明する。なお、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS11」と記載する箇所を「S11」と略記する。
【0048】
図15に示すように、まず、メイン制御部45は、運転開始操作または温度設定変更操作があるか否か、つまり、ワイヤレスリモコン35から運転開始操作または温度設定変更操作を示す赤外線信号Rを受信した否かを判定する(S11)。ここで、運転開始操作または温度設定変更操作がない場合(S11がNO)は、処理を終了する。一方、運転開始操作または温度設定変更操作がある場合(S11がYES)は、S12に進む。
【0049】
S12にてメイン制御部45は、冷房モードの運転開始または冷房モードの運転中であるか否かを判定する。ここで、冷房モードでない場合(S12がNO)は、後述のS14に進む。一方、冷房モードである場合(S12がYES)は、S13に進む。
【0050】
S13にて熱交換器制御部48は、熱交換器37を制御して冷房モードの運転開始または冷房モードの目標温度の設定を行い、後述のS16に進む。このとき、ファン駆動部39を用いて軸流ファン38を回転させることで、熱交換器37を通過する空気の流れを生じさせる。室外ユニット制御部50は、冷房モードまたは目標温度の設定に応じた室外ユニット3の制御を開始する。
【0051】
前述のS12がNOの場合に進むS14において、メイン制御部45は、暖房モードの運転開始または暖房モードの運転中であるか否かを判定する。ここで、暖房モードでない場合(S14がNO)は、後述のS16に進む。一方、暖房モードである場合(S14がYES)は、S15に進む。
【0052】
S15にて熱交換器制御部48は、熱交換器37を制御して暖房モードの運転開始または暖房モードの目標温度の設定を行い、後述のS16に進む。このとき、ファン駆動部39を用いて軸流ファン38を回転させることで、熱交換器37を通過する空気の流れを生じさせる。室外ユニット制御部50は、暖房モードまたは目標温度の設定に応じた室外ユニット3の制御を開始する。
【0053】
S16にて蓋制御部46は、第1〜4蓋駆動部19,20,21,22を制御することで、全ての吸込口11,12,13,14を開放する全開放モードの実行を開始する。次に、メイン制御部45は、全開放タイマ51を用いて、全開放モードの実行時間のカウントを開始する(S17)。なお、全開放タイマ51のカウント時間は、予め設定されている。なお、このカウント時間は、現在の室温と目標温度との差分に基づいて適宜変更されても良い。
【0054】
次に、メイン制御部45は、全開放タイマ51によるカウントを継続するとともに、全開放モードを継続する(S18)。次に、メイン制御部45は、全開放タイマ51のカウントが終了したか否か、つまり、全開放タイマのカウントが所定の時間(ゼロ)以下になったか否かを判定する。を判定する(S19)。ここで、全開放タイマ51のカウントが終了していない場合(S19がNO)は、前述のS18に戻る。一方、全開放タイマ51のカウントが終了した場合(S19がYES)は、S20に進む。
【0055】
S20にて蓋制御部46は、第1〜4蓋駆動部19,20,21,22を制御することで、一部の吸込口11,12,13,14を閉鎖する。例えば、冷房モードである場合は、第1吸込口11の開放を維持し、他の吸込口12,13,14を閉鎖する。一方、暖房モードである場合は、第2吸込口12の開放を維持し、他の吸込口11,13,14を閉鎖する。そして、処理を終了する。このようにすれば、室内空間Nの空気の温度に関わらず、全ての吸込口11,12,13,14を開放する全開放モードを終了させることができる。
【0056】
次に、変形例の全開放処理について図16のフローチャートを用いて説明する。なお、変形例の全開放処理は、S17AおよびS19Aが、前述した全開放処理(図15参照)と異なり、他のステップは同じである。
【0057】
図16に示すように、S16にて全ての吸込口11,12,13,14を開放する全開放モードの実行を開始した後に、メイン制御部45は、4つの温度センサ27,28,29,30のうち、開放された吸込口11,12,13,14に対応する温度センサ27,28,29,30を特定する(S17A)。次に、メイン制御部45は、特定した温度センサ27,28,29,30を用いて、吸込口11,12,13,14から吸い込まれた空気の温度を検出する(S18A)。
【0058】
次に、メイン制御部45は、温度センサ27,28,29,30の検出温度と目標温度との差分が所定の閾値以下(例えば2℃以下)であるか否かを判定する(S19A)。ここで、検出温度と目標温度との差分が所定の閾値以下でない場合(S19AがNO)は、前述のS18Aに戻る。一方、検出温度と目標温度との差分が所定の閾値以下である場合(S19AがYES)は、S20に進み、一部の吸込口11,12,13,14を閉鎖する。このようにすれば、室内空間Nの空気の温度が目標温度の近傍に到達した時点で、全ての吸込口11,12,13,14を開放する全開放モードを終了させることができる。
【0059】
なお、この変形例では、温度センサ27,28,29,30の検出温度と目標温度との差分が所定の閾値以下である場合に、一部の吸込口11,12,13,14を閉鎖するようにしているが、温度センサ27,28,29,30の検出温度が目標温度に到達した場合に、一部の吸込口11,12,13,14を閉鎖しても良い。また、4つの温度センサ27,28,29,30の全てを温度検出の対象とし、これらの温度センサ27,28,29,30うちのいずれか1つに基づいて検出した温度が、目標温度に到達した場合、または目標温度との差分が所定の閾値以下となった場合に、一部の吸込口11,12,13,14を閉鎖しても良い。
【0060】
次に、第1実施形態のメイン制御部45が実行する蓋制御処理について図17のフローチャートを用いて説明する。なお、この蓋制御処理は、前述の全開放処理の終了後に実行される。また、前述の全開放処理のS20を蓋制御処理としても良い。
【0061】
図17に示すように、メイン制御部45は、冷房モードの運転中であるか否かを判定する(S21)。ここで、冷房モードの運転中でない場合(S21がNO)は、後述のS23に進む。一方、冷房モードの運転中である場合(S21がYES)は、S22に進む。
【0062】
S22にて蓋制御部46は、第1蓋駆動部19を制御することで第1吸込口11を開放するとともに、第2蓋駆動部20を制御することで第2吸込口12を閉鎖し、後述のS25に進む。ここで、筐体4の上面7(第1側面)の第1吸込口11から空気Fが吸い込まれるようになる。この第1吸込口11が設けられる側面とは異なる面である正面5の吹出口31から空気Fが吹き出すようになる。
【0063】
前述のS21がNOの場合に進むS23において、メイン制御部45は、暖房モードの運転中であるか否かを判定する(S23)。ここで、暖房モードの運転中でない場合(S23がNO)は、後述のS25に進む。一方、暖房モードの運転中である場合(S23がYES)は、S24に進む。
【0064】
S24にて蓋制御部46は、第2蓋駆動部20を制御することで第2吸込口12を開放するとともに、第1蓋駆動部19を制御することで第1吸込口11を閉鎖し、後述のS25に進む。ここで、筐体4の下面8(第2側面)の第2吸込口12から空気Fが吸い込まれるようになる。この第2吸込口12が設けられる側面とは異なる面である正面5の吹出口31から空気Fが吹き出すようになる。
【0065】
S25にてメイン制御部45は、人感センサ34の検出信号に基づいて室内空間Nの左側に人Mが居るか否かを判定する。ここで、室内空間Nの左側に人Mが居ない場合(S25がNO)は、後述のS27に進む。一方、室内空間Nの左側に人Mが居る場合(S25がYES)は、S26に進む。
【0066】
S26にて蓋制御部46は、第3蓋駆動部21を制御することで第3吸込口13を開放するとともに、第4蓋駆動部22を制御することで第4吸込口14を閉鎖し、処理を終了する。ここで、筐体4の左面9(第3側面)の第3吸込口13から空気Fが吸い込まれるようになる。この第3吸込口13が設けられる側面とは異なる面である正面5の吹出口31から空気Fが吹き出すようになる。
【0067】
前述のS25がNOの場合に進むS27において、メイン制御部45は、人感センサ34の検出信号に基づいて室内空間Nの右側に人Mが居るか否かを判定する。ここで、室内空間Nの右側に人Mが居ない場合(S27がNO)は、後述のS29に進む。一方、室内空間Nの右側に人Mが居る場合(S27がYES)は、S28に進む。
【0068】
S28にて蓋制御部46は、第4蓋駆動部22を制御することで第4吸込口14を開放するとともに、第3蓋駆動部21を制御することで第3吸込口13を閉鎖し、処理を終了する。ここで、筐体4の右面10(第4側面)の第4吸込口14から空気Fが吸い込まれるようになる。この第4吸込口14が設けられる側面とは異なる面である正面5の吹出口31から空気Fが吹き出すようになる。
【0069】
前述のS27がNOの場合に進むS29において、蓋制御部46は、第3蓋駆動部21を制御することで第3吸込口13を閉鎖するとともに、第4蓋駆動部22を制御することで第4吸込口14を閉鎖し、処理を終了する。
【0070】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の空気調和機1Aについて図18から図20を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。図18および図19は、第2実施形態の室内ユニットを正面側から見た状態を示す斜視図である。以下、図20の紙面左側を空気調和機の正面側(前方側)として説明する。
【0071】
図19および図20に示すように、第2実施形態の室内ユニット2Aは、熱交換器37の前方側(風下側)に設けられる遠心ファン52と、この遠心ファン52を回転させるファン駆動部53(モータ)とを備える。この第2実施形態では、遠心ファン52とファン駆動部53とで、熱交換器を通過する空気の流れを生じさせる送風部が構成される。
【0072】
遠心ファン52は、円筒状に配置された複数枚のランナー54を有し、その軸を中心として回転することで、軸方向から吸い込んだ空気Fを、遠心方向(径方向)に流すことができる。つまり、遠心方向の空気Fの流れを生じさせることができる。この遠心ファン52の周囲には、遠心方向に流れ出た空気Fを、前方側に向けて案内する案内部55が設けられる。
【0073】
図18に示すように、第2実施形態の筐体4Aの正面5には、4つの吹出口56が開口されている。それぞれの吹出口56が長方形状を成す。これらの吹出口56は、正面視で正方形の配置となるように並べられている。また、遠心ファン52を回転されることによって、4つの吹出口56から空気が吹き出すことで、直線状(角柱状)の空気の流れを生じさせることができる。
【0074】
また、それぞれの吹出口56に対応して風向板57が設けられる。これらの風向板57は、それぞれ独立して角度が調整される。これらの風向板57の調整により空気の吹き出し方向を上下左右のいずれの方向にも変更することができる。
【0075】
遠心ファン52または前述の軸流ファン38を適宜選択することで、室内空間Nの状況に応じて最適な条件で空気調和機1Aを使用することができる。
【0076】
本実施形態に係る空気調和機を第1実施形態から第2実施形態に基づいて説明したが、いずれか1の実施形態において適用された構成を他の実施形態に適用しても良いし、各実施形態において適用された構成を組み合わせても良い。
【0077】
なお、本実施形態の所定の値と判定値(閾値)との判定は、「判定値以上か否か」の判定でも良いし、「判定値を超えているか否か」の判定でも良いし、「判定値以下か否か」の判定でも良いし、「判定値未満か否か」の判定でも良い。
【0078】
なお、本実施形態のフローチャートにおいて、各ステップが直列に実行される形態を例示しているが、必ずしも各ステップの前後関係が固定されるものでなく、一部のステップの前後関係が入れ替わっても良い。また、一部のステップが他のステップと並列に実行されても良い。
【0079】
なお、本実施形態では、4つの吸込口11,12,13,14が筐体4に設けられているが、少なくとも第1吸込口11と第2吸込口12の2つの吸込口11,12が筐体4に設けられていれば良い。また、第3吸込口13と第4吸込口14の2つの吸込口13,14のみを設けても良い。
【0080】
なお、本実施形態では、蓋15,16,17,18が揺動されることで、吸込口11,12,13,14を開閉しているが、蓋15,16,17,18がスライド移動されることで、吸込口11,12,13,14を開閉するものであっても良い。
【0081】
なお、本実施形態では、ワイヤレスリモコン35を用いて空気調和機1を遠隔操作しているが、壁面Kにワイヤードリモコンを設けるようにし、このワイヤードリモコンを用いて空気調和機1を遠隔操作しても良い。
【0082】
なお、本実施形態では、4つの吸込口11,12,13,14に対応して、4つの温度センサ27,28,29,30が設けられているが、熱交換器37の風上側に1つの温度センサを設けるようにしても良い。
【0083】
なお、本実施形態では、冷房運転時に第1吸込口11のみを開放して、暖房運転時に第2吸込口12のみを開放するようにしているが、冷房運転時に第2吸込口12のみを開放して、暖房運転時に第1吸込口11のみを開放するようにしても良い。
【0084】
なお、第3吸込口13および第4吸込口14のいずれか一方を開放する態様のみならず、第3吸込口13および第4吸込口14の両方を開放しても良い。このようにすれば、室内空間Nの左右方向に広がる空気の流れを生じさせることができる。
【0085】
以上説明した実施形態によれば、筐体の第1側面に開口されて空気を吸い込む第1吸込口と、筐体における第1側面の反対側の第2側面に開口されて空気を吸い込む第2吸込口と、を備えることにより、室内空間の空気の温度分布を均一化させることができる。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0087】
1(1A)…空気調和機、2(2A)…室内ユニット、3…室外ユニット、4(4A)…筐体、5…正面、6…背面、7…上面、8…下面、9…左面、10…右面、11…第1吸込口、12…第2吸込口、13…第3吸込口、14…第4吸込口、15…第1蓋、16…第2蓋、17…第3蓋、18…第4蓋、19…第1蓋駆動部、20…第2蓋駆動部、21…第3蓋駆動部、22…第4蓋駆動部、23…第1エアフィルタ、24…第2エアフィルタ、25…第3エアフィルタ、26…第4エアフィルタ、27…第1温度センサ、28…第2温度センサ、29…第3温度センサ、30…第4温度センサ、31…吹出口、32…風向板、33…風向板駆動部、34…人感センサ、35…ワイヤレスリモコン、36…受信部、37…熱交換器、38…軸流ファン、39…ファン駆動部、40…ドレンパン、41…案内部、42…接続パイプ、43…配管、44…フィン、45…メイン制御部、46…蓋制御部、47…風向板制御部、48…熱交換器制御部、49…ファン制御部、50…室外ユニット制御部、51…全開放タイマ、52…遠心ファン、53…ファン駆動部、54…ランナー、55…案内部、56…吹出口、57…風向板、F…空気、K…壁面、M…人(使用者)、N…室内空間、R…赤外線信号、T…天井、U…床面、W…方向。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
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図9
図10
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