(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記補正回路は、前記第2ターゲットコードと、前記第2ターゲットコードと前記第1ターゲットコードの差分との対応関係を保持するルックアップテーブルを含むことを特徴とする請求項6に記載のアクチュエータドライバ。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどに搭載されるカメラモジュールは、AF(オートフォーカス)機能を備える。AF機能付きのカメラモジュールは、撮像素子と被写体の間に設けられたレンズを、被写体の像が撮像素子の表面(撮像面)に結像するように光軸方向(Z軸)に変位させる。
【0003】
図1は、AF機能を備えるカメラモジュールのブロック図である。カメラモジュール100は、撮像素子102、レンズ104、アクチュエータ106、アクチュエータドライバ108、位置検出素子110、CPU(Central Processing Unit)114を備える。
【0004】
撮像素子102は、レンズ104を透過した像を撮影する。CPU114は、レンズ104の変位の目標値を示すターゲットコードD
1を生成する。アクチュエータドライバ108は、ターゲットコードD
1にもとづいて、アクチュエータ106に対する駆動信号S
5を生成する。アクチュエータ106は、駆動信号S
5に応じてレンズ104を位置決めする。
【0005】
AF機能付きのカメラモジュールでは、レンズ104を正確に位置決めする必要があるため、フィードバック制御(クローズドループ制御)が採用される。位置検出素子110は、レンズ104の変位を示す位置検出信号S
2を生成する。アクチュエータドライバ108は、位置検出信号S
2の示すレンズ104の位置が、ターゲットコードD
1が示す目標位置と一致するように、駆動信号S
5をフィードバック制御する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図2(a)は、レンズ104の実際の変位と、位置検出信号S
2の関係を示す図である。
図2(b)は、ターゲットコードD
1とレンズ104の変位の関係を示す図である。
【0008】
スマートフォンやタブレットに搭載されるカメラモジュール100は小型化、薄型化が要求されるため、その内部の構成部品のサイズやレイアウトの制約が多い。かかる事情から、
図2(a)に示すように、位置検出素子110が生成する位置検出信号S
2は、実際のレンズ104の変位に対して非線形である。
【0009】
上述のように、アクチュエータドライバ108はターゲットコードD
1と位置検出信号S
2の値が一致するように、アクチュエータ106を駆動する。その結果、
図2(b)に示すように、ターゲットコードD
1に対して、レンズ104を線形に制御することができなくなる。
【0010】
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、ターゲットコードに対してレンズを線形に制御可能なアクチュエータドライバの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある態様は、撮像装置に使用されるアクチュエータドライバに関する。撮像装置は、撮像素子と、撮像素子への入射光路上に設けられたレンズと、レンズを変位させるアクチュエータと、レンズの変位を示す位置検出信号を生成する位置検出素子と、レンズの目標変位を示すターゲットコードと位置検出信号にもとづいてアクチュエータをフィードバック制御するアクチュエータドライバと、を備える。アクチュエータドライバは、位置検出信号に応じた第1検出コードを、レンズの実際の変位と線形な関係を有する第2検出コードに変換する補正回路と、第2検出コードがターゲットコードに近づくようにアクチュエータを制御する制御回路と、を備える。
【0012】
この態様によると、ターゲットコードに対してレンズを線形に変位させることができる。
【0013】
ターゲットコードの値xとレンズの変位の値yの理想特性がy=f(x)であり、第1検出コードの値zとレンズの変位の値yの関係がy=g(z)であるとき、補正回路は、x=f
−1(g(z))で表される変換特性にしたがって、第2検出コードの値xを生成してもよい。
【0014】
補正回路は、第1検出コードと、第1検出コードと第2検出コードの差分との対応関係を保持するルックアップテーブルを含んでもよい。これによりルックアップテーブルの容量を削減できる。
【0015】
ルックアップテーブルは、第1検出コードの複数の代表値について、対応する差分の値を保持してもよい。これによりルックアップテーブルの容量を削減できる。
【0016】
補正回路は、第1検出コードと、第2検出コードとの対応関係を保持するルックアップテーブルを含んでもよい。ルックアップテーブルは、第1検出コードの複数の代表値について、対応する第2検出コードの値を保持してもよい。
【0017】
本発明の別の態様もまた、撮像装置に使用されるアクチュエータドライバに関する。撮像装置は、撮像素子と、撮像素子への入射光路上に設けられたレンズと、レンズを変位させるアクチュエータと、レンズの変位を示す位置検出信号を生成する位置検出素子と、レンズの目標変位を示す第1ターゲットコードと位置検出信号にもとづいてアクチュエータをフィードバック制御するアクチュエータドライバと、を備える。アクチュエータドライバは、第1ターゲットコードを第2ターゲットコードに変換する補正回路と、位置検出信号に応じた検出コードが第2ターゲットコードに近づくようにアクチュエータを制御する制御回路と、を備える。第1ターゲットコードから第2ターゲットコードへの変換特性は、第1ターゲットコードに対してアクチュエータが線形に変位するように規定される。
【0018】
検出コードの値zとレンズの変位の値yの関係がy=g(z)であるとき、補正回路は、その逆関数を用いて、
x’=g
−1(x)
で表される変換特性にしたがって、第2ターゲットコードの値x’を生成してもよい。
【0019】
補正回路は、第2ターゲットコードと、第2ターゲットコードと第1ターゲットコードの差分との対応関係を保持するルックアップテーブルを含んでもよい。
【0020】
アクチュエータドライバは、ひとつの基板に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが基板の外部に設けられていてもよい。回路を1つのチップ上に集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
【0021】
本発明の別の態様は撮像装置に関する。撮像装置は、撮像素子と、撮像素子への入射光路上に設けられたレンズと、レンズを変位させるアクチュエータと、レンズの変位を示す位置検出信号を生成する位置検出素子と、レンズの目標変位を示すターゲットコードと位置検出信号にもとづいてアクチュエータをフィードバック制御する上述のいずれかのアクチュエータドライバと、を備える。
【0022】
本発明の別の態様は電子機器に関する。電子機器は、上述の撮像装置を備える。
【0023】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。さらに、この課題を解決するための手段の記載は、すべての欠くべからざる特徴を説明するものではなく、したがって、記載されるこれらの特徴のサブコンビネーションも、本発明たり得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ターゲットコードに対してレンズを線形に変位させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0027】
また図面に記載される各部材の寸法(厚み、長さ、幅など)は、理解の容易化のために適宜、拡大縮小されている場合がある。さらには複数の部材の寸法は、必ずしもそれらの大小関係を表しているとは限らず、図面上で、ある部材Aが、別の部材Bよりも厚く描かれていても、部材Aが部材Bよりも薄いこともあり得る。
【0028】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0029】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0030】
(第1の実施の形態)
図3は、第1の実施の形態に係るカメラモジュール100のブロック図である。
図3のカメラモジュール100の基本構成は、
図1のそれと同様である。レンズ104は、撮像素子102への入射光路上に設けられる。アクチュエータ106は、レンズ104を光軸方向に変位させる。位置検出素子110は、ホールセンサなどの磁気センサであり、レンズ104の変位を示す位置検出信号(ホール信号)S
2を生成する。AFセンサ112は、位相差検出方式あるいはコントラスト検出方式にもとづいて、合焦に必要な情報を検出する。
【0031】
CPU114は、AFセンサ112の出力にもとづいて、レンズ104の変位の目標値を示すターゲットコードD
1を含むシリアルデータS
1を生成する。アクチュエータドライバ200は、ターゲットコードD
1にもとづいて、アクチュエータ106に対する駆動信号S
5を生成する。アクチュエータ106の可動子にはレンズ104が取り付けられており、レンズ104は、ターゲットコードD
1に応じた位置に移動する。
【0032】
より詳しくは、アクチュエータドライバ200は、レンズ104の目標変位を示すターゲットコードD
1と位置検出信号S
2にもとづいてアクチュエータ106をフィードバック制御する。
【0033】
アクチュエータドライバ200は、インタフェース回路202、A/Dコンバータ204、補正回路206、制御回路208を備える。インタフェース回路202は、CPU114からターゲットコードD
1を含むシリアルデータS
1を受信する。A/Dコンバータ204は、位置検出素子110からの位置検出信号S
2をデジタルの第1検出コードD
2に変換する。A/Dコンバータ204の前段には、アンプが設けられてもよい。位置検出信号S
2がデジタル信号である場合、A/Dコンバータ204は省略可能である。
【0034】
補正回路206は、第1検出コードD
2を、レンズ104の実際の変位と線形な関係を有する第2検出コードD
3に変換する。制御回路208は、第2検出コードD
3がターゲットコードD
1に近づくようにアクチュエータ106を制御する。制御回路208は、コントローラ210およびドライバ部212を含む。コントローラ210は、第2検出コードD
3とターゲットコードD
1の誤差がゼロに近づくように制御指令値S
4を生成する。ドライバ部212は制御指令値S
4に応じた駆動信号S
5をアクチュエータ106に供給する。
【0035】
以上がカメラモジュール100の全体の構成である。続いて補正回路206における補正処理を説明する。
図4(a)〜(d)は、補正処理を説明する図である。
【0036】
図4(a)は、レンズ104の実際の変位と第1検出コードD
2を示す図である。CPU114から見たときに、ターゲットコードD
1とレンズ104の実際の変位の間に成り立つべき関係を、理想特性として、
y=f(x) …(1)
と規定する。yが変位を、xはコードを表す。
【0037】
サーボがかかっているときに、ターゲットコードD
1と第2検出コードD
3が一致するようにフィードバックがかかる。したがって、第2検出コードD
3(x)とレンズ104の実際の変位(y)の間にも、式(1)が成り立てばよい。言い換えれば、第2検出コードD
3を実際の変位の関数として表すと、
x=f
−1(y) …(2)
となる。
【0038】
CPU114から見たときに、ターゲットコードD
1とレンズ104の実際の変位の間に成り立つべき理想特性は、線形であることが好ましく、したがって式(3)、(4)を得る。
y=f(x)=ax+b …(3)
x=(y−b)/a …(4)
図4(a)には式(3)が、
図4(b)には式(4)が示されている。
【0039】
図4(b)には、レンズの実際の位置と、それに対応する第1検出コードD
2の関係が示される。位置検出素子110の検出誤差の影響によって、第1検出コードD
2は、レンズの実際の位置に対して非線形である。第1検出コードD
2の値zとレンズの実際の位置yの関係が式(5)で表されるとする。
y=g(z) …(5)
式(5)の関係式は、後述のように測定することができる。
【0040】
式(5)を(2)に代入すると、
x=f
−1(y)=f
−1(g(z)) …(6)
を得る。式(6)が、第1検出コードD
2と第2検出コードD
3との対応関係となる。
図4(c)には、第1検出コードD
2と第2検出コードD
3の対応関係(以下、補正特性という)が示される。
【0041】
図5は、カメラモジュール100のキャリブレーションを説明する図である。セットアップ時において補正回路206は無効化されており、第1検出コードD
2がそのままコントローラ210に入力される(D
3=D
2)。この状態でCPU114は、ターゲットコードD
1をスイープし、レンズ104を変位させる。このときのレンズ104の変位は、レーザ測距計などの測定器300によって測定される。測定器300の出力S
6は、変位を示す値yである。
【0042】
ターゲットコードD
1の値ごとに、変位を示すyと、A/Dコンバータ204の出力(第1検出コードD
2の値z)が取得される。この測定によって取得される第1検出コードD
2の値zと実際の変位yの関係は、式(5)に対応するものである。
【0043】
なお、補正回路206を無効化した状態では、ターゲットコードD
1とD
2が等しくなるようにサーボがかかるから、D
1=D
2=zとみなすことができる。したがって、ターゲットコードD
1と測定器300の出力yの対応関係を取得してもよい。
【0044】
式(1)の理想特性と、測定から得られた対応関係y=g(z)とから、式(6)の変換特性を導くことができる。この変換特性を生成および利用方法には、いくつかのバリエーションが存在する。ひとつはルックアップテーブルを用いる方式であり、もうひとつは、近似式を利用する方法である。
【0045】
図6は、補正回路206の構成例を示す図である。
図6の補正回路206はテーブル参照によって、第1検出コードD
2から第2検出コードD
3に変換する。ルックアップテーブル207aには、入力コードD
2の値ごとに、対応する出力コードD
3が格納されている。演算部207bは、入力コードD
2に対応する出力コードD
3をルックアップテーブル207aから読み出し、出力する。
【0046】
入力コードD
2のすべての値に対して、対応する出力コードD
3の値をそのまま格納すると、大きい容量のメモリが必要となる。たとえば、D
2,D
3の値z,xがそれぞれ、−16384〜16384の32769階調で表されるとすると、D
2,D
3はそれぞれ、15ビット(≒2バイト)のバイナリデータとなる。ルックアップテーブル207aの容量は、2バイト×32769=65538バイト≒64kバイトとなる。
【0047】
図7(a)、(b)は、ルックアップテーブル207aの容量削減を説明する図である。メモリの容量に制約がある場合、メモリに、D
2と、D
3−D
2の対応関係を保持してもよい。D
3−D
2は、15ビットより少ないビット数で表すことができる。D
3−D
2が4ビットで表すことができる場合、ルックアップテーブル207aの容量は、1バイト×32769=16kバイトとなり、1/4に圧縮できる。
【0048】
補正回路206は、入力コードD
2に対応する差分コードΔxを読出し、以下の演算によって出力コードD
3を生成できる。
D
3=D
2+Δx
【0049】
さらなるメモリ容量の節約のために、入力コードD
2のすべての値ではなく、いくつか(たとえば16個)の代表値(
図7(b)で白丸で示す)についてのみ、差分コードΔxをルックアップテーブル207aに格納し、代表値と代表値の間の差分コードΔxについては、補間によって生成するようにするとよい。この場合、メモリの容量は、
2バイト×16=32バイト
にまで圧縮できる。
【0050】
図8は、補正回路206の別の構成例を示す図である。
図8の補正回路206は、近似式を利用して、入力コードD
2を出力コードD
3に変換する。メモリ207cには、近似式を規定するパラメータが保持される。近似には、多項式近似などを用いることができるがその限りではない。
【0051】
たとえば
図7(a)および式(6)で表されるD
2とD
3の関係式(変換特性)を多項式近似してもよい。
x=a
0+a
1z+a
2z
2+a
3z
3+…+a
nz
n …(7)
a
0〜a
nは係数でありメモリ207cに保持される。近似の次数は特に限定されない。
【0052】
演算部207bは、式(7)にもとづいて入力コードD
2の値zから、出力コードD
3の値xを計算する。
【0053】
図7(b)に表される差分コードΔxを多項式近似してもよい。
Δx=b
0+b
1z+b
2z
2+b
3z
3+…+b
nz
n …(8)
この場合、演算部207bは、式(9)にもとづいて入力コードD
2の値zから、出力コードD
3の値xを計算する。
x=z+Δx=z+b
0+b
1z+b
2z
2+b
3z
3+…+b
nz
n
【0054】
近似の精度を高めるために、入力コードD
2を複数の範囲に分割し、範囲毎に異なる近似式を規定してもよい。
【0055】
(第2の実施の形態)
図9は、第2の実施の形態に係るカメラモジュール100のブロック図である。以下では第1の実施の形態との相違点を説明する。
【0056】
CPU114は、AFセンサ112の出力にもとづいて、レンズ104の変位の目標値を示す第1ターゲットコードD
8を含むシリアルデータS
1を生成する。アクチュエータドライバ400は、第1ターゲットコードD
8にもとづいて、アクチュエータ106に対する駆動信号S
5を生成する。アクチュエータ106の可動子にはレンズ104が取り付けられており、レンズ104は、第1ターゲットコードD
8に応じた位置に移動する。
【0057】
より詳しくは、アクチュエータドライバ400は、レンズ104の目標変位を示す第1ターゲットコードD
8と位置検出信号S
2にもとづいてアクチュエータ106をフィードバック制御する。
【0058】
アクチュエータドライバ400は、インタフェース回路402、A/Dコンバータ404、補正回路406、制御回路408を備える。インタフェース回路402は、CPU114から第1ターゲットコードD
8を含むシリアルデータS
1を受信する。A/Dコンバータ404は、位置検出素子110からの位置検出信号S
2をデジタルの検出コードD
7に変換する。位置検出信号S
2がデジタル信号である場合、A/Dコンバータ404は省略可能である。
【0059】
補正回路406は、第1ターゲットコードD
8を第2ターゲットコードD
9に変換する。制御回路408は、検出コードD
7が第2ターゲットコードD
9に近づくように、アクチュエータ106をフィードバック制御する。補正回路406は、コントローラ410およびドライバ部412を含む。コントローラ410は、検出コードD
7と第2ターゲットコードD
9の誤差がゼロに近づくように制御指令値S
4を生成する。ドライバ部412は制御指令値S
4に応じた駆動信号S
5をアクチュエータ106に供給する。
【0060】
補正回路406における第1ターゲットコードD
8から第2ターゲットコードD
9への変換特性は、第1ターゲットコードD
8に対してアクチュエータ106が線形に変位するように規定される。
【0061】
第1ターゲットコードD
8から第2ターゲットコードD
9への変換特性は、以下のように定めればよい。検出コードD
7の値zとレンズ104の実際の変位D
7の値yの関係がy=g(z)であるとする。関数gの逆関数をg
−1とするとき、第1ターゲットコードD
8の値xから、第2ターゲットコードD
9の値x’への変換式は、
x’=g
−1(x)
とすればよい。つまり、位置検出素子110によって与えられる歪みと同じ歪みを、第1ターゲットコードD
8に与えることにより、第1ターゲットコードD
8とレンズ104の実際の変位の線形性を改善することができる。
【0062】
(用途)
最後にカメラモジュール100の用途を説明する。
図10は、カメラモジュール100を備える電子機器500を示す図である。
図10の電子機器500は、スマートフォンであり、上述のカメラモジュール100およびメインCPU502を備える。メインCPU502は、電子機器500全体を制御するプロセッサである。メインCPU502は、電子機器500に対するユーザの操作入力を監視し、AF動作、シャッター動作などをカメラモジュール100に指示する。電子機器500は、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ポータブルオーディオプレイヤなどであってもよい。