【実施例】
【0015】
実施例に係るメカニカルシールにつき、
図1から
図5を参照して説明する。以下、
図1の紙面左側をメカニカルシールの機内側とし、
図1の紙面右側をメカニカルシールの機外側(大気側)として説明する。
【0016】
図1に示されるように、本実施例に係るメカニカルシール1は、自動車、一般産業機械等の軸封分野で用いられ、ハウジング2と、該ハウジング2に設けられる軸孔20に挿通される回転軸3との間(軸封部)をシールするために取り付けられる。尚、回転軸3は、一般にステンレス鋼製等の金属製であり、軸封する機器がポンプの場合には、機内側に図示しない羽根車が取り付けられている。
【0017】
メカニカルシール1は、ケース4と、固定環6と、スリーブ5と、カラープレート7と、スプリング8と、回転環9と、から主に構成されており、使用前においてはセットプレート13により一体とされたカートリッジ型に構成されるものである。このメカニカルシール1は、後述するように、セットプレート13をスリーブ5から取り外した状態で使用するものである。
【0018】
ハウジング2は、機内側の内周が軸孔20よりも拡開された形状を成している。これにより、回転軸3の機内側に取り付けられる図示しない羽根車が、ハウジング2の内部(機内)で回転する空間を確保している。また、ハウジング2に設けられる軸孔20には、機内側の内周面に雌ネジ部21が形成されている。
【0019】
ケース4には、スリーブ5が挿通される軸孔40が設けられ、環状を成している。また、ケース4には、機内側の外周面に雄ネジ部41が形成されている。これによれば、ケース4の雄ネジ部41を前述したハウジング2の雌ネジ部21にねじ込むことにより、ケース4をハウジング2に固定することができる。そのため、ボルト等の固定手段を別途用いることなく、ケース4をハウジング2に容易に固定することができるばかりか、周方向に亘り均一な保持力でメカニカルシール1をハウジング2に取付けることができる。
【0020】
また、ケース4には、機外側の外周に延出するフランジ42が形成されている。これによれば、ケース4をハウジング2に固定するとき、ケース4のフランジ42の機内側の一端面45をハウジング2の機外側の端面22に当接させることができる。この当接により、ケース4をハウジング2に固定するとき、ケース4とハウジング2の位置合わせが行われ、雌ネジ部21及び雄ネジ部41に過剰な力が働くことがなくなり、雌ネジ部21及び雄ネジ部41の変形や破損等を防ぐことができる。
【0021】
また、ケース4には、フランジ42よりも機内側の外周面に環状溝43が形成されており、この環状溝43には、Oリング101が装着されている。これによれば、ケース4をハウジング2に固定するとき、Oリング101をハウジング2の機内側の内周面に圧着させることができる。そのため、ハウジング2の内周面とケース4の外周面との間の隙間をOリング101によってシールすることができる。
【0022】
また、環状溝43をハウジング2の内周面に対向して配置しているため、フランジ42の径寸法を短くしてケース4を小型・軽量化することができる。さらに、ケース4をその外周に設けた雄ネジ部41によりハウジング2に固定しているため、フランジ42の径寸法を短くすることができる。
【0023】
また、ケース4には、機内側の内周に固定環6がOリング102を介して固定されている。固定環6には、スリーブ5が挿通される軸孔60が設けられ、環状を成している。また、固定環6には、機内側の外周に延出するフランジ61が形成されている。
【0024】
また、固定環6には、フランジ61よりも機外側の縮径部分の外周にOリング102が装着されている。これによれば、固定環6をケース4に固定するとき、Oリング102をケース4の機内側の内周面に圧着させることができる。そのため、ケース4の内周面と固定環6の外周面との間の隙間をOリング102によってシールすることができる。
【0025】
尚、固定環6は、特殊転換法(カーボン表面を部分的にSiC化し、表面強度を補強し、SiCの耐摩耗性とカーボンの自己潤滑性の両方を兼ね備えるようにすること)によるSiCから製作されている。また、ダイヤモンドコーティングしたSiCにより製作されてもよい。
【0026】
図1及び
図2に示されるように、スリーブ5には、回転軸3が挿通される軸孔50が設けられ、管状を成している。また、スリーブ5に設けられる軸孔50の機内側の内周面には、環状溝57が形成されており、この環状溝57には、Oリング103が装着されている。これによれば、スリーブ5の軸孔50に回転軸3が挿通されるとき、Oリング103を回転軸3の外周面に圧着させることができる。そのため、スリーブ5の内周面と回転軸3の外周面との間の隙間をOリング103によってシールすることができる。さらに、Oリング103と回転軸3との間に生じる摩擦力を利用して、スリーブ5を回転軸3に対して軸方向及び周方向に相対移動し難くしている。
【0027】
尚、スリーブ5は、一般にステンレス鋼製等の金属製であり、回転軸3に固定されることにより、回転軸3と共に回転する。尚、回転軸3とスリーブ5の固定構造については後段にて詳述する。
【0028】
また、スリーブ5は、外周面が機内側から機外側へ向けて段階的に縮径しており、機内側から順に第1外周面51、第2外周面52、第3外周面53及び第4外周面54が形成されている。さらに、スリーブ5の外周の径の違いによって、第1外周面51と第2外周面52との境界部分には、環状段部55が形成され、第2外周面52と第3外周面53との境界部分には、環状段部56が形成されている。
【0029】
スリーブ5の第1外周面51には、機内側に環状溝51aが形成されている。この環状溝51aには、カラープレート7が装着されている。尚、カラープレート7は、スリーブ5に対して軸方向及び周方向に相対移動しないように固定されている。
【0030】
また、周知のように、カラープレート7と回転環9との間には、圧縮された状態でスプリング8が配置されている。スプリング8は、スリーブ5の軸径よりも大きいスプリングを1本使用する形式、すなわちワンコイルスプリング型で配置されている。尚、スプリング8は、コイルスプリングの他に、ウェーブコイルスプリング等を使用してもよい。
【0031】
スリーブ5の第2外周面52には、機内側にガイド部材10が装着されている。ガイド部材10は、スリーブ5の第2外周面52に対して溶接されることにより、周方向に回動不能に固定されている。なお、ガイド部材10はスリーブ5に溶接以外によって組み付けられていてもよく、例えばガイド部材に軸方向に延びる爪を設けこの爪をスリーブに設けた凹部に挿入ればよい。また、ガイド部材10は、リング状の取付部10aと、該取付部10aから周方向に複数設けられたL字状のガイド片11,11,…と、から構成されている。さらに、ガイド部材10の取付部10aは、第2外周面52の外周と略同一径を成している。これによれば、ガイド部材10は、第2外周面52に装着された状態で、前述した環状段部55に当接することにより、スリーブ5の機内側(第1外周面51側)への移動が規制されている。そのため、ガイド部材10は、スリーブ5の外周面における所望の取り付け位置に固定しやすくなっている。尚、スリーブ5の第2外周面52に対するガイド部材10の固定方法は、溶接に限らず、凹凸嵌合を利用して固定されてもよい。
【0032】
また、ガイド部材10のガイド片11,11,…は、自由端部が回転環9の機内側の内周面に形成される複数のガイド用凹部91,91,…にそれぞれ挿入されている。ガイド用凹部91,91,…は、軸方向へ延び機内側に開放するように形成されている。これによれば、ガイド片11,11,…は、ガイド用凹部91,91,…に挿入されることにより、回転環9をスリーブ5に対して軸方向へのみ相対移動させるとともに、回転環9をスリーブ5に対して周方向へ相対移動させないように係止する。そのため、回転環9には、ガイド片11,11,…によりスリーブ5の回転力が伝達され、スリーブ5と共に回転する。
【0033】
回転環9には、スリーブ5が挿通される軸孔90が設けられ、環状を成している。また、回転環9は、機外側の側端面を固定環6の機内側の側端面に当接させた状態で、スリーブ5と共に回転する。尚、回転環9の側端面と固定環6の側端面とが当接することにより摺動面Sが形成される。また、回転環9の側端面は、スプリング8から軸方向の付勢力が負荷されることにより、機外側に付勢され、固定環6の側端面に対して密着している。これによれば、固定環6の側端面に対する回転環9の側端面の追従性を高めることができる。そのため、メカニカルシール1の摺動面Sにおけるシール性を高めることができる。
【0034】
また、回転環9には、機内側の内周面にOリング104が装着されている。これによれば、回転環9をスリーブ5に挿通するとき、Oリング104をスリーブ5の第2外周面52に圧着させることができる。そのため、回転環9の内周面とスリーブ5の第2外周面52との間の隙間をOリング104によってシールすることができる。
【0035】
また、回転環9には、機内側の内周面において、Oリング104の装着位置よりも機内側の位置に保持プレート12が圧入などにより取り付けられている。保持プレート12は、回転環9の内周面に装着されたOリング104の機内側への移動を規制している。
【0036】
また、回転環9には、機外側の内周面に内径側に延出する環状凸部92が設けられている。これによれば、前述した回転環9の側端面が形成される機外側の軸孔90の径を小さくすることができ、摺動面Sの位置を内径側に近づけることができる。そのため、メカニカルシール1の使用時に摺動面Sにかかる負荷を低減することができる。
【0037】
また、回転環9をスリーブ5に挿通させる際には、環状凸部92を環状段部56に当接させることができる。そのため、回転環9のスリーブ5に対する軸方向の位置合わせを容易に行うことができる。
【0038】
尚、回転環9は、特殊転換法(カーボン表面を部分的にSiC化し、表面強度を補強し、SiCの耐摩耗性とカーボンの自己潤滑性の両方を兼ね備えるようにすること)によるSiCから製作されている。また、ダイヤモンドコーティングしたSiCにより製作されてもよい。
【0039】
スリーブ5の第3外周面53には、機外側に環状溝53aが形成されている。この環状溝53aには、Cリング状のセットプレート13が装着される。セットプレート13は、環状溝53aに装着されることにより、スリーブ5に挿通されたケース4の軸孔40の機外側の周縁に形成される環状凹部44に当接させることができる。これによれば、スリーブ5に挿通された各部材を、スプリング8の付勢力を利用して機内側のカラープレート7と機外側のセットプレート13との間に一体保持することができる。そのため、メカニカルシール1をカートリッジ型に構成することができる。
【0040】
カートリッジ型に構成されたメカニカルシール1は、機内側(カラープレート7側)からハウジング2の軸孔20に対して機外側から挿通し、ケース4の雄ネジ部41をハウジング2の雌ネジ部21にねじ込むことにより、ハウジング2に容易に固定することができる。尚、セットプレート13は、ケース4をハウジング2に固定した後にスリーブ5から取り外される。
【0041】
図2及び
図4に示されるように、スリーブ5の第4外周面54には、機外側の端部から軸方向に延びるスリット58,58,58,58が形成されている。スリット58,58,58,58は、スリーブ5の周方向に対して90度毎に等配されている。また、周方向に隣接するスリット58,58の間には、スリーブ5の第4外周面54を実質的に構成する脚部59がそれぞれ形成されている。さらに、スリット58,58,58,58は、第3外周面53の機外側の端部から所定寸法機内側まで延びている。すなわち、スリット58,58,58,58の軸方向の寸法L2は、第4外周面54の軸方向の寸法L1よりも長くなっている。
【0042】
尚、説明の便宜上、
図1、
図2及び
図5に示されるスリーブ5の断面は、スリーブ5を1つの平面により切断した断面ではなく、例えば、
図4の仮想線A−A’に示されるように、スリーブ5を軸心で直交する2つの平面により切断した断面図として図示している。そのため、
図1、
図2及び
図5においては、スリーブ5の周方向に対して90度毎に等配されるスリット58,58,58,58の内、
図4の紙面右側のスリット58のみを図示している。
【0043】
次いで、回転軸3へのスリーブ5の固定構造について
図1、
図3及び
図4を用いて説明する。
図1及び
図4に示されるように、スリーブ5に設けられる軸孔50に回転軸3が挿通された状態で、スリーブ5の第4外周面54には、ホースバンド14(締締部材)が装着される。
【0044】
図3(a)に示されるように、ホースバンド14は、スリーブ5の第4外周面54の軸方向の寸法L1と略同一寸法の幅を有するバンド部15と、該バンド部15の一方の端部が固定される保持ケース16と、該保持ケース16に設けられる締付ボルト17と、から主に構成されている。また、ホースバンド14は、バンド部15を輪状に変形させ、バンド部15の自由端部(他方の端部)を保持ケース16内に通した状態で、締付ボルト17を締めたり緩めたりすることにより、バンド部15の締め付け力を調整することができる。尚、バンド部15は、金属または樹脂製であり、幅方向に延びる複数の貫通孔19,19,…が長手方向に亘って設けられている(
図3(b)参照)。また、バンド部15の内周面には、内径側に突出する複数の凸部18,18,…が形成されている(
図3(a)の拡大図参照)。
【0045】
これによれば、
図4に示されるように、スリーブ5に設けられる軸孔50に回転軸3が挿通された状態で、スリーブ5の第4外周面54にホースバンド14を装着した後、締付ボルト17を締めることにより、回転軸3及びスリーブ5の第4外周面54をバンド部15で締め付けてスリーブ5を回転軸3に固定することができる。
【0046】
また、ホースバンド14は、第4外周面54に装着された状態で、バンド部15の機内側の端部が第3外周面53と第4外周面54との境界部分に形成される環状段部53bに当接することにより、スリーブ5の機内側(第3外周面53側)への移動が規制されている。そのため、ホースバンド14は、スリーブ5の外周面における所望の取り付け位置に簡単に固定することができる。
【0047】
また、このとき、バンド部15の内周面に形成される複数の凸部18,18,…が、スリーブ5に90度毎に等配された各スリット58の周縁部58aに引っ掛る。これによれば、ホースバンド14がスリーブ5に対して周方向に相対移動しないように係止することができ、ホースバンド14(バンド部15)の締め付け力を維持することができる。
【0048】
以上説明したように、本実施例のメカニカルシール1は、スリーブ5に設けられる軸孔50に回転軸3が挿通された状態で、スリーブ5の第4外周面54に対して周方向からホースバンド14のバンド部15で締め付けることにより、スリーブ5を回転軸3に対して安定して固定することができる。そして、スリーブ5は、回転軸3に対して局所的に押圧されることなく全周に亘り略均一に押圧されるため、スリーブ5と回転軸3との軸心を一致させることができる。そのため、メカニカルシール1の摺動トルクに影響を与えず高い密封性を維持することができる。
【0049】
また、スリーブ5とホースバンド14のバンド部15の熱膨張率の違い等により、ホースバンド14のバンド部15がスリーブ5に対して周方向に相対移動した場合でも、バンド部15の内周面に形成される複数の凸部18,18,…のいずれかがスリーブ5に形成される各スリット58の周縁部58aに引っ掛ることにより、回転軸3とスリーブ5との固定状態を維持することができる。
【0050】
また、1つのスリット58に対して凸部18を多数配置する構成としているので、ホースバンド14の取り付け位置を意識せずともスリット58の周縁部58aに凸部18が引っ掛かるため、スリーブ5に対するホースバンド14の位置決めが簡単である。
【0051】
また、ホースバンド14による緊締時には、凸部18がスリット58の周縁部58aに引っ掛かった状態でバンド部15がさらに縮径することにより、スリーブ5の脚部59が周方向に僅かに移動する。これにより、スリーブ5の脚部59は、回転軸3に対して僅かに傾いた状態となる。そのため、ホースバンド14がスリーブ5に対して軸方向に相対移動し難くなっている。
【0052】
また、ホースバンド14の締め付けにより、スリーブ5の脚部59は僅かに径方向に縮径される。ここで、ホースバンド14のバンド部15により固定されるスリーブ5の第4外周面54の軸方向の寸法L1よりも、スリーブ5のスリット58,58,58,58の軸方向の寸法L2が長くなっている。これによれば、ホースバンド14のバンド部15の位置において、スリーブ5の脚部59は、軸方向に亘って略均一に縮径される、言い換えると、スリーブ5の脚部59は、軸方向に亘って傾いて縮径されることがない。そのため、ホースバンド14がスリーブ5から軸方向に脱嵌し難くできる。
【0053】
また、
図2に示されるように、スリーブ5の第4外周面54は、第1外周面51、第2外周面52及び第3外周面53と比べて、厚みが最も薄くなっている。さらに、スリーブ5の第4外周面54にスリット58,58,58,58が形成されている。これによれば、スリーブ5の第4外周面54を内径方向に縮径させやすくなる。そのため、ホースバンド14のバンド部15によりスリーブ5の第4外周面54を締め付ける際に、回転軸3の外周面に対してスリーブ5の内周面を当接させやすくなり、スリーブ5を回転軸3に対してより強固に固定することができる。
【0054】
また、スリット58,58,58,58は、スリーブ5の軸方向の機外側に開放され、且つスリーブ5の周方向に複数形成されている。これによれば、スリーブ5の脚部59,59,59,59の機外側の先端が自由端として機能するため、ホースバンド14による緊締に伴いスリーブ5が縮径する自由度を高めることができる。
【0055】
また、
図2に示されるように、スリーブ50には、第4外周面54よりも機外側に外径側に突出する第5外周部54aが形成されている。これによれば、スリーブ50の第4外周面54に装着されるホースバンド14は、軸方向への動きを第5外周部54aによって規制される。そのため、回転軸3とスリーブ50との固定状態を維持することができる。
【0056】
尚、スリーブ5の変形例として次のようなものがある。
図5(a)に示されるように、スリーブ501において機外側に第5外周部を省略してもよく、この場合スリーブ501の製作が容易である。また、
図5(b)に示されるように、スリーブ502には、スリット512,512,512,512が、軸方向に延びる長孔状に形成され、機外側の周縁が閉塞されている。これによれば、ホースバンド14のバンド部15の内周面に形成される凸部18,18,…が、スリーブ502の各スリット512の機外側を構成する周縁512aにより機外側に移動しないように係止することができる。そのため、回転軸3とスリーブ502との固定状態を維持することができる。
【0057】
尚、前記実施例におけるOリング101,102,103,104の材質は、フッ素ゴム、ニトリルゴム、H−NBR、EPDM、パーフロロエラストマ等である。
【0058】
また、ケース4の雄ネジ部41をハウジング2の雌ネジ部21にねじ込むことによりケース4をハウジング2に固定した後、さらにボルト等でこれらを固定してもよい。
【0059】
また、固定環6及び回転環9の材質は、シリコンカーバイド、タングステンカーバイト、カーボン、その他のセラミックス等の超硬質材料であってもよい。
【0060】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0061】
例えば、前記実施例では、スリーブ5の機外側の端部にスリット58,58,58,58が90度毎に等配されている態様として説明したが、これに限らず、スリットの数、配置間隔等は自由に構成されてよい。
【0062】
また、前記実施例では、スリット58は略長方形状に形成される態様として説明したが、これに限らず、スリットの形状は、スリットの周縁部にホースバンドの内周面に形成される凹凸部を引っ掛けられるものであれば、形状は自由に構成されてよい。
【0063】
また、凸部18,18,…の形状や形成方法は、スリット58に引っ掛けられるものであれば形状や配置等は自由に構成されてよい。例えば、バンド部15に貫通孔19を打ち抜き形成する際に、バンド部15の内周面に形成されるバリを凸部18として用いてもよい。また、凸部18をスリット58の位置に合った位置にのみ配置するものであってもよい。また、バンド部15の先端15aを凸部18としてスリット58に引っ掛けるものであってもよい(
図3(a)参照)。
【0064】
また、スリットの軸方向の寸法は、回転軸とスリーブをホースバンドにより固定した際に、ホースバンドのバンド部の内周面に形成される凸部を引っ掛けられる位置に形成されていれば、例えば、第4外周面54の軸方向の寸法と同一寸法であってもよいし、第4外周面54の軸方向の寸法よりも小さくてもよい。
【0065】
また、緊締部材として、バンド形状のものを例に説明したが、その形状は問わず、線状であってもよい。