特許第6823635号(P6823635)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6823635
(24)【登録日】2021年1月13日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/24 20060101AFI20210121BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
   H05H1/24
   H01L21/302 101E
【請求項の数】16
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-220182(P2018-220182)
(22)【出願日】2018年11月26日
(65)【公開番号】特開2019-216081(P2019-216081A)
(43)【公開日】2019年12月19日
【審査請求日】2018年11月26日
(31)【優先権主張番号】62/684,226
(32)【優先日】2018年6月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】107130458
(32)【優先日】2018年8月31日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100159916
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 貴之
(72)【発明者】
【氏名】翁志強
(72)【発明者】
【氏名】蔡陳▲徳▼
(72)【発明者】
【氏名】丁嘉仁
(72)【発明者】
【氏名】徐瑞美
(72)【発明者】
【氏名】李祐昇
(72)【発明者】
【氏名】劉志宏
【審査官】 藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−176129(JP,A)
【文献】 特開2008−172168(JP,A)
【文献】 国際公開第98/032154(WO,A1)
【文献】 特開平07−226395(JP,A)
【文献】 特開2008−041355(JP,A)
【文献】 特開2016−028425(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00−1/54
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部電極と、
誘電材料により覆われる内蔵型電極を有し、接地されると共に駆動されて回転を行う下部電極と、
を備え、
前記上部電極は、前記上部電極の一面に凸設されると共にプラズマ源に接続される複数のポスト電極を含み、
前記上部電極の中央領域にはプラズマ欠乏領域を有し、
前記プラズマ欠乏領域内にはポスト電極がなく、
前記プラズマ欠乏領域の最外周から前記上部電極の外側リムまでの範囲内に複数の前記ポスト電極が設けられ、
前記複数のポスト電極により環状プラズマ分布領域が形成され、
前記プラズマ欠乏領域の最外周から前記上部電極の外側リムまでの範囲内にプラズマ処理領域が形成され
前記複数のポスト電極は円心に巻回されて複数のサークルの同心円を形成させ、
各サークルには少なくとも1つの前記ポスト電極が設けられ、
前記各サークルの前記ポスト電極により形成される円環状軌跡の外縁及びそれと隣接する円環状軌跡の内縁は少なくとも接触し、
前記複数のサークルのポスト電極の円環状軌跡により前記環状プラズマ分布領域が形成されることを特徴とする、
プラズマ処理装置。
【請求項2】
前記内蔵型電極は環状部材または少なくとも1つの円形部材であり、
前記内蔵型電極により形成される円環状軌跡の中央円形領域は前記プラズマ欠乏領域に対応し、
前記内蔵型電極により形成される円環状軌跡の直径は最外周に位置される前記ポスト電極により形成される円環状軌跡の外縁の直径以上となることを特徴とする、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記内蔵型電極は環状部材であり、その内縁の直径は最内周に位置される前記ポスト電極により形成される円環状軌跡の内縁の直径以下となることを特徴とする、
請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記内蔵型電極は環状に配置される複数の円形部材で構成されることを特徴とする、
請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記内蔵型電極の直径は事前処理された工作物の直径以上となることを特徴とする、
請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記上部電極は導電材質の本体を備え、
前記複数のポスト電極は前記本体の一面に設置され、
前記本体には第1冷却チャネルが設けられ、
各前記ポスト電極の軸方向の中央部には前記第1冷却チャネルに連通されて冷却経路を形成させる第2冷却チャネルが設けられることを特徴とする、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記プラズマ欠乏領域の範囲内には複数の通気孔が分布されることを特徴とする、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記上部電極と前記下部電極との間には反応シールドが設けられ、
前記反応シールドは、
環状を呈し、その内径は前記上部電極及び前記下部電極の外形より大きく、且つ少なくとも1つの通気孔が設けられるチャンバーと、
中空環状を呈し、前記チャンバーに連結される支持フレームと、
前記チャンバーを駆動させて前記支持フレームと同期で移動させる駆動装置と、
を備えることを特徴とする、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
前記上部電極の通気孔、前記上部電極と前記下部電極との間のプラズマ発生領域、前記チャンバーの通気孔、及び、前記チャンバーの内部には連通されるプロセスガス通路が形成されることを特徴とする、
請求項8に記載のプラズマ処理装置。
【請求項10】
前記上部電極の通気孔及び前記チャンバーの内部のうちの一方はプロセスガスのガス混合槽に接続され、他方は排ガス処理システムに接続されることを特徴とする、
請求項9に記載のプラズマ処理装置。
【請求項11】
前記チャンバーにはプロセスガスが前記チャンバーに出入りする方向を制御するためのバルブが設置されることを特徴とする、
請求項8に記載のプラズマ処理装置。
【請求項12】
前記駆動装置は前記チャンバーが第1方向に平行してプロセス位置と材料入出位置との間を往復移動するように制御を行い、
前記第1方向は前記ポスト電極の軸方向に平行になると共に水平面に垂直になり、
前記チャンバーが前記プロセス位置に位置される場合、前記チャンバーの下縁端及び前記下部電極の天井面が前記下部電極の天井面に水平になるかそれより高くなり、
前記チャンバーが前記材料入出位置に位置される場合、前記チャンバーの下縁端が下部電極の天井面より高くなることを特徴とする、
請求項8に記載のプラズマ処理装置。
【請求項13】
前記チャンバー及び前記支持フレームの材質は金属または誘電材料であることを特徴とする、
請求項8に記載のプラズマ処理装置。
【請求項14】
前記複数のポスト電極は誘電材料により覆われる導電材質であることを特徴とする、
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項15】
隣接する2つのサークルの前記同心円上の前記ポスト電極の数量は同じであることを特徴とする、
請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項16】
隣接する2つのサークルの前記同心円において、外サークルに位置される前記ポスト電極の数量が内サークルに位置される前記ポスト電極の数量より多いことを特徴とする、
請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ処理装置に関し、更に詳しくは、複数の工作物を同時に処理し、プラズマの均一性を高め、研磨処理プロセスにおける材料除去率を向上する高効率の大面積平面型大気圧プラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンベースパワー素子は材料の開発に制限があるため、高い周波数、高温、ハイパワー、高性能、劣悪な環境への耐性、携帯性等の市場の要求を満たせずにいた。炭化ケイ素(SiC)はワイドギャップ半導体材料であり、高い耐電圧性、高い飽和電子ドリフト速度、高い導熱係数等の物理特性を有し、ハイパワー及び高温半導体素子として使用するのに適合する。SiCは代表的な第3世代半導体材料であり、光電デバイス及びパワーエレクトロニクス機器を含む分野で広く応用されている。その傑出した半導体性能により、現代の工業分野で重要な革命的な機能を発揮し、応用可能性や市場での潜在的需要が極めて高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
炭化ケイ素チップは優れた材料特性を有するが、但し、炭化ケイ素はその硬度及び脆性(モース硬度9.25〜9.5のダイヤモンドに次ぐ超硬材料)のために、最後の研磨加工プロセスでは材料を1〜2マイクロメートル(μm)の深さで除去せねばならないが、この過程では従来の化学機械研磨(CMP)プロセスでは数時間から10時間以上の時間がかかり、ウェハー製造におけるボトルネックとなっており、処理コストが高くなった。このため、ウェハーの川上産業では大サイズ(直径≧4インチ)のSiCチップの研磨加工における材料除去率を高める方法を求めている。
【0004】
平面型の大気圧プラズマについて主に考慮しなければならない重点は、大気圧下でプラズマを発生させる場合、平面電極方式で設置されると2つの電極間の間隙が傾斜した場合に同じパラメーター条件ではパッシェンの法則(Paschen’s curves)に従って、プラズマが2つの電極間の間隔が狭い位置に自然に集中して発生し、発生後には再分布されなくなった。よって、大面積の大気圧電極を製造する場合、電極間の間隔の精度を制御するのが困難であった。
【0005】
そこで、複数の工作物を同時に処理可能にし、プラズマの均一性及び研磨処理プロセスの材料除去率を高める『プラズマ処理装置』を如何に提供するかが、関連する技術分野の者にとって解決を望む課題となっている。
【0006】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、プラズマ処理装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のプラズマ処理装置は、
上部電極と、誘電材料に覆われる内蔵型電極を有し、接地されると共に駆動されて回転を行う下部電極とを備え、上部電極は、上部電極の一面に凸設されると共にプラズマ源に接続される複数のポスト電極を含み、上部電極の中央領域にプラズマ欠乏領域を有し、プラズマ欠乏領域内にはポスト電極がなく、プラズマ欠乏領域の最外周から上部電極の外側リムまでの範囲内に複数のポスト電極が設けられ、複数のポスト電極により環状プラズマ分布領域が形成され、プラズマ欠乏領域の最外周から上部電極の外側リムまでの範囲内にプラズマ処理領域が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置の分解構成を示す概略図である。
図2】本発明のポスト電極の配置位置の実施形態を示する概略図である。
図3図1のA−A線に沿う断面の概略図である。
図4】本発明の冷却チャネルの実施形態を示する構成の概略図である。
図5】本発明の通気孔が複数のポスト電極の間に設置される実施形態を示す構成の概略図である。
図6】本発明の反応シールドの実施形態と上部電極、下部電極を上方から見た組み合わせ構成の概略図である。
図7図6のB−B線に沿う断面の概略図でり、反応シールドがプロセス位置に配置されるときの概略図である。
図8図6のB−B線に沿う断面の概略図でり、反応シールドが材料の出入り位置に配置されるときの概略図である。
図9】本発明の下部電極の実施形態を示する傾斜の分解概略図である。
図10】本発明の下部電極の他の実施形態を示する傾斜の分解概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術の範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0010】
本発明に係るプラズマ処理装置の実施形態は、上部電極10及び接地されると共に駆動されて回転を行う下部電極20を備える(図1参照)。上部電極10は上下移動を行い、すなわち、下部電極20に対して近付いたり離れたりする。上部電極10はプラズマ源及びプロセスガスを提供するために用いられる。下部電極20は工作物30の載置プラットフォーム及びプラズマ電源の接地電極として作用する。上部電極10と下部電極20との間の領域はプラズマ発生領域である。下部電極20は単独で大面積のプラズマ補助処理装置の接地電極となるか、或いは化学機械研磨装置と共に使用され、同時に化学機械研磨装置の研磨盤となる。
【0011】
図1及び図2に示すように、上部電極10の一面(すなわち、図示する上部電極10の底面)には複数のポスト電極111が設けられ、上部電極10の中央領域にはプラズマ欠乏領域13を有し、プラズマ欠乏領域13内にはポスト電極111がない。プラズマ欠乏領域13内にポスト電極が分布されないため、プラズマ欠乏領域13はメクラ板とするか、またはガス出入り孔が設けられる。プラズマ欠乏領域13の最外周R1から上部電極10の外側リムR2までのの範囲内に複数のポスト電極111が設けられ、複数のポスト電極111により環状プラズマ分布領域が形成される。すなわち、プラズマ欠乏領域13の最外周R1から上部電極11の外側リムR2までの範囲内にプラズマ処理領域が形成される。上述の環状プラズマ分布領域及びプラズマ処理領域は共に工作物30が載置される範囲をカバーし、例えば、図示される工作物30は円形を呈し、上述の環状プラズマ分布領域及びプラズマ処理領域の径方向幅が少なくとも工作物30の直径に等しくなる。
【0012】
図2は本発明のポスト電極の配置方法を示し、図は例を説明するためにすぎず、図示される数量及びサークル数に制限するものではない。ポスト電極111は誘電材料に覆われる導電材質である。複数のポスト電極111は円心に巻回されて複数のサークルC1〜C9の同心円を形成させ、各サークルには少なくとも1つのポスト電極111が設けられる。図中の各ポスト電極111内の数字は存在するサークルを表し、各サークルC1〜C9に位置されるポスト電極111を識別しやすくする。隣接する2つのサークルの同心円上のポスト電極111の数量は同じであり、例えば、第1サークルC1及び第2サークルC2には共に3つのポスト電極111が設けられ、第6サークルC6及び第7サークルC7には共に4つのポスト電極111が設けられ、第8サークルC8及び第9サークルC9には共に5つのポスト電極111が設けられる。または、隣接する2つのサークルの同心円は、外サークルに位置されるポスト電極111の数量が内サークルに位置されるポスト電極111の数量よりも多く、例えば、第5サークルC5には3つのポスト電極111が設けられる。各サークルのポスト電極により形成される円環状軌跡の外縁とこれに隣接する円環状軌跡の内縁とは少なくとも接触し、例えば、第1サークルC1及び第3サークルC3のポスト電極111の直径は同じであり、且つ第1第1サークルC1及び第3サークルC3の径方向の距離はポスト電極111の直径に等しく、或いは、第1サークルC1及び第3サークルC3の径方向の距離がポスト電極111の直径以下でもよく、他も同様である。第1サークルC1乃至第9サークルC9のポスト電極111の円環状軌跡により環状プラズマ分布領域が形成される。
【0013】
各サークルのポスト電極の数量については、以下の数式の通りとなる。
(前記サークルの直径×円周率)/基数
得られた値を四捨五入して整数の値とする。
基数は以下の数式で決定する。
(修正後の某サークルの各ポスト電極が負担する円周の長さ-基数)/基数×100%
この後に各サークルの円周の長さの差異が最小のものを選ぶ。例えば、基数が80及び100に設定される場合、最大の誤差率〜9.2%となる(ポストの数はそれぞれ112、91)。
【0014】
処理面積の拡充を考慮する場合、外層のポスト電極の数量も追随して増加し、最小誤差解のポスト電極数が多くなりすぎる。このため、誤差率を大きくし、例えば、円周の長さの誤差率を〜10%とし、但し、誤差率が大きくなってなければ総ポスト電極数は低くなる。例えば、基数を110に設定する場合、最大誤差率が〜10%となり、総ポスト電極数が82個となる。
【0015】
基数が異なる場合、総ポスト電極数の影響は下記の通りとなる。
基数が70である場合:
【表1】
【0016】
基数が100である場合:
【表2】
【0017】
基数が130である場合:
【表3】
【0018】
次に、ポスト電極の位置の設計について、上述の各サークルのポスト電極数が得られた後、エクセルの乱数関数rand()×360を用いて角度変化をランダムに生成し、各サークルの1個目のポスト電極の分布角度を決定し、前記サークルの2個目乃至n個目のポスト電極を平均的に分布する。例えば、第1サークルが3つのポスト電極を有する場合、間隔は360/3=120となる。第3サークルが4つのポスト電極を有する場合、間隔は360/4=90となり、他も同様となり、角度が360度以上の場合は修正を行う(360度減らす)。乱数を取得する際、隣接する2つのサークルの間隔がポスト電極の直径より小さい場合、再度乱数を取得し、重複する部分がある場合、状況を見ながら全サークルを移動させるか単一のみ移動させる。ポスト電極のパターン配列は全面に均一に分布する必要があり、規則的な図形となるのを避ける。規則的なパターン(例えば、各サークルのポスト電極が同一の放射状線上に配列される)は処理欠乏領域を分布形成させるため、ポスト電極はこのような前記処理欠乏領域の形成を避けるように調整する必要がある。
【0019】
上述のポスト電極の調整の実際の検証データとして、下記の表を参照する。これは基数が110の場合を例として計算した各サークルのポスト電極数及びポスト電極の分布位置を表す。
【表4】
【0020】
次いで、数式を用いてポスト電極の位置の設計を決定する。サークル内のポスト電極数が同じ場合、第Xサークル及び第X+1サークルのポスト電極の分布挟角の間隔の計算法は下記の通りとなる。
360/2n (nはXサークル及びX+1サークルのポスト電極の個数);
ここでは、nが基数である場合、負符号を選択し、nが偶数である場合、正符号を選択する。
【0021】
各サークルのポスト数が360度均一に分布される前提の下、サークルとする電極が分布される。即ち、ポスト電極の数量が3である場合、分布間隔を360/3=120度として計算する。第1サークル及び第2サークルのポスト数が共に3であれば、第1サークル及び第2サークルのポスト電極の配列の差異角度が:360/(2×-3)=-60となる。仮に第1サークルのポスト電極が0、120、240度の位置に設置される場合、第2サークルのポスト電極は第1サークルの1個目のポスト電極が0度となるのを基準とし、ポスト電極の間隔が360/3=120となる前提の下、(0(360)-60)300、(300+120)60、(60+120)180(円の角度の概念は、1サークル=360度、320+120=440がサークルを超えるため、440-360=60となる)に設置される。
【0022】
x及びx+1サークルのサークル数が異なる場合、使用される計算式は下記の通りである。
(360/n-360/n+1);
ここでは、nが基数である場合、括弧前方は負符号を選択し、nが偶数である場合、括弧前方は正符号を選択する。
(360/n-360/n+1)<10である場合、下記の数式に変更する:
(360/n-360/n+1)×n/2;
ここでは、nが基数である場合、括弧前方は負符号を選択し、nが偶数である場合、括弧前方は正符号を選択する。
【0023】
よって、第3サークルの第1点が60-(360/3-360/4)=30である場合、第3サークルは、30、120、210、300と分布される。第4サークル及び第3サークルの凸点数が同じである場合、第1点の間隔=30+360/(2×4)=75となり、即ち、第4サークルが、75、145、235、325と分布される。
【0024】
上述の数式の計算により得られるポスト電極の各点の分布は下記の通りである:
【表5】
【0025】
以上を総合すると、本発明のポスト電極の分布は原則的に以下の通りになる。
ポスト電極が分布される環状領域内の隣接する2つのサークルのポストの数量は内外のサークルが同じとなるか、または外サークルが内サークルよりも多くなる。全体的には、ポストの個数は内サークルから外サークルにかけて増加する。
隣接する2つのサークルの同心円は、外サークル及び内サークルの直径の差異が最多でもポスト電極の直径の2倍を超えず、内外のポスト電極が少なくとも接触する。但し、好ましい設計では、ポスト電極の直径の2倍よりもやや小さく、ポストの内外のサークル電極処理領域が部分的に重複する。
【0026】
内から外にかけての各サークルのポスト電極の数量の規則は以下の通りである。
最小誤差解:「基数」を選択後に各サークルの円周の長さの差異が最小のものを計算する;
(1)円周の長さの誤差を取り除く計算法:誤差(各サークルのポスト数が負担する円周の長さ-基数)/基数×100%;
(2)ポスト数の設置を考慮した次善解:ポスト数の総数量が多くなることを考慮し、処理面積の拡充を考慮すると外層のポスト数の数量も追随して増加し、次善解(円周の長さの誤差率〜10%、但し、総ポスト数が誤差率の最良解の次善解より少なくなる)を選択する。
【0027】
ポスト電極の分布方法は原則的に下記の通りとなる:
(1)各サークルのポスト電極が平均的に分布される;即ち、分布間隔が360度/nとなり、nは前記サークルのポスト電極の数量に等しい。
(2)隣接する2つのサークルのポスト電極は同一の角度の延伸線上に位置しないようにし、内外のサークルの間隔が直径の2倍以下の場合、部分的に重複する。
(3)ポスト電極の分布は某サークルの某基準点を設定し、某定値移動角度を加え、乱数により第1点の分布角度を獲得する方式、カスタム数式を代入する方式(数式は唯一のものではない)、及び人工的に分布する方式にて行われる;
(4)乱数により1個目の点を定める場合、隣接する2つのサークルの間隔がポスト電極の直径以下であれば、乱数を再取得する(ポスト電極の重複を避ける);
(5)ポスト電極は全盤面に向けて均一に分布し、規則的な図形が形成されないようにする必要がある。
【0028】
隣接するサークルの重複の解決方法は下記の通りである:
(1)内サークルまたは外サークル全体のポスト電極の設定と同時に一角度移動させる;
(2)残りの点は不動とし、重複点の移動により前記隣接する2つの点をずらす(円心から円心までの距離を少なくともポスト電極の直径に等しくする)。
【0029】
図1及び図3に示すように、上部電極10は導電材質の本体11及び誘電材料の筐体12を備える。本体11の一面(すなわち、図示本体11の底面)には複数のポスト電極111が設けられ、ポスト電極111は上部電極10の本体11の一面に凸設されると共にプラズマ源に接続される。各ポスト電極111は全て円柱体であり、その軸方向の端部は下部電極20に向けられる。図3に示すように、ポスト電極111及び前記本体11は一体成形されるほか、連結部材により固定される方式によりポスト電極111と前記本体11とが結合される。例えば、ポスト電極111の上部には本体11に進入した後にC形リングに固定される凸部が設けられる。各ポスト電極111には誘電材料のポスト電極ソックス112が覆設される。筐体12は複数のポスト電極111に対応する位置に複数の第1孔121が設けられ、本体11は筐体12に内設され、ポスト電極ソックス112が覆設される複数のポスト電極111は対応する第1孔121から筐体12の外に突出する。上部電極10のプラズマ欠乏領域13の範囲内には複数の通気孔122が分布される。本体11の複数のポスト電極111が設けられる面にはセラミック片やテフロン(登録商標)片等の誘電材料のスペーサー板113が設置される。本体11には複数のポスト電極111が設けられる面(すなわち、図示本体11の天井面)に対して第1冷却チャネル114及び第1流体入口116が設けられる。各ポスト電極111の軸方向の中央部には第1冷却チャネル114に連通されて冷却経路を形成させる第2冷却チャネル117が設けられる。
【0030】
また、図3及び図4に示すように、第1冷却チャネル114は連続する流路であり、流入端1141及び排出端1142を有する。本体11には複数のポスト電極111が設けられる面に対して第1冷却チャネル114を被覆させる導電材質の第1カバープレート115が設けられる。第1カバープレート115には流体入口1151、流体出口1152、及び第2流体入口1153が設けられ、第2流体入口1153は第1流体入口116を介して通気孔122に連通される。冷却液は流体入口1151から流入端1141に進入し、排出端1142から流体出口1152を経由して第1冷却チャネル114に流出する。また、筐体12は誘電材料の第2カバープレート123を有し、第2カバープレート123は筐体12の複数のポスト電極111が設けられる面に対して設置され、且つ第1カバープレート115を被覆させる。第2カバープレート123が密封させた後、第1冷却チャネル114及び第2冷却チャネル117により密閉される循環流路が形成され、上部電極10に流体が導入されて冷却され、上部電極10の温度が維持される。
【0031】
図5は通気孔122が複数のポスト電極111間に設置されてガスを導入する実施形態の構造を示す。図3に示す通気孔122がプラズマ欠乏領域13の範囲内に設置される実施形態とは異なる。
【0032】
また、図1及び図5に示すように、上部電極10は導電材質の本体11及び誘電材料の筐体12を備える。本体11の一面(すなわち、本体11の底面に図示される)には複数のポスト電極111が設けられ、ポスト電極111は上部電極10の本体11の一面に凸設されると共にプラズマ源に接続される。各ポスト電極111は全て円柱体であり、その軸方向の端部は下部電極20に向けられる。図5に示すように、ポスト電極111及び前記本体11は一体成形されるほか、連結部材による固定方式によりポスト電極111及び前記本体11が結合されてもよい。例えば、ポスト電極111の上部には本体11に進入した後にC形リングに固定される凸部が設置される。各ポスト電極111には誘電材料のポスト電極ソックス112が覆設される。筐体12は複数のポスト電極111に対応する位置に複数の第1孔121が設けられる。本体11は筐体12に内設され、ポスト電極ソックス112が覆設される複数のポスト電極111は対応する第1孔121から筐体12の外に突出する。複数のポスト電極111間には複数の通気孔122が分布される。本体11の複数のポスト電極111が設けられる面にはセラミック片、テフロン(登録商標)片等の誘電材料のスペーサー板113が設置される。本体11の複数のポスト電極111が設けられる面(すなわち、本体11の天井面に図示される)には第1冷却チャネル114及び第1流体入口116が設けられる。各ポスト電極111の軸方向の中央部には第1冷却チャネル114に連通されて冷却経路を形成させる第2冷却チャネル117が設けられる。
【0033】
図4及び図5に示すように、第1冷却チャネル114は連続する流路であり、流入端1141及び排出端1142を有する。本体11の複数のポスト電極111が設けられる面に対して第1冷却チャネル114を被覆させる導電材質の第1カバープレート115が設置される。第1カバープレート115には流体入口1151、流体出口1152、及び第2流体入口1153が設けられる。冷却液は流体入口1151から流入端1141に進入し、排出端1142から流体出口1152を経て第1冷却チャネル114に流出する。プロセスガスは外部から第2流体入口1153及び第1流体入口116を通過させた後、複数の通気孔122をそれぞれ経由して筐体12に流出し、且つ上部電極10と下部電極20との間のプラズマ発生領域に流れ込む。また、筐体12は誘電材料の第2カバープレート123を有し、第2カバープレート123は筐体12の複数のポスト電極111が設けられる面に対して設置されると共に第1カバープレート115を被覆させる。第2カバープレート123が密封させた後、第1冷却チャネル114及び第2冷却チャネル117により密閉される循環流路が形成され、上部電極10に流体が導入されて冷却され、上部電極10の温度が維持される。
【0034】
ちなみに、上述の実施形態に採用される誘電材料の筐体12、誘電材料のポスト電極ソックス112、誘電材料のスペーサー板113、及び誘電材料の第2カバープレート123は、各ポスト電極111がプラズマを均一に励起させるために作用し、且つプラズマ発生時に、帯電粒子が導電電極を直接爆撃して電弧放電が発生し、電極を損傷するのを防ぐ。然しながら、この目的を達成するために採用される技術手段はこれに限られず、例えば、筐体12及びポスト電極ソックス112が結合されて全体が上部電極10及びポスト電極111を覆う誘電材料としてもよい。また、図1乃至図5には上部電極の立体、仰視、断面構造をそれぞれ示し、これは概略図にすぎず、等比例で描写するわけではない。
【0035】
なお、図6及び図7に示すように、上部電極10と下部電極20との間には反応シールド40が設置され、反応シールド40はチャンバー41と、支持フレーム42と、駆動装置43とを備える。チャンバー41は環状を呈し、その内径は上部電極10及び下部電極20の外形より大きく、チャンバー41には少なくとも1つの通気孔411が設けられる。チャンバー41には、チャンバー41へのプロセスガスの進出方向を制御するためのバルブ(図示せず)が設けられる。チャンバー41の材質に制限はなく、金属または誘電材料でもよい。支持フレーム42はチャンバー41の上部に設置され、支持フレーム42は中空環状を呈し、上部止め板として用いられる。支持フレーム42の材質に制限はなく、金属または誘電材料でもよい。駆動装置43はチャンバー41に接続され、チャンバー41及び支持フレーム42を駆動させて同期で移動させる。
【0036】
図3及び図7に示すように、第2流体入口1153、第1流体入口116、上部電極10の通気孔122、上部電極10と下部電極20と間のプラズマ発生領域、チャンバー40の通気孔411、及びチャンバー41の内部には連通されるプロセスガス通路が形成され、これにより、第2流体入口1153がプロセスガスのガス混合槽に接続され、チャンバー41が排ガス処理システムに連通されると、プロセスガスが第2流体入口1153に導入され、第1流体入口116、上部電極10の通気孔122、上部電極10と下部電極20との間のプラズマ発生領域、チャンバー40の通気孔411、及びチャンバー41の内部を流れた後、排ガス処理システムに排出される。この際、通気孔122は送気口となり、通気孔411は吸気口となる。プロセスガスの流動方向は図3及び図7の矢印の頭の方向によって示す。
【0037】
反対に、チャンバー41がプロセスガスのガス混合槽に連通され、第2流体入口1153が排ガス処理システムに接続されると、プロセスガスがチャンバー41内部に導入され、チャンバー40の通気孔411、上部電極10と下部電極20との間のプラズマ発生領域、上部電極10の通気孔122、第1流体入口116、及び第2流体入口1153を流れた後、排ガス処理システムに排出される。チャンバー41のバルブによりチャンバーへのプロセスガスの進出方向が制御され、この際、通気孔411が送気口となり、通気孔122が吸気口となる。プロセスガスの流動方向は図3及び図7に示す矢印の頭の方向とは反対となる。
【0038】
図7及び図8に示すように、駆動装置43によりチャンバー41が第1方向F1に平行してプロセス位置(図7に示す位置)と材料入出位置(図8に示す位置)との間を往復移動するように制御され、チャンバー41の内側面には上部電極10の外側縁に接触する複数のローラー412が設置され、反応シールド40を上下移動するように案内するために用いられる。第1方向F1はポスト電極111の軸方向X1に平行になると共に水平面に垂直になる。図7に示すように、チャンバー41がプロセス位置に位置される場合、チャンバー41の下縁端及び下部電極20の底面が接触するか下部電極20の底面よりも低くなる。図8に示すように、駆動装置43によりチャンバー41が上に持ち上げられ、チャンバー41が材料入出位置に位置される場合、チャンバー41の下縁端が下部電極20の天井面よりも高くなり、下部電極20がプラズマ処理領域から移動されてプラズマ処理を行う新たな工作物30と置換され、その後駆動装置43によりチャンバー41が図9に示すプロセス位置まで下降され、工作物30のプラズマ処理が行われる。
【0039】
本発明に設置される反応シールド40の作用は以下の通りである。
(1)上部電極と下部電極との間の空間を覆い、ガスの組成成分を安定させ、外界のガスの影響を受けないようにする。
(2)通気及び吸気のための孔を有し、プロセスの終了後に残留する反応ガスを高速に置換させる。
(3)入出される材料が互いに干渉しないようにするためのガイド装置を備える。
(4)ガスガイド孔(または吸気孔)が設置されてプロセスガスの導入方式が変更される。この方式が使用される場合、通気孔122が省略される。
【0040】
図9に示す実施形態を参照すると、下部電極20は、載置体21と、カバー23と、内蔵型電極22とを備える。内蔵型電極22は環状部材であり、載置体21及びカバー23は誘電材料であり、内蔵型電極22がその間に挟まれると共に内蔵型電極22の外が被覆される。
【0041】
図2及び図9に示すように、内蔵型電極22により形成される円環状軌跡の中央円形領域はプラズマ欠乏領域13に対応し、内蔵型電極22により形成される円環状軌跡の直径D1は最外周に位置されるポスト電極111により形成される円環状軌跡の外縁の直径D2以上であり、内蔵型電極22により形成される円環状軌跡の内縁の直径の円環状軌跡の直径D3(すなわち、内蔵型電極22の内縁の直径)は最内周に位置される前記ポスト電極111により形成される円環状軌跡の内縁の直径D4以下である。ちなみに、本実施形態において内蔵型電極22が環状部材として設計される理由は、上部電極10のプラズマ欠乏領域13にプラズマが発生しないため、下部電極20を上部電極10のプラズマ欠乏領域13の位置に対応させて下部電極を設置不要にし、コストを節約するためである。換言すれば、コストを考慮しなければ内蔵型電極22を円形部材として設置してもよい。
【0042】
図10に示すように、下部電極20Aは載置体21Aと、3つのカバー23Aと、3つの内蔵型電極22Aとを備える。内蔵型電極22Aは円形部材であり、載置体21A及びカバー23Aは誘電材料であり、内蔵型電極22Aがその間に挟まれると共に内蔵型電極22Aの外を被覆させる。然しながら、内蔵型電極22Aの数量は3つに限られない。
【0043】
また、図2及び図10に示すように、内蔵型電極22Aにより形成される円環状軌跡の中央円形領域はプラズマ欠乏領域13に対応し、内蔵型電極22Aにより形成される円環状軌跡の直径D5は最外周に位置されるポスト電極111により形成される円環状軌跡の外縁の直径D2以上であり、内蔵型電極22Aにより形成される円環状軌跡の内縁の直径の円環状軌跡の直径D6は最内周に位置される前記ポスト電極111により形成される円環状軌跡の内縁の直径D4以下である。内蔵型電極22Aの直径D7は処理する工作物30の直径D8以上である。
【0044】
本実施形態において内蔵型電極22Aが円形部材として設計され、工作物を内蔵型電極22Aが設置される位置に載置するのみでよくなる(図1参照)。よって、図9に示す実施形態と比較すると、本実施形態では下部電極の製造コストが更に低下する。また、使用者が内蔵型電極22Aの設置数を決めることができる。例えば、図10に示すように3つの内蔵型電極22Aを設置してもよく、1つや2つでもよい。3つの内蔵型電極22Aが設置される場合、毎回1つ、2つ、または最多で3つの工作物を処理可能になる。2つの内蔵型電極22Aが設置される場合、必要に応じて毎回1つまたは2つの工作物を処理可能になる。工作物が内蔵型電極の対応位置に載置されなければプラズマが発生しないため、パワーの消耗が低減する。
【0045】
図9及び図10は本発明の内蔵型電極が単一の環状部材または複数の円形部材で構成され、電極の凸部が恒久的または間歇的にプラズマを発生させるのを示す。
【0046】
上述の設計原則により、本発明のプラズマ欠乏領域13の設置基準は以下の通りとなる。
(1)下部電極20のサイズを確認し、例えば、直径が355mmであるか、或いは他のサイズを確認する
(2)処理する工作物20のサイズを確認し、例えば、直径が4インチのウェハーであるか、或いは他のサイズの工作物であるか等を確認する。
(3)最外層のポスト電極111の分布が内蔵型電極22、22Aの分布の外周と等しいかやや大きくなる。
(4)最内層のポスト電極111の分布が下部電極20と等しいかやや小さくなる。
【0047】
以上を総合すると、本発明のプラズマ処理装置は、硬脆材料(例えば、炭化ケイ素、silicon carbide)に用いられて研磨効率を向上させる大面積の大気圧プラズマ処理装置であり、プラズマによりガスが発生させる反応物と硬脆材料表面に発生する物理及び化学反応とを解離させ、表面の改質を行うか、または揮発物を形成させて表面から除去する効果を達成させ、機械化学研磨において加工が難しい硬脆材料表面の研磨プロセスにおける除去効率が低すぎることによる加工コストの高騰という問題を解決させる。なお、本発明は、ポスト電極が配列されることで環状プラズマ処理領域域が構成される非対称のポスト構造分布を有する上部電極と、内蔵型電極の設計が上部電極の環状プラズマ処理領域に適合するように設置される内蔵型電極を有する下部電極とを備える。高い周波数のプラズマ源(例えばRF)が上部電極で励起されると、上部電極の凸部構造及び下部電極の内蔵型電極に対応する箇所でプラズマが発生する。下部電極は回転動力を提供する装置に接続され、回転速度の調整に用いられる。下部電極の回転が起動されると、上部電極の環状領域のポスト電極が分布される設計であり、プラズマの処理範囲は全処理面を含み、複数の工作物(例えば、複数枚のSiCウェハー)の同時処理の目的を達成させる。本発明で使用されるプラズマシステムは大気圧中で発生し、大面積であり、真空チャンバーが不要であり、但し、上部電極と下部電極との間に移動式の反応シールドが設置されて外界環境の干渉が低減し、プロセス完成後にプロセスガスが高速に抽出される。
【0048】
また、本発明は大気圧環境で乾式処理を行い、機械化学研磨設備と統合しやすい。実験による検証の結果、市販の4インチの炭化ケイ素硬脆ウェハー材料の研磨除去効率(現段階で最も良い)は0.23から1.51um/hrまで向上した(657%向上)。
【0049】
上述の実施形態は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0050】
10:上部電極
11:本体
111:ポスト電極
112:ポスト電極ソックス
113:スペーサー板
114:第1冷却チャネル
1141:流入端
1142:排出端
115:第1カバープレート
1151:流体入口
1152:流体出口
1153:第2流体入口
116:第1流体入口
117:第2冷却チャネル
12:筐体
121:第1孔
122:通気孔
123:第2カバープレート
13:プラズマ欠乏領域
20:下部電極
20A:下部電極
21:載置体
21A:載置体
23:カバー
23A:カバー
22:内蔵型電極
22A:内蔵型電極
30:工作物
40:反応シールド
41:チャンバー
411:排気孔
412:ローラー
42:支持フレーム
43:駆動装置
C1:サークル
C2:サークル
C3:サークル
C4:サークル
C5:サークル
C6:サークル
C7:サークル
C8:サークル
C9:サークル
D1:直径
D2:直径
D3:直径
D4:直径
D5:直径
D6:直径
D7:直径
D8:直径
F1:第1方向
R1:外周
R2:外側リム
X1:軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10