【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、独立請求項のそれぞれの対象によって解決される。本発明の有利な構成がそれぞれの従属請求項の対象である。
【0008】
一態様によれば、駐車場内の通行を制御する方法であって、
駐車場を複数の区画に分割するステップ、
1つ以上の周辺認識センサによって複数の区画を検出するステップであって、検出に対応する周辺認識センサデータを決定するステップ、
周辺認識センサデータに基づいて複数の区画のそれぞれの占有状態を決定するステップ、
決定した占有状態に基づいて駐車場内の通行を制御するステップ、
を含む方法が提供される。
【0009】
別の一態様によれば、駐車場内の通行を制御するための装置が提供され、装置は駐車場内の通行を制御する方法を実施するように構成されている。
【0010】
別の一態様によれば、自動車のための駐車場が提供され、駐車場は、駐車場内の通行を制御するための装置を含む。
【0011】
別の一態様によれば、コンピュータプログラムであって、このコンピュータプログラムがコンピュータで実施された場合に駐車場内の通行を制御する方法を実施するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提案される。
【0012】
本発明は、駐車場を複数の区画に分割し、通行の参加者がどこに位置するのかまで駐車場の区画のそれぞれの占有状態を効率的に監視することができ、通行を制御するための基礎として監視を利用することができることによって上記課題を解決することができるという認識に基づいている。
【0013】
特に、区画に分割することにより、特に区画を効率的に監視することができるという技術的利点が得られる。物体が区画から離れるか、または区画に関わるか、もしくは区画を通行するかを検出するためには、例えば光電センサによって、例えば区画の縁部を検出すれば十分である。
【0014】
さらに区画に分割することにより、区画の方が自動車の周囲の範囲全体を監視するよりも一般に容易に監視できるという利点が得られる。例えば光電センサによって、区画全体の代わりに、区画の境界のみを監視すれば十分な場合もある。したがって、区画を監視するために、間隔を測定するセンサ、例えばレーダセンサまたは超音波センサだけでなく、他のセンサ、ここでは例えば光電センサを使用することができる。
【0015】
さらに区画ユニット内で不可欠な計算を行うことができ、物体と自動車と間隔は必ずしも必要とされない。
【0016】
本発明の範囲では駐車場は駐車平面と呼ぶこともでき、自動車を止めておく平面としての役割を果たすことができる。したがって、駐車場は、特に複数の駐車スペース(私有地の駐車場の場合)を有する関連した平面または顧客駐車場(公有地の駐車場の場合)を形成する。駐車場は、一実施形態によれば立体駐車場として形成されている。駐車場は、一実施形態によればガレージとして形成されている。
【0017】
一実施形態によれば、周辺認識センサデータに基づいて複数の区画のうちの1つ以上の区画のそれぞれの占有状態が予測され、さらに予測されたそれぞれの占有状態に基づいて通行が制御される。
【0018】
これにより、特に、将来の占有状態のための予想(予測)が通行制御のための基礎として使用される場合に通行を効率的に制御することができるという技術的な利点がもたらされる。
【0019】
予測は、一実施形態によれば、周辺認識センサによって検出された物体の移動が予測されることを含む。例えば、予測は、周辺認識センサによって検出された物体の移動特性が作成または決定されることを含む。
【0020】
すなわち、特に物体の移動が所定時間にわたって予測される。
【0021】
例えば、予測は、現在は占有されている特定の区画が、予測に基づいて決定された時間、例えば30秒以内に空くという情報が出されることを含む。
【0022】
この情報に基づいて、一実施形態によれば、通行制御、すなわち通行の制御が行われる。
【0023】
すなわち、特に、1つ以上の区画のそれぞれの占有状態の予測は、一実施形態によれば、区画が現在は占有されている場合にこの区画がいつ再び空くかが決定されることを含む。この情報、すなわち特に現在は占有されている区画が再び空く時点が、特に通行を制御するために使用される。
【0024】
すなわち、特に、1つ以上の区画のそれぞれの占有状態の予測は、一実施形態によれば、区画が現在は空いている場合にこの区画がいつ再び占有されるかが決定されることを含む。この情報、すなわち特に現在は空いている区画が再び占有される時点が、特に通行を制御するために使用される。
【0025】
一実施形態によれば、1つ以上の周辺認識センサは、駐車場内に位置する自動車内の1つ以上の周辺認識センサおよび/または駐車場の1つ以上の周辺認識センサを含むように構成されている。
【0026】
これにより、特に区画を効率的に監視できるという技術的な利点がもたらされる。
【0027】
すなわち、特に駐車場内に位置する自動車の1つ以上の周辺センサによって、例えば複数の区画のうちの1つ以上の区画が検出または監視される。このような自動車は、例えば止められている、すなわち、特に駐車している自動車か、または、例えば駐車場内を走行している自動車である。駐車場内を走行する自動車は、例えば人間の運転者によって運転される自動車または運転者なしに走行する自動車、例えば遠隔制御される自動車、または自律走行自動車である。
【0028】
すなわち、特に1つ以上の区画が、駐車場のインフラストラクチャに属する1つ以上の周辺認識センサによって監視される。
【0029】
例えば、駐車場のインフラストラクチャ要素、例えば柱、壁または天井に周辺認識センサが配置されている。
【0030】
特に駐車場の周辺認識センサおよび自動車の周辺認識センサの両方が区画を検出するために使用される場合には、特に区画の正確な検出、特に区画、および最終的には駐車場の正確な監視を行うことができる。
【0031】
例えば、一実施形態によれば、装置は通信網を介して自動車の1つ以上の周辺認識センサの周辺認識センサデータを受信するように構成されている。すなわち、特に駐車場内に位置する自動車は、1つ以上の自身の周辺認識センサによって自身の周辺を検出し、対応する周辺認識センサデータを装置に送信する。
【0032】
一実施形態によれば、この装置は、駐車場内に位置する自動車の周辺認識センサデータを受信するように構成された通信インターフェイスを含む。
【0033】
一実施形態によれば、本発明の範囲では通信網は移動通信網および/またはWLAN通信網を含む。
【0034】
一実施形態では、さらに1つ以上の区画のそれぞれの占有状態履歴に基づいて通行が制御され、占有状態履歴は、過去におけるそれぞれの区画の占有状態を示す。
【0035】
これにより、特に、通行を効率的に制御することができるという技術的な利点がもたらされる。例えば、それぞれの占有状態履歴に基づいて、ある区画が未来の特定のどの時点で占有されているか、または占有されていないかが決定される。
【0036】
例えば、一実施形態によれば、それぞれの占有状態履歴に基づいて上述のように予測が行われる。
【0037】
これにより、特に、予測を効率的に行うことができるという技術的な利点がもたらされる。
【0038】
区画の占有状態履歴は、特に、過去の特定の時点、すなわち過ぎ去った1つの時点における区画の占有状態を表す。
【0039】
占有状態履歴に基づいて、例えば、1つ以上の区画のそれぞれの将来の占有状態についての確率が決定される。例えば、占有状態履歴に基づいて、特定の日もしくは特定の時間に特定の区画が特定の確率で占有されていること、または占有されていないことが決定される。例えば、占有状態履歴に基づいて、特定の日もしくは特定の時間に特定の区画に隣接するドアまたは門が特定の確率で開かれること、例えば3分毎に開かれることが決定される。上述のそれぞれの決定の結果は、好ましくは通行を制御するために使用される。
【0040】
一実施形態によれば、通行の制御は、1つ以上のパラメータを使用せずに行われ、該1つ以上のパラメータは、メタデータ、特に検出された自動車の高さおよび/または幅および/または長さおよび/または種類、検出された物体の種類、検出された2つの物体の間の間隔である。
【0041】
これにより、特に、計算コストに関して特に効率的に制御を行うことができるという技術的な利点がもたらされる。したがって、例えば計算時間を効率的に節約することができる。
【0042】
通行の制御に1つ以上のパラメータが使用されないことは、特に通行を制御するためにこれらのパラメータが考慮されないことを意味する。すなわち、これらのパラメータはそれぞれの計算に組み込まれない。
【0043】
検出される物体の種類は、例えば自動車、歩行者、自転車運転者、または動物である。
【0044】
すなわち、検出された物体は分類される。
【0045】
特に、検出された2つの物体の間の間隔を制御のために使用しない場合には、好ましくは対応する間隔の決定も行わなくてよい。このような決定のためには、一般に物体との距離を決定することができる周辺認識センサが不可欠である。このような周辺認識センサは、例えばレーダセンサまたは超音波センサである。
【0046】
したがって、区画を監視するために、距離測定を可能にしない周辺認識センサを使用することもできる。このような周辺認識センサは、例えば光電センサまたは圧力センサである。したがって、区画を監視するために好ましくは複数の異なるセンサ技術を使用することができる。
【0047】
一実施形態では、区画のそれぞれの占有状態のみに基づいて通行が制御される。
【0048】
これにより、特に、通行を効率的に制御することができるという利点がもたらされる。特に、対応する計算時間を効率的に節約することができる。したがって、例えば、好ましくは予期しない出来事にも効率的に短い対応時間で対処することができる。
【0049】
これにより、例えば衝突リスクを低減することができる。
【0050】
区画のそれぞれの占有状態のみに基づいて通行が制御されることは、好ましくは区画の占有状態のみを決定すればよいことを可能にする。すなわち、特に一実施形態によれば、周辺認識センサに基づいて区画の占有状態のみが決定される。したがって、区画が占有されているか、または占有されていないかについての情報のみが提供される。しかしながら、例えば区画を占有している物体がどのくらいの大きさの物体であるのか、または区画を占有している物体がどのような種類の物体であるのかについての情報は提供されない。
【0051】
しかしながら、通行を効率的に制御するためには、原則的に区画の占有状態を認識し、使用すれば十分である。ある区画に特定の寸法をもつ特定の自動車が位置しているという情報は、原則的には通行を効率的に制御するために不可欠ではなく、一般に通行を制御するために不可欠なそれぞれの計算を長く複雑なものにする。
【0052】
一実施形態によれば、複数の区画のうちの1つ以上の区画は、それぞれ駐車場のレーンの幅を備える。
【0053】
一実施形態では、複数の区画のうちの1つ以上の区画はそれぞれ0.75m〜1.5mの長さ、特に1mの長さを備えている。
【0054】
これにより、特に駐車場のレーンを効率的に監視でき、さらにこのレーン内の通行を効率的に制御することができるという技術的な利点がもたらされる。
【0055】
レーンは、例えば境界線、例えば破線の境界線によって周辺から区切られている。
【0056】
一実施形態によれば、複数の区画のうちの1つ以上の区画はそれぞれ1つの駐車スペース、特に駐車帯に対応している。
【0057】
これにより、特に、駐車スペース、特に駐車帯を効率的に監視することができるという技術的な利点がもたらされる。
【0058】
駐車スペース、特に駐車帯は、例えば1つ以上の線、特に破線によって周辺から区切られている。
【0059】
一実施形態によれば、区画はそれぞれ、長方形、正方形、円形、楕円形のいずれかの形状を備える。
【0060】
このような形状の多様性によって、特に、駐車場を効率的に分割することができるという利点がもたらされる。
【0061】
一実施形態では、1つ以上のパラメータに依存して区画のそれぞれの大きさが選択され、該1つ以上のパラメータは、周辺認識センサの数、1つ以上の周辺認識センサの検出精度、検出された物体の物体速度である。
【0062】
これにより、特に、区画のための大きさを効率的に選択することができるという技術的な利点がもたらされる。
【0063】
一実施形態によれば、複数の区画は異なるように、または同一に構成されている。したがって、例えば複数の区画は全て同じ大きさを備えている。例えば、複数の区画はそれぞれ異なる大きさを備えている。例えば、複数の区画が部分的に同一であり、部分的に異なっているように構成されている。すなわち、特に幾つかの区画はそれぞれ同じ大きさを備えており、これに対して他の区画はそれぞれ異なる大きさを備えている。
【0064】
一実施形態によれば、複数の区画はそれぞれ1m×2m、または1m×1mの大きさを備えている。例えば、上述のパラメータに依存して1m×2mと1m×1mとの間で選択される。
【0065】
これにより、特に駐車場が効率的に通常の自動車寸法に分割されているという技術的な利点がもたらされる。
【0066】
一実施形態によれば、通行の制御は、1つ以上の動作を含み、該1つ以上の動作は、自動車の遠隔制御、自動車によって自立的に走行されるべき目標軌道を決定し決定した目標軌道を自動車に送信すること、駐車場の信号発生器および/遮断機の制御、駐車場内の開始位置から駐車場内の目標位置まで運転者なしに自動車の移送を行うための開始時間を決定すること、である。
【0067】
自動車の遠隔制御は、特に、通信網を介して1つ以上の遠隔制御コマンドが自動車に送信されることを含む。
【0068】
すなわち自動車は、例えば装置によって遠隔制御される。この装置は、例えばこのために自動車を遠隔制御するための遠隔制御機構を含む。
【0069】
駐車場の信号発生器もしくは遮断機の制御によって、例えば通行の参加者を効率的に停止させるか、または走行を続けるように促すことができる。
【0070】
信号発生器は、例えば光学的な信号発生器である。信号発生器は、例えば音響的な信号発生器である。信号発生器は、例えば光信号設備を含んでいる。例えば複数の信号発生器が設けられており、これらの信号発生器は、例えば同じように、または異なるように構成されている。
【0071】
例えば、複数の遮断機が設けられている。遮断機の制御によって、例えば、遮断機が閉鎖されているのか、または開放されていのるかに応じて、通行の参加者を効率的に停止させるか、もしくは走行を続けるように促すことができる。
【0072】
すなわち、遮断機の制御は、遮断機の閉鎖または開放を含む。
【0073】
駐車場内の開始位置は、例えば、自動車が続いて自動的に駐車するように、運転者が自動車を止めることができるか、または止めた引き渡し位置を示す。この場合、目標位置は特に駐車場内の駐車位置、すなわち、特に駐車スペース、例えば駐車帯である。
【0074】
開始位置は、一実施形態によれば、駐車位置、特に駐車スペース、例えば駐車帯である。すなわち、自動車は駐車位置に止められ、駐車位置に沿って、または駐車位置に駐車する。この実施形態では、自動車は運転者なしに駐車位置から引き取り位置、すなわち目標位置までガイドされる。引き取り位置は、駐車場内において、人が自動車を引き取ることができるか、もしくは引き取りたい位置である。
【0075】
一実施形態によれば、通行の制御は、駐車場内で、例えば上述の開始位置であってもよい開始位置から、例えば上述の目標位置であってもよい目標位置まで運転者なしに自動車を移送することを含む。
【0076】
この明細書の範囲では、物体は、例えば自動車、歩行者、自転車運転者、または動物である。物体について単数が用いられている場合には、常に複数であるとも読み取られるべきであり、またその逆もいえる。複数の物体は、例えば同じであるか、または異なっている。
【0077】
一実施形態によれば、方法は装置によって実施される。装置の特徴は、対応する方法の特徴からも同様にもたらされ、またその逆もいえる。すなわち、方法の技術的な機能が、装置の対応する技術的な機能からも同様にもたらされ、またその逆もいえる。
【0078】
一実施形態によれば、装置は、通信網を介して自動車と通信するように構成された通信インターフェイスを含む。
【0079】
別の実施形態では、装置は、周辺認識センサに基づいて複数の区画のそれぞれの占有状態を決定するように構成されたプロセッサを含む。
【0080】
一実施形態によれば、プロセッサは、決定された占有状態に基づいて駐車場内の通行を制御するように構成されている。
【0081】
一実施形態によれば、プロセッサは、駐車場を複数の区画に分割するように構成されている。
【0082】
本発明の範囲では、周辺認識センサは、例えば、レーダセンサ、ライダーセンサ、レーザセンサ、ビデオセンサ、特にビデオカメラのビデオセンサ、超音波センサ、磁気センサ、赤外線センサ、圧力センサ、運動センサ、および光電センサ、のいずれか1つの周辺認識センサである。
【0083】
一実施形態では、区画を検出もしくは監視するために上述の1つ以上の周辺認識センサが設けられている。
【0084】
一実施形態では、駐車場もしくは装置は、上述の1つ以上の周辺認識センサを含む。
【0085】
一実施形態によれば、駐車場は光電センサ(光バリア)を含んでいる。一実施形態によれば、駐車場は周辺認識センサとして圧力センサを含む。一実施形態によれば、駐車場は周辺認識センサとして運動センサを含む。
【0086】
複数の周辺認識センサは、例えば同じように構成されているか、または例えば異なるように構成されている。
【0087】
一実施形態によれば、物体が1つの区画内に位置している場合には、自動車のアクチュエータ、例えばブレーキが準備状態に移行される。このことは、ブレーキの場合には、例えばブレーキが事前に作動されることを意味する。これにより、反応時間を効率的に低減することができる。
【0088】
一実施形態によれば、物体が区画内に位置している場合には、区画がこれまで区画を監視していなかった少なくとも1つの別の周辺認識センサによって監視される。これにより、例えば、少なくとも1つの別の周辺認識センサによる監視によって、これまで使用されていた周辺認識センサによる監視を効率的に点検することができるという技術的な利点がもたらされる。
【0089】
「もしくは」という表現は、特に「および/または」という表現を含む。
【0090】
次に本発明を好ましい実施例に基づいて詳細に説明する。