【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意研究を行った結果、F.IX/F.IXa及びF.Xの双方に特異的に結合し、F.VIIIの補因子機能、すなわちF.IXaによるF.X活性化を促進する機能を代替する機能(F.Xa産生促進機能)を有する種々の二重特異性抗体の中から、公知のものよりも優れたF.Xa産生促進活性を有する二重特異性抗体を見出すことに成功した。
【0009】
さらに、F.VIIIの機能を代替する活性を有する二重特異性抗体のF.Xa産生促進活性の向上に重要な当該抗体のアミノ酸配列の位置を見出すことに成功し、当該アミノ酸を置換することにより、F.VIII機能を代替する活性がさらに上昇した二重特異性抗体を取得することに成功した。また、F.VIIIの機能を代替する活性が高いだけでなく、F.Xase阻害作用が低いという、両方の性質を満たすことが非常に困難である二重特異性抗体を取得することに成功した。
【0010】
即ち本発明は、酵素反応を増強する補因子であるF.VIIIの機能を代替する機能を有する多重特異性抗原結合分子および該分子を有効成分として含む医薬組成物に関し、より具体的には以下に関する。
〔1〕 血液凝固第IX因子および/または活性化血液凝固第IX因子を認識する第一の抗原結合部位、および血液凝固第X因子を認識する第二の抗原結合部位を含む、血液凝固第VIII因子の機能を代替する機能を有する多重特異性抗原結合分子であって、該血液凝固第VIII因子の機能を代替する機能が、配列番号:165と166からなるH鎖および配列番号:167からなる共通L鎖を有する二重特異性抗体(hA69-KQ/hB26-PF/hAL-AQ)と比較して高い活性化血液凝固第X因子(F.Xa)産生促進活性に起因する機能である、多重特異性抗原結合分子。
〔2〕 血液凝固第IX因子および/または活性化血液凝固第IX因子を認識する第一の抗原結合部位を含む第一のポリペプチドおよび血液凝固第IX因子および/または活性化血液凝固第IX因子を認識する第三の抗原結合部位を含む第三のポリペプチド、並びに、血液凝固第X因子を認識する第二の抗原結合部位を含む第二のポリペプチドおよび血液凝固第X因子を認識する第四の抗原結合部位を含む第四のポリペプチドを含む、〔1〕に記載の多重特異性抗原結合分子。
〔3〕 第一のポリペプチドと第三のポリペプチドがそれぞれ血液凝固第IX因子または活性化血液凝固第IX因子に対する抗体のH鎖またはL鎖の抗原結合部位を含み、第二のポリペプチドと第四のポリペプチドがそれぞれ血液凝固第X因子に対する抗体のH鎖またはL鎖の抗原結合部位を含む、〔2〕に記載の多重特異性抗原結合分子。
〔4〕 第一のポリペプチドの抗原結合部位が下記(a1)〜(a11)から選ばれるいずれかのアミノ酸配列からなるH鎖CDRを含む抗原結合部位またはこれと機能的に同等の抗原結合部位を含み、第二のポリペプチドの抗原結合部位が下記(b1)〜(b11)から選ばれるいずれかのアミノ酸配列からなるH鎖CDRを含む抗原結合部位またはこれと機能的に同等の抗原結合部位を有する〔3〕に記載の多重特異性抗原結合分子:
(a1) 配列番号:75、76、77(Q1のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a2) 配列番号:78、79、80(Q31のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a3) 配列番号:81、82、83(Q64のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a4) 配列番号:84、85、86(Q85のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a5) 配列番号:87、88、89(Q153のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a6) 配列番号:90、91、92(Q354のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a7) 配列番号:93、94、95(Q360のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a8) 配列番号:96、97、98(Q405のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a9) 配列番号:99、100、101(Q458のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a10) 配列番号:102、103、104(Q460のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a11) 配列番号:105、106、107(Q499のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b1) 配列番号:108、109、110(J232のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b2) 配列番号:111、112、113(J259のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b3) 配列番号:114、115、116(J268のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b4) 配列番号:117、118、119(J300のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b5) 配列番号:120、121、122(J321のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b6) 配列番号:123、124、125(J326のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b7) 配列番号:126、127、128(J327のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b8) 配列番号:129、130、131(J339のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b9) 配列番号:132、133、134(J344のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b10) 配列番号:135、136、137(J346のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b11) 配列番号:174、175、176(J142のH鎖CDR)に記載のH鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位。
〔5〕 第一のポリペプチドの抗原結合部位が下記(a1)〜(a11)から選ばれるいずれかのアミノ酸配列からなるH鎖可変領域を含む抗原結合部位またはこれと機能的に同等の抗原結合部位を含み、第二のポリペプチドの抗原結合部位が下記(b1)〜(b11)から選ばれるいずれかのアミノ酸配列からなるH鎖可変領域を含む抗原結合部位またはこれと機能的に同等の抗原結合部位を有する〔3〕に記載の多重特異性抗原結合分子:
(a1) 配列番号:35(Q1のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a2) 配列番号:36(Q31のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a3) 配列番号:37(Q1のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a4) 配列番号:38(Q85のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a5) 配列番号:39(Q153のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a6) 配列番号:40(Q354のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a7) 配列番号:41(Q360のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a8) 配列番号:42(Q405のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a9)配列番号:43(Q458のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a10) 配列番号:44(Q460のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(a11) 配列番号:45(Q499のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b1) 配列番号:46(J232のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b2) 配列番号:47(J259のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b3) 配列番号:48(J268のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b4) 配列番号:49(J300のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b5) 配列番号:50(J321のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b6) 配列番号:51(J326のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b7) 配列番号:52(J327のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b8) 配列番号:53(J339のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b9) 配列番号:54(J344のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b10) 配列番号:55(J346のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(b11) 配列番号:172(J142のH鎖可変領域)に記載のH鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位。
〔6〕 第三のポリペプチドと第四のポリペプチドに含まれる抗原結合部位が下記(c1)〜(c10)から選ばれるいずれかのアミノ酸配列からなるL鎖CDRを含む抗原結合部位またはこれと機能的に同等の抗原結合部位を含む、〔3〕に記載の多重特異性抗原結合分子:
(c1) 配列番号:138、139、140(L2のL鎖CDR)に記載のL鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c2) 配列番号:141、142、143(L45のL鎖CDR)に記載のL鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c3) 配列番号:144、145、146(L248のL鎖CDR)に記載のL鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c4) 配列番号:147、148、149(L324のL鎖CDR)に記載のL鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c5) 配列番号:150、151、152(L334のL鎖CDR)に記載のL鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c6) 配列番号:153、154、155(L377のL鎖CDR)に記載のL鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c7) 配列番号:156、157、158(L404のL鎖CDR)に記載のL鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c8) 配列番号:159、160、161(L406のL鎖CDR)に記載のL鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c9) 配列番号:137、138、139(L408のL鎖CDR)に記載のL鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c10) 配列番号:177、178、179(L180のL鎖CDR)に記載のL鎖CDR1、2、3のアミノ酸配列を有する抗原結合部位。
〔7〕 第三のポリペプチドと第四のポリペプチドに含まれる抗原結合部位が下記(c1)〜(c10)から選ばれるいずれかのアミノ酸配列からなるL鎖可変領域を含む抗原結合部位またはこれと機能的に同等の抗原結合部位を含む、〔3〕に記載の多重特異性抗原結合分子:
(c1) 配列番号:56(L2のL鎖可変領域)に記載のL鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c2) 配列番号:57(L45のL鎖可変領域)に記載のL鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c3) 配列番号:58(L248のL鎖可変領域)に記載のL鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c4) 配列番号:59(L324のL鎖可変領域)に記載のL鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c5) 配列番号:60(L334のL鎖可変領域)に記載のL鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c6) 配列番号:61(L377のL鎖可変領域)に記載のL鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c7) 配列番号:62(L404のL鎖可変領域)に記載のL鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c8) 配列番号:63(L406のL鎖可変領域)に記載のL鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c9) 配列番号:64(L408のL鎖可変領域)に記載のL鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位、
(c10) 配列番号:173(L180のL鎖可変領域)に記載のL鎖可変領域のアミノ酸配列を有する抗原結合部位。
〔8〕 さらに第一および第二のポリペプチドが抗体のH鎖定常領域を含み、第三および第四のポリペプチドが抗体のL鎖定常領域を含む、〔3〕に記載の多重特異性抗原結合分子。
〔9〕 第一および第二のポリペプチドが抗体のH鎖定常領域を含み、第三および第四のポリペプチドが抗体のL鎖定常領域を含む〔3〕に記載の多重特異性抗原結合分子であって、さらに第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが共通L鎖である、〔3〕に記載の多重特異性抗原結合分子。
〔10〕 第一のポリペプチドが下記(d1)〜(d6)のグループから選ばれるいずれかのアミノ酸配列または下記(d7)〜(d9)のグループから選ばれるいずれかのアミノ酸配列からなる抗体のH鎖定常領域を含み、第二のポリペプチドが上記第一のポリペプチドとは異なるグループから選ばれるいずれかのアミノ酸配列からなる抗体のH鎖定常領域を含む、〔8〕または〔9〕に記載の多重特異性抗原結合分子:
(d1) 配列番号:65(G4k)に記載のH鎖定常領域、
(d2) 配列番号:66(z7)に記載のH鎖定常領域、
(d3) 配列番号:67(z55)に記載のH鎖定常領域、
(d4) 配列番号:68(z106)に記載のH鎖定常領域、
(d5) 配列番号:69(z118)に記載のH鎖定常領域、
(d6) 配列番号:70(z121)に記載のH鎖定常領域、
(d7) 配列番号:71(G4h)に記載のH鎖定常領域、
(d8) 配列番号:72(z107)に記載のH鎖定常領域、
(d9) 配列番号:73(z119)に記載のH鎖定常領域。
〔11〕 第三と第四のポリペプチドが下記(e)のアミノ酸配列からなる抗体のL鎖定常領域を含む、〔8〕または〔9〕に記載の多重特異性抗原結合分子:
(e) 配列番号:74(k)に記載のL鎖定常領域。
〔12〕 第一のポリペプチドが下記(a1)〜(a14)から選ばれるいずれかの抗体H鎖を含み、第二のポリペプチドが下記(b1)〜(b12)から選ばれるいずれかの抗体H鎖を含み、第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが下記(c1)〜(c10)から選ばれるいずれかの抗体L鎖を含む、〔8〕または〔9〕に記載の多重特異性抗原結合分子:
(a1) 配列番号:1(Q1-G4k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(a2) 配列番号:2(Q31-z7)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(a3) 配列番号:3(Q64-z55)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(a4) 配列番号:10(Q64-z7)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(a5) 配列番号:11(Q85-G4k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(a6) 配列番号:12(Q153-G4k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(a7) 配列番号:13(Q354-z106)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(a8) 配列番号:14(Q360-G4k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(a9) 配列番号:15(Q360-z118)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(a10) 配列番号:16(Q405-G4k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(a11) 配列番号:17(Q458-z106)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(a12) 配列番号:18(Q460-z121)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(a13) 配列番号:19(Q499-z118)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(a14) 配列番号:20(Q499-z121)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(b1) 配列番号:4(J268-G4h)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(b2) 配列番号:5(J321-G4h)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(b3) 配列番号:6(J326-z107)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(b4) 配列番号:7(J344-z107)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(b5) 配列番号:21(J232-G4h)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(b6) 配列番号:22(J259-z107)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(b7) 配列番号:23(J300-z107)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(b8) 配列番号:24(J327-z107)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(b9) 配列番号:25(J327-z119)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(b10) 配列番号:26(J339-z119)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(b11) 配列番号:27(J346-z107)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(b12) 配列番号:170(J142-G4h)に記載のアミノ酸配列からなる抗体H鎖、
(c1) 配列番号:8(L2-k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体L鎖、
(c2) 配列番号:9(L45-k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体L鎖、
(c3) 配列番号:28(L248-k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体L鎖、
(c4) 配列番号:29(L324-k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体L鎖、
(c5) 配列番号:30(L334-k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体L鎖、
(c6) 配列番号:31(L377-k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体L鎖、
(c7) 配列番号:32(L404-k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体L鎖、
(c8) 配列番号:33(L406-k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体L鎖、
(c9) 配列番号:34(L408-k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体L鎖、
(c10) 配列番号:171(L180-k)に記載のアミノ酸配列からなる抗体L鎖。
〔13〕 第一のポリペプチドが、〔12〕の(a1)〜(a14)のいずれかに記載の抗体のH鎖と(c1)〜(c10)のいずれかに記載の抗体のL鎖からなる抗体が結合するエピトープと重複するエピトープに結合する抗原結合部位を含み、第二のポリペプチドが、〔12〕の(b1)〜(b12)のいずれかに記載の抗体のH鎖と(c1)〜(c10)のいずれかに記載の抗体のL鎖からなる抗体が結合するエピトープと重複するエピトープに結合する抗原結合部位を含む、〔1〕に記載の多重特異性抗原結合分子。
〔14〕 第一のポリペプチドが、下記(e1)〜(e3)から選ばれるいずれかの抗体のH鎖を含み、第二のポリペプチドが下記(f1)〜(f3)から選ばれるいずれかの抗体のH鎖を含み、第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが下記(g1)〜(g4)から選ばれるいずれかの抗体のL鎖を含む、〔8〕または〔9〕に記載の多重特異性抗原結合分子:
(e1) 〔12〕の(a1)〜(a14)のいずれかの抗体のH鎖と(c1)〜(c10)のいずれかに記載の抗体のL鎖からなる抗体が結合するエピトープと重複するエピトープに結合する抗体のH鎖、
(e2) (e1)から選ばれるいずれかの抗体のH鎖におけるKabat ナンバリングによる34位、35位、49位、61位、62位、96位、98位、100位、100b位および102位のアミノ酸残基から選ばれる、少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸に置換されている抗体のH鎖、
(e3) (e1)から選ばれるいずれかの抗体のH鎖におけるKabat ナンバリングによる34位のアミノ酸残基がイソロイシン、35位のアミノ酸残基がアスパラギン、グルタミンまたはセリン、49位のアミノ酸残基がセリン、61位のアミノ酸残基がアルギニン、62位のアミノ酸残基がグルタミン酸、96位のアミノ酸残基がセリンまたはスレオニン、98位のアミノ酸残基がリジンまたはアルギニン、100位のアミノ酸残基がフェニルアラニンまたはチロシン、100b位のアミノ酸残基がグリシン、あるいは、102位のアミノ酸残基がチロシンである抗体のH鎖、
(f1) 〔12〕の(b1)〜(b12)のいずれかの抗体のH鎖と(c1)〜(c10)のいずれかの抗体のL鎖からなる抗体が結合するエピトープと重複するエピトープに結合する抗体のH鎖、
(f2) (f1)のいずれかの抗体H鎖におけるKabat ナンバリングによる35位、53位、73位、76位、96位、98位、100位および100a位のアミノ酸残基から選ばれる、少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸に置換されている抗体のH鎖、
(f3) (f1)のいずれかの抗体H鎖であって、Kabat ナンバリングによる35位のアミノ酸残基がアスパラギン酸、53位のアミノ酸残基がアルギニン、73位のアミノ酸残基がリジン、76位のアミノ酸残基がグリシン、96位のアミノ酸残基がリジン又はアルギニン、98位のアミノ酸残基がチロシン、100位のアミノ酸残基がチロシン、あるいは、100a位のアミノ酸残基がヒスチジンである抗体のH鎖、
(g1) 〔12〕の(a1)〜(a14)のいずれかの抗体のH鎖と(c1)〜(c10)のいずれかの抗体のL鎖からなる抗体が結合するエピトープと重複するエピトープに結合する抗体のL鎖、
(g2) 〔12〕の(b1)〜(b12)のいずれかの抗体のH鎖と(c1)〜(c10)のいずれかの抗体のL鎖からなる抗体が結合するエピトープと重複するエピトープに結合する抗体のL鎖、
(g3) (g1)および(g2)のいずれかの抗体のL鎖におけるKabatナンバリングによる27位、30位、31位、32位、50位、52位、53位、54位、55位、92位、93位、94位および95位のアミノ酸残基から選ばれる、少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸に置換されている抗体のL鎖、
(g4) (g1)および(g2)のいずれかの抗体のL鎖であって、Kabatナンバリングによる27位のアミノ酸残基がリジンまたはアルギニン、30位のアミノ酸残基がグルタミン酸、31位のアミノ酸残基がアルギニン、32位のアミノ酸残基がグルタミン、50位のアミノ酸残基がアルギニンまたはグルタミン、52位のアミノ酸残基がセリン、53位のアミノ酸残基がアルギニン、54位のアミノ酸残基がリジン、55位のアミノ酸残基がグルタミン酸、92位のアミノ酸残基がセリン、93位のアミノ酸残基がセリン、94位のアミノ酸残基がプロリン、あるいは、95位のアミノ酸残基がプロリンである抗体のL鎖。
〔15〕 多重特異性抗原結合分子が多重特異性抗体である、〔1〕〜〔14〕いずれかに記載の多重特異性抗原結合分子。
〔16〕 以下の(a)〜(u)のいずれかに記載の二重特異性抗体:
(a) 第一のポリペプチドが配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:4に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:9に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q1-G4k/J268-G4h/L45-k)、
(b) 第一のポリペプチドが配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:5に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:9に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q1-G4k/J321-G4h/L45-k)、
(c) 第一のポリペプチドが配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:6に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:8に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q31-z7/J326-z107/L2-k)、
(d) 第一のポリペプチドが配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:7に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:9に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q64-z55/J344-z107/L45-k)、
(e) 第一のポリペプチドが配列番号:10に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:6に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:30に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q64-z7/J326-z107/L334-k)、
(f) 第一のポリペプチドが配列番号:10に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:7に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:33に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q64-z7/J344-z107/L406-k)、
(g) 第一のポリペプチドが配列番号:11に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:4に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:33に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q85-G4k/J268-G4h/L406-k)、
(h) 第一のポリペプチドが配列番号:11に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:5に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:30に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q85-G4k/J321-G4h/L334-k)、
(i) 第一のポリペプチドが配列番号:12に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:21に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:33に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q153-G4k/J232-G4h/L406-k)、
(j) 第一のポリペプチドが配列番号:13に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:22に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:29に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q354-z106/J259-z107/L324-k)、
(k) 第一のポリペプチドが配列番号:14に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:21に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:33に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q360-G4k/J232-G4h/L406-k)、
(l) 第一のポリペプチドが配列番号:15に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:23に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:30に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q360-z118/J300-z107/L334-k)、
(m) 第一のポリペプチドが配列番号:16に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:21に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:28に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q405-G4k/J232-G4h/L248-k)、
(n) 第一のポリペプチドが配列番号:17に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:27に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:34に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q458-z106/J346-z107/L408-k)、
(o) 第一のポリペプチドが配列番号:18に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:25に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:30に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q460-z121/J327-z119/L334-k)、
(p) 第一のポリペプチドが配列番号:19に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:24に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:30に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q499-z118/J327-z107/L334-k)、
(q) 第一のポリペプチドが配列番号:19に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:24に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:31に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q499-z118/J327-z107/L377-k)、
(r) 第一のポリペプチドが配列番号:19に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:27に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:28に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q499-z118/J346-z107/L248-k)、
(s) 第一のポリペプチドが配列番号:20に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:25に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:32に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q499-z121/J327-z119/L404-k)、
(t) 第一のポリペプチドが配列番号:20に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:26に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:31に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q499-z121/J339-z119/L377-k)、
(u) 第一のポリペプチドが配列番号:12に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:170に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:171に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q153-G4k/J142-G4h/L180-k)。
〔17〕 〔1〕〜〔15〕のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子または〔16〕に記載の二重特異性抗体をコードする核酸。
〔18〕 〔17〕に記載の核酸が挿入されたベクター。
〔19〕 〔17〕に記載の核酸または〔18〕に記載のベクターを含む細胞。
〔20〕 〔19〕に記載の細胞を培養することにより、〔1〕〜〔15〕のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子または〔16〕に記載の二重特異性抗体を製造する方法。
〔21〕 〔1〕〜〔15〕のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子または〔16〕に記載の二重特異性抗体、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
〔22〕 出血、出血を伴う疾患、もしくは出血に起因する疾患の予防および/または治療に用いられる医薬組成物である、〔21〕に記載の組成物。
〔23〕 出血、出血を伴う疾患、もしくは出血に起因する疾患が、血液凝固第VIII因子および/または活性化血液凝固第VIII因子の活性の低下ないし欠損によって発症および/または進展する疾患である、〔22〕に記載の組成物。
〔24〕 血液凝固第VIII因子および/または活性化血液凝固第VIII因子の活性の低下ないし欠損によって発症および/または進展する疾患が、血友病Aである、〔23〕に記載の組成物。
〔25〕 血液凝固第VIII因子および/または活性化血液凝固第VIII因子の活性の低下ないし欠損によって発症および/または進展する疾患が、血液凝固第VIII因子および/または活性化血液凝固第VIII因子に対するインヒビターが出現している疾患である、〔23〕に記載の組成物。
〔26〕 血液凝固第VIII因子および/または活性化血液凝固第VIII因子の活性の低下ないし欠損によって発症および/または進展する疾患が、後天性血友病である、〔23〕に記載の組成物。
〔27〕 血液凝固第VIII因子および/または活性化血液凝固第VIII因子の活性の低下によって発症および/または進展する疾患が、フォンビルブランド病である、〔23〕に記載の組成物。
〔28〕 〔1〕〜〔15〕のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子もしくは〔16〕に記載の二重特異性抗体、または、〔21〕〜〔27〕のいずれか一項に記載の組成物を投与する工程を含む、出血、出血を伴う疾患もしくは出血に起因する疾患を予防および/または治療する方法。
〔29〕 少なくとも〔1〕〜〔15〕のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子もしくは〔16〕に記載の二重特異性抗体、または〔21〕〜〔27〕のいずれか一項に記載の組成物を含む、〔28〕に記載の予防および/または治療する方法に用いるためのキット。
【0011】
また本発明は以下に関する。
〔30〕 〔1〕〜〔15〕のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子もしくは〔16〕に記載の二重特異性抗体、または、〔21〕〜〔27〕のいずれか一項に記載の組成物の、出血、出血を伴う疾患もしくは出血に起因する疾患の予防および/または治療剤の製造における使用。
〔31〕 出血、出血を伴う疾患もしくは出血に起因する疾患の予防および/または治療用の、〔1〕〜〔15〕のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子もしくは〔16〕に記載の二重特異性抗体、または、〔21〕〜〔27〕のいずれか一項に記載の組成物。
【0012】
また本発明は、酵素反応を増強する補因子であるF.VIIIの機能を代替する機能を有する二重特異性抗体および該抗体を有効成分として含む医薬組成物に関し、より具体的には以下に関する。
〔32〕 血液凝固第IX因子および/または活性化血液凝固第IX因子を認識する第一の抗原結合部位、および血液凝固第X因子を認識する第二の抗原結合部位を含む、血液凝固第VIII因子の機能を代替する機能を有する二重特異性抗体であって、以下の(a)〜(u)のいずれかに記載の二重特異性抗体;
(a) 第一のポリペプチドが配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:4に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:9に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q1-G4k/J268-G4h/L45-k)、
(b) 第一のポリペプチドが配列番号:1に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:5に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:9に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q1-G4k/J321-G4h/L45-k)、
(c) 第一のポリペプチドが配列番号:2に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:6に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:8に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q31-z7/J326-z107/L2-k)、
(d) 第一のポリペプチドが配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:7に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:9に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q64-z55/J344-z107/L45-k)、
(e) 第一のポリペプチドが配列番号:10に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:6に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:30に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q64-z7/J326-z107/L334-k)、
(f) 第一のポリペプチドが配列番号:10に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:7に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:33に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q64-z7/J344-z107/L406-k)、
(g) 第一のポリペプチドが配列番号:11に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:4に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:33に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q85-G4k/J268-G4h/L406-k)、
(h) 第一のポリペプチドが配列番号:11に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:5に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:30に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q85-G4k/J321-G4h/L334-k)、
(i) 第一のポリペプチドが配列番号:12に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:21に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:33に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q153-G4k/J232-G4h/L406-k)、
(j) 第一のポリペプチドが配列番号:13に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:22に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:29に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q354-z106/J259-z107/L324-k)、
(k) 第一のポリペプチドが配列番号:14に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:21に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:33に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q360-G4k/J232-G4h/L406-k)、
(l) 第一のポリペプチドが配列番号:15に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:23に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:30に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q360-z118/J300-z107/L334-k)、
(m) 第一のポリペプチドが配列番号:16に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:21に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:28に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q405-G4k/J232-G4h/L248-k)、
(n) 第一のポリペプチドが配列番号:17に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:27に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:34に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q458-z106/J346-z107/L408-k)、
(o) 第一のポリペプチドが配列番号:18に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:25に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:30に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q460-z121/J327-z119/L334-k)、
(p) 第一のポリペプチドが配列番号:19に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:24に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:30に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q499-z118/J327-z107/L334-k)、
(q) 第一のポリペプチドが配列番号:19に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:24に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:31に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q499-z118/J327-z107/L377-k)、
(r) 第一のポリペプチドが配列番号:19に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:27に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:28に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q499-z118/J346-z107/L248-k)、
(s) 第一のポリペプチドが配列番号:20に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:25に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:32に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q499-z121/J327-z119/L404-k)、
(t) 第一のポリペプチドが配列番号:20に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:26に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:31に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q499-z121/J339-z119/L377-k)、
(u) 第一のポリペプチドが配列番号:12に記載のアミノ酸配列からなるH鎖、第二のポリペプチドが配列番号:170に記載のアミノ酸配列からなるH鎖および第三のポリペプチドと第四のポリペプチドが配列番号:171に記載の共通L鎖からなる二重特異性抗体(Q153-G4k/J142-G4h/L180-k)。
〔33〕 〔32〕に記載の二重特異性抗体をコードする核酸。
〔34〕 〔33〕に記載の核酸が挿入されたベクター。
〔35〕 〔33〕に記載の核酸または〔34〕に記載のベクターを含む細胞。
〔36〕 〔35〕に記載の細胞を培養することにより、〔32〕に記載の二重特異性抗体を製造する方法。
〔37〕 〔32〕に記載の二重特異性抗体、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
〔38〕 出血、出血を伴う疾患、もしくは出血に起因する疾患の予防および/または治療に用いられる医薬組成物である、〔37〕に記載の組成物。
〔39〕 出血、出血を伴う疾患、もしくは出血に起因する疾患が、血液凝固第VIII因子および/または活性化血液凝固第VIII因子の活性の低下ないし欠損によって発症および/または進展する疾患である、〔38〕に記載の組成物。
〔40〕 血液凝固第VIII因子および/または活性化血液凝固第VIII因子の活性の低下ないし欠損によって発症および/または進展する疾患が、血友病Aである、〔39〕に記載の組成物。
〔41〕 血液凝固第VIII因子および/または活性化血液凝固第VIII因子の活性の低下ないし欠損によって発症および/または進展する疾患が、血液凝固第VIII因子および/または活性化血液凝固第VIII因子に対するインヒビターが出現している疾患である、〔39〕に記載の組成物。
〔42〕 血液凝固第VIII因子および/または活性化血液凝固第VIII因子の活性の低下ないし欠損によって発症および/または進展する疾患が、後天性血友病である、〔39〕に記載の組成物。
〔43〕 血液凝固第VIII因子および/または活性化血液凝固第VIII因子の活性の低下によって発症および/または進展する疾患が、フォンビルブランド病である、〔39〕に記載の組成物。
〔44〕 〔32〕に記載の二重特異性抗体、または、〔37〕〜〔43〕のいずれか一項に記載の組成物を投与する工程を含む、出血、出血を伴う疾患もしくは出血に起因する疾患を予防および/または治療する方法。
〔45〕 〔32〕に記載の二重特異性抗体、または〔37〕〜〔43〕のいずれか一項に記載の組成物を含む、〔44〕に記載の予防および/または治療する方法に用いるためのキット。
〔46〕 〔32〕に記載の二重特異性抗体、または〔37〕〜〔43〕のいずれか一項に記載の組成物の、出血、出血を伴う疾患もしくは出血に起因する疾患の予防/または治療剤の製造における使用。
〔47〕 出血、出血を伴う疾患もしくは出血に起因する疾患の予防および/または治療用の、〔32〕に記載の二重特異性抗体、または〔37〕〜〔43〕のいずれか一項に記載の組成物。