(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重畳した説明を省略する。
【0010】
一実施形態に係る回転コネクタ100について、
図1〜
図11Bを参照して説明する。本実施形態に係る回転コネクタ100は、車両のステアリングホイール側の電気回路(エアバッグ等の電気回路)と、車体側の電気回路(ECUなど)と、を電気的に接続するためのコネクタであり、車両に搭載される。
【0011】
まず、回転コネクタ100の構成について説明する。
図1は、回転コネクタ100の一例を斜め上方から見た斜視図である。
図2は、
図1の回転コネクタ100のA−A線断面図である。
図3は、
図1の回転コネクタ100の内部構成を示す斜視図である。
図4は、
図1の回転コネクタ100を斜め下方から見た斜視図である。以下、回転コネクタ100の回転軸の方向を軸方向、軸方向に対して垂直な方向を垂直方向と称する。
【0012】
図1〜
図4に示すように、回転コネクタ100は、固定ハウジング1と、可動ハウジング2と、メインケーブルであるメインフラットケーブル3A〜3Dと、サブケーブルであるサブフラットケーブル4A〜4Dと、リードブロック5A〜5Dと、外部端子6A〜6Dと、ホルダ7と、を備える。以下、メインフラットケーブル3A〜3Dを区別しない場合、メインフラットケーブル3と称する。また、サブフラットケーブル4A〜4Dを区別しない場合、サブフラットケーブル4と称する。また、リードブロック5A〜5Dを区別しない場合、リードブロック5と称する。また、外部端子6A〜6Dを区別しない場合、外部端子6と称する。
【0013】
固定ハウジング1は、車両のステアリングコラム(図示省略)に固定される。固定ハウジング1は、合成樹脂製の上ステータ1A及び下ステータ1Bを備える。上ステータ1A及び下ステータ1Bは、スナップ結合により結合する。結合した上ステータ1A及び下ステータ1Bにより、固定ハウジング1が形成される。
【0014】
上ステータ1Aは、軸方向に延びる円筒状の外筒部11Aと、外筒部11Aの下端から垂直方向に延びる上保持部12A,13Aと、を備える。下ステータ1Bは、軸方向と垂直な円環状の底板部11Bと、底板部11Bの外周縁から外側に延びる下保持部12B,13Bと、を備える。下保持部12B,13Bは、外部端子6A,6Cを露出させるための開口部をそれぞれ有する。外筒部11A及び底板部11Bは、外筒部11Aの下端と底板部11Bの外周縁とが対応するように形成される。上保持部12A及び下保持部12Bは、対応する位置に設けられる。上保持部13A及び下保持部13Bは、対応する位置に設けられる。
【0015】
上ステータ1A及び下ステータ1Bに結合すると、スナップ結合により、上保持部12A及び下保持部12Bが結合し、上保持部13A及び下保持部13Bが結合する。結合した上保持部12A及び下保持部12Bにより、保持部12が形成される。保持部12は、リードブロック5A及び外部端子6Aを保持する部分であり、開口部から外部端子6Aを突出させた状態で外部端子6Aを保持し、内部にリードブロック5Aを収納する。また、結合した上保持部13A及び下保持部13Bにより、保持部13が構成される。保持部13は、リードブロック5C及び外部端子6Cを保持する部分であり、開口部から外部端子6Cを突出させた状態で外部端子6Cを保持し、内部にリードブロック5Cを収納する。
【0016】
可動ハウジング2は、ステアリングホイールと共に回転可能なように、車両のステアリングホイールに連結される。また、可動ハウジング2は、固定ハウジング1に対して回転可能なように、固定ハウジング1に連結される。可動ハウジング2は、合成樹脂製の上ロータ2A及び下ロータ2Bを備える。上ロータ2A及び下ロータ2Bは、スナップ結合により結合する。結合した上ロータ2A及び下ロータ2Bにより、可動ハウジング2が形成される。
【0017】
上ロータ2Aは、軸方向に延びる円筒状の内筒部21Aと、内筒部21Aの上端から垂直方向に延びる円環状の天板部22Aと、を備える。天板部22Aの上面には、上方に突出した保持部23,24が設けられる。保持部23は、外部端子6Bを保持する部分であり、開口部を有する。保持部23は、開口部から外部端子6Bを突出させた状態で外部端子6Bを保持する。保持部24は、外部端子6Dを保持する部分であり、開口部を有する。保持部24は、開口部から外部端子6Dを突出させた状態で外部端子6Dを保持する。
【0018】
下ロータ2Bは、軸方向に延びる円筒状の内筒部21Bと、内筒部21Bの下端から垂直方向に延びる円環状の底板部22Bと、を備える。内筒部21A,21Bの内径は、ステアリングシャフト(図示省略)を挿通可能な寸法に設計され、スナップ結合により結合される。天板部22Aは、その外周縁と外筒部11Aの上端とが対応するように形成される。底板部11Bの内側に内筒部21Bを挿通させた状態で、固定ハウジング1の上方から内筒部21を内筒部21Bに結合させることにより、可動ハウジング2が、固定ハウジング1に対して回転可能に連結される。固定ハウジング1及び可動ハウジング2を連結させると、
図2に示すように、固定ハウジング1と可動ハウジング2との間に環状空間Sが形成される。
【0019】
メインケーブルであるメインフラットケーブル3は、FPC(Flexible Printed Circuit)により形成された長尺の可撓性ケーブルである。メインフラットケーブル3は、サブフラットケーブル4の一端と、他のサブフラットケーブル4の一端と、を接続する。
図3に示すように、メインフラットケーブル3は、環状空間S内に巻いた状態で収納される。メインフラットケーブル3は、ステアリングホイールの回転に応じて巻き締め及び巻き戻しが可能なように、途中で巻く方向を反転されている。
【0020】
メインフラットケーブル3A,3Bは、エアバッグ、ホーン、及びステアリングスイッチの電気回路と、車体側の電気回路と、を接続するためのケーブルである。メインフラットケーブル3A,3Bは、比較的小さな電力をやり取りするケーブルであるため、一端から他端まで電気的に繋がっている多数の細い導体線を長手方向全幅に亘って有する。また、導体線はポリイミド等の絶縁性フィルムによって長手方向全幅に亘って表裏から被覆されており、一端と他端には前記絶縁性フィルムに開口部を設けて前記導体線を露出した接続部がそれぞれ設けられている。メインフラットケーブル3A,3Bは、一端に設けられた接続部がサブフラットケーブル4Aの一端に接続され、他端に設けられた接続部がサブフラットケーブル4Bの一端に接続される。
【0021】
メインフラットケーブル3C,3Dは、ステアリングヒータと、車体側の電気回路と、を接続するためのケーブルである。メインフラットケーブル3C,3Dは、比較的大きな電力をやり取りするケーブルであるため、一端から他端まで電気的に繋がっている1本の、又は少数の太い導体線を長手方向全幅に亘って有する。また、導体線はポリイミド等の絶縁性フィルムによって長手方向全幅に亘って表裏から被覆されており、一端と他端には前記絶縁性フィルムに開口部を設けて前記導体線を露出した接続部がそれぞれ設けられている。メインフラットケーブル3C,3Dは、一端に設けられた接続部がサブフラットケーブル4Cの一端に接続され、他端に設けられた接続部がサブフラットケーブル4Dの一端に接続される。
【0022】
サブケーブルであるサブフラットケーブル4は、メインフラットケーブル3と同様の構造を有するFPCにより形成された、メインフラットケーブル3より短尺の可撓性ケーブルであり、一端と他端には導体線を露出した接続部がそれぞれ設けられている。サブフラットケーブル4は、一端の接続部でメインフラットケーブル3の一端の接続部と接続されるとともに、他端の接続部で外部端子6と接続されて、サブフラットケーブル4を介してメインフラットケーブル3と外部端子6とを接続する。
図3に示すように、サブフラットケーブル4は、リードブロック5に固定される。
【0023】
サブフラットケーブル4Aは、リードブロック5Aに固定され、一端がメインフラットケーブル3A,3Bの一端に接続され、他端が外部端子6Aに接続される。サブフラットケーブル4Aの一端と、メインフラットケーブル3A,3Bの一端と、はそれぞれの接続部で半田接続される。また、サブフラットケーブル4Aの他端の接続部と、外部端子6Aと、は半田接続される。
【0024】
サブフラットケーブル4Bは、リードブロック5Bに固定され、一端がメインフラットケーブル3A,3Bの他端に接続され、他端が外部端子6Bに接続される。サブフラットケーブル4Bの一端と、メインフラットケーブル3A,3Bの他端と、はそれぞれの接続部で半田接続される。また、サブフラットケーブル4Bの他端の接続部と、外部端子6Bと、は半田接続される。
【0025】
サブフラットケーブル4Cは、リードブロック5Cに固定され、一端がメインフラットケーブル3C,3Dの一端に接続され、他端が外部端子6Cに接続される。サブフラットケーブル4Cの一端と、メインフラットケーブル3C,3Dの一端と、はそれぞれの接続部で半田接続される。また、サブフラットケーブル4Cの他端の接続部と、外部端子6Cと、は半田接続される。
【0026】
サブフラットケーブル4Dは、リードブロック5Dに固定され、一端がメインフラットケーブル3C,3Dの他端に接続され、他端が外部端子6Dに接続される。サブフラットケーブル4Dの一端と、メインフラットケーブル3C,3Dの他端と、はそれぞれの接続部で半田接続される。また、サブフラットケーブル4Dの他端の接続部と、外部端子6Dと、は半田接続される。
【0027】
リードブロック5は、メインフラットケーブル3の端部、サブフラットケーブル4、及び外部端子6をそれぞれが互いに電気的に接続した状態で固定するための樹脂製部材である。リードブロック5は、メインフラットケーブル3を固定する部分と、外部端子6を固定する部分と、を有する。メインフラットケーブル3は、軸方向と平行であるため、メインフラットケーブル3を固定する部分は、軸方向と平行に配置される。また、外部端子6は軸方向に突出するように配置されるため、外部端子6を固定する部分は、軸方向と略垂直に配置される。略垂直とは、垂直を基準とした所定の角度範囲(例えば、80度〜100度)を含む。したがって、リードブロック5の断面形状は、略L字型となる。
【0028】
リードブロック5Aは、メインフラットケーブル3A,3Bの一端、サブフラットケーブル4A、及び外部端子6Aを固定するリードブロックであり、保持部12に収納される。リードブロック5Aは、第1ブロック51Aと、第2ブロック52Aと、を備える。
【0029】
第1ブロック51Aは、メインフラットケーブル3を固定する部分であり、軸方向と平行に配置され、一方の面にメインフラットケーブル3A,3Bの一端及びサブフラットケーブル4Aの一端を固定される。第1ブロック51Aにおけるメインフラットケーブル3A,3Bが固定される面を、第1ブロック51Aの表面という。
【0030】
第2ブロック52Aは、外部端子6を固定する部分であり、軸方向と略垂直に配置され、一方の面(
図3における下面)にサブフラットケーブル4Aの他端及び外部端子6Aを固定される。第2ブロック52Aは、第1ブロック51Aとは別体であり、第1ブロック51Aが配置される角度に対して交差する配置角度で略垂直に傾斜した状態で、第1ブロック51Aの表面側に延びるように固定される。
【0031】
リードブロック5Bは、メインフラットケーブル3A,3Bの他端、サブフラットケーブル4B、及び外部端子6Bを固定するリードブロックである。リードブロック5Bに固定されたサブフラットケーブル4Bは、保持部23に保持される。リードブロック5Bは、第1部分51Bと、第2部分52Bと、を備える。
【0032】
第1部分51Bは、メインフラットケーブル3を固定する部分であり、軸方向と平行に配置され、一方の面にメインフラットケーブル3A,3Bの他端及びサブフラットケーブル4Bの一端を固定される。第1部分51Bにおけるメインフラットケーブル3A,3Bが固定される面を、第1部分51Bの表面という。
【0033】
第2部分52Bは、外部端子6を固定する部分であり、軸方向と略垂直に配置され、一方の面(
図3における上面)にサブフラットケーブル4Bの他端及び外部端子6Bを固定される。第2部分52Bは、第1部分51Bと一体に形成され、第1部分51Bに対して略垂直に傾斜した状態で、第1部分51Bの背面側に延びる。
【0034】
リードブロック5Cは、メインフラットケーブル3C,3Dの一端、サブフラットケーブル4C、及び外部端子6Cを固定するリードブロックであり、保持部13に収納される。リードブロック5Cは、第1ブロック51Cと、第2ブロック52Cと、を備える。
【0035】
第1ブロック51Cは、メインフラットケーブル3を固定する部分であり、軸方向と平行に配置され、一方の面にメインフラットケーブル3C,3Dの一端及びサブフラットケーブル4Cの一端を固定される。第1ブロック51Cにおけるメインフラットケーブル3C,3Dが固定される面を、第1ブロック51Cの表面という。
【0036】
第2ブロック52Cは、外部端子6を固定する部分であり、軸方向と略垂直に配置され、一方の面(
図3における下面)にサブフラットケーブル4Cの他端及び外部端子6Cを固定される。第2ブロック52Cは、第1ブロック51Cとは別体であり、第1ブロック51Cが配置される角度に対して交差する配置角度で略垂直に傾斜した状態で、第1ブロック51Cの表面側に延びるように固定される。
【0037】
リードブロック5Dは、メインフラットケーブル3C,3Dの他端、サブフラットケーブル4D、及び外部端子6Dを固定するリードブロックである。リードブロック5Dに固定されたサブフラットケーブル4Dは、保持部24に保持される。リードブロック5Dは、第1部分51Dと、第2部分52Dと、を備える。
【0038】
第1部分51Dは、メインフラットケーブル3を固定する部分であり、軸方向と平行に配置され、一方の面にメインフラットケーブル3C,3Dの他端及びサブフラットケーブル4Dの一端を固定される。第1部分51Dにおけるメインフラットケーブル3C,3Dが固定される面を、第1部分51Dの表面という。
【0039】
第2部分52Dは、外部端子6を固定する部分であり、軸方向と略垂直に配置され、一方の面(
図3における上面)にサブフラットケーブル4Dの他端及び外部端子6Dを固定される。第2部分52Dは、第1部分51Dと一体に形成され、第1部分51Dに対して略垂直に傾斜した状態で、第1部分51Dの背面側に延びる。
【0040】
外部端子6は、回転コネクタ100と、車載側又はステアリングホイール側の電気回路と、を接続するための端子である。外部端子6は、回転コネクタ100から軸方向に突出するようにリードブロック5に固定され、保持部12,13,23,24により保持される。
【0041】
外部端子6Aは、第2ブロック52Aの下面に固定され、保持部12の開口部から下方に突出した状態で保持される。外部端子6Aは、サブフラットケーブル4Aの他端に接続される。
【0042】
外部端子6Bは、第2部分52Bの上面に固定され、保持部23の開口部から上方に突出した状態で保持される。外部端子6Bは、サブフラットケーブル4Bの他端に接続される。
図1の例では、外部端子6Bの一部は、ワイヤハーネス8を介して、ステアリングホイール側の電気回路に接続されている。
【0043】
外部端子6Cは、第2ブロック52Cの下面に固定され、保持部13の開口部から下方に突出した状態で保持される。外部端子6Cは、サブフラットケーブル4Cの他端に接続される。
【0044】
外部端子6Dは、第2部分52Dの上面に固定され、保持部24の開口部から上方に突出した状態で保持される。外部端子6Dは、サブフラットケーブル4Dの他端に接続される。
【0045】
ホルダ7は、環状空間S内で回転可能な樹脂製部材であり、メインフラットケーブル3を巻いた状態で保持する。ホルダ7は、底板部11B上に摺動可能に配置された円環状の平板部71と、平板部71から上方に延びる複数のガイド壁72と、平板部71から上方に延びる複数の軸にそれぞれ回転可能に支持された複数のローラ73と、を備える。メインフラットケーブル3は、ローラ73に巻き掛けられることにより、巻く方向を反転される。
【0046】
以上説明した通り、ステアリングホイール側の電気回路(エアバッグ等の電気回路)及び車体側の電気回路は、外部端子6A、サブフラットケーブル4A、メインフラットケーブル3A,3B、サブフラットケーブル4B、及び外部端子6Bにより接続される。外部端子6A、サブフラットケーブル4A、メインフラットケーブル3A,3Bの一端は、リードブロック5Aに固定され、メインフラットケーブル3A,3Bの他端、サブフラットケーブル4B、及び外部端子6Bはリードブロック5Bに固定される。ステアリングホイールが回転すると、当該回転に応じて、メインフラットケーブル3A,3Bは、巻き締め又は巻き戻されるものの、リードブロック5A,5Bに固定された両端はサブフラットケーブル4及び外部端子6に対しては移動しない。したがって、ステアリングホイールが回転しても、ステアリングホイール側及び車体側の電気回路の上記の接続は維持される。
【0047】
また、ステアリングホイール側の電気回路(ステアリングヒータ等の電気回路)及び車体側の電気回路は、外部端子6C、サブフラットケーブル4C、メインフラットケーブル3C,3D、サブフラットケーブル4D、及び外部端子6Dにより接続される。外部端子6C、サブフラットケーブル4C、メインフラットケーブル3C,3Dの一端は、リードブロック5Cに固定され、メインフラットケーブル3C,3Dの他端、サブフラットケーブル4D、及び外部端子6Dはリードブロック5Dに固定される。ステアリングホイールが回転すると、当該回転に応じて、メインフラットケーブル3C,3Dは、巻き締め又は巻き戻されるものの、リードブロック5C,5Dに固定された両端はサブフラットケーブル4及び外部端子6に対しては移動しない。したがって、ステアリングホイールが回転しても、ステアリングホイール側及び車体側の電気回路の上記の接続は維持される。
【0048】
次に、回転コネクタ100の組み立て方法について説明する。以下、リードブロック5A,5Bの組み立て方法について、それぞれ説明する。
【0049】
図5A〜
図5Eは、リードブロック5Bの組み立て方法の各工程を示す側面図である。なお、リードブロック5Dは、リードブロック5Bと同様の方法で組み立てられる。
【0050】
まず、
図5Aに示すように、外部端子6Bをサブフラットケーブル4Bの他端の表面の接続部にリフロー半田付けする。具体的には、外部端子6Bをサブフラットケーブル4Bの他端の表面の所定の位置に配置し、リフロー用加熱器9Aにより外部端子6Bの周囲を加熱する。サブフラットケーブル4Bにおける外部端子6との接続部には半田ペーストが予め塗布される。これにより、外部端子6B及びサブフラットケーブル4Bが半田接続される。
【0051】
次に、
図5Bに示すように、リードブロック5Bの第1部分51Bの表面の所定の位置に、メインフラットケーブル3A,3Bの他端と、サブフラットケーブル4Bの一端と、を重ねて配置する。第1部分51Bの表面には、1つ又は複数の凸部53Bが設けられる。また、メインフラットケーブル3A,3Bの他端と、サブフラットケーブル4Bの一端と、には凸部53Bに対応する1つ又は複数の開口部が設けられる。メインフラットケーブル3A,3B及びサブフラットケーブル4Bは、その端部に設けられた開口部に凸部53Bが挿通するように配置される。なお、メインフラットケーブル3A,3B及びサブフラットケーブル4Bを重ねる順番は任意である。
【0052】
続いて、
図5Cに示すように、かしめ装置10により、複数の凸部53Bを真上から一度に押しつぶし、かしめ部54Bを形成する。かしめ部54Bにより、メインフラットケーブル3A,3Bの他端の接続部と、サブフラットケーブル4Bの一端の接続部と、が隙間無く互いに対向した状態で第1部分51Bの表面の所定の位置に固定される。
【0053】
次に、
図5Dに示すように、メインフラットケーブル3A,3Bの他端の接続部と、サブフラットケーブル4Bの一端の接続部と、を半田付けする。具体的には、半田付け用加熱器9Bにより接続部を真上から加圧しながら加熱する。メインフラットケーブル3A,3Bの他端の接続部と、サブフラットケーブル4Bの一端と、の接続部には半田めっきが予め施こされる。これにより、メインフラットケーブル3A,3Bの他端と、サブフラットケーブル4Bの一端と、が半田接続される。
【0054】
その後、
図5Eに示すように、外部端子6B及びサブフラットケーブル4Bの他端を、スナップ結合などにより、リードブロック5Bの第2部分52Bに結合する。これにより、メインフラットケーブル3A,3Bの他端、サブフラットケーブル4B、及び外部端子6Bがリードブロック5Bに固定される。
【0055】
図5Eに示すように、リードブロック5Bは、第2部分52B(外部端子6を固定する部分)が第1部分51B(メインフラットケーブル3を固定する部分)の背面側に延びている。このため、かしめ作業及び半田付けの際に、第1部分51Bの表面に対するかしめ装置10及び半田付け用加熱器9Bの真上からの接近が、第2部分52Bにより妨げられない。これは、リードブロック5Dについても同様である。
【0056】
これに対して、リードブロック5Aのように、外部端子6を固定する部分が、メインフラットケーブル3を固定する部分の表面側に延びている場合、外部端子6を固定する部分が、メインフラットケーブル3を固定する部分の表面に対するかしめ装置10及び半田付け用加熱器9Bの真上からの接近を妨げる。この結果、特に上下動する自動機によるかしめ作業及び半田付けが困難になる。これは、リードブロック5Cについても同様である。
【0057】
そこで、本実施形態では、リードブロック5A,5Cを、メインフラットケーブル3を固定する部分(第1ブロック51A,51C)と、外部端子6を固定する部分(第2ブロック52A,52C)と、の2つの部品により構成する。そして、かしめ作業及び半田付け後に、2つの部品を組み立てることにより、表面の大面積に対して真上から各装置が接近することができるので、かしめ作業及び半田付けを容易に実行可能とする。
【0058】
ここで、
図6は、リードブロック5Aの一例を示す分解斜視図である。
図6の例では、第1ブロック51A及び第2ブロック52Aのうち一方の第1ブロック51Aは、表面に複数の凸部53Aを備え、端部に軸部55Aを備える。また、第1ブロック51A及び第2ブロック52Aのうち他方の第2ブロック52Aは、軸部55Aと引っ掛かるフック56Aを端部に備える。フック56Aを軸部55Aに引掛けることにより、第2ブロック52Aは、軸部55Aを軸として、所定の角度範囲で回転可能となる。なお、軸部55Aが第2ブロック52Aに設けられ、フック56Aが第1ブロック51Aに設けられてもよい。また、リードブロック5Cも、
図6と同様に構成できる。
【0059】
図7A〜
図7Gは、
図6のリードブロック5Aの組み立て方法の各工程を示す側面図である。なお、リードブロック5Cは、リードブロック5Aと同様の方法で組み立てられる。
【0060】
まず、
図7Aに示すように、外部端子6Aをサブフラットケーブル4Aの他端の表面の接続部にリフロー半田付けする。具体的には、外部端子6Aをサブフラットケーブル4Aの他端の表面の所定の位置に配置し、リフロー用加熱器9Aにより外部端子6Aの周囲を加熱する。サブフラットケーブル4Aにおける外部端子6Aとの接続部には半田ペーストが予め塗布される。これにより、外部端子6A及びサブフラットケーブル4Aが半田接続される。
【0061】
次に、
図7Bに示すように、リードブロック5Aの第1ブロック51Aの表面の所定の位置に、メインフラットケーブル3A,3Bの一端と、サブフラットケーブル4Aの一端と、を重ねて配置する。第1ブロック51Aの表面には、上述の通り、複数の凸部53Aが設けられる。また、メインフラットケーブル3A,3Bの一端と、サブフラットケーブル4Aの一端と、には凸部53Aに対応する複数の開口部が設けられる。メインフラットケーブル3A,3B及びサブフラットケーブル4Aは、その端部に設けられた開口部に凸部53Aが挿通するように配置される。なお、メインフラットケーブル3A,3B及びサブフラットケーブル4Aを重ねる順番は任意である。
【0062】
続いて、
図7Cに示すように、かしめ装置10により、複数の凸部53Aを真上から一度に押しつぶし、かしめ部54Aを形成する。かしめ部54Aにより、メインフラットケーブル3A,3Bの一端の接続部と、サブフラットケーブル4Aの一端の接続部と、が隙間無く互いに対向した状態で第1ブロック51Aの表面の所定の位置に固定される。なお、この時点では、第2ブロック52Aが第1ブロック51Aに結合されていないため、かしめ装置10は、第2ブロック52Aに妨げられることなく、真上から第1ブロック51Aの全表面に接近して複数の凸部53Aを一度に押しつぶすことができる。
【0063】
次に、
図7Dに示すように、メインフラットケーブル3A,3Bの一端と、サブフラットケーブル4Aの一端と、を半田付けする。具体的には、半田付け用加熱器9Bにより接続部を真上から加圧しながら加熱する。メインフラットケーブル3A,3Bの一端の接続部と、サブフラットケーブル4Aの一端の接続部には半田めっきが予め塗布される。これにより、メインフラットケーブル3A,3Bの一端と、サブフラットケーブル4Aの一端と、が半田接続される。なお、この時点では、第2ブロック52Aが第1ブロック51Aに結合されていないため、半田付け用加熱器9Bは、第2ブロック52Aに妨げられることなく、真上から第1ブロック51Aの全表面に接近して一度に大面積を半田付けできる。
【0064】
続いて、
図7Eに示すように、第1ブロック51Aの軸部55Aに、第2ブロック52Aのフック56Aを引掛けることにより、第1ブロック51A及び第2ブロック52Aを結合する。
【0065】
次に、
図7Fに示すように、第2ブロック52Aを、軸部55Aを軸として回転させ、第1ブロック51Aに対して略垂直な状態まで起き上がらせる。
【0066】
その後、
図7Gに示すように、外部端子6A及びサブフラットケーブル4Aの他端を、スナップ結合などにより、第2ブロック52Aの一方の面に結合する。これにより、メインフラットケーブル3A,3Bの一端、サブフラットケーブル4A、及び外部端子6Aがリードブロック5Aに固定される。
【0067】
ここで、
図8A及び
図8Bは、組み立てが完了した状態のリードブロック5Aを示す斜視図である。
図8Aは、表面側から見た斜視図、
図8Bは、背面側から見た斜視図である。
図8A及び
図8Bのリードブロック5Aは、
図7Gのリードブロック5Aに相当する。
【0068】
図8A及び
図8Bの例では、メインフラットケーブル3A,3Bの一端の接続部と、サブフラットケーブル4Aの一端の接続部と、は半田付けされた状態で、かしめ部54Aにより第1ブロック51Aの表面に固定されている。サブフラットケーブル4Aは、第1ブロック51Aの表面から、リードブロック5Aの表面に沿って配置され、他端が第2ブロック52Aの背面に折り返されている。サブフラットケーブル4Aの他端の接続部は、スナップ59Aにより第2ブロック52Aの背面に固定された外部端子6Aと半田接続されている。
図7A〜
図7Gの組み立て方法により、リフロー用加熱器9A、半田付け用加熱器9B、及びかしめ装置10を利用して、リードブロック5Aを
図5Eのように組み立てることができる。
【0069】
なお、第2ブロック52Aは、第1ブロック51Aに対して略垂直な状態に起き上がらせた際に、第1ブロック51Aに対してスナップ結合などにより固定されてもよい。また、第2ブロック52Aは、リードブロック5Aに固定されたサブフラットケーブル4Aにより、第1ブロック51Aに対して略垂直な状態で固定されてもよい。
【0070】
図9は、リードブロック5Aの他の例を示す分解斜視図である。
図9の例では、第1ブロック51A及び第2ブロック52Aのうち一方の第1ブロック51Aは、表面に複数の凸部53Aを備え、端部に凹部57Aを備える。また、第1ブロック51A及び第2ブロック52Aのうち他方の第2ブロック52Aは、凹部57Aに差し込まれる凸部58Aを端部に備える。凸部58Aを凹部57Aに差し込むことにより、第2ブロック52Aは、第1ブロック51に対して略垂直な状態で固定される。なお、凹部57Aが第2ブロック52Aに設けられ、凸部58Aが第1ブロック51Aに設けられてもよい。また、リードブロック5Cも、
図9と同様に構成できる。
【0071】
図10A〜
図10Fは、
図9のリードブロック5Aの組み立て方法の各工程を示す側面図である。なお、リードブロック5Cは、リードブロック5Aと同様の方法で組み立てられる。
【0072】
まず、
図10Aに示すように、外部端子6Aをサブフラットケーブル4Aの他端の表面の接続部にリフロー半田付けする。具体的には、外部端子6Aをサブフラットケーブル4Aの他端の表面の所定の位置に配置し、リフロー用加熱器9Aにより外部端子6Aの周囲を加熱する。サブフラットケーブル4Aにおける外部端子6Aとの接続部には半田ペーストが予め塗布される。これにより、外部端子6A及びサブフラットケーブル4Aが半田接続される。
【0073】
次に、
図10Bに示すように、リードブロック5Aの第1ブロック51Aの表面の所定の位置に、メインフラットケーブル3A,3Bの一端と、サブフラットケーブル4Aの一端と、を重ねて配置する。第1ブロック51Aの表面には、上述の通り、複数の凸部53Aが設けられる。また、メインフラットケーブル3A,3Bの一端と、サブフラットケーブル4Aの一端と、には凸部53Aに対応する複数の開口部が設けられる。メインフラットケーブル3A,3B及びサブフラットケーブル4Aは、その端部に設けられた開口部に凸部53Aが挿通するように配置される。なお、メインフラットケーブル3A,3B及びサブフラットケーブル4Aを重ねる順番は任意である。
【0074】
続いて、
図10Cに示すように、かしめ装置10により、複数の凸部53Aを真上から一度に押しつぶし、かしめ部54Aを形成する。かしめ部54Aにより、メインフラットケーブル3A,3Bの一端の接続部と、サブフラットケーブル4Aの一端の接続部と、が隙間無く互いに対向した状態で第1ブロック51Aの表面の所定の位置に固定される。なお、この時点では、第2ブロック52Aが第1ブロック51Aに結合されていないため、かしめ装置10は、第2ブロック52Aに妨げられることなく、第1ブロック51Aの全表面に真上から接近して複数の凸部53Aを一度に押しつぶすことができる。
【0075】
次に、
図10Dに示すように、メインフラットケーブル3A,3Bの一端と、サブフラットケーブル4Aの一端と、を半田付けする。具体的には、半田付け用加熱器9Bにより接続部を真上から加圧しながら加熱する。メインフラットケーブル3A,3Bの一端の接続部と、サブフラットケーブル4Aの一端の接続部には半田めっきが予め塗布される。これにより、メインフラットケーブル3A,3Bの一端と、サブフラットケーブル4Aの一端と、が半田接続される。なお、この時点では、第2ブロック52Aが第1ブロック51Aに結合されていないため、半田付け用加熱器9Bは、第2ブロック52Aに妨げられることなく、第1ブロック51Aの表面に真上から接近して一度に大面積を半田付けできる。
【0076】
続いて、
図10Eに示すように、第1ブロック51Aの凹部57Aに、第2ブロック52Aの凸部58Aを差し込むことにより、第2ブロック52Aを、第1ブロック51Aに対して略垂直な状態で固定する。
【0077】
その後、
図10Fに示すように、外部端子6A及びサブフラットケーブル4Aの他端を、スナップ結合などにより、第2ブロック52Aの一方の面に結合する。これにより、メインフラットケーブル3A,3Bの一端、サブフラットケーブル4A、及び外部端子6Aがリードブロック5Aに固定される。
【0078】
本実施形態では、上述のように、リードブロック5を組み立てた後、ホルダ7を下ステータ1B上に配置し、メインフラットケーブル3を巻いた状態でホルダ7に保持させ、リードブロック5を所定の位置に配置する。具体的には、外部端子6Aが下保持部12Bの開口部から下方に突出するように、リードブロック5Aを下保持部12B上に配置し、外部端子6Cが下保持部13Bの開口部から下方に突出するように、リードブロック5Cを下保持部13B上に配置する。また、外部端子6Bが保持部23の開口部から上方に突出するように、リードブロック5Bをホルダ7上に配置し、外部端子6Dが保持部24の開口部から上方に突出するように、リードブロック5Dをホルダ7上に配置する。
【0079】
その後、下ステータ1Bに上ステータ1Aを結合させ、固定ハウジング1を組み立てる。また、固定ハウジング1を挟むように、上ロータ2A及び下ロータ2Bを結合させ、可動ハウジング2を組み立てる。以上により、回転コネクタ100の組み立てが完了する。
【0081】
図11A及び
図11Bの例では、メインフラットケーブル3A,3Bの一端の接続部と、サブフラットケーブル4Aの一端の接続部と、は半田付けされた状態で、かしめ部54Aにより第1ブロック51Aの表面に固定されている。サブフラットケーブル4Aは、第1ブロック51Aの表面から、リードブロック5Aの表面に沿って配置され、他端が第2ブロック52Aの背面に折り返されている。サブフラットケーブル4Aの他端の接続部は、スナップ59Aにより第2ブロック52Aの背面に固定された外部端子6Aと半田接続されている。
図10A〜
図10Fの組み立て方法により、リフロー用加熱器9A、半田付け用加熱器9B、及びかしめ装置10を利用して、リードブロック5Aを
図11A及び
図11Bのように組み立てることができる。
【0082】
以上説明した通り、本実施形態によれば、メインフラットケーブル3、サブフラットケーブル4、及び外部端子6は、それぞれ半田接続される。メインフラットケーブル3、サブフラットケーブル4、及び外部端子6を接続するためのスポット溶接が不要であるため、回転コネクタ100を容易に組み立てることができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、外部端子6を固定する部分がメインフラットケーブル3Aを固定する部分の表面側に延びるリードブロック5Aが、第1ブロック51Aと、第2ブロック52Aと、の2つの部品により構成される。このような構成により、第1ブロック51Aの表面にメインフラットケーブル3A及びサブフラットケーブル4Aを固定し、両者を半田接続した後に、リードブロック5Aを組み立てることができる。リードブロック5Aをこのように組み立てることにより、第1ブロック51Aの表面への半田付け用加熱器9Bの接近を第2ブロック52Aに妨げられることなく、メインフラットケーブル3A及びサブフラットケーブル4Aを容易に半田接続することができる。これは、リードブロック5Cについても同様である。
【0084】
なお、本実施形態に係る回転コネクタ100の構成は、上記の例に限られない。例えば、メインフラットケーブル3、サブフラットケーブル4、リードブロック5、ローラ73、及び保持部の数は、任意に設計可能である。また、外部端子6の位置や、外部端子6が突出する方向は、任意に設計可能である。また、リードブロック5B,5Dは、リードブロック5A,5Cと同様に、2つの部品により構成されてもよい。また、回転コネクタ100は、作業者により組み立てられてもよいし、産業用ロボット等の自動機により組み立てられてもよい。また、メインフラットケーブル3、サブフラットケーブル4、及び外部端子6は、リフロー用加熱器9A及び半田付け用加熱器9Bによりリフロー半田付け及び自動機による半田付けがされる代わりに、作業者により半田ごて等によって手動で半田付けされてもよい。
【0085】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。また、本国際出願は、2017年8月22日に出願した日本国特許出願第2017−159703号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容を本国際出願に援用する。