(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユーザー及び前記他のユーザーが、所定の通信エリア内に在圏した状態において、前記ユーザー及び前記他のユーザーによる承認操作を検出する連携認証部をさらに備え、
前記連携実行部は、前記連携認証部の承認処理に基づいて、前記連携処理を実行する
ことを特徴とする請求項5に記載の位置ゲームシステム。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る入力インターフェースシステム、制御方法及びプログラムをゲームシステムに適用した場合の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0033】
(ゲームシステムの全体構成)
図1は、本実施形態に係るゲームシステムの全体構成を示す概念図である。本実施形態に係るゲームシステムは、
図1に示すように、現実世界におけるユーザーの移動距離に相関して付与されるポイントに基づき仮想世界においてゲームが進行され、ユーザーの移動に伴って発生するイベント処理を順次遂行するゲームを運用するシステムである。具体的に、本実施形態に係るゲームシステムは、ユーザー10が使用する携帯端末装置であるスマートフォン1と、インターネット2上に設置されたゲームサーバー3とから概略構成される。なお、本実施形態では、スマートフォン1を携帯端末装置の一例として説明する。
【0034】
ゲームサーバー3は、本実施形態では、ゲーム進行処理を行うサーバーであり、単一のサーバー装置、又は複数のサーバー装置群により実現することができ、複数の機能モジュールをCPU上に仮想的に構築し、それぞれの機能モジュールが協動して処理を実行する。また、このゲームサーバー3は、通信機能によりインターネット2を通じて、データ送受信を行うことができるとともに、Webサーバー機能によりブラウザソフトを通じてWebページの提示などを行うことができる。
【0035】
スマートフォン1は、無線通信を利用した携帯可能な情報処理端末装置であり、無線基地局22等の中継点と携帯電話機が無線で通信し、通話やデータ通信等の通信サービスを移動しつつ受けることができる。この携帯電話機の通信方式としては、例えば、3G(3rd. Generation)方式、LTE(Long Term Evolution)方式、4G方式、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式、W−CDMAの他、PHS(Personal Handyphone System)方式等が挙げられる。また、このスマートフォン1は、デジタルカメラ機能、アプリケーションソフトの実行機能、GPS(Global Positioning System)などによる位置情報取得機能等、種々の機能が搭載され、タブレットPC等のモバイルコンピューターも含まれる。
【0036】
位置情報取得機能は、自機の位置を示す位置情報を取得し、記録する機能であり、この位置情報取得機能としては、
図1に示すように、例えば、GPSのように、衛星21からの信号によって自機の位置を検出する方法や、携帯電話の無線基地局22や、Wifi通信のアクセスポイントからの電波強度などによって位置を検出する方法が含まれる。
【0037】
そして、このスマートフォン1は、情報を表示する表示部としての液晶ディスプレイを備えるとともに、ユーザーが入力操作を行うための操作ボタン等の操作デバイスを備え、この操作デバイスとしては、液晶ディスプレイに重畳されて配置され、液晶ディスプレイ上の座標位置を指定するタッチ操作などによる操作信号を取得する入力手段としてのタッチパネルが含まれる。具体的にこのタッチパネルは、ユーザーの指先やペンなどを用いたタッチ操作による圧力や静電検知その他によって操作信号を入力する入力デバイスであり、グラフィックを表示する液晶ディスプレイと、この液晶ディスプレイに表示されたグラフィックの座標位置に対応した操作信号を受け付けるタッチセンサーとが重畳されて構成されている。
【0038】
(各装置の内部構造)
次いで、上述したゲームシステムを構成する各装置の内部構造について説明する。
図3は、本実施形態に係るゲームサーバー3の内部構成を示すブロック図であり、
図4は、本実施形態に係るスマートフォン1の内部構成を示すブロック図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0039】
(1)ゲームサーバー
先ず、ゲームサーバー3の内部構成について説明する。ゲームサーバー3は、インターネット2上に配置されたサーバー装置であり、インターネット2を通じて、各スマートフォン1とデータの送受信を行えるようになっている。ゲームサーバー3は、インターネット2を通じてデータ通信を行う通信インターフェース31と、利用者や利用者端末の権限を認証する認証部33と、各利用者端末の位置情報を収集して管理する位置情報管理部32と、ゲーム全体のゲーム進行処理、及び各ユーザーのゲーム進行処理を実行するゲーム進行処理部36と、仮想地図情報を生成する仮想地図情報管理部37と、各ユーザーに対してゲームデータを配信する34と種々のデータベース群を備えている。
【0040】
データベース群としては、現実世界における地理情報を含む現実地図情報を記憶する現実地図記憶部としての現実地図データベース35aと、利用者に関する情報を蓄積するユーザーデータベース35bと、仮想地図情報やゲーム全体のゲーム進行処理及び各ユーザーのゲーム進行処理に関する情報を蓄積するゲーム用データベース35cと、発行したポイントを管理するポイントデータベース35dとが含まれる。これらの各データベースとしては、単一のデータベースとしてもよく、複数のデータベースに分割し、相互にリレーションを設定することで各データ同士を紐付けたリレーショナルデータベースとすることができる。
【0041】
現実地図データベース35aは、現実世界における地理情報を含む現実地図情報を記憶する記憶装置であり、山や谷、河川等の自然的な地理的要素、建物や道路、鉄道などの人工物、地名や住所、交通規制などが記憶される。なお、この現実地図データベース35aは、ゲームサーバー3を運用するサービス提供者自身が所有・運用するもの他、他の地図サービス提供者が運用する地図データベースであってもよい。
【0042】
ユーザーデータベース35bに蓄積される情報としては、利用者又は利用者が使用している携帯端末装置を特定する識別子(ユーザーID、端末ID)と、パスワード等とを紐付けた認証情報を含み、ユーザーIDに紐付けられた利用者の個人情報や、端末装置の機種なども含まれる。また、ユーザーデータベース35bには、利用者毎或いは利用者端末毎の認証履歴(アクセス履歴)や、ゲーム用データベース35cとのリレーションによりユーザー毎のゲーム進行に関する情報(緯度・経度等の現在位置、ゲーム中におけるステイタス、得点、利用履歴等)、ゲーム中に関する決済情報等も蓄積される。
【0043】
ゲーム用データベース35cに蓄積される情報としては、仮想世界の地図情報、キャラクターやオブジェクトの特性、イベント処理に関する情報、グラフィック情報などがゲーム用データとして含まれるとともに、これらのゲーム用データと、現実地図に含まれる地理的要素や建物、道路、鉄道等とを関連づけるためのマッピングデータも含まれる。ポイントデータベース35dは、発行されたポイントをユーザー、ユーザー端末若しくはアプリケーションと紐付けて管理し、各ポイントの利用履歴を蓄積する。
【0044】
認証部33は、通信インターフェース31を通じて、各スマートフォン1と通信セッションを確立させ、その確立された通信セッション毎に認証処理を行うモジュールである。この認証処理としては、アクセス者である利用者のスマートフォン1から認証情報を取得し、ユーザーデータベース35bを参照して、利用者等を特定し、それらの権限を認証する。この認証部33による認証結果(ユーザーID、認証時刻、セッションID等)は、ゲーム進行処理部36に送出されるとともに、ユーザーデータベース35bに認証履歴として蓄積される。
【0045】
位置情報管理部32は、利用者端末装置側で取得されてゲームサーバー3に送信される位置情報を取得するモジュールであり、位置情報管理部32は、認証部33による認証処理によって特定されたユーザーやユーザー端末装置の識別子(ユーザーID、端末ID等)と、それらの位置情報とを紐付けてユーザーデータベース35bに利用履歴として蓄積する。
【0046】
ゲーム進行処理部36は、仮想世界において、各ユーザーに対応する各キャラクター、及びモンスターやその他のオブジェクトが移動して、種々のイベント処理を発生させてゲームを進行させるモジュールであり、一定のルール・ロジック・アルゴリズムを含むゲームプログラムや入力インタフェースの制御プログラムを実行し、キャラクターやオブジェクトの位置関係(接近・接触等)に応じて、対決バトルやミニゲーム、ムービーの再生、街区のファンタジー化等のイベント処理を発生させる。なお、ゲーム進行処理部36は、本実施形態では、スマートフォン1側のゲーム進行処理部141と協働するようになっており、ゲーム進行処理の一部をゲームサーバー3側で行い、グラフィック処理やイベント処理の一部をスマートフォン1側のゲーム進行処理部141で実行するようにしている。例えば、ゲームサーバー3側で、他のユーザーのキャラクターの位置や、オブジェクトの位置などに基づいて、発生し得るイベント処理を予測し、その発生条件をゲームサーバー3側で発生させ、その条件をスマートフォン1側に送信し、実際のイベント処理の発生やそのためのグラフィック処理は、ゲームサーバー3から受信した発生条件に基づいてスマートフォン1側で実行するようにしている。
【0047】
仮想地図情報管理部37は、ゲーム進行処理部36によるゲーム進行に従って、
図2に示すような、現実地
図M1上の地理情報に対応した仮想地理情報上における他のユーザーのキャラクターや、建物等のオブジェクト座標情報を含む仮想地
図M2の生成、蓄積及び配信を管理・制御するモジュールである。本実施形態では、ユーザー10が実際に現実地
図M1上を移動した距離に応じてポイントTpが発行され、このポイントTpを消費することによって、仮想地
図M2上をユーザー10に対応したキャラクターC1が移動し、その移動した経路に隣接するブロックB0をファンタジー化することができる。このファンタジー化は、
図7(a)及び(b)に示すように、ユーザーが画面上で、経路に隣接する街区に対応する形状に分割されたブロックB0をタッチすることによって、そのタッチされたブロックB0がファンタジー化され、仮想地図中の各種ブロックB2〜B5が現実地
図M1上の街区に重畳されて表示される。
【0048】
なお、ポイントTpは、ゲームサーバーにアクセスする頻度又は間隔に応じて、そのユーザーに対して付与してもよく、ユーザーによる決済操作やサーバー側の課金処理などによって、代金やポイントにより購入することもできる。さらにポイントTpは、ゲームにおける所定のイベントを完了したり、ミニゲームなどの得点や、キャラクターのレベルアップ、レベルクリアなどにより、適宜付与されるようにしてもよい。
【0049】
なお、この仮想地
図M2は、ゲームサーバー3側で生成する場合と、スマートフォン1側で生成する場合と、ゲームサーバー3とスマートフォン1の両者が協働して生成する場合とがあり、仮想地図情報管理部37は、ゲームサーバー3側で生成、或いは蓄積された仮想地
図M2と、スマートフォン1側で生成、蓄積された仮想地
図M2に関する情報を管理し、両者の仮想地
図M2を比較し、必要に応じて仮想地
図M2の全部又は一部をスマートフォン1側に配信して、両者の同期を図る。
【0050】
ゲームサーバー3側で仮想地
図M2を生成する場合、仮想地図情報管理部37は、現実地図データベース35aに蓄積された現実地
図M1に含まれる地理的要素や建物、道路、鉄道等を取得するとともに、ゲーム用データベース35cに蓄積されたマッピングデータを参照し、現実地
図M1に対応した仮想世界の地図情報、キャラクターやオブジェクトの特性(属性)、イベント処理に関する情報、グラフィック情報などに基づいて、仮想世界の地図情報をブロックB0単位で分割して生成する。
【0051】
ゲームデータ配信部34は、ユーザーの現在位置に基づき、仮想地図情報管理部37による制御に従って、仮想地図情報管理部37が生成した仮想地
図M2を同期させるべく、地図情報や仮想世界のグラフィックを、通信インターフェース31を通じて,各ユーザーに配信するモジュールである。なお、仮想世界のグラフィックは、現実地
図M1に対応する街区毎にブロックに分割され、ブロック単位で配信される。
【0052】
(2)スマートフォン1
次いで、スマートフォン1の内部構成について説明する。
図4に示すように、スマートフォン1は、ゲームシステムのためのユーザーインターフェースに関するモジュールとしてCPU17と、通信インターフェース11と、入力インターフェース12と、出力インターフェース13と、メモリ15とを備えている。
【0053】
通信インターフェース11は、データ通信を行うための通信インターフェースであり、無線等による非接触通信や、ケーブル、アダプタ手段等により接触(有線)通信をする機能を備えている。入力インターフェース12は、マウス、キーボード、操作ボタンやタッチパネル12aなどユーザー操作を入力するデバイスである。また、出力インターフェース13は、ディスプレイやスピーカーなど、映像や音響を出力するデバイスである。特に、この出力インターフェース13には、液晶ディスプレイなどの表示部13aが含まれ、この表示部は、入力インターフェースであるタッチパネル12aに重畳されている。
【0054】
メモリ15は、OS(Operating System)やファームウェア、各種のアプリケーション用のプログラム、その他のデータ等などを記憶する記憶装置であり、このメモリ15内には、ユーザーを識別するユーザーIDの他、ゲームサーバー3からダウンロードしたゲームアプリケーションデータを蓄積するとともに、アプリケーション実行部14で処理されたゲームデータ等が蓄積される。特に、本実施形態では、メモリ15には、ゲームサーバー3から取得した、仮想地
図M2及び現実地
図M1が格納されている。仮想地
図M2は、現実地
図M1中の街区に対応する形状に分割されたブロック単位で格納される。
【0055】
CPU17は演算処理装置であり、メモリ15に格納されたOS(Operating System:基本ソフト)や、ファームウェア等が実行されることにより、各種の機能モジュールが仮想的に構築され、各機能モジュールにより本発明のシステムが構築される。本実施形態では、CPU17上においてOS17aが実行され、このOS17上においてアプリケーション実行部14が構築されている。また、OS17aには種々のソフトウェアが並列に実行され、OS17上で常に動作し続ける常駐プログラムの一つとして、OS側位置情報取得部17bが実行されている。
【0056】
このOS側位置情報取得部17bは、OS17aに備えられた基本機能の一つであり、常にOS上で動作し続けて、例えば、GPSのように衛星からの信号によって自機の位置を検出する方法や、携帯電話の無線基地局或いはWifi通信のアクセスポイントからの電波強度などによって位置を検出する方法が実行され、その位置情報の履歴や移動記録はOS17側においてログデータとして記録される。このOS側位置情報取得部17bで記録された位置情報のログデータは、通信ネットワーク上の管理サーバーに転送して保存したり、メモリ15に蓄積され、必要に応じてアプリケーション側から読み出すことができる。本実施形態では、ゲームプログラムが起動されず位置情報取得部144がユーザーの現在位置を検知できない間の端末の位置情報を、OS側位置情報取得部17bが記録し、アプリケーション実行部14上に構築された外部移動記録取得部143fの要求に応じて、記録した位置情報を提供する。
【0057】
アプリケーション実行部14は、一般のゲームアプリケーション、ブラウザソフトなどのアプリケーションを実行するモジュールであり、通常はCPU17上に構築される。このアプリケーション実行部14では、本発明に係るゲームプログラムが実行されることで、ゲーム進行処理部141、同期処理部142、イベント処理部143、表示データ生成部146、表示制御部145,位置情報取得部144が仮想的に構築される。
【0058】
ゲーム進行処理部141は、ゲームサーバー3で実行されているゲームプログラムと同様のルール・ロジック・アルゴリズムにより、仮想世界において、各ユーザーに対応する各キャラクター、及びモンスターやその他のオブジェクトを移動させて、種々のイベント処理を発生させてゲームを進行させるモジュールであり、同期処理部142を通じて、ゲームサーバー3側のゲーム進行処理部36と同期しつつ、キャラクターやオブジェクトの位置関係(接近・接触等)に応じて、対決バトルやミニゲーム、ムービーの再生、街区のファンタジー化等のイベント処理を発生させる。
【0059】
ゲーム進行処理部141は、本実施形態では、ゲームサーバー3側のゲーム進行処理部141と協働するようになっており、ゲーム進行処理の一部をゲームサーバー3側で行い、グラフィック処理やイベント処理の一部をスマートフォン1側のゲーム進行処理部141で実行するようにしている。例えば、イベント発生の条件などをゲームサーバー3側で発生させ、その条件をスマートフォン1側に送信し、実際のイベント処理の発生やそのためのグラフィック処理は、スマートフォン1側で実行する。
【0060】
同期処理部142は、スマートフォン1側でのゲーム進行処理と、ゲームサーバー3側でのゲーム進行処理とを同期させるモジュールである。具体的には、ゲームサーバー3側で、他のユーザーのキャラクターの位置や、オブジェクトの位置などに基づいて、発生し得るイベント処理を予測し、予測される発生条件をゲームサーバー3側で設定し、その設定された条件をスマートフォン1側に送信する。このゲームサーバー3から送信された発生条件は同期処理部142で受信され、実際のイベント処理の発生やそのためのグラフィック処理は、ゲームサーバー3から受信した発生条件に基づいてスマートフォン1側のゲーム進行処理部141で実行する。このスマートフォン1側のゲーム進行処理部141で実行されたイベント処理の結果(バトルやミニゲームの勝敗や得点、街区のファンタジー化等)は、同期処理部142を通じてゲームサーバー3側のゲーム進行処理部141に通知され、その後のゲーム進行処理に反映される。
【0061】
また、イベント処理部143は、ゲーム進行処理部141が発生させたイベント処理と、位置情報取得部144が取得する自機の現在位置の移動速度とを監視し、現在位置の移動速度が所定値以上であり、且つゲーム進行処理部141が発生させたイベント処理が予め定められた一括処理可能イベントである場合に、当該イベントの処理において一括処理を許可するモジュールであり、ゲーム進行処理部141は、一括処理可能イベントにおいて、複数の定型的な操作に代えて一括終了操作を許可して、操作を省略してゲームを進行させることができるようになっている。同期処理部142は、イベント処理部143が省略した操作によって遂行したイベント処理についてゲームサーバー3側のゲーム進行処理部141に通知し、イベント処理の発生要件を満たしたイベント処理に対する操作が省略されてゲームが進行されたことをゲームサーバー3側に報告する。
【0062】
さらに、イベント処理部143は、
図14(b)に示すように、連携認証部143aと、連携実行部143bと、移動軌跡変更部143cと、他ユーザー位置情報取得部143dと、代理オブジェクト制御部143eと、外部移動記録取得部143fと、表示規制部143gと、イベント遂行処理部143hとを備えている。
【0063】
連携認証部143aは、「おんぶモード」や「ガチフレンドモード」など、他のユーザーとの連携機能によって、他のユーザーと連携してゲームを進行させる際、ユーザー及び他のユーザーによる承認操作を検出し、承認処理を実行するモジュールである。この連携認証部143aによる承認処理としては、「おんぶモード」と「ガチフレンドモード」とでは、セキュリティのレベルが異なる様に設定されている。「おんぶモード」では、SNS上での知り合いなど、実際に面識のないユーザー間でも成立するように、例えば、アカウントIDやメールアドレス、携帯電話番号など、特定のユーザーに向けて公開された個人情報を知っている一方のユーザーから他方のユーザーに向けて申請し、この申請に対して他方が承認すれば成立するようなセキュリティレベルとなっている。これに対して「ガチフレンドモード」では、上述したアカウントIDやメールアドレスなどの個人情報を知っていることに加えて、両方のユーザーが、所定の通信エリア内に同時に在圏した状態において、承認操作(申請及び承認)を実行しなければ成立できないセキュリティレベルとなっている。この所定の通信エリアとしては、同一Wifiネットワークや、Bluetoothによる近距離ネットワーク、さらには赤外線や音声による信号の送受信が可能な範囲、端末を振るなどのアクションを同時に取れる至近距離範囲などが含まれる。
【0064】
連携実行部143bは、「おんぶモード」や「ガチフレンドモード」など、他のユーザーとの連携機能において、所定の条件に基づき、他のユーザーとの連携処理を実行するモジュールであり、おんぶモードでは、おんぶした側の端末において、他ユーザー位置情報取得部143dを通じておんぶされている側の他のユーザーの位置情報を取得し、移動軌跡変更部143cにおんぶされている側の他のユーザーの移動経路を、自己の移動経路に追加したり、差し替えたり、その他の連携処理を実行する機能を果たす。また、ガチフレンド同行モードでは、連携実行部143bが、他のユーザーの現在位置と、自機の現在位置とが所定の距離内に接近し、且つ自機の移動軌跡と前記他のユーザーの移動軌跡が一致する場合に連携処理を実行させる機能を果たす。ここでの連携処理としては、おんぶモードで一人のユーザーが他のユーザーにおんぶした状態で移動したり、ガチフレンドモードで家族や親しい友人が二人で同一の経路を移動すると、ファンタジー化のブロックサイズや数量が増加されたり、移動速度が速められたり、バトルの攻撃力が増大されたりなど、パラメーターを変更する処理が含まれる。
【0065】
また、同行モードでは、他のユーザーの現在位置と、自機の現在位置とが所定の距離内に接近し、且つ自機の移動軌跡と他のユーザーの移動軌跡が一致する場合に連携処理が実行される。ガチフレンドモードには、一人のユーザーが自分自身の移動を、家族や友人などの親しい関係にあるユーザーの移動に同期させて、他のユーザーに、自分のゲームの進行を委託する委託モードがある。このガチフレンドモードでは、例えば、同一Wifiエリアや、Bluetoothの近距離ネットワークなど、所定の通信エリア内にユーザー及び他のユーザーが在圏した状態にあるか否かに応じて、ユーザー及び他のユーザーによる承認操作に基づき、委託又は同行モードの実行を許可する。
【0066】
他ユーザー位置情報取得部143dは、他のユーザーの位置に関する情報を取得するモジュールであり、後述する「おんぶモード」や「ガチフレンドモード」など、他のユーザーとの連携機能において必要な連携相手となるユーザーの位置情報を取得するモジュールである。この他ユーザー位置情報取得部143dは、連携実行部143bからの指示に従い、外部移動記録取得部143fを通じてOS側位置情報取得部17bや位置情報取得部144から、他のユーザー(おんぶモードにおけるおんぶされた側のユーザー、ガチフレンドモードにおける委託相手)の位置情報及び変位(移動経路)を取得し、移動軌跡変更部143cに受け渡す。
【0067】
移動軌跡変更部143cは、代理オブジェクト制御部143eや連携実行部143bによる制御に従って、他ユーザー位置情報取得部143dが取得した他のユーザーの移動軌跡を、自機の移動軌跡に追加するか、或いは自機の移動軌跡と差替える選択操作を取得するモジュールである。具体的に、本実施形態では、「モンスター塗りモード」、「おんぶモード」及び「ガチフレンドモード」において、他のユーザーが移動した軌跡を自機の移動軌跡に追加したり、差し替えたりして、自分の移動軌跡として取り込むことができるようになっている。
【0068】
代理オブジェクト制御部143eは、「モンスター塗りモード」などのように、モンスターやマスコット、キャラクターなど、ユーザーに関連付けられた仮想的な代理オブジェクトAOを、所定のアルゴリズムに従って現実地
図M1上で仮想的に移動させるモジュールである。ここでの「所定のアルゴリズム」としては、ユーザーが指定した場所やイベントを目指して、最短距離のコースを選定したり、ユーザーが未踏のエリアを探し出してコースを選定したり等が挙げられる。本実施形態では、代理オブジェクトAOが道の分岐点に到達した時点で、代理オブジェクト制御部143eが、ユーザーが既に通過した移動軌跡(ユーザー位置及び代理オブジェクトAOの変位履歴)をゲームサーバー3やメモリ15から読みだし、現在位置と既に通過した場所との位置関係に基づいて、次に移動すべき経路を選択する。この選択の際、例えば分岐点における次の移動先となる経路の候補のそれぞれに、既に通過した場所からの乖離率に応じて重み付を行い、その重み付に応じた確率を持たせたランダム演算により経路の候補を選択する。一定の距離或いは時間だけユーザーの現在位置から離れた時点で帰還モードに切り替わり、この帰還モードでは未踏地を探索しながら、ユーザーの現在位置を目指して移動する。
【0069】
外部移動記録取得部143fは、端末の電源がオフになっていたり、アプリケーションが起動されていないときなど、ユーザーの移動を検知できない状態におけるユーザーの移動又は代理オブジェクトの仮想的な移動を取得するモジュールであり、本実施形態では、端末の電源が入っているが本ゲームアプリケーションが起動されていないときには、OS側位置情報取得部17bが記録した移動軌跡を取得し、OS側位置情報取得部17bが記録していない場合にはゲームサーバー3の位置情報管理部32から取得するようにしてもよい。なお、本実施形態では、説明の都合上、外部移動記録取得部143f、位置情報取得部144、及びOS側位置情報取得部17bとを別体に記載したが、これらの位置情報取得手段は一つに統合させて、本ゲームアプリケーション、他のアプリケーション、又はOS内のいずれかに配置してもよい。
【0070】
表示規制部143gは、「おんぶモード」など他のユーザーと連携してゲームを進行させる機能を実行している間、他のユーザー(例えばおんぶされている側のユーザー)の現在位置と自機(おんぶしている側のユーザー)の現在位置とが所定の距離内に接近した場合、またはおんぶされているユーザー側で設定した所定のエリア内におんぶしている側のユーザーが進入した場合に、他のユーザー(おんぶされている側のユーザー)の現在位置に関する表示を規制するモジュールである。
【0071】
この表示を規制する設定は、おんぶされている側のユーザーが任意に設定することができ、表示規制をする場所(緯度・経度、都道府県市町村などの行政区単位)や時間帯、自機からの距離などを設定できる他、通常は表示を禁止して、例えば旅行中やイベント開催期間のみなど任意の場所や時間を設定したときだけ表示を許可するといった設定も可能となっている。この表示規制の方式としては、現実地図や仮想地図上における位置情報の表示や、周辺の風景の撮影、グラフィック表示を禁止する他、現在位置がリアルタイムに相手方に通知されないように、任意に設定した時間差(例えば、数時間前など)を設けて相手方に通知するなどが挙げられ、これらの表示規制の設定は、ユーザー操作により任意に選択したり組み合わせたりすることができる。現在位置の表示に時間差を設ける場合には、スマートフォン1側からゲームサーバー3へ移動報告をするタイミングを遅らせるようにしてもよいし、ゲームサーバー3がおんぶモードの位置情報の更新や、その通知のタイミングを遅らせるようにしてもよい。
【0072】
これは、おんぶしている側のユーザーは、おんぶされている他のユーザーの移動軌跡を自機に取り込んであたかも自分(おんぶしている側のユーザー)が移動しているかのようにゲームが進行され、おんぶされている側の現在位置に応じた地図のスクロールや周辺の様子を表すグラフィックを見ることができるため、おんぶされる側のユーザーの個人情報がおんぶしている側のユーザーに知られてしまうことになる。本実施形態では、このような場合に、おんぶしている側のユーザーが、おんぶされているユーザーが特定できないように、情報の開示範囲を制限して、個人情報の保護が可能となっている。
【0073】
イベント遂行処理部143hは、ユーザー操作が適正に入力された場合に当該イベント処理を遂行してゲームを進行させるイベント遂行処理手段である。このイベント遂行処理部143hで取得されるユーザー操作には、使用するアイテムやポイントの選択操作の他、タッチ画面上に軌跡を描く軌跡入力操作によるコマンドが含まれ、イベント処理部143は、入力されたコマンド、例えば軌跡入力操作で描かれた軌跡の形状、及び仮想オブジェクトに対する相対位置に基づいてイベント処理を遂行させる。
【0074】
また、イベント遂行処理部143hでは、軌跡入力操作により遂行されるバトルイベント処理において、軌跡の入力操作によって入力される軌跡の態様(コマンド)、例えば、スラッシュ操作の画面上の位置、入力されるタイミング、軌跡の方向、形状が、ユーザーの位置情報に基づいて変化するようになっている。イベント遂行処理部143hは、位置情報取得部144又は外部移動記録取得部143fから自機の現在位置を取得し、各種軌跡入力操作によって発生或いは展開されるイベントのシナリオデータをメモリ15から読みだし、現在位置に対応したシナリオデータを参照して、シナリオデータに従ってイベントを遂行する。他のユーザーとの連携態様については、イベント遂行処理部143hが連携実行部143bに問い合わせを行い、連携中の他のユーザーのステイタス(レベルやポイント数、移動距離、両ユーザーによる連携継続時間)を取得し、現在の連携態様を決定する。
【0075】
ここで参照されるシナリオデータとは、ゲーム進行の分岐や進展を記述したプログラム又はデータであり、軌跡入力操作(コマンド)、位置情報、他のユーザーとの連携態様に、ゲーム進行の分岐や進展を関連付けたテーブルデータである。イベント遂行処理部143hが、ユーザーによって入力された軌跡操作と、ユーザー(他のユーザーを含む)の現在位置などの位置情報、連携実行部143bから取得した連携態様(他のユーザーのステイタス等)に基づいてテーブルデータを参照することにより、入力すべきコマンドや、次に発生されるイベント、入力されたコマンドによる効果、発生中のイベントの進展が選択・決定される。
【0076】
位置情報取得部144は、現実世界における座標位置を選択して取得するモジュールであり、ユーザーの現在位置や他のユーザーの現在位置、人工衛星を利用した全地球測位システム (GPS:Global Positioning System)や、基地局からの電波強度及び基地局情報に基づく三角測位による基地局測位、WifiのSSID(Service SetID)及び電波状況と経度緯度を組み合わせたデータベースを利用したWifi測位等により取得する。
【0077】
また、この位置情報取得部144は、ユーザー操作やゲーム進行によるイベント発生に基づく任意の座標位置を選択して、位置情報を取得したり、移動速度を測定したりすることができる。また、位置情報取得部144は、任意のオブジェクトの座標位置を取得する機能も備えており、各データベース35a〜cを検索して、現在の座標位置、或いは仮想地図上の座標位置、又はこれらの変位履歴を取得することができる。
【0078】
特に、この任意のオブジェクトとしては、当該ユーザーの代理となるオブジェクトが代理オブジェクトとして現実地図情報上又は仮想地図情報上の任意の位置に設置された位置を各データベース35a〜cから検索して取得することができる。この代理オブジェクトは、ゲーム進行処理部36又は141によって、地図情報上の位置がゲーム進行に従って自動的に移動されるもので、特定のユーザーの現在位置と連動されたり、ゲーム進行に従って自動的に移動されたりする。
【0079】
さらに、この位置情報取得部144による移動速度の測定では、加速度センサー16からの検出信号により、瞬間的な移動も検知可能となっており、所定の値以上の加速度が生じたときには、ユーザーが移動中であると判定する。また、移動速度の測定では、例えばユーザーが乗り物に乗って高速移動しているときには、GPSの値の変化で移動中であると判定する。この高速移動に関し、地下鉄等の地下や駅構内において、GPS信号が受信できない場合には、Wifiや3G・4G等の基地局の切り替わりや電波受信状態の変化から位置情報が更新されるのを監視し、歩行による通常の移動よりも大きく位置情報が変化したときに、ユーザーの移動を判定する。なお、この基地局の切り替わり等による移動判定では、位置情報の変化が不連続となることから、移動が判定された後の一定時間(例えば5分程度)は移動中であるとするなど、基地局間の距離や電波の変化量に応じ、一定の幅を持たせてユーザーの移動距離、移動速度を予測する。
【0080】
また、本実施形態において位置情報取得部144は移動経路記録部を備えており、この移動経路記録部は、位置情報取得部144が取得した、ユーザーの現在位置や、他のユーザーの現在位置、任意のオブジェクトの座標位置など、各ユーザー又はオブジェクトの変位履歴に基づいて移動経路や移動速度を算出して記録するモジュールである。この移動経路記録部による移動経路の算出は、例えば、サンプリングされた各位置を時系列順に、隣接する2点間を最短距離で接続して移動経路を決定したり、地理情報を参照して2点間における道順に沿って経路を決定したりすることができる。
【0081】
表示データ生成部146は、表示部13aに表示させるための表示データを生成するモジュールである。表示データは、グラフィックデータの他、画像データや、文字データ、動画データ、音声その他のデータを組み合わせて生成されるデータである。特に、本実施形態に係る表示データ生成部146は、位置情報取得部144が取得したユーザーの現在位置に基づいて、現実地
図M1上にユーザーの現在位置を示した現実表示データを生成する現実表示データ生成部と、位置情報取得部144が取得した現在位置に基づいて、ユーザーの現在位置に対応した仮想地
図M2上にキャラクター等の仮想オブジェクトを表した仮想表示データを生成する仮想表示データ生成部としての機能を果たす。この表示データ生成部146で生成された表示データの表示処理は、表示制御部145で制御される。
【0082】
例えば、表示データ生成部146は、仮想地図情報生成部としての機能により、ゲーム進行処理部141によるゲーム進行に従って、
図2に示すような、現実地
図M1上の地理情報に対応した仮想地理情報上における他のユーザーのキャラクターや、ファンタジー化ブロック等の座標情報を含む仮想地
図M2を生成する。仮想地図情報生成部は、メモリ15やネットワーク上の現実地図データベース35aに蓄積された現実地
図M1に含まれる地理的要素や建物、道路、鉄道等を取得するとともに、メモリ15やゲーム用データベース35cに蓄積されたマッピングデータを参照し、現実地
図M1に対応した仮想世界の地図情報、キャラクターやオブジェクトの特性、イベント処理に関する情報、グラフィック情報などに基づいて、仮想世界の地図情報を仮想オブジェクト(仮想表示データ)として生成する。
【0083】
なお、本実施形態では、仮想地
図M2をスマートフォン1側の仮想地図情報生成部で生成するようにしたが、ゲームサーバー3の仮想地図情報管理部37で、予め、或いはリアルタイムに、現実地
図M1上の地理情報に対応した仮想地
図M2を生成し、ゲームデータ配信部34によって各スマートフォン1に配信して、同期処理部142を通じて同期をとるようにしてもよい。
【0084】
表示制御部145は、表示データ生成部146が生成した現実表示データと、仮想表示データとを、これら表示データの両方、選択されたいずれか、又は一方の一部分を他方に重畳させて表示する制御を実行するモジュールであり、表示部13aは、この表示制御部145の制御に従って現実表示データと仮想表示データとを表示する。表示制御部145は、仮想オブジェクトを現実地図情報上に重畳させて表示させるために、生成した現実表示データと仮想表示データとを合成する合成処理部としての機能も果たしている。
図2に示した例では、現実表示データである現実地
図M1上の建物に対応した座標位置(座標範囲)に、森林や山、岩などの仮想的なオブジェクトが配置されている。
【0085】
また、本実施形態における表示制御部145は、軌跡表示部としての機能を備えている。この軌跡表示部は、位置情報取得部144が記録した当該ユーザーの移動経路や、他のユーザーの移動経路、任意のオブジェクト移動経路を、現実地
図M1上又は仮想地
図M2上に軌跡として表示させるモジュールである。本実施形態における軌跡には、仮想オブジェクトを現実地図情報上に重畳させて表示されるブロックが含まれる。
【0086】
詳述すると、ユーザー10が実際に現実地
図M1上を移動した距離に応じてポイントTpが発行され、このポイントTpを消費することによって、仮想地
図M2上をユーザー10に対応したキャラクターC1が移動し、その移動した経路に隣接するブロックB0が出現する。このブロックB0は移動軌跡の一部をなし、移動軌跡に沿って現実地図上に非アクティブ状態で出現され、タッチ操作やコマンド入力などのユーザーの選択操作に応じてアクティブ状態に遷移される。本実施形態では、非アクティブ状態で出現したブロックB0をユーザ操作によりアクティブ状態にする一連の操作を「ファンタジー化」と称する。このファンタジー化は、
図7(a)及び(b)に示すように、ユーザーが画面上で、移動経路に隣接する街区に対応する形状に分割されたブロックB0をタッチすることによって、そのタッチされたブロックB0がファンタジー化(アクティブ状態に遷移)され、仮想地図中の各種ブロックB2〜B5が現実地
図M1上の街区に重畳されて表示される。
【0087】
なお、この軌跡表示部による軌跡の他の表示手法としては、例えば、サンプリングされた各位置を時系列順に、隣接する2点間を最短距離で接続して決定された移動経路を一定の幅を持たせて着色したり、地理情報を参照して2点間における道順に沿って決定された経路を一定の幅を持たせて着色したりすることができる。さらに、この軌跡表示部による軌跡の表示では、現実地
図M1上又は仮想地
図M2上において、各ユーザーやオブジェクトの移動経路に近接する区画又はオブジェクトを軌跡の一部として着色して表示させるようにしてもよい。
【0088】
この区画としては、実際の地理情報や仮想の地理情報に基づいて区画された行政区、街区、都道府県、市町村などのブロック単位で着色して表示させることもできる。このブロック単位での着色においても、隣接する2点間を最短距離で接続して決定された移動経路に接触するブロックを着色したり、地理情報を参照して2点間における道順に沿って決定された経路に接触するブロックを着色したりすることができる。
【0089】
(ゲームシステムの動作)
次に、以上の構成を備えたゲームシステムの動作について説明する。本実施形態では、ユーザーが移動して取得したポイントTpを消費することによって、その移動経路を仮想地図上において、キャラクターC1が移動するとともに、消費したポイントTpに応じた移動軌跡やファンタジー化ブロックとして記録及び表示する機能を備えている。また、ファンタジー化されたブロックではモンスターが出現し、このモンスターを退治するなどのイベント処理が発生され、その結果に応じてポイントTpが溜まったり、ファンタジー化領域が拡大されて位置ゲームが進行される。以下に各処理について説明する。
【0090】
(1)ゲーム進行処理
本実施形態に係る位置ゲームでは、オブジェクト制御機能によってユーザーの現実世界における移動にリンクさせて仮想世界のキャラクターを移動させ、その移動軌跡に対応したブロックをファンタジー化することをゲームの基本的なコンセプトとしている。そして、本システムによる位置ゲームでは、ユーザーの現実世界における移動距離に応じてポイントTpを発行し、このポイントTpを消費させてユーザーに対応するキャラクターC1を、拡張現実世界内、或いは仮想世界内を移動させたり、街区に対応するブロックをファンタジー化させたり、ファンタジー化されたブロックに出現するモンスターとバトルをしたりなどのイベントを発生させることによってゲームを進行させる。
【0091】
すなわち、ゲームサーバー3には、ポイント発行部38が設けられており、スマートフォン1側の位置情報取得部144で検出したユーザー10の移動距離に応じたポイントを発行するモジュールである。ここでのポイントとは、交換価値を有する価値情報であり、ゲーム上の仮想世界で仮想上の通貨単位として取り扱われる。そして、本実施形態では、このポイント数に応じて、仮想世界においてキャラクターC1を移動させる処理、又は仮想世界におけるキャラクターの移動により得られる効果、例えば地図上のファンタジー化や、アイテムの入手など、実際にキャラクターC1が歩いたのと同等の効果が得られるようになっている。なお、このポイントの発行及びゲーム進行は、ゲーム進行処理部36,141が協働して実行され、そのゲームの進行過程やポイントは、ユーザーデータベース35b及びゲーム用データベース35cに記録される。
【0092】
また、本実施形態では、ユーザーが移動した累積距離や地図上の特定施設へのアクセス回数、さらには既にファンタジー化したエリアを繰り返し往来することにより、ポイントが貯まるようになっている。例えば、
図8に示すように、ユーザー10が、自宅(A地点)と勤務先のビルBldとの間を、通勤・通学等によって繰り返し往復しているとすると、その頻度に応じてポイントTpが付与され、このポイントTpを消費することによって、上述したファンタジー化処理が可能となる。すなわち、ポイントTpを消費することによって地点AとビルBldとの間のブロックがファンタジー化できるようになり、そのブロックをタッチすることにより現実地図上にファンタジー化されたブロックが重畳表示される。さらに本実施形態では、このように既にファンタジー化したエリアで取得されたポイントを用いて、
図9(a)〜(c)に示すように、既に未踏地エリアのブロックB0uも、遠隔的にファンタジー化することができるようになっている。
【0093】
なお、本実施形態では、この通勤・通学経路の軌跡については通行回数に応じて色が濃くなったり、ファンタジー化ブロックの状態が変化したりするようになっている。また、この軌跡の記録によって特定の施設(ここではビルBld)へのアクセス回数(往復回数)もカウントされ、そのカウントに応じてポイントが発行され、そのポイントを利用することで、種々の特典イベントの利用が可能となる。この特典イベントとしては、貯まったポイントにより未踏地のブロックをファンタジー化できたり、特典アイテムを入手できるようになっている。
【0094】
また、本実施形態では、ファンタジー化されたブロックは時間経過或いはゲーム進行に応じて、その状態が遷移するようになっている。詳述すると、
図5及び
図6に示すように、ユーザー10の移動距離に応じてポイントTpが発行され、そのポイントTpを消費することによって、ユーザー10に対応するキャラクターC1が現実地
図M1上が移動される。このキャラクターC1の移動により、その移動経路に沿った街区に対応するブロックは、ユーザーが画面上をタッチすることによりファンタジー化させることが可能となる(フェーズF1)。このファンタジー化の際には、ブロック毎にポイントTpが消費される。そして、このファンタジー化されたブロックは、
図6に示すように、時間経過或いはゲーム進行に応じて、その状態が遷移される。
【0095】
先ず、キャラクターC1の移動に伴い、その移動経路に隣接するブロックでは、未タップ状態ブロックB1として現実地
図M1の情報が白地図として表示される。そして、この未タップ状態ブロックB1をタッチする「現地タップ」操作によって活性化ブロックB2のようにファンタジー化される(フェーズF1)。なお、このときポイントTpを消費することにより、未踏地のブロックをタッチする「遠隔街区タップ」操作に応じて、移動経路から離れた未踏地ブロックB6もファンタジー化することができる(フェーズF6)。なお、この遠隔街区タップによってファンタジー化された未踏地ブロックB6では、通常の現地タップによるファンタジー化とは異なる画像が表示される。
【0096】
このファンタジー化された活性化ブロックB2は、時間が経過することにより森林等の植物が育成された「キラキラ状態」になるなどグレードアップされた活性化ブロックB3に遷移する(フェーズF2)。なお、ポイントTpを消費することによって入手される「促進剤」等の特典アイテムを使用することで、時間経過を待たずに即「キラキラ状態」に遷移させることができる。このグレードアップされて「キラキラ状態」に遷移した活性化ブロックB3では、そのブロックをタップすることによって、森林を伐採したり穀物を収穫したりするなどのイベント処理を実行できる。この収穫イベント処理によってポイントやアイテムが入手できるとともに、ファンタジー化がリセットされ、不活性ブロックB4に遷移する(フェーズF3)。この不活性ブロックB4では所定時間だけタップ操作が禁止されて一定時間ファンタジー化が不可となり、時間待ち状態となる。その後、この不活性ブロックB4において所定時間が経過すると活性化ブロック(未タップ状態)B5へと遷移され(フェーズF4)、再度タップ操作によるファンタジー化及び育成が可能となる(フェーズF5)。このようにファンタジー化されたブロックの状態が、サイクル的に次々と遷移されることにより、既に攻略した地域であってもゲーム性が維持されることとなる。
【0097】
(2)ポイント発行処理
図10は、本実施形態に係る上記ポイント発行処理の手順を示すフローチャート図である。同図に示すように、ユーザー10のスマートフォン1では、ゲームプログラムの実行中、常時或いは定期的に位置情報の取得処理及び移動速度の算出処理を実行しゲームサーバー3に報告する(S101)。具体的には、位置情報取得部144が、加速度センサー16による検出値や、ユーザーの現在位置の変位、GPSによる緯度・経度、基地局からの電波強度及び基地局情報に基づく三角測位による基地局測位、WifiのSSID(Service SetID)及び電波状況と経度緯度を組み合わせたデータベースを利用したWifi測位等による基地局測位の変化を位置情報として取得する。
【0098】
ユーザー端末から位置情報の報告を受けたゲームサーバー3では、ユーザー毎の累積経路を記録し(S201)、ユーザー毎の移動量(累積移動距離)を算出して蓄積している。この移動量が一定以上蓄積されるまで、累積経路の記録を継続し(S202における「N」)、一定上の移動量が蓄積されると(S202における「Y」)、その移動量に応じたポイント数が価値情報として発行される(S203)。この発行されたポイントは、ユーザーのスマートフォン1側でダウンロード等により受領される(S102)。
【0099】
ユーザーのスマートフォン1側では、受領したポイントに応じてキャラクターC1を仮想地
図M2上で移動させたり(S104)、そのポイントを貯めたりできる。また、継続してユーザー10が移動し続けて、ポイント発行を繰り返し(S103における「N」)、ポイントが一定量以上蓄積されると(S103における「Y」)、経路隣接ブロック路のファンタジー化或いは未踏地ブロックのファンタジー化をしたり、アイテムの購入などに使用したりなどの特典イベントの利用が可能となる(S105)。この特典イベントはポイント数に応じて選択的に利用が可能となり、ユーザーが利用可能な特典イベントを任意に選択し、利用要求の操作により実行される。この利用要求の操作は、ポイント数に応じたイベント発生処理に基づいて行われる。
【0100】
ユーザーがイベントの利用を選択すると、それに伴いイベントが進展され、ユーザーによるタッチ操作により、隣接ブロックや未踏地ブロックのファンタジー化が行われ(S105)、その操作結果がゲームサーバー3に報告される。このイベント進展報告を受けたゲーム側では、進展されたイベントに基づいてゲームを進行させる処理を実行する(S204)。以上のポイント発行と、その蓄積及びポイント利用によるイベント進展をゲームが終了するまで(S106及びS205における「Y」)繰り返すことができる(S106及びS205における「N」)。
【0101】
(3)各種ゲームモード
ついで、前記イベント処理部で実行される各種ゲームモードについて説明する。本実施形態では、「モンスター塗りモード」、「おんぶモード」及び「ガチフレンドモード」が設けられている。
【0102】
(3−1)モンスター塗りモード
通常モードでは、ユーザーが実際に移動した分だけゲームが進行するものであるため、ユーザーが自分自身では行けない場所や、行くための時間がないようなときには、ゲームがユーザーの望むように進行しない場合がある。本実施形態では、ユーザーの移動とは別に仮想的に移動するモンスター等のキャラクター(代理オブジェクト)にゲームを進行させて本位置ゲームの娯楽性を向上させている。
【0103】
モンスターやマスコット、キャラクターなど、ユーザーに関連付けられた仮想的な代理オブジェクトAOを、所定のアルゴリズムに従って現実地
図M1上で仮想的に移動させ、ユーザーが実際に実世界を移動しなくても、ユーザーになりかわって仮想地図上を移動し、移動軌跡を拡大させてゲームを進行させるモードである。このモンスター塗りモードは、ユーザー自身が移動できないような場所のファンタジー化を望む場合などの他、端末の電源がオフになっていたり、アプリケーションが起動されていないときなど、ユーザーの移動が検知されないときに、ユーザーの移動又は代理オブジェクトの仮想的な移動を取得し、現実世界におけるユーザー自身の移動、及び代理オブジェクトの仮想的な移動に伴って、それらの移動軌跡に沿ってブロックが出現するようになっている。
【0104】
具体的には、代理オブジェクト制御部143eが、モンスターやマスコット、キャラクターなど、ユーザーに関連付けられた仮想的な代理オブジェクトAOを、所定のアルゴリズムに従って現実地
図M1上で仮想的に移動させる。ここでの「所定のアルゴリズム」としては、ユーザーが指定した場所やイベントを目指して、最短距離のコースを選定したり、ユーザーが未踏のエリアを探し出してコースを選定したり等が挙げられる。
【0105】
詳述すると、例えば
図16(a)に示すように、ユーザー10a自身の現在位置で解放する操作を実行することで代理オブジェクトの単独行動イベントが起動され、代理オブジェクトAOは、単独で自由に移動し始め、所定のアルゴリムに従って任意の経路(例えば経路R11)を通って任意の場所(図中地点B)まで行き、その後、同図(b)に示すように、経路R12を通って、ユーザーの現在位置や、ユーザーが自宅として設定した座標まで戻ってくるようにすることができる。この代理オブジェクトは、ゲーム進行処理部36、又は代理オブジェクト制御部143eによって、地図情報上の位置がゲーム進行に従って自動的に移動されるもので、特定のユーザーの現在位置と連動されたり、所定のアルゴリズムに従って自動的に移動させることができる。
【0106】
そして、この代理オブジェクトは、所有者であるユーザーに成り代わって移動経路の記録を実行できるようになっている。すなわち、代理オブジェクトについても、代理オブジェクト制御部143eが、位置情報取得部144が取得したユーザーの現在位置や、ユーザー操作或いはゲームサーバー3による制御などによる変位履歴に基づいて移動経路や移動速度を算出して移動軌跡として記録する。この代理オブジェクト制御部143eによる移動経路の算出は、例えば、サンプリングされた各位置を時系列順に、隣接する2点間を最短距離で接続して移動経路を決定したり、地理情報を参照して2点間における道順に沿って経路を決定したりすることができる。そして、この代理オブジェクト制御部143eで記録され算出された代理オブジェクトAOによる移動軌跡は移動軌跡変更部143cに受け渡されて、ユーザー自身の移動軌跡として追加される。その移動軌跡に沿って代理オブジェクトAOやキャラクターC1が移動するグラフィックが表示データ生成部146によって生成され、表示制御部145によって表示されて、移動軌跡の追加によって出現したファンタジー化ブロックを操作したり、そのファンタジー化ブロックに出現したモンスターとのバトルなどのゲーム操作を行えるようになる。
【0107】
ここで、上述した代理オブジェクトの単独行動イベントについて説明する。
図16は、本実施形態に係る代理オブジェクトの単独行動イベントの説明図であり、
図17は、代理オブジェクトの単独行動イベントの動作手順を示すフローチャート図である。ここでは、
図16に示すように、ユーザー10aが現在位置である地点Aにおいて代理オブジェクトAOを解放し、ゲームサーバー3の制御に基づいて移動させて地点Bまで行き、その後地点Aにいるユーザー10aの元へ戻ってくる場合を例に説明する。なお、
図16では、ユーザー10aがキャラクターC1として表示された状態を示している。
【0108】
ユーザー10aは、現在位置において、代理オブジェクトAOを解放する操作を、スマートフォン1aで実行する(S501)。ここでは、
図16(a)に示すように、ユーザー10aは、地点Aにおいて、代理オブジェクトAOを解放する。この代理オブジェクトAOの解放により、スマートフォン1a上において代理オブジェクトAOの単独行動イベントが発生される。具体的には、位置情報取得部144が、ユーザー操作に基づいて、現実地
図M1上又は仮想地
図M2上の任意の位置に設置された代理オブジェクトAOを監視対象として選択し、ゲーム進行処理部36又は141が、代理オブジェクトAOの各地図情報上の座標位置を、所定のアルゴリズムに従って自動的に移動させる単独行動イベントを発生させる。
【0109】
次いで、この単独行動イベントの発生により、ゲームサーバー3側に代理オブジェクト解放報告が送信される。この代理オブジェクト解放報告を受信したゲームサーバー3では、代理オブジェクトイベント発生を登録し(S601)、代理オブジェクトAOの移動制御を開始する(S602)。これにより、代理オブジェクトAOが単独で自動的に移動する。なお、ここでは、地点Bを経由してユーザーは経路R12を通って地点Aに戻っており、往復の経路R11とR12では、ユーザー10aにとって未踏のエリアを探索しながら代理オブジェクトAOを移動させる。この代理オブジェクトAOの移動は変位履歴として記録され、位置情報の変位履歴としてスマートフォン1aに配信され(S603)、スマートフォン1aでは、代理オブジェクトAOの位置情報が更新され、地図上に経路として表示可能となる(S502)。
【0110】
このステップS502により、代理オブジェクト制御部143eでは代理オブジェクトの移動軌跡が記録され算出され、その算出された代理オブジェクトAOによる移動軌跡は移動軌跡変更部143cに受け渡されて、ユーザー自身の移動軌跡として追加される。その移動軌跡に沿って代理オブジェクトAOやキャラクターC1が移動するグラフィックが表示データ生成部146によって生成され、表示制御部145によって表示されて、移動軌跡の追加によって出現したファンタジー化ブロックを操作したり、そのファンタジー化ブロックに出現したモンスターとのバトルなどのゲーム操作を行える(S503)。この代理オブジェクトAOの移動軌跡によって発生されるバトルでは、実行できる操作や、その操作による効果が異なるように設定されている。
【0111】
その後、
図16(b)に示すように、代理オブジェクトAOがユーザーの元に帰還すると、ゲームサーバー3では、当該代理オブジェクトAOの移動制御の終了処理を実行し(S604)、代理オブジェクトイベントが終了した旨をスマートフォン1a側に報告する(S605)。この報告を受けてスマートフォン1a側では、代理オブジェクトイベントを終了させる(S504)。
【0112】
(3−2)おんぶモード
おんぶモードは、一人のユーザーが自分自身の移動を、他のユーザーの移動に同期させて、他のユーザーに、自分のゲームの進行を委託するゲームの進行方式である。この他のユーザーのゲーム進行に委託しているおんぶ状態では、他のユーザーの移動による処理が、おんぶした側において自分の移動であるように実行され、他のユーザーの移動に伴うグラフィックが見えたり、地図がスクロールされたり、ファンタジー化が進行されたりする。
【0113】
具体的には、他のユーザーと連携してゲームを進行させる際、ユーザー及び他のユーザーが所定の通信エリア内に在圏した状態において、連携認証部143aが、ユーザー及び他のユーザーによる承認操作を検出し、相互に承認した場合に一方が他方へのゲーム進行の委託、すなわちおんぶモードの開始を承認する。
【0114】
この連携認証部143aによる認証が完了すると連携実行部143bが、所定の条件に基づき、他のユーザーとの連携処理を実行する。移動軌跡変更部143cは、他ユーザー位置情報取得部143dが取得した、他のユーザーが移動した軌跡を自機の移動軌跡に追加したり、差し替えたりして、自分の移動軌跡として取り込むことができるようになっている。この連携処理は、電源がオフになっていたり、アプリケーションが起動されていないなど、ユーザーの移動を検知できない状態にあっても、他のユーザーの移動が、自機の移動軌跡に反映される。なお、このおんぶモードが実行されている間、他のユーザーの現在位置と、自機の現在位置とが所定の距離内に接近した場合に、他のユーザーの現在位置に関する表示が規制されるようになっている。
【0115】
ここで、他のユーザーに、自分のゲームの進行を委託する「おんぶモードイベント」について説明する。
図18は、本実施形態に係るおんぶモードイベントを示す説明図であり、
図19は、おんぶモードイベントの動作手順を示すフローチャート図である。ここでは、ユーザー10aがユーザー10bに自分のゲーム進行(移動軌跡の形成)を託し、ユーザー10bの移動先においておんぶモードを解放する場合を例に説明する。なお、
図18では、ユーザー10aがキャラクターC1として、ユーザー10bがキャラクターC2として表示された状態を示している。
【0116】
図19に示すように、ユーザー10aはユーザー10bに対しておんぶモードを依頼する操作を、自分のスマートフォン1a上で実行する(S801)。ここでは、
図18(a)に示すように、地点Aにおいて、ユーザー10aからユーザー10bに対しておんぶモードを依頼する。この依頼操作を受けてユーザー10bのスマートフォン1bにおいておんぶモードを承認する操作がされたものとする(S901)。これにより、スマートフォン1a及びスマートフォン1b上においておんぶモードの委託・受任イベントが発生される。
【0117】
具体的には、スマートフォン1a側の位置情報取得部144が、現実世界におけるスマートフォン1bの現在位置を取得して、監視対象の座標位置として選択し、ゲーム進行処理部36又は141が、おんぶモード開始地点をユーザー10bの現在位置に基づいて設定し、スマートフォン1bの移動、及びゲームサーバー3の制御に基づき、ユーザー10aの位置が、ユーザー10bの移動に伴って自動的に移動される委託イベントを発生させる。
【0118】
この委託イベントの発生により、ゲームサーバー3側に代理オブジェクト委託報告又は受託報告が送信される(S802)。この報告は、委託した側であるスマートフォン1aから委託報告として送信してもよく、受託された側であるスマートフォン1bから受託報告として送信してもよく、また、スマートフォン1a及び1bの両方から委託及び受託を報告するようにしてもよい。これらの報告を受けたゲームサーバー3側では、おんぶモード委託イベントが発生した旨をデータベースに登録する(S701)。またこのとき、おんぶモード委託イベント発生の登録と併せて、スマートフォン1aとスマートフォン1bとの間では、初期処理として、おんぶモード開始地点を設定すべく、位置情報の同期を行う(S803)。
【0119】
その後、おんぶモードを受託したユーザー10bは、ユーザー10aとは別行動で任意の場所へ移動する。そして、おんぶモードが解放されるまで、常時、ユーザー10bの移動先であるスマートフォン1bの現在位置をゲームサーバー3側に報告する(S902、S903における「N])。この間、ゲームサーバー3は、スマートフォン1bからの移動報告を受けて、データベース上のおんぶモードの位置情報を更新するとともに(S702)、更新された位置情報の通知をスマートフォン1a側に送信する(S703)。
【0120】
ステップS703の移動報告の通知を受けて、スマートフォン1aでは、おんぶモード上における自機の位置情報を更新し、ゲームサーバー3側の情報と同期させる(S804、S805における「N])。これにより、代理オブジェクトAOの移動は変位履歴としてゲームサーバー3側で記録されるとともに、スマートフォン1a側でも、おんぶモード上における自機の位置、すなわち実際のスマートフォン1bの現在位置及びその移動経路が地図上に表示可能となる。なお、このユーザー端末の移動報告は、スマートフォン1bからスマートフォン1aに直接送信し、スマートフォン1a及びスマートフォン1bとの間で同期を取るようにしてもよい。このおんぶモードが実行されている間は、スマートフォン1bが移動している様子を、地図のスクロールやグラフィックなどで表示する処理がスマートフォン1a側で行われる。
【0121】
なお、このおんぶモードが実行されている間、他のユーザーの現在位置と、自機の現在位置とが所定の距離内に接近した場合に、他のユーザーの現在位置に関する表示を規制されるようになっている。詳述すると、
図20に示すように、他のユーザー(例えばおんぶされている側のユーザー)の現在位置と自機(おんぶしている側のユーザー)の現在位置とが所定の距離内(図示した例ではユーザー10bを中心とする所定半径のエリアA10内)に接近した場合、またはおんぶされているユーザー側で設定した所定のエリア内におんぶしている側のユーザーが進入した場合に、表示規制部143g及びゲームサーバー3が、他のユーザー(おんぶされている側のユーザー)の現在位置に関する表示を規制する。
【0122】
この表示を規制する設定は、おんぶされている側のユーザーが任意に設定することができ、表示規制をする場所(緯度・経度、都道府県市町村などの行政区単位)や時間帯、自機からの距離などを設定できる他、通常は表示を禁止して、例えば旅行中やイベント開催期間のみなど任意の場所や時間を設定したときだけ表示を許可するといった設定も可能となっている。この表示規制の方式としては、現実地図や仮想地図上における位置情報の表示や、周辺の風景の撮影、グラフィック表示を禁止する他、現在位置がリアルタイムに相手方に通知されないように、任意に設定した時間差(例えば、数時間前など)を設けて相手方に通知するなどが挙げられ、これらの表示規制の設定は、ユーザー操作により任意に選択したり組み合わせたりすることができる。現在位置の表示に時間差を設ける場合には、ステップS902の時点で移動報告をするタイミングを遅らせるようにしてもよいし、ステップS702又はS703の時点でゲームサーバー3がおんぶモードの位置情報の更新やその通知のタイミングを遅らせるようにしてもよい。
【0123】
そして、ユーザー10a又はユーザー10bが、任意の位置において、おんぶモードを解放する操作をスマートフォン1a又は1bで実行すると(S805又はS903における「Y」)、解放操作を行った端末から他方の端末及びゲームサーバー3へその旨の報告が送信される。このおんぶモード解放報告を受信したゲームサーバー3では、おんぶモードイベントの終了処理を実行し(S704)、おんぶモードイベントが終了した旨をスマートフォン1a及び1b側に報告する(S705)。この報告を受けてスマートフォン1a及び1b側では、おんぶモードイベントを終了させる(S807及びS905)。
【0124】
(3−3)ガチフレンドモード
ガチフレンドモードは、家族や友人などのセキュリティ上も信用のできる関係にあるユーザー間で、ゲーム進行を委託したり、連携したりできるモードである。このガチフレンドモードとしては、家族や親しい友人が二人で同一の経路を移動すると、ファンタジー化のブロックサイズや数量が増加されたり、移動速度が速められたり、バトルの攻撃力が増大される同行モードがある。この同行モードでは、他のユーザーの現在位置と、自機の現在位置とが所定の距離内に接近し、且つ自機の移動軌跡と他のユーザーの移動軌跡が一致する場合に連携処理が実行される。また、ガチフレンドモードには、一人のユーザーが自分自身の移動を、家族や友人などの親しい関係にあるユーザーの移動に同期させて、他のユーザーに、自分のゲームの進行を委託する委託モードがある。このガチフレンドモードでは、例えば、同一Wifiエリアや、Bluetoothの近距離ネットワークなど、ユーザー及び他のユーザーが、所定の通信エリア内に在圏した状態において、ユーザー及び他のユーザーによる承認操作に基づいて、委託又は同行モードの実行を許可する。
【0125】
(3−3−1)ガチフレンド同行モード
ここで、「ガチフレンドモードイベント」のうち、家族や親しい友人が二人で同一の経路を移動する「ガチフレンド同行モード」について説明する。
図21は、本実施形態に係るガチフレンド同行モードを示す説明図であり、
図22は、ガチフレンド委託モードイベントの動作手順を示すフローチャート図である。ここでは、同一家族の構成員であるユーザー10aとユーザー10bとが同じ経路を同行してゲームを進行させる場合を例に説明する。なお、
図21では、ユーザー10aがキャラクターC1として、ユーザー10bがキャラクターC2として表示された状態を示している。
【0126】
詳述すると、通常のモードでは、
図21(a)に示すように、ユーザー10aが単独で移動しているが、このガチフレンド同行モードでは、同図(b)に示すように、家族や親しい友人が二人で同一の経路を移動すると、ファンタジー化のブロックサイズや数量が増加されたり、移動速度が速められたり、バトルの攻撃力が増大される。この同行モードでは、他のユーザーの現在位置と、自機の現在位置とが所定の距離内に接近し、且つ自機の移動軌跡と他のユーザーの移動軌跡が一致する場合に連携処理が実行される。
【0127】
具体的には、
図22のように、ユーザー10aとユーザー10bとは例えば、家屋内に形成された同一Wifiエリアや、同一Bluetoothの近距離ネットワークなどの通信エリア内に在圏した状態にあり、ユーザー10a及びユーザー10bは、この通信エリアNA内で実行可能な承認操作を行うことにより、お互いに相手の「ガチフレンド」と設定され、ガチフレンド同士でのみ委託又は同行モードが実行可能となる。ここでは、図中地点A、例えばWifi等の通信エリアNAに接続可能なスマートフォン1を用いて、通信ネットワークに接続しており(ステップS1100)、ガチフレンドモードの利用が可能となっている。なお、この所定の通信エリアNAとしては、同一Wifiネットワークや、Bluetoothによる近距離ネットワークの他、赤外線や音声による信号の送受信が可能な範囲などが含まれる。
【0128】
そして、この通信エリアNAにおいて、ユーザー10a及びユーザー10bは、相互に相手をガチフレンドとして承認する操作を、自分のスマートフォン1a上で実行する(S1101,S1201)。ここでは、
図21(b)に示すように、地点Aにおいて、ユーザー10a及びユーザー10bが互いにガチフレンドとして承認する。これにより、スマートフォン1a及びスマートフォン1b上においてガチフレンド確立処理が開始される。
【0129】
具体的には、スマートフォン1a及び1bそれぞれの位置情報取得部144が、現実世界における現在位置を取得して、ゲーム進行処理部36又は141が、ガチフレンドモード開始地点をユーザー10a及びユーザー10bの現在位置に基づいて設定し、ガチフレンドが確立される。
【0130】
このガチフレンドの確立により、ガチフレンド確立報告が送信される(S1102)。この報告は、スマートフォン1a又はスマートフォン1bのいずれか一方から送信してもよく、スマートフォン1a及び1bの両方から送信するようにしてもよい。これらの報告を受けたゲームサーバー3側では、ガチフレンドモードの同行イベントが発生した旨をデータベースに登録する(S1001)。またこのとき、ガチフレンドモード同行イベント発生の登録と併せて、スマートフォン1aとスマートフォン1bとの間では、初期処理として、ガチフレンドモード開始地点を設定すべく、位置情報の同期を行う(S1103)。
【0131】
その後、ガチフレンドを確立されたユーザー10a及び10bは、同行して任意の場所へ移動する。そして、ユーザー10a及び10b間の距離が離間されるまで、常時、ユーザー10a及び10bの移動先である現在位置をゲームサーバー3側に報告する(S1202、S1203における「Y]、S1104、S1105における「Y])。この間、ゲームサーバー3は、スマートフォン1a又は1bからの移動報告を受けて、データベース上のガチフレンドモードの位置情報を更新する(S1002)。
【0132】
この同行モードが進行している間は、ファンタジー化のブロックサイズや数量が増加されたり、移動速度が速められたり、バトルの攻撃力が増大される。そして、ユーザー10a又はユーザー10bが任意の位置において離間すると(S1105又はS1203における「N」)、いずれかの端末からゲームサーバー3へその旨の報告が送信される(S1106及びS1204)。この離間報告を受信したゲームサーバー3では、ガチフレンドモードイベントの終了処理を実行し(S1003、ガチフレンドモードイベントが終了した旨をスマートフォン1a及び1b側に報告する(S1004)。この報告を受けてスマートフォン1a及び1b側では、ガチフレンドモードイベントを終了させる(S1107及びS1205)。なお、ここでは、スマートフォン1側からゲームサーバー3側へ離間報告をするようにしたが、ゲームサーバー3側でスマートフォン1間の距離を監視し、所定の距離以上離間した場合にゲームサーバー3が主導でイベント終了処理を実行するようにしてもよい。
【0133】
(3−3−2)ガチフレンド委託モード
次いで「ガチフレンドモードイベント」のうち、ユーザーが自分自身の移動を家族や友人などの親しい関係にある他のユーザーの移動に委託する「ガチフレンド委託モード」について説明する。
図23は、本実施形態に係るガチフレンド委託モードを示す説明図であり、
図24は、ガチフレンド委託モードイベントの動作手順を示すフローチャート図である。ここでは、同一家族の構成員であるユーザー10aがユーザー10bに自分のゲーム進行(移動軌跡の形成)を託する場合を例に説明する。なお、
図23では、ユーザー10aがキャラクターC1として、ユーザー10bがキャラクターC2として表示された状態を示している。
【0134】
図23に示すように、ユーザー10aとユーザー10bとは例えば、家屋内に形成された同一Wifiエリアや、同一Bluetoothの近距離ネットワークなどの通信エリア内に在圏した状態にあり、ユーザー10a及びユーザー10bは、この通信エリアNA内で実行可能な承認操作を行うことにより、お互いに相手の「ガチフレンド」と設定され、ガチフレンド同士でのみ委託又は同行モードが実行可能となる。ここでは、図中地点A、例えばWifi等の通信エリアNAに接続可能なスマートフォン1を用いて、通信ネットワークに接続しており(
図24中ステップS1400)、ガチフレンドモードの利用が可能となっている。なお、この所定の通信エリアNAとしては、同一Wifiネットワークや、Bluetoothによる近距離ネットワークの他、赤外線や音声による認証信号の送受信が可能な範囲、端末を振るなどのアクションを同時に取れる至近距離範囲などが含まれ、屋外でも実行できるようになっている。
【0135】
そして、
図24に示すように、この通信エリアNAにおいて、ユーザー10aはユーザー10bに対してガチフレンドモードを依頼する操作を、自分のスマートフォン1a上で実行する(S1401)。なお、通信エリアNA内に双方のユーザーが在圏していることが確認できない場合には、エラー表示が実行されるとともに、他のモードである「おんぶモード」を推奨するメッセージを出力して、上述した「おんぶモード」としての承認処理に自動的に移行するようにしてもよい。ここでは、
図23(a)に示すように、地点Aにおいて、ユーザー10aからユーザー10bに対してガチフレンドモードを依頼する。この依頼操作を受けてユーザー10bのスマートフォン1bにおいてガチフレンドモードを承認する操作がされたものとする(S1501)。これにより、スマートフォン1a及びスマートフォン1b上においてガチフレンドモードの委託・受任イベントが発生される。
【0136】
具体的には、スマートフォン1a側の位置情報取得部144が、現実世界におけるスマートフォン1bの現在位置を取得して、監視対象の座標位置として選択し、ゲーム進行処理部36又は141が、ガチフレンドモード開始地点をユーザー10bの現在位置に基づいて設定し、スマートフォン1bの移動、及びゲームサーバー3の制御に基づき、ユーザー10aの位置が、ユーザー10bの移動に伴って自動的に移動される委託イベントを発生させる。
【0137】
この委託イベントの発生により、ゲームサーバー3側に代理オブジェクト委託報告又は受託報告が送信される(S1402)。この報告は、委託した側であるスマートフォン1aから委託報告として送信してもよく、受託された側であるスマートフォン1bから受託報告として送信してもよく、また、スマートフォン1a及び1bの両方から委託及び受託を報告するようにしてもよい。これらの報告を受けたゲームサーバー3側では、ガチフレンドモード委託イベントが発生した旨をデータベースに登録する(S1301)。またこのとき、ガチフレンドモード委託イベント発生の登録と併せて、スマートフォン1aとスマートフォン1bとの間では、初期処理として、ガチフレンドモード開始地点を設定すべく、位置情報の同期を行う(S1403)。
【0138】
その後、ガチフレンドモードを受託したユーザー10bは、ユーザー10aとは別行動で任意の場所へ移動する。そして、ガチフレンドモードが解放されるまで、常時、ユーザー10bの移動先であるスマートフォン1bの現在位置をゲームサーバー3側に報告する(S1502、S1503における「N])。この間、ゲームサーバー3は、スマートフォン1bからの移動報告を受けて、データベース上のガチフレンドモードの位置情報を更新するとともに(S1302)、更新された位置情報の通知をスマートフォン1a側に送信する(S1303)。
【0139】
この移動報告の通知を受けて、スマートフォン1aでは、ガチフレンドモード上における自機の位置情報を更新し、ゲームサーバー3側の情報と同期させる(S1404、S1405における「N])。これにより、代理オブジェクトAOの移動は変位履歴としてゲームサーバー3側で記録されるとともに、スマートフォン1a側でも、ガチフレンドモード上における自機の位置、すなわち実際のスマートフォン1bの現在位置及びその移動経路が地図上に表示可能となる。なお、このユーザー端末の移動報告は、スマートフォン1bからスマートフォン1aに直接送信し、スマートフォン1a及びスマートフォン1bとの間で同期を取るようにしてもよい。このガチフレンドモードが実行されている間は、スマートフォン1bが移動している様子を、地図のスクロールやグラフィックなどで表示する処理がスマートフォン1a側で行われる。
【0140】
そして、ユーザー10a又はユーザー10bが、任意の位置において、ガチフレンドモードを解放する操作をスマートフォン1a又は1bで実行すると(S1405又はS1503における「Y」)、解放操作を行った端末から他方の端末及びゲームサーバー3へその旨の報告が送信される。このガチフレンドモード解放報告を受信したゲームサーバー3では、ガチフレンドモードイベントの終了処理を実行し(S1304)、ガチフレンドモードイベントが終了した旨をスマートフォン1a及び1b側に報告する(S1305)。この報告を受けてスマートフォン1a及び1b側では、ガチフレンドモードイベントを終了させる(S1407及びS1505)。
【0141】
(4)一括入力操作処理
次いで、イベント時における一括入力処理について説明する。本実施形態において、ゲーム進行処理部141は、例えば、ファンタジー化したブロック上に存在するモンスターM0などに接近すると、そのモンスターと遭遇したとしてバトル等のイベント処理が実行される。
【0142】
本実施形態に係るゲーム進行処理部141には、イベント発生領域を通過中に、モンスターと遭遇しイベント処理が発生した場合に、そのイベント処理において、各モンスターに対して本来個別的に入力すべき操作を、単一の一括終了操作で遂行する入力インターフェース制御機能が備えられている。このゲーム進行処理部141では、通常、定型的なイベント処理において登場する複数の処理対象(モンスターM0等)のそれぞれに対して、ユーザー操作の入力を個別的に受け付ける個別入力ステップが実行されるが、ユーザーの選択操作に基づいて、この個別入力ステップに代えて、複数のモンスターを一括して処理する単一の一括終了操作の入力が可能となる一括終了操作ステップが設けられている。この一括終了操作の入力によって、複数のモンスターが全て処理された場合に当該イベント処理が遂行されたものとしてゲームを進行される。
【0143】
本実施形態に係るゲーム進行処理部141のイベント処理部143は、ユーザー操作が適正に入力された場合に当該イベント処理を遂行してゲームを進行させるイベント遂行処理部143hを備えている。このイベント遂行処理部143hで取得されるユーザー操作はタッチ画面上に軌跡を描く軌跡入力操作であり、イベント処理部143は、軌跡入力操作で描かれた軌跡の形状、及び仮想オブジェクトに対する相対位置に基づいてイベント処理を遂行させる。
【0144】
ここで、上述した通常行われる個別入力として、バトルに登場するモンスターM0の一匹一匹に対して入力される軌跡入力操作が含まれ、この軌跡入力操作としては、例えば、
図12(a)に示すように、タッチパネル上に斜線を素早く入力するスラッシュ操作Ac1がある。このモンスターM0は仮想空間内において背景Bgに対して相対移動されるオブジェクトであり、この背景Bgに対して相対移動するように表示されることによって、仮想空間内を動き回るように表現され、スラッシュ操作Ac1は、ユーザーが操作するキャラクターがモンスターM0に向けて振り下ろされた剣による攻撃などを表している。
【0145】
そして、スラッシュ操作Ac1の軌跡である線が描かれる位置やタイミング、方向、形状、イベント処理対象となっているモンスターM0に接触したかどうか等の種々のパラメーターに応じて、そのモンスターM0に与えるダメージが決定される。また、本実施形態に係るスラッシュ操作Ac1では、
図12(b)に示すように、スラッシュを描く際に画面にタッチした状態で、同一位置で静止させていわゆる「長押し」の状態を維持することで、その静止させた時間長に応じたエネルギーが蓄積される演出がなされ、その蓄積されたエネルギーに応じたダメージをモンスターM0に与えることができる。さらに、軌跡入力操作としては、
図13に示すように、魔法を掛けるときのサインやアクションのように、タッチパネル上に○や×、△などの文字や、記号、図形等を描くなど、ユーザーの現在位置やモンスターM0の種別に応じたサインAc2を入力する方法なども含まれる。
【0146】
なお、本実施形態では、これらの軌跡入力操作に対して、モンスターM0は、盾を構えたり、バリヤを張ったりなど画像変形やオブジェクトを追加表示することにより、モンスターM0の防御行動や耐性等の特性変化が生じ、軌跡入力操作によるダメージを軽減させる演出がなされるようになっている。また、軌跡入力操作の効力に応じて、キャラクターの体力や魔力などのパラメーターが減少する他、ポイントTpが消費されたり、制限時間が早まったりなどの演出がなされる。
【0147】
さらに、本実施形態では、軌跡入力操作により遂行されるバトルイベント処理(仮想空間上に現れたモンスター等の敵キャラクターとの戦闘ゲーム)において、この軌跡の入力操作によって入力される軌跡の態様(コマンド)、例えば、スラッシュ操作の画面上の位置、入力されるタイミング、軌跡の方向、形状が、ユーザーの位置情報に基づいて変化する。具体的には、イベント遂行処理部143hが、位置情報取得部144又は外部移動記録取得部143fから自機の現在位置を取得し、各種軌跡入力操作によって発生或いは展開されるイベントのシナリオデータをメモリ15から読みだし、現在位置に対応したシナリオデータを参照して、シナリオデータに従ってイベントを遂行する。他のユーザーとの連携態様については、イベント遂行処理部143hが連携実行部143bに問い合わせを行い、連携中の他のユーザーのステイタス(レベルやポイント数、移動距離、両ユーザーによる連携継続時間)を取得し、現在の連携態様を決定する。
【0148】
ここで参照されるシナリオデータとは、ゲーム進行の分岐や進展を記述したプログラム又はデータであり、軌跡入力操作(コマンド)、位置情報、他のユーザーとの連携態様に、ゲーム進行の分岐や進展を関連付けたテーブルデータである。イベント遂行処理部143hが、ユーザーによって入力された軌跡操作と、ユーザー(他のユーザーを含む)の現在位置などの位置情報、連携実行部143bから取得した連携態様(他のユーザーのステイタス等)に基づいてテーブルデータを参照することにより、入力すべきコマンドや、次に発生されるイベント、入力されたコマンドによる効果、発生中のイベントの進展が選択・決定される。
【0149】
例えば、ユーザーの現在位置によって、「ご当地アイテム」や「ご当地魔法」等使用できるコマンドが変化するようになっており、その現在位置に関連付けられたシナリオデータから読み出され、それに合わせたコマンド入力(軌跡入力によるサインやアクション)が変化され、適正なコマンドが入力されることによって、イベントの展開が変化するようになっている。また、上述した「モンスター塗り機能」や「おんぶモード」、「ガチフレンドモード」が実行中であるなど、ユーザーに関連付けられた仮想的な代理オブジェクト、他のユーザーとの連携態様に基づいても、上記シナリオデータが参照され、軌跡入力操作で入力すべきサインやアクションが変化される。
【0150】
また、この軌跡入力操作によってにより実行されるアイテム使用や魔法などのコマンドの効果についても、ユーザーの位置情報、ユーザーに関連付けられた仮想的な代理オブジェクト、他のユーザーとの連携態様に基づいて変化する。例えば、おんぶモードが実行中の場合には、おんぶしている側のユーザーと、おんぶされている側のユーザーのステイタス、ポイント数、経験値、累積同距離などの合計、差分など、その時点における連携態様に応じて入力すべき軌跡の形状や、入力されたコマンドによる効果が変化するようになっている。さらに、上述したガチフレンドの同行モードで、同行している他のユーザーのステイタスやポイント数などの連携態様に応じて、入力すべき軌跡の形状や、入力されたコマンドによる効果が変化するようになっている。
【0151】
一方、一括終了操作としては、例えば
図14に示すように、スマートフォン1を傾斜させて、モンスターを一括して画面外へ排除する操作であったり、スマートフォン1を振ってモンスターを一括してショック死させる操作であったり、マイクに向かって息を吹きかけてマイクに風圧によるノイズ音を入力する操作であってもよい。なお、これら複数の処理対象であるモンスターには、処理完了に必要なしきい値としてライブポイントやレベルがそれぞれ設定されており、一括操作入力では、しきい値が所定の値以下であるモンスターのみが退治され、一定のしきい値を越えるモンスターに対しては、上述した個別入力が要求される。また、一括終了操作として、
図15に示すように、現実地
図M1上に重畳されて表示されたモンスターM0に対して上述したようなスラッシュ操作Ac1などの軌跡入力操作をすることもできる。この場合は、例えば現実地
図M1上にファンタジー化ブロックB0が非アクティブ状態で出現させ、その非アクティブ状態のファンタジー化ブロックB0上にモンスターM0が表示され、このモンスターM0を退治するなどのイベント処理を遂行することで、当該ファンタジー化ブロックB0をアクティブ化するような条件を設けることができる。
【0152】
なお、本実施形態では、この一括終了操作における軌跡入力に対しても、モンスターM0は、盾を構えたり、バリヤを張ったりなど画像変形やオブジェクトを追加表示することにより、モンスターM0の防御行動や耐性等の特性変化が生じ、軌跡入力操作によるダメージを軽減させる演出がなされるようになっている。また、各モンスターM0のここに設定された耐性に応じて退治されるものと生き残るものが出るようにしてもよい。そして各軌跡入力操作の効力に応じて、ユーザーのキャラクターの体力や魔力などのパラメーターが減少する他、ポイントTpが消費されたり、制限時間が早まったりなどの演出がなされる。
【0153】
また、上述した個別入力操作及び一括終了操作での軌跡入力では、息を吹きかけたり、スマートフォン1を傾斜させるなどのアクションを行うことによって、モンスターM0の数を減らしたり、耐性・防御力を低めるなど、パラメーターの減算又は加算する演出を行い、その後に生き残ったモンスターM0に対して個別入力操作を行うときには、その減算・加算されたパラメーターに対して軌跡入力操作を行えるようにしてもよい。また、上述した個別入力操作や一括終了操作は、例えばユーザーが現実世界において移動中であるときのみ、或いは静止中であるときのみ実行可能としてもよい。
【0154】
このような一括入力操作処理について具体的に説明する。
図11は、イベント処理に関する動作を示すシーケンス図である。先ず、ゲーム進行に際し、周期的に各スマートフォン1において位置情報を取得してゲームサーバー3に送信する(S401及びS301)。ゲームサーバー3側では、この送信された各ユーザーの移動距離に従ってポイントを発行し(S302)、発行されたポイントをスマートフォン1側に送信して、ユーザーに付与する(S303)。スマートフォン1側では、この付与されたポイントを受信し、ユーザー操作に基づいてポイントの利用することにより、キャラクターC1が仮想地図上を移動させたり、ブロックをファンタジー化したりできるようになる(S402)。
【0155】
そして、バトルのイベント処理が発生したときに(S403の「Y」)、ユーザーが一括処理を選択した場合(S404の「Y」)、個別処理を省略して、一括終了操作にてイベントを進行させる。また、ユーザーが一括処理を選択しない場合には、通常通りの定型的な個別入力を要求する(S406)。なお、ここでは、ユーザーによる任意の選択操作により一括処理を実行できるようにしているが、例えば、スマートフォン1側において位置情報取得部144が取得する自機の現在位置の移動速度を監視し、ユーザーの移動速度が所定値以上である場合に、当該イベントの処理において強制的に一括処理を実行するようにしてもよい。この場合、ゲーム進行処理部141が、一括処理可能イベントにおいて、複数の定型的な操作に代えて一括終了操作を強制的に選択して、個別入力操作を省略してバトルを終了させてゲームを進行させる。このとき、ユーザーの移動速度が所定値以上である場合には、バトルに登場するモンスターのレベルを低減させて、一括終了の成功率を高めるようにしてもよい。
【0156】
一方、一括処理によって(S404の「Y」)、モンスターが全滅した場合(S405の「Y」)には、当該イベント処理が遂行されたとして同期処理部142を通じてゲームサーバー3側のゲーム進行処理部141に通知され(S407)、ゲームサーバー3側で同期処理がなされ(S304)、その実行されたイベント処理の結果が後のゲーム進行処理に反映される(S305)。他方、ステップS404で一括処理を選択しなかった場合(S404の「N」)、又は一括処理でモンスターが全滅しなかった場合(S405の「N」」)、個別定型入力を受け付け(S406)、通常通りのバトル展開と実行する。そして、バトルの終了後、その結果を、サーバー側に送信して同期処理を行い(S407)、この報告を受けたゲームサーバー3側では、同期処理がなされ(S304)、バトルの結果が、後のゲーム進行処理に反映される(S305)。
以上の処理は、ゲームが終了されるまで繰り返され(S408の「N」)、ゲーム処理の操作がなされたときに(S408の「Y」)、ゲームが終了される。
【0157】
(作用・効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、現実世界におけるユーザーの移動距離に相関して仮想世界においてゲームが進行される位置ゲームにおいて、ユーザーに関連付けられた仮想的な代理オブジェクトAOを、所定のアルゴリズムに従って現実地
図M1上で仮想的に移動させてゲームを進行させることができ、ユーザーが自分自身では行けない場所や、行くための時間がないようなときであっても、自動的にゲームを進行させることができる。この代理オブジェクトは、本実施形態では、スマートフォン1のOS側に備えられたOS側位置情報取得部17bや、ゲームサーバー3側の位置情報管理部32によって自動的に取得されるため、ゲームのアプリケーションが起動されていなかったり、或いはスマートフォン1の電源がオフになっていたときであっても、ゲームを自動的に進行させることができる。
【0158】
また、本実施形態によれば、「おんぶ機能」を設けているため、他のユーザーの移動を自己のゲーム進行に反映させて自分のゲームを進行させることができるとともに、「おんぶ機能」を通じて、他のユーザーとコミュニケーションを取りつつゲームを進行させることが可能となる。
【0159】
さらに、本実施形態によれば、あるユーザーの移動軌跡と他のユーザーの移動軌跡とが一致したり、所定の通信エリア内に在圏しているときに連携処理を実行させる、いわゆる「ガチフレンド機能」を通じて、他のユーザーと同行して移動したり、他のユーザーに移動を委託したりすることができる。これにより、親しいユーザーと同行しているときや、家族などに委託している場合に、ファンタジー化の効果や、バトルイベント時における攻撃力やアイテムなどに変化をつけることができ、他のユーザーとコミュニケーションを取ることが、ゲームの得点や展開を拡大させることにつながるため、他のユーザーとコミュニケーションを取る契機となり、ゲームの娯楽性を向上できる。
【0160】
さらにまた、本実施形態では、あるユーザーの移動軌跡と他のユーザーの移動軌跡とが一致したり、所定の通信エリア内に在圏しているときに、連携処理を実行させる、いわゆる「ガチフレンド機能」を設け、ゲーム上におけるユーザーの移動の意義に他のユーザーとの関係性を持たせて、他のユーザーとコミュニケーションを取りつつゲームを進行させることができ、これにより、ゲーム方式の多様化を通じてゲームの娯楽性を向上できる。
【0161】
また、本実施形態によれば、ロールプレイングゲームのように定型的なイベント処理を順次遂行するようなゲームにおいて、タッチ画面上に軌跡を描くユーザー操作を入力し、その描かれた軌跡の形状及び仮想オブジェクトに対する相対位置に基づいてイベント処理を遂行させるため、仮想オブジェクトに接触するように描かれたスラッシュや、ユーザーの現在位置に応じた文字又は図形を用いたコマンド入力ができ、ゲーム中に発生するバトル等のイベント処理における操作の多様化を図ることができ、ゲームの娯楽性を向上できる。