【実施例】
【0073】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0074】
<平均厚み>
防汚性樹脂層、及びプライマー層それぞれの膜厚を、フィルメトリクス株式会社製F20膜厚測定システムで任意の10箇所で測定した。その平均値をそれぞれの平均膜厚とした。
【0075】
<密着性>
JIS K5400に準拠してクロスカット試験を行った。100マス中剥がれずに残った数を数えた。
剥がれない(100マス中100マス残る)場合を、「100/100」と表し、すべて剥がれる(100マス中1マスも残らない)場合を「0/100」と表す。
【0076】
<水転落角>
水転落角は協和界面化学株式会社製自動接触角計DM−501を用いて下記の条件で測定した。
蒸留水の滴下量=20μL
測定温度=25℃
試験片に水を滴下して5秒経過後連続的に傾斜させていき水滴が落ちはじめる角度を測定した。試験片の任意の10か所で測定しその平均値を水転落角とした。
【0077】
<表面エネルギー>
表面エネルギーは協和界面化学株式会社製自動接触角計DM−501を用いて水とヘキサデカンの接触角を測定しKaelble−Uyの方法で算出した。
<<水接触角>>
水接触角は下記の条件で測定した。
蒸留水の滴下量=2μL
測定温度=25℃
水を滴下して5秒経過後の接触角を試験片の任意の10か所で測定しその平均値を水接触角とした。
<<ヘキサデカン接触角>>
ヘキサデカン接触角は下記の条件で測定した。
ヘキサデカンの滴下量=1μL
測定温度=25℃
ヘキサデカンを滴下して20秒経過後の接触角を試験片の任意の10か所で測定しその平均値をヘキサデカン接触角とした。
【0078】
<マルテンス硬度>
試験片のマルテンス硬度はフィッシャー・インストルメンツ社製PICODENTOR HM500を用いて下記の条件で測定した。
荷重=1mN/20s
針=面角136°のダイアモンド錐体
任意の10か所で測定しその平均値をマルテンス硬度とした。
【0079】
<動摩擦係数>
協和界面科学株式会社製Triboster TS501を用いて測定した。面接触子に旭化成株式会社製BEMCOT(登録商標) M−3IIを両面テープで貼り付け測定荷重50g/cm
2、測定速度1.7mm/s、測定距離20mmとして12回測定しその平均値を動摩擦係数とした。
【0080】
<水垢の除去性>
試験片に水道水を噴霧して50℃で乾燥させる工程を60回繰り返した。きれいな布で乾拭きしたのち目視で観察して下記の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○:水垢をきれいに除去できた。傷もなかった。
×:水垢が残っていたり傷がついていた。
【0081】
<油性マジックの除去性>
Sharpie PROFESSIONAL(黒の油性マジック、商品名、Newell Rubbermaid社製)で試験片を汚した。これをティッシュペーパー(大王製紙株式会社製、エリエール)で10回円を描くように乾拭き後目視で観察して下記の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○: マジックのインクをよくはじき2〜5回の払拭で汚れがなくなっていた。
△: マジックのインクを弱くはじく。6〜10回の払拭で汚れがなくなっていた。
×: マジックのインクをはじかず10回払拭しても汚れが残っていた。
【0082】
<皮脂の除去性>
立てかけた試験片に指で皮脂を押しつけた。ここにスポイトで水道水をかけたのち目視で観察して下記の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○: 皮脂がなくなっていた。
×: 皮脂が残っていた。
【0083】
<耐傷性>
試験片をメラミンスポンジ(レック株式会社製劇落ちくん)で荷重300gf/4cm
2をかけて500往復こすった後目視で観察して下記の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○:変化なし。
×:傷ついてしまった。
【0084】
<耐毛染め剤性>
試験片をメラミンスポンジ(レック株式会社製劇落ちくん)で荷重300gf/4cm
2をかけて500往復こすった後ここにホーユー株式会社製メンズビゲンスピーディーIISを塗布して24時間放置した。水洗いした後、きれいな布で拭き目視で観察して下記の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○:変化なし。
×:色が染まってしまった。
【0085】
(実施例1)
<水廻り用基材>
水廻り用基材には浴室ドア面材に使うシボ付きPS板(厚み=3mm)(基材No.A)を用いた。
【0086】
<防汚性樹脂層の形成>
下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を乾燥及び硬化後の平均厚みが2μmとなるように水廻り用基材上に塗布した。塗布後、80℃のオーブンで2分間乾燥させた。メタルハライドランプを用いて、窒素雰囲気下、照射量500mJ/cm
2で紫外線を照射して防汚性樹脂層を硬化させ防汚積層体を得た。
【0087】
−活性エネルギー線硬化性樹脂組成物−
・オプツールDAC−HP(ダイキン工業株式会社製) 0.13質量部
・KRM8200(ダイセル・オルネクス株式会社製) 65質量部
・A−DPHA(新中村化学工業株式会社製) 35質量部
・Irgacure 184(BASF社製) 3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部
【0088】
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−1に示した。
【0089】
(比較例1)
実施例1で使用した浴室ドア面材のシボ付きPS板(厚み=3mm)(基材No.A)を、防汚性樹脂層を形成せずに評価した。結果を表1−1に示した。
【0090】
(実施例2)
<水廻り用基材>
水廻り用基材には水洗金具に使うニッケルクロムメッキ処理したABS板(厚み=3mm)(基材No.B)を用いた。
【0091】
<プライマー層の形成>
防汚性樹脂層の密着性を高めるため、水廻り用基材と防汚性樹脂層との間にプライマー層を設けた。具体的には以下の方法でプライマー層を設けた。
下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を乾燥及び硬化後の平均厚みが2μmとなるように水廻り用基材上に塗布した。塗布後、80℃のオーブンで2分間乾燥させた。メタルハライドランプを用いて、空気雰囲気下、照射量500mJ/cm
2で紫外線を照射してプライマー層を形成した。
【0092】
−活性エネルギー線硬化性樹脂組成物−
・UT5181(日本合成株式会社製)65質量部
・A−TMM−3L(新中村化学工業株式会社製) 35質量部
・Irgacure 184(BASF社製) 3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部
【0093】
<防汚性樹脂層の形成>
下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を乾燥及び硬化後の平均厚みが2μmとなるようにプライマー層上に塗布した。塗布後、80℃のオーブンで2分間乾燥させた。メタルハライドランプを用いて、窒素雰囲気下、照射量500mJ/cm
2で紫外線を照射して防汚性樹脂層を硬化させ防汚積層体を得た。
【0094】
−活性エネルギー線硬化性樹脂組成物−
・オプツールDAC−HP(ダイキン工業株式会社製) 0.13質量部
・KRM8200(ダイセル・オルネクス株式会社製) 65質量部
・A−DPHA(新中村化学工業株式会社製) 35質量部
・Irgacure 184(BASF社製) 3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部
【0095】
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−1に示した。
【0096】
(比較例2)
実施例2で使用した水洗金具のニッケルクロムメッキ処理したABS板(厚み=3mm)(基材No.B)をプライマー層及び防汚性樹脂層を形成せずに評価した。結果を表1−1に示した。
【0097】
(実施例3)
実施例1において、水廻り用基材を便座部材に使うABS板(厚み=3mm)(基材No.C)に代えた以外は、実施例1と同様にして、防汚積層体を得た。
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−1に示した。
【0098】
(比較例3)
便座部材に使う撥水性粒子が添加されたPP板(厚み=3mm)(基材No.D)を評価した。結果を表1−1に示した。
【0099】
(比較例4)
浴室に使うDLC(ダイヤモンドライクカーボン)がコートされたガラス(厚み=5mm)(基材No.E)を評価した。結果を表1−1に示した。
【0100】
(実施例4)
実施例1の防汚性樹脂層の形成において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、防汚積層体を得た。
【0101】
−活性エネルギー線硬化性樹脂組成物−
・オプツールDAC−HP(ダイキン工業株式会社製) 0.5質量部
・KRM8200(ダイセル・オルネクス株式会社製) 65質量部
・A−DPHA(新中村化学工業株式会社製) 35質量部
・Irgacure 184(BASF社製) 3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部
【0102】
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−2に示した。
【0103】
(実施例5)
実施例1の防汚性樹脂層の形成において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、防汚積層体を得た。
【0104】
−活性エネルギー線硬化性樹脂組成物−
・オプツールDAC−HP(ダイキン工業株式会社製) 1.5質量部
・KRM8200(ダイセル・オルネクス株式会社製) 65質量部
・A−DPHA(新中村化学工業株式会社製) 35質量部
・Irgacure 184(BASF社製) 3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部
【0105】
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−2に示した。
【0106】
(実施例6)
実施例1の防汚性樹脂層の形成において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、防汚積層体を得た。
【0107】
−活性エネルギー線硬化性樹脂組成物−
・オプツールDAC−HP(ダイキン工業株式会社製) 0.05質量部
・KRM8200(ダイセル・オルネクス株式会社製) 65質量部
・A−DPHA(新中村化学工業株式会社製) 35質量部
・Irgacure 184(BASF社製) 3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部
【0108】
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−2に示した。
【0109】
(実施例7)
実施例1の防汚性樹脂層の形成において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用い、乾燥及び硬化後の平均厚みが10μmとなるように塗布した以外は、実施例1と同様にして、防汚積層体を得た。
【0110】
−活性エネルギー線硬化性樹脂組成物−
・オプツールDAC−HP(ダイキン工業株式会社製) 0.01質量部
・KRM8200(ダイセル・オルネクス株式会社製) 65質量部
・A−DPHA(新中村化学工業株式会社製) 35質量部
・Irgacure 184(BASF社製) 3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部
【0111】
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−2に示した。
【0112】
(実施例8)
実施例7において、防汚性樹脂層の平均厚みを5μmに変更した以外は、実施例7と同様にして、防汚積層体を得た。
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−2に示した。
【0113】
(実施例9)
実施例1において、防汚性樹脂層を形成する際の活性エネルギー硬化性樹脂組成物を、下記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に変えた以外は、実施例1と同様にして、防汚積層体を得た。
【0114】
−活性エネルギー線硬化性樹脂組成物−
・KY−1203(信越化学工業株式会社製) 0.13質量部
・KRM8200(ダイセル・オルネクス株式会社製) 65質量部
・A−DPHA(新中村化学工業株式会社製) 35質量部
・Irgacure 184(BASF社製) 3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部
【0115】
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−2に示した。
【0116】
(比較例5)
実施例1の防汚性樹脂層の形成において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、防汚積層体を得た。
【0117】
−活性エネルギー線硬化性樹脂組成物−
・KRM8200(ダイセル・オルネクス株式会社製) 65質量部
・A−DPHA(新中村化学工業株式会社製) 35質量部
・Irgacure 184(BASF社製) 3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部
【0118】
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−3に示した。
【0119】
(比較例6)
実施例1の防汚性樹脂層の形成において、空気雰囲気で紫外線を照射した以外は、実施例1と同様にして、防汚積層体を得た。
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−3に示した。
【0120】
(実施例10)
実施例3の防汚性樹脂層の形成において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例3と同様にして、防汚積層体を得た。
【0121】
−活性エネルギー線硬化性樹脂組成物−
・KY−1203(信越化学工業株式会社製) 0.10質量部
・KRM8200(ダイセル・オルネクス株式会社製) 55質量部
・A−DPHA(新中村化学工業株式会社製) 45質量部
・Irgacure 184(BASF社製) 3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部
【0122】
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−3に示した。
【0123】
(実施例11)
実施例3の防汚性樹脂層の形成において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例3と同様にして、防汚積層体を得た。
【0124】
−活性エネルギー線硬化性樹脂組成物−
・KY−1203(信越化学工業株式会社製) 0.20質量部
・MU9500(Miwon Specialty Chemical社製)
80質量部
・EBECRYL 40(ダイセル・オルネクス株式会社製) 20質量部
・Irgacure 184(BASF社製) 3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部
【0125】
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−3に示した。
【0126】
(実施例12)
実施例3の防汚性樹脂層の形成において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例3と同様にして、防汚積層体を得た。
【0127】
−活性エネルギー線硬化性樹脂組成物−
・KY−1203(信越化学工業株式会社製) 0.10質量部
・CN975(サートマー社製) 70質量部
・A−TMM−3(新中村化学工業株式会社製) 30質量部
・Irgacure 184(BASF社製) 3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部
【0128】
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−3に示した。
【0129】
(比較例7)
実施例2の防汚性樹脂層の形成において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例2と同様にして、防汚積層体を得た。
【0130】
−活性エネルギー線硬化性樹脂組成物−
・KY−1203(信越化学工業株式会社製) 0.10質量部
・EBECRYL 40(ダイセル・オルネクス株式会社製) 20質量部
・SR9035(サートマー社製) 80質量部
・Irgacure 184(BASF社製) 3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部
【0131】
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−3に示した。
【0132】
(比較例8)
実施例1の防汚性樹脂層の形成において、下記組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、防汚積層体を得た。
【0133】
−活性エネルギー線硬化性樹脂組成物−
・KY−1203(信越化学工業株式会社製) 0.10質量部
・KRM8200(ダイセル・オルネクス株式会社製) 20質量部
・SR9035(サートマー社製) 80質量部
・Irgacure 184(BASF社製) 3質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200質量部
【0134】
作製した防汚積層体を前述の評価に供した。結果を表1−3に示した。
【0135】
【表1-1】
【0136】
【表1-2】
【0137】
【表1-3】
【0138】
表1−1〜表1−3中、撥水性モノマー含有量(質量%)は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物における、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中のモノマー全量に対する、撥水性モノマーの含有量(質量%)である。ウレタン(メタ)アクリレート含有量(質量%)は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物における、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中のモノマー全量に対する、ウレタン(メタ)アクリレートの含有量(質量%)である。
【0139】
水廻り用基材の詳細は、以下の通りである。
・水廻り用基材No.A:浴室ドア面材に使うシボ付きPS板(厚み=3mm)
・水廻り用基材No.B:水洗金具に使うニッケルクロムメッキ処理したABS板(厚み=3mm)
・水廻り用基材No.C:便座部材に使うABS板(厚み=3mm)
・水廻り用基材No.D:便座部材に使う撥水性粒子が添加されたPP板(厚み=3mm)
・水廻り用基材No.E:浴室に使うDLC(ダイヤモンドライクカーボン)がコートされたガラス(厚み=5mm)
【0140】
表1−1〜表1−3に記載の材料の詳細は以下の通りである。
【0141】
<防汚性樹脂層材料>
・オプツールDAC−HP:ダイキン工業株式会社製、(メタ)アクリル基含有パーフルオロポリエーテル(PFPE)
・KY−1203:信越化学工業株式会社製、(メタ)アクリル基含有パーフルオロポリエーテル(PFPE)
・KRM8200:ダイセル・オルネクス株式会社製、脂肪族ウレタンアクリレート
・MU9500:Miwon Specialty Chemical社製、脂肪族ウレタンアクリレート
・CN975:サートマー社製、芳香族ウレタンアクリレート
・A−DPHA:新中村化学工業株式会社製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
・EBECRYL 40:ダイセル・オルネクス株式会社製、四官能アクリレートモノマー
・A−TMM−3:新中村化学工業株式会社製、三官能アクリレートモノマー
・SR9035:サートマー社製、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
・Irgacure 184:BASF社製、光開始剤、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
・PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
【0142】
<プライマー層材料>
・UT5181:日本合成株式会社製、ウレタンアクリレート
・A−TMM−3L:新中村化学工業株式会社製、ペンタエリスリトールトリアクリレート(トリエステル約55%)
・Irgacure 184:BASF社製、光開始剤、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
・PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
【0143】
実施例1〜12の防汚積層体は、水垢の除去性、皮脂汚れの除去性、油性インクの除去性、及び耐薬品性(耐毛染め剤性)の全てに優れていた。更に、耐傷性にも優れていた。
実施例8に比べ、実施例1〜7及び9〜12は、防汚性樹脂層の水転落角及び表面エネルギーが小さく、水転落角が30°以下かつ表面エネルギーが20mJ/m
2以下であったため、油性インクの除去性がより優れていた。
【0144】
一方、比較例1及び3では、水垢の除去性、皮脂汚れの除去性、油性インクの除去性、耐傷性、及び耐薬品性(耐毛染め剤性)の全てにおいて劣っていた。
比較例2では、耐傷性、及び耐薬品性(耐毛染め剤性)には優れるものの、水垢の除去性、皮脂汚れの除去性、及び油性インクの除去性が劣っていた。
比較例4及び5では、水垢の除去性、耐傷性、及び耐薬品性(耐毛染め剤性)には優れるものの、皮脂汚れの除去性、及び油性インクの除去性が劣っていた。
比較例6では、水垢の除去性、皮脂汚れの除去性、耐傷性、及び耐薬品性(耐毛染め剤性)には優れるものの、油性インクの除去性が劣っていた。
比較例7及び8では、水垢の除去性、皮脂汚れの除去性、油性インクの除去性、及び耐傷性には優れるものの、耐薬品性(耐毛染め剤性)が劣っていた。