特許第6823907号(P6823907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通株式会社の特許一覧 ▶ マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジーの特許一覧

特許6823907輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム
<>
  • 特許6823907-輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム 図000011
  • 特許6823907-輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム 図000012
  • 特許6823907-輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム 図000013
  • 特許6823907-輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム 図000014
  • 特許6823907-輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム 図000015
  • 特許6823907-輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム 図000016
  • 特許6823907-輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム 図000017
  • 特許6823907-輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム 図000018
  • 特許6823907-輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム 図000019
  • 特許6823907-輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム 図000020
  • 特許6823907-輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム 図000021
  • 特許6823907-輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム 図000022
  • 特許6823907-輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム 図000023
  • 特許6823907-輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム 図000024
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6823907
(24)【登録日】2021年1月14日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20210121BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20210121BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20210121BHJP
【FI】
   G08G1/123 A
   G06Q10/02
   G06Q50/30
【請求項の数】5
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-105685(P2014-105685)
(22)【出願日】2014年5月21日
(65)【公開番号】特開2014-238831(P2014-238831A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2017年2月14日
【審判番号】不服2019-1869(P2019-1869/J1)
【審判請求日】2019年2月8日
(31)【優先権主張番号】61/831,354
(32)【優先日】2013年6月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/259,315
(32)【優先日】2014年4月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】池田 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】ベン‐アキバ イー モッシェ
【合議体】
【審判長】 佐々木 芳枝
【審判官】 長馬 望
【審判官】 小川 恭司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−342873(JP,A)
【文献】 特開2001−229495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/123
G06Q 10/02
G06Q 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送サービス予約装置の作動方法であって、前記輸送サービス予約装置は、受信部と、生成部と、算出部と、選択部と、送信部と、を有し、前記作動方法は、
前記受信部が、出発地及び目的地の指定を含む乗車要求を受信し、
前記生成部が、同一車両によって複数のサービス種別での乗車便を提供可能な車両ごとに、当該車両に対して割り当てられたスケジュール、及び、当該スケジュールのサービス種別、を示す情報を記憶する記憶部を参照して、並びに前記乗車要求に基づき、前記複数のサービス種別に係る実現可能な乗車便を生成し、前記乗車便は、利用者に提供されるサービスの内容であり、前記サービス種別、該利用者の乗車場所、降車場所、予定乗車時刻、及び予定降車時刻、並びに料金、を含む情報により表され、
前記算出部が、生成された複数の実現可能な乗車便の中で、所定条件を満たす部分集合ごとに、当該部分集合を構成する各乗車便の選択確率を算出し、前記所定条件は、部分集合に含まれる乗車便の上限数、部分集合に含まれる乗車便の1つ以上のサービス種別、のうちの1つ以上を定め、
前記選択部が、算出された選択確率に基づいて、前記部分集合ごとに、輸送サービスの提供者の利益の又は利用者の効用の期待値を算出し、該期待値に基づいて、前記所定条件を満たす部分集合の中から、前記乗車要求に対して提示する部分集合を選択し、
前記送信部が、前記選択部において選択された部分集合を、前記乗車要求の送信元に返信し、
前記受信部が、返信された部分集合の中から利用者が選択した乗車便を受信し、
前記送信部が、選択された前記乗車便に係る車両に対し、当該乗車便を実現するスケジュールに関する情報を送信する、
ことを特徴とする輸送サービス予約装置の作動方法。
【請求項2】
前記複数のサービス種別は、1つの乗車要求にのみ同時に対応可能なサービス種別、及び複数の乗車要求に同時に対応可能なサービス種別を含むことを特徴とする請求項1記載の輸送サービス予約装置の作動方法。
【請求項3】
前記複数のサービス種別は、経路の変更の可能なサービス種別、及び経路の変更の不可能なサービス種別を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の輸送サービス予約装置の作動方法。
【請求項4】
同一車両によって複数のサービス種別での乗車便を提供可能な車両ごとに、当該車両に対して割り当てられたスケジュール、及び、スケジュールのサービス種別、を示す情報を記憶する記憶部と、
出発地及び目的地の指定を含む乗車要求を受信する受信部と、
前記記憶部を参照して、及び前記乗車要求に基づき、前記複数のサービス種別に係る実現可能な乗車便を生成する生成部であって、前記乗車便は、利用者に提供されるサービスの内容であり、前記サービス種別、該利用者の乗車場所、降車場所、予定乗車時刻、及び予定降車時刻、並びに料金、を含む情報により表される、生成部と、
前記生成部によって生成された複数の実現可能な乗車便の中で、所定条件を満たす部分集合ごとに、当該部分集合を構成する各乗車便の選択確率を算出する算出部であって、前記所定条件は、部分集合に含まれる乗車便の上限数、部分集合に含まれる乗車便の1つ以上のサービス種別、のうちの1つ以上を定める、算出部と、
算出された選択確率に基づいて、前記部分集合ごとに、輸送サービスの提供者の利益の又は利用者の効用の期待値を算出し、該期待値に基づいて、前記所定条件を満たす部分集合の中から、前記乗車要求に対して提示する部分集合を選択する選択部と、
前記選択部において選択された部分集合を、前記乗車要求の送信元に返信する送信部と、
を有し、
前記受信部が、返信された部分集合の中から利用者が選択した乗車便を受信し、
前記送信部が、選択された前記乗車便に係る車両に対し、当該乗車便を実現するスケジュールに関する情報を送信する、
ことを特徴とする輸送サービス予約装置。
【請求項5】
輸送サービス予約プログラムであって、受信部と生成部と算出部と選択部と送信部とを有する輸送サービス予約装置により実行されると、
前記受信部に、出発地及び目的地の指定を含む乗車要求を受信させ、
前記生成部に、同一車両によって複数のサービス種別での乗車便を提供可能な車両ごとに、当該車両に対して割り当てられたスケジュール、及び当該スケジュールのサービス種別、を示す情報を記憶する記憶部を参照して、並びに前記乗車要求に基づき、前記複数のサービス種別に係る実現可能な乗車便を生成させ、前記乗車便は、利用者に提供されるサービスの内容であり、前記サービス種別、該利用者の乗車場所、降車場所、予定乗車時刻、及び予定降車時刻、並びに料金、を含む情報により表され、
前記算出部に、生成された複数の実現可能な乗車便の中で、所定条件を満たす部分集合ごとに、当該部分集合を構成する各乗車便の選択確率を算出させ、前記所定条件は、部分集合に含まれる乗車便の上限数、部分集合に含まれる乗車便の1つ以上のサービス種別、のうちの1つ以上を定め、
前記選択部に、算出された選択確率に基づいて、前記部分集合ごとに、輸送サービスの提供者の利益の又は利用者の効用の期待値を算出させ、該期待値に基づいて、前記所定条件を満たす部分集合の中から、前記乗車要求に対して提示する部分集合を選択させ、
前記送信部に、前記選択部において選択された部分集合を、前記乗車要求の送信元に返信させ、
前記受信部に、返信された部分集合の中から利用者が選択した乗車便を受信させ、
前記送信部に、選択された前記乗車便に係る車両に対し、当該乗車便を実現するスケジュールに関する情報を送信させる、
輸送サービス予約プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送サービス予約方法、輸送サービス予約装置、及び輸送サービス予約プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モバイルデバイスを用いて、タクシーを予約するシステムが考案されている(例えば、非特許文献1、2参照)。GPS内臓のモバイルデバイスは、利用者からの指示に応じ、現在位置情報を含んだ乗車要求をサーバに送信する。サーバは、例えば、利用者を最も早くピックアップ可能な車両に当該乗車要求を割り当て、モバイル端末に予定乗車時刻を通知する。モバイル端末から利用者の受諾の通知がサーバに送信されると、予約が成立する。しかし、タクシーは料金が高いため、日常的に利用するのは経済的ではない。
【0003】
そこで、比較的低料金で利用可能な相乗りをマッチングするシステムが考案されている(例えば、非特許文献3、4参照)。利用者は、出発地、目的地、希望出発時刻、希望到着時刻等の条件が指定された乗車要求をサーバに送信する。サーバは、当該乗車要求と時間的、空間的に類似した他の乗車要求に係る他の相乗り希望者、又は相乗り提供者を検索し、検索結果を相乗り相手の候補として利用者に提示する。利用者から受諾が通知されると、予約が成立する。相乗りには、door−to−doorの移動手段を提供する形態と、バス停等、予め決められた場所で乗降する形態とが有る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】[online]、[平成25年11月18日検索]、https://hailocab.com/
【非特許文献2】[online]、[平成25年11月18日検索]、https://www.uber.com/
【非特許文献3】[online]、[平成25年11月18日検索]、http://www.lyft.me/
【非特許文献4】[online]、[平成25年11月18日検索]、http://www.side.cr/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のシステムは、単に、利用者からの乗車要求で指定された条件に合致する選択肢を列挙しているにすぎず、例えば、サービスの提供者の利益の向上又は利用者の満足度の向上等、経済的な効果については考慮されていない。
【0006】
そこで、一側面では、経済的効果の向上を期待できる乗車便を提示可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの案では、輸送サービス予約方法は、出発地及び目的地の指定を含む乗車要求を受信し、同一車両によって複数種類の乗車形態での乗車便を提供可能な車両ごとに、当該車両に対して割り当てられたスケジュール、及び当該スケジュールの乗車形態の種類、を示す情報を記憶する記憶部を参照して、前記複数種類の夫々の乗車形態に係る実現可能な乗車便を生成し、生成された実現可能な乗車便群の部分集合の中で所定条件を満たす部分集合ごとに、当該部分集合を構成する各乗車便の選択確率を算出し、算出された選択確率に基づいて、前記所定条件を満たす部分集合の中から、前記乗車要求に対して利用者に提示する部分集合を選択する、処理をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0008】
一態様によれば、経済的効果の向上を期待できる乗車便を提示可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第一の実施の形態における輸送サービス予約システムの構成例を示す図である。
図2】第一の実施の形態における輸送サービス予約装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】第一の実施の形態における輸送サービス予約システムの機能構成例を示す図である。
図4】輸送サービスの予約処理の処理手順の一例を説明するための図である。
図5】スケジュール情報記憶部が記憶するスケジュール情報の一例を示す図である。
図6】スケジュール情報から得られる車両の挙動を示す図である。
図7】予約情報記憶部の構成例を示す図である。
図8】乗車便生成及び選択処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図9】実現可能な乗車便の生成処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図10】スケジュール情報の第一の更新例を示す図である。
図11】スケジュール情報の第二の更新例を示す図である。
図12】実現可能な乗車便の生成処理によって得られる情報の一例を示す図である。
図13】第二の実施の形態における輸送サービス予約システムの構成例を示す図である。
図14】第二の実施の形態における輸送サービス予約システムの機能構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、第一の実施の形態における輸送サービス予約システムの構成例を示す図である。図1において、輸送サービス予約システム1は、輸送サービス予約装置10及び1以上の利用者端末20等を含む。輸送サービス予約装置10と利用者端末20とは、インターネット、電話回線等の通信網を介して通信可能に接続される。
【0011】
輸送サービス予約装置10は、輸送サービスの乗車要求を受け付け、乗車要求に応じた乗車便を生成する処理を実行するコンピュータである。輸送サービスとは、自動車等の車両によって、利用者を目的地へ輸送するサービスをいう。輸送サービス予約装置10は、例えば、輸送サービスを提供する或る企業において利用されるコンピュータであってもよい。
【0012】
本実施の形態における輸送サービスでは、同一車両によって複数種類の乗車形態でのサービスの提供が可能とされる。複数種類の乗車形態のサービスは、例えば、タクシーサービス、乗合タクシーサービス、及び小型バスサービス等である。
【0013】
タクシーサービスとは、一つの乗車要求に応えて、door−to−doorの輸送が行われるサービスをいう。door−to−doorとは、例えば、利用者が指定した出発地から目的地までをいう。したがって、利用者は、任意の地点で乗降することが可能である。また、一つの乗車要求に応えてとは、タクシーサービスに関して一つの車両が同時に対応可能な、又は一つの車両に同時に割り当て可能な乗車要求の数は、一つであることを意味する。
【0014】
乗合タクシーサービスとは、タクシーサービスと同様にdoor−to−doorの輸送が行われるが、複数の乗車要求に対応可能であるサービスをいう。複数の乗車要求に対応可能であるとは、乗合タクシーサービスに関して一つの車両が同時に対応可能な、又は一つの車両に同時に割り当て可能な乗車要求の数は、一又は複数であることを意味する。したがって、乗合タクシーサービスの場合、他人同士が相乗りする可能性が有る。また、相乗りする他人のための迂回が発生し、各乗客の輸送時間が、タクシーサービスに比較して増大する可能性が有る。
【0015】
小型バスサービスとは、複数の乗車要求に対応可能であるが、車両は予め決められたルート(経路)を走行するサービスをいう。乗客は、バス停、又は、ルート上の任意の地点で乗降する。したがって、小型バスサービスに関して、相乗りする他人のために、各乗客の輸送時間が増大する可能性は低い。但し、乗降地点と出発地又は目的地との間の移動が、各乗客に対して要求される。なお、小型バスサービスには、通常の路線バスのように予め決められたタイムテーブルは無い。小型バスサービスが或る車両に割り当てられると、当該車両によって小型バスサービスが提供される。
【0016】
本実施の形態の輸送サービス予約システム1は、同一の車両を、タクシーサービス、乗合タクシーサービス、小型バスサービスのいずれかのサービスに動的に割り当てる。そのために、例えば、乗車定員が6〜8人程度の車両が用いられてもよい。また、同一車両で出発地及び目的地が同じであっても、タクシーサービス、乗合タクシーサービス、及び小型バスサービスとの間で、相互に異なる料金が設定されてもよい。
【0017】
以下、タクシーサービス、乗合タクシーサービス、及び小型バスサービスを区別する概念を、「サービス種別」という。
【0018】
利用者端末20は、輸送サービスの利用者が利用する端末である。すなわち、利用者端末20は、輸送サービスに関して、利用者に対する入出力インタフェースとして機能する。利用者端末20の一例として、フィーチャーフォン、スマートフォン、タブレット型端末、又はPC(Personal Computer)等が挙げられる。
【0019】
図2は、第一の実施の形態における輸送サービス予約装置のハードウェア構成例を示す図である。図2の輸送サービス予約装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、及びインタフェース装置105等を有する。
【0020】
輸送サービス予約装置10での処理を実現するプログラムは、記録媒体101によって提供される。プログラムを記録した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0021】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って輸送サービス予約装置10に係る機能を実行する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0022】
なお、記録媒体101の一例としては、CD−ROM、DVDディスク、又はUSBメモリ等の可搬型の記録媒体が挙げられる。また、補助記憶装置102の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等が挙げられる。記録媒体101及び補助記憶装置102のいずれについても、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当する。
【0023】
図3は、第一の実施の形態における輸送サービス予約システムの機能構成例を示す図である。図3において、利用者端末20は、入力制御部21、要求送信部22、応答受信部23、及び出力制御部24等を有する。これら各部は、利用者端末20にインストールされたプログラムが、利用者端末20のCPUに実行させる処理により実現可能である。
【0024】
入力制御部21は、利用者からの指示の入力を受け付ける。要求送信部22は、利用者からの指示に応じた要求を、輸送サービス予約装置10に送信する。本実施の形態では、輸送サービスの利用要求(以下、「乗車要求」という。)等が送信される。応答受信部23は、要求送信部22によって送信された要求に対する応答を受信する。出力制御部24は、応答受信部23によって受信された応答に含まれている情報等を、利用者端末20の表示装置に表示させる。
【0025】
輸送サービス予約装置10は、要求受信部121、応答送信部122、乗車便生成部123、選択確率算出部124、提示乗車便選択部125、及び予約処理部126等を有する。これら各部は、輸送サービス予約装置10にインストールされたプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。輸送サービス予約装置10は、また、利用者情報記憶部131、車両情報記憶部132、地図データ記憶部133、スケジュール情報記憶部134、及び予約情報記憶部135等を有する。これら各記憶部は、例えば、補助記憶装置102を用いて実現可能である。又は、これら各記憶部は、輸送サービス予約装置10にネットワークを介して接続される記憶装置を用いて実現されてもよい。
【0026】
要求受信部121は、乗車要求等を受信する。乗車要求は、利用者の識別情報である利用者ID、乗車日、並びに出発地及び目的地等、乗車に関する条件の指定を含む。
【0027】
乗車便生成部123は、スケジュール情報記憶部134に記憶されている、スケジュールを参照して、乗車要求に基づき、各車両、各乗車形態に対して、実現可能な乗車便を生成する。
【0028】
スケジュールは、あるサービスを実行する際の運行手順を示す情報であり、停車場所の系列、各停車場所における到着時刻・出発時刻、各停車場所での乗降者などの情報を含む。
【0029】
乗車便とは、各利用者に提供するサービス内容を示す情報であり、サービス種別、乗車場所、降車場所、予定乗車時刻・予定降車時刻、料金などの情報を含む。
【0030】
乗車便の生成とは、乗車要求に応じて、ある車両に対して、新規にスケジュールを生成、又は、既存のスケジュールを更新し、スケジュールに基づき、当該乗車要求を行った利用者に対するサービス内容を決定することをいう。
【0031】
選択確率算出部124は、乗車便生成部123によって生成された乗車便群の部分集合のうち、所定の条件又は所定の規則(以下、「所定条件」で統一する。)を満たす部分集合ごとに、当該部分集合を構成する各乗車便の選択確率を算出する。選択確率は、各乗車便が利用者によって選択される確率をいう。なお、所定条件は、例えば、相互にサービス種別の異なる3つの乗車便が構成要素であるという条件である。この場合、タクシーサービスに係る1つの乗車便、乗合タクシーサービスに係る1つの乗車便、及び小型バスサービスに係る1つの乗車便が、所定条件を満たす各部分集合を構成することになる。但し、どのような乗車便を利用者に提示するのかといった方針等に応じて、所定条件は、適宜変更されてもよい。例えば、一つの部分集合には、同じサービス種別の乗車便が二つずつ含まれるようにしてもよい。
【0032】
提示乗車便選択部125は、算出された選択確率に基づいて、所定条件を満たす部分集合(乗車便の組み合わせ)の中から、利用者に提示する乗車便の組み合わせを選択する。例えば、提示乗車便選択部125は、選択確率に基づいて、利用者の代表的効用(以下、単に「効用」という。)又はサービス提供者の利益が最大となる乗車便の組み合わせを選択する。
【0033】
応答送信部122は、提示乗車便選択部125によって選択された乗車便の組み合わせを構成する各乗車便の情報を、乗車要求に対する応答として返信する。応答送信部122によって返信された情報に基づいて、利用者端末20において乗車便が選択されると、乗車便の選択結果を含む、乗車便の予約要求が、要求受信部121によって受信される。
【0034】
予約処理部126は、乗車便の予約要求に応じ、当該予約された乗車便に関する情報を予約情報記憶部135に記憶し、当該予約された乗車便のスケジュールに関する情報をスケジュール情報記憶部134に記憶する。
【0035】
予約情報記憶部135は、予約された乗車便に関する情報を記憶する。
【0036】
利用者情報記憶部131は、各利用者の情報を記憶する。当該情報には、例えば、利用者ID、年齢、及び性別等が含まれる。
【0037】
車両情報記憶部132は、各車両の情報を格納する。当該情報には、例えば、車種、乗車定員、及び車両の現在位置情報等が含まれる。
【0038】
地図データ記憶部133は、道路ネットワークに関する情報を記憶する。道路ネットワークに関する情報は、例えば、ノードとリンクからなるネットワークとして表現され、交差点や各種POI(Point Of Interests)の緯度、経度、道路の長さや幅、信号の有無、交通規制情報等を含む。また、各種センサーを用いて、リアルタイムに取得される道路の交通情報が、道路ネットワークに関する情報に含まれてもよい。当該交通情報は、例えば、各道路の通過所要時間を含んでもよい。
【0039】
以下、利用者端末20及び輸送サービス予約装置10が実行する処理手順について説明する。図4は、輸送サービスの予約処理の処理手順の一例を説明するための図である。
【0040】
ステップS101において、利用者端末20の入力制御部21は、利用者から乗車要求に関するパラメータ群の入力を受け付ける。当該パラメータ群には、利用者ID、乗車日、並びに出発地及び目的地を示す情報が含まれる。また、当該パラメータ群は、希望出発時刻及び希望到着時刻の少なくともいずれか一方を含んでもよい。更に、当該パラメータ群は、乗車人数又は座席数を含んでもよい。希望出発時刻又は希望到着時刻が指定される場合、例えば、「8時」のように特定の時刻が指定されてもよいし、「8時〜8時30分」のように時間帯での指定が可能とされてもよい。また、希望乗車時刻について、即刻、すなわち、できるだけ早く、といった指定が可能とされてもよい。
【0041】
続いて、利用者端末20の要求送信部22は、入力されたパラメータを含む乗車要求を、輸送サービス予約装置10に送信する(S102)。当該乗車要求は、輸送サービス予約装置10の要求受信部121によって受信される(S201)。
【0042】
続いて、輸送サービス予約装置10は、当該乗車要求に応じ、スケジュール情報記憶部134を参照して、乗車便生成及び利用者に提示する乗車便の選択処理を実行する(S202)。
【0043】
図5は、スケジュール情報記憶部が記憶するスケジュール情報の一例を示す図である。図5には、或る車両の1日分のスケジュール情報が示されている。図5において、一つのブロック(一つの矩形)は、一つのスケジュールに対応する。
【0044】
図5において、当該車両には、乗合タクシーサービスのスケジュールの後に小型バスサービスのスケジュールが割り当てられている。すなわち、図5において、時間の進行方向は、右向きである。
【0045】
乗合タクシーサービスと小型バスサービスとの合間には、乗合タクシーサービスの最終降車場所から、小型バスサービスの最初の乗車場所まで空車で移動するスケジュール(以下、「移動スケジュール」という。)が挿入されている。各スケジュールは、スケジュールID、サービス種別、停車場所、到着時刻、出発時刻、乗車客リスト、降車客リスト等の情報を有する。
【0046】
スケジュールIDは、各スケジュールの識別情報である。サービス種別は、各スケジュールのサービス種別である。なお、移動スケジュールのサービス種別は、「移動」とされている。停車場所は、地名、住所、緯度及び経度等、停車場所を特定する情報である。
【0047】
到着時刻は、停車場所に到着する時刻である。出発時刻は、停車場所から出発する時刻である。乗車客リストは、停車場所で乗車する利用者の利用者IDのリストである。降車客リストは、停車場所で降車する利用者の利用者IDのリストである。
【0048】
図6は、スケジュール情報から得られる車両の挙動を示す図である。図6には、図5に示したスケジュール情報から得られる車両の挙動が、有向グラフによって示されている。
【0049】
有向グラフの各ノードは、停車場所を示す。ノード内のアルファベットは、図5における停車場所の値に一致する。各ノードに添えられた数字は、当該ノードに係る停車場所で乗車又は降車する利用者の利用者IDを示す。プラスが付いている数字は乗車する利用者の利用者IDを示し、マイナスが付いている数字は降車する利用者の利用者IDを示す。有向枝に付与された中括弧内の数字は、当該有向枝によって接続される二つの停車場所間において輸送される利用者の利用者IDである。
【0050】
乗車便生成処理においては、乗車要求に応じたサービスを実現するために、新規にスケジュールを生成、又は、既存のスケジュールを更新し、スケジュールに基づき、乗車便を生成する。各乗車便の予定乗車時刻、予定降車時刻等は、車両の空き状況、すなわち、予約状況や、車両の現在位置等に応じて、車両ごとに異なってもよい。また、小型バスサービスの場合は、当該サービスを割り当てられた車両のルートによって、乗車場所、降車場所が異なってもよい。
【0051】
利用者に提示する乗車便の選択処理においては、生成された乗車便群の部分集合のうち、所定条件を満たす部分集合(乗車便の組み合わせ)ごとに、当該部分集合を構成する各乗車便の選択確率が算出される。算出された選択確率に基づいて、所定条件を満たす部分集合の中から、利用者に提示する乗車便の組み合わせが選択される。
【0052】
続いて、輸送サービス予約装置10の応答送信部122は、選択された組み合わせを構成する各乗車便に関する情報を、乗車要求の送信元の利用者端末20に返信する(S203)。各乗車便に関する情報には、例えば、サービス種別、乗車場所、降車場所、予定乗車時刻、予定降車時刻、及び料金等が含まれる。

返信された情報は、利用者端末20の応答受信部23によって受信される(S103)。利用者端末20の出力制御部24は、受信された情報に含まれる各乗車便を選択肢として表示する。利用者は、各乗車便のサービス種別、乗車場所、降車場所、予定乗車時刻、予定降車時刻、及び料金等を比較して、自らが利用したい乗車便を検討する。
【0053】
続いて、利用者端末20の入力制御部21は、選択肢として表示された乗車便の中から、一つの乗車便の選択を受け付ける(S104)。要求送信部22は、乗車便の選択に応じ、例えば、選択された乗車便のスケジュールIDを含む予約要求を、輸送サービス予約装置10に送信する(S105)。
【0054】
当該予約要求は、輸送サービス予約装置10の要求受信部121によって受信される(S204)。予約要求の受信に応じ、予約処理部126は、スケジュール情報記憶部134に記憶されているスケジュール情報を更新し、予約情報記憶部135に、新たな予約情報を追加する(S205)。具体的には、選択された乗車便に係る車両のスケジュール情報が更新される。また、予約要求に係る予約情報が、予約情報記憶部135に記憶される。
【0055】
図7は、予約情報記憶部の構成例を示す図である。図7において、予約情報記憶部135は、予約した乗車便に対する、利用者ID、スケジュールID、乗車場所、降車場所、予定乗車時刻、予定降車時刻、及び料金等を記憶する。
【0056】
利用者IDは、予約の要求元の利用者の利用者IDである。スケジュールIDは、予約された乗車便に関連付けられたスケジュールのスケジュールIDである。乗車場所及び降車場所は、当該乗車便の乗車場所又は降車場所である。予定乗車時刻及び予定降車時刻は、当該乗車便の予定乗車時刻又は予定降車時刻である。料金は、当該乗車便の料金である。料金は、例えば、サービス種別及び乗車距離等に基づいて算出されてもよい。
【0057】
なお、スケジュール情報の更新例については後述される。
【0058】
続いて、応答送信部122は、予約の完了通知を、利用者端末20に返信する(S206)。利用者端末20の応答受信部23は、当該通知を受信する(S106)。なお、当該通知に基づいて、出力制御部24が、予約の完了を示す画面を利用者端末20に表示させてもよい。
【0059】
続いて、ステップS202の詳細について説明する。図8は、乗車便生成及び利用者に提示する乗車便の選択処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0060】
ステップS301において、乗車便生成部123は、利用者からの乗車要求と、各車両のスケジュール情報とに基づいて、各車両について、各サービス種別に係る実現可能な乗車便を生成する(S301)。
【0061】
続いて、選択確率算出部124は、実現可能な乗車便群の部分集合(乗車便の組み合わせ)のうち、所定条件を満たす乗車便の組み合わせごとに、各乗車便の選択確率を算出する(S302)。
【0062】
続いて、提示乗車便選択部125は、選択確率算出部124によって算出された選択確率に基づいて、所定条件を満たす乗車便の組み合わせ群の中から、利用者に提示する乗車便の組み合わせを選択する(S303)。
【0063】
ステップS301の詳細について説明する。図9は、実現可能な乗車便の生成処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0064】
乗車便生成部123は、車両ごと(S401)、かつ、サービス種別ごと(S402)に、ステップS403以降の処理を実行する。以下において、処理対象の車両を車両iと記し、処理対象のサービス種別を、サービスmと記す。iの値は、1〜Nのいずれかである。Nは、車両情報記憶部132に記憶されている車両の台数である。サービスmの値は、タクシーサービス、乗合タクシーサービス、又は小型バスサービスである。
【0065】
ステップS403において、乗車便生成部123は、車両iに関して、乗車要求に基づき、サービスmに係る新規なスケジュール(以下、「新規スケジュール」という。)の生成を試みる。
【0066】
図10は、スケジュール情報の第一の更新例を示す図である。図10は、図5に示したスケジュール情報の更新例を示す。図10では、図5の乗合タクシーサービスに係るスケジュールS1と小型バスサービスに係るスケジュールSの間に、タクシーサービスに係る新規スケジュールS4が挿入された例を示す。スケジュールS1とスケジュールS4との間に、移動スケジュールS5が挿入されている。また、スケジュールS4とスケジュールS3との間に移動スケジュールS6が挿入されている。なお、新規スケジュールSの利用者の利用者IDは、「3」である。
【0067】
ここで、新規スケジュールから得られる乗車便は、必ずしも、利用者からの乗車要求の条件を全て満たす必要はない。例えば、利用者からの乗車要求で指定された希望乗車時刻又は希望降車時刻と、新規スケジュールから得られる乗車便の予定乗車時刻又は予定降車時刻との間に、前後所定時間(±α)のずれが許容されてもよい。
【0068】
経路探索は、例えば、地図データ記憶部133に記憶されている地図データや公知の技術等を用いて行うことができる。
【0069】
ステップS404では、車両iに割り当てられている既存のスケジュール(以下、「既存スケジュール」という。)と、新規スケジュールとの間で競合しているか否かを判定する。具体的には、新規スケジュールの前後の既存スケジュールとの間に、移動時間を確保可能か否かが判定される。
【0070】
新規スケジュールが前後の既存スケジュールと競合しない場合(S404でNo)、乗車便生成部123は、新規スケジュールに基づき、当該利用者に対して提供可能な乗車便を生成する(S405)。具体的には、当該新規スケジュールに基づき、乗車便のサービス種別、乗車場所、降車場所、予定乗車時刻・予定降車時刻、料金などの情報を決定する。新規スケジュールはメモリ装置103に記憶される。すなわち、図10の例によれば、スケジュールSの情報が、メモリ装置103に記憶される。なお、ステップS405の時点では、新規スケジュールの予約は確定していないため、新規スケジュール情報は、スケジュール情報記憶部134には反映されない。
【0071】
一方、新規スケジュールが既存スケジュールと競合する場合(S404でYes)、乗車便生成部123は、既存スケジュールを更新することで、乗車要求に対するサービスを提供することの可否を判定する。
【0072】
まず、ステップS406において、乗車便生成部123は、サービスmがタクシーサービスであるか否かを判定する。サービスmがタクシーサービスである場合(S406でYes)、乗車便生成部123は、車両iに関してサービスmでの乗車便の生成は不可能であると判定する。タクシーサービスに係る乗車便は、一つの乗車要求によって占有されるため、新規スケジュールとしてのみ生成可能であるからである。この場合、サービスmの値が変更されて、ステップS402以降が実行される。
【0073】
サービスmがタクシーサービス以外である場合(S406でNo)、乗車便生成部123は、既存スケジュールのサービス種別がサービスmであるか否かを判定する(S407)。既存スケジュールのサービス種別がサービスmと異なる場合(S407でNo)、乗車便生成部123は、車両iに関してサービスmでの乗車便の生成は不可能であると判定する。一つの車両が、異なるサービスを同時に提供することは出来ないからである。この場合、サービスmの値が変更されて、ステップS402以降が実行される。
【0074】
既存スケジュールのサービス種別がサービスmである場合(S407でYes)、乗車便生成部123は、既存スケジュールを更新する(S408)。
【0075】
図11は、スケジュール情報の第二の更新例を示す図である。図11は、図5に示したスケジュール情報の更新例を示す。図11では、既存の乗合タクシーに係るスケジュールSがスケジュールSへ更新されている。すなわち、図11は、新たな乗車要求に係る利用者の輸送が、既存のスケジュールの更新により行われる例である。
【0076】
具体的には、既存スケジュールSについて、乗車要求に指定された出発地及び目的地に対応する二つの停車場所(停車場所e、停車場所f)の列が挿入された結果がスケジュールS1’とされている。また、挿入された停車場所以降の停車場所に関して、到着時刻又は出発時刻が更新される。停車場所の追加は、既存スケジュールに対する新たな経路の挿入を意味し、新たな経路の移動に要する時間が必要とされるからである。乗車要求に対応する停車場所を既存スケジュールに挿入する方法は、スケジューリング・ルーティングアルゴリズムに依存するが、総走行距離が最短になるように各乗客の乗車順及び降車順が決定されてもよい。また、停車場所の追加によって生じる新たな経路及び当該経路の所要時間は、公知のルート探索技術等を用いて算出することができる。なお、図11において、追加された停車場所で乗降する利用者、すなわち、当該スケジュール情報の更新の元となった乗車要求に係る利用者の利用者IDは、「3」である。
【0077】
なお、ステップS408において更新されるのは、スケジュール情報記憶部134から、例えば、メモリ装置103にコピーされた、車両iの作業用のスケジュール情報である。
【0078】
続いて、更新後の既存スケジュール(以下、「更新スケジュール」という。)が、所定の制約条件を充足しているか否かが判定される。具体的には、ステップS409において、乗車便生成部123は、更新スケジュールが、車両iの定員の制約を充足しているか否かを判定する。すなわち、いかなる時点においても、乗客の数が車両iの定員を超えることは許されない。なお、車両iの定員は、例えば、車両情報記憶部132を参照して特定される。
【0079】
更新スケジュールが、車両iの定員の制約を充足している場合(S409でYes)、乗車便生成部123は、更新スケジュールの各利用者について、更新スケジュールにおける乗車時刻及び降車時刻と、予約時に通知した乗車時刻及び降車時刻との差が、閾値以内であるか否かを判定する(S410)。約束の時間になっても車両が長時間現れないという事態を防ぐためである。具体的には、乗車便生成部123は、予約情報記憶部135(図7)から、更新スケジュールのスケジュールIDを含むレコードを検索する。乗車便生成部123は、検索されたレコードごとに、当該レコードの乗車時刻及び降車時刻と、更新スケジュールの情報(例えば、図11のスケジュールS)において当該レコードの利用者IDに対する乗車時の出発時刻及び降車時の到着時刻との差分を算出する。乗車便生成部123は、算出された差分が、閾値以内であるか否かを判定する。当該閾値は、例えば、輸送サービスの利用規約等において規定されていてもよい。全てのレコード(利用者)に関して、当該差分が閾値以内であれば、当該制約は充足されていると判定される。いずれかのレコード(利用者)に関して、当該差分が閾値を超えていれば、当該制約は充足されていないと判定される。
【0080】
予約時に通知した乗車時刻及び降車時刻に関する制約が充足されている場合(S410でYes)、乗車便生成部123は、乗車要求に係る利用者、及び更新スケジュールの他の利用者に関して、乗車時間が最大値(以下、「最大乗車時間」という。)以下か否かを判定する(S411)。乗り合いでの乗車時間の増加によるサービスレベルの著しい低下を防止するためである。具体的には、乗車便生成部123は、更新スケジュール(例えば、図11のスケジュールS)を参照して、利用者IDごとに、降車時の到着時刻から乗車時の出発時刻を差し引くことで各利用者の乗車時間を算出する。乗車便生成部123は、算出された乗車時間が、最大乗車時間以下であるか否かを判定する。最大乗車時間は、各利用者IDに係る乗車時の停車場所と降車時の停車場所との間を、例えば、タクシーサービスで移動した場合の所要時間を基準に算出されてもよい。すなわち、最大乗車時間は、利用者ごとに異なってもよい。全ての利用者の乗車時間が、最大乗車時間以下であれば、当該制約は充足されていると判定される。いずれかの利用者の乗車時間が、最大乗車時間を超えていれば、当該制約は充足されていないと判定される。
【0081】
乗車時間に関する制約が充足されている場合(S411でYes)、乗車便生成部123は、更新スケジュールが、車両iに関する他の既存スケジュールと競合しているか否かを判定する(S412)。具体的には、更新スケジュールの前後の他の既存スケジュールとの間に、移動時間を確保可能か否かが判定される。
【0082】
更新スケジュールが、他の既存スケジュールと競合していない場合(S412でNo)、乗車便生成部123は、更新スケジュールに基づき、当該利用者に対して提供可能な乗車便生成する(S413)。具体的には、当該更新スケジュールに基づき、乗車便のサービス種別、乗車場所、降車場所、予定乗車時刻・予定降車時刻、料金などの情報を決定する。そして、更新スケジュールを、メモリ装置103に記憶する。例えば、図11の例であれば、スケジュールSの情報がメモリ装置103に記憶される。なお、ステップS413の時点では、更新スケジュールの予約は確定していないため、更新スケジュールに関するスケジュール情報は、スケジュール情報記憶部134には反映されない。
【0083】
一方、いずれかの制約が充足されない場合(S409でNo、S410でNo、若しくはS411でNo)、又は更新スケジュールが、他の既存スケジュールと競合する場合(S412でYes)、乗車便生成部123は、車両iに関してサービスmでの乗車便の生成は不可能であると判定する。この場合、サービスmの値が変更されて、ステップS402以降が実行される。
【0084】
ステップS403以降が、車両1〜車両Nに関して、サービス種別ごとに実行されることにより、図12に示されるような情報が得られる。
【0085】
図12は、実現可能な乗車便の生成処理によって得られる情報の一例を示す図である。図12には、3行N列の行列が、表形式で表現されている。行方向は、サービス種別に対応し、列方向は、各車両に対応する。
【0086】
行列の要素の値は、「○」又は「×」である。「○」は、当該列の車両について当該行のサービス種別に係る乗車便が実現可能であることを示す。「×」は、当該列の車両について当該行のサービス種別に係る乗車便が実現不可能であることを示す。図9の処理によれば、「○」である乗車便のスケジュール情報が、例えば、メモリ装置103に記憶される。
【0087】
続いて、図8のステップS302以降の詳細について説明する。以下において、乗車便pi、mは、車両iによって提供されるサービスmに係る乗車便を示す。また、集合Fは、ステップS301によって実現可能である乗車便としてメモリ装置103に記憶された乗車便の集合を示す。すなわち、集合Fは、図12における「○」に対応する乗車便の集合である。ステップS302以降では、集合Fの中から、図4のステップS203において利用者に提示される乗車便の組み合わせを選択するための処理が実行される。以下、利用者に提示される乗車便の組み合わせを、「集合A」という。
【0088】
集合Aは、集合Fの冪集合の要素のいずれかであるが、利用者に提示される乗車便が多過ぎると、利用者の混乱を招く虞がある。すなわち、利用者が、所望の乗車便を探し出すための負担を増大させる虞がある。そこで、例えば、タクシーサービスの乗車便、乗合タクシーサービスの乗車便、及び小型バスサービスの乗車便を一つずつ提示する等、各サービス種別について提示される乗車便の上限数が定められてもよい。斯かる上限数は、上記した所定条件の一例である。なお、集合Aは、以下のように定義される。
【0089】
【数1】
【0090】
taxi、shared、busは、それぞれ、タクシーサービス、乗合タクシーサービス、小型バスサービスを示す。
【0091】
本実施の形態において、利用者による乗車便の選択は、多項ロジットモデル(Multinomial Logit Model,MNL)に基づいて行われると仮定する。したがって、集合Aの各乗車便が選択肢として与えられる場合、各選択肢の選択確率Pjは、以下の式(1)で計算することができる。
【0092】
【数2】
【0093】
上記において、j∈A∪{reject}は、集合Aに関する選択肢が、集合Aを構成する乗車便群と、当該各乗車便がいずれも選択されないこととの和集合の要素であることを示す。
【0094】
また、式(1)において、集合Aは、集合Fの部分集合のうち、所定条件を満たす部分集合のいずれかである。すなわち、式(1)では、当該部分集合が、集合Aに選択されたと仮定した場合の、集合Aを構成する各乗車便の選択確率を算出するための式である。
【0095】
また、式(1)において、Vは、選択肢pの効用である。効用とはミクロ経済学の分野で用いられる概念であり、選択肢を選択することで得られる満足度の水準を表す。
【0096】
なお、本実施の形態において、選択肢は、乗車便pi,mである。したがって、式(1)におけるPjは、Pi,mによって置き換えられる。また、Vjは、乗車便pi,mを利用することで得られる効用Vi,mによって置き換えられる。
【0097】
効用Vi,mは、例えば、以下の式(2)で算出することができる。
【0098】
【数3】
【0099】
乗車便pi,mのk番目の属性は、例えば、料金、出発地から目的地までの所要時間、乗車待ち時間、乗車時間、降車場所から目的地までの移動時間等である。各属性の値は、乗車便pi,m及び乗車要求等に基づいて特定可能又は算出可能である。
【0100】
上記より、ステップS302において、選択確率算出部124は、式(1)に式(2)を代入して得られる式によって、集合Fの部分集合のうち、所定条件を満たす部分集合ごとに、当該部分集合を構成する各乗車便pi,mの選択確率を算出する。
【0101】
続いて、ステップS303の詳細について説明する。ステップS303において、提示乗車便選択部125は、所定条件を満たす部分集合のうち、乗車便の提供者が乗車要求に係る利用者から得られる利益(以下、単に、「利益」という。)の期待値、又は乗車要求に係る利用者の効用(以下、単位、「効用」という。)の期待値が最大となる部分集合を、集合Aとして選択する。
【0102】
ここで、乗車便pi,mを、利用者に提示するか否かを決定する変数xi,mが導入される。xi,m=1ならば、乗車便pi,mは提示され、xi,m=0ならば、乗車便pi,mは提示されない。実現可能でない乗車便pi,mについて、xi,mは、常に0である。そうすると、集合Fの部分集合のうち、所定条件を満たす乗車便pi,mの組み合わせを示す行列xは、以下の式(3)で表せる。
【0103】
【数4】
【0104】
行列xは、所定条件を満たす乗車便pi,mの組み合わせを示す3行N列の行列である。
【0105】
例えば、以下は、或るxの値である。
【0106】
【数5】
【0107】
或るxに対応する乗車便の組み合わせを提示した場合に、利益の期待値又は効用の期待値を返却する関数をRとすると、利益の期待値又は効用の期待値が最大となる集合Aを選択するという問題は、次の式(4)によって定式化することができる。
【0108】
【数6】
【0109】
式(4)を満たすxに対応する乗車便の組み合わせを利用者に提示することで、利益の期待値又は効用の期待値を最大化することができる。
【0110】
そして、式(4)は、式(5)のように定義することができる。
【0111】
【数7】
【0112】
式(5)において、Pi,mは、或るxに対応する乗車便の組み合わせを提示した場合の、乗車便pi,mの選択確率であり、ステップS302において、選択確率算出部124によって算出されている。
【0113】
ri,mが、乗車便pi,mから得られる利益の場合、ri,mは、以下の式(6)で計算される。
【0114】
【数8】
【0115】
一方、効用の期待値を最大化する場合、式(5)は、以下の式(7)に書き換えられる。
【0116】
【数9】
【0117】
上記より、ステップS303において、提示乗車便選択部125は、利益の期待値の最大化を優先する場合、式(6)に基づいて、乗車便の組み合わせを選択する。一方、提示乗車便選択部125は、効用の期待値の最大化を優先する場合、式(7)に基づいて、乗車便の組み合わせを選択する。
【0118】
または、式(6)及び式(7)のそれぞれに基づいて乗車便の組み合わせが選択され、それぞれの組み合わせが、利用者への提示対象とされてもよい。
【0119】
また、利用者への提示対象は、利益の期待値又は効用の期待値が最大の乗車便の組み合わせに限定されなくてもよい。例えば、利益の期待値又は効用の期待値が上位N番目までの組み合わせが、利用者への提示対象とされてもよい。
【0120】
また、選択確率や、利益及び効用等は、上記と異なる式を用いて算出されてもよい。
【0121】
上述したように、第一の実施の形態によれば、同一の車両によって複数種類の乗車形態での乗車便が提供される輸送サービスに関して、実現可能な乗車便群の部分集合のうち、所定条件を満たす部分集合ごとに、当該部分集合を構成する乗車便の選択確率が算出される。そして、算出された選択確率に基づいて、乗車便の組み合わせが選択され、選択された組み合わせが利用者に提示される。したがって、単に、乗車要求を満たすことが可能な乗車便を列挙する場合に比べて、経済的効果の向上を期待できる選択肢を利用者に提示することができる。
【0122】
また、第一の実施の形態によれば、利用者に提示される乗車便の組み合わせの選択に際し、選択確率に基づいて、利益の期待値又は効用の期待値が最大化される組み合わせが選択される。したがって、輸送サービスの提供者の利益、又は利用者の効用の観点において望ましい乗車便の組み合わせを利用者に提示することができる。その結果、輸送サービスの提供者の利益の向上、又は利用者の効用の向上を期待することができる。
【0123】
例えば、上記のように利用者に提示される乗車便の組み合わせが最適化されることにより、車両不足を招く選択肢が提示される可能性を低下させることができる。そうでない場合、以降の利用者に対するサービスの提供が困難となり、サービスの提供者が利益を失う可能性が有る。又は、利用者に却下され、サービスの提供者が結果的に利益を得ることのできない選択肢が提示される可能性を低下させることができる。
【0124】
次に、第二の実施の形態について説明する。第二の実施の形態では第一の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第一の実施の形態と同様でもよい。
【0125】
図13は、第二の実施の形態における輸送サービス予約システムの構成例を示す図である。図13中、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0126】
図13に示される輸送サービス予約システム2は、更に、車両端末30を含む。車両端末30は、インターネット、電話回線等の通信網を介して輸送サービス予約装置10に通信可能に接続されている。車両端末30は、例えば、専用の車載器、又は運転手の携帯端末等である。なお、運転手以外に、サービス提供者側の者が車両に添乗する場合、当該添乗員の携帯端末が車両端末30として用いられてもよい。以下の説明における「運転手」は、「添乗員」によって置き換えられてもよい。
【0127】
図14は、第二の実施の形態における輸送サービス予約システムの機能構成例を示す図である。図14中、図3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。なお、第二の実施の形態において、利用者端末20の機能構成は、第一の実施の形態と同様でよいため、図14において、利用者端末20の図示は省略されている。
【0128】
図14において、車両端末30は、通信制御部31、入力制御部32、出力制御部33、GPS部34、乗客情報読取部35、及びナビゲーション部36等を有する。これら各部は、車両端末30にインストールされたプログラムが、車両端末30のCPUに実行させる処理により実現される。車両端末30は、また、地図データ記憶部37及びスケジュール情報記憶部38等を有する。これら各記憶部は、例えば、車両端末30の補助記憶装置を用いて実現可能である。
【0129】
通信制御部31は、輸送サービス予約装置10等との通信を制御する。入力制御部32は、運転手からの入力を受け付ける。出力制御部33は、入力に応じた処理によって得られる情報等を、車両端末30の表示部に表示させる。GPS部34は、車両端末30によって受信されるGPS(Global Positioning System)信号に基づいて、車両の現在位置を測位する。乗客情報読取部35は、各利用者が所有するICカード(例えば、会員カード)等からの、利用者の情報の読み取りを制御する。ナビゲーション部36は、スケジュールに応じた経路の探索や、探索された経路の案内等を行う。
【0130】
一方、輸送サービス予約装置10は、更に、車両制御部127及び課金部128等を有する。これら各部は、輸送サービス予約装置10にインストールされたプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。
【0131】
第二の実施の形態において、車両制御部127は、図4のステップS204において受信された予約要求に係る乗車便が割り当てられた車両の車両端末30に対して、当該乗車便のスケジュール情報を送信する。なお、スケジュール情報の送信は、例えば、図4のステップS206の実行後に続けて実行される。
【0132】
当該車両の車両端末30の通信制御部31は、スケジュール情報を受信すると、当該スケジュール情報を、スケジュール情報記憶部38に記憶する。出力制御部33は、スケジュール情報の受信若しくは運転手からの入力に応じて、又は当該スケジュール情報に対して所定時間前の時刻の到来等に応じて、当該スケジュール情報を、車両端末30の表示部に表示してもよい。そうすることで、運転手は、運転スケジュールを確認することができる。
【0133】
また、車両端末30のナビゲーション部36は、スケジュール情報に含まれている停車場所を結ぶ経路を探索し、経路案内を行ってもよい。経路の探索には、地図データ記憶部37に記憶されている地図データが用いられてもよい。なお、探索された経路に沿って、自動走行が行われてもよい。すなわち、輸送サービスにおいて、自動走行可能な車両が用いられてもよい。
【0134】
GPS部34は、車両が一定距離走行するたび若しくは一定時間ごと、又は双方の組み合わせごとに、車両の現在位置を測位する。通信制御部31は、GPS部34による測位結果である位置情報を、輸送サービス予約装置10に送信する。輸送サービス予約装置10の車両制御部127は、位置情報の送信元の車両の識別情報に対応付けて、受信された位置情報を車両情報記憶部132に記憶する。その結果、輸送サービス予約装置10は、車両の大凡の現在位置を把握することができる。乗車便生成部123は、車両の位置情報をも考慮して、乗車便の生成を行ってもよい。
【0135】
車両端末30の乗客情報読取部35は、利用者が乗降する際に、車両端末30が備える又は車両端末30に接続されたカードリーダにセットされる利用者のICカード等から、例えば、利用者IDを読み取る。通信制御部31は、読み取られた利用者IDを輸送サービス予約装置10に送信する。
【0136】
輸送サービス予約装置10の課金部128は、受信された利用者IDを含むレコードを予約情報記憶部135から検索し、当該レコードの「料金」の項目に記憶された課金額を、課金する。なお、課金額は、例えば、利用者情報記憶部131に当該利用者IDに対応付けられて記憶されている口座情報に係る口座から引き落とされてもよい。又は、当該課金額は、電子メールや郵便等、別の手段によって、利用者に請求されてもよい。
【0137】
上述したように、第二の実施の形態によれば、輸送サービスの予約、予約に応じた車両の制御、及び課金等について、自動化を促進することができる。
【0138】
なお、本実施の形態において、スケジュール情報記憶部134は、記憶部の一例である。要求受信部121は、受信部の一例である。乗車便生成部123は、生成部の一例である。選択確率算出部124は、算出部の一例である。提示乗車便選択部125は、選択部の一例である。
【0139】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0140】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
出発地及び目的地の指定を含む乗車要求を受信し、
同一車両によって複数種類の乗車形態での乗車便を提供可能な車両ごとに、当該車両に対して割り当てられたスケジュール、及び当該スケジュールの乗車形態の種類、を示す情報を記憶する記憶部を参照して、前記複数種類の乗車形態に係る実現可能な乗車便を生成し、
生成された実現可能な乗車便群の部分集合の中で所定条件を満たす部分集合ごとに、当該部分集合を構成する各乗車便の選択確率を算出し、
算出された選択確率に基づいて、前記所定条件を満たす部分集合の中から、前記乗車要求に対して提示する部分集合を選択する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする輸送サービス予約方法。
(付記2)
前記複数種類の乗車形態は、同時に対応可能な乗車要求の数が相互に異なることを特徴とする付記1記載の輸送サービス予約方法。
(付記3)
前記複数種類の乗車形態は、経路の変更の可否が相互に異なることを特徴とする付記1又は2記載の輸送サービス予約方法。
(付記4)
前記選択する処理は、前記算出された選択確率に基づいて、前記所定条件を満たす部分集合ごとに、乗車便の提供者の利益の期待値を算出し、前記利益の期待値に基づいて、前記乗車要求に対して提示する部分集合を選択することを特徴とする付記1乃至3いずれか一項記載の輸送サービス予約方法。
(付記5)
前記選択する処理は、前記算出された選択確率に基づいて、前記所定条件を満たす部分集合ごとに、乗車便の利用者の効用の期待値を算出し、前記効用の期待値に基づいて、前記乗車要求に対して提示する部分集合を選択することを特徴とする付記1乃至4いずれか一項記載の輸送サービス予約方法。
(付記6)
前記選択する処理において選択された部分集合を、前記乗車要求の送信元に返信し、
返信された部分集合の中から利用者が選択した乗車便を受信し、前記乗車便に係る車両に対し、当該乗車便を実現するスケジュールに関する情報を送信する、
処理を前記コンピュータが実行する付記1乃至5いずれか一項記載の輸送サービス予約方法。
(付記7)
同一車両によって複数種類の乗車形態での乗車便を提供可能な車両ごとに、当該車両に対して割り当てられたスケジュール、及び、スケジュールの乗車形態の種類、を示す情報を記憶する記憶部と、
出発地及び目的地の指定を含む乗車要求を受信する受信部と、
前記記憶部を参照して、前記複数種類の乗車形態に係る実現可能な乗車便を生成する生成部と、
前記生成部によって生成された実現可能な乗車便群の部分集合の中で所定条件を満たす部分集合ごとに、当該部分集合を構成する各乗車便の選択確率を算出する算出部と、
算出された選択確率に基づいて、前記所定条件を満たす部分集合の中から、前記乗車要求に対して提示する部分集合を選択する選択部と、
を有することを特徴とする輸送サービス予約装置。
(付記8)
前記複数種類の乗車形態は、同時に対応可能な乗車要求の数が相互に異なることを特徴とする付記7記載の輸送サービス予約装置。
(付記9)
前記複数種類の乗車形態は、経路の変更の可否が相互に異なることを特徴とする付記7又は8記載の輸送サービス予約装置。
(付記10)
前記選択部は、前記算出された選択確率に基づいて、前記所定条件を満たす部分集合ごとに、乗車便の提供者の利益の期待値を算出し、前記利益の期待値に基づいて、前記乗車要求に対して提示する部分集合を選択することを特徴とする付記7乃至9いずれか一項記載の輸送サービス予約装置。
(付記11)
前記選択部は、前記算出された選択確率に基づいて、前記所定条件を満たす部分集合ごとに、乗車便の利用者の効用の期待値を算出し、前記効用の期待値に基づいて、前記乗車要求に対して提示する部分集合を選択することを特徴とする付記7乃至10いずれか一項記載の輸送サービス予約装置。
(付記12)
前記選択部によって選択された部分集合を、前記乗車要求の送信元に返信する送信部と、
返信された部分集合の中から利用者に選択された乗車便を受信し、前記乗車便に係る車両に対し、当該乗車便を実現するスケジュールに関する情報を送信する送信部とを有する付記7乃至11いずれか一項記載の輸送サービス予約装置。
(付記13)
出発地及び目的地の指定を含む乗車要求を受信し、
同一車両によって複数種類の乗車形態での乗車便を提供可能な車両ごとに、当該車両に対して割り当てられたスケジュール、及び、当該スケジュールの乗車形態の種類、を示す情報を記憶する記憶部を参照して、前記複数種類の夫々の乗車形態に係る実現可能な乗車便を生成し、
生成された実現可能な乗車便群の部分集合の中で所定条件を満たす部分集合ごとに、当該部分集合を構成する各乗車便の選択確率を算出し、
算出された選択確率に基づいて、前記所定条件を満たす部分集合の中から、前記乗車要求に対して提示する部分集合を選択する、
処理をコンピュータに実行させる輸送サービス予約プログラム。
(付記14)
前記複数種類の乗車形態は、同時に対応可能な乗車要求の数が相互に異なることを特徴とする付記13記載の輸送サービス予約プログラム。
(付記15)
前記複数種類の乗車形態は、経路の変更の可否が相互に異なることを特徴とする付記13又は14記載の輸送サービス予約プログラム。
(付記16)
前記選択する処理は、前記算出された選択確率に基づいて、前記所定条件を満たす部分集合ごとに、乗車便の提供者の利益の期待値を算出し、前記利益の期待値に基づいて、前記乗車要求に対して提示する部分集合を選択することを特徴とする付記13乃至15いずれか一項記載の輸送サービス予約プログラム。
(付記17)
前記選択する処理は、前記算出された選択確率に基づいて、前記所定条件を満たす部分集合ごとに、乗車便の利用者の効用の期待値を算出し、前記効用の期待値に基づいて、前記乗車要求に対して提示する部分集合を選択することを特徴とする付記13乃至16いずれか一項記載の輸送サービス予約プログラム。
(付記18)
前記選択する処理において選択された部分集合を、前記乗車要求の送信元に返信し、
返信された部分集合の中から利用者が選択した乗車便を受信し、前記乗車便に係る車両に対し、当該乗車便を実現するスケジュールに関する情報を送信する、
処理を前記コンピュータが実行する付記13乃至17いずれか一項記載の輸送サービス予約プログラム。
【符号の説明】
【0141】
1 輸送サービス予約システム
10 輸送サービス予約装置
20 利用者端末
21 入力制御部
22 要求送信部
23 応答受信部
24 出力制御部
30 車両端末
31 通信制御部
32 入力制御部
33 出力制御部
34 GPS部
35 乗客情報読取部
36 ナビゲーション部
37 地図データ記憶部
38 スケジュール情報記憶部
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
121 要求受信部
122 応答送信部
123 乗車便生成部
124 選択確率算出部
125 提示乗車便選択部
126 予約処理部
127 車両制御部
128 課金部
131 利用者情報記憶部
132 車両情報記憶部
133 地図データ記憶部
134 スケジュール情報記憶部
135 予約情報記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14