特許第6823972号(P6823972)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6823972回転作動されて解放されるローディンクユニット係止カラー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6823972
(24)【登録日】2021年1月14日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】回転作動されて解放されるローディンクユニット係止カラー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/115 20060101AFI20210121BHJP
【FI】
   A61B17/115
【請求項の数】19
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-170686(P2016-170686)
(22)【出願日】2016年9月1日
(65)【公開番号】特開2017-60745(P2017-60745A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2019年8月2日
(31)【優先権主張番号】14/859,590
(32)【優先日】2015年9月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アントニー スグロイ
【審査官】 小河 了一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/139327(WO,A1)
【文献】 特表2011−526804(JP,A)
【文献】 特開2015−077408(JP,A)
【文献】 米国特許第04183691(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローディングユニットであって
外科用器具の遠位端部分を受容するように構成されている近位開口部を規定する環状リングを有するシェルアセンブリであって、前記環状リングは、係止スロットを規定する、シェルアセンブリと、
前記環状リングの周りに回転可能に配置されている係止カラー
を備え
前記係止カラーは可撓性タブを含む本体を有し、前記本体は、部分的に分割されて前記可撓性タブを形成し、前記可撓性タブは、前記可撓性タブから内方に延びるロックを有し、前記係止カラーは、係止構成と非係止構成との間で前記環状リングの周りを移動可能であり、前記係止構成では、前記ロックが前記係止スロットを通って前記環状リングの前記近位開口部中に通過し、前記非係止構成では、前記ロックが前記近位開口部内から移動させられるローディングユニット。
【請求項2】
前記環状リングの外側表面は、溝を規定し前記係止カラーは、前記溝内に受容される内方に延びる動程リブを含む、請求項1に記載のローディングユニット。
【請求項3】
前記動程リブは、前記環状リングの周りの前記係止カラーの回転の程度を制限する、請求項に記載のローディングユニット。
【請求項4】
ローディングユニットであって、
外科用器具の遠位端部分を受容するように構成されている近位開口部を規定する環状リングを有するシェルアセンブリであって、前記環状リングは、係止スロットを規定する、シェルアセンブリと、
前記環状リングの周りに回転可能に配置されている係止カラーと
を備え、
前記係止カラーは、可撓性タブを含む本体を有し、前記可撓性タブは、前記可撓性タブから内方に延びるロックを有し、前記係止カラーは、係止構成と非係止構成との間で前記環状リングの周りを移動可能であり、前記係止構成では、前記ロックが前記係止スロットを通って前記環状リングの前記近位開口部の中に通過し、前記非係止構成では、前記ロックが前記近位開口部内から移動させられ、
前記ローディングユニットは、前記係止カラーの近位の前記環状リングの周りに位置決めされている保持リングをさらに備え、前記環状リングに対する前記係止カラーの軸方向移動を防ぐローディングユニット。
【請求項5】
前記保持リングは、内方に延びる複数の保持タブを含み、前記環状リングは、前記係止スロットの近位に位置決めされている複数の保持スロットを規定し、前記複数の保持スロットのそれぞれは、個々の保持タブを受容し、前記保持リングを前記環状リングに固定するように構成されている、請求項に記載のローディングユニット。
【請求項6】
前記可撓性タブは、弾性であり、前記可撓性タブは、前記係止カラーを前記係止構成に押すように位置決めされている、請求項1に記載のローディングユニット。
【請求項7】
ローディングユニットであって、
外科用器具の遠位端部分を受容するように構成されている近位開口部を規定する環状リングを有するシェルアセンブリであって、前記環状リングは、係止スロットを規定する、シェルアセンブリと、
前記環状リングの周りに回転可能に配置されている係止カラーと
を備え、
前記係止カラーは、可撓性タブを含む本体を有し、前記可撓性タブは、前記可撓性タブから内方に延びるロックを有し、前記係止カラーは、係止構成と非係止構成との間で前記環状リングの周りを移動可能であり、前記係止構成では、前記ロックが前記係止スロットを通って前記環状リングの前記近位開口部の中に通過し、前記非係止構成では、前記ロックが前記近位開口部内から移動させられ、
前記可撓性タブは、弾性であり、前記可撓性タブは、前記係止カラーを前記係止構成に押すように位置決めされており、前記ロックは、長手方向カム表面半径方向カム表面を有するローディングユニット。
【請求項8】
前記半径方向カム表面は、前記環状リングを係合するように位置決めされており、前記環状リングに対する前記係止カラーの前記本体の回転に応答して前記ロックを前記非係止構成に向かって外方に移動させる、請求項に記載のローディングユニット。
【請求項9】
前記半径方向カム表面は、前記環状リングを係合するように位置決めされており、前記ロックと前記係止スロットが誤整列されるとき、前記可撓性タブの弾性は、前記係止カラーを前記係止構成に向かって押すことを前記半径方向カム表面に行わせる、請求項に記載のローディングユニット。
【請求項10】
外科用システムであって
係止窓を規定する遠位端部分を含む外科用器具と、
近位開口部を規定する環状リングを有するシェルアセンブリを含むローディングユニットであって、前記外科用器具の前記遠位端部分は、前記近位開口部内に受容され、前記環状リングは、係止スロットを規定する、ローディングユニットと、
前記環状リングの周りに回転可能に配置されている係止カラーであって、前記ローディングユニットを前記外科用器具の前記遠位端部分に固定する係止カラー
を備え
前記係止カラーは可撓性タブを含む本体を有し、前記本体は、部分的に分割されて前記可撓性タブを形成し、前記可撓性タブは、前記可撓性タブから内方に延びるロックを有し、前記係止カラーは、係止構成と非係止構成との間で前記環状リングの周りを移動可能であり、前記係止構成では、前記ロックが前記環状リングの係止スロットおよび前記外科用器具の前記遠位端部分の前記係止窓を通過して前記係止カラーを前記外科用器具の前記遠位端部分に固定し、前記非係止構成では、前記ロックが前記係止窓内から移動させられて前記ローディングニユットを前記外科用器具の前記遠位端部分から解放する外科用システム。
【請求項11】
前記環状リングは、前記近位開口部中に延びるキーを含み前記外科用器具の前記遠位端部分は、キー溝を規定し、前記キーは、前記シェルアセンブリの長手軸に平行であり、前記キー溝は、前記外科用器具の前記遠位端部分の長手軸に平行であり、前記キーは、前記キー溝内に受容されて前記ローディングユニットを前記外科用器具の前記遠位端部分に回転可能に固定する、請求項10に記載の外科用システム。
【請求項12】
外科用システムであって、
係止窓を規定する遠位端部分を含む外科用器具と、
近位開口部を規定する環状リングを有するシェルアセンブリを含むローディングユニットであって、前記外科用器具の前記遠位端部分は、前記近位開口部内に受容され、前記環状リングは、係止スロットを規定する、ローディングユニットと、
前記環状リングの周りに回転可能に配置されている係止カラーであって、前記ローディングユニットを前記外科用器具の前記遠位端部分に固定する係止カラーと
を備え、
前記係止カラーは、可撓性タブを含む本体を有し、前記可撓性タブは、前記可撓性タブから内方に延びるロックを有し、前記係止カラーは、係止構成と非係止構成との間で前記環状リングの周りを移動可能であり、前記係止構成では、前記ロックが前記環状リングの係止スロットおよび前記外科用器具の前記遠位端部分の前記係止窓を通過して前記係止カラーを前記外科用器具の前記遠位端部分に固定し、前記非係止構成では、前記ロックが前記係止窓内から移動させられて前記ローディングニユットを前記外科用器具の前記遠位端部分から解放し、
前記ロックは、長手方向カム表面を有し、前記外科用器具の遠位端は、前記長手方向カム表面を係合するように構成されており、前記外科用器具の前記遠位端部分は、前記近位開口部内に受容されるとき、前記係止窓が前記環状リングの係止スロットと整列されるまで、前記ロックを外方に移動させる外科用システム。
【請求項13】
外科用システムであって、
係止窓を規定する遠位端部分を含む外科用器具と、
近位開口部を規定する環状リングを有するシェルアセンブリを含むローディングユニットであって、前記外科用器具の前記遠位端部分は、前記近位開口部内に受容され、前記環状リングは、係止スロットを規定する、ローディングユニットと、
前記環状リングの周りに回転可能に配置されている係止カラーであって、前記ローディングユニットを前記外科用器具の前記遠位端部分に固定する係止カラーと
を備え、
前記係止カラーは、可撓性タブを含む本体を有し、前記可撓性タブは、前記可撓性タブから内方に延びるロックを有し、前記係止カラーは、係止構成と非係止構成との間で前記環状リングの周りを移動可能であり、前記係止構成では、前記ロックが前記環状リングの係止スロットおよび前記外科用器具の前記遠位端部分の前記係止窓を通過して前記係止カラーを前記外科用器具の前記遠位端部分に固定し、前記非係止構成では、前記ロックが前記係止窓内から移動させられて前記ローディングニユットを前記外科用器具の前記遠位端部分から解放し、
前記ロックは、半径方向カム表面を有し、前記半径方向カム表面は、前記環状リングの周りの前記係止カラーの前記本体の回転に応答して前記環状リングを係合し、前記係止カラーを前記非係止構成に遷移させる外科用システム。
【請求項14】
ローディングユニットを外科用器具に固定する方法であって
前記ローディングユニットの近位環状リングを前記外科用器具の遠位端部分と整列させることと、
前記近位環状リングを前記外科用器具の前記遠位端部分上でスライドさせることであって、前記外科用器具の遠位端は、前記近位環状リング上に配置されている係止カラーのロックを係合して前記ロックを外方に押し、前記ロックは、前記係止カラーの可撓性タブ上に配置されている、ことと、
前記外科用器具の前記遠位端部分中に規定されている係止窓が前記ロックと整列されるまで、前記遠位端部分上で前記ローディングユニットをスライドさせることを継続することであって、前記可撓性タブの弾性は、前記ロックを前記係止窓中に移動させ、前記ローディングユニットを前記外科用器具に固定する、ことと
を含む、方法。
【請求項15】
前記方法は、前記ローディングユニットを前記外科用器具の前記遠位端部分から解放することさらに含み
前記解放することは、
前記係止カラーを前記近位環状リングの周りで回転させることにより、前記ロックを前記係止窓内から移動させることと、
前記ローディングユニットを前記外科用器具の前記遠位端部分からスライドさせること
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記係止カラーを前記近位環状リングの周りで回転させることは、前記ロックの半径方向カム表面を前記近位環状リングと係合させることにより、前記ロックを前記係止窓内から持ち上げることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、前記ローディングユニットを前記外科用器具の前記遠位端部分からスライドさせ後に、前記係止カラーを解放することをさらに含み、前記半径方向カム表面は、前記近位環状リングを係合することにより前記可撓性タブの弾性に応答して前記係止カラーを前記近位環状リングの周りで回転させる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ローディングユニットの前記近位環状リングを前記外科用器具の前記遠位端部分と整列させることは、前記ローディングユニットのキーを、前記外科用器具の前記遠位端部分に規定されているキー溝と半径方向に整列させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記近位環状リングを前記外科用器具の前記遠位端部分上でスライドさせることは、前記キーを前記外科用器具の前記キー溝中にスライドさせることを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.技術分野)
本開示は、概して、外科用ステープル留め器具に関する。より特定すれば、本開示は、置換可能なローディングユニットを含む円形のステープル留め器具に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の背景)
外科的手順の間に組織部分を接合するように構成されたステープル留め器具は周知である。これらの器具は、器具の長手軸に対して平行または横方向に配向される直線状のエンドエフェクタおよび円形のエンドエフェクタを含む。代表的には、直線状のステープル留め器具は、使い捨て可能なローディングユニットまたはステープル留め器具が複数回使用されることを可能にする置換可能なカートリッジを含む。しかし、従来の円形のステープル留め器具は、代表的には、単回使用の後に器具が棄てられなければならないように器具に固定して取り付けられるカートリッジまたはシェルアセンブリを含む。いくつかの円形のステープル留め器は、置換可能であるカートリッジまたはシェルアセンブリを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ステープル留め器具の再使用を容易にするために、円形のステープル留め器具に、カートリッジまたはシェルアセンブリを解放可能に固定するための単純で高価でない器具に対する必要性が本技術分野に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
本開示の1つの局面では、ローディングユニットは、シェルアセンブリおよび係止カラーを含む。このシェルアセンブリは、外科用器具の遠位端部分を受容するように構成される近位開口部を規定する環状リングを有する。この環状リングは係止スロットを規定する。この係止カラーは、上記環状リングの周りに回転可能に配置され、そして可撓性タブを含む本体を有する。この可撓性タブは、この可撓性タブから内方に延びるロックを含む。上記係止カラーは、環状リングの周りで、係止構成と非係止構成との間で移動可能である。係止構成では、ロックは、係止スロットを通り、そして環状リングの近位開口部中に通過する。非係止構成では、上記ロックは、近位開口部内から移動される。上記本体は部分的に分割され得、可撓性タブを形成し得る。
【0005】
複数の局面では、上記環状リングの外側表面は溝を規定し、そして上記係止カラーは、上記溝内に受容される内方に延びる動程リブを含む。上記動程リブは、上記環状リブの周りの上記係止カラーの回転の程度を制限し得る。
【0006】
いくつかの局面では、上記ローディングユニットは、上記係止カラーの近位の上記環状リングの周りに位置決めされる保持リングを含み、上記環状リングに対する上記係止カラーの軸方向移動を防ぐ。上記保持リングは、複数の内方に延びる保持タブ、および上記係止スロットの近位に位置決めされる複数の保持スロットを規定し得る環状リングを含み得る。上記複数の保持スロットの各々は、個々の保持タブを受容し、上記保持リングを上記環状リングに固定するように構成され得る。
【0007】
特定の局面では、上記可撓性タブは弾性であり、そして上記係止カラーを上記係止構成に押すように位置決めされる。上記ロックは、長手方向カム表面および半径方向カム表面を有し得る。上記半径方向カム表面は、上記環状リングを係合するように位置決めされ得、上記ロックを、上記環状リングに対する上記係止カラーの本体の回転に応答して上記非係止構成に向かって外方に移動させる。上記半径方向カム表面は、上記環状リングを係合するように位置決めされ得、上記ロックと上記係止スロットが誤整列されるとき、上記可撓性タブの弾性が、上記半径方向カム表面が上記係止カラーを上記係止構成に向かって押すようにする。
【0008】
本開示の別の局面では、外科用システムは、外科用器具、ローディングユニット、および係止カラーを含む。この外科用器具は、係止窓を規定する遠位端部分を含む。このローディングユニットは、近位開口部を規定する環状リングを有するシェルアセンブリ、および係止スロットを含む。上記外科用器具の遠位端部分は、上記近位開口部内に受容される。上記係止カラーは、上記環状リングの周りに回転可能に配置され、上記ローディングユニットを上記外科用器具の遠位端部分に固定する。上記係止カラーは可撓性タブを含む本体を有する。この可撓性タブはこの可撓性タブから内方に延びるロックを有する。上記係止カラーは、上記環状リングの周りを、係止構成と非係止構成との間で移動可能である。係止構成では、上記ロックは上記環状リングの係止スロットおよび上記外科用器具の遠位端部分の係止窓を通過して上記係止カラーを上記外科用器具の遠位端部分に固定する。非係止構成では、上記ロックは上記係止窓内から移動されて上記ローディングニユットを上記外科用器具の遠位端部分から解放する。
【0009】
複数の局面では、上記環状リングは、上記近位開口部中に延びるキーを含む。上記外科用器具の遠位端部分はキー溝を規定し得る。上記キーは上記シェルアセンブリの長手軸に平行であり、そして上記キー溝は上記外科用器具の遠位端部分の長手軸に平行である。上記キーは上記キー溝内に受容されて上記ローディングユニットを上記外科用器具の遠位端部分に回転可能に固定する。
【0010】
いくつかの局面では、上記ロックは、長手方向カム表面を有する。上記外科用器具の遠位端は、上記長手方向カム表面を係合するように構成され得、上記外科用器具の遠位端部分が上記近位開口部内に受容されるとき、上記係止窓が上記環状リングの係止スロットと整列されられるまで、上記ロックを外方に移動させる。上記ロックは、上記環状リングの周りの上記係止カラーの本体の回転に応答して上記環状リングを係合し、上記係止カラーを上記非係止構成に遷移させる半径方向カム表面を有し得る。
【0011】
本開示の別の局面では、ローディングユニットを外科用器具に固定する方法は、上記ローディングユニットの近位環状リングを外科用器具の遠位端部分と整列させる工程、上記環状リングを上記外科用器具の遠位端部分上でスライドさせる工程、および上記外科用器具の遠位端部分中に規定される係止窓が上記ロックと整列されるまで、上記遠位端部分上で上記ローディングユニットをスライドさせることを継続する工程であって、可撓性タブの弾性が、上記ロックを上記係止窓中に移動させ、上記ローディングユニットを上記外科用器具に固定する、工程を含む。上記外科用器具の遠位端部分は、上記環状リングが上記外科用器具の遠位端部分上をスライドさせられるとき、上記係止カラーのロックを係合する。
【0012】
複数の局面では、上記方法は、上記ローディングユニットを上記外科用器具の遠位端部分から解放する工程を含む。上記ローディングユニットは、上記係止カラーを上記環状リングの周りで回転させて上記ロックを上記係止窓内から移動させること、および上記ローディングユニットを上記外科用器具の遠位端部分からスライドさせることによって解放される。上記係止カラーを上記環状リングの周りで回転させることは、上記ロックの半径方向カム表面を上記環状リングと係合させることにより、上記ロックを上記係合窓内から持ち上げ得る。上記係止カラーは、上記ローディングユニットを上記外科用器具の遠位端部分からスライドさせることの後に、解放され得、上記半径方向カム表面が上記環状リングを係合することによって、上記係止カラーを、上記可撓性タブの弾性に応答して上記環状リングの周りで回転させ得る。
【0013】
いくつかの局面では、上記ローディングユニットの近位環状リングを上記外科用器具の遠位端部分と整列する工程は、上記ローディングユニットのキーを、上記外科用器具の遠位端部分に規定されるキー溝と半径方向に整列させることを含む。上記環状リングを上記外科用器具の遠位端部分上でスライドさせる工程は、上記キーを上記外科用器具のキー溝中にスライドさせることを含み得る。
【0014】
さらに、一致する範囲まで、本明細書中に記載される任意の局面は、本明細書中に記載される任意またはすべてのその他の局面と組み合わせて使用され得る。
より特定すれば、本明細書は、以下の項目に関する構成を記載する。
(項目1)
ローディングユニットであって:
外科用器具の遠位端部分を受容するように構成される近位開口部を規定する環状リングを有するシェルアセンブリであって、上記環状リングが係止スロットを規定する、シェルアセンブリ;および
上記環状リングの周りに回転可能に配置される係止カラー
を、備え、上記係止カラーは可撓性タブを含む本体を有し、上記可撓性タブは上記可撓性タブから内方に延びるロックを有し、上記係止カラーは上記環状リングの周りを、上記ロックが上記係止スロットを通って上記環状リングの近位開口部中に通過する係止構成と、上記ロックが上記近位開口部内から移動させられる非係止構成との間で移動可能である、ローディングユニット。
(項目2)
上記本体が、部分的に分割されて可撓性タブを形成する、上記項目に記載のローディングユニット。
(項目3)
上記環状リングの外側表面が溝を規定し、そして上記係止カラーが、上記溝内に受容される内方に延びる動程リブを含む、上記項目のいずれかに記載のローディングユニット。
(項目4)
上記動程リブが、上記環状リブの周りの上記係止カラーの回転の程度を制限する、上記項目のいずれかに記載のローディングユニット。
(項目5)
上記係止カラーの近位の上記環状リングの周りに位置決めされる保持リングをさらに備え、上記環状リングに対する上記係止カラーの軸方向移動を防ぐ、上記項目のいずれかに記載のローディングユニット。
(項目6)
上記保持リングが、複数の内方に延びる保持タブ、および上記係止スロットの近位に位置決めされる複数の保持スロットを規定する環状リングを含み、上記複数の保持スロットの各々が、個々の保持タブを受容し、上記保持リングを上記環状リングに固定するように構成される、上記項目のいずれかに記載のローディングユニット。
(項目7)
上記可撓性タブが弾性であり、そして上記係止カラーを上記係止構成に押すように位置決めされる、上記項目のいずれかに記載のローディングユニット。
(項目8)
上記ロックが、長手方向カム表面および半径方向カム表面を有する、上記項目のいずれかに記載のローディングユニット。
(項目9)
上記半径方向カム表面が、上記環状リングを係合するように位置決めされて、上記ロックを、上記環状リングに対する上記係止カラーの本体の回転に応答して上記非係止構成に向かって外方に移動させる、上記項目のいずれかに記載のローディングユニット。
(項目10)
上記半径方向カム表面が上記環状リングを係合するように位置決めされ、上記ロックと上記係止スロットが誤整列されるとき、上記可撓性タブの弾性が、上記半径方向カム表面が上記係止カラーを上記係止構成に向かって押すようにする、上記項目のいずれかに記載のローディングユニット。
(項目11)
外科用システムであって:
係止窓を規定する遠位端部分を含む外科用器具;
近位開口部を規定する環状リングを有するシェルアセンブリを含むローディングユニットであって、上記外科用器具の遠位端部分が上記近位開口部内に受容され、上記環状リングが係止スロットを規定する、ローディングユニット;および
上記環状リングの周りに回転可能に配置され、上記ローディングユニットを上記外科用器具の遠位端部分に固定する係止カラー
を備え、上記係止カラーは可撓性タブを含む本体を有し、上記可撓性タブは上記可撓性タブから内方に延びるロックを有し、上記係止カラーは、上記環状リングの周りを、上記ロックが上記環状リングの係止スロットおよび上記外科用器具の遠位端部分の係止窓を通過して上記係止カラーを上記外科用器具の遠位端部分に固定する係止構成と、上記ロックが上記係止窓内から移動させられて上記ローディングニユットを上記外科用器具の遠位端部分から解放する非係止構成との間で移動可能である、外科用システム。
(項目12)
上記環状リングが上記近位開口部中に延びるキーを含み、そして上記外科用器具の遠位端部分がキー溝を規定し、上記キーが上記シェルアセンブリの長手軸に平行であり、上記キー溝が上記外科用器具の遠位端部分の長手軸に平行であり、上記キーが上記キー溝内に受容されて上記ローディングユニットを上記外科用器具の遠位端部分に回転可能に固定する、上記項目に記載の外科用システム。
(項目13)
上記ロックが長手方向カム表面を有し、上記外科用器具の遠位端が上記長手方向カム表面を係合するように構成され、上記外科用器具の遠位端部分が上記近位開口部内に受容されるとき、上記係止窓が上記環状リングの係止スロットと整列されるまで、上記ロックを外方に移動させる、上記項目のいずれかに記載の外科用システム。
(項目14)
上記ロックが半径方向カム表面を有し、上記半径方向カム表面が、上記環状リングの周りの上記係止カラーの本体の回転に応答して上記環状リングを係合し、上記係止カラーを上記非係止構成に遷移させる、上記項目のいずれかに記載の外科用システム。
(項目15)
ローディングユニットを外科用器具に固定する方法であって:
上記ローディングユニットの近位環状リングを外科用器具の遠位端部分と整列させる工程;
上記環状リングを上記外科用器具の遠位端部分上でスライドさせる工程であって、上記外科用器具の遠位端部分が上記環状リング上に配置された係止カラーのロックを係合して上記ロックを外方に押し、上記ロックが上記係止カラーの可撓性タブ上に配置される、工程;および
上記外科用器具の遠位端部分中に規定される係止窓が上記ロックと整列されるまで、上記遠位端部分上で上記ローディングユニットをスライドさせることを継続する工程であって、上記可撓性タブの弾性が、上記ロックを上記係止窓中に移動させ、上記ローディングユニットを上記外科用器具に固定する、工程
を含む、方法。
(項目16)
さらに、上記ローディングユニットを上記外科用器具の遠位端部分から解放する工程を含み、上記工程が:
上記係止カラーを上記環状リングの周りで回転させることにより、上記ロックを上記係止窓内から移動させること;および
上記ローディングユニットを上記外科用器具の遠位端部分からスライドさせること、
を含む、上記項目に記載の方法。
(項目17)
上記係止カラーを上記環状リングの周りで回転させることが、上記ロックの半径方向カム表面を上記環状リングと係合させることにより、上記ロックを上記係合窓内から持ち上げることを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)
さらに、上記ローディングユニットを上記外科用器具の遠位端部分からスライドさせたことの後に、上記係止カラーを解放することを含み、上記半径方向カム表面が上記環状リングを係合することにより、上記係止カラーを、上記可撓性タブの弾性に応答して上記環状リングの周りで回転させる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目19)
上記ローディングユニットの近位環状リングを上記外科用器具の遠位端部分と整列させる工程が、上記ローディングユニットのキーを、上記外科用器具の遠位端部分に規定されるキー溝と半径方向に整列させることを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
上記環状リングを上記外科用器具の遠位端部分上でスライドさせる工程が、上記キーを上記外科用器具のキー溝中にスライドさせることを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(摘要)
ローディングユニットは、シェルアセンブリおよび係止カラーを含む。このシェルアセンブリは、係止スロットおよび近位開口部を規定する環状リングを有する。この近位開口部は外科用器具の遠位端部分を受容するように構成される。上記係止カラーは、上記環状リングの周りに回転可能に配置される。上記係止カラーは、内方に延びるロックを有する可撓性タブを含む本体を有する。上記係止カラーは、環状リングの周りで、係止構成と非係止構成との間で移動可能である。係止構成では、上記ロックは、係止スロットを通り、環状リングの近位開口部中に通過する。非係止構成では、上記係止カラーの本体は、上記環状リングの周りで、係止構成から回転し、上記ロックを上記近位開口部内から移動させる。
【0015】
本開示の種々の局面は、図面を参照して、本明細書で以下に記載され、図面は本明細書中に援用され、そして本明細書の一部を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A図1Aは、本開示に従う、ローディングユニットが円形のステープル留めアダプタの遠位端に解放可能に結合された、円形のステープル留めアダプタの斜視図である。
図1B図1Bは、図1Aのローディングユニットが外科用器具の遠位端に解放可能に結合された、円形のステープル留め外科用器具の斜視図である。
図2図2は、ローディングユニットがアダプタから外された、図1Aのアダプタの斜視図である。
図3図3は、図2のローディングユニットのパーツが分離された分解図である。
図4図4は、図3のローディングのシェルアセンブリの斜視図である。
図5図5は、図3のローディングユニットの係止カラーの斜視図である。
図6図6は、図2の切断線6−6に沿ってとったローディングユニットおよびアダプタの遠位端部分の長手方向断面図である。
図7図7は、図6の切断線7−7に沿ってとった断面図である。
図8図8は、図6の切断線8−8に沿ってとった断面図である。
図9図9は、図2のローディングユニットの環状リング内に部分的に受容された図2のアダプタの遠位端部分の長手方向断面図である。
図10図10は、図9の切断線10−10に沿ってとった断面図である。
図11図11は、図2のローディングユニットの環状リング内に受容された図2のアダプタの遠位端部分の長手方向断面図である。
図12図12は、図11の切断線12−12に沿ってとった断面図である。
図13図13は、図11の切断線13−13に沿ってとった断面図である。
図14図14は、図11の切断線14−14に沿ってとった断面図である。
図15図15は、係止カラーが非係止構成に回転させられた、アダプタの遠位端部分上に配置された図2のローディングユニットの斜視図である。
図16図16は、図15の切断線16−16に沿ってとった断面図である。
図17図17は、図15の切断線17−17に沿ってとった断面図である。
図18図18は、係止カラーが係止構成に戻った、アダプタの遠位端部分から解放された図15のローディングユニット斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施形態の詳細な説明)
本開示の実施形態が、ここで図面を参照して詳細に説明され、図面においては同様の参照番号は、いくつかの図面の各々において同一または対応する要素を指定する。本明細書で用いられるとき、用語「臨床医」は、医師、看護師、または任意のその他のケアワーカーをいい、そして支援要員を含み得る。本明細書全体で、用語「近位」は、臨床医に最も近いデバイスまたはその構成要素をいい、そして用語「遠位」は、臨床医から最も遠いデバイスまたはその構成要素をいう。
【0018】
本開示は、概して、外科用器具のために、ローディングユニットをこの外科用器具またはアダプタの遠位端に解放可能に固定する係止カラーを含むローディングユニットに関する。この係止カラーは、ローディングユニットの周りに回転可能に配置され、そして長手方向カム表面および半径方向カム表面を有するロックを含む。長手方向カム表面は、係止カラーが外科用器具上でスライドされ、係止カラーのロックを支持する可撓性タブを外方に曲げるとき、外科用器具の遠位端によって係合される。ローディングユニットが、外科用器具の遠位端上に完全に受容されるとき、ローディングユニットの係止窓はロックと整列させられるようになる。これが起こるとき、可撓性タブの弾性は、ロックを係止窓中に移動するようにし、ローディングユニットを外科用器具の遠端に固定する。係止カラーは、半径方向カム表面が、ロックが外科用器具の係止窓から取り除かれローディングユニットを外科用器具の遠位端から解放するまで、可撓性タブを外方に曲げるためにローディングユニットを係合するようにローディングユニットの周りで回転させられ得る。
【0019】
図1Aおよび1Bを参照して、ローディングユニット10が、本開示の実施形態に従って提供される。ローディングユニット10は、外科用器具のアダプタ102を介して動力付きハンドヘルド電気機械的器具(図示はされていない)への選択的接続のために構成される。あるいは、ローディングユニット10は、本明細書中に参考として援用される米国特許第8,789,737(“737特許”)に記載されるような、手動で作動されるハンドルアセンブリまたはステープル留め器具700(図1B)への直接的接続のために構成され得る。示される実施形態では、ローディングユニット10は、アダプタ102の遠端部分110に解放可能に結合され、そしてステープルカートリッジ12(図3)、シェルアセンブリ20および係止カラー40を含む。ローディングユニット10はまた、アンビル400(図1B)を含み得る。アダプタ102は、ステープル留め器具のアクチュエータ、例えば、電気機械的アクチュエータ(図示はされていない)を並進移動させるように構成され、シェルアセンブリ20を作動させ、組織(図示はされていない)を縫合および切断する。アダプタ102の近位端104は、ステープルカートリッジ12を作動させるために外科用器具に取り付け可能である。アダプタ102の近位端104は、ステープルカートリッジ12を作動させるために、’737特許に記載されるような、手動で作動させられる器具に取り付けられ得ることが企図される。
【0020】
例示のアダプタおよびローディングユニットの構造および機能の詳細な説明については、本出願人が所有する2014年10月21日に出願された、“Adapter、Extension, and Connector Assemblies for Surgical Device”と題する米国仮特許出願番号第62/066,518号を参照されたい。例示の電気機械的器具の構造および機能の詳細な説明については、2012年5月31に出願された米国特許出願番号第13/484,975(今や米国特許出願公開番号第2012/0253329号として公開されている)を参照されたい。これら出願の各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0021】
図2を参照して、外科用器具、例えば、アダプタ102の遠位端部分110は、係止窓112を規定する。係止窓112は、アダプタ102の遠位端部分110の外側表面を通過し、そしてアダプタ102の遠位端110aから離れて間隔を置かれる。この遠位端部分110はまた、アダプタ102の長手軸に平行なアダプタ102の遠位端110aから延びるキー溝114(図6)を規定し得る。
【0022】
図3をまた参照して、ローディングユニット10は、シェルアセンブリ20、係止カラー40、および保持リング60を含む。シェルアセンブリ20は、アダプタ102の遠位端部分110を受容するための円筒形の開口部21を規定する近位の窪みのある環状リング22、およびステープルカートリッジ12を受容かつ支持するためのレセプタクル34(図6)を規定する遠位端32を有する。
【0023】
図3および4を参照して、シェルアセンブリ20の環状リング22は、係止カラー40および保持リング60を通じて受容されるようなサイズである。実施形態では、係止カラー40は、環状リング22によって規定されるステップ23の深さに等しい厚みを有し、係止カラー40は、シェルアセンブリ20の外側表面と連続的または円滑な表面を形成する。
【0024】
環状リング22はキー24を含み、そして係止スロット26および保持スロット28を規定する。キー24は、環状リング22の内側表面上に配置され、そしてシェルアセンブリ20の長手軸に平行である。示されるように、キー24は、保持スロット28の1つと整列させられ;しかし、キー24は、2つの保持スロット28の間に位置決めされてもよいことが企図される。
【0025】
係止スロット26は、係止カラー40の一部を受容するように構成され、シェルアセンブリ20をアダプタ102の遠位端部分110に固定する。係止スロット26は、実質的に矩形の形状を有し、そして環状リング22の外側表面と内側表面との間を通過する。係止スロット26は、係止スロット26を規定する壁がシェルアセンブリ20の長手軸に平行かつ垂直であるように配向され得る。示されるように、係止スロット26は、キー24と実質的に対向する。しかし、係止スロット26とキー24とは互いに隣接し得るか、または互いに対して環状リング22の周りの任意の場所に位置決めされ得る。係止スロット26は、2つの保持スロット28の間に位置決めされ、そして、係止スロット26の近位端が保持スロット28の遠位端より近位端36からさらに離れているようにシェルアセンブリ20の近位端36から間隔を置かれる。
【0026】
保持スロット28は保持リング60の一部を受容するように構成され、保持リング60をシェルアセンブリ20の環状リング22に固定する。示されるように、保持スロット28は、形状が実質的に矩形であり、そして環状リング22の周りに配置される。保持スロット28の各々は、シェルアセンブリ20の近位端36から等距離で間隔を置かれる。示されるように、保持スロット28は、環状リング22の周りで等しく間隔を置かれる(すなわち、90°離れる);しかし、保持スロット28は、環状リング22の周りで等しくない間隔で配置されることにより保持リング60の環状リング22および/または係止カラー40との配向を固定してもよい。加えて、または代替的に、保持スロット28の各々は、環状リング22および/または係止カラー40との保持リング60の配向を固定するような特有の形状を有してもよい。
【0027】
図4を特に参照して、環状リング22の外側表面は、動程溝29を規定する。この動程溝29は、シェルアセンブリ20の近位端36から、シェルアセンブリ20の長手軸に平行な方向に延びる。動程溝29は、以下により詳細に記載されるように、環状リング22の周りで半径方向寸法を有する。
【0028】
図5を参照して、係止カラー40は、シェルアセンブリ20をアダプタ102の遠位端部分110に固定するように構成される。係止カラー40は、中央開口部43を規定する弾性の円筒形本体42を有する。本体42は、可撓性タブ44、動程リブ46および可撓性タブ44の1つの端部上に支持されるロック50を含む。中央開口部43は、環状リング22を回転可能に受容するようなナイズである。中央開口部43の直径は、環状リング22の外径よりはわずかに大きく、係止カラー40の環状リング22の周りの回転を最小の抵抗(例えば、摩擦からの抵抗)で可能にし、そして本体42と環状リング22との間の過剰のギャップに起因して環状リング22に対する過剰の移動を防ぐ。可撓性タブ44は片持ち梁を規定し、そして半径方向スリット48および長手方向スリット49で本体42を部分的に分割することによって形成される。タブ44は、本体42のほぼ半分である幅を有し得、そして約45°〜約90°(例えば、約75°)の範囲の半径方向寸法を有する。あるいは、その他の構成が想定される。
【0029】
ロック50は、長手方向スリット49に隣接するタブ44の内側表面上に配置され、そして係止カラー40の中央開口部43中に延びる。ロック50は、長手方向カム52および半径方向カム54を含む。長手方向カム52は、ロック50の遠位側に向かって、そして中央開口部43の中央に向かって、ロック50の近位側から延び近位方向に面する楔を形成する角度をなす表面である。半径方向カム54は、長手方向スリット49から離れて間隔を置かれたロック50の側面から延び、そして長手方向スリット49および中央開口部43の中央に向かって可撓性タブから離れて角度をなして長手方向スリット49から離れた方向を向く半径方向の楔を形成する、角度をなす表面である。
【0030】
動程リブ46は、本体46の内側表面から内方に延び、そして本体42の近位端に隣接して位置決めされる。動程リブ46は、本体42の内側表面を横切ってほぼ半分に延びるが、本体46の近位端から遠位端まで延びてもよい。動程リブ46は、係止カラー40が環状リング22の周りに配置されるとき、動程溝29内に受容されるようなサイズであり、以下でより詳細に論議されるように、環状リング22の周りの係止カラー40の回転を制限する。
【0031】
図2および3に戻って簡単に参照すると、保持リング60は、環状リング22上で係止カラー40を保持するように構成される(すなわち、係止カラー40が環状リング22から近位に並進することを防ぐ)。保持リング60は、中央開口部62を規定し、そして保持タブ44を含む。中央開口部62は環状リング22を受容するようなサイズである。保持タブ64は、保持リング60の内側表面の周りに配置され、そして環状リング22の保持スロット28内に受容されるように構成される遠位に面する楔を含み、保持リング60を環状リング22に半径方向に固定し、そして保持リング60が環状リング22に対して近位並進することを防ぐ。より詳細には、保持リング60が環状リング22上でスライドされるとき、保持タブ64のテーパー状の表面は、遠位表面または環状リング22を係合し、タブ64は内方に変形され、そしてタブ64が保持スロット28と整列されるようになるまで環状リング22上を通過する。タブ64が保持スロット28と整列されるようになるとき、弾性であるタブ64は、外方に保持スロット28中に跳ね、環状リング22の周りに保持リング60を固定する。保持タブ64はまた、環状リング22に対する保持リング60の遠位並進を防ぎ得ることが企図される。保持リング60の外側表面は近位方向に傾斜してもよく、遠位端部分110がシェルアセンブリ20の近位開口部21内受容されるとき、シェルアセンブリ20の外側表面から、アダプタ102の遠位端部分110への円滑な遷移を提供する。
【0032】
図3および6〜8を参照して、本開示による、係止カラー40を備えたローディングユニット10のアダプタ102およびシェルアセンブリ20のアセンブリが記載される。図3に示されるように、シェルアセンブリ20および係止カラー40は、互いに、シェルアセンブリ20の長手軸が係止カラー40の長手軸と整列させられるように整列させられる。さらに、係止カラー40は、係止カラー40の動程リブ46を、環状リング22の動程溝29と整列させることにより、シェルアセンブリ20の環状リング22と回転可能に整列させられる。動程リブ46および動程溝39が回転可能に整列させられるとき、係止カラー40のロック50は、環状リング22の係止スロット26と実質的に整列させられることが理解される。
【0033】
係止カラー40とシェルアセンブリ20の環状リング22を互いに整列させた状態で、係止カラー40は、環状リング22上を遠位に移動させられ、環状リング22は、係止カラー40の中央開口部43内に受容される。係止カラー40が、環状リング22上を移動させられるとき、ロック50は、環状リング22を係合する。環状リング22上の係止カラー40の継続する遠位移動は、係止カラー40の可撓性タブ44を外方に曲げ、可撓性タブ44のロック50は、環状リング22の外側表面に沿って移動するように位置決めされる。ロック50が環状リング22の外側表面上に位置決めされた状態で、係止カラー40は、係止カラー40の遠位端が環状リング22によって規定されるステップ23に接するまで環状リング22上を遠位に移動させられる。この位置で、ロック50は、係止スロット26と整列して位置決めされる。図6に示されるように、係止カラー40の遠位端がステップ23に接するとき、可撓性タブ44の弾性は、ロック50を、シェルアセンブリ20の長手軸に向かって、そして環状リング22の係止スロット26を通って移動させ、係止カラー40を環状リング22の周りでシェルアセンブリ20に固定する。
【0034】
ロック50が環状リング22の係止スロット26を部分的に通って延び、係止カラー40が係止スロット26とわずかに誤整列されるとき、ロック50の第1または長手方向カム表面52は、係止スロット26を規定する壁を係合し、環状リング22上で係止カラー40を遠位にスライドさせ、そしてロック50の第2のまたは半径方向カム表面54は、係止スロット26を規定する壁を係合し、係止カラー40を環状リング22の周りで図6および8に示されるような係止構成に回転させる。この係止構成においては、可撓性タブ44の弾性は、ロック50を、係止スロット26を通じて押し、ロック50は、環状リング22の周りの係止カラー40の回転および環状リング22に対する係止カラー40の並進を防ぐ。この係止構成では、係止カラー40の動程リブ46は、動程溝29の1つの側面上に位置決めされ、動程リブ46は、環状リング22の周りの係止カラー40の第1の方向(例えば、図8に示されるような時計方向)の回転を防ぎ、そして第1の方向とは反対の第2の方向(例えば、図8に示されるような反時計方向)の係止カラー40の回転を可能にする。係止カラー40が係止構成に到着するとき、ロック50が係止スロット26を通過するにつれて、可撓性タブ44は、音響の印(例えば、クリック)を提供し得る。
【0035】
図6および7を特に参照して、保持リング60は、係止カラー40の近位の環状リング22の近位端上に固定され、係止カラー40が環状リング22に対して近位方向にスライドすることを防ぐ。係止カラー40を係止構成にして、保持リング60は、環状リング22上を遠位方向にスライドさせられ、環状リング22は、保持リング60の中央開口部62内に受容される。保持リング60が、環状リング22を受容するにつれ、保持タブ64は環状リング22の外側表面と係合し、そして外方に曲がり、保持リング60は環状リング22上を通過し得る。保持リング60は環状リング22の周りに位置決めされ、各保持タブ64は環状リング22の保持スロット28の1つ内に位置決めされる。保持タブ64が保持スロット28と整列させられると、保持リング60の弾性は、保持タブ64を、保持スロット28を通じて押し、保持リング60は環状リング22に対して固定された構成になる。保持リング60が固定された構成に到達するとき、保持リング60の保持スロット28を通る保持タブ64の通過は、音響の印(例えば、クリック)を提供し得る。保持リング60のこの固定された構成においては、保持リング60は、環状リング22に対して回転方向および長手方向に固定される。さらにこの固定された構成では、保持リング60は、係止カラー40がシェルアセンブリ20の環状リング22から近位方向にスライドすることを防ぐが、係止カラー40が環状リング22の周りで回転することを可能にする。
【0036】
各保持タブ64は、個々の保持スロット28内に配置されるが;各保持スロット28は保持タブ64を受容しなくてもよいことが企図される。示されるように、保持タブ64および保持スロット28は、それぞれ保持リング60および環状リング22の周りで等間隔であるが;保持タブ64と保持スロット28とは、それぞれ保持リング60および環状リング22の周りで等しくないように間隔をおかれ、環状リング22に対する保持リング60の半径方向配向を規定してもよいことが企図される。ローディングユニット10は、係止カラー40が係止構成にあり、そして保持リング60が固定された構成にあるときに組み立てられる。
【0037】
図6および9〜14を参照して、本開示による、ローディングユニット10をアダプタ102の遠位端部分110または外科用器具に固定する方法が開示される。最初に図6を参照して、組み立てられたローディングユニット10は、アダプタ102の遠位端部分110と整列させられ、ローディングユニット10の長手軸は、アダプタ102の長手軸と整列させられる。ローディングユニット10は、次いで、アダプタ102の遠位端部分110と整列させられ、シェルアセンブリ22のキー24は、図6に示されるように、遠位端部分110のキー溝114と整列させられる。キー24およびキー溝114が半径方向に整列させられるとき、シェルアセンブリ22の係止スロット26は、アダプタ102の遠位端部分110の係止窓112と半径方向で整列させられる。
【0038】
図9および10を参照して、ローディングユニット10およびアダプタ102の遠位端部分110が互いに整列さらせて、ローディングユニット10は、アダプタ102の遠位端部分110上をシライドさせられ、アダプタ102の遠位端部分110は、少なくとも部分的にシェルアセンブリ20の近位開口部21内に配置される。アダプタ102の遠位端部分110が近位開口部21中にスライドするとき、キー24は、遠位端部分110のキー溝114中でスライドする。さらに、アダプタ102の遠位端部分110が近位開口部21中にスライドするとき、係止スロット112に隣接するアダプタ102の遠位端部分110aは、ロック50の側方カム表面52を係合し、ロック50および可撓性タブ40を外方に押す。ローディングユニット10は、アダプタ102の遠位端部分110上を、アダプタ102の係止窓112がシェルアセンブリ20の環状リング22の係止スロット26と長手方向で整列されるまでスライドさせられる。係止窓112および係止スロット26が整列させられるとき、可撓性タブ44の弾性は、アダプタ102の係止窓112を通り、そして図11に示されるような係止構成になるようにロック50を押すか、またはスナップする。ロック50が係止構成に到達するとき、ロック50は、音響の印(例えば、クリック)をユーザーに提供し得る。
【0039】
図11−14に示されるように、ローディングユニット10は、アダプタ102の遠位端部分110が、係止窓112中に配置されたロック50が係止構成で、シェルアセンブリ20の近位開口部21内に位置決めされるとき、アダプタ102の遠位端部分110に固定される。ローディングユニット10をアダプタ102の遠位端部分110に固定して、外科用器具およびローディングユニット10は、外科的手順を実施するために使用され得る。外科的手順が終了した後、ローディングユニット10は、以下で詳細に論議されるように、外科用器具との結合を解除されるか、または外され得る。ローディングユニット10が外科用器具から外されると、別のローディングユニットが、外科的手順における継続使用のために外科用器具に結合または固定され得、外科用器具は、別の外科的手順における使用のために滅菌され得か、またはこの外科用器具は廃棄されてもよい。さらに、ローディングユニット10が、別の外科的手順における使用のために滅菌され得か、またはこの外科用器具は廃棄されてもよい。
【0040】
図15〜18を参照して、本開示による、ローディングユニット10をアダプタ102の遠位端部分110または外科用器具から外す方法が開示される。ローディングユニット10を外すために、係止カラー40の本体42は、シェルアセンブリ20の環状リング22の周りで回転させられ、ロック50は、外方に、そしてアダプタ102の係止窓112内から移動させられ、アダプタ102の遠位端部分110をローディングユニット10から解放する。詳細には、係止カラー40の本体42は、環状リング22の周りを矢印“R”によって示される方向に回転させられる。本体42の外側表面は、係合特徴56を含み得、臨床医に本体42を回転させるためのグリップを提供する。図16および17を特に参照して、本体42が矢印“R”の方向に回転させられるとき、ロック50の第2のカム表面54は、係止スロット36を規定する壁を係合し、ロック50を非係止構成に向かって外方に移動またはカム送りする。ロック50が非係止構成にあるとき、ローディングユニット10は遠位方向にスライド可能であり、図18に示されるように、ローディングユニット10からアダプタ102の遠位端部分110を解放するか、または外す。ローディングユニット10が遠位端部分110から外されるとき、本体42は解放され、本体42および可撓性タブ44の弾性は、係止カラー40を係止構成に戻す。
【0041】
係止カラー40の本体42が、アダプタ102の遠位端部分110の周りで回転させられるとき、キー24およびキー溝114は、シェルアセンブリ20がアダプタ102に対して回転することを防ぐ。さらに、上記で詳述したように、保持タブ64および保持スロット28は、保持リング60がシェルアセンブリ20の周りで回転することを防ぐ。
【0042】
図16を特に参照して、動程リブ46は、環状リング22の周りの係止カラー40の本体42の過剰回転を防ぐ。詳細には、本体42が環状リング22の周りで回転させられるとき,動程リブ46は固定された構成(図13)から、図16に示されるような動程溝29内の解放された構成に移動する。動程リブ46が解放された構成にあるとき、ロック50は、アダプタ102の係止窓112から外側にあり、そして環状リング22の係止スロット26の実質的に外にあってもよい。動程リブ46は、環状リング22の周りで本体42の過剰回転を防ぎ、本体42の弾性がロック50を係止構成に戻すことができない場所を指す。
【0043】
係止カラー40は弾性材料から形成される。例えば、係止カラー12は、射出成形プロセスを使用して弾性プラスチック材料から形成され得る。しかし、係止カラー40は、制限されないが、ばね鋼、ステンレス鋼、またはワイヤを含むその他の適切な材料から形成されてもよいことが企図される。
【0044】
本開示のいくつかの実施形態が図面に示されてはいるが、本開示はそれらに制限されることは意図されず、なぜなら、本開示は、技術が許容し、しかも本明細書が同様に読まれるように範囲が広いことが意図されるからである。上記の実施形態の任意の組み合わせがまた想定され、そして添付の特許請求の範囲の範囲内である。本開示は、円形のステープル留めローディングユニットに制限されず、直線状ステープル留め、または電気焼灼器具または超音波器具のようなその他のタイプの器具のためのローディングユニットへの適用を有している。従って、上記の説明は、制限的であると解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付の特許請求の範囲内でその他の改変を想定し得る。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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