【文献】
Damodiran, M. 他,Regioselective synthesis and biological evaluation of bis(indolyl)methane derivatized 1,4-disubstituted 1,2,3-bistriazoles as anti-infective agents,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2009年,19(13),3611-3614
【文献】
Sharma, Deepak K. 他,A new class of bactericidal agents against S. aureus, MRSA and VRE derived from bisindolylmethane,Medicinal Chemistry Research,2014年,23(4),1643-1653
【文献】
Cui, Zhi Hua 他,Synthesis, spectroscopic properties and applications of novel N-heterocycle-containing benzotriazoles as UV absorbers,Chinese Chemical Letters ,2012年,23(9),1019-1022
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリビニルアルコール(PVA)は、約100,000〜130,000g/molの分子量、2,700のPW(重合度)、及び86〜88%の加水分解率を有する請求項1,5,6及び7のいずれか1項に記載の化合物。
前記ステップ(a)において、前記式(II)の化合物と式(III)の化合物とを、適当な溶媒中、強塩基の存在下で、前記式(II)の化合物/式(III)の化合物/塩基のモル比をほぼ1/4/2として、反応させることを特徴とする請求項14に記載の方法。
前記ステップ(b)において、前記式(IV)の化合物と前記式(V)のベンズアルデヒドとを、少なくとも2/1のモル比で、無溶媒下、触媒量の1,3−ジブロモ−5,5―ジメチルヒダントイン(DBDMH)の存在下で反応させることを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
前記ステップ(c)において、前記式(VI)の化合物と、ポリビニルアルコール、ポリビニルアミン、及びセルロース−ポリマーから選択された反応剤と、塩基の存在下、適当な溶媒中で反応させることを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする主要な課題は、ビス−インドリル部分を含む新規な化合物を提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとする別の課題は、繊維品に紫外線防護及び抗感染効果を付与することができる新規な化合物を提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする更に別の課題は、紫外線防護及び抗感染効果を有し、かつ、前記ビス−インドリル部分を含む新規な化合物から製造される衣服及びPPEを提供することである。
【0010】
本発明が解決しようとする更に別の課題は、上記新規な化合物を製造する方法を提供することである。
【0011】
これらの課題は、以下に述べる本発明の主題によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題は、式(I)で表される本発明の新規な化合物により解決される。
【化1】
ここで、
R
2及びR
3が水素である場合:R
1は、水素;ハロゲン原子;非置換で、飽和又は不飽和で、線状又は有枝鎖で、かつ非環式のC1〜C10アルキル基;及び非置換で、飽和又は不飽和で、線状又は有枝鎖で、かつ非環式のC1〜C10アルコキシ基から選択され;
R
1が水素であり、R
3が上記で定義したアルキル基又はアルコキシ基である場合:R
2は、水素;非置換で、飽和又は不飽和で、線状又は有枝鎖で、かつ非環式のC1〜C10アルキル基;及び非置換で、飽和又は不飽和で、線状又は有枝鎖で、かつ非環式のC1〜C10アルコキシ基から選択され;
R2が水素であり、
R1がハロゲン、又は上記で定義したアルキル基もしくはアルコキシ基である場合:R
3は、水素;ハロゲン原子;非置換で、飽和又は不飽和で、線状又は有枝鎖で、かつ非環式のC1〜C10アルキル基;及び非置換で、飽和又は不飽和で、線状又は有枝鎖で、かつ非環式のC1〜C10アルコキシ基から選択され;
R
4は、非置換で、飽和又は不飽和で、線状又は有枝鎖で、かつ非環式のC1〜C10アルキル基;及び非置換で、飽和又は不飽和で、線状又は有枝鎖で、かつ非環式のC1〜C10アルコキシ基から選択され;
R
5はハロゲン原子、ポリビニルアルコール、ポリビニルアミン及びセルロースポリマーから選択され;
R
6は、ハロゲン原子、ポリビニルアルコール、ポリビニルアミン及びセルロースポリマーから選択され;
mは、3〜5の整数である。
【0013】
好ましくは、アルキル基は、C1〜C4アルキル基である。本発明の好ましい態様では、アルキル基は、メチル基である。
【0014】
好ましくは、アルコキシ基は、C1〜C4アルコキシ基である。本発明の好ましい態様では、アルコキシ基は、メトキシ基である。
【0015】
使用している用語「ハロゲン」は、塩素、臭素、沃素、及びフッ素であるが、塩素及び臭素が好ましい。
【0016】
使用している用語「ポリビニルアルコール」は、ポリビニルアルコールの残基を示し、これは、酸素原子によってアルキル鎖に結合している。好ましくは、ポリビニルアルコール(PVA)は、約100,000〜130,000g/molの分子量、2,700のPW(重合度)、及び86〜88%の加水分解率を有する。上記のPVAは、市場から入手可能である。
【0017】
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
R
2は水素であり、R
1とR
3は両者ともハロゲンであり、好ましくは、両者とも塩素である。
R
1は水素であり、R
2とR
3は両者ともアルコキシ基であり、好ましくは、両者ともメトキシ基である。
R
2及びR
3は両者とも水素であり、R
1はハロゲンであり、好ましくは、フッ素である。
R
4はメチル基である。
R
5及びR
6は両者ともハロゲン、好ましくは、臭素である。
R
5は臭素であり、R
6はポリビニルアルコールである。
mは4である。
【0018】
本発明の前記式(1)において、下記の場合の化合物が特に好ましい。
R
2は水素であり、R
1及び
R3は両者とも塩素であり、
R4はメチル基であり、R
5及びR
6は両者とも臭素であり、mは4である。
R
1は水素であり、R
2及びR
3は両者ともメトキシ基であり、R
4はメチル基であり、R
5及びR
6は両者とも臭素であり、mは4である。
R
1はフッソであり、R
2及びR
3は両者とも水素であり、R
4はメチル基であり、R
5及びR
6は両者とも臭素であり、mは4である。
R
2は水素であり、R
1及びR
3は両者とも塩素であり、R
4はメチル基であり、R
5は臭素であり、R
6はポリビニルアルコールであり、mは4である。
R
1は水素であり、R
2及びR
3は両者ともメトキシ基であり、R
4はメチル基であり、R
5は臭素であり、R
6はポリビニルアルコールであり、mは4である。
R
1はフッソであり、R
2及びR
3は両者とも水素であり、R
4はメチル基であり、R
5は臭素であり、R
6はポリビニルアルコールであり、mは4である。
【0019】
本発明の化合物は、下記のスキームに従って、製造される。
【化2】
ここで、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、前記で規定した通りであり、Halはハロゲン原子である。mは1〜3の整数である。
【0020】
上述したスキームは、本発明の別の主題を表している。
【0021】
式(II)及び(III)の化合物は、当業界で周知であり、周知の方法で製造される。
【0022】
本発明の方法において、式(II)の化合物は、強塩基の存在下に、適当な溶媒中でジハロ−アルキレン(III)と反応させられる。
【0023】
好ましくは、溶媒は、2−ブタノン等アルカノンから選択される。然しながら、同様の極性有機溶媒であれば、使用可能である。
【0024】
好ましくは、塩基は、アルカリ金属水酸化物、例えば、KOH又はNaOH等の水酸化物である。
【0025】
好ましくは、化合物(II)/化合物(III)/塩基のモル比は、約1/4/2である。
【0026】
前記の反応は、窒素又はアルゴンのような不活性環境下で行なうことが好ましい。
【0027】
反応温度は、室温と反応混合物の環流温度、好ましくは、40〜80℃、より好ましくは、約50〜60℃の間で設定される。
【0028】
反応は数時間、すなわち約1〜6時間で完結する。然しながら、当業者は、反応の流れの展開と終了を、例えば、TLC(薄層クトマトグラフ)技術を使用して、決定することができる。
【0029】
式(IV)の化合物は単離され、さらに、必要により、又は希望するならば、式(V)のベンズアルデヒドと、好ましくは、触媒量の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)の存在下、好ましくは、少なくとも2/1のモル比で反応させる前に精製される。反応は、好ましくは、溶媒なしで実施される。
【0030】
反応は、窒素又はアルゴン等の不活性環境下で行なうと効果的である。
【0031】
反応温度は、室温と反応混合物の環流温度、好ましくは、40〜80℃、より好ましくは、約50〜60℃の間で設定される。
【0032】
反応は数時間、約1〜6時間で完結する。然しながら、当業者は、薄層クトマトグラフ等通常の方法を使用して、反応の流れの展開と終了を追跡することができる。
【0033】
式(VI)の化合物は単離され、さらに、必要又は希望に応じて、周知の方法で精製される。R
6がハロゲンの場合、化合物(VI)は、化合物(I)に対応している。
【0034】
R
6が、ポリビニルアルコール、ポリビニルアミン、及びセルロース−ポリマーから選択される場合の化合物(I)を製造するために、次の反応を実施する。
【0035】
少なくとも100〜120℃に加熱された不活性雰囲気において、ジメチルホルムアミド(DMF)等の適当な溶媒中のポリビニルアルコール(PVA)又はポリビニルアミン、もしくはセルロース−ポリマーの溶液に、炭酸カリウム(K
2CO
3)等塩基を添加し、数時間、例えば、1又は2時間攪拌する。得た混合物に、化合物(VI)を添加し、反応混合物を、TLCのようなクロマトグラフの管理下に、数時間、たとえば、2〜4時間、攪拌する。溶媒を蒸発させ、濾過して、目的の化合物(I)を単離する。濾過の前に、混合物を遠心分離することが好ましい。
【0036】
上述した反応の詳細は、実施例として後述する。
【0037】
式(I)の化合物を使用して、繊維品に、紫外線保護効果及び抗感染効果を付与することができる。
【0038】
用語「紫外線防護効果」は、織物/布及び織物/布で製造された衣服が、その着用者を紫外線から保護するという意味である。
【0039】
用語「抗感染効果」は、織物/布及び織物/布で製造された衣服が、人体を感染から保護し、着用者と、細菌、特にグラム(+)細菌及び/又はカビ及び/又はウィルス及び/又は原生動物及び/又は蠕虫との間にバリヤーを作るという意味である。
【0040】
実際、本発明の化合物でコーティングした織物/布は、UPF(紫外線防護指数)が向上し、かつ抗微生物効果、特に、抗細菌効果、中でもグラム(+)細菌に対する効果を有する。これは、有用な技術的効果である。この効果により、本発明の化合物で処理した織物/布を、PPEを製造するのに利用することができる。
【0041】
式(I)の化合物を繊維品分野、紫外線防護布及び抗感染性布、及びPPEの製造に使用することも、本発明の主題である。さらに、式(I)の化合物で処理し、特に、コーティング処理した織物/布、衣料品、及びPPEも本発明の主題である。
【0042】
式(I)の化合物で織物/布を処理する工程、特にコーティング処理する工程を含む紫外線防護布及び抗感染性布の製造方法も、本発明の別の主題である。
【0043】
上記の繊維品(本発明の化合物でコーティングした織物/布、並びにこれから製造される衣料品、紫外線防護布、抗感染性布、及びPPE)は、本発明の化合物を、適当な溶媒、例えば、ジクロロメタンに溶解させ、生成された溶液を通常の印刷ペーストに添加し、次いで、原料の織物/布に塗布することによって製造することができる。
【0044】
使用する用語「処理」又は「処理する」は、原料の織物/布又は衣料品等を、本発明の化合物に浸漬し、コーティングすることを意味する。
【0045】
上記の繊維品は、本発明の化合物を、適当な溶媒、即ち、式(I)の化合物を溶解することができる溶媒、例えば、ジクロロメタンに溶解し、生成された溶液を通常の印刷ペーストに添加し、次いで、原料の織物/布に塗布することによって製造することができる。
【0046】
印刷するために、フラット・ベッド・スクリーン法を実施する。この場合、アクリルポリマー及び変性ポリマー、並びに通常の架橋剤を印刷ペーストに使用してもよい。次いで、好ましくは、塗布した織物/布を、例えば、130℃で3〜5分間で硬化させる。
【0047】
織物、編物及び不織布を含め如何なる種類の布でも、本発明の化合物でコーティングすることができる。布は、綿織物が好ましく、100%綿織物が効果的である。また、デニムでもよい。
【0048】
UV照射が、繊維品でブロックされたか、又は、透過するかを確認するために、周知の方法、AATCC183を利用する。AATCC183法は、後述する実施例で記載する。
【0049】
後述する実施例から理解されるように、本発明の化合物で処理された繊維品は、驚くべき、優れたUPFを示した。即ち、本発明の化合物で処理された繊維品のUPFの全てが、「極めて優れた(Excellent)UV−防護カテゴリー」に包含されるUPF限界値、即ちUPF40を十分超えた値を示した。
【0050】
繊維品の殺菌活性度を確認するために、洗浄標準規格(Washing Standard):BS EN ISO 63305A、及び抗菌試験標準規格(Antibacterial Test Standard):AATCC147:2011を実施した。これらの試験手順等については、後述する実施例で記載する。
【発明の効果】
【0051】
本発明による新規なビス−インドリル部分を含む化合物で処理した各種繊維品は、極めて優れたUPF(紫外線防護指数)を示し、かつ抗微生物効果、特に、抗細菌効果、中でもグラム(+)細菌に対する効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0053】
合成した化合物の分析スペクトルを、図に示してある。
【化3】
5−メチルインドールと1,4−ジブロモブタンを、2−ブタノン中で、KOH(5−メチルインドール/1,4−ジブロモブタン/KOHのモル比=1/4/2)の存在下、N
2雰囲気で、55℃、3時間、反応させた。中間体化合物(IV)は、固相としてシリカゲルを、及び溶出系としてエチルアセテート/n−ヘキサン(1/10)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製した。精製した中間体を、触媒量の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)の存在下、55℃、N
2雰囲気で、2時間反応させて、中間体化合物(VI)を得た(収率67%)。この中間体化合物(VI)を、固相としてシリカゲル、及び溶出系としてエチルアセテート/n−ヘキサン(1/15)を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製した。PVA(分子量約100,000〜130,000g/mol、Pw:2,700、加水分解比:86〜88%)を、120℃、N
2雰囲気下、環流温度で、ジメチルホルムアミド(DMF)(60mg/3mL)に溶解させた。70mgのK
2CO
3を添加した後、反応混合物を1時間攪拌した。次いで、中間体化合物(VI)(100mg/2mL DMF)を、前記混合物に添加した。TLC(薄層クロマトグラフ)法で、3時間で反応を終了させた。DMFを除去し、反応混合物を遠心分離し、沈殿したポリマーを濾過し、45℃の乾燥オーブン中で乾燥させて、目的化合物を得た(収率:47%)。
【0054】
分析データ
中間体化合物
【化4】
FTIR (ATR):γ=3032及び3011 (芳香族、=CH ストレッチング)、2918 ve 2851 (脂肪族、=CH ストレッチング)、1673 (C=C ストレッチング), 1488, 1445 ve 1355 (脂肪族、平面内CH ベンディング)cm
-1
1H NMR (CDCl
3, 500 MHz):δ=1.72 (p, J=6.62 Hz, 2H, CH
2), 1.88 (p, J=6.9 Hz, 2H, CH
2), 2.36 (s, 3H, CH
3), 3.25 (t, J=6.62 Hz, 2H, CH
2), 4.02 (t, J=6.62 Hz, 2H, CH
2), 6.32 (d, J=3.15 Hz, 1H, 芳香族), 6.94 (d, J=3.15 Hz, 2H, 芳香族), 7.13 (d, J=8.51 Hz, 1H, 芳香族), 7.33 (s, 1H, 芳香族) ppm
GC-MS (EI, 70eV):m/z=265 (M+)
【0055】
化合物
【化5】
白色結晶:m.p.=141-142℃;Rf=0.32 (エチルアセテート/n-ヘキサン(1:5));収率:55%
【0056】
FTIR (ATR):γ=3081及び3012(芳香族、=CH ストレッチング)、2927, 2974, 及び2856 (脂肪族、=CH ストレッチング)、1585 (C=C ストレッチング), 1463 ve 1359 (脂肪族、平面内、CH ベンディング), 1100 (C-N スイング) cm
-1.
【0057】
1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz):δ=1.64-1.80 (m, 8H, CH
2), 2.27 (s, 6H, CH
3), 3.47 (t, J=6.62 Hz, 4H, CH
2), 4.10 (t, J=6.62 Hz, 4H, CH
2), 6.05 (s, 1H, CH), 6.70 (s, 2H, 芳香族)、7.15 (d, J=8.15 Hz, 1H, 芳香族), 7.31 (dd, J=2.20; 8.51 Hz, 1H, 芳香族), 7.35 (d, J=8.19Hz, 2H, 芳香族), 7.63 (s, 1H, 芳香族) ppm
【0058】
13C NMR (CDCl
3, 125MHz):δ=21.14 (2 x CH
3), 28.42 (2 x CH
2), 34.52 (2 x CH
2), 35.68 (CH), 44.41 (CH
2), 109.77 (=CH), 114.75 (Cq), 118.39 (2 x CAr), 128.89 (2 x CAr), 126.97 (Cq), 127.15 (Cq), 127.25 (CAr), 128.73 (CAr), 131.13 (CAr), 133.60 (Cq), 134.79 (Cq), 127.25 (CAr), 128.73 (CAr), 131.13 (CAr), 133.60 (Cq), 134.79 (Cq), 140.80 (Cq) ppm
【0059】
UV (λmax, CH
2Cl
2):295 nm (C=3.5×10
-4, ε=4×10
-3)
【0060】
実施例1の化合物
オレンジ色ポリマー;収率:47%。
【0061】
FTIR (ATR):γ=3348 (OH ストレッチング)、3026 (芳香族、=CH ストレッチング)、2930 ve 2874 (脂肪族、=CH ストレッチング), 1557 ve 1486 (C=C ストレッチング), 1367 (脂肪族、平面内CH ベンディング), 1165 (C-O ストレッチング), 1049 (C-Nスイング) cm
-1
【0062】
1H NMR (CDCl
3, 500 MHz): 1H NMR (DMSO-d6, 500 MHz):δ=1.41-1.47 (p, 4H, CH
2), 1.78-1.84 (p, 4H, CH
2), 1.93 (d, J=18.91 Hz, 2H, CH
2), 2.32 (s, 6H, CH
3), 3.50 (t, J=6.30 Hz, 4H, CH
2), 3.97 (t, J=6.62 Hz, 1H, CH), 4.07 (t, J=6.93 Hz, 4H, CH
2), 6.15 (s, 1H, CH), 6.53 (s, 2H, 芳香族), 6.98 (d, J=8.19 Hz, 2H, 芳香族), 7.03 (s, 2H, 芳香族), 7.17 (d, J=4.72Hz,1H, 芳香族), 7.27 (d, J=8.51 Hz, 1H, 芳香族), 7.35 (d, J=1.57Hz, 2H, 芳香族) ppm
【0063】
UV (λmax, CH
2Cl
2)):295 nm
参照:
図1〜
図10。
【実施例2】
【0064】
【化6】
2,4−ジクロロベンズアルデヒドの代わりに2,5−ジクロロベンズアルデヒドを使用した以外には、実施例1と同じ実験を繰り返して、目的の化合物を得た(収率:49%)。
【0065】
分析データ
【化7】
白色結晶;融点=102℃;Rf=0.12(エチルアセテート/n−ヘキサン(1:15));収率:54%)。
【0066】
FTIR (ATR)=3022及び3000 (芳香族、=CH ストレッチング)、2039, 2863及び2831 (脂肪族、=CH ストレッチング)、1616, 1588及び1545 (C=C ストレッチング), 1489, 1540 & 1363 (脂肪族、平面内CH ベンディング), 1024 (C-N スイング) cm
-1
【0067】
1H NMR (DMSO-d6, 500MHz):δ=1.72-1.76 (p,4H, CH
2), 1.80-1.85 (p, 4H, CH
2), 2.32 (s, 6H, CH
3), 3.53 (t, J=6.62 Hz, 4H, CH
2), 3.62 (s, 3H, OCH
3), 3.79 (s, 3H, OCH
3), 4.15 (t, J=6.62 Hz, 4H, CH
2), 6.13 (s, 1H, CH), 6.66 (d, J=2.83 Hz, 1H, 芳香族)、6.76 (s, 2H, 芳香族), 6.80 (dd, J=3.15; 8.82Hz, 1H, 芳香族), 6.97 (d, J=8.51Hz, 芳香族), 7.07 (s, 2H, 芳香族), 7.37 (d, J=8.15 Hz, 2H,芳香族) ppm
【0068】
13C NMR (CDCl
3, 125MHz):δ=21.5 (2 x CH
3), 28.8 (2 x CH
2), 30.0 (2 x CH
2), 32.1 (CH),33.1 (2 x CH
2), 45.3 (2 x CH
2), 55.5 (CH
3), 55.6 (CH
3), 108.8 (Car), 110.6 (Ar), 111.8 (CAr), 116.5 (CAq), 117.6 (Cq), 119.9 (CAr), 122.9 (CAr), 127.2 (CAr), 127.7 (Cq), 128.0 (Cq), 135.0 (Cq), 151.4 (Cq), 153.4 (Cq) ppm
【0069】
UV (λmax, CH
2Cl
2)):285 nm (C=2.4×10
-4, A=1.77, ε=7.2×10
3)
【0070】
実施例2の化合物
オレンジ色ポリマー;収率:47%。
【0071】
FTIR (ATR)=3372 (OH ストレッチング)、3019 (芳香族、=CH ストレッチング)、2983 & 2871 (芳香族、=CH ストレッチング), 1661, 1589, ve 1547 (C=C ストレッチング), 1460 & 1366 (脂肪族、平面内CH ベンディング), 1211 (C-Oストレッチング), 1094 (C-N スイング)cm
-1
【0072】
UV (λmax, CH
2Cl
2)):295 nm
参照:
図11〜
図17。
【実施例3】
【0073】
【化8】
2、4−ジ−ジクロロベンズアルデヒドの代わりに4−フロロベンズアルデヒドを使用した以外には、実施例1と同じ実験を繰り返して、目的の化合物を得た(収率:45%)。
【0074】
分析データ
【化9】
白色結晶;融点=118−119℃;Rf=0.22(エチルアセテート/n−ヘキサン(1:15));収率:67%)。
【0075】
FTIR (ATR)=3028及び3009 (芳香族、=CH ストレッチング)、2957, 2920及び2854 (脂肪族、=CH ストレッチング)、1602, 1549及び1504 (C=C ストレッチング), 1485, 1453 & 1359 (脂肪族、平面内CH ベンディング), 1012 (C-N スイング)cm
-1
【0076】
1H NMR (DMSO-d6, 500MHz):δ=1.67-1.71 (p, 4H, CH
2), 1.75-1.80 (p, 4H, CH
2), 2.27 (s, 6H, CH
3), 3.48 (t, J=6.62 Hz, 4H, CH
2), 4.10 (t, J=6.62 Hz, 4H, CH
2), 5.78 (s, 1H, CH), 6.75 (s, 2H, 芳香族)、6.92 (d, J=8.19Hz, 2H, 芳香族), 7.06 (s, 2H, 芳香族), 7.10 (d, J=8.82 Hz, 2H, 芳香族), 7.31-7.34 (m, 4H, 芳香族) ppm
【0077】
13C NMR (CDCl
3, 125 MHz):δ=21.5 (2 x CH
3), 28.8 (2 x CH
2), 30.0 (2 x CH
2), 32.1 (CH), 33.1 (2 x CH
2), 45.3 (2 x CH
2), 55.5 (CH
3), 55.6 (CH
3), 108.8 (CAr), 110.6 (Ar), 111.8 (CAr), 116.5 (CAr), 117.6 (Cq), 119.9 (CAr), 122.9 (CAr), 127.2 (CAr), 127.7 (Cq), 128.0 (Cq), 134.3 (Cq), 135.0 (Cq), 151.4 (Cq), 153.4 (Cq) ppm
【0078】
UV (λmax, CH
2Cl
2):300 nm (C=2.2×10
-4, A=1.42, ε=6.4×10
3)
【0079】
実施例3の化合物
茶色ポリマー;収率:52%。
【0080】
FTIR (ATR)=3340 (OH ストレッチング)、3043 (芳香族、=CH ストレッチング)、2932 & 2855 (芳香族、=CH ストレッチング), 1661, 1600 & 1504 (C=C ストレッチング), 1485 & 1363 (脂肪族、平面内CH ベンディング), 1217 (C-Oストレッチング), 1091 (C-N スイング)cm
-1
【0081】
UV (λmax, CH
2Cl
2)):295 nm。
参照:
図18〜
図24。
【実施例4】
【0082】
UPFテスト
AATCC183−2004法
サンプルを透過する紫外線照射(UV−R)を、既知の波長間隔で、分光光度計で測定する。
【0083】
紫外線防護指数(UPF)は、本発明のサンプルを使用した場合の皮膚に炎症を与える紫外線放射照度を検知器で測定した値に対する、本発明のサンプルを使用しない場合の皮膚に炎症を与える紫外線放射照度を検知器で測定した値の比を、コンピュータ処理して決定する。
【0084】
本発明のサンプルを使用しない場合の皮膚に炎症を与える紫外線放射照度は、[測定した分光放射照度の波長間隔]×[炎症作用を起こすスペクトラの相対スペクトラル効果]×[太陽光放射スペクトラムの紫外線照射関数]×[適当な波長間隔]の総和に等しい。
【0085】
本発明のサンプルを使用した場合の皮膚に炎症を与える紫外線放射照度は、[測定した分光放射照度の波長間隔]×[炎症作用を起こすスペクトラムの相対スペクトラル効果]×[本発明のサンプルスペクトラル透過度]×[波長間隔]の総和に等しい。
【0086】
UVA及びUVBの遮断率(%)は、AATCC183−2004に記載された方法でも算出できる。
【0087】
結果
衣服を通過して皮膚に炎症を起こす紫外線照射の透過又は遮断―AATCC183:2014
条件
テスト前:温度=21±1℃及び相対湿度=65±21%
テスト時:温度=21℃及び相対湿度=66%
ラベルに対する紫外線防護指数(ASTM D6603−未処理サンプル):1324
防護等級:40以上のUPF値の場合、優秀(Excellent)なUV防護カテゴリーに属する。
結果を図にしめす。
―
図25は、未処理の淡褐色の織布サンプルで得た結果を示している。
―
図26は、実施例1の化合物で処理した薄いピンクの織布での結果を示している。
―
図27は、実施例2の化合物で処理した薄いピンクの織布での結果を示している。
―
図28は、実施例3の化合物で処理したピンクの織布での結果を示している。
図に示したデータから明らかなように、本発明の化合物で処理したサンプルは、優れたUV防護を示したが、未処理のサンプルはUV防護を示さなかった。
【実施例5】
【0088】
抗微生物テスト
抗微生物テストは、「洗浄標準規格:BSENISO63305A」,及び「抗菌テスト標準規格:AATCC147:2011」を使用して行なった。得た結果を下記に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
実施例1の化合物で処理した黄色に染めた織布サンプルによるテスト
【0091】
【表2】
(−):接触領域における処理済みサンプルには細菌コロニーは観察されなかった。
抗微生物領域の存在:良好な効果
(1)抗微生物領域の明瞭な幅(mm)
(2)処理済みサンプルには細菌コロニー無し
【0092】
【表3】
【0093】
実施例2の化合物で処理したピンク色に染めた織布サンプルによるテスト
【0094】
【表4】
(−):接触領域における処理済みサンプルには細菌コロニーは観察されなかった。
抗微生物領域の存在:良好な効果
(3)抗微生物領域の明瞭な幅(mm)
(4)処理済みサンプルには細菌コロニー無し
【0095】
【表5】
【0096】
実施例3の化合物で処理したピンク色に染めた織布サンプルによるテスト
【実施例6】
【0097】
【表6】
(−):接触領域における処理済みサンプルには細菌コロニーは観察されなかった。
抗微生物領域の存在:良好な効果
(5)抗微生物領域の明瞭な幅(mm)
(6)処理済みサンプルには細菌コロニー無し
【0098】
【表7】