【文献】
倉庫に荷物を預けたい人必見!倉庫の請求金額を決定する6つの料金体系とは,「世界のウェブアーカイブ|国立国会図書館インターネット資料収集保存事業」, [online],2016年11月16日,[令和2年10月2日検索], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20161116201021/https://www.zaikokanri.com/column/2015/05_27_01.html>
【文献】
倉庫管理システム 導入作業手順書,[online],2013年12月,pp.1−14,[令和2年10月2日検索], インターネット<URL:http://whm.antaless.jp/files/DonyuSagyotejunsho.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る保管料算出装置、保管料算出方法および保管料算出プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
食品業界等の、委託倉庫で在庫を管理することが多い分野においては、一定期間(保管料の計算対象期間)における、在庫保管料の参考値を算出する必要がある。
【0019】
しかしながら、従来の販売管理システムでは、契約ごとに異なる前記計算対象期間を管理することができず、結果として、契約ごとに在庫保管料の算出を行うことはできなかった。また、従来の販売管理システムでは、前記計算対象期間において、倉庫内に保管した最大の在庫数(いわゆる最大在庫数)に基づいて、在庫の保管料の算出を行うことはできなかった。
【0020】
このため、委託倉庫の業者からの請求を正しいものとして、在庫の保管料の支払いを行う場合が多かった。
【0021】
そこで、本実施形態においては、予め、各委託倉庫について、在庫保管料の計算方法および在庫1個あたりの保管料単価を登録しておくことで、販売管理システム内における在庫の受払状況から、前記計算対象期間における最大在庫数を把握し、結果として、在庫保管料の参考値(見積値)を算出することができる保管料算出装置、保管料算出方法および保管料算出プログラムを提供している。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0022】
[2.構成]
本実施形態に係る保管料算出装置100の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、保管料算出装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
保管料算出装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、保管料算出装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0024】
保管料算出装置100は、
図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。保管料算出装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、保管料算出装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、保管料算出装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0028】
記憶部106は、D入荷詳細106aと、D出荷詳細106bと、D移動詳細106cと、D振替詳細106dと、D棚卸106eと、分割数マスタとしての倉庫マスタ106fと、保管料単価マスタとしての倉庫保管料マスタ106gと、品番マスタ106hと、を備えている。これらマスタのうち、倉庫保管料マスタ106g以外は任意の構成要素であるが、記憶部106に含まれることが好ましい。
【0029】
各マスタおよび各データが含む項目の内容を、
図2〜
図8を用いて詳細に説明する。
図2は、各マスタおよびデータの関連、ならびに、在庫の移動例を示す図である。
図3は、保管料算出装置による処理フローの一例を示す図である。
図4は、D入荷詳細、D出荷詳細、在庫数に関するデータセットおよび検出されるデータセットの一例を示す図である。
図5は、倉庫マスタの入力画面の一例を示す図である。
図6は、品番マスタの入力画面の一例を示す図である。
図7は、倉庫保管料マスタの入力画面の一例を示す図である。
図8は、データの入力画面の一例を示す図である。
【0030】
なお、以下の説明において、各項目の後ろに示すかっこ内の表記は、各項目の具体例のことであり、図面においては、前記各項目の具体例を示している。例えば、保管場所識別情報(倉庫コード)と記載した場合には、保管場所識別情報の具体例として、倉庫コードがあげられることを意味する。
【0031】
D入荷詳細106aは、保管場所に入荷する在庫の情報を含む。具体的には、D入荷詳細106aは、
図4の入荷データの表に示すように、例えば、入荷番号、保管料開始日、保管場所識別情報(倉庫コード)、商品コード、入荷数等の情報を含む。保管料開始日は、在庫の保管を開始する日付である。保管場所識別情報は、保管場所を識別するための情報である。保管場所識別情報は、具体的な名称であってもよいし、アルファベット・数字等のコードであってもよい。これらの情報は、
図8のデータ入力画面を通して入力することができる。
【0032】
D出荷詳細106bは、保管場所から出荷する在庫の情報を含む。具体的には、D出荷詳細106bは、
図4の出荷データの表に示すように、例えば、出荷番号、保管料終了日、保管場所識別情報(倉庫コード)、商品コード、出荷数等の情報を含む。保管料終了日は、保管してある在庫を出庫する日付である。これらの情報は、
図8のデータ入力画面を通して入力することができる。
【0033】
D入荷詳細106aおよびD出荷詳細106bから、
図4の保管料算出一時ワークの表が作成される。この表における横一行のことを、以下においては、データセットという。前記データセットにおいて、当日未在庫数および前日未在庫数は、それぞれ、当日の終了時点で倉庫内に存在する最終在庫数および前回の終了時点で倉庫内に存在する最終在庫数を意味する。このため、あるデータセットにおける当日未在庫数と、その一行下のデータセットにおける前日未在庫数とは、等しい値となり、例えば、
図4の保管料算出一時ワークの表に示すように、保管料開始日が2016/04/02のデータセットにおける当日未在庫数が5個である場合、その一行下の、保管料開始日が2016/04/05のデータセットにおける前日未在庫数も5個となる。また、前記データセットにおいて、当日入庫数および当日出庫数は、それぞれ、当日に入庫した在庫数および当時に出庫した在庫数を意味する。そして、前記データセットにおいて、当日最大在庫数は、当日における最大の在庫数を意味し、この当日最大在庫数が、データセット検出部102aの検出対象となる。当日最大在庫数は、前日未在庫数+当日入庫数により算出することができ、例えば、
図4の保管料算出一時ワークの表に示すように、保管料開始日が2016/04/05のデータセットにおいて、前日未在庫数(5個)+当日入庫数(10個)=当日最大在庫数(15個)となる。
【0034】
なお、データセット検出部102aは、一定の期間において所定の数値条件を満たす在庫数を含むデータセットを検出するが、前記一定の期間とは、本実施形態においては、
図4の保管料算出一時ワークの表の最左列における2016/04/01から2016/04/30までの期間を指す。
【0035】
D移動詳細106cは、例えば、倉庫移動により入庫・出庫された商品の商品コード、移動日、移動数等の情報を含む。
【0036】
D振替詳細106dは、例えば、商品コード変更、加工により入庫・出庫された商品の商品コード、振替日、入出庫数等の情報を含む。
【0037】
D棚卸106eは、例えば、棚卸処理により入庫・出庫された商品の商品コード、棚卸日、入出庫数等の情報を含む。
【0038】
倉庫マスタ106fは、
図2に示すように、保管場所識別情報(倉庫コード)およびこれに対応する前記一定の期間の分割数(保管料計算期制)を含む。前記分割数は、前記一定の期間を何分割するかを示す数値である。例えば、本実施形態の場合、
図5の倉庫マスタの入力画面において、3期制(すなわち、分割数が3)を選択すると、データセット検出部102aは、前記一定の期間(2016/04/01から2016/04/30まで)を3つに分けて、2016/04/01から2016/04/10まで、2016/04/11から2016/04/20まで、2016/04/21から2016/04/30まで、の3つの期間ごとにデータセットを検出することにより、計3つのデータセットを検出する。倉庫マスタ106fが含む各情報は、
図5の倉庫マスタの入力画面を通して入力可能である。
【0039】
倉庫保管料マスタ106gは、
図2に示すように、保管場所識別情報(倉庫コード)およびこれに対応する保管料単価を含む。保管料単価は、保管場所識別情報に応じて設定されるものであり、前記一定の期間中(本実施形態においては、2016/04/01から2016/04/30まで)、在庫1個あたりを保管する際の単価である。例えば、倉庫コードAに、前記一定の期間中、在庫を保管する場合には、保管料単価を30,000円とするという様に設定することができる。
【0040】
なお、前記一定の分割数が2以上である場合、保管料単価を前記分割数で除した値が、期あたりの保管料単価となり、これが、在庫の保管料の算出に用いる値となる。例えば、保管料単価が30,000円であり、前記一定の期間の分割数が3である場合、30,000円÷3=10,000円が、期あたりの保管料単価となる。この10,000円という期あたりの保管料単価に基づき、例えば、
図2の右の在庫の移動例においては、3期それぞれにおける当日最大在庫数の合計×期あたりの保管料単価=47個×10,000円=470,000円と算出する。
【0041】
倉庫保管料マスタ106gは、更に、
図2に示すように、保管料区分の情報を含んでいてもよい。保管料区分は、各商品に対して設定される、保管料単価設定の基準となる区分であり、例えば、常温、低温、冷凍、危険物等の区分が存在する。倉庫保管料マスタ106gが含む各情報は、
図7の倉庫保管料マスタの入力画面を通して入力可能である。
【0042】
前述のように、保管料単価の設定には、少なくとも、保管場所識別情報が必要であるが、これに加えて、保管料区分も考慮して、保管料単価を設定してもよい。例えば、倉庫コードAに対応する保管料単価は30,000円であるが、保管料区分が危険物であるときには、在庫の取り扱いに特別資格が必要となる等の理由により、保管料単価を高めに、40,000円にするという様に設定することができる。
【0043】
品番マスタ106hは、
図2に示すように、例えば、商品コード、保管料区分等の情報を含む。品番マスタ106hが存在すれば、品番マスタ106hと倉庫保管料マスタgとは、両マスタが共に含む保管料区分を通して紐付され、これにより、商品コードおよび保管場所識別情報の組合せに応じて、保管料単価を設定することができる。例えば、品番マスタ106hが、商品コードとしてS1、保管料区分として常温を含み、一方で、倉庫保管料マスタgが、倉庫コードとしてA、保管料区分として常温、保管料単価として10,000円を含むとする。この場合、商品コードS1および倉庫コードAの組合せに対応する保管料単価は、10,000円となる。品番マスタ106hが含む各情報は、
図6の品番マスタの入力画面を通して入力可能である。
【0044】
制御部102は、保管料算出装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0045】
制御部102は、機能概念的に、(1)入力された在庫数および保管場所識別情報を含むデータセット中から、一定の期間において所定の数値条件を満たす在庫数を含むデータセットを検出するデータセット検出手段としてのデータセット検出部102aと、(2)前記保管料単価マスタを参照して、当該検出したデータセットに含まれる保管場所識別情報に対応する保管料単価を検出する保管料単価検出手段としての保管料単価検出部102bと、(3)当該検出したデータセットに含まれる在庫数と、当該検出した保管料単価と、を乗じることにより、保管料を算出する保管料算出手段としての保管料算出部102cと、(4)前記算出した保管料を表示する保管料表示手段としての保管料表示部102dと、を備えている。これらのうち、保管料表示部102dは、任意の構成要素であるが、以下[3.処理の具体例]にて詳細に説明する理由により、制御部102に含まれることが好ましい。なお、各部が実行する処理の詳細については、以下の[3.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0046】
[3.処理の具体例]
以下、本実施形態に係る処理の具体例について、
図3、
図4、
図9および
図10を用いて詳細に説明する。
図3は、保管料算出装置による処理フローの一例を示す図である。
図4は、D入荷詳細、D出荷詳細、在庫数に関するデータセットおよび検出されるデータセットの一例を示す図である。
図9は、保管料の算出処理中の画面の一例を示す図である。
図10は、算出した保管料の表示画面の一例を示す図である。処理の概要としては、[2.構成]で説明した各データおよび各マスタから、
図3の処理フローに示すように、在庫の保管料を示す倉庫保管料一覧表が作成される。
【0047】
ここで、本実施形態においては、データセット検出部102aが検出の対象とする一定の期間が、分割されないのか(すなわち、1期制)、または、分割されるのか(すなわち、2期制以上)によって、処理の内容が異なる。このため、まずは、1期制の場合について説明し、つぎに、2期制以上の場合について説明する。
【0048】
[3−1.1期制の場合]
まず、1期制の場合について、説明する。すなわち、前記一定の期間が、
図4の保管料算出一時ワークの表に示すように、2016/04/01から2016/04/30までの1期であるという場合について説明する。
【0049】
(データセット検出処理)
データセット検出部102aは、
図4の保管料算出一時ワークの表に示すように、入力された当日最大在庫数および倉庫コードを含むデータセット中から、2016/04/01から2016/04/30までの期間において所定の数値条件を満たす在庫数を含むデータセットを検出するデータセット検出処理を行う。
【0050】
ここで、前記所定の数値条件とは、当日最大在庫数が、最大の値であるという条件、最小の値であるという条件、一定の期間における平均値(または移動平均値)であるという条件等があげられる。本実施形態においては、前記所定の数値条件は、前記当日最大在庫数が、最大の値であるという条件である場合について説明する。
【0051】
図4の保管料算出一時ワークの表を参照すると、2016/04/01から2016/04/30までの期間において、当日最大在庫数が最大の値となるのは、当日最大在庫数が35個である、下から1行目のデータセット(保管料開始が2016/04/30)であることがわかる。
【0052】
以上より、データセット検出部102aは、当日最大在庫数が35個である、下から1行目のデータセット(保管料開始が2016/04/30)を検出する。
【0053】
なお、当該検出したデータセットは、
図4の「倉庫保管料データ 1期制の場合」の表に示すように、表として示してもよい。前記表において、1期中最大在庫数は、2016/04/01から2016/04/30までの期間における当日最大在庫数のことであり、
図4の保管料算出一時ワークの表に示すように、35個となり、1期末在庫数は、2016/04/01から2016/04/30までの期間の末日における当日未在庫数のことであり、
図4の保管料算出一時ワークの表に示すように、25個となる。また、本実施形態は、1期制の場合であるため、前記表において、2期中最大在庫数、2期末在庫数、3期中最大在庫数、3期末在庫数の項目は0となる。前記表において、当月入庫数とは、2016年4月における当日入庫数の合計のことであり、10+0+10+0+15+0+20+0+10+0+20=85と算出される。前記表において、当月出庫数とは、2016年4月における当日出庫数の合計のことであり、0+5+0+10+0+10+0+20+0+5+10=60と算出される。前記表において、当月未在庫数25は、
図4の保管料算出一時ワークにおける当月末のデータセット、すなわち、下から1行目のデータセット(保管料開始が2016/04/30)の当日未在庫数25と同じ数値となる。
【0054】
(保管料単価検出処理)
続いて、保管料単価検出部102bは、倉庫保管料マスタ106gを参照して、当該検出した下から1行目のデータセット(保管料開始が2016/04/30)に含まれる倉庫コードAに対応する保管料単価を検出する保管料単価検出処理を行う。
【0055】
図示していないが、倉庫コードAに対応する保管料単価は、30,000円/期であるとする。
【0056】
(保管料算出処理)
続いて、保管料算出部102cは、当該検出したデータセットに含まれる当日最大在庫数(35個)と、当該検出した保管料単価(30,000円)と、を乗じることにより、保管料を、35個×30,000円=1,050,000円と算出する保管料算出処理を行う。保管料の算出処理中の画面の一例を、
図9に示す。
図9の処理進捗の欄に、終了した処理が随時表示されていく。
【0057】
(保管料表示処理)
最後に、保管料表示部102dは、算出した保管料1,050,000円を表示する表示処理を行う。保管料表示部102dは任意の構成要素であるが、本実施形態に係る保管料算出装置100に含まれることにより、オペレータは、算出された保管料を迅速に把握することができる。
【0058】
[3−2.2期制以上の場合]
つぎに、2期制以上の場合について、説明する。ここでは、3期制の場合、すなわち、前記一定の期間(2016/04/01から2016/04/30まで)の期間の分割数が3であり、前記一定の期間が、2016/04/01から2016/04/10までの1期、2016/04/11から2016/04/20までの2期、2016/04/21から2016/04/30までの3期に分割される場合について説明する。
【0059】
なお、本実施形態においても、前記所定の数値条件は、前記当日最大在庫数が、最大の値であるという条件であるとする。
【0060】
(データセット検出処理)
データセット検出部102aは、前記一定の期間の分割後の期間ごとにデータセットを検出することにより、分割数分(3つ)のデータセットを検出する。
【0061】
具体的には、データセット検出部102aは、
図4の保管料算出一時ワークの表に示すように、入力された当日最大在庫数および倉庫コードを含むデータセット中から、2016/04/01から2016/04/10までの期間において当日最大在庫数が最大の値であるデータセットとして、当日最大在庫数が20個である上から5行目のデータセット(保管料開始が2016/04/10)のデータセットを検出する。
【0062】
データセット検出部102aは、これと同様の処理により、
図4の保管料算出一時ワークの表に示すように、2016/04/11から2016/04/20までの期間におけるデータセットとして、当日最大在庫数が30個である上から7行目または8行目のデータセット(保管料開始が2016/04/15または2016/04/16)を、2016/04/21から2016/04/30までの期間におけるデータセットとして、当日最大在庫数が35個である下から1行目のデータセット(保管料開始が2016/04/30)を検出する。
【0063】
以上の処理により、データセット検出部102aは、最大在庫数が、20個、30個、35個の3つのデータセットを検出したこととなる。
【0064】
なお、当該検出したデータセットは、
図4の「倉庫保管料データ 3期制の場合」の表に示すように、表として示してもよい。前記表における各項目の意味は、前記[3−1]の項目における説明と同様である。
【0065】
(保管料単価検出処理)
続いて、保管料単価検出部102bは、前記[3−1]の項目と同様に、倉庫保管料マスタ106gを参照して、当該検出したデータセットに含まれる倉庫コードAに対応する保管料単価として、30,000円を検出する。
【0066】
(保管料算出処理)
続いて、保管料算出部102cは、当該検出した3個のデータセットに含まれる在庫数の総和(20個+30個+35個=85個)を算出し、当該総和(85個)と、前記検出した保管料単価(30,000円)を前記一定の期間の分割数(3)で除した値(30,000円÷3=10,000円)と、を乗じることにより、保管料を、85個×10,000円=850,000円と算出する保管料算出処理を行う。なお、前記10,000円という値が、前述した、いわゆる期あたりの保管料単価である。
【0067】
(保管料表示処理)
最後に、保管料表示部102dは、前記[3−1]の項目と同様の処理により、算出した保管料850,000円を表示する表示処理を行う。算出した保管料の表示画面の一例を、
図10に示す。なお、この処理による効果は、前記[3−1]の項目での説明を援用できる。
【0068】
なお、2期制の場合、すなわち、前記一定の期間(2016/04/01から2016/04/30まで)の分割数が2であり、前記一定の期間が、2016/04/01から2016/04/15までの1期、2016/04/16から2016/04/30までの2期に分割される場合についても、3期制の場合と同様の方法により在庫の保管料を算出することができる。すなわち、データセット検出部102aは、当日最大在庫数が30個である上から7行目のデータセット(保管料開始が2016/04/15)および当日最大在庫数が35個である下から1行目のデータセット(保管料開始が2016/04/30)を検出する。続いて、保管料単価検出部102bは、倉庫コードAに対応する保管料単価として、30,000円を検出する。続いて、保管料算出部102cは、保管料を、(30個+35個)×(30,000円÷2)=65個×15,000円=975,000円と算出する。
【0069】
このように、本実施形態に係る保管料算出装置100によれば、在庫数に関してオペレータが設定した数値条件に応じて、在庫の保管料を算出することができる。
【0070】
また、本実施形態に係る保管料算出装置100によれば、例えば、前記一定の期間が分割される場合においても、前記一定の期間の分割後の期間ごとに、オペレータが設定した数値条件に合致する在庫数を検出し、在庫の保管料を算出することができる。これにより、本実施形態に係る保管料算出装置100は、例えば、1か月を1期目、2期目、3期目に分けて、各期における最大在庫数を算出するという、実際によく行われる取引形態に対しても対応可能である。
【0071】
そして、本実施形態に係る保管料算出装置100によれば、例えば、前記各期において、異なる倉庫に保管しているために、保管料単価が異なる場合にも、在庫の保管料を以下のように算出することができる。例えば、1期目における在庫数が10個で、倉庫Aの保管料単価が30,000円、2期目における在庫数が20個で、倉庫Bの保管料単価が330,000円、3期目における在庫数が30個で、倉庫Cの保管料単価が36,000円である場合、保管料算出部102cは、在庫の保管料を、10個×(30,000円÷3)+20個×(33,000円÷3)+30個×(36,000円÷3)=100,000+220,000円+360,000円=680,000円と算出することができる。
【0072】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0073】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0074】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0075】
また、保管料算出装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0076】
例えば、保管料算出装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて保管料算出装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0077】
また、このコンピュータプログラムは、保管料算出装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0078】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明したような処理又は処理方法を実行するためのプログラムを格納した記録媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0079】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0080】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0081】
また、保管料算出装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、保管料算出装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0082】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。