特許第6824031号(P6824031)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6824031
(24)【登録日】2021年1月14日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/532 20060101AFI20210121BHJP
   A61F 13/496 20060101ALI20210121BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20210121BHJP
【FI】
   A61F13/532 200
   A61F13/496
   A61F13/53 200
【請求項の数】7
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-253925(P2016-253925)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2018-102716(P2018-102716A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝田 浩美
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 陽一
(72)【発明者】
【氏名】横松 弘行
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−264077(JP,A)
【文献】 特開2006−167424(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/072675(WO,A1)
【文献】 特開2016−013191(JP,A)
【文献】 特開2013−255563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15−13/84
A61L 15/16−15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面シート、裏面シート及びこれらの間に配された吸収性コアを有し、着用者の前後方向に相当する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する吸収性物品であって、
前記吸収性コアには、前記縦方向における前記吸収性物品の中央位置より後方に位置するコア後部に、前記縦方向及び前記横方向に分散した状態に複数の凹部が形成されており、
前記コア後部の前記横方向の中央部に、前記凹部を複数有する中央凹部領域が形成され、該中央凹部領域を挟む両側それぞれに、前記凹部を複数有する側方凹部領域が形成されており、
前記凹部の前記縦方向の長さを前記横方向の長さで除した値である縦横比は、前記側方凹部領域よりも前記中央凹部領域の方が1.0に近く、
前記凹部の面積は、前記側方凹部領域よりも前記中央凹部領域の方が大き
前記吸収性コアは、前記中央凹部領域より後方に、複数の凹部を有する後方凹部領域を有しており、
前記凹部の前記縦横比は、前記後方凹部領域よりも前記中央凹部領域の方が大きい、吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性コアは、中央幅狭部、並びに該中央幅狭部の前後に位置し前記横方向の長さが該中央幅狭部より長いコア前方部及びコア後方部を有しており、前記中央凹部領域及び前記側方凹部領域が、該コア後方部に形成されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記凹部の面積率は、前記側方凹部領域よりも前記中央凹部領域の方が大きい、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記凹部の前記縦横比は、前記中央凹部領域よりも前記側方凹部領域の方が大きい、請求項1〜の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記コア後部の後端側且つ横方向の両端における角部に、該角部に対向した状態に斜めに配向した前記凹部が形成されている、請求項1〜の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記凹部が、前記吸収性コアを貫通する貫通部であるか、又は他の部分に比して低坪量に形成されている、請求項1〜の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
成人用のパンツ型着用物品である、請求項1〜の何れか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつや生理用品に用いられる吸収体として、該吸収体の肌対向面にエンボス加工が施されたものや溝を有するものが知られている。
例えば特許文献1は、吸収体において股下領域の幅方向中央には、前記吸収体が内方向に凸に曲がることができるように中央曲部が形成され、前記股下領域の前記中央曲部に対する幅方向外側には、前記吸収体が前記外方向に凸に曲がることができるように第1曲部が形成され、前記股下領域の前記第1曲部に対する幅方向外側には、前記吸収体が前記内方向に凸に曲がることができるように第2曲部が形成されており、前記第1曲部に対する前記長手方向外側の前記吸収体には、前記吸収体の幅方向外側端部から前記幅方向内側に向かって凹んだ凹み部が形成されており、前記第2曲部は、前記凹み部の前記幅方向における内側端部よりも、幅方向外側に配置されていることを特徴とする使い捨て着用物品が記載されている。
【0003】
また特許文献2には、透液性表面シートと、裏面シートとの間に吸収体が介在され、前記透液性表面シート面側に、左右対で略長手方向に沿う縦方向エンボス溝が形成された吸収性物品において、前記縦方向エンボス溝は、吸収性物品の後部側から前部側にかけて離間幅を狭める形状としたことを特徴とする吸収性物品が記載されている。
【0004】
また本出願人は、先に、多層からなる吸収体を有し、該吸収体は一又は複数の上層吸収体が下層吸収体の上に積層されて形成されており、一又は複数の前記上層吸収体は、多数の深い凹部により前記下層吸収体と接合一体化されており、前記下層吸収体には、多数の浅い凹部が形成されており、該浅い凹部は、平面視において前記上層吸収体の周縁の内側の領域にも形成されている吸収性物品を提案している(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−13524号公報
【特許文献2】特開2007−143699号公報
【特許文献3】特開2008−79746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1及び2に記載の吸収性物品は、臀部の割れ目に対応する部分及びその周辺においては吸収体(吸収性コア)の歪みが大きくなって、吸収体にシワが発生することで、体液の液流れを引き起こすことがあった。一方、吸収体における臀部の盛り上がり部分に対応する部分等が大きく変形すると、歪みが発生し、臀部へのフィット性が低下することがあった。
【0007】
また、特許文献3に記載の吸収性物品においても、着用時の吸収体(吸収性コア)の曲げに伴う歪みやシワの発生について改善の余地があった。
【0008】
本発明の課題は、上述した従来技術が有する解決課題を解決し得る吸収性物品を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、表面シート、裏面シート及びこれらの間に配された吸収性コアを有し、着用者の前後方向に相当する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する吸収性物品であって、前記吸収性コアには、前記縦方向における前記吸収性物品の中央位置より後方に位置するコア後部に、前記縦方向及び前記横方向に分散した状態に複数の凹部が形成されており、前記コア後部の前記横方向の中央部に、前記凹部を複数有する中央凹部領域が形成され、該中央凹部領域を挟む両側それぞれに、前記凹部を複数有する側方凹部領域が形成されており、前記凹部の前記縦方向の長さを前記横方向の長さで除した値である縦横比は、前記側方凹部領域よりも前記中央凹部領域の方が1.0に近く、前記凹部の面積は、前記側方凹部領域よりも前記中央凹部領域の方が大きい、吸収性物品を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば着用時の吸収性コアにおける歪み及びしわの発生を改善し、フィット性を向上させると共に、液流れの発生を抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの基本構成を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの、展開且つ伸長状態における肌対向面側を模式的に示す展開平面図である。
図3図3は、図2のI−I線断面を模式的に示す横断面図である。
図4図4は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつを模式的に示す分解斜視図である。
図5図5は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつが具備する好ましい吸収性コアの一例を示す模式平面図である。
図6図6(a)及び(b)は、中央凹部領域、側方凹部領域及び後方凹部領域における凹部のパターンを示す模式平面図である。
図7図7(a)は、コア後方部における中央凹部領域、側方凹部領域及び後方凹部領域の位置及び寸法を示す図である。図7(b)は、央凹部領域、側方凹部領域及び後方凹部領域に位置する各凹部の寸法を示す図である。
図8図8(a)〜(c)は、本発明における凹部の縦方向の断面図である。
図9図9は、図1に示すパンツ型使い捨ておむつの着用中における、吸収性コアの変形状態を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1図4には、本発明の吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつの一例であるおむつ1の基本構成が示されている。おむつ1は、着用者の前後方向に相当する縦方向X及び該縦方向Xに直交する横方向Yを有する。また、股下部B並びに該股下部Bの前後から縦方向Xに延出する腹側部A及び背側部Cを有し、液保持性を有する吸収体23(吸収性コア24)を股下部Bに具備する。股下部Bは、おむつ1の着用状態において着用者の股間部に配される部位であり、腹側部Aは、おむつ1の着用状態において股下部Bよりも着用者の腹側即ち縦方向Xの前側に配される部位であり、背側部Cは、おむつ1の着用状態において股下部Bよりも着用者の背側即ち縦方向Xの後側に配される部位である。
【0013】
おむつ1は、吸収体23を具備する吸収性本体2と、該吸収性本体2よりも着用者の身体から遠い側に配された外装体3とを備え、腹側部A及び背側部Cそれぞれにおける外装体3の縦方向Xに沿う両側縁部AS,CSどうしが、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されて、図1に示すように、一対のサイドシール部S,S、並びに着用者の胴が通されるウエスト開口部WH、及び着用者の下肢が通される一対のレッグ開口部LH,LHが形成されている。
【0014】
おむつ1は、図2に示すように、おむつ1を縦方向Xに二等分して横方向Yに延びる縦中心線CLxを基準として、着用状態において着用者の身体の前側(腹側)を覆う前身頃Fと、着用状態において着用者の身体の後側(背側)を覆う後身頃Rとに区分される。腹側部Aは前身頃Fの一部であり、背側部Cは後身頃Rの一部であり、股下部Bは前身頃Fと後身頃Rとに跨って存している。腹側部A及び背側部Cは、何れも縦方向Xにおいてサイドシール部Sと同位置にある部分であり、おむつ1の着用状態において着用者のウエスト部を含む胴周りに配される。股下部Bは、外装体3の縦方向Xに沿う両側縁部にレッグ開口部LH,LH形成用の凹欠部が形成されている領域である。
【0015】
吸収性本体2は、図2に示す如きおむつ1の展開且つ伸長状態において、平面視長方形形状をなし、腹側部Aから背側部Cにわたって縦方向Xに延在しており、その長手方向を展開且つ伸長状態におけるおむつ1の縦方向Xに一致させて、外装体3の横方向Yの中央部に配置され、接着剤により外装体3に接合されている。おむつ1の「展開且つ伸長状態」とは、おむつ1をサイドシール部Sで切り離して展開状態とし、その展開状態のおむつ1を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。
【0016】
おむつ1は、表面シート21、裏面シート22及びこれらの間に配された吸収体23を有している。より具体的には、吸収性本体2は、図3に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート21、非肌対向面を形成する液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の裏面シート22、及び両シート21,22間に介在配置された液保持性の吸収体23を具備しており、これらが接着剤等の公知の接合手段により一体化されて構成されている。
吸収体23は、液保持性の吸収性コア24と、該吸収性コア24を被覆するコアラップシート25とを含んで構成されており、吸収性コア24は、コアラップシート25に被覆された状態で、表面シート21と裏面シート22との間に配されている。吸収性コア24は、肌対向面側の表面及び非肌対向面の表面の全域がコアラップシート25に被覆されており、より詳細には、縦方向に沿う両側面を含めた吸収性コアの横断面の全周囲がコアラップシート25に被覆されている。吸収性コア24とコアラップシート25との間は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合されている。
【0017】
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収性コア)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌から遠い側である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、即ち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味し、吸収性物品が該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。
【0018】
吸収性コア24は、扁平な単層構造を有するもので、中央幅狭部240、並びに中央幅狭部240の前後に位置し横方向Yの長さが該中央幅狭部240より長いコア前方部241及びコア後方部242を有している。具体的には、おむつ1における吸収性コア24は、図2に示す如き平面視において砂時計状、即ち、横方向Yの長さが短い中央幅狭部240の縦方向Xの前端に中央幅狭部240よりも横方向Yの長さが長いコア前方部241が連接されていると共に、中央幅狭部240の縦方向Xの後端に中央幅狭部240よりも横方向Yの長さが長いコア後方部242が連接されている形状をなしている。図2に示すように、吸収性コア24の中央幅狭部240は股下部Bに位置している。コア前方部241とコア後方部242とは、縦方向Xの長さが同じではなく、コア後方部242の方が長い。
おむつ1における吸収性コア24は、図2に示す如きおむつ1の展開且つ伸長状態の平面視において、外装体3における腹側部Aの側縁部ASと背側部Cの側縁部CSとに挟まれた領域である、股下部Bに配されている。
【0019】
吸収性コア24の外面を被覆するコアラップシート25は、図2に示すように、吸収性コア24よりも縦方向Xの長さが長く、吸収性コア24の縦方向Xの前端24a及び後端24bそれぞれから縦方向Xの外方に延出し、股下部Bのみならず、腹側部A及び背側部Cにも配されている。コアラップシート25は、吸収性コア24の外面全体を被覆し得る大きさを有する1枚の連続したシートであっても良く、あるいは、吸収性コア24の肌対向面を被覆する1枚の肌側コアラップシートと、非肌対向面を被覆する1枚の非肌側コアラップシートとから構成されていても良い。
【0020】
表面シート21、裏面シート22並びに吸収体23を構成する吸収性コア24及びコアラップシート25としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート21としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、裏面シート22としては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。吸収性コア24は、吸収性材料を含むコア形成材料の堆積物である。吸収性材料としては、この種の吸収性コアの形成材料として通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、木材パルプ、親水化剤により処理された合繊繊維等の親水性繊維や吸水性ポリマー粒子が挙げられる。即ち、吸収性コア24は、親水性繊維の積繊体、あるいは該積繊体に吸水性ポリマー粒子を担持させたものであり得る。コアラップシート25としては、紙、不織布等の液透過性シートを用いることができる。
【0021】
図2及び図3に示すように、吸収性本体2の肌対向面における縦方向Xに沿う左右両側部には、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性のシート材から構成された一対の防漏カフ26,26が設けられている。各防漏カフ26の自由端部の近傍には糸状の防漏カフ形成用弾性部材27が1本以上伸長状態で配されている。防漏カフ26は、伸長状態で配された弾性部材27がおむつ1の着用時に収縮することによって少なくとも股下部Bで起立し、それによって尿等の排泄液の横方向Yの外方への流出を阻止する。
【0022】
外装体3は、図2に示す如き展開且つ伸長状態のおむつ1の外形を形作っており、外装体3の周縁は、その状態のおむつ1の輪郭線、即ち腹側部A、股下部B及び背側部Cそれぞれの輪郭線を形成している。外装体3は、図2に示すように、腹側部A及び背側部Cにおいては、縦方向Xよりも横方向Yの長さが長い矩形形状をなし、腹側部Aと背側部Cとの間に位置する股下部Bにおいては、外装体3の縦方向Xに沿う両側縁部即ち一対のレッグ縁部LS,LSが横方向Yの中央に向かって凸の円弧状に湾曲しており、図2に示す如き平面視において、縦方向Xの中央域が横方向Yの内方に向けて括れた砂時計状をなしている。
【0023】
外装体3は、図3に示すように、着用状態においておむつ1の外面即ち非肌対向面を形成する外層シート31と、外層シート31の肌対向面に対向配置された内層シート32との積層体を含んで構成されている。おむつ1の着用状態において、外層シート31は着用者の身体から遠い側に位置して、おむつ1の非肌対向面(外面)を形成し、内層シート32は着用者の身体に近い側に位置して、おむつ1の肌対向面(内面)を形成する。外層シート31と内層シート32とは、所定の部位において接着剤等の接合手段を介して互いに接合されている。外層シート31は、図4に示すように腹側部A及び背側部Cに、内層シート32の縦方向Xの端縁から延出する部分31Eを有し、その延出部31Eは、図2に示すように、内層シート32の肌対向面側に折り返され、吸収性本体2の縦方向Xの端部を被覆している。
【0024】
外装体3は、ウエスト開口部WHの開口縁部にウエストギャザーを形成するウエスト弾性部材33を備えている。即ち、腹側部A及び背側部Cそれぞれにおけるウエスト開口部WHの開口縁部及びその近傍には、1本又は複数本(本実施形態では複数本)のウエストギャザー形成用のウエスト弾性部材33が横方向Yの全長にわたって伸長状態で配されており、これによってウエスト開口部WHには、その全周にわたって実質的に連続した環状のウエストギャザーが形成されている。
さらに外装体3は、一対のレッグ開口部LH,LHそれぞれの開口縁部にレッグギャザーを形成するレッグ弾性部材として、後身頃Rに伸長状態で配された1本又は複数本(本実施形態では複数本)の後側レッグ弾性部材34を備えている。尚、おむつ1においては、前身頃Fにはレッグ弾性部材は配されていないが、前身頃Fに前側レッグ弾性部材が配されていても良く、その前側レッグ弾性部材は、後側レッグ弾性部材34と同様の配置形態とすることができる。
ウエスト弾性部材33及び後側レッグ弾性部材34は、それぞれ糸状又は帯状であり、外装体3を構成する外層シート31と内層シート32との間に接着剤により挟持固定されている。
【0025】
本実施形態においては、図4に示すように、内層シート32は1枚の連続したシートから構成されているのに対し、外層シート31は複数枚のシートが組み合わされて構成されており、腹側部Aを構成する腹側外層シート31Aと、背側部Cを構成する背側外層シート31Cと、両シート31A,31C間に位置して股下部Bを構成する股下外層シート31Bとを含んで構成されている。外層シート31を構成する各シート31A,31B,31Cは、それらの縦方向Xの端部どうしが重ね合わされ、その重ね合わせ部分において接着剤、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合され一体化されている。シート31A,31Cとシート31Bとの重ね合わせ部分においては、それぞれ、縦方向Xの中央に位置するシート31Bが吸収性本体2から相対的に近い側に位置し、シート31Bの縦方向Xの両端部の非肌対向面はシート31A,31Cで被覆されている。
【0026】
外装体3を構成するシート31(31A,31B,31C),32は、互いに同種のシートでも良く、あるいは異種のシートでも良く、後者の例として、伸縮性が互いに異なる形態が挙げられる。具体的には例えば、腹側外層シート31A及び背側外層シート31Cとしては、横方向Yに伸縮性を有する伸縮性シートを用い、外層シート31の残りの部分即ち股下外層シート31B及び内層シート32は、伸縮性を有していない非伸縮性シートを用いることができる。外装体3として使用可能な伸縮性シートとしては、例えば、弾性繊維層の両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されている伸縮性シートが挙げられ、弾性繊維層と伸長可能な繊維層との一体化の方法としては、例えば、両者を積層して水流交絡する方法、エアスルー等により繊維を交絡させる方法、ヒートエンボス、接着剤、超音波等によって接合させる方法が挙げられる。また、外装体3として使用可能な非伸縮性シートとしては、例えば、各種製法による不織布が挙げられ、具体的にはスパンボンド不織布、エアスルー不織布、ニードルパンチ不織布を例示できる。
【0027】
吸収性コア24は、縦方向Xにおける吸収性物品(おむつ1)の中央位置より後方に位置するコア後部24Bを有している。より具体的には、吸収性物品は縦方向Xに2等分し横方向Yに延びる縦中心線CLxよりも前方に位置するコア前部24Aと、後方に位置するコア後部24Bとを有している。前述のとおり、吸収性コア24は縦方向Xの前側から順に、コア前方部241、中央幅狭部240、コア後方部242を有しているところ、コア前部24Aはコア前方部241及び中央幅狭部240の縦方向Xにおける前端から縦中心線CLxまでの部分を含み、コア後部24Bは中央幅狭部240の縦方向Xにおける縦中心線CLxから後端までの部分及びコア後方部242を含む(図5参照)。吸収性コア24は、吸収性コア24の外形形状(輪郭線)は、吸収性コア24を横方向Yに2等分して縦方向Xに延びる横中心線CLyを基準として、一方側と他方側とで対称に形成されている。
【0028】
本実施形態のおむつ1におけるコア後部24Bは、前側から順に後方第1領域243及び後方第2領域244を含んで構成されている。より具体的には、コア後方部242が、後方第1領域243及び後方第2領域244を含んでいる。また後方第2領域244は、後方第1領域243の縦方向Xの後端に連接されている。後方第1領域243は、横方向Yの長さが、縦方向Xの前側から後側に向かって急激に増加しているのに対して、後方第2領域244は、横方向Yの長さが、縦方向Xの前側から後側に向かって略一定であるか、縦方向Xの単位長さ当たりの横方向Yの長さの増加量が、後方第1領域243に比して顕著に小さい。
【0029】
コア後部24B及びコア後方部242は、横方向Yの中央部が、着用者の臀部の割れ目(臀裂)に位置するように形成されている。より具体的には、コア後方部242の後方第1領域243、特に後方第1領域243の後端側の部分は、着用者の臀部の割れ目の前端寄りの部分にあり、後方第2領域244は、臀部の割れ目の前端寄りの部分から所定距離離間した後方の位置にある。後方第1領域243の縦方向Xに沿う両側縁は、それぞれ図5に示す如き平面視において、中央幅狭部240と後方第1領域243(コア後方部242)との境界から、横方向Yの外方且つ縦方向Xの後方に向かって斜めに延びている。一方、後方第2領域244は、図5に示すように、その縦方向Xに沿う両側縁は、縦方向Xに平行である。
【0030】
コア後部24Bは、横方向Yにおける中央に位置する中央部50と、該中央部50を挟む両側それぞれに位置する側部51,51とを有している。より具体的には、吸収性コア24は、コア後部24Bを、吸収性物品の縦方向Xに延びる互いに平行な2直線であって且つ該コア後部24Bの横方向Yの最大長さ(最大幅ともいう)を3等分する2直線で区分したとき、その中央に位置する中央部50とその両側の側部51,51とを有している。
【0031】
図5に示すように、吸収性コア24のコア後部24B、より具体的にはコア後方部242には、縦方向X及び横方向Yに分散した状態に複数の凹部4が形成されている。
また、コア後部24Bの横方向Yの中央部50に、凹部4を複数有する中央凹部領域55が形成され、該中央部50を挟む両側それぞれに、凹部4を複数有する側方凹部領域56が形成されている。
ここで、中央部50には凹部4Aが複数形成されているが、図6(a)及び(b)に示すように、これら凹部4Aのうち、中央部50において最も外方に位置する凹部4Aの外縁を結んだ線で囲まれる領域を、中央凹部領域55とする。また、中央凹部領域55を挟む両側それぞれには凹部4Bが形成され、具体的には側部51,51に凹部4Bが複数形成されているが、図6(a)及び(b)に示すように、これら凹部4Bのうち、側部51,51の周辺において最も外方に位置する凹部4Bの外縁を結んだ線で囲まれる領域を、側方凹部領域56とする。中央凹部領域55に位置する凹部を凹部4A、側方凹部領域56に位置する凹部を凹部4Bともいう。なお、後述する後方凹部領域57における凹部を凹部4C、及び角部58における凹部を凹部4Dともいう。これら凹部4A、4B4C及び4Dを総称して、凹部4ともいう。
【0032】
また、凹部4の縦方向Xの長さを横方向Yの長さで除した値である縦横比(縦幅/横幅)は、側方凹部領域56よりも中央凹部領域55の方が1.0に近い。吸収体23を変形しやすくするよう、一般的に吸収性コアに凹部が設けられている。しかし、吸収性コア24の臀部の割れ目に当接する部分に凹部を設けたとしても、凹部を屈曲部として吸収性コアが大きく屈曲すると、該凹部の周辺において大きい歪みが発生することがあった。特に吸収性コアを屈曲する屈曲方向及びこれに直交する直交方向において、凹部の屈曲方向における幅が長いと、直交方向の両側で歪みが発生しやすい。さらに、臀部の割れ目に当接する部分のように屈曲方向が複数あって、凹部に屈曲点が複数発生する場合、凹部の直交方向における両側で発生する歪みが、屈曲方向の増加に伴い増大する傾向にある。また、コア後部24Bにおける側部51,51は、臀部の盛り上がり部分が当接する部分であり、該部分は中央部50ほど大きな屈曲を要しない部分であるが、中央部50の屈曲に追従して側部51も大きく屈曲し過ぎることで、歪が発生することがある。
【0033】
一方、本発明の吸収性物品は、凹部4の縦横比(縦幅/横幅)を、側方凹部領域56よりも中央凹部領域55の方を1.0に近くすることにより、凹部4の直交方向の両側における歪みの発生を抑制することができる。即ち凹部4における屈曲方向の幅と直交方向の幅との差を小さくすることで、縦方向の両側及び横方向の両側に発生する屈曲点を一ヶ所に集中させることができ、歪みの発生を抑えることができる。また、本発明の吸収性物品は、凹部4の縦横比を、中央凹部領域55よりも側方凹部領域56の方を1.0よりも大きくする、即ち凹部4の屈曲方向の幅を短く、且つ直交方向の幅を長くすることにより、コア後部24Bの側部51における歪みの発生を抑制すると共に、臀部の盛り上がり部分に応じた小さい屈曲を実現することができる。ここで、側方凹部領域56における臀部の盛り上がり部分に応じた屈曲方向はコア後部24Bの横方向Yであり、直交方向は縦方向Xである。
【0034】
上記の効果をより確実に奏させるため、中央凹部領域55の凹部4Aの縦横比(縦幅L4A/横幅W4A)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.7以上であり、また好ましくは2.0以下、より好ましくは1.3以下であり、また好ましくは0.5以上2.0以下、より好ましくは0.7以上1.3以下である。
また、側方凹部領域56の凹部4Bの縦横比(縦幅L4B/横幅W4B)は、好ましくは1.3以上、より好ましくは2.0以上であり、また好ましくは20以下、より好ましくは10以下であり、また好ましくは1.3以上20以下、より好ましくは2.0以上10以下である。
【0035】
また、凹部4の面積は、側方凹部領域56よりも中央凹部領域55の方が大きい。凹部の直交方向における両側で発生する歪みは、凹部4自体ではなく、凹部4の周辺部分で発生しやすい。また、前述したように、コア後部24Bの中央部50は大きな屈曲が発生する傾向にある。そこで、本発明の吸収性物品は、凹部4の面積を、側方凹部領域56よりも中央凹部領域55の方を大きくすることにより、中央凹部領域55における歪みが発生する部分(面積)を減らし、歪みの発生を抑えることができる。さらに、側部51,51は中央部50ほど大きな屈曲は発生しない傾向にあるため、側方凹部領域56の凹部4Bの面積を中央凹部領域55よりも小さくすることで、臀部の盛り上がり部分に応じた屈曲を実現できる。
本発明の吸収性物品は、上記のようにコア後部24Bを臀部の割れ目及び盛り上がり部分の形状に合わせて変形させることで、着用時の吸収性コア24における歪み及びしわの発生を改善してフィット性を向上させると共に、歪み及びしわによる液流れの発生を抑制し得る。
【0036】
上記の効果をより確実に奏させるため、中央凹部領域55に位置する各凹部4Aの合計面積S4Aは、好ましくは500mm以上、より好ましくは1000mm以上であり、また好ましくは8000mm以下、より好ましくは5000mm以下であり、また好ましくは500mm以上8000mm以下、より好ましくは1000mm以上5000mm以下である。
また、側方凹部領域56に位置する各凹部4Bの合計面積S4Bは、好ましくは100mm以上、より好ましくは200mm以上であり、また好ましくは1000mm以下、より好ましくは600mm以下であり、また好ましくは100mm以上1000mm以下、より好ましくは200mm以上600mm以下である。
【0037】
コア後部24Bの中央部50における歪の発生をより抑制する観点から、図7(a)に示す中央凹部領域55の凹部4Aは以下の範囲にあることが好ましい。
凹部4Aの横方向Yにおける幅W4A(以下、横幅W4Aともいう)は、好ましくは2mm以上、より好ましくは4mm以上であり、また好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下であり、また好ましくは2mm以上20mm以下、より好ましくは4mm以上15mm以下である。
中央凹部領域55に位置する凹部4Aの縦方向Xにおける幅L4A(以下、縦幅L4Aともいう)は、好ましくは2mm以上、より好ましくは4mm以上であり、また好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下であり、また好ましくは2mm以上20mm以下、より好ましくは4mm以上15mm以下である。
【0038】
中央凹部領域55に位置する各凹部4Aの面積Saは、好ましくは4mm以上、より好ましくは10mm以上であり、また好ましくは400mm以下、より好ましくは250mm以下であり、また好ましくは4mm以上400mm以下、より好ましくは10mm以上250mm以下である。
【0039】
中央凹部領域55に位置する凹部4Aの横方向Yにおける幅W4Aは、中央凹部領域55の横方向Yにおける幅W1に対し、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは35%以下、より好ましくは25%以下であり、また好ましくは5%以上35%以下、より好ましくは10%以上25%以下である。なお、中央凹部領域55の横方向Yにおける幅W1は、吸収性コア24の縦方向Xにおける中央凹部領域55の凹部4Aを有する位置での幅とする。
【0040】
中央凹部領域55に位置する凹部4Aの縦方向Xにおける幅L4Aは、中央凹部領域55の縦方向Xにおける幅L1に対し、好ましくは2%以上、より好ましくは5%以上であり、また好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下であり、また好ましくは2%以上15%以下、より好ましくは5%以上10%以下である。
凹部4Aの面積Saは、中央凹部領域55の面積S1に対し、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.5%以上であり、また好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下であり、また好ましくは0.1%以上5%以下、より好ましくは0.5%以上3%以下である。中央凹部領域55の寸法及び面積については後述する。
【0041】
コア後部24Bにおける中央部50を臀部の形状に沿ってより容易に変形させる観点から、中央凹部領域55に位置する凹部4Aの数は、好ましくは6個以上、より好ましくは8個以上であり、また好ましくは100個以下、より好ましくは80個以下であり、また好ましくは6個以上100個以下、より好ましくは8個以上80個以下である。
【0042】
着用時に中央部50の変形をより容易にする観点から、中央凹部領域55の凹部4Aの面積率、即ち中央凹部領域55の面積S1に対する各凹部4Aの合計面積S4Aの割合は、好ましくは15%以上、より好ましくは25%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは35%以下であり、また好ましくは15%以上50%以下、より好ましくは25%以上35%以下である。
【0043】
中央凹部領域55に位置する各凹部4Aは、縦方向X及び横方向Yに分散した状態、即ち凹部4Aどうしが縦方向X及び横方向Yに間隔L10をあけて配置されている。中央部50における変形をより容易にする観点から、隣り合う凹部4A間の間隔L10は、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは7mm以下であり、また好ましくは1mm以上10mm以下、より好ましくは2mm以上7mm以下である。なお、凹部4Aどうしの間隔L10は、隣り合う凹部4A間の最短距離である。各間隔L10は同じであってもよく、それぞれ異なっていてもよい。
【0044】
側部51,51における臀部の盛り上がり部分に応じた屈曲をより容易にする観点から、側方凹部領域56の凹部4Bの寸法及び面積は以下の範囲にあることが好ましい。
側方凹部領域に位置する凹部4Bの横方向Yにおける幅W4B(以下、横幅W4Bともいう)は、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上であり、また好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下であり、また好ましくは1mm以上15mm以下、より好ましくは2mm以上10mm以下である。
【0045】
側方凹部領域56に位置する凹部4Bの縦方向Xにおける幅L4B(以下、縦幅L4Bともいう)は、好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下であり、また好ましくは2mm以上20mm以下、より好ましくは5mm以上15mm以下である。
【0046】
側方凹部領域56に位置する凹部4Bの面積Sbは、好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは200mm以下、より好ましくは100mm以下であり、また好ましくは2mm以上200mm以下、より好ましくは5mm以上100mm以下である。
【0047】
側方凹部領域56に位置する凹部4Bの横方向Yにおける幅W4Bは、側方凹部領域56の横方向Yにおける幅W2に対し、好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上であり、また好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下であり、また好ましくは1%以上20%以下、より好ましくは3%以上15%以下である。なお、側方凹部領域56の横方向Yにおける幅W2は、吸収性コア24の縦方向Xにおける側方凹部領域56の凹部4Bを有する位置での幅とする。
【0048】
側方凹部領域56に位置する凹部4Bの縦方向Xにおける幅L4Bは、側方凹部領域56の縦方向Xにおける幅L1に対し、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上であり、また好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下であり、また好ましくは3%以上20%以下、より好ましくは5%以上15%以下である。
【0049】
凹部4Bの面積Sbは、側方凹部領域56の面積S2に対し、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上であり、また好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下であり、また好ましくは0.05%以上3%以下、より好ましくは0.1%以上2%以下である。側方凹部領域56の寸法及び面積については後述する。
【0050】
コア後部24Bの側部51におけるヨレの発生をより抑制する観点から、側方凹部領域56に位置する凹部4Bの数は、好ましくは6個以上、より好ましくは8個以上であり、また好ましくは100個以下、より好ましくは60個以下であり、また好ましくは6個以上100個以下、より好ましくは8個以上60個以下である。
【0051】
側方凹部領域56の凹部4Bの面積率、即ち側方凹部領域56の面積S2に対する各凹部4Bの合計面積S4Bの割合は、好ましくは4%以上、より好ましくは7%以上であり、また好ましくは20%以下、より好ましくは16%以下であり、また好ましくは4%以上20%以下、より好ましくは7%以上16%以下である。
【0052】
着用時、コア後部24Bの側部51におけるヨレの発生をより抑制する観点から、側方凹部領域56に位置する凹部4Bは、中央凹部領域55に位置する各凹部4Aと同様に、隣り合う凹部4Bどうしが縦方向X及び横方向Yに間隔L11をあけて配置されている。隣り合う凹部4B間の間隔L11は、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは7mm以下であり、また好ましくは1mm以上10mm以下、より好ましくは2mm以上7mm以下である。なお、凹部4Bどうしの間隔L11は、隣り合う凹部4B間の最短距離である。各間隔L11は同じであってもよく、それぞれ異なっていてもよい。
【0053】
コア後部24Bにおける歪の発生をより抑制する観点から、凹部4の縦横比は、中央凹部領域55よりも側方凹部領域56の方が大きいことが好ましい。中央凹部領域55の凹部4Aの縦横比に対する、側方凹部領域56の凹部4Bの縦横比は、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2倍以上であり、また好ましくは20倍以下、より好ましくは10倍以下であり、また好ましくは1.5倍以上20倍以下、より好ましくは2倍以上10倍以下である。
【0054】
同様の観点から、中央凹部領域55の凹部4Aの面積Saに対する、側方凹部領域56の凹部4Bの面積Sbは、好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上であり、また好ましくは40倍以下、より好ましくは25倍以下であり、また好ましくは2倍以上40倍以下、より好ましくは3倍以上25倍以下である。
【0055】
中央凹部領域55は臀部の割れ目に当接する位置にあることが好ましい。より具体的には、図7(a)に示す中央凹部領域55のコア後部24Bにおける位置が以下の範囲であることが好ましい。
中央凹部領域55の前端F1と、縦中心線CLxとの縦方向Xにおける距離P1が、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上であり、また好ましくは100mm以下、より好ましくは80mm以下であり、また好ましくは20mm以上100mm以下、より好ましくは30mm以上80mm以下である。
【0056】
中央凹部領域55の後端B1と、コア後部24Bの後端24bとの縦方向Xにおける距離P2は、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上であり、また好ましくは80mm以下、より好ましくは60mm以下であり、また好ましくは20mm以上80mm以下、より好ましくは30mm以上60mm以下である。
【0057】
中央凹部領域55は、図7(a)に示すように、コア後部24Bの一方の側端Tと、該側端T側に位置する中央凹部領域55の側端T1との横方向Yにおける最短距離P3が、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上であり、また好ましくは100mm以下、より好ましくは80mm以下であり、また好ましくは20mm以上100mm以下、より好ましくは30mm以上80mm以下である。なお、中央凹部領域55は、横方向Yの両側のそれぞれの距離P3が、上記の範囲となるようコア後部24Bに位置していることが好ましい。
【0058】
中央凹部領域55は、少なくともその一部がコア後部24Bの中央部50に位置しており、好ましくはコア後部24Bの横方向Yにおける最大幅を互いに平行な2直線で3等分したときの中央の区分に位置している。また、中央凹部領域55の一部がコア後部24Bの中央部50からはみ出して、側部51,51に存在していてもよい。
【0059】
また、中央凹部領域55を臀部の割れ目部分により確実に当接させるため、図7(a)に示す中央凹部領域55の寸法が以下の範囲であることが好ましい。
中央凹部領域55の横方向Yにおける幅W1は好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上であり、また好ましくは80mm以下、より好ましくは60mm以下であり、また好ましくは20mm以上80mm以下、より好ましくは30mm以上60mm以下である。
【0060】
中央凹部領域55の横方向Yにおける幅W1は、コア後部24Bの横方向Yにおける幅Wに対し、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下であり、また好ましくは20%以上70%以下、より好ましくは30%以上50%以下である。なお、コア後部24Bの横方向Yにおける幅Wは、コア後部24Bの縦方向Xにおける中央凹部領域55を有する位置での幅とする。
【0061】
中央凹部領域55の縦方向Xにおける幅L1は、好ましくは70mm以上、より好ましくは80mm以上であり、また好ましくは180mm以下、より好ましくは150mm以下であり、また好ましくは70mm以上180mm以下、より好ましくは80mm以上150mm以下である。
【0062】
中央凹部領域55の縦方向Xにおける幅L1は、縦中心線CLxからコア後部24Bの後端24bまでの縦方向Xにおける幅Lに対し、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上であり、また好ましくは98%以下、より好ましくは90%以下であり、また好ましくは40%以上98%以下、より好ましくは50%以上90%以下である。
【0063】
着用時におけるコア後部24Bの中央部50の歪の発生をより抑制する観点から、中央凹部領域55の面積S1は、好ましくは1400mm以上、より好ましくは2400mm以上であり、また好ましくは15000mm以下、より好ましくは9000mm以下であり、また好ましくは1400mm以上15000mm以下、より好ましくは2400mm以上9000mm以下である。
同様の観点から、中央凹部領域55の面積S1は、コア後部24Bの面積SAに対し、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下であり、また好ましくは10%以上50%以下、より好ましくは20%以上40%以下である。
【0064】
臀部の割れ目に合わせて、コア後部24Bをより容易に変形させる観点から、中央凹部領域55は、縦方向Xに延在していることが好ましい。この効果をより確実に奏させるため、中央凹部領域55の縦方向Xにおける幅L1は、中央凹部領域55の横方向Yにおける幅W1に対し、好ましくは200%以上、より好ましくは250%以上であり、また好ましくは400%以下、より好ましくは300%以下であり、また好ましくは200%以上400%以下、より好ましくは250%以上300%以下である。
【0065】
側方凹部領域56は、中央部50即ち中央凹部領域55の横方向Yの両側それぞれに、中央凹部領域55を挟む形で形成される。側方凹部領域56は、臀部の盛り上がり部分に当接する位置にあることが好ましい。具体的には、側方凹部領域56のコア後部24Bにおける位置は以下の範囲であることが好ましい。
側方凹部領域56の前端F2と、縦中心線CLxとの縦方向Xにおける距離P4が、好ましくは25mm以上、より好ましくは35mm以上であり、また好ましくは110mm以下、より好ましくは90mm以下であり、また好ましくは25mm以上110mm以下、より好ましくは35mm以上90mm以下である。
【0066】
側方凹部領域56の後端B2と、コア後部24Bの後端24bとの縦方向Xにおける距離P5は、好ましくは20mm以上、より好ましくは30mm以上であり、また好ましくは80mm以下、より好ましくは60mm以下であり、また好ましくは20mm以上80mm以下、より好ましくは30mm以上60mm以下である。なお、コア後部24Bが後述する後方凹部領域57を有する場合、側方凹部領域56と後方凹部領域57とは、図6(a)に示すように、縦方向Xにおいて重なって配置されていてもよい。
【0067】
側方凹部領域56は、図7(a)に示すように、コア後部24Bの一方の側端Tと、該側端T側に位置する側方凹部領域56の側端T2との横方向Yにおける最短距離P6が、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下であり、また好ましくは3mm以上20mm以下、より好ましくは5mm以上15mm以下である。側方凹部領域56は、横方向Yの両側のそれぞれ距離P6が、上記の範囲となるようコア後部24Bに位置していることが好ましい。
【0068】
側方凹部領域56は、少なくともその一部がコア後部24の横方向Yの中央部50を挟む両側即ち側部51,51それぞれに位置していればよく、好ましくは側方凹部領域56の面積の半分以上、より好ましくは80%以上が側部51,51に位置している。また、側方凹部領域56は、好ましくは側方凹部領域56の一部、より好ましくは側方凹部領域56の面積S2の半分以上、さらに好ましくは該面積S2の80%以上が、コア後部24Bの横方向Yにおける最大幅を3等分にしたときの中央の区分を挟む両側の区分それぞれに位置している。
【0069】
側方凹部領域56における臀部の盛り上がり部分により容易に当接させるため、側方凹部領域56の寸法は以下の範囲であることが好ましい。
側方凹部領域56の横方向Yにおける幅W2は好ましくは15mm以上、より好ましくは25mm以上であり、また好ましくは75mm以下、より好ましくは65mm以下であり、また好ましくは15mm以上75mm以下、より好ましくは25mm以上65mm以下である。
【0070】
側方凹部領域56の横方向Yにおける幅W2は、コア後部24Bの横方向Yにおける幅Wに対し、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下であり、また好ましくは15%以上50%以下、より好ましくは20%以上30%以下である。なお、コア後部24Bの横方向Yにおける幅Wは、吸収性コア24の縦方向Xにおける側方凹部領域56を有する位置での幅とする。
【0071】
側方凹部領域56の縦方向Xにおける幅L2は、好ましくは65mm以上、より好ましくは75mm以上であり、また好ましくは175mm以下、より好ましくは145mm以下であり、また好ましくは65mm以上175mm以下、より好ましくは75mm以上145mm以下である。
【0072】
側方凹部領域56の縦方向Xにおける幅L2は、コア後部24Bの縦方向における長さLに対し、好ましくは35%以上、より好ましくは45%以上であり、また好ましくは95%以下、より好ましくは85%以下であり、また好ましくは35%以上95%以下、より好ましくは45%以上85%以下である。
【0073】
着用時、コア後部24Bの側部51にヨレが発生する場合があり、側部51のヨレの発生をより抑制する観点から、側方凹部領域56の面積S2は、好ましくは900mm以上、より好ましくは1900mm以上であり、また好ましくは13000mm以下、より好ましくは8000mm以下であり、また好ましくは900mm以上13000mm以下、より好ましくは1900mm以上8000mm以下である。
同様の観点から、側方凹部領域56の面積S2は、コア後部24Bの面積SAに対し、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下であり、また好ましくは25%以上45%以下、より好ましくは30%以上40%以下である。
【0074】
コア後部24Bの中央部50における歪の発生をより抑制し、コア後部24Bの側部51,51におけるフィット性をより向上させる観点から、凹部4の面積率は、側方凹部領域56よりも中央凹部領域55の方が大きいことが好ましい。この効果をより確実に奏させるため、中央凹部領域55の凹部の面積率は、側方凹部領域56の凹部の面積率に対して、好ましくは200%以上、より好ましくは400%以上であり、また好ましくは1000%以下、より好ましくは800%以下であり、また好ましくは200%以上1000%以下、より好ましくは400%以上800%以下である。
【0075】
本実施形態において、図5に示すように、中央凹部領域55には、縦方向Xに4個の凹部4Aが並んだ列が横方向Yに2列配されている。図6(a)に示すように、縦方向Xに2つの凹部4Aが並んだ列が横方向Yに3列配されている。このように、中央凹部領域55は、縦方向Xに並んだ複数の凹部4Aの列を横方向Yに複数有することが好ましく、各列の凹部4Aの数は同じでもよく、それぞれ異なっていてもよい。
中央凹部領域55は、横方向Yに並んだ複数の凹部4Aの列を縦方向Xに複数有していてもよく、各列の凹部4Aの数は同じでもよく、それぞれ異なっていてもよい。
また、中央凹部領域55は、横方向Yに並んだ凹部4Aの列を縦方向Xに複数有しており、且つ各列がそれぞれ異なる数の凹部4Aを有していてもよい。中央凹部領域55は、図6(b)に示すように、コア後部24Bの前端側から後端側にかけて位置する横方向Yに並ぶ凹部4Aの個数が異なっていてもよい。
さらに、図5及び図6(a)に示すように、中央凹部領域55における個々の凹部4Aは縦方向Xの位置が一致している。中央凹部領域55における個々の凹部4Aは縦方向Xの位置が一致していてもよく、それぞれ異なっていてもよい。
【0076】
本実施形態において、図5図6(a)及び(b)に示すように、側方凹部領域56には、縦方向Xに複数の凹部4Bが並んだ列が横方向Yに複数並んでいる。このように、側方凹部領域56は、縦方向Xに並んだ複数の凹部4Bの列を横方向Yに複数有することが好ましく、各列の凹部4Bの数は同じでもよく、それぞれ異なっていてもよい。
また、側方凹部領域56は、横方向Yに並んだ複数の凹部4Bの列を縦方向Xに複数有していてもよく、各列の凹部4Bの数は同じでもよく、それぞれ異なっていてもよい。
また、図5及び図6(a)に示すように、側方凹部領域56における個々の凹部4Bは縦方向Xの位置が一致している。一方、図6(b)に示すように、側方凹部領域56における個々の凹部4Bは縦方向Xの位置がそれぞれ異なる。側方凹部領域56における個々の凹部4Bは縦方向Xの位置が一致していてもよく、それぞれ異なっていてもよい。
【0077】
コア後部24Bは、中央凹部領域55より後方に、複数の凹部を有する後方凹部領域57を有していることが好ましい。より具体的には、図6(a)に示すように、後方凹部領域57は、縦方向Xにおいて中央凹部領域55の後方即ち吸収性コア24の後端24b側に位置し、横方向Yにおいて中央凹部領域55と重なっている。なお、中央凹部領域55及び側方凹部領域56と同様に、後方凹部領域57は、該領域の中心から最も外方に位置する凹部4、即ち各領域の縦方向X又は横方向Yにおいて最も外方に位置する各凹部4の外周部の一部及びこれらを結んだ線で囲まれた領域であり、最も外方に位置する各凹部4の外周部において、該外周部のうち縦方向X又は横方向Yにおいて最も外方に位置する外周部の一部どうしを結ぶ線で囲まれた領域である。後方凹部領域57を配置することで、臀部の背側寄りの部分は緩やかな曲面を有するため、該部分へのフィット性をより向上させ得る。
【0078】
上記の効果をより確実に奏させるため、凹部の縦横比は、後方凹部領域57よりも中央凹部領域55の方が大きいことが好ましい。後方凹部領域57の凹部4Cの縦横比に対する、中央凹部領域55の凹部4Aの縦横比は、好ましくは1.2倍以上、より好ましくは1.7倍以上であり、また好ましくは40倍以下、より好ましくは20倍以下であり、また好ましくは1.2倍以上40倍以下、より好ましくは1.7倍以上20倍以下である。
後方凹部領域57の凹部4Cの縦横比(縦幅L4C/横幅W4C)は、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上であり、また好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下であり、また好ましくは0.05以上0.8以下、より好ましくは0.1以上0.6以下である。
【0079】
また、上記の効果をより確実に奏させるため、後方凹部領域57は、図6(a)に示すように、横方向Yにおいて中央凹部領域55だけでなく、側方凹部領域56とも重なっていることが好ましい。
同様の観点から、図7(a)に示す後方凹部領域57の位置や寸法等、及び図7(b)に示す該領域に位置する凹部4Cの各寸法等は以下の範囲であることが好ましい。
【0080】
後方凹部領域57の前端F3と、縦中心線CLxとの縦方向Xにおける距離P7が、好ましくは80mm以上、より好ましくは90mm以上であり、また好ましくは170mm以下、より好ましくは150mm以下であり、また好ましくは80mm以上170mm以下、より好ましくは90mm以上150mm以下である。
後方凹部領域57の後端B3と、コア後部24Bの後端24bとの縦方向Xにおける距離P8が、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下であり、また好ましくは3mm以上15mm以下、より好ましくは5mm以上10mm以下である。
【0081】
後方凹部領域57は、図7(a)に示すように、コア後部24Bの一方の側端Tと、該側端T側に位置する後方凹部領域57の側端T3との横方向Yにおける最短距離P9が、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下であり、また好ましくは3mm以上20mm以下、より好ましくは5mm以上15mm以下である。なお、後方凹部領域57は横方向Yの両側のそれぞれの距離P9が、上記の範囲となるようコア後部24Bに位置していることが好ましい。
後方凹部領域57は、その一部が横方向Yにおいて中央凹部領域55と重なる位置に存在していればよく、図6(a)及び図7に示すように、好ましくは横方向Yにおいて中央凹部領域55及び側方凹部領域56と重なる位置に存在している。
【0082】
後方凹部領域57の横方向Yにおける幅W3は好ましくは30mm以上、より好ましくは50mm以上であり、また好ましくは210mm以下、より好ましくは150mm以下であり、また好ましくは30mm以上210mm以下、より好ましくは50mm以上150mm以下である。
【0083】
後方凹部領域57の横方向Yにおける幅W3は、コア後部24Bの横方向Yにおける幅Wに対し、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは70%以下であり、また好ましくは30%以上90%以下、より好ましくは50%以上70%以下である。なお、コア後部24Bの横方向Yにおける幅Wは、コア後部24Bの縦方向Xにおける中央凹部領域55を有する位置での幅とする。
【0084】
後方凹部領域57の縦方向Xにおける幅L3は、好ましくは10mm以上、より好ましくは20mm以上であり、また好ましくは50mm以下、より好ましくは30mm以下であり、また好ましくは10mm以上50mm以下、より好ましくは20mm以上30mm以下である。
後方凹部領域57の縦方向Xにおける幅L3は、コア後部24Bの縦方向における長さ、即ち縦中心線CLxから吸収性コア24の後端までの幅Lに対し、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは25%以下、より好ましくは15%以下であり、また好ましくは5%以上25%以下、より好ましくは10%以上15%以下である。
【0085】
後方凹部領域57の面積S3は、好ましくは300mm以上、より好ましくは1000mm以上であり、また好ましくは10000mm以下、より好ましくは4500mm以下であり、また好ましくは300mm以上10000mm以下、より好ましくは1000mm以上4500mm以下である。
後方凹部領域57の面積S3は、コア後部24Bの面積SAに対し、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは45%以下、より好ましくは30%以下であり、また好ましくは5%以上45%以下、より好ましくは10%以上30%以下である。
【0086】
後方凹部領域57には縦方向X及び横方向Yに分散した状態に複数の凹部4Cが形成されている。凹部4Cの横方向Yにおける幅W4Cは、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上であり、また好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下であり、また好ましくは5mm以上20mm以下、より好ましくは10mm以上15mm以下である。
【0087】
後方凹部領域57に位置する凹部4Cの横方向Yにおける幅W4Cは、後方凹部領域57の横方向Yにおける幅W3に対し、好ましくは2%以上、より好ましくは5%以上であり、また好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下であり、また好ましくは2%以上15%以下、より好ましくは5%以上10%以下である。なお後方凹部領域57の横方向Yにおける幅W3は、吸収性コア24の縦方向Xにおける後方凹部領域57の凹部4Cを有する位置での幅とする。
【0088】
後方凹部領域57に位置する凹部4Cの縦方向Xにおける長さL4Cは、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上であり、また好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下であり、また好ましくは1mm以上15mm以下、より好ましくは2mm以上10mm以下である。なお、凹部4Cの縦方向Xの長さL4Cは、上記の凹部4A及び4Bと同様に、一定であっても、一定でなくてもよい。
【0089】
後方凹部領域57に位置する凹部4Cの縦方向Xにおける長さL4Cは、後方凹部領域57の縦方向Xにおける幅L3に対し、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上であり、また好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下であり、また好ましくは1%以上10%以下、より好ましくは2%以上7%以下である。
【0090】
後方凹部領域57に位置する各凹部4Cの面積Scは、好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは200mm以下、より好ましくは100mm以下であり、また好ましくは2mm以上200mm以下、より好ましくは5mm以上100mm以下である。
凹部4Cの面積Scは、後方凹部領域57の面積S3に対し、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上であり、また好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下であり、また好ましくは0.05%以上3%以下、より好ましくは0.1%以上2%以下である。
【0091】
後方凹部領域57に位置する凹部4Cの数は、好ましくは5個以上、より好ましくは10個以上であり、また好ましくは50個以下、より好ましくは30個以下であり、また好ましくは5個以上50個以下、より好ましくは10個以上30個以下である。
【0092】
後方凹部領域57は、図5及び図6(a)に示すように、縦方向Xに複数の凹部4Cが並んだ列を横方向Yに複数有していることが好ましい。本実施形態において、図5及び図6(a)に示すように、後方凹部領域57には、縦方向Xに3つの凹部4Cが並んだ列が、横方向Yに4又は3列並んでいる。縦方向Xに複数の凹部4Cが並んだ列を横方向Yに複数有している場合、各列の凹部4Cの数は同じでもよく、それぞれ異なっていてもよい。
後方凹部領域57は、横方向Yに複数の凹部4Cが並んだ列を縦方向Xに複数有していることが好ましく、各列の凹部4Cの数は同じでもよく、それぞれ異なっていてもよい。
後方凹部領域57は、図6(b)に示すように、後方凹部領域57は、横方向Yに複数の凹部4Cが並んだ列を少なくとも1列以上有していることが好ましい。
【0093】
後方凹部領域57に位置する各凹部4Cの合計面積S4Cは、好ましくは80mm以上、より好ましくは150mm以上であり、また好ましくは800mm以下、より好ましくは500mm以下であり、また好ましくは80mm以上800mm以下、より好ましくは150mm以上500mm以下である。
後方凹部領域57における凹部4Cの面積率、即ち後方凹部領域57の面積S3に対する各凹部4Cの合計面積S4Cの割合は、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上であり、また好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは30%以上90%以下、より好ましくは50%以上80%以下である。
【0094】
後方凹部領域57に位置する各凹部4Cは、隣り合う凹部4Cどうしが縦方向X及び横方向Yに間隔L12をあけて配置されている。隣り合う凹部4C間の間隔L12は、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは7mm以下であり、また好ましくは1mm以上10mm以下、より好ましくは2mm以上7mm以下である。なお、凹部4Cどうしの間隔L12は、隣り合う凹部4C間の最短距離である。各間隔L12は同じであってもよく、それぞれ異なっていてもよい。
【0095】
後方凹部領域57の凹部の面積率は、中央凹部領域55の凹部の面積率に対して、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上であり、また好ましくは40%以下、より好ましくは20%以下であり、また好ましくは5%以上40%以下、より好ましくは10%以上20%以下である。
【0096】
本実施形態において、図6(b)に示すように、コア後部24Bの後端24b側且つ横方向Yの両端における角部58に、該角部58に対向した状態に斜めに配向した凹部4Dが形成されていることが好ましい。斯かる構成により、コア後部24Bの角部58を臀部の形状に合わせて屈曲させることができる。
角部58は、1つの凹部4Dを有していてもよく、複数の凹部4Dを有していてもよい。
角部58は、図6(b)に示すように、その一部が縦方向Xにおいて中央凹部領域55又は後方凹部領域57と重なる位置に存在していることが好ましい。また、角部58は、図6(b)に示すように、その一部が横方向Yにおいて中央凹部領域55又は側方凹部領域56と重なる位置に存在していることが好ましい。
【0097】
上記の中央凹部領域55、側方凹部領域56、後方凹部領域57及び角部58における各凹部4A,4B,4C、4Dは、図8(c)に示すように吸収性コア24を貫通する貫通部であるか、又は他の部分に比して低坪量であることが好ましい。斯かる構成により、コア後部24Bの変形をより容易とし、コア後部24Bがより柔らかくなる。
各凹部4A,4B,4C、4Dが他の部分に比して低坪量である場合、各凹部4A,4B,4C、4Dは、図8(a)又は(b)に示すように吸収性コア24の肌対向面側及び非肌対向面側のいずれか一方に開口した底部を有するが、該開口部分が吸収性コア24の形成材料からなる層で塞がれていてもよい。
【0098】
各凹部4A,4B,4Cが他の部分に比して低坪量である場合、各凹部4A,4B,4C、4Dの厚み方向における深さは、吸収性コア24の厚みに対し、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは98%以下であり、また好ましくは50%以上100%以下、より好ましくは70%以上98%以下である。なお、他の部分は、中央凹部領域55、側方凹部領域56及び後方凹部領域57における各凹部4A,4B,4C、4D以外の部分である。
【0099】
上記の効果をより確実に奏させるため、凹部4A,4B,4C、4Dの各坪量は、他の部分の坪量に対して、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下である。
凹部4A,4B,4Cの坪量は、好ましくは0g/m以上、より好ましくは10g/m以上であり、また好ましくは420g/m以下、より好ましくは300g/m以下であり、また好ましくは0g/m以上420g/m以下、より好ましくは10g/m以上300g/m以下である。
他の部分即ち凹部非形成部分の坪量は、好ましくは80g/m以上、より好ましくは90g/m以上であり、また好ましくは600g/m以下、より好ましくは500g/m以下であり、また好ましくは80g/m以上600g/m以下、より好ましくは90g/m以上500g/m以下である。
【0100】
上記の中央凹部領域55、側方凹部領域56、後方凹部領域57及び角部58おける各凹部4A,4B,4C、4Dの形状は特に制限されず、円形状の如き、平面視で方向性のない形状でも良く、矩形形状の如き、平面視で方向性のある形状でも良い。
【0101】
吸収性コア24は、臀部に当接する部分において肌対向面側に隆起している形状であることが好ましい。より具体的には、図9に示すように、吸収性コア24において、後方第1領域243、場合によってはこれに加えてさらに中央幅狭部240における後方第1領域243寄りの部分が、横中心線CLyを折曲線として非肌対向面を内側にして山折りに変形、即ち横方向Yに沿う断面視において逆V字状に変形して隆起部245が形成され、その隆起部245が着用者の臀裂にフィットすると共に、後方第2領域244が、着用者の臀部の曲面形状に沿うように、着用者の肌側に向けて凹の凹状に変形して臀部に密着する。このように吸収性コア24を変形させることにより、吸収性物品が着用者の股下の形状に沿って密着しやすくなり、フィット性をより向上させることができる。
吸収性コア24がこのように変形することによって、コア後部24Bの中央部50が大きく屈曲して、歪みが発生する。また、コア後部24Bの側部51,51も屈曲し過ぎて、歪みが発生する。この歪みが、吸収性コア24を臀部の形状に合わせて変形させることを阻害し得る。また、歪みにより発生したしわが液流れを引き起こす場合がある。しかし、上述した通り、本発明の吸収性物品即ちおむつ1は、中央凹部領域55及び側方凹部領域56の存在によって、吸収性コア24(コア後部24B)を臀部の割れ目及び盛り上がり部分の形状に合わせて変形させることができ、着用時の吸収性コアにおける歪み及びしわの発生を防止すると共に、液流れの発生を防止し得る。
【0102】
本発明の吸収性物品は、上記実施形態におけるパンツ型使い捨ておむつ(パンツ型着用物品)に限らず、展開型使い捨ておむつや尿取りパッドであってもよい。また、成人用に限らず、幼児用等であっても良い。
【符号の説明】
【0103】
1 パンツ型使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 吸収性本体
21 表面シート
22 裏面シート
23 吸収体
24 吸収性コア
24A コア前部
24B コア後部
240 中央幅狭部
241 コア前方部
242 コア後方部
243 後方第1領域
244 後方第2領域
245 隆起部
25 コアラップシート
3 外装体
31 外層シート
32 内層シート
4 凹部
4A 中央凹部領域に位置する凹部
4B 側方凹部領域に位置する凹部
4C 後方凹部領域に位置する凹部
50 中央部
51 側部
55 中央凹部領域
56 側方凹部領域
57 後方凹部領域
58 角部
A 腹側部
B 股下部
C 背側部
CLx 縦中心線
CLy 横中心線
S サイドシール部
X 縦方向
Y 横方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9