特許第6824095号(P6824095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6824095
(24)【登録日】2021年1月14日
(45)【発行日】2021年2月3日
(54)【発明の名称】マッサージ装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 19/00 20060101AFI20210121BHJP
【FI】
   A61H19/00
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-77560(P2017-77560)
(22)【出願日】2017年4月10日
(65)【公開番号】特開2018-175245(P2018-175245A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2019年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】512106517
【氏名又は名称】株式会社Rends
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡部 晴義
(72)【発明者】
【氏名】田中 幹弥
【審査官】 小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−110055(JP,A)
【文献】 米国特許第08734321(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0160840(US,A1)
【文献】 特開2010−001888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を中心にこの回転軸回りに回転自在に支持され、少なくともその一部が女性器に接することでこの女性器をマッサージする回転体と、
前記回転体が収納される中空な収納部、及び、前記回転体に前記回転軸回りの回転駆動力を付与する駆動部を有する装置本体と
を有するマッサージ装置であって、
前記駆動部は、前記収納部において前記回転軸に直交しつつ平坦な壁部を挟んで前記回転体と対向する位置に前記回転軸回りに回転駆動される第1の磁性部材を有し、
前記回転体は、前記収納部の前記壁部を挟んで前記第1の磁性部材と対向する位置に第2の磁性部材と、前記第2の磁性部材が設けられた軸部と、この軸部から前記回転軸に直交する方向に向かって突出する複数の羽根部と、を有し、
前記収納部は、前記回転体を回転可能に収納した使用状態において、前記回転軸と直交する方向に設けられて複数の前記羽根部の女性器への接触を可能とする開口部を有し、
前記回転体は、前記開口部を通して前記収納部から取出自在に設けられ、前記開口部から挿入されると前記第1の磁性部材と前記第2の磁性部材とが互いの磁力で引き合うことで前記使用状態とされることを特徴とするマッサージ装置。
【請求項2】
前記駆動部は、前記回転軸回りに回転自在に支持された駆動回転部とこの駆動回転部を前記回転軸回りに回転駆動させる回転駆動部とを有し、
前記第1の磁性部材は前記駆動回転部の前記回転軸を中心にして点対称となる位置に複数設けられ、
前記第2の磁性部材は前記収納部の前記壁部を挟んで複数の前記第1の磁性部材とそれぞれ対向する位置に複数設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記軸部には前記収納部の前記壁部に当接する位置に摩擦低減材が設けられていることを特徴とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
前記装置本体は水密性を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のマッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転軸回りに回転自在に支持された回転体と、この回転体に回転軸回りの回転駆動力を付与する駆動部を有する装置本体とを有するマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
女性器に当接させてこの女性器に継続的な刺激を付与するマッサージ装置は既知である。このようなマッサージ装置の中には、羽根をモーター等の駆動部で回転駆動し、この羽根を女性器に当接させてマッサージ効果を得るものも知られている(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
“スクイール2”,[online],[平成29年4月10日検索],インターネット<URL:https://www.e-nls.com/pict1-33720?c2=9999>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、羽根を回転させる形式の従来のマッサージ装置では、羽根から突出する回転軸部材を装置本体に設けられた貫通孔にはめ込み、この回転軸部材を駆動部が回転駆動する構成であったため、羽根を回転軸部材とともに装置本体から取り外して羽根を洗浄することは可能であったが、羽根を取り外した際に装置本体の駆動部がこの貫通孔から露出してしまう。
従って、装置本体を洗浄するとこの貫通孔から水などの洗浄液が内部に浸入してしまうため、装置本体を洗浄液に漬けて洗浄することは困難であった。また、流水等により装置本体を洗浄する場合でも、貫通孔から洗浄液が浸入しないように注意して洗浄する必要があった。
【0005】
そこで、この発明は、回転体及び装置本体の洗浄を簡易に行え、かつ、十分な洗浄を行うことの可能なマッサージ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するため、この発明は、回転軸を中心にこの回転軸回りに回転自在に支持され、少なくともその一部が人体に接することでこの人体をマッサージする回転体と、回転体が収納される中空な収納部、及び、回転体に回転軸回りの回転駆動力を付与する駆動部を有する装置本体とを有するマッサージ装置において、駆動部は、収納部の壁部を挟んで回転体と略対向する位置に回転軸回りに回転駆動される第1の磁性部材を有し、回転体は、収納部の壁部を挟んで第1の磁性部材と対向する位置に第2の磁性部材を有することを特徴とする。
【0007】
ここで、駆動部は、回転軸回りに回転自在に支持された駆動回転部とこの駆動回転部を回転軸回りに回転駆動させる回転駆動部とを有し、第1の磁性部材は駆動回転部の回転軸を中心にして点対称となる位置に複数設けられ、第2の磁性部材は収納部の壁部を挟んで複数の第1の磁性部材とそれぞれ略対向する位置に複数設けられているとよい。
【0008】
また、回転体は、第2の磁性部材が設けられた軸部と、この軸部から回転軸に直交する方向に向かって突出する複数の羽根部とを有するとよい。
【0009】
さらに、軸部には収納部の壁部に当接する位置に摩擦低減材が設けられているとよい。
【0010】
また、回転体は、第2の磁性部材が設けられた本体部と、この本体部から回転軸に沿った方向に向かって突出する突起部とを有するとよい。
【0011】
さらに、回転体は収納部から取出自在に設けられているとよい。
【0012】
そして、装置本体は水密性を有するとよい。
【発明の効果】
【0013】
このような本発明のマッサージ装置において、駆動部は、収納部の壁部を挟んで回転体と対向する位置に回転軸回りに回転駆動される第1の磁性部材を有し、回転体は、収納部の壁部を挟んで第1の磁性部材と略対向する位置に第2の磁性部材を有する。
【0014】
上記した構成なので、従来のマッサージ装置のように、回転体に回転軸部材を設けてこの回転軸部材をはめ込みための貫通孔を装置本体に設ける必要がなくなり、回転体を装置本体から容易に取り外すことができる。これにより、回転体及び装置本体の洗浄を簡易に行え、かつ、十分な洗浄を行うことができる。
【0015】
ここで、駆動部が、回転軸回りに回転自在に支持された駆動回転部とこの駆動回転部を回転軸回りに回転駆動させる回転駆動部とを有し、第1の磁性部材が駆動回転部の回転軸を中心にして点対称となる位置に複数設けられ、第2の磁性部材が収納部の壁部を挟んで複数の第1の磁性部材とそれぞれ略対向する位置に複数設けられている場合は、これら第1及び第2の磁性部材間の磁力を吸引力として用いることができ、収納部の壁部を隔てた状態でも回転体を確実に回転駆動させることができる。これにより、マッサージ装置としての機能を維持したまま、回転体及び装置本体の洗浄を簡易に行え、かつ、十分な洗浄を行うことができる。
【0016】
また、回転体が、第2の磁性部材が設けられた軸部と、この軸部から回転軸に直交する方向に向かって突出する複数の羽根部とを有する場合、この羽根部により十分なマッサージ効果が得られるとともに、羽根部に第2の磁性部材を設けずに済むことから、この羽根部に柔軟な部材を使用することが可能になる。これにより、マッサージ装置としての機能をさらに維持したまま、回転体及び装置本体の洗浄を簡易に行え、かつ、十分な洗浄を行うことができる。
【0017】
さらに、軸部の収納部の壁部に当接する位置に摩擦低減材が設けられている場合は、回転体の軸部が収納部の壁部に当接していてもこの回転体の回転に伴う抵抗を低減することができ、収納部の壁部を隔てた状態でも回転体を確実に回転駆動させることができる。これにより、マッサージ装置としての機能をさらに維持したまま、回転体及び装置本体の洗浄を簡易に行え、かつ、十分な洗浄を行うことができる。
【0018】
また、回転体が、第2の磁性部材が設けられた本体部と、この本体部から回転軸に沿った方向に向かって突出する突起部とを有する場合も、この突起部により十分なマッサージ効果が得られるとともに、突起部に第2の磁性部材を設けずに済むことから、この突起部に柔軟な部材を使用することが可能になる。これにより、マッサージ装置としての機能をさらに維持したまま、回転体及び装置本体の洗浄を簡易に行え、かつ、十分な洗浄を行うことができる。
【0019】
さらに、回転体が収納部から取出自在に設けられている場合は、この回転体を装置本体から取り出すことが可能となり、これにより、回転体及び装置本体の洗浄を簡易に行え、かつ、十分な洗浄を行うことができる。
【0020】
そして、装置本体が水密性を有する場合、装置本体を洗浄液等に浸漬して洗浄することができる。これにより、回転体及び装置本体の洗浄をより簡易に行え、かつ、さらに十分な洗浄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施例のマッサージ装置を示す平面図である。
図2】第1実施例のマッサージ装置の装置本体のうち、駆動部を取り出して示した斜視図である。
図3】第1実施例のマッサージ装置の駆動部及び回転体を示す分解図である。
図4】第1実施例のマッサージ装置から回転体を取り出した状態を示す斜視図である。
図5図1のA−A線矢視断面図である。
図6】第2実施例のマッサージ装置を示す正面図である。
図7】第2実施例のマッサージ装置の分解図である。
図8】第2実施例のマッサージ装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施例]
【0023】
図1は第1実施例のマッサージ装置を示す平面図、図2は第1実施例のマッサージ装置の装置本体のうち、駆動部を取り出して示した斜視図、図3は第1実施例のマッサージ装置の駆動部及び回転体を示す分解図、図4は第1実施例のマッサージ装置から回転体を取り出した状態を示す斜視図、図5図1のA−A線矢視断面図である。
【0024】
これら図1図5に示すように、本実施例のマッサージ装置1は、羽根部材2(回転体)と、この羽根部材2が収納される装置本体3とを有する。
【0025】
羽根部材2は、図3に最もよく示すように、円筒状の本体部4(軸部)とこの本体部4の周面から側方に突出する複数の羽根部5とを有する。本体部4は、例えば円筒状に形成されたシリコンゴム等の弾性部材で形成されている。羽根部5は同様にシリコンゴム等の弾性部材からなり、本体部4の弾性部材と一体に形成されている。なお、本体部4を、プラスチック等の硬質部材の外周をシリコンゴム等の弾性部材で覆って形成してもよい。
【0026】
本実施例のマッサージ装置1では、羽根部材2を上から見た状態で、羽根部5は本体部4の中心軸A(図3参照)回りに略90度の間隔を置いて4枚設けられている。
【0027】
本体部4には、図3における上面部において、本体部4の中心軸A回りに点対称となる位置に一対の孔4aが形成され、これら孔4aには略円筒状の永久磁石(第2の磁性部材)6がそれぞれはめ込まれている。また、本体部4の上面には、永久磁石6がはめ込まれた状態で円板状の摩擦低減シート7が貼付されている。
【0028】
摩擦低減シート7は、例えばフッ素樹脂を平板状に形成したものである。なお、フッ素樹脂以外の摩擦低減材から摩擦低減シート7を形成してもよい。
【0029】
装置本体3は、羽根部材2が収納される中空な内部筐体8(収納部)と、この内部筐体8の図2及び図3において上部に設けられた円板状のギア9(駆動回転部)と、このギア9を回転駆動するモーター10(回転駆動部)とを有する。
【0030】
内部筐体8は、図2図3及び図5に示すように、上から見た状態で円形の一部を切り欠いた形状に形成され、図5に示す断面においてコ字状に形成されることで、内部に羽根部材2を収納する収納空間Sを有する中空の形状に形成されている。この内部筐体8は、図2及び図5において左側部に扁平な長円形の開口部8aを有し、この開口部8aを通して羽根部材2が取出自在に設けられている。内部筐体8は、例えばプラスチック等の硬質部材から形成されている。
【0031】
この内部筐体8の図2及び図3において上部には、上部が開放された円形状のギア受け部材8bが突設され、ギア9はこのギア受け部材8bの中に回転可能に収納されている。ギア受け部材8bは、羽根部材2が内部筐体8の収納空間Sに収納された状態で、その中心軸が羽根部材2の本体部4の中心軸Aと一致するように形成されている。従って、ギア9は、羽根部材2の中心軸Aを回転軸として回転自在に支持されている。
【0032】
ギア9は、円板状に形成された本体部9aの上面の周縁部に四角錐状の歯部9bが多数突設されて形成されている。ギア9の本体部9aには、図3に示すように、内部筐体8の壁部8cを挟んで羽根部材2の永久磁石6に略対向する位置に、同様に一対の永久磁石(第1の磁性部材)11がはめ込まれている。従って、これら一対の永久磁石11は、ギア9の回転軸Bを中心として点対称となる位置に設けられている。
【0033】
なお、羽根部材2に設けられた永久磁石6とギア9に設けられた永久磁石11とは、内部筐体8の壁部8cを挟んで対向した際に、壁部8cに接する面の磁極が互いに異なるように配置されている。
【0034】
また、内部筐体8の図2及び図3において上部には、上部が開放された箱状のモーター支持部8dが突設され、モーター10は、その回転軸10aがギア9の上方に延びるように、このモーター支持部8dに支持されている。モーター10の回転軸10aの先端部には、ギア9の歯部9bに噛み合い可能なギア12が設けられており、これにより、モーター10の回転駆動力がギア12を介してギア9に伝達される。
【0035】
モーター10には、電源ケーブル13を介して駆動電力が供給され、これによりモーター10が回転駆動される。ここで、ギア9、モーター10及びギア12により本実施例の駆動部が構成されている。
【0036】
図5に示すように、内部筐体8の外側には、プラスチック等の硬質部材からなる外部筐体14が被せられ、これら内部筐体8及び外部筐体14の間に形成される中空空間内にギア9及びモーター10が収納されている。そして、外部筐体14の外側にはシリコンゴム等の弾性部材からなる外カバー15が形成され、この外カバー15はこれら内部筐体8及び外部筐体14との接合部を覆っている。これにより、内部筐体8の壁部8c内面が硬質部材とされたまま、装置本体3が水密性を有するように構成されている。
<第1実施例の動作及び効果>
【0037】
以上説明した本実施例のマッサージ装置1は、羽根部材2を装置本体3の内部筐体8に形成された収納空間S内に挿入すると、羽根部材2の永久磁石6とギア9の永久磁石11とが互いの磁力により引き合い、図5に示すように、ギア9の回転軸Bと羽根部材2の中心軸Aとが一致する位置で、羽根部材2が内部筐体8の収納空間S内に収納される。
【0038】
また、羽根部材2が内部筐体8内に収納されると、永久磁石6と永久磁石11との間の磁力により、摩擦低減シート7が内部筐体8の壁部8c内面に当接した状態で羽根部材2が内部筐体8内に支持される。従って、内部筐体8内に収納された状態で、羽根部材2はその本体部4の中心軸A(これはギア9の回転軸Bと一致している)回りに回転可能に支持されている。従って、羽根部材2の中心軸Aはこの羽根部材2の回転軸でもある。
【0039】
そして、この状態で、電源ケーブル13を介してモーター10に駆動電力を供給すると、モーター10の回転軸10aが回転駆動され、この回転駆動力がギア12を介してギア9に伝達され、このギア9が回転軸Bを中心に回転される。ギア9と羽根部材2とは磁力により互いに引き合っているので、ギア9が回転されるとこれに連れて羽根部材2も回転軸Aを中心に回転される。これにより、モーター10の回転駆動力が羽根部材2に伝達され、羽根部材2が内部筐体8内において回転される。
【0040】
この際、羽根部5を人体に当接していれば、羽根部材2が回転されることで羽根部5により人体に所定のマッサージを行うことができる。
【0041】
マッサージ装置1によるマッサージが終了したら、ユーザーが羽根部材2を内部筐体8から引き抜く力を加えると、羽根部材2とギア12とは磁力により引き合っているだけであり、加えて、摩擦低減シート7が内部筐体8の壁部8cの内面に当接しているので、図4に示すように、羽根部材2を装置本体3から容易に取り出すことができる。加えて、内部筐体8の壁部8c内面及び羽根部材2には大きな突起物もないので、内部筐体8の内部、及び羽根部材2を容易に洗浄することができる。
【0042】
以上説明したように、本実施例のマッサージ装置1において、羽根部材2に回転駆動力を付与する駆動部は、内部筐体8の壁部8cを挟んで羽根部材2と対向する位置に回転軸B回りに回転駆動される永久磁石11を有し、羽根部材2は、内部筐体8の壁部8cを挟んで永久磁石11と略対向する位置に永久磁石6を有しており、羽根部材2は永久磁石6、11の磁力により内部筐体8内に回転自在に支持されているので、従来のマッサージ装置のように、回転体に回転軸部材を設けてこの回転軸部材をはめ込みための貫通孔を装置本体に設ける必要がなくなり、羽根部材2を装置本体3から容易に取り外すことができる。これにより、羽根部材2及び装置本体3の洗浄を簡易に行え、かつ、十分な洗浄を行うことができる。
【0043】
ここで、駆動部が回転軸回りに回転自在に支持されたギア9とこのギア9を回転軸B回りに回転駆動させるモーター10とを有し、永久磁石11がギア9の回転軸Bを中心にして点対称となる位置に複数設けられ、永久磁石6が内部筐体8の壁部8cを挟んで複数の永久磁石11とそれぞれ略対向する位置に複数設けられているので、これら永久磁石6、11間の磁力を吸引力として用いることができ、内部筐体8の壁部8cを隔てた状態でも羽根部材2を確実に回転駆動させることができる。これにより、マッサージ装置1としての機能を維持したまま、羽根部材2及び装置本体3の洗浄を簡易に行え、かつ、十分な洗浄を行うことができる。
【0044】
また、羽根部材2が、永久磁石6が設けられた本体部4と、この本体部4から回転軸Aに直交する方向に向かって突出する複数の羽根部5とを有しているので、この羽根部5により十分なマッサージ効果が得られるとともに、羽根部5に永久磁石6を設けずに済むことから、この羽根部5に柔軟な部材を使用することが可能になる。これにより、マッサージ装置1としての機能をさらに維持したまま、羽根部材2及び装置本体3の洗浄を簡易に行え、かつ、十分な洗浄を行うことができる。
【0045】
さらに、本体部4の内部筐体8の壁部8cに当接する位置に摩擦低減シート7が設けられているので、羽根部材2の本体部4が内部筐体8の壁部8cに当接していてもこの羽根部材2の回転に伴う抵抗を低減することができ、内部筐体8の壁部8cを隔てた状態でも羽根部材2を確実に回転駆動させることができる。これにより、マッサージ装置1としての機能をさらに維持したまま、羽根部材2及び装置本体3の洗浄を簡易に行え、かつ、十分な洗浄を行うことができる。
【0046】
さらに、羽根部材2が内部筐体8から取出自在に設けられているので、羽根部材2及び装置本体3の洗浄を簡易に行え、かつ、十分な洗浄を行うことができる。
【0047】
そして、装置本体3が水密性を有するので、装置本体3を洗浄液等に浸漬して洗浄することができる。これにより、羽根部材2及び装置本体3の洗浄をより簡易に行え、かつ、さらに十分な洗浄を行うことができる。
[第2実施例]
【0048】
図6は第2実施例のマッサージ装置を示す正面図、図7は第2実施例のマッサージ装置の分解図、図8は第2実施例のマッサージ装置の縦断面図である。
【0049】
これら図6図8に示すように、本実施例のマッサージ装置20は、略円筒状のアタッチメント21(回転体)とこのアタッチメント21が収納される装置本体22とを有する。
【0050】
アタッチメント21は、図7及び図8に示すように、円板状のフレーム23(軸部)と、このフレーム23の図中下面に取り付けられたアタッチメント本体24とを有する。フレーム23及びアタッチメント本体24は、例えば熱可塑性エラストマー等の弾性部材からなる。なお、フレーム23をプラスチック等の硬質部材から形成してもよい。
【0051】
このアタッチメント本体24は、図8に最もよく示すように、フレーム23の外周にはめ込まれる外形円筒状のはめ込み部24aと、このはめ込み部24aから図中下方に延びる複数の突起部24bとを有する。
【0052】
突起部24bは略円棒状に形成され、はめ込み部24aの下部に多数植設されている。この突起部24bは、フレーム23の中心軸C(図7参照)回りに沿った方向に沿って延びている。
【0053】
フレーム23には、図7及び図8における下面において、フレーム23の中心軸C回りに点対称となる位置に、一対の略円筒状の永久磁石(第2の磁性部材)25が設けられている。
【0054】
装置本体22は、アタッチメント21が収納されるカップ26(収納部)と、このカップ26の図7及び図8において上部に設けられたローラー29(駆動回転部)と、このローラー29を回転駆動するモーター32(回転駆動部)とを有する。
【0055】
カップ26は、図6図8に示すように、下方が開口された略椀状に形成されることで、内部にアタッチメント21を収納する収納空間Sを有する中空の形状に形成されている。カップ26は、例えばシリコンゴム等の弾性部材から形成されている。
【0056】
カップ26の図中上部には内部筐体27が設けられている。この内部筐体27は、図7に最もよく示すように、略円筒状の内部筐体本体27aと、この本体27aの上部及び下部にそれぞれ形成されたフランジ部27b、27cとを有する。カップ26の上部には貫通孔26aが形成されているとともに、この貫通孔26aの周囲には、内部筐体27のフランジ部27cに対応する大きさに形成された円板状の取付部26bが形成されている。
【0057】
カップ26は、内部筐体27のフランジ部27cと円環板状に形成されたカップホルダー28とにより挟まれ、これらフランジ部27cとカップホルダー28とがネジ止めされることで、カップ26が内部筐体27とカップホルダー28とにより挟持、固定されている。
【0058】
また、内部筐体27のフランジ部27cが設けられた側の下部端面には壁部27dが設けられることでこの端面が塞がれている。この内部筐体27は、例えばプラスチック等の硬質部材からなる。
【0059】
ローラー29は、図7に最もよく示すように、略円筒状のローラー本体29aと、この本体29aの下部端面を塞いでなる壁部29bとを備える。ローラー本体29aは、図8に最もよく示すように、内部筐体27の本体27aの内面にほぼはまり込む大きさに形成されている。
【0060】
ローラー29は、アタッチメント21がカップ26の収納空間Sに収納された状態で、その中心軸がアタッチメント21のフレーム23の中心軸Cと一致するように配置されている。従って、ローラー29は、アタッチメント21の中心軸Cを回転軸として回転自在に支持されている。
【0061】
ローラー29の壁部29bには、図8に示すように、内部筐体27の壁部27dを挟んでアタッチメント21の永久磁石25に略対向する位置に、同様に一対の永久磁石(第1の磁性部材)30がはめ込まれている。従って、これら一対の永久磁石30は、ローラー29の回転軸D(図7参照)を中心として点対称となる位置に設けられている。
【0062】
なお、アタッチメント21に設けられた永久磁石25とローラー29に設けられた永久磁石30とは、内部筐体27の壁部27dを挟んで対向した際に、壁部27dに接する面の磁極が互いに異なるように配置されている。
【0063】
内部筐体27の図7及び図8において上部にはモーターフレーム31が設けられている。モーターフレーム31は、略円板状の本体31aと、この本体31aの下部に突設された略円筒状の挿入部31bとを有する。本体31aは内部筐体27の上部に形成されたフランジ部27bの内方にはまり込む寸法に形成されている。これら内部筐体27のフランジ部27bとモーターフレーム31の本体31aとがネジ止めされることで相互の位置関係が固定されている。
【0064】
モーターフレーム31の挿入部31bは、ローラー29の本体29aの内面にほぼはまり込む大きさに形成されている。そして、挿入部31bがローラー29の本体29a内に挿入された状態で、内部筐体27とモーターフレーム31とがネジ止めされている。これにより、ローラー29の本体29aが、内部筐体27の本体27aとモーターフレーム31の挿入部31bとに挟み込まれてその回転軸Dが略固定されている(図8参照)。
【0065】
モーターフレーム31の本体31aには、上部が開放された箱状の支持部31cが、挿入部31bの内方に形成されている。モーター32は、その回転軸32aが下方にくるように、この支持部31cに挿入されて固定されている。図8に示すように、ローラー29の壁部29bの中央部には貫通孔が形成され、モーター32の回転軸32aはこの貫通孔にはめ込まれている。これにより、モーター32の回転駆動力がローラー29に伝達される。
【0066】
モーター32には、図略の電源ケーブルを介して駆動電力が供給され、これによりモーター32が回転駆動される。ここで、モーター32及びローラー29により本実施例の駆動部が構成されている。
【0067】
カップ26の上部には、プラスチック等の硬質部材からなるアウターケース33が被せられている。
<第2実施例の動作及び効果>
【0068】
以上説明した本実施例のマッサージ装置20は、アタッチメント21を装置本体3のカップ26に形成された収納空間S内に挿入すると、アタッチメント21の永久磁石25とローラー29の永久磁石30とが互いの磁力により引き合い、図8に示すように、ローラー29の回転軸Dとアタッチメント21の中心軸Cとが一致する位置で、アタッチメント21がカップ26の収納空間S内に収納される。従って、アタッチメント21は、カップ26内に収納された状態で、中心軸C(これはローラー29の回転軸Dと一致している)回りに回転可能に支持されている。従って、アタッチメント21の中心軸Dはこのアタッチメント21の回転軸でもある。
【0069】
そして、この状態で、電源ケーブルを介してモーター32に駆動電力を供給すると、モーター32の回転軸32aが回転駆動され、この回転駆動力がローラー29に伝達され、このローラー29が回転軸Dを中心に回転される。ローラー29とアタッチメント21とは磁力により互いに引き合っているので、ローラー29が回転されるとこれに連れてアタッチメント21も回転軸Cを中心に回転される。これにより、モーター32の回転駆動力がアタッチメント21に伝達され、アタッチメント21がカップ26内において回転される。
【0070】
この際、アタッチメント21の本体24、特に突起部24bを人体に当接していれば、アタッチメント21が回転されることで突起部24bにより人体に所定のマッサージを行うことができる。
【0071】
マッサージ装置1によるマッサージが終了したら、ユーザーがアタッチメント21をカップ26から引き抜く力を加えると、アタッチメント21とローラー29とは磁力により引き合っているだけであるから、アタッチメント21を装置本体22から容易に取り出すことができる。加えて、カップ26の収納空間Sに面する側の内部筐体27の壁部27d、及びアタッチメント21のフレーム23の上面には大きな突起物もないので、カップ26の内部、及びアタッチメント21を容易に洗浄することができる。
【0072】
従って、本実施例のマッサージ装置20によっても、上述した第1実施例のマッサージ装置1と同様の効果を得ることができる。
【0073】
ここで、アタッチメント21が、永久磁石25が設けられたフレーム23と、このフレーム23から回転軸Cに沿った方向に向かって突出する突起部24bとを有するので、この突起部24bにより十分なマッサージ効果が得られるとともに、突起部24bに永久磁石25を設けずに済むことから、この突起部24bに柔軟な部材を使用することが可能になる。これにより、マッサージ装置1としての機能をさらに維持したまま、アタッチメント21及び装置本体22の洗浄を簡易に行え、かつ、十分な洗浄を行うことができる。
【0074】
(その他)
本発明のマッサージ装置は、その細部が上述の各実施例に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更が可能である。一例として、回転体の形状、構造は各実施例のそれ(羽根部材2、アタッチメント21)に限定されず、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0075】
1、20 マッサージ装置
2 羽根部材(回転体)
3、22 装置本体
4 本体部(軸部)
5 羽根部
6、25 永久磁石(第1の磁性部材)
7 摩擦低減シート(摩擦低減剤)
8 内部筐体(収納部)
9 ギア(駆動回転部)
10、32 モーター(回転駆動部)
11、30 永久磁石(第2の磁性部材)
21 アタッチメント(回転体)
24b 突起部
26 カップ(収納部)
29 ローラー(駆動回転部)
A、C 回転軸(中心軸)
B、D 回転軸
S 収納空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8